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Totentanz

#アリスラビリンス

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#アリスラビリンス


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「やめましょう、セラさん……わたしたち、戦いたくなんかありません」
「じゃあ他にどうすればいいか言ってみろよッ!」
「落ち着くんだ、セラ。私たちの話を聞いて……」
 その世界は、おとぎ話に出てくるような優雅な城の中にあった。
 しかしてその城は、いずれの場所も血の跡に汚れ、隠しようもなく死臭が染みついた呪わしき場所でもあった。
「ッざけんな!そうやって……そうやって近づいて、油断させてよォ!お前らがキッコもソラも殺したんだろッ!」
「そんなこと……」
「……私たちだって、こんなことはしたくなかった!」
 城の中――舞踏会の会場ともなるであろう大きなホールで、3人の少女たちが対峙する。
「黙れよ……!“最後の一人だけは見逃す”ってあいつらが言ってたもんなァ……!そうやって、あたしも殺すつもりなんだろッ!」
 セラと呼ばれた少女は、激昂しながら2人を睨めつける。
『ええ、ええ』
『お約束しましょう。最後の一人は見逃します』
 そして、ホール全体を覆い、彼女たちを取り囲むように並ぶオウガたちが、静かにささやきかけた。
『ですから、さあ。ころしあって』
「殺されてたまるか……あたしは、家に帰るんだ!剣を抜けよ。……幻装《イマジネート》ッ!」
「セラさん……!」
「だめだ、エル……戦うしかない!こっちも幻装《イマジネート》するんだ!」
 アリスナイトの力を行使し、少女達は鎧を纏って切り結ぶ。
 オウガの群れが、静かに笑いながらその姿を見守っていた。
 ――無間輪舞牢獄、トータンテンツ。
 それが、この世界の名である。

「はい。おしごとの時間よ」
 ロスタ・ジーリード(f24844)は、集まった猟兵たちの顔を順繰り見まわしてから静かに頷いた。
「アリスラビリンスにいってちょうだい。こんかいはね、みんなにアリスをたすけてもらうわ」
 ロスタはてもとの端末を操作し、資料となる映像をモニターへ表示した。
 トータンテンツ。この世界は、そこを支配するオウガたちによってそう呼ばれている。
 おとぎ話に出てくるような、豪奢な城によって構成される世界だ。
 この世界に呼び込まれたアリスたちは、オウガたちからこう告げられる。
『最後の一人になるまで殺し合え』。
『残った最後の一人は見逃してやる』と。
 そうして最後に残った一人に、『約束は嘘だ』と告げて嬲り殺しにする――そうした“ゲーム”が行われ続けてきた、血塗られた舞台なのである。
「げんざいの状況から説明するわね。……まず、みんなが介入を始める時点で、既にアリスたちの殺し合いはかなり進んでいるわ。あたしが観測できた範囲では、3人だけ」
 この世界に呼ばれたアリスたちは、いずれもアリスナイトとしての力をもつアリス適合者たちだった。
 状況は既に深刻だ。最後に残ったアリスたちの中でも、セラという名のアリスは既に疑心に呑まれ、他の生存者を敵として認識している。対峙する2人はエルとマリ。2人は協力体制を結んでおり、戦いに対しても消極的だが――剣を向けられるのであれば、応戦しないというわけではない。
「このまますておけば、生存するアリスたちも殺し合いのすえにオウガのえじきになってしまう、というわけね。……なので、みんなにはここに介入して、状況をおさめてもらうわ」
 まず、猟兵たちは3人が剣を交える現場であるホールへと転送される。
 そこはオーディエンスめいて並ぶオウガの群れによって囲まれており、オウガたちによってつくられた人垣の中を舞台としてアリスたちが戦っているのだ。
「アリスたちのたたかいを止めるのよ。とつぜんあらわれたみんなのことはなかなかしんじてくれないかもしれないけど……でも、まずは信じてもらうことね」
 どんな手段でも構わない。言葉でもいいし、行動で示してもいい。
「そうしてアリスたちのたたかいを止めることができたら、業を煮やして敵が直接的な手段に訴えてくるはずよ。アリスたちのころしあいを、おもしろがってみている敵のボスも出てくるはずね。……そうしたら、あとはシンプルよ」
 ――やっつけろ。それで話は終わる。
「……というわけで、説明は以上よ。ねんのため、やることについてもーいっかいおさらいするわね」
 ひとつ。疑心に駆られ殺し合いを始めてしまったアリスたちの戦いをおさめる。
 ふたつ。オブリビオンたちが手を出してくるので、やっつける。
 以上だ。
「それじゃ、ほかに質問はないわね。……そしたら、おねがい。たとえひとりでも、ふたりでも。たすけられる命があるなら――たすけてあげて」
 そして、ロスタは一度お辞儀をしてから転送の準備を開始した。


無限宇宙人 カノー星人
 ごきげんよう、イェーガー。カノー星人です。
 戦争が近い時期ではございますが、それはそれとして侵略活動は行わせていただきます。
 この度も、皆さまとともに旅路をゆけることに感謝いたします。
 それでは、よろしくお願いいたします。
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第1章 冒険 『疑い合うアリスたち』

POW   :    オウガをぶっとばして味方だと証明する

SPD   :    巧みな話術でアリスたちを落ち着ける

WIZ   :    魔法でアリスたちの心を癒す

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


「幻装《イマジネート》ッ!」
 アリス適合者・セラは、舞台衣装めいた赤い鎧を纏った。【アリスナイト・イマジネイション】。セラは抜き放つ剣で対峙する2人へと襲いかかる。
「く……、ッ!」
「エル、応戦するんだ!このままじゃ私たちが殺されるぞ!」
 しゅ、ッ!風切りの音。同じく銀の鎧を纏ったアリス適合者・マリは細剣を横薙ぎに振り抜き、セラの剣撃を弾いた。
「セラさん……」
 アリス適合者・エルもまたその身に蒼白の鎧を纏った。その手には長柄の槍。躊躇いに瞳を揺らしながらも、彼女は武具を構える。
「……ごめんなさい」
「謝るくらいならあたしのために死ねッ!!」
 そして、刃が交錯する。

 此度の舞台に召し上げられたアリスは13人。そして、うち10人のアリスは既に命を落としていた。
 故に、この交錯はこの舞台の大詰めとなる。
 観劇に耽るオウガたちは、その終幕を待ちわびていた。
神羅・アマミ
お、恐ろしい…!
たたかわなければいきのこれないとか言って何の捻りもないただのデスゲーム仕掛けて悦に入っているオウガのセンスがあたし恐ろしいわ!
こういうのは参加者が有能すぎて主催が焦りまくった末に悲惨な目に遭う展開こそ望ましい!

とは言え三人のアリスの同士討ちを避け矛を収めさせる必要があるなら…いっそイッツアニューカマー!として参戦するのはどうじゃろ。
つまり、間に割って入り攻撃を仕掛けることで「三人の協力体制を敷かねば勝てない」よう仕向けるのじゃ。
こちらもUC【操演】にて蜘蛛型ドローンと共に応戦。
分離合体を繰り返し可能な限り攻撃を捌く遅延行為を試みる!
最終的に三人の心をボキ折れたら御の字じゃが…


ラヴ・フェイタリティ
【アドリヴ歓迎】
イマージネート!なんかオウガに唆されて殺しあいをしてるお前たちに告げる!いいからラヴ様の歌を聴けェ!

というわけで一触即発☆殺し愛《キリングラヴ》なフィールドにユーベルコードで変身しながらのダイナミックエントリー!おもむろに取り出したスタンドマイクを振り回しながら三人の剣劇に割って入り、いざ歌わん、情念込めた浄歌《きよめうた》。地獄に堕とされ出逢った友と、故郷に残した兄弟家族。天秤揺らせば何が溢れる、命か涙か想い出か。言葉で刃が止まらぬならば、歌って魅せるがヒロイン道。お聞きください、ノーラヴ・ノーライフ。

説明!歌と拳で!心と体を殴り付けて!殺し合いを止めろ!よっしゃあ!!



「お、恐ろしい……!」
 神羅・アマミ(f00889)は慄いた。
「たたかわなければいきのこれないとか言って何の捻りもないただのデスゲーム仕掛けて悦に入っているオウガのセンスがあたし恐ろしいわ!」
 否。それは恐れではない。どちらかといえばヒき気味の反応である。
「こういうのは参加者が有能すぎて主催が焦りまくった末に悲惨な目に遭う展開こそ望ましい!」
「そいつはいいや!そんなら、徹底的にブッ壊してやろうじゃねェかよ!」
 ぎゅるん、ッ。鳴るはクールなギターサウンド。ラヴ・フェイタリティ(f17338)が並び立つ。
「よし。ここはあわせてブッこむとしよーではないか」
「賛成だぜ。……なら、イチニノサンだ!」
 アマミとラヴが頷き合った。
「オラーッ!!イッツアニューカマー!!」
 轟音。
 そして戦場に2人の猟兵が降り立った。
「なんだ……ッ!?」
「これは……!?」
 【操演】!降り立ったのは蜘蛛のかたちをもつ大型ドローン兵器オクタビアスくんと、それに騎乗するアマミである。突然現れた闖入者に、セラとエルが息を呑んだ。
「ふっふっふ……お主らがなかよくできんからお叱りにきたんじゃよ!」
「何を……!?」
「エル、落ち着いて!……よくわからないけど、たぶん、敵だ!」
 比較的冷静に状況を判断するマリが声をあげた。抜き放った細剣を、アマミへと向ける。
「そうじゃそうじゃ。3人でこなければ妾には勝てんぞー!」
 ざ、ッ!アマミはオクタビアスくんを操り、ホールの床上を素早く機動した。
「こいつ――ッ!」
 た、ッ。床面を蹴ってマリが飛ぶ。細剣を払い、その切っ先がオクタビアスくんの前脚を払った。
「む、ッ!」
 ――ざり、ッ!オクタビアスくんの身体が揺らぐ。アマミが油断していたわけではない。猟兵として覚醒に至っていないアリス適合者のユーベルコード出力であればたかが知れている。しかし、アマミに向けられたそれは想定以上だったのだ。アマミは意識を研ぎ澄ませ、オクタビアスくんの姿勢を制御し、隙を消す。
「マリさん!」
「エル、今だ!」
「こいつ――ッ!横槍入れてんじゃねえッ!」
 続けて剣と槍が襲う。殺し合う手を止めたセラとエルが同時にアマミへと剣を向けたのだ。アマミの作戦は成功しつつあると言えた。
「しかーし!そう簡単にはいかぬぞーっ!」
 アマミは巧みな機動で2人の剣閃を躱す。体捌きで間合いをコントロールし、オクタビアスくんのアームで剣を弾く。――叩きのめすつもりはない。ただ、アリスたちに『勝てない』と思わせ疲弊させる。それが今のアマミの目的だ。
「はあ……ッ!」
「フッ、ざけ……!」
 襲い来る剣撃を弾く。躱す。捌く。――アマミに油断はない。彼女とて、数多の戦いを潜り抜けてきた歴戦の猟兵の一人だ。負ける道理はそこにはなかった。
 次第に、アリスたちの剣筋が精彩を欠き始める。疲労の色が見えてきたのだ。その瞬間にアマミは目を光らせた。
「ふふーん!どうじゃどうじゃ、そろそろ疲れてきたのではないか?……よし、ここでお主の出番じゃ!」
「オッケー待ってた!それじゃあいくぜ、イマージネート!」
「……なに、今度は!?」
 ぎゅるん、ッ!クールなギターサウンドが突如ホールに満ちる。ここでアマミとバトンタッチするように前進し舞台に立つのは――ラヴ様だ!
「なんかオウガに唆されて殺しあいをしてるお前たちに告げる!いいからラヴ様の歌を聴けェ!」
 【プリンセスハートオブラヴ】!姫属性を高めたステージスタイルで飛び込んだラヴ様は、スタンドマイクをダイナミックにブン回しながら高らかにその声を響かせた。
「幻装《イマジネート》した……!?こいつも、あたしたちと同じなのか!?」
 2人目の闖入者にセラが目を見開きながら歯噛みする。予想外の介入により、舞台の上は想像の外に展開を始めている――セラは破れかぶれに剣を手にしたまま、ラヴ様に向けて切り掛かった。
「うるせェ!いいから聴けって言っただろうがッ!」
「く……ッ!?」
 だが、スタンドマイクが迎撃する!切り払うように押しのけられたセラは交代しながら息を吐き出した。
「いざ歌わん、情念込めた浄歌《きよめうた》」
 ラヴミュージックがふたたび唸る。かかるナンバーは彼女の十八番。
「ここは戦場。血濡れの舞台を満たすは美しくも儚き一触即発☆殺し愛《キリングラヴ》。地獄に堕とされ出逢った友と、故郷に残した兄弟家族。天秤揺らせば何が溢れる、命か涙か想い出か。言葉で刃が止まらぬならば、歌って魅せるがヒロイン道。お聞きください、ノーラヴ・ノーライフ」
 かくて、ラヴ様は歌う。

『ノーラヴ・ノーライフ』 うた:ラヴ様 作詞:無限宇宙人 カノー星人

 うつむくキミの視線 乾いた唇
 そんな顔は悲しいよ どうしたの?
 忘れないで キミは一人じゃないよ
 きっと気づいてないだけ
 ここにあるんだ 君を支える アイとキズナが
 No-Love!No-Life!No-Live!
 キミの鼓動は 誰かの愛の証さ
 私はそばにいるよ さあ、今 この手をとって

「なに……、なん、なんだよ……なんなんだよ、お前らは、ッ!!」
 突然に舞台を制圧するメロディに困惑するセラ。エルとマリの2人もまた、混迷を続ける舞台に戸惑い続けている。
「よし、うまくいっておるよーじゃの」
「あったりまえだぜ!このまま!殺し合いを止める!よっしゃあ!!」
 アマミとラヴ様は拳を打ち付け合い、そしてガッツポーズした。
「よっしゃあじゃねえ!!」
「そうだね……あんまりにも、怪しすぎる。エル、油断しちゃだめだ。生き残るためには……武器を、手放すな」
「う、うん……」
 しかし、アリス適合者たちは未だ戦いを止めることなく、3人の瞳には戦意の光が残る。――とはいえ、猟兵たちの乱入によって空気は大きく変わった。
 少なくとも、3人が殺し合って終わる結末は遠ざかったはずだ。

 ――かくて、盤上の歯車は狂いだす。血塗られた未来を変えるため、猟兵たちの戦いは続く。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

新海・真琴
――そこまで!
(はなきよらの柄や刃、桜の拳鍔の籠手部分で攻撃を受け止めるようにし、アリスの同士討ちの中へ割って入り)

君たちは、まんまとオウガの術中にはまっている。
少し、落ち着くんだ。

君たちが殺し合いをして最後の一人になったところで、その一人もきっとオウガは殺してしまうだろう。

私達は、君たちを救うために来た。
……簡単には信じられないだろうけど、な。

セラ、どうだい?
私は、信じるに足る人間に見えるかな?
彼女が尚もエルやマリに襲い掛かるようなら、応戦しよう。
戦闘知識でセラの次の手を予測し、オーラ防御か、はなきよらの柄で攻撃を受ける。

あまりにも私や他猟兵の話を聞かないなら、浄化を乗せた強制改心刀だ!


鈴桜・雪風
嗚呼、これはいけません
アリス達だけの力ではこの局面を切り抜けるのは不可能
更に一人は完全に疑心暗鬼になっています
「では、ご助力致しましょうか
英雄のように颯爽と、とは参りませんが」

桜の癒やしで観戦しているオウガ達を眠らせつつ、戦場に降り立ちます
そうですね…セラ、と呼ばれていた子の側にしましょう
「落ち着きなさいませ。命の危機に張り詰めるのは無理からぬ事ですが、そう力んでは大事なことを見落としますわ」
「この場は預かります。アリスでもオウガでもない我々が」

所で、わたくしがオウガなら13人のアリスの中に戦いを煽る扇動役を仕込みますが
それは倒れた筈の10人の中か、健在の3人の中か…
見極める必要がありますわね



「……ふざけんじゃねえッ!」
「セラさんッ!」
 振り抜かれた刃はエルの掲げた槍の穂先と打ち合った。衝撃で互いに飛び退り、再び間合いを開いて相対する。
「――そこだ、セラ!」
「マリ――てめえッ!!」
 側面からの襲撃!マリの突き出した細剣がセラの脇腹を狙った。
「――そこまで!」
 だが、そこに刃が差し挟まれる。――はなきよら。交錯の場に割り入った新海・真琴(f22438)の得物である。
「なに……!また!?」
 新たな猟兵の介入にアリスたちが再び困惑する。
「嗚呼、これはいけません」
 更に、そこへ鈴の音めいた声音が入り込む。一拍遅れて、からりころりと鳴る下駄の足音。
「このまま捨て置けば、あなた達の明日は潰えてしまうでしょう」
 桜が香る。
 【桜の癒やし】。――血塗られた舞台に、薄紅の花弁が吹き荒れた。
『これは――』
 桜の精霊力がユーベルコードを構成し、その力がオウガの群れを呑み込む。舞台を囲むオウガたちが、次々に倒れ始めた。
「少し、静かにしていてくださいませ」
 そして、舞い散る桜の中に鈴桜・雪風(f25900)は姿を見せる。
「英雄のように颯爽と、とは参りませんが――ご助力致しましょうか」
「なんだよ、次から次へとよぉ、ッ!」
 セラが激昂する。一歩飛び退ったセラは真琴との間合いを開き、再び剣を掲げた。雪風がその姿を視線で追う。
「君たちは、まんまとオウガの術中にはまっている。少し、落ち着くんだ」
 真琴は静かに告げる。害意のないことを証明するように、彼女は一度刃を下ろしながら。
「そちらの方のおっしゃる通りです。落ち着きなさいませ。命の危機に張り詰めるのは無理からぬ事ですが、そう力んでは大事なことを見落としますわ」
 雪風が言葉を加えながら、アリスたちの顔を見渡した。
「……そうやって場を混乱させて、私たちを葬ろうとする罠、という可能性は?」
 ――しかし、冷たい視線が返る。細剣を手にしたまま、疑念と不信を隠そうともせずマリが口を挟んだ。
「……」
 恐れと疑念を含んだ視線を、エルが猟兵たちへと向ける。
「私達は、君たちを救うために来た。……簡単には信じられないだろうけど、な」
「それでも、信じていただきたいのです」
 真琴と雪風は、真摯な瞳を向けて返した。
「君たちが殺し合いをして最後の一人になったところで、その一人もきっとオウガは殺してしまうだろう」
 そして、真琴は更にそう告げた。
「……ッ!」
 ぎり、と音を鳴らして、セラが歯噛みする。――彼女自身も、薄々はそう思っていたのだ。自分たちは盤上の駒でしかなく、舞台の仕掛け役が約束を守る保証などないと。
「ですから、まずは一度落ち着いてくださいませ。……この場は預かります。アリスでもオウガでもない我々が」
「……」
 僅かな沈黙。――そして、数秒を置いて。
「セラ、どうだい?私は、信じるに足る人間に見えるかな?」
 真琴はセラに問う。
「……見えねえよ。いきなり出てきて、ワケわからねえこと言い出して」
 そして。
「……」
「……けど、あんたの言うことを、否定できねえ」
 ――セラは短く息を吐き、切っ先を下ろした。
「……マリさん、……わたし、どうしたら」
「エル……慎重に、考えるんだ。……決して、武器を手放してはいけない」
 一方、エルとマリは静かに言葉を交わし合う。変化し続ける状況に、2人とも困惑から逃れられていないのだ。
「――」
 そして。
 舞台の上を俯瞰するように一歩退きながら、雪風は考えていた。
 もし、自分が今回の舞台を“仕掛けた”側だったとしたら。
 ――舞台に招かれた13人のアリスの中に、戦いを煽る扇動役を仕込むだろう。わざわざこのような舞台を整えてきているのだから、その程度の“仕込み”は準備していてもおかしくはない。
 それは、倒れた筈の10人の中か。健在の3人の中か。
 事実、雪風はいまこの時点で、彼女たちの言動の中に引っ掛かりを覚えている。――上手く言語化することは難しいが、それは間違いなく違和感だ。
「……見極める必要がありますわね」
 雪風は、静かに呟いた。
「彼女たちの中に、敵が混じっている――ということかい?」
 アリスたちには聞こえぬよう、真琴が密やかに雪風へ問う。
「まだ確証はありませんわ。……ですが、その可能性もあるとだけ」
「わかったよ。こちらも慎重に手を打とう」
 2人は密やかに頷きあった。

 ――オウガの整えた舞台は、徐々に崩れつつある。
 アリスたちは未だ互いに疑念を晴らしきれてはいない。対峙し、得物に手をかけながら、いつ再び殺し合いが始められてもおかしくはない。そうした状謡はいまだ続いている。
 だが、舞台上の空気は徐々に変わりつつあった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

御狐・稲見之守
我もゲームは好きでなァ。
ゲームが負けそうな時、一体どうすれば良いか。答えは簡単、ゲームマスターをぶん殴る。
 
[UC精気略奪]……アリス達の各々を[結界術]で囲い封じ同時に保護したならば、オーディエンスのオウガ共は皆殺しとす。一欠片も残さぬ。

さ、ゲームはお流れである。
もっとも、ゲームと呼べたものでもないが。

これでもつまらんゲームを続けたいかナ? 続けたいならば好きにするが良い。この我が新しい参加者になるが。


エダ・サルファー
アリスたちに殺し合いをさせてそれを観劇とか、実に趣味が悪いな、オウガども!
しかーし!私らが来た以上、観客を続けられると思うなよ!

アリスたちは状況的に冷静な判断がしづらいだろうし、一方オウガどもはクライマックスを待ち望んでると。
ならばこのドワーフ式岩盤返しで双方に冷や水をぶっかけてやる!
こいつを戦場の真ん中で使用、アリスたちとオウガどもを隔てるようにぐるっと壁で覆うよ!
これでアリスたちは急にオウガに襲われる心配が低減するんで、その間に少しでも冷静になるように説得。
中が見えないオウガどもは壁の上から煽ってやる!

こっから先は有料だ!
見たきゃ命を張るんだな!
もっとも、お前らに見せる終幕なんか無いがな!


不染居・ユキ
※アドリブ歓迎

ふつふつと怒りが湧いてくる
この舞台は…はっきり言って美しくない!

3人に近づき、怒りのまま滔々と語る
「どこが美しいというのだ、この演目は!人が憎しみ合う姿よりも、諦めず悪に立ち向かう姿こそが何より美しいというのに!」
そう説いてから彼女達に向き直る
「君達もだ!何故オウガに立ち向かおうとする意思を見せない!何故お互い刃を向け合う!そうしろと言われたから?否…立ち向かう事を諦めているからだ!」
筆を取り出し《彩色『十人十色の絵具』》を彼女達に発動
「君達の牙はまだ折れていない…ならば、それを悪に突き立ててみせろ。この醜悪な舞台を美しく塗り替える為に!」
「私達猟兵が――その手助けをしよう」


初里・ジン
「突然だけど、君達に必要な武器を用意したよ!」と注目を集め、アリス達にトランプのスペードのカードを投げ渡す

「これを相手に投げつければすごい事が起こるよ」と煽り、アリス達がカードを投げたらすかさず投げたカードに火と風の魔術を組み合わせた【属性攻撃】の熱風を浴びせる。するとカードはスペードからハートに絵柄が変わる

「わかったかい?君達に必要な武器は愛だ。争いは愛情や優しさを忘れさせる。思い出して…君達には好きな物や人が有ったはずだ。それは戦いの中で得られるのかい?もうやめよう。無意味な争いは…」と説得する

上記のタネは事前にハートのカードを高熱で消えるインクを使って形が似ているスペードに書き換えていた


多々良場・茉莉
「これは……なんですの?
やっと念願のおとぎの世界にやって来たというのに、ぜんっぜん煌びやかじゃない!これは何かの間違いですわー!」
到着早々ひとしきりヒステリーに叫んでから戦場にステージイン

「ま、状況は分かりましたわ。つまりあなた方を蹴散らせばいいのですね」(分かってない)
言うや否やのドレスアップ
ギャラリーの波を跳び越えて、炎を纏ったガラスのヒールとお手製の鉄ヒールでオウガ達を踏みにじる
数の差も力量の差も度外視の行動だが、負けるビジョンなど持ち合わせない

「貴女達もなーにをチンタラ見てやがるのです。見るからに下賤な奴らの言いなりじゃあ、いずれ自分も下郎になり果てますわよ!」

アドリブ連携歓迎



「…………」
「…………」
 3人のアリスたちは、じりじりと牽制しあうように視線を交差しながら微妙な間合いを保つ。
 介入した猟兵たちの尽力もあってか、殺し合いは止められている。だが、疑心が完全に払拭されたわけではない。保たれたままの緊張感は、いつ斬り合いが再開されてもおかしくはない剣呑な空気を作り上げていた。
 そして。
「殺し合いをさせて、それを“観劇”だとか……実に趣味が悪いな、オウガども!」
 その静寂を、拳が打ち破った。
 【ドワーフ式岩盤返し】。舞台へと降り立ったエダ・サルファー(f05398)が、床面に強烈な一発を叩き込んだのだ。
『なに……!?』
『これは、どういう……!?』
 ドワーフちからが地形へと干渉し、その床面を変形させてゆく。
 猟兵たちと3人のアリスを囲む壁のように、エダの技によって砕かれた床面が再構成された。
「こっから先は有料だ!見たきゃ命を張るんだな!」
『猟兵……ッ!』
『おのれ、よくも……間もなく終幕だというのに!』
「お前らに見せる終幕なんか無いさ!どうしてもっていうなら……私たちを倒してからにしな!」
 エダは構築した壁の上に仁王立ち、取り囲むオウガたちを見下ろした。
「きゃ……ッ!」
「な、なんなんだよ、これは――!?」
「――うむ。まあ、少々落ち着くがよいゾ」
 囲われた中、更に困惑するアリスたちへと新たな声が届いた。
「なァ。お前ら」
 戯れるように嗤うのは、御狐・稲見之守(f00307)である。
「こ、こんどはなに――」
「我もゲームは好きでなァ」
 戸惑うアリスたちをよそに、稲見之守は言葉を続ける。
「で、じゃ。――なァ、お前ら。ゲームが負けそうな時、一体どうすれば良いか。知っておるか」
「……どうすれば、って」
 瞳が揺れる。――どうすれば、いいんですか。
 アリス適合者・エルは、縋るように口にした。
 稲見之守は口の端をつり上げて、嗤う。
「簡単じゃよ。――ゲームマスターをぶん殴る。これに尽きる」
 そして、面白がるように答えた。
「ぶん、殴……」
「ハハハ!それとも、続けるつもりかい。この不毛で下劣極まりない、くだらないデスゲームとかいうやつを!」
「……!?」
 ひゅ、ッ。――風切りの音。風を切って3人のアリスの手元へと飛来したのは、トランプのカードである。いずれも、スペードのエース。
「なに、これ……?」
「突然だけど、君達に必要な武器を用意したよ!受け取ってくれたまえ。……まだ、戦いを続ける気があるのならね」
 た、ッ。軽やかな足音とともに、初里・ジン(f10633)が降り立った。新たな猟兵の姿に、アリスたちが困惑を深める。
「どうしても戦いを続けるつもりなら――それを投げてみるといい。すごいことが起こるよ」
「すごい、こと……?」
「エル、駄目だ。罠かもしれない。君は易々と乗ってはいけない――。私が、投げてみよう」
 カードを手にした3人のアリスが視線を交錯させる。鋭い眼光。マリとセラが同時に睨みあった。
「――マリぃ、ッ!」
「――ああ、そうくると思っていたよ、セラ!」
 手にしたカードを2人が投げ放ったのは、ほとんど同時であった。
「よし」
 その瞬間、風が吹く。――熱風である。それはジンが仕掛けたトリックのひとつだ。
「……なんだ?」
 互いにカードを投げ合ったマリとセラは、交換する形でカードを受け取ることとなる。
「そのカードをよく見てごらん」
 セラは手にしたカードへと視線を落とした。その手の中で、カードの絵柄はスペードからハートへとかたちを変える。――熱で消える特殊なインクで、ハートの上にスペードを上書いていたのだ。
「スペードは剣。つまり、いまの君達だ。だけど――その中には、まだハートが残っているはずだろう?」
「何、言って」
「君達に必要な武器は愛だ」
 アリスたちの惑いを断とうとするように、ジンは告げる。
「争いは愛情や優しさを忘れさせる。思い出して……君達には好きな物や人が有ったはずだ」
「……」
「もうやめよう。無意味な争いは」
「ええ、ええ!まったくもってその通りですわ!なんですのこれは?なんなんですの!」
「ああ、そうだ。この舞台は、おそろしく醜い。はっきり言って美しくない!」
 畳みかけるように、怒りと苛立ちを孕んだ声があらたに響き渡る。
 不染居・ユキ(f28597)と、多々良場・茉莉(f28001)である。
「やっと念願のおとぎの世界にやって来たというのに…………なんなんですの、これは!!ぜんっぜん煌びやかじゃない!」
 茉莉はヒステリックに叫んだ。
 小世界トータンテンツはおとぎ話のお城に似たかたちをしていながら、オウガによって開催されたゲームのためにどこもかしこも血生臭く、煌びやかなイメージは徹底的に破壊されている。これは茉莉にとってはショックであった。
「まったくだ。こんな演目……どこが美しいというのだ、この演目は!人が憎しみ合う姿よりも、諦めず悪に立ち向かう姿こそが何より美しいというのに!」
 その一方でユキもまた激昂し、怒りのままに滔々と語る。
 ぶわ、っ。激憤のあまりに逆立つ毛並み。膨れ上がった四尾を広げながら、ユキは更に3人のアリスたちを睨みつけた。
「君達もだ!何故オウガに立ち向かおうとする意思を見せない!何故お互い刃を向け合う!」
「それは……」
 言い淀むエル。
「……うるせえッ!!いきなり出てきて、こっちの気も知らずに好き勝手言うんじゃねえッ!」
 しかし、セラは噛みついた。剣を手にしたまま、眉根に深く皺をきざみながらユキへと詰め寄る。
「てめえの言ってるそれは、“勝てる奴”の理屈だろうが……!あたしたちが!あいつらに!勝てると思うのかよ!!」
「なら、“勝てる奴”になりたいと思わないか!」
 ユキはセラを睨みつけながら、強く叱責した。
「……立ち向かうことを、諦めるな。今だって君は、敵とも味方ともわからない私に、そうやって反抗できたじゃないか」
「……」
「君の色を染め直そう」
 ユキの指先が踊る。――いつの間にかその手に握られていたのは、狐毛の絵筆である。
 踊る筆先は瞬く間に、セラの眦へと化粧めいて紅を描いた。
「君達の牙はまだ折れていない……ならば、それを悪に突き立ててみせろ。この醜悪な舞台を美しく塗り替える為に!」
「なんだ、これ……身体が、熱い」
 セラの身体が熱を帯びる。【彩色『十人十色の絵具』】。妖力を込めたユキの絵が、彼女に力を宿したのだ。
「……」
 足音が近づく。気づけばエルもまた、ユキの目前へと来ていた。
「あなたたちは、本当に――わたしたちを、救ってくれるんですか」
 その双眸が、ユキを射る。
「救う、というのは正しくないかもしれないな。……君達を救うのは、君達自身だ。君達がそう願うなら、私達猟兵が――その手助けをしよう」
「……」
 そして、一拍の間をおいて。
「お願いします」
 エルは、頭を下げた。
「……そういうことで、いいですね。セラさん」
「ああ。正直、メチャメチャむかつくけどさ……多分、今選べるテでいちばん賢いだろ、これが。マリ、オメーもいいな?」
「多数決でならもう負けてるよ。こうなったからには一蓮托生だ。エル、セラ。ここは休戦といこう」
「うむ。これでゲームはお流れじゃな」
 稲見之守は頷いた。
「もっとも、ゲームと呼べたものでもなかったが」
「話はまとまった感じかな?」
 壁の上に立つエダが振り返って、猟兵たちと3人のアリスへ問いかけた。
「なら、そろそろ反撃開始といこうじゃないか」
「ええ、そのようですね。状況は分かりましたわ。つまり……あの見るからに下賎そうなやつらを蹴散らせばいいのですね」
 と、っ。軽やかな足音とともに、壁の上の足場へと茉莉が降り立った。エダと並び立つようにして、周りを囲むオウガたちを見下ろす。
「ああ。あの連中は皆殺しとす。一欠片も残さぬ」
 稲見之守もそこへ加わった。
「では、ゆくゾ!」
 ――そして、ユーベルコードが吹き荒れる。
 【精気略奪】。稲見之守を中心として、漆黒の影が立ち上がった。影はその腕を幾重にも枝分かれさせながら伸び、舞台を囲っていたオウガ達を次々に捉えてゆく。
『グア……ッ!』
『こ、この力は……!』
「こちらもいきますわよ!」
 【ドレスアップ・プリンセス】。衣装を纏った茉莉が猛烈な加速度で駆け抜けた。硝子のヒールが炎を纏い、鉄のヒールが骨まで砕く。蹴り足の舞踏がオウガの群れへ次々と襲い掛かった。
「おらあッ!」
 正拳ッ!飛び込んだエダが勢いを乗せて拳を放つ!
『お、おのれ……!』
『猟兵ども……!よくも我々の仕上げたゲームの舞台を……』
「は。これでもまだつまらんゲームを続けたいかナ?」
 猟兵たちを睨みつけるオウガを、影が包んで滅ぼす。
「続けたいならば好きにするが良い。この我が新しい参加者になるが」
 ――その盤面を徹底的に破壊し尽くしてやる。稲見之守は嗤った。
「……すっげえ」
 壁をよじ登った先で展開される猟兵たちの戦いに、アリスたちは息を呑む。
「いえいえ、感心している場合ではありませんよ。私達も――」
 ジンはアリスたちのそばに立ち、そして促――
「貴女達もなーにをチンタラ見てやがるのです!!」
 ――そうとしたところで、茉莉の鋭い声に遮られた。
「見るからに下賤な奴らの言いなりじゃあ、いずれ自分も下郎になり果てますわよ!その剣はお飾りではございませんでしょう!」
「……だ、そうです」
 台詞を持ってかれたジンは肩を竦めて笑う。
「……はい。行きましょう、セラさん。マリさん!」
「わかってる!仕切ってんじゃねえ!」
「ああ。協力しよう!」
 ――かくしてアリスたちは互いに殺し合う地獄めいた舞台から抜け出し、新たな戦場へと飛び込んでゆく!

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 集団戦 『道先案内人』

POW   :    どうぞアリス、それを連れて一緒にお逃げください
戦闘用の、自身と同じ強さの【アリスを追い立てる獣たち】と【怪我をしているリス】を召喚する。ただし自身は戦えず、自身が傷を受けると解除。
SPD   :    おやおや、オオカミに食べられたのでしょうか?
自身と自身の装備、【任意のアリスである】対象1体が透明になる。ただし解除するまで毎秒疲労する。物音や体温は消せない。
WIZ   :    そうそう、ここから先は道が険しくなっておりますよ
見えない【ように隠れた『道先案内人』による地形変化】を放ち、遠距離の対象を攻撃する。遠隔地の物を掴んで動かしたり、精密に操作する事も可能。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


『あああアリス』
『いけません』
『舞台を』
『ゲームを』
『続けてくださらないと』
 オウガ――『道先案内人』たちは、軌道修正をはかる。
『アリスたちは、最後の1人になるまで殺しあう』。それが、この舞台の筋書きであり、その通りにアリスたちを踊らせることこそ『案内人』たちがこの世界の支配者から命じられた台本なのだ。
「うるせえッ!……もうまっぴらだ。こんなクソみたいなゲーム、やってられるか!」
 アリス適合者・セラは叫んだ。
「行け、セラ!私とエルでサポートする!エル、頼めるね」
「はい。……やっつけましょう。みんなで、勝って。生きて、かえりましょう!」
 それに続くように2人のアリス適合者・マリとエルもまた飛び出してゆく。【アリスナイト・イマジネイション】。刃と鎧をその身に纏い、3人はオブリビオンたちへの反撃を開始する!
神羅・アマミ
よく言ったセラ!
ふざけた奴らに道先案内などはさせぬ。
未来を切り開くのはいつだって我ら猟兵よ!

真の姿・ゴリラニックパワーローダーへと覚醒し、放つUCは【山台】!
小賢しく地形を変えコソコソと逃げ回るというなら、高速建築スキルでもって相殺を試みる!
彼奴の姿を暴き、隠れる術もないような一直線の通路を作り出すことで、三人のアリスが一切の迷いなく攻撃へと転じるお膳立てとしたい。
その際、メカゴリラ看守も敵の拘束へと向かわせることで、同時にアリスへのちょっとした護衛や囮として機能してくれるはずじゃ!

ユーベルコードは想いの力。
怒りによって最強に強まった今の三人なら、きっと猟兵以上の働きをも見せてくれよう!


ラヴ・フェイタリティ
【アドリヴ歓迎】
ふっ…迷いが消えていい顔になったじゃねぇかビギナーども。(後方先輩面)
アリスビギナーズが張り切ってトリーズナーにランクアップした以上、ラヴ様も気合入れていくぜ!うおおおお、アクセスッ!!

ユーベルコードを発動したら空を飛んでオウガどもをエナドレ&ハサミ首ちょんぱで連続キル!アメイジング!地形変化とか小癪なことしやがるようだが、空を飛んじまえば問題ねぇだろうが!第六感も野生の感もビンビンに研ぎ澄まして抜かりなし、念動力の力比べでも負けるつもりはねぇな!オラーッ、死にさらせ―!



『いけません』
『せっかく舞台を整えたというのに』
「ナめんじゃねえッ!!そんなモン、もう参加なんかしねえっつってんだろうがッ!」
 斬閃!軌跡を描く切っ先が人型のオウガ――『案内人』の裾を裂く。突進するセラは果敢にオウガへと立ち向かっていた。
「よく言ったセラ!」
 神羅・アマミ(f00889)は3人のアリスに並走するように戦場を駆けた。――勢い任せの飛び蹴り!下駄の歯が案内人の顔面を叩き潰す!
「こんなふざけた奴らに、お主らの道先案内などはさせぬ。未来を切り開くのはいつだって我ら猟兵と、お主ら自身よ!」
「ふっ……まったくだぜ。迷いが消えていい顔になったじゃねぇかビギナーども」
 その後ろで腕組みするヴ・フェイタリティ(f17338)は先輩風を吹かせながら、その戦いを見守った。
「よし……アリスビギナーズが張り切ってトリーズナーにランクアップした以上、ラヴ様も気合入れていくぜ!」
 ラヴ様はその胸の中に滾る炎を燃やしてゆく。
「うおおおお、アクセスッ!!」
 その炎はサイキックの力となって励起する。ラヴ様は燃えるサイキックエナジーを纏いながら虚空へと腕を突き入れ、その中から巨大な鋏を引き抜いた。
「おーし!こっちもノってきておるな。このままやったろーではないか!」
 続けて轟音。鉄の腕が虚空を砕く。そこからトータンテンツの城内へと足を踏み出したのは、アマミのゴリラニックパワーローダーである!アマミはすぐさまライドオン!更にラヴ様もマシンに掴まり、眼下に敵の群れを見下ろす。
「わあ……」
「どうも世界観がちがう人たちだね……」
 ガオンッ!床を踏みしめる鉄の足。轟音にトータンテンツが揺れる!アリス適合者・エルは驚いたように口を開け、一方アリス適合者・マリは呆れたように目を細めた。
『なんという掟破り……』
『許してはおけません』
 『案内人』たちはその力を励起する。彼らの行使するユーベルコードは、地形を操る術だ。彼らはこれにより舞台を書き換え、オウガ達の企図したデスゲームの会場を作り上げていたのである。
『牢獄に繋いで差し上げましょう』
『その力を活かせぬよう――』
 そして今、その力は侵入者を排するために行使される!ユーベルコードの力を、『案内人』たちがトータンテンツの城を構成する建材へと向けて放射した。煉瓦が隆起し、漆喰が伸びる。ユーベルコードに応えた地形が、アマミのパワーローダーにまとわりつくように改築を始めた!更にオウガたちは建材の隙間に隠れ、死角からの襲撃を目論んでいるのだ。
「うるせー!檻に入るのはおめーらの方じゃぞ!」
 だが、アマミのパワーローダーはその建材を叩き壊す!オブリビオンたちの卑劣な計略を許さない。同時に励起するユーベルコードは今オウガたちが用いたのと似る、空間改変能力だ。【山台】!叩きつけた拳の先から伝わるユーベルコード出力が地形へと浸透し、オブリビオンたちの影響力を上書きするように書き換えてゆく。そこに生じたのは漆喰と煉瓦は鉄筋コンクリートへとその存在を変異しながら瞬く間に侵食を開始し、そこに監獄めいた迷宮を作り出した!
《ギギギギギ……ガオオオンッホホホ》
 更に内部に発生するのは監獄を支配するメカゴリラ看守たちである。メカゴリラ看守は身を隠そうとするオウガたちを次々に見つけては引きずりだしてゆく。
『なんです……!?』
「なんだこりゃ……」
 アリスたちとオウガたちが同時に困惑した。
「道じゃ。こうしてとらえてしまえば奴らも正面からやり合うしかできぬという寸法よ――いーから、このまままっすぐ進め!」
 アマミは監獄の扉を叩いて開く。そして促した。――このまま、真正面から叩け、と。
「おーし!いくぞトリーズナーズ!ラヴ様についてきやがれッ!うおおおおおおお!」
 その先陣を切るように跳び込むラヴ様は颯爽と監獄の通路を駆け抜け、正面でメカゴリラ看守とやり合っている真っ最中の『案内人』へと一気に間合いを詰める。閃く断ち鋏!ざ、ッ!オウガの身体が文字通り真っ二つに断ち切られ、そして崩れ去る。
「オラーッ、死にさらせ―!」
 更に加速するラヴ様!オウガたちへと次々に襲い掛かる鋏とサイキックのパワー。続けてオブリビオンたちの悲鳴があがる!
「すっげ、なんつって感心してる場合じゃあねえな……。エル!マリ!遅れんじゃねえぞ!」
「はい!マリさん、いきましょう!」
「ああ。こうして憂いなく協力して戦える時がくるなんてね……」
 そして3人のアリスもまた監獄迷宮の中へと飛び込んだ。幻装の鎧に身を包んだアリスたちはその手に剣を握りしめ、そしてオウガたちへと刃を突き立てた。
「うむ。いい気合じゃ」
 アマミはその背を見送って、どこか満足そうに頷いた。
「ユーベルコードは想いの力……怒りによって最強に強まった今の三人なら、きっと妾たち以上の働きをも見せてくれよう!」
 かくして、猟兵たちと3人のアリスの戦いが始まったのである。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

御狐・稲見之守
なるほどそうか、ゲームを続けたいか。よろしいよろしい、それではワシが新たな参加者となってやる。

ゲームにはルールがあるものだが、得てしてこの手のゲームのルールは『強者』が決めるものよ。それでは、クソみたいなゲームを始めよう。

[UC式神符][式神使い]隠れている彼奴らを見つけたならば、[呪詛]でその影を操り[捕縛]、そのまま締め上げ呑み喰らうこととす。かくれんぼの鬼は得意でなァ、ただし我は鬼より怖いかもしらんが。

――所詮はゲーム、なればゲームが終われば汝らアリス達は敵味方なくノーサイドである。云っている意味はわかるな?


不染居・ユキ
貴様がゲームを手引きしている案内人か
主催者に言っておけ…このゲームの筋書きは反吐が出る程つまらんと!

アリス達が上手く動けるよう、オウガ達を妨害してやろう
オウガ達が伸ばす手を遮るよう、写生帳の頁1枚を奴らに向けて飛ばす
頁に描かれた絵は【弾幕】魔術の媒介になるには充分。赤い炎のような弾幕で奴らを囲む
敵が怯んだ隙に《鉤勒『花の輪郭』》を発動。奴らを拘束し、変な小細工が出来ないように仕向けよう
「おっと…妙な真似は止めてもらおうか。筋書き通りに進んでもつまらんだろう?」

そして、アリス達には【情熱】の言葉を掛けて後押し
「私は筆しか持たぬのでな…悪いがこうする事しか出来ん。後は君達がその剣で先を切り開け」


多々良場・茉莉
◇心情
「見れば見るほど煌びやかさの無い方々。私の爪の垢でも煎じて飲めばよろしいのでなくて?まあ毎日爪の先までケアしてるから垢なんてございませんけどー!」

◇戦闘
とはいえ戦闘はまだ素人
地形変化では自慢の健脚が活かせず、ワーキャーと口汚い言葉を上品なオブラートで包んで喚きながら逃げ回る【逃げ足】
そしてフラストレーションが溜まりきった所でUC発動

「むっきーぃっ!こんな屈辱耐えられませんわー!おんどれ方まとめておミンチになりあそばせ!」
世界に対するイメージギャップ、いいように追い立てられる敗北感が凶暴な見た目の南瓜の馬車へと変じ、隠れた敵を追尾して轢き潰すまで追い立てる
アドリブやPC、NPC共に連携歓迎



『盤面を、整えなくては……』
『状況を再構築し、猟兵たちを排除しましょう』
 『案内人』たちはユーベルコードを励起する。トータンテンツの城内が再び姿を変え始めた。
「こいつらがゲームを手引きしている案内人か」
「そのようですわね。……まったく、見れば見るほど煌びやかさの無い方々。私の爪の垢でも煎じて飲めばよろしいのでなくて?」
「なるほどそうか、どうしてもゲームを続けたいようじゃな」
 御狐・稲見之守(f00307)と不染居・ユキ(f28597)、そして多々良場・茉莉(f28001)は、蠢く建材の上に立ちながら『案内人』たちに対峙した。
「主催者に言っておけ……このゲームの筋書きは反吐が出る程つまらんと!」
 ユキは筆を引き抜いた。絵具の彩を飛沫かせながら、進みだす。
「まったくもっての。――よろしいよろしい、こんなくだらんゲームにこれ以上アリス達を付き合わせさせんよ。それではワシが新たな参加者となってやる」
「ええ、その盤面をしっちゃかめっちゃかにしてやりますわよ」
 稲見之守と茉莉もまた進み始めた。
『猟兵たち……!』
『よくも我々の舞台を邪魔するつもりですね……!』
 『案内人』たちのユーベルコード干渉によってかたちを変えたトータンテンツの内部は、薔薇の咲く庭園へとかたちを変えていた。茨がそこかしこを覆う生垣の迷宮である。オウガたちは茨の隙間や生垣の影に身を隠し、死角からの襲撃を画策する。
「また変わった!?」
「クソ、次から次へとメチャクチャしやがって!」
「落ち着くんだ、2人とも。武器を離すんじゃないぞ」
 3人のアリスもまた生垣の迷宮に取り込まれていた。剣を構えながらも、3人は戸惑う。
「えっ、なんですのこれは!?」
 一方、茉莉もまた状況に戸惑っていた。彼女は猟兵としての覚醒からまだ間もなく、実戦経験に乏しいがために状況に対応しきれていないのだ。彼女はまっすぐ行ってぶっ飛ばすタイプの猛進型であったため、このようにまっすぐ走れなくなる迷宮地形では実力を発揮できなくなっていたのである。
「こっちが戸惑っててどうするんじゃ。――まー、ワシに任せよ」
 困惑する茉莉をよそに、稲見之守はつとめて冷静に対応する。――式神符。稲見之守の袖口から、霊符が群れをなして飛び出した。展開した符は式神の姿へとカタチを変え、迷宮内へと散ってゆく。
「ゲームにはルールがあるものだが、得てしてこの手のゲームのルールは『強者』が決めるものよ。それでは、クソみたいなゲームを始めよう。……そうじゃな。かくれんぼでもするか」
 稲見之守は口の端をつり上げた。
「私はアリス達の手助けをしに行こう。君も一緒に行くぞ」
「ええ!?あ、ハイ!わかりましたわ!」
 続けてユキが迷宮の中を走り出す。それに追従して茉莉がおそるおそる駆け出した。
『猟兵ども――』
 そして、迷宮の中を駆けだした猟兵たちを狙うのは陰に身を潜ませた『案内人』たちである。彼らはそのユーベルコードで地形に干渉し、死角から猟兵たちに奇襲を仕掛けようとしていたのだ。
「――みいつけた」
 だが、その目論見が果たされることはない。稲見之守の放った式がその気配を捉えたのだ。稲見之守は呪詛を繰り、式神に力を伝播させる。式神符はその呪詛により黒く膨れ上がり、そして大蛇めいたかたちへと姿を変えるとそのまま隠れていた『案内人』を引きずり出しながら締め上げ、そして牙を突き立てた。
『これは……!?ぎゃッ!』
「かくれんぼの鬼は得意でなァ――ただし我は鬼より怖いかもしらんが」
 それに続いてそこかしこでオウガたちの悲鳴があがる。迷宮内に展開した式神たちが、隠れた敵を次々に捉えているのである。敵の脅威の多くはそうして排除されつつあった。
「いたぞ、アリス達だ」
「囲まれてますわよ!?ああ、もう!クソですわ!なんてお(不適切な単語)な連中ですこと!!」
 その一方で、ユキと茉莉は迷宮の中心部で『案内人』たちに囲まれた3人のアリスのもとへとたどり着く。アリスたちは必死で武具を振るい、オウガたちと相対していた。
『舞台に戻っていただきます』
『お戻りください』
「――ッうるせえ!」
「セラさん!落ち着いてください!」
 だが、戦闘力で猟兵に劣るぶん、アリスたちは苦戦を強いられている。オウガたちに翻弄されながら、3人はだんだんと疲弊し始めていた。
「これはいけない。……では、手を貸すとしよう!」
「ええ、ええ、そうですわね!ブッ潰しますわよ!」
 だが、助力の手は間に合った。2人の猟兵が、飛び込む!
『なに……!?』
『猟兵ども――もうここまで追ってきたのですか!』
「このくらいの小細工で止まるほど、私たちは甘くないものでね。――これ以上好きにはさせない」
 ユキは一冊の冊子を引き抜いた。それは彼女の写生帳。描くことを通じて妖術を使う彼女にとっては、それそのものが術式の媒介具として機能する。ユキは冊子の中から一枚のページを破ると、そのまま放った。ページは瞬く間に燃え上がり、赤い炎の術式弾幕の火種となる!
『な……ッ!?』
『これは……』
「うるせえですわよ!!」
『グアーッ頭蓋骨!』
 炎が爆ぜた!弾幕に怯むオウガたち。そこへ真正面から飛び込んだ茉莉が先制の飛び膝でオウガを一体蹴倒した。続けて身を翻し、茉莉は次の獲物へと蹴り足を伸ばす。
「おんどれ方の仕掛けたこの(不適切な表現)みてェな(不適切な表現)のせいで、わたくしの一張羅が台無しですわよ!!」
『グアーッ肋骨!!』
 続けて放たれる回し蹴り!炎の弾幕が迷宮を赤く染め上げる中、たたらばの火を纏って蹴り足が踊る。『案内人』の胸郭を叩き砕きながら茉莉はフラストレーションを叫んだ!
「わかってらっしゃいますの!!わかってらっしゃいますの!?このお(不適切なスラング)が!この茨に引っ掛かったせいでわたくしのドレスが……ドレスが……」
『グアーッ肋骨!!』
『くっ……猟兵どもめ、よくも!』
『かくなる上は、我々でアリスたちを――』
「おっと…妙な真似は止めてもらおうか」
『むう……ッ!?』
 【鉤勒『花の輪郭』】。茉莉が暴れまわっている間に、ユキが仕掛けていたユーベルコードである。筆が虚空に描いた線がワイヤーめいた実体となって『案内人』たちを縛り上げたのだ。
「筋書き通りに進んでもつまらんだろう?」
『おのれ……!』
「むっきーぃっ!わたくしもう完全に我慢の限界ですわ!!」
 その一方である。――ここまでため込んだ茉莉のフラストレーションが、ここにきてとうとう爆発を起こしたのだ。それは夢見た世界とここにあるトータンテンツの現状というギャップだとか、茨に引っ掛かって裂けたドレスだとか、そういった失望や屈辱、敗北感が主因である。
「おんどれ方まとめておミンチになりあそばせ!」
 咆哮!お上品さをかなぐり捨てた茉莉が叫ぶ。その感情を材料として励起するユーベルコードが、遂に炸裂した!虚空を裂いて棘や鈍器、火炎放射器やジャラジャラしたもので武装した南瓜の馬車が群れをなして現れる。【列なす唐茄子大渋滞/パンプキンジャム】!
「オラーッ!!ブッ死になさってくださいませえぇッ!」
『グアーッ即死!!』
 スタンピード!茉莉の咆哮を号砲がわりに、殺人南瓜馬車の群れが一斉に最大加速!暴れまわる馬車たちは生垣の迷宮を力任せにぶち抜き、『案内人』たちを巻き込みながら疾走した。
「また、助けてもらっちゃいましたね」
 呼吸を整えながら、アリス適合者・エルは猟兵たちのもとへと駆け寄った。
「気にすることはないさ。私たちはそのためにきたんだ」
 ユキは頷いた。
「だが――私は筆しか持たぬのでな。悪いが、最後まで面倒を見てやることは出来ん。できるところまでは手を貸すが、後は君達がその剣で先を切り開け」
「うむ。……まもなく、このゲームも完全に終了じゃ」
 馬車が刈り取った道を辿って、ここで稲見之守が合流した。稲見之守はアリスたちを見ながら、静かに言葉をかける。
「この舞台とて、所詮はゲーム、なればゲームが終われば汝らアリス達は敵味方なくノーサイドである。云っている意味はわかるな?」
「わかってるよ……。……仲間割れすんな、ってことだろ」
 ばつが悪そうにそっぽを向きながら、セラが頷いてこたえた。
「……はい。わたしたちだって、これ以上誰も失いたくありません。セラさんも、マリさんも……3人で、きっと帰ります」
「ふふ――そうだね、エル。私達は、友達で、仲間だ」
 涙ぐむエルと、微笑んでそれを見守るマリ。3人のアリスたちは、それぞれの武器を手にしながら顔を上げる。
 彼女たちの間にはもはや疑念はなく、殺し合いの舞台からは既に解き放たれているようであった。
 あとは、オウガたちを退け、前に進むだけだ。彼女たちの戦いは続く。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

初里・ジン
【SPD】

まず、敵が透明になったら【全力魔法】で水の魔術を発動。周りにたくさんの水溜りを作る。そして、透明になった敵が水溜りを踏んだ音が聞こえたらそこに【属性攻撃】の雷の魔術を放って麻痺させる事を試みる

「姿は消せても物音は誤魔化せないみたいだね!」

とどめに氷の魔術で水溜りを変化させて下から巨大な氷柱を生やして【串刺し】にする

必要ならアリス達を【かばう】

「大丈夫かい?さあ、僕達猟兵と一緒にこの戦いを乗り越えよう!戦いが終わったら、僕が前に君達に渡したカードにサインしてあげようか?まあ、僕はまだ駆け出しのマジシャンだから価値は全然ないけどね。」と元気付けるような言葉もかける

※連携&アドリブOK


新海・真琴
外も騒がしくなってきたな……急いだ方がいいか
もう、アリスは一人として喪わせやしない!

オウガが来る!
セラ、マリ、エル、血気に流行るのもいいがどうか身を守るコトも考えて欲しい

案内人……コイツらが煽っていた張本人か。いや、恐らくは更には黒幕もいるだろう。今はまず、コイツらから潰す!
歯、食い縛れ。己の戒名を考えておけよ

構えるのは和弓、巴板額
怪力で弓を引いて、破魔と浄化を載せた矢を貫通攻撃で放つ
アリス達に手を出そうとするオウガには恫喝で牽制し、その隙にはなきよらで斬りかかる!

武器のうち桜の拳鍔を花弁に変えて、破魔や浄化、光の属性攻撃を載せた曼珠沙華を放つ!

(全て倒した後)
大丈夫かい?立てる?


エダ・サルファー
演者が拒否してるのに軌道修正なんか無理でしょ。
そもそも、もうこの物語はアリスたちのものだ!
お前らは台本じゃなくて十把一絡げの雑魚モンスターだっての!

……とまあアリスたちメインの物語なので、私としては黒子に徹したいところ。
なので道先案内人の面倒くさい攻撃を潰しつつ、アリスの手助けをすることを意識していこう!
具体的には隠れての地形変化攻撃を震脚で踏み潰す!もしくはぶっ壊す!
ついでに隠れてる道先案内人の動きを封じる!
動けなきゃ隠れててもすぐバレるでしょ!
お前ら嫌がらせをするのが上手なようだが、嫌がらせをされる側になったことはあんまりなさそうだな!
ここから先は徹底的に嫌がらせをしてやるから覚悟しろよ!



「外も騒がしくなってきたな……急いだ方がいいか」
 新海・真琴(f22438)は、アリスラビリンス世界全体がこれまでとは異なる熱を帯びていくことを気取る。
 大きな動きが起ころうとしているのだ。これ以上、手間取ってはいられない。
「おらあッ!」
『くっ……!お止しなさい、アリスたち』
『舞台に、舞台に戻るのです!』
「戻りません……!私たちは、『進む』と決めたんです!」
 槍の一撃!鋭い穂先が『案内人』を貫く!
「やるじゃねえか、エル!ちょっとだけ見直してやるよ!」
 続けて前に出たセラが剣を薙いだ!剣閃がオウガを裂く!
『おのれ……』
『かくなる上は!』
 『案内人』たちは既に大きくその数を減らしていた。全滅までもがもはや時間の問題だ。だが、決して無抵抗というわけではない。
『せめて、1人だけでも……!』
 すぅ、っ。『案内人』たちのうちの何体かがその姿を透明に変じた。――ユーベルコードの発露である。
「消えた……!?」
『こうなってしまえば、我々の姿は捉えられないでしょう!』
『……死ね、ッ!』
 姿を消した『案内人』たちは密やかにアリスたちへと迫り、殺気とともにその爪を振るった。
「そうはいかないよッ!」
「ああ、させないさ!」
 だが、そこへ猟兵たちが割り込んだ!姿は見えずとも、音や気配が存在するのなら。戦闘経験を積んだ猟兵であればそれを看破するのは不可能なことではない。
「舞台を戻すっつったってさ。演者が拒否してるのに軌道修正なんか無理でしょ」
 エダ・サルファー(f05398)は気配を読んで拳を放つ。打撃!その一撃はオウガを捉えていた!苦悶の声と共に『案内人』の気配が後退する!
「セラ、マリ、エル、血気に流行るのもいいがどうか身を守るコトも考えて欲しい」
 更に真琴がアリスたちを庇いながら、ハルバードを構え直す。
「……ちっ。わかってるよ」
「そうだね。私たちももう少し慎重にいこう」
「……とはいえ、敵の姿がみえないと」
「ふっふっふ、お困りのようだね」
 ここで戦場へと滑り込んだ初里・ジン(f10633)が伊達に笑う。仰々しく芝居掛かった仕草で、人は大きく手を広げた。
「ここは僕に任せてくれたまえ!」
『おのれ……小癪なマジシャン風情が!』
『我々の舞台を!』
 殺気と気配が静かに忍び寄る。オウガたちが猟兵たちへと迫っているのだ。ジンはその気配を敏感に感じ取りながら、口の端を吊り上げた。
「では、ショウ・タイムといこうか!」
 ジンはステッキを手の中でくるりと回す。パフォーマンスめいた仕草は、しかして術式に通じる所作だ。ステッキを媒介として放射された魔法力は、水となって城内に撒き散らされた。
『なに……?』
『水撒きをした程度で、何が――』
「見つけた」
 刹那、電光が迸る。ジンが放った魔術である。
 ジンは水の魔術によって周囲の地面に水たまりをつくったのだ。そして、彼は聴覚を研ぎ澄ませた。――透明化のユーベルコードは、音を消すことができない。であるが故に、水たまりを踏んでしまえば、その際に跳ねる水音をたててしまう。ジンはそれを探知機として敵の位置を推測し、そして術式を放ったのだ。
『ぐあ……!』
「「姿は消せても物音は誤魔化せないみたいだね!」
 ばぢ、ッ!爆ぜる電光。電撃が身体を麻痺させる。『案内人』は透明化を解かれながら、水たまりの上に膝を屈したのであった。
「……自分たちは安全な場所に隠れて、か。姑息な真似をする」
 動きを止めた『案内人』の姿を、真琴の瞳が射貫く。――その双眸には、怒りと敵意が宿った。
「歯、食い縛れ。己の戒名を考えておけよ」
 巴板額。真琴は弓を構え、そこに矢をつがえる。そして、躊躇なく撃ち放った。
『ぎゃ……ッ!』
 貫通。破魔の矢はオウガを貫き、そしてその存在を骸の海へと還す。
「ははは。――どれほど姿をくらまそうと、もう意味はないよ」
『おのれ、小癪な猟兵ども……ぐあッ!?』
「いい加減にしなよ!そもそも、もうこの物語はアリスたちのものだ!」
 よろめく『案内人』たちのもとへ、鋭い拳が飛び込んだ。エダは激昂とともに叩きのめす!
「お前らは台本じゃなくて十把一絡げの雑魚モンスターだっての!」
『むう……ッ!お、おのれ!』
『もう一度迷宮の舞台に……』
 既に戦況は猟兵たちの優勢である。だが、いまだ諦めきらぬオウガたちはしぶとくも反撃に出ようとする。またしても励起させる地形変化のユーベルコードが、トータンテンツの内部構造へと干渉を開始し――
「動くんじゃ、ない!」
 ――しかし、それを遮る音が轟く!だァん、ッ!激しく踏み込んだエダの足が世界を揺るがす!その振動に伝播して伝わるドワーフちからが、地形への干渉力を上書きしたのだ。【ドワーフ式震脚】である!
『なに……!?』
『ゆ、床が!我々の舞台が……』
「お前ら嫌がらせをするのが上手なようだが――嫌がらせをされる側になったことはあんまりなさそうだな!」
 だん、ッ!再び震脚!踏み込むエダの足底が、もう一度トータンテンツを揺らす!衝撃!振動と揺れにオウガたちが怯む!
「今だ!あとは主役に譲るよ!」
 ここでエダは促した。
 一発、ブチかましてやれ、と。
「は……はいっ!」
「譲ってもらうってのは気に食わねえけど――ああ、やってやるッ!」
 応じて、アリスたちは再び構えた獲物を放ち、『案内人』たちへとその刃を突き立てる。その双眸に強く意志を宿し、彼女たちはオウガを屠った。
「なら、後詰めをやらせてもらおう!もう、アリスは一人として喪わせやしない!」
 それをサポートするように、再び真琴が飛び込んだ。その手に嵌めた薄紅の鋼に、ユーベルコードを載せる。拳鍔は淡い光へと変わり、そして光は花びらへと変じながら吹き荒れた。――【曼殊沙華】!
『ぐ、ああああああ、ッ!』
『わ、我々の舞台が……我々のゲームが――――っ!!』
 そして、『案内人』たちが爆ぜる。
 ――光の花弁が消えた後、そこに残るオブリビオンの姿は皆無であった。
 この舞台を仕立てていたオウガたちは、すべて骸の海へと還ったのだ。――どこかからこの戦場を観ている、最後に残った敵の首魁ただ一人を覗いて。
「大丈夫かい?」
「立てる?」
 そして静寂が訪れた頃、ジンと真琴はアリスたちを気遣い、手を差し伸べた。
「……へ、っ。大丈夫だよ。……けど、一応言っとく。……ありがとな」
 照れ隠しめいて視線を外しながら、セラが呟いた。
「はい。……皆さんのおかげで、ここまでこれたと思います」
 エルもまた頷きながら、猟兵たちへと笑顔を向ける。
「ああ。しかし2人とも、油断をしてはならないぞ。まだ、すべて終わったわけではないのかもしれないんだ」
 その一方で、マリは2人へと注意を促した。
「うんうん、そうだね。まだ閉幕ではないようだ。――よし。それじゃあ、僕達猟兵と一緒にこの戦いを乗り越えよう!」
 そこへジンが更に言葉をかけた。励ますように、元気づけるように。おどけた仕草で帽子を振って、芝居がかった仕草でウインクする。
「そうだ!せっかくだから、さっき渡した渡したカードにサインしてあげようか?……まあ、僕はまだ駆け出しのマジシャンだから価値は全然ないけどね」
「あ、……はい。お願いします」
「……おいおい、マジかよ。あたしはパス」
「おや、協調性がないな。ミスター、セラの分も頼むよ」
「マリ、てめえ!勝手なこと……」
 飄々としたマリに、セラが食って掛かる。それをエルが諫め――どこにでもいる普通の少女たちのように、彼女たちは笑顔を見せた。
「……うん。やっぱりこうでなくっちゃね」
 エダはその様子を眺めて頷く。
 アリスラビリンスは彼女たちにとってひどく理不尽な世界だ。だからこそ、こうした笑顔は貴重である。
 彼女たちを、無事に元の世界へ返してみせよう。――決意を固めるように、エダは握った拳に力を込めた。

「……」
 しかし、またその一方で真琴は胸の奥に僅かな不安を感じる。
 この世界における戦いは、まだ終わっていない。……未だ、敵の首魁は姿を見せていないのだ。如何なるオウガがアリスたちを呼び寄せ、そして閉じ込めたのか。
 ――その答えは、間もなく明かされる。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

鈴桜・雪風
(溜息)
実の所、3人の誰かが先導役だろうとは思っていました
3人に減ってから来たわたくしが違和感を感じたという事は
その元はそのうち誰かです

最初に消せるのはセラさんの線
扇動役の一番の役目は「アリス達を団結させずに互いを疑わせる事」
疑心剥き出しで孤立していたセラさんは扇動役としてはあまりにお粗末
煽られた側と見るのが自然

残るエルさんとマリさんですが
13択からこの2択になった時点で答えは出ているようなものです
常に「どうしたら」と迷い戦いを躊躇し、最初に猟兵の手を取った人と
常に「油断するな」と戦う選択肢を意識させ、最後になるまで猟兵を信じなかった人と

――どちらがオウガかは明らかですよね、マリさん?



「……だけど、結局ぜんぶ黒子だったな」
「そう、ですね……その、ボス、みたいなのがいるなら……」
「ここまできて、まだ顔を見せていないのはおかしい――ということになるね」
 3人のアリスたちは、顔を見合わせて首を傾げる。
「……いや、だけどそんなことはいいんだよ。大事なのは、あたしたちがどうやってここから出るかだろ?」
「そうですね、セラさん。マリさんはどう思います?」
「そうだね、私は――」
「――そこまで、です」」
 そして、鈴桜・雪風(f25900)がその会話を遮った。
「……どうしたんだい?」
 驚いたような顔をして、マリは雪風を見た。
「はい。……そろそろ、解答編を始める時間かと思いまして」
 雪風はまっすぐに視線を返しながら、告げる。
「……解答?」
「おいおい、そりゃ一体どういう意味だよ」
 エルとセラが困惑する。――雪風は、ため息をひとつ吐き出して、そして更に言葉を続けた。
「実のところ、わたくしははじめからあなた方3人を疑っていたのです」
「……なんだって?」
 剣呑。――空気がにわかに熱を帯びる。敵意に近い怒り。セラが険しい目で雪風を睨んだ。
「はい。……あなた方の中に、この事件の黒幕がいる。そう、思っていました」
「……その根拠は?」
 セラを制するようにしながら、マリが前に出た。
「チェス盤をひっくり返しましたの。わたくしが、この事件を仕掛けた側ならどうするか――。そう。わたくしなら、あなたたちの中に戦いを煽る扇動役を仕込みます」
 しかして、雪風は冷静に言葉を続ける。――探偵としての役目を果たそうとするように、彼女は真正面からアリスたちへと向き合った。
「最初に消せるのはセラさんの線。扇動役の一番の役目は『アリス達を団結させずに互いを疑わせる事』ですが――疑心剥き出しで孤立していたセラさんは、扇動役としてはあまりにお粗末」
「お前、あたしのことバカにしてんのか!?」
「いえ、そうではありません。こんな理不尽な場面に巻き込まれれば、あなたのようになるのは当たり前なんです。煽られた側と見るのが自然でしょう」
「……」
「あの……それで……?」
 震える声。エルは、恐る恐る続きを促した。
「ええ。残るエルさんとマリさんですが、この2択になった時点で答えは出ているようなものです」
「……」
 ――鋭く睨めつける視線。雪風は、動じることなく言葉を続ける。
「常に『どうしたら』と迷い、戦いを躊躇し、最初に猟兵の手を取った人と。常に『油断するな』と戦う選択肢を意識させ、最後になるまで猟兵を信じなかった人」
 そして、雪風の双眸は――自称・アリス適合者、マリを見据えた。
「――どちらがオウガかは明らかですよね、マリさん?」
「――」
 僅かな沈黙が、重苦しくその場を支配する。
「そ、んな……うそ、ですよね?……マリさん!どうしてこたえてくれないんですか?!」
「……おい。反論しろよ。さっきまでみてえによ、スカしたツラで『違う』って言えよ!」
 エルとセラが、叫ぶ。
「く、っふ」
 その声に、マリは噴き出すような笑い声を返した、
「はははは……あっははははは!あはははははは!そうかそうか、そうかあ、わかられてたかぁ。……残念だなあ、あともうちょっとだったんだけどなぁ?」
 空気が、変じる。オブリビオンがその正体を現したのだ。
 ――アリス適合者ではない。そうであると偽り、アリスたちを欺いていたオブリビオンは、その力の一端を顕した。巨大なエネルギーがプレッシャーとなって周囲の空間に放たれる。
「仕方ないなあ。こうなってしまったら仕方ない。仕方ないよねえ――。ああ、嫌だな。もっとスマートなやり方がよかったんだけど……」
 ひゅ、っ。風切りの音。マリを名乗っていた女は、その手に剣を携えた。
「じゃあ、最終幕を始めようか」

大成功 🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『マリスナイト』

POW   :    アリスの仲間達よ、彼女を守るんだ!
演説や説得を行い、同意した全ての対象(非戦闘員も含む)に、対象の戦闘力を増加する【強い使命感】を与える。
SPD   :    アリスを惑わす敵は、私が排除する!
全身を【アリスを騙す為の白銀の鎧】で覆い、自身の【悪意】に比例した戦闘力増強と、最大でレベル×100km/hに達する飛翔能力を得る。
WIZ   :    悪意は主の元へ還る
【自分の細剣】で受け止めたユーベルコードをコピーし、レベル秒後まで、自分の細剣から何度でも発動できる。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はテンタクルス・ダークネスです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


「嘘――!」
「残念だけど、嘘じゃないのさ。あっははは……なかなかの名演技だっただろう?」
 恐慌。――ここまでともに歩んできたはずの仲間が、その手に剣を握りながら――見たこともない顔で嗤って、獣のような目でエルを見る。
「ああ、その表情……その顔がさあ、見たかったんだ……ねえ、エル。きみがいけないんだよ?きみが、きみがこんなにおいしそうだから……ああ、そう、この舞台が始まってから、私たちはずっと一緒に戦ってきたよね?……く、く、ふ、はは。あっははは!ねえ、教えてよ。私がさ、今までずっと、ずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっと……エル、きみが裏切りに絶望するその顔を見たかった、って……その絶望する君を、どんなに食べたいと思っていたかって、知ってしまった今この時の気持ちを教えてよ!」
 ざり、っ。――細剣の切っ先が床を舐める。マリ――マリスナイトが、エルに迫った。
「てめえ……てめえッ!てめえが、全部――!!」
「煩い」
 斬閃。
 激昂とともにセラが疾駆し、その本性を露わにしたマリスナイトへと剣を振るい、そして圧倒的な力と技量差に弾かれる。
「ぐあ……っ!ま、マリ……!てめえ、ッ!」
「セラ、私は君のこともすきだよ。エルの次にだけど。……ああ、でもそうだね。もともと、君が死んで二人きりになったところで食べようと思ってたんだし、今からそうしてもいいかな……」
 ゆるり、と。マリスナイトが振り向いた。
「……ああ、ああ、ああ。いや、それよりも。それよりも、かな。まずは――私達の舞台から、邪魔者を排除しなくちゃね」
 その双眸が、猟兵たちを捉える。
「さあおいで、『愉快な仲間』たち」
 ぱちり、と、マリスナイトが指を鳴らす。呻くような声がした。ずるりと這いずる音がした。――そうして現れるのは、この世界に元々存在していた、城の調度品のかたちをした『愉快な仲間』たちだ。
「愛しい愛しいアリスたちを、私とともに猟兵たちから守っておくれ」
 そして彼女は剣を構えなおし、銀の鎧を身に纏う。
多々良場・茉莉
貴女が黒幕っ~!?
気づきませんでしたわ!下手こきましたわ!
でも、ここまで来たらやる事は一つですわね

◇戦闘
セラさん、貴女わたくしと似ていますわね
自分の身の丈も分からず突っ走る負けず嫌いの意地っ張り…ええ!大いに結構!
自分の限界なんて自分にだって決められませんもの!
ここはわたくし逆襲に一肌脱ぐのも吝かではありませんわよ!

決起と共にUC発動
「ご唱和しやがれ!わたくしの名を!」
見上げる程に巨大化する見上げ入道をその身に宿し、巨人化して威圧
マリが高速飛行したら敢えて大振りで隙を誘い、肩にこっそり乗せていたセラに奇襲を任す
マリが飛行姿勢を崩したら渾身の踵落としで地に落とす
【切り込み、踏み付け、咄嗟の一撃】


鈴桜・雪風
そう、お楽しみを邪魔して申し訳有りませんでしたわ
でも、わたくしは探偵
貴女のような方に嫌がらせをするのが仕事ですので
(意地悪そうに笑う)

「幽世に赴き手に入れたわたくしの新たな力、お見せしましょう」
【無念喰らいの死人桜】を発動
背後にサムライエンパイア風のおじいさんと犬の霊が浮かび
小脇に遺灰の入った籠を抱えた姿に

「殺された犬が、死して尚主人に報い、敵には災をと呪う……あの逸話の本質は死者からの因果報応。貴女の計略で死した10人のアリスの無念、貴女に返しましょう」

強化された戦闘力で、周囲に桜の木を何本も生やしつつ
舞い散る遺灰がマリスナイトに纏わり付き、呪いで苦しめます


初里・ジン
【WIZ】

「本当なら君達に戦場じゃなくて舞台でマジックを見せてあげたかったよ。」とアリス達に一言

必要ならばアリス達を【かばう】。そして、敵に向かってDead・end・powerを使用。炎の竜巻を発動させる

「リスクは大きいけどあんたを倒すにはこれくらいやらないといけないと思ってね!」

敵がこれを細剣を受け止めてコピーし、跳ね返して来たらすかさず【全力魔法】の風の魔術で炎の竜巻を押し戻す

「この技には弱点があるんだ…それは制御が難しい事だ!今日、初めて使うあんたが使いこなせるはずがない!」

風の魔術で炎の竜巻の軌道を狂わせて敵が制御をミスして自分に返ってくる事による自滅を狙う

※アドリブ&連携OK



「貴女が黒幕っ~!?」
 多々良場・茉莉(f28001)は実に素っ頓狂な声をあげた。
「き、気づきませんでしたわ!下手こきましたわ!」
「落ち着いてくださいまし」
 鈴桜・雪風(f25900)が茉莉をなだめる。
「それよりも――」
 そして雪風はその視線をマリスナイトへと向けた。
「うん。そうだね――茶番は終わりにしよう。私はおなかがすいていてね。ああ……、きっといまのエルはすごくおいしいんだろうな……。眼も口も、可愛らしい指も、やわらかなおなかも、足の指の先まで……隅々までしゃぶりつくして味わいたいのさ」
 恍惚めいた表情で蕩かせた顔。獣性をむき出しにした双眸で一度エルを見た後、マリスナイトは嫌悪の表情へと顔を変えながら雪風へと視線を返した。
「君たちの邪魔さえなければ、もっとよかったのにね」
「そう、お楽しみを邪魔して申し訳有りませんでしたわ」
 雪風は敵意の視線をやわらかに受け流し、微笑んでみせる。
「でも、わたくしは探偵……貴女のような方に嫌がらせをするのが仕事ですので」
「今回の舞台をミステリにするつもりはなかったんだけどね――。困るな。筋書きをこうも変えられちゃ」
「では、今からでも愉快で安全なマジックショーに切り替える、というのはいかがかな?」
 初里・ジン(f10633)はくるりとステッキを回しながら、マリスナイトへと対峙する。
「ダメダメ。この舞台はね、最初から私のものなんだ。今更しゃしゃり出てきて乗っ取ろうだなんて――許すと思うかい?」
 マリスナイトは剣を抜き放ち、そしてその切っ先を揺らす。
「言わせておけば貴女……!そんな身勝手な理屈がこれ以上通ると思ったら大間違いですわよ!」
 ざ、っ。茉莉は力強く床を踏みしめ、一歩前へと踏み出す。
「そ、うだ……。これ以上、好き勝手、させっかよ……!」
 そして、セラが立ち上がる。
「……ああ、君もいたんだったね、セラ。……それじゃあ、君から先に食べてあげようか」
 目敏くその姿を捉えたマリスナイトが、床を蹴立てて飛び出した。爆発的な加速。剣を振りかざしながらセラへと迫る。
「マリ……ッ!」
「ああ、その目。いいね。君の燃えるような情動はどんな味だろう――」
 迎え撃つセラが掲げた剣を、マリスナイトは造作もなく弾いてみせる。狩猟者の目がぎらりと光った。
 とどめの一撃。マリスナイトの細剣が、セラの胸元を狙う。
「セラさん、貴女わたくしと似ていますわね」
 ――だが、そこへ茉莉が割り込んだ。爆ぜるような勢いで跳ね上がった蹴り足が、細剣の切っ先を弾く。
「あんた……」
「自分の身の丈も分からず突っ走る負けず嫌いの意地っ張り……ええ!大いに結構!」
「それは身を滅ぼすことになるよ。今の君のようにね!」
 身を翻すマリスナイトが再び剣を振る。踊る切っ先がその矛先を茉莉へと変え、そして襲い掛かった。茉莉は再び蹴り足で受ける!
「いいえ、そんなことわかりませんわ!自分の限界なんて自分にだって決められませんもの!」
「減らず口を――おッ!」
 衝撃!熱を伴って燃ゆるガラスの靴が、マリスナイトを押し込んだ。マリスナイトは床を蹴って後退し、態勢を立て直す。
「セラさん、まだ戦う気概はお持ちで?ここはわたくし逆襲に一肌脱ぐのも吝かではありませんわよ!」
 茉莉はセラを立ち上がらせて、その瞳を覗き込む。
「ああ。……ああ、ああ!ッたりめぇだ……!ソラも、キッコも、イチカもライカもマユもアカリもメイもヒナもリリもルキもみんなあいつのせいで死んだなら……!」
「よろしい。――では行きますわよ。“落とし前”をつけさせますわ!」
 そして、2人は起った。
「やれやれ――。困ったな。私の舞台がメチャクチャだ」
「既に幕は下りたも同然ですわ。もう気にする必要もないのではございませんこと?」
 マリスナイトが後退した先で、再び雪風が対峙する。
「まださ。私はまだエルを味わっていないんだよ?そのために他の子たちで我慢してきたんだ」
「……」
 マリスナイトの物言いに、雪風は僅かに表情を変えた。
 ――それは、あまりにも身勝手で、あまりにも冒涜的であり、あまりにも死者を軽んじる言葉であった。
 到底、看過できるものではない。否、見過ごしてよいものではない。このオブリビオンは、捨て置くにはあまりにも邪悪が過ぎる。
「……幽世に赴き手に入れたわたくしの新たな力、お見せしましょう」
 いつの間にか、雪風の背後には薄らとふたつの影が立っていた。――老人と、犬である。
「そんなもので、私をどうしようというのかな?」
「あなたをどうこうするのは、わたくしではございませんわ」
 【無念喰らいの死人桜/リインカネーション・アッシュ】。老人――『花咲か爺』と犬の亡霊の姿が、雪風へと重なる。雪風はその手に籠を抱えた。
「『花咲か爺さん』はご存じですか?」
「枯れ木に花を咲かせましょう、ってやつだろう?それが――」
「それだけではございませんの」
 雪風は籠の中に詰められた灰を掴む。
「殺された犬が、死して尚主人に報い、敵には災をと呪う……あの逸話の本質は死者からの因果報応」
 そして、放った。
「貴女の計略で死した10人のアリスの無念、貴女に返しましょう」
 “遺灰”が空間に干渉する。トータンテンツの建材を割りながら、桜の木が突き出した。木は瞬く間に巨大に成長しながら花を咲かせ、そしてその花びらを散らす。
「なに……!」
「さあ、枯れ木に花を咲かせましょう。――桜の花が咲く、その意味を教えて差し上げますわ」
 雪風は花びら舞い散る中を駆けた。マリスナイトが戸惑うその隙を逃すことなく距離を詰め、そして遺灰を撒く。
『マリ』
『どうして』
『いたい』
『くるしいよ』
『しにたくなかった』
「……これは!」
 遺灰を触媒として、ここで死したアリスたちの魂が呼び込まれたのだ。まとわりつく呪詛が、マリスナイトの自由を奪う。
「……」
 カッ。ジンがステッキの先端で床を叩いた。そしてゆっくりと歩きだす。
「僕達の到着がもっと早ければ、君達も助けられていたのかもしれないね」
 呪詛を吐き出しながらマリスナイトへと纏わる死者たちの声を聞きながら、ジンは僅かに瞑目した。
「本当なら、君達に戦場じゃなくて舞台でマジックを見せてあげたかったよ」
 そして、杖の先端を跳ね上げる。――術式を乗せ、そしてジンは息を吐いた。収束する魔力に指向性をもたせ、そしてその先をマリスナイトへと向ける。
「この力を使うのは本意ではないけど――あんたみたいな奴が相手なら、話は別だ!」
 【Dead・End・Power】。組み上げられた術式が空間へと干渉し、そして炎を噴き上げる。燃える竜巻。炎の渦がマリスナイトへと向かった。
「随分と派手な術を!」
「リスクは大きいけど、あんたを倒すにはこれくらいやらないといけないと思ってね!」
 炎がマリスナイトを呑み込んだ。――だが、そこから聞こえるのは悲鳴ではなく、マリスナイトの笑い声だ。
「くくく……!だが、私の前では小細工に過ぎない!たとえ腕を縛られていたとしても、この程度では!」
 ――彼女はオブリビオンとしても強力な個体であった。呪詛に身を縛られた状態でいてなお掲げた細剣でもって炎を受け止め、そしてユーベルコードの力でもって模倣したのである。掲げた細剣を術具めいて掲げ、マリスナイトは炎を放ち、ジンの竜巻を押し返したのだ!
「ああ、そうすると思っていたよ――知っているとも、オブリビオンの中には僕達のユーベルコードをコピーする奴もいるってことはね!」
 だが、そこまでジンは織り込み済みだ。“そうされたとき”まで予想した上で、彼は術を放っていた。――残る全ての魔力で、ジンは風の魔法を起こす。
「あんたがコピーしたこの技には弱点がある……それは制御が難しい事だ!」
「なに――!」
 風は炎とぶつかり合い、その軌道の安定性を崩す。安定性を欠いた炎の竜巻は指向性を失い、そしてその行き先は大きく乱れる!
「今日、初めて使うあんたが使いこなせるはずがない!」
「こい、つ――!」
 ジンの言葉通りに、炎の竜巻は無秩序に暴れまわりマリスナイトを包んだ。雪風の撒いた遺灰と桜の花弁がその炎を更に広げ、トータンテンツを激しく燃え上がらせる。
「っ、づう!」
 マリスナイトは歯噛みしながら炎上するトータンテンツの床を蹴った。その勢いのまま、彼女は飛翔し、天井を打ち砕く!
『にがさない』
『マリ』
『あなたもしんで』
「この――死人がまとわりつくなッ!」
 マリスナイトは纏わりつく呪詛を払うように剣を振り、思念波で亡霊たちへと抗う。――舞台は打ち砕かれ、戦況は既に傾いている。マリスナイトは胸の中に焦れるような感覚をおぼえた。
「逃しませんわよッ!――さあ、セラさん。ご唱和しやがれ!わたくしの名を!」
「ああ――!『見上げ入道』でよかったか!いっ、く、ぜェェェェーーーッ!」
 【骸合体「見上げ入道」】!拳を天へと向けて突き上げる姿勢で、茉莉がトータンテンツの天井を崩しながら巨大化する!
「……今度は特撮番組かい!?ああ、ああ!本当に私の舞台がメチャクチャだ!」
「ええ!ええ!わやにして差し上げますわッ!」
 ガオン、ッ!茉莉はそのまま瓦礫と化したトータンテンツの建材を踏み切って跳躍!逃れようとするマリスナイトへと向けて、切り込んでゆく!
「だけど、そんな大振りで私を捉えられるわけ――」
「ですから、仕込ませてもらいましたのよッ!――さあ、お行きくださいませ!」
「おおおおおおおおおおおおッ!」
 茉莉の巨体が繰り出す一撃をマリスナイトは躱してみせるが、その瞬間にセラが飛び込んでゆく!セラは巨大化した茉莉に掴まりながら、攻撃のタイミングを計っていたのだ。
「セラ――!!」
『だめ』
「マリ、いいいいいいッ!」
 迎撃しようと剣を握るマリスナイトであったが、その指先を呪詛が押し止める。――結果。セラの振り下ろした剣は、マリスナイトの胸元に深く傷を刻み込んだ。
「ぐあ……ッ!」
 そしてマリスナイトは地上に落ちる。地獄めいて燃え上がるトータンテンツの城内へと、引きずり込まれるように落下した。
「ああ――ッ!はぁ、――ッ。どうやら、今日は厄日らしい」
 だが、まだその心臓は動き続けている。
 煤と瓦礫を払い、傷を撫ぜてマリスナイトは立ち上がる。
「だけど……この舞台は、私のものだ」
 その双眸に怒りを滲ませ、マリスナイトは再び剣を握った。
 ――戦いは、続くのである。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

神羅・アマミ
くっ…こんな…こんな展開だけは見とうなかった…
デスゲーム参加者の中に犯人が混じっている…そんなベタな設定!
こんな茶番、とっとと畳んでなかったことにしてくれるわー!

ラヴ女史ー!ラヴ女史、どうせおるんじゃろー!?
マリスナイトを地獄へ送り出す橋渡し役への橋渡し役、妾が仕ってやろう!
真の姿・ヘッドレスホース形態となり発動せしUCは『介錯』!
ラヴ女史を鞍に跨がらせ手綱を握らせたならばあとはボス目掛けひたすらに【ダッシュ】!
愉快な仲間たちが群がってくるというならかえって好都合、こちらで一手に引き受け蹴散らしボスが手薄になった頃合いに騎手を射出!
あとはまかせたー!

へへ、今の妾、なかなか盾キャラっぽいじゃろ?


エダ・サルファー
あー、最初っから演者側にいたのか。
特等席で観劇してたわけだ。
まんまと騙されてた私が言うのもどうかと思うけど、本当に趣味が悪いなお前。
……まあしかし、お前が二人じゃなくてこっちを向いた以上、積極的に手を出させてもらうぞ?
私らを簡単に排除できると思うなよ!

正直結構腹立ってるんで、マリを一発殴りたい。
でも本当に殴りたいと思ってるのはセラとエルだよねぇ。
であれば二人の道を拓くことを優先しよう!
そんなわけでワラワラ湧いてくる愉快な仲間たちを猫騙しで片っ端からぶっ飛ばす!
そもそも愉快な仲間は二人を襲わないかもしれないけど、邪魔なのは間違いないんでな!

……二人が一撃入れた後なら、一発殴りに行ってもいいよね?


ラヴ・フェイタリティ
【アドリヴ歓迎】
まさか裏切り者が潜んでいたとは、このラヴ様の目をもってしても…。仕方ねぇ、全力込めてぶっ飛ばしてやらァ。いいか、騙されたからじゃねぇ。決して騙されてむかついてるからじゃねぇ。

まずユーベルコードでヒロインパワーをたっぷり込めたジャヴェリンをあえて相手にコピーさせる。
さぁ出しな…テメェのジャヴェリンを。あいつらを騙し、裏切るテメェにどれだけのヒロインパワーが残ってるか。あいつらの声援を受けるラヴ様のヒロインパワーに勝てるか。試そうじゃねぇか。構えやがれ、マリスナイト!
この槍は、裏切られたあいつらの怒りと!今まで殺されたアリスどもの無念と!騙されたラヴ様の心の痛みだァア!


新海・真琴
マリ……!
まさか、君がオブリビオンだったとはね。
ここで倒させてもらうよ、悪意の騎士(マリスナイト)!!

エル、セラ!頑張ってくれ!必ず助ける!

巴板額で矢を射る。貫通の破魔の矢、愉快な仲間たちの排除に
マリスナイトの扇動で戦闘力が上がっているだろうが、こいつらを剥がさないことにはエルもセラも助けられない!

こいつらをある程度排除したら、マリスナイト毎巻き込んで焔の天女を使用
取り巻きの愉快な仲間を減らしたところで、マリスナイトのみを狙って決闘だ
氷と雷の属性攻撃を纏った、はなきよらでのなぎ払い攻撃
怪力と気合いで振り回す威力を増し、気絶攻撃と鎧無視攻撃でもって致命傷を狙う

……君は、どうしてこうなったんだい



「くっ……こんな……こんな展開だけは見とうなかった……」
 神羅・アマミ(f00889)は沈痛な面持ちで、涙を堪えながら拳を握る。
「デスゲーム参加者の中に犯人が混じっている……そんなベタな設定!」
 アマミは悲しみに暮れているかと思いきや今回の案件についてケチをつけながらマリスナイトをディスる。
「なるほど……まさか裏切り者が潜んでいたとは、このラヴ様の目をもってしても……」
 ラヴ・フェイタリティ(f17338)もまた、眉根に皺をよせながらマリスナイトへと対峙していた。
「あー……、そっか。最初っから演者側にいたのか」
 特等席で観劇してたわけだ。
 その悪辣さに、エダ・サルファー(f05398)もまた握りしめた拳へと力を込めた。
「まんまと騙されてた私が言うのもどうかと思うけど、本当に趣味が悪いなお前」
「くく、く……あっははははは!おお、怖い怖い……。そんな目で見ないでおくれ?」
 対峙するマリスナイトは、こともなげに嗤ってみせる。
「マリ……!」
 その一方、新海・真琴(f22438)は、敵意とともにマリスナイトを睨めつけた。
「まさか、君がオブリビオンだったとはね」
「そうさ。はじめからそうだった。――ああ、でも残念だよ。本当は不意打ちで皆殺しにしてあげようと思っていたんだ」
 底知れぬ悪意。哄笑混じりの笑みが、猟兵たちの姿を見渡す。
「はーっ!こいつ、このラヴ様をメチャクチャに侮ってやがるじゃねぇか!ふーん!どうせ不意打ちなんかされたところで返り討ちだったし!」
 憤慨するラヴ様が、憤りの声をあげる。
「ともかくこーなっちまったら仕方ねぇ、全力込めてぶっ飛ばしてやらァ。いいか、騙されたからじゃねぇ。決して騙されてむかついてるからじゃねぇ」
「そうじゃのー。悔しいきもちはよーくわかるぞ。妾も内心ちょっとキレておる。……っちゅーわけで!こんな茶番、とっとと畳んでなかったことにしてくれるわー!ゆくぞラヴ女史!!サルファー女史!!」
 ぱ、ぱ、ぱ!音頭を取るようにアマミが手を叩いた。アマミ・ラヴ様・エダの3人は日ごろから顔を合わせる機会をもつ猟兵仲間だ。共同戦線もお手の物である3人は頷きあいながら戦闘行動へと移りだした!
「ああ、いこうじゃないか!――いくよ、マリ!私らを簡単に排除できると思うなよ!」
 先陣を切るように飛び出したのはエダである。だが、マリスナイトは接近するその姿を見ながら、挑発的に笑んだ。
「その言葉、そっくり返させてもらうとしよう――さあ行け、“愉快な仲間”たち!」
『お、お、おお……』
『あ、りぃ、すぅううぅう……』
 マリスナイトは指揮棒めいて剣を掲げた。うめき声めいた唸りとともに、トータンテンツの城壁を割って奇怪な怪物の群れがなだれ込んでくる。
 それらはこの世界にあった『愉快な仲間たち』――が、その存在をオブリビオンの力によってゆがめられた成れの果てであった。
「かーっ!また雑にメチャクチャな量出してきおって!」
 アマミが悲鳴とも愚痴とも文句ともつかぬ声を張り上げる!
「……!セラ!エル!」
 その一方で、エダと真琴は未だ戦場に残る2人のアリスのもとへと駆け寄った。
「はあ……はあ……」
「う、うう、……っ。ううううぅうぅううぅうう……!」
 ――セラは、先の交錯によって大きく消耗している。一方、精神的なショックによるダメージが大きいのはエルの方だ。彼女はこの世界に呼び込まれた時からマリが傍にいた。マリは常にエルへと手を差し伸べ、2人でここまでやってきたのだ。――それを裏切られた絶望が、彼女の足から力を奪っていた。
『お、おお……』
 2人へと向かって、“愉快な仲間たち”が這い寄る。――だが、風切り音。矢を射かけながら、真琴が2人のそばへと駆け付けた。同時に拳を叩き込むエダが、まとわりつこうとする敵の群れを押し止める。
「2人とも、大丈夫かい!」
「……」
 声をかける真琴に、エルはほとんど反応を示さない。裏切りの衝撃に、まだ立ち直れていないのだ。
「……相当ショックだったんだろうね」
 エダはうずくまるエルの姿を見下ろした。――そして、そこに手を差し伸べる。
「……でも、立ってくれないか」
「……」
「このままじゃ終われないだろう。……私が道を拓く。……だからさ」
 一緒に、殴りにいこう。
 エダが、エルの手を引いた。
「殴りに、ねえ」
 その一方で、セラが僅かに笑んで頷く。
「……そーだな。落とし前つけてやらなきゃ、あたし達だって前に進めねえ。……そうだろ、エル。前向けよ」
 ぱし、と音を立てて、セラがエルの背を叩く。
「ああ、行こう。私も手を貸すとも――。一緒に、マリのところへ行こう」
 そして、真琴が2人のアリスの背を支えた。

「ア゛ーッ!なにもたもたしとるんじゃ!」
 一方、群れをなす“愉快な仲間たち”の真っただ中で、アマミとラヴ様は奮戦していた。
「取り巻きがこう多くちゃ、なかなか――なあッ!」
 蹴り足!鋭く舞ったつまさきが燭台のかたちをした愉快な仲間をひしゃげさせた。
「はーっ!もう仕方あるまい!かくなる上はラヴ女史、お主に任した!」
 アマミは敵の反撃を巧みに躱しながら、その身の内に宿すユーベルコードの力を励起する。
「任せた?何を!」
「【介錯】よ!」
 アマミは叫ぶとともにその身の内からユーベルコードの力を引き出した。――ヘッドレスホース形態!黒き鎧を纏った、人馬めいた姿である!
「さー乗れ!あ奴を地獄へ送り出す橋渡し役への橋渡し役、妾が仕ってやろう!」
「ほー……こりゃいいじゃねぇか。わかった、ラヴ様にお任せだぜ!」
 ラヴ様は床面を蹴って身を翻す。そして人馬形態と化したアマミの鞍へと跨ると、その視線をマリスナイトへと向けた。
「よォし、ゆくぞ!」
「ああッ!」
 アマミとラヴ様は素早く駆け出し、トータンテンツの床を蹴立てて疾走した。
『おおおおお』
『ああああああああありいいいいいいいいいすうううう』
「うるせー!邪魔じゃ邪魔!」
 群がる愉快な仲間たちを蹴散らしながら、アマミが奔る!
「……落ち着いた?」
「……はい」
 その一方で、真琴とエダはセラとエルを立ち上がらせる。顔を上げたエルの瞳には、静かな光が灯っていた。
「それじゃ、いくよ。私たちで道を拓く。……決着を、つけようじゃないか!」
「ああ!」
 セラは力強く頷いた。剣の柄へと手をかけ、そして走り出す構えを見せる。
「よし、いくよ!アマミが派手にやってくれてるみたいだからね。勢いに乗ってそのまま突破しようじゃないか!」
 先陣を切るようにエダが駆けた。セラとエル、そして真琴が続いて走り出す。
『ああ――』
「邪魔だ!」
 道を塞ぐ愉快な仲間たちを、はなきよらの刃が薙ぎ払う。更に暴れまわるエダの拳が、敵の群れを叩きのめした。2人に先導されながら、セラとエルの2人もまたマリスナイトのもとを目指す!
「アマミ!」
 そしてエダたちは前線で愉快な仲間たちを相手に暴れまわるアマミとラヴ様に合流を果たすのである。
「よーしよく来た!そんじゃ頃合いじゃ!こっちは妾で引き受けるゆえ――」
 ここでアマミは身構え、そして身体を振った。
「あとはまかせた!」
「――おっしゃー!ラヴ様に任せとけー!」
 その勢いに乗って、馬上から射出されたラヴ様は敵の群れを飛び越え、一直線にマリスナイトのもとへと飛来する。
「私も行こう!」
 ざ、ッ!同時に床を蹴立てて真琴が宙を舞った。彼女もまた、マリスナイトへと間合いを詰める!
「んじゃ、こっちは引き受けるとしようか!」
「おーし!こういう役目は妾向きじゃからな!へへ、今の妾、なかなか盾キャラっぽいじゃろ?」
 そして、エダとアマミはその場でそれぞれに得物を振りかざす。人馬の躯体から繰り出される打撃が、炸裂する【聖職者式猫騙し】が、周囲に展開した愉快な仲間たちを叩いた。

「随分とまあ、派手にやってくれる」
「それはこっちの台詞だよ、マリ」
 交錯。――ハルバードの刃と、マリスナイトの細剣が打ち合う。だが、オブリビオンとしてのパワーが膂力となり、真琴を上回り押し返した。
「く、っ――」
「はっきり言って、私は怒っているんだよ、猟兵の皆。……せっかくお膳立てした私の舞台が、これじゃあ修復不可能だ」
 わざとらしい嘆きの仕草とともに、マリスナイトは緩く首を振った。
「うるせー!」
 怒号!そこへ浴びせられるのは【ラヴジャヴェリン】の雨だ!高純度のヒロイン属性エネルギーが槍状に収束した念動投射だ。ラヴ様が仕掛けたのである!
「は、ッ――!笑わせる!」
 しかし、マリスナイトは細剣を振るってそれを受け止める――更に、切っ先に光を灯した!
「お返しさせてもらおうッ!」
「はッ!やってみな……いまテメェがコピーしたそのジャヴェリンと、このラヴ様のジャヴェリンで!真向勝負といこうじゃねえか……構えやがれ、マリスナイト!」
 互いに間合いを図りつつ、マリスナイトとラヴ様は向かい合った。――3。2。1。どちらともなく始めたカウントダウン。ゼロに合わせて、同時に2人はジャヴェリンを撃ち合う。
「小賢しい!」
「このラヴジャベリンは、ヒロインパワーの結晶だぜ……!あいつらを騙し、裏切るテメェにどれだけのヒロインパワーが残ってるか。あいつらの声援を受けるラヴ様のヒロインパワーに勝てるか。試そうじゃねぇか!」
「何をわけのわからないこと――」
 閃光。爆ぜる光。収束するヒロインパワーが槍となって互いにぶつかり合う。単純なユーベルコード出力で言えば、強力なオブリビオンであるマリスナイトが上だ。――しかし。
「……なに、ッ!?」
「この槍は、裏切られたあいつらの怒りと!今まで殺されたアリスどもの無念と!騙されたラヴ様の心の痛みだァア!」
 ――ラヴジャヴェリン、というユーベルコードの性質が、ラヴ様に優位性を与える。
 他者を騙し、陥れ、そして文字通り食い物にしようなどという悪意の化身は――ヒロインには、なり得ないのだ。
「馬鹿な――!」
 そして、ラヴ様のジャヴェリンがマリスナイトを貫く!
「残念だろうけど、もう終幕の時間さ!」
 追撃!怯むマリスナイトへと、畳みかけるように電光が迸る!【焔の天女】!雷を纏うハルバードを振りかざし、真琴がマリスナイトを薙ぎ払った!
「ぐあ……ッ!く、ッ……!追い詰められている……!?私が!?」
 弾けるはずだった。止められるはずだった。だが、マリスナイトが掲げた細剣は真琴のはなきよらを押し返すには至らず、衝撃に吹き飛ばされる。猟兵たちとの戦いの中で、既にそのオブリビオンとしての存在力が削られているのだ。
「くッ――『仲間たち』、ッ!」
 このままでは押し負ける。マリスナイトは歯を噛み鳴らしながら、仲間を呼びつけた!
「行かせないよッ!」
「おーよ!妾たちを忘てくれちゃー困るわ!」
 しかし、そこへ返ってくるのはアマミとエダの大立ち回りの声である。周囲に展開した愉快な仲間たちは、2人によって制圧されつつあったのだ。
「……君は、どうしてこうなったんだい」
 そして更なる追撃を繰り出しながら、憐れむように真琴が呟いた。
「ッ、は――最初からさ!私は!」
「……そう、ですか」
 そして――交錯の最中、静かな声が彼女たちへと届く。
「……それでも、わたし、うれしかったです。たとえ嘘でも、最初からわたしたちを騙していたんだとしても」
 ざ、っ。――そこに立つのは、その両手で槍を握るエルであった。
 猟兵たちに背中を押され、彼女はここにたどり着いたのだ。そして、彼女は対峙する。
「助けてくれて、励ましてくれて、ここまで一緒に来てくれて、うれしかった」
「……」
 再び襲い来るラヴジャベリンに肩口を貫かれる。真琴のハルバードを受け止めた全身が軋む。しかしてマリスナイトは、その最中でありながらも、エルを見た。
「それだけ、最後に伝えておきたかったんです」
 そして、エルは槍を構えた。――そうしてから、まっすぐに走り出す。
「さよなら、マリさん」
「ああ――ああ、ああ、はは。は、」
 マリスナイト――マリは、笑い声混じりの、言葉にならない声に喉を鳴らすと、無抵抗にそれを受け入れた。
「ごぶ、っ」
 マリスナイトの胸郭を砕き、エルの槍がその身体を貫いた。返り血を浴びながら、エルは静かに息を吐く。
「すみません――介錯を、お願いします」
「……わかった」
 そして、断頭台めいた一撃。真琴がハルバードを振り下ろす。
 ――かくして。
 悪意は、ここに潰えた。

「なんじゃ、送っていかんでもえーのか」
「ああ。あたしたちなら、たぶん大丈夫だ」
 『扉』まで同行しようか、という猟兵たちの申し出を、セラは断った。
「はい。……皆さんには、本当に助けてもらいました」
 その隣で、エルが深々とお辞儀をする。これ以上お世話になるのは申し訳ないから、と言い添えて。
「心配するなって。一応、あたし達だって剣は振れるんだしな。もしヤバくなったら呼ぶから、そのときはまた駆け付けてくれよ」
「ありがとうございました。……わたしたち、きっと、自分の力で帰ります」
 そうして、2人のアリスは歩きだす。
 嘆きに塗れた死の舞台を降り、かくして2人は自らの足で新たな物語へと足を踏み入れたのである。
 これにて、この舞台の幕は下りる。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2020年08月08日


挿絵イラスト