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オリオンの聖頌歌~カプト・ドラコニス(作者 中村一梟
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●地図にない島
 UDCアース、北太平洋。アリューシャン列島にほど近い海域に、先住民の言葉で「古龍島」と呼ばれる孤島がある。
 荒涼たる岩山と背の低い植物に覆われたその島は、UDC(アンダーグラウンド・ディフェンス・コープ)によってあらゆる情報網から隠匿されていた。
 そうしなければならなかった理由はただひとつ。
 古龍島には、超古代に人類以外のなにかが遺した遺跡が存在するのだ。

●三万と五千年前から
 グリモアベースの一角で、ミレイユ・ダーエ(永遠の森の歌乙女・f01590)が猟兵達を出迎えて、小さく頭を下げた。
「こんにちは、皆さん。今回はUDCアースで、とある島の調査に赴いていただきたく思いますの」
 ミレイユが語るところによれば、カクリヨファンタズムの竜神達から得られた証言を元に、UDCアースの各地で「邪神が封じられた場所」の捜索が行われたのだという。
「その探索の結果判明したのですが、竜神の皆さんが記憶されている場所のほとんどに、邪神の封印が残っていないそうなのです」
 封印が消えた原因は判然としない。だが、邪神の復活が地球の命運を左右する危機になりうる以上、不明のまま放置するわけにはいかない。より仔細な調査が行われた。
 その結果――。
「地球という大地に流れるエネルギーを利用した封印……『竜脈封印』と呼ぶべきものが残っていることがわかりましたの」
 だが、現状では「竜脈封印が残っている」ということしか判明していない。封印が残された具体的な場所やその状態についてはいまだ時のベールに覆われている。
「そこで皆さんには、竜脈封印が残っていると思われる場所に行っていただいて、封印の存在や状態の確認――そして、可能であれば封印の中に眠る邪神の討伐を果たしていただきたいのです」

●かみさまのおもいで
 ミレイユが指し示した場所は、北緯四六度五分、東経一六九度二分。海しかないように見えるが、実際にはそこに島があるという。
「その島に超古代の遺跡があることはずいぶん前にわかっていたのですが、今まで本格的な調査はされていませんでしたの」
 その原因は、島の住民達にあった。彼らは恐ろしく排他的で、よそ者を拒絶するのだ。しかし、突破口がないわけではない。
「古い文献に『古龍島の住民は魔法使いを敬い従う』という記述が残されていますの。そこで、私たち猟兵の出番というわけですわ」
 要するに、ユーベルコードを用いて島民達が驚くような「魔法」を実演して見せて、それを足がかりに情報を集め始めようという作戦だ。
「島の人々を傷つけないようにびっくりさせる……力加減が難しいかもしれませんが、そこは皆さんの機転と発想に期待いたしますね」
 ミレイユは小さく笑う。自分ならどう島民を驚かせるか考えて、悪戯好きの性分が騒いでいるらしい。
「……こほん。ともあれ、竜神の封印によって邪神が深い眠りについている今が好機ですわ。私たちの手で、この島の謎を解き明かしましょう」
 ぐっと握った拳を、ミレイユは掲げてみせる。
「それでは、準備のできた方から古龍島にお送りします。皆さんの旅路に、凪と波音の祝福がありますように」


中村一梟
 猟兵の皆様、ごきげんよう。中村一梟でございます。
 今回はUDCアースより【Q】によって出現したシナリオをお届けします。
 また、本シナリオは全章通じて「WIZ」による判定が有利となります。WIZの高い皆様は得意分野をぜひ発揮していただきたいと思います。もちろん、それ以外の能力による行動も不利になることはありませんので奮ってご参加ください。

●第1章
『冒険』のフラグメントです。
 このシーンではユーベルコードを使用して「島民を驚かせる・畏怖させるような行動」を取ったプレイングに対してボーナスが入ります。
 オープニングでは「魔法使い」と表現していますが、魔法系のユーベルコードである必要はありませんので奮ってご参加ください。

●第2章
『集団戦』フラグメントです。詳細は1章終了後に。

●第3章
『ボス戦』フラグメントです。詳細は2章終了後に。

●お知らせ
 このシナリオは私の「オリオンの聖頌歌」とタイトルに付く他シナリオと同じ場所が舞台となっております。そちらのほうもぜひ一度ご覧ください。
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第1章 冒険 『竜脈封印の伝承』

POW巨石を動かしたり、沼の底に潜るなどして、竜神信仰の痕跡を探索する
SPD探索範囲内全域をくまなく歩いてまわるなど、足を使って竜神信仰の痕跡を探し出す
WIZ村に伝わる昔話や童歌の調査、村の古老との会話などから、竜神信仰の痕跡を探ります
👑7 🔵🔵🔵🔵🔴🔴

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


蛇塚・レモン
【WIZ】
技能は適宜最適使用
アドリブ◎

超古代文明の遺跡って浪漫とエモの塊だよね~っ!
島の住民のみんなに認めてもらえるように秘策を用意したよっ!

まず、あたいは今年新調した水着で現地に乗り込むよ
シャーマンらしさを意識したこの水着の外見で雰囲気を演出

次に首から下げた白い勾玉から蛇神様を顕現させるよっ!
竜と蛇は当たらずとも遠からず
蛇神様の神々しい姿に何かを感じてくれるはずっ

ユーベルコードは……悩んだけど、これが一番穏便っぽいかなっ?
蛇神様の神通力であたいと身に付けた私服や装備が透明に
更に、蛇神様が住民の1人に巻き付いて、その人も透明にしちゃうよ

姿を消したり出したりして驚かせれば、認めてもらえるかなっ?


「超古代文明の遺跡って浪漫とエモの塊だよね~っ!」
 そう叫ぶ蛇塚・レモン(白き蛇神オロチヒメの黄金に輝く愛娘・f05152)は今年新調したという水着を身につけている。シャーマンらしさを意識した……とはいうものの、岩肌に打ちつける波と吹き抜ける風以外の音がない、うら寂しい古龍島の風景の中では華美が過ぎるように見えた。
「……」
 古龍島の住民達――一応現代人らしい服装をしている――はそんなレモンに冷ややかな視線を向けていたが、彼女が首から下げた勾玉から蛇神を呼び出し、自らの姿を消して見せるや、目の色を一変させた。
「……hyeerp nabor……」
 なんと言ったのだろう、とレモンが疑問を口にするよりも早く、島民達はその場に跪き祈るような仕種をする。
「hyeerp, hyeerp nabor z cakb, z cakb……!」
 何度も何度も繰り返し唱える彼らの顔には畏れと――隠しきれぬ喜びが踊っていた。
成功 🔵🔵🔴

●むかしむかし
 我々のいない時代のこの島、この島がまだ海と空の間にあった頃。
 輝ける竜が、光の竜がいた。大いなる竜がいた。
 光の竜は、大いなる竜は、海と空と陸にはびこる竜と、世界の覇者たる竜と、長きに渡って戦い、太陽と月が何度も巡る間戦っていた。

●魔法使いの帰還
 竜の末裔である魔法使いは、大いなる力を受け継いだ魔法使いは、我々に言った。我々が忘れないように。
「光の竜が遺したものを守るように。世界が再びそれを必要とする時が来る」
 竜に導かれし者である我々は、光を信じる者である我々は、魔法使いの言葉を忘れないように、光が失われないようにしてきた。
水鏡・多摘
ふむ、龍脈封印…幾分旧すぎて詳細は思い出せぬが。
ここは我の知る地ではない。だが…同族が何かを遺した、或いは所縁の地なのは間違いない。
ならばどうにかするのも務め、島民達に竜神の帰還を知らしめねば。

まず普通に住民に接触、この姿だけで察してくれるなら話は早いが…
駄目ならば竜神らしくたっぷり威厳を込めた声で証を見せよう、と。
そしてUC発動、空高くに飛翔しつつ海に雷を降らせる。
その際人や物に雷を落とさぬように注意、そして一通り空を舞い島民達の前に着地。
どのように伝説が伝わっているか、そこまでは我は知らぬ。
だが封印された邪神を滅ぼす、その為に我はこの地に来たのだと説明し協力を求める。

※アドリブ絡み等お任せ


 古龍島に降り立った水鏡・多摘(今は何もなく・f28349)は、初めて訪れるはずのこの島の風景に言い知れぬ懐かしさを感じ――そして確信した。
(ここは我の知る地ではない。だが……同族が何かを遺した、或いは所縁の地なのは間違いない)
 名前さえ残っていない竜神が唯ひとつ遺したもの。それこそが竜脈封印なのであろう。そして、それが封じているものは……。
「ならばどうにかするのも務め、島民達に竜神の帰還を知らしめねば」
 多摘が猟兵であるが故に、島民達は目の前の男が竜神であることに気づいていない。やむを得まい、と多摘はユーベルコードを発動。完全なる竜の姿へと変身を遂げた。
 地を蹴って飛翔。上昇と共に生まれる稲光を、人や物に落ちぬよう注意しつつも見せつける。
 島の周囲を一回りして戻ってくれば、島民達は晴天に雷をもたらした多摘をぽかんと見つめていた。
「封印された邪神を滅ぼす、その為に我はこの地に来たのだ」
 そう説明する多摘の言葉を、島民達の喜びの声が遮って、響き渡った。
「hyeerp, hyeerp nabor z cakb, z cakb!」
成功 🔵🔵🔴

●守人たち
 我々の最初の父と母達は、初めてこの島に足を踏み入れた人間は、罪人だった。許されぬ過ちのために故郷を捨てねばならなかった。
 我等の祖先は、最初の父と母は、光の竜と契約した。大いなる竜から役目を授かった。
 大いなる竜が、光の竜がこの島に遺していくものを、白銀の楔を守るようにと。

●戦いの終わり
 光の竜は、輝ける竜は戦いの果てに邪悪なる竜をこの島に封じた。海と空の間からこの島を取り出し、代わりに邪悪なる竜を押し入れた。
 大いなる竜は、光の竜は邪悪なる竜が出てこれないようにこの島を上に乗せた。海と空の間から取り出したこの島で蓋をした。
 そして輝ける竜は、光の竜はこの島に白銀の楔を打ち付けた。聖なる銀の槍を突き立てた。