迷宮災厄戦⑥〜狂信のマユラ(作者 柊透胡
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「今回の戦争は、アリスラビリンス。人呼んで『迷宮災厄戦』や!」
 トンボ眼鏡をキラリとさせて、強気な表情で猟兵達を見回す各務・瞳子(七彩の聴き手・f02599)。
「どうやら、オウガ、猟書家、猟兵の三つ巴の戦いになりそうやね」
 アリスラビリンスのオブリビオン・フォーミュラ「オウガ・オリジン」は、現状、「猟書家」と名乗る者達に力の殆どを奪われている。
「で、猟書家の方は、オウガ・オリジンから奪った現実改変ユーベルコードを使て、他の世界……オブリビオン・フォーミュラのおらん世界を、侵略しようとしとるんや」
 猟書家の企みも見過ごせないが、7体の猟書家を倒せば倒す程、オウガ・オリジンは奪われた力を取り戻していく。
「……まあ、猟書家をどうするかは追々考えるとして、まずは『道』を全力で拓かんとな」
 虚空に浮かぶ、洋風めいたサムライエンパイアの城「原城」は、オウガ・オリジンや猟書家に通じる最初の関門の1つだ。
「『原城』におるオウガはな……謎の『ぱらいそ預言書』を信奉する、狂信者に成り果ててしもとるんよ」
 そして、狂信の鉅鹿たちは「謎の亡霊」のようなものを纏い、負傷や死を厭わず捨て身で襲い掛かってくるのだ。
「『魔軍転生』の不完全バージョン、とゆうたら、ピンとくる猟兵さんもおるかもしれんな」
 そして、瞳子が転送するエリアには、『マユラ』と呼称された少女型のオウガが犇めいている。
「何でも、昆虫採集とかで乱獲された鱗翅目の怨念がオブリビオンになった存在、らしい。見た目通りに精神年齢も幼いし『泣き虫』やけど……今回は、死に物狂いの捨て身で襲い掛かって来るさかい、油断は禁物やで」
 或いは、その『捨て身』の態勢さえも逆に利用してしまえば、優位に戦えるだろう。
「これから1ヶ月の長期戦、その初戦や。皆、頑張っていこな!」


柊透胡
 こんにちは、柊透胡です。
 『迷宮災厄戦』開幕! 敵はオウガばかりではありませんが、まずは道を拓きましょう。

 このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
 1フラグメントで完結し、「迷宮災厄戦」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。
 本シナリオは「⑥魔空原城」です。

 虚空に浮かぶ原城の攻略です。城内のオウガは謎の「ぱらいそ預言書」を信奉する狂信者と化しており、「謎の亡霊」のようなものを纏い、負傷や死を厭わず捨て身で襲いかかってきます。

●プレイングボーナス
 このシナリオには、下記の特別な「プレイングボーナス」があります。これに基づく行動をすると、良い結果を得られる確率が大幅に上昇します。
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 プレイングボーナス……オウガの捨て身を逆に利用する。
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 それでは、皆さんの熱いプレイングをお待ちしています。
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第1章 集団戦 『マユラ』

POW ●飛んで火に入る夏の…
【攻撃的な紋白蝶の群れ】で攻撃する。また、攻撃が命中した敵の【嫌がる音域】を覚え、同じ敵に攻撃する際の命中力と威力を増強する。
SPD ●花蝶風月
【泣く事】により、レベルの二乗mまでの視認している対象を、【追加でマヒ効果の有る鱗粉】で攻撃する。
WIZ ●羽化
戦闘中に食べた【花の蜜】の量と質に応じて【いつもより強気になり】、戦闘力が増加する。戦闘終了後解除される。
👑11 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 ――「ぱらいそ預言書」はかく語れり。

 或いは、和洋折衷と見るべきか。虚空に浮かぶ其れは、アリスラビリンスに於いては異質なる城。
 魔空原城――丁度、1年前。サムライエンパイアを睥睨した魔空安土城を準えたが如きを攻略するべく、猟兵達は次々と乗り込んでいく。

 ――あるじ死すとも、魔軍転生は死なず。選ばれし者に宿るなり。

 さざめく声音は稚く、まるで祈りを捧げ讃美歌を唱うかのように。
 蛾の羽を負う少女達は、潤んだ眼に狂熱を帯び、次々と蝶を喚ばい、鱗粉を撒き散らす。

 ――すべては、預言書の思し召し……。
月舘・夜彦
【華禱】
怨念によって現れたオウガですか
幼く、随分悲しそうではありますが……それが彼女達の存在
向かうならば、断つのみ

2回攻撃の手数重視
刃に破魔・浄化の力を付与して対抗
倫太郎殿と同じ敵を狙って各個撃破

紋白蝶は視力と見切りにて動きと数を確認
なぎ払いにて、音による妨害は狂気耐性にて耐えながら
それでも戦う意思、覚悟を以て挑む

敵の動き、第六感にて捨て身の攻撃を仕掛けてくるようならば
倫太郎殿に声を掛け、駆け出して前へと出る

攻撃が来る前に早業の抜刀術『八重辻』
速やかに捨て身の攻撃を無効化させながら捌く

――そして私は刃
隙あらば、その刃を以て全てを払う

怨念を戦うしか祓えませんが
この戦が終われば、減るのでしょうか


篝・倫太郎
【華禱】
憑装モドキってとこか
ま、何にせよ
全力で行かせて貰いましょうか、ってな

要するにいつも通りだな

拘束術・弐式使用
詠唱と同時に召喚した神霊には身代わりを指示
俺はともかく、夜彦への攻撃は確実に身代わりを担わせる

指示をしながら俺自身はダッシュで接近し
蝶共々マユラを華焔刀でなぎ払い
刃先返して2回攻撃からの範囲攻撃

捨て身で必死なら、幼いなら
あっちもこっちもと警戒は出来ねぇだろ
目の前の脅威として、邪魔なものとして
敵の意識をこちらに向けさせて陽動
勿論、陽動でも本気で行くけどな

敵である以上は還って貰うぜ

敵の攻撃は見切りと残像で回避
回避不能時と夜彦に攻撃が向かう場合は意地でも庇う
だって、俺はあんたの盾だろ?


「『魔軍転生』……憑装モドキってとこか」
 マユラ――蛾の少女らを取り巻く不定形の靄を認め、眉根を寄せる篝・倫太郎(災禍狩り・f07291)。
「怨念によって現れたオウガですか」
 預言書を崇め奉り、猟兵への殺意も露な少女達が、月舘・夜彦(宵待ノ簪・f01521)の目には、随分と幼く悲しそうに映る。
「ですが……私達に向かうならば、断つのみ」
「ああ、何にせよ、全力で行かせて貰いましょうか、ってな」
 夜彦の呟きにいっそ飄然と応じ、倫太郎は身構える。
「要するに、いつも通りだな」
「如何にも」
 床を蹴る、抜刀する――刃に魔を破し浄める力を乗せ、二閃。夜彦の左右の斬撃に、倫太郎の薙刀が更に重なる。
 ――――!!
 目の前で1人が斃されながら、マユラ達に怯む素振りすらない。ゴウと唸る白き竜巻は――紋白蝶の群れ。
「……っ」
 数えようとして、夜彦はすぐに止めた。敵も集団であれば、喚ばわれた蝶の数も尋常でない。此れらが次々と猟兵を蹂躙せんと。
「距離は関係ねぇぜ」
 清らにも女人を象る神霊が、忽然と顕れる。夜彦の前に起つや、蝶の群れの盾と成す。繊手が少女の胸を貫いた。
「倫太郎殿!」
「だって、俺はあんたの盾だろ?」
 そう、倫太郎が夜彦の盾として生きるのならば。
(「――私は、刃」)
 彼の術式に庇われた刹那で、八重辻の構えを取るに足りた。
「――全て、返そう」
 渦巻く紋白蝶の襲撃を、鮮やかに斬り返す。その次も、その次も――夜彦の反撃をも構わぬ、正に捨て身の召喚が続く。
(「怨念は、戦う事でしか祓えませんが……この戦が終われば、減るのでしょうか」)
 ――――!!
 蝶の羽音が耳に障りながら、八重辻の構えでは動く事は叶わぬ。故に、倫太郎は夜彦の『盾』たるを神霊に委ねながら、マユラの集合へ突進する。
(「必死の捨て身で、思考も幼いなら……あっちもこっちもと警戒は出来ねぇだろ」)
 目の前の脅威として、邪魔なものとして。敵の意識を、夜彦からこちらに向けさせるのだ。
「勿論、陽動でも本気で行くけどな!」
 敵である以上、還って貰う――骸の海へ。
 刃と盾は、確固たる意志と覚悟を以て、狂信の徒を斬り払っていく。
成功 🔵🔵🔵🔵🔴🔴

ペイン・フィン
怨念の存在、か
……生憎、だけど、殺さないと、かな

コードを、使用
敵の攻撃を回避して、その死角に移動を続ける
数が多くても、見る先が同じなら
必ず、死角はできるもの、だよ

……そして、例え、捨て身で来ようとも
目に見える相手にしか、攻撃できないなら……
こう、しようか

コードの攻撃で使用するのは、毒湯"煉獄夜叉"
同時に、なぎ払い、範囲攻撃、傷口をえぐる、恐怖を与える、継続ダメージ、鎧無視攻撃、属性攻撃、蹂躙、部位破壊、破壊工作、目潰し、毒使い
各種技能で、攻撃を強化し、範囲の敵に毒を撒く
殺虫毒で、目を潰し、体を焼き、翅を溶かすよ
ただせめて、なるべく、痛みを感じないように
即死毒を、使おうかな


 嗚呼、嗚呼……。
 泣き濡れて、ぶちまけられる麻痺の鱗粉。
 個から群へ、慟哭が波濤のように広がれば、その範囲も広大となろう。
(「喩え、数が多くても。見る先が同じなら……必ず、死角はできるもの、だよ」)
 だが、ペイン・フィン(“指潰し”のヤドリガミ・f04450)は慌てず騒がず。竹筒の水筒を手に、マユラ達を見やる。
 血が、霧と化して、立ち込めた。
(「怨念の存在、か……生憎、だけど、殺さないと」)
 刹那、少年の影が血霧に溶け入るように失せる。
 嗚呼、嗚呼――――!?
 慟哭が、唐突に途切れた。
 煉獄夜叉と銘した毒の筒は、自在に中身の配合を変える。今回ならば、殺虫毒――少女の目を潰し、体を焼き、翅を溶かす。即効性なのは、せめて痛みを感じないようにと、ペインの情けだ。
 竹筒より溢れた毒の湯は、個の死角から静かに波紋を広げ、多を冒し、殺していく。
「……っ」
 それでも、蛾の少女の息の根が止まる迄のほんの刹那、無差別に迸る鱗粉は流石に止められない。
 拷問道具は拷問する方であって、される方ではない。毒の使い手だからと、耐性が高い訳ではないのだ。
(「でも……目に見える相手にしか、攻撃できない、なら……」)
 ペインは再び、血霧を纏う。致命傷を被る前に、少女の死角に逃れ、毒湯を撒き続ける。
 罪背負う者に逃げ場など無し――オウガである限り、喩えその見た目が稚き少女であろうと、少年は咎人殺しを全うする。
成功 🔵🔵🔴

火土金水・明
「また、ここで戦うことになるとは思ってもみませんでした。」「捨て身でくるのでしたら、こちらも全力で迎え撃ちましょう。」
【WIZ】で攻撃です。
攻撃は、相手の捨て身の攻撃に【カウンター】で【高速詠唱】しつつ【破魔】と【継続ダメージ】と【鎧無視攻撃】を付け【フェイント】を絡めた【全力魔法】の【新・ウィザード・ミサイル】を【範囲攻撃】にして、『マユラ』達を纏めて攻撃します。相手の攻撃に関しては【見切り】【残像】【オーラ防御】で、ダメージの軽減を試みます。
「(攻撃を回避したら)残念、それは残像です。」「少しでもダメージを与えて次の方に。」
アドリブや他の方との絡み等はお任せします。


「また、ここで戦うことになるとは思ってもみませんでした」
 魔空安土城を思い起こしたか、溜息混じりに城内を見回す火土金水・明(夜闇のウィザード・f01561)。
 尤も、マユラ達は明の感慨など知らぬ存ぜぬ。次々と懐から小瓶を取り出しては、中身をコクコクと飲み干したりチロチロと舐めたり。
 ガチャン――。
 そうして、無造作に床へ空瓶を投げ捨てた少女達の顔は、一応に泣き出しそうな表情が一転して、眦を決した強気を滲ませていた。
「ぱらいそ預言書はかく語れり――猟兵に、死を!」
「すべては、預言書の思し召し――覚悟!!」
 口々に狂信を叫び、マユラ達の拳が明に殺到する。
「残念、それは残像です」
 その遮二無二に伸ばされた細腕に掴まれた明が掻き消えるや、少女らに七色の杖が突き付けられる。
「こちらも、全力で迎え撃ちましょう」
 魔法の矢が、優に400本を越えて顕れる。全力で、ぶっ放した。
 ――――!!
 押し寄せる少女らが怯む暇こそあれ、あらゆる属性が城内に吹き荒れる。
 ある者は炎に灼かれ、又ある者は激流に撃ち抜かれ……或いは、土石に穿たれ、氷結して砕かれ、雷撃に打たれ、光球に呑まれ、闇に鎖され、毒に溶かされ、次々と倒れ伏した少女らの骸が失せていく。
「では、次の方に」
 相当の数を減らしてのバトンタッチに、明の唇は満足げに綻んでいた。
成功 🔵🔵🔴

ミューズ・シルバーピース
戦争かぁ…
戦力は一人でも多いほうがいいだろうし。他の猟兵に任せてわたしだけサボるわけにもいかないねー
だから、まずはできることからやろう

案内してくれたグリモア猟兵曰く、対象のオブリビオンはリンシモク?の怨念で、花の蜜を食べてパワーアップするってことだったね…

と、なると
コードΔを使ってサイキックエナジーの力場を花の蜜付近に仕掛けようかな
蜜を食べに来たところを罠にかける戦い方でいこっと
うまくかかればオブリビオンに電流が流れて行動を阻害できる…と思う

撃破については他の猟兵にお任せになっちゃうけど…


(「戦争かぁ……」)
 1つの世界の命運を賭けた戦いだ。戦力は1人でも多い方がいいだろう。
(「わたしだけ、サボるわけにもいかないねー」)
 どんなに面倒であっても、他の猟兵に任せきりは頂けない。だから、ミューズ・シルバーピース(クイックシルバー・f27543)は、此処に居る。
(「まずは……できることからやろうっと」)
 グリモア猟兵曰く、敵は乱獲された鱗翅目の怨念。花の蜜を食べてパワーアップする。確かに、少女達が抱えた小瓶の中身を摂取する度、取り巻く靄が濃くなっていく。
(「蜜を食べれば食べる程、強くなるって事は……どこかに、補給場所があるよね」)
 流石に、城内に花畑など……あった。
 百花咲き乱れる庭苑に臨む縁側。ご丁寧にも、設えられた縁台に琥珀色で充たされた小瓶が並んでいる。となれば。
「セット、コードΔ!」
 縁台の周囲に、サイキックエナジーの力場を展開するミューズ。待ち伏せれば、果たして、小走りの蛾の少女が何人も。先を争うように縁台の小瓶へ手を伸ばす。
 ビシィッ! バチバチィッ!
「ちょっとビリっとくるけど、大人しくしててよね」
 力場が放出した電流に打たれ、マユラ達は次々と華奢を硬直させる。取り巻く靄が消し飛ばされて見えたのは、気の所為ではあるまい。
 電気信号の混乱と感電で動きを封じ、ミューズのサイキックは見事、マユラの蜜の補給を妨害する。だが、これも一時的なもの。
(「撃破は、他の猟兵にお任せになっちゃうけど……」)
 気を揉む暇があればこそ、廊下を駆ける足音が相次いで響いた。
成功 🔵🔵🔴

ニオ・リュードベリ
オブリビオン同士で利用し合うなんて嫌な光景だね
この子をこのままにもしておけないし……せめてきっちり倒すよ

花の蜜を食べたら尚更この子は投げやりになっちゃう
邪魔するようにアリスランスで攻撃していこう

UCで鎧と翼を生み出す
そして【ダッシュ】で彼女の周囲を飛び回り、花の蜜を食べようとしたタイミングで【串刺し】を狙う
上手く当たればいいんだけど、失敗しても蜜を食べる事は阻止出来るはず

鱗粉にはあたしも翼を羽ばたかせて対抗しよう
泣き声は【狂気・呪詛耐性】で
多少のダメージは【激痛耐性】で誤魔化して
彼女の羽根がちぎれるより早く接近する

そして一気に【ランスチャージ】を
もう泣かなくていいんだよ
骸の海でゆっくりおやすみ


ベイメリア・ミハイロフ
これは…少々、戦い辛いお相手でございますね
しかしながら、わたくし達も、進まぬ訳には参りません
大変心苦しいのでございますが
せめて苦しませぬよう、早期の撃破を狙います

お相手の攻撃に対しては
毒耐性・狂気耐性、呪詛耐性、激痛耐性を活用しつつ
捨て身でおいでになるなら、第六感にてその動きを見切りながら
おびき寄せにて十分に引きつけ
オーラ防御を纏いながら武器受けからのカウンターにて攻撃を
大勢が集まって参りました所へ
破魔・鎧無視攻撃を付与した全力魔法のRed typhoonを放ちます
可能であれば早業・高速詠唱からの2回攻撃も狙って

亡骸には、泣きながらでも戦わなければならなかった
彼女たちの不幸に対し祈りを捧げます


「これは……少々、戦い辛いお相手でございますね」
 マユラ達の稚い様相に、ベイメリア・ミハイロフ(紅い羊・f01781)は小さく息を呑む。
「オブリビオン同士で利用し合うなんて、嫌な光景だね」
 痛ましげな表情も束の間。ニオ・リュードベリ(空明の嬉遊曲・f19590)は影の鎧を纏い、アリスランスを構えた。
「でも、このままにしておけないし……せめてきっちり倒そう」
「はい、わたくし達も、進まぬ訳には参りません」
 肯き返したベイメリアも、慈悲の剣なるメイスを掲げる。
(「大変心苦しいのでございますが……せめて苦しませぬよう」)
 花の蜜を補給に来たマユラ達は、猟兵のトラップで動きを止めている。
(「花の蜜を食べたら、尚更この子達は投げやりになっちゃう」)
 動きを封じられているのも一時的。この好機を逃す訳にはいかない。
(「あたしの心、無敵の武器へと変われ!」)
 光の翼を広げ、床を蹴る。鋭さ増した白銀の槍を振うニオ。マユラ達の蜜の摂取を邪魔すべく、縁台の上の小瓶を突き落とす。
 ――止めて止めて! 私達の羽化を、邪魔しないで!
 怒りの拳は、まだ動きも鈍ければ、避けるのも受けるのも容易い。燃える血の如き紅のシスター服を翻し、ベイメリアは声も高らかに。
「紅の聖花の洗礼を受けなさい……!」
 掲げたメイスを、数多の深紅の薔薇の花弁に換えて。紅き花嵐は纏う亡霊を破り、少女達をも席巻していく。1度ならず2度、全霊の祈りを込めた早業を以て。
「もう泣かなくていいんだよ」
 深紅の花弁降りしきる中、蛾の羽が千切れるより早く――マユラ達に肉迫したニオの囁きはいっそ優しげで。
「骸の海で、ゆっくりおやすみ」
 ランスの突撃が、真っ向から華奢を貫いていく。
 ――どう、して……? 私達、泣いて、なんか……。
 狂信に冒され、蜜の摂取で羽化せんとした少女達は、確かに今は涙を零していなかったけれど。
(「泣きながらでも戦わなければならなかった……それが、彼女達の不幸でございます」)
 鎮魂の祈りを胸に、ベイメリアは紅薔薇の花弁を降らし続ける。ニオのアリスランスが、最後の1体まで引導を渡すまで。

 原城の狂信はまだ絶えぬ――それでも、羽化出来なかった少女達に、猟兵達は一時の安息を与える事が出来ただろう。
成功 🔵🔵🔵🔵🔴🔴

最終結果:成功

完成日2020年08月03日
👑11 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴