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試作型惑星ロボの拳は砕けない。

#スペースシップワールド #【Q】 #クエーサービースト #惑星ロボ

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●マインドミナBVA
 かつてスペースシップワールドにおいて銀河帝国が遺した文献。
 そこに記されていたのは、嘗て『未踏宙域』と呼ばれる宙域において存在した驚異―――クエーサービーストだった。
 その存在は強力な力を持っていた銀河帝国をしても完全に排除することは叶わず、その宙域を諦めざるを得なかった。
 だが、その宙域に居住可能惑星があるかもしれないという可能性は捨てきれない。それ故に道なる宙域への挑戦を名乗り出た勇敢な宇宙船と共に猟兵達は探索に乗り出したのだ。

 その宙域に置いてクエーサービーストは小惑星ほどの大きさを持つが故に、ユーベルコードが有効であったとしても猟兵には、リーチの不利が付きまとう。
 そして、多くのマインドミナBVAを倒すことによって研究の進んだ文献から得られた情報……マインドミナBVAこそが銀河皇帝が所有していた思念兵器『マインド』の材料だとわかったのだ。

 そう、かつての戦いの折、銀河皇帝の姿を見たものならば覚えがあるかもしれない。背に負ったような金色の機械。それこそがマインドなのだ。
 銀河皇帝はこれを『ワープ能力の強化』として使っていたが、これは本来『パイロットの動きやユーベルコードをダイレクトに伝達する装置』、つまり正しく『思念兵器』であった。
 そして猟兵達は考えた。
 これを利用した『惑星ロボ建造計画』が立ち上がったのだ。小惑星ほどの大きさもある巨大ロボットを作り、それを猟兵が操縦することによってクエーサービーストとの『サイズ差』を埋めてしまおうというのだ。
 斯くして、猟兵達による『惑星ロボ建造計画』が始動するのだった。

●惑星ロボ
 グリモアベースに集まってきた猟兵たちを出迎えたのは、ナイアルテ・ブーゾヴァ(フラスコチャイルドのゴッドハンド・f25860)だった。
 いつものように微笑みながら一礼し、顔を上げる。少しばかりワクワクしたような雰囲気が読み取れるのは気のせいだろうか。
「お集まり頂きありがとうございます。皆さん、巨大ロボットを作りましょう」
 唐突な申し出。
 大抵の猟兵達は、なんで?という顔をしていることだろうが、構わずにナイアルテは続ける。
「スペースシップワールドの未踏宙域は皆さんご存知でしょうか? かの銀河帝国でも踏破することの叶わなかった宙域。そこに居住可能惑星が存在しているかも知れない可能性があるのです。しかし、その宙域に巣食うクエーサービーストの脅威は排除しきれておりません」
 そこで! とナイアルテはいつも以上に張り切った様子で説明を続ける。
 クエーサービーストにユーベルコードが有効であることは、すでに実証されている。だが、如何せん相手は小惑星ほどの大きさもある存在だ。
 物理的な射程の問題が浮上しているのだ。どれだけユーベルコードが強力でも、クエーサービーストの圧倒的射程の前には攻撃が当たる前にこちらがやられてしまう。

「マインドミナBVAから得たマインドを用いて『試作型惑星ロボ』を作り出しましょう。皆様の巨大ロボットに対するこだわりが強ければ、思念を受け取った惑星ロボはより頑丈になることでしょう」
 なるほど、これが思念兵器たる所以であるようだ。
 そして、完成させた『試作型惑星ロボ』に全員で乗り込み、未踏宙域に乗り込みマインドミナBVAと戦い、戦闘データを得るのだ。さらに言えば、マインドミナBVAを倒すことによって新たな外殻のパーツを手に入れる一石二鳥であるのだ。

「ただ、試作型惑星ロボは試作型故にそこまで頑丈ではありません。また思念兵器マインドの搭載により、メインパイロットとなった猟兵のユーベルコードを同じ強さで小惑星レベルのサイズにして放つことができます」
 なんだ、ものすごく強いではないかと猟兵達は思ったことだろう。
 だが、強大な力には代償が付きまとう。
「ですが、一度ユーベルコードを放った方は疲労でダウンしてしまうのです。ですから、パイロットを次々と交代して、ユーベルコードを放ち、一体の惑星ロボを皆さんで共有して戦うことになります」

 もしも、この戦闘データを持ち帰れば、試作型惑星ロボはさらなる頑強さを持つ居住可能惑星を求めるスペースシップワールドの人々の新たな希望になることだろう。
 ナイアルテは、少し本筋から放たれところでワクワクしているようであるが……。
「それでは、皆様のご検討と、巨大ロボへの熱いこだわりを楽しみにしておりますね!」
 やっぱり……とグリモアベースに集まってきた猟兵達はわかっていたことだが、ナイアルテの様子に肩をすくめながら試作型惑星ロボの試製へと向かうのだった―――。


海鶴
 マスターの海鶴です。どうぞよろしくお願いいたします。
 今回はスペースシップワールドで『試作型惑星ロボ』と共にクエーサービーストと戦い戦闘データを持ち帰るシナリオとなります。
 ロボ。それはロマンでありますね。

●第一章
『冒険』です。
 マインドミナBVAから『試作型惑星ロボ』を作り出しましょう。
 皆さんの巨大ロボへのこだわりや、こういうのはどうだろうといった思念を受けて『試作型惑星ロボ』はより頑丈になっていきます。
 ただし、試作品なので思念を受けて実現度はまだ高くはないようです。
 みなさまの巨大ロボへのこだわり、ロマンをお待ちしております。

●第二章
 ボス戦です。
 開発した一機の『試作型惑星ロボ』に全員で乗り込んで未踏領域に存在するマインドミナBVAと戦い、戦闘データを得ましょう。
 また戦ってマインドミナBVAを倒せば、その分だけ強化するための新しいパーツも手に入るという算段です。
 また猟兵はユーベルコードを発動し終えるとダウンしてしまうため、マインドミナBVAを倒すまで皆さんは交代でユーベルコードを放ち、攻撃する必要があります。

●第三章
 ボス戦です。
 巨大な敵対存在……つまりは『試作型惑星ロボ』の存在を感知したのか、突如として新たなるクエーサービースト『ヴァキアスEAT』が襲来します。
 第二章で戦った試作型惑星ロボは、マインドミナBVAとの戦いで消耗していることでしょう。
 ですが、ここで負けてしまってはデータを持ち帰ることはできません。この新たなる敵と戦い、データを持ち帰るまでが今回のシナリオとなります。

 それでは、スペースシップワールドにおける未踏宙域へと進出し、居住可能惑星を探す一歩を踏みしめる皆様のキャラクターの物語の一片となれますよう、いっぱいがんばります!
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第1章 冒険 『試作型惑星ロボ開発計画』

POW   :    完成したパーツを組み立てて、小惑星サイズの巨大ロボを完成させる

SPD   :    試作型惑星ロボの完成に必要な装置を作成したり、分割したパーツごとに完成させていく

WIZ   :    試作型惑星ロボの設計を行なったり、必要な資材をもつスペースシップに出向いて交渉する

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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 その小惑星サイズもある『試作型惑星ロボ』の姿はガラクタを寄せ集めたような姿であった。
 もととなったマインドミナBVAの外殻を取り付けだけの姿故に、その歪で無骨な形になっているのだ。
 しかし、思念兵器マインドを搭載した『試作型惑星ロボ』の真骨頂はここからである。

 正しく思念兵器である『試作型惑星ロボ』は、猟兵たちの思念を受けて強度を増していく。
 猟兵それぞれが思い描く巨大ロボへのこだわり、ロマンといった思念を受けて実現度はさておき、強化されていく。
 さあ、猟兵たちよ。己の心に在るロマンを発露し、巨大ロボを作り上げるのだ―――!
ティファーナ・テイル
SPDで判定を
※アドリブ歓迎

『ゴッド・クリエイション』で多腕巨神ヘカトンケイレスを創造してパーツパーツを拾って集めて『スカイステッパー』で要所箇所にいどうして猟兵と話ながら組み上げて行って、パーソナルバリアや防御兼変型ロボット(MS)を創造して『セクシィーアップ・ガディスプリンセス』の💗ビームで強化や変型や溶接をしていって「これなら神様だってビックリだね!」と満面の笑顔。
速さと硬さをウリにできる様に周りにも言いながら口にしながら組み上げていきます。
惑星の様な巨体の中を『神代世界の天空神』で空間飛翔して移動しながら運び組み上げて行きます。

「神様にも匹敵する圧倒的な存在感だね!格好良いよ!」



 それはガラクタをツギハギにしたような姿―――人型をしていた。
 名を『試作型惑星ロボ』。小惑星ほどのサイズも在る大きさであるが、今はあるスペースシップの中のハンガーに牽引されている。
 今はまだ起動すらも成功していないが、必要な物資は未踏宙域にて倒したクエーサービースト『マインドミナBVA』から得られている。
 搭載された思念兵器マインドへと猟兵の思念を送り、強度を上げていけば、同じ小惑星ほどのサイズも在る怪物クエーサービーストであろうとも互角以上に戦うことができるようになるかもしれない。

 そんな巨大な惑星ロボの周りを忙しそうに飛び回るのは、ティファーナ・テイル(ケトゥアルコワトゥル神のスカイダンサー・f24123)であった。
 翼と蛇の尾を持つ神たる身である彼女が、ユーベルコード、ゴッド・クリエイションにて創造した多腕巨神ヘカトンケイレスを用いて要所要所に移動しながら、マインドミナBVAの外殻を惑星ロボに取り付けていく。
「ね、これってどこにくっつけたらいいのかな?」
 集まった猟兵たちと会話をしながら、作業に勤しむティファーナ。他の猟兵たちと会話をするのは、単純に楽しいからということもあるだろうが、彼女の思い描く巨大ロボの概要を共有するためだ。

 思念兵器であるということからも、猟兵たちの思念が『試作型惑星ロボ』の強度や、装備などの実現性を可能な限りトレースしていくことはわかっている。
「パーソナルバリアや防御兼可変型ロボットなんかもどうかな?」
 組み上げていくマインドミナBVAの外殻が変化してくような気がした。ピンポイントでバリアが張れるということは、防御に割くエネルギーを節約することにも繋がるだろう。

 流石に防御用の可変ロボットまでは試作の段階では作り上げることは難しかったようだが、追加のパーソナルバリアを強化する装甲板のような役割を持つパーツが出来上がっていく。
「セクシィーアップ・ガディスプリンセス!」
 その光景を見たものは、一瞬我が目を疑ったことだろう。
 ティファーナの放つピンク色の空飛ぶ謎の波動が次々とマインドミナBVAの外殻を変形、溶接していくのだ。
 どんな理屈でそうなっているのか、わからないがティファーナの神たる力による謎の波動に不可能はないのだろう。
 溶接の跡が微妙に💗が連なった形になっているのはご愛嬌だろう。

「やっぱり速さと硬さがウリだよね。あ、あっちにも、このパーツつけていこー!」
 さらにティファーナは小惑星ほどのサイズも在る惑星ロボの周りをテレポートで移動しながらパーツを運び、組み上げていく。
 彼女のおかげで作業の効率は上がっていく。必要な場所までマインドミナBVAの外殻を運ぶという時間を短縮していくのだ。
 他の猟兵たちの思念も受けて、次々と建造が進む惑星ロボ。
 ただのガラクタが組み上がった人型であった頃からすれば、大分見れるようになってきたような気がする。

 それに何より、一番尊いと思うのは、その巨大さである。
「これなら神様だってビックリだね!」
 満面の笑みでティファーナは仕上がりつつある『試作型惑星ロボ』を見上げる。まだ十分に思念を受けてはいないが、この巨大さ、威容を見上げれば感嘆の声が上がるのもうなずける。
 より巨大に、より頑強に、より早く。

 それがティファーナの思う巨大ロボに対するロマン。そして、もう一つ加えるのならば―――。
「神様にも匹敵する圧倒的な存在感だね! 格好良いよ!」
 満足気に笑い、ティファーナは建造が進む『試作型惑星ロボ』へとサムズアップするのであった―――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ファランス・ゲヘナ
判定:POW

巨大ロボ…それはマシンウォーカーなどの本物があろうとなかろうと永遠に続く男のマロン、もといロマン。
かなえて見せようそのマロン(ぁ)
さて、愛用の自動車と合体。大型になって作業を行ウ。
ちなみに合体後の姿は完成予想図(初期型)ダ。まあ開発中に仕様変更はこの手の大型兵器の常だがナ(勝手1)
オレは胴体部分と頭部を担当。『メカニック』知識を元に組み立てていク。

ここに『武器改造』で改良した隠し兵器を仕込んでおくカ(勝手2)

おっと、このパーツはかなりいい出来だナ。よしこっそりオレのサイン書いておこウ(勝手3)


【その他】
アドリブ他猟兵との絡みOK



 ロマン。それは言葉に言い表すことのできようもないほどに心駆り立てられるものである。
 広い世界、幾多もの世界を行き来する猟兵たちの姿形がそれぞれであるように、その胸に抱いたロマンもまたそれぞれである。
 だが、今回はその多種多様なロマンこそが思念兵器マインドを搭載した『試作型惑星ロボ』に欠かせないファクターであることは言うまでもない。
 見上げる『試作型惑星ロボ』の威容は、その名の通り小惑星サイズもある巨大なものである。
 巨大であれば巨大であるほどに、猟兵の……いやさ、男の子の心は燃え上がる。でかいのが好きなんだよ、男の子は! と何処かの誰かが言っていたかもしれない。
「巨大ロボ……それはマシンウォーカーなどの本物があろうとなかろうと永遠に続く男のマロン、もとロマン」
 球体のスライムボディを弾ませながら、ファランス・ゲヘナ(     ・f03011)は小惑星ほどのサイズもある『試作型惑星ロボ』を見上げていた。

 その姿はガラクタを集めたような人型である。
 かろうじて人型である、とわかるのは先に作業を始めてくれていた猟兵のおかげであろう。すでにピンポイントでバリアを貼るといったエネルギーを節約しつつ防御を行えるように思念兵器であるマインドが猟兵の思念を読み取っていた。
「叶えてみせよう、そのマロン。いや、ロマン」
 ふむ、とファランスは頷くような仕草を球体の姿で見せる。
 愛用の自動車であるビルドロボ用の自動車型魔導蒸気機械が、ファランスと変形がったすることによって大型のロボとなって作業を始める。
 合体した後の姿は、巨大になっているのだが、それでも小惑星ほどのサイズともあろう『試作型惑星ロボ』に施す作業は一苦労である。

 ユーベルコード、ビルドロボットによってファランスが自動車と合体変形した姿が完成予想図であるのだが、様々な猟兵の思念を取り込むことに寄って思念兵器は強固で頑丈になっていく。
 ファランスが思い描いた完成予想図とはおそらく離れたものになるだろうが、彼は納得済みであった。
「まあ開発中に仕様変更は、この手の大型兵器の常だがナ」
 だから仕方ないと割り切るつもりもない。
 ファランスは主に胴体部分と頭部の作業を担当しようと、メカニックたる彼の知識を総動員してマインドミナBVAの外殻を組み上げていく。
 パーツを完成させ、一つの形に作り上げていくのは、さながらブロック遊びのような要領も在る。童心の帰るということがあれば、こういうことを言うのかも知れない。

「ン……ここに隠し兵器なんかを仕込んでおくカ。隠し武器も男の子って感じだヨナ」
 勝手に頭部に組み込まれた隠し兵器。
 それが一体どのような作用を齎すのかは未だ不明であるが、隠し兵器があれば、所謂『こんなときのために!』というセリフも言えるし、何よりロマンがある。
 こんなこともあろうかと! というアレをやりたくなる気持ちもわかる。秘密兵器、いい……。

 さらにファランスはマインドミナBVAの外殻を加工し、頭部のパーツを作成していく。ブレードアンテナのような形状であるが、鋭い切っ先はまさに芸術品である。
 ほれぼれする出来栄えにさすがのファランスもいたずらごころ……ならぬ芸術家魂……ならぬ職人魂を持ってパーツにサインを刻む。
「おっと、こっちのパーツもかなりいい出来だナ。よし、こっちもこっそり……」
 さらりと2つ目のパーツの裏にファランス・ゲヘナのサインが刻まれる。
 もしも、この『試作型惑星ロボ』が後世に語り継がれる事になった時、彼のサインはきっと歴史家の間で物議を醸すことであろうが、今はまだ知る由もないし、そういうことが起こるかどうかもわからない。

 けれど、ファランスのロマンあふれる思念は、次々と思念兵器マインドに取り込まれ、『試作型惑星ロボ』の強度を高めていく。頑強さをまし、ロボの生命である頭部のフェイス部分の造形は、かなり気合の入った格好いいイケメンロボになるのであった―――!

大成功 🔵​🔵​🔵​

村崎・ゆかり
でっかいロボねぇ。
前に組んだ時は帝竜をコンセプトにしたけど、今回は違う切り口で行きましょ。

巨体ということは、それだけ射程も威力も上げられる。
あたしが目指すのは遠距離攻撃型の機体。敵の射程外から主砲をぶっ放す!

黒鴉召喚でロボの装甲が足りてないところを見つけては、そこに装甲を補充していきましょ。
遠慮は無し。じゃんじゃん盛っていくわよ。

主砲のデザインをどうするかよねぇ。肩に乗せてもいいけど、ここは一つ、胸部中央に発射口を設けて、大威力の一撃を放ちたいわ。

コードネーム、『ミカヅチ』。あたしはこの機体をそう呼称する。
そうと決まれば、胸部の装甲だけじゃなく入出力系にも手を出したい。

頼むわよ、『ミカヅチ』。



 マインドミナBVAの外殻を元に思念兵器マインドを組み込まれた人型の巨人『試作型惑星ロボ』。
 その建造にあたって、すでに同じような試作型ロボの建造に参加したことのある者達の言葉は重要である。
 試行錯誤、というものが兵器の安定性を築き上げていくのだとしたら、一度目の参加よりも二度目の参加はより安定性を増す思念が得られるであろうからだ。
 もしかしたのならば、一度目には盛り込めなかったものを盛り込もうと挑戦心を滾らせる者もいたかもしれない。どちらにせよ、思念兵器である以上、猟兵の思い描く巨大ロボへのこだわりはあればあっただけ良いものだ。

「でっかいロボねぇ。前に組んだ時は帝竜をコンセプトにしたけど、今回は違う切り口で行きましょ」
 これが二度目の『試作型惑星ロボ』の建造になる村崎・ゆかり(《紫蘭(パープリッシュ・オーキッド)》・f01658)は、ガラクタが人型に組み上げられたであろう姿の巨体を見上げた。
 すでに他の猟兵たちの作業に寄って、格好良いフェイス、内蔵武器、ピンポイントバリアなど様々な工夫が盛り込まれている。

「巨体ということは、それだけ射程も威力も上げられる」
 クエーサービーストの小惑星ほどのサイズもある巨体をどうこうしようと生み出され始めたのが『試作型惑星ロボ』である以上、彼女の上げた条件は必須条件である。
 ならば、彼女の思い描く巨大ロボは如何なるものが相応しいか。
「あたしが目指すのは遠距離攻撃型の期待。敵の射程外から主砲をぶっ放す!」
 こちらの攻撃は届くが、あちらの攻撃は届かない。
 確かに戦いにおいては理想であろう。その思念を受けて、マインドミナBVAの外殻がパーツへと変化していく。

「急急如律令! 汝は我が目、我が耳なり!」
 彼女のユーベルコード、黒鴉召喚(コクアショウカン)によって召喚されたカラスに似た鳥形の式神が次々と出来上がったパーツを、装甲が足りていない場所を見つけては貼り付けていく。
 二度目の参加では在るが、彼女は意気揚々と式神を操り、小惑星ほどのサイズもある巨体へとパーツを次々と組み上げていく。
 徐々に組み上がっていく『試作型惑星ロボ』。パーツの足りていないと感じた場所を重点的に装甲を配置することで、防御力を上げていく。

「主砲のデザインをどうするかよねぇ。肩に乗せてもいいけど、此処は一つ、胸部中央に発射口を設けて、大威力の一撃を放ちたいわ」
 丁度、他の猟兵のアイデアにあった隠し兵器。
 その組み込まれていた思念によって、胸部に開いたスペース。そこに彼女の思い描く胸部発射口を組み上げていく。
 ここから放射型のユーベルコードを放つ事ができれば、両腕、両足を自由に扱える上に、デッドスペースを活用できるようになる。

「ふむ、中々いい感じじゃない。コードネーム『ミカヅチ』。あたしはこの機体をそう呼びましょう」
 いつのまにかゆかりは勝手に機体の名前をつけていた。
 まあ、そこは他の猟兵もブレードアンテナなどにサインを刻んだりと好き勝手にしていたりと自由であったので、今更名前をどうこう言う者もいないだろう。
 名前をつけることによってテンションのあがったゆかりは、次に胸部装甲だけではなく、出力系の機構にも手を出していく。
 形がどうなるか、実現度がどうなるかはまだわからない。
 けれど、それでもゆかりは己の心のなかにあるロマンを発露させていく。名前が決まれば愛着も湧く。

 そうした何気ないことが、『試作型惑星ロボ』の力に変わっていくのだから。
「頼むわよ、『ミカヅチ』―――!」

大成功 🔵​🔵​🔵​

テリブル・カトラリー
【POW】
巨大ロボ…ロマンか、私にはよく分からないものだが…
こいつは、銀河帝国が諦めた宙を乗り越える為の手段な訳だ。

【ハイ・オーバーコート】使用。
ならば、頑丈かつ機敏に、同じマシンだからというのもあるが、
より長く稼働し続けられるよう基礎を作ってやりたいな。

超巨大な躯体の怪力と飛翔能力を活用してパーツを運び、
メカニック陣からの情報収集、装甲やブースター等のパーツを適切に組み上げて形を整え、継戦能力と機動力を引き上げる。

ついでに私がもっている機械刀と自動拳銃に相当する武器を持たせておこう。こいつの機動力なら、きっと使える。

浪漫が理想であるならば、私はこいつが己の存在理由を果せるよう、力を尽くそう。



 巨大なるもの。その雄々しき姿に人はロマンを見出す。
 心駆り立てられる何かは、生命たる者の心に宿るものであるのかもしれない。それが故に機械の体を持つ、無機物で構成されたウォーマシンたるテリブル・カトラリー(女人型ウォーマシン・f04808)にはわずかに理解し難い感情であったのかも知れない。
 銀河帝国より生まれ出ずる彼女にとって、戦うことが彼女の存在理由である。彼女の体は確かに機械の体、ウォーマシンであるが、だからといって戦いを好む理由にはなりえていなかった。
「巨大ロボ……ロマンか、私にはよくわからないものだが……こいつは銀河帝国が諦めた宙を乗り越える為の手段なわけだ」

 瞬時にテリブルの身体が無敵の超巨大機械兵器に覆われる。
 ユーベルコード、ハイ・オーバーコート。
 それは彼女の身体を巨大機械兵器によって包み込むことに寄って、その巨大さを生かした戦い方が出来るようになるユーベルコードだ。
 けれど、今、彼女は敵を撃滅するためではなく、そんな彼女よりもさらに巨大な『試作型惑星ロボ』の建造に役立てようとしていた。
「ならば、頑丈かつ機敏に、同じマシンだからというものがあるが……より長く稼働し続けられるよう基礎を作ってやりたいな」

 彼女が思い描くのは、より頑丈に、機敏に。
 敵の攻撃を受けてもびくともせず、敵の攻撃を徒に貰うこともない。そんな機体。傷を負わなければ損壊もなく、敵の攻撃に当たらなければそれだけ稼働する時間は増えていく。
 それはウォーマシンである彼女が他の機械に思うことでもあった。
 壊れ、役目を終えるがことが機械の宿命であるというのならば、その時が先延ばしになることはある意味で延命のようなものであったのかもしれない。
「装甲板でブースターを囲えば、被弾したときの保証になるか。このパーツの形状を整えれば―――」
 宇宙船のメカニックたちからも情報を集め、彼女の思念が思念兵器『マインド』へと注がれていく。

 彼女の思いは、少しでも長く戦えるように、そして、できるだけ傷つかずにという二つが大きなものであった。
 継戦能力の問題は、先の猟兵達が建造していく中で様々なエネルギーロスや、節約を行う工夫が盛り込まれている。
 これならば、機動力と継戦能力の両立は可能であろう。
「武装、がないか。ならば、私の持っている機械刀と自動拳銃に相当する武器をもたせておこう。こいつの機動力なら、きっと使いこなせる」
 彼女の持つ自動拳銃、大口径の大型マグナムと刀身を超高熱へと引き上げる機械刀サムライブレイド。

 その二つの武器を組み合わせたようなガンブレードが『試作型惑星ロボ』の手に握られる。
 複合的な扱いをできる武装へと思念が混ざりあって変貌したのだろう。
 変形機構は構造の脆弱さを招くかも知れないが、猟兵たちの思念を受けて構造の強度は上がっていくだろう。
 取り回しよく、遠近両用で戦えるのであれば、いざという時も対処がしやすいだろう。
「浪漫が理想であるならば、私はこいつが己の存在理由を果たせるよう、力を尽くそう……」
 見上げる『試作型惑星ロボ』の威容を見て、テリブルはわずかに満足が行く気がした。まだまだクリアしなければならない問題は山積している。
 けれど、彼女の存在理由と同じ、戦うことを宿命付けられた機械の巨人。
 その責務、存在理由を果たせるように。

 その思念は確かに、『試作型惑星ロボ』の強度を上げていくのだった―――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

トリテレイア・ゼロナイン
未踏宙域における居住可能惑星発見は全SSW民の悲願
その礎となるデータ収集、騎士として全力を尽くすのみです

…とは言え、惑星ロボ建造はこれで4回目
『騎士のような近接戦重視のロボ』のデータは十分送りました

マインド素材にどれだけ思念を反映した機能を持たせられるか
転移…ワープという解禁技術で検証

UC用いワープ機能設計
形状は剣の形に
どちらかと言えば制御用の魔法の杖ですが

切っ先向けた先の『障害無視した』任意座標に機体、砲弾などを転移させ移動や攻撃を可能に

『壁の中にいる』防止の為、対象の内部構造すら把握する●情報収集センサーも必要です

技術の兵器転用…私がしなくとも誰かがという言葉は免罪符にもなりませんね…



 スペースシップワールドにおいて、居住可能惑星の発見は悲願でもあり、宿願でもあった。
 宇宙に広大なる版図を持つ銀河帝国であっても、『未踏宙域』を踏破することはできなかった。その最たる理由がクエーサービーストである。
 小惑星ほどのサイズもある巨大なる宇宙怪獣がひしめく『未踏宙域』にこそ、銀河帝国も見つけられなかった居住可能惑星を見つけることのできる希望が残されていのだ。
「居住可能惑星発見は全スペースシップワールドの民の悲願。その礎となるデータ収集、騎士として全力を尽くすのみです」
 トリテレイア・ゼロナイン(紛い物の機械騎士・f04141)の中にある騎士道物語に由来する騎士道精神は、誰がために戦うときにこそ力を発揮する。

『試作型惑星ロボ』の建造はまさに、彼が全力を尽くす理由としては十分なものであった。
 そして、何を隠そうトリテレイアが『試作型惑星ロボ』建造計画に参加するのはこれで4回目である。
 これまでの経験のフィードバックも手伝って、彼の思念は洗練されてきていることだろう。
 過去3度の建造計画では、彼の思う『騎士のような近接戦重視のロボ』としてのデータは十分に送ったと言える。

「ならば、今回試すべきことは―――」
 トリテレイアあ考える。思念兵器マインドは、正しく思念兵器である。猟兵たちの思念を受けて形を変える、強度を増す、実現度は置いておいても再現されていく形。
 その結果を受けて彼が考えたのは―――。
「転移……ワープという解禁技術で検証」
 ユーベルコード、鋼の擬似天眼(マルチセンサー・フルアクティブモード)。それはネットワーク、センサーなど、ありとあらゆる場所からの情報を収集することによって、彼の電脳の中で行なわれる超高速う演算での解析を元に得たデータを組み上げるユーベルコード。

 今回彼が電脳ではじき出したワープという技術。
 それを最も実現性が高く、安定性があり、もしも不慮の事故が起きたとしても危険を排除できるもの……それは剣の形状をしたワープ技術搭載型武装。
 剣としての形は残っているものの、ワープ技術を安定させる、限定的に発露させるための機構としては杖が近いであろう。
 実際彼の思念を受けて得た形は杖のような形をした武装であった。
「切っ先を向けた先……力場を産み出し、任意座標に機体を転移させるのが目的ではありましたが……ふむ。機体本体は大きすぎて、現時点では不可能のようですね」

 限定的であれば、彼の思念も実現可能であったようだった。
 砲弾などを転移させることができれば、回避が難しい攻撃として放つことができよう。さらに武装の中には転移失敗を防ぐために、対象の内部構造などを把握するためのセンサーも必要である。
 トリテレイアの電脳が次々とマインドミナBVAの外殻に思念を送り込み、形を成していく。
「技術の兵器転用……私がしなくとも誰かが……」
 いつかは誰かが悪意を持って転用するかもしれない。もしかしたのならば、善意を持った者が転用するかもしれない。
 どちらに転ぶのかわからない賽の目のような現実。
 これを免罪符にするわけにはいかないとトリテレイアは思う。けれど、それでも目の前の脅威、クエーサービーストを倒すためには必要な技術であると彼は確信していた。

 だからこそ、己を免罪符で覆うのではなく、彼自身の意志で進む。
 その強い心、思念が『試作型惑星ロボ』の強度を上げていくのだった―――。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 ボス戦 『クエーサービースト・マインドミナBVA』

POW   :    BVAジェノビック
【無限に変化する外殻が超殺戮形態 】に変形し、自身の【防御力】を代償に、自身の【攻撃力と攻撃速度】を強化する。
SPD   :    BVAエクスタリ
いま戦っている対象に有効な【無限に変化する外殻が変形した殺戮兵器 】(形状は毎回変わる)が召喚される。使い方を理解できれば強い。
WIZ   :    BVAリモーフ
対象のユーベルコードを防御すると、それを【無限に変化する外殻によって再現し 】、1度だけ借用できる。戦闘終了後解除される。

イラスト:はるまき

👑11
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 猟兵たちの思念を受け取って、マインドミナBVAの外殻は形を変えていく。
 巨大ロボへの思い、ロマンが『試作型惑星ロボ』―――通称『ミカヅチ』とよばれるようなった巨人へと受け継がれていく。

 小惑星ほどのサイズも在るとは思えないサイズの巨体が宇宙空間でもって高機動を成し得るのは、脚部に効率的に設けられたバーニアやスラスター。
 回避行動に優れているが、装甲には所々にピンポイントでバリアを張ることもできる。さらに装甲に設けられた自在に動くバリア発生装置は宇宙空間で自在に展開し、バリアを広範囲で広げることも可能になっていた。

 さらにその象徴たる頭部には情報を収集し統括するブレードセンサー。そのフェイス部分は誰がどう見てもかっこいいと言えるほどに精悍な顔つき。
 手にするのは白熱するガンブレード。
 超高温で敵を切り裂くこともできれば、ガンモードに切り替えて遠距離も行うことができる。
 もう片方の手に装備された杖のような形状のワープ制御装置。
 放たれる砲弾を転移させ、回避不可能な攻撃を放つこともできる。

 さらには胸部に隠された隠し兵器―――胸部発射口。
 放出系のユーベルコードを使用する際に、腕がふさがっていても放つことの出来る武装はまさに虎の子である。

 そうして完成を見た『試作型惑星ロボ』―――『ミカヅチ』。
 継戦能力と防衛力に優れた惑星ロボの初陣は、けたたましく鳴り響く警報によって飾られることになった。

 ここはすでに未踏宙域。
 いつクエーサービーストが現れてもおかしくない。そして、猟兵達は、この『試作型惑星ロボ』の目的を忘れていなかった。
 現れたクエーサービースト、マインドミナBVAに惑星ロボが実力を発揮できなければ、未踏宙域を踏破することなど夢のまた夢。
 確実にマインドミナBVAを倒し、戦闘データを得、そしてさらなる強化を図る材料としてマインドミナBVAの外殻を持ち帰らなければならない。

「―――放つことの出来るユーベルコードは猟兵一人に付き、一度だけ。疲労が回復するまで、何度もメインパイロットを切り替えながら戦わなければならない」
 そのアナウンスを聞き、猟兵達は『試作型惑星ロボ』―――『ミカヅチ』へと乗り込んでいく。

 その完成された力を持って、未踏宙域の明日を切り開くために戦うのだ―――!
村崎・ゆかり
ここまでは順調だったけど、いよいよクエーサービーストのお出ましね。行きましょ、『ミカヅチ』。
あたしが力を使い切った時のためにアヤメをコクピットに同席させて、準備よし。

敵攻撃範囲外より、『主砲』発射準備!
目標捕捉。胸部発射口開放。
これより主砲発射態勢に入る。総員、耐衝撃防御!

「全力魔法」雷の「属性攻撃」「なぎ払い」の九天応元雷声普化天尊玉秘宝経を胸部発射口から放出する。
雷撃は宇宙空間でも減衰しないわ。その巨体、この雷撃で、砕く!

……ん、この脱力感は何度やっても慣れないわね。アヤメ、肩貸して。
クエーサービーストの射程に入る前に、次の人にここを譲らないと。
先制攻撃は上々。後はお願いするわ。



 マインドミナBVAの外殻が無限に変化していく。
 それは思念兵器であるマインドの特性を表すかのようであり、それ故に『試作型惑星ロボ』の材料となったのだ。
 クエーサービースト、マインドミナBVA。
 それは無限に変化する外殻が变化する殺戮形態。あらゆる生命を許さぬと放たれれる外殻からの一撃は、如何なる宇宙船の装甲をも容易く貫き引き裂くだろう。

 それは『試作型惑星ロボ』―――『ミカヅチ』も例外ではない。
「ここまでは順調だったけど、いよいよクエーサービーストのお出ましね。行きましょ、『ミカヅチ』」
 村崎・ゆかり(《紫蘭(パープリッシュ・オーキッド)》・f01658)は、己が力を使い切ったときの事を考えて、式神アヤメを召喚し、コックピットに同席させる。
 一人用のスペースであるが、ウォーマシンや様々な種族うに対応するために広くスペースを取っていたのが幸いして、二人分のスペースをなんとか確保する。

 いまだクエーサービースト、マインドミナBVAと彼我の距離は幸いに放たれている。彼女が提案した敵射程外からの攻撃に寄って敵を殲滅するというコンセプトを試すには十分な距離であった。
「敵攻撃範囲外より『主砲』発射準備!」
 コクピットのディスプレイに表示されるリング。照準を合わせていく計器が作動し、充填されていくユーベルコードの力が分かる。
 視覚的に情報が習得できるのはありがたいことであった。
「目標補足。胸部発射口か、解放。これより主砲発射形態に入る。僧院、耐衝撃防御!」

 マインドミナBVAから齎された外殻が変化し、胸部が開放されユーベルコードを放つ射出口が露出する。
「その巨体、この電撃で、砕く! ―――九天応元雷声普化天尊! 疾っ!」
 ユーベルコード、九天応元雷声普化天尊玉秘宝経(キュウテンオウゲンライセイフカテンソンギョクヒホウキョウ)。それは周囲の視界を阻害するほどに強烈なる電撃の本流となって、『試作型惑星ロボ』の胸部に設置された発射口から放たれる。
 その眩い輝きは、宇宙空間に置いても減衰しない圧倒的な破壊の力となって、マインドミナBVAへと吸い込まれるようにして放たれた。

 周囲に浮かぶ宇宙船の残骸を破壊しながらも、マインドミナBVAに命中し、その外殻を焼く。
 明滅する光は、その一撃が惑星サイズにサイズアップされた弊害であろう。モニターに映る光は宇宙を白く染め上げ、周囲の計器を一時使用不能にするほどの雷撃であった。
「……ん、この脱力感は何度やっても慣れないわね。アヤメ、肩貸して。この一撃でやれるとは思えないから……次の人にここを譲らないと」
 ぐったりと力が抜けたゆかりを抱える式神アヤメ。
 そう、『試作型惑星ロボ』の特性。
 ユーベルコードを惑星サイズに巨大化して放つことができるが、その力の浪費は猟兵へと負担される。

 さらに強烈なる先制攻撃は、胸部射出口に多大なる負担を負わせた。
 マインドミナBVAの接近を許すことはなく、射程外から一方的に攻撃を与えることができた代償であろう。
 何度も連発していては、射出口が使用不能になるだろう。次なる建造への問題点として注意しなければ、とそんなことを考えながらもゆかりは疲労困憊のまま、式神アヤメに抱えられてメインパイロットを辞する。
 次なる一撃を放つため、猟兵がやってくる。
 霞む視界であってもわかる彼等の姿を捉え、ゆかりは言う。

「先制攻撃は上々。後はお願いするわ」
 託された思いを受けて、未だ健在であるマインドミナBVAを打ち倒すべくメインパイロットが変わる―――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ファランス・ゲヘナ
Huhahahaha、見ロ。オブビリオンがゴミのようダ。惑星ロボが完成の暁にはクエーサービーストなぞあっという間に滅ぼしてくれるワ。なぜならバ、あの銀河帝国のようにナーッ

魅せてもらろうカ、惑星ロボの性能とやらヲ。
コロニーレーザー“シュバルツェスマーケン”を接続。
『武器改造』で接続部を改造済みダ。

『力溜め』+『魔力溜め』で艦内動力をチャージ。
『偵察』に出した“自動哨戒機01号“竜牙””から周辺の『情報収集』より射線情報を確認。

トリガーセット

俺が射手を務める『スナイパー』で狙いをつける…
文明破壊砲…。発射ッ

ハハハハ、この惑星ロボ完成の―えっその台詞二回目…



―隠し武器先に使われた悲しみを知れ―(ッ)



「Huhahahaha、見ロ。オブビリオンがゴミのようダ。惑星ロボが完成の暁にはクエーサービーストなぞあっという間に滅ぼしてくれるワ。なぜならバ、あの銀河帝国のようにナーッ」
 その声は『試作型惑星ロボ』のメインコクピットの中に響き渡る。
 この『試作型惑星ロボ』から見れば、通常のオブリビオンなど米粒程度の大きさしかないだろう。
 ファランス・ゲヘナ(     ・f03011)の瞳と『試作型惑星ロボ』のツインアイに映る光景はまさに絶景であった。
 銀河の星々が煌めく。
 その全天を覆う光景は地上で見る星々よりもずっと輝きに満ちていたことだろう。だが、その星々の中に異様なる巨大な生物がいる。
 マインドミナBVA。クエーサービーストの一種である。

 先程のメインパイロットを務めた猟兵の放ったユーベルコードの雷撃が、巨大な体の表面を焦がしている。
 麻痺したように動きを止めたその瞬間をファランスは見逃さなかった。

「ふム。魅せてもらおうカ、惑星ロボの性能とやらヲ。コロニーレーザー“シュバルツェスマーケン”の接続を開始」
 ファランスのユーベルコードが発動する。
 それは彼がスペースシップワールドで所有するコロニーレーザを砲身とし、『試作型惑星ロボ』の隠し兵器である胸部発射口と接続する。
 コロニーレーザーの一撃は凄まじい一撃であるが、『試作型惑星ロボ』の出力をチャージすれば、さらなる一撃となるだろう。

「艦内動力をチャージ。“自動哨戒機01号”“竜牙”より入電。進路クリア―――」
 コクピット内の電子音声がガイドするままにコロニーレーザーと胸部発射口との連結が完了する。
 ファランスはこんなときのために! とコロニーレーザーと胸部発射口との連結を可能とするように改造を重ねていたのだ。
 実際には隠し兵器を先に使われてしまった哀しみが、ちょっとはあるとかないとか。
「トリガーコントロールをメインパイロット、ファランスに譲渡」
 電子音声が響く。
 コロニーレーザーの砲身の中に充填されたエネルギーが発光し、その輝きのまばゆさにマインドミナBVAが気がついたが、もう遅い。

「アイハブコントロール! トリガーセット! 俺が射手を務める―――」
 ターゲットリングの照準が合う。
 その瞳の先に在るのは、マインドミナBVAの巨体。先程の雷撃が広範囲に展開し、対象を麻痺させるのであるとすれば、今放たれようとしている一撃は、狙いすました針のような一撃。
 この広大な宇宙に置いて、僅かなズレは数kmの誤差を生む。
 だが、ファランスに焦りもなければ不安もない。ただただ、己のスナイパーたる技量を信じるのみ。

「文明破壊砲(シヴィライゼーション・デストロイヤー)―――。発射ッ」
 放たれた光条が一直線にマインドミナBVAの体へと走り、その巨大な体、外殻を融解させて貫く。
 その一撃はまさに歴史を変える一撃!
 マインドミナBVAの絶叫が聞こえるはずもないのに、それでも相当な痛手を負わせた手応えを感じ、ファランスは満足げに頷く。

「ハハハハ、この惑星ロボ完成の―――えっその台詞ニ回目……あ、これはヤバイやつ」
 メインパイロットの放つユーベルコードは、一撃放つだけで疲労困憊になる。
 体を襲う倦怠感。
 これはしばらくの間、動けない。情報収集をするアイセンサーから伝わる情報に未だマインドミナBVAの姿は健在である。
 相手の射程外からの遠距離狙撃はうまく推移している。
 砲身となったコロニーレーザーを分離させ、ファランスはメインパイロットのコクピットから運び出されたのであった―――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

トリテレイア・ゼロナイン
使用兵装の性質上、騎士の様に戦うのは不可能
ならば徹底的に性能を引き出すまでです

周囲の小惑星やマインドミナ破片を転移させ攻撃を防ぐ盾として使用
また足元に転移させ●踏みつけスラスターのみでは不可能な急速方向転換による三次元機動で接近

変異外殻攻撃はガンモードで●スナイパー武器落とし
更に銃弾を運動エネルギーそのまま転移
銃口を向けずに上下左右、四方八方の攻撃への迎撃に使用
センサーの●情報収集で転移すべき位置は●見切れます

止めは接触起爆するUCをマインドミナ『内部』へ転送射撃
衛星型で鈍い敵への転移位置特定は容易
核が露出するよう内側から吹き飛ばし

効果は兎も角、心情としてはあまり使いたい戦法ではありませんね…



 遠距離射程外からの砲撃に寄るクエーサービーストの殲滅。
 それが今回の『試作型惑星ロボ』のコンセプトであった。多数の猟兵が思い描いた巨大ロボの特性。敵射程の外から一方的に砲撃することができれば、本体の損傷を抑えながら長く戦うことができる。
 だが敵射程外から砲撃を加えるということは、それ相応のエネルギーと砲身の強度が必要となるだろう。
 未だ試作段階である惑星ロボにおいて、その強度までは実現ができなかった。
 猟兵のユーベルコードを放出する胸部発射口は、雷撃とコロニーレーザーの砲身を用いいた砲撃に寄って、損傷が激しくなってきている。

「使用兵装の性質上、騎士のように戦うのは不可能。ならば徹底的に性能を引き出すまでです」
 ユーベルコードを使用し、疲弊した猟兵の代わりにメインパイロットへとなったのは、トリテレイア・ゼロナイン(紛い物の機械騎士・f04141)であった。
 彼の騎士信条から考えれば、遠距離から砲撃を行うというのは騎士道精神に則ったものではないかもしれない。
 けれど、ここはスペースシップワールド。さらに言えば未曾有の危険、宇宙怪獣たるクエーサービーストが巣食う『未踏宙域』なのである。手段を選べるほど、まだ人類の技術力は高まっていないのだ。

『試作型惑星ロボ』の左手に装備された杖のような転移装置を掲げる。周囲の小惑星やマインドミナBVAの砲撃に寄って破損した破片が漂うものを、転移技術によって引き寄せる。
「機体そのものを転移させることが不可能であるというのならば―――このような使い方は如何でしょう!」
 それは引き寄せた小惑星、外殻の破片を盾として使うのではなく、足場として使う方法。
 宇宙空間に置いて方向転換はスラスターの噴射によって行なわれる。
 だが、トリテレイアは、『試作型惑星ロボ』のスラスターを噴射すれば、余計な燃料を使うことをわかっていた。

 故に最小の燃料と運動エネルギーだけで移動することを選択したのだ。
 次々と足場となる小惑星や破片をけって『試作型惑星ロボ』が宇宙空間を駆け抜ける。
 三次元機動によって可能とする不規則な動きにマインドミナBVAの攻撃の手が止まる。どこに狙いをつけていいのかわからないのだろう。
 無限に増殖する外殻による攻撃を無作為に放つ。それは無限増殖するがゆえの力技。
「そのような無作為な攻撃に翻弄されるとでも言うのですか!」
 ガンブレードをガンモードに切り替えて砲撃し、その外殻の増殖による攻撃の起動をそらしながらトリテレイアは『試作型惑星ロボ』を操る。

 トリテレイアのアイセンサーが輝くのと同時に、『試作型惑星ロボ』のアイセンサーが輝く。
「……スペースシップワールドの科学の勝利です!」
 放たれるユーベルコードは、制御妨害粒子散布用試製炸裂徹甲榴弾(アンチユーベルコード・アーマーグレネード)。
 任意で炸裂することのできるユーベルコード制御妨害する弾丸を上下左右、四方八方へと放つ。
 その行動は不可解なものであったことだろう。
 砲撃とは即ち、目標と自身の点と点を直線で結ぶ、もしくは放物線で結ぶ行為である。だというのに、放たれた弾丸の先にマインドミナBVAの姿はない。

 だが、この『試作型惑星ロボ』に搭載された武器。
 ワープ技術を司る杖の如き武装を持ってすれば―――。
「座標固定。転移開始! 予測不能、回避不能なる一撃を受けて頂きましょう!」
 杖の如き武装が輝く。
 瞬間、四方八方へと放たれた弾丸がマインドミナBVAの内部へと転移する。
 無限に増殖するのであれば、それを制御するのはユーベルコードであろう。ならば、その動きを止めるのが、トリテレイアの放ったユーベルコードである。
 しかも内部で炸裂したそれは、内側から外殻を吹き飛ばし、その核を露出させる。

「効果は絶大……それは兎も角、心情としてはあまり使いたい戦法ではありませんね……」
 騎士としての矜持。
 それを思えば、褒められた戦法ではないだろう。けれど、疲労感漂う電脳が収集するデータには、満足が行く。
 これが機械騎士としての在り方なのだとすれば、そう捨てたものではなかったのである―――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

テリブル・カトラリー
クエーサービースト。
銀河帝国を阻んだ存在にミカヅチがどこまで行けるか、試してみよう。

マインドミナBVAの超殺戮形態の情報収集。
ガンブレードを投擲、ワープ制御装置起動、転移。
転移先は、マインドミナBVAと超殺戮兵器の接続部。
超高温ブレードの鎧無視攻撃で兵器を敵から斬り離す。

【換装・邪神兵器】発動。私の換装した腕から神気を引き出す。
高速移動で接近、ミカヅチを通して増幅した神気を、切り離した殺戮兵器に流し即席ガントレットに武器改造。

殴り…飛ばす!
躯体の怪力でガントレットを振るい、マイントミナBVAを殴る。
吹き飛ばし、生命力吸収。

ミカヅチは十分。だが、私が持たないか…
最後にワープ装置で投げた武器を回収



 内部よりの炸裂弾の爆発に寄って、クエーサービースト、マインドミナBVAの体は内側から破壊されていく。
 外殻は未だ健在であるが、露出した核のような存在はむき出しになっている。今が好機であることは間違いなく、『試作型惑星ロボ』―――『ミカヅチ』の性能は十全に発揮されている。
 だが、問題はここからである。
 敵射程外からの一方的な砲撃に加え、転移技術に寄る攻撃。そのどれもが有効であったが、決定打ではない。
 やはり、最後に物を言うのは―――。

「クエーサービースト。銀河帝国を阻んだ存在に『ミカヅチ』がどこまで行けるか、試してみよう」
 テリブル・カトラリー(女人型ウォーマシン・f04808)がメインパイロットとなり、アイセンサーとブレードアンテナから収集される膨大な情報を並列に処理していく。
 マインドミナBVAの外殻は健在であるが、内部はすでに攻撃に寄ってずたずたにされていることだろう。
 自分たちの目的はデータ収集とマインドミナBVAの外殻の確保。
 ならば、テリブルのやるべきことは単純明快であった。

「ワープ制御装置起動、転移」
 手にしたガンブレードをブレードモードにして投擲する。その一撃は直線的なものであり、マインドミナBVAもまた、その攻撃を回避しようと動き出す。 
 だが、左手に装備した転移装置である杖のような武装が、回避を許さない。
 投擲されたガンブレードは、狙いを過たずに転移し、マインドミナBVAの殺戮兵器との接続部に突き刺さる。
 超高温ブレードの、ありとあらゆるもの溶断する一撃は、内部からの爆発に寄って破綻仕掛けていた接続部を容易く両断せしめる。

「思っていた以上に脆くなっているな。他の猟兵たちのユーベルコードが余程堪えたと見える。ならば―――」
 テリブルのユーベルコード、換装・邪神兵器(アンディファインド・クリーチャーウェポン)が発動する。
 それは彼女の換装された腕の封印を解除し、抽出した神気を引きずり出す。ユーベルコードは、『試作型惑星ロボ』を通じて、小惑星サイズまで巨大化する。

 当然、テリブルの引き出した神気もまた、それに倣うのだ。
「その拳、貰い受ける。『ミカヅチ』―――!」
 ガンブレードによって溶断され、切り離された外殻、マインドミナBVAの殺戮兵器を掴む『試作型惑星ロボ』、『ミカヅチ』の腕に、思念兵器としての本領が発揮される。
 しかも、ユーベルコードに寄って引き出された神気が、殺戮兵器の形を変化させていく。即席であるが、それが巨大なガントレットのような威容であった。
「殴り……飛ばす!」

 やはり、最後に物を言うのは―――拳であった。
 振り上げられる、小惑星ほどもあるサイズの拳。
 それは鉄拳というには、あまりにも大きすぎた。振り下ろされた拳の一撃は、まさに隕石の直撃以上の衝撃となって、マインドミナBVAの核を砕く。
 たった一撃。
 けれど、ユーベルコードによる強化、そしてマインドミナBVA自身の殺戮兵器の威力が上乗せされた、その一撃は核だけを狙いすましたように粉砕する。
「外殻はそのままに、その魂だけを砕かせていただく―――!」
 テリブルは脅威を前にしても冷静であった。
 彼女たちの目的は『試作型惑星ロボ』の戦闘データ収集。そして、マインドミナBVAの外殻である。
 倒すのはいいが、外殻が損壊していては意味がない。
 だからこそのユーベルコード。

 対象に肉体を傷つけず、『生命力』のみを攻撃するユーベルコードを選択した彼女の戦法は、正しく戦いを理解するウォーマシンならではであった。
「ミカヅチは十分……だが、私が持たないか……」
 マインドミナBVAの沈黙を確認し、ワープ装置で投擲したガンブレードを回収し、テリブルはガクリと頭を垂れる。
 ユーベルコードを一発放つだけで、この疲労感。ここは改善すべき場所であろう。
 だが、それでもマインドミナBVAとの戦いは終わった、しかも損壊もほとんどなしでの勝利だ。

 これは誇るべきことだろう。
 外殻はほとんど無償で手に入った。これでさらに『惑星ロボ』の強度を上げていけば……『未踏宙域』を踏破する日も、そう遠くはない。
 そう思いながら、テリブルは体を休めるためにメインコクピットを辞するのであった―――。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『クエーサービースト・ヴァキアスEAT』

POW   :    EATグラトニウム
【周囲に蠢く存在を喰らいたいという暴食】の感情を爆発させる事により、感情の強さに比例して、自身の身体サイズと戦闘能力が増大する。
SPD   :    EATマテリライズ
【外殻を物質を破壊する超振動モード】に変形し、自身の【喰らった栄養分の消化】を代償に、自身の【外殻の防御力・スピード・反射速度】を強化する。
WIZ   :    EATベルゼバブル
【あらゆる生物・物質を消化する分解液の霧】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。

イラスト:史牙空兎虎

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠メイスン・ドットハックです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 マインドミナBVAを退けた猟兵達。
『試作型惑星ロボ』―――『ミカヅチ』は大勝利を収めたといってよかった。
 機体自体の損壊は、胸部射出口のみ。他の機体の損壊箇所は見受けられず、武装であるガンブレード、ワープ装置である杖は損傷もない。

 あとは今回得た戦闘データとマインドミナBVAの外殻を持ち帰るだけ―――だった。
 疲労感が未だ抜けぬ猟兵たちの意識を戦いへと引きずり戻すのは、けたたましい警報音。
 それはこの宙域に圧倒的なスピードで迫る異物を知らせる警報音であった。

『試作型惑星ロボ』のアイセンサーが捉えるのは、新たなるクエーサービースト、ヴァキアスEAT。
 その巨大なる大蛇の如き姿をしたクエーサービーストは、宇宙空間を如何なる原理で進むのかも分からないが、うねるようにして一直線に『試作型惑星ロボ』へと突っ込んでくる。

 速度から言っても逃げることはできないであろう。
 だが、『試作型惑星ロボ』―――『ミカヅチ』はまだ戦える。
 猟兵たちも力を振り絞り、迫る新たなる脅威、クエーサービースト、ヴァキアスEATを退けなければならない。
 戦いは、まだ終わっていないのだから―――!
村崎・ゆかり
もう一体のクエーサービーストね。これも、『ミカヅチ』の性能試験に利用させてもらいましょう。

今回も、アヤメに側にいてもらうわ。あたしが力尽きたら、後のことはよろしくね。

さて、遠距離砲撃が出来る間合いでなし。白兵戦でいくしかないわね。
「式神使い」「呪詛」で魂喰召喚。
ガンブレードの刃に、精神力を削る「呪詛」を帯びた魂喰らいの式を宿す。

襲いかかってきたクエーサービーストに、その精神を砕く一撃を。
その巨体に見合うだけの意識があるとも見えないわ。本能だけで動く獣には、精神攻撃が一番。
深々と突き刺して、そのまま「なぎ払い」。

……あたしはここまで。アヤメ、早く次の人と交代させて。今は敵の射程内。猶予はないわ。



 新たなる脅威、クエーサービースト、ヴァキアスEAT。
 その大蛇の如き姿からは想像できぬほどのスピードを持って、猟兵達が駆る『試作型惑星ロボ』―――『ミカヅチ』へと迫る。
 周囲の小惑星やスペースシップの残骸を喰らいながら、徐々に巨大に成っていくヴァキアスEAT。
 その大顎は『ミカヅチ』をも飲み込まんと広げ、迫りくる。
「もう一体のクエーサービーストね。これも『ミカヅチ』の性能試験に利用させてもらいましょう」
 マインドミナBVAとの戦いの一番槍を務めた村崎・ゆかり(《紫蘭(パープリッシュ・オーキッド)》・f01658)は式神アヤメの肩を借りながらメインコクピットに着く。一度のユーベルコードの射出によって疲労感はあれど、他の猟兵たちの戦いの間、わずかではあるが回復しているのだ。

 それに此処で戦わなければ、せっかく得た『試作型惑星ロボ』のデータを持ち帰ることができない。それどころか、次なる惑星ロボのためのマインドミナBVAの外殻を持ち帰ることすらおぼつかない。
 それだけは絶対に阻止せねばならない。
「もうすでに遠距離砲撃が出来る間合いでなし……白兵戦で行くしかないわね―――急急如律令! 汝は我が敵の心を砕き、抵抗の牙をへし折るものなり!」
 彼女のユーベルコード、魂喰召喚(タマクイショウカン)によって召喚される魂喰らいの式神が『ミカヅチ』と巨体のそばに舞い降りる。
 その力が籠められるのは、手にしたガンブレード。
 ブレードモードの刃が白熱し、召喚した魂喰らいの式神の力が宿り、青白く発光していく。

 暴食、という感情を爆発させたヴァキアスEATの姿は悍ましい姿であった。
 ありとあらゆるものを捕食し、その体に取り込むことに寄って、その巨体をさらなる巨大さへと変貌させていく。
 その様はまさに宇宙を全て飲み込まんとするような強大なる化身のようでもあった。
「宇宙怪獣というくらいだから、その巨体に見合うだけの意識があるとも見えないわ。本能だけで動く獣には、精神攻撃が一番―――!」
 だが、本能のままに動く宇宙の大蛇、ヴァキアスEATにとって、暴食こそが唯一にして最大の本能。
 その本能の巨大さは、その巨体に比例するように強大なものである。
 魂喰いの力宿るガンブレードが、その巨体を切り裂く。

「まだ、浅い―――!」
 ガンブレードの一撃は、ヴァキアスEATの鱗に覆われた巨体にも有効であったが、ブレードでは傷が浅いようだった。
 ゆかりのユーベルコードによってガンブレードの一撃一撃に戦闘意欲や抵抗心を支える魂魄のみを攻撃する効果が付随されていたとしても、傷口が浅ければ、その魂魄に与える打撃も浅いものとなる。

「なら、もっと深いところまで、突き刺して!」
『ミカヅチ』のアイセンサーが煌めく。
 それはゆかりの意志を受けて輝く闘志のようでもあった。再び、『ミカヅチ』を飲み込まんと大顎を開けて迫るヴァキアスEATの巨体を躱し、その巨体へとガンブレードの一撃を深々と突き立てる。
「―――薙ぎ払うッ!」
 引き裂くようにしてヴァキアスEATの巨体を切り裂き、その胴へと癒えぬ傷を刻み込む。
 絶叫を上げるようにのたうつヴァキアスEATの尾が、『ミカヅチ』の機体を打ち据え、距離を離されてしまう。

「ぐっ! ……あたしはここまで。アヤメ、早く次の人と交代させて。今は敵の射程内。猶予はないわ。早く―――!」
 ゆかりの与えた傷は浅くはない。
 けれど、致命傷でもない。あの巨体を、『ミカヅチ』に何度も当てられては、この期待の頑強さを持ってしても持つまい。
 ならば、今は次なるメインパイロットに託す他ない。
 肩を借りて、メインコクピットを辞するゆかり。ヴァキアスEATの暴食の本能のままに咆哮する姿は、まさに未踏宙域の深淵を垣間見たようでもあった―――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ファランス・ゲヘナ
次が本命カ…愚かなこの惑星ロボ完成ノ…え?聞き飽きタ…サーセン。
龍星号に『騎乗』して外から『メンテナンス』を実施。
損傷した胸部射出口を簡易修理を施しておいタ。これで反動で爆発することは多分ナイ。おそらク…キット。

さテ、次はオレだナ。バトンタッチ。
少し疲れたガ、オレはまだまだ元気だゾ。
『騎乗』『運転』『操縦』の三つの技術をかねそろえた超操縦士であるオレのカレーなテクニックを魅せてやるゼ!

『早業』『ダッシュ』『残像』で高速で攻撃を回避
取り出したガンブレードで『切り込み』
当たらなければどうということはなイ。
『リミッター解除』今こそ限界を超えロ!!ポチっとナ。
UC:自慢拳発動
必殺ビッグバンパンチッ!!



 ガンブレードの一撃に寄る裂傷を受けて、宇宙空間に巨体を蠢かせるクエーサービースト、ヴァキアスEAT。
 その傷を塞ごうとしても、失った闘争心を回復させることは容易ではなかった。このクエーサービースト、ヴァキアスEATの本能は、暴食そのもの。
 あらゆるものを飲み込み、捕食し、その力を増していく。
 例え、小惑星であろうと、スペースシップの残骸であろうとお構いなしに大顎を開けて飲み込んでいく。それこそが、このクエーサービーストの本質であり、生存する限り耐えることのない衝動であったのかもしれない。

「次が本命カ……愚かな、この惑星ロボ完成ノ……え? 聞き飽きタ……サーセン」
 ファランス・ゲヘナ(     ・f03011)は何度目かになりそうな口上をあげようとして、協力してくれているスペースシップの乗組員からの総ツッコミを受けて、口上を止める。
 そこまでみんな一斉にツッコミを入れなくてもいいのに、とファランスは、ちょっとだけ。ほんのちょっとだけがっくりしながら龍星号と名付けられた宇宙バイクへと搭乗する。
 すでに先の猟兵の一撃に寄って、暴食の感情をごっそり削られたヴァキアスEATの動きは鈍い。胴体に引き裂かれた傷跡が、その痛手を物語っている。

「ふム……各部チェック。やはり胸部射出口……」
 外から『試作型惑星ロボ』の外傷を確認していた。二度のユーベルコードの放出に寄って、その砲門は軋みを上げるように火花をちらしている。
 このまま無理に戦えば、反動で爆発が起こる危険性もないとも限らない。幸いに、ヴァキアスEATはまだ動き出さない。この隙に簡易的に応急処置を施しておこうと宇宙バイクで駆け回って、簡易修理を施す。
「これで反動で爆発することは多分ナイ。おそらク……キット」
 なんとも不安になるような言い回しであるが、これで多少の無茶は効くことだろう。

 メインコクピットに戻ったファランスが腕組みをして、疲れをふっとばす。
「さテ、次はオレだナ。バトンタッチ」
 先んじて戦ってくれた猟兵とタッチし、ファランスは目の前のヴァキアスEATが再動するのを確認する。
「少し疲れたガ、オレはまだまだ元気だゾ」
 何を隠そう、ファランスはあらゆる生物に騎乗する力、あらゆる乗り物を運転するテクニック、あらゆる機械を操縦する技量を有する超操縦士である。
 そんな彼にとって、人型とは言え、機械である以上彼の技量を反映できないわけがない。思念兵器マインドが搭載されているのであればなおさらである。
 搭乗者の思念を受け、トレースし、自在に動き回る思念兵器である『試作型惑星ロボ』になせぬことなどないのだ!

「オレのカレーなテクニックを魅せてやるゼ!」
 取り出したガンブレードをブレードモードに切り替え、一気に宇宙空間を疾駆する。脚部のスラスターを細かに操作しながら、ヴァキアスEATに迫る。
 ヴァキアスEATもまた、癒えぬ傷口に苛立つように咆哮し、惑星ロボをひと呑みにしようと大顎を開ける。
「当たらなければどうということはなイ―――リミッター解除! 今こそ限界を超えロ!! ポチっとナ」

 途中まではよかったのだが、締まらない言葉と共にファランスのユーベルコードが発動する。
 ユーベルコード、自慢拳(ホコルモノ)。
 それは『試作型惑星ロボ』の拳の全長をファランスの技量に応じて、巨大化させる必殺の拳。
 小惑星ほどもあるサイズの『試作型惑星ロボ』の拳が、凄まじい巨大さとなって振り上げられる。
 まさにその一撃は―――。

「必殺―――ビックバンパンチッ!!」
 宇宙開闢の一撃の如く。
 放たれた巨大なる拳は、ヴァキアスEATの巨体をも吹き飛ばす。絶叫が宇宙に響き渡る。その体を覆う鱗は押しつぶされ、剥離し、宇宙空間に漂う。
 長大なる体をサバ折りにするが如くの一撃は、さらなる痛手をヴァキアスEATに与えるのであった―――!

大成功 🔵​🔵​🔵​

テリブル・カトラリー
クエーサービースト…二体目か。
邪神兵器は…連続使用は暴走を招きかねんか。

…もうひと頑張り、といこうか、『ミカヅチ』
【戦争腕・穿孔螺旋拳】
ミカヅチの片腕を一時的にドリルの形状に変形。

ガンモード、ヴァキアスEATの上口にクイックドロウで連続射撃
ブースターで喰らいつきを回避、早業で顎の下に潜り、下顎を足場に怪力で踏みつけジャンプ。

機構の再現はできていないか…なら補えば良い。
ブースター全開、ヴァキアスEATの腹目掛けて躯体を吹き飛ばし、
武器改造、躯体を回転させ、体を一個のドリルと化す。

大型ドリルの範囲攻撃。ヴァキアスEATの巨大な腹を抉り部位破壊を行う。
過食気味だ。少し、痩せろ…ッ!



 クエーサービースト、ヴァキアスEATの姿は大食漢そのものであった。
 その本能が有するのは『暴食』ただ、それだけである。有機物も無機物も何かも関係がないというかのように、その大顎でもってあらゆるものを砕き、飲み込んできた。
 暴食の意志が膨れ上がったような形も、今は『試作型惑星ロボ』―――『ミカヅチ』より放たれた斬撃と打撃によって、胴は引き裂かれ、その体を支える背骨は叩き折られていた。
 猟兵のユーベルコードを小惑星サイズにして放つ思念兵器としての戦闘データは、マインドミナBVAとの連戦であっても着実に蓄積され始めていた。
「クエーサービースト……二体目か。邪神兵器……連続使用は暴走を招きかねんか」
 テリブル・カトラリー(女人型ウォーマシン・f04808)がメインコクピットに移った時、機体状況は大体把握していた。

 胸部射出口は、応急処置が施されているおかげで多少の無茶は聞きそうである。
「……もうひと頑張り、と行こうか、『ミカヅチ』」
 そう語りかけるのは、己がウォーマシンであるからかもしれない。
 機械の体、目的のために造られたという存在意義だけが、機械の宿命であるというのならば、『試作型惑星ロボ』である『ミカヅチ』の存在意義とはなにか。
 それをテリブルはよく理解していた。
 思念兵器としての実践データを得るため。そして、そのデータを持ち帰り、無事に猟兵たちを護ること。それが『試作型惑星ロボ』―――『ミカヅチ』の存在意義。

「戦争腕―――穿孔螺旋拳(ドリルアーム)」
 テリブルのユーベルコードが発動する。
 それは周囲に散財していたマインドミナBVAの外殻が集合し、片腕を一時的に大型ドリルの形状へと変形させる。
 ガンモードとなったガンブレードから放たれるは、目にも留まらぬ早業。連射性能も向上した砲撃は、その巨体を持って『ミカヅチ』を飲み込まんとするヴァキアスEATの大顎を牽制する。
 しかし、それでも構わずに穿たれた傷を癒やさんと巨大な無機物の塊である『ミカヅチ』を捕食線と迫るのだ。

 脚部ブースターが火を吹き、その食らいつきを回避する。さらに機体を回転させ、ヴァキアスEATの顎下に潜り込む。その脚部で持って、下顎を蹴り砕かん勢いで弾き飛ばし、距離を取る。
「機構の際限まではできていないか……」
 彼女のユーベルコードに寄って再現されたドリルアーム。だが、大きすぎるゆえの弊害であろう。その内部機構まで再現するのには、未だ実現度が足りなかった。
 それでもテリブルは確信していた。
『試作型惑星ロボ』、『ミカヅチ』の存在意義を。そして、その存在意義を果たそうとする気概は、彼女と同じであると。

「―――なら補えば良い。ブースター全開」
 脚部ブースターが一斉に火を噴く。防御システムの余っていたエネルギーをスラスターに回し、その機体を回転させる。
 回転機構が再現できていないのであれば、この機体そのものを一個のドリルと化せばいい。
 それだけの強度、頑強さをもたせた。
 テリブルや、他の猟兵の思念がそれを実現せしめたのだ。意志の力が、この機体の力の源であるとういのならば―――!

「過食気味だ。少し、痩せろ……ッ!」
 一個の衝角となった『ミカヅチ』の一撃がヴァキアスEATの巨大な腹に穿たれた斬撃の痕目掛けて突っ込む。
 巨体の腹を破壊し、その身を穿つ。
 一撃必殺。とまでは行かなかったが、その一撃はヴァキアスEATの体を散々に傷つけた。
 もはや穿たれ穴を再生するだけの力はない。だが、それでもヴァキアスEATは、その暴食たる本能だけを全開にし、咆哮する。
 しかし、その咆哮は今までとは比べ物にならないほど、弱々しいものであった。
 それを成したのが、『試作型惑星ロボ』、『ミカヅチ』であり、その思念の元になった猟兵、テリブルたちの力であったのだ―――!

大成功 🔵​🔵​🔵​

トリテレイア・ゼロナイン
何度遭遇しても驚くほどの食欲です
ですが…此度も『ミカヅチ』の性能を持ってすれば過剰に恐れる必要も無し
打ち倒させていただきましょう

捕食突撃に合わせガンブレードを●怪力で●投擲
捕食を避ける為ワザと外し、目前に迫ったタイミング●見切りワープ装置でガンブレードを顎下に運動エネルギーそのまま転移
●串刺しにしてのけ反らせ

バリア機能は使っていませんでしたね

拳と足先にピンポイントバリア展開
敵の状態を●情報収集すると同時に四肢を用いたラッシュで追撃し敵を後退
ワープ装置でガンブレード回収
UC乗せたガンモード発砲
情報で得たダメージ激しい箇所へ向け砲弾転移

存分にお恨みください
生存の為、私達は止まる訳にはいかないのです



 クエーサービースト、ヴァキアスEATの巨躯に刻まれた傷跡は、あまりにも深いものであった。穿たれた大穴は『試作型惑星ロボ』―――『ミカヅチ』の回転衝角による一撃。
 試作型といえど、猟兵たちの思念を受けた『ミカヅチ』の性能は驚嘆に値するものであった。だが、それ以上に驚くべきは、ヴァキアスEATの生命力である。
 元より生命を拒む宇宙空間において『暴食』の本能だけで、この巨体を維持しているというのは、脅威以外の何者でもない。有機物も無機物も関係なく噛み砕き捕食していく姿は、まさに宇宙の蚯蚓にほかならない。
 彼―――トリテレイア・ゼロナイン(紛い物の機械騎士・f04141)にとっては、四度目の邂逅であっても、その姿、威容に対する驚嘆の意は些かも霞むことはなかった。

「何度遭遇しても驚くほどの食欲です。ですが……此度も『ミカヅチ』の性能を持ってすれば過剰に恐れる必要もなし」
 トリテレイアが『試作型惑星ロボ』、『ミカヅチ』のメインコクピットに搭乗し、全天のモニターに映し出されるヴァキアスEATの威容を見つめる。
 生身であるというのならばいざしらず、こちらには思念兵器であるマインドによって造られた『ミカヅチ』という力がある。
 クエーサービーストであっても引けを取らない力を持つことが実証されようとしている機体に乗ってなお、恐怖という感情は程遠いものであった。
「―――打ち倒させていただきましょう」

 そんなトリテレイアのつぶやきが聞こえたかどうかはわからない。
 けれど、ヴァキアスEATは、その本能に従って咆哮し、『ミカヅチ』の巨体を捕食せんと肥大化した身体をうごめかせ、突進する。
 その大顎に捕まれば、いかに頑強が取り柄の『ミカヅチ』と言えど損壊は免れない。
「そこ―――!」
 突撃に合わせるように投擲するのはガンブレード。投擲を苦もなく避けるヴァキアスEAT。宇宙空間に置いてもなお、俊敏さを損なわぬ蛇のように身体をうねらせて、迫る姿は正しく宇宙の捕食者であった。
 しかし、その投擲は『わざと』外したのだ。
 大顎を開け、まさにこちらを捕食線とするヴァキアスEAT。
「その大顎、見事ではありますが、封じさせて頂きましょう」
 手にしたワープ装置の杖を起動する。瞬間、ヴァキアスEATの下顎から上顎までを貫くガンブレード。
 外したはずのガンブレードをワープ装置で転移させ、その大顎を縫うように串刺しにしたのだ。

「これで最大の武器である大顎による捕食は不能―――ならば! バリア機能の性能試験と参りましょう」
 起動されるピンポイントバリア。展開されるのは拳、爪先といった四肢。
 それは出力を絞り、一点にのみ展開されるバリア。元は省エネルギーのために用いられた思念であったが、ここに来て応用される。拳で叩けば、当然のように敵の鱗や外殻とぶつかって損壊は免れない。
 ならば、その一点に置いてのみバリアを展開すれば、『ミカヅチ』の拳や脚部は保護される。

 放たれる拳と脚部に寄るラッシュは、ピンポイントバリアというガントレットとレガースを得て、際限なく放たれる。
 ヴァキアスEATの体は、そのラッシュに耐えきれないように体のあちこちから内部の骨格や構造が軋みを上げている。
「実際の戦場の騎士は道具や手段を選ばないものです」
 手にした杖が輝き、大顎を封じていたガンブレードを回収する。
 ユーベルコードが輝き、戦場の騎士(ナグレリャナンデモイイ)としての矜持を乗せた一撃が、ブレードモードからガンモードへと移行したガンブレードの砲門へと蓄積されていく。

「存分にお恨みください。生存のため、私達は止まる訳にはいかないのです」
 穿たれた大穴目掛けて転移砲撃される砲弾。
 それは回避不能であり、確実なる終焉の一撃となって、ヴァキアスEATの体を内側から散々に破壊し、その巨体を宇宙の藻屑へと変える。

 クエーサービーストが何故、生命体を襲うのかはわかっていない。
 けれど、スペースシップで生きる人々にとって、居住可能惑星の発見は悲願である。
 それを成すためにクエーサービーストが立ちはだかるというのであれば、何度だって猟兵達は戦うだろう。
 この『ミカヅチ』と共に―――!

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2020年08月01日


挿絵イラスト