廃墟の島で肝試し!(作者 雅瑠璃
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●夏休みのお誘い
「Achtung!」
 集まった猟兵たちを前に、いつもの軍服ワンピース姿とは違い、大胆な水着姿を披露しているセイレーンの少女、南雲・深波(鮫機動部隊司令官🦈・f26628)がよくとおる声で注意を促した。
「此度の作戦に集まってくれた精兵諸君!
 只今より作戦概要を説明するので、耳を傾けてほしいのであります!」
 いつものように軍人口調で説明を開始するが、水着姿に鮫のフロートを抱えている状態では何ともミスマッチだ。
「此度の作戦は、廃墟の探索であります。
 猟兵同士ツーマンセルを組み、廃墟の中を隅々まで探索して通り抜ける。
 作戦決行は夜間になるでありますよ」
 そしてあくまでも作戦として語ってはいるが……話の内容がなんとなくおかしい気がする。
 というよりもこれって……?
「まぁ、つまりは肝試しの案内でありますな」
 やっぱりかー!
 集まった猟兵の中には予想していたものもいるようで、がくりと肩の力が抜けていたりするものもいる。

「さて、以前、海賊の掟にてコンキスタドール化した海賊の成れの果てを討伐するという事件がありました。その『スパセン島』には平和が訪れたわけであります」
 平和になったその島は、生き残った海賊団の物を中心に、島民も増えてだいぶん賑やかになってきているらしい。
 そして夏休みという事でイベントが行われるそうなのだ。
「この島は元アポカリプスヘルということもありまして、島のいたるところに廃墟が残っているわけでありますよ。
 島が賑やかになるにつれ、その廃墟にも手が加わっているようでありますが、中にはまだ手付かずの廃墟もあるので……そこでそれを利用した肝試しイベントが開かれるようでありますな」
 会場は、もともとは学校か何かだったのか、横幅の広い4階建ての建物の廃墟だ。
 そこの1階の入り口から中に入り、廊下の奥の階段を登って上の階へ。さらに廊下を端から端まで歩いてさらに上の階へ。それを繰り返して屋上がゴールとの事。
 中身は廃墟なので瓦礫で道が通りにくくなっていたり、廊下が通れないから教室を使って迂回したりとかする場面もあったり、あるいはイベントスタッフによる仕掛けもあったりするらしい。
「イベントの参加資格は、2人1組。
 要するに、カップルイベントでありますな」
 もちろん、異性ペアでなくとも、同性ペアでも参加はOKだが、3人以上での参加はダメらしい。
「暗がりで、懐中電灯ひとつで、廃墟の中を進むことで、吊り橋効果も期待できる、と説明にはあるようでありますが……まぁ、それはそれ。
 せっかくのイベントなので、楽しんでくるといいでありますよ。
 私も参加してみたいかもしれませんな」
 そういいながら、深波は転送の準備に取り掛かるのだった。


雅瑠璃
「このシナリオは既に猟兵達によってオブリビオンから解放された島となります」
「このシナリオは【日常】の章のみでオブリビオンとの戦闘が発生しないため、獲得EXP・WPが少なめとなります」

 というわけでこんにちは。またはこんばんは。
 雅です。

 さて、今回の舞台は、以前『豪快な海賊王に俺はなる?』にて海賊の掟を執行し、平和が訪れた島、『スパセン島』でのイベントになります。
 前回のシナリオは特に見る必要はありませんのでご安心を。

 内容はOPで深波も語ったように、いわゆる肝試しです。
 猟兵2名でペアを作って、夜の時間に懐中電灯ひとつだけを手にして、廃墟の校舎を1階から屋上まで歩いてもらう事になります。

 まぁ、いわゆるカップルイベント的なあれですね!(笑)
 アクシデントで急接近とか、そんなラブコメ的なのが書きたいです!(笑)

 というわけで、注意事項です。

●リプレイは基本的にカップルでの進行になります。
 オープニングにも書きましたが、基本は男女ペア……ですが同性でも大丈夫です。
 ペアの相手がいる方は、相手が誰かわかるように、名前構い御坊市の合言葉を記してください。

●ソロで参加の場合、ソロ同士で組み合わせることになります。
 基本はなるべく男女ペアになるように、こちらで適当……いえ厳選な抽選で相手を決めさせてもらいます(笑)
 あるいは、深波をはじめとする雅の所のキャラが相方になります。
 もちろん、お誘いいただけるのなら、深波だけではなく、彩波いちごを始め他の雅のキャラも相方として参上しますので!

●廃墟の校舎内の仕掛けについてはプレイング次第です。
 廃墟なので瓦礫とかで通れない場所とかもあるでしょう。
 イベントスタッフによる仕掛けもあるかもしれません。
 何があるのかは、皆さんのアイデア次第。
 思いつくような仕掛けは、きっと何でもあります。

●ユーベルコードの使用は禁止です。
 仕掛け壊したりしてはいけませんからね?

●トラブル・アクシデントの類は、プレイングで指定しなければありません。
 逆に言えば、アクシデント起こしたければプレイングで指定してください(笑)
 基本的にプレイングで書かれた以上の事は起こりません。
 言うまでもないですが、一般のイベントなので、公序良俗にはお気を付けを。

 というわけで、皆さんの素敵なプレイングお待ちしています。
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第1章 日常 『猟兵達の夏休み』

POW海で思いっきり遊ぶ
SPD釣りや素潜りを楽しむ
WIZ砂浜でセンスを発揮する
👑5 🔵🔵🔵🔵🔵🔵

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


エリザベート・フリーレン
アドリブ歓迎
【白銀同盟】
あの子の水着…派手じゃない?
嫌な視線が集まってた気がするわ
お昼の海の出来事を思い出しつつ、チラチラ隣にいる友人を見ちゃうわ
…ん、今は肝試しよね

私服で参加、ナインチェの前を優雅に歩くわ
こ、こういう時って手を繋いだほうがいい…わよね?
でも変に思われないかしら…
特別な夜だし…暗いと危ないし…
わ、私がエスコートしてあげないとダメよね…?
ほ、ほらナインチェ手を…って手冷たいわね
石みたいじゃな…って、きゃぁ!
に、人形!?

び、びっくりした…って今度は柔らかい…ってナインチェ!?
ち、ちか…いい匂い…あぅぅ…い、いつの間に抱き着いて…
頭ふわふわして…と、友達…友達…ナインチェは友達…


ナインチェ・アンサング
アドリブ歓迎
【白銀同盟】

平和になった島…猟兵としての働きの結果、ですね
励みに、なります今回は関われませんでしたが、私たちの働きも誰かの助けとなっていればよい。
そう思います、ね。エリザベート
…しかし、肝試し。ふむ…

水着は水場で纏うもの。いつもの装いに着替えつつ
…いまいち、催しの趣旨を理解しきれていません、が
ここはエリザベートに任せれば問題はない、でしょう
(はぎゅ)
……おや

…ふむ。たしかに夜道に逸れるよりはこうした方がよい、ですね
こう、しかし抱き着いていてはさすがにあるけませんから…こう
腕を組んで、ええ。手も、繋ぎましょう
む? …指を交互に重ねるこの繋ぎが何か… ふむむ?


●白銀同盟の場合
「平和になった島……猟兵としての働きの結果、ですね。励みに、なります」
 肝試しイベントが始まる前の時間、平和に海水浴を楽しんでいる人を眺めながら、ナインチェ・アンサング(瀉と献のカリス・f24188)は柔らかい笑みを浮かべていた。
「今回は関われませんでしたが、私たちの働きも誰かの助けとなっていればよい。そう思います。ね、エリザベート?」
 ナインチェはそういうと、傍らにいる相方のエリザベート・フリーレン(冷徹ハーベスター・f24684)に笑顔を向ける。
 話を振られたエリザベートは、大胆な水着姿のナインチェが、周りの海賊たちの視線を集めていることに気を取られ、そんなのんびりとできるような心境ではなかったりするのだが……。
(「あの子の水着……派手じゃない?……って感じの嫌な視線が集まってる気がするわ……大丈夫かしら?」)
 気になってチラチラとナインチェの方に視線を向けるエリザベート。心なしかその頬は朱に染まっていた。
「そろそろイベントの時間ですね。……しかし、肝試し。ふむ……?」
「……ん、今は肝試しよね」
 いまいちイベントの趣旨をわかっていなさそうなナインチェだったが、こういう時はエリザベートの後をついていけば間違いないと、相方を信頼し、2人でいったん水着を着替えに行くのだった。

 日が落ちて夜の帳に辺りが支配されたころ、会場となる廃墟ビルの前には、大勢のイベント参加者が集まっていた。
 ナインチェとエリザベートのように、既に水着から着替えてきている者もいれば、水着のまま挑む者も少なくないようだ。
 やがて順番が来て、2人はゆっくりと廃墟の中に足を踏み入れていく。

 エリザベートは、懐中電灯を片手に持ってナインチェを先導するように優雅に歩を進めていく。
 こういう時はエリザベートに任せておけば安心と、ナインチェはその後を黙ってついていくが、エリザベートの方は少しだけソワソワ。
(「こ、こういう時って手を繋いだほうがいい……わよね?」)
 暗がりなのだから、離れ離れにならないためにも、手をつなぐのはごく当たり前のこと。
 そう思ってはいるものの、それでもなかなか踏ん切りはつかない。
(「でも変に思われないかしら……でも、特別な夜だし……暗いと危ないし……」)
 後ろからついてくるナインチェの視線を感じながらも、エリザベートの思考はぐるぐると堂々巡りしてしまう。
(「わ、私がエスコートしてあげないとダメよね……?」)
 だけども、最終的には、エスコートしなければの想いが勝ったようだ。
 エリザベートは意を決して、後方からついてきているであろうナインチェに向かって手を伸ばした。
「ほ、ほらナインチェ、手を……」
 勇気を出して触れた手は、意外なほど冷たくて、固くて……。
「……って、手冷たいわね?」
 予想外の感触にエリザベートは背後をちらりと振り向く。
 そこには、物言わぬ人形の姿があった。
 肝試し用に用意された、学校の廃墟の中にあった備品の人体模型の手。
 それをエリザベートは掴んでいた。
「に、人形!?」
 驚きのあまり、きゃああと悲鳴を上げて、無我夢中で後方のナインチェに抱きついてしまうエリザベート。
「……おや?」
 抱きつかれたナインチェの方は、その行動にきょとんと眼をぱちくりさせて。
「ふむ。たしかに夜道に逸れるよりはこうした方がよい、ですね。しかし、こう抱き着いていてはさすがにあるけませんから……」
 冷静に状況を語るナインチェは、どうやらエリザベートに抱きつかれたことはあまり気にしていない様子。
「び、びっくりした……って今度は柔らかい……ってナインチェ!?
 あぅぅ……い、いつの間に抱き着いて……」
 一方のエリザベートは、ナインチェの声で初めて、自分が抱きついてしまっていたことに気付いた様子。
(「ち、ちか……いい匂い……あぅぅ……」)
 抱きしめた腕の中から感じるナインチェの鼓動、温もり、そして匂いに、頭の中が真っ白になり、耳まで赤く染まってしまうのだった。
 さらに、そんなエリザベートの様子に気付かないのか、ナインチェは普段とかわらない様子で、抱き着いてきたエリザベートを離すと、代わりに腕を組むように体勢を変える。
「こう腕を組んで、ええ。手も、繋ぎましょう」
「えっ、えええ……!?」
 組んだ腕の先、繋がれたては、指を交互に重ねる、いわゆる恋人つなぎで。
 エリザベートはその繋がれ方に驚愕し、更に赤くなって硬直してしまうのだった。
「む? どうしました? 指を交互に重ねるこの繋ぎが何か……ふむむ?」
 そこで初めてエリザベートの様子がおかしいと気が付いたナインチェだが、その理由までは思い至らず、ともあれこれで安全に先に進めると、エリザベートに笑顔を向けるのだった。
 もっとも、エリザベートはそんな笑顔を見るほどの余裕はなくて。
(「……と、友達……友達……ナインチェは友達……」)
 自分の中でグルグルと渦巻く気持ちと、赤面する顔に対応するのが精いっぱいで。
 ドキドキと早鐘のように高鳴る鼓動が気付かれないか心配で。

 このままゴールまでエリザベートの心臓がもつのかどうか、それは本人にもわからないのだった。
大成功 🔵🔵🔵🔵🔵🔵

神凪・真白
オバケへの恐怖心に打ち勝とうと思って参加したけど…ふ、不安です
安心できる方と一緒が良いのでペアは近くにいらっしゃった黒岩りんごさんにペアをお願いしてみようかな。
道中、怖いから常に密着してしまいそうです…こういう時、物音とか風音とかでもすごく怖いのです。
ましてや何かが落ちる音なんて足がすくんでしまいそう…怖がって押し倒さない様に気をつけるけど…し、してしまったら謝ろう…。
それにしても本当に素敵な方…変な想像をしてしまいます…。
密着しすぎて抱きしめられたり、色々大胆な事されちゃったり…って、な、何考えてるんだろ私。
で、でも…こんなに素敵な方になら何でもされたくなってしまいます…。
※アドリブOKです


●真白の場合
 神凪・真白(元々はただの一般人の子・f27438)は、競泳水着姿のまま1人で会場にやってきていた。
(「オバケへの恐怖心に打ち勝とうと思って参加したけど……ふ、不安です」)
 元が怖がりである真白だ。
 ここまでは勇気を出して来てみたものの、ペア相手もいないまま1人で挑むことはとてもできそうにない。
 もっとも、ルール的にも誰かペア相手を見つけなければいけないのだが……かといって見知らぬ人に声をかける勇気もなく。
 なので誰か知り合いはいないかとあたりをきょろきょろ。
「あ、りんごさん……!」
 そんなときに見かけた頼れる知り合い。今回案内してくれたグリモア猟兵と共にこの島へとやってきていた黒岩・りんごの姿がそこにあった。
「あら、真白さん。御機嫌よう。今日はおひとりです?」
 りんごの方でも真白に気付き、普段とかわらぬ優しい表情で声をかける。
 安心できる方と一緒がいいと思っていた真白にとって、まさにりんごの笑みは安心を与えてくれるものだった。
「ええ。なので、りんごさんにご一緒していただけないかと……」
「ふふ、もちろんかまいませんよ」
 もちろんりんごに否はない。
 というわけで、たまたまりんごもまだ競泳水着姿だったこともあって、競泳水着姿の美女美少女のコンビが、廃墟の建物の中へと挑んでいくのだった。

 懐中電灯を持つりんごの、その逆側の腕には真白がくっついていた。
 暗がりの廃墟の中、ガラスのない窓から吹いてくる風の音、足元で転がる瓦礫の欠片の音、などなどに対し、真白はいちいちびくっとなってはりんごに抱きつくものだから、りんごの方で最初から腕を組ませているわけである。
「ふふ、真白さんは怖がりなのですね」
「……こういう時、物音とか風音とかでもすごく怖いのです」
 腕にしがみついた真白の豊かな胸が振るえる様子からも、恐怖心は伝わってくる。
 りんごは安心させるように優しく微笑むと、懐中電灯の明かりの中、慎重に歩を進めていった。
「ひゃっ!?」
 やがて階段を登って上階に行くと、足元で、何かが崩れて落ちるような音がする。
 この建物は廃墟ゆえに、廊下の崩れている部分もあるのだ。イベントなのでそういった部分には近づかないように工夫はされているのだが……それでも瓦礫の欠片が落ちる音までは止められない。
 怖がった真白は、更にりんごにくっついていき……そして。
「あ、あら……?」
 そのりんごも足元の瓦礫に足を取られて、結果真白に押し倒されるようにして転んでしまうのだった。
「……いたた。真白さん、大丈夫です?」
 咄嗟に真白を庇うようにして倒れたりんごなので、真白には転んだ衝撃は特にないだろう。なにせりんごの豊かな胸が真白の頭を受け止めるクッションになっていたくらいなので。
「り、りんごさん、ごめんなさい……」
「いえ、わたくしは平気ですわ。それよりも真白さんは……?」
 転んで押し倒された状態ではあるが、それでもりんごは真白を気遣い、真白の身体に怪我がないか撫でまわす。転んだ弾みに懐中電灯も手放してしまったので、触って確かめるしかないわけなのだが……見ようによっては、真白を抱きしめたりんごが、その身体を愛撫しているようにも見えなくもない、かもしれない。
(「あ、りんごさんの手が、私の背中やお尻を撫でて……こ、このまま、色々大胆な事されちゃったり……って、な、何考えてるんだろ私!?」)
 りんごのことを、素敵な人と憧れのような眼差しで見ていた真白だ。
 りんごに抱きしめられて身体を撫でられているというこの状況で、いろいろ想像を逞しくしてしまうのも無理はないのかもしれない。
(「で、でも……こんなに素敵な方になら何でもされたくなってしまいます……」)
 そのまましばらく赤面したまま。りんごに身を任せてしまう真白だった……。

 ……なお、もちろん医者でもあるりんごは、真剣に真白に怪我がないかを確認していただけなので念のため。
 もっとも、百合の魔王とも称されるりんごだ。このやり取りの中で、真白の心情を察して、ターゲットロックしたとしても……それはまた別の話である。
大成功 🔵🔵🔵

マイエ・ヴァナディース
◎♥♥♥♂♀
現地にいた【いちごさんに誘われ】探索へ
アム(メイド姿)は愛車の番ですわ
「ご報告、お待ちしております」

久しぶりの島は平和で何よりですが
流石に夜の廃墟は荒野同様、危険ですわね…
いちごさん、頼りにしてますわよ?

…不安なので彼の腕を抱いていますが、
そこまで怖がったりはしませんわ
幽霊等は故郷『永遠の森』等でお馴染みですし
夜の廃墟も荒野の旅路で毎夜見ますもの

ですが徒歩では、袋小路もしばしば
困りま…(ぺちょっ)…ひゃっ!
首筋に何か、いやぁああっ!?
※スタッフ設置のコンニャク

動転していちごさんと共に倒れ
気がつけば彼を押し倒してました
胸に彼の両手…唇も触れた記憶が…
もう帰路はドキドキが止まりませんわ


●マイエの場合
「ご報告、お待ちしております」
 メイドゴーレムのアムが主であるマイエ・ヴァナディース(メテオールフロイライン・f24821)にぺこりと頭を下げる。
 今回の肝試しイベント、マイエとしては、相方にアムを連れていく選択肢もないわけではなかったのだが……それよりも。
「いちごさん、頼りにしてますわよ?」
「はい。私でよければ」
 マイエが声をかけたのは、今回案内してくれたグリモア猟兵と共にこの島へとやってきていた彩波・いちごだった。
 緑色のセパレートの水着を着たマイエと、赤いセパレートの水着を着たいちご。
 見た目は美少女コンビというところだが、その実いちごが男であることはマイエも当然よく知っている。心のどこかで、その男性を頼りにしているという事も。
 2人は仲睦まじく、廃墟の建物の中へと消えていった。

「久しぶりの島は平和で何よりですが、流石に夜の廃墟は荒野同様、危険ですわね……」
 マイエは、この島で起きた事件の際に、解決に力を尽くした猟兵の1人だ。
 だからこそ平和になってこうしてイベントを開催しているのは嬉しくも思う。
「マイエさんは、暗がりは大丈夫なんです?」
「ええ、幽霊等は故郷の『永遠の森』等でお馴染みですし、夜の廃墟も荒野の旅路で毎夜見ますもの」
 森の生まれのエルフであり、アポカリプスヘルに転移してそこで生き抜いてきた猟兵でもあるマイエだ。夜闇とて怖がるほどのことはない。
 それでも、マイエの腕はしっかりといちごの腕を抱いて、その温もりを確かめ合うようにピタッとくっついていた。
 先程の言葉は強がりなんかではなく、決して怖がっているわけではないのだが。それでも拭いきれない不安を解消するためには、この温もりが必要なのだった。

「廊下も一本道かと思ったら……」
「瓦礫で通れない部分とかあって、結構迷いますわね……」
 廃墟の建物の中、懐中電灯の明かりを頼りに慎重に歩を進める2人は、瓦礫や崩れた箇所に苦労しながら進んでいた。
「意外と歩きにくくて困りま……ひゃっ!」
 そんな中、突然マイエが悲鳴を上げる。
「どうしました!?」
「首筋に何か、いやぁああっ!?」
 ぴちょりとマイエの首筋に、冷たいヌルっとした何かが触れる。
 ……肝試しのイベント用にスタッフが仕掛けたこんにゃくなのだが、突然ヒヤッとしたものが触れた衝撃で頭が真っ白になったマイエは、ただただ動転して悲鳴を上げ、いちごにしがみついて震えだすのだった。
「ま、マイエさん……落ち着いて……って、はわっ!?」
「いやあああああああ!?」
 何とか宥めようとするいちごだが、自身にしがみついてもがくマイエに押され、足元の瓦礫を踏んでバランスを崩してしまった。
 結果、マイエに押し倒されるような格好で転んでしまう。
 身長も同じくらいである2人が、正面から抱き合うような格好でそのまま倒れたのだ。一瞬顔同士が触れあったような気さえする。
「んむっ……」
「っ……あいたたた……マイエさん、大丈夫……で、す?」
 むにゅん。
 そして状況を確認しようと手を動かすいちごだが、その手に触れた、思いがけず柔らかくて温かい膨らみの感触に、一瞬思考がフリーズした。
「んっ……いちごさん、お手が……」
「へっ、あわわわっ。す、すみませんっ!?」
 いちごの掌の中には、すっぽりとマイエの乳房が収まっており、手を動かした際にムニュムニュと揉んでしまっていたわけだ。
 さらに、いちごは気付いていないようだが、マイエは気が付いていた。
 転んだ際に顔同士が接触したこと……もっと言えば、接触した箇所が唇だったということにも。
(「いちごさんと唇が、胸が……もう、この先はドキドキが止まりませんわ」)
 触れられるのも触れるのも嫌ではないだけに、胸が激しく鼓動を刻んでいる。
 このドキドキが彼に伝わらないように、そしてこのドキドキがもたらす頬の朱の色が彼に見えませんように。
 まだ肝試しは半ばなのだが、マイエにとってこのあとの道のりは、かなり長く感じていたそうな。

 終わった後アムにどんな風に報告するのかは、また別の話。
大成功 🔵🔵🔵

始・月夜

肝試し、か…
そいういえば桜學府でもそういう催しが…

…深波先輩と一緒に胆力鍛錬ができれば…!
と、思いきって誘い、2人で肝試しへ!


え?水着に着替えてから…?

桜色のビキニに着替え、廃墟を進んでいたら
床が大きく崩落している…
しかもその影響で海と繋がったらしく
海水に満たされている…

どうやら泳いでいかないと先には進めないようだ…

深波先輩はこのことを知ってて、水着着用を…

って、泳ぐのが早い!?
先輩に置いて行かれないように必死に泳ぐけど
だんだん距離が開いていく…

それに気づいた先輩が戻って来て
手をつないで、引っ張られる事に!?

その途端、胸の鼓動が一気に!?

それからはゴールまでずっとドキドキが止まらなかった…


●月夜の場合
「肝試し、か……そいういえば桜學府でもそういう催しが……」
 始・月夜(月式疑造神器行使型人造桜精・f22688)は、イベントの説明を聞いて、學府時代のことを思い出していた。
 そうなると、ペアとして誘いたい相手はひとり。
 學府時代に慕っていた先輩であり、今回案内してくれたグリモア猟兵である、南雲・深波その人だ。
「深波先輩、一緒に胆力鍛錬ができればと……!」
「鍛練とかではないとは思いますけど、一緒するのは問題ないでありますよ」
 思いきって声をかけた月夜の誘いに、深波は快く了承する。もっとも、鍛練とかではなく、イベントを楽しもうと、ひとつ提案をしてくる深波だった。
「そうでありますな。せっかく行くのですから……」
「え? 水着に着替えてから……?」
 深波自身が大胆なビキニ姿を披露しているからか、月夜にも水着になるように促した。
 それは、夏のイベントだから、という理由の他にも……。

「な、なるほど、それで水着に着替えるようにと……」
 桜色のビキニに着替えて、深波とともに廃墟に入り込んだ月夜の目の前には、大きな水溜まりが広がっていた。
 今回の舞台である廃墟は、もとは学校施設であったがゆえに、左右に広い構造になっている。スタートである入り口はその中央付近にあり、そこから左右にルートが別れているのだが……通常はその片方は行き止まりとして引き返すようになっていた。
 なぜなら、片側は床が大きく崩落していて、しかも海から繋がっている地下空洞と一体化して海水に満たされているからだ。
 しかし、この水溜まりを越えていけるのなら、この向こうには上階へ続く階段もちゃんとあるのだ。
「水に入れる格好なら、こちらのルートも進めるでありますからね」
 どうやらセイレーンである深波としては、あえてこちらのルートを通りたいらしい。それでわざわざ水着に着替えさせたのだろう。
「では、ついてくるでありますよ!」
 深波は懐中電灯を手に先行して水に入り、すいーっと泳いでいく。
「って、先輩!? 泳ぐのが早い!?」
 月夜がようやく水に入った時にはすでに深波の姿はかなり先で……。足もつかない深い水に、遠ざかっていく懐中電灯の灯り、光を失い暗くなる世界。月夜は先輩に置いて行かれないように必死に泳ぐのだが、ろくに進むことも出来ずに距離が開いていく……。
「先輩……」
 暗い夜の海にひとりで放り出されたような錯覚。心細さに涙が出そうになる。
 そんな月夜の手を、ぎゅっと暖かな温もりが包んだ。
「えっ、先輩、戻って……?」
「申し訳ない。ついつい水にはしゃいでしまったでありますよ」
 いつの間に引き返してきたのか、深波は、不安に押し潰されそうだった月夜の手をとって、月夜を引っ張って泳いでいく。
「ささ、私と一緒に泳ぐでありますよ!」
 安心させるような深波の笑顔を見て、月夜の心臓は早鐘を打つ。
 繋がった手を通して、胸のドキドキが伝わるのではないか、そう思わせるほどに、月夜の鼓動は跳ねあがっていた。

 その事に深波は気付く様子はなかったが、月夜のドキドキは収まらない。
 水から上がり、上階への階段を上っていくと、これ以上水に入るような場所もなく、手を引いてもらう必要もないはずなのだが、月夜は深波の手を離すことはできなかった。
 深波も気にした様子はなく、そのまま手を繋いで進んでいく。
 それからゴールにつくまで、月夜のドキドキは止まることがなかったそうな……。
大成功 🔵🔵🔵

歌獣・苺
苺月

ぜ、前回は久しぶりの
肝試しだったからびっくりしただけだもん…!だ、大丈夫!(と言いつつ手前にいる月の上着を震える手でぎゅうと握っている)

うぅ、やっぱり暗…うひゃあ!?
す、水滴…かぁ…!
…あ!ゆぇくん今笑ったでしょ…!(むすっ)

ななふしぎ……?虫さんみたいな名前…って怖い話!?や、やだ!聞こえない!聞こえない!(耳をくるっと丸め)

やっ、やめて、こわい、こわいよぉ…!もうやだおうちかえ……っ!?

(…え?え!?ゆ、ゆゆゆゆゆぇくん?ゆぇさん!?ち、近くないですか!?んぁあ、もう、人の気も知らずにこの人は~!)

…いい。もういい!
もうこのままでも何でもいいから
早く屋上連れてって終わらせてーーー!!!


朧・ユェー
【苺月】

苺ちゃん、また肝試し大丈夫ですか?
ふふっ、リベンジですか?
良いですよ、では行きましょうか?

懐中電灯の光を前にゆっくりと歩く
怖がる彼女をくすりと笑って
おや、ごめんなさいねぇ

懐中電灯一つに廃虚の学校
本格的なお化け屋敷ですね
苺ちゃん、学校の七不思議って知ってますか?
トイレの花子さんに音楽室の自画像…それと

嗚呼、怖い話をするとお化けが寄ってくるんでしたねぇ

逃げようとする彼女をそっと抱き寄せて
おやおや、ダメですよ?
落ち着いて、また逃げようとしたらこのまま連れていますから、ね
仕方ないですねぇ
ではこのままでいきましょうか、苺ちゃん


●苺月の場合
「ぜ、前回は久しぶりの肝試しだったからびっくりしただけだもん……!」
 歌獣・苺(苺一会・f16654)は、涙目で、前方にいる相方、朧・ユェー(零月ノ鬼・f06712)の服の裾を掴みながら、そういって強がっていた。
「苺ちゃん、また肝試し大丈夫ですか?」
「だ、大丈夫!」
 ユェーの問いかけにも、ユェーの上着の裾をぎゅっと掴みながら強がる。
「ふふっ。ではリベンジですね? 良いですよ」
 ユェーは、そんな強がりもわかってますよと優しく微笑み、そっと苺の頭を撫でる。
 このコンビ、この夏に肝試しに挑むのはこれが2回目だ。
 前回は、ユェーの冗談に驚かされたり、そうかと思うと本物のお化けに遭遇して、苺が竜に変化してまで逃げだしたりと、色々な出来事があったのだ。
 その時に苺が感じた気持ちは、今はもう忘れてしまったけれども……。
「では、行きましょうか?」
「う、うん……」
 懐中電灯を持ったユェーを先頭に、その服の裾をぎゅっと握った苺が後に続く形で、2人は廃墟の中へと入っていくのだった。

 怖がる苺に無理はさせまいと、ユェーはゆっくりと慎重に歩を進めていく。
 それでも、歩みがゆっくりな分、じわじわと恐怖が襲ってくるのは避けられない。
「うぅ、やっぱり暗……うひゃあ!?」
 暗がりに震えていた苺が、突然悲鳴を上げた。
「どうしました?」
「うぅ……なんだか首筋に冷たいのが……って、す、水滴……かぁ……!」
 ぴちょんとほんの一滴。それだけでも苺にとっては驚きで。
 そんな苺の様子を見てユェーはくすりと微笑むのだった。
「……あ! ゆぇくん今笑ったでしょ……!」
「おや、ごめんなさいねぇ」
 笑われてムスッと頬を膨らませる苺であった。

「それにしても、廃墟の学校……本格的なお化け屋敷ですね」
「ちょっと、ゆぇくん、変な事言わないで……」
 歩きながら、手持無沙汰なのか、ユェーは苺に語り掛ける。狙っているのか、あえて苺が怖がるような話を。
「苺ちゃん、学校の七不思議って知ってますか?」
「ななふしぎ……? 虫さんみたいな名前……」
「トイレの花子さんに音楽室の自画像……それと……」
「……って怖い話!? や、やだ! 聞こえない! 聞こえない!」
 怪談を話そうとしたユェーの言葉を聞きたくないと、苺は長い耳をくるっと丸めてしまう。そのまま頭を抑えて、目もギュッと閉じて、何も見えない、何も聞こえないと自分に言い聞かせるように。
「嗚呼、怖い話をするとお化けが寄ってくるんでしたねぇ……」
「やっ、やめて、こわい、こわいよぉ……! ゆぇくんのばかぁ……! もうやだおうちかえ……っ!?」
 そして目も耳も閉じたまま逃げ出そうとする苺を、ユェーは後ろからそっと抱きしめるのだった。
「おやおや、ダメですよ? 前と違って今回は屋内なんですから、変身して飛んで逃げたりはできませんよ?」
 逃がさないと抱き寄せて、耳元で囁きかける。
 そんなことをされたら、苺の感情は、ついさっきまでの恐怖に振り切れた状態から、全く別の感情に支配されてしまう。胸が早鐘のように鳴り、動悸が収まらないのは一緒なのに。
(「……え? え!? ゆ、ゆゆゆゆゆぇくん? ゆぇさん!? ち、近くないですか!? んぁあ、もう、人の気も知らずにこの人は~~~!」)
 ユェーの腕の中に納まってしまった苺は、内心パニック状態で、そして忘れてしまった気持ちさえ、記憶の底からもう一度顔を出しそうで、恐怖の涙でボロボロだった顔が一瞬で紅潮して顔から火が出そうになって……そしてこの状態を何とかしようと、ユェーの腕の中でジタバタと暴れてしまう。
「おやおや、ダメですよ? 落ち着いて、また逃げようとしたらこのまま連れていますから、ね?」
 だけれども、知ってか知らずか、ユェーはそんな苺のジタバタを許さない。
 耳元でそっと囁くと、苺が暴れないようにその場で抱き上げてしまう。
 いわゆる、お姫様抱っこのように。
「仕方ないですねぇ。ではこのままでいきましょうか、苺ちゃん?」
 最早この状態では逃げることもかなわない。
「もうこのままでも何でもいいから、早く屋上連れてって終わらせてーーー!!!」
 苺は、顔を真っ赤にしたまま、そう叫ぶしかなかったのだった。

 最後の叫びは、暗がりへの恐怖から出たものか、それとも……?
 その答えは、苺だけが知っている。
大成功 🔵🔵🔵🔵🔵🔵

ヴィクトーリヤ・ルビンスカヤ
◎♥♥♥♀♀
【りんごお姉さまをお誘い】して、肝試しなの!

でもトーリに勧められたのはいいけど
『2人ならドキドキ楽しいですわよ♪』って一体?

うん、とーってもブキミな廃墟なのね
りんごお姉さま、腕組んでいいかしら?(ぎゅむ、ふにゅ♪)
ユーレイ、出ないのよね…(懐中電灯を手にオドオド)

え?「シスターなのに幽霊が怖いのです?」
…だからなのよ、りんごお姉さまっ!
※信仰心の高さから却って『普通の怪異』を意識
※但しトーリ(魂)やりんご(魔王)は悪く思わない

ほら、あの辺とか…え、本当に何か浮いてる!?
きゃーっ!りんごお姉さまぁぁぁっ!(ブルブル)
※思わずりんごの胸に埋まる形で抱きつく
※キス等の荒療治で宥められる形


●クトの場合
「りんごお姉さま。トーリに勧められたのはいいけど、『2人ならドキドキ楽しいですわよ♪』って一体どういうことなの?」
「さぁ、どういうことなのでしょうね。行ってみればわかるかもしれませんよ?」
 ヴィクトーリヤ・ルビンスカヤ(スターナイトクルセイダー・f18623)の主人格であるクトは、憧れのお姉さまである黒岩・りんごを誘って肝試しに参加することにした。
 とはいえ、今回のイベントの話を聞いた際に、別人格であるトーリから言われた2人ならという言葉の意味はピンと来ていないクトである。トーリと違い、年齢の割に純粋で無垢なクトだから、ピンと来ないのも仕方ないのだろう。
 ともあれ、りんごを誘ったクトは、2人で廃墟の建物の中へと入っていく。

「うん、とーってもブキミな廃墟なのね……」
「ですねぇ。ただでさえ夜の学校は不気味ですのに、それが廃墟となればなおさら……」
 りんごが懐中電灯を持ち、クトはその隣に並んで歩いている。
「りんごお姉さま、腕組んでいいかしら?」
「ええ、もちろん。暗いですからはぐれないように、しっかりと捕まっていてくださいね」
 クトのお願いに、りんごは快く頷いた。
 りんごとしては、あくまでも暗闇の中はぐれないように手をつなぐような感覚なのだろうが……クトがどんな気持ちで腕を組もうとしたのか、それはクト自身にもよくわかっていない。
 だけれども、りんごの温もりを逃すまいと、豊かな胸を腕に押し付けるように、ぎゅむっとしがみつくクトだった。

「ユーレイ、出ないのよね……」
「あら、クトさんは幽霊が怖いんですの?」
 りんごの腕にしがみつきながら、ぽそりと零れた震える声での呟きを聞いて、りんごはクトに尋ねてみる。言外にシスターなのに?との疑問を込めて。
「うぅ……だからなのよ、りんごお姉さまっ!」
 その問いかけに対する返答は、少しだけ怒ったようなクトの声だった。
 信仰心の高いシスターだからこそ、かえってそういう普通の怪異は逆に意識してしまうらしい。
 そういうものなのですか、と、りんごも少しだけ苦笑しつつ、納得するのだった。
「でも、今回は薄気味悪い場所というだけで、特に何か出るわけでも……」
「そうでもないのよ、りんごお姉さま、ほら、あの辺とか……」
 出るとしたら、イベント用の仕掛けくらいだろうな、と思っていたりんごだったが、クトの指し示す指の先に、うっすらと白い影が見えたような気がした。
「あら、何かしらあの白いの……?」
「え、本当に何か浮いてる!? ……きゃーっ! りんごお姉さまぁぁぁっ!」
 りんごへの脅しのつもりだったのだろうか、クト自身も本当に何かあるとは思っていなかったらしく、不意打ちで怪異に出くわしてしまったクトは、大きな悲鳴を上げて、りんごの胸に顔を埋める勢いで抱きついてしまった。豊かなりんごの胸の谷間に埋まったならば、何も見えない、何も聞こえない、そんな思いでもあったのだろうか……?
「あらら……クトさん、大丈夫かしら?」
 そんなしがみついてくるクトを邪剣にするようなことはなく、りんごは優しく抱きしめると、優しく頭を撫でてあげる。
 優しく、優しく、丁寧に頭を撫でて宥めていくが、それでもクトはりんごの胸の中で震えていた。
「もぉ……仕方ありませんわね。いつまでもここで立ち止まっているわけにはいきませんし……」
 震えたまま復活する兆しも見えなかったので、りんごは荒療治をすることにした。
 別のショックで意識を逸らそう、という事だ。
 りんごは抱きついていたクトを強引に剥がすと、その顎にそっと手を添えて上を向かせる。そして……。
「んっ……」
「!?!?」
 そっと、軽く口付けるのだった。
「り、りりりりんごお姉さまっっ!?!?」
「ふふ、ようやくお目覚め?」
 キスの衝撃に目を見開くクトに対し、りんごの方は特になにもなかったとでも言わんばかりに優しくクトの頭を撫でている。
 何が起きたのかを理解して顔を真っ赤にしたクトを、再び腕にしがみつく元のポジションに戻し、りんごは歩みを再開する。

 このあと、クトの心臓はドキドキと早鐘を打って、もう肝試しの恐怖どころではなくなってしまった。
(「……トーリの言う通り、2人だとドキドキするのよ」)
 そんなクトの様子を、りんごは優しく見守っているのだった。
大成功 🔵🔵🔵

ヴェール・フィエーニクス

雅MSさまの所のアリカさんをお誘いして
一緒に参加を希望します、ですっ!

アリカさんと一緒…しかも2人っきりな事でずっとドキドキ…

また、暗い廃墟の雰囲気が
床が崩れたり、仕掛けに引っかかって
アリカさんがお怪我しちゃったり、離れ離れになっちゃうかも…
しかも、その先で何者かに襲われちゃったら…

と、心配してしまい、さらにドキドキを加速させて…

いたら、ホントに床が崩れちゃう!?
2人共落下する中
アリカさんを守る為、頭を抱えつつギュッとして
アリカさんをガード、ですっ!


アリカさんが無事で、ホントによかった、です…


いつの間にか気を失っていて
心地よいゆらゆらとあったかさに気が付いたら…
アリカさんが凄く近い、です!?


●ヴェールの場合
「わたしといくのね? もちろんオッケーなのだわ!」
 と、湯上・アリカは元気よく答えた。
「あ、ありがとうございます、ですっ」
 既に誘っただけでドキドキが止まらないヴェール・フィエーニクス(「涙を拭う手」のアサシン・f00951)である。
(「アリカさんと一緒……しかも2人っきりな事でずっとドキドキが……」)
 ヴェールにとってアリカは、同じ寮に住む仲間であると同時に、その中で一番親しい相手、そして理由はわからないながらも、一緒にいると顔が赤くなってしまい、ドキドキが止まらなくなる相手なのだ。
 なので、誘う時点でかなりの勇気を振り絞っているわけなのだが……その一方でありかの方は、普通に仲良しの友達から誘われて楽しいといった表情で、ヴェールのようなドキドキは、今のところ見当たらない。
 2人はそんな微妙な間柄なのである。

「結構雰囲気あるのね。何かわたしみたいな地縛霊とかいてもおかしくないのだわ」
 自称恋華荘の地縛霊であるアリカは、廃墟の校舎に入るなり、そんな軽口をたたく。その様子からは、特に緊張も恐怖も感じられない。自身が地縛霊を自称するからか、霊的なオカルトにはめっぽう強いアリカなのである。
「で、でも、また、暗い廃墟の雰囲気が、何かありそうで……床が崩れたり……仕掛けに引っかかったりしたら……」
「大丈夫なの。わたしがついているのよ?」
 楽観的なアリカと違い、ヴェールの方はかなりの心配性だ。
 アリカは大丈夫だと励ますのだが、ヴェールの頭の中には悪い想像ばかりが渦巻いている。例えば、先程言葉にしたように床が崩れたり仕掛けが作動したりした場合、アリカが怪我をしたり、あるいはアリカと離れ離れになってしまうかも……しかも、離れ離れになったその先で何者かに襲われたら……などと、思考の負のスパイラルは加速するばかりで、心配で胸のドキドキが止まらない。隣にいるアリカと離れたくない一心で、アリカの手をぎゅっと握るのだった。
「……うん。手を繋いでいると安心するのね」
「は、はい……ですっ」
 安心はするものの、手を繋ぐと別種のドキドキが頭を支配しそうになる。
 どちらにしても注意力散漫になってしまうヴェールであった。
 だから……。
「そこ、危ないのよ?」
「えっ……?」
 床が崩れている箇所に危うく足を踏み入れそうになってしまった。
 あくまでもこれは肝試しのイベントなので、通常はそういった廃墟の崩れている部分などには足を踏み入れないように工夫もされているのだが……それでも気付かなければ足を踏み入れてしまう。
 アリカがヴェールを押し留めて、落下の危険は去った……かに思えた。
「ふぅ、そうそう。近寄らなければいいのよ……えっ!?」
 だが、もともと崩落していて崩れやすくなっている場所だ、2人で近付いたせいか、床に亀裂が走る。
 アリカの足音の床が崩れ、そのままフッと、落下していく。
「アリカさんっ!?」
 ヴェールは咄嗟に、アリカを抱きしめるようにして一緒に落下していくのだった。

 落下といっても、学校の建物1階分だ。
 打ちどころさえ悪くなければ、そうそう大怪我はしないだろう。
 だが、瓦礫と一緒に落下しているので、地面がなだらかというわけではない。もし頭から落ちて打ちどころが悪かったら……?
 咄嗟にそれを危惧したヴェールは、アリカの頭を抱きかかえるようにして、アリカをガードするようにして落ちていた。
 もともとは自分が余所見していて危険な場所に足を踏み入れたのだ、それに巻き込んだアリカに怪我をさせるわけにはいかない。
 アリカの頭を抱えた状態で階下の床に打ち付けられたヴェールは、薄れゆく意識の中で、自分の胸の中のアリカが無事なのを見ると、安心したように意識を手放した。
「アリカさんが無事で、ホントによかった、です……」
「ヴェール! しっかりするのだわ! ヴェールっ!!」

 しばらくして、ヴェールは柔らかな温もりの上で目を覚ました。
「あ、れ……ここ、は……?」
 見上げると、目の前には心配そうに自分を見下ろしているアリカの顔。すごく近い位置にアリカの顔があるので、一瞬にしてヴェールは赤面してしまう。
 アリカは、そんなヴェールの頭を優しく撫でながら、状況を説明するのだった。
「イベントの事務所なのよ。床が抜ける事故があったから、わたし達は引き返してきたのだわ」
 話を聞いたスタッフが調査に行き、これ以上崩れることもないだろうと判断して、肝試しそのものは次の順番の人がすでに出発している。などとアリカは状況を説明していく。
 ……のだが、ヴェールの耳にどれだけその言葉が届いていたかは怪しい。
 なぜなら、今のヴェールの意識を支配しているのは、今感じている心地よいゆらゆらとあったかさだけだったから。
 そう、今のヴェールは、アリカに膝枕をされているのだ。
 あったかさの正体がアリカの太ももの感触だと気付いた瞬間、ヴェールの胸の鼓動は、ドキドキが止まらない程に激しく鳴り始めたのだった。
大成功 🔵🔵🔵

テティス・ウルカヌス

「海でいちご君と遊べるって聞いて来ちゃった」

水着姿でもじもじしながら、いちご君に話しかけるね。

「今晩の肝試し、よかったら私と一緒に回ってくれないかな……?」

ど、どうしよう。思わず勢いで言っちゃった!
こ、これって告白に聞こえちゃうかな!?
まあ、告白だと思われたら、それでもいい……かな?(赤面

「というわけで、いちご君、お化けから守って……ね?」

懐中電灯を持ついちご君の手を握って、校舎を回るね。

用意された仕掛けがどれも怖くて、見るたびに悲鳴を上げていちご君に抱きついちゃうけど……
こ、怖いんだから仕方ないよね。
だって女の子だもん。

「さすが、いちご君は頼りになるよね。
これからもよろしくね!」(ちゅっ


●きれいなテティスの場合
「海でいちご君と遊べるって聞いて来ちゃった」
 水着姿でもじもじと、まさに恋する乙女といった可憐さを振り撒いて、テティス・ウルカヌス(天然系自称アイドル・聖なる歌姫・f12406)が現れた。
 普段の彼女を知るものがいれば、間違いなくこう思うだろう。
 誰だお前、と。
 それほどまでに、人の話を聞かない自称アイドルのアホとはかけはなれた姿である。見た目は全く変わっていないのに。
 だが、三千世界でも唯一、今テティスが声をかけた相手、彩波・いちごだけは、その違いを気にしない。なぜならそれがテティスの本当の姿だと知っているから……と、曇りまくった澄んだ瞳で語るくらいなので。
「肝試し、よかったら私と一緒に回ってくれないかな……?」
 きれいなテティスは、頬を軽く朱に染めて、いちごを誘う。
 上目遣いで甘えるように……それでいて内心はドキドキと恋する乙女の妄想も全開で。
(「ど、どうしよう。思わず勢いで言っちゃった! こ、これって告白に聞こえちゃうかな!?」)
 さすがにデートのお誘いには聞こえても、告白には聞こえまい。考えすぎである。いくら女性との浮き名も多く、女心の機微を知るいちごでも、そこまで一足飛びには考えないだろう。
 が……。
(「まあ、告白だと思われたら、それでもいい……かな?」)
 などと考えて、チラチラいちごを見るあたり、恋する乙女は無敵なのである。
 もちろんいちごは、深読みなどせず、肝試しの相方として、快く返事をした。

「というわけで、いちご君、お化けから守って……ね?」
「はい、私から離れないでくださいね?」
 懐中電灯を持ついちごは、反対側の手でテティスと手を繋いで、廃墟の校舎へと入っていった。
「足元気を付けてくださいね?」
「う、うん……」
 瓦礫もあって歩きにくい廊下を、頼りない懐中電灯の灯りで進む。
 崩れた足場に近寄らないように下を見ていると、上の方に白い影が見えた気がして、テティスは悲鳴をあげていちごに抱きついた。
「い、いま、なにかいたっ……!?」
「大丈夫、何もいませんよ」
 暗がりに紛れてぴちょんと滴る冷たい水飛沫が、狙ったようにテティスの首筋に触れて、悲鳴をあげたテティスはいちごに抱きつく。
「い、いま、冷たいなにかが背中に触った!?」
「大丈夫、ただの雫ですよ」
 他にも、肝試しイベント用の仕掛けにことごとく引っ掛かったテティスは、そのたびにいちごに抱きついてしまっていた。
 そしてそのたびに、いちごは優しく抱き止めて、そして頭を撫でて安心するように語りかけていた。
「ご、ごめんね、いちご君……で、でも、こ、怖いんだから仕方ないよね?」
「ええ、気にしてませんから、大丈夫ですよ」
 女の子だから仕方ないよねと言うテティスに、いちごは問題ないと優しく対応する。
 そんな頼りになるところを見て感じてしまうと、テティスの乙女も黙ってはいられなかった。
 だから、抱きついた体勢のまま、そっと唇を寄せて……ちゅっと。
「さすが、いちご君は頼りになるよね。
これからもよろしくね!」
 さすがに恥ずかしかったのか、赤面しているものの、いちごの方も唇の感触に真っ赤になっているので、幸せそうに満足げな笑みを浮かべるテティスだったとさ。
大成功 🔵🔵🔵

アイ・リスパー
理緒さんと

「えええっ、肝試しでお化けを克服、ですかっ!?」

突然、理緒さんに誘われて半ば強引に肝試しに参加することに。
まあ、お化けなんて非科学的なものは居るわけないですけどねっ!

「べ、別に怖くなんてないですからっ……」

理緒さんの服の袖をきゅっと握りながら廃校舎を探索しますが……

「ひゃあっ、なんか背中に冷たいものがっ!?
あと、不気味なお経が聞こえてきますっ!?
それになんか黒い影がっ!?」

次々と非科学的な現象にあって涙目になりながら進み……

「きゃっ、きゃああっ!」

恐怖のあまり泣きながら理緒さんに抱きつくのでした。

スカートの下をジャージに着替えて帰路についた私は、結局お化けは克服できませんでした。


菫宮・理緒
アイさんと

出遅れちゃったけど、ここはなんとかアイさんといっしょしないとだよね!
「アイさん、いつまでも苦手があるままではいけないと思うの!」

なーんて、もちろん口実。
わたしとしては、一緒に廃墟を回りつつ、
脅かす側にもなりたいところ。
そうすればアイさんの可愛いところ、たくさん見られそうだよね♪

UCはダメだから、ここはシンプルに、
スポイトに水とかICレコーダーにお経とか入れていって、
隙を見てちょいちょい使っていこう。

びっくりして抱きつかれちゃったりしたら、どうしようー♪
思いっきり抱き返して、なでなでしちゃいそうだよ!

あ、もちろんこっそり録画はしておくよ。

って、何あの黒いの。あんなの仕込んだっけ……?


●アイと理緒の場合
「えええっ、肝試しでお化けを克服、ですかっ!?」
 肝試し会場にアイ・リスパー(電脳の天使・f07909)の声が響く。
 今更言うまでもないだろうが、アイは大のお化け嫌い。仮に想い人とのデートであったとしても、こんな肝試しなんかに参加したくはない。
「アイさん、いつまでも苦手があるままではいけないと思うの!」
 しかし、親友の菫宮・理緒(バーチャルダイバー・f06437)は、アイの都合などお構いなしに強引に連れてきて、2人ペアでエントリーを済ませてしまったのだった。
 なお、これが理緒の親切心かと思った読者諸兄は甘い。
(「なーんて、もちろん口実。どうせなら一緒に廃墟を回りつつ、脅かす側にもなりたいねー。そうすればアイさんの可愛いところ、たくさん見られそうだよね♪」)
 理緒の内心はこんなものである。
 女の友情は儚いのだ……。
「ま、まあ、お化けなんて非科学的なものは居るわけないですけどねっ!」
 もちろん、アイは理緒の内心など気付くこともできずに、精いっぱいの強がりを言っていた。

 ……そして、2人で廃墟の校舎に足を踏み入れてすぐ。
「べ、別に怖くなんてないですからっ……」
 先ほどまでの強がりのカラ元気も、中に入ってすぐに消え失せてしまったアイは、理緒の服の袖をちょこんと摘まみ、おっかなびっくりで辺りをきょろきょろしながら、懐中電灯を持って先を進む理緒の後ろをおどおどとついていっていた。
 入って間もないというのに、既に緊張は限界まで張りつめている様子。
 怖がりにもほどがあるだろう。
 しかし、そんなアイの様子を感じたところで、理緒の悪戯心は揺るがない。
 アイの可愛い姿を見るためなら、どんな悪辣な手段(悪戯)も辞さない理緒は、こっそりとICレコーダーのスイッチを入れる。
「ひっ!? 不気味なお経が聞こえてきますっ!?」
 墓場でもない校舎の中でなぜお経が聞こえるのか、そんな不自然さを考える余裕などアイにはない。
 ただただその不気味さに怖がって、アイは理緒に抱きついてしまう。
 ……しかし、理緒の悪戯はまだまだとまらない。理緒が次に取り出したのは、スポイト。それをこっそりとアイの背後に回して……。
「ぴゃっ?! なんか背中に冷たいものがっ!?」
 理緒の垂らした水滴でも、アイを震えさせるには十分。アイは更に強く理緒に抱きついていく。
(「びっくりしたアイさんに抱きつかれちゃった。アイさんかわいー♪」)
 悪戯大成功に気を良くした理緒は、そのままアイを抱き返して、優しく頭を撫でる。アイを安心させるように、もう怖くないですよというように。
 ……なんてひどいマッチポンプなのか。
 だが、全ては理緒の策略だとは思わないアイは、すっかり心を許して、理緒の胸の中で安らぎを得るのだった。

 そして2人は歩みを再開する。
 すっかり理緒にしがみつくのが当たり前になったアイは、涙目のまま、時々「きゃっ、きゃああっ!」と鳴きながら悲鳴を上げて、理緒に繰り返し抱きついていく。
 繰り返される理緒の悪戯に、いちいちいい反応をして。
(「もちろんこっそり録画はしてあるよ!」)
 さすが電脳魔術師というべきか……なんというかひどい。
「なんか黒い影がっ!? きゃあああああああああ!?」
 さらに、アイは理緒に抱きついたまま、その後方に見えた影を指さして、今までで一番の悲鳴を上げるのだった。
(「え? 黒い影って……そんなの仕込んだっけ……?」)
 アイは、理緒に抱きついたまま、理緒の後方に見えた影を指さしている。
 理緒には、そんな状態でしかけられる悪戯の心当たりなどない。
 つまり……。
(「まさか、ほんもの……!?」)
 人を呪わば穴二つ。
 ぎぎぎぎぎ……と首を後ろに向けた理緒は、アイの指さす方向に確かに黒い何かを目撃した。
「ひゃぁー!?」
「いやあああああ!?」
 そして理緒までが悲鳴を上げたことで、アイの心の防波堤は決壊し、理緒にしがみついたまま……やがて下半身が生暖かく濡れてしまうのだった……。

「う、うぅ……」
「アイさんごめんね……?」
 結局、スカートの下をジャージに着替えることになってしまったアイ。
 お化けの克服はならなかったのだった……というより、ますますひどくなったような気がしないでもない……。
大成功 🔵🔵🔵🔵🔵🔵

叢雲・黄泉
◎♥♥♥
「廃墟探索ですか……
彩波いちごと二人きりになって暗殺するには最適なイベントですね……」

ここは彩波いちごとペアを希望して、イベント中に命を狙いましょう。

「む……
水着にならないといけないとは……」

これは暗殺防止のためですか。
仕方ありません。ビキニの水着を着て参加しましょう。

「……彩波いちご、覚悟っ!
って、きゃあああっ」

彩波いちごに素手で襲いかかった瞬間。
こんにゃくが水着の中に入って……(スライムっぽいので苦手

「いやっ、取って……」

涙目で彩波いちごに懇願したところ、水着の中に手を入れられ、一緒に転んで水着の上下を脱がされ……

さらにとりもちトラップにかかって、彩波いちごと胸や股間が密着して……


●黄泉の場合
 今回の肝試しイベントは、2人きりで暗い廃墟の建物の中を行くルールだ。
 その話を聞いた、叢雲・黄泉(賞金稼ぎの邪神ハンター・f27086)は、考える。
(「廃墟探索ですか……彩波いちごと二人きりになって暗殺するには最適なイベントですね……」)
 遥か昔、邪神によって半吸血鬼の身体に変えられてしまった黄泉は、その邪神を追って活動していた。現在それが彩波・いちごの中に封じられていることを知り、いちごを殺す機会をうかがっているのが黄泉なのだ。
 だから……。
「え? 黄泉さんが私と、ですか?」
 肝試しに誘われたいちごは、そんな黄泉から誘われて驚いている。
 今まで何度も襲われているのだから、少しくらいは警戒しても良さそうなのだが、そこはそれ。狙われていることは知っていても、同じ寮に住んでいる者というだけで甘いいちごなのである。結局は快く誘いに乗るのだった。
「……ところで、水着ですか?」
「ええ、一応その方がいいってスタッフさんはいってますね」
 いちごが水着姿なのを見て、黄泉は悩む。
(「これは暗殺防止のためですか……?」)
 まったくもってちがう。
 が、妙な勘違いをした黄泉は、素直に赤いビキニの水着に着替えてくるのだった。

 2人は、連れ立って廃墟の中を歩いていく。
 いちごは既に別の相手と経験済みのコースだし、黄泉も暗がりを怖がるようなたちではないため、特に恐れることなく淡々と進んでいた。
 もちろん、黄泉はその際もずっと機会をうかがっている。
 そして、上階への階段を何度か上り、いちごも緊張が解けてきたころになって、黄泉は行動を開始した。
「……彩波いちご、覚悟っ! って、きゃあああっ!?」
 素手のままいちごに襲い掛かろうとした黄泉が、突然悲鳴を上げる。
「黄泉さんっ!? 大丈夫ですかっ!?」
 直前に命を狙われているいちごだったが、それでも読みが悲鳴を上げたことの方が大事とばかりに、心配して駆け寄ってくる。
 見ると、黄泉はビキニの上や下を手で押さえながら悶えていた。
 何があったのかというと、イベントの仕掛けである小さく切られたこんにゃくが、水着の中に入ってしまったのだ。冷たくてヌルヌルするこんにゃくの感触に、スライムとかにゅるにゅるの類が苦手な黄泉は、抵抗する気力を失い、身体に触れるそれの感触に悶えて涙目になるばかり。
「いやっ、取って……」
 涙目で、さっきまで命を狙っていたはずの相手に懇願すらしてしまう。
「わ、わかりました。……失礼します……ね?」
 頼まれれば、いちごも何とかするしかない。ないのだが……。
「や、彩波いちご、どこに手を……!?」
「だって、水着の中にはいっちゃってるから……」
 水着の中に入ってしまったこんにゃくを取るという事はつまり、いちごの手が黄泉の水着の中に入るという事でもある。
 こんにゃくを探して乳房を弄り、お尻を撫でまわす。
 そのたびに悶える黄泉。
 悶えて暴れれば、いちごもバランスを崩してしまい、2人はそのまま転んでゴロゴロと転がってしまった。そのはずみにいちごの手で黄泉の水着が脱がされる格好になってしまい、裸に剥かれてしまった黄泉の胸や股間にいちごの手がぴったりと触れている。
「彩波いちご、どこ触って……」
「す、すみません、今どきま……えっ!?」
 そしてさらに、トリモチの仕掛けが作動して……その体勢のまま2人はトリモチで固められてしまった。
「さっきはこんなトラップなかったのに……!?」
「いいから手をどけなさい、彩波いちごぉ!?」
「くっついてしまって離れな……っ」
「手を動かすなぁ!?」
 どうやらいちごが複数回チャレンジしているので、スタッフの厚意で新たな罠を追加していたらしいのだが……これは余計なお世話というものだろう。
 くっついて離れない手によって黄泉は胸も股も散々いじくりまわされることになり、更にもがけばもがくほど状況は悪化する。
 いつの間にかいちごの水着も脱げてしまい、最終的には2人は裸で抱き合うような格好で身体を重ね、顔がくっついてキスしている状態なうえに、腰がぴたりとくっついたような状態でトリモチに固められてしまった。
 そしてなんとか逃れようともがくいちごの、身体全体から与えられてしまう刺激で、黄泉は頭が真っ白になって意識を飛ばしてしまうのだった……。


●イベント終了
 今回の肝試しは、全ての参加者の挑戦が終わり、最後の最後でとんでもないトラブルもあったようだが、おおむねペアの中も進展した、そんな有意義なイベントだったと、後に語られることになったとか。
 めでたしめでたし。
大成功 🔵🔵🔵

最終結果:成功

完成日2020年08月06日
👑5 🔵🔵🔵🔵🔵🔵