迷宮災厄戦⑨~遅き世界で思考を回せ(作者 暁月
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●全てがスロゥリィな世界
 オウガ・オリジンの力の簒奪、アリスラビリンスからの他世界への侵略。それは多くの猟兵たちに驚きをもたらした。
『迷宮災厄戦』と呼ばれる三つ巴の戦いの中、月原・雪花(月兎・f06136)はウサ耳をピコピコと動かしながら、集まった猟兵たちを見やる。

「皆、集まってくれてありがとう。皆も知ってると思うけど、猟書家達がオウガ・オリジンから奪った力で他世界の侵略を始めた。僕達は、何としてでもこれを阻止しなきゃいけない。もし、失敗すると……言わずとも判るよね」

 失敗すれば、猟兵たちが救った世界に、未だ混迷深める世界へ更なる災厄が齎されるのは確定的に明らかだ。
 それを未然に防ぐべく、何としてでもこの戦いを勝ち抜かなくてはならない。

「今回、皆に挑んでほしいのは全ての速度が10分の1になる時間凍結城。身体の動きも、ユーベルコードでさえも速度が10分の1になる厄介な場所。そこにいる麗しの十字姫シュラウレギナが倒すべき敵だよ」

 麗しの十字姫シュラウレギナは、自らの陰から相手の身を刻み、眠らせ傷を癒し、身体ではなく心を挫く難敵だ。何の策を持たずに挑めば、痛い目を見るだろう。
 特にこの戦場は全てが10分の1となる。
 剣の速度も、魔法も、音速でさえも10分の1になるのだ。超超高速戦闘になれた猟兵にとってはこの遅さは致命的になりかねない。それどころか、会話でさえも10分の1になる。マトモに会話すら出来なくなるのだ。

「でも、10分の1になるのは相手も同じ……そして、思考だけは別。全てが遅き中、思考能力だけはいつもと同じ速度で考える事が出来る。それが時間凍結城」

 全てが遅く動く中、思考だけはいつも通りに考える事が出来る。敵がどう動くのか、味方ならこう動くだろう。この手ならばと。

「皆は沢山の敵を退けてきた。こういう時の状況判断は敵よりも優れる筈。この利点をうまく生かせば、必ず勝てるはずだよ」

 それじゃ、時計ウサギの代わりにおとぎの世界へと導こうか、と雪花は告げると猟兵たちに向けて手を差し出した。

 此度はハッピーエンドを迎えるためのお伽噺、始まり始まり。


暁月
 はい、暁月です。何回か小分けに起きた時限で察していましたが戦争です。
 今回はOPで告げた通り全てが10分の1の速度の中で戦う特殊フィールドでの戦いです。その為、台詞に関しては『会話』に関する部分は採用しづらくなります。
 心の声での描写になりますのでご了承ください。叫ぶならいいのよ!!
 ボスの性能に関してはOPどおりです。いろいろ考えて戦う戦いを楽しみましょう。
 上手く思考して戦えればプレイングボーナスが付きますので頑張ってください。
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第1章 ボス戦 『麗しの十字姫シュラウレギナ』

POW ●姫のご下問である。不敬なるものは首を刎ねよ!
対象への質問と共に、【自身の陰】から【十字皇】を召喚する。満足な答えを得るまで、十字皇は対象を【十字に切り刻んで】で攻撃する。
SPD ●ゆっくりお休みください。まだ死ぬのは許しません
【彼岸花の花吹雪】を放ち、自身からレベルm半径内の指定した全対象を眠らせる。また、睡眠中の対象は負傷が回復する。
WIZ ●下賤の輩たる貴方達は無力、我が慈悲に随喜せよ!
【丹田に力を】を籠めた【瞬時に間合いを詰めての掌底】による一撃で、肉体を傷つけずに対象の【憎しみ、怒り、闘争心、敵意】のみを攻撃する。
👑11 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は白石・明日香です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


露木・鬼燈
10分の1の速度、ね。
わかっていれば大した問題じゃない。
遅くなっても十分な速度があればいい。
もしくは知覚できても回避が難しいものを。
とゆーことで、近接攻撃ではなく射撃で攻める。
敵から十分な距離を取って…秘伝忍法<忍鯱>
電磁加速砲なら速度は十分だよね。
もし反応できても回避をさせなければいい。
回転式多銃身、それも85体のシャチから放たれる射撃。
逃げ場をなくす弾幕、面による制圧ならね!
一方面からでは過剰なので2つに分けて十字砲火に。
敵の間合いの外から何もさせずに攻撃するのが一番。
近接戦闘はちょっと大変なので、その時は引き撃ちで対応。
面白みはないけどこれは戦争だからね。
堅実に戦えばイケルイケル!


●全ては遅き世界へ

 猟兵たちは時が凍結された氷の城――時間凍結城へと降り立つと寒さと同時に全身に強烈な違和感を感じる。
 身体の全身が重く感じられ、口を開けるのですらゆっくりと感じる。
 これが時間が凍結するという恐るべき時間凍結城のカラクリ。それを身を持って感じた猟兵たちはいつもと勝手の違う戦いを強いられることを思い知らされながらも、氷の城を進む。
 道行く先に待ち構えているのは、この時間凍結城を守るオブリビオンが一人――『麗しの十字姫シュラウレギナ』 。
 彼女もまた、猟兵たちを見つけると恭しく――ゆっくりと頭を下げる。彼女もまた、この城のカラクリからは逃れられない。
 『麗しの十字姫シュラウレギナ』 はなにも発さずに、猟兵たちへと迫る。会話ですら遅くなるのだ。麗しき彼女にとってはゆっくりとした会話はは耐えられるものではない。

(10分の1の速度、ね。わかっていれば大した問題じゃない。こうして考える事は出来るし、遅くなっても十分な速度があればいい)

 露木・鬼燈(竜喰・f01316)は事前に聞いていた通りの状況に内心で頷き、予め予定した通りに動く。

(秘伝忍法<忍鯱>。電磁加速砲なら速度も十分だよね。回転式多銃身、それも85体のシャチから放たれる射撃。逃げ場をなくす弾幕、面による制圧ならいけるいけるっ!)

 突如現れたシャチの群れに、さしもの『麗しの十字姫シュラウレギナ』 も動揺を隠せない。

「おおおおぉおぉぉまぁぁぁぁああああぇえええええええらぁああああ」

 しかし、荷電粒子砲が放たれるよりも速く、ゆっくりと口を開いた麗しの十字姫シュラウレギナの陰が揺れ動き、十字皇が現れシャチを刻む。
 質問に答えが変えるまで――つまり問いを始めた瞬間よりこの刃は止まらない。
 だが、止まらないのは荷電粒子砲も同じだ。シャチの全てが刻まれるよりも速く、荷電粒子方が解き放たれ、『麗しの十字姫シュラウレギナ』 の身体を穿つ。
 圧倒的な速度と数。時間の遅さなぞ感じさせない物量は『麗しの十字姫シュラウレギナ』 の身体を噴き飛ばすも、空中で受け身をとり優雅に氷の床へと着地する。
 語らずとも判る殺意のこもった視線。
 時が凍る戦いは未だ始まったばかりだ。
成功 🔵🔵🔴

御魂・神治
※WIZ判定

さ、さ、寒い...頭冴えてんのに体が思う様に動かへんで
天将も寒すぎて処理速度下がっとるやないかい!

効果を逆に取る、アレ使えば...
UC【病魔排撃『大国』】を相手を引き付けて発動、あえて相手の精神攻撃を受けてマイナス要因を反転、こっちの攻撃力を上げて痛覚もダメージも中和
もしかしたら、時間凍結のデバフも反転して移動速度が上がるかもしれん
攻撃を受けて生じた隙を、カウンターで神器銃「森羅」の【零距離射撃】の【二回攻撃】や
一発目は【マヒ攻撃】で更に鈍らせたら、二発目は【属性攻撃】で急所を撃ち抜く
属性は...せやな、さっむいから情で火属性にしたるわ
ゼロ距離の銃撃ほどおっそろしいもんはないで


●時も身体も凍る城

(さ、さ、寒い...頭冴えてんのに体が思う様に動かへんで! 天将も寒すぎて処理速度下がっとるやないかい!)

 御魂・神治(除霊(物理)・f28925)は身も凍るような時間凍結城の寒さに身を震わせており、身体が思うように動かず相棒たるAIの天将の動きの鈍さもまた寒さの所為だと思い込んでいた。だが、それは時間凍結城による身体の遅延の所為である。
 
(アカンなこれ……ん、効果を逆にするなら、アレ使えばいけるんとちゃうか……!)

 思い立ったら吉日。御魂はあえて隙を晒しながら『麗しの十字姫シュラウレギナ』へと迫ると、が怪訝な顔をしつつもその細い手から鋭い掌底を穿つ。
 それは肉体ではなく、精神へ傷を与える痛打。それが当たるよりも速くUC【病魔排撃『大国』を使った御魂は傷を抑えられると思ったが、感情を挫く傷はデバフには入らず、急速に戦意が、闘志が削れていくのが判る。

(アカン……しくった……でもっ……!)

 全ての戦意が削れた訳ではない。なけなしのやる気を振り絞り、負った分の傷を倍返しするかのようにカウンターで神器銃「森羅」の【零距離射撃】を叩きこむ。
 元から受けるのを承知のうえでのカウンターだ。『麗しの十字姫シュラウレギナ』は避けるすべもなく、マヒが篭った一撃を受け、身動きを封じた上の二段目の炎を纏った【零距離射撃】により炎に巻かれながら吹き飛んでいく。
 火の粉を舞い散らせながら、腕を振るえばその火はゆっくりと、時間をかけて消えていくが延焼時間はそれだけ『麗しの十字姫シュラウレギナ』に傷を負わせていた。
 思わぬ効果に思わず笑みを零れる。
 緩やかに、しかし炎のように氷の城での戦いは激しさを増していくのだった。
成功 🔵🔵🔴

雪・兼光
本当に動きがのろいんですけど…。
なに、このノロノロ空間。

この状況で満足な状況が必要な事なんて聞いてくるんだろうか
この攻撃の使用頻度は低いと考えられる
え、聞いてきたぁ?!
第六感と見切りで回避、回避

なら、あいての彼岸花の桜吹雪は使用頻度は高そうだな

狸寝入りするか。睡眠中は負傷が回復するらしいし、寝れないけど(だまし討ちを利用)
あとは近づいて来た相手に向かってユーベルコードを利用して零距離射撃、2回攻撃、部位破壊でブラスターを撃ちこむ後は暗殺と部位破壊、誘導弾、傷口をえぐるをつかって頭にむかってもう一発

美しい戦い方が苦手でね、ごめんよ


●緩やかに舞う眠りの花びら

 氷の城の中、場違いな花弁が舞い散る。それは『麗しの十字姫シュラウレギナ』の眠気を誘う癒しの花びら。
 その範囲にした者を等しく眠りへと落とす花弁の中に、雪・兼光(ブラスターガンナー・f14765)は膝を着き倒れこんでいた。

(本当に動きがのろいんですけど……。なに、このノロノロ空間。……こっちの動きが遅いなら……)

 そのまま花びらに身を委ねたかのように、雪は目を閉じる。聞こえるのは歩く足音。この場で起きているのは『麗しの十字姫シュラウレギナ』のみ。他の猟兵たちは花びらに巻き込まれるように距離を置いている。
 『麗しの十字姫シュラウレギナ』は安らかに眠っていると思われる雪へと歩み、祖の凶刃を振るおうと踏み出したその時、雪から放たれた閃光が『麗しの十字姫シュラウレギナ』の身を貫いた。

「っ!?」

 声にならない苦痛が『麗しの十字姫シュラウレギナ』から漏れる。
 雪は眠ってなぞ居なかった。眠ったかのように狸寝入りを決め込み、相手から近づいてい来るのを待っていたのだ。
 流石に零距離射撃までとはいかずとも射程、威力が三倍に伸びた熱戦銃の二回攻撃は狙い通り足を貫いた。ゆるやかに時が凍る世界とは言え、足は移動の要だ。
 一瞬の動きを鈍りを見せた『麗しの十字姫シュラウレギナ』の隙を見逃さず、雪はすかさずに頭を狙い、熱戦銃の引き金を引く。
 頭に数発の熱戦銃を受けた『麗しの十字姫シュラウレギナ』は大きく跳躍しその場から飛び退く。頭や足から血を流すも、未だ健全。頭を撃たれた程度ではオブリビオンは死に至らない。そういう存在だ。
 だが、間違いなくダメージは積み重なっていく。
 状況は徐々に、緩やかにだが猟兵たちへと傾いていく――。
成功 🔵🔵🔴

フィロメーラ・アステール
「全てが10分の1か……」
しかしうまい方法が思いつかない!
えーい、当たって砕けてやる!

【スーパー流れ星キック】を発動だ!
【気合い】を込めた光り輝く必殺キックによって、頑張って早く飛べば大体いつも通りになるって!
いくぞー!!!


あっちょっとこれヤバいかも。
ほら飛び蹴りってポーズ決めたら後は無防備じゃん?
対して敵は掌底の出し方を色々変えられる。
このままでは迎撃され放題!?

キックで飛び出した姿勢のまま作戦変更!
光り輝く所に【全力魔法】を込めて【目潰し】だ!
光は10分の1になっても早い、っていうか見えてるって事は届いてる証拠だからね!
そして焼き付いた視界の回復速度は10分の1!
この隙にキックを押し通す!


●緩やかに流れる流星

(全てが10分の1か……)

 幾度となくぶつかり合う中、フィロメーラ・アステール(SSR妖精:流れ星フィロ・f07828)は緩やかに流れる時の中、慣れない環境に未だもやもやとした気持ちを抱えていた。人よりも軽やかない飛ぶ妖精たる彼女にとってはもどかしく、この時を凍らせた時間凍結城は非常にもどかしい。二回いうほどにもどかしい。
 思考能力のみが平常時のままだからなおさらだ。

(よし、うまい方法が思いつかない! えーい、当たって砕けてやる!)

 とうとう思考を放棄したフェロメーラは、気合を十二分に貯めて飛び上がる――ゆっくりと。
 そのまま足を突きだし、【スーパー流れ星キック】の形態をとった瞬間に気づいた。

(あっちょっとこれヤバいかも。ほら飛び蹴りってポーズ決めたら後は無防備じゃん? これって迎撃されほうだい!?)

 その通りだった。『麗しの十字姫シュラウレギナ』も間抜けではない。目立つように飛び上がったフェロメーラを撃ち落とすべく他の猟兵たちを一斉に吹き飛ばし、掌底を打ち込むべく構えていたのだ。

(ヤバイヤバイヤッバーーイ!! こ、こうなったら!)

 突如の作戦変更。既に飛び蹴りの体勢に移ったフェロメーラは動きを止められない。ならばと、この体制のまま会心の手を導き出した。
 『麗しの十字姫シュラウレギナ』はフェロメーラを仕留めるべく、瞬きもせずに狙っている。
 直視したその目は――輝かんばかりの光によって塗りつぶされた。

「!?!?」

 突如起きたその光はフェロメーラから、正しくはその足から放たれていた。
 フェロメーラは全力で光にのみ力を注ぎ込み、『麗しの十字姫シュラウレギナ』の眼を光で塗りつぶしたのだ。
 光の速度は10分の1となってもあまりにも早い。だが、収束された攻撃なら避け様があるものの、この光は拡散し逃れられない。

 光からの回復も10分の1。治るまでにフェロメーラの彗星如き【スーパー流れ星キック】が『麗しの十字姫シュラウレギナ』の身を撃つには十分すぎる時間だった。
 マトモに【スーパー流れ星キック】を受けた『麗しの十字姫シュラウレギナ』は数度バウンドしながらも、滑りながら体勢を整える。
 明らかな決定打だ。猟兵たちは畳み掛けるべく、更なる攻勢を掛けるのだった。 
大成功 🔵🔵🔵

木々水・サライ
[絡み・アドリブ歓迎]
速度が遅くなる世界で、思考速度は変わらない、だァ?
ハッ、思考速度も10分の1にしてくれたってよかったんだぜ?
サイボーグの思考速度を抑えないことがテメェの敗因ってなぁ!

【二人の白黒人形(モノクローム・ツインズ)】起動!
もう一人の俺が味方たちへ手での簡易指示と支援を行う!
支援についてはその味方の攻撃に合わせて、追加攻撃をするって感じだな。

そして俺も複製義体も、【黒い目の四白眼】で戦闘知識を全て思考演算処理に回して殴りかからせてもらう!
ああ、もちろん俺自身も簡易指示と支援は忘れねぇよ!

(思考速度は……なんだ、変わらないのか。少しは頭を使わない戦いをしてみてぇなぁ)


尾守・夜野
相手が何を言おうと正直聞き取れないと思うので無視するぞ
間空きすぎてわからんて
だから俺も喋らん

(くっ…思ったように体が動かねぇ…だが攻撃は見えてる!)

ある程度上にある花に合わせ力場は動かし、動きを止めよう
彼岸花の花弁一つあたりの大きさは結構大きいし初動の勢いを殺せば進むだけの運動エネルギーを後から足すのは厳しいはず

となると後は重力の仕事となる
後は上から落ちてきたのがあたり、勝手に他のも落ちるだろうよ

最初にそうやって凌ぎ、後は最初ので落ちるのを計算し最低限必要なだけの労力を割り振ろう

残ったのは花弁に触れない用に繰りここぞというタイミングで敵の手足しばり止めた花弁を降り注がせる
そして接近して切る


●凍りし時の城の決着

(くっ…思ったように体が動かねぇ…だが攻撃は見えてる!)

 互いに傷つき、苛烈になりつつある戦いの中、尾守・夜野(墓守・f05352)は巧みに花びらを避け続けていた。
 もし当たれば眠りを誘う花びらであっても、当たらなければどうという事はない。特にこの空間では10分の1となる速度だ。いつもより体の動きが鈍いとはいえ、回避も容易だ。だが、それは相手も同じ。
 尾守の攻撃もまた、『麗しの十字姫シュラウレギナ』は優雅にドレスを靡かせながら避け続ける。
 時間は有限。この場所では10分の1の速度で流れるが、あまり時間をかけすぎると有利になるのはオブリビオン側だ。
 だが、決定的に違うのは――相手はたった一人で、こちらは頼れる仲間が大勢いることだ。

 尾守が怨剣村斬丸を振りかぶり、それを避けた瞬間を狙い木々水・サライ(《白黒人形》[モノクローム・ドール]・f28416)がすかさずに拳を突きいれる。
 それは花びらを隙間を掻い潜った一撃。深々と突き刺さる拳に『麗しの十字姫シュラウレギナ』は苦痛に顔をゆがめると、無手による一撃を叩きこもうとするが即座に二人は後ろに下がり避ける。
 尾守は元から避けるつもりで動いており、木々水はサイボーグの演算能力を活かしそれすらも計算に入れて攻撃を入れていた。
 そこへ不意の一撃が『麗しの十字姫シュラウレギナ』の背中に打ち込まれる。
 ゆっくりと、驚愕に目を見開き後ろを振り向いた『麗しの十字姫シュラウレギナ』が見たのはもうひとりの木々水。
 【二人の白黒人形(モノクローム・ツインズ)】により増えた木々水は、【黒い目の四白眼】で戦闘知識を全て思考演算処理に回して、仲間の動きに合わせた動きで『麗しの十字姫シュラウレギナ』を追い詰める。

 優美だったドレスもボロボロとなり、肌の至る所から血を流す。その目からは血の涙を流さんばかりの殺意が込められている。
 『麗しの十字姫シュラウレギナ』はここにいるすべてを眠らせんと、今までにないほどに大量の花吹雪を巻き起こす。それは隙間なき絶対防壁。力を尽くしたそのあがきは――全ての花弁が一斉に地面へ墜ちたことにより一瞬で終わる。

「!?」

【零針】。尾守が、重力の時を止めたのだ。運動エネルギーが凍りついた物体は空気抵抗もなく落ちるしかない。
 手による簡易指示を木々水が出し、この場に集まった猟兵たちが一斉に攻撃を仕掛け、最後に尾守の刃が深々と『麗しの十字姫シュラウレギナ』の肉体を突き刺すと、ガラスが割れるかのように『麗しの十字姫シュラウレギナ』の身体が砕け散り、破片も塵となって消えていく。
 戦いが終わった後には、極寒の世界で何もなかったかのように時が凍る空間があるだけであった。
 『迷宮災厄戦』。いつもと違う戦いに難儀した猟兵たちはこれからも待ち受ける戦いに各々思いを募らせながら、時間凍結城を後にするのだった。
成功 🔵🔵🔵🔵🔴🔴

最終結果:成功

完成日2020年08月04日
👑11 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴