迷宮災厄戦②~人喰い魔女暗殺作戦(作者 大熊猫
4


●アリスラビリンス:迷宮のような図書館の国
「さあ、戦争の始まりだ。そこでお前達にクイズだよ。戦争には何が要る?」
 おとぎ話で語られる人喰い魔女そのものの姿をしたオウガは、大仰な仕草でずらりと並んだ手下たちに問いかけた。
「それは兵器かい? いやいや、私達にはユーベルコードがあるだろう?
 それは金かい? 笑わせないでおくれ。そんなもの、オウガには要らないね!
 そう、食料さ! 戦争をするには大量の食糧が要る!
 若く新鮮なアリスを腹いっぱい食べられれば、士気も上がるってわけさ! ヒ~ヒッヒッヒ!」
 魔女は赤い目を爛々と輝かせながら、不気味な笑い声を上げた。
「だからアタシはたくさんのアリスをここに召喚してやるのさ! ケチなことは言わないさ。招き寄せたアリスたちはみんなで山分けしようじゃないか!」
 魔女バンザイ! 魔女バンザイ!
 魔女の言葉に、悍ましいオウガの群れから大喝采が巻き起こった。
 「分かったかい、お前達? アリスが食べたきゃ、死ぬ気で私で守るんだよ! 必ず猟兵たちが邪魔をしに来るからね!」

●グリモアベース
「アリスラビリンスで戦争が始まりました。戦場にオウガが出現する予知が確認できましたので、暗殺をお願いします」
 道化師の姿をしたグリモア猟兵、渡月遊姫はグリモアベースに集まった猟兵たちにぺこりと頭を下げた。
「場所は『迷宮のような図書館の国』……ここに出現した魔女のオウガは他の世界から大量にアリスを大量に呼びよせようと、召喚の儀式を行っているようです」
 「迷宮のような図書館の国」は今、大量に出現したオウガと猟兵たちが乱戦を繰り広げている戦場のフロントラインだ。国の片隅に出現したオウガの魔女は、大量の手下のオウガに自身をガードさせ、一心不乱にアリス召喚の為の儀式を行っているらしい。
「魔女はオウガの大軍勢の奥にいます。全部相手にしているとキリがないので、魔女を倒すには、素早くオウガの軍隊を通り抜けて接近しなければなりません」
 数では敵が圧倒的に有利だ。故に、こちらが取るべき作戦行動は敵の「殲滅」ではなく、儀式の要である魔女オウガの「暗殺」である。
「数では不利ですが、地の利はこちらにあります。開戦前に見晴らしのいい場所がいくつか確保できていたので、敵の陣容が一望できる位置に皆さんを転送することが可能なのです」
 敵は圧倒的多数だが、敵よりも高所を確保できていることはこちらに有利に働くだろう。もっとも、飛べるオウガもいるだろうからあっさり敵軍の頭を飛び越える、とまでは行かないだろうが。
「今回の作戦はスピード勝負です。戦争まっただ中のアリスラビリンスに新たなアリスが召喚されればきっと悲惨なことになるでしょう。そうなる前に、どうか魔女たちを止めて下さい。よろしくお願いします」
 遊姫は再び一礼すると、猟兵たちの転移を開始した。


大熊猫
 こんばんは。大熊猫です。アリスラビリンス戦争依頼の一本目となります。今回は戦争サバイバルの舞台である「迷宮のような図書館の国」にて、新たなアリスを召喚しようとしているオウガ、「人喰いの魔女」の討伐を目的とするシナリオとなります。人喰いの魔女はオウガの大軍勢を率いており、全てを倒すことは不可能ですが、魔女さえ倒してしまえばアリス召喚の儀式は防ぐことができます。

●プレイングボーナス
 オウガの群れを潜り抜け、「人喰いの魔女」に素早く接近する。

●文字数省略用記号
 アドリブ歓迎→☆、連携歓迎→★、何でも歓迎→◎(☆★と同じ)、ソロ描写希望→▲。

●合わせプレイングについて
 グループ参加の場合は、迷子防止の為プレイング冒頭にグループ名をご記載下さい。3名以上の場合はどなたか合計人数をご記載頂けると助かります。

●プレイング受付について
 オープニング公開時点からプレイング受付を開始します。
 今回はシナリオ成功数が戦局に影響を与えるタイプのシナリオの為、採用数は絞らせていただきます。
 以上です。皆様のプレイングをお待ちしております。
52




第1章 ボス戦 『人喰いの魔女』

POW ●眠りの雲
【大釜から自身以外を昏睡させる紫の雲】を放ち、自身からレベルm半径内の指定した全対象を眠らせる。また、睡眠中の対象は負傷が回復する。
SPD ●魔女の呪い
【魔法の杖】から【変化魔法】を放ち、【小鳥か子豚か子羊に強制的に変身させること】により対象の動きを一時的に封じる。
WIZ ●影絵のドラゴン
無敵の【影絵のドラゴン】を想像から創造し、戦闘に利用できる。強力だが、能力に疑念を感じると大幅に弱体化する。
👑11 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠渡月・遊姫です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


コシチェイ・ヴォルノーイ

いやはや…これ程までに夥しい数のオウガが集まると、不快を通り越して壮観ですらありますな!…これから起こる災厄を想像すれば、そうも言っては居られませんが、まともに相手取れば厄介極まることは間違いありますまい

ふむ…先ずは先手を打って、敵軍の注意を逸らすとしましょう
(闇に紛れて魔女へ接近しつつ、UCを用いて無数の剣で空を飛ぶ敵を撃ち落としながら、敵を撹乱します)

次いで、魔女へ肉薄し、虚を突いた捨て身の一撃にて致命傷を与えましょう

ともすると反撃が来るかもしれませんが、その際には吾輩が肉壁を担いますぞ…
目的はあくまでも魔女の暗殺ですからな、吾輩が攻撃を防ぎ、他の方々がトドメを刺せば問題は無いでしょう。


ベリル・モルガナイト


目指すべきは。魔女一体。というわけ。ですね
この身は。盾
世界を。守護する。盾
されど。守るだけが。盾に。非ず
それを。御見せ。致しましょう

魔女の。位置を。高所から。把握したら。一直線に。目指します
オウガの。群れに。突入と。同時に。地面から。宝石の。盾を。生成。盾は。【オーラ防御】で。強化
群がる。オウガたちを。盾で。押し止め。道を。斬り開きます

魔法の。杖の。動きから。変化魔法の。予兆を。察知し。宝石の盾を。身代わりに。することで。自身の。変身を。防ぎます
そのまま。一気に。懐に。潜り込んだら。構えた盾。による。【シールドバッシュ】で。一気に。押し込み。ますわ


●宝石の守護騎士と贖罪の聖者
「いやはや…これ程までに夥しい数のオウガが集まると、不快を通り越して壮観ですらありますな!」
 コシチェイ・ヴォルノーイ(不死身のコシチェイ・f21127)は階下に蠢くオウガ達の大軍勢を見下ろしながら、感嘆の声を上げた。
 ここは迷宮図書館の国。オウガ・オリジンが封じられていた国だ。砕け散った牢獄に引き寄せられたのか、今やこの国は夥しいオウガの群れが押し寄せる地獄と化していた。
「……これから起こる災厄を想像すれば、そうも言っては居られませんが、まともに相手取れば厄介極まることは間違いありますまい」
「目指すべきは。魔女一体。というわけ。ですね」
 同じくオウガの群れを見下ろしながら、ベリル・モルガナイト(宝石の守護騎士・f09325)はコシチェイの言葉に相槌を打つ。
 悍ましき人を喰らう獣の群れ共は、この地に贄たるアリスたちを招き寄せようとしている。もしそれを許せば、さらなる悲劇が生まれるだろう。なんとしても阻止しなければならない。
「左様です。先ずは先手を打って、敵軍の注意を逸らすとしましょう」
 コシチェイとベリルが己に課した役割は敵の陽動だ。魔女の暗殺が為されるまでの間、敵の大軍勢を惹きつけておくという極めて危険な役割だが、それぞれの理由で自己犠牲を厭わない二人に迷いは無かった。
「危なく。なったら。いつでも。退避を。危険な。役割。ですから」
「ご心配なく。我が異名は『不死身』……と言っても、死なないわけではありませんが、まあ、看板倒れにはならないつもりです」
 ベリルの言葉に老紳士は微笑みを浮かべた。
「分かり。ました。この身は。盾。世界を。守護する。盾。されど。守るだけが。盾に。非ず。それを。御見せ。致しましょう」
 ベリルは宝石の剣と盾を構えると、一直線にオウガの群れの中へと飛び込んでいった。
「では、吾輩も行くとしましょう」
 コシチェイは己の周囲に濃い闇を纏うと、外套を翻して階下へと身を躍らせた。

●開戦
「グオオオオオ!?」
 突然、二か所からほぼ同時にオウガたちの悲鳴と怒号が上がった。上の階から降りてきた猟兵たちがオウガの隊列を吹き飛ばしたのだ。魔女が水晶玉で覗き見ると、全身宝石で出来た女騎士が正面から突っ込んできていた。
 同時に、軍団のすぐ上にも得体の知れない闇の塊が発生しており、闇から飛び出した無数の剣が次々とオウガたちを串刺しにしている。
「来たね、猟兵共! お前達! さあ、あいつらを食い止めるんだよ!」
 魔女が一喝するまでもなく、オウガの群れが二人へと殺到する。
「ここに。立つは。幾度。砕けようとも。立ち上がる。煌めきの。守護」
 オウガたちを蹴散らしながら一直線に魔女へと突進してきたベリルは、周囲の床や本棚を根こそぎ吸収して巨大な宝石の盾へと変え、オウガの群れの攻撃を全て受け止めた。世界を守る意志を秘めた『其れは誉れ堅き薄紅の城塞』(モルガナイト・シタデル)は、オウガの大軍団の攻撃を受けてもびくともしない。
 ズドドドド!
 魔女がベリルに気を取られていると、いつの間にか接近してきていた闇から剣が飛んできた。魔女は近くにいたオウガをひっつかんで盾にしながら、慌ててオウガの群れの中へと避難する。
「ええい、何をしているんだい、お前達! これだけ数が揃っているのにだらしない!」
 魔女は不甲斐ない部下達に悪態を吐きながら、魔女を追って突進してくるベリルに向かって杖を振り上げた。
「子豚になりな!」
 魔女の杖から、ベリルに向かって不気味な稲妻が迸る。魔女の呪いだ。
「防御。しますわ」
 攻撃の予兆を察知したベリルは咄嗟に床板から宝石の盾を生成し、自身の体を覆い隠した。
 すると、魔女の呪いが命中した宝石の盾は小さなブタへと姿を変えた。
「ブーブー!」
 子豚はブーブーと悲鳴を上げながら、オウガの群れをすり抜けていずこかへ走り去っていった。
「チッ! 外したか! なら、命中するまで何度でも……何ぃ!?」
 しかし、魔女が二発目の魔法を放つより先に、床を踏み砕くほどの鋭い踏み込みで魔女の懐に踏み込んだベリルが眼前に迫っていた。懐に潜り込んだベリルは踏み込みの勢いのまま、宝石の盾で魔女の腹を突いた。
 ドゴッ!
「ぐげっ!」
 魔女は腹を痛打されたままベリルに押し込まれ、書架に背中から激突した。
「おのれ! やってくれたねえ! 影のドラゴンよ! こいつを……」
「どうやら、吾輩の存在をお忘れのようですな」
 立ち上がった魔女が報復の呪文を唱えようとしたその時。いつに間にか間近に迫っていたコシチェイが、魔女を背中から羽交い絞めにした。
「離せぇえええええ!」
「我は、断罪する者。汝を磔にする者也。汝、打ち砕かれよ、剣を恐れよ…そして裁きを識れ」
 次の瞬間、無数の十字架の剣が魔女の頭上から降り注ぎ、コシチェイ諸共魔女の全身を串刺しにした。
「ぐぎゃあああああ!!」
 魔女は耳を覆いたくなるような悲鳴を上げ、空気に溶けるように消えた。恐らく、瞬間移動か何かで逃げたのだろう。
「逃がしましたか……しぶといですね」
 コシチェイは溜息を吐く。人間か並のオウガならば即死しているであろう手ごたえを感じたが、さすがは指揮官クラスのオウガというべきか。
「まあ、他の方々がトドメを刺せば問題は無いでしょう。我々は……」
 コシチェイは自身とベリルを包囲したオウガの軍勢を見据えながら、眼鏡に付いた血を拭った。
「誰かが、魔女を。倒す。まで。敵を。引きつけ。ましょう」
 互いの背中を預け、二人はオウガの群れを睨み付けた。
成功 🔵🔵🔵🔵🔴🔴

メアリー・ベスレム

人喰いを殺せばいいのね?
えぇ、もちろん!
人喰いを楽しむオウガはみんな、メアリの獲物だもの

ひしめくオウガの軍勢を
【ジャンプ】【足場習熟】で【踏みつけ】ながら
【逃げ足】で捕まらないよう駆け抜ける
そのまま逃げ切る事もできるけど
敢えてお尻を振って【誘惑】して
あなた達、アリスを食べたいんでしょう?
だったら、捕まえてごらんなさい
そうやってオウガの軍勢を誘導し
魔女のところへと連れて行く

魔女のところへと着いたなら
【野生の勘】で変化魔法を避けてみせ
【胡椒挽きの短銃】の弾丸を叩き込む
そうして「香り付け」が済んだなら
走り疲れて、お腹の空いたオウガ達に我慢できるかしら?
ねぇあなた、食べられる側の気持ちはどうかしら?


●悪因悪果
「人喰いを殺せばいいのね? えぇ、もちろん! 人喰いを楽しむオウガはみんな、メアリの獲物だもの」
 戦場へと転移してきたメアリー・ベスレム(Rabid Rabbit・f24749)はどこか楽しげに呟いた。
 空高く跳び跳ね、オウガの頭上に着地したメアリーはオウガたちの頭を踏み台にして頭から頭へと飛び移りながら、奥へ、奥へと進んで行った。
「いたぞ! あそこだ! よくも俺の頭を踏んづけやがったな!」
 当然、オウガも黙ってはいない。ぴょんぴょんと軽快に跳び跳ねるメアリーをオウガたちはダッシュで追いかけてくる。
「あなた達、アリスを食べたいんでしょう? だったら、捕まえてごらんなさい」
 メアリーの脚力ならばオウガから逃げ切ることもできるが、メアリはあえてそうしなかった。それどころかおしりを左右に振り、オウガたちを誘惑する。
 肉付きのいいメアリーの臀部に魅了されたオウガたちは、競うようにメアリーを追いかけてきた。
「そうよ、ついてきなさい」
 オウガ達を引き連れながら、メアリーはくすりと笑う。魔女のいるところは、もうすぐそこだ。

「何してるんだい! あの尻でか娘をさっさと捕まえるんだよ!」
 全身包帯でぐるぐる巻きになった魔女は、キーキーと甲高い声を出して手下たちを怒鳴りつけた。オウガたちを踏み台にしながら、猟兵と思しき青髪の娘がどんどんこちらに近づいてきているからだ。青髪の娘……メアリーが一向に捕まらないことに業を煮やした魔女は、ついに味方を巻き込むのもおかまいなしに影絵のドラゴンを召喚した。
「ドラゴン! あの娘を焼き払うんだよ! ミディアムステーキにしちまいな!」
「ゴアアアアッ!」
 真っ黒で平べったいドラゴンは魔女の命令に応え、メアリーに向かって黒い炎を吐いた。
「危ないわね」
 メアリーは野生の勘で炎をひらりと回避した。たちまち悲鳴が上がり、炎に巻き込まれたオウガたちは黒焦げになった。間一髪のところでドラゴンの炎を回避したメアリは床に着地しながら、魔女へと『胡椒挽きの短銃』(ペッパーボックスピストル)を向ける。
「たっぷり、胡椒をきかせてあげ……くしゅん!」
 ダァン!
 魔女に叩き込まれた胡椒の弾丸が飛び散る。胸を撃ち抜かれ、血を流している魔女はたちまち胡椒の香りに包まれた。
「あいたたた! ザンネンだったね、ピストルで撃たれたぐらいじゃ、アタシは死には……」
 魔女が強がりを言いかけたその時だった。魔女は、手下のオウガたちがメアリーを追わず、自分を見つめながらよだれを垂らしていることに気付いた。
「なんだい、お前達、変な目でアタシを見て……遊んでる暇があったらさっさとあの娘を……」
「『香り付け』は済んだわ。走り疲れて、お腹の空いたオウガ達に我慢できるかしら?」
 メアリーは魔女を見て、くすりと笑う。
「ヒャッハー! もう我慢できねえぜ! 胡椒の香りがたまらねえ!」
「この際、肉なら婆さんでもいいや!」
 食欲を抑えきれなくなった魔女の手下のオウガたちは、人喰い魔女に向かって噛みつき始めた。
「これ! 痛いじゃないか! やめろって言ってるだろ!」
 魔女は襲い掛かってくるオウガたちを必死に制止するが、オウガ達はちっとも言うことを聞かなかった。所詮は欲望だけで繋がる関係である。
「ねぇあなた、食べられる側の気持ちはどうかしら?」
成功 🔵🔵🔴

龍・雨豪


儀式を阻止して犠牲者の数を抑えるのはとっても大事なのは分かるわ。
でもそれ以上に、この魔女をぶん殴りたいのよね。八つ当たりだけど。
姿形は違えど、私を追いやったヤツをところどころ連想させるから、殴れないアイツの代わりに一発……ってね。

迅速に魔女を排除するために、UCでオウガ達が私を仲間であると誤認するようにしましょ。そしたら戦わなくていいから最短で辿り着けるし、魔女自身も隙だらけよね。
後は顔面なり鳩尾なりに渾身の一撃をお見舞いしてやるわ。

一撃入れたらさっさと離脱よ。UCの代償でいつ戦えなくなるか分からないし、仕留めきれていなかった場合の反撃が怖いのよね。
また姿を変えられるなんて御免だわ。


リオン・ゲーベンアイン

さて、遠距離射撃からでも暗殺にはなるよね。
このユーベルコードなら半径3721mの空間の対象を全て把握して精密に狙撃できるよ。
更に地の利を活かして序盤は隠密行動をしながら他の猟兵に対する支援射撃も行うね。
やがて魔女を把握したら魔女殺し...古代神話を異端として排斥した十字の神話にまつわる聖人、天使に由来する権能を込めた矢を放って狙撃するよ。
魔女とは古代神話の巫女を零落させた存在というからね。
魔女に起源を有するオウガなら特効が入るんじゃないかな?


●八つ当たり
「儀式を阻止して犠牲者の数を抑えるのはとっても大事なのは分かるわ。でもそれ以上に、この魔女をぶん殴りたいのよね。八つ当たりだけど」
 龍・雨豪(虚像の龍人・f26969)は伝え聞いた魔女の人物像に嫌悪感を感じていた。直接魔女に何か恨みがあるわけではないが、無理やり誰かを異世界に連れ込むというやり口がとにかく気に喰わない。
「姿形は違えど、私を追いやったヤツをところどころ連想させるから、殴れないアイツの代わりに一発……ってね」
 まごうこと無き八つ当たりであったが、相手が世界に仇為すオウガならばぶちのめす大義名分もあるし、問題はないだろう。
「さてと、魔女に近づく為には工夫をしないとね」
 龍は『真贋成就』のユーベルコードを発動し、自身の気配を欺瞞した。これでしばらくはオウガには自身が猟兵だとはバレないはずだ。代償として術の効果が切れた後は戦闘力が一般人並まで低下するが、すぐに逃げれば問題ない。
 龍は翼でゆっくりとオウガのいるフロアまで降りると、オウガの群れを隙間を移動して魔女の元へと進んでいった。

●スナイパー
「さて、遠距離射撃からでも暗殺にはなるよね」
 自陣から階下のオウガの大軍勢を見下ろしながら、リオン・ゲーベンアイン(純白と透明の二つの無垢を司る弓使い・f23867)は弓を構えた。この弓は幼少期に拾ったものなので名称は不明だが、確かな性能の一張だ。
「見つけた」
 ここからなら、戦場の様子が手に取るように分かる。先んじて切り込んだ猟兵たちに追い立てられ、魔女は最初いた位置からはずいぶん遠くまで移動したようだが、問題はない。半径3721mの精密射撃を可能とするリオンの『運命射殺・摂理を神降ろす万能王の早矢』(ドゥームブレイク・ウォーモ・ウニヴェルサーレ)ならば、この位置からでも十分に届く。
「全能を下す万能王の腕よ、左手は神殺しを携えろ、右手に握るは摂理をも跪かせる人の意思と心得ろ。今こそ種の意思で運命を撃ち落とせ」
 自らの力を弓に注ぎ込み、矢を生成する。
 リオンの弓から、人喰いの魔女に向かって、『魔女殺し』の矢が放たれた。

●畳みかける不意討ち
「はあ、はあ、酷い目にあった」
 暴走し、魔女に噛みついてきた部下達の粛清を終えた魔女は、肩で息をした。
猟兵たちが出現してからというものの、アリス召喚の儀式は中断したままだ。さっさと儀式を終え、呼び出したアリスを喰らって体力の回復を図らねば。
「全く、能無しどもめ、こんなことならもっと頭のいい奴らを手下に――」
 魔女が愚痴り始めた時、龍の角を生やした亜人種のオウガがとことこと魔女に近づいてきた。
「なんだい、お前は?」
 魔女が尋ねると、竜人はぼそぼそと口元を動かした。だが、声が小さすぎて魔女には聞き取れない。
「んん? アタシは耳が遠いんだ、もっと大きな声でしゃべっておくれ」
 魔女が顔をしかめ、龍人へと耳を近づけたその時だった。
 竜人は目にも止まらぬ速さで、魔女のこめかみ目掛けて渾身の右フックを叩き込んだ!
「はぎゃああああああ!」
 無防備な状態で頭部の急所を痛打された魔女は勢いよく吹き飛び、ゴロゴロと地面を転がった。
 そう、竜人の正体はオウガなどではなく、オウガのフリをした龍・雨豪だったのだ。
「おまえ~! オウガじゃないね! こ、殺してやるぅうううう!」
 激昂した魔女は杖を振り回して変化魔法を乱射した。しかし、脳震盪を起こしていた魔女の手元は定まらず、龍の代わりに回りにいたオウガ達が流れ弾でブタや羊に姿を変えられてしまった。
 その隙に、龍はさっさと離れていく。魔女が脳震盪を起こしている今は攻撃のチャンスではあるが、龍のユーベルコードの反動がいつ襲ってくるか分からない以上、ここは離脱あるのみである。
(また姿を変えられるなんて御免だしね)
 龍の姿を変えたのも別に魔女がやったわけではないが、そういう術の使い手である所も宿敵に似ていたから龍は腹が立ったのである。
「絶対逃がすんじゃないよ! 追え、追うんだよ! 逃げ道を塞げ!」
 魔女は杖で体を支えながら、手下たちに命令を下す。たちまちオウガたちが龍の逃げ道を塞ぐべく、包囲網を作る。
 しかし、龍は雑魚オウガをぶっとばし、道を無理矢理作って逃げていく。
「逃がすかぁ!」
 鬼の形相で龍を追いかける魔女。見た目の割に結構速い。
「しつこいわね!」
 龍はオウガたちを拳や蹴りで吹き飛ばしながらひたすら突っ走るが、いつ戦闘力が落ちるか分からないので、内心ハラハラしていた。
 ゴウッ!
 その時、空から光り輝く矢が魔女へと放たれた。リオンのユーベルコードによる狙撃だ。魔女は危機を察知し、身をひねるが、まだ足元がふらついていたせいか完全には避け切れず、矢は魔女の腕に命中した。
 バチチチチッ!
「ぐあああぁっ! これは、天使の矢かい!? ぬ、抜けん!」
 魔女は矢から流れ込む神聖な力に顔を歪める。
 リオンが用意した「魔女殺し」の矢の正体は古代神話を異端として排斥した十字の神話にまつわる聖人、天使に由来する権能を込めた矢だ。古代神話の巫女を零落させた伝承を持つ魔女には、効果覿面だった。
「くそっ! 忌々しい狩人め!」
 見れば、龍も今の隙に姿を消していた。もはやこの場に留まることはデメリットでしかない。いつ第二射が来るか分からないのだ。
「くそったれどもがーーーー!」
 魔女は左腕ごと刺さった矢を焼き払うと、大急ぎでその場から離れたのだった。
成功 🔵🔵🔵🔵🔴🔴

天御鏡・百々


高所から敵の陣容を確認出来るのは助かるな
魔女へと進む中で、敵群の薄い道筋を確認しよう

全て相手にしていてはキリが無い
我が本体から放つ光の目潰し10で敵を怯ませ
敵をすり抜けて駆けていくぞ
我が小柄な体ならば、敵の隙間をくぐっていくこともできるであろう

それでも邪魔な敵は真朱神楽(武器:薙刀)で切り裂き(なぎ払い35)
攻撃は神通力(武器)による障壁(オーラ防御103、結界術13)で防いで進むぞ

射程に捉えたら『天鏡破魔光』で攻撃だ(破魔110、神罰5)
影絵のドラゴンも、聖なる光で消し去ってくれよう!

●神鏡のヤドリガミ
●本体の神鏡へのダメージ描写NG


プリンセラ・プリンセス
★☆

「彼の者よ来よ――突撃の時間です」
上書きする人格は5番目の姉ジョゼット。
戦場を見据え発動するは竜の楯鱗。
自分の足元から魔女の足元まで一直線に。高さは50mもあればいいだろう。
これで邪魔は入らない。
一緒に召喚できる兵士は魔女に近いものは魔女に攻撃を。遠いものは魔女が召喚するであろう影絵のドラゴンに○集団戦術○時間稼ぎで対処。
防衛用の城壁だ、弓やら投槍は沢山ある。
そして自分はウマに○騎乗○運転○足場習熟で城壁の上を魔女まで一気に駆け抜ける!
○ランスチャージと○踏みつけ、そして○吹き飛ばしてからの○投擲○槍投げで魔女を貫く!


●強襲作戦
「高所から敵の陣容を確認出来るのは助かるな」
 階下のオウガたちを手すりの隙間から見下ろしながら、天御鏡・百々(その身に映すは真実と未来・f01640)は言った。ここからならば、魔女の居場所は丸見えだ。
「そうですね。ここからなら魔女の居場所が一目瞭然です。暗殺作戦とは少し複雑な気分ですが、頑張りましょう」
 プリンセラ・プリンセス(Fly Baby Fly・f01272)は浮かない表情でこくりと頷いた。アックス&ウィザーズ世界のとある国の姫君である彼女は、自身が暗殺されかかったこともあるのかもしれない。
「彼の者よ来よ――突撃の時間です」
 プリンセラは決然と呟くと、今は亡き5番目の姉ジョゼットの人格、正確にはその残滓(アバター)――を自身に上書きした。人格が切り替わると共に彼女が身に纏っていた武装も様相を変え、プリンセラは鋼の鎧と赤銅色の突撃槍で武装した騎士になった。
「行くぞ! ハイヨー! 【ウマ】!」
 軍馬に跨ったプリンセラは雄々しく叫ぶと、オウガの軍勢に向かって大ジャンプした。ランスチャージでオウガを蹴散らしながら前進し、魔女に向かって突撃していく。
「では、我も行くとしよう!」
 百々は敵の陣形を左から迂回するようなルートで魔女に向かって進軍を開始した。オウガたちは中央突破を試みているプリンセラに気をとられており、陣形の両端は比較的手薄になっているのだ。
 だが、それでもオウガは平時とは比較にならない数の量だ。百々は朱色の薙刀でオウガたちを薙ぎ払いながら、魔女に向かって前進していった。
「全て相手にしていてはキリが無い! 喰らえ!」
 百々は本体である神鏡から強烈な閃光を発し、オウガたちに目晦ましをお見舞いした。さらに百々は130センチにも満たない小柄な体格を生かし、目が眩んでいるオウガたちの脇をするするとすり抜けていく。

「見えたぞ。『竜の楯鱗』(エスカッシャンスケイル)!」
 魔女まであと数百メートルという距離に迫ったプリンセラが叫ぶと、地面から高さ50mほどの城壁が屹立し、直線状にいたオウガたちを跳ね飛ばしながら魔女まで一直線に道を作り上げた。
「ほっは! なんだいなんだい!?」
 魔女は突然の地形の変化に慌て、手足をばたつかせていた。
「これで邪魔は入らない。雑兵は任せるぞ!」
 プリンセラは城壁と共に召喚された亡霊騎士団に雑魚オウガの足止めを命じ、愛馬と共に魔女に向かって一直線に駆けていく。
「今度は騎士様かい! 一騎討ちなんてアタシはごめんだよ!」
 魔女は杖を振り上げ、プリンセラの侵攻を防ぐように影絵のドラゴンを召喚した。
「やるんだ! ドラゴン!」
「ゴアアアアアッ!」
 召喚された影絵のドラゴンは漆黒の火炎をプリンセラに向かって浴びせかける。
「!」
 プリンセラは咄嗟にウマを右に走らせ、ギリギリで火炎を回避した。影絵ゆえに厚みを感じさせないドラゴンだが、その図体は大きく、左右をすり抜けて魔女まで辿り着くのは難しそうだ。
「さあ、ドラゴン、殺せ! あんなやつは燃やしてしまうんだよ~!」
「皆の者、皇女をお守りしろ!」
 亡霊の騎士達が一斉にドラゴンに向かって矢や投げ槍を射かける。騎士達の猛攻を受けたドラゴンはたまらず身じろぎした。
「実体のない影絵のドラゴンに攻撃を通すとは……忌々しい亡霊共め!」
 魔女は舌打ちし、騎士の亡霊たちに向かって電撃を放つ。杖から放たれた稲光が騎士達を吹き飛ばした。魔女の牽制に騎士達の攻撃が一瞬止み、ドラゴンは再びプリンセラを見据えた。
「さあ、ドラゴン、そいつを焼き払ってしまえ!」
 ドラゴンが再び大きく息を吸い込む。
 一か八か。プリンセラがドラゴンの頭上を飛び越えようと、ウマに合図を送ったその時。
「『天鏡破魔光』! 悪しき者よ、我が破魔の力によりて滅び去るがいい!」
 追い付いてきた百々が神鏡から放った神聖な輝きが、影絵のドラゴンの頭上から降り注いだ!
「ギャウウウウウ!」
 破魔の光が影絵のドラゴンを撃ち抜き、ドラゴンの輪郭がぐにゃりと歪む。
「なんだっ!? ま、眩しいっ!」
 百々の閃光で目が眩んだのか、魔女の動きも止まった。
「「今だっ!」」
 ドラゴンを退け、魔女の眼前まで迫った二人の攻撃が炸裂する。
「ぎょえええええええっ!!」
 百々の破魔の光とプリンセラのランス・チャージの直撃を受けた魔女は、城壁から紙細工のように吹き飛ばされていった。
成功 🔵🔵🔵🔵🔴🔴

数宮・多喜


へぇ、暗殺ねぇ。
親玉が最初から見える位置に居られるなら、
軽く捻ってやろうじゃないのさ!
大軍を相手にすり抜けるのもいいんだろうけど、
別に魔女が動いても良いんだろ?
なら、アタシらの陣地にご招待しようじゃないのさ!

戦場の広さがどれくらいかまでは分からないけど、
それなりに近付くことはできるだろ。
何せ今のアタシの【縁手繰る掌】は、
認識さえできれば7km先のモノでも手繰り寄せられるからね!
そうして儀式の場所から魔女を強制転移させて、
間髪入れずに『マヒ攻撃』を込めたサイキックの電撃『属性攻撃』をお見舞いしてやる!
さあ、後は囲んでタコ殴りするだけの簡単なお仕事だ。
変化魔法には当たらないよう気を付けて殴るよ!


メンカル・プルモーサ

ふむ、地形の有利を得ることが出来たのは大きいね…
…さて、と…まずは目標の魔女の位置を遠くから把握…
…飛行式箒【リンドヴルム】に乗って…地面すれすれを飛んで行くとしようか…
…ある程度近づいたら医療製薬術式【ノーデンス】で作った煙幕弾を撃ち込んで混乱を狙うよ…
混乱してるうちに…心理隠密術式【シュレディンガー】による心理迷彩を纏いながらオウガ達の隙間を縫って飛んで行くことで魔女に素早く接近…
…【慈悲深く死に神の手】の効果範囲に入ったら…発見される前に素早く発動……急所を抉って暗殺を狙うよ…
…成功にしろ失敗にしろ、一撃見舞ったら即離脱…大量のオウガ達はまともに相手できないからね…


●魔女とサイキッカーの悪巧み
「へぇ、暗殺ねぇ。親玉が最初から見える位置に居られるなら、軽く捻ってやろうじゃないのさ!」
 数宮・多喜(撃走サイキックライダー・f03004)は不敵な笑みを浮かべた。どうやら彼女にはとっておきの暗殺計画があるようだ。
「ふむ、地形の有利を得ることが出来たのは大きいね……」
 階下に広がるオウガの大軍勢を見下ろしながら、メンカル・プルモーサ(トリニティ・ウィッチ・f08301)は頷いた。情報は多ければ多いほど良い。ましてや、抹殺対象の敵の司令官の位置が最初から丸見えともなれば、狙い撃ちは容易い。
「そっちも自信ありそうだね。どういう作戦だい?」
 多喜はニヤリと笑いながらメンカルに尋ねた。メンカルはいつも通り傍目には眠たそうの表情をしていたのだが、多喜にはなんとなくメンカルが自信ありげに見えたのだ。
「……ごにょごにょ……」
「……なるほど、なるほど、こっちは……」
「……ふむ……ふむ……うん……なら……」
「OK、じゃあそういう手筈で! よろしく!」
「……了解……じゃあ行ってくる……」
 作戦は決まったらしい。多喜との打ち合わせを終えたメンカルは愛用の飛行式箒【リンドヴルム】に横乗りし、最も手薄になっている敵軍の右端から魔女に向かって進軍を開始した。

●十六才の魔女VS二百年生きた魔女
「はあ、はあ……」
 城壁から叩き落され、地面に叩きつけられた人喰い魔女は荒い息を吐いた。とっておきの秘薬と回復魔法でなんとか命は繋いだが、さすがに消耗は大きく、酷い空腹感を感じていた。
「アリス! アリスを喰らわなくては……! 食べ食べ食食食食食食」
 飢餓感に理性が剥ぎ取られ、老女は一瞬その悍ましい本性が剥き出しになる。
「お前達! アリスを呼べるのはアタシだけなんだ! 分かってるだろうね……!  腹いっぱい食べたきゃ命がけでアタシを守るんだよ……!」
 赤い目を爛々と輝かせ、魔女が手下達をギロリと睨み付けたその時――。
 ボヒュッ!
「!?」
 突然大きな音がしたかと思うと、魔女は白い煙に包まれていた。メンカルの調合した特製煙幕弾だ。
「敵襲だ! アタシを守るんだよ! おい、アタシはこっちだ! どこへ行くんだい!?」
 1メートル先も見えない濃い煙の中で、オウガたちは大混乱に包まれた。メンカルの医療知識を惜しみなく使って作られたこの煙幕には、方向感覚や距離感を狂わせる幻覚作用も含まれているのだ。
「ターゲット、発見……」
 短く呟き、地面すれすれを箒で飛びながらオウガの間をすり抜けて飛ぶメンカル。彼女の眼鏡【アルゴスの眼】のセンサーには、白煙の中でも魔女の輪郭がハッキリと見えていた。
「空なる孔よ、開け、閉じよ。汝は切削、汝は虚現。魔女が望むは世界切り取る虚空の手」
 心理隠密術式【シュレディンガー】で隠形しつつ、メンカルは呪文を詠唱する。気配を殺し忍び寄ってくる死神にオウガたちは誰も気付けず、メンカルは自身の攻撃の射程内まで接近することに成功した。
『慈悲深き死神の手(クー・デ・グラース)』
 ボヒュッ!
 メンカルの魔術が発動し、コミカルな音を立てて魔女の心臓は空間ごとごっそりと消失した。
「ごはっ!」
 血を吐いて倒れる人喰い魔女。しかし、心臓を失ったはずの魔女はまだのろのろと起き上がろうとしていた。
「……思ったより人間やめてた魔女だったか……」
 メンカルは急速旋回しながらぼそりと呟く。魔女の頭と心臓のどちらを狙うかは最後まで悩んだのだが、外れを引いてしまったようだ。
「まあいい……保険はちゃんとかけてある……あとはよろしく……」
 オウガだらけのこの場で無理に深追いする必要はない。メンカルは全速力で自陣へと引き返した。

●暗殺作戦の結末
「げほげほ、こ、ここはどこだい……?」
 激しく咳き込みながら、人喰い魔女は呟いた。いつの間にか、煙幕は消えており、見覚えのない場所に移動している。瞬間移動の魔術を使う魔力などもう残っていないはずだが、火事場の馬鹿力でテレポートできたのだろうか。
「よう、アタシらの陣地にようこそ!」
「!?」
 しかし、そんな都合のいい奇跡などあるはずもない。人喰い魔女をテレポートさせたのは猟兵である多喜だ。そして、魔女が転移させられた場所は猟兵達の本陣である。
 メンカルの眼鏡に映った映像をスマートフォンでモニターしていた多喜は、煙の中でも人喰いの魔女の姿をハッキリと捉えていたのだ(プライバシー的にまずいのでもちろん本人の了承は得ている)。心臓を貫かれた直後に多喜のユーベルコードを受けた魔女は、攻撃を受けていると気づく暇もなかった。
「オラァ!」
 魔女が事態を理解するよりも早く、多喜は電撃を纏った蹴りを人喰い魔女の腹に叩き込む。体がくの字に曲がり、電撃の激痛で意識が飛びそうになる。
(こ、子豚に、子豚にしてやる!)
 魔女は最後の力を振り絞り、多喜に向かって変化魔法を放とうとした。しかし、そんな暇など多喜は与えない。
「オラオラオラオラァ!」
 雄叫びと共に正中線上の急所を狙った、流れるような連撃が一瞬で叩き込まれ、魔術の要たる魔法の杖は遥か彼方へと転がっていってしまった。
(杖を、取り戻さないと、は、反撃、を)
 ボロ雑巾のようになった人喰い魔女は、朦朧とする意識の中ばたばたと手を動かして杖を探すが、その行為に意味はなかった。
「いい加減に、往生しなよ!」
 多喜の渾身の電撃かかと落としが魔女へと振り下ろされる。頭蓋を砕かれた人喰いの魔女はついに塵へと帰ったのだった。
大成功 🔵🔵🔵🔵🔵🔵

最終結果:成功

完成日2020年08月04日
👑11 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴