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迷宮災厄戦⑨〜緩やかに刻は過ぎて

#アリスラビリンス #戦争 #迷宮災厄戦

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●時を凍らされた城
 ひつじのしつじさんはゆっくりと動く。
 場所はアリスラビリンス、時間凍結城。そこは氷に閉ざされた冷たい城。すべてを凍らされ、時間をも氷に蝕まれたそこは、ここに来るものの時間を凍らせる。
(ティータイムさえも、のんびりとしか出来ない。ふべんなところだね)
 紅茶をゆっくりとカップに注ぐ。思考はいつも通りに出来る。ただ動きがいつもより緩やかになってしまう。これでは猟兵が来たとしてもーー。いや、猟兵もここに来れば同じこと。条件は同じだ。
(それでは、ゆっくりとティータイムを楽しもう)

●グリモアベースにて
「…来たか。アリスラビリンスの戦争の話は聞いたな?」
 集まってきた猟兵たちを迎えた樋島・奏弥(ノイズ・f23269)は静かに貴方達を見る。
「今回行って貰うのは時間凍結城。時間を凍らされた、冷たい城だ」
 皆に戦場の地図を見せ、ここらへん、と指で指し示す。
「貴方達に戦ってもらうのは、ひつじのしつじさん。羊の頭をした執事だ。…どうやら1人お茶会をしているようだが…」
 1人のお茶会とは寂しいことをしている。…だがそれは今関係ない。
「…この戦場で注意してもらいたいのは、時間が凍らされていること。肉体の動きや、ユーベルコードの攻撃、全ての行動速度が10分の1になる」
 もちろんお喋りもまともに出来やしないだろう。
「…ただ思考はいつも通り出来る。だから思考時間を使い、戦略的に動いてほしい」
 戦略的な内容は貴方達に任せる、と続ける。
「…戦況はややこしいが…貴方達なら何とか出来ると信じている」
 行ってらっしゃい、と奏弥は転送ゲートを開き、猟兵達を氷の城へと送り出した。
 


笹山ぱんだ
●こんにちは、笹山ぱんだです
アリスラビリンスの戦争、始まりましたね!今回も宜しくお願いします。
戦争シナリオのため、一章完結のシナリオになります。

さて、今回の戦場では敵味方の全ての行動速度が10分の1になります。なのでその事を考慮して動かなければいけません。

ーーーー
プレイングボーナス……思考時間を活かし、戦略的に戦う。
ーーーー

第1章:『ひつじのしつじさん』
ボス戦。
可愛らしいひつじの頭の執事さんです。
様々な未練をおやつとして食べることが大好きなようです。
お喋りが好きだけど今回はあまりお喋り出来なくて不満そうです。1人のんびりとお茶会をしています。

それでは、良き戦いを。
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第1章 ボス戦 『ひつじのしつじさん』

POW   :    食事の時間だね
【銀製フォーク】が命中した対象を切断する。
SPD   :    痛いのは好きじゃないんだ
全身を【もふもふの羊毛】で覆い、自身が敵から受けた【攻撃】に比例した戦闘力増強と、生命力吸収能力を得る。
WIZ   :    願い事を叶えてあげよう
小さな【ティーポット】に触れた抵抗しない対象を吸い込む。中はユーベルコード製の【対象の理想が全て叶った世界】で、いつでも外に出られる。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠エンティ・シェアです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

ニオ・リュードベリ
わわ、変な感覚
頭だけが冴え渡るのも考えものだね

ひつじさんの脅威は3つ
あのフォークは受け止めないで回避した方が良さそう
羊毛は攻撃しすぎると危険だね。一撃必殺でいこう
ティーポットは……大丈夫。あたしの願い事はあのポットの中にはない

相手の動きもゆっくりと観察し考える
ポットには抵抗するから大丈夫
お茶会は魅力的だけど、あたしはこの世界を救いたいの
それから見た目は人型で飲食も出来るなら、内臓の位置も人間に近そう
それなら――狙うは心臓!

UCで鎧と翼を生み出し【ダッシュ】で接近
【視力】で相手のフォークを見切り懐に突っ込む
【ランスチャージ】の技術を駆使し、突っ込んだ勢いで心臓を【串刺し】に
お茶会はおしまいね!



●ひつじのしつじと氷の城
(わわ、変な感覚。頭だけが冴え渡るのも考えものだね)
 氷の城へ入ると、ニオ・リュードベリ(空明の嬉遊曲・f19590)を襲ったのは時間が凍っていることによる自分の行動速度の減少。
 ひつじのしつじは一人、ニオの目に映る範囲でテーブルの傍に立ち、紅茶を入れている。ニオの到着に気付いたのかゆっくりと顔を上げようとしているようだ。
(ひつじさんの脅威は3つ――)
 ひつじのしつじはゆっくりと顔を上げニオを見た。きらりと大きいフォークが光る。
(あのフォークは受け止めないで回避した方が良さそう。羊毛は攻撃しすぎると危険だね。一撃必殺でいこう)
 全身を覆うというもふもふの羊毛は攻撃を与えた分だけ彼の力を底上げする。ならば、一撃で倒した方が良いだろう。
(ティーポットは……大丈夫。あたしの願い事はあのポットの中にはない)
 彼の手にあるティーポットは理想の世界へと誘ってくるらしい。…だがニオの望むものは、そこにはない。それは解っていた。

 ゆっくりと、ゆっくりとニオの方へひつじのしつじは駆けてくる。ニオも【空明の鎧】を使い、影で出来た鎧を纏い、光の翼を背に携える。そしてゆっくりとダッシュしひつじのしつじの持つフォークを交わす。
 アリスランスをゆっくりとその心臓へ串刺しし――。
(お茶会はおしまいね!)
 ひつじのしつじは何かを言おうと口を開いたようだが、何も出ることはなく、ゆっくりと倒れていった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

セレシェイラ・フロレセール
これは初めての感覚
身体はいつものように動かないけれど、じっくり思考を重ねることが出来るのね
それでは、相手を観察しながらついでに詠唱も開始してみようか

あのひつじのしつじはどうしてひとりで茶会に興じているのだろう
お茶が好き?それともひとりの時間が好き?
いや、今考えることではないか

あのもふもふを見てると思う存分もふりたくなる
だからもふもふをパワーアップさせるのはなしの方向で
フォークは痛いから全力で避けるよね
となるとわたしが対処出来るのはティーポット
要はティーポットに触れなければいい話だ
万が一触れたとしても抵抗する
吸い込まれるのは抵抗しない対象だからね
自分の願い事は自分で叶える主義なんだ、ってね



●ひつじのしつじとさくら
 アリスラビリンス、歪に凍った氷の城を訪れたセレシェイラ・フロレセール(桜綴・f25838)の身体を襲ったのは時間が凍っていることによる自分の行動速度の減少だ。
(これは初めての感覚)
 ゆっくりと手を動かしてみるも、その速度はいつもよりずっと遅い。
(身体はいつものように動かないけれど、じっくり思考を重ねることが出来るのね)
 それならばすることは、相手を観察し詠唱を始めることだけだ。

 ひつじのしつじはテーブルの傍に立ち、紅茶を淹れてお茶会を行っている。現れたセレシェイラの方をゆっくりと見た。
(あのひつじのしつじはどうしてひとりで茶会に興じているのだろう)
 どうして?ここには彼しかいないから?それとも、
(お茶が好き?それともひとりの時間が好き?)
 ひとりの時間が好きだから、とひとりしか居ないから、だと言葉の印象が違う。同じ一人なのにね。
(いや、今考えることではないか)

 彼はティーポットを手にゆっくりと、ゆっくりとセレシェイラの方へ駆けだしてくる。もちろん腰に大きいフォークを携えて。
(あのもふもふを見てると思う存分もふりたくなる)
 体中のもふもふに触れれば、きっと気持ち良いだろう。でも傷つけるとその分だけパワーアップしてしまう。それは避けるべきだろう。
(フォークは痛いから全力で避けるよね)
 となると、対処できるのはあのティーポット。それは全て叶った世界へと連れていってくれるらしい。
 色々考えていれば近くまで、彼が来ている。
(要はティーポットに触れなければいい話だ)
 セレシェイラの詠唱は終わり、ふわりと桜色の光がひつじのしつじを襲う。
(自分の願い事は自分で叶える主義なんだ、ってね)
 たとえ触れたとしても、そのまま吸い込まれることは無い。空想の世界は、どれだけリアルでも空想なのだから。
 

大成功 🔵​🔵​🔵​

フィロメーラ・アステール
「戦略的に動くとは……?」
難しい事考えるの苦手なんだよな!
ここは発想を変えて、深く考えないことにしよう!

つまり……見てから動く!
相手の行動をじっくり観察する!

まず【薄暮に踊る払暁の恒星】を発動!
この技を使うと移動速度が下がる代わりに反応速度が上がる!

相手の重心の流れ、足の踏み出し方、腕の筋肉の動きといった『行動の前兆』をじっくり【情報収集】しておき、その時点で反応することで後の先を取った【カウンター】を狙う!
こっちは魔力で【空中浮遊】してるから、体を動かすより早く小刻みに動けるし、光【属性攻撃】の光線魔法なら相手のフォークより先に届く!

最小限の動きによる攻防一体の動き!
この【早業】で敵をうつ!



●緩やかに刻は過ぎる
「戦略的に動くとは……?」
 ゆっくりと、ゆっくりと、口が開いて音を出す。氷の城へ入れば言葉を発することすらもその速度を落とす。フィロメーラ・アステール(SSR妖精:流れ星フィロ・f07828)はそのことを身をもって知った。
 しかし考えることが苦手なフィロメーラは思う。
(ここは発想を変えて、深く考えないことにしよう!)
 開き直りに似た結論を考えてゆっくりと頷いた。

 じぃっとフィロメーラはひつじのしつじの行動を観察する。紅茶を淹れていた彼は、フィロメーラの存在に気付けばこちらを見、そしてそのフォークを持ち、こちらに駆け寄ろうとしている。
 その行動も、ゆっくりと、ゆっくりと。【薄暮に踊る払暁の恒星】を使い、移動速度を代償に反応速度が上げる。
 敵の重心の流れ、足の踏み出し方、腕の筋肉の動きといった行動の前兆をじっくり観察し、情報を収集。そして近寄ってきて、フォークを振り下ろした瞬間小さく避けてきらきらした、光線魔法を放った。
 常に空中浮遊をしているフォロメーラだからこそ、最小限の動きで相手の動きを読み、避けれることが出来る。それはまごうことなき早業だった。
 ひつじのしつじはゆっくりと、それはまたゆっくりと後ろへ吹っ飛んだ。吹っ飛ぶ様子も時間を支配されたこの場所ではゆっくりだ。どーんと倒れた音もまた、ゆっくりと響く。ここはまるで現実世界から切り取られたかのような、不思議な気持ちになる。
 やはり、いつもの方がいい。フィロメーラは小さくそう思った。
 

大成功 🔵​🔵​🔵​

倶利伽羅・葵
氷には―――火だ!
UC蒼炎拳舞『蒼ノ纏綿』を使って炎を纏い【オーラ防御】と組み合わせフォークを迎撃する鎧として、攻撃する時にも攻防一体のUCとして使う。
あの怪しげなポッドも念のため飛んでくるなら炎を纏った腕で迎撃しよう!
それと中途半端に攻撃すると手痛い反撃を受けるみたいだね!
自慢の【怪力】とダッシュで相手の懐に潜り込んで攻撃する時は一気に畳みかける事にするよ。
可能ならボクが纏う炎が命中した対象に対して威力を発揮するもう1つのUC 蒼炎拳舞『拳火蝉脱』 も使って更に追撃してみよう。

今回は色んな世界で色々起きて大変な事になってるからね!余りゆっくりしてられないんだ! ゴメンね羊さん!



●氷と炎
(氷には―――火だ!)
 氷に閉ざされ、全てを凍らされた城に倶利伽羅・葵(神のブレイズキャリバー・f18473)は来た。前情報通り、自分の速度は通常よりかなり遅く、ただ思考はいつも通り動いた。
 【蒼ノ纏綿】を使い体中に炎を纏わせて更にオーラで防御をする。そうすればある程度は攻撃を耐える鎧となる。そしてそれは攻撃の際にも攻防一体のものとなることを予測していた。
 ひつじのしつじさんはお茶会をしていたらしい。テーブルの横で紅茶を注いでいた手を止め、葵の方へと近づいてきた。その速度もまた、ゆっくりとしたものだったが。
 葵自身も駆け出す。ゆっくりと、ゆっくりと。自分の思考速度と動きがまるでかみ合わない為違和感をずっと感じる。だが、頑張るしかない。
 ようやく敵の懐に潜り込めばその腹へと炎を纏った拳を叩きつける。ゆっくりとゆっくりと、その身体は浮き上がり、飛んでいく。
(今回は色んな世界で色々起きて大変な事になってるからね!余りゆっくりしてられないんだ! ゴメンね羊さん!)
 おしゃべり大好きなひつじのしつじさんも、この氷の城ではおしゃべりも何も出来ず、緩やかに倒れいくしかない。
 自分の本領を発揮できない戦いは何ともあっけないものだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​

雪・兼光
わーお、ナイスなひつじさんなことで
先ずは、銀製のフォークは必ず回避すること見切りと第六感で確実に回避する
俺も痛いのは嫌い、一撃必殺
理想…。俺の理想はなんだっけ、『欠けてる』からわからねーわ。

てかさ。

……人の心に土俗に入ってこないでくれ、てめー殺すわ。

確定事項だ。

お茶ねぇ。わりぃけど俺はコーヒー派なんだよ。
およびじゃねーって?だから俺消えてやるよ。アンタを殺してな
フォークを避けて避けて、隙が出来たらその脳天に部位破壊、誘導弾、乱れ撃ち、2回攻撃、暗殺、傷口をえぐるのオマケ付きでブラスターを撃ち込んでやるよ。

さよなら消えてやったろ?クソ羊。



●お茶会は終わり
(わーお、ナイスなひつじさんなことで)
 雪・兼光(ブラスターガンナー・f14765)はゆっくりと己に向かって振り下ろされるフォークを見切り、回避する。
 氷の城に訪れた兼光は自分の動きが遅くなることを自覚し小さく舌打ちをした。その舌打ちさえも思考と、動きが合わず違和感を感じた。
 ひつじのしつじさんの持つティーポットは完璧な理想の世界へと連れていってくれる。理想、理想とは。
(理想…。俺の理想はなんだっけ、『欠けてる』からわからねーわ)
 イライラとする思考へ落ちると、兼光はひつじのしつじさんを睨む。
(……人の心に土俗に入ってこないでくれ、てめー殺すわ)
 お喋りをすればきっと、この口はいつもより遅くなる。その事に気付けば心の中でそう宣言をした。
(確定事項だ)
 お茶会好きなひつじのしつじさん。持っているのはティーポット。そして大きなフォーク。
(お茶ねぇ。わりぃけど俺はコーヒー派なんだよ。およびじゃねーって?だから俺消えてやるよ。アンタを殺してな)
 お茶会にはどうせ呼ばれないだろう。呼ばれたくもないが。そのフォークを避けて、避けて。隙を見つかればひつじのしつじの頭にブラスターを叩きこむ。
 何度も何度も撃たれるそれは、オーバーキルだ。血をばらまき、脳みそが潰れ床に散らばる。
(さよなら。消えてやったろ?クソ羊)
 お茶会に誘うなら、コーヒー派は呼ばないことだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2020年08月02日


挿絵イラスト