迷宮災厄戦②〜アリスと写し人形
●グリモアベースにて
「やぁこんばんは。さて『予兆』は知っているかな? そう、ついに戦争がはじまったよ」
グリモア猟兵アリステル・ブルーは、集まった猟兵たちに感謝を述べると、今回の作戦について説明を始めた。
「舞台はオウガ・オリジンが捕まっていた『迷宮のような図書館』の国だ。ここでは現在オウガの大軍団が他の世界から『アリス』を大量に召喚する儀式を行っているんだ。皆にお願いしたいのは、儀式を指示してる司令官の撃破だよ」
現地では、多数のオウガの大軍団とサバイバルに赴いている猟兵たちによる乱戦となっている。この混乱に乗じて司令官の撃破、つまり『暗殺』をこなしてほしいのだという。
「この作戦を成功させることで『アリス』が召喚されることを防げるだけではなく、サバイバルに参加してる猟兵たちの援護にも繋がるんだ。一石二鳥っていうんだっけ? そうそう、肝心のターゲットなんだけど、『写し人形』ラメントというオウガだよ」
ラメントは気に入ったアリスの魂を狩り取り、その姿を模した人形に詰め込んで操りアリスを襲わせ、無力な魂の慟哭を好むのだという。
自身の人形をでたらめに操って多重攻撃をしかけたり、ラメントに協力する人形を呼んだり、魂の壊れたアリスの幽霊を乗せた人形ケースを召喚したり……そのような戦法をとるようだ。
儀式が成功してしまえば、召喚された無力なアリスたちがどうなるのか……想像に難くない。
「オウガの大軍団については、サバイバル組に任せてほしい。彼らが大軍団を引きつけているうちに、君たちには図書館の迷宮に抜け司令官の速やかな撃破を任せたいんだ」
どうやら現地ではオウガの群れを潜り抜け、いかに素早く司令官に接近するか……そんな工夫が必要のようである。群れにかまっていては儀式が完了してしまうかもしれない、つまりは時間との勝負でもある。
「今回の戦争は、複数世界に影響を与えるかもしれない……。何から手をつければいいかわからない人もいると思う。でも、できることからひとつずつこなしていこう! そうすれば未来はきっと明るくなるから!」
言いながら、グリモア猟兵は手にしているグリモアの力を解放する。
「転送先は『迷宮のような図書館』。少しでも敵の数が少ない場所を選んだけれど、そこはもう戦場だ。皆どうか気をつけて、作戦の成功と無事を祈っている」
いつき
こんばんは、いつきです。
初戦争がいきなりハードル高くてドキドキしているのですが、できることからひとつずつこなしていきたいです。
今回は、ボス戦1章のみで構成される「戦争シナリオ」となります。
戦力=完結数のため、リプレイの早期完結を優先します。
そのため、OP公開後は断章の追加やプレイング送信期日などを設定しません。
気が向かれましたらすぐにプレイングを送信していただいて構いません。
執筆状況についてはマスターページでお知らせ致します。
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この「迷宮災厄戦②」は、今回の「戦争サバイバル」の舞台です。
この戦場でのシナリオ成功ひとつにつき🏅2万が加算されます。
※【Q】食べられちゃうアリスさんを助けちゃおう!」の成功により、加算される🏅が1万→2万に増加しています。
●目的
司令官であるボス『『写し人形』ラメント』の撃破。
●プレイングボーナス
オウガの群れを潜り抜け、司令官に素早く接近する。
以上です!
現地は迷路のような図書館となっています。
手段や方法は猟兵の皆様にお任せいたしますので、素敵なアイデアで戦場を潜り抜け、待ち受けるオウガの元へ辿り着いてください!
猟兵の皆様のご参加お待ちしております。
第1章 ボス戦
『『写し人形』ラメント』
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POW : ボクの人形は、こんな動きだってできるんだよ~
自身の【操り糸】が輝く間、【でたらめに操った自身の人形の奇抜な動き】の攻撃回数が9倍になる。ただし、味方を1回も攻撃しないと寿命が減る。
SPD : ボクのお気に入り、見せてあげるよ~
【アリスの魂の入った、操られるアリス人形】が現れ、協力してくれる。それは、自身からレベルの二乗m半径の範囲を移動できる。
WIZ : 嘆き果てた魂のコレクション達よ、いでよ~
【半壊したアリスを模した人形】で武装した【魂が壊れたアリス】の幽霊をレベル×5体乗せた【巨大人形ケース】を召喚する。
イラスト:蒼李
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「白峰・歌音」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
キーシクス・ジェンダート
悪趣味だなんだと散々言わせてもらったが…改めて本当に悪趣味だな、どいつもこいつも!
UC発動
進路を切り開くようにUCの「破魔」の弾幕で周囲の敵を攻撃。
まとめて貫通すれば、少しは数が減るだろ…!
「高速詠唱」「全力魔法」「衝撃波」を「呪殺弾」に込めて、ケースごと敵を「スナイパー」で撃ち抜く。人形という器から解放させるためにも、大元を断つ!
俺たち『アリス』がこの悪夢から抜け出すためにも、まずは目の前の敵からだな…
「悪趣味だなんだと散々言わせてもらったが……改めて本当に悪趣味だな、どいつもこいつも!」
キーシクス・ジェンダート(翡翠の魔人・f20914)はそう吐き捨てながら迷宮を駆けていた。
アリスラビリンスの敵はいつもそうだ。
アサイラムを経てこの世界に召喚されたアリスたちは、いつだって理不尽な目に合う。元の人格や人間性など無視されて、まるで玩具のように扱われ、壊されていく。
キーシクス自身も他の世界から召喚され――そして帰還を果たした――アリス適合者である。彼自身も度重なるオウガの襲撃により一部の記憶と力の大半を失っており、何度も足を運んだ『不思議の世界』でその理不尽さを実際に体験し、目にしてきたのだ。
緑の瞳はまっすぐに進路を捕らえている。
通路にひしめくのはオウガの群れ。あれを排除しなければ、この迷宮の奥にたどり着くことはできない。であれば。
「まとめて貫通すれば、少しは数が減るだろ……!」
進路を切り開くようにユーベルコード【ハウリング・イムベル】を放つ。破魔の力を乗せたそれは幾何学模様を描き、周囲の敵を幾多の翡翠色の光の帯で包囲する。
(翠の雨、導きの閃。虚空に響き、魔を貫け――!)
呪詛と貫通属性を宿したその光は、進路のオウガたちを貫き一掃する。
「今だ……!」
彼はそのまま速度を落とさず走り続け、やがて迷宮の奥へたどり着く。
待ち構えているのはオウガ『ラメント』だ。
「おや、猟兵かい。それもアリスの匂いがする」
ラメントはキーシクスをみてにやりと笑うと『コレクションよ来い』と、壊れたアリスを模した人形で武装した巨大な人形ケースを召喚する。
その上には多数の魂が壊れたアリスの幽霊の姿が見える。そのどれもが「どうして」「帰りたい」「やめて」と口々に呟いている。
キーシクスは緑の瞳で睨みつけ、魔術式を組み込んだスナイパーライフルを構えた。
「人形という器から解放させるためにも、大元を断つ!」
そうすればきっと、あのアリスたちの魂は解放されるのだから。
キーシクスの唇は高速で魔法の詠唱を紡ぎ、彼の全力魔法が込められた呪殺弾が放たれる。
ラメントは咄嗟にケースを盾とするが、キーシクスの放った弾は衝撃波と共にケースごと敵を、ラメントを撃ち抜いた。
「俺たち『アリス』がこの悪夢から抜け出すためにも、まずは目の前の敵からだな……」
砕け散った人形ケースを目に、キーシクスはもう一度ライフルを構えた。
大成功
🔵🔵🔵
アラン・スミシー
さあ戦場を駆けるは一匹の白馬。
…不満かい?
まあそう言いなさんな、美しいお嬢さんの所へと連れて行ってやるさ。
戦場の猟兵の間を次々と跳躍して一気に迫るとしよう。アリスコレクション?それも猟兵の位置に合わせて動けば逃れるのも容易いさ。
コレクションとお嬢さんの距離を引き離したら、再び跳躍して彼女の元へ。
後ろからナイフで糸を切ってあげよう。どうだい、これで体を動かしやすくなったろう?
そんなに怒ることはないだろう?
君だって哀れな人形劇の一つにしか過ぎないんだからさ、主役も端役も劇が終われば退場するだけさ。(ショットガンの引き金を引いて)
悪いね、君と話す時間はなかったんだ。また今度お茶しよう。
オウガの群れと猟兵の一団が激突する戦場を、白馬が颯爽と駆け抜けていく。
「……不満かい? まあそう言いなさんな、美しいお嬢さんの所へと連れて行ってやるさ」
どこか不機嫌そうな光り輝く馬の背を撫でてやりながら、アラン・スミシー(パッセンジャー・f23395)はその手綱を巧みな手付きで操っていた。
彼のユーベルコード【白馬の王子様】の効果である。
呼び出された白馬は戦場も、迷宮もなんのその。怒号を上げ戦闘を繰り広げる猟兵たちの間を次々と跳躍し、司令官までの距離を一気に詰め、迫っていく。
最後に高く跳躍し、アランはこの場の司令官たるオウガの元へ辿り着く。
対峙するオウガ――ラメントは、
「キミは、そうかアリス適合者の猟兵か」
アランの姿を認めると、その目を三日月のように細めて笑う。
「せっかくだからボクのお気に入り、見せてあげるよ~」
ボクとおそろいなんだと楽しそうな声で呼び出すのは、アリスの魂の入った人形だ。
それは言葉通りラメントによく似た姿をしていた。
青い髪に整った顔立ち。薄く笑みを浮かべたその瞳は、絶望の色に染まっている。
ラメントの手元が動く度に、豪奢な黒いドレスを纏ったアリス人形はその意のままに動いた。
「それがアリスコレクションかい?」
アランに襲いかかってくる人形を目に呟くと、誘い出すように距離を取る。
なるべく遠くへ、逃げるかのように見せかけて。ある程度人形とラメントを引き離したら、再び白馬と共に彼女の元へ跳躍する。
その背後からナイフを差し込み、鮮やかな手付きで纏う糸をぷつりと切ってやる。
「どうだい、これで体を動かしやすくなったろう?」
支えを無くし崩れ落ちた姿と、何をするんだとばかりに怒るラメントの姿に、
「そんなに怒ることはないだろう?」
とアランは言葉を続ける。
「君だって哀れな人形劇の一つにしか過ぎないんだからさ、主役も端役も劇が終われば退場するだけさ」
この舞台の主役は、オウガ・オリジンだ。その肝心の主役も、囚われていた檻から抜け出し今は何処かへ姿を消した。舞台から主役が欠けてしまえば、その物語はもう続きを紡ぐことはできない。潔く終幕を迎えるべきである。
アランが手にしたのはショットガン。銃口は確かにラメントに向けられ、その引き金が引かれた。
「悪いね、君と話す時間はなかったんだ。また今度お茶しよう」
戦場に銃声の音が散った。
大成功
🔵🔵🔵
岩永・勘十郎
場所は戦争の中。敵味方が入り乱れ、混戦状態と化している。勘十郎はすぐさまUCを発動し透明に。そのまま高い本棚の上に飛び乗り【忍び足】や【早業】を駆使しながら先へと進んでいく。敵の進行方向を考え、ボスの位置を把握する。
「あれか」
と聞いていた敵を発見。ゆっくりと弓を引くと鋭い矢の攻撃を放つ。もちろん無音で透明。どこから攻撃されたかもわからないだろうし、場所を悟られないように曲射なども使用する事で敵のパニックを誘う。これなら他の猟兵たちも隙を突きやすくなるだろう。あくまで今回はアシストに徹するようだ。
「鴨狩りや鹿狩りと一緒だ。冷静さを欠いた獲物を狩るのは、そう難しい事じゃない」
と小さい声で呟いた。
飾宮・右近
これはこれは、お嬢様に良く似た方がいらっしゃるようで。
わたくしめの人形劇は楽しんでいただけますでしょうか。
突破:
UCにて魂のない人形を操作、囮にする。
逃亡させ、配下に追跡させる。
己は只の人形の振りをしてラメントに接近。
【SPD】
アリスの魂のないor抜けた人形を操作。
器が手元に無ければ、魂を入れる事はできないでしょう?
魂が無ければ皆さまはただの人形で御座いますし、
さぁ、お嬢様、お坊ちゃま、お力をお貸しいただけますか?
黒子人形を人形遣いとして囮として目立たせる、
周辺の残骸から【バラックスクラップ】を創り、
本体と操る人形で戦う。
ラメントへ本体より:
人形である我らが人を見て喜ぶなど本末転倒ではないか?
岩永・勘十郎(帝都の浪人剣士・f23816)がグリモアベースより転送された場所は戦争の真っ只中だった。現場はオウガと猟兵、敵味方が入り乱れまさに混戦状態と化していた。
勘十郎は、現状を確認するとすぐさまユーベルコードを発動しその身を透明へ変える。周囲を見回し利用できるものを確認、早業を駆使し積まれた本やはしご、空の棚等を足場として利用し一気に高い本棚の上に飛び移っていく。
周囲より一段と高いその位置からは、戦場がよく見えた。状況は変わらず、オウガと猟兵どちらが優勢とも劣勢ともつかぬ様子だ。
彼は冷静に眼下へ広がる戦場を観察する。
必要なのは、敵が『どこ』からやってきているかという情報だ。敵がやってくる先に、司令官はいるに違いないのだから。
オウガたちの進行方向や群れの数からあたりをつけた彼は、足音を殺し一気に本棚の上を駆け抜けていく。
「あれか」
熱狂と怒号の上がる戦場を抜け彼が目にしたのは、グリモアベースで聞いたとおりの敵だ。推測通りの方向にその身を置いていたらしい。
オウガ『ラメント』は先にたどり着いた複数の猟兵に囲まれているようで、敵と味方の位置と距離を確認すると、勘十郎は自身の存在に気づかれぬ位置で矢をつがえる。
呼吸を整えゆっくりと狙いを定め、弓を引き鋭い矢の攻撃を放つ。
放たれる矢はユーベルコード【老梟の弓術】の効果により透明となり、無音で空を切る。もう一度、今度は場所を悟られないように曲射を使用し矢を放つ。
ラメントは、おそらくどこから攻撃されたかもわからず狼狽えているのだろう、青い髪を振り乱している様子が、勘十郎の赤い瞳に映る。
(これならば)
他の猟兵たちも隙を突きやすくなるだろう。
勘十郎の狙いは、敵のパニックを誘うことであり、その目論見は見事に成功しているのが伺える。
「鴨狩りや鹿狩りと一緒だ。冷静さを欠いた獲物を狩るのは、そう難しい事じゃない」
と小さい声で呟いた。
彼は今回はアシストに徹するようだ。
そして手にするのは新たな矢。さらなる混乱を招くために、彼は矢をつがえ狙いを定める。
* * *
時は少し遡り。
「これはこれは、お嬢様に良く似た方がいらっしゃるようで。わたくしめの人形劇は楽しんでいただけますでしょうか」
戦場の彼方、『お嬢様』によく似た姿を見て飾宮・右近(主の人形・f23981)は小さく呟いた。
ユーベルコード【主の人形】を発動させ、白い仮面の人形遣いの周囲へ人形たちを呼び出すと、右近はそれいけとばかりに周囲へ放った。
囮となったそれにオウガの群れが食いついたのを見ると、右近は操る人形へ逃亡を指示する。
「ええ、これで良いでしょう」
手薄となった通路を見て、灰色の長い髪を翻し少女人形――右近は悠々と迷宮を歩み進めていった。そうこちらが彼女の、右近の本体だったのだ。
ラメントは、辿り着いた右近を認めると「人形遣いか」と小さく呟いた。
青い髪に整った顔立ち。悔しさの滲む瞳が向けられるのは、右近の黒子人形だ。どうやらうまくそちらが本体だと錯覚させられたようだった。黒子人形の足元で人形のふりをしながら右近はそっと様子を伺い、ラメントの周囲に散らばっている人形に目をつける。
「……器が手元に無ければ、魂を入れる事はできないでしょう?」
糸がぷっつりと切れたように崩れ落ちたそれらには、どうやら件のアリスの魂はもう囚われていないようだった。
「魂が無ければ皆さまはただの人形で御座いますし。さぁ、お嬢様、お坊ちゃま、お力をお貸しいただけますか?」
『人形遣い』にとってそれは格好の『得物』だった。大仰な仕草で黒子人形を操り、右近はユーベルコードを発動させる。
(我が導く、我が演じる。意思無き同胞達よ、喜劇を催せ。我は主たる人形なればこそ)
それらは右近の思い描くように、すっと立ち上がる。加えて、周辺に散らばった壊れた人形や人形ケースの残骸からバラックスクラップを創り、自身や『人形』たちにそれをもたせ、立ち向かわせる。
「待て、それはボクの人――」
人形を奪い返そうとするラメントを静止するのは、どこからか飛んできた『透明の何か』だ。
ラメントが悲鳴を上げると、すーっと姿をあらわした矢が足を縫い止めるように突き立っていた。右近にも場所はわからなかったが、恐らく味方の猟兵によるものだろう。混乱する敵の姿に、これを好機とばかりに、右近は人形たちで一斉攻撃をしかける。人形たちは足にとりつき、あるいは腕にしがみつき、その動きを止めさせる。そこへもう一矢、軌道を変えた矢で射られ、ラメントをさらなる混乱に突き落とした。そして、その隙をついたのは黒子人形が手にしたバラックスクラップの剣だ。
背後から胸へ貫いた切っ先に目を落とし、
「そんな、嘘だ……嘘だ!」
と悲鳴が上がる。
そのみいくい姿に右近は嘲笑いを零した。
「人形である我らが人を見て喜ぶなど本末転倒ではないか?」
消えゆくオウガの視線は、今度は確かに右近本体である少女人形を見ていた。開いた口が言葉を紡ぐよりも先に、オウガは消滅する。
こうして猟兵たちの活躍によりラメントの撃破に成功した。
司令官の突然の暗殺という混乱により、アリス召喚の儀式は中断することとなる。
そしてこの作戦が招いたオウガたちの混乱は、猟兵たちに勢いをつけることとなり、戦況は猟兵たちにとって有利へと傾いたのである。
大成功
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