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白き煽動者と黒き風の狂信者達

#アポカリプスヘル

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#アポカリプスヘル


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 アポカリプスヘル。
 地平線まで荒野が延々と続く文明滅亡の世界の中で、生き残った人類は必死に生き抜いている。
 とある拠点(ベース)は、とても巨大な建造物を整備し直して少しづつ発展してきた。
 元々は超大型競技スタジアムである施設には、今や千を超える難民が生活している。
 これほどまで大規模な拠点は珍しいだろう。
 それも、今まで猟兵たちの地道な活動が実を結んだ結果なのだ。
 スタジアム内外には農地もあり、居住区も充実している。
 自衛のための武装集団が日夜訓練に励み、複数のソーシャルデーヴァ達の駐在によりネット環境さえも復活しつつあった。
 だが、規模が大きくなるにつれ、外敵から目を付けられやすくなるのは必定だ。

「聖女様、あれが次なる宣教の地です」
 修道服を着込んだ女性が、黒衣の踊り子めいた指導者へ頭を垂れた。
 聖女と呼ばれた黒衣の指導者は表情を変えずに、スタジアム拠点を指差した。
「黒き風こそが神の意志である! その意志に背く愚者共は滅ぼし、黒き風の寵愛を受けさせるのだ! そうすれば、愚者の彼らにも神の意志を理解できるだろう!」
 彼女達は狂信者達だ。オブリビオンストームを崇拝する危険集団であり、巨大拠点に殺戮と絶望を与えんとする者達だ。
「ですが聖女様。あの施設の守りは堅く、正面からの攻撃は此方の損害も大きいかと」
 具申する信者に、聖女は初めて口元を歪ませた。
「案ずるな。既に、手は打っている」
 聖女はスタジアムを見詰めて言葉を漏らした。
「白き煽動者が、内側から門を開ける時を待つのだ」

 グリモアベースに集まってくれた猟兵へ、蛇塚・レモン(白き蛇神オロチヒメの黄金に輝く愛娘・f05152)は予知の映像をグリモアで投影しながら説明を始めた。
「今回の任務は、アポカリプスヘルの巨大拠点を襲撃する『黒き風の教団』達の撃退だよっ! ここのベースは守備が厳重で、すぐに陥落することはないのが救いだね~っ!」
 初期対応は自警団達が対処してくれるので、暫くは持ちこたえられるとのこと。
 だが、問題は別にあるのだという。
「既に拠点内部にオブリビオンが潜伏していて、民衆を扇動して内部から扉を開けさせようと働きかけているんだよっ! 転送次第、この白い軍服を着たオブリビオンが群衆の前で演説しているから、すぐに阻止して戦闘を仕掛けてねっ!」
 白い軍服の煽動者は、自身の武装の他に、洗脳された民衆をけしかけてくる。
「あ、洗脳された人達は絶対に殺しちゃ駄目だからねっ! うまく信頼を勝ち取ったなら、拠点周囲の戦闘でみんなを助けてくれるかもっ?」
 民衆たちを殺してしまうと、外部で応戦している自警団の信用を失い、援護を得られなくなってしまう。留意したい点だ。
「千人以上の命がみんなの肩に懸ってるから、絶対に負けないでねっ! こうした事件をこつこつ解決していけば、いずれそれが人類の再建に繋がるかもしれないよっ!」
 レモンのグリモアが、猟兵達を騒乱の巨大拠点内部へ転送してゆく。
 そこは、今まさに、民衆を惑わす白い煽動者が演説を振るう真っ最中であった!

『我々も加勢すべきだ! 僕が先頭に立って門を開けるから、キミ達も続いてくれ!』


七転 十五起
 今回は純戦闘シナリオです。
 なぎてんはねおきです。

 まずは【第1章:ボス戦】です。
 アポカリプスヘルにて、巨大拠点が狂信集団『黒き風の教団』に包囲されました。
 現在、拠点の自警団(腕の立つ戦車乗りやサバイバルガンナー、ソーシャルディーヴァ達)が拠点の堅牢な建物を利用しつつ応戦しています。
 ですが、教団は既に拠点内部に間者を仕込んでいました。
 現在、間者は民衆を煽り立てる演説の真っ最中。
 民衆をそそのかして内側から開門させようとしています。
 当然、開門した瞬間、そこへ狂信者達が殺到して地獄絵図が生み出されます。
 猟兵の皆様は、これをまず阻止しなければなりません。

 続く【第2章:集団戦】は、狂信者達との戦闘です。
 第1章で民衆に死傷者が出なかった場合、自警団は猟兵達を信頼して援護をしてくれます。具体的な行動をとってほしい場合は、プレイングに記載して下さい。

 そして【第3章:ボス戦】は、この教団の指導者であり聖女との決戦です。
 強敵ですので、自警団は自主的に避難します。
 猟兵達だけで撃破しなければなりません。

 それでは、大規模な戦闘シナリオ、どうぞお楽しみ下さい。
 皆様のご参加をお待ちしております!
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第1章 ボス戦 『クリッサ・マティア』

POW   :    戦術パターン・アルファ
無機物と合体し、自身の身長の2倍のロボに変形する。特に【球体ドローンα 】と合体した時に最大の効果を発揮する。
SPD   :    戦術パターン・ベータ
【右眼に埋め込まれた照準システム 】により、レベルの二乗mまでの視認している対象を、【球体ドローンβが放つ高エネルギー砲】で攻撃する。
WIZ   :    戦術パターン・オメガ
演説や説得を行い、同意した全ての対象(非戦闘員も含む)に、対象の戦闘力を増加する【と同時に自我を放棄させ、忠誠心と任務 】を与える。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はタリアルド・キャバルステッドです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

化野・花鵺
「白い軍服の敵ぃ?ハイハイハイ、カヤ行くよぅ!」
制服求めてさ迷い歩いていた狐、諸手を挙げた

「白い軍服にぃ、修道服にぃ、もしかしたら聖騎士の盛装も見れちゃうかなぁ。うふ、うふふ」
狐、妄想120%で身悶えた

「白い軍服発見~。敵だぁ!」
狐、大声で叫んだ

「困窮したアポヘルでせぇふく着てるのは普通レイダーだから。普通の人はそんな余裕ないから。と言うわけでぇ、正義のブリンガーが潜入レイダーにお仕置きだぁ」
狐、周囲の人に説明?した
「狐の呪詛」で敵に不幸のてんこ盛り
突然靴の踵が折れて転んだり召喚無機物が頭に落ちたりする

「この人の言うこと信じるとぉ、みんなも不幸になったり騙されたりしちゃうよぅ。離れて離れてぇ」



 妖狐の化野・花鵺(制服フェチの妖狐・f25740)はその昔、猟兵に命を助けられた。
 その時の猟兵がかっこいい制服を身に纏っていた。
 幼い化野は『制服を着た猟兵=カッコいい』という認識に目覚め、刷り込まれ、そして現在に至る。
「白い軍服の敵ぃ? ハイハイハイ、カヤ行くよぅ!」
 制服の敵が出そうな依頼しか受けない制服狂いの化野。
 当然、自身もセーラー服で拠点へと転送されてきた。
「ブリーフィングで聞く限り、白い軍服にぃ、修道服にぃ、もしかしたら聖騎士の盛装も見れちゃうかなぁ。うふ、うふふ」
 諸手を上げて喜ぶ化野、妄想120%で身悶えた。
 その瞳孔に♥マークが浮かんでいる。
 なんなら尻尾が千切れそうなほどブンブン振り回しているくらいだ。
「白い軍服発見~。敵だぁ!」
 故に、煽動者であるレイダーことクリッサ・マティアをいち早く発見することが出来た。
 もはや執念である。
 クリッサ側からしたら、演説中に目をキラキラさせながら尻尾フル回転するヤバい制服キツネ娘に敵だと指差されて困惑するばかり。
「……急に何を言い出すんだ、キミは? 僕は此処の拠点の同志だ」
 そうだそうだ、と民衆が同意の声を上げる。
 既に洗脳が始まっているようだ。
 だが、化野は構わず持論を述べて反論する。
「困窮したアポヘルでせぇふく着てるのは、普通レイダーだから。アポヘルパンピーはそんな余裕ないから」
 確かに自分達だって制服着たい等という不満の声が上がる中、クリッサは反論を鼻で笑った。
「ははっ、制服を着ているからレイダー? そんな理論が通用すると思っているのかい?」
 冷静になって考えてみれば、少々こじつけにも思えてしまう。
 他の民衆を説得する材料としては弱かったようだ。
 しかし、ここで折れたら化野の制服愛が廃ってしまう!
「つ、通用するよぅ! と言うわけでぇ、正義のブリンガーが潜入レイダーにお仕置きだぁ!」
 持論をゴリ押しして攻撃を敢行!
 クリッサへ管狐を放つ!
 だが、クリッサは慌てず民衆へ呼びかける。
「彼女はこの非常時に混乱しているんだ! 誰か取り押さえてくれ!」
 この呼びかけに民衆が管狐と化野を取り押さえようと取り囲んでしまう。
「やめなよ、その白い制服のレイダーのそばにいるとロクなことないよぅ?」
「クリッサさんを侮辱するな!」
「同志の言葉が勇気をくれるんだ!」
「私達が正義なんだ!」
 皆が我を忘れ、化野の身体を拘束して地面に押し付ける。
 だが、管狐は細い体で民衆の足の隙間をどんどんすり抜けてゆく!
「何をしている? その妙な生き物を僕に近寄らせるな!」
「ですが! すばしっこい上に手の中をすり抜けていきます!」
「クリッサさん、後ろに!」
 民衆の注意喚起よりも先に、管狐がクリッサの首筋に噛み付いた!
「痛っ!」
 クリッサは首元から管狐を引き抜くように剥がすと、そのままブーツで踏み潰そうと片足を上げた。
「この――っ!」
 クリッサが地面を踏み付けた次の瞬間であった。
 管狐はしゅるるっとその場から逃げ出すと、何故か小石がそこに置かれているではないか。
 そうとは知らずにクリッサはブーツで小石を踏み付け、ヒールが根本から折れてしまった!
「うわっ!」
 足首がグネッと捻じ曲がると、バランスを崩して転倒!
「クリッサさん! 大丈夫で、うわあぁッ!?」
 駆け寄った女性も転倒!
 クリッサの顔面にニードロップ直撃!
「ぎゃあっ!」
 酷い悲鳴を上げたクリッサの鼻と首筋から血が溢れる。
 その頭上へ不意に、黒い影が差した。
 クリッサは何事かと頭上を見上げれば……。
「なんだってっ!?」
 外部の戦闘の余波で、老朽化した柱が崩壊!
 その破片がクリッサの頭上を直撃!
 度重なる不幸の連続に、民衆も戸惑うばかり。
 実は、化野のユーベルコード『狐の呪詛』で引き起こした不慮の事故で攻撃しているのだ。更に、クリッサは化野がユーベルコードの射程圏内にいる限り、不幸はどんどん続いてゆく。
 頭から血を流して瓦礫の中から這い出てくるクリッサ。
 そんなレイダーを指差し、化野が周囲へ叫んだ。
「この人の言うこと信じるとぉ、みんなも不幸になったり騙されたりしちゃうよぅ。離れて離れてぇ」
 恐怖とは、生物にとって最も有効な交渉手段である。
 まして外部から襲撃を受けている今、自身も不慮の事故に遭遇するかもしれないという恐怖は、クリッサから人を遠ざけるのに十分な判断材料であった。
 だが、未だに根強くクリッサを支持する者も少なくない。
 化野はひとまず、離反した人々を安全な場所まで避難させてゆくのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

箒星・仄々
大勢の方々の命を
之から沢山の未来が生まれていくこの場所を
守り抜きます!

転送と同時に竪琴かき鳴らし
破魔を込めた旋律で演説を阻害

騙されてはいけません!
その方は黒き風の教団の手の者
自警団さんへお任せして皆さんはどうぞ避難を

旋律を魔力へ変えドローンを攻撃

烈風で吹き飛ばし
火炎で燃やし溶かし
超水圧で貫きます

操られている一般人の方いれば
空気のあぶくで包んで動きを阻害し
増幅した破魔の音を届かせて自我を回復

クラリッサさん
ストームを崇拝とはお可哀そうに
すっかり歪んでしまわれたのですね
貴方もこの時代の犠牲者です
どうぞ海へお還り下さい

戦闘後にクラリッサさんへ鎮魂の調べを捧げます
穏やかな安らぎが得られますように



 箒星・仄々(ケットシーのシンフォニア・f07689)は拠点に転送されると、大勢の人々がごった返していることに驚いた。
「ここは、以前に訪れたアポカリプスヘルの拠点とは随分規模が違うのですね」
 ブリーフィングでは千人以上の難民を受け入れていると聞いていた箒星だが、実際に目の辺りにすると、その喧騒は想像を遥かに超えていた。
 スタジアム内を往来する人々は、ケットシーである箒星にとっては動く壁にも等しい。
 だが、驚きと同時に堅い決意を胸に秘める。
「大勢の方々の命を、之から沢山の未来が生まれていくこの場所を、絶対に守り抜きます!」
 箒星は演説が聞こえてくる群衆の方へ、小さな体を生かして素早くすり抜けていく。
 すると、そこには白い制服を着たレイダーことクリッサ・マティアが弁舌を奮っていた。
「先程は邪魔が入ったが、残ってくれた勇敢なキミ達がいれば大丈夫だ! さあ、共に闘おう!」
「待って下さい!」
 箒星が演説に駆け寄る。
 その過程で懐中時計をボタンひとつで蒸気機関式竪琴へと展開させ、乱暴に弦を掻き鳴らした!
 不協和音が辺りに撒き散らされ、民衆は総じて耳を塞ぐ。
「今度は何なんだ?」
 不快感を露わにするクリッサ、その前に立ちはだかる黒猫の魔導楽士。
 箒星は演奏の音圧で威嚇しながら、民衆へ言葉を投げかけた。
「騙されてはいけません! その方は黒き風の教団の手の者! 自警団さんへお任せして、皆さんはどうぞ避難を!」
「何をデタラメなことを!」
 クリッサが抗議する。それを民衆が後押しした。
「そうだ! 急に現れて何言ってやがる!?」
「お前こそ敵の回し者なんじゃないか? 黒い猫だし怪しいぞ!」
「そうだそうだ!」
 箒星は思わぬ罵詈雑言を浴びせられ、一瞬たじろいた。
(これはちょっと想定外でした。クリッサさんが此処で攻撃を仕掛けてくると思っていましたが、あくまでも自身は手を汚さないおつもりなんですね)
 ならば、と箒星はプランBへ移行する。
「さあ、ちょっと派手にいきますよ~? 皆さん、少し頭を冷やしませんか?」
 爪弾く音色が水鉄砲に早変わりし、民衆の多くを押し流してゆく!
「翠の音よ、唸りを上げて渦巻く大風へと。緋の音よ、狂い猛りて爆炎へと。そして蒼の音よ、清らかに流れてかの者達を押し流す弾丸となれ!」
 三色の魔力が箒星の竪琴に辿れば、周囲には超常現象めいた自然現象が発生!
「トリニティ・ブラスト! 405本の魔法弾で失礼しますね~」
 空気弾が民衆をふっとばし、火炎弾で戦意を喪失させ、水鉄砲で向かってくる民衆たちを押し返せば、クリッサの表情に焦りの色が見え始める。
「みんなになんてことを! こいつこそ敵のスパイだ! 誰か捕まえてくれ!」
「もうお芝居は止めませんか、クリッサさん?」
 空気団と火炎弾がMIX!
 膨大な酸素を取り込んだ炎が膨張し、クリッサの白い制服を煤と焼き目で黒く染めると、水鉄砲で全身を押し潰す!
「ご安心下さい。皆さんが怪我しないように留意していますよ」
「ゲホッゲホッ! お前達は、誰だ?」
「オブリビオンである貴方なら、私達の正体はもう分かっているでしょうに」
「この黒猫の悪魔め! クリッサさんから離れろーッ!」
 果敢に向かってくる執念深い民衆達は、水と風の複合魔法で大量の泡を発生させ、その中に人々を捉えて拘束してしまう。まるで風船の壁に埋め込まれたかのように身動きが取れない民衆を尻目に、箒星は肩を竦めた。
「クリッサさん、御可哀そうに。あろうことかストームを崇拝とは。すっかり歪んでしまわれたのですね」
「……黙れ。もうこの世界は終わったんだ。全ては再生のために破壊されなくてはならないんだ」
「その言葉、自供と捉えてよろしいですね?」
 箒星は竪琴の弦に指を添えた。
「ですが、貴方もこの時代の犠牲者です。どうぞ、この鎮魂歌で骸の海へお還り下さい」
 箒星は即興でレクイエムを演奏し始めた。
 すると、火・風・水の弾丸がクリッサに殺到!
「くそ……っ! 既にここは猟兵が紛れているのか……っ! うわっ!?」
 遂に化けの皮が剥がれたクリッサは、箒星の猛攻に耐えきれずに吹っ飛ばされていってしまった!

成功 🔵​🔵​🔴​

達磨寺・賢安
・神の預言者かぁ。確かに、この荒涼とした世界では宗教の力も大事な時だってあるよな。けれど、間違う時だって、騙される時だってあるのも確かなこと。微力だけど、僕も力を貸そう。

・煽られた民衆と扇動者の間に進み出てこう言おう。「彼女が本当に神の使いなら、きっと奇跡を起こせるはずだ」と。まあ、オブリビオンだから何がしかの力は使えるんだけど、僕はその上を行く。「民を救うための力なら悪魔だけを罰せるはずだ。さあ、『僕だけ』を倒してごらん」と煽りながら民衆の中へ。クリッサが迷えば【南無フレイム】を使って辺りを浄化の炎で包み、「どうだい。僕は救う者と悪魔を区別できる。君は出来ない……君はニセモノだ」と断じよう。



「神の預言者かぁ。確かに、この荒涼とした世界では宗教の力も大事な時だってあるよな」
 転送されてきた達磨寺・賢安(象の悪魔・f28515)は、先の猟兵の戦闘で大混乱となったスタジアム内を進んでゆく。
「けれど、間違う時だって、騙される時だってあるのも確かなこと。微力だけど、僕も力を貸そう」
 今回が初任務の達磨寺。
 敵の実力に彼我は歴然であるものの、彼には秘策があった。
 群衆を掻き分け、白き煽動者クリッサの前へ悠然と達磨寺は姿を表した。
「新手の猟兵か……! 次から次へと……!」
「クリッサさんを守れ!」
「侵入者を近付けるな!」
 もはや親衛隊めいた一部の民衆が、必死にクリッサを庇い立てる。
 それに達磨寺は呆れた物言いで彼等に告げた。
「彼女だか彼だか分からないが、本当にそいつが神の使いなら、きっと奇跡を起こせるはずだ」
 達磨寺の言葉に、親衛隊は一斉にクリッサへ期待の眼差しを向けた。
 クリッサは迷惑そうに言葉を返す。
「僕はこんな外見だが男だ。それに、神の使い? それは外の狂信者のことだろう? 僕はちょっとだけユーベルコードが使える、ただの“戦車乗り”さ」
 一度は化けの皮が剥がれたクリッサだったが、親衛隊という後ろ盾が彼に虚言を纏わせる。
 だが達磨寺は秘策を引っさげて強気に打って出た。
「そうやって嘘が吐けるのも今のうちだ。民を救うための力なら悪魔だけを罰せるはずだ。さあ、『僕だけ』を倒してごらん」
 次の瞬間、達磨寺の姿が戦闘形態へと移行する。
 その姿はまるで、仏敵である象の悪魔『ギリメカラ』にそっくりだった。
 だが、これが思わぬ反応を民衆に引き起こす。
「うわぁ! 人から怪物に変身したぞ!」
「やっぱりコイツが外の狂信者なんだ!」
「クリッサさん、助けて下さい!」
 恐慌状態の中、仏敵の姿に似た戦闘形態を曝け出してしまったことにより、達磨寺の印象が一気に悪い方へ傾いてしまった。
「待ってくれ! 俺は猟兵……そう! ブリンガーだ!」
 いくら猟兵は如何なる世界でも外見に違和感を持たれないとはいえ、畏怖や威圧感を持たれない訳ではない。彼は完全にアプローチを誤ってしまった。
 更にクリッサを煽ってしまったことにより、戦闘の主導権を敵に渡してしまったのも不利な状況を一層作り出している。このまま達磨寺から相手を攻撃すれば、いくら攻撃の正当性を訴えても民衆の心はなびかないだろう。
「……こいつが悪魔だ! 僕はこれより、悪魔に鉄槌を下す! みんな、見ててくれ!」
 完全に場の空気を掌握し直したクリッサは、空中で待機させていたドローンの片割れと合体!
「戦術パターン・アルファ! 悪魔め……! 僕の鉄拳を受けてみろ!」
 2倍の体躯になったロボクリッサが拳を振り上げる。
 その一撃が精密に達磨寺の頭上を捉える!
「馬鹿な……っ!?」
 拳が直撃した地点で地響きと轟音と破片が飛び散る!
 どうにか緊急回避できた達磨寺。
 周りをよく見れば、民衆は自主的にクリッサの後ろまで後退していた。
(僕の予測では、民衆を巻き込めない或いは巻き添えにしてでも攻撃を放ってくると思った。けど、まさか、こうなるとは……)
 この状況ではロボの拳はピンポイントで達磨寺を狙えるし、そもそも最初から狙おうと思えば狙えたのかもしれない。
 秘策が裏目になった達磨寺は、こうなったら、と一か八か勝負に出る。
「今の僕の姿は確かに、恐ろしい悪魔の姿かもしれない! けれど、僕は救う者と悪魔を区別できる! この炎は、オブリビオンだけを焼く浄化の炎よ!」
 彼の口から火炎放射器めいて浄化の炎が吐き出された!
 これぞ彼のユーベルコード『南無フレイム』!
 民衆は最初こそ阿鼻叫喚の騒ぎであったが、ふと触れても焼かれずに熱くもない炎だと分かると、ほっと胸をなでおろした。
 だが、クリッサの場合は訳が違う。
 彼はレイダー、つまりオブリビオンなのだ。
「ぐわぁーっ!? みんな! 早く逃げるんだ! この炎に焼かれ死ぬ前に!」
 たった1人だけ藻掻き苦しむクリッサの滑稽な言動に、民衆はぽかんと口を開けて見守るばかり。
「おい……もしかして、クリッサさんのほうがオブリビオンなのか?」
「私達はなんともないのに、なんで……?」
「まさか、みんなを騙していたのかよ……?」
 疑念と不信感が積もってゆき、人々はクリッサの言動を徐々に訝しむようになっていく。
 達磨寺は内心でほくそ笑みながら、決め台詞を口にした。
「君はニセモノだ! いい加減に正体をみせろ、オブリビオン!」
「おのれ……! よくも、僕を辱めたな……! うぐっ……!」
 ロボ化を解除しても全身を苛む浄化の炎にクリッサはしばらく苦しみ続けていった。

苦戦 🔵​🔴​🔴​

稷沈・リプス
なんかいろいろ大変なことになってるっすねー。
あ、俺は(自称)人間っすよ。

単純な疑問なんすけど。
皆さん、自警団と同等、あるいはそれ以上の戦う力、持ってるんすか?
籠城から打って出るには、めちゃ戦う力、必要っすよ?
それに、籠城ってのは、蟻一匹通さない守りで成り立つんっす。穴が空いたら…あとは崩れるのみなんす。
…それに戦いって、弱いとこらから叩くのが定石なんすよ。戦線が乱れるんで。
ここの場合、『弱いところ』が何かは…わかるっすよね?弱点とはよく言ったものっす。

UCはクリッサが攻撃してきたときのみ使用するっす。
太陽神から借りて返せなくなったライオンっすよ。

※ライオンはのんびり屋。
『リプスさまー』


シホ・イオア
みんな~、外の戦闘が激しくなってるから早く非難してねー
クリッサちゃんは強いんだね。
これだけ攻撃されても立ち上がれるんだ。
でも自警団に加わってないんだよね?

敵が攻めてきたタイミングで自警団の協力も得ずに勝手に動こうとしてる
守るべき人々を戦いに巻き込もうとしてる。
本当にこの街を守りたいならもともとこの街を守ってくれている
自警団に話を通して協力した方がいいんじゃないかな?
勝手に動いて敵を引き入れるなんてことになったら
戦えない人も巻き込んじゃうからね☆

UCで拠点を補強。
敵味方の分断に壁を作ったり
外壁や門の強化をしたりしちゃう。

戦闘? 残像と光輪で空中からお相手するよ。


シャーロット・ゴッドチャイルド(サポート)
ダークセイヴァ―の貧しい農村に生まれた聖なる力を宿した女の子です。暗い過去を背負った子ですが、いつも周りに気を使っていて笑顔を絶やしません。

ホーリー・ボルト~光の精霊の力で、光属性の魔法の矢を放ちます。
エレメンタル・ファンタジア~炎の精霊を呼び出し、炎の竜巻を巻き起こす。予想以上の威力のため、制御するのがやっと。
絶望の福音~10秒後の未来を予測する。
生まれながらの光~左の手のひらにある聖痕から他者を癒す。

「もう泣いているだけの私じゃない・・・私は貴方を倒します!」

エロやグロに巻き込まれなければ大体のことは大丈夫です。



 混乱する拠点内。
 民衆の信用を大きく失った白き煽動者が猟兵たちを睨んで歯噛みする。
「なんてことだ……。キミ達さえ邪魔しなければ……」
 狼狽するクリッサへ、稷沈・リプス(明を食らう者・f27495)が周囲を眺めながら軽薄に笑みを浮かべた。
「なんかいろいろ大変なことになってるっすねー。黒き風の信者もご苦労さまっす」
「黙れ……! オブリビオンストームは神の御心だ!」
「神の御心っすかー。そらまた大層なことっすねー。人間の俺に理解できないっすよー」
 ケラケラと笑う稷沈だが、彼こそが実は『日蝕』と『月蝕』の権化、すなわち『蝕』司る神なのだ。
 神様相手に神の尊さを訴える目の前のオブリビオンに、正直言って失笑を堪え切れない稷沈である。
 その周囲では、青髪のフェアリーことシホ・イオア(フェアリーの聖者・f04634)が、クリッサへ疑惑の目を向ける民衆へ声を掛けた。
「みんな~、外の戦闘が激しくなってるから早く非難してねー」
「あの白い制服を着た人は、皆を騙しているレイダーです! 目を覚まして!」
 救援に駆け付けたシャーロット・ゴッドチャイルド(絶望の福音・f23202)も民衆へ強く訴えて避難を促していた。
 もはやクリッサの煽動は果たされない事は、誰の名から見ても明らかであった。
 だがしかし、それでもなお狂信者めいてクリッサを養護する人々も存在した。
「こんなところに至って意味がない……黒き風が再生をもたらしてくれるなら……」
「クリッサさんには恩があるんだ……!」
 ある者は思想に感化され、あるものは恩義を感じ、クリッサがオブリビオンだとしても寄り添おうとする。
 それこそが人間の愚かさであり、人間の脆さだ。
 人間を自称する稷沈は、この光景に思わず声なく苦笑してしまう。
 ふと、シホはクリッサへ尋ねた。
「クリッサちゃんは強いんだね。これだけ攻撃されても立ち上がれるんだ。でも自警団に加わってないんだよね? なのに敵が攻めてきたタイミングで自警団の協力も得ずに勝手に動こうとしてるよね?」
 シホの口調が次第に棘のある物言いになってゆく。
「守るべき人々を戦いに巻き込もうとしてる。本当にこの街を守りたいなら、もともとこの街を守ってくれている自警団に話を通してから協力した方がいいんじゃないかな?」
「そうっすよねー。てか、単純な疑問なんすけど……」
 稷沈はクリッサを妄信的に庇い立てる民衆へ尋ねた。
「皆さん、自警団と同等、あるいはそれ以上の戦う力、持ってるんすか?」
 その質問に民衆は眉間に皺を寄せた。
「私達ひとりひとりは自警団に敵わない。けれど、団結して数で優れば、レイダーだって……」
「いやいや、それは無理っすね? 籠城から打って出るには、めちゃ戦う力、必要っすよ?」
 熱弁を振るう初老の男性に、稷沈は手を顔の前で振りながら男性の主張を即刻否定した。
「それに、籠城ってのは、蟻一匹通さない守りで成り立つんっす。穴が空いたら……あとは崩れるのみなんす。今まさに、ここの堅牢な守りをお前さん達は自ら穴を開けようとしていたっすけど……?」
「うぐ……っ!」
 正論を突き付けられ、男性は奥歯をギリギリ噛み締めながら稷沈を睨み付けた。
 稷沈はわざとらしく大きなため息を吐くと、駄目押しの説明を始めた。
「……それに戦いって、弱いとこらから叩くのが定石なんすよ。戦線が乱れるんで。ここの場合、『弱いところ』が何かは……わかるっすよね? 弱点とはよく言ったものっす」
「そーそー! 勝手に動いて敵を引き入れるなんてことになったら、戦えない人も巻き込んじゃうからね☆」
「あなたたちが怒りで我を忘れて敵中へ突っ込む事で、あなたたちの大切な人たちを危険に晒すリスクが発生しますよ!」
 民衆の避難を終えたシャーロットも、残る人々へ訴えかけた。
 狼狽する民衆は、もはや何を信じていいのか分からなくなってしまっている。
 そこへ、クリッサが強硬手段に打って出た。
「もういい! 僕ひとりで外へ出る! こんな拠点、内側から破壊してるぞ!」
 2つの球体ドローンの片方が輝いたかと思えば、突然、それは壁に向かってビームを発射した!
 拠点の防壁にビームが直撃し、衝撃波と土煙が立ち上る!
「はははは! 最初からこうすれば話が早かっ……何っ!?」
 クリッサは思わず目を疑った。
 ビームで穿ったはずの防壁は、全くの無傷で存在していたのだ。
「あ、クリッサちゃんとのお話の最中に、シホがこの拠点の守りをユーベルコードで強化しておいたよ!」
 よく見てみれば、防壁を強化ガラスのような鉱石の板ですっぽりコーティングされているではないか!
 クリッサはいよいよ腹を括り、稷沈へビームの砲口を向けた。
 右眼に埋め込まれた照準システムが稷沈を捕捉する!
「僕の目からは逃れられない! 死ねぇ!」
 ドローンからビームを発射!
 だが稷沈はその場から急に高速で移動してビームを回避!
「今度は何だ!?」
 稷沈の素早い動きに翻弄されるクリッサ。
 彼は今、太陽神から借りて返せなくなったライオンに跨り、クリッサの周囲をぐるぐると駆け巡っていた。
『リプスさまー、駆けっこ楽しいねー』
 ライオンは戦闘中にもかかわらず、目一杯走れて満足げだ。
「お前さんは相変わらず、のんびり屋っすねー?」
 苦笑する稷沈は、ライオンのタテガミを手綱代わりに握ると、進路をクリッサへ向けて猛進!
「そのままあの白制服に飛びかかってやるっすよ」
「わーい! 遊ぼ遊ぼー!」
 ライオンは無邪気にクリッサへダイブ!
 だが猛獣に飛び掛かられて無事で済むわけがない。
 じゃれ合いなのか捕食なのか分からない程度には身体のあちこちを噛み付かれ、一瞬でクリッサはボロ雑巾の如くスタボロになってしまった。
「どさくさに紛れて、シホも失礼するよ?」
 残像と光輪で空中から宝石剣エリクシアの剣先をちくちくとクリッサに刺突してゆくシホ。
 やっていることは地味だが、その分、常時死角からの攻撃は確実にクリッサへダメージが入ってゆく。
 そして、トドメはシャーロットのエレメンタル・ファンタジア!
「もう泣いているだけの私じゃない……私は貴方を倒します!」
 聖者特有の光がシャーロットから放たれると、体内から膨大な魔力が溢れ出てくる!
 その魔力は炎の精霊を呼び出させ、クリッサへ炎の竜巻を浴びせた!
「うわぁぁっ! 申し訳……ありま、せん……聖女、さまぁ……!」
 全身をたちまち炎で包み込まれたクリッサは、断末魔を残して焼失していってしまった。
「はぁ……はぁ……! なんとか、今回も制御できた……」
 ユーベルコードのあまりの威力に、暴走しないよう制御するのに精一杯だったシャーロット。
 白き煽動者を倒した彼女達へ、民衆は感謝と謝罪の言葉を押し寄せるのであった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​




第2章 集団戦 『黒き風の使徒』

POW   :    解っていただけませんか……残念です
【モーニングスター】が命中した箇所を破壊する。敵が体勢を崩していれば、より致命的な箇所に命中する。
SPD   :    オブリビオン・ストームこそが神の意志なのです
【「黒き風の教団」の教義と説法】を聞いて共感した対象全ての戦闘力を増強する。
WIZ   :    黒き風の元で生まれ変わりましょう
技能名「【言いくるめ】」の技能レベルを「自分のレベル×10」に変更して使用する。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 スタジアム型拠点の防壁が、ユーベルコードの効果で強化ガラスのような素材でコーティングされたのを確認した黒き風の使徒の部隊長のひとりは、白き煽動者クリッサの作戦が失敗したことを悟った。
「もはや内側から混乱が起こることはなくなりました。ですが、戦力差は依然、我々『黒き風の教団』が上回っています」
 彼女達はモーニングスターを掲げながら、銃弾が飛び交う戦場を迷いなく突き進んでゆく。彼女達は死を恐れない!
「たとえ命を落としても、我々は黒き風で蘇る存在です! それに心臓と頭を潰されない限り、我々は黒き風の教えを説き続けなくてはなりません!」
 モーニングスターで手当り次第には破壊活動をしつつ、彼女達は『黒き風の教団』の教義と説法を、拠点の自警団へ訴え掛ける。
『オブリビオン・ストームこそが神の意志なのです』
『貴方も黒き風の元で生まれ変わりましょう』
「うぅ……! なんだ、頭がおかしくなりそうだ……!」 
 彼女達の言葉を聞き続けていた最前線の兵士達の精神が汚染され、感化され、戦闘不能状態に陥ってゆく! このままでは新たな狂信者を生み出し、拠点の自警団との同士討ちが起こりかねない!

 さあ猟兵たちよ! 死を恐れぬ黒衣の狂信者達を、1人残らず撃退するのだ!
箒星・仄々
黒き風の寵愛を確信した歪んだ善意が哀れです
殺戮は許しません
海へお還りいただきましょう

援護
遠距離攻撃を依頼
爆音と衝撃で
使徒さんの声を邪魔するのが狙いです

竪琴起動
破魔の旋律で説法打ち消し
正気へ戻します

奏でながらUCで摩擦抵抗操作し高速滑走

華麗なドリフト&魔法の残像分身で回避
魔力の盾で防御

移動や防御しながら周囲の地面をこっそりとぺろ
誘い込みドミノ倒しに

すれ違いざまにもペロ
武器をすっぽ抜けさせたり
尻もちのまま地平の果てまで滑って頂きます
さようなら~

音色に宿した属性魔力で攻撃

使徒さん
思い込みや傲慢に雁字搦めの貴方方は
黒き風の犠牲者です
倒すことで
その呪縛から解放します

事後、使徒さんの安らぎを願い
鎮魂の歌曲


化野・花鵺
「よし来た修道服正統派ぁ!今日はなかなか期待が持てるラインナップだぁ!」
狐、敵の服見て歓声を上げた

「カヤは呪詛も狂気も耐性があるけどぉ、拠点の人は違うもんねぇ。しゃべらせるとまずいかなぁ」
狐、周囲の被害見回し考えた

「行けぇ管狐!敵を顔から喰ろうてやれ!」
「顔から喰われて説法を続けられる者などおるまいよ。互いの顔を掻き毟り、もーにんぐすたぁとやらで潰し合うのも良かろうよ」
「管狐の召喚」使用し敵を顔から喰わせる暴挙にでた

「ヌシらは火刑磔刑の方が好みかもしれんが、あれは準備に時間が掛かるからのぅ。取り急ぎヌシらを黙らせるにはこの方が楽じゃ、ホホホホホ」
狐、拠点の人達と昏倒者を搬送しつつにんまり嗤った


達磨寺・賢安
・前回はこの身体が不利に働いたけど、今回は大丈夫だよね。周囲の自警団の人に向けて「慰め」「優しさ」の仏気をあてながら戦おう。少しは汚染された精神が楽になるかもしれない。

・手当たり次第に得物を振り回すのなら、それを「見切り」、紙一重で交わすことで「体勢を崩す」。そこに「カウンター」での【一撃必殺】を「怪力」をもって撃ち込む。狙いは、その妄言を繰り返す頭。そして破壊を繰り返す体を動かす心臓。1人ずつ確実に減らしていこう。

・どうしても動けなくなってしまう自警団の人もいるだろう。そういう人がそばにいたら「破魔」の力を込めた喝を入れて正気に戻れないか試し、拠点の中へ退避してもらおう。



 黒き風の狂信者達の侵攻に苦戦を強いられる自衛団達。
「このままでは防衛戦を突破されちまうぞ……!」
「それでも此処を死守しろ!」
 いくら銃弾を浴びせても、狂信者達は数の暴力で押し切ってくるのだ。
 他よりも物資が豊富な拠点とはいえ、それでも限界が近付いていた。
「オブリビオン・ストームこそが神の意志なのです。何故それが分からないのですか?」
「う、ぁ――! やめろォ……!」
 狂信者の言葉自体がユーベルコードであり、徐々に自衛団は正気を失ってゆく。
 いつ最前線が崩壊してもおかしくない。そう思われた矢先のことだった。
「お待たせしました。救援に駆け付けましたよ、ご安心下さいね」
 黒猫の箒星・仄々(ケットシーのシンフォニア・f07689)が自警団を庇うように前へ進み出た。
 箒星は懐中時計を懐から取り出すと、ボタンを押し込んでその形状を変化させる。
 あっという間に蒸気機関式竪琴へと早変わりさせると、付属の拡声機能で兵士たちへ呼び掛けた。
「あー、あー。自警団の皆さん、あとは猟兵の私達にお任せ下さい。皆さんは後方から援護射撃をお願いしますね。出来れば、なるべく大きな音が出る攻撃を多用してもらえるとありがたいのです」
 この呼びかけに、自警団は素直に後退していった。
 拡声機能により、狂信者達の説法を妨害する狙いもあるのだ。
 箒星の他にも、化野・花鵺(制服フェチの妖狐・f25740)と達磨寺・賢安(象の悪魔・f28515)が、傷付いた兵士らの介抱を行っていた。
「よし来た修道服正統派ぁ! 今日はなかなか期待が持てるラインナップだぁ! 自警団の軍服も思わぬ収穫だぁ!」
 制服を愛し過ぎている化野は、敵と自警団を見るなり拳を握り締めて天へ突き上げた。
 だがキチンと猟兵の務めは果さんと動き回っている。
「カヤは呪詛も狂気も耐性があるけどぉ、拠点の人は違うもんねぇ。敵にこれ以上しゃべらせるとまずいかなぁ」
 彼女は腰にぶら下げた竹筒の栓を、おもむろにスポンッと引き抜いていた。
 一方、達磨寺は象の悪魔の姿のまま、戦闘不能になった兵士たちを後方へ担いで回っていた。
「精神汚染がひどい……。大丈夫か? ちょっと待っててくれ」
 見た目は最初こそギョッとするが、彼の献身的行動と先刻の戦闘の噂に兵士らは次第に心を開いていった。
「今、体内の邪気を払おう。……フゥン、破ぁッ!」
 慰めと優しさの心を籠めた破魔の一喝を兵士らへ叩き込む達磨寺。
 すると、彼らは正気を取り戻すことに成功。
「ありがとうございます……! この音は戦場で返します!」
「援護射撃なら任せてください!」
 達磨寺も強力なバックアップを得ることが出来た。
 こうして、猟兵達は三者三様の方法で狂信者達の猛攻に立ち向かってゆく。

 結論から言えば、狂信者達は、たった3人の猟兵達に振り回され、掻き乱され、打ち倒されていった。
「オブリビオンストームは超常的な現象であり、これは神の意志以外の何物でも……きゃあッ!」
「地平線の果てまでさようなら~♪」
 箒星がすれ違うたび、狂信者達はすっ転んで、そのまま猛烈なスピードで拠点を背にして滑走してゆく。
 人間魚雷と化した狂信者達は、仲間の集団に次々と衝突して阿鼻叫喚を引き起こし、そこを自警団の援護射撃で撃ち抜かれていった。
 箒星自身も、枯れ果てた大地をアイスリンクと見紛うほどの滑らかな動きで、戦場を縦横無尽に駆け抜けていた。
「ユーベルコード『猫の毛づくろい』は、使い方次第で無双ができるのです」
 彼の靴の裏を、予めペロペロ舐めておくことで、地面との接触摩擦が極限まで低下しているのだ。だから、スケートのように高速で滑走できる。箒星自身の見事なドリフトテクニックや魔法の残像分身による撹乱を攻撃回避といった、彼に備わった技量の高さも後押ししている。
 この要領で狂信者達の衣服をすれ違いざまに舐めてみれば、すっ転んだ拍子にどこまでもツルツルとカーリングのストーンめいて滑っていってしまうということだ。
「誰か止めてぇ!」
「ちょっと、こっち来ないで!」
「いやぁぁっ!?」
 もはや、箒星が相手取る狂信者達はドミノ倒しというかボーリングのピンがストライクで吹き飛ばされるように、説法どころではないほどの大混乱に陥っていた。
 更に、竪琴の音色で説法の言葉を遮り、音色に宿した魔法で狂信者の体内からダメージを蓄積させていた。
「使徒さん、思い込みや傲慢に雁字搦めの貴女方は、むしろ黒き風の犠牲者です。私達が倒すことで、その呪縛から解放してみせましょう」
 こうして、箒星は彼女たちの鎮魂歌を奏でつつ、狂信者達を乱反射させてゆく。

 その頃、意外と血なまぐさい戦況になっていたのは化野と達磨寺の即席コンビだ。
「行けぇ管狐! 妾の敵を顔から喰ろうてやれ!」
 神様モードのスイッチが入った化野の口調が尊大なそれに変わっている。
 竹筒の中から飛び出した80体の管狐は、その四肢に千里を駆ける呪を宿すことで高速移動を実現。
 戦場を駆け巡る自身の眷属達をけしかけると、狂信者の顔面へと喰らいつかせたのだ!
「顔から喰われて説法を続けられる者などおるまいよ。互いの顔を掻き毟り、もーにんぐすたぁとやらで潰し合うのも良かろうよ」
 えげつない戦術に、達磨寺は内心震え上がっていた。
「花鵺が味方で良かったよ……おっと!」
 振るわれたモーニングスターの一撃を怪力でいなして、カウンターの拳を狂信者達の顔面に叩きつける。
 高めの身長から繰り出された拳圧は、少女の姿をしたか細い狂信者の大勢を崩し、頭部がスイカのように砕けて割れた。
「よし、次だ! 我はギリメカラ! お前らの教義を破壊する猟兵だ! 死にたい奴から掛かってこい!」
 あえて仏敵の名を騙ることで、狂信者達の注意を引きつける達磨寺。
 その狙いはまんまと成功する。
「そうですか。私達の崇高な教義を破壊するというなら、ここで再生のための死を与えましょう」
 蟻の大群めいて押し寄せる狂信者達を、達磨寺は文字通り千切っては投げ、拳を振りかざしては血風を撒き散らす。
 頭や心臓を潰し、鈍器を紙一重で見切ってすかさず反撃。
「ふん! 遅いな、ハッ! まだまだァ!」
 徐々に狂信者達は骸の海へと沈没してゆく。
 仲間の暴れっぷりに、化野はニタリと口角を釣り上げる。
「ほう? なかなかの勇猛な戦働きじゃのう? 管狐、此方も負けてはおられぬぞ?」
 眷属に発破を掛けつつ、優雅に化野は戦場を闊歩してゆく。
 顔の肉を舐めるように抉られた狂信者のひとりへ、化野は戯れに声を掛けた。
「修道服姿のヌシらは火刑磔刑の方が好みかもしれんが、あれは準備に時間が掛かるからのぅ。取り急ぎヌシらを黙らせるにはこの方が楽じゃ、ホホホホホ」
「……死は……再生のための祝、福です……黒き意、志のまま、に」
「もうよい。黙っておれ」
 化野は破壊の術式を霊符に認めると、狂信者の額に貼り付けた。
 途端、狂信者の肉体が爆散!
 霊符から衝撃波が発生して、一瞬で敵の内部から吹き飛ばしたのだった。
「ホホホホ、他愛もないのぅ? ほれ、一旦拠点へ戻って治療をするのじゃ……コホン、治療するのぉ~」
 口調を戻した化野は、兵士達の救出活動に精を出しつつ、管狐と達磨寺に前線を任せるのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

シホ・イオア
「輝石解放、サファイア! 浄化の雨よ、邪な言葉を洗い流せ!」
空を飛びつつ広範囲に攻撃!
UCに加えてマジカルガトリング砲での制圧射撃と弾幕も使っていこう。
空中戦と残像で説法なんてしてらんないくらい戦場を荒らしまわるよ。
存在感でアピールすれば囮もできるかな?

「敵の言葉をまともに聞かないで! 
守りたいもの、自警団に入った理由を思い浮かべて抵抗するよ!」


稷沈・リプス
アドリブ歓迎。
相手の言い分は右から左っすよ(ケラケラ笑う)

さて、指定UCにて作るは巨大なる黒き蛇。強化するは筋力っす。
このUC、滅多に使わないんすよ?つか、猟兵になってから初めて使うっすよ。
黒き蛇よ、その使徒たちを撥ね飛ばすっす!
これも一種の黒き風っすよね?

で、これを使った理由。簡単っすよ。

(神モード)
……汝ら、我の怒りを買った。
ははははははは、神の前にて『神の意志』とふざけたことを抜かす。
過去でしかないオブリビオンが!ふざけたことを!
(真の姿解放。巨大なる呪われた黒蛇神)
なあ…我に呑まれるのと、我が作った黒き蛇に撥ね飛ばされる。
どちらが良い?

※後で誤魔化せるよう、わざと似たのを作った。



 別の場所では、シホ・イオア(フェアリーの聖者・f04634)と稷沈・リプス(明を食らう者・f27495)が協力して、狂信者達の猛攻を食い止めていた。
「輝石解放、サファイア! 浄化の雨よ、邪な言葉を洗い流せ!」
 降り注ぐ浄化の雨が、兵士達を癒やし、オブリビオンである狂信者達を苛んでゆく。
 振るわれる敵のモーニングスターを、フェアリー特有の小さな体で飛び回って掻い潜り、宝石剣エリクシアの鞘こと『ロイヤルミストガード』が、霞でシホの分身を生み出して敵を惑わせる。
「どこ狙ってるの? シホはここだよ!」
 聖者である己の生まれながらの光で狂信者の視線を一点に集める。
 当然、挑発された狂信者達は一斉にシホを捕まえようと殺到する。
 その瞬間、彼女たちの背後がガラ空きとなった。
「黒き蛇よ、その使徒たちを撥ね飛ばすっす!」
 稷沈が命じると、巨大なる黒き蛇が鎌首を振り上げて狂信者達の背へ叩き付けた!
 強烈な膂力に、彼女たちの背骨は粉砕! 勢いよく明後日の方向へ吹っ飛んでいった!
「いやぁ、よく飛んだっすねぇ~。囮役マジで感謝っすよ~。あ、相手の言い分は最初っから右から左っすよ。俺、お前さん等の教義なんて、これっぽちも聞く耳持たないっすから」
 ケラケラと笑いながら黒き大蛇をどんどんけしかけてゆく稷沈。
「それにしても、このユーベルコード、ゴッド・クリエイションって言うんすけど、滅多に使わないんすよ? つか、猟兵になってから初めて使うっすよ。あ、その蛇は筋力特化っす。殴ったほうが手が痺れるレベルで筋肉カッチカチっす。勿論、ぶちかまされたり締め上げられれば、全身が複雑骨折っていうレベルじゃ済まされない程度に粉々っすよ」
 黒き大蛇が敵軍を掻き分けるたびに阿鼻叫喚を引き起こしてゆく様を、稷沈は愉悦と憤怒が入り混じった表情で見詰めている。
「これも一種の黒き風っすよね? ――で、これを使った理由。簡単っすよ」
 瞬間、稷沈の雰囲気がガラリと変わった。
「……汝ら、我の怒りを買った」
 神の本性を曝け出した彼は、暴虐性の高い笑い声と共に、狂信者達への怒りを吐露してゆく。
「ははははははは、神の前にて『神の意志』とふざけたことを抜かす。過去でしかないオブリビオンが! ふざけたことを!」
 そして、彼はヒトから黒き大蛇へと姿を変貌させてゆく。
 よく見れば、ユーベルコードで生み出した黒き大蛇と瓜二つであった。
 神としての真の姿を曝け出し、稷沈は更に狂信者達を追い詰める。
「なあ……我に呑まれるのと、我が作った黒き蛇に撥ね飛ばされる。選べ。どちらが良い?」
「どちらも不毛です。今すぐ抵抗をやめ、黒き風の元で生まれ変わりましょう」
 最期までぶれない狂信者に、神は激昂した。
「黙れ愚物が!」
 戦場に次々と骨の軋む音が鳴り響いていった。
 一方、上空では、マジカルガトリングブーツからの誘導弾幕を地上へばら撒くシホ。
 空が飛べない狂信者達は、上空からの制圧射撃に為す術もなく右へ左へと狼狽するだけだ。
「自警団のみんな! 敵の言葉をまともに聞かないで! 守りたいもの、自警団に入った理由を思い浮かべて抵抗するよ!」
「そうだ……俺達には、守りたいものがあるんだ!」
「もう惑わされない! あの猟兵に続くよ!」
 自警団の士気が息を吹き返す。
 シホは彼らを先導しつつ、狂信者達を見事に撃退していった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『黒き風の聖女『ニグレド』』

POW   :    洗脳演説「黒き風こそが神の意志である!」
【『黒き風の教団』の教義の演説】を披露した指定の全対象に【オブリビオン・ストームを信仰する】感情を与える。対象の心を強く震わせる程、効果時間は伸びる。
SPD   :    『黒き風の教団』「信徒達よ、ここに集え!」
戦闘力のない、レベル×1体の【『黒き風の教団』の狂信者達】を召喚する。応援や助言、技能「【言いくるめ】」を使った支援をしてくれる。
WIZ   :    黒風魔術「神の意志に従うのだ!」
【オブリビオン・ストームを模した風の魔術】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠天御鏡・百々です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 狂信者達は全滅した。
 残るは、教団のトップであり、聖女と崇められている黒衣の女だけだ。
「私は黒き風の聖女『ニグレド』である。汝等、何故、そこまで抵抗する?」
 ニグレドは猟兵達へ問いかけた。
「この世界は既に終焉を迎えている。後ろの拠点の営みも、所詮は黒き意志の前では全て徒労に終わるであろう。それが何故分からない?」
 心底不思議そうに、そして憐憫の眼差しを向けるニグレド。
「黒き風こそが神の意志である! 理解できぬというのならば、ここで汝等を一度滅ぼし、オブリビオンストームで蘇る日を待つがいい! さすれば、私の言葉の正しさが理解出来るだろう!」
 その身体に黒い風が纏わりつく。あれは……オブリビオンストームなのか?
 何にせよ、このまま野放しには出来ない。
 猟兵達は自警団を対比させると、武器を取り、教団の聖女へ立ち向かっていった。
高柳・源三郎(サポート)
旅芸人一座の座長、それが高柳源三郎じゃ!!(まだ零細なんじゃがな......)。
性格は酔いどれおやじじゃが旅芸人一座の座長なので本番(戦闘)では酔いが殆ど覚めて戦うことが出来るんじゃ。
武器である【不思議なたぬき人形「はな」】【暗殺用たぬき人形「たろう」】を使いまるで踊りや人形劇をするかのう様にユーベルコードを使い戦うのじゃ。時々【竜珠】に封じ込めてある骸魂・八岐大蛇に乗っ取られて暴れて回ってしまうんじゃ。
情報収集は芸をして道行く人の足を止めて人達の噂話を聞けば集められると考えてとるんじゃ。
口調は(わし、~殿、じゃ、のう、じゃろう、じゃろうか?)です。


星川・杏梨(サポート)
『この剣に、私の誓いを込めて』
 人間のスーパーヒーロー×剣豪、15歳の女です。
 普段の口調は「聖なる剣士(私、~さん、なの、よ、なのね、なのよね?)」、時々「落ち着いた感じ(私、~さん、ね、わ、~よ、~の?)」です。

 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、
多少の怪我は厭わず積極的に行動します。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
また、例え依頼の成功のためでも、
公序良俗に反する行動はしません。

性格はクールで凛とした雰囲気です。
常に冷静さを念頭に置く様に努めており、
取り乱さない様に気を付けています。
戦闘は、剣・銃・魔法と一通りこなせます。
 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!


大崎・玉恵(サポート)
『あまり、老狐に無理をさせるでないぞ』
 妖狐の戦巫女×陰陽師女です。
 普段の口調は「女性的(わし、おぬし、じゃ、のう、じゃろう、じゃろうか?)」、気にいったら「尊大(わらわ、おぬし、じゃ、のう、じゃろう、じゃろうか?)」です。

 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、公序良俗に反する行動はしません。
ユーベルコードを絡めた【誘惑】による認識操作や籠絡、【呪符】に【破魔】【焼却】等の【呪詛】を込め【呪殺弾】とする、薙刀による【薙ぎ払い】【2回攻撃】が得意です。
卑劣な手段をとる敵には【威厳】【存在感】を放ち神として振る舞います。


七星・桜華(サポート)
『天魔御剣流免許皆伝、だからこそ更なる高みへと。』
『一か八かの勝負?そんな事しなくても私達の勝ちだね!!』
『勝った後は派手に騒ぐんだ!誰一人として倒れないようにね!!』
とある隠れ里に伝わる戦闘術の免許皆伝。
残像を攻撃と防御の両方に使い腰に挿している5振りの刀を使い戦闘する。闘う姿は舞っているかの動きで空中戦もできる。第六感や野生の勘と言われる直感も鋭い、また見切りの速さも早い。
怒ると殺気が残像にまで残る程の濃密加減。戦闘において常に最善策を最短で気づき勝ってきた。
鎧等を無視した内部破壊系攻撃が当たり前のようにする。
敵の消耗と自身の回復に生命力を吸収する。


アルタ・ユーザック(サポート)
ダンピールの16歳女性です。
ユーベルコードを使える場面では、指定したユーベルコードを使用し、直接攻撃系か精神攻撃系で敵を攻撃します。
一人称は「わたし」(ひらがな)です。口調は「~だわ」や「~だな」の様なものではなく、「○○…。」の様に…で終わり語尾に何もつけない口数少な目のクールタイプの話し方です。
服装・体型・容姿・持ち物などは、ステータスシートの参照お願いします。

上記内容以外は全てNGなど無しでアドリブ・連携などもOKです。
よろしくお願いします。


モース・レフレクソン(サポート)
ボスは強力な攻撃が必要だ。アイアンフェザーを構えて、強力な牽制射撃をしつつ一気に近づく。そして近距離で装甲突破型アンチマテリアルライフルを撃つ…が、これも牽制射撃だ。
後ろか側面に回り込んでユーベルコード掌底発破(パームバーンを叩き込んでやる。
肉片にするつもりで行くぞ。


四王天・焔(サポート)
『こんにちは、焔だよー。』
 妖狐の人形遣い×ガジェッティアの女の子です。
 普段の口調は「無邪気(自分の名前、~さん、だね、だよ、だよね、なのかな? )」、家族には「甘えん坊(自分の名前、相手の名前+ちゃん、だね、だよ、だよね、なのかな? )」です。

 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、
多少の怪我は厭わず積極的に行動します。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
また、例え依頼の成功のためでも、
公序良俗に反する行動はしません。

無邪気で感情の起伏が激しい性格の少女、
武器はからくり人形とドラゴンランスを主に使います。
植物、特に花が好きです。
 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!



 アポカリプスヘルを蝕むカルト教団『黒き風の教団』の代表者、黒き風の聖女『ニグレド』が名乗りを上げた。
 すると、その目の前に多数の猟兵達が転送されてきた。
 どうやら、彼ら彼女らはサポート猟兵と呼ばれる存在で、時折こうして転戦を繰り返してはオブリビオン討伐の手助けをしているのだ。
「あれが敵の黒幕じゃろうか? 聖女というより踊り子じゃのう」
 高柳・源三郎(零細旅芸人一座の酔いどれ座長・f15710)が担いでいたたぬき人形の『たろう』と『はな』を地面におろした。
「人々を惑わす邪教団の聖女……ここで打ち倒すわ。この剣に、私の誓いを込めて」
 星川・杏梨(聖炎の剣士・f17737)はクールで凛とした雰囲気を纏わせて敵へ告げた。
「やれやれ、あまり、老狐に無理をさせるでないぞ」
 赤茶色の瞳と琥珀色の髪が目立つ巫女服姿の妖狐こと大崎・玉恵(白面金毛・艶美空狐・f18343)もまた、舞扇「白面」で口元を隠しながら黒き風の聖女を睨み付ける。
「天魔流免許皆伝、七星・桜華(深紅の天魔流免許皆伝・f00653)参上! 次は君が私の相手か?」
 腰には六振りの聖魔妖各種揃った刀剣を差し、片手に一枚の扇子を握って不敵に笑みを浮かべる七星。
「本命の猟兵が来るまで、持ち堪える……」
 ダンピールのアルタ・ユーザック(クール系隠密魔刀士・f26092)は、後方で自警団の避難を行っている猟兵達が戻ってくるまでの間、他の救援猟兵達と連携を取ろうと周囲に気を張り続けている。
「なるほど、アンタがこの事件を手引しているボスか。つまりアンタを倒せば一件落着だな」
 モース・レフレクソン(サイボーグの戦場傭兵・f06734)は電子的に青く輝く左のサイバーアイと肉眼の右眼で敵を見据えた。
「オブリビオンストームなんて崇拝したら、お花が全部ダメになっちゃうから駄目だよっ!」
 植物を愛する四王天・焔(妖の薔薇・f04438)は、『黒き風の教団』の崇拝対象であるオブリビオンストーム自体に嫌悪感を抱いているようだ。
 それを破壊と再生の神の意思だと布教する相手など言語道断なのだ。
 猟兵達の言葉に、黒き風の聖女は嘆きの声を上げた。
「私達の教えを理解できぬ愚者がこれほどまで転がっていたとは……。よろしい、ならばその身に直に黒き風の意思を教え込んでやろう!」
 ニグレドの内包する黒き風の魔力が膨れがる!
「神の意志に従うのだ!」
 ニグレドの黒風魔術が、大崎とアルタ、そして焔に襲いかかった!
「そうはさせぬぞ。最たる苦しみは内にある。己が炎に焼かれよ」
 霊符に呪詛を籠めて大崎が放てば、黒い風を掻い潜ってニグレドの皮膚に張り付いた。
 すると、霊符はすぐさま炸裂!
 傷口から黒焔が噴き上がり、呪いと精神攻撃となってニグレドを断続的に苦しめ始める。
「ぬぅ……! こ、これは……!」
 ニグレドはトラウマのフラッシュバックが連続で発生し、その気力を徐々に削れれてゆく。
 そこへアルタがユーベルコードを発生させて突撃してきた。
「氷桜丸解放……スカイ」
 ユーベルコード『氷桜解放・空戦装衣』は、アルタ自身に透明な凄く硬い氷でできた鎧姿を纏わせ、刀身にルーン文字が刻まれた氷の精霊属性を宿す魔法刀『氷桜丸』を強化すると、鎧から展開された氷の翼で最大時速390kmでの飛翔能力を獲得するのだ。
「切り捨てる……」
 渦巻く黒い風を高速飛翔で強行突破すると、魔法刀をすれ違いざまに振るってニグレドの肩を斬り付けた!
 そして追い打ちとばかりに焔がユーベルコード『混沌七彩符(カオティックレイ)』を発動!
「符よ、七色の力を顕現せよ。混沌の輝きにて敵を討て!」
 炎・冷・雷・光・闇・心・無の七属性の魔法光線が放たれると、黒い風は打ち消され、ニグレドは光線を浴びて大ダメージを被った。
「くっ……! 猟兵の実力とは、斯様なまでに侮れぬものか!」
 たたらを踏むニグレドだが、まだまだ余力を見せている。
 ならば、とニグレドは洗脳演説を開始した。
「黒き風こそが神の意志である! 今こそ、それに気付くべきなのだ!」
 この演説が高柳、星川、そして七星の精神へ影響を及ぼす。
「ずっと聞いていたら頭がおかしくなってしまいそうじゃな! これは敵わんのう、酒を呑まねばやってられん!」
 高柳は戦場で酒を呷り始めた。
「くぁあ~! 酒が旨くて、小難しい話なんぞ、どうでも良くなるんじゃ!」
 酒に救われた高柳とは別の方法で演説を回避する者がいた。
「敵の演説が聞こえないくらいに遠くへ離れれば問題ないわよね?」
 星川はユーベルコード『スーパー・ジャスティス』を発動!
 全身を黄金のオーラで纏うと、演説に負けないという強い意志で空高く飛翔してゆく。
 だが、七星だけが何の対策も出来ずに、演説が彼女の耳に入ってしまう。
「ぐぐぐ……ああ、うるさい!」
 突如、怒号を上げる七星!
 その怒気は闘気となって、残像を生み出すほどまでに濃密なオーラを形成する。
「そのふざけた戯言をやめろ!」
 六刀のうちの一振りを鞘から抜くと、猛然と敵に肉薄する七星。
「散れ! 星屑のように!」
 超至近距離からの斬撃が、ニグレドの腹を一思いに掻っ捌いた!
「破突刃・零式!」
「ぎゃあぁっ!」
 腹を割かれた激痛で悲鳴を上げるニグレド。
 そこへ殺到する高柳と星川の攻撃!
「何じゃ? 人形に生命が! 夢の様じゃ!!」
 高柳が所有するたぬき人形が、ユーベルコード『生命を持った人形(ライフ・イズ・ワンダフル)』の効果で種族【愉快な仲間】に覚醒!
 このあと、12時間はたぬき人形を使用できないが、覚醒した『たろう』と『はな』は、主人である高柳の保有するユーベルコードで戦うことが出来るのだ。
「たろう、はな! 高柳一座の臨時公演の始まりじゃ!」
 即座に演劇を模した連携“劇”を披露する1人と2匹のたぬき。
 その滑稽かつ殺意の高い演目に、ニグレドは一方的に押し込まれてしまう。
 更に、頭上からは星川が流星の聖剣を煌めかせながら、高速で斬り掛かってきた!
「頭上がガラ空きよ、喰らいなさい!」
 すれ違いざまに袈裟斬りにされ、聖女は思わず膝を付いた。
「おのれ……! よもやこんなはずでは!」
 猟兵達の猛攻を受け、ニグレドは思わず狼狽してしまう。 
 そこへアイアンフェザーを構えて、強力な牽制射撃をしつつ一気に距離を詰めてくるモースの姿が。
「信徒達よ、ここに集え!」
 聖女であるニグレドは、自身の教えに従う狂信者達を目の前に召喚して弾除けにして逃げようとする。
 しかし、モースは狂信者達の肉の壁など意に介さず、近距離で装甲突破型アンチマテリアルライフルを撃つ!
 雷めいた発砲音とともに、狂信者達が次々と破裂してミンチになってゆく!
「だが、これも所詮は牽制だ……」
 肉壁を乗り越え、悠然とライフルを地面に設置してスコープから標的を見据えるモース。。
「10秒経過……。見えた……外さんぞ……」
 モースはニグレドの身体に照準を合わせると、ユーベルコードの域まで到達した精密狙撃で敵を撃ち抜いてみせた。
「がフッ……!?」
 右肺を撃ち抜かれ、口から血反吐を噴いて吹っ飛ばされる聖女は、もはや威厳も尊厳も無かった。
 だが追撃をかわすべく、ニグレドは岩の影に飛び込むと、忽然と姿を消してしまう。
 サポート猟兵達は慌てて周囲の捜索を開始。
 自警団の護送を終えた猟兵が前線復帰するまでの間、聖女捜索は難航するのであった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

箒星・仄々
歪んだ善意がお労しいです
海へお還ししましょう

風の矢は破魔込めた激風
黒風へベクトル加え風向きを逸らしたり
その威力を相殺

水の矢は驟雨
降り注ぎ動きを阻害

炎の矢は流星
聖女さん纏う黒風を燃やし浄化

大嵐に対して
炎と風を相乗した焔の竜巻で打ち消し
魔力操作で拠点に被害が出ないようにします

聖女さん
果たして徒労に終わるのか
それは今を生きる方々の意思次第です
未来はこれから創り上げていくのですから

…既に過去の御身なれば
お考えが変わることはないのでしょう
可哀想に
貴女も黒き風の犠牲者です
海へお還り下さい

事後に鎮魂の調べ

…蘇りを確信されていましたね
きっといつの日か黒い嵐を滅しましょう

拠点を応援し未来を祝す曲を奏で凱旋


稷沈・リプス
アドリブ歓迎。

真の姿『呪われし大いなる黒蛇』のまま。
さっきの筋力強化黒蛇も再度呼び出し。

黙れ愚物。よくもそのような妄言、我の前で言えたものよ。
ああ、これが他のことならば、まだ我はアレ(人間形)のままだったものを。
『死と再生』!我が『蝕神』領域内に土足で足を踏み入れよってからに!
世界が違えども、オブリビオンのそのような妄言、許すまじ。

撥ね飛ばす。時には他の猟兵のために盾になるのもいいか。
簡単にはいかぬと思うが、締め付けたら動けぬゆえに的と成り下がろうな。

黙れ愚物。痴れ者めが!我は『蝕神■■■■』。
領域犯しの罪、とくと味わうがいい!(恐怖を与える、呪詛)


達磨寺・賢安
・君がこの狂信者達の首領か。申し訳ないけど、君の布教活動はここまでだ。止めさせてもらうよ。

・オブリビオンストームへの信仰か。確かに全てを諦めてしまえば楽かもしれないね。でも、僕らは、この拠点の人々は楽をするために生きてるんじゃない。徒労だとしても、生きて足掻いた証は残り、それが次の人々に繋がるんだ。君が絶望と諦めを謡うなら、僕は「慰め」と「優しさ」で倒れそうな人々を支えよう。君の声はもう僕にもここの人々にも届かないよ。

・敵の攻撃は「第六感」と「見切り」「オーラ防御」で防ぎ、真っすぐに聖女へ近づき、【一撃必殺】をもって仕留める。「浄化」の力も込め、なるべく苦しまないように、ね。


化野・花鵺
「せぇふくじゃなかった…異端な異端審問官っぽいけどせぇふくじゃなかった…今までイイ感じだったから、最後もイケるかと思ったのにぃ…」
期待が高まりすぎていた狐、崩おれた

「…ここまで堪能させてもらったんだからぁ、最後がちょっと期待はずれでも我慢だよねぇ。カヤ頑張るぅ」
「聖女だって言うなら聖女っぽい格好してこいやぁ!百歩譲って性女も赦すぅ!世界が求めてるのはせぇふくで滅亡じゃないって身体に叩き込んであげるぅ」
狐、中指立てて吠えた
「狐の呪詛」で、服が絡まって転んだり武器がすっぽ抜けたり額冠がずれ落ちて視界を遮ったりする不幸を連続プレゼント
聖女の魔術行使を徹底的に邪魔する

「来世はせぇふくで出直して来いぃ」


シホ・イオア
神の意志じゃなくて貴方の意志でしょ。
どちらにしろ強制・洗脳の時点でろくなもんじゃないけど。

「輝石解放、ルビー! 愛の炎よ、邪なるものを焼き尽くせ!」
連携重視で補助に使うか一撃必殺に賭けるかは戦況に応じて。
面での攻撃にも誘導での連続攻撃にも対応できるしね。

信者呼び出しとかもあるし自警団のフォローは忘れずに。



 自警団の避難が完了し、サポート猟兵達が足止めをしている最前線へ舞い戻った猟兵達。
 箒星・仄々(ケットシーのシンフォニア・f07689)は『ねこのうた』と名付けた蒸気機関式竪琴のカッツェンリートを身構える。
「歪んだ善意がお労しいです。骸の海へお還ししましょう」
 憐憫の眼差しを向ける箒星の横で、義務感に駆られるのは達磨寺・賢安(象の悪魔・f28515)だ。
「君がこの狂信者達の首領か。申し訳ないけど、君の布教活動はここまでだ。止めさせてもらうよ」
 青年の姿から三度、象の悪魔の姿へと変貌を遂げる。
「我は人々の守護者たるべく、お前を倒させてもらおう」
「そうだそうだー! せぇふくじゃないなら、とっととくたばっちゃえー!」
 一方、ダウナー気味に罵声を浴びせ続けているのは、化野・花鵺(制服フェチの妖狐・f25740)である。
 無類の制服狂いである化野は、黒き風の聖女の姿を見て、深い落胆と失意の中に陥っていた。
「せぇふくじゃなかった……異端な異端審問官っぽいけど、せぇふくじゃなかった……今までイイ感じだったから、最後もイケるかと思ったのにぃ……」
 あまりの悲しさに、膝から崩れ落ちる化野。期待が高まりすぎていた反動だ。
「……でも、ここまで堪能させてもらったんだからぁ、最後がちょっと期待はずれでも我慢だよねぇ。カヤ頑張るぅ」
 ぐすん、と涙を拭いながらもゆっくりと立ち上がった化野は、目の前のニグレドへ憎悪を包み隠さつぶつけて罵倒を更に浴びせかけてゆく!
「聖女だって言うなら聖女っぽい格好してこいやぁ! 百歩譲っていやらし系の性女でも赦すぅ! だがしかぁし! 世界が求めてるのはせぇふくでぇ! 滅亡じゃなぁい! それを身体に叩き込んであげるぅ!」
 他にも書き記すのが躊躇われるレベルの暴言・悪言をニグレドへぶつけながら中指を立てて『死ね』と申す化野はめちゃくちゃご立腹であった。
 だがニグレドにとってそれは理不尽極まりないクレームであり、サポート猟兵達の戦闘で大敗を喫したこともあって遂に激昂した。
「さっきからごちゃごちゃとやかましいぞ小娘が! この格好は『黒き風の教団』で聖女の私しか着用することが許されない格式高い儀礼服なのだぞ!」
「うるせええぇ~知らねぇえぇ~! 狐の恐ろしさをとくとその身で味わえぇ!」
 キレ散らかす化野が竹筒の中から管狐を放った!
 これにニグレドは黒い風の魔術を解き放って対抗!
 だが飛び出した管狐は素早い動きで風をすり抜け、そのままニグレドの肩をガブッと噛み付いた!
 ユーベルコード『狐の呪詛』のトリガーを発動させた化野は、腕を組んで以降は“静の構え”で戦況を見守る。
「噛み付かれたくらいの傷など、なんともないではないか! それに傷など、オブリビオンストームで死滅して再生する過程の前では無意味である……!」
「黙れ愚物。よくもそのような妄言、我の前で言えたものよ」
 稷沈・リプス(明を食らう者・f27495)は真の姿である呪われし大いなる黒蛇を保ったまま、ユーベルコード『ゴッドクリエイション』で創造した自分とそっくりな黒き大蛇を侍らせると、威厳をもって言い放った。
「ああ、これが他のことならば、まだ我はアレ(人間形)のままだったものを。よりもよって『死と再生』! 我が『蝕神』領域内に土足で足を踏み入れよってからに! 世界が違えども、オブリビオンのそのような妄言、許すまじ。此処で処断する!」
 2体の大いなる黒蛇がニグレドを取り囲んで逃げ場を封じる。
 そして死角に回り込んだ稷沈は、目の前に待機させている黒蛇をけしかけた後、時間差で黒き風の聖女の身体を撥ね飛ばした!
 全身が強靭な筋肉の塊である蛇の体当たりは、まるで巨木で殴られたかのようなとてつもない衝撃をニグレドへ与えた。
「ぎゃあぁっ!」
 吹っ飛ばされて地面に転がるニグレド。その彼女に悲劇が。
「ハッ!? 帯が、身体に絡まって、動けない、だとっ!」
「せぇふくじゃない天罰だぁ! 来世はせぇふくで出直して来いぃ!」
 嘲笑う化野のユーベルコードの自動追撃によって、ニグレドの運は地の底まで暴落。一歩動くたびに今の彼女へ不幸がすり寄ってくるのだ!
「何故だ? 黒き風こそが神の意志であるというのに!」
「神の意志じゃなくて貴方の意志でしょ。どちらにしろ強制・洗脳の時点でろくなもんじゃないけど」
 遅れて戦場に駆け付けたシホ・イオア(フェアリーの聖者・f04634)が、妖精の翅で空を飛翔しつつ非難を浴びせた。
「オブリビオンストームへの信仰か。確かに全てを諦めてしまえば楽かもしれないね」
 達磨寺は全身にオーラの障壁を張って彼女の言霊を防ぎながらも、黒き風の教団の教義を真っ向から否定してゆく。
「でも、僕らは、この拠点の人々は楽をするために生きてるんじゃない。徒労だとしても、生きて足掻いた証は残り、それが次の人々に繋がるんだ。君が絶望と諦めを謡うなら、僕は『慰め』と『優しさ』で倒れそうな人々を支えよう。君の声はもう僕にもここの人々にも届かないよ」
 達磨寺の言葉通り、猟兵達の活躍によって既に黒き風の教団の言葉は無意味に帰した。
 それがユーベルコードであっても、もはや誰も耳を貸そうとしないだろう。
「なんと憐れなのでしょう。聖女さん、もういい加減に終わりにしませんか?」
 箒星の言葉に、手足を封じられたニグレドは決死の覚悟で最期の反抗に打って出た。
「黙れ、黙れ黙れ黙れ! この身体こそが、黒き風の寵愛で満たされている事を思い知るがいい!」
 ニグレドの全身が徐々に黒き風と一体化してゆく。これは……彼女自身が魔術でオブリビオンストームと変化しているのだ!
「ははははははは! 全て私が破壊して再生をさせてあげよう!」
「させませんよ。さあ、ちょっと派手にいきますよ~」
 箒星は炎が・水・風の魔法の矢を竪琴の音色から具現化させながら次々と射出してゆく。
 彼の歌声も魔力生成の一助となって、戦場に朗々と響いていった。
「風の矢は破魔込めた激風♪ 黒き風を押し退けましょう♪」
 ニグレド自身と化したオブリビオンストームを破魔の風の矢が進行方向を逸して足止め。
「水の矢は驟雨♪ 清き水で風を遮りましょう♪」
 今度は大量の水の矢が黒き風の流れを水流で遮断してみせる。
「炎の矢は流星♪ 聖女さん纏う黒風燃やし、その魂を浄化してみせましょう♪」
 竪琴を情熱的に高速アルペジオで演奏し続ければ、箒星の歌唱魔法はフルチャージ完了!
「大技を放つために魔力を溜めます! どなたか、聖女さんを押し留めてくれませんか?」
「ならば我に任せよ!」
 稷沈と黒蛇が果敢に黒き嵐に飛び込んでゆくと、僅かばかりに残ったニグレドの肉体をゴリゴリと締め上げてゆく!
「ああァァッ!」
 ニワトリが首を絞められたような悲鳴を上げる姿は、もはや聖女らしさのかけらも残っていない。
 藻掻き苦しめば苦しむほど、足がよろけて転倒して後頭部を強打したり、オブリビオンストームの制御ができなくなって自分の体が吹き飛ばされたりと、化野の影響で不幸に見舞われ続けるニグレド。
「聖女さん、果たして徒労に終わるのか、それは今を生きる方々の意思次第です。未来はこれから創り上げていくのですから、既に過去の御身の貴女がたが口を挟むべきことではないでしょう。だとしても……」
 箒星はその大きなエメラルドグリーン色の猫の目を細めてニグレドを見詰めた。
「お考えが変わることはないのでしょう。可哀想に。貴女も黒き風の犠牲者です。さあ、骸の海へお還り下さい」
「私をそんな目で見るなァ!」
 ニグレドは黒き風をかまいたちの空気刃に変えて箒星へ射出!
 しかし、箒星は残る魔法矢を全てカッツェンナーゲル(ねこのつめ)と名付けた鋭い尖端の両刃細身の魔法剣に宿らせると、空中で三度空を切ってみせた。
「415発分の魔法矢を斬撃に乗せて打ち出しましょう」
 黒きかまいたちは、飛ぶ斬撃に変換された魔法矢と衝突して相殺!
 残る衝撃波だけがニグレドに伝わり、その細身の肋骨を容易くへし折った。
 そこへ迫る、達磨寺……象の悪魔が拳を振り上げる。
「せめて、一撃で終わらせてやろう」
「黙って祈れ愚物。この痴れ者めが!」
 稷沈もニグレドの首に巻き付き、頚椎をゆっくり粉砕してゆく。
「我は『蝕神■■■■』。領域犯しの罪、とくと味わうがいい!」
「……さらばだ、黒き風の聖女」
 達磨寺の拳が、ニグレドの心臓を破壊した。
 まさに『一撃必殺』のユーベルコードにふさわしい破壊力。
 同時に、首を絞める黒蛇の蝕神も、ゴキッと小気味いい音を立てて彼女の首の骨を完全に砕き割った。
 そして駄目押しとばかりに、シホのユーベルコードが煌めく。
「輝石解放、ルビー! 愛の炎よ、邪なるものを焼き尽くせ!」
 宝石剣エリクシアが深紅に輝く宝石を生み出せば、そこから愛を司る炎弾が81個生み出されてゆく。
「さあ、愛の炎よ、優雅に舞い踊れ! ハート・ロンド!」
 愛の炎は円舞を興ずるが如くニグレドの廻りを徐々に取り囲んでゆき、着弾する時に炎が全て融合して最大火力となる!
「あ、あぁぁあ……!」
 魔力矢で撃ち抜かれ、心臓を潰され、首を折られ、不幸に見舞われ続け、最後は全身を焼かれた黒き風の聖女ことニグレドは、その身体を浄化されて消滅していった。
 これでカルト集団『黒き風の教団』の襲撃は、完全に阻止することが出来た。

 事後、箒星は斃れた黒き風の教団の面々へ向けて鎮魂歌を奏でていた。
「どうして鎮魂歌を?」
 シホの疑問に箒星は答えた。
「……あの方は蘇りを確信されていましたね。きっといつの日か再び合うことになるかもしれません。そのときこそ、黒い嵐を滅しましょう」
「そうだね。あんな危険な思想を持つ集団は見過ごせないよ」
 しばらく演奏を傍らで聞き続けるシホ。
 他の猟兵の呼び掛けに2人は気が付くと、共に意気揚々と拠点へ帰還する。
 待ち受ける拠点の人々からの歓迎に、黒猫の楽士は凱旋の戦歌を高らかに爪弾くのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2020年08月13日
宿敵 『黒き風の聖女『ニグレド』』 を撃破!


挿絵イラスト