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香り立つお茶会への招待状(作者 結衣謙太郎
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「大魔王が倒されて以来……お茶がおいしいですわね」
 いかにも清楚という感じのロングスカートの少女が丸いテーブルに座りカップのお茶を飲んでいた。
「危機のない平和というのはやはり良いものですが……刺激がなくなる面ではいささか寂しいものもあるかと」
 ゆっくりとカップをテーブルに置くと、窓から外を眺める。
「……聞けば真の英雄である転校生の皆さまに教えを請いたいという方もいらっしゃるとか――まあ、私もそうですが。今までは親衛隊の皆様に守られてばかりでしたからね……申し訳なく感じてしまいます」

 ――ふと、時計を眺めると、少し驚いた顔で。
「あら……もうそろそろ部活の時間ですね。今日は薬草調合の日でしたね――」
 数歩歩いたところで、彼女はふふ、と何か思いついたように微笑む。
「そうです」
 そして手を一つ叩いて、一つつぶやく。

 ――お茶会にしましょう。


「平和だねえ……」
 水島・可奈(少女自由に夢幻を掴め・f01117)が状況を伝えながらもほんわかした顔でいる。
「これだけ平和に染まっていれば、あの時頑張った甲斐もあったと言うものだ」
 ――あの時。アルダワ魔王戦争。猛スピードで走り抜けたあの戦争を終え、今アルダワ魔法学園世界では、猟兵に教えられたいとあらゆる場所から人が集っている。
「というわけで、そんな人たちも集めた『お茶会』が開かれるみたいなんだ。――で、ここからが本題」
 お茶会とはいえ、人数が多くなれば当然素材が足りなくなる。その素材はどこで取るか? そう、ダンジョンだ。そこで猟兵の手が必要となる。ダンジョンから災魔の脅威がまだ完全に取れたわけではない。
「ものすごく内部の香りのいい迷宮らしい。ただ、仕掛けが危険だっていうんで封鎖されている迷宮なんだよね……それが、今回猟兵に教えを乞うためという名目で開かれちゃったらしい」
 それをしたのは、とある部活の部長で『お茶会』の主催者というが――。
「……これがまた面倒でね。今まで戦おうとしても親衛隊みたいなのに抑えられて直接戦ったことがほとんどないっていうんだ。そんな中、今回私たちに教えを乞いたい――しかも現地で、という」
 まあ、百回の座学より一回の実践、とはよく言うが。
「彼女だけじゃなく、何人か現地生徒も来るはずだから、経験を積ませよう、という話。もしかしたら、『戦い』や『生死の隣り合わせ』に直接触れることで何か起きるかもしれないしね――いい方か悪い方かはわからないけど」
 何分、ピュアホワイトなビギナーだ。何が起こるかわかったもんじゃない、が――。
「――それでも、『お茶会』でもてなしたい事実は変わらないみたいだからね。この迷宮にしたのもそれでじゃないかな。何せこの迷宮、蜜ぷにが大量生息しているし」
 蜜ぷに。アルダワ魔法学園世界ではすっかり美味としておなじみなその存在――それが『お茶会』にどんないい影響を与えるかは想像に難くないだろう。
「それじゃあ送るけど――まだ実はお茶会は途中みたいだから、せっかくだから楽しんでいったら?」
 にこやかに微笑みながらグリモアを展開する可奈だった。





第2章 冒険 『香り立つ匂いフェチ媚薬迷宮』

POW良い匂いの誘惑になんて負けない!気合いで走り抜ける
SPD良い匂いを吸いたいのは山々だが、急いで走り抜ける
WIZ良い匂いをクンカクンカしたい!でも吸わないように対策をする
👑7 🔵🔵🔵🔵🔴🔴

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●現地調達
『あら、予想外に盛況ですね。素材が足りないです』
 部長と呼ばれた少女が立つとどこかに向かう。それを見た部員が驚愕。
『部長、どこに行くおつもりで!?』
『今日のために一つ、香りのいいダンジョンを開けておくよう頼んだので、そちらに』
『部長、親衛隊もつけずにお一人で!?』
『私だってアルダワ魔法学園の生徒です、一人でやれるところを見せましょう――それに、『お茶会』のお客さんを待たせるわけにはいきません。――蜜ぷにに薬草くらい余裕で集めてみせます』

 止める間もなくツカツカと歩いていってしまった部長を見て部員の一人らしき人が泣きついてきた。
『あの迷宮、確かこの前良い匂いが実は媚薬成分で吸うと危険だってわかって封鎖されたはずなんです! もし、もし部長に何かあったら……お願いします!』
 なるほど媚薬の匂い。しかも無駄に良い匂いと来た。

 ――あれ? それ、災魔とは違う意味で危険な迷宮じゃない?
 慌てて迷宮の方に走りだす部員たちを見ながら猟兵たちはそれを感じてもいいし、感じなくてもいい。
伊美砂・アクアノート
【SPD オルタナティブ・ダブル】
あ゛あ゛あ゛あ゛(頭を抱える) いや、まあ。ひょっとしたら無事に戻ってくる可能性が存在しなくもないと期待くらいは…したいのだが…。あ、覚悟を決めますね、はい。 えーと、さっき作った解毒用のお茶とか、体拭けそうなタオル類とか用意して待ってて…。(死にそうな顔で分身して【毒耐性、暗視、偵察、聞き耳、視力、第六感】で探しに)
ーーー何かあったらお願いしますと言われてもなァ…。俺の約半分は男性人格なんで、宜しくされたらダメなんだよな。いや、部長さんが淑女として魅力的なのは否定しないがな? ただ、みんなを心配させる悪い子猫ちゃんには、お仕置きをしなくちゃいけないかな…?



「あ゛あ゛あ゛あ゛!!!」
 頭を抱えるアクアノート。最悪だ……
(いや、まあ。ひょっとしたら無事に戻ってくる可能性が存在しなくもないと期待くらいは……したい……のだが……覚悟を決めるしかないか……)

 大きなため息をしながら現地に向かうアクアノート。解毒用のお茶や体拭けそうなタオル類とかを用意しながら分身して探す、が――
(……これ迷宮というより道だな、ほぼほぼ分岐がない)
 何度も分身が合流するのを見てそう判断した。
(なるほど、手近と判断するわけだ――迷うわけがないし――おや)
 ふとアクアノート本体が目を凝らしてみれば、
『消えなさい! くっ……』
 アクアノートの目に制服を赤く染めところどころを破かれながら植物の棘に応戦する部長が! てか棘かよ! 触手じゃないのかよ! というツッコミが聞こえそうだが、庭を散策して薔薇とかの棘に刺さることはままあること……ビギナーならなおさらだ。
『邪魔ですわね……あら?』
『部長!』
『ああ、部長の白いお体に傷が!』
 駆けつけた部員たちが合流するが1名ほどアクアノートに詰め寄る!
『転校生さん、お願いしますって――』
 それに対しばつが悪そうな顔をするアクアノート。
「いや――何かあったらお願いしますと言われてもなァ……俺の約半分は男性人格なんで、宜しくされたらダメなんだよな」
『聞いてませんそんなこと』
「今はじめて言ったからな」
 あきれたように分身を消しながら部長のもとに歩むアクアノート。近づけばよくわかる、部長、興奮している。色んな意味で。その証拠に息が荒くて熱い。十中八九媚薬成分のせいだ。
『あなたは、確か……そうです、転校生さまも魅力のあるお方、ここはご一緒に、ぜひ』
 赤らめた顔で手を差し出しても説得力ないぞ部長!
「いや、部長さんが淑女として魅力的なのは否定しないがな? ただ、みんなを心配させる悪い子猫ちゃんには、お仕置きをしなくちゃいけないかな……?」
 ほらー、アクアノートが部長の肩をガッとつかんで、顔を近づけ――え、何する気?
「せいっ!」
 ゴッ、という鈍い音が迷宮に響いた。

『――はっ、私はいったい何を……体が熱い……』
「落ち着いた?」
 解毒のお茶を部長の口に流し込んでいるアクアノート。その姿に一部生徒が嫉妬してるがそれは別の話。
『え、ええ、お騒がせしました。でも、まだ目的の部屋までは遠いので、改めて――お力、貸していただけませんか?』
『私たちからもお願いします、転校生さんの実力から学びたいですし、何よりこれ以上部長を傷ものにしたくない!』
「はぁ……」
 正直もうこりごりな気分なアクアノートだが、乗り掛かった船ではある。
「しょうがないな、でも」
 みんなに投げ渡されたのはアクアノートが持ち込んだタオル。
「それでなるべく空気吸わないようにしてよ? またこんなことあると困るから」

 ――猟兵を加え、迷宮探索は再開される。
成功 🔵🔵🔴

月守・咲凛(サポート)
私は武装ユニットで空が飛べるのです。
歩いたり走ったりするのはあまり好きではないので、基本的にいつもフヨフヨ飛んだりビューンと飛んだりしています。
好奇心は旺盛なのですけど、飽きやすいので単調な探索になると集中力が足りなくなって横道に逸れてしまうのです。
戦えない人を助けるのが私の役目なので、自分が怪我をしても戦えない人は助けるのです。
(戦えない人を守る事に強く拘ります)
いつも駄菓子系のお菓子を持ち歩いていて、人にあげる事も多いですけど、食が細いので自分でたくさん食べる事はないのです。



 ……ん? あそこで空を飛んでいるのは、月守・咲凛(空戦型カラーひよこ・f06652)か?
「ふーんふーんふーん、いい香りなのですー」
『それあまり吸わないで! 危険よ!』
 目の前の部長という例を見た部員の一人が声を張り上げるのを聞いて咲凛が止まったかと思えば部長たちの方に飛んでくる。
「えー、でもいい香りなのですー、なんかぽわぽわした気分なのですー」
『と、とりあえずこれで吸わないようにして下さい! これ吸うとそこの部長みたいになるので!』
 ハンカチを差し出された咲凛が見た先にはなんかすごい状態になってる部長が。
「……しょうがないのです」
 ハンカチを受け取る咲凛にふぅ、と息をつく部員たちだった。ところでなんでこの迷宮に?
「支援部隊なのです! 戦えない人を助けるのが私の役目なので、自分が怪我をしてでも戦えない人は助けたいのです」
 戦えない人、ということでこの部長たち、ということなのだろうか。
『一応、それなりには戦えます』
『私も』
『私も』
「でも私達ほどではないのですー、なんかあったらと思うと怖いのです!」
『私は大体親衛隊の方がどうにかしてしまうので』
「こういうのが危ないのです!」
 つい声を大きくしてしまう咲凛。
「ここが危険なら、もうばーっと抜けちゃうのです!」
 あっ咲凛! 戦闘機みたいにばびゅーんと空を飛ばれてもみんな置いてかれるって!
「みんなダッシュなのです!」
 走らせるんかい! いやまあ、抜けるためには妥当だろうけど! 何気に咲凛もスピード落として前方に敵いないか注意してるけど!

『ぜぇ、ぜぇ……みなさん、よく走れますね……』
『部長が鍛えてないだけですよ』
「これくらい誰でもやれるのです!」
 戦闘機っぽいパーツに囲まれた咲凛に言われたら終わりだぞ、部長。
「どういう意味なのです!?」

 と、ずーっと単調な道を走ってきたところで咲凛がふと止まる。
『ど、どうかなさいましたか?』
 肩で息をしている部長が咲凛に恐る恐る聞くと、
「飽きたのです、ほとんど分岐ないし単調で」
 と、咲凛が何やら常備しているお菓子を取り出した。
「みんな疲れたと思うのです、ここでおやつにするのです!」
『いいけど空気吸っちゃいませんか?』
「それ言ったらおしまいなのです! でも大丈夫、私に名案ありなのです」

『考えましたね、転校生さん』
 咲凛がやった方法は、自分が空でブースターを起動させっぱなしにしながらグルグル回ることで風を起こし、部長たちに媚薬成分が来ないように吹き飛ばすものだった。
「お姉ちゃんに任せるのです」
『いやー、その体でお姉ちゃんは』
「えー!?」
『まあまあ、そろそろ先へ進みますか』
 部長の鶴の一声でみんな立ちあがり再び先を目指す。
『お茶会の皆さまを待たせるわけにもいきませんし』
 焦っているともいう。が、目的の場所まではあと少し、そこならこの媚薬成分も来ないはずだ、ここさえ抜ければ……
成功 🔵🔵🔴