迷宮災厄戦⑧〜四つ葉がもたらす魔弾
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「皆、予兆は見たわね?これから『迷宮災厄戦(ラビリンス・オウガ・ウォー)』が開始されるわ」
グリモアベースに集まった猟兵たちを前にマリアベラ・ロゼグイーダ(薔薇兎・f19500)は説明を始めた。
「今すぐにオウガ・オリジンと猟書家の首を取りに……と言いたいところだけれど、その前に攻める為の足場づくりを行わないといけないわ。まずはそこを攻めていきましょう」
マリアベラは猟兵達に背を向けると壁に貼り付けてあった戦場の地図の一角――中央から斜め右下に位置する国を指さす。
「今回行ってもらいたいのはここ、『覗いた星空を奪う望遠鏡のある国』よ。星空がとても美しい国だけど、この国の一角にそびえる高い塔からオウガが蔓延っているの」
このオウガ達を倒しす事が今回の作戦の目的である。
「ただし、オウガ達……『四つ葉の使者』はこの高い塔に備え付けられている望遠鏡を使って塔の周りを監視、見つけ次第対象に遠距離攻撃を仕掛けてくるから、無策に突っ込めば一方的に攻撃されて消耗するわ。だから、オウガ達が使う望遠鏡に見つからない工夫をして接敵して倒してほしいの」
例えば?という質問にマリアベラは少し思案する。
「例えば……そうね、姿を消して敵に存在を気づかせないとか、自分が囮になっている間に誰かが接敵して倒してもらうとかかしら」
勿論、これ以外の作戦でも敵を倒せれば問題ないわ、と彼女は補足する。
「落ち着いて対処してもらえば決して倒せない相手じゃないわ。それでは武運を」
そういうとマリアベラは傘の石突で床を鳴らしたのだった。
遭去
遭去です。
遂に始まりました迷宮災厄戦。私も張り切って書いて行きますのでどうぞよろしくお願いします!
●目的
『四つ葉の使者』の撃破
●プレイングボーナス
以下の行動をプレイングに書いていただけるとプレイングボーナスが発生、行動が成功しやすくなります。
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プレイングボーナス……望遠鏡に発見されない工夫をする。
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●受付など
OPが公開され次第受付いたします。なお、執筆スピードはあまり早い方ではないためプレイングを頂いても書けないことがあるかもしれません、ご了承ください。
第1章 集団戦
『四つ葉の使者』
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POW : ぐちゃぐちゃにすれば食べやすいものね?
【クローバーの魔法陣から放つ魔力の矢】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD : あなたも素敵な四つ葉になりたいでしょう?
対象への質問と共に、【クローバーの魔法陣】から【白詰草で出来た犬型の怪物】を召喚する。満足な答えを得るまで、白詰草で出来た犬型の怪物は対象を【牙による噛み付きや体当たり】で攻撃する。
WIZ : 綺麗でしょ、あなたもこの一部になるのよ!
自身からレベルm半径内の無機物を【四つ葉のクローバーと白詰草の嵐】に変換し、操作する。解除すると無機物は元に戻る。
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
マグダレナ・クールー
地形は相手に利があるのですね。塔をどうやって上るかも考えないといけまんか……
リィー、木登りは得意ですか?
《ブーニ》
では、階段などを探して駆けあがってきてください
《ブーカ! ブーニ!! ……ボウクン!》
オウガの追跡を頼みましたよ。わたくしは囮になります
《ニエキラナイ。グツグツ……》
囮の持久戦ですね。ええ、覚悟はできています。気合も十分です
草木の嵐を蹂躙するのは難しいかもしれません。ですが、わたくしは決して膝をつきません
リィーがやってくれます。リィーでなくとも、他の方がオウガを喰ってくれると信じています
目立つように、踊り続け、嵐を打ち消す勢いで、わたくしは暴れ続けます
輝ける星空に突き刺さる様にそびえ立つ塔の前で一人の女性――マグダレナ・クールー(マジカルメンタルルサンチマン・f21320)が考えを巡らせていた。
「地形は相手に利があるのですね。塔をどうやって上るかも考えないといけませんか……リィー、木登りは得意ですか?」
彼女は隣の相棒のリィー……肥え太った毛蟹の様な体躯のオウガ、リィー・アルへと語り掛ける。
《ブーニ》
リィーがもちろんだ、とばかりに鳴くとマグダレナは前を向くとブルーミン・レディの名を持つハルバートを握り直す。
「では、階段などを探して駆けあがってきてください。わたくしは囮となります」
《ブーカ! ブーニ!! ……ボウクン!》
「暴君で結構。では、オウガの追跡を頼みましたよ」
《ニエキラナイ。グツグツ……》
文句を言う相棒を尻目に、マグダレナは塔の前へ堂々と姿を晒す。
「さぁ、来なさいオウガ! 貴方たちは私が倒しましょう!」
マグダレナがブルーミン・レディを掲げ高らかに宣言する。
一拍の間を置いて、塔から光の矢がマグダレナの元へと猛スピードで飛来し、着弾。
濛々と立ち込める土煙。煙を吹き飛ばしながら現れたのは傷一つ付いていないマグダレナの姿。
「こんなものでは私は膝をつきません!」
今度は光の矢と、それに一歩遅れて四つ葉とシロツメクサで作られた嵐が彼女に襲い掛かる。
それを認めたマグダレナ、バックステップで躱せるものは躱し、追撃してくる物はハルバートを横凪に振るい矢を全て撃ち落とす。
そして眼前まで迫りくるは、白と緑で作られた嵐。
「……はあっ!」
ハルバートを地面へと叩きつけるように振り下ろす。
彼女が打ち出した衝撃と礫は嵐を両断。両断された嵐は彼女を避ける様に別方向へと進み、やがてぼたぼたと力なくシロツメクサが落ちていった。
「まだまだ、ここからです!」
『むぅ、しつこいですねぇ』
塔の上で望遠鏡をのぞき込みながら四つ葉の使いは遥か下にいる侵入者に苛立だっていた。
『でも、あちらがどんなに強くてもこっちは一方的に攻撃が撃てるのです。疲弊した時、私はそれを待つだけです』
もちろんこちらが疲弊する可能性もあるが、それはあと数十回攻撃を放った後。その間には侵入者が倒れると踏んでの判断。
『しかし、この望遠鏡は凄いですね、目の前にいるみたいに簡単に当てられるのは楽しいです!』
うきうきと目の前の事に熱中する少女。
《ソウカ》
だからこそ、彼女は背後より迫りくる脅威に気づけなかった。
『うそっ……!』
《モウスコシ マワリヲ ミロ》
四つ葉の使者が慌てて振り向くより先に、リィーの腕が四つ葉の使いの体を貫いた。
成功
🔵🔵🔴
メリー・アールイー
Re、恋鯉
かくれんぼだ、見つかるんじゃないよ
しーっと相棒達に笑いかけて【桜花泳夢】発動
桜色の着物ドレスは
『桜の花びらに包まれたあたし達は、望遠鏡には映らない』
という夢を叶えてくれる
誰にも見てもらえないおめかしはつまんないけどねぇ
おや、あんた達は褒めてくれるのかい、いい子だ
恋鯉に乗って、こっそりこっそり展望台までひとっ飛び
最上階のオウガの背後からしつけ針をグサリとやっちまいたいね
バレてもここまで来ちまえば問題ない
クローバーと白詰草の嵐は花びらでカウンター
お返ししてる間に、Reと踊るように近づいて
炎属性の糸で綺麗に縫い付けてやるよ
真っ赤に燃やして、さよならだ
「Re、恋鯉。かくれんぼだ、見つかるんじゃないよ」
塔の周りに茂る森の中、メリー・アールイー(リメイクドール・f00481)は自身の周りに漂う自身そっくりの人形と桜色のハート鱗の魚へ、しーと笑いかける。
「誰にも見てもらえないおめかしはつまんないけどねぇ」
そう言いながら自身の纏う衣をユーベルコードで桜色へと変えるメリー。そんな独り言に相棒達は彼女の周りを先ほどとは違う軌道でふわふわと漂う。
「Re、恋鯉。あんた達褒めてくれるのかい、ありがとねぇ。さぁて、それじゃあ桜を泳ぐ夢を見ようじゃないか……いや、この場合シロツメクサだね」
そんな相棒達にからからと笑うと宙に浮く恋鯉へと腰かけ、空を駆けて行った。
行き場所は勿論、展望台。
『物』がどさりと倒れる音がした。四つ葉の使者が後退りながらその倒れた者の後方を睨み付ける。
『ど、どうして!? だって望遠鏡には……!』
「どうやって来たかって?そうだねぇ、あんたが夢を見ていたからあたしが見えなかったんじゃないかい?」
後方の者――倒れた四つ葉の使者にしつけ針を突き付けたメリーが強気な笑みをこぼす。
先ほどのユーベルコード――夢をかなえるドレスに着替えたメリーは望遠鏡に映らない夢を願った。
その為望遠鏡を覗きこんで監視していた四つ葉の使者の目を掻い潜り、奇襲を仕掛ける事ができたのだ。
『ふんっ、一人位倒しただけで良い気にならないでよねっ!』
四つ葉の使者が手を上空へと突き出すと手の先にクローバーの嵐が巻き起こり、嵐は一直線にメリー達に近づきあっという間に飲み込んでいく……かに思えた。
『これは……花びら?抗うっていうの!?』
メリー側からあふれ出るは桜の花びら。緑の暴風に抗う様に桜色の風がぶつかり合う。
しかし、それもほんの少しの間。花びらは徐々に勢いを失い吹き飛ばされていく。
四つ葉の使者が勝利への確信の笑みを浮かべた。その時だ。
軽やかなステップでメリーと小さな相棒が彼女の横に現れたのは。
「素敵な服だ。でも」
メリーの腕に付けた針山から取り出すは長針。その先通されるのは熱を持つ赤い糸。
四つ葉の使者が嵐を操るのを止め、距離を取る――そんな隙をメリーが与える訳もなく。
「真っ赤に燃やして、さよならだ」
四つ葉の使者の服に糸が縫い付けられ、瞬く間に炎上していった。
成功
🔵🔵🔴
ジャスパー・ドゥルジー
隠密行動とかニンジャみたいで格好よくね?
このジャスパー様の存在感とカリスマ性うまく隠せっかな?
使うのは【バンダースナッチの影】
全身を魔力で出来た黒い炎に変える
影に紛れるようにしてひっそりと近づくぜ
燃える匂いまでは隠せねえけど、奴が索敵に使うのは『望遠鏡』なんだろ?
視界さえ誤魔化せば問題ねえはずだ
射程内まで近づいたら
奴の矢よりも早く俺のナイフ投擲をお見舞いだ
苦無って言うんだっけ、あれみたいにさ
クローバーって、四葉以上に割れる事もあるらしいな
そんな風に刻んでやるよ
戦況によっちゃ、組んだ猟兵の囮になってやってもいいぜ
俺にとっちゃ手痛い一撃喰らうのも『ご褒美』なんでね
霧水・砕牙
[絡み・アドリブ歓迎]
見渡す限りのクローバー!クローバー!
いやぁ、戦争中じゃなかったら絵にしておきたいところだぜ。
さて、じゃあお仕事っと。
望遠鏡に気づかれないようにするなら、やっぱ壁に隠れて【ペイントブキ】……今回は水鉄砲型を使って、蛍光色のインクで注意を向けるかね。
なんか適当な文字でも書いて注意を引こう。
望遠鏡に当たれば万々歳だが、俺の技術じゃあまだ無理そうだ。
近づいたところで、遠距離の【グラフィティスプラッシュ】!
【グラフィティスプラッシュ】は攻撃もあるが、恩恵も忘れちゃダメだぜ?
外せば外すほど強くなっていく、ってなぁ!
「世界を塗りつぶすのは、お前らがいる間だけな!」
「見渡す限りのクローバー!クローバー!」
塔の下に広がる一面のクローバー畑に霧水・砕牙(《黒の風》[プレート・ヴェント]・f28721)は心を躍らせる。
「戦争中じゃなかったら絵にしておきたいところだぜ」
「ああ、空には満天の星、地面にもシロツメクサが海見てぇに広がってんだ。絵になるだろうな」
ジャスパー・ドゥルジー("D"RIVE・f20695)が砕牙に同意しながら塔の周りを見渡す。
展望台へと至るには望遠鏡の目を掻い潜って階段を上る必要がある。
「このジャスパー様の存在感とカリスマ性うまく隠せっかな? むしろ、俺が囮になるのも悪くないな、いやむしろ嬉しいんだが」
ちょっとなんか変なセリフが聞こえた気がするが、まぁそれはそれとして。
「視界さえ誤魔化せれば問題ねぇんだよな」
「……じゃあ、ジャスパー、一つ案があるんだが」
砕牙がジャスパーに悪戯な笑みを一つ浮かべ自身の銃を取り出した
『ん、おかしいわね……』
望遠鏡を覗いていた四つ葉の使者が首を傾げる。
先ほどから焦げた臭いがするのも気になるが、それよりも気になるのは望遠鏡の先。
『どうしたの?』
『なんか変なのが……文字?』
異変に気付いた個体が望遠鏡を覗く個体に声をかける。望遠鏡から覗く先には地面にぶちまけられた派手な蛍光色で書かれた文字が見える。
ところで、望遠鏡という物は特性上、視界が限定的になる。
そのため文字に注意が向かっていた四つ葉の使者は気づけなかったのだ。
そこから少し離れた場所で燃えていた黒い炎に。
『近くに敵がいるわ、見つけ次第……』
「へぇ、下から眺めてもと思ったけどやっぱり上から見た景色も中々良いじゃねーか」
はっと振り返ればそこにいたのは悪魔の様な風貌の男の姿。
『奇襲――!』
四つ葉の使者が四つ葉の魔法陣より矢を召喚、無数の鏃が顔を覗かせる。
だが、その鏃がジャスパーに向かって放たれることは無かった。
「クローバーって、四つ葉以上に割れる事もあるらしいな」
矢が放たれるよりも先に、四つ葉の使者の眉間と喉にカッターが吸い込まれる様に刺さり、彼女は声も挙げることなく倒れこむ。
「四つ葉は幸運、五つ葉は財運。六つ葉は……なんだっけな。なんだ、とにかくそんな風に刻んでやるよ」
ジャスパーが生き残った個体にナイフを投擲する。
『……っ!』
生き残ったもう一体は自身の眉間を狙って飛んできたのナイフをギリギリの所で躱すとそのまま展望台から飛び降りた。
「上手く行っただろうか」
塔の周りを蛍光色に塗り替えた砕牙がふぅ、と息をつく。
自分が隠れながら文字を書いて注意を引き付けている間にジャスパーを上に登らせる――。どうなるかと思ったがこうやって先ほどより大胆に姿を出しても攻撃がこないのだから、きっと成功したのだろう。
「望遠鏡に当てれればもっとスマートに行ったかもしれないが――ん?」
上空から小さな影――それは段々と大きくなり、地面を転がりながら着地したそれは――。
「オウガッ!?」
『っ、やっぱりもう一人いたのね!』
体中に泥に塗れていることも意に介さず、上から落ちてきた四つ葉の使者は砕牙を睨み付けると周りのシロツメクサを操り、嵐を引き起こす。
『せめてアンタくらいは!』
「……っ!」
砕牙は倒れこむように横に転がれば直後彼がいた所に嵐が通過する。反撃とばかりに水鉄砲型のペイントブキで塗料を振りまく。
『何よそれ、それが攻撃?』
塗料は四つ葉の使者にほぼ当たる事はなく、塗料がかかっても、そのダメージは微々たるもの。
この攻撃だけで砕牙の戦闘能力が微々たるものと判断した彼女は四つ葉とシロツメクサの嵐で徐々に砕牙を追い詰めていく。
『これでお終いよ!』
掛け声とともに最大級の嵐を巻き起こした……つもりだった。
実際は先ほどよりも微々たる四つ葉とクローバーしか巻き起こらない微風となり終わった。
『なんで……?!』
その時彼女はようやっと周りを見渡した。
先ほどまでほぼ四つ葉とシロツメクサで覆われていた場所、そこは今や一面が蛍光色に覆われている事を。
「見渡す限りのクローバー、塗りつぶすのは心苦しいが、安心してくれ」
砕牙は周りから塗料をチャージしたペイントブキを構え、四つ葉の使者にロックオン。
「世界を塗りつぶすのは、お前らがいる間だけな!」
次の瞬間、最大級の一撃がペイントブキから発射され、大きな水柱を打ち立てた。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
テニエ・ミスチヴァス
◎アドリブ等歓迎
ついに故郷でも戦争かぁ
しかし、はじまりのアリスにして、はじまりのオウガ、ね
……ずっと、考えてた
なんで、この世界(アリスラビリンス)は存在しているのか
なんで、アリス達は迷い込んでくるのか
私達は、なんで生まれてきたのか
随分と色々な世界を彷徨い続けて来たけど、この戦争で
ようやく"それ"が分かるのかな?
……あー、難しい事を考えるのはやめやめ!
今は目の前の戦いに集中するだけだよ!
■行動
ここは【UC】による透明化を駆使して接近していくね
歩く際に起きる、微小な草花の動きにすら気を付ける本気の
【忍び足】で気配を消して近づき、後は背後から【暗殺】したり
変身で惑わせてから【だまし討ち】で仕留めるよ
「ついにここでも戦争かぁ」
数々の世界で戦いを経験してきた少女――テニエ・ミスチヴァス(変幻自在の虹縞猫・f20445)もまた、塔への侵入を試みようとしていた。
(「……ずっと、考えてた。なんで、この世界(アリスラビリンス)は存在しているのか」)
少女の心中に渦巻くのは疑問。
ユーベルコードにより体を透明化、さらに特技の忍び足を使い、難なく塔へと到着。屋上へと至る階段を見つけると慎重に歩いていく。
螺旋階段を一歩、また一歩と登っていく。
(「なんで、アリス達は迷い込んでくるのか」)
慎重に歩いていた足の速度はいつの間にか早くなっていく。
(「……私達は、なんで生まれてきたのか」)
故郷でついに起こった戦争。その予兆の中で分かった『オウガ・オリジン』――はじまりのアリスでありオウガの存在。
この世界、そして自分を含めるこの世界の住人の在り方――それらに対する感情を抑えきれない。
疑心? 怒り? 悲しみ? 使命感? ……分からない。
(随分と色々な世界を彷徨い続けて来たけど、この戦争でようやく"それ"が分かるのかな?)
幾段を駆けたか、テニエはついに塔の屋上へ到達した。
『お疲れ様。どう?何か見つかった?』
望遠鏡を覗きこむ四つ葉の使者の後ろからかけられた声に振り向く。
『ううん、こっちはまだ見つけてないよ』
『そう、なら――あれ何?』
『えっ……いや、なんにも』
望遠鏡を覗き異変を確認するも、それは後ろにいた個体が首を掻き切ったことで行う事が出来なかった。
『どっ……どうして』
首から血を流しながら驚く四つ葉の使者が後ろを振り返れば、先ほどは確かに自分と同じ姿をしていた同個体の姿はなく、チャシャ猫の様な少女がナイフを片手に立っていた。
「……あー、難しい事を考えるのはやめやめ! 今は目の前の戦いに集中するだけだよ!」
うん、がんばろう! 自身の頬を軽く叩き気合を入れ直すと、テニエは再び姿を四つ葉の使者へと変え、踵を返したのだった。
成功
🔵🔵🔴
ファルシェ・ユヴェール
先ずは塔より死角となる物陰にて様子を伺い
そうですね、発見されれば一方的に攻撃される、となれば
攻撃されてもそうそう倒されぬ存在などは如何でしょう
懐より水晶の結晶を取り出し
強靭な『水晶の騎士』のイメージを創り上げる
大柄な、全身水晶で出来た全身鎧の如き姿を
塔に向かわせましょう
私自身は別行動
少し離れて、此方は物陰伝いに塔に向かいます
騎士を攻撃している間、周囲の索敵は散漫になるでしょうから
そうすれば尚更発見され難くなるかと
囮に釣られず術者を探そうと
騎士を攻撃する手を止めるならそれも好都合
騎士が塔に辿り着く事になるでしょうから
では、騎士の剣か、私の得意とする反撃の刃
先に辿り着いた何方かでお相手致しましょう
塔の付近では戦闘が勃発し、幾度目かの魔法の矢が地面に着弾した。
『どう、やった!?』
複数の四つ葉の使者が塔の下を覗きこむ。濛々と湧き上がる煙が収まる頃に姿を見せるのは大柄で水晶でできたような騎士。
『何アレ、無敵なの……?!』
魔法による矢が騎士の胸を穿ち、緑の暴風が騎士を包み込む。だがそんなものなど意にも介さないとばかりにはじき返し、隙があれば幾度となく塔に外壁を使って登ろうと試みてくる。
今でこそ敵の侵攻を防げているが、あちらの勢いを削れているわけでもない。四つ葉の使者が押され始めている状況に焦りを感じ始めていた。
『でも、あの騎士みたいなの、強いわりにさっさとこの塔を登って来ないわよね』
『……まさか。皆、そっちの騎士には3,4人ついてこっちは展望台の出口に……!』
1人の四つ葉の使者がぽつりとつぶやいた言葉に1人が弾けるように顔をあげ、慌てるように命令をだす。
数体が眼下の騎士への攻撃をやめ、塔へつながる入口へと体を向けると――そこには華美に飾り付けられ帽子と衣装を身に纏う男、ファルシェ・ユヴェール(宝石商・f21045)の姿。
「おや、気づかれましたか」
四つ葉の使者に向け男は笑みが張り付いた顔を見せる。
四つ葉の使者達が矢を向ける。一撃必殺、威力を重視した矢がファルシェを取り囲み、一斉に放たれた。
笑みを崩さぬままファルシェは携えていたステッキを構える。一発目の矢を難なくと受け流す。2発目、心臓を狙った一撃を斬り伏せる。3発目、頭を狙ったそれを身を屈めながら前進して回避、そのまま近くに居た四つ葉の使者の懐へと入り込み、袈裟切りに斬り付けた。
『皆ひるまないで! 数ではこちらの方が上、一気に倒しましょう!』
倒れた四つ葉の使者から距離を取りながら敵の矢が一斉にファルシェへと狙いを定める。
「熱烈な歓迎、ありがとうございます。……ですが、よいのですか?先客がいたはずですが」
『む、無理。抑えきれない……!』
直後、展望台の外の方から音が大きく、近づいてきた。
あっ、と思った時にはもう遅かった。展望台の方を見ればそこには大柄な水晶の騎士が展望台に備えていた手すりに手をかけていた。
水晶の騎士が展望台の周囲に嵌められていたガラスを打ち砕きながら展望台内へと侵入してくる。
「さて、私と騎士の剣、どちらがお好みでしょう?」
出口には猟兵、窓際には最強の騎士。
挟み込まれた四つ葉の使者達が全て倒されるのにそう時間はかからなかった。
こうして猟兵達の活躍により四つ葉に支配されていた塔が一つ解放された。
この戦いは大きな戦いの序章に過ぎない。
それでもこの戦いを持って満天の星空を救う事ができたのだ。
星空をしばし楽しんだ後、猟兵達は次の戦場へと向かっていくのだった。
成功
🔵🔵🔴