迷宮災厄戦③〜幸運に相対する猟兵は不運なのか?(作者 岡崎三号
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#アリスラビリンス  #戦争  #迷宮災厄戦 


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●四つ葉のクローバーが見つかる確率は約1/10000らしい
 夕闇に支配された不気味な森、その奥深くにシロツメクサに侵食された木が並ぶ一角がある。
「あら、この木には『四葉じゃないクローバー』が生えているわ?」
「おかしいわおかしいわ、私達には『兎の幸運』が付いているんだもの!」
「きっとこの木が邪魔をしているのね?許せないわ許せないわ!」
「へし折りましょう!燃やしましょう!」

 異常的なほどに四つ葉のクローバー以外を排除する少女たち。
 ……このオウガたちが猟兵達を目にしようものなら、どのような行動を起こすか想像に難くないだろう。

●幸(不)運を運ぶもの
「皆さん、幾度の予兆を経て、ついに迷宮災厄戦が始まりましたね!」
 「できることなら自分が行きたかった」とまでにやる気満々で予知を語るのはグリモア猟兵の空葉・千種。
「私は皆さんを送り出さないといけないので今回の戦いには参加できませんが……その分、みなさんが大活躍してくれると信じています!」

「さて、今回皆さんに向かってもらう戦場、ゆうとろどきの森には『不気味な身体部位』を移植された、不気味なオウガの群れが蠢いています。そのオウガたちは移植された部位で通常のユーベルコードによる攻撃に加えて追加の行動を起こすことができるようです」
 そう言ってから千種がスケッチブックを取り出すと、そこには足だけが兎のそれと取り替えられた緑衣の少女が描かれていた。

「今回の敵『四つ葉の使者』に移植されているのは、『無理やり貼り付けたようなうさぎの足』です。……皆さんはうさぎの足の言い伝えをご存知でしょうか?」
 うさぎの足はヒーローズアースやUDCアースのアメリカなどで、比較的ポピュラーなお守りとして知られている。日本でもストラップに加工されたそれを通販サイトなどで買うことができるだろう。
「その加護を受けているのか今回の敵は『絶対的な幸運』を思うままに起こすことができるようなのです!」
 例えば弓矢を用いた攻撃なら偶然の強風で矢がずれ、銃を用いた攻撃なら異様なまでに不発が起こるなど、明らかに敵の有利となる出来事が多く発生するだろう。
「ですから……皆さんには『幸運に頼らない戦い方』をお願いします!」
 先程の例で言うのなら、いかなる強風であろうと零距離で放たれた矢は方向をそらされることはなく、異様なまでに不発が起こるというのならそれを上回る弾量で攻撃を行えればどれだけ不発弾があろうと関係ない。
 結局の所、『ランダム性を廃した作戦で戦うことができれば問題はない』のだ。

「万全の準備を行う、起こりうる不運を事前に考えて備える、いっそ敵の運勢を吸い取る……どのように幸運に対処するかは皆さんの自由です」
 「皆さんの強さはただの運任せじゃないから、きっと大丈夫です!」と締めくくり、千種は猟兵たちを戦場へと送り出した。


岡崎三号
 このシナリオは『迷宮災厄戦』の戦争シナリオです。
 下記のプレイングボーナスが設定されておりますのでプレイング作成の参考にしてください。

 プレイングボーナス……「不気味な身体部位」への対抗手段を考える。
 ※このシナリオの不気味な身体部位は『無理やり貼り付けたようなうさぎの足』です。
 その効果によって、今回の敵は通常のユーベルコードによる攻撃に加え、『自身の身に極度の幸運を起こす』ことが出来ます。

 こんにちは、岡崎三号です。
 この度はシナリオ『幸運に相対する猟兵は不運なのか?』のオープニングを閲覧頂きましてありがとうございます。
 補足情報となりますが、戦場は多くの木が生えているため奇襲に易く、敵も一体一体の地力は高くないので簡単に実力差で押し切ることが可能です。
 幸運だけの戦い方では通用しないとオウガに思い知らせてやりましょう!

 それでは皆様の楽しいプレイングをお持ちしております!
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第1章 集団戦 『四つ葉の使者』

POW ●ぐちゃぐちゃにすれば食べやすいものね?
【クローバーの魔法陣から放つ魔力の矢】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD ●あなたも素敵な四つ葉になりたいでしょう?
対象への質問と共に、【クローバーの魔法陣】から【白詰草で出来た犬型の怪物】を召喚する。満足な答えを得るまで、白詰草で出来た犬型の怪物は対象を【牙による噛み付きや体当たり】で攻撃する。
WIZ ●綺麗でしょ、あなたもこの一部になるのよ!
自身からレベルm半径内の無機物を【四つ葉のクローバーと白詰草の嵐】に変換し、操作する。解除すると無機物は元に戻る。
👑11 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


鈴木・志乃
(すうっ)
(【全力魔法】で爆音と化した【歌唱】の【衝撃波】でUC発動。一切合切【なぎ払い】攻撃)

……え? なに? なんかもんだいある?
大地震わす程の大声から逃げるのはムズカシーと思うよ?
幸運も何も耳があって鼓膜があるんなら、攻撃は嫌でも通るでしょう。
サウンドソルジャー系の相手と相性最悪なんじゃないかなぁ、たぶん……。

あ、私は【高速詠唱】の【オーラ防御】で自分は守ってます。自爆は怖いからね。
UCの効果で敵の嵐もキャンセルできるし、後はガンガン押すだけかなぁ。

これでも怒ってるんだよ?
大好きなアリスラビリンスが潰されそうな事態にね。


霧ヶ谷・紫音
森での戦闘ねぇ…上等だ!
「じゃ、要するに近寄って一気に薙ぎ払えば良いわけだ!」
「幸運」と「経験」…どっちが上か教えてやる!
【POW】
暗い森ってことで、俺の経験を生かしてたっぷり利用させてもらうぜ!
【迷彩】目的で身を低くし、草木に紛れて音を立てず移動、
敵の音、そして暗さ次第で【暗視】ゴーグルを利用して素早く接近。
こういう森での【地形の利用】は十八番だからな!
敵の矢の攻撃は例え向かってきても俺の【武器(で)受け】てやり過ごす!大剣だしな!
でもって一気に【ダッシュ】で飛び出し敵複数を巻き込むように
【怪力】任せにUCで【なぎ払い】を行う!
「深い森での戦闘じゃあ、無駄に音立てた方がやられる…基本だぜ!」


「次はこちらに四つ葉を生やしましょう!」
「四葉でないものは消し去ってしまいましょう!!」
「……?あら、今なにか揺れたかしら?」
「あなたの声聞こえないわ?もっと大きな声で喋ってもらえる?」
「口だけ動かして声を出さないなんて、そんなのおかしいわ!もっとはっきり喋って頂戴!」
 唐突に乱れ始める敵の連携。四つ葉の使者が違和感を感じ互いにその原因を探ろうとした次の瞬間、空間を揺さぶるような衝撃が彼女らを襲い、その脳を揺さぶる。
「大地震わす程の大声から逃げるのはムズカシーと思うよ?」
 背中の羽をはためかせ、木の上から四つ葉の使者を見下ろす鈴木・志乃(ブラック・f12101)。断罪を下す熾天使のように敵を見下ろす志乃は、冷たい視線を地上の彼女たちに向ける。
「酷いわ酷いわ!あなたは四つ葉じゃないからこんな事ができるのね!?」
「……え? なに? なんかもんだいある?」
 普段の柔和な様子を保ちながらも冷酷に突き放す志乃。その内心には強い感情を秘めているのかわずかに左ももの聖痕から光を漏らしている。
「黙ってないでなにか言ってみなさいよ!」
「……どうやらもうこちらの声は聞こえなくなっているみたいだね」
 そう、最初の一撃を持って志乃が破壊したのは四つ葉の使者の鼓膜。いかなる幸運を持ってしても防ぐことの出来ない志乃の大声は受音器官を破壊してもなお、その衝撃波を持って敵を揺さぶり続ける。

「ああ、そうそう。酷いというのなら……まず後ろを気にしたほうがいいよ」
「ぶっ飛べぇぇぇえッ!!」
 志乃と四つ葉の使者の会話を遮る剛鉄の一閃。
「深い森での戦闘じゃあ、音は重要な情報源になる……基本だぜ!」
 志乃のオーラ防御で鼓膜へのダメージを無効化していた霧ヶ谷・紫音(一直線サバイバルガール・f02519)による死角からの奇襲。派手に音をあげようとも敵が察知することの出来ない状況は紫音にとって非常に有利なものであった。
 四つ葉の使者は『運良く』付近に配置されていた朽木で威力を軽減するものの、黒鉄はその幸運を蹂躙し強かに敵を叩き潰す。
「雑草みたいに現れるいやらしい人ね!」
 何体かの敵を仕留めることに成功したものの、幸運に守られた敵はすぐに体勢を立て直し、陣形を組んで魔力の矢を放ち始める。
「迷彩は草木に紛れるためのものだからな!」
 しかし紫音は周囲の樹木を盾にしながら早急に敵射線から離脱。森の暗がりに身を隠し、再び敵の認識内から消失することに成功する。
 普段ならばこの後は対物ライフルによって一体ずつ、確実に敵を削っていく選択肢もあったかもしれない。しかし、今回は敵に幸運がついている。狙撃のために身を晒して敵を仕留めきることが出来なければ相応のダメージを食らってしまうことだろう。それなら……
「要するに近寄って一気に薙ぎ払えば良いわけだ!」
 敵の背後をとり再突入。敵が反撃体勢を整える前に薄暗い環境を利用して急速に距離を詰めていく。
 敵が方向転換を終えると紫音は再度魔力の矢の弾幕に身を晒すことになるがそこは巨大化した大剣を持ってガード。
 黒鉄やそれを支える腕の許容限界を迎えるより先に巨人の剣の一撃によって敵を沈黙させる。

「これでも怒ってるんだよ?大好きなアリスラビリンスが潰されそうな事態にね」
「それなら、とっととこいつらを仕留めて次のところに向かわないとな!」
 敵にどれほどの幸運がついていようとも、こちらには経験がついている。敵が幸運を持って戦況を有利に運ぼうとするのなら、こちらはその全てに対応するだけのこと。
 猟兵たちは敵の優位性を一つ一つ潰していきながら戦場を圧倒していく。
大成功 🔵🔵🔵🔵🔵🔵

マリア・トゥワイスボーン
【ワンダレイ】のメンバーと共に、参ります
相手は、超幸運体質、みたいですね。どんなに、強くても、一撃必殺みたいなのは、通用しなさそうなので……
被害は、最小限に、抑えたいので、最前方で、UCを、使います
巨大化させたハンマーを、敵味方の、判別をしないで、攻撃です。万が一の時は、凌牙さんが、引き受けてくれるはず、です
相手のUC、もハンマーで、対抗します。振ったり、玄翁の部位を、噛ませれば、防げるはずです。私は、クローバーより、食べられる、草が欲しいです!災害用に!


地籠・凌牙
【ワンダレイ】アドリブ歓迎

はっ、今更不運の一つや二つが何だ。こちとら不運の源"穢れ"を食らう黒竜だ!
てめえらが絶対的な幸運で"不運"をもたらすってんなら、それは俺が全部喰らい尽くしてやるぜ!

【指定UC】でみんなを【鼓舞】するぜ。このUCはみんなの不運を俺が引き受けることができる。
つまり「敵の絶対的幸運により不利に陥るという"不運"」を俺が全部喰らうことでみんなが有利に動けるようになるってワケだ。
その分俺にそれら含めたあらゆる"不運"が向かうが、【おびき寄せ】の囮としちゃ上々だろうよ。
「お前らの不運、全部俺が引き受ける!そいつらを思い切りブチのめしてやれ!!」

……食べれる草は大事だよな、うん。


尾守・夜野
■ワンダレイ
「はっ?幸運?
んな足になる事が幸運かよ
それで喜ぶとか反吐がでる」

凌牙に合わせUC発動
対象は敵だが…まぁ当たらなくてもその辺の地面でも問題ない

目的仲間の強化だから
これで不運がいっても…まぁ回復追い付いてくれんじゃねぇかな
UC起動後はしゃがんで黒纏を薄く伸ばして敵の足を狙ってく

運よく逃れるだろうから…避けられる方向を限定して、仲間が攻撃しやすい所に誘導するぞ(誘き寄せ・演技)
実はしゃがむのは貧血起こして倒れこまないようにの対策だったり
攻撃ガードも黒纏で行い生命力吸って枯らす


倒し終わったら
「あー…クローバーは一応食えるぞ?
回りにクローバー食べる動物多いなら毒持つ事あるらしいが」


木々水・サライ
【連携:ワンダレイ】[アドリブ可]
絶対的な幸運ねぇ、絶対的……。
言い返せば俺たちは不運ってところか。

だから、「絶対的な幸運に対する不運」は凌牙が全て吸い取ってくれるそうでな。
それなら、やることはただ一つだ。

【二人の白黒人形(モノクローム・ツインズ)】起動。
その目に埋まった【黒い瞳の四白眼】の戦闘知識を二人分計算する。スパコン並だぜ?
そして、地形も自然も全てを計算して、俺と複製義体で即座に弱点を把握して殴りかかる!
絶対的幸運? 知るかよ。幸運なんてもんは全部、計算の上で成り立つもんだからなァ!


「不運の上に成り立つ幸運なんてもんは、本来なら無い方がいいが……ま、この際ごちゃごちゃ言ってらんねぇな」


「黒いわ、汚いわ、卑しいわ!」
 それは幸運の象徴を尊ぶ四つ葉の使者にとって根源的に忌むべき存在。
 不運や呪い……悪しきものを喰らう青年、地籠・凌牙(黒き竜の報讐者・f26317)が雄々しく叫ぶ。
「てめえらが絶対的な幸運で"不運"をもたらすってんなら、それは俺が全部喰らい尽くしてやるぜ!」
 叫ぶ凌牙に本能的な嫌悪感を感じた四つ葉の使者が一人、また一人と集まり、やがて大きな包囲網を作り上げる。
 強い敵意を持つものに取り囲まれ、危険極まりない状態となってしまった凌牙だが……これを排除することができたのなら、この場所は制圧できたといっても過言ではない。

「凌牙さん、接敵した、ようですね」
「不運の上に成り立つ幸運なんてもんは、本来なら無い方がいいが……ま、この際ごちゃごちゃ言ってらんねぇな」
 先行する凌牙より20メートルほど後方。
 森の樹木に身を隠すマリア・トゥワイスボーン(双子星の救助隊・f26792)と木々水・サライ(《白黒人形》[モノクローム・ドール]・f28416)は武器を構えながら前線の様子をうかがう。
「凌牙は全方向から包囲されているようだな。……奴ら、揃いも揃って凌牙に注目しているから俺たちの存在に気づくことはなさそうだ」
 一触即発の雰囲気だった前線は、四つ葉の使者が魔力の矢を構えることで本格的に開戦の形相を見せ始める。
「これ以上は、凌牙さんが、危ないですね。……ちょうど、夜野さんも、配置に、ついたようです」
「それなら、前準備はこのあたりにしてそろそろ叩きに行くかァ!」

「はっ?幸運?んな足になる事が幸運かよ」
 マリア、サライより更に後方。薄暗い森の中で松明を灯したような炎の群れを纏う影が一人。
「それで喜ぶとか反吐がでる」
 尾守・夜野(墓守・f05352)は見にくいほどに幸運にしがみつく四つ葉の使者に対して嫌悪感を顕にする。
 もはや人間の形を保っていないシルエット。アンバランスな足の付け根からはところどころ肉の断面が見えており、夜野でなくても不気味さ、醜悪さを感じさせる佇まいである。
 ……早急に視界から消し去ってしまったほうが精神衛生上よろしいだろう。
「現と幻想をさまよえるものよ、死と再生の象徴よ。かの神に連なるモノよ。来たりて禍福となせ!焔の如く舞うがいい!」
 炎の群れは小さな蝶の形をなし、群れとなって前線へと翔んでいく。
 ユーベルコード・炎々蝶堕を狼煙代わりに飛空戦艦ワンダレイの4名は戦闘行動を展開し始めた。

 凌牙を囮に、はじめに振るわれたのはサライの黒鉄刀。
 二人の白黒人形で複製された二人のサライは四つ葉の使者の幸運をものともせず、的確に相手の弱点を貫いていく。
 当然だ。不確定要素を黒い瞳の四白眼2機による演算ですべて潰している。そのうえ……
「お前らの不運、全部俺が引き受ける!そいつらを思い切りブチのめしてやれ!!」
 凌牙のユーベルコード、祝福の標が猟兵たちの『敵の絶対的幸運により不利に陥るという"不運"』を吸い取っている。
 これにより、凌牙のみに敵の幸運……いや、ワンダレイメンバーの不運が集中してしまうが、確率に偏りがあるのなら演算は容易い。
「こんなの絶対ありえないわ!そうね!あなた、四つ葉を奪っているんでしょう!?」
「知るかよ。幸運なんてもんは全部、計算の上で成り立つもんだからなァ!なあ、夜野?」
「ああ、こうしてマリアの攻撃範囲にお前たちが集まっているのも計算だ」
 後方の夜野は古式の見た目をした銃をもって敵の行動範囲を絞り、黒纏で敵を誘導する。
 全てはマリアの一撃を持って多くの敵を薙ぎ払うために。
 準備ができたことを悟り、マリアの攻撃範囲から急いで離脱するサライ。凌牙も後を追おうとするのだが、『運悪く』敵に囲まれ、地形にも恵まれずマリアの攻撃に間に合わない。……だが、
「だが、それで問題ない」
 後方の夜野はそうつぶやきながら伸ばした黒纏を自らのもとへ戻す。
 ……そもそも、強い不運に囚われた凌牙が攻撃に巻き込まれることなど想定のうち。不運に襲われるのが確定しているのなら、それなりに対応方法がある。
「はっ、今更不運の一つや二つが何だ。こちとら不運の源"穢れ"を食らう黒竜だ!」
 この程度の不運、こなれていると言わんばかりに掲げるのは持ち掲げるのは一体の四つ葉の使者。敵をグラップルし、即席の盾とした凌牙は痛烈な一撃の中に立っていながらもなお、戦闘能力を維持している。
 ……この一撃を持って大勢は決したと言っていいだろう。

「決めるならこのポイントだ。20秒後にタイミングが来る!」
「蝶を全部お前に回す。……耐えろよ凌牙」
 サライが残敵を相当するのに最も効率が良い場所を算出し、夜野が敵を誘導。凌牙は誘導された敵を決して逃がすこと無く引きつける。
「今だ!薙ぎ払えマリア!!」
「みんな、叩き直して、あげます!」
 そして再度振るわれる巨大なハンマーのスイングが四つ葉の使者を、四つ葉に侵食された樹木を、凌牙をまとめて薙ぎ払う。
 敵も警戒しているため、敵を盾にする手段は連続で使用することは出来ない。今度はマリアのハンマーを直接受けることになる凌牙。
 巨大な圧力によって一瞬腕の形が歪みそうになるものの、夜野が炎の蝶の鱗粉を振りかけるとすぐに凌牙の腕は元の形を取り戻す。
「なんで、なんでよ!私達には幸運があるのにぃぃぃ!!」
 一人の四つ葉の使者のセリフを最後に静寂が場を包む。
 少しだけ開けた森の中、立ち上がっているのは攻撃を放ったマリアと、攻撃に巻き込まれなかった夜野、サライ。
 ……そして、黒い淀みを更に色濃く染め上げながら、右腕でマリアのハンマーを受け止める凌牙のみであった。

「あいつらを倒したら、あたりに生い茂っていた四つ葉も枯れ始めたな。……別に惜しくはねぇけど」
「私は、クローバーより、食べられる、草が欲しいです!災害用に!」
「……食べれる草は大事だよな、うん」
「あー……クローバーは一応食えるぞ?環境によっては毒持つ事あるらしいが」
 少なくともこのクローバーは食用に向かないだろう、と狂った四つ葉が消え失せた森の中を見わたす夜野。
 オブリビオンが消え去った以上、いずれここの生態系も改善されるだろう。
 戦後の平和なアリスラビリンスの中、マリアの望むような野草が生い茂る光景を想像しつつ、一同は戦場を後にするのであった。
大成功 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵

最終結果:成功

完成日2020年08月06日
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