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迷宮災厄戦③〜第三の眼のアリス

#アリスラビリンス #戦争 #迷宮災厄戦

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 夕闇に包まれた銛の中、可愛らし衣装を身に纏ったオウガたちが蠢いている。
「こんな暗い森だけれど、みんなの姿がよく見えるわね」
「ええ、新しい眼は気に入ったわ」
「だって、どこにハートボムを投げて良いのかはっきり分かるもの」
 くすくすくす。
 少女の姿をしたそれらは、ハートボムを両手いっぱいに抱えて笑う。
「きっとハートボムは相手に命中するわね」
「ええ、いっぱいいっぱい爆発させて、食べちゃいましょう」
 右の手のひらにはぎょろりと不気味な第三の眼。
 どうやら武器を投げる手に眼を移植されたことにより、ハートボムの命中率が跳ね上がっているようだ。
「ハートボムが当たれば、絶対に勝てるわよ!」
 オウガたちは自信満々に笑みを浮かべた。

●迷宮災厄戦③〜第三の眼のアリス
「迷宮災厄戦だよ。みんな、頑張ろうね」
 ルビナ・ベイビーブルー(スペースノイドの電脳魔術士・f01646)が猟兵達に呼びかけた。
 アリスラビリンスのオブリビオン・フォーミュラ、そして猟書家たちとの戦いだ。
「私が予知したのは、夕闇に支配された不気味な森のオウガの群れだよ」
 夕暮れに包まれた森の中、少女のような姿をしたオウガの群れが蠢いているというのだ。
「このオウガは『閉幕のアリス』。ハートボムという武器を使って攻撃してくるよ。そして一番の特徴は、不気味な第三の眼が右の手のひらに移植されていることなんだよね」
 その眼の力により、ハートボムの命中率が跳ね上がっているのだとか。
「敵の攻撃の集中砲火を受けることになったら辛いよね。でももし右の手のひらに植え付けられた第三の眼に上手く対処できたら、有利に戦えるはずだよ」
 敵は命中率の高いハートボムに絶対の自信を持っている。
 もし何らかの対抗手段を講じることができれば、有利に戦えるというのだ。
「さあみんな。準備は良い? オウガ・オリジンへの道を切り開くため、この森を踏破しよう!」
 その締めくくりで説明は終わった。


陵かなめ
 こんにちは、よろしくお願いします。
 『迷宮災厄戦』の戦争シナリオ、③ゆうとろどきの森での戦いになります。
 特別なプレイングボーナスがありますので、これを利用して有利に戦ってください。
 このシナリオの特別なプレイングボーナスは、『「不気味な身体部位」への対抗手段を考える』です。
 不気味な身体部位、右の手のひらに移植された第三の眼の対処法を考えてみてください。

 オープニング公開と同時のプレイング受付開始です。プレイングお待ちしております。
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第1章 集団戦 『閉幕のアリス』

POW   :    ハートボム(打撃武器運用)
単純で重い【ハートボム】の一撃を叩きつける。直撃地点の周辺地形は破壊される。
SPD   :    ハートボム(投擲武器運用)
【接触地点で大爆発するハートボム】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
WIZ   :    ハートボム(射撃武器運用)
レベル×5本の【愛】属性の【着弾地点を貫く、ハートボム】を放つ。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

陰白・幽
よーし、毎回戦争ってよくわかんないけど、とりあえず敵さんを倒せばいいんだよね、暗い森だけど頑張るぞ〜

敵はへんな爆弾みたいなの投げてくるのか……とりあえずは木とかの影を利用して攻撃を回避を続けて敵を誘き出すよー。
敵がより攻撃を当てようと近づいたり手についた変な眼?みたいなので見てきたらボクのUCを発動して右腕から雷の属性を持った鉄球を作り出して最初に雷を生み出してピカーってするよ
敵が怯んだところで鉄球を叩き込んで、そのまま連続で攻撃を狙っていくよ〜
ハードボム……とりあえず危ない爆弾だろうから気をつけていこっと



●夕闇に一閃
 猟兵達は夕闇に包まれた森での戦いを始めた。
「よーし、毎回戦争ってよくわかんないけど、とりあえず敵さんを倒せばいいんだよね」
 周辺は薄暗く視界が良いとは言えない。
 だが、と。
 陰白・幽(無限の可能性を持つ永眠龍・f00662)は『閉幕のアリス』たちの前に飛び出した。
「あらあら、誰か来たわよ」
「このハートボムでやっつけちゃおう!」
 オウガたちが幽の姿を見て、さっそくハートボムを投げつけてくる。
「わっと、危ないなあ」
 飛んできた爆弾を避けるため木の陰に飛び込んだ。
「ふふんっ! 見えるわよ!」
 上手く避けたと思ったけれど、敵の爆弾は幽が隠れていた木を吹き飛ばした。幽に被害は無かったが、かなりの威力の爆弾だと感じる。しかも狙いは正確だ。
「ふぅん、手についた変な眼? よく見えるんだね~」
「次はもっとよく見て仕留めるわよ!」
 敵が再びハートボムを両手に抱える。
 力を込め本気で攻撃してくる様子だ。
 幽は敵の様子を敏感に感じ取りユーベルコードを発動する。
「龍の顎よ……我が一部となれ……」
 『永眠龍の終末』を放ち、右腕から鉄球を作り出して掲げた。
 その特性には雷属性を。
 暗い森の闇に鉄球から発せられた稲妻が光る。
 ピカリ、一瞬の輝きが敵に襲い掛かった。
「きゃ?! ま、眩しい?!」
 思わず閉幕のアリスが目を閉じる。当然、幽を探るためにこちらに向けていた手のひらの眼もしっかりと閉じた。
「すきあり、だよう」
 その隙を見逃さず、掲げた鉄球を振り下ろし一気に畳みかける。
 幽は勢いよく鉄球で敵を殴りつけ、攻撃した。
「いったーい!」
 吹き飛ばされたオウガは、慌ててハートボムを撒き散らすように投げつけてくる。
 しかし――。
「じっと狙ってないと、当たらないよ~」
 と、幽。
 どうやら眼を閉じてしまえば見えないようだ。
 軽々と投げつけられた爆弾を避け、鉄球で何度も追撃する。
 とはいえハートボムの爆発力は本物だ。
 幽は、投げつけられた爆弾を避けるように木陰から木陰へ走ることを徹底する。合間に敵を打ち付ける戦い方だ。
「ああん、見えない!! 当たらないよぉ!!」
「っが、は、いた、い」
 敵が沈み消えて行く。
 特に稲光の影響を強く受けた二体を幽は撃破した。

大成功 🔵​🔵​🔵​

隣・人
「第三の『目』ですって。いやぁ隣人ちゃんへのご褒美ですかねぇ。とりあえず一緒に踊りませんか?」
まあ簡単に言えば初手催眠術ですよ。五円玉揺らしてぐるぐるぐるぐる陥れてみせます。
ほら。目玉が多ければ多いほど見つめ易いと思いませんか?
隣人ちゃんはそう思います。
「あなたはだんだんぐるぐるくるくる目が回るのです。ほら。立っていられないでしょう???」
そうすりゃ命中率も下がる筈です。
それでもハートボム投げるってんなら拷問術ですね。回転椅子に乗せてめっさ回します。そうしたらコーヒーカップで撲殺です。簡単ですね。
「テメェの三半規管ぶち壊してから脳漿撒き散らしやがれってんです!!!」



●ぐるぐるショウ
「第三の『目』ですって」
 隣・人(ゲロイン・f13161)は口元に笑みを浮かべ森へと入った。森の中ではまだ多くの個体がハートボムを抱え踊っているようだ。
 隣人は閉幕のアリスたちの右手に見える『第三の眼』をしっかりと確認する。
 そして言った。
「いやぁ隣人ちゃんへのご褒美ですかねぇ」
「また来たよ!」
「今度こそ、ハートボムの餌食ね!」
 敵がすぐに戦闘態勢に入る。構わずに優雅に手を差し出した。
「とりあえず一緒に踊りませんか?」
「無いよ!」「踊るのは私たちだけ!」「ハートボムで吹き飛んじゃえ!」
 当然のように拒否されるお誘い。
 隣人はそれでも口元の笑みを絶やさない。
 敵の反応を見て、差し出した手から五円玉を垂らした。
「……?」
 閉幕のアリスたちが首を傾げる。
 隣人は五円玉をゆっくりと揺らし始めた。
「あなたはだんだんぐるぐるくるくる目が回るのです」
 同時に誘うような口調で語り掛ける。
 ゆらゆら揺れる五円玉。それを見る閉幕のアリスたちの瞳もぐるぐると回り始めた。
「ほら。立っていられないでしょう???」
 これは強力な催眠術だ。
「目玉が多ければ多いほど見つめ易いと思いませんか?」
「そう、この眼は何でも、見えるの」
 しっかりと第三の眼で五円玉を見つめ、敵がうわ言のように呟く。よく見ると、身体もゆらゆら不安定に揺れてきた。
「だ、だめよぉっ、攻撃、しないと……」
 それでも攻撃を仕掛けてくる個体もある。
 ぐるぐる目を回しながら放り投げられるハートボムは、隣人にかすりもしない。完璧な第三の眼封じだ。
 なるほど、それでも戦うならば隣人ちゃんにも考えがある、と。
 隣人は即座にユーベルコード『隣人ちゃん流拷問術』を発動させた。
 飛び出てきた手枷足枷を使い、敵を回転椅子に固定。
「さあいきますよ」
 そして、思い切り椅子を回転させた。
「あ、あ、あ、あああああ?!」
 催眠術により目玉ぐるぐる状態からの、回転椅子による身体ぐるぐるだ。
「はら、ほろろろ、ひ?」
 解放された閉幕のアリスは、ぐるぐる目を回したままその場にへたり込む。
 その真正面にコーヒーカップを構え立つ隣人。
「テメェの三半規管ぶち壊してから、脳漿撒き散らしやがれってんです!!!」
 仕上げにその鈍器で撲殺すると、敵の姿が崩れて消えた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

リンドウ・ノア
んん?
アリスなの? オウガなの?
…なんてね、それくらいの区別はあたしにもつくよ

第三の眼は、てのひらだね
だったらハートボムを投げる時にてのひらがパーになって隙が出来ないかな?

こっちだよー
あたしに向かってハートボムを投擲させて、手に持ってた革命剣を投げつけて爆発させるよ
極力距離を保った状態での爆発を狙うね
あたしをまっすぐ狙うなら軌道が読みやすいはず
多少の怪我は無視するよ
爆風に乗じて駆け寄って、暗殺を試みるよ
隠し持っておいた殺戮刃物で第三の眼を九死殺戮刃で集中攻撃
その後に閉幕のアリスを攻撃するね

ちょっと苦しくなるけど、仲間は斬らないよ
あたしが斬るのはオブリビオン…オウガだけだよ



●一瞬の決着
 リンドウ・ノア(コットンキャンディは夢を見る・f19568)は可愛い衣装に身を包んだ敵を見た。
「んん? アリスなの? オウガなの?」
「くすくす、もっとこちらに寄っておいでよ」
 すると、オウガの一体が手招きをしてみせる。
 どうやら、その姿で惑わしておびき寄せ、攻撃を仕掛けるつもりらしい。
 勿論――。
「……なんてね、それくらいの区別はあたしにもつくよ」
 というわけなのだが。
「むっ、それじゃあ爆発しちゃって!!」
 途端に、敵がハートボムを抱え上げる。
 リンドウは敵の手のひらを見ながら逆に相手を手招きした。
「こっちだよー」
 そしてひらりひらりと森を走る。
「逃げたって無駄だよ!!」
 閉幕のアリスがハートボムを投げつけてきた。
 ハートを掴み、腕を回して投げるスタイルのようだ。
「あ、てのひらがパーのタイミング、分かったよ」
 投擲の瞬間は確かに敵の手のひらが開く。
 リンドウは一人呟き、素早く革命剣を投げつけた。
 ハートボムが確実に自分を狙ってくるというのなら、軌道は読みやすい。あとは敵の投擲タイミングに合わせて革命剣を投げるだけでよかった。
 オウガとリンドウ、二人の間でハートボムがはじけ大爆発が起こる。
 その爆風に紛れるように、リンドウは一気に駆けた。
 距離を詰め、一瞬の暗殺を試みる。
 発動するユーベルコードは『九死殺戮刃』だ。
 リンドウの瞳が輝きを増す。
「けほっ、けほっ」
 ハートボムを放った敵が、爆風で咳き込んでいるようだ。
 抜いたのは殺戮刃物。ただ殺戮のためだけに鍛え抜かれたリンドウの刃物だった。
 爆発で巻き起こった粉塵も、周囲のオウガが投げつけてくるハートボムも、一切を無視し刃を突き立てる。
 一度目、刃が敵の身体を貫き。
「え……」
 敵は呆然と立ちすくむ。
 構わず二度目で切り裂いて傷を広げた。
 負傷した敵が膝から崩れ落ちる。
 三度、四度と確実にとどめを刺した。
「は……あ」
 苦しげな吐息が漏れる。味方を攻撃しないということは、リンドウの寿命が減ってしまうということ。
 けれども、少しばかり苦しいが、それでも仲間は斬らない。
「あたしが斬るのはオブリビオン……オウガだけだよ」
 形を保つことができなくなり、消えて行くオウガを見てリンドウが言った。

大成功 🔵​🔵​🔵​

川村・育代
マジカル・チェンジで黄色の魔法少女に変身して、驚かせ力で発生させたこけおどし用閃光に呪詛を乗せて相手の第三の眼を狙い、閃光で視野を封じたり、呪詛で視神経を破壊するわ。
攻撃の際は、攻撃で生じた死角めがけて投げ舵輪を投げつけたり、可能なら、野球のピッチャー返しの様に魔法少女のステッキでハートボムを打ち返すわ。
『(打ち返しながら)完全試合、ならず、ね』



●煌めけ魔法少女
「あれが第三の眼なのね」
 川村・育代(模範的児童・f28016)は仄暗い森で踊る敵の姿を見た。
 第三の眼による索敵は正確なようだ。さっそく閉幕のアリスたちは育代の姿を捕捉し、狙いを定めてきた。
「また誰か来たわね!」
「今度こそよく狙って、爆発させちゃおう!」
 敵の右の手がじっと育代を見る。
 育代はすぐさまユーベルコードを発動させた。
 魔法少女のステッキを構え、大きく叫ぶ。
「マジカル・チェンジ!!」
 今日の育代が変身するのは黄色の魔法少女だ。この姿は、特に驚かせ力が増加する。
 さっそく敵に魔法のステッキを向けた。
「さあ、行くわ! 眩しい光なの」
 掛け声と共に、派手な閃光が敵に襲い掛かる。こけおどし用の閃光を驚かせ力で発生させたのだ。
「ええ?! 眩し……っ」
 光を向けられた閉幕のアリスが驚いた声をあげ、両手で眼をかばった。
 こけおどし用とはいえ、眩しい閃光だ。しかも敵は眼を三つも使ってこちらを見ていた。非常に眩しかっただろう。
 敵が慌てるのが見える。
 眩しい光を防ぐには目を閉じなければならないし、目を閉じてしまえばしっかりと索敵できないのだから。
 この隙にと、育代は投げ舵輪を手に取った。
「隙だらけよ」
 慌てふためいている敵に、投げ舵輪を投げつける。
 投げ舵輪は回転しながら大きく弧を描き、敵の身体にヒットして手元に戻ってきた。
「く、ぅ、とにかくハートボムで吹き飛んじゃえ!!」
 傷付いた閉幕のアリスは、ハートボムを手あたり次第に放り投げる。閃光に込めた呪詛が効き始めたのだろう。敵たちは回復しない視力に焦りを見せ始めた。
 投げても投げても育代には当たらないが、周辺は爆音と爆風に包まれる。
「当たらないからって、こんなに爆発されたら、危ないよ」
 育代は爆風を避け、しっかりと大地を踏みしめて魔法少女のステッキを構えた。
 そして近づいて来たハートボムを、野球のピッチャー返しよろしく、勢いをつけて打ち返す。ハートボムが打ち返されて飛んでいった。
 そして途中で爆発。周囲の敵を多数巻き込んだ。
「完全試合、ならず、ね」
 育代は更に魔法少女のステッキを振り抜き、ハートボムを打ち返した。
 何度も敵味方の間を往復するハートボム。暗い森のそこかしこで爆発が起こり、巻き込まれた敵たちが散った。

成功 🔵​🔵​🔴​

鈴木・志乃
投擲武器が高命中、しかも爆弾となると大問題。ただ、部位が目なら……。

オーラ防御展開。
相手の攻撃のタイミングを第六感で察知し、第三の目が開く時にUC発動。その目の認識能力に攻撃を仕掛けてやる。

私が敵に、敵が私に見えるようにUCを発動し続けるよ。さらに高速詠唱であちこちを爆破し、念動力で敵の爆弾を奪って起爆。

この作戦が通れば戦場は阿鼻叫喚の地獄絵図と化すだろうね。放っておいても同士討ちで勝手に自滅することになると思う。高速詠唱とUCで発破はかけ続けるけど。

思考する機会を与えない。正気に戻る暇は生まない。兎に角混乱させて、必要があれば全力魔法の衝撃波で諸々なぎ払うよ。



●敵と敵との死闘
 鈴木・志乃(ブラック・f12101)は爆音轟く戦場をじっと眺めていた。
 投擲武器が高命中、しかも爆弾となると大問題だ。
「ただ、部位が目なら……」
 ふと、考えが思い浮かんでくる。
 志乃はさっそく自身の周囲にオーラを巡らせた。守りを厚く展開。敵がこちらに気づくのを待つ。
 程なくして、閉幕のアリスたちが志乃の姿を見つけた。
「けほ、けほ、もう! 爆発ばっかり……あ! また来たのね!」
「でも、この第三の目があれば見えるもんね!」
 すでに仲間の猟兵達がある程度敵を倒している。残った敵の数は少ない。
 だが残った閉幕のアリスたちは戦うことを選択したようだ。
「このハートボムを、直接叩きつけるの!」
 そう言って颯爽と志乃へ向かってきた。
 志乃は神経を研ぎ澄まし、敵が強力な一撃を振り下ろす瞬間を待つ。
 急接近してきた敵が、重く強力なハートボムを振り上げた。
 そして、それを振り下ろそうとする瞬間。
「ここですね」
 第六感で感知し、志乃がユーベルコード『UNKNOWN』を発動させた。
「私を媒介に今一時繋がれ、世界の意志よ」
 そうして、志乃の意志が込められた聖光が敵に降り注ぐ。
「何よ! こんなのちょっと明るいくらいじゃないの! ハートボム、受けなさい!!」
 聖光を受けた敵は、そう言って原田を反転させ仲間であるはずの他の閉幕のアリスをハートボムで打ちつけた。
「上手くいきました。やはり、高い認識能力を破壊すると……」
 頷く志乃の目の前で大爆発が起こり、周囲のオウガたちが一掃される。
「ちょっと、何をしているの?!」
「また敵だ!!」
 志乃を捨て置き、仲間同士で撃ち合いを始める閉幕のアリスたち。
 これがユーベルコード『UNKNOWN』のもたらした認識能力の破壊の作用だ。
「まさに阿鼻叫喚の地獄絵図ですね」
 志乃は敵の周辺を爆破しつつさらに混乱を引き起こす。
 敵味方の認識を無くしたオウガたちは、同士討ちを繰り返した。
 夕闇の森は、今や爆音と爆風の飛び交う戦場だ。
 爆発でまた一体のオウガが消えて行く。
 気づけば残った閉幕のアリスはただ一体となった。
「どうして? 敵がこんなにいっぱい……!」
 呆然とする敵の背後に志乃が滑り込み――。
「これで最後です」
 全力を注ぎ込んだ魔法で一気になぎ払う。
「あ、ああ――」
 閉幕のアリスの身体が消滅した。

 そして再び森は夕闇に包まれる。
 そこにはもう爆破の音は無く、猟兵達は戦場をあとにした。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2020年08月03日


挿絵イラスト