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迷宮災厄戦②~砕かれた書架牢獄

#アリスラビリンス #戦争 #迷宮災厄戦

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●アリスラビリンス
 その場所は、迷宮のような図書館だった。
 現在、この場所には『オウガの大軍団』が集まっており、他の世界から『アリス』を大量に召喚するため、儀式を行っている最中だった。
 このまま放っておけば、アリス達が大量に召喚される事は、確実。
 そうなる前に、アリス召喚儀式の首謀者を暗殺しなければ、すべてが手遅れになってしまう。
 アリス召喚儀式の首謀者は、『無邪気な冥水晶・ベリアドール』。
 ベリアドールは宝石少女で、迷い込んだアリスの苦しむ姿や絶望を糧として生きる存在。
 故に、彼女によって大量召喚されたアリス達が、どのような末路を辿るのかは、火を見るよりも明らかであった。
 だが、儀式を行っているのは、迷宮のような図書館の最深部。
 何のヒントもなく先に進む事は、困難。
 その上、迷宮にはオウガの大群が放たれているため、無傷で奥まで進む事は至難の業であった。
 それでも、このまま何もしなければ、沢山のアリス達が犠牲になってしまうだろう。

●ガジルからの依頼
「みんなに頼みたい事があるんだよ」
 ガジル・コリアンダー(キマイラのスカイダンサー・f00907)がゴキゲンな様子で、今回の依頼を説明した。
 今回の目的は、無邪気な冥水晶・ベリアドールの暗殺。
 ただし、ベリアドールがいるのは、図書館迷宮の最深部。
 そのため、迷宮内にウロつくオウガの軍勢を蹴散らし、最深部を目指さなければならない。
 だからと言って、オウガの軍勢ばかりを相手にしていると、儀式が終わってしまうため、あくまで迷宮を突破する事を最優先にしなければならないようである。
 そう言った事も踏まえた上で、ベリアドールを暗殺するのが、今回の目的である。


ゆうきつかさ
 このシナリオは、戦争シナリオです。
 また今回の「戦争サバイバル」の舞台でもあります。
 この戦場でのシナリオが成功するたび、🏅2万が加算されます。
 基本的に格好良ければ問題ありません。
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第1章 ボス戦 『無邪気な冥水晶・ベリアドール』

POW   :    頽唐の茉莉花
【灯籠に封じていた心の闇で出来た水晶の花弁】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
SPD   :    星芒眸の想緋
【瞳】を向けた対象に、【呪いの紅石が先端についている鎖】でダメージを与える。命中率が高い。
WIZ   :    破滅の言ノ葉
【悲惨な記憶や絶望、苦しみを誘う歌】が命中した対象を切断する。
👑11
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠マリアドール・シュシュです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

ノエル・フィッシャー
【SPD】
拙速は巧遅に勝る。即ち正面からの蹂躙突撃にて暗殺するよ。

UC【我が王道に轍無し】で純白のユニコーンを召喚。それに騎乗し、ユニコーンの体躯とアリスランス【魁一番槍】を構えて騎馬突撃。
ダイナミック騎乗入館の後立ちはだかるオウガを轢殺しつつターゲットのベリアドールに接近するよ。

ボスは瞳を向けて攻撃するUCを持っているのか。ならば捕捉し次第ユニコーンから前方に飛び降り、正面と上方から二正面攻撃を仕掛けるよ。
即ち――ボクに視線を向ければ残ったユニコーンが轢き潰す。ユニコーンを止めようと思えばジャンプしたボクが上から早贄にするって訳だ。

アドリブ・共闘歓迎だよ。


火土金水・明
「儀式の完成は邪魔させてもらいます。」
図書館迷宮の【地形の利用】をしつつ【忍び足】と【目立たない】の技能を使用して戦場内を移動します。
【WIZ】で攻撃です。
攻撃は、【高速詠唱】で【破魔】と【継続ダメージ】と【鎧無視攻撃】を付け【フェイント】を絡めた【全力魔法】の【新・ウィザード・ミサイル】で、『無邪気な冥水晶・ベリアドール』を【2回攻撃】します。相手の攻撃に関しては【見切り】【残像】【オーラ防御】で、ダメージの軽減を試みます。
「(攻撃を回避したら)残念、それは残像です。」「少しでもダメージを与えて次の方に。」
アドリブや他の方との絡み等はお任せします。


メイスン・ドットハック
【SPD】
スピード勝負ということじゃのー
なら手っ取り早く力押しで行くのもありじゃのー!

二足歩行戦車に搭乗して参戦
UC「迷宮主の領域に踏み込みし権能」で83体の自身の劣化コピーを呼び出して、電脳魔術によるミサイル爆撃によってオウガ達を蹂躙して進む
その際に空間ハッキングで迷宮をマッピングして最短ルートを導き出して、ベリアドールの元に急ぐ
必要ならば劣化コピーを足止めにして、強行突破する

接敵後は瞳に劣化コピー達を配置してそれを囮に全武装によるミサイル・榴弾攻撃で一斉発射・弾幕爆撃を敢行する

暗殺というより圧倒的火力で押し潰すと言った方が正確かのー!

得た情報は他の猟兵にも流してサポートする

アドリブ絡みOK


御魂・神治
WIZ判定

なんかセカイ大変な事になっとるやないかい
しかもここは迷路で敵めっちゃおるんかいな...こりゃまた面倒な

迷宮は『霊煙』の【偵察】でベリアドールが居る方向に流れる水蒸気で目星をつける
...一服してサボっとるんとちゃうで?
そして『天将』の【情報収集】で迷宮のマップ解析と最深部までの最短ルートを割り出してもらう
途中のオウガとベリアドールのUC対処で【オーラ防御】【狂気耐性】【呪詛耐性】で守りを固めて【乱れ撃ち】【誘導弾】で対処する、倒しきれんのは無視や
最深部についたらヤツの頭を【スナイパー】で狙い、UC『神器霊弾【八咫】』で撃ち抜く

...まぁ、一撃じゃあ倒れんかもな


トリテレイア・ゼロナイン
大量のアリスが危険なこの地に召喚され、あまつさえオウガ・オリジンに饗される等、騎士として到底許容出来ません
一人でも多く、召喚者を撃破しなければ…

オウガの軍勢に手こずる時間はありません
センサーでの●情報収集で敵味方の位置を●見切りつつ、UCの●シールドバッシュで迷宮を構成する書架を攻撃
地形破壊で横倒しにしてオウガ達を下敷きにしつつ迷宮奥へ進んでいきます

貴女が召喚儀式の首謀者ですね
討たせていただきます

肩部と頭部の格納銃器での●スナイパー●武器落としで水晶花弁を砕き、剣と盾での●武器受け●盾受けで防御、余裕があれば味方を●かばい

接近して●怪力によるUCでの盾の殴りつけで味方の止めに繋げます


黒髪・名捨
◆心境
迷宮かぁ。
この手の奴は初めてだが…何とかするしかないか…。

◆行動
寧々の『野生の勘』任せた。
寧々に導かれながら迷宮を進む。

途中のオウガは神無でなぎ払いながら迷宮を進むな。
『地形破壊』で迷宮の抜け道を作りつつ、ベリアドールの元へ向かうぞ。
間に合えーッ

◆ベリアドール戦
よっしゃ―見つけた―。

敵の攻撃は寧々の『結界術』とオレの『オーラ防御』の二重の防壁で攻撃を防御。
痛ぇ…ダメージは『激痛耐性』で頑張る(涙目)

さて、初めまして…そしてサヨナラ。
『破魔』を込めた『怪力』パンチ…神無をお見舞いしてやるよ。


黒柳・朔良
ついに始まったアリスラビリンスでの戦争
フォーミュラである『アリス・オリジン』を倒すための布石となる各地を攻略することは必須だな
とくにこの場所は『戦争サバイバル』の戦場ともなる場所だ
すでに乱戦状態にあるが、ここで行われている『アリス召喚儀式』は必ず阻止しなくてはな

【暗殺】ならば私に任せておけ
おそらくベリアドールは多くのオウガに守られているはず
まずは【情報収集】でどこにオウガが配置されているかを確認する
敵の位置がわかったら、選択UCを発動して、【目立たない】ようにヒット&ランで敵を屠りながら、ベリアドールを探し出す(【闇に紛れる】【逃げ道】【捨て身の一撃】)
そして見つけたならば、その首をもらうぞ


ペイン・フィン
他の人には、悪いけども
蹴散らすよりも、こっちのが、性に合っているから、ね
他の人の行動をおとりに
隠れながら進んでいこうか

視力、暗視、第六感、聞き耳の感覚強化を行って
情報収集、世界知識で周囲の情報を確認
そして、目立たない、迷彩、偵察、忍び足、闇に紛れるで隠密
戦闘や、迷宮の構造を生かして、隠れ進んでいくよ

射程に入ったら、コードを使用
使うのは、スタンガン"ニコラ・ライト"と毒湯"煉獄夜叉"
"ニコラ"で敵の体を、"煉獄夜叉"の毒で敵の顔を同時に攻撃

更に、暗殺、だまし討ち、マヒ攻撃、気絶攻撃、目潰し
技能攻撃で、スタンと敵の目を潰しにかかるよ
見たものを、攻撃するみたいだけど
見れなくなったら、さて、どうかな?


ナイ・デス
地縛鎖使って【情報収集】
最短を知って最深部まで
ユーベルコードの輝き纏って【念動力】で自身【吹き飛ばす】ように駆ける

軍勢、無傷での突破は考えない
傷を負うほどに、強くなるのだから
突撃
傷つけられて【覚悟、激痛耐性】それでも速度落とさず
光に触れたオウガから【生命力吸収】し、消滅させ最速で突っ切る
【継戦能力】再生し無傷
吸収で疲労なし
戦闘力は増強
最深部に

私には悲惨な記憶、絶望や苦しみが数多く
歌に切断される。それでも

私は、死なないから
私だけが、生き残ってきたから

再生する
止まらない

私は『いつか壊れるその日まで』誰かの為に
アリス達を、救う為に
あなたを、喰らい尽くす……!

【鎧無視零距離射撃】喰らう光が、消滅させる


カズマサ・サイトウ(サポート)
普段の口調は「あっし、お前さん、でさぁ、ですぜ、だよ、ですぜ?」、お偉いさん「わたくし、~様、です、ます、でしょう、ですか?」

ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、連携の際はライオットシールドで味方をかばう優先。
基本的に己の能力を武器として使用し手に負えない状況にUC使用。
防衛系の戦闘の場合は守備を優先。ただの殲滅の場合、単独または味方が援護系なら突撃する。
近接攻撃を主とする味方が多い場合はライオットシールドで防御しつつ囮になるように行動する。
ガスマスクを装備し耐毒能力を底上げ。


藍原・蒼夜(サポート)
 人間の學徒兵×力持ち、18歳の女です。
 普段の口調は「おっとり系(私、あなた、~さん、なの、よ、なのね、なのよね?)」
 偉い人には「敬語(私、~さん、です、ます、でしょう、ですか?)」です。

 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、
多少の怪我は厭わず積極的に行動します。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
また、例え依頼の成功のためでも、
公序良俗に反する行動はしません。

のんびり、おっとりした性格で、多少天然ボケな面もあります。
武器は主に退魔刀を使用して戦います。
好きな物は、可愛いぬいぐるみ、綺麗な花、静かな場所。
趣味は小説等の読書。
 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!


桜雨・カイ(サポート)
【日常】
口調は年齢立場変わらず丁寧語です
自分は人形なので、人のそばにいて力になりたいと思っています。
怒ったり、他人を悪く言う事はしません。どんな恰好や行動もその人の個性ですから
まだまだ知らない事が多いので…言われた事は素直に信じてしまう性格です。

【戦闘】
UCは状況に応じて使い分けます
【錬成カミヤドリ】は防御と攻撃に分ける事が多いです
【エレメンタルー】は精霊にお願いすると手を貸してくれます(炎が多いです)【念糸】で敵の動きを封じる時も。
基本は人を守ろうと動きます。
…でも、どうしても避けられない時は…手を下す側にまわります。
どんなに辛くても……大丈夫です、自分で決めた事ですから。


比良野・靖行(サポート)
うむっ! 文豪の比良野靖行だ!
実にハイカラな僕が来たからには恐らくなんとかなるだろう!
……え? ならない? そんなあ。

まあ、しかし、戦うのはあまり得意ではなくてね。
目立つことならば得意なのだがね。
逆に、目立たないということはできないからなあ。わはは!

敵に対しては目立って注目を集め、道行く人々にはハイカラにて注目を集める。
それこそが僕、比良野靖行というハイカラさんなのだよ!
……でも痛いのは嫌だからユーベルコヲドでもなんでも使うぞ!
基本は逃げの一手だ! わっはっは!

ああ、あと、もしも時間があるならば、さまざまな世界の本も読みたいね。ネタ探しも兼ねてね。
……原稿が白いのはいつものことなんだよなあ!


月夜・玲(サポート)
『さてと、I.S.T起動。お仕事お仕事。』
口調 元気(私、~君、だね、だよ、だよね、なのかな? )


お仕事ついでに研究も出来るんだから、この仕事良いよねぇ
さあ、私の研究成果の実験台になってもらうよ

模造神器という独自の兵器開発を生き甲斐とする研究者
誰にでも気さくに砕けた口調で話しかける
戦いは全て研究の為、楽しみながら戦闘を行う
全ては研究の為、研究と戦闘を楽しめる猟兵生活は結構気に入っている
戦闘スタイルは4本の模造神器から2本を選び、二刀流で敵と戦う形です
UCで遠距離戦闘にも対応したSF剣士

日常ではのんびりと景色を楽しんだり風情を楽しんだり
冒険では考察しながらじっくり進む

あとはお任せ!



●迷宮図書館
「ついに始まったか。まずはフォーミュラである『アリス・オリジン』を倒すための布石となる場所を攻略しておかないとな。とくにこの場所は『戦争サバイバル』の戦場ともなる場所だ。すでに乱戦状態にあるが、ここで行われている『アリス召喚儀式』は必ず阻止しなくては……」
 黒柳・朔良(「影の一族」の末裔・f27206)は仲間達と共に、迷宮図書館の入り口にやってきた。
 迷宮図書館は、その名の通り、沢山の書架が迷宮の如く、不規則に置かれている場所だった。
 しかも、書架は見上げるほど高く、壊しながら進もうとすれば、大量の本が雪崩の如く押し寄せてくるほど、危険であった。
「大量のアリスが危険なこの地に召喚され、あまつさえオウガ・オリジンに饗される等、騎士として到底許容出来ません。一人でも多く、召喚者を撃破しなければなりませんね」
 トリテレイア・ゼロナイン(紛い物の機械騎士・f04141)が、自分自身に気合を入れた。
 おそらく、儀式が完了するのは、時間の問題。
 その事が分かっているためか、仲間達も焦りの色を隠せない様子であった。
「……とは言え、迷宮を突破しないと話にならないからなぁ……」
 黒髪・名捨(記憶を探して三千大千世界・f27254)が、困った様子で迷宮を眺めた。
 こうなってしまった以上、野生の勘に頼るしかない。
 だが、限られた時間の中で、迷宮を突破できるという保証はない。
「なら手っ取り早く力押しで行くのもありじゃのー!」
 そんな空気を察したメイスン・ドットハック(ウィザード級ハッカー(引き籠り)・f03092)が二足歩行戦車に搭乗したまま、【迷宮主の領域に踏み込みし権能(オーバー・ジェネシス・ダンジョンロード)】を発動させ、アメジストの力で創造した自身の劣化コピー(83体)を呼び出した。
 その上で空間ハッキングを使い、迷宮をマッピングして、最短ルートを導き出した。
「随分と入り組んだ場所におるようやな」
 それに合わせて、御魂・神治(除霊(物理)・f28925)が霊煙(キセル型の電子タバコ)の水蒸気を靡かせ、『無邪気な冥水晶・ベリアドール』の居場所に目星をつけ、天将(人工式神)の情報収集で迷宮のマップ解析と、最深部までの最短ルートを割り出した。
 だが、どちらのルートも安全性に欠けており、オウガとの戦闘を避ける事は出来なかった。
「大丈夫、私の後に、ついてきて」
 そんな中、ナイ・デス(本体不明のヤドリガミ・f05727)が、地縛鎖を使って最深部までの最短ルートを導き出し、【いつか壊れるその日まで(リジェネレイター)】を使って、聖者の聖なる光で全身を覆い、念動力で自分自身を吹き飛ばした。
 そのルートもオウガと遭遇する危険があったものの、ナイに迷いはなく、聖なる光の影響で傷ついた身体は瞬時に再生されていた。
「何やら申し訳ない気もしますが……」
 火土金水・明(夜闇のウィザード・f01561)が複雑な気持ちになりつつ、目立たないようにしながら、迷宮の中を駆け抜けた。
 しかし、既に儀式が始まっている以上、のんびりしている暇はない。
 例え、ベリアドールの所に辿り着く事が出来たとしても、アリス達が大量召喚された後では全く意味が無いのだから……。
「見つけたぞ、不審者どもめ!」
 その騒ぎを聞きつけ、オウガ達がワラワラと集まってきた。
 オウガ達は猟兵達の命を奪うため、みんな殺気立っており、命を捨ててでも足止めする覚悟のようだった。
「……って、めっちゃ敵がおるやん。こりゃ、また面倒な……」
 それを目の当たりにした神治が、気まずい様子で汗を流した。
 普通に考えれば、絶体絶命の大ピンチ。
 オウガ達に囲まれ、瀕死の重傷を負ってもおかしくない状況。
「だったら、ボクが先陣を切ろう!」
 だが、ノエル・フィッシャー(呪いの名は『王子様』・f19578)に迷いはない。
 すぐさま、【我が王道に轍無し(チャージ・トゥ・ザ・フューチャー)】で純白のユニコーンを召喚し、立ちはだかるオウガ達を次々と蹴散らした。
「この先にベリアドールがいるはず……」
 その後に続くようにして、朔良が【影に潜む暗殺者(アサシン・イン・シャドウ)】を発動させ、目立たないようにして闇に紛れ、影から影に移動するようにしながら、確実にオウガを仕留めていった。
 そのため、オウガは悲鳴をあげる余裕すらなく、次々と崩れ落ち、肉の塊と化していった。
 しかし、オウガ達は怯まない。
 まるで壁の如く行く手を阻み、猟兵達に襲い掛かってきた。
「ならば、オウガの軍勢に手こずる時間はありませんね。一気に片付けてしまいましょう」
 それと同時に、トリテレイアがオウガ達の位置を把握し、【戦場の騎士(ナグレリャナンデモイイ)】で、シールドバッシュを繰り出し、迷宮を構成する書架を攻撃した。
 その途端、書架に収められていた大量の本が雪崩の如く崩れ落ち、オウガの軍勢を飲み込んだ。
「確かに、ここでのんびりしている暇はないけーの」
 メイスンが納得した様子で、劣化コピー達で逃げ道を塞ぎ、電脳魔術によるミサイル爆撃でオウガ達を蹴散らしていった。
(他の人には、悪いけど、蹴散らすよりも、こっちのが、性に合っているから、ね)
 その隙をつくようにして、ペイン・フィン(“指潰し”のヤドリガミ・f04450)が視力、暗視、第六感、聞き耳の感覚強化を行い、情報収集と世界知識で周囲の情報を確認しながら、目立たないように迷彩を施した上で、闇に紛れて忍び足で、迷宮の中を進んでいった。
「どんなに、傷つく事があっても、私は、死なないから。私だけが、生き残ってきたから。例え、傷を負っても、強くなるのだから。何も、怖くない」
 一方、ナイは激痛に耐えながら念動力を使い、速度を落とす事なく、オウガ達に突っ込んでいった。
 次の瞬間、聖なる光に触れたオウガが悲鳴を上げ、ナイの肉体を癒す糧となった。
「間に合えーッ」
 それに合わせて、名捨が地形破壊で目の前の書架をぶっ壊し、迷宮の最深部まで駆け抜けた。
 迷宮の最深部には、巨大な魔方陣があり、他の世界から『アリス』を大量に召喚する儀式の最中だった。
 だが、幸いな事にアリス達は、まだ召喚されていない。
「なんだ、お前達は……!」
 その途端、ベリアドールが殺気立った様子で、猟兵達を睨みつけた。
 儀式を邪魔された事で、ベリアドールは怒り狂っており、鬼のような形相を浮かべていた。
「貴女が召喚儀式の首謀者ですね。ここで……討たせていただきます」
 すぐさま、トリテレイアが肩部と頭部の格納銃器で、ベリアドールに攻撃を仕掛けていった。
「……その首をもらうぞ」
 続いて、朔良が捨て身の覚悟で、ベリアドールに斬り掛かった。
「さて、初めまして……そしてサヨナラ」
 それに合わせて、名捨が破魔を込めた怪力パンチで、【神無(カンナ)】を繰り出し、ベリアドールを殴りつけた。
「ふ、ふざけるなァ!」
 続けざまに攻撃を喰らった事で、ベリアドールはフラついていたものの、自らの怒りを原動力にして、灯籠から水晶の花弁を放ち、無差別に猟兵達を攻撃した。
 それは灯篭に封じられていた心の闇。
 その闇がすべてを包み込む勢いで、猟兵達に迫っていった。
「これは、また厄介な攻撃ですな」
 カズマサ・サイトウ(長きに巻かれる、おにぎり大好き風来坊・f26501)が、ライオットシールドを構え、水晶の花弁を防いだ。
 しかし、水晶の花弁はライオットシールドに次々と張りつき、漆黒の闇に染めていった。
「こ、このままでは……!」
 その事に危機感を覚えた藍原・蒼夜(蒼き宝刀・f23131)が、退魔刀を振り下ろし、水晶の花弁を真っ二つに斬り裂いた。
 だが、いくら斬っても、キりがない。
「あはははは! いいザマ! このまま水晶の花弁に埋もれてしまいなさい!」
 ベリアドールが猟兵達を見下し、邪悪な笑い声を響かせた。
「先に血を見せるのは、お前さんだよ」
 その間に、カズマサが【風之拳(フージーン)】を仕掛け、巨大な風の拳を発射した。
 カズマサによって圧縮生成された風の拳は、ベリアドールに命中したのと同時に、強大な竜巻と真空の刃に変わり、その体を容赦なく斬り裂いた。
「ええい、小賢しい真似を!」
 ベリアドールが傷ついた身体を庇う事なく、灯篭を高々と掲げた。
 そこから再び水晶の花弁が放たれ、猟兵達めがけて雨の如く降り注いだ。
 その事に気づいた名捨がオーラ防御を展開し、寧々(不思議な蛙)の結界術で、水晶の花弁を防いだ。
 その隙をつくようにして、トリテレイアが力任せに盾を振り上げ、ベリアドールを殴り飛ばし、格納銃器で水晶花弁を砕いていった。
「もう灯篭はいらないよね」
 次の瞬間、蒼夜が【びったんびったん】を仕掛け、ベリアドールの足を掴んで、勢いよく床に叩きつけ、灯篭を木っ端微塵に破壊した。
「よ、よ、よくもおおおおおおおおおおおおおおお!」
 その途端、ベリアドールが烈火の如く怒り狂い、猟兵達を睨みつけながら、呪いの紅石が先端についている鎖を放ってきた。
「悪いけど戦うのは苦手でね。でも、目立つ事なら得意だから、ここは逃げの一手だね。わっはっはっ! 捕まえられるモノなら、捕まえてみなってね」
 この攻撃から逃れるようにして、比良野・靖行(Mysterious BAKA・f22479)が高笑いを響かせながら、わざと目立つようにしながら、全速力で走り出した。
「……その必要はない。ここで死ね!」
 その事に気づいたベリアドールが、靖行をジロリと睨みつけ、呪いの紅石が先端についている鎖で、執拗に攻撃を仕掛けてきた。
 それは靖行の頬をかすり、脇をかすり、身体を貫く勢いで迫ってきた。
「さすがに、このまま放っておく訳にはいきませんね」
 桜雨・カイ(人形を操る人形・f05712)が【錬成カミヤドリ】を使い、自分の本体(器物)を幾つも複製して、次々と身代わりにしていった。
 同じようにメイスンも、劣化コピー達を配置し、それを囮にしながら、靖行に被害が及ばないようにした。
「さてと、I.S.T起動。お仕事、お仕事」
 その間に、月夜・玲(頂の探究者・f01605)が、System[Imitation sacred treasure]を起動させ、二本の模造神器を握り締め、ベリアドールに斬り掛かった。
「ええい、チョコマカと……!」
 ベリアドールがイラついた様子で、両目をカッと見開いた。
「そんなに攻撃したいのなら、ボクを狙いなよ」
 その事に気づいたノエルが、ベリアドールを挑発しながら、ユニコーンから飛び降りた。
 それでも、ベリアドールはノエルを睨みつけたまま、命を奪う覚悟で鎖を放った。
 しかし、その鎖がノエルに届く前に、ユニコーンの体当たりを喰らって、ベリアドールの身体が宙を舞った。
「残念だったね。ボクを攻撃する事が出来なくて……」
 そこに追い打ちを掛けるようにして、ノエルがベリアドールに魁一番槍を突き刺した。
「それじゃ、さっきの御礼をしようかね。それでは皆様ご一緒に。後光ビィ――ムッ!!!!!」
 次の瞬間、靖行が本人的には格好いいポーズを決め、後光を放つ事でベリアドールを攻撃した。
「……さて、怖いのが、やってきたよ」
 それと同時に、ペインが拷問用警棒型スタンガン“ニコラ・ライト”と毒湯“煉獄夜叉”を握り締め、【罪はいつも影の側に(バツウケルトキハトツゼンニ)】でベリアドールの所まで一瞬にして移動した。
「い、いつの間に!」
 ベリアドールが、驚いた様子で声を上げた。
 それは一瞬……瞬きをした瞬間の出来事。
「もう逃げられませんよ」
 その間にカイが念糸を使って、ベリアドールの動きを封じ込めた。
「そういえば、見たものを攻撃するんだったよね? それじゃ、見れなくなったら、さて……どうかな?」
 ペインが含みのある笑みを浮かべ、拷問用警棒型スタンガンでベリアドールをマヒさせ、毒湯で容赦なく両目を潰した。
「雷の疑似UDC解放。我が身よ、稲妻となれ!」
 続いて、玲が【雷鳴・解放(ライトニング・リリース)】で疑似UDCの力を身に纏い、高速で移動して間合いを詰め、稲妻を纏った斬撃でベリアドールに斬り掛かった。
「このまま圧倒的な火力で、圧し潰してしまうかのー!」
 メイスンがベリアドールの前に陣取り、全武装を一斉発射し、ミサイルと榴弾の雨を降らせた。
 その攻撃はベリアドールだけでなく、足元に描かれた魔方陣を破壊するほどの威力。
「よくも、よくも、よくも……!」
 ベリアドールが恨めしそうな声を上げ、悲惨な記憶や絶望、苦しみを誘う歌を歌った。
 それは鋭い刃となって、猟兵達に襲い掛かった。
「一体、どこを狙っているのですか? それは単なる残像。私は、ここです」
 だが、それは明によって作り出された残像。
 本物の明は飛び交う刃を見切りつつ、オーラ防御を展開しながら、ベリアドールに迫っていた。
「……クッ!」
 その事に危機感を覚えたベリアドールが、自らの身を守ろうとした。
「避ける事なんて考えたら無駄や。御天道様は許さへん言うてるやさかい」
 それに合わせて、神治が【神器霊弾『八咫』(シンキレイダン・ヤタ)】を仕掛け、神器銃『天誅』の銃口を向け、極超音速の閃光のレールガン弾を、ベリアドールに撃ち込んだ。
「全ての属性を収束して、今、放つ!」
 それと同時に明が高速詠唱で破魔の力を宿した【新・ウィザード・ミサイル】を発動させ、炎・水・土・氷・雷・光・闇・毒の全属性の魔法の矢を放った。
「ふ、ふざけるな!」
 そのため、ベリアドールは受け身すら取れず、足元を真っ赤に染めていった。
「アリス達を、救う為に、あなたを、喰らい尽くす……!」
 次の瞬間、ナイがベリアドールの前に立ち、聖なる光を放った。
 その光はベリアドールを飲み込み、塵ひとつ残さず消滅させた。
 それはベリアドールによって、望まぬ最後。
 しかし、聖なる光は、その思いすら飲み込み、その場を沈黙で包むのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2020年08月02日
宿敵 『無邪気な冥水晶・ベリアドール』 を撃破!


挿絵イラスト