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Totentanz(作者 無限宇宙人 カノー星人
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「やめましょう、セラさん……わたしたち、戦いたくなんかありません」
「じゃあ他にどうすればいいか言ってみろよッ!」
「落ち着くんだ、セラ。私たちの話を聞いて……」
 その世界は、おとぎ話に出てくるような優雅な城の中にあった。
 しかしてその城は、いずれの場所も血の跡に汚れ、隠しようもなく死臭が染みついた呪わしき場所でもあった。
「ッざけんな!そうやって……そうやって近づいて、油断させてよォ!お前らがキッコもソラも殺したんだろッ!」
「そんなこと……」
「……私たちだって、こんなことはしたくなかった!」
 城の中――舞踏会の会場ともなるであろう大きなホールで、3人の少女たちが対峙する。
「黙れよ……!“最後の一人だけは見逃す”ってあいつらが言ってたもんなァ……!そうやって、あたしも殺すつもりなんだろッ!」
 セラと呼ばれた少女は、激昂しながら2人を睨めつける。
『ええ、ええ』
『お約束しましょう。最後の一人は見逃します』
 そして、ホール全体を覆い、彼女たちを取り囲むように並ぶオウガたちが、静かにささやきかけた。
『ですから、さあ。ころしあって』
「殺されてたまるか……あたしは、家に帰るんだ!剣を抜けよ。……幻装《イマジネート》ッ!」
「セラさん……!」
「だめだ、エル……戦うしかない!こっちも幻装《イマジネート》するんだ!」
 アリスナイトの力を行使し、少女達は鎧を纏って切り結ぶ。
 オウガの群れが、静かに笑いながらその姿を見守っていた。
 ――無間輪舞牢獄、トータンテンツ。
 それが、この世界の名である。

「はい。おしごとの時間よ」
 ロスタ・ジーリード(f24844)は、集まった猟兵たちの顔を順繰り見まわしてから静かに頷いた。
「アリスラビリンスにいってちょうだい。こんかいはね、みんなにアリスをたすけてもらうわ」
 ロスタはてもとの端末を操作し、資料となる映像をモニターへ表示した。
 トータンテンツ。この世界は、そこを支配するオウガたちによってそう呼ばれている。
 おとぎ話に出てくるような、豪奢な城によって構成される世界だ。
 この世界に呼び込まれたアリスたちは、オウガたちからこう告げられる。
『最後の一人になるまで殺し合え』。
『残った最後の一人は見逃してやる』と。
 そうして最後に残った一人に、『約束は嘘だ』と告げて嬲り殺しにする――そうした“ゲーム”が行われ続けてきた、血塗られた舞台なのである。
「げんざいの状況から説明するわね。……まず、みんなが介入を始める時点で、既にアリスたちの殺し合いはかなり進んでいるわ。あたしが観測できた範囲では、3人だけ」
 この世界に呼ばれたアリスたちは、いずれもアリスナイトとしての力をもつアリス適合者たちだった。
 状況は既に深刻だ。最後に残ったアリスたちの中でも、セラという名のアリスは既に疑心に呑まれ、他の生存者を敵として認識している。対峙する2人はエルとマリ。2人は協力体制を結んでおり、戦いに対しても消極的だが――剣を向けられるのであれば、応戦しないというわけではない。
「このまますておけば、生存するアリスたちも殺し合いのすえにオウガのえじきになってしまう、というわけね。……なので、みんなにはここに介入して、状況をおさめてもらうわ」
 まず、猟兵たちは3人が剣を交える現場であるホールへと転送される。
 そこはオーディエンスめいて並ぶオウガの群れによって囲まれており、オウガたちによってつくられた人垣の中を舞台としてアリスたちが戦っているのだ。
「アリスたちのたたかいを止めるのよ。とつぜんあらわれたみんなのことはなかなかしんじてくれないかもしれないけど……でも、まずは信じてもらうことね」
 どんな手段でも構わない。言葉でもいいし、行動で示してもいい。
「そうしてアリスたちのたたかいを止めることができたら、業を煮やして敵が直接的な手段に訴えてくるはずよ。アリスたちのころしあいを、おもしろがってみている敵のボスも出てくるはずね。……そうしたら、あとはシンプルよ」
 ――やっつけろ。それで話は終わる。
「……というわけで、説明は以上よ。ねんのため、やることについてもーいっかいおさらいするわね」
 ひとつ。疑心に駆られ殺し合いを始めてしまったアリスたちの戦いをおさめる。
 ふたつ。オブリビオンたちが手を出してくるので、やっつける。
 以上だ。
「それじゃ、ほかに質問はないわね。……そしたら、おねがい。たとえひとりでも、ふたりでも。たすけられる命があるなら――たすけてあげて」
 そして、ロスタは一度お辞儀をしてから転送の準備を開始した。





第3章 ボス戦 『マリスナイト』

POW ●アリスの仲間達よ、彼女を守るんだ!
演説や説得を行い、同意した全ての対象(非戦闘員も含む)に、対象の戦闘力を増加する【強い使命感】を与える。
SPD ●アリスを惑わす敵は、私が排除する!
全身を【アリスを騙す為の白銀の鎧】で覆い、自身の【悪意】に比例した戦闘力増強と、最大でレベル×100km/hに達する飛翔能力を得る。
WIZ ●悪意は主の元へ還る
【自分の細剣】で受け止めたユーベルコードをコピーし、レベル秒後まで、自分の細剣から何度でも発動できる。
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はテンタクルス・ダークネスです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


「嘘――!」
「残念だけど、嘘じゃないのさ。あっははは……なかなかの名演技だっただろう?」
 恐慌。――ここまでともに歩んできたはずの仲間が、その手に剣を握りながら――見たこともない顔で嗤って、獣のような目でエルを見る。
「ああ、その表情……その顔がさあ、見たかったんだ……ねえ、エル。きみがいけないんだよ?きみが、きみがこんなにおいしそうだから……ああ、そう、この舞台が始まってから、私たちはずっと一緒に戦ってきたよね?……く、く、ふ、はは。あっははは!ねえ、教えてよ。私がさ、今までずっと、ずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっと……エル、きみが裏切りに絶望するその顔を見たかった、って……その絶望する君を、どんなに食べたいと思っていたかって、知ってしまった今この時の気持ちを教えてよ!」
 ざり、っ。――細剣の切っ先が床を舐める。マリ――マリスナイトが、エルに迫った。
「てめえ……てめえッ!てめえが、全部――!!」
「煩い」
 斬閃。
 激昂とともにセラが疾駆し、その本性を露わにしたマリスナイトへと剣を振るい、そして圧倒的な力と技量差に弾かれる。
「ぐあ……っ!ま、マリ……!てめえ、ッ!」
「セラ、私は君のこともすきだよ。エルの次にだけど。……ああ、でもそうだね。もともと、君が死んで二人きりになったところで食べようと思ってたんだし、今からそうしてもいいかな……」
 ゆるり、と。マリスナイトが振り向いた。
「……ああ、ああ、ああ。いや、それよりも。それよりも、かな。まずは――私達の舞台から、邪魔者を排除しなくちゃね」
 その双眸が、猟兵たちを捉える。
「さあおいで、『愉快な仲間』たち」
 ぱちり、と、マリスナイトが指を鳴らす。呻くような声がした。ずるりと這いずる音がした。――そうして現れるのは、この世界に元々存在していた、城の調度品のかたちをした『愉快な仲間』たちだ。
「愛しい愛しいアリスたちを、私とともに猟兵たちから守っておくれ」
 そして彼女は剣を構えなおし、銀の鎧を身に纏う。