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香り立つお茶会への招待状

#アルダワ魔法学園 #戦後

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「大魔王が倒されて以来……お茶がおいしいですわね」
 いかにも清楚という感じのロングスカートの少女が丸いテーブルに座りカップのお茶を飲んでいた。
「危機のない平和というのはやはり良いものですが……刺激がなくなる面ではいささか寂しいものもあるかと」
 ゆっくりとカップをテーブルに置くと、窓から外を眺める。
「……聞けば真の英雄である転校生の皆さまに教えを請いたいという方もいらっしゃるとか――まあ、私もそうですが。今までは親衛隊の皆様に守られてばかりでしたからね……申し訳なく感じてしまいます」

 ――ふと、時計を眺めると、少し驚いた顔で。
「あら……もうそろそろ部活の時間ですね。今日は薬草調合の日でしたね――」
 数歩歩いたところで、彼女はふふ、と何か思いついたように微笑む。
「そうです」
 そして手を一つ叩いて、一つつぶやく。

 ――お茶会にしましょう。


「平和だねえ……」
 水島・可奈(少女自由に夢幻を掴め・f01117)が状況を伝えながらもほんわかした顔でいる。
「これだけ平和に染まっていれば、あの時頑張った甲斐もあったと言うものだ」
 ――あの時。アルダワ魔王戦争。猛スピードで走り抜けたあの戦争を終え、今アルダワ魔法学園世界では、猟兵に教えられたいとあらゆる場所から人が集っている。
「というわけで、そんな人たちも集めた『お茶会』が開かれるみたいなんだ。――で、ここからが本題」
 お茶会とはいえ、人数が多くなれば当然素材が足りなくなる。その素材はどこで取るか? そう、ダンジョンだ。そこで猟兵の手が必要となる。ダンジョンから災魔の脅威がまだ完全に取れたわけではない。
「ものすごく内部の香りのいい迷宮らしい。ただ、仕掛けが危険だっていうんで封鎖されている迷宮なんだよね……それが、今回猟兵に教えを乞うためという名目で開かれちゃったらしい」
 それをしたのは、とある部活の部長で『お茶会』の主催者というが――。
「……これがまた面倒でね。今まで戦おうとしても親衛隊みたいなのに抑えられて直接戦ったことがほとんどないっていうんだ。そんな中、今回私たちに教えを乞いたい――しかも現地で、という」
 まあ、百回の座学より一回の実践、とはよく言うが。
「彼女だけじゃなく、何人か現地生徒も来るはずだから、経験を積ませよう、という話。もしかしたら、『戦い』や『生死の隣り合わせ』に直接触れることで何か起きるかもしれないしね――いい方か悪い方かはわからないけど」
 何分、ピュアホワイトなビギナーだ。何が起こるかわかったもんじゃない、が――。
「――それでも、『お茶会』でもてなしたい事実は変わらないみたいだからね。この迷宮にしたのもそれでじゃないかな。何せこの迷宮、蜜ぷにが大量生息しているし」
 蜜ぷに。アルダワ魔法学園世界ではすっかり美味としておなじみなその存在――それが『お茶会』にどんないい影響を与えるかは想像に難くないだろう。
「それじゃあ送るけど――まだ実はお茶会は途中みたいだから、せっかくだから楽しんでいったら?」
 にこやかに微笑みながらグリモアを展開する可奈だった。


結衣謙太郎
 香り立つ迷宮で純白は如何に染まる。
 またお会いしましたね、多分お久しぶりな結衣です。
 アルダワ魔法学園世界戦後シナリオです。蜜ぷににも会えるよ!

●メイン目標
 ダンジョンへ行くみんなに経験を積ませる。

●章構成
 1章:『日常』
 ロケーションは学園某所。
 何やらお茶会が部活の派生で開かれてるようです。
 部活内容は調合なので作るもよし、飲み専もよしです。
 もっといえば実在の薬草でもいいし、なんか架空のでっちあげでもいいです。
 プレイングに書いてくれれば結衣が何とかします。

 2章『冒険』
 ロケーションは香り立つ迷宮。
 良い香りの迷宮です。が、吸いすぎると危険も……?
 詳細はこれ以上は今はまだ秘密です。幕間で追記します。
 が、場合によっては少しアレになる可能性も……?

 3章:『集団戦』
 ロケーションは香り立つ迷宮。
 蜜ぷにがめっちゃいます。これが相手です。
 それ以上は今はまだ秘密です。幕間で追記します。

 以上です。
 それでは、皆さんのプレイングをお待ちしています!
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第1章 日常 『薬草茶会を開こう』

POW   :    取りあえず、実を擦ろう、葉を煮出そう、漉してみよう! 飲む専門も!

SPD   :    色の変化や匂いの変化に合わせて素早く作業! 味見ぐらい良いよね?

WIZ   :    配合バランスに気を付けよう。甘味や酸味、風味を加えて飲みやすく。

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🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

伊美砂・アクアノート
【WIZ 水毒香・迷光死水】
……大丈夫か? 危機意識が無さすぎると、ちょっと不安…というか、有り体に言って困るのだけれど。せめて、自分の命は大事にしてくれよ…?
【暗殺、毒使い、罠使い、毒耐性】 ……先に解毒効果のある茶を作っておこう。他の猟兵が何を作るか判らんし。 あと調合途中に、ヒトの話も聞かず、興味本意で口に入れたりする悪い子は、薬草とか毒草を使っちゃダメなのです。めっ。
……兎に角、安全第一で進めます。あと、薬との相性、女性が飲むときに注意がいるハーブ(特に妊娠中)について話しておきたいかな…。…いや、まあ。悪用したら毒にもできるんだけどね。そっちは解毒剤を作れるようになってから、かな。



●Sec.1:お茶会中の調合現場
「……大丈夫か? 危機意識が無さすぎると、ちょっと不安……というか、有り体に言って困るのだけれど。せめて、自分の命は大事にしてくれよ……?」
『大丈夫です、多分……安全な物ばかりですし』
『いや先輩、そう言ってさっきセイサ草とカリン草の配分逆にしたじゃないですか、飲んだ人危うく昇天するところでしたよ?』
『いや、部長には飲ませてないからセーフ……たぶん』
「……先に解毒効果のある茶を作っておこう」
 完全に頭を抱えた伊美砂・アクアノート(さいはての水香・f00329)。お嬢様である彼女が頭を抱えるほどの問題光景が調合現場で繰り広げられていた。
 他の猟兵が何を作るか判らない危険から解毒剤を作ろうとしていたのだが、どうやら問題は猟兵だけじゃなかったようだ。

 別の一角。
『これ使えますかね?』
『自分で考えなさいよ、ダンジョンではあんたが判断しないといけない場面もあるのよ?』
『はーい……』
 先輩と新入生らしき人によるごもっともな風景を解毒茶を運びながら見ていたアクアノートだが、次の瞬間。
『もぐもぐ……』
「『ちょっと何してるの!?』」
 綺麗にハモった。見れば新入生らしき部員が薬草を口に入れているじゃないか!
『何って、自分で判断しろって』
『違うそういう意味じゃない! あなたが死んだらどうするのよ!』
「というかもうこの子に薬草とか毒草持たせて調合しちゃだめでしょ……」
 と呆れつつ、アクアノートが取り出したのは自分のコードによる香水。
「例えばこんなのが迷宮に落ちてたとして、軽率に摂取してひっかかるかもだし」
『ああ、これは明らかに――ああ……』
 先輩は察して引っかからないが、新入生の方は――
『ああ、部長! 今日もお美しい……! 抱いてください、よしよしってして下さい! それで』

 新入生は即廊下に立たされた。
 人の話も聞かないでその辺の草や香水を毒見するのはやめようね! ちゃんと知識で判断しようね! 結衣との約束だぞ!

「まったく、安全第一で進んでるかと思ったら……まあ、でも、ダンジョンや実験のこと考えたら少しは仕方ないのかしら……」
 なら自分だけは絶対安全、信頼できる感じで行こう――と決意した中、目に見えたのは――
(――!? 妊婦!? なんで!?)
 少しお腹膨らんでる女子大生くらいの背の子だった! この人も生徒なんだよ! アルダワ魔法学園世界では日常茶飯事でございます。
 ともあれ、それを見たアクアノートは黙っていられない、なぜなら。
「ごめん、少し乱入させて! 女性が飲む時――というか特に妊娠中――のハーブは要注意なのよ」
 自らも香水や毒を使うものとして思うことでもあるのか、てきぱきと教えるアクアノート。
「……これでよし、と。わかった? 悪用したら毒にもできるんだけどね。そっちは解毒剤を作れるようになってから、かな」
『は、はい、わかりました! ありがとうございます!
 転校生さんに教えてもらっちゃった……!』
 きゃーきゃー言っているのを尻目に本当にわかったのか心配になるアクアノートだった。
 調合現場は混沌です。

成功 🔵​🔵​🔴​

アルタ・ユーザック
「あんまりお茶とか薬品には詳しくないけど……」

【さすがに完全な飲み専は気が引けたので、ユーベルコード『その瞳はここではない何かを視て』を発動。調合前に薬草を調合したらどうなるかを未来予知し、薬草を混ぜて試飲してもらった時の反応を視ることで、危険な薬草や味としてまずい組み合わせを避けていく。その中でたまたま絶賛された組み合わせが視えたので、その組み合わせで調合していく。後は試飲】

「ん……。結構爽やかな感じ……おいしい……」



●こちらはお茶会の会場
『転校生さんも一杯如何ですか?』
「え、ええ……でも、飲み専も気が引けるので……わたしの分はわたしが」
『ふふ、でしたらそちらに調合場がありますので』
「ええ、ではぜひ……」

 調合現場がカオスになっているとも知らず優雅にお茶をたしなむ部長。
 そして自分も作ると言ってしまったアルタ・ユーザック(クール系隠密魔刀士・f26092)。その前には数多の薬草。
「あんまりお茶とか薬品には詳しくないけど……大丈夫でしょ」
 ――なぜなら。
(これから知識を仕入れればいいのだから――!)
 瞬間、アルタの瞳が細くなり、集中線と共にその目が未来を映し出す――!

『転校生さん、どうしました、いきなり目を細めて……』
 部員が話しかけるが、それに反応する様子はない。それもそのはず、今の彼女の視界には【未来】が見えている。【現在(いま)】に生きる部員の反応に気がつくことがあるだろうか、否、ない。その瞳はここではない何かを視ている。

(――これは、だめですね)
 未来を見る。現在の彼女が薬草を選別していく。部員たちが不思議がるが、問題はない。なぜなら、
『え、あれ何……?』
『無作為にもって来たかと思ったら、仕分けを――いや、これって』
『ええ、【知識があるかのように、危険な組み合わせや不味いのを避けている】!』
 そう、今知識がないのなら、未来に聞けばいい。
 未来予知して、反応を見ればいい。

 ――と、はっと目を見開くアルタ。何が見えたか、少し未来の様子を語ろう。
『いいじゃないですかこれ!』
『部長にも飲ませましょう!』
『いえ、さすがにそれは……』
 ――どうやら、ある組み合わせが大絶賛だったようだ。

 もちろん、これを見逃すアルタではない。その組み合わせを記憶に植え付け、コードを解除して、どれが当てはまるか集中して見ると、
「これと、これとかどうかな?」
 あからさまに初心者的なふりをしながら調合する。勿論結果はわかっている。
 約束された勝利の調合が、アルタにビギナーズラックのふりをして現れる!
 出来上がったものをカップに入れると試しに一口試飲。
「ん……。結構爽やかな感じ……おいしい……みんなもどう?」
『え、で、では……』
 差し出されたものを飲む部員。そして未来は現実になる。
『いいじゃないですかこれ!』
『部長にも飲ませましょう!』
『いえ、さすがにそれは……』
 集まってくる部員。信じられる? これ、もう最初からわかってたんだよ?
「じゃあ、せっかくだし」
 そういえば部長を待たせていたのを思い出したアルタは自分のものを持ちわいわいする部員尻目に部長のもとへ。

『結構なお手前で』
「そちらこそ」
 部長の前でお互いにお互いのを一杯。
 自然と二人から笑みがこぼれた。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 冒険 『香り立つ匂いフェチ媚薬迷宮』

POW   :    良い匂いの誘惑になんて負けない!気合いで走り抜ける

SPD   :    良い匂いを吸いたいのは山々だが、急いで走り抜ける

WIZ   :    良い匂いをクンカクンカしたい!でも吸わないように対策をする

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🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
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●現地調達
『あら、予想外に盛況ですね。素材が足りないです』
 部長と呼ばれた少女が立つとどこかに向かう。それを見た部員が驚愕。
『部長、どこに行くおつもりで!?』
『今日のために一つ、香りのいいダンジョンを開けておくよう頼んだので、そちらに』
『部長、親衛隊もつけずにお一人で!?』
『私だってアルダワ魔法学園の生徒です、一人でやれるところを見せましょう――それに、『お茶会』のお客さんを待たせるわけにはいきません。――蜜ぷにに薬草くらい余裕で集めてみせます』

 止める間もなくツカツカと歩いていってしまった部長を見て部員の一人らしき人が泣きついてきた。
『あの迷宮、確かこの前良い匂いが実は媚薬成分で吸うと危険だってわかって封鎖されたはずなんです! もし、もし部長に何かあったら……お願いします!』
 なるほど媚薬の匂い。しかも無駄に良い匂いと来た。

 ――あれ? それ、災魔とは違う意味で危険な迷宮じゃない?
 慌てて迷宮の方に走りだす部員たちを見ながら猟兵たちはそれを感じてもいいし、感じなくてもいい。
伊美砂・アクアノート
【SPD オルタナティブ・ダブル】
あ゛あ゛あ゛あ゛(頭を抱える) いや、まあ。ひょっとしたら無事に戻ってくる可能性が存在しなくもないと期待くらいは…したいのだが…。あ、覚悟を決めますね、はい。 えーと、さっき作った解毒用のお茶とか、体拭けそうなタオル類とか用意して待ってて…。(死にそうな顔で分身して【毒耐性、暗視、偵察、聞き耳、視力、第六感】で探しに)
ーーー何かあったらお願いしますと言われてもなァ…。俺の約半分は男性人格なんで、宜しくされたらダメなんだよな。いや、部長さんが淑女として魅力的なのは否定しないがな? ただ、みんなを心配させる悪い子猫ちゃんには、お仕置きをしなくちゃいけないかな…?




「あ゛あ゛あ゛あ゛!!!」
 頭を抱えるアクアノート。最悪だ……
(いや、まあ。ひょっとしたら無事に戻ってくる可能性が存在しなくもないと期待くらいは……したい……のだが……覚悟を決めるしかないか……)

 大きなため息をしながら現地に向かうアクアノート。解毒用のお茶や体拭けそうなタオル類とかを用意しながら分身して探す、が――
(……これ迷宮というより道だな、ほぼほぼ分岐がない)
 何度も分身が合流するのを見てそう判断した。
(なるほど、手近と判断するわけだ――迷うわけがないし――おや)
 ふとアクアノート本体が目を凝らしてみれば、
『消えなさい! くっ……』
 アクアノートの目に制服を赤く染めところどころを破かれながら植物の棘に応戦する部長が! てか棘かよ! 触手じゃないのかよ! というツッコミが聞こえそうだが、庭を散策して薔薇とかの棘に刺さることはままあること……ビギナーならなおさらだ。
『邪魔ですわね……あら?』
『部長!』
『ああ、部長の白いお体に傷が!』
 駆けつけた部員たちが合流するが1名ほどアクアノートに詰め寄る!
『転校生さん、お願いしますって――』
 それに対しばつが悪そうな顔をするアクアノート。
「いや――何かあったらお願いしますと言われてもなァ……俺の約半分は男性人格なんで、宜しくされたらダメなんだよな」
『聞いてませんそんなこと』
「今はじめて言ったからな」
 あきれたように分身を消しながら部長のもとに歩むアクアノート。近づけばよくわかる、部長、興奮している。色んな意味で。その証拠に息が荒くて熱い。十中八九媚薬成分のせいだ。
『あなたは、確か……そうです、転校生さまも魅力のあるお方、ここはご一緒に、ぜひ』
 赤らめた顔で手を差し出しても説得力ないぞ部長!
「いや、部長さんが淑女として魅力的なのは否定しないがな? ただ、みんなを心配させる悪い子猫ちゃんには、お仕置きをしなくちゃいけないかな……?」
 ほらー、アクアノートが部長の肩をガッとつかんで、顔を近づけ――え、何する気?
「せいっ!」
 ゴッ、という鈍い音が迷宮に響いた。

『――はっ、私はいったい何を……体が熱い……』
「落ち着いた?」
 解毒のお茶を部長の口に流し込んでいるアクアノート。その姿に一部生徒が嫉妬してるがそれは別の話。
『え、ええ、お騒がせしました。でも、まだ目的の部屋までは遠いので、改めて――お力、貸していただけませんか?』
『私たちからもお願いします、転校生さんの実力から学びたいですし、何よりこれ以上部長を傷ものにしたくない!』
「はぁ……」
 正直もうこりごりな気分なアクアノートだが、乗り掛かった船ではある。
「しょうがないな、でも」
 みんなに投げ渡されたのはアクアノートが持ち込んだタオル。
「それでなるべく空気吸わないようにしてよ? またこんなことあると困るから」

 ――猟兵を加え、迷宮探索は再開される。

成功 🔵​🔵​🔴​

月守・咲凛(サポート)
私は武装ユニットで空が飛べるのです。
歩いたり走ったりするのはあまり好きではないので、基本的にいつもフヨフヨ飛んだりビューンと飛んだりしています。
好奇心は旺盛なのですけど、飽きやすいので単調な探索になると集中力が足りなくなって横道に逸れてしまうのです。
戦えない人を助けるのが私の役目なので、自分が怪我をしても戦えない人は助けるのです。
(戦えない人を守る事に強く拘ります)
いつも駄菓子系のお菓子を持ち歩いていて、人にあげる事も多いですけど、食が細いので自分でたくさん食べる事はないのです。




 ……ん? あそこで空を飛んでいるのは、月守・咲凛(空戦型カラーひよこ・f06652)か?
「ふーんふーんふーん、いい香りなのですー」
『それあまり吸わないで! 危険よ!』
 目の前の部長という例を見た部員の一人が声を張り上げるのを聞いて咲凛が止まったかと思えば部長たちの方に飛んでくる。
「えー、でもいい香りなのですー、なんかぽわぽわした気分なのですー」
『と、とりあえずこれで吸わないようにして下さい! これ吸うとそこの部長みたいになるので!』
 ハンカチを差し出された咲凛が見た先にはなんかすごい状態になってる部長が。
「……しょうがないのです」
 ハンカチを受け取る咲凛にふぅ、と息をつく部員たちだった。ところでなんでこの迷宮に?
「支援部隊なのです! 戦えない人を助けるのが私の役目なので、自分が怪我をしてでも戦えない人は助けたいのです」
 戦えない人、ということでこの部長たち、ということなのだろうか。
『一応、それなりには戦えます』
『私も』
『私も』
「でも私達ほどではないのですー、なんかあったらと思うと怖いのです!」
『私は大体親衛隊の方がどうにかしてしまうので』
「こういうのが危ないのです!」
 つい声を大きくしてしまう咲凛。
「ここが危険なら、もうばーっと抜けちゃうのです!」
 あっ咲凛! 戦闘機みたいにばびゅーんと空を飛ばれてもみんな置いてかれるって!
「みんなダッシュなのです!」
 走らせるんかい! いやまあ、抜けるためには妥当だろうけど! 何気に咲凛もスピード落として前方に敵いないか注意してるけど!

『ぜぇ、ぜぇ……みなさん、よく走れますね……』
『部長が鍛えてないだけですよ』
「これくらい誰でもやれるのです!」
 戦闘機っぽいパーツに囲まれた咲凛に言われたら終わりだぞ、部長。
「どういう意味なのです!?」

 と、ずーっと単調な道を走ってきたところで咲凛がふと止まる。
『ど、どうかなさいましたか?』
 肩で息をしている部長が咲凛に恐る恐る聞くと、
「飽きたのです、ほとんど分岐ないし単調で」
 と、咲凛が何やら常備しているお菓子を取り出した。
「みんな疲れたと思うのです、ここでおやつにするのです!」
『いいけど空気吸っちゃいませんか?』
「それ言ったらおしまいなのです! でも大丈夫、私に名案ありなのです」

『考えましたね、転校生さん』
 咲凛がやった方法は、自分が空でブースターを起動させっぱなしにしながらグルグル回ることで風を起こし、部長たちに媚薬成分が来ないように吹き飛ばすものだった。
「お姉ちゃんに任せるのです」
『いやー、その体でお姉ちゃんは』
「えー!?」
『まあまあ、そろそろ先へ進みますか』
 部長の鶴の一声でみんな立ちあがり再び先を目指す。
『お茶会の皆さまを待たせるわけにもいきませんし』
 焦っているともいう。が、目的の場所まではあと少し、そこならこの媚薬成分も来ないはずだ、ここさえ抜ければ……

成功 🔵​🔵​🔴​

スピレイル・ナトゥア(サポート)
精霊を信仰する部族の巫女姫です
好奇心旺盛な性格で、世界をオブリビオンのいない平和な状態に戻して、楽しく旅をするために戦っています
自分の生命を危険に晒してでも、被害者の方々の生命を救おうとします
技能は【第六感】と【援護射撃】と【オーラ防御】を主に使用します
精霊印の突撃銃を武器に、弾幕を張ったり、味方を援護したりする専用スタイルです(前衛はみなさんに任せました!)
情報収集や交渉のときには、自前の猫耳をふりふり揺らして【誘惑】を
接近戦の場合は精霊の護身用ナイフで【捨て身の一撃】を繰り出します
マスター様ごとの描写の違いを楽しみにしている改造巫女服娘なので、ぜひサポート参加させてくださると嬉しいです!


諏訪野・みすず(サポート)
「先制攻撃、だね」数の暴力で引っ掻き回すことをします。「みすずちゃんは負けないのだ」アドリブ、共闘歓迎です。



●最後は駆け抜けて
 進んでいると、何やら上から覗く影が。
「お、あれかな」
 支援部隊として来た諏訪野・みすず(不思議系ダンサー・f00636)だ。スカイステッパーで軽やかに空中を舞っていたところを発見したのだ。
「よっと、お姉さんたち、先への道をお探し?」
『ええ、もう急ぎたいのですけど……』
「そっか、じゃあみすずちゃんが道を探してあげるよ!」
 そう言って再び跳びあがるみすず。あまり曲がり角とかのない迷宮とはいえ、道を上から探すのは重要だ。だが――
『あの方、匂い大丈夫でしょうか……』

「う、なんかクラクラしてきた……」
 駄目だったよみすずちゃん!
「あ、あれかな出口……でも、少し気分が……」
 ルートを覚えるのが精いっぱいなみすずは、そのまま墜落するように落ちてしまった……

「……大丈夫です」
 しかしそんなみすずをキャッチしたのがスピレイル・ナトゥア(蒼色の螺旋の巫女姫・f06014)の用意した、土の精霊を宿したゴーレムだ。
「道がわかったなら、あとは走るだけですから、よくやりましたよ」
 スピレイルは土のゴーレムを何体か走らせ、遅れて自分も走り出した。

「――このへんが中間地点ですかね」
 ちょうど部長たちがいるところとみすずがいるところの中間あたりでスピレイルが取り出したのは――突撃銃!?
「えい!」
 あーあー、空に突撃銃ぶっ放し始めたよ! でもこれにはいくつか意味がある。まず、自分たちの居場所、行く先の方向を知らせるための号砲。そしてもう一つは――
「けほこほ、でもこれでこの匂いもどうにか」
 そう、この匂いを硝煙の匂いでかき消すことだった。みすずの倒れた場所でもすでにスピレイルは銃をぶっぱなしており、その硝煙の匂いでかき消したからこそ彼女は無事でいられた、いわばセーフゾーンを形成していたのだ。
『何事ですか!?』
 部長たちが土のゴーレムに乗ってやってきた。
「行き先が見つかりました」
『ご親切にありがとうございます、ですが私はもうすでに知っていたので……』
 何人かの親衛隊がジト目をしたのを見ると曖昧な記憶だったのかもしれないが。
『とにかく、先へ進みましょう。……あとでこの匂いについては嘆願書を出さないとですわね』
 部長の仕事が増えたところで、土のゴーレムたちと共に先へ急ぐのだった。

『大丈夫ですか?』
 みすずのもとまで来た部長たち。
「大丈夫大丈夫、それより」
『ええ、これが求めていた場所です』
 みすずの後ろにある扉を開き、部長たちは中へ入っていった。この先が目的の場所である。

 あ、扉はしっかりと閉められた。匂いが入ってこないように。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​




第3章 集団戦 『蜜ぷに』

POW   :    イザ、ボクラノラクエンヘ!
戦闘用の、自身と同じ強さの【勇者ぷに 】と【戦士ぷに】を召喚する。ただし自身は戦えず、自身が傷を受けると解除。
SPD   :    ボクダッテヤレルプニ
【賢者ぷに 】を召喚し、自身を操らせる事で戦闘力が向上する。
WIZ   :    ミンナキテクレタプニ
レベル×1体の、【額 】に1と刻印された戦闘用【友情パワーぷに】を召喚する。合体させると数字が合計され強くなる。
👑11
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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●もう媚薬はないからね
『到着しました』
 がっちりとドアを閉めて媚薬の匂いが入ってこないようにした部長たちが蜜ぷにを前にする。
『部長、お任せください、ここは』
『いえ』
 親衛隊たちを押し切って前に出たのは部長だ。
『せっかくですし、私も戦いたいのです――アルダワ魔法学園の一生徒として』
 部長がナイフを構え、蜜ぷにたちに向かっていく――!
『部長!?』
『駄目です、そんな!』

 ――ほどなくして。
『くっ……蜜ぷに程度なら、と思いましたが――』
 苦戦していた。それは単純なノウハウの違い。親衛隊がレベル60なら部長はレベル1だった、その程度の違い。
『ですが――皆様をお待たせするわけにはいきません』
 親衛隊たちは思った。部長は完全にやる気だなと。誰かいい感じにサポートや代わりに倒してくれる転校生が来ればいいな――と。

 あ、何度も言うけどもう媚薬の匂いはないからね! ここにあるのは蜜ぷにのいい香りだからね! アレになる可能性はもう皆無だからね!
伊美砂・アクアノート
【WIZ 羅漢銭・空間掌】
あっはい、マジメに指導します……が、部長のお嬢はぶっちゃけ戦いに向いてなくないか? 郷里に帰ってイイカンジな男見つけて幸せに暮らしてたほうがよくない? あと親衛隊ちょっと過保護すぎん?
とりあえずコイン投げで蜜ぷにちゃんの数を減らし、部長さんが1対1で戦えるようにセッティングしましょ。あのままだと蜜ぷにに囲まれて袋叩きなのだわさ。あとは…親衛隊にマジカルな魔法とか使えるヒトいません? こう、回復とか防御力アップみてーなの。この際、みんなでバックアップしようぜ。じゃないと延々と蜜ぷにに殴られて終わらんぞな。…コイン投げたりタロットカード投げたり、暗器を使ってフォローします



●アクアノートはかく語り
「あっはい、マジメに指導します……が、部長のお嬢はぶっちゃけ戦いに向いてなくないか? 郷里に帰ってイイカンジな男見つけて幸せに暮らしてたほうがよくない? あと親衛隊ちょっと過保護すぎん?」
『いえ、私だってもう守られているだけの存在にはなりたくないのです!』
『……部長こう言ってますけど正直おっしゃる通りですよ』
 親衛隊の気苦労も察せてしまうアクアノートである。
「はぁ……とりあえず」
 アクアノートは一つ拳を構えると、拳骨をする、ふりをして――
「羅漢銭・空間掌」
 手を開けばコインが大量に勢いよく蜜ぷにに襲い掛かる!
『ぷにー!』
 部長を覆っていた蜜ぷにたちがこれで蹴散らされていった。

「あのままだと蜜ぷにに囲まれて袋叩きなのだわさ」
 これで部長がどうにかタイマンで戦えるように持っていった。
「あのー、親衛隊にマジカルな魔法とか使えるヒトいません? こう、回復とか防御力アップみてーなの。この際、みんなでバックアップしようぜ。じゃないと延々と蜜ぷにに殴られて終わらんぞな」
『……うーん』
 しばらく会議していた親衛隊たちだったが、一つ頷くと。
『そうですね、やられては困りますし……部長、すいません、もう限界です!』
 親衛隊たちが部長のもとに駆け寄って戦いに参戦しだす。
『皆さん……!』
 回復や魔法をかける親衛隊たちだが、もう一つ、狙いがあった。その証拠に。
「だりゃああ!」
 コインやタロットカード、果ては暗器。様々な物を投げていたアクアノートに、親衛隊の目が行っていた。
 正直、親衛隊にとって猟兵――転校生というのは、参考にしたいものなのだ。そしてそれが見やすいのは――ほかならぬ前線なのである。

 結局全員で相対することになってしまったが、部長もどうにか落ち着いたようで。
『すいません、どうにかしてたみたいです……転校生さん、どうか支援や助太刀お願いします』
 自分一人では無理と諦め助けを乞うことにしたようである。

成功 🔵​🔵​🔴​

ギージスレーヴ・メーベルナッハ(サポート)
「ハハハハ!良いぞ、今ぞ戦争の時である!」
戦火に歓喜し高笑いを上げる戦争狂の娘。
「戦闘」ではなく「戦争」という点に注意。
一方で非戦闘員を戦争に巻き込むべきではないという分別もあり、これらの救助や保護にも積極的。

言動は常に大仰、態度は常に傲岸不遜。

「ヤークト・ドラッヘ」が使える状況なら、疾走しながら搭載火器を乱射する広域殲滅が主体。
これに「機甲武装・」とつくユーベルコードを絡め火力で圧倒。

これが使えない状況では「黄昏大隊・」とつくユーベルコードで召喚した兵士達を指揮しての集団戦術が主体。
状況に応じ、自身も「トーテンクロイツ」での射撃で攻撃参加。

アドリブや他PC様との絡みは全面的に歓迎です。



●蹂躙だ、殲滅だ、戦争だ!
「よかろう、では貴殿の声に応え蹂躙してくれようぞ!」
 ギージスレーヴ・メーベルナッハ(AlleineBataillon・f21866)が部長たちの前に仁王立ちすると蜜ぷにたちが一斉にそちらの方を向く。それにメーベルナッハはニヤリ顔。
「派手にやってくれるわ! ヤークト・ドラッヘ、来たれ!」
 重機甲戦闘車『ヤークト・ドラッヘ』がメーベルナッハのもとに来ればそれに騎乗し自身も銃を構える。
「ハハハハハ! 撃て撃て!」
 戦車で移動しながら蜜ぷにたちに雨あられと放たれる弾丸。しかし、
『きゃっ!』
「おっ……と、危ない」
 広範囲殲滅というのは得てして巻き込みやすいもの。部長たちも危うく巻きこみそうになるが、敢えて戦車をスピンさせて蜜ぷにを轢きながら被害を最小限にしていく。
「戦争故多少の巻き込みはあるだろうが、見よ! これが戦い(せんそう)というものである!」
『勉強になります!』
 なんのかな……少なくとも戦争ではない気が……あ、いえ戦争です銃を向けないで。まあでも広範囲殲滅の技術には目を見張るものがある。

 ――と、部長たちの前で戦車が緊急停車した。
「――そろそろ頃合いだな」
 メーベルナッハは戦車の上に立つと、高々と手を掲げる。
「貴殿らに余の力を見せてやる――列車砲、用意!」
 メーベルナッハの右肩あたりに突如列車砲の砲塔が現れる――ってそんなのこんなところで使うか!?
「仰角固定、重榴弾用意! 区画諸共吹き飛ばしてくれよう!」
 今なんて言った!? 確実にここ吹き飛ばすって言ったよね!?
「機甲武装・重榴弾砲(グスタフ・カノーネ)、Feuer!」
 列車砲が火を放ち、強烈なキャノンが着弾、辺り一面が砂埃に包まれる――!

『けほ、こほ……もう、香りどころじゃないですわね。後で再封鎖を頼まなければ』
『部長、ようやく再封鎖する気に――ごほごほ』
 完全にこの区画が香り良いどころか硝煙の香りにやられてしまった。もはや香り良い迷宮ってのはどこへやら。
「――これが殲滅というものよ」
 メーベルナッハは伝えたいことがあるかのように部長たちの前に鎮座する。
「香りなどに囚われて集中が削がれているいるようでは戦争には勝てぬわ」
 そして全滅を確認するかのように前へと歩み――
『ぷにー!』
『ぷにぷに!』
『ぷにーー!』
「なっ、まだいたのか!」
 完全にこれで蹴散らしたかと思ったメーベルナッハは仰天。蜜ぷにの増援を前に後退せざるを得ない。再び迷宮に蜜ぷにのいい香りが充満していく。
(これ以上下手にやると、ダンジョンが崩壊してしまう――!)
 メーベルナッハには歯ぎしりしながら一度身を引くしかなかった。

 というか思いっきり区画吹っ飛ばすって言いながらもダンジョン崩壊は気にするのね。
(部長たちに被害が及んだらまずいからな)
 意外と分別あったよこの戦争狂。

成功 🔵​🔵​🔴​

リリスフィア・スターライト(サポート)
優しく術が得意な人格のフィアとして行動

アドリブOK、NG行動はなし。
他の猟兵達との連携も可。

天体破局で大洪水を引き起こして
敵対する者達を洗い流しますね。
1体でも多く巻き込めて、仲間が被害を受けない
タイミングを狙いますね。

敵に近づかれましたら術の発動まで防戦に徹して凌ぎます。
ピンチの仲間がいましたら、積極的に援護します。
苦しい状況に陥っても諦めずに活路を見出しますね。

「せめて苦しまないように・・・」
「これぐらい大丈夫です!」



●荒れた後に流れるものは
「では大洪水でお掃除といきましょう。唸れ雷光、轟け嵐、渦に飲まれ、全てを灰燼に帰せ!」
 リリスフィア・スターライト(プリズムジョーカー・f02074)が蜜ぷにたちを洗い流そうと魔法を詠唱すれば彼女の目の前の蜜ぷにたちが皆氷の乗った大洪水に流されていくではないか!
『ぷにー!!』
『ぷにーーーーー!!』
 ああ、なすすべもなく流される蜜ぷにたち! 呼んできた仲間たちごとまとめて流されていく!
「ふぅ、これで安心……」
『いやーーっ!! 助けてください!』
「……じゃ、なかったみたいね」
 額に汗を浮かべながらリリスフィアが見たのは――部長たちの方。そう、前方は洗い流したが、部長たちの方をおろそかにしていたのだ!
(ここから発動すれば部長さんたちを巻き込んでしまうわね……仕方ないか)
 リリスフィアが部長たちの方にかけながら叫ぶ。
「皆さん! そちらを援護します!」
『助かります!』
『ぷにー!!』
 部長たちが蜜ぷにと戦うその間に割り込み、再び詠唱を始めるリリスフィア。
「唸れ雷光、轟け嵐――」
『ぷにーー!』
「――っ」
 しかし突然の乱入、そして見せる敵意。さらに言えばすぐそこでやられたコードに蜜ぷにたちが反応しないわけがなく、リリスフィアを攻撃してはどうにか部長たちに攻撃を届かせようとする。
『大丈夫ですか!?』
「これぐらい大丈夫です! 渦に飲まれ――」(まだ……ここは耐えて……一気に!)
 蜜ぷにたちに攻撃されながらも、耐えて耐えて耐え続けて。そして――
「――全てを灰燼に帰せ!」
 ――詠唱完了。今度は炎の混ざった赤い津波が蜜ぷにたちを襲う――
(――あれ? 赤い津波にした覚えないんだけど)
 実のところ、天体破局(スフィア・カタストロフィ)――彼女が放ったコードだ――は、制御が難しく暴走しやすい面も備えている。さらに言えば蜜ぷにたちの攻撃により集中が乱れたのも事実だ。
 暴走したそれの影響は蜜ぷにだけにおさまらず――
『ああっ! 炎がこちらに!』
『部長、服が! 今消します!』
「ああっ、すいません! 今どうにかします!」
 ――部長たちにまで飛び火していた。仲間が被害を受けないタイミングを狙ったものの、コードが暴走して仲間に被害が多少出てしまったのだ。さらにいえば、蜜ぷにたちは流されたものの、まだ奥から次々に出てきている。
「きりがないですね!」
 部長たちのフォローでいっぱいいっぱいなリリスフィアは奥から現れた蜜ぷにに吐き捨てるように言い放った。

成功 🔵​🔵​🔴​

鳶沢・成美(サポート)
『え、これが魔導書? まあどうしよう?』
『まあどうでもいいや、オブリビオンなら倒すだけですよ』

故郷UDCアースの下町の古書店でたまたま見つけた魔導書を読んで覚醒した自称なんちゃって陰陽師

昨今でいう陽キャラ? みたいな行動は正直よくわからないのでマイペースに行動
でも集団での行動も嫌いじゃないですよ
元ボランティア同好会でつい気合い入れて掃除しちゃったりしなかったり
一応木工好きでゲートボール好きキャラのはず……たぶん

戦い方は直接殴るより術をとばす方が好みです
範囲攻撃とかロマンですよね
例え好みの容姿だろうと、事情があろうと敵ならスパッと倒すだけですよ

アドリブ・絡み・可




「大丈夫です、僕が来ましたから」
 鳶沢・成美(探索者の陰陽師・f03142)が魔導書みたいなものを持って蜜ぷにたちの前に現れる。……なんか『陰陽師入門~君もこれで陰陽師だ』とか書いてあるけど、これ魔導書だから。UDCアースに紛れ込んでいた巧妙に偽装された魔導書だから。しかしホントに陰陽師になるあたり偽装の方もすごいというかなんというか。
「例え蜜ぷにみたいな可愛い容姿だろうと、事情があろうと敵ならスパッと倒すだけですよ、オブリビオンならね」
『ぷにー!』
 襲ってくる蜜ぷにたちに動じもせず、陰陽師入門を開く。本のページの上に陣が組みあがり、雷が落ちる。
「じゃ、道真さんよろしくー」
『ぐぅぅるぅぅぅおぁあああ!!』
 成美が本から手を放し、床に落ちた瞬間、ページの上に顔色悪く目つきの鋭い平安時代風の男が立っていた。成美曰く怨霊的側面の菅原道真だとかなんとか。
『とぉきぃひぃらぁ、すぅがぁねぇ、ゆぅるぅさぁぅぅぅぅ……』
『あ、あれはなんかの召喚術ですか?』
『部長近づかないでください! 巻き込まれますよ!』
 完全にマイペースだから部長たちガン無視してた成美、近くに部長たちがいたのに気づかず。
「あっ、ごめんなさい、まあ……巻き込まれないように……頑張って?」
『えぇーー!?』
「もう制御できないんだもの」
『そこをなんとか! この通りです! 私たちも命は惜しいんです!』
『部長、アルダワに来た時点で覚悟していたでしょう!』
 カリスマブレイク発生。やはり極限状態では人の素が出るものである。まあ死にたくはないしね誰だって。
『滅せよぉぉ……■■■■■ーー!!』
 そんなことしてる間に道真の怨霊が雷の礫をばらまき始めた! 焦げ臭いにおいと電撃の走る音が蜜ぷにたちを包んでいく!
「いやー、範囲攻撃とかロマンですよね」
『あっ、こっちに飛ばさないでくださいまし!』
「あっ、すいません。元ボランティア同好会なもので、掃除となるとつい気合い入れちゃって」
『私達は掃除しなくていいですから!』
『部長もう離れててください!』
 ふわりとしたスカート(少し焼けてる)のまた一部が雷で焦げた部長が命からがら逃げだした中、成美本人は道真の怨霊を前に体育座り。
「いやー、次々にやられていきますね。さすが道真さん」
 蜜ぷにたちは彼に近づくこともできずにやられていくだけだった。そんな中――
『ぷ……に……』
「ん? あれ、もしかして……マヒしてる?」
 そう、この雷の礫で奥の方にいる蜜ぷにたちの中にマヒしているものが出てきたのだ。あれならいけるか――!?
「あ、道真さんありがとうございました」
 ちょうど道真の怨霊も消えたみたいだし。

成功 🔵​🔵​🔴​

火土金水・明
「それでは、部長さんのサポートをしてあげましょうか(流石にマヒして動けなくなった蜜ぷに相手に苦戦はしないと思いますし)。」
【WIZ】で攻撃です。
攻撃方法は、【高速詠唱】で【マヒ攻撃】の【属性攻撃】を付け【フェイント】を絡めた【コキュートス・ブリザード】を【範囲攻撃】にして、『蜜ぷに』達を纏めて【2回攻撃】します。相手の攻撃に関しては【見切り】【残像】【オーラ防御】で、ダメージの軽減を試みます。
「(攻撃を回避したら)残念、それは残像です。」「少しでもダメージを与えて次の方に。」
アドリブや他の方との絡み等はお任せします。



●チャンスにサポートはいります
「チャンスです、あのマヒしているの行きましょう、部長さん」
『え、ええ。そうですね』
 一つ咳払いして落ち着いた部長に話しかける火土金水・明(夜闇のウィザード・f01561)。
「大丈夫、『”荒廃の魔……』の私がサポートしますから」
 ちょっと聞き取りにくいところがあったようで少し首をかしげたがすぐ頷く部長。ところでそれって、確か無差別に周囲の存在の力を……大丈夫か部長! これ終わった後ミイラになってないか部長!?
「や、そんなことないから。なったら後で顰蹙買うし」
 あ、あぁ、そう。ならいいか。

 蜜ぷにたちに向かう明とその後ろを追う部長。
『ぷにー!』
 蜜ぷにたちも大挙して襲い掛かってくる!
「いくわ――我、求めるは、冷たき力――コキュートス・ブリザード! ついでにマヒ効果も乗せちゃうよ!」
『ぷにー!』
『ぷ……に……』
 蜜ぷにたちが次々にやられていく……って……
『あの、そっちは相手の少ない方なのでは?』
 そう、明が狙ったのは蜜ぷにが少ない方角。ミスか?
『ぷにー!』
 ほら、横から蜜ぷにがのしかかりをしかけてきた!
「ふっ……」
 しかし得意顔の明。憐れ蜜ぷにに潰されてシーンエンド……

「残念、それは残像よ」
『ぷに!?』
「こっちが本当、コキュートス・ブリザード!」
『ぷにー!』
 そう、明は蜜ぷにの来る方角を見極めていた! そして巨大蜜ぷにが来た方角――そこから蜜ぷにがわいてきてると判断、そこへ魔法を叩きつけた! 巨大蜜ぷにだけではなくその奥にも魔法の矢がなだれ込む!
『先の攻撃は相手を油断させるフェイントだったのですね! 勉強になります!』
「うん、さ――部長さん」
 目の前の大半がマヒしている蜜ぷにたちを前に。
「これなら『いけるでしょ』?」
 少女二人は。
『ええ、これなら』
 己が武器を構え。
『やっちゃってください部長!(もう心配させないですむように!)』
 応援? のもとに、駆け出す――

「『はぁぁぁああああ!!!』」

●そして数刻後

「美味しいですね」
『ええ、蜜ぷにを素材にする食べ物は美味で学生たちのお菓子にもよく使われているのです』
 ダンジョンから出てお茶会をしている二人の姿があった。
「――ところであのダンジョン、派手にやってしまいましたが」
『もうあそこは使い物にならないので永久封鎖です。はぁ……私としたことが、反省文書かないとですね』
 明は苦笑いしている。半分自業自得だからね。
『ですが――』
 ふと部長に釣られて明が目を横に向ければ、学生たちが今日もわちゃわちゃしている。
『皆さまがああして楽しんでいられるのも――貴方様みたいな転校生さんのおかげなんですよね。それを実感できただけでも僥倖です』
 そこまで言うと、部長は立ちあがる。スカートや制服はまだところどころ焦げたり戦闘の痕がついたままだが――
『本日は私の身勝手にお付き合いいただきどうもありがとうございました。それでは、私はこれで――』
 部長が教室を出ようと扉を開け振り向けば――

『――大変良い勉強になりました。私は『修練』があるので、これで』

 ――彼女も自分なりに成長しようとしている。
 それを感じた明は、にこやかにほほ笑むのだった。否、明でなくとも、猟兵なら皆ほほ笑むだろう――きっと。

 ――純粋な少女は、戦いと、生死の隣り合わせに触れることで、また一つ大きくなっていく。
 その手助けを猟兵ができるならば、嗚呼、それは――きっと幸せなことなのだろう。

 ――部長の置いていったカップの中には、2本の茶柱が立っていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2020年10月13日


挿絵イラスト