迷宮災厄戦②〜庭園の薔薇竜(作者 寅杜柳
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●迷宮災厄戦開幕
「皆ちょっと聞いて! アリスラビリンスで大きな戦いが始まったわ!」
 その大きな体に見合った大声でグリモアベースの猟兵に呼びかける白象獣人は祓戸・多喜(白象の射手・f21878)だ。
「この世界のオブリビオン・フォーミュラ―のオウガ・オリジンを牢獄に閉じ込めて力を奪った猟書家が他の世界への侵略を開始しているの。どちらもぶっ倒して侵略もカタストロフも絶対食い止めないと!」
 鼻息荒く気合十分な様子の白象は集まった猟兵達の顔を見、説明を始める。
「まず最初なんだけど、オウガ・オリジンが閉じ込められていた『迷宮のような図書館』の国には今オウガの大軍団が集まってて他の世界から『アリス』を大量に召喚する儀式を行っているの。それを食い止める為に皆頑張る事になるんだけど、今回はその儀式の首謀者の一人を予兆で見つける事が出来たから乱戦をどうにか潜り抜けてその首謀者をピンポイントで仕留めてほしいの」
 儀式の首謀者の一人を倒せばその進行を遅らせる事が出来るのだと多喜は言う。
「事前にグリモアベースの方で儀式魔術【Q】が成功していて、敵の陣容が把握しやすい位置を事前に確保できてるから有利な状況から仕掛けることはできるのは幸いね。儀式を行っている場所は複雑な構造の図書館、その中庭の一つの薔薇の庭園。周りを高い建物に囲まれていて空からひとっとび、ってのは工夫しないと難しいかも。図書館の中は大量のオウガがうろついているからそっちを通るならやり過ごしたり一気に蹴散らしたりする方法を考えた方がいいかも」
 そして多喜は標的についての説明に移る。
「倒して来て欲しいのは獄炎薔薇竜カタストローフェって名前の薔薇の竜ね。蒼炎と炎のような熱さの薔薇の花びらを操る、強者との戦いを好む傲慢な戦闘狂。強いけれど乱戦を上手く活かして素早く仕掛けれれば有利に戦えると思う。儀式の邪魔になるからか、中庭には他のオウガはいないからそこはこっちに有利かも」
 そこまで説明し終えた白象は、少し考えてから言葉を続ける。
「猟書家を削れば力を取り戻してオウガ・オリジンが強くなったり……すごく考える事が多い戦争だと思う。だけども一歩一歩着実に踏みしめて行けば大丈夫!」
 第一歩頑張ってね、と前向きに締め括った多喜は、大量のオウガへと猟兵達を転移させたのであった。


寅杜柳
 オープニングをお読み頂き有難うございます。
 オウガうろつく図書館迷路を突破して、儀式を潰しましょう。

 このシナリオは迷宮のような図書館の国でアリスを大量に召喚するための儀式を行っている『獄炎薔薇竜カタストローフェ』と戦うシナリオとなります。
 このシナリオが成功した場合、戦争サバイバルの🏅が2万増加します(『【Q】食べられちゃうアリスさんを助けちゃおう!』の成功により加算される🏅が二倍に増加しています)
 また、下記の特別なプレイングボーナスがある為、それに基づく行動があると判定が有利になりますので狙ってみるのもいいかもしれません。

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 プレイングボーナス……オウガの群れを潜り抜け、司令官に素早く接近する。
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 それでは、皆様のご参加をお待ちしております。
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第1章 ボス戦 『獄炎薔薇竜カタストローフェ』

POW ●破滅の蒼き炎
【なにかに接触すると大爆発を起こす蒼炎の弾】を放ち、自身からレベルm半径内の指定した全ての対象を攻撃する。
SPD ●心躍る闘争を!
全身を【地獄の蒼き炎】で覆い、自身の【強者との戦闘を楽しむ意思】に比例した戦闘力増強と、最大でレベル×100km/hに達する飛翔能力を得る。
WIZ ●地獄へと誘う薔薇の舞
自身の装備武器を無数の【炎の如き熱を持った薔薇】の花びらに変え、自身からレベルm半径内の指定した全ての対象を攻撃する。
👑11 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はノーラ・カッツェです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


草野・千秋
迷宮の中で戦うだなんて僕もアリスになったみたいです
薔薇の竜、手強い相手だとは思いますが
気合いを入れて行きましょう
他の世界からまたアリスの方を召喚だなんてさせませんよ!
勇気を出して戦いに挑む

オウガの群れはダッシュで駆け抜けつつ範囲攻撃、一斉発射で掃射
歌唱、UC【Tagetes erecta】で蹴散らそうとする
狙うはボスだ、お前達は徹底的に蹴散らす!
視力を生かし戦闘知識を頼りに第六感の動くまま中庭を目掛けてまっしぐら

薔薇の竜と対峙するなら『怪力、2回攻撃』で攻撃
強者を求めますか、いいでしょう
このダムナーティオーが相手となる!
敵攻撃は第六感、視力、戦闘知識でかわし
激痛耐性、盾受けで耐える


ノア・フラグメント
作戦内容は了解しました。
時間をかける必要はありませんし、図書館内を強行突破します。
館内を戦車が通れるならオウガどもに少々張り付かれても問題はないでしょう……私としては一匹残らず撃滅したい所ですが。

それにしてもドラゴン相手ですか。
なぜだか俄然やる気が湧いてきますね。

UC【タンクキャバリア】を使って強行突破、
道中絡む奴らには機銃掃射をプレゼントです。
ボス相手には【鎧無視攻撃】で主砲をありったけ撃ち込んであげます。


蝶ヶ崎・羊
【追跡】の応用で、いかに目立たず周りにバレない方法を頭に入れて【変装】で見た目を騙し、【忍び足】で音を殺し、【闇に紛れ】てオウガ達の中を通り、目標のところへと向かいます

目標の敵にたどり着けばUC発動で蹴りをいれます
そのまま鎌鼬で風の【全力魔法】を【二回攻撃】して追撃して攻撃の隙を与えないように動きます

『貴方の闘争好きでアリスさん達を巻き込むものではありません』
『そして、中庭でも図書館ではお静かに』

POWの攻撃は【火炎耐性】で耐えたり【見切り】で回避します


●Catastrophe
 ――図書館というものは本来静寂こそが望ましい場所である。
 だが、この迷宮のような図書館の世界は既に乱戦の真っただ中。
 大量のアリスを召喚せんとするオウガとそれを阻止する為にやって来た数多くの猟兵達が力をぶつけ合う騒乱の小世界。
 そんな迷宮の中、儀式を担うオウガが存在すると予知された庭園に向かう猟兵達が走っていた。
「……作戦内容は了解しました」
 戦車の中で緑の瞳を瞬かせ、ノア・フラグメント(記憶の残滓・f24530)が淡々と独り言ちる。
 彼女が搭乗している戦車はツェルベルス1A1という名、見かけによらぬ速度で図書館の広い廊下を真っすぐに進んでいる。
 そんな戦車に並走するサイボーグは草野・千秋(断罪戦士ダムナーティオー・f01504)。
(「迷宮の中で戦うだなんて僕もアリスになったみたいです」)
 走りながらそんな事を思う彼はこの迷宮の先について思考を巡らせる。
 儀式の場である中庭にいる薔薇の竜は手強い相手であると聞く。道中のオウガの群も当然厄介で足止めを喰らい連戦となれば厳しい戦いになるだろう。
 だが千秋は怯みはしない。
 他の世界からアリスを召喚させるなどという事は絶対に阻止する――そう気合を入れ、サイボーグの体に活を入れ踏み出す足に力を込める。
 そんな二人の前にオウガの群が立ちはだかった。
 これだけ大きな戦車で図書館内を走るのはとても目立つ。少々ならばそのまま轢き潰してしまうことも出来たのだろうが如何せん数が多い。
 それでも目的地へと向かうにはこの通路を通る必要がある。「時間をかける必要はありませんし、強行突破します」
 呟いたノアは戦車の主砲をオウガの群に向け砲弾を放つ。ユーベルコードにより強化された戦車、その主砲の一射はオウガの群の中心付近で炸裂しその壁のような軍勢に一つの穴を穿つ。 同じく千秋もオウガの群を一直線に突っ切る作戦、こじ開けた空間に飛び込むと『秩序の崩壊』の名を持つ重火器を周囲に向けながら弾丸をばら撒き周囲のオウガを蹴散らしていく。
「狙うはボスだ、お前達は徹底的に蹴散らす!」
 だが、その騒ぎを聞きつけてますます多くのオウガが寄ってくる。速度を上げて進もうにも数の暴力を重火器で押し切るには厳しい。
 そこで千秋は白薔薇を飾ったマイクを取り出し、ユーベルコードを起動する。
「何回砂時計を逆さまにしても、失われた愛は戻ることはない、這いずる僕は変わらず惨めに愛を歌うだけ――」
 それは哀しみや絶望、そして変わらぬ愛の花言葉を持つ花の歌。歌声はオウガ達の間に響き渡り、そして鋭い音符の雨に変形してオウガ達の体に突き刺さり残響の如く痛みを与え続ける。
 怯んだ瞬間にタンクが一気に加速、機銃による弾幕と火炎放射装置で炎をばら撒きながらノアは全速力で戦車を前進させる。
 本来なら一匹残らず殲滅したい所ではある。
 けれど数が多い上に、今回の目的は儀式の阻止。その辺りの切り分けについては、彼女はしっかりしていた。
「こっちです!」
 千秋が先導し走る。その視力が捉えた僅かな光を彼の第六感が儀式場への道だと告げていた。
 弾丸とメロディの刃をばら撒く千秋に続き、体勢を崩したオウガを踏みつけにしながら加速するノアの戦車は中庭へと一直線に走っていく。

 そして、そんな風に派手に暴れる猟兵達を他所に、蝶ヶ崎・羊(罪歌の歌箱・f01975)は静かに図書館の廊下を抜けていく。
 目立たぬよう、ぱっと見オウガのように変装したミレナリィドールの青年は、音を殺し暗がりを密やかに駆け抜けていく。 慎重に、けれど決して遅くない速度。
 ノアと千秋をはじめ猟兵達が繰り広げる派手な乱戦、そんな中目立たぬよう隠密に徹し行動する羊に気付くオウガはいなかった。

 そして二人の猟兵は中庭へと辿り着く。軽く見渡せば色とりどりの薔薇の咲き乱れる区域がある。
 そちらへと全力で進み、そして彼らは黒鱗のドラゴンを視界に捉える。
 カタストローフェ。左目、背中、体の薔薇を咲かせた樹木のようなその姿は恐ろしい程の重圧を猟兵達にかけてくる。
 ノアの手が僅かに振るえる。恐怖――ではない。それはドラゴンを相手にした武者震い。
 戦車は道中かなり強引に扱ったために損耗しているが、まだ戦える。
「強者を求めますか、いいでしょう。このダムナーティオーが相手となる!」
 その言葉を受け、薔薇の竜が一際大きな咆哮をあげれば、蒼炎がその周囲に無差別に放たれる。
 ノアの戦車の前に千秋は即座に飛び込み蒼炎を盾で受け止める。
 炸裂する衝撃は盾越しにも意識を刈り取られそうになる程。しかし彼の勇気は彼にただ前を見据えさせる。どれだけ強烈な攻撃であってもいつかは途切れる。
 苦痛を抑え込みやがて炸裂する蒼炎が途切れた瞬間、千秋は非常に重量のある蒼銀の剣へと持ち上げサイボーグの怪力で振り上げ二連の刃を竜に刻み込む。
 非常に硬質な手応え、だがその身に傷を刻む事が出来た。
 薔薇の竜はうっとおし気に蒼炎を至近のサイボーグに向けるも、彼は即座に後退、それと同時にノアの戦車の主砲から大型の砲弾がぶち込まれる。
 その砲弾は刃により刻まれた傷、非常に頑丈な鱗に僅かにこじ開けられた間隙に正確に命中、炸裂し竜の体内に砲弾の破片をねじり込む。
 呻くような咆哮、それと同時に反撃の蒼焔が薔薇の竜の周囲に展開されて二人を焼き尽くさんとし、
「――中庭でも図書館ではお静かに」
 声が響く。その声と同時、一つの影が咲き誇る薔薇の茂みの影から飛び出して、竜の背後へと飛び掛かった。
「ダンスはお嫌いでしょうか?」
 と言っても嫌いでも付き合って貰いますが、そう告げながらミレナリィドールの羊は華麗に空中で回転しながら竜の翼に回し蹴りを叩き込む。
 オーラを纏ったその一撃は竜の背の華を容易く切断、更に彼は竜の背を足場に跳躍し、風の精霊を宿した銃を懐から取り出し引鉄を連続で引く。
 放たれた鋭い疾風の魔法は薔薇の竜を無惨に切り裂かんとするが、薔薇の竜も強者。即座に蒼炎を操り風刃にぶつけ生じた大爆発で相殺。
 だが、その間に羊達は反撃に対処できる程度に距離を取っている。
「貴方の闘争好きでアリスさん達を巻き込むものではありません」
 極々穏やかな口調、しかし反論を許さぬ強い意志を込めた声。
『イイ……イイゾ……!』
 しかしカタストローフェはどこか楽しそうに、口角を邪悪に歪める。
 本気で戦うに値する、猟兵達はそういう存在だと認識したかのように。
成功 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴

フォルセティ・ソルレスティア(サポート)
◆性格
明るく元気で、好奇心旺盛で何にでも興味を持つけど、少し飽きっぽいところも。
年齢より子供っぽく(見た目に近い)、味覚も完全にお子様。
よく女の子に間違えられるが、言うほど気にしていない。
口調は「ボク~だよ」「わー、~だね」

◆戦闘
聖なる箒を振り回して、遠距離からの魔法系UCを使用。
グアルディアン・サトゥルノで相手のUCを相殺したり、ラビリント・ネプトゥノで
行動を制限したりすることもある。
フィニッシュはカラミダド・メテオーロが多い。
TPOに応じて愛用の宇宙バイクで戦うことも。意外と乗りこなす。
負傷者がいれば楽器演奏と歌で癒すことも多い。

◆非戦闘
情報収集を中心にしつつも直感を信じて行動することも


ネーヴェ・ノアイユ
氷壁を作成し……。その氷壁で盾受けをしながら強引かつ迅速にオウガの元へと馳せ参じようと思います。
此度のオウガ……。カタストローフェ様の元へと無事に辿り着けたならば……。アリス適合者の身であることを利用して中庭のほうへと誘導を出来ないか試してみたい……。ですね。

戦闘では威力重視のice bombにて対抗を……。もしice bombが外れた場合は氷の結界内にてicicle scissorsを作成。氷壁でカタストローフェ様の攻撃を防ぎつつ接近戦を仕掛けてまずは切り込みを狙ってみます。


●Ice wall
 少しだけ時間を遡り。
 暗い図書館内でネーヴェ・ノアイユ(冷たい魔法使い・f28873)は静かに魔力を練り上げ氷壁を生成していた。
 その氷壁は彼女の傍を飛び回り、盾のように外敵から身を守る為のもの。
 十分な枚数を生成した少女は駆け出す。迷宮のような構造の図書館、その中庭の一つを目指す彼女の作戦も極めてシンプル。
 氷壁を盾にしながら強引に押し切り薔薇の庭園を目指す、それだけだ。
 氷を操る事を得意とする彼女はレトロウィザードであり、そしてアリス適合者でもある。
 本来の餌であるアリスの気配を感じ取ったか、単なる偶然か、彼女の前に多くのオウガが立ちはだかる。
 オウガの振るう棍棒を氷の盾で受けながら砕かれた分を再び生成し復活させ、そして氷壁を叩きつけ吹き飛ばす。
 しかし、前に進むには氷壁の盾だけでは少々厳しい。魔法の氷でオウガを攻撃しても、倒された以上の数で襲い掛かられれば足を僅かに止めざるを得ない。
 勿論少しずつ前進はしている、だがこれではどれだけ時間がかかるか。
 そんな焦りを抱くネーヴェだったが、援軍が現れた事で状況は一変する。
「それそれ! ぶっ飛びなよ!」
 後方より魔法の弾丸を放つ緑髪の少女――ではなく少年はフォルセティ・ソルレスティア(星海の王子様・f05803)。
 彼の支援攻撃によりオウガの壁が吹き飛ばされ、ネーヴェが踏み出す空間ができる。
 踏み出しながら氷壁を操り、そして構築した氷の大鋏で切り裂いていけば突破口が見える。
 躊躇わず飛び込みそのままひた走るネーヴェ、それを『空飛ぶ箒』に騎乗したフォルセティが全速力で追いかけていくる。
 随分と走り、気づけば現在位置もよく分からない。
「大分奥深くに来てはいるみたいですが」
 そう思案するネーヴェに対し、フォルセティは軽く首を捻ってポン、と手を叩く。「うーん、何となくあっちが怪しいかも!」
 びしっ! とフォルセティが指し示したのは窓のような四角い光。
 何の根拠もないようだけれど、彼の太陽の如き橙の瞳に漲る自信を見て何となく信じてみよう、そうネーヴェは思った。
 どうせ当てはないのだ、ならば偶然に任せてみるのもいい、と。
 さあ行ってみよー! とフォルセティが『空飛ぶ箒』の動力を吹かせ、一気に加速し窓を突き破って飛び出す。
 そんな彼を見失わぬよう、ネーヴェも駆け出しふわりと窓から飛び降りた。

 そんな二人の着地した場所は中庭、薔薇の咲き乱れる庭園と、その中で争うカタストローフェと猟兵達。
 こっそり薔薇の影に隠れ、先行の猟兵達の様子を見るネーヴェとフォルセティ。
 薔薇の竜が炎を撒き散らし、剣持つサイボーグの青年と戦車、そして人形のような細身の青年と拮抗している。
 向こうも気づいていない今がチャンス、そう考えたネーヴェはユーベルコードを起動、空に巨大な氷塊の構築を開始。
 外さぬように狙い澄まし、交戦する三人の猟兵が離れた瞬間を見計らいそれを落とす。
 しかし、その殺気を察知されたか薔薇の竜は氷塊を寸での所で回避行動、それは失敗して尾の先端をを氷に潰されたものの、急所への直撃を避けている。
 浅い、ネーヴェがそう思考する前に薔薇の竜は体の薔薇の花弁を灼熱のそれへと変えてネーヴェへと向ける。機械も金属も人形もどれも喰らうには相応しくない相手、だからか、丁度いいタイミングで現れたネーヴェに興味を惹かれたのかもしれない。
 しかしそれは彼女の対処できる範囲だ。ネーヴェも対抗するように氷壁を前面に展開し、薔薇の竜の元へと飛び込む。
 分厚い氷壁が一瞬で蒸発、しかしすぐに氷壁は元通りになる。
 それもそのはず、氷塊を降らせたこの場所は既に彼女の展開した氷の結界の内側だ。
 その結界の助けを借りて身の丈程もある氷の鋏を生成。薔薇の竜の胴体に見える傷口に突き立てそして切り裂いた。
「凍結を抱きし冷雪の英霊よ。彼の者に封縛の柩を捧げよ」
 さらに後方よりフォルセティの援護が入る。聖箒ソル・アトゥースを振り回す彼の詠唱と共に、薔薇の庭園に濃霧がかかる。視界を遮るその霧に隠れ、絶対零度の氷壁の迷宮が庭園の中に生み出されていた。
 氷壁によりネーヴェと分断された薔薇の竜は霧を散らさんと炎の如き熱を持つ花弁を舞い散らせるも、絶対零度の氷壁を融かす前に凍らされてしまう。
 氷を得手とするウィザードの二人による魔法の相乗効果――その上、熱持つ薔薇の花弁の攻撃は事前に背の薔薇を切り落とされていた為か数が少ない。
 万全の状態ならともかく、現状では氷壁を突破できない程度の威力に減衰させられていたのだ。
『グオオオォォォッ!!』
 苛立ったように咆哮をあげ氷壁を攻撃するカタストローフェだったが、結局氷壁を砕くことは出来なかった。
成功 🔵🔵🔵🔵🔴🔴

ヴィヴィアン・ランナーウェイ
さあ、駆け抜けますわよ過去の私。UCを発動し、過去の自身を呼び出します。そして、二人同時に駆け抜けます。鍛え上げられた脚力、見せる時ですわね。敵と接敵した場合、基本は無視。やむを得ない場合は一当てして先に進みましょう。邪魔ですわよ、オウガ共。あなた方に用はありませんわ!!
オブリビオンの元へ辿り着けば、過去と現在。二人の槍で攻撃します。
強者?いいえ、私はずっと弱者でした。負け続け、こんな世界に流れ着き、挙句こうして戦っている。
だから、貴方に見せるのは弱者の意地。
過去の私を敵の攻撃を受け止めさせ囮と盾に。過去を乗り越え、私は貴方を倒します。
死になさい、オブリビオン!槍と剣を突き立てましょう。


鍋島・小百合子
SPD重視

贄に捧げられるであろうありす達をこれ以上増やさせるわけにはいかぬな
いざ戦場へ行かん

「敵がうようよと…幸い隠れるには困らぬようじゃ」
外蓑を羽織りつつ目立たないよう隠密重視で行軍(忍び足、闇に紛れる併用)
図書館内の物陰や敵の死角等を利用しつつ敵をうまくやり過ごしていく
進路上でどうしても邪魔になるであろう敵は懐の小太刀にて気づかれぬよう咄嗟の一撃で手早く仕留める
標的たる竜の懐に入れば矢劇薬を塗布した毒矢にて敵の死角より狙い射貫く(視力、スナイパー、マヒ攻撃、持続ダメージ、毒使い、乱れ撃ち併用)
一矢浴びせれば一時離脱
以降は敵の背後に回りつつ他の猟兵の援護射撃を担う


●Withered rose
 最初の三人がカタストローフェに接触したのと同時刻。
 二人の猟兵が図書館を爆速で駆けていた。図書館の中はお静かに、と先に戦っている猟兵が窘めそうになる位に全速力である。
 止まっていればどこかの令嬢のようにも見えるのだろうが、赤い髪を靡かせ走る姿はまるで女豹のよう。
「さあ、駆け抜けますわよ過去の私!」
「お任せ下さい、今の私!」
 まるで双子のようにそっくりな二人は同一人物の今と過去、ヴィヴィアン・ランナーウェイ(悪役令嬢?・f19488)と魔力で創り出したかつての世界での彼女自身。
 同時に駆け抜ける二人をオウガが捉えようとするも、その強靭な脚力より生み出される速度、そして変幻自在な走路を前に捕まえる事が出来ない。
「「邪魔ですわよ、オウガ共。あなた方に用はありませんわ!!」」
 まるで物語の令嬢(悪役)のような高笑いをあげながら駆ける二人は戦場のオウガを無視し、集まる前に次の廊下、次の部屋へと恐ろしい速度で走っていくのであった。
 そしてそんな騒ぎは露知らず、朱色の武者鎧に身を包む鍋島・小百合子(朱舞の女丈夫・f04799)は別の回廊を歩きながらアリス達の事を考えていた。
 大量に召喚され、そしてただの贄として消費される彼ら彼女ら。
(「……ありす達をこれ以上増やさせるわけにはいかぬな」)
 いざ戦場へ行かんと、彼女はユーベルコードを起動する。
「我の姿は誰にも捉え得ない……行くぞ!」
 その瞬間彼女の気配が空気に溶け込んだかのように薄れてしまう。母親の教育の賜物による、ユーベルコードの域に達した隠密術。
 外套を羽織り闇に紛れ、隠密行動に没頭する彼女の気配を捕らえられるオウガは、ただでさえ喧騒に塗れた戦場の中にはいなかった。
 それでもこれだけの数の中を進み続けるのは少々不安もある。
(「敵がうようよと……幸い隠れるには困らぬようじゃ」)
 隠密行動に没頭しながら丁度いい死角を探り、気配察知など関係なく進路上のすべてを破壊しながら進むオウガを上手くやり過ごしながら彼女は進んでいく。
 そして薔薇の庭園へと辿り着いた彼女が見たモノは氷壁による迷宮、この中に標的の竜が閉じ込められているのだと直感した彼女は、唯一の出口より迷宮へと侵入した。
 そして少し遅れ、ヴィヴィアン達も薔薇の竜の庭園へと辿り着く。
 霧が濃い、そしてその中に氷壁がある。これは迷宮だとアリス適合者である彼女は瞬時に悟り、これを走破せんと走っていく。
 明らかに味方の猟兵が構築した迷宮だ。この中のどこかに目的の薔薇の竜がいるはずなのだから。

 迷宮の破壊を諦め、脱出しようと薔薇の竜は迷宮の中を飛行していた。図体の大きい彼には少々狭く感じる迷宮、体温を奪っていくこの迷宮に徐々に削られていく前にあの強者達を倒し、噛み砕く。
 そう考える薔薇の竜が角を曲がった瞬間、そこに待ち構えていた鎧武者の猟兵に出会い頭に小太刀をその胴に突き立てられる。
 完全に意識の外から生じたその痛みに一瞬怯んだ瞬間を、小百合子は見逃しはしない。即座に鹿島弓に毒矢を番え、竜の死角に潜り込みながら矢を連続で放つ。優れた動体視力は鱗の弱い部分――既にダメージを受けた部位を的確に見極め、精確に命中させていく。
 麻痺毒と猛毒を塗り込んだその矢による激痛は薔薇の竜すら顔を歪める程、全身に地獄の炎を纏い矢を吹き飛ばしても既に撃ち込まれた毒はどうにもならない。
 そして攻撃を撃ち込んだ彼女は即座に離脱を選択、迷宮に姿を隠していた。
 怒り狂い咆哮をあげながら薔薇の竜は迷宮を高速で飛行する。そんな彼が迷宮を駆けるヴィヴィアンに出会ったのは必然でもあり。
『強者ヲ喰ラウ……!』
 威圧を伴う咆哮、それと共に竜は眼前の猟兵を喰らわんと再び炎を纏い突撃の構えを取る。
 しかしヴィヴィアンはそれにも顔色を変えず、こう言い捨てる。
「強者? いいえ、私はずっと弱者でした」
 元の世界では負け続けてこんな世界に流れ着き、挙句こうして戦っている。そう思い返す彼女は、元の世界から見れば間違いなく弱者であろう。
 だけど、だからこそ彼女が魅せるのは弱者としての意地だ。
『弱者ナラ……ソノ肉ヲ喰ラワセロ!!』
 咆哮と共に地獄の蒼き炎を纏う竜が突撃を敢行する。だがその一撃を過去のヴィヴィアンは真っ向から受け止める。体を焼かれながらもまったく怯まず、庭園に根を張るかの如く地面をしっかりと踏みしめ微動だにせぬ過去の彼女、そしてその硬直の隙、霧に紛れ竜の背後を取った現在のヴィヴィアンは烈火の名を冠する槍、そして細身の革命剣を構える。
「死になさい、オブリビオン!」
 持ち前の脚力で力強く踏み出し、革命剣を真っすぐに突き出す。その一撃は振り向いた竜の片腕に防がれるが、同時に彼女は槍を竜の胴の傷に向けて思いっきり突き出す。それを薔薇の竜はもう一方の腕で振り払わんとしたが、その腕を振り上げた瞬間、ヴィヴィアンの後方より飛来した矢に腕の中程を射抜かれる。
 迷宮に隠れていた小百合子の援護射撃――それを悟る前に、ヴィヴィアンのランスは薔薇の竜の胸を貫いた。

 ――その一撃が決定打。
 竜の体に咲く薔薇が一瞬で萎れ、そして花弁が散っていく。
 同時に竜の樹木のような体も枯死したかのように瑞々しさを失い、まるで土塊のようにボロボロと崩れ去っていった。
 氷壁の迷宮が解除され、薔薇の庭園の姿が再び顕わになる。
 戦いの余波でか、或いは要を失ったからか様々な色の薔薇は色褪せ朽ちてしまっている。
 こうして、儀式の担い手は一体撃破された。だがまだ戦いは始まったばかり、次なる戦場へと猟兵達は向かうのであった。
大成功 🔵🔵🔵🔵🔵🔵

最終結果:成功

完成日2020年08月03日
👑11 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴