●花火氷の夜に
水面で火花を散らす小さな花火。
ぱちぱちと音を立てながら、そうっと水に沈めてみれば。
ゆっくりゆっくり時間をかけて、海の中で灯り続ける不思議な明かり。
色鮮やかな甘い砂糖水、金平糖にアイスクリーム。
それらがいっぱいに降りかかった氷をしゃくしゃくかき混ぜて。
浅瀬に浸かり融けて消えゆく花火を見下ろし、小舟に揺られて夏の星空を見上げましょう。
あなたもどうぞ、空の星と海の華を一緒に。
●夏星彩の海を
「皆さん、かき氷を食べながら花火と星空を見に行きませんか」
ばん。鎹・たから(雪氣硝・f01148)はでかい浮き輪に嵌ったまま、水着姿でそう言った。ちょっと準備が早すぎる。
「花火と言っても、普通の花火ではありません。水中に入れてもすぐに消えない、不思議な花火なのです」
にゃあ、と羅刹の娘の頭上で猫が鳴いている。曰く、不思議な花火はグリードオーシャンのとある島の名産品で、様々な色や光り方で見る人の目を楽しませるのだという。
「その島には、年中凍った洞窟があるのです。その洞窟から採れる氷はとても綺麗で澄んでおり、冷たくて美味しいかき氷が食べられるそうですよ」
かき氷のフレーバーはイチゴやメロンなど王道から、宇治金時にミルクティーと、これまた花火と同じく様々。トッピングも自由自在だとか。
「甘いかき氷を食べながら、海の中に落とした花火を眺める……とても楽しそうです。花火はやはり夜が綺麗だそうですから、皆さんを連れていくのは夜になります」
浅瀬に浸かりながら、または用意された小舟に乗って少し遠くへ。花火は自分の手で海の中に落とす形になるので、打ち上げ花火などは見られない。
「その代わり、満天の星空が待っています。空のひかりと、海のひかり。両方楽しめますね」
夏の夜を涼しく過ごすには持ってこいかもしれない。行く気になった猟兵達に、たからはこくりを頷いて。
「皆さんの良い思い出になると、たからは思います」
にゃあ、と猫が鳴いて、雪と色硝子の瞳が瞬く。どこで拾ってきたのだろう。
雪結晶きらめくグリモアが、夏のひかりへといざなっていく。
遅咲
こんにちは、遅咲です。
オープニングをご覧頂きありがとうございます。
●注意事項
このシナリオは既に猟兵達によってオブリビオンから解放された島となります。
【日常】の章のみでオブリビオンとの戦闘が発生しないため、獲得EXPとWPが少なめとなります。
受付は【戦争シナリオ終了後】となります。
お手数ですが、マスターページ(雑記)の確認をお願いします。
夜の海辺であれば、割と何処でも花火とかき氷を楽しめます。
なるべくご指定された場所へとお送りします。
花火、かき氷共に、自由に思い思いの創作をして頂いて構いません。
合わせでご参加の場合は3名様がぎりぎり、書ききれるだけの受付になります。
お声がけ頂ければ、遅咲の担当するグリモア猟兵が誰でもお邪魔します。
皆さんのプレイング楽しみにしています、よろしくお願いします。
第1章 日常
『猟兵達の夏休み』
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POW : 海で思いっきり遊ぶ
SPD : 釣りや素潜りを楽しむ
WIZ : 砂浜でセンスを発揮する
👑5
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
宝海院・棗
夜の浜辺~🎵夜の浜辺~♪
綺麗な花火を見ながら食べるかき氷、とってもおいしいんだろうなー!
あ、この小高くて見晴らしの良さそうな場所、いただき!
かき氷はブルーハワイといちご、メロン、あとコーラやラムネとかも欲しいなー!
あ、始まったね!あ、大きな花火が広がった!
今度はキューブかな?およ?星の1つ1つが破裂して星形に拡散した!しかもキラキラ点滅してるね!
あ、今度はカラフルな水中花火だ!その上でたくさんの輪っかがまた炸裂して土星が増えたみたいになった!あ、また星の1つ1つが炸裂した!
もっといろんな花火が見たいなー!
どこまでも続くような星のかがやきと、澄んだ夜色の海の曖昧な地平線。宝海院・棗は鼻歌まじりに、手にしたトレーに乗ったかき氷を見てにこにこと夜の浜辺を歩く。
綺麗な花火を見ながら食べるかき氷、それはきっとおいしいに違いない。さて、海中で咲くという花火を眺めるのに最適なスポットはないものか。きょろきょろとペリドットの瞳が周囲を見渡しつつ、あ、と声をあげ。
「この場所いただき!」
適度に小高く見晴らしの良さそうな斜面の下、島民達が花火を落としているのがよく見える。此処なら海のひかりも楽しめそうと、まずはスプーンでかき氷をしゃくしゃく。
ブルーハワイ、いちご、メロン。王道の三種類が、ひとつの氷山に降りかかる様は贅沢そのもの。途中で混ざりあった彩が不思議な味わいになるのも、また一興。
「んー、冷たくておいしいね! そしてそしてーこっちも!」
そう、トレーにはもうひとつかき氷。コーラとラムネのフレーバーは、しゅわしゅわと口の中で炭酸が広がる。固形のラムネもトッピングされていて、ぱちぱちとした違う食感が棗を飽きさせない。
視線を海へと向ければ、ふわっと光の彩が一斉に広がっている。始まった、と見つめていれば、お次は小さな煌きがひとつひとつ、破裂しては星の形を創りだす。水面で火花を放つ星は、時折点滅するように瞬いて。
「いろんな形になれるんだね!」
丸くなれる私みたい。更に少女の目を惹いたのは、先程よりも色彩豊かな花火のグラデーション。かき氷よりもたくさんの色に満ちた光の海に、ふわり大きな輪が落ちる。土星の形は再び小さく散らばって、ぱちりぱちりと跳ねていく。
「もっといろんな花火が見たいなー!」
「おや、君、見るだけでいいのかい?」
少女の言葉が斜面の下まで届いたのか、島民達が棗を見上げる。勿体無いよと手招きして、一緒に花火を沈めて遊ぼうと誘う。
頷いた少女がゆっくりと駆けていけば、そこには光のパレードが待っている。
大成功
🔵🔵🔵
ノトス・オルガノン
【百合:A】
青い蜜にそふとくりーむを添えたかき氷を手に、船に揺られて夜の海へ
初めて食べるがうまい
しかしちょっと頭が…
泳げなくてすまないな…水は多少大丈夫になったのだが
クロアの問いに、困ったような、寂しいような笑み
物として誰かが求め続けてくれるまで、だろうか
いずれ訪れるそれは、予期していてもきっとその時にならなくては分からないものだ
一番大事な人は見送ったから、分かる
それでも、そうだな
全部、覚えておきたい
抱えたまま生きていきたい
いつか来る別れも、一つの輝きだと信じたいから
織譜はどうだろう
先達の考え、生き方
ぜひ聞いておきたい
促されるまま、織譜と共に音を重ねて
きっとこの瞬間も忘れられない時となるだろう
クロア・ルースフェル
【百合:A】
水着姿のわたしも美しい…
泳げないノトス(f03612)のために、底の透明なボート型フロートで海を感じていただきましょう
イチゴとマンゴーのカキ氷も忘れずに
星を仰ぎ
ちょっとヘンなコト聞きますケド
いつまで生きるつもりでいます?あ、死んでほしいとかではなくて
お二人はヤドリガミ
沈みゆく花火のように、ヒトの命は儚く
この星々のように、気づけば喪っている
多くの死を通ってきた奏(f03769)と、これから通るノトスへの、わたしなりの心配です
言いませんケド
わたしはきっと長くない
んふふふ、奏には敵いませんね
今はわたしの美しい輝きを、お友達の歩みに添えましょう
わたしにもお二人の輝き…歌を聴かせてくださいな
織譜・奏
【百合:A】
レモン味のかき氷を手に、ボートで揺られる
酸味がおいしいなぁ
ふむ、何時までか。面白い事を聞くなぁ
無論『壊れるまで』さ
神代より現代までずぅっと存在してるのだ、早々壊れはしないだろうがね
人の命は短い。でもそれは、哀しい事ではないはずだ
光に貴きも悪しきも無いだろう?
私はそれに寄り添い、見送るだけ
寿命は違えど流れる時間は変わらない
なら――誰かと共に、歩んでみたいな
ふふ、ノトスもクロアもまだ若い。そんな心配しなくても、長生きも案外楽しいものだぞう
こうやって新しい友も出来たしな(かき氷をしゃりしゃりしながらにっこり)
歌か。では夜天に我らが声を響かせようか
今年の夏の思い出を胸に刻もう
六人で賑やかに過ごすのもいいけれど、今宵はゆっくり穏やかに。ぷかり、ぷかりと夜の海に浮かぶ二隻のボートは、それぞれ別れて綺羅星の下を泳ぐ。
「水着姿のわたしも美しい……」
ふぅ、とため息をつけば、クロア・ルースフェルの端正な貌を引き立たせる華美な水着の裾が揺れる。
「海の上でもキミの美しさは変わらないということだな」
晴れた夏空のような青い蜜に、ソフトクリームがアクセントのかき氷をしゃくしゃく。ノトス・オルガノンは薄いヴェールを羽織って、初めての食体験。
「ん、初めて食べるがうまい」
けれど暫くすると、その冷たさが少し頭にきぃんと響きだす。僅かにきゅっと眉間を寄せる姿に、織譜・奏がゆるく笑みを零しつつ、黄色いレモン味を楽しんでいる。
「酸味がおいしいなぁ。クロアはイチゴと……オレンジ色だな、何味?」
「ああ、マンゴーですよ」
折角ならば贅沢に二種類掛け。違う甘みが彼の舌を潤して、夏の暑さに火照る身体も丁度良く冷えていく。さて、とクロアが声をあげる。
「そろそろ花火を落とす頃合いでしょうか」
「泳げなくてすまないな……」
ノトスの為にと、三人の乗り込んだボート型フロートは底が透明になっていた。水は以前より平気になったものの、申し訳なさそうな彼に、気にするなという風に二人は笑みを返す。
ぽ、と灯した炎はすぐさまぱちぱちと閃光を放つ。それぞれすっと水中に落とした花火は、その名の通り、花のように咲いて海の中を揺蕩う。透明な床の向こう側、様々な彩で水と自分達を照らす光の群れに、三人とも静かに目を落としている。
「とても綺麗だ」
「空と海、両方の光を楽しめるなんてな」
ふいに零れたノトスの言葉に、奏が頷く。空、と耳にしたクロアが、ふと見上げれば、満天の星空が視界いっぱいに広がっている。ちょっとヘンなコト聞きますケド、と前置きして。
「いつまで生きるつもりでいます?」
あ、死んでほしいとかではなくて、と。それは何気ない、日常の会話。ノトスと奏はヤドリガミ。沈みゆく花火のように、ヒトの命は儚く――この星々のように、気づけば喪っている。
「多くの死を通ってきた奏と、これから通るノトスへの、わたしなりの心配です」
心配と言う割に、何処となく砕けた調子でウィンクしてみせたのは、あくまでちょっとした問いかけであると二人に示して。言わないけれど、きっと自分は二人と違って、長くはないから。
ノトスは困ったような、寂しげな笑みを浮かべた。
「物として、誰かが求め続けてくれるまで、だろうか」
どれだけ荘厳な見目をしていても、人の身を得てからのいのちは未だ十数年。『少年』は、ふと、足元の光に目を遣る。
「いずれ訪れるそれは、予期していてもきっとその時にならなくては分からないものだ」
いつかのあの日、一番大事な人を見送ったから、分かる。それでも、
「そうだな――全部、覚えておきたい。抱えたまま生きていきたい」
いつか来る別れも、一つの輝きだと信じたいから。輝きが終わるその瞬間までもが、きっといのちの美しさだと。
「――なるほど。織譜はどうですか?」
ノトスの答えを静かに頷いて聞いていたクロアが奏へと問えば、ノトスも先達の考えと生き方を聞いておきたいと、耳を傾ける。
「面白いことを聞くなぁ」
奏はかき氷を食べる手を止めて、ふむ、とほんの僅かに考えて。
「無論『壊れるまで』さ。神代より現代までずぅっと存在してるのだ、早々壊れはしないだろうがね」
黙して語らぬこの女が、この形(ナリ)を取った理由は今は秘密のままに。けれど長く生きた者として、言葉を紡ぐ。
「人の命は短い。でもそれは、哀しい事ではないはずだ。光に貴きも悪しきも無いだろう? 私はそれに寄り添い、見送るだけ」
しゃりしゃり、かき氷が少しずつ融けて甘い黄色の蜜水に成っていく。
「寿命は違えど流れる時間は変わらない。なら――誰かと共に、歩んでみたいな」
金の瞳が穏やかに二人を見つめて、朗らかに笑む。
「ふふ、ノトスもクロアもまだ若い。そんな心配しなくても、長生きも案外楽しいものだぞう」
こうやって新しい友も出来たしな、と、しゃくしゃく元気よくかき氷を削る姿に、ノトスとクロアにもやわい空気が融けゆく。
「んふふふ、奏には敵いませんね」
「……ん、確かに」
遥か遠くの別れは置いて、今は己の美しい輝きを友の歩みに添える。だから、二人の輝きを、歌を聴きたいとクロアは願った。
夜天に響く竪琴とオルガンの歌声は、どの星よりも澄んだ彩をしていて。忘れることなきこの夏の瞬間を、それぞれの胸に刻む。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
水澤・怜
【百合:B】
もちろん海には行ったことがある…訓練で
水着は急いで買った
そんなバカンスとは無縁の生真面目な男が一人
…俺は宇治金時、シロップと餡子多めで頼む(隠れ甘党
百合:Aの面々と別れリリスティアと神童と共に小舟で沖へ
舟は俺が漕ごう
さすがに女子に漕がせる訳にはいかん
あぁ、ではお言葉に甘えて一口頂こうか
リリスティアの氷は薄茶の氷に白いアイスと金平糖が可愛らしいな
紅茶の香りに優しい甘さが合う
神童の氷は…色鮮やかな青い氷だな
どんな味なのか全く想像がつかないが…(ぱく
…旨い(ぼそっ
水底へ沈んでは弾ける花火を眺めつつ
美しくもどこか寂しく感じるのは花火が持つ鎮魂の意味合い故か
故郷の味を片手に今は無き故郷を想う
神童・雛姫
【百合:B】
海辺でのバカンス経験はあるけれど
お友達と一緒というのは実はあまりなくて
だからとても楽しみよ
ブルーハワイのかき氷にバニラアイス、星の様な色とりどりの琥珀糖を乗せて
百合:Aの皆と分かれて小舟に持ち込んで
スマホで撮影してからいただきます
ん、美味しいわ
シェアにはもちろん、と頷いて
好きなところから好きなだけどうぞ
ミルクティーも定番の宇治金時も美味しい
ふふ、一度にみっつ味わえるなんて贅沢ね
この花火はきっと怖くないわ
そうね…
UCで水の精霊を喚んでリリスティアさんや水澤さんの傍にも
オーラ防御と鼓舞で少しでも安らいで花火を見れるといいけれど
綺麗ね、とても素敵
だけどなんだかちょっと悲しくなるのは、秘密
リリスティア・ヴィオーラ
【百合:B】
海を見たのは最近が初めて
あの時は水底へ潜ったけれど
今日は小舟でちゃぷんちゃぷん
水音は…落ち着く
ティアはミルクティーのかき氷
ミルクとマスカルポーネのミニアイスひとつずつ
それから…大好きな金平糖
地上の星は。とても甘いの
雛姫と怜も…食べてみる?
ティアにも一口ずつ、ちょうだい
爽やかなブルーハワイも
ちょっぴり苦いウジキントキ?も…
それぞれが楽しい味わい
弾ける花火におっかなびっくり
爆発…しない?
雛姫と精霊に感謝しつつ
そう…と波間へ送り出す
水と火が共に生み出す光は不思議
触れてみたくなる半面
ただそっと眺めていたいキモチ
花火を映した二人の瞳も輝いてる…とってもキレイ
向こうの皆も。楽しんでいるかしら
ちゃぷりちゃぷり、小舟を漕ぐ度に聴こえるささやかな波紋の音。二隻に分かれたもう片方のボートも、海の上で穏やかに浮かんでいる。
やわらかな水音に耳を澄ませれば心が落ち着いて、リリスティア・ヴィオーラは水面に映る宙の星を観る。初めて海を見たのはつい最近のことで、湖よりも広い水に惹かれた。
「この辺りでいいだろうか」
「怜、ありがと」
「ずっと漕いでもらっていたけれど、疲れていないかしら?」
構わない、と小さく首を横に振って、水澤・怜はオールを仕舞う。生来の生真面目さか、あるいは隠しきれない優しさか、女性陣に漕がせる訳にはいかないと、青年は真っ先に漕ぎ手を買って出た。勿論海はこれが初めてではない、訓練で来たことがある――つまり、バカンスとは無縁な訳で。慌てて買った水着も、華やかな女神と愛らしい少女に比べればシンプルかつ無難。
「ふふ、二人とも何味にした?」
神童・雛姫は嬉しそうに、ブルーハワイのかき氷を二人に見せる。バニラアイスに、星に似た色とりどりの金平糖のトッピングはちょっぴりゴージャス。雛姫に問いかけられて、リリスティアと怜も購入したかき氷を見せる。
「ティアは、ミルクティー」
濃厚な紅茶とミルクをブレンドしたフレーバーに、ミルクとマスカルポーネのミニアイスがちょこんとひとつずつ。そしてそれから、だいすきな金平糖をぱらぱらり――地上の星は、とても甘いの。
怜は宇治金時と渋く見せかけて、甘いシロップと餡子をたっぷりと。実は甘党な彼らしいセレクトに、二人は美味しそうと華やいで。
スマートフォンで三者三様のかき氷をしっかり撮影してから、はしゃぐ気持ちを抑えられない様子で雛姫がわらう。海辺でのバカンス経験はあるけれど、友達と共に過ごせた機会はあまりない。
「だからとても楽しみだったの」
「なら、早速楽しみを始めようか」
いただきます、と三人で手を合わせて、しゃくしゃく。ぱく、と口に入れた瞬間広がるのは、爽やかな青のソーダめいた味、とろける濃いミルクティー、わずかに感じる苦みで甘さが引き立つ抹茶。ひんやりとした氷が口の中で融けていく食感も楽しんでいれば、それぞれの味も気になる所。
「ティアにも一口ずつ、ちょうだい」
リリスティアの言葉を皮切りに、三人で少しずつシェアする賢い作戦を決行。好きなところを好きなだけ、特にリリスティアと怜は、初めての味に驚いたようで。
「ブルーハワイは、爽やか。ウジキントキ、も、苦いけど、甘いの」
「どんな味なのか全く想像がつかないが……」
口の中で確かめながらふんふんと頷きつつ食べる女神の隣で、桜の精はブルーハワイの鮮やかさに恐る恐るといった調子で口に入れる。
「……美味い」
「ふふ、一度にみっつ味わえるなんて贅沢ね」
ぽつりと呟いた怜と、静かに食べ進めるリリスティアに、少女はまた笑みを零す。そうしてかき氷を半分ほど食べてから、三人は花火を手に取った。
怜が二人の花火に火を点けてやると、リリスティアは初めて見る光の華におっかなびっくり。ぱちりと弾ける火の珠は、なんだかこわい。
「爆発……しない?」
「この花火はきっと怖くないわ」
少しだけ身を固くした女神に答えて、少女はふと思い立つ。唇に乗せた淡い歌声に喚ばれた小さな精霊達が、三人に水の加護を纏わせる。これで火傷はしないわ、と微笑めば、雛姫と精霊に感謝を述べて、リリスティアがそっと水面へ花火を流す。
怜と雛姫も続いて海に花火を沈めれば、夜空を輝かせる星とは別のひかりの群れが小舟を淡く輝かせる。
決して相容れぬふたつが生みだす光のグラデーションに、リリスティアは瞳を瞬かせた。触れてみたくなる半面、ただそっと、眺めていたいキモチ。
「……綺麗ね、とても素敵」
見惚れた雛姫の言葉に、二人も頷く。三人、黙って見つめているこの時間は苦ではなく、どこかやわい永遠のようで、儚い一瞬のようで。
「花火の始まりは、魂の鎮魂のために打ち上げられたものだという話を聞いたことがある」
そう語った怜は亡くした故郷の味を口に入れると、喉に流しこまれる甘さと苦みがつめたく沁みる。美しくもどこか寂しく感じるのは、きっと。ああ、だから、と雛姫も口には出さず、心で相槌を打つ。綺麗だけど、なんだかちょっと悲しくなるのは、そう。
友人達の瞳に映る火花の彩も、リリスティアには美しく見えた。異なる彩の双眸に二人を映せば、声に出たのは素直な想い。
「とってもキレイ」
向こうの皆もきっと楽しんでいるはず、と、花火と甘露に目一杯心を奪われる。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
雲烟・叶
ネムリアのお嬢さん(f01004)と
夏の花火を一緒に、そう約束していたので
ささやかな願いくらい、叶えたいじゃないですか
楽しみにしてくださったなら重畳
普通の花火とは違いますが、良い思い出になるんじゃねぇかと
舌真っ赤ですよ、なんて可笑しそうに笑う
残念、こっちはみぞれなんで色は付かねぇんですよ
少しだけ喧騒から離れましょうか
満天の星空、海には光の花が咲く
なかなか豪勢ですねぇ
落とした火花は海中で花開き、まるで彼岸花
少しだけ、線香花火にも似ていた
あのね、お嬢さん
…………、……ネムリア
また、遊びに行きましょう
秋も、冬も、春も、次の夏も
ずっと、は約束出来ねぇですけど
自分なりにね、ちゃんとお前が好きですよ
ネムリア・ティーズ
叶(f07442)と
わあ…すごい…叶の言ってたとおり
花火のお祭りはとってもにぎやかだね
約束を、覚えてくれてたのがうれしくて
今日をすごく楽しみにしてたんだ
ボクのした、赤い?…ほんとだ、叶は変わってない
いちごのかき氷、美味しくて食べすぎちゃった
可笑しそうなキミにつられて、小さく微笑み
水の中でも火が消えないなんて魔法みたいだね
儚く灯った一輪は海中で花弁をひろげ、輝く大輪の花を咲かす
花が咲いたの、みえた?
うれしくなってキミを見上げる
ボクを呼ぶ声と言葉に、胸の奥までも、きらきら輝くようで
誰かの前ではじめて、やわらかく笑えた気がした
――うん、また遊びに行こう
キミと一緒がいいんだ
ボクもね、叶がだいすきだよ
華やかに光る、やたらとかき氷屋が目立って立ち並ぶ露店の道。ネムリア・ティーズは、わぁ、とあわい歓声をあげる。
「すごい……叶の言ってたとおり」
花火のお祭りはとってもにぎやかだね、と隣を歩く長身に声をかければ、そうでしょう、と彼は応える。
雲烟・叶はネムリアがはぐれぬよう、そっと少女の歩く道を作る。夏の花火を一緒に、そう約束していたから。ささやかな願いくらい叶えてやりたかった。
ひやりと冷たいかき氷の容器をおずおずと持ちながら、あのね、とネムリアが呟く。
「今日をすごく楽しみにしてたんだ」
約束を、覚えてくれてたのがうれしくて。淡紫の瞳がゆるく零れて、透けるほど長い月の髪が揺れる。
「楽しみにしてくださったなら重畳。普通の花火とは違いますが、良い思い出になるんじゃねぇかと」
見つけたベンチに座って、それぞれ手にしていたかき氷を口にする。口いっぱいに広がる冷たい甘みはやわらかくて、ふわりと粉雪のように融けていく。いちご味を少しずつ崩しては頬張って、普段食べる機会の少ない甘味を味わう。
「冷たくて、甘いね」
「ふふ、舌真っ赤ですよ」
おかしそうに笑った叶の様子が不思議で、ネムリアは、あ、と口を開けて舌を出す。つられて小さく微笑んで、叶は変わらないの、と問うてみる。残念、こっちはみぞれで色はつかないのだと、男は少しだけ悪戯めいた笑みを口の端に乗せる。
かき氷を食べ終わったなら、お待ちかねの花火の時間。けれど、賑やかな浅瀬は既に満員のようで。実のところ賑やかさを好む叶だけれど、浅瀬をちらりと見遣って。
「お嬢さん、少しだけ喧騒から離れましょうか」
そっと提案すれば、少女は素直にこくりと頷いて。露店の道からほんの少し歩いていけば、どこかあたたかな静けさのある砂浜に辿り着く。二人で楽しむ水中花火は、きっとこれくらい静かなほうがいい。
見上げれば無数の星屑が煌いていて、二人静かに花火に炎を灯す。ぽちゃりと沈んだ光の花を、少女はまじまじと見つめた。水の中でも火が消えないなんて、魔法みたい。
儚いひかりは花弁を広げて、大輪のひかりの花として輝きを放つ。水面で反射しているそれは、淡い銀糸の二人の姿も照らしている。
「花が咲いたの、みえた?」
「ええ」
彼岸花にも、線香花火にも似ていたその花の瞬きを、ネムリアがじっと見つめているから。あのね、お嬢さん、と声を掛けようとして、叶は少しだけ長い沈黙をつくってしまった。けれど心の何処かで決めたように、
「……ネムリア」
少女の名を呼べば、は、と瞬きしてから、うれしそうに男を見上げる淡紫の双眸がある。
「また、遊びに行きましょう。秋も、冬も、春も、次の夏も」
ずっと、は約束出来ねぇですけど。
「自分なりにね、ちゃんとお前が好きですよ」
己を呼ぶ穏やかな声と言葉は、花火よりもうんと、胸の奥まできらきら輝かせてしまう。
「――うん、また遊びに行こう。キミと一緒がいいんだ」
誰かの前ではじめて、やわらかく笑えた気がしたから。まっすぐに、言葉をかえす。
「ボクもね、叶がだいすきだよ」
ひととせが廻ったら、また。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
シビラ・レーヴェンス
露(f19223)と。黒ビキニの上下と白パーカー。
…暑い。夜になっても暑いな…。夏は苦手だ…。
今回私の願望に付き合うと宣言させたが…ふむ。困ったな。
『涼しい場所で茶を飲みながら黙々と読書』が願いなのだが。
流石にそれはマズイ気がする。露が期待する眼差しでみている。
そうだな。興味があることを挙げるとすれば…花火だろうか。
水に入れても直ぐには消火しないらしい。興味深い技術だ。
「…花火。花火がいい。一緒にき…!」
(言い終わる前に満面の笑顔で思いきり抱きしめられた)
やれやれ。子犬め…。余計暑くなった。
夜空はやはり見ていて飽きない。更に水中にも華が咲くとは。
今年は充実した夏だった気がする。露に感謝…だな。
神坂・露
レーちゃん(f14377)と。赤いビキニの上下。
…このビキニも今年はもう着納めかしら…。
ねね。レーちゃんは何がしたい?かき氷?花火?
いつもいつもあたしのお願いばかりだから今回はね~♪
レーちゃんの好きな場所。したいことを一緒にするわ。
え?それでいいのか…って?えへへ♪あたしはあたしはね。
レーちゃんと一緒ならどんなことでも何してても楽しいの♥
ぎゅっって背後から抱きしめて思ったことを言ってみるわ。
やっぱりいつものように仏頂面で淡々と「そうか」って言うけど。
それでもいいの。あたしが楽しいからそれでいい♪ぎゅう~♥
あたしと同じように楽しいって思ってくれてると凄く嬉しいんだけど。
「レーちゃん、好き好き♥」
「……暑い」
シビラ・レーヴェンスは夏が苦手。理由は暑いという一点のみであり、夜になっても、彼女を満足させる涼しい気配は降りてこない。黒いビキニに白いパーカーを羽織って、普段よりも通気性はいいはずなのだけれど。
「このビキニも、今年はもう着納めかしら……」
一方、少し残念そうにくるりと一回転して、お気に入りの赤いビキニを確かめた神坂・露は、すぐにわくわくした表情を浮かべてシビラに話しかける。
「ねね。レーちゃんは何がしたい? かき氷? 花火?」
「……なんでもいいのか」
「うん! えへへ♪ あたしはあたしはね、レーちゃんと一緒なら、どんなことでも何してても楽しいの」
いつも露の行きたい場所、したいことについてきてくれるから。今回は親友の好きな場所、したいことを一緒にする気満々で、少女の瞳はきらきらと輝いている。そんな彼女のやる気に、実はシビラは困っていた。
シビラの願いと言えば、『涼しい場所で紅茶を飲みながら黙々と読書すること』であって、水中花火やらかき氷やらのお膳立てまでされた状態で、流石にそれはマズイ気がする。ちらりと視線を遣れば、やはり友達の期待に満ちた眼差しが此方を見ているし。きらきらしすぎてだいぶ眩しい。
ややあって、小さな魔女は口を開く。
「そうだな。興味があることを挙げるとすれば……花火だろうか」
水に入れても直ぐには消火しないらしい。魔術と科学を識る魔女としては、興味深い技術ではないか。うむ、これだ。
「……花火。花火がいい。一緒にき、」
「わぁいやったぁ! レーちゃんと花火、きっとすっごく楽しいわ♪」
最後まで言い切るよりも先、シビラの背後からがばっと露が抱きついて。やれやれ、とシビラは余計に暑くなったのを少しだけ恨むものの、悪い気はしない。
子犬のようにはしゃぐ露と手を繋いで、賑やかな海辺へと歩く。かき氷の並ぶ露店の道よりは人通りも少なく、二人で楽しむには十分の場所を見つける。
「少し待て」
シビラが魔法の紫炎をほんの僅かに灯して、二人分の花火の先へと明かりを移す。すぐにぱちぱちと音を立てて色づいた光の華を、二人一緒に、そうっと海の中へと落とした。
「わ、ぴかぴかして、きらきらしてる! ほんとに全然消えないのね~」
不思議な花火に瞬きしながら、いつ消えるのかわからぬ姿にはらはらとした様子で見守る露。隣で花火を見守る親友に目を移せば、同じく静かにひかりを咲かせる謎の技術に、シビラも感心していた。
レーちゃんと一緒ならなんでも楽しい、あたしが楽しいからそれでいい――そうは思っていても。同じように思っていてくれたらと、ヤドリガミは願っている。
ふいに、シビラの視線が上空へと向く。見上げた宙は星々が満開に飛び散っていた。
「――夜空はやはり見ていて飽きない、更に水中にも華が咲くとは」
「ふふ、そうね。すっごく綺麗だもの」
「……今年は充実した夏だった気がする」
露のおかげだな、と。最後に小さく呟かれた言葉に、露は思わず、けれどいつものように抱きついて。
「レーちゃん、好き好き!」
「……そうか」
あとでかき氷を食べに行こうか、なんて話をして。
大切な友達と、夏の終わりを一緒に。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
薬師神・悟郎
翠々(f15969)
水着で彼女とデートに
空の星と海の華、そして俺の隣では翠々が微笑んでくれている
だが、一番綺麗なのは翠々なのだと伝えたい
夜の海は冷えるだろう
彼女に自らの上着をかけ、そのまま抱き寄せる
俺なら大丈夫だ
苦手な太陽からにも耐えられた環境耐性があれば問題ない
宇治金時を食べながら、翠々は何味にしたんだ?
俺と同じく甘いものが好きだという彼女が選ぶものならきっと旨いに違いない
俺のも半分食べないか?
その代わり翠々のかき氷をあーんしてくれると嬉しいが
水の中に咲く花火は美しいと思うし、珍しいとも思うが
それでもやはりエメラルドの花は及ばない
彼女と過ごす夏の一時
煌めく翠々の輝きはきっと忘れないだろう
周・翠々
悟郎様(f19225)と
水着にて
満天の星空と海の中で咲く花火はきっととても綺麗でしょうね
悟郎様が風邪を引いてしまいます
…そう、ですか?ありがとうございます
寒くなったら仰って下さいね?
返そうとした上着はそのままに
彼に身を預けて、指を絡めて
わたくしの熱が少しでも届きますようにと
氷は苺の味にしました
悟郎様は抹茶ですか?
うじ…一口いただきます
…おいしい
彼のお願いにそっと氷を掬って彼の口元へ
あーん
その頬は苺と同じ色に染まって
満天の星空も綺麗だけど
浅瀬にしゃがみ込み
ゆっくりと海に下ろした花火をじっと見詰める
消えることのない灯
このまま倖せな時間のまま、刻が止まれば良いのに
そう思いながら彼を見上げて微笑んで
かすかに聴こえる細波が、白砂を攫ってはまた返すように流れていく。砂浜で仲睦まじく並んで座る二人を、咎める者は一人も居ない。ふふ、と周・翠々が微笑んで、傍らの恋しい人に声を掛ける。
「満天の星空と海の中で咲く花火、きっととても綺麗でしょうね」
「ああ、そうだろうな」
甘く笑んだ翠々に優しく答えながら、薬師神・悟郎は艶やかな水着姿の彼女の笑顔を見つめる。空の星と海の華――けれど星や華よりも、一番綺麗なのはあなたなのだと伝えたくて。水面で悠々と泳ぐ金魚が粋な上着を脱いで、そっと翠々に掛けてやる。夏とはいえ、此処は夜の海。
「冷えるだろう」
「でも、悟郎様が風邪を引いてしまいます」
「俺なら大丈夫だ」
少し慌てた様子の翠々を、青年はそのまま抱き寄せる。半魔半人故に苦手な太陽にも耐えられたこの身は問題ないのだと笑えば、翠々も不思議そうな顔をしながらも感謝を述べて。
「寒くなったら仰って下さいね?」
返そうとした上着は羽織ったまま、細い身体を悟郎にこてんと預ける。おずおず絡めた指で、己の熱が彼に届くようにと願って。空いた手に持ったスプーンで、かき氷をしゃくしゃくと崩す音が響く。
「翠々は何味にしたんだ?」
自分と同じ甘い物好きの彼女が選ぶなら、きっと旨いに違いない。はい、と笑った翠々が見せた器には、ほろりと崩れた氷に、鮮やかな赤色の蜜がとぷりと満ちている。
「氷は苺の味にしました。悟郎様は抹茶ですか?」
少女が覗いた悟郎の器には、きらきらとした氷の上に渋い緑が広がっていた。宇治金時だよ、と答えれば、うじ……? と、聞き慣れない言葉に小首を傾げる姿も愛らしい。
「俺のも半分食べないか? その代わり、翠々のかき氷をあーんしてくれると嬉しいが」
「あ、あーんですか?」
うぅん、と迷ったのはほんのわずかの間で、翠々はこくりと頷いた。そっと掬ったひと口を食べてみれば、少しの苦みとまろやかな甘みがとても贅沢。おいしい、と笑んでから、少女は自分のかき氷をひと口掬う。
緊張しながら差し出したスプーンの上に乗った苺色を、あ、と開いた悟郎の口が迎え入れる。甘い、と笑った金の眼が恥ずかしくて、翠々の頬は苺と同じ彩に染まった。
かき氷を満喫した二人は浅瀬へと近付く。しゃがんだ翠々のパレオがドレスのように広がるのを、悟郎がさり気なく整えてやる。火を灯して、ゆっくりと海の中へと降ろした花火は、消えることなくぱちりぱちりとひかりを放つ。
このまま倖せな時間のまま、刻が止まれば良いのに。そんな風に想った少女が、微笑みながら見上げた彼の顔は、愛おしいものを慈しむ目をしていて。
「綺麗ですね、悟郎様」
「ああ、綺麗だ。でも、な」
どうしたのだろう、ときょとんとした表情を浮かべた翠々に、悟郎は今宵伝えたかった言葉を捧げる。
「水の中に咲く花火は美しいと思うし、珍しいとも思うが――それでもやはり、エメラルドの花には及ばない」
「……っ」
頬を赤らめる少女の髪をそっと撫でて、青年はもう少しだけ夏のひと時を楽しむ。煌めくあなたの輝きを、きっと忘れないだろう、と。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
アース・ゼノビア
【庭】
褄に芒の白絣
浴衣はUDCで仕立ててきたんだ
見立て通りだったね、二人ともよく似合ってるよ
カキ氷は長考の末に甘露に練乳とバニラアイス
好きな味を重ねたら真っ白なもの頼んでしまった…
これを「ばえない」というのかな?
(意味を調べた覚えたてワード)
ルゥの氷は華やかで女の子らしいな、浴衣姿にぴったりだ
オズは…ねぇ、ごめんホントそれ色で選ぶだろうなと思ってた
イチゴ味と爽やかブルー味?を頂き
二人の舌の色に笑って
団扇で水霊に風を送り、舟の櫂を助け
蛍火のようにささやかに
白縫の光精も遊ばせてみるか
うん、とルゥから受け取った花火に
カンテラの火を分け、海に送れば
眩い色と音は命のよう
新たな星々の一生を目を細めて見守る
オズウェルド・ソルクラヴィス
【庭】
選んで貰った
片褄に小さな暴れ熨斗文模様がある
藍の雨絣浴衣姿で
お前も、よく食うな…
ルゥーのかき氷にやや気圧され
アースの妙な納得に
こいつが、一番涼しそうだったと青のかき氷をぱくり
むしろ、お前のは味があんのか?と味比べに参戦
二人の浴衣姿も、そっちこそ『様になる』つーんだろ?
良き意味で伝える
船は、そうだな…この辺でいいか?
時折、光精とやらをつっついては
波が穏やかな所へと船を漕ぎ
ルゥーに落ちるなよと牽制しつつ
その花火を覗き込む
確かに、海ん中にも星があるな…
同じく花火を沈めれば
思った以上に綺麗で
腕をゆるりと動かせば流れ星
…コイツは、どう光るんだ?
他の花火にも興味が沸き
徐々に水中花火に夢中になっていく
ルゥー・ブランシュ
【庭】
見てみて―!
白地に紅色の鉄線金魚柄の浴衣姿で
二人に見せるのは🍓のかき氷!
本物のイチゴとバニラアイス、練乳のトリプルとっぴんぐ付き!
二人は、何頼んだの?
ルゥーのもあげるから、味見させてー!
初めて着る浴衣姿にもはしゃいで
二人とも似合ってるよーと気分は上々
夜の海も
オズとアース、それに光精さんがいるから怖くないもん
一つ線香花火に火を付ければ
ほわぁ…
水の中にも、お星さまがいるみたい✨
落ちないもん!と船から身を乗り出し
アースもやろう!
はい、これはオズの♪
同じ花火を渡し
一緒に輝く花火を見てると
なんだか、るぅーの心もキラキラするの
他にも沢山花火があるんだよ、と取り出し
三人で色んなお星さまを海に作るの♪
かき氷屋が多く立ち並ぶ露店の道の明かりは、星空に負けないほど煌々と照っている。その喧噪の中で、華やかな浴衣に身を包む三人が居る。
「見てみてー!」
ルゥー・ブランシュがじゃん、と二人に見せたかき氷は鮮やかな赤色。更に本物の苺とバニラアイスに、とどめの練乳の掛かったトリプルトッピング。少女が着ている、白地に紅色の鉄線と金魚が泳ぐ浴衣姿が、まるでそのまま甘味になったよう。
「ルゥの氷は華やかで女の子らしいな、浴衣姿にぴったりだ」
二人は何を頼んだの、とルゥーが問うてみれば、アース・ゼノビアが器を差し出す。透明な蜜に、練乳とバニラアイスをたっぷり乗せた氷は、真白の雪そのもの。好きな味を重ねてみれば、彩には程遠くなったと、アースはわずかに恥ずかしそうに笑う。
「これを『ばえない』というのかな?」
つい最近、意味を調べた覚えたての流行言葉を使ってみてから、もう一人の幼馴染の器に目を遣る。
「オズは……ねぇ、ごめんホントそれ色で選ぶだろうなと思ってた」
「こいつが一番涼しそうだったんだよ」
オズウェルド・ソルクラヴィスの真っ青なフレーバーは、確かに見た目が一番涼やか。早速ぱくりとひと口食べれば、爽やかな甘さが喉を潤してくれる。むしろお前のは味があんのか? と、アースの真っ白なかき氷を覗き込んで、了解を得るなりスプーンでしゃり、とひと掬い。同時に、あ、とルゥーも声をあげて。
「オズずるい! ルゥーのもあげるから、二人のも味見させてー!」
「お前も、よく食うな……」
小柄な背丈でぴょんぴょんとその場で跳ねるルゥーに、はいはいとアースがかき氷を差し出す。それにしても、と改めて二人の浴衣姿を見て、青年はうん、と頷いた。
「見立て通りだったね、二人ともよく似合ってるよ」
UDCアースで彼が仕立ててきた浴衣に、えへへ、と少女はその場で一回転。オズウェルドも藍染めの雨絣に、片褄に小さな暴れ熨斗文模様が粋な浴衣を着こなしている。
「そっちこそ、『様になる』つーんだろ?」
「ふふ、ありがとう」
無愛想なりにオズウェルドが褒め返したアースの浴衣は、褄に芒の白絣の涼しげな彩。ふと、ルゥーだけでなく自分達も、かき氷と同じ彩に染まっている気がして、アースはなんとなく笑みが零れる。
三人でシェアするかき氷は冷たく甘く、そしてそれぞれの舌を染めている。それがおかしくて、くすくすと小さく笑いあったあと。空になった器を返して、小舟に乗りこみ夜の海へと漕ぎだした。
オズウェルドが静かにオールを漕ぐ度に、水面がなだらかに波を立てる。アースが団扇で精霊に風を送ることで彼を手助けする間、ルゥーは満天の星空をその瞳に映していた。
「空も、すごく綺麗だよ!」
「はしゃぎすぎて落ちるなよ」
そんなことないもんと頬を膨らませる姿を、アースはまぁまぁと制しながら、ああ、と思いついたように、唇に静かにまじないを乗せる。白絣の胸元から、ぽ、と淡く灯った白い燐光の群れは、するりと小舟の周りで舞い始めた。
夜の海も、光の精が居ればこわくない――なにより、オズとアースが居ればへっちゃら。わくわくした気持ちを胸に秘めきれない少女の姿を、二人の青年達は誰よりもよくわかっている。
「この辺でいいか?」
漕ぐ手を止めたオズウェルドが、オールを小舟へと仕舞う。ぷかり、ぷかりと浮いている小舟の周辺は静けさに包まれていて、時折ちゃぷりとさやかな音がする。
ルゥーがひとつ花火に火を灯せば、たちまち火花となってほのかな輝きを見せる。そっと海に沈められた儚いひかりは、やんわりと咲き乱れて夜を照らす。ほわぁ、と感嘆の声をあげた少女が、感激した様子で言葉をもらす。
「水の中にも、お星さまがいるみたい」
「……本当に落ちるなよ?」
「落ちないってば!」
船から少し身を乗り出した彼女を再び牽制しながら、オズウェルドも水底を覗き込む。ルゥーの言う通り、そこには空よりも近い星の群れが居た。
「確かに、海ん中にも星があるな……」
「不思議だね」
白燐の精霊達をそっと撫でながら、アースも海で咲いた星々を観賞する。二人も、とルゥーが差し出した花火を受け取り、カンテラの火を分ける。海へと送った眩い彩と、ぱちりぱちりとわずかに聴こえる音は、いのちに似ているように思えた。
その仕草を真似るように、オズウェルドも花火を沈める。想像していたよりも儚く華やかなそれが綺麗で、腕をゆぅるり動かすと、流れ星がちかちかと振り撒かれた。
「他にも沢山花火があるんだよ」
三人で、色んなお星さまを海に作るの。そうわらったルゥーから新しい花火を受け取ったオズウェルドは、他の種類もどう光るのかが気になって、知らず知らずのうちに幼子のように夢中になっていく。
それぞれの心をきらきらと照らす炎の彩はやわらかい。
きっと皆、同じことを思っているのだろう、と。アースは幼馴染達の生みだす、短い星の一生を見守っていた。
大成功
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ノネ・ェメ
【運よく誘えたSSRなフィロさん(f07828)と】
わいわいきゃっきゃしたくてやってきてみたら。夜なのもあってか、なんだかしっとりな雰囲気?
ここはひとつ、静かに楽しまなきゃですよ……ぷふ! などと笑いをこらえきれず、こそこそわいわいしてしまい。
小舟でなら平気かな? 思いきりたーまやー!……と叫びかけたのを、言いとどまって。
足もとだから、小声でも届きそうですよフィロさん。ここはひとつ、沈めた花火たちへ向けて、た~まや~をウィスパーボイスで、はいどーぞ!(むちゃぶり)
囁き合い合戦からの、お互いテレてきてしまい、またきゃっきゃ。
結局足もとの花火にも、頭上の星々にも思いきりっ、た~まや~!
フィロメーラ・アステール
【ノネちゃん(f15208)に誘われて】
これは凄い空のひかりアンド海のひかり!
よしパーっと盛大に踊ったり歌っ……いや、この辺りは静かに楽しんでる人も多いのかな?
激しい光があると儚い光は見えなくなっちゃうしなー、今日の主役たちのお邪魔をするのはよろしくない。
しかしながらキャッキャしたり、はわわしたり、うにゃうにゃ!
……ちょっと騒ぎすぎ?
こっちの舟で海に出れば遠慮なく騒げるかな?
ほーら、花火もたくさん沈められるぞ!
投げたり飛んで撒いたりしつつ、歌って踊ろう!
主役を奪うのはよろしくないけど共演するならいいさ!
えっ、なにその急なフリ!?
「た……たまや~……」
こういう感じでいいのか? 謎に照れる……!
満天の星空と、水の中でも消えない花火。そんな素敵なイベントは、お祭り騒ぎに違いない。そう思って島のバカンスへやってきた二人の少女。既に夜の海はあちこちで光が瞬いていて、フィロメーラ・アステールは、おぉ、と期待に胸を膨らませ、夜闇に透ける翅を羽搏かせる。
「よしパーっと盛大に踊ったり歌っちゃ……おや」
出現率がSSR級な彼女を運よく誘えたノネ・ェメも、どことなく静かな空気に首を傾げる。わいわいきゃっきゃするつもりで来てみれば、どうやらしっとりと楽しむ人々が多い様子。
「これはちょっと想定外でしたね」
ふむ、と頷くノネの肩の辺りで、フィロメーラも自身の纏う煌きを気にしている。激しい光が輝きすぎては、儚い光は隠れてしまうもの。
「今日の主役たちのお邪魔をするのはよろしくない」
「ここはひとつ、静かに楽しまなきゃですよ……」
フェアリーには大きすぎる花火を、ノネは一緒に支えるように持ってやる。火を点けて海の底にぽとりと落としたそれは、淡くちかちか光を咲かせては水の中を泳いでいる。
「本当に消えませんね!」
「これ、いっぱい沈めたら相当綺麗だと思うんだよねー」
なるべく小声でお喋りしつつも、ついきゃあきゃあとはしゃぎたい気持ちが溢れてしまう。しまいには、どちらからともなく、ぷ、と吹き出してしまう始末で。ふと、近くで花火を楽しんでいたカップルが此方を振り向いたものだから、慌ててぺこりと頭を下げる。
「……ちょっと騒ぎすぎ?」
「あ。それじゃあ、海に出ません?」
ロマンチックなムードを壊す訳にはいかないと、ノネはフィロメーラを連れてボート乗り場へ。細い電子の身体でも、十分に動かせるのを確かめて、ゆっくり夜の海へと小舟を進める。
賑やかさを求めるからには、静けさを求める人々の邪魔にならぬよう。周囲を確かめれば人の気配もなく、二人がはしゃぐのを止める者は居なかった。
「此処なら大丈夫そうかな」
ノネがオールを仕舞って、種火となる蝋燭に火を灯せば、パーティの準備は万全。よおし、とフィロメーラの小さな身体が花火を引っ張りだす。
「ほーら、花火もたくさん沈められるぞ!」
火花の散る光の華をえいやっと投げ飛ばし、飛び回っては撒き散らせば、光降るステージが待っていた。軽やかに宙を舞い踊る妖精に合わせるように、ノネの透き通る歌声がやわらかく響く。
ふと、ノネは閃いた。折角の花火なのだから、あの言葉を言わなくては、す、と息を吸っておもいっきり、
「たーま……」
流石にこれは、大声かもしれない。叫びかけた音頭を言いとどまった彼女の姿に、フィロメーラがきょとんとした表情を浮かべる。
「足もとだから、小声でも届きそうですよフィロさん。ここはひとつ、沈めた花火たちへ向けて、た~まや~をウィスパーボイスで!」
「えっ、なにその急なフリ!?」
はいどーぞ、と唐突な無茶ぶりをぶつけられたフィロメーラは、それまでの勢いからは随分落ち着きを取り戻して。そっと、囁くように水面のひかりに呼びかける。
「た……たまや~……」
「た~まやぁ~」
囁き合い続けるのはなんだか照れてしまって、おかしくなって笑いだす。やはりこういうのは、大声で叫ぶべきだから。足元の花火にも頭上の星々にも、おもいっきり。
「「たーまやー!!」」
大成功
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バンリ・ガリャンテ
リンタロウ(f00854)さんと
参った。俺ってばめちゃくちゃ緊張してる。
星空。きらきらの浅瀬。UDCの夜に出会った憧れの人。誘い出しに成功…。それで、ええと。
… あっはっは。浮かれ星メガネなお姿で解されちまった。
俺が頂くかき氷はチェリーチョコって変わり種だ。
さくらんぼケーキのフォレノワールをモチーフにした、グリオットチェリーたっぷりにショコラとミルクのフレーバー。
めちゃくちゃ美味いよ!って彼に食べさせたりもしてぇけど、難易度高…
え。う、うん。どうぞって大きくな一口を彼に。
見て。
俺の鼓動にあわせて海中の光がまたたいてら。
煩い胸のうちは内緒にして
幾色にも煌めく一夜の花を、ともに見つめるんだ。
リンタロウ・ホネハミ
バンリちゃん(f10655)と
ははぁ、やっぱりカチコチになっちまってるっすねぇ
ここはちょいと、緊張を和らげる為に……はい、★サングラスの浮かれポンチスターイル!
人間笑えば緊張が解けて身体がほぐれるってもんっす
じゃ、まずはかき氷を楽しみましょうや!
オレっちがいただくのは、マンゴーのシロップと果肉がたっぷりなやつっすね
んん、ジューシィで濃厚で美味いっすねぇ……
おおっとバンリちゃんのも中々美味しそうっすね?良ければ一口もらっても?
そうしてかき氷を舌で堪能しながら、空に海に輝く火花を目で楽しむっす
この娘の花はこれからどんな輝きを見せてくれるのか?
様々な色に照らされた横顔を見て、そんなことを考える
夏の熱気は夜でも冷めやらず、露店の道を人々が行き交う。その大半が手にしているのは、各々の店が用意した自慢の味で彩られたかき氷の器。露店の明かりから抜け出たリンタロウ・ホネハミは、鼻歌まじりにかき氷を手に、ちらり隣の少女へ視線を向ける。バンリ・ガリャンテは紅茶紅の髪を揺らして歩くも、何故だか黙りこくっていた。
「(参った。俺ってばめちゃくちゃ緊張してる)」
見上げれば何処までも広がる星空、此処からでもわかる、花火のひかりできらめいた浅瀬。UDCアースの夜に出会った憧れの彼の誘いだしに成功したものの、ああ、何を話してよいのやら。だってこれは、デートと言ってもいいんじゃないか。
「(ははぁ、やっぱりカチコチになっちまってるっすねぇ)」
随分前から視線の合わぬ少女の姿に、ここは緊張をほぐしてやろうと青年は思いつき。
「バンリちゃん」
「え、あ、うん……」
どうかしたかと彼の顔を見れば、そこには星型サングラスを掛けた浮かれポンチスター。一瞬呆気に取られながらも、バンリはすぐに、ぷ、と吹き出して。
「あっはっは、陽気な姿じゃねえか!」
「バカンスっすからね、これくらい浮かれてもいいでしょ!」
バンリのゆるんだ表情と雰囲気を読み取って、リンタロウも笑みを深くする。人間、笑ってしまえば緊張の糸はほどけるもの。折角の夏の夜、二人そろって楽しまなくては意味がない。
浅瀬へと辿り着いた二人は、ちょうどよく見つけたスペースに座り込む。既に海は花火で彩られているし、此処ならすぐに花火を落とせるベストポジション。
まずはかき氷を楽しみましょうや、と、リンタロウが手にしているのは、こっくりと明るい色のマンゴーの蜜に、果肉をたっぷり乗せたフルーティなフレーバー。ジューシィかつ濃厚な味わいが、ぎゅっと詰まった甘みで喉を潤してくれる。
バンリが購入したかき氷は、変わり種のチェリーチョコ。さくらんぼケーキのフォレノワールをモチーフに、グリオットチェリーたっぷりの一品は、ショコラとミルクのフレーバーがとぷりと掛かっており、まさにドルチェといった風。ぱくりと口に含めば、露店で買ったとは思えない贅沢な甘味。んー、と、思わず幸せで頬がゆるんでしまう。
「おおっと、バンリちゃんのも中々美味しそうっすね?」
「めちゃくちゃ美味いよ!」
ひと口食べさせたりできればいいのだけれど、今のバンリには高すぎる難易度。うぅ、と内心諦めるよりも早く、リンタロウがすかさず返す。
「良ければ一口もらっても?」
「え。う、うん」
スプーンを大きくひと掬い、差し出した甘いチェリーとショコラミルクは、あ、と大きく開いたリンタロウの口の中へ。こりゃ美味い、とにんまり笑ったリンタロウの隣、照れた笑みが咲いた。
半分ほどかき氷を食べ進めて、デザートタイムを少し休憩する。青年が手早く火を点けてやると、少女が手にした花火はぱちりぱちりと音を立てる。次第にひかりが弾けたのを見計らって、バンリはそっと花火を水の中へ沈めた。
先に水面で輝いていたひかりの群れに混ざるように、少女の流した炎も満開の花を咲かせる。宙で瞬く星屑達と競うようにきらめいている姿は、どこか胸の奥を弾けさせる。
見て、とバンリが指差す先を、リンタロウは静かに見つめて。
「俺の鼓動にあわせて、海中の光がまたたいてら」
「バンリちゃんの鼓動の音は、さぞや綺麗なんでしょうね」
リンタロウの言葉が、今夜の中で一番やわく聴こえたから。煩く騒めく胸のうちを秘した少女の頬に、ほう、と赤みが差す。
――この娘の花は、これからどんな輝きを見せてくれるのか?
様々な彩に照らされた甘い横顔を見て、青年はふとそんなことを考える。
互いの想いに寄り添うように、短いいのち達が光って散った。
共にかがやく、空の星と海の華。
そうやって、猟兵達のひと夏が今年も終わる。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵