迷宮災厄戦⑤〜褪せた花弁を撒き散らせ(作者 屋守保英
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●いざ攻勢の時
「いよいよ、アリスラビリンスででかい動きが始まったぞ!」
 梯・剛士(ヴァリウードの随伴者・f12919)は緊張の面持ちで猟兵たちを出迎えた。
 動き出したオブリビオン・フォーミュラ「オウガ・オリジン」と、彼女から力を奪った七名の猟書家。
 猟書家を殺せばオウガ・オリジンが力を取り戻し、猟書家を逃したままオウガ・オリジンを殺せば他の世界が危機に晒される。
 二兎を追うか、いずれかを見逃すか。選択を迫られながらも、しかし立ち止まっている余裕は無い。
「猟書家が侵略せんとしているのは、既にオブリビオン・フォーミュラの倒された、平和になった世界でございます。災厄の種が持ち込まれるなら、それは小さな方がいい」
 剛士に付き随うモンスター・人狼ヴァリウードも、普段以上に神妙な面持ちで言葉を発した。
 たとえここで猟書家を撃破しても、侵略は部下が引き継いでしまう。しかし止められないからと放置しては、平和を取り戻した世界が蹂躙されてしまうのは、想像に難くない。
「時間は有限だ。どう攻めるか、しっかり考えて駒を進めていこうぜ」
 そう話して、剛士は手元のゲーム機を起動させた。ホログラム映像として展開した戦場の地図が空間に浮かび上がる。
 その、一箇所。光が赤く明滅するポイントがあった。
「今回皆に向かってもらう戦場は、ここ。ナンバー5番『遠き日の情憬の花園』だ。セピアカラーをした花がどこまでも咲き乱れる、花園が広がる世界だ」
 剛士がゲーム機の画面をタップすれば、世界を映した映像が立ち上がる。確かに、まるでセピアカラーのフィルターをかけたかのように、空も花も色褪せている。
 その映像に目を向けながら、ヴァリウードが額の仮面を押さえた。
「どうやら、アルダワ魔法学園の技術にあるような、魔導蒸気機関が持ち込まれているらしく。オウガはそれを埋め込まれ、『瘴気の蒸気』を撒き散らしながら襲ってくるようでございます」
 ただの蒸気ではなく、瘴気。吸い込めば相手の思うつぼだろう。
 しかし剛士は、ゆるゆると頭を振った。
「でも、俺の見た感じ、そこまでキッツい瘴気じゃない。マスクとかで口元を覆ったり、風で吹き飛ばしたりすれば、対応は可能だと思うぜ。そうすれば敵も慌てるかもな」
 瘴気を吸い込まず、如何に戦うか。それが戦闘の結果を左右するポイントだ。剛士はそう話して、再び画面をタップした。
 映像がズームインし、花園の中に立つオウガの姿を映す。見たところは時計ウサギのようだが、その手にはめられたグローブに、明らかに異質な機械類が嵌っている。
「相手はボクサーの能力を持つ、時計ウサギの姿をしたオウガが8体。魔導蒸気機関の埋め込まれたグローブを身に着けて襲ってまいります。一体一体は弱小ですが、油断召されぬよう」
 ヴァリウードがそう言って一礼すると、剛士もゲーム機から投影する映像を止めた。指先に彼のグリモアを浮かび上がらせ、にっかりと彼は笑う。
「それじゃ、準備はいいか? スタートの一戦、きっちり勝利で飾ってやろうぜ!」


屋守保英
 こんにちは、屋守保英です。
 遂に始まりましたね、迷宮災厄戦。
 アリスラビリンスだけでなく他の世界も守るため、頑張ります。

●目標
 ・ボクサーバニー×8体の撃破。

●特記事項
 このシナリオは戦争シナリオです。
 一章のみで構成された特別なシナリオです。
 戦場の敵には魔導蒸気機関が埋め込まれています。
 瘴気の蒸気に対抗する手段を講じれば、有利に戦闘を進めることができます。

●戦場・場面
(第1章)
 セピア色に褪せた、不思議な花園が広がる国です。
 魔導蒸気機関が埋め込まれたグローブを装着したボクサーバニーが、猟兵たちを見つけるや、襲いかかってきます。

 それでは、皆様の力の籠もったプレイングをお待ちしております。
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第1章 集団戦 『ボクサーバニー』

POW ●サンドバッグコンボ
攻撃が命中した対象に【ウサギ型の痣】を付与し、レベルm半径内に対象がいる間、【次々と現れる仲間達のパンチ】による追加攻撃を与え続ける。
SPD ●ダーティサプライズブロー
レベルm半径内の、自分に気づいていない敵を【異空間からの奇襲によるパンチ】で攻撃する際、ほぼ必ず狙った部位に命中する。
WIZ ●ハニートラップカウンター
【挑発】を披露した指定の全対象に【無防備にこちらへ近づきたいという】感情を与える。対象の心を強く震わせる程、効果時間は伸びる。
👑11 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


グルクトゥラ・ウォータンク
【アドリブ歓迎】
おうおうおう、始まったようじゃな戦争が!このでかい祭りに出遅れるわけにはいかんのでな、早速特攻(ブッコ)んでいくぞい!

瘴気については防毒マスクを【メカニック】で調整・強化しておこう。視界も動きも多少悪くなるが、今回はわし自身はあまり動かんからの。問題はない。
現地に到着したならユーベルコードで呼び出したガジェットボールズを周囲に哨戒に放ち、【先制攻撃】や奇襲を受けんように警戒じゃ。相手の奇襲距離以上のスペースを常に確保し、数で以て圧殺する。ネズミ一匹逃さんぞ。
ああ、もちろん上空も警戒させておくぞい。なにせウサギはよく跳ねるからな。


●戦いの始まり
 セピア色が埋め尽くす花園。空もくすんだ茶色をした世界。
 そんな世界で唯一の彩りと言えるボクサーバニーは、豊満な肢体と純白の髪を揺らして辺りを警戒している。
 時折、グローブに取り付けられた真鍮色の機械を気にする素振りも見せていた。
 そんな場所に、どすんと地響きを響かせながら、グルクトゥラ・ウォータンク(サイバー×スチーム×ファンタジー・f07586)は降り立った。
「おうおうおう、始まったようじゃな戦争が! このでかい祭りに出遅れるわけにはいかんのでな、早速特攻んでいくぞい!」
 ブッコんでいく、と吼えたグルクトゥラに、ボクサーバニーは鋭く反応した。大きなウサ耳をピンと立てて、手に嵌めたグローブをしっかと構える。
「むっ、猟兵だな! みんな、いくぞー!」
「おーっ!」
 口々に声を上げるボクサーバニー。そのグローブから、音を立てながら紫色がかった蒸気が噴き出した。
 あの毒々しい色をした気体が、瘴気なのだろう。
「あれが瘴気か。勿論備えは万全じゃぞ! ガジェットボールズ、展開じゃ!」
 防毒マスクを装着し、グルクトゥラはすぐさまガジェットボールズバタリオンを発動させた。マスクは彼の手で強化済み、視界も動きも悪くなるが、今回においてはさほど影響はない。
 なにしろ、グルクトゥラ自身はほとんど動く必要が無いからだ。二百を超えるガジェットボールズたちが、全方位に展開してボクサーバニーの位置を把握、先制攻撃を警戒するのだから。
「くっ、警戒されている!?」
「全方位を警戒されているから、手が出せないよ!」
 ボクサーバニーも隙の無い、かつ範囲の広い警戒態勢に困惑している。存在を察知されていては、亜空間を移動しての先制攻撃が行えない。
 まごつくボクサーバニーたちの手が止まるのを、グルクトゥラは見逃さなかった。
「チマチマ戦うのは性に合わんでな、ちょいと派手に行かせてもらうぞい。ボールズ、一点集中! 狙いは……あいつじゃ!」
「ふえっ、こっちに来るの!?」
 彼が狙いを定めたのは自身の真後ろに位置どっていたボクサーバニーだ。まさかそちらに来るとは予想していなかったバニーが逃げるより早く、周囲に浮かんでいたガジェットボールスが殺到する。
「わっ、くっ、来るな、ぎゃー!!」
「ぐっはっは、わしにかかればこの通りよ!」
 ボールズに袋叩きにされるボクサーバニーが悲鳴を上げる中、グルクトゥラは豪快に笑った。
大成功 🔵🔵🔵

蝶ヶ崎・羊
『この瘴気と敵がいなければ素敵な景色なのですが…残念です』

対抗策としてガスマスクをつけ、【オーラ防御】を纏って移動しましょう
見た目で【恐怖を与える】事も出来れば良いのですが

WIZの攻撃はあえて受けて近づきましょう
そして罠にかかったと思っていそうな敵にUCを発動し、光の柱を落とします
『挑発して良いのはその怒りを受け止められる方だけですよ』
そのまま至近距離でC・Cによる【重量攻撃】を仕掛けます

物理的な攻撃は【見切り】で回避しましょう


●挑発の始まり
 さ、と花を揺らす音がする。
 蝶ヶ崎・羊(罪歌の歌箱・f01975)は優雅に、花を避けて歩きながら、ボクサーバニーの姿を視界にとらえた。
「この瘴気と敵がいなければ素敵な景色なのですが……残念です」
 そう話しながら、彼は視線を巡らせる。くすんだ世界、くすんだ花園。見方によれば悲観的な風景だが、郷愁を起こさせる風景でもある。それはそれで、美しい。
「むっ、新手……ひっ!?」
「な、なんだ、あいつ……!?」
 そしてボクサーバニーが近づいてくる羊の姿を見つけるや、そのいずれもが例外なく身を竦ませた。
 ただのガスマスクならいざ知らず、羊の装備するそれは、真っ黒で、若干ものものしい雰囲気のあるものだ。それに加えて彼の纏うオーラが、羊をただならぬ者のように仕立て上げている。
 実際、ボクサーバニーたちにとっては今の羊は恐怖の対象であるらしい。歯の根が合わなくなり、かちかちと歯を鳴らす中、一人のバニーが震えながらも羊に向かってグローブを突き出した。
「ふっ、こ、怖くなんてないもんねーだ! ほら、あたしはここにいるわよ、こっちに来てみなさいよ!」
「へぇ……?」
 挑発の言葉。それを受け止めて、羊はガスマスクの内側でうっすらと笑った。
 そのまま静かに、無防備にバニーの方へと歩いていく。その姿は、まさしくボクサーバニーの術中にはまった姿だと言えるだろう。
「……」
「ふ、ははっ! どうよ、あたしにかかればあんたなんて――」
「オレなんて、なんです?」
 無防備に自分の傍まで歩いてきた羊に、歪んだ笑みを見せながらボクサーバニーが拳を振りかぶった瞬間、羊の声と共に天から光の柱が降り注いだ。
「ふわっ!?」
 突然の光にバニーが動きを止めた。ただの光ではないことは明白だ。それを落としてきたということは、つまり。
 焦るバニーの目の前で、羊がC・Cを振り上げるのが見える。
「挑発して良いのは、その怒りを受け止められる方だけですよ」
「ぐふぅっ!?」
 そのままズドンと、指揮棒にあるまじき音を響かせながら羊はバニーの脳天を打ち据える。重量のある一撃を食らったボクサーバニーは、地面に倒れ伏すよりも先に砕け散って消えていった。
大成功 🔵🔵🔵

アーネスト・シートン
ルー(f16514)と一緒

今回の相手はウサギ人間もどきといったところですかね。
今回の相手、蒸気機関を取り付けられて瘴気を放つとか、自然破壊にも近いことをやらかすんですかね。
わたくし、UDCアースの出身ですけど、こういうのには敏感なのですけどね。
この瘴気を吸わないためにも布は必須ですね。(自分の口周りを布で包んでいく)
あ、ルーの口元ももやっておきますよ。
まず、今回の相手は素早そうですし、こうなれば…小さな生き物に対しては凶暴なイタチの特徴を盛り込むところです。(大きさはそのままで、ほぼイタチに変身)
ウサギなら好物ですから、パンチを避けて、そのまま後ろから首に噛みつきますよ

アドリブ連携絡み歓迎


ルー・カンガ
アーネスト(f11928)と一緒

ここで戦争はともかく、ヒーローズアースに進出する猟書家を止めないとな…

アーネスト、今回の相手ってウサギかな?
ほぼ人間か。じゃあ、何とかなりそうだな。
ボクシングでオレに挑むなんてな。
蒸気機関??
ドーピングじゃねぇかよ!
ますます負けてらんねぇな。
来たなら、速攻で避けてカウンター狙いで殴るぜ。
よし、当てて感覚でわかったぜ、おまえの動きは。
よし来い。来たなら、そのまま前足で組んでから、この自慢の後ろ足で蹴りまくるぜ!
自慢のケリ、効いただろ。

…アーネスト、なんか、恐ろしい顔付きになったな…(イタチ化の事)
雰囲気変わったな…その状態では近づかないでくれよ

アドリブ連携絡み歓迎


●連携の始まり
 再び、ズーンと地面を揺らすような音が聞こえる。
 ボクサーバニーたちが音のした方を向くと、アーネスト・シートン(動物愛好家・f11928)とルー・カンガ(カンガルーボクサー・f16514)の二名がそこにいた。
 ちなみに今の地響きは、バイオモンスターで身長が3メートル近くあるルーの、歩いた音である。
「アーネスト、今回の相手ってウサギかな?」
「いえ、今回の相手はウサギ人間もどきといったところですかね」
 ボクサーバニーを遠目に見ながらルーが話すと、アーネストが小さく頭を振った。
 確かにバニーはバニーだが、ボクサーバニーは人間にウサ耳が生えたスタイルである。獲物と考えるには、少々か弱さが足りない。
 ともあれ、ルーはカンガルーである。ボクシングならお手の物だ。両手に嵌めたグローブを器用に整える。
「ほぼ人間か。じゃあ、何とかなりそうだな。ボクシングでオレに挑むなんてな」
「今回の相手、蒸気機関を取り付けられて瘴気を放つとか、自然破壊にも近いことをやらかすんですね。わたくし、そういうのには敏感なのですけれど」
「蒸気機関?? ドーピングじゃねぇかよ!」
 瘴気を撒き散らす蒸気機関にアーネストが眉間にしわを寄せる。ルーの捉え方は若干異なる気もするが、相手にデバフを与える機関だ、アンフェアなのは間違いない。
 ともあれ、そんな二人を見つけたボクサーバニーが、亜空間を移動しながら二人の方に距離を詰めてきた。
「なんかでっかいの来たよ!」
「大きい猟兵だからって怯んだら負けだ、いくぞー!」
 瞬間移動を繰り返しながら、二人のボクサーバニーが駆けてくる。その度に彼女たちの手首から放出される瘴気が、どんどんアーネストとルーの方に近づいてきた。
「アーネスト、なんか変なにおいがするぞ」
「瘴気のにおいでしょうね。布で防ぎましょう。ルー、屈んでください」
 アーネストがすぐさま口元を覆うように布を巻きつけ、ルーの口元にも布を巻いてやる。そしてアーネストの手がルーの頭から離れた時、ボクサーバニーは二人のすぐそばまで来ていた。
「でっかいからって勝てるとおも――」
「よっと」
「ふぎゃっ」
 高速で拳を突き出してくるボクサーバニーだったが。
 ルーがちょっと身を屈めながら手を突きだせば、バニーの手が届くより先にルーの拳が顔面にぶち当たった。アーネストも大きく飛び退いてバニーの拳をかわす。
 ルーとバニーとでは、身長差が二倍近くある。腕の長さも然りだ。
「やはり、リーチの差は如何ともしがたいようですね」
「よし、当てて感覚でわかったぜ、おまえの動きは」
「わっ、ちょっと待ってちょっと!?」
 顔面を殴られて反応が止まる間に、ルーの両前脚がバニーの身体を抱え込んだ。
 困惑しながら身をよじるバニーだが、逃げようにも逃げられない。そこに。
「おらおらおらー!」
「ひゃああーっ!?」
 ルーの連続キックが炸裂した。強烈なキックを何発も浴びて、バニーの身体は空へと消えていく。
 その余りにも容赦のない攻撃に、もう一人のバニーは恐れながら立ち尽くしていた。
「あわわ……」
「おっと、よそ見している暇なんてあるんですか?」
 と、その背後からアーネストの声がかかる。振り向くより先に、イタチ獣人に姿を変えたアーネストの牙が、バニーの延髄を噛み砕いた。
「ぎゅ……」
「ふう、隙を晒してくれて助かりました」
 首から吹き出す血で口元を濡らしたアーネストが、ぺろりとその血を舐めとる。その姿がルーには、随分恐ろしく映ったようで。
「アーネスト、なんか、恐ろしい顔付きになったな……その状態では近づかないでくれよ」
「おや、そんなに恐ろしいですか?」
 こわごわと声をかけてくるルーに、首を傾げるアーネストだった。
大成功 🔵🔵🔵🔵🔵🔵

虎鶫・夕映
まぁどうするかって考えたら
ようは息吸わなければいいんだから単純に【息止め】をつかって呼吸を一時的に制限して戦えばいい

まぁできても短時間だけど逆に言えばその短時間の間に仕留め切ればいいだけの話。まして短時間の間息を止め続けるってことは物凄く集中して全神経を張り詰めているようなもんでもあるから感度も上がるから奇襲対策にもなるだろう

息止め解除後の呼吸から再度息止めするまでの間がネックだけどそこはまぁ気合で

でも瘴気が毒の類ならある程度なら耐えれるかも


●我慢の始まり
 撒き散らされる瘴気に対して、虎鶫・夕映(サルトラヘビ・f28528)が編み出した対抗策は至極明快なものだった。
「瘴気を撒き散らされるんだったら、息を吸わなければいい話じゃない」
 瘴気を吸うとよろしくない事が起こる。ならば息を止めて、吸わないようにすればいい。
 息を止めている間が苦しいという問題はあるが、その問題によって神経を研ぎ澄ますこともできる。そうすれば奇襲を察知することもできるだろう。一石二鳥である。
 しかして、夕映は瘴気のにおいを感じない、ボクサーバニーから距離を取った状態で大きく息を吸って。
「すー……」
 肺に空気を満たしてから、ぐっと止めた。
「んっ」
 そのまま息が苦しくならないうちに歩き出す。同時に両腕のメガリスを起動させ、鈎フック「ティーゲル」をしゃらりと展開した。
「(メガリス・アクティブ、起動。これでティーゲルを、瘴気が届かない範囲から伸ばせば……!)」
 瘴気が届くより遠くから、ティーゲルを投じてひっかいてダメージを与える。それが彼女の作戦であった。
 そろそろ呼吸も苦しい、今のうちに一度息を吐いて新しい空気を入れようか、というところで。
 彼女は背後に気配と、草を踏む音を感じて振り返った。そこには。
「おっと、隙ありー!」
「っ!!」
 声を上げ、瘴気を撒きながら殴りかかってくるボクサーバニーが一人いて。
 しかし振り返ると同時に横に避けた夕映には、その拳は当たらない。それどころか、夕映の投じたティーゲルによって身体を拘束されているバニーだ。
「わわっ、なんで!?」
「(そこよっ!!)」
 バニーが動きを止めた瞬間、すかさずもう一本のティーゲルを投じる。その鋭い鈎爪はボクサーバニーの剥き出しの首を、確かに裂いていった。
「く、くそぉ……」
 苦しげな表情をして消えていくボクサーバニー。それと同時に周囲を漂っていた瘴気が消えていく。
「っはー、苦しかった……」
 自分の周囲に紫色の空気が見えなくなったことを確認して、ようやく夕映は大きく息を吐き出した。
大成功 🔵🔵🔵

キング・ノーライフ
瘴気源と接近戦とか中々強い組み合わせを用意してくるな。
だが風で何とかなるからやりようは無数にある。
さっさと仕留めるか。

まず【鼬川の指輪】で鼬川を呼び出し、【従者転身】で我も鼬川になる。
これで瘴気を吹き飛ばしながら背中合わせで移動、お互いに声を出し合う事で敵を認識して奇襲を防ぐ。後は発見した敵をカマイタチと【衝撃波】で遠距離攻撃で撃破していこう。

しかし同じ位の身長になるとより今のお前の顔が良く分かるな。
少しは我の下に着た当初よりは良い顔になったぞと褒めておく。
この姿で年上ぶるのも変な感じだがな。


●信頼の始まり
 漂う瘴気の匂いに顔をしかめながら、キング・ノーライフ(不死なる物の神・f18503)は視界の先にいるボクサーバニーたちを見た。
「瘴気源と接近戦とか中々強い組み合わせを用意してくるな。だが風で何とかなるから、やりようは無数にある」
 瘴気を発生させるのが敵そのもので、その敵が接近戦を挑んでくる。なかなかに状況としては厄介だ。しかし手が何も取れないわけではない。
 そう言いながら笑みを見せると、キングは左手に嵌めた指輪を光らせる。すると彼の隣に、黒髪でイタチ耳を生やした少年が姿を現した。
「よっしゃ、俺の本領発揮ってやつだな、ご主人様!」
「ああ、さっさと仕留めるか。鼬川、周囲に風を巻き起こせ」
 従者の一、鼬川・瞬太にキングが声をかけると、彼ら二人を取り巻くように風が吹き始める。この風で瘴気を吹き飛ばそう、という算段だ。
 加えて、キング自身も瞬太と同じ姿に従者転身。二人で背中合わせになりながら、キングと瞬太は花園を進み始めた。
「よし、行くぞ」
「うっす。連中を見つけたら言えばいいのか?」
「互いに定期的に声はかけあっていく、敵を認識することが大事だ」
 そう言いながら二人は、背中合わせになったままで足を進めていく。その間にも言葉を交わし合って、視界に映るボクサーバニーの位置を確認し合っていた。
「見つけたか?」
「三時方向にいるけど、まだ遠いぜ」
 キングの問いかけに、視線を右方向に向けた瞬太が答える。
 そうして幾らか進んだところで、にわかに瞬太が色めき立った。
「おっと、ご主人様来たぜ。十時方向!」
「よし、合わせろ」
 瞬太の言葉にキングも頷き、すぐさま彼が示した方に目を向ける。
 確かにそちら、瞬間移動しながら接近してくるボクサーバニーがいる。まっすぐこちらに向かってくる敵に向かって、二人が手を振り下ろした。
「「斬!」」
「ぎゃっ、なんで!?」
 指先から放たれるかまいたち。衝撃波を伴って飛来するそれが、ボクサーバニーの身体を切り裂いて消し飛ばした。
 敵を撃破したことを確認すると、ふとキングが傍らの瞬太の顔を見た。
「しかし同じ位の身長になると、より今のお前の顔が良く分かるな。我の下に着た当初よりは、少しは良い顔になったぞ」
「ばっ、何言ってんだよご主人様、俺がいい顔してんのは当然だろ!?」
 少し照れながら目を逸らす瞬太に、キングは微笑ましい目を向けていた。
大成功 🔵🔵🔵

ティオレンシア・シーディア
※アドリブ掛け合い絡み大歓迎

別の世界からアリスを引っ張ってくるだけあって、いろんな技術とかごちゃ混ぜにしてるのかしらぁ…?
まあ、あたしたちが言えることじゃないけれど。

蒸気はまだいいとしても、正気は流石にほっとけないわねぇ…
それじゃ、祓っちゃいましょうか。●酖殺で辺り一帯を聖域に塗りつぶしちゃいましょ。「浄化の聖域」に瘴気なんて、存在できるわけないわよねぇ?

…で、挑発かぁ。…うん、あえて乗っちゃいましょうか。そのまま無防備に近づいて…カウンターに〇クイックドロウからのクロス〇カウンター一閃でブチ貫いちゃいましょ。
これでもあたし、早撃ちにはそこそこ自信あるのよぉ?


●思案の始まり
 ボクサーバニーの数が徐々に減らされて、彼女たちがどんどん焦り始めていく中で。
 ティオレンシア・シーディア(イエロー・パロット・f04145)はそんなボクサーバニーの手元に細い目を向けながら口角を下げた。
「別の世界からアリスを引っ張ってくるだけあって、いろんな技術とかごちゃ混ぜにしてるのかしらぁ……?」
 どう見たって魔導蒸気機関、アルダワ世界の技術力が用いられていると思われる物品。猟書家もなにやら、いろんな世界からやって来たみたいに感じられるし、そうした技術やらなんやらを複合的に取り扱っている可能性は、確かにある。
「……まあ、あたしたちが言えることじゃないけれど」
 が、それ以前に色んな世界を渡り歩き、色んな世界のジョブを複合的に組み合わせ、色んな世界由来のユーベルコードを使用している猟兵である。何を言わんやというやつだ。
「むっ、また猟兵が!」
「あらぁ、瘴気がどんどん出てるわねぇ。それじゃ、祓っちゃいましょうかぁ」
 ティオレンシアの存在に気付いたボクサーバニーが手元の機関から瘴気交じりの蒸気をどんどん出していく。それを見たティオレンシアが、さっと手を挙げた。
 と、花園に降り注ぐ雨あられ。それと一緒に零れ落ちてくる聖水、聖塩、ルーンの刻まれた木片。それらが、花園一帯を聖域へと変えていく。
 途端に瘴気が力を失い、ただの蒸気へと変わっていく様に、ボクサーバニーは大いに困惑した。
「なっ、待っ、え!?」
「『浄化の聖域』に瘴気なんて、存在できるわけないわよねぇ? 採算ブン投げた大盤振る舞いだもの。逃げ場なんてないわよぉ?」
 困惑して辺りを見回すボクサーバニーに、ティオレンシアが無慈悲な言葉を投げる。
 そんな彼女に対し、バニーはぶんぶん腕を振り回しながらきっと目尻を持ち上げた。
「くっ、瘴気が無くたって、あんたみたいなぽえぽえした女、一捻りなんだからね!」
「ふぅん、そうなのぉ……?」
 その言葉を受けて、ティオレンシアの目元が小さく動く。そのまま、両腕をだらんと垂らしながら、彼女は一歩一歩、無防備にもボクサーバニーに近づいていった。
「すごいわねぇ、どうしてくれるのかしらぁ?」
「バカにして……! 見てなさいよ、こう――」
「遅い。あと大振りすぎ」
 激高して拳を振り上げ……ようとしたボクサーバニーの額が、がくんと後方に振れる。
 額に穴を穿たれたボクサーバニーの目の前で、ティオレンシアはその手に拳銃を握っていた。
 無防備な姿勢から、即座に抜き放ち、弾丸を一発ぶち込んだのだ。
「ふぅ……これでもあたし、早撃ちにはそこそこ自信あるのよぉ?」
 銃口から立ち上る硝煙を吹きながら、ティオレンシアは蠱惑的に笑って見せた。
大成功 🔵🔵🔵

神崎・柊一
同行
楊・宵雪(f05725)

「いくら可愛くてもボコボコにされる趣味はないんでね…!
インファイトは得意じゃないんだよこっちは!

瘴気の蒸気対応
先制+弾幕+貫通+部位破壊で敵の蒸気機関を狙い
UCの爆発の熱、爆風で蒸気の霧散と瘴気の破壊を狙う
結界術で自分と仲間への蒸気の影響を抑える

二人で飛行し背中合わせで360度を監視
敵の8匹をどちらかの視野に納め、奇襲の芽を摘む
この時、真下も定期的に確認し死角を消す

挑発にかかった味方は手を握る
一度こちらを向かせて挑発の敵から意識をそらす等で仕切りなおす

「いや、ちが、そうじゃないんだって…宵雪!?

後は執拗に足を狙い戦闘能力を削ぎ放置
数的有利を早期に崩したい


楊・宵雪
同行
神崎・柊一(f27721)

瘴気の蒸気対策
可能なら風上取り呪詛耐性とオーラ防御で耐え
UCの炎の熱で気流を起こし蒸気の流れを誘導
拡散防ぎ味方守りつつ技能破魔で無害化を試みる

さらに、部位破壊で蒸気機関部を狙い
衝撃波の風圧で蒸気から身を守る

索敵
蒸気の煙をヒントに敵位置を先に把握
飛行して俯瞰し、多くの陸上生物にとって死角となりやすい頭上を取りつつ広範囲を視界に納める
相方と情報共有しカバーしあう

挑発対策
相方と相互に声かけ
「わたくしよりあの娘のほうが魅力的だなんて寂しいわ
とハニトラ上書き

攻撃するときは各個撃破を心がけ
蒸気機関を破壊した個体を逃がして隠れさせないようにする


●嫉妬の始まり
「くっそー、もうこうなったらなりふり構っていられないぞ! かかってこい猟兵ー!」
 そう声を上げながら、最後に残ったボクサーバニーが拳を天に突きあげる。
 それを見ていた神崎・柊一(自分探し中・f27721)と楊・宵雪(狐狸精(フーリーチン)・f05725)は、何とも言えない表情で顔を見合わせた。
 宵雪がおもむろに、やぶれかぶれなボクサーバニーに指を向ける。
「柊一さん、彼女あんなこと言ってらっしゃるわ」
「ごめんこうむるね、インファイトは得意じゃないんだよこっちは! いくら可愛くても、ボコボコにされる趣味はないんでね……!」
 そう言ってゆるゆると頭を振りながら、柊一と宵雪は足元の花を蹴った。そのまま上空へと飛翔し、ボクサーバニーを見下ろせる位置に移動する。
「あっ!?」
「悪いが地上での鬼ごっこに付き合ってはいられないんでね」
「このまま飛翔するわ。柊一さん、彼女を見逃さないようにお願いね」
 口をあんぐりと開けてこちらを見るボクサーバニー。まさか飛んで逃げられるとは思っていなかったのだろう。上空に逃げられたら、瘴気がどうあろうと一切関係ない。
 声を張って言い返す柊一に、宵雪も冷静に声をかけていく。
 そんな柊一へと、ボクサーバニーは負けじと声を張った。
「ふ、ふーんだ! 直接攻撃をされないように空中に逃げるだなんて、卑怯者! いくじなしー!」
「なっ」
 あからさまな挑発。その言葉に柊一のこめかみがぴくりとなった。それに気を良くしたのか、さらに畳みかけるようにボクサーバニーが声を張り上げる。
「そーんなところで逃げ回ってないでさ、あたしと楽しいことしよーよ!」
「ぐ、ぐぬ……」
 明らかに誘って来ているバニー。抗うべく宵雪の手を握りしめる柊一に、宵雪は手を握り返しながら言った。
「あら、柊一さんってば、わたくしよりあの娘のほうが魅力的だなんて寂しいわ」
「いや、ちが、そうじゃないんだって……宵雪!?」
 その言葉に、はっと目を見開く柊一だ。
 危ない、危うく手を離して無防備に降下するところだった。
 ビームキャノンとアームドフォートを展開し、お返しにとその砲口を地上に向ける。
「……ありがとう」
「いいえ」
 狙いはもちろんボクサーバニーだ。気持ちを取り戻してくれた友達に礼を言いながら、全武装を一斉発射。
 ビームと砲弾、銃弾の雨あられがボクサーバニーに降り注ぐ。その余波で魔導蒸気機関も破損したようだ。
「わっ、ぎゃー!?」
「よっし、命中! 瘴気もまとめて吹き飛べ……フルバースト!
「フォックスファイアも展開します、燃え尽きなさい」
 宵雪も狐火を展開し、眼下の花園を火の海へと変えていく。炎と爆風、弾丸に巻かれながら、ボクサーバニーの身体が炎の中に沈んでいった。
「きゅう……リア充め……」
 倒れ伏し、消えていくその身体。光がしゅわっと立ち上るのを見て、柊一は宵雪に視線を向ける。
「これで、この世界も平和になるのかな」
「どうでしょうか。まだこれからだわ」
 宵雪の言葉に、柊一がこくりと頷く。戦いはまだ、始まったばかりだ。
大成功 🔵🔵🔵🔵🔵🔵

最終結果:成功

完成日2020年08月03日
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