迷宮災厄戦⑨〜思考を巡らせろ!(作者 夢幻
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●時間凍結城の女王
「今度の戦場は時間凍結城だ。貴殿らには、そこに座すオウガを撃破して貰いたい」
 グリモア猟兵の天御鏡・百々(その身に映すは真実と未来・f01640)は、集まった猟兵達へ任務の説明を始める。

「この時間凍結城では、恐るべきことに「時間」が「凍結」されている。そのため、全ての行動が10分の1の速さになってしまうのだ」
 この地では肉体の動き、会話の速度、放たれたユーベルコードなど、全ての行動速度が減衰する。猟兵だけではなく敵もその効果を受けるため一方的に不利になるということはないが、なかなかに厄介な効果だ。
「この効果だが、幸い思考速度だけはそのままだ。故に、攻撃の一手毎に充分な思考時間がある。これをどう使うかが勝利の鍵となるぞ」
 この時間の間に思考を巡らせ、戦略を組み立てて戦闘すれば、戦況を優位に進められることだろう。

「この城に住むオウガは『黒百合の女王・ミスト』と言う。配下の召喚や、伸縮自在の髪の狐を操る難敵だ。お茶会を断れば、ただでさえ遅くなった速度を更に5分の1にされてしまうのも厄介だな」
 迷い込んだアリスをお茶会の名目で騙して捕食するオウガだが、今回は捕まったアリスなどはいないので戦闘に専念出来る。敵の使うユーベルコードを良く分析すれば、有効な戦術はきっと見つかるはずだ。

「なかなかに面倒な戦場だが、猟書家の元に辿りつくにはここを突破せねばならぬ。よろしく頼んだぞ」
 百々の依頼を受けて、猟兵達は戦場へと転移していくのであった。


夢幻
 マスターの夢幻です。

●戦争シナリオのため、1章で完結となります。
●このシナリオのプレイングボーナスは、『思考時間を活かし、戦略的に戦う』です。
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第1章 ボス戦 『黒百合の女王・ミスト』

POW ●私の愛しき騎士とメイド達、私の声に答えて
戦闘用の、自身と同じ強さの【レベル×5の剣や槍で戦う騎士】と【レベル×5の魔法や飛び道具で戦うメイド】を召喚する。ただし自身は戦えず、自身が傷を受けると解除。
SPD ●私の狐達から逃げられるかしら?
【伸縮自在の髪の狐達の噛みつき】が命中した対象に対し、高威力高命中の【扇による一閃】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
WIZ ●さぁ遠慮せず、食べて飲んで楽しみましょう?
【メイド達が用意するお茶やお菓子】を給仕している間、戦場にいるメイド達が用意するお茶やお菓子を楽しんでいない対象全ての行動速度を5分の1にする。
👑11 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は推葉・リアです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


メーティオル・スター
うーん、思った通りの速度で動けないのってかなりもどかしいな…バイクもゆっくりになりそうだし、ピザとか頼んでも冷めちゃいそう。

局所的近未来システム。
普段は「致命的な未来」だけを見せてくるけど、情報収集と演算の時間は普段の10倍もある。
ってことは、普段の10倍のパターンの未来を検証できるかも。

面倒な配下や髪の毛を避けて、針の穴程度でも射線が通せれば勝機はあるはず。
そんな位置を求めて、何十回何百回と演算を繰り返しながら戦うよ。


それにしても、この力をこんなに重点的に使ったのは初めてだな…なんか知恵熱出てきたかも。


「時間の凍結って……バイクもゆっくりになりそうだし、ピザとか頼んでも冷めちゃいそうだ」

 転移で時間凍結城の前に辿り着いたメーティオル・スター(屑鉄漁りの見習い冒険者・f05168)は、この城の特殊効果に暫し躊躇するも、意を決して城の中へと乗り込んだ。

(「うわっ! 動きが遅くなった……!」)

 入った瞬間、メーティオルの全ての動きは10分の1になった。慣れないその状況に戸惑いつつも前方の玉座を見れば、『黒百合の女王・ミスト』が悠然と座している。そのミストが扇をゆっくりと振るえば、多数の騎士とメイドが召喚が始まった。事前情報通り、敵のユーベルコードの発動速度も10分の1になっているようだ。

(「うーん、思った通りの速度で動けないのってかなりもどかしいな……」)

 始まる戦闘に『パイレーツマグナム』を抜くメーティオルだが、体の動きはとてもゆっくりだ。やはりいつもの様にはいかなそうだ。そうして彼が銃を構える間に、召喚された騎士とメイド達はミストへの射線を覆い隠した。

(「これだけの数はまともに相手をしてられないし……『局所的近未来予測システム』、発動だ!」)

 そのユーベルコードで、メーティオルは近未来の騎士とメイド達の動きを確認する。常ならば致命的な未来の回避が精一杯だが、今は10倍の時間がある。彼は何十回何百回と演算を繰り返し、針の穴ほどの射線が通る動きを導いた。

(「よしっ! ここだっ!!」)

 メーティオルが慎重に位置取りをすると、彼の計算の通りに襲い来る敵群にわずかな隙間が生まれた。その隙間を縫って放ったパイレーツマグナムの銃弾は、敵の首魁たるミストへと直撃する。

(「やったぜ! このまま追撃だ!」)

 術者がダメージを受けたことで、騎士とメイド達は消え去った。そのチャンスに、メーティオルは次々と追撃の銃弾を放つ。

(「……ッ! もう少し攻撃したいけど、さっきの負担が大きいみたいだ。ここは無理せず撤退かな」)

 応用的な未来視の使用と演算で、メーティオルの頭は少々オーバーヒートというか知恵熱が出たような状態だ。これ以上の深追いは危険と見て、彼は撤退に移るのであった。
大成功 🔵🔵🔵

琴平・琴子
呼吸をすれば肺まで凍ってしまいそうな氷の城に
心は臆することなく
むしろ冷たくて頭がスッキリするような気さえします

騎士やメイドが此方に向かう様にレイピアで武器受け、カウンターで迎え打ち、レイピアで切り込み

強そうな女王様ですが玉座に座りっぱなしですか?
人の上に立つものは民のため、人のために動くものでは?
ああ貴女のそのふんぞり返っている姿、嫌です
UC発動
冷たさを纏った棘はさぞ冷たく食い込んで痛いでしょうね

貴女の声なんて澄んだ空気の氷の城に響かない
所詮小さな器の声ですよ


 続いて時間凍結城へと足を踏み入れたのは、琴平・琴子(まえむきのあし・f27172)であった。
 時間をも凍らせるその氷の城は、呼吸をすれば肺まで凍ってしまいそうな印象を受ける。そんな城の中で行動速度の低下を受けながらも、琴子の心は臆することなく。むしろその冷たさは、彼女の頭をスッキリさせるような気さえした。

(「騎士さんやメイドさんが、いっぱいです」)

 侵入者である猟兵に対して、ミストは配下を召喚していた。城の広間を埋め尽くすほどの騎士とメイド達が琴子へ向けて襲いかかって来る。

(「強そうな女王様ですが、戦いは配下に任せて玉座に座りっぱなしですか?」)

 ゆっくりとした動きの中で、琴子は迫り来る騎士の刃を『ペリドットのレイピア』で受け流し、カウンターの一閃で返り討ちにする。そんな戦いを繰り広げる中、ミストは玉座で高みの見物と言った様子だ。

(「人の上に立つものは民のため、人のために動くものでは? ああ貴女のそのふんぞり返っている姿、嫌です」)
 
 王として不適格なミストの振る舞いに嫌悪感を募らせた琴子は、メイドの放つ遠距離攻撃を切り払いながら、ユーベルコードを発動する。

(「冷たさを纏った棘はさぞ冷たく食い込んで痛いでしょうね」)

 『棘の道の縫い留め』、琴子の嫌悪感を鍵として、ミストの足を床から映えた棘が貫いた。更に刺さった棘は、琴子の嫌悪感を表すようにミストに更なるダメージを与えていく。

「―――ッ!」

 10分の1の速度となってまともに聞き取れぬミストの悲鳴とともに、ダメージを受けたことで召喚されていた騎士とメイドが消失した。

(「貴女の声なんて澄んだ空気の氷の城に響かない……所詮小さな器の声ですよ」)

 小さな少女は、暴君が如き女王に打ち勝ったのだ。
大成功 🔵🔵🔵

玉ノ井・狐狛
※アドリブ/連携などお任せ

ほぅ、茶ァと菓子が出てくるたァな
たしかにあっちこっちに出入りしまくってて、ちょいと休憩したかったところだ
くれるってんなら、ありがたァくもらっとこうか

……それはそれとしてUC使用
こいつァ身振り手振りが必要なモンでもない
つまり、こうして茶ァを呑みながら何の問題もなく使えるんでな?

そして肝は、「精神攻撃」ってところだ
精神的な苦痛や恐怖は、物理的な時間の流れに影響されない
むしろ、長ァい思考時間の分だけ、たっぷり味わってもらえるだろうさ
――利用する「時間」は、相手のモンでもイイだろ?

悪夢の内容は、そうだな、「配下の騎士やメイドに反逆される」ってところか


(「ほぅ、茶ァと菓子が出てくるたァな」)

 時間凍結城に侵入した玉ノ井・狐狛(代理賭博師・f20972)を、黒百合の女王・ミストはお茶会でもて成した。そうしてミストの配下のメイド達の給仕する紅茶とお菓子を、狐狛は素直に受け取ることにする。

(「たしかにあっちこっちに出入りしまくってて、ちょいと休憩したかったところだ
くれるってんなら、ありがたァくもらっとこうか」)

 様々な世界を駆け巡る猟兵にとって、一時の休憩はありがたい。とはいえ、もちろんオウガが善意でもてなしているということは無い。これは敵のユーベルコード、お茶会を楽しまねばただでさえ10分の1になっている行動速度が、さらに5分の1になってしまうと言うものだ。

(「さァて、それじゃあ……『入場無料の闇芝居』、受けてみな」)

 狐狛は視線に呪力を乗せてユーベルコードを発動する。身振り手振りも必要としないこのユーベルコードであれば、お茶を呑みながらでも使用は何の問題も無い。そして彼女のユーベルコードを受けて、髪の狐で攻撃しようとしていたミストが苦しみだした。

(「こいつの肝は、「精神攻撃」ってところだ。これなら長ァい思考時間の分だけ、たっぷり味わってもらえるだろうさ」)

 そう、精神的な苦痛や恐怖は、物理的な時間の流れに影響されないのだ。先ほどの動きを必要とせずに発動出来ることに合わせて、この状況に最適とも言えるユーベルコードの選択であった。

(「利用する「時間」は、相手のモンでもイイんだろ?」)

 動きが10分の1となった分、10倍の長い間、ミストは配下の騎士やメイドに反逆される悪夢に苛まれる。それを琥珀は、お茶を楽しみながらにやにやと眺めるのであった。
大成功 🔵🔵🔵

リチャード・チェイス
【犬鹿面】
私はコーヒー党なのだが、ここは女王陛下の作法に則ろうではないか。
ティーカップを持つ場合のマナーをご存じであるかな?
このようにハンドルに指を入れるのでなく摘まむのである。
紅茶党のティアーの前では釈迦に説法であったか? はっはっは。
(ウザいテンションで純粋にお茶会を楽しむ)

ところで、女王陛下は我々の心ばかりの品(犬の餌)をお気に召しただろうか?
いやいや、陛下とあろうものが臣民の心を無下にするはずもなく。
いかがなさいました? 乱暴に席を立つのはお美しくありませんぞ?
(女王が犬の餌を咀嚼するのを楽しむ。煽るだけ煽って、仲間には共感を求める)


ティアー・ロード
【犬鹿面】
「ヒーローが美女からお茶会に誘われて断る訳がないじゃないか
遠慮なく飲んで食べて楽しませて頂くね!」
飲食物は仮面の裏から取り込むよ

「美味しいお茶だ……が若干物足りないな」
「乙女の涙、でなくとも血くらいたまには飲みたいものだ」
メイドの乙女達を眺めながら感想を言うよ

「しかし、犬の餌と食べる菓子はどんなに上等でも嫌なものだね……」

ああ、忘れてた
私が使用したUCは【刻印「酔生夢死」】!

お茶会を楽しみながら女王の足元、
ドレスの真下ある石を「念動力」で操作してバレない様に攻撃するよ
石でも回転させ、傷口を抉れば十分な傷になる

「私は乙女の味方、つまり―
乙女を喰らうオウガの敵という訳さ、残念なことにね」


曾場八野・熊五郎
犬鹿面


おほー、ここが菓子食べ放題の会場でごわすか
お土産も持ってきたし楽しむでごわす

女中さんお菓子おかわり、あとお茶はミルクマシマシの紅茶抜きで欲しいでごわす(心の底から茶会を楽しむ)

あ、女王どんこれお土産でごわす。楽しんで味わってほしいでごわ(完全な善意で蛍光グリーンに発光する犬の餌を差し出す)※UC発動

ごわ?主らも食べたいでごわすか。いいでごわすよ、同じイヌ科のよしみでごわす(スローになった髪狐の噛みつきに合わせて口の中にスペース犬の餌を押し込む)

……ちょっと作法がなってないでごわすな。躾からやり直しでごわす
(吐きだされたり暴れられたりしたら『破魔』を纏った鮭を『怪力』で叩きつけて鎮める)


時間凍結城では、なんともカオスなお茶会が繰り広げられていた。『黒百合の女王・ミスト』の配下であるメイド達の給仕を受けるのは三体の猟兵だ。

(「私はコーヒー党なのだが、ここは女王陛下の作法に則ろうではないか」)

 椅子に座って優雅に紅茶を楽しむのは、鹿のようなシャーマンズゴースト、リチャード・チェイス(四月鹿・f03687)だ。少々のツッコミどころはあるとしても、これはまだ人型をしているから良いとしよう。

(「おほー、ここが菓子食べ放題の会場でごわすか! お土産も持ってきたし楽しむでごわす」)

 その隣の椅子の上にお座りしているのは、紛れもない犬。賢い動物の曾場八野・熊五郎(ロードオブ首輪・f24420)はカップに頭を突っ込んで紅茶を啜っている。

(「ヒーローが美女からお茶会に誘われて断る訳がないじゃないか。遠慮なく飲んで食べて楽しませて頂くね!」)

 極めつけは、空飛ぶ仮面だ。仮面の裏から菓子や紅茶を取り込むティアー・ロード(ヒーローマスクのグールドライバー・f00536)には、ミストもメイド達も流石に困惑している。よくもまあこんなメンツが揃ったものだ。

(「ティーカップを持つ場合のマナーをご存じであるかな? このようにハンドルに指を入れるのでなく摘まむのである。おっと、紅茶党のティアーの前では釈迦に説法であったか?」)

 これ見よがしにマナーを見せつけるリチャード。速度が10分の1になる関係でまともに会話は伝わらないのだが、そのウザい態度からどんなことを言っているかは概ね推測が着く。

(「美味しいお茶だ……が若干物足りないな。乙女の涙、でなくとも血くらいたまには飲みたいものだ」)

 奇妙な飲食方法をみせるティアーの視線は、給仕するメイドに注がれていた。言葉は伝わらなくとも、その怪しげな視線にメイド達はドン引きだ。

(「女中さんお菓子おかわり、あとお茶はミルクマシマシの紅茶抜きで欲しいでごわす」)

 そして熊五郎はと言えば、お菓子を食い尽くし、態度でおかわりを要求していた。ちなみにミルクティーの紅茶抜きは、ただのミルクでは無いだろうか?

 お茶会を拒否すれば敵のユーベルコードの効果によって行動速度が下がるからと言っても、こいつら身勝手にお茶会を満喫しすぎである。

(「あ、女王どんこれお土産でごわす。楽しんで味わってほしいでごわ」)

 そんな楽しいお茶会のお返しにと、熊五郎は完全な善意で蛍光グリーンに発光する物体をメイドに手渡した。それは『スペース犬の餌』、熊五郎にとってのご馳走だ。そんな彼の動作に付随してユーベルコード『いぬのきもち』が発動してしまっていた。そのために、ミストはこの不気味な犬の餌を食べないと行動速度が5分の1になるという状況に陥った。

(「……!!!」)

 ミストは顔を歪めて犬の餌を口に運ぶ。流石にただでさえ速度が10分の1になっているところに、これ以上の行動速度の低下は受け入れられないようだ。

(「さて、女王陛下は我々の心ばかりの品をお気に召しただろうか? いやいや、陛下とあろうものが臣民の心を無下にするはずもなく」)
(「しかし、犬の餌と食べる菓子はどんなに上等でも嫌なものだね……」)

 犬の餌を食べる様を見て、リチャードはゆったりとした身振り手振りでミストを煽り始める。この速度では普通は通じない所だが、リチャードの『全能の角なる鹿を信ず』のおかげで、意図は伝わってしまったようだ。その上、隣のティアーが醸し出す嫌悪感も、女王の怒りを後押しする。

(「おや、いかがなさいました? 乱暴に席を立つのはお美しくありませんぞ?」)

 楽しげに煽るリチャードの様子に激昂したミストが、遂に立ち上がって攻撃に移った。髪の狐の狙う先は、この屈辱の元凶、犬の餌を差し出した熊五郎だ。

(「ごわ? 主らも食べたいでごわすか。いいでごわすよ、同じイヌ科のよしみでごわす」)

 ゆっくりとした動作で噛み付いてくる狐の動作に合わせて、熊五郎はスペース犬の餌をその口に押し込んだ。とんでもないゲテモノを喰わされてたまらず吐き出す狐に、熊五郎の雰囲気が変わる。

(「……ちょっと作法がなってないでごわすな。躾からやり直しでごわす!」)

 食べ物を粗末にするのは許せない。熊五郎は『石狩鱒之助刻有午杉』を振り回し、髪の狐を思いっきりぶっ叩いた。奇しくもミストの攻撃は、こうして撃退されたのだ。仕方なく標的を変えようとしたミストは、そこで自身の違和感に気づく。この足下に広がる赤いものは――――なんだ?

(「おやおや、ようやく気づいたのかな?」)

 それはティアーの仕業。彼女の発動していた『刻印「酔生夢死」』による傷からの出血だ。彼女はお茶会を楽しみつつも、床の氷を剥がした鋭利な破片を念動力で操り、ミストの足に痛みを感じない傷を与えていたのだ。出血の速度も10分の1になるとしても、これだけの長い茶番の間に血を流しつつければ、それは致命傷となる。

(「私は乙女の味方、つまり―――乙女を喰らうオウガの敵という訳さ、残念なことにね」)

 そして失血により倒れて床に這いつくばるオウガの女王に、リチャードが勝ち誇った態度を見せる。

(「つまり、私の行動も時間稼ぎである。いやあ、なんと無様な女王陛下なのだろうか。はっはっは)

 最後まで煽るリチャードの前で、憤怒と屈辱で凄い顔になったミストが消滅していった。なんとも酷い流れではあるが、ともあれ、猟兵達はこの城を攻略したのだ。
大成功 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵

最終結果:成功

完成日2020年08月03日
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