●うみねこ島。
うみねこと猫達が、仲良く暮らす島があった。
その名も、うみねこ島。
コンキスタドールの支配から逃れた後は、猫達が自由気ままに島を闊歩し、増えて増えて増えまくっていた。
そのため、今では猫の島。
右を見ても、左を見ても、猫、猫、猫だった。
しかし、島民達の予想に反して、猫達が増えすぎてしまったせいで、常に食糧不足。
その状況を打破するため、島民達が畑を耕し、自給自足の生活を始めたらしい。
だが、猫達は欲求不満。
島民達が遊んでくれなくなったため、イライラ、ムカムカ。
暇さえあれば、猫パンチを繰り出して、悪戯をする程、ストレスが溜まりに、溜まりまくっていた。
そこで島民達は考えた。
猫達の遊び相手として、猟兵達を島に招待しようじゃないか、と……。
もちろん、猫達も猟兵達を大歓迎ッ!
まるで獲物を狙うハンターの如く目を光らせ、波止場で猟兵達が来るのを待っていた。
●ガジルからの依頼
「みんなで猫さん達と遊ぶんだよ」
ガジル・コリアンダー(キマイラのスカイダンサー・f00907)がゴキゲンな様子で、今回の依頼を説明した。
今回の目的は、うみねこ島で遊ぶ事。
うみねこ島は、猫達の楽園。
空では、うみねこがミャアミャアと鳴いているものの、降り立つ場所がないほど、島の中は猫達で溢れ返っていた。
そのため、いまのあちこちに猫溜まりが出来ており、獲物(?)を見つけると、一斉に飛び掛かってくるようだ。
だが、猫達に悪気はない。
みんな遊んでほしいだけ。
遊び倒してしまえば、満足して離れていくようである。
そのため、万が一猫達に襲われたとしても、もふって、もふって、もふりまくれば、それで解決のようである。
そう言った事も踏まえた上で、猫達と遊んでほしいという事だった。
ゆうきつかさ
このシナリオは既に猟兵達によってオブリビオンから解放された島が舞台になっています。
そのため、【日常】の章のみで、オブリビオンとの戦闘が発生しないため、獲得EXP・WPが少なめとなっています。
基本的には、島を救った猟兵だけでなく、他の猟兵達も大歓迎です。
POWを選択した場合は、猫達と遊びます。
猫達は波止場で猟兵達を待ち構えています。
基本的に人懐こいので、どんな猫と遊ぶか、考えておきましょう。
SPDを選択した場合は、海で遊びます。
仲間達とワイワイやっても構いませんし、海で泳いでも構いません。
WIZを選択した場合は、島民達に関わります。
島民達は畑作業をしていますが、猫達に邪魔をされて進まないようです。
第1章 日常
『猟兵達の夏休み』
|
POW : 海で思いっきり遊ぶ
SPD : 釣りや素潜りを楽しむ
WIZ : 砂浜でセンスを発揮する
👑5
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴
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種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
夢ヶ枝・るこる
■方針
・【POW】使用
・アド/絡◎
■行動
猫さん、可愛いですよねぇ。
そういうことでしたら、ゆっくりと遊びましょう。
購入した『猫用玩具』や『煮干し』、[料理]で作った『ゆでささみ』等を沢山【豊艶界】に入れてお持ちしますねぇ。
そして『猫溜まり』に会いましたら『追い掛けっこ』や『玩具遊び』等でしっかりと遊びましょう。
なんとなくですが、虎猫さんを中心にした『猫溜まり』に会えそうな気がしますぅ。
或る程度遊んで疲れる子が出始めたら一休み、『煮干し』や『ゆでささみ』を取り出して差し上げますねぇ。
独り占めなどにならず、全員が有りつける様に注意してお配りしましょう。
最後は、ゆっくりともふもふしたいところですねぇ。
ティファーナ・テイル
SPDで判定を
※アドリブ歓迎
『スカイステッパー』で飛翔したり、海の中を泳いで回り『ゴッド・クリエイション』で海神ポセイドンを創造して海の生き物や海に喜ばれる物を作り出して「海と皆の楽しく賑やかで盛り上がろう!」と檄を上げます!
『エデンズ・アップル』で海産物や魚介類の好きな物を創造して海にバラ撒きます。
イルカや猟兵や海の生物で見た事が無いものに興味を湧かされて積極的に近付き話したり遊んだり、料理を食べて楽しみます!
「ボクは神様だから、できる事があったら何でも言ってね!頑張るからさ!」と言うと海神ポセイドンが“そう言う安請け合いして丸投げするんだから、止めてって聞いて無いよね…”と涙眼で笑ってます
須藤・莉亜(サポート)
「君の血はどんな味かな?」
敵さんの血を奪う事が最優先。幽霊や無機物などの血の流れていない敵さんは苦手。というか嫌い。
武器は大鎌の血飲み子と黒啜、悪魔の見えざる手を使用。
UCはSPDとWIZのものを適当に。
敵さんの攻撃は【見切り】や【武器受け】で防御。
チャンスがあれば【吸血】も狙って行く。
大崎・玉恵(サポート)
『あまり、老狐に無理をさせるでないぞ』
妖狐の戦巫女×陰陽師女です。
普段の口調は「女性的(わし、おぬし、じゃ、のう、じゃろう、じゃろうか?)」、気にいったら「尊大(わらわ、おぬし、じゃ、のう、じゃろう、じゃろうか?)」です。
ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、公序良俗に反する行動はしません。
ユーベルコードを絡めた【誘惑】による認識操作や籠絡、【呪符】に【破魔】【焼却】等の【呪詛】を込め【呪殺弾】とする、薙刀による【薙ぎ払い】【2回攻撃】が得意です。
卑劣な手段をとる敵には【威厳】【存在感】を放ち神として振る舞います。
木霊・ウタ(サポート)
『命を弄ぶ者に、俺が負ける訳がない!』
人間のサウンドソルジャー×ブレイズキャリバー、16歳の男です。
口調は常に「男性的(俺、呼び捨て、だ、だぜ、だな、だよな?)」です。
浸食する過去への怒りと共に、捨てられた過去の復讐者らを哀れにも思っていて、それを滅して安らかをもたらしたやるのも猟兵の使命と考えています。
ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!
ミルディア・ディスティン(サポート)
『全速全開!ともかくやってみるのにゃ!』
人間のシャーマン×UDCメカニック、17歳の女です。
普段の口調は「女性的(あたし、あなた、~さん、にゃ、にゃん、にゃあ、にょ?)」、
真剣な時は「無口(あたい、あなた、呼び捨て、にゃ、にゃん、にゃあ、にょ?)」です。
ユーベルコードはシナリオで必要としたものをどれでも使用します。
痛いことに対する忌避感はかなり低く、また痛みに性的興奮を覚えるタイプなので、命に関わらなければ積極的に行動します。
公序良俗は理解しており、他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
記載の無い箇所はお任せします。よろしくおねがいします。
リズ・ルシーズ(サポート)
生体ベースのサイボーグ、何らかの理由で生命維持モード(Re-A=リア)として活動中、普段の活発さはなくミステリアスな雰囲気。生命維持を最優先、リスクを避けるとともに敵対する存在に対して容赦はしない。白い外部装甲
『私はリア、この身体に敵対するものに容赦はしません』
『『解析・検証・再定義』データの取得に使わせていただきます』
『私はリズ程は甘くはありませんよ?』
21歳 女
口調:おしとやか(私、貴方(貴女)、~さん、ですね、です、ですか、でしょうか?)
武器:電磁ランスと疑似刻印による光属性攻撃のレーザー
補助装備:ナノワイヤー(トラップ・移動用)、重力制御装置
探索時:R-Seriesでの人海戦術など
華上・ユーディ
【冥土隊】で参加します。
以前に寄らせてもらった島が猫に侵略されているてとは((笑))
「海で思いっきり遊ぶ(POW)」に選択
作品づくりにスランプ気味の
春夏秋冬ちゃんを同行し。
悩んでいるイブちゃんを
猫だまりに放り込みます(ぇ)
猫の荒波と
にゃんモフに癒されなさい(悪魔の笑み)私は子猫をモフモフして戦争前の疲れを癒します。
アドリブ&連携お任せします。
春夏秋冬・イブ
【冥土隊】で参加するぜ。
アドリブ&マスター様にお任せだ。
■作品が書けねえ(TдT)
スランプだ。ユーディ先輩に誘われて猫の島に来たけど…
ここはラストエデンか!❢
周りにねこ、猫、ネコ、ぬこ、((≡゚♀゚≡))←(嬉しさの余り言葉と思考が一致していない)
【POW:海で思いっきり遊ぶ】でミケ猫やキジトラを抱っこし
思いきり遊び倒すぞ。
●うみねこ島
「うにゃああああああああああああああ、これは一体どういう事にゃ!」
ミルディア・ディスティン(人間のシャーマン・f04581)は、うみねこ島の波止場で沢山の虎猫に襲われ、成す術もなく尻餅をついた。
まさに、猫の津波。
大量の猫達に覆い被され、息をする事さえ困難なほど、ギュウギュウになっていた。
だが、猫達の悪気はない。
みんな『遊んで光線』を放ちそうな勢いで、瞳をランランとさせていた。
「猫さん、可愛いですよねぇ。そういう事でしたら、ゆっくりと遊びましょうか」
その気持ちに応えるようにして、夢ヶ枝・るこる(豊饒の使徒・夢・f10980)が猫達の喉を撫でた。
その途端、猫達がゴキゲンな様子で、と合わせそうに目を細め、喉をゴロゴロと鳴らし始めた。
みんな、るこるに甘えたいのか、その場に猫溜まりが出来るほど、まわりに集まっていた。
「……って、そんな事を言っている場合じゃないにゃ! 絶体絶命の大ピンチにゃ! にゃぁぁぁ! 助けてご主人さまー!」
そんな中、ミルディアが涙目になりつつ、【ご主人さまの加護(ゴシュジンサマノカゴ)】で護衛の騎士を召喚した。
まさに絶体絶命大ピンチ。
このままだと、やられる。
猫達に飲み込まれてしまう。
そんな危機感が、護衛の騎士を呼び出す引き金となった。
「にゃーん♪」
それを迎え撃つようにして、猫達が一斉に護衛の騎士に飛び掛かり、まるでキャットタワーの如く扱い始めた。
だが、護衛の騎士は、動じない。
本気を出せば、猫達を払い除ける事も可能だが、あえてそうしなかった。
そのため、猫のなる木の如く、護衛の騎士がシュールな感じになっているものの、何か行動を起こす素振りはない。
「……!」
これには、ミルディアも唖然としたが、ツッコミを入れる余裕はない。
「猫さん達……とっても幸せそうですねぇ」
そんな護衛の騎士を眺めながら、るこるがホンワカとした気持ちに包まれ、【豊乳女神の加護・豊艶界(チチガミサマノカゴ・ホウエンナルセカイ)で出現させた無限倉庫の中から、煮干しや、ゆでささみを取り出し、猫達に与えた。
「にゃーん♪」
これには、猫達も大喜び。
この世の幸せをすべて総取りと言わんばかりに幸せそうな感じであった。
「喧嘩をしたら駄目ですよぉ。みんなの分もありますからねぇ」
るこるが猫達の頭を撫でながら、優しそうに声を掛けた。
「にゃーん♪」
その気持ちに応えるようにして、猫達が甘えるように、にゃーんと鳴いた。
「……って、誰か助けてほしいにゃ~」
そんな中、ミルディアが今にも消え去りそうな声で、猫溜まりの中から声を上げるのであった。
一方、その頃。
「……まだまだ先は長いな」
木霊・ウタ(地獄が歌うは希望・f03893)は、島民達と一緒に畑を耕していた。
だが、猫達は邪魔をしまくっているせいで、なかなか作業が進まない。
みんなウタ達と遊びたいのか、隙あらば飛び掛かってきそうな勢いで、お尻を左右に振っていた。
「やれやれ、あまり老狐に無理をさせるでないぞ」
そんな中、大崎・玉恵(白面金毛・艶美空狐・f18343)が、疲れた様子で溜息を洩らした。
しかし、猫達はおかまいなし。
玉恵の尻尾にしがみつき、ガジガジ、はむはむ、甘えていた。
そのせいで、玉恵のストレスがピークに達し、こめかみが激しくピクついた。
それでも、我慢しているのは、相手が無害な猫だから……。
一瞬、本当に無害なのか、自問自答しそうになったものの、仏の心でスルーした。
「……悪いな。こんな事をさせちまって。でも、仕方がないだろ。猫達がこれじゃあさ。迂闊に蹴っ飛ばして、怪我をさせる訳にもいかねぇし……」
スキンヘッドの島民が、申し訳なさそうに頬を掻いた。
その間も、猫達が両脚に纏わりつき、甘えるようにして、頬をスリスリ。
『遊んで、遊んで♪』と言わんばかりに、スキンヘッドの島民を見上げていた。
「……とは言え、この状況は地獄じゃ。そもそも、尻尾はおやつでもなければ、玩具でもない。こんな事をされて、我慢するほど、わしも甘くはないぞ」
玉恵が沢山の猫に囲まれ、ぎこちない笑みを浮かべた。
相手がオブリビオンであれば、躊躇う事なく一掃しているところだが、ただの猫相手に本気を出す訳にはいかなかった。
それでも、これが限界。
ここで気を抜けば、仏の顔も、般若である。
「怪我をさせないように、追っ払えばいいんだな?」
そんな空気を察したウタが【影の追跡者の召喚】を発動させ、影の追跡者(シャドウチェイサー)を召喚した。
「……!」
その途端、まわりにいた猫達が一斉に毛を逆立て、警戒心をあらわにした。
だが、シャドウチェイサーを発見する事が出来ないため、そろりそろりと動きながら、まわりの気配を探っているような感じであった。
その気配は、茂みから茂みに移動し、とても不気味。
これには猫達もドン引きした様子で、少しずつ畑から離れていった。
「いまのうちに畑を耕すのじゃ!」
その隙をつくようにして、玉恵が島民達に声を掛け、一心不乱に畑を耕し始めるのであった。
……同時刻。
「みんなストレスが溜まっているんでしょ? だったら、遊ぼう♪ 嫌な事を全部、忘れてしまう程、思いっきり!」
ティファーナ・テイル(ケトゥアルコワトゥル神のスカイダンサー・f24123)は仲間達と共に、ノリノリな様子で猫達と遊んでいた。
そのため、猫達も、ゴキゲン。
【スカイステッパー】で飛び上がったティファーナにじゃれるようにして、何度も猫パンチを繰り出すほど、ノリノリだった。
「ひょっとして、バテた?」
そんな中、須藤・莉亜(メランコリッパー・f00277)が、砂浜に寝転がっていた黒猫に気づいた。
おそらく、興奮し過ぎたせいで、肉体の限界を突破し、グッタリしてしまったのだろう。
朦朧とする意識の中で、薄っすらと目を開け、黙って莉亜を見上げていた。
「随分と弱っているようですね」
その事に気づいたリズ・ルシーズ(Re-Z・f11009)が、黒猫に駆け寄った。
黒猫は立ち上がる気力すらないのか、砂浜に寝転がったまま、辛そうに舌を出した。
「敵だったら、血を奪うところだけど……」
すぐさま、莉亜が黒猫を抱き上げ、ゆっくりと歩き出した。
「……!」
その途端、黒猫がビクッと体を震わせ、警戒した様子で身体を仰け反らせた。
おそらく、莉亜の言葉が引っ掛かっているのだろう。
脂汗を掻きながら、頭の上で小さな死神達をクルクルとまわり、死亡フラグがラインダンスを踊っていた。
しかし、莉亜が向かったのは、海の家。
そこにあった日陰に黒猫を下ろし、何処からか水を汲んできた。
「……♪」
それは黒猫にとって、天の助け。
まるで莉亜が天使のように見えたものの、何となく翼が黒かった。
それでも、莉亜は命の恩人。
その感謝を表すようにして、黒猫が莉亜に頬擦りし始めた。
「これで大丈夫のようですね」
リズがホッとした様子で、深い溜息を洩らした。
「にゃーん♪」
だが、一難去って、また一難。
いつの間にか、足元には猫溜まりが出来ており、逃げるに、逃げられない状況。
みんな、何か御馳走が貰えると思っているのか、瞳をランラン。
『御馳走が無いなら、一緒に遊ぼう♪』と言わんばかりに、瞳をきゅるるんとさせていた。
故に、この状況で拒否権はない。
しかも、猫達が『遊んでくれなきゃ、イタズラしちゃうぞ!』と言いたげな様子で、リアの反応を待っているようだった。
「それでは、一緒に遊びましょうか」
そんな空気を察したリアが、猫達の頭を撫でた。
「よぉーし! だったら、ボクも本気を出すよ! 海と皆の楽しく賑やかで盛り上がろう!」
その気持ちに応えるようにして、ティファーナが【ゴッド・クリエイション】で海神ポセイドンを創造すると、幻想的な海の生き物を作り出して生命を与えた。
「……!」
その途端、猫達が一斉に瞳をランランと輝かせた。
しかし、海は苦手。
そのため、なかなか最初の一歩を踏み出す事が出来ず、みんな招き猫のような形のまま、何とも言えない表情を浮かべていた。
「だったら、これで、どう?」
すぐさま、ティファーナが【エデンズ・アップル】を発動させ、海産物や魚介類を創造して海にバラ撒いた。
「……!」
それは猫達にとって、未知の存在。
それでも、ブレーキが利かない程、大興奮ッ!
そこが海である事も忘れて、まっしぐらであった。
「……!」
だが、海に入った途端、戦意喪失。
完全に目が覚めた様子で、迫り来る波から逃げ出した。
「さすがに、海の中は良くないね」
その事に気づいたティファーナが苦笑いを浮かべ、海の家で再び【ゴッド・クリエイション】を発動させ、海神ポセイドンに頼んで、猫が好きそうなモノに生命を与えた。
最初は警戒していた猫達も、『海の中じゃないから、大丈夫』という結論に至ったのか、興味津々な様子で猫パンチ!
「ボクは神様だから、できる事があったら何でも言ってね! なるべく頑張るからさ!」
そんな中、ティファーナが自信に満ちた表情を浮かべ、まわりにいた猫達に語り掛けた。
その後ろで海神ポセイドンが『そう言う安請け合いして丸投げするんだから、止めて……って聞いて無いよね』と言いたげな様子で、瞳を潤ませるのであった。
●冥土隊
「見渡す限り……猫ですね」
華上・ユーディ(は隠居生活中・f02310)は、春夏秋冬・イブ(桜色の文豪・f24137)と共に、うみねこ島に降り立った。
うみねこ島は、うみねこと猫達が仲良く暮らす島……であったが、現時点では猫の楽園。
うみねこ達が岸壁に降り立ち、困り顔で地上を見下ろしている感じであった。
そもそも、猫達が増えすぎてしまったのは、去勢をしなかったため。
だが、ここまで猫達が増えてしまったのは、島民達にとっても予想外であった。
おそらく、今まで島にいた脅威がいなくなった事で、猫達にとって快適な場所と化しているのだろう。
それに加えて、猫達を去勢するための環境が整っておらず、最悪の場合は命を落とす危険もあるため、問題が先送りにされているようだ。
「うう……スランプだ……」
そんな中、イブがドンヨリとした様子で、深い溜息を漏らした。
一言で言えば、スランプ。
例えるなら、霧の中にいるような状況。
必死に抜け出そうとしているものの、見渡す限り、霧、霧、霧。
自分が何処にいるのか分からず、何をしていいのかも分からない。
それでも、解決の糸口を探して、必死に霧を掻き分けているものの、まったく状況が改善されず、途方に暮れているような感じであった。
それでも、何とかしなければ……、という焦りがあるためか、余計にスランプに陥っているようである。
「ていっ!」
そんな空気を察したユーディが、イブをポーンと猫溜まりに放り込んだ。
しかし、猫達は柔軟。
まるでクッションの如くイブを受け止め、神輿の如く担ぎ始めた。
それは日頃から訓練された猫達だけが出来る芸当。
素人猫では真似が出来ない程、技術が必要な技だった。
「んあ、いきなりなんだ!」
その途端、イブが訳も分からず、猫溜まりから逃れようとしたものの、もふもふの海から這い上がる事すら出来ず、空に向かって真っすぐと手を伸ばした。
だが、それはサムズアップする前に、猫溜まりの中に沈んでいった。
「猫の荒波と、にゃんモフに癒されなさい」
それを間近で眺めながら、ユーディが子猫を抱き上げ、悪魔のような笑みを浮かべた。
だが、イブからの返事はない。
まるで繭の如く猫達がイブを包み込んでいるため、何やらモゴモゴと言っているような感じであった。
「ぷはーっ! なんだ、ここは……ラストエデンか!」
次の瞬間、イブがサナギから蝶になるような感じで、猫溜まりの中から飛び出した。
しかも、気持ちは晴れ晴れ。
今にも天高く飛び立ちそうな勢いで、スッキリしている様子であった。
「どうやら、猫達のおかげで、悩みも吹っ飛んだようですね」
ユーディがホッとした様子で、イブ達を見下ろした。
猫達に囲まれ、イブは夢心地。
天使の羽を生やした猫達に連れられ、そのまま天に昇っていきそうな勢いで、この世に未練がない様子であった。
「いや、駄目だ、駄目。まだ、やる事があるし!」
そんな自分に気づいたイブが、ブンブンと首を横に振った。
危うく、成仏しそうな感じであったが、この世に未練がないと言ったら嘘になる。
やるべき事があって悩んでいたのだから、ここで逝く訳にはいかなかった。
しかし、先程と比べて前向きに考える事が出来るようになったため、だいぶマシ。
これも、すべて猫達のおかげ。
そう言った意味で、猫達には感謝であった。
「にゃー♪」
猫達も『それなら、遊んで』と言わんばかりに、瞳がランラン。
みんな一斉に飛び掛かって、猫津波の如くイブにじゃれついた。
「とりあえず、猫さんと遊びましょうか」
その事に気づいたユーディが、子猫を抱いたまま、まわりの猫達をモフり始めた。
猫達もユーディに甘え、身体をスリスリ。
甘え上手な事もあり、コロンコロンと転がりながら、遊んでアピールを欠かさなかった。
「よおーし、遊ぶぞー♪」
その途端、イブは身も心も、猫になった。
頭の中は、猫一色。
猫であり、ネコであり、NEKOであり、ぬこだった。
「にゃーん」
それに応えるようにして、ミケ猫や、キジトラがイブに飛びつき、甘えるようにして、頬擦りし始めた。
他の猫達も対抗意識を燃やすようにして、ユーディのまわりを囲むと、同じようにして甘え始めた。
そんな、ふたりを見守るようにして、うみねこ達がミャアミャアと鳴いていた。
成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴