ある、なつのひ(作者 ねこあじ
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●グリードオーシャン『モルト・カリーナ島』
 島の頭領であるアーチェニットはフェアリーの翅を羽ばたかせ、積み上がった木箱に降り立った。メガホンを構える。
『いいか、よく聞けお前らー! 昨夜ノクティルカが訪れた! よって、今日からこの島はバカンス期となる!!』
 アーチェニットの言葉に、島民たちは「わあっ」と歓声を上げた。
「やった! 仕事休みだー!」
「バカンスだ~!」
『あー待て待て。必要最低限、やることやってからだぞ』
「承知でさぁ!」

 モルト・カリーナ島には、この時期、数日間に渡りノクティルカ――夜光虫の訪れがある。
 海中を漂う夜光虫は繁殖期に青白く、そして紫の光を発し、夜闇の海は輝きを放つ。漂う波が輝くのはもちろんのこと、魚やイルカなどにも移動のためにくっつく虫たちの輝きは、幻想的に泳ぎ流れる。
 この輝きが訪れる数日間は、島のバカンス期としているのだ。
 軽食屋は開いているが、この時期ばかりは共同台所のようなもので、料理をするのは訪れた近所のおばちゃんであったり、釣り人であったり。食材は提供制。作るも食べるもご自由にどうぞ。
 釣り具や浮き球、瓶など、雑貨の露店は無人販売となっている。
 やることも、釣りをしたり、昼から飲んだり寝たり、趣味に没頭したり。子供たちはキャンプやコテージでお泊り会をするようだ。

「ミミリーは何をするんだ?」
 アーチェニットが尋ねれば、巨人の娘・ミミリーは大きな布を抱えてみせる。
「航海のお土産に貰った大きな布で、お洋服を作ろうかなぁと思ってるよ。あとアクセサリーも欲しいから、島湾で大きな貝を採取するつもり。運が良ければ大きな真珠が見つかるかなって。……アーチェニットは何をするの?」
 ミミリーの問いに、う~ん、と悩みの声をあげるアーチェニット。
「まー、飛び回って追々考えるわ」


「皆さん、夏休みしませんか?」
 と、猟兵たちを誘ったのは、何やら荷物を抱えた冬原・イロハ(戦場の掃除ねこ・f10327)であった。
「猟兵さんが救った島のひとつに、モルト・カリーナという島があるのですが、しばらくバカンス期に入るみたいで。連絡を取ったら『遊びに来ても大丈夫だぜ』ってお頭さんが言ってくれたのです」
 島でのんびりと過ごすのはどうでしょう? とイロハ。
 夜闇に輝く夜光虫(ノクティルカ)の訪れを見学するのもいいし、夜の泳ぎに自信があれば泳いでもいい。
 浜辺でバーベキューをするのもいいし、昼の海で泳ぐのもいい。
 島から離れた湾では真珠が採れることもあるそうだ。
 コテージが解放されているので、お泊り会をしてみるのも良いだろう。
「食材や飲料は現地で調達するか、持ちこむかでお願いしますね。バーベキューに必要な道具は揃っているみたいです」
 島民もバカンス中なので、基本的に自分のことは自分でやるスタイルだ。
「食材はある程度用意させていただきましたので、ここから持って行っても大丈夫ですよ」
 氷もたくさんあるから、カキ氷屋さんを開いてもいいし。
「イロハさんは何をするの?」
「私ですか? 私はアルダワ魔法学園の夏休みの宿題をこなそうかと思っています。島の砂が白いので、それを採取して色砂を作ってですね――」
 なんやかんやして、色砂を使ってテラリウムのような魔法のキャンドルを作るらしい。
 イロハが動くたびに荷物からカチャカチャと聞こえてくるのは、瓶がたくさん入っているからだ。
「興味がある方はご一緒にいかがですか?」
 色のついた砂城も作れるだろう。
 それはそれとして。
「……と、まあこんな風にちょー自由なので、皆さんものんびりバカンスを楽しんできてくださいね」
 では、島までご案内しますね。
 そう言ってイロハは猟兵たちににっこりと微笑むのだった。


ねこあじ
 こんにちは、ねこあじです。
 やれそうなことをOPで掲示しつつ、何をするかは基本猟兵さんにお任せな夏休みシナリオをお送りします。
 ゆっくりしてってね!

 このシナリオは既に猟兵達によってオブリビオンから解放された島となります。
 【日常】の1章のみでオブリビオンとの戦闘が発生しないため、獲得EXP・WPが少なめとなります。

 冬原・イロハ(戦場の掃除ねこ・f10327)が同行しています。
 基本的に浜辺にいますが、あちこちもしてるので、何かありましたら遠慮なくお声がけください。
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第1章 日常 『猟兵達の夏休み』

POW海で思いっきり遊ぶ
SPD釣りや素潜りを楽しむ
WIZ砂浜でセンスを発揮する
👑5 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


篝・倫太郎
夜、夜光虫の発光を邪魔しないように注意しながら泳ぐ

潜って見る夜光虫ってな
海上や浜辺で見るのとまた違う印象なのが面白いなぁ……
防水カメラでお土産に写真撮ってこ

写真撮ってたら何かに背中を突かれた
おおぅ?!
振り返れば、身体の所々に夜光虫がくっついたイルカ

好奇心旺盛なのは本能なんかね?
つーか、結構沖まで泳いできちまったのか……流されたのか
ま、島の灯りが絶える事はなさそうだし
ちっとイルカと遊んでくのも悪くないな

話せねぇけど、まぁ……大概イルカは賢いから
何とかなるなる

あ、泳ぎ比べはしねぇぞ?勝てねぇもん
伴泳して流れる夜光虫の光も楽しんで
ついでに動画も撮ったりして
ある程度遊んだらイルカとお別れして島に戻ろ


 ざざん、と砂浜に打ち寄せる波の音。
「UDCアースの夜光虫とはまた違うんかな?」
 青白だったり、紫だったりと光輝く景色を眺めながら、篝・倫太郎(災禍狩り・f07291)はざぶざぶと夜の海へと入っていった。
 踝から膝――六角花文のボードショーツが海水に沈んだ辺りで、改めて倫太郎は泳ぎ始める。泳ぎには自身があるのだろう、装備は水中メガネと防水カメラのみ。
 すとんと大地が抜け落ちたように突然と足場はなくなり、倫太郎が海中へと目を向ければ、広がっているのは漂う夜光虫の群れ――光粒がすいすいと泳ぐ背景には魚たちの姿があるのだ。
(「そういや、島の人たちが繁殖期っつってたなぁ」)
 明滅する光は、アピールする蛍のようだ。
(「海上や浜辺で見るのとまた違う印象なのが面白いなぁ……」)
 大量の光粒が動く場所には魚の大群がいるのだとも分かる。時に海上を跳ぶ魚らしきものを見つければ、満天に新たな星が宿るが如く。
「防水カメラでお土産に写真撮ってこ」
 とび魚の群れ、海中の光粒の舞い。一瞬一瞬をカメラにおさめていく倫太郎。動画で撮ってみたりもする。
 撮ったものを見せた時の家族の様子が、目に浮かぶようであり、また未知のようでもあり、楽しみだった。
(「お、光るサンゴ群?」)
 仄かな黄や白の光を放つ珊瑚を見つけ、それも写真におさめる。海底をより覗くように、やや前傾となった彼の背中に「とん」っと何かが当たった。
「――!?」
 軽く、だが結構な質量。驚き吐き出された空気が、海を昇っていく。
 振り返ると、光の映りこんだ眸。倫太郎を観察するようにゆったりと回るイルカであった。夜光虫をくっつけて、キラキラと輝いている。
 確かめるように、クチバシで倫太郎を突くイルカ。
 掌を向けて受け止めれば、何やら認識したらしきイルカは面白がるように更に突き始めた。
(「っと」)
 纏わりつき始めたイルカを若干避け、海上に戻って新鮮な空気を吸い込む彼の後を追い、イルカもまた海から頭を出した。
「はー……好奇心旺盛なのは本能なんかね?」
 キュイキュイと歓声を上げるイルカ。
 アピール激しく乗っかってくるイルカを受け止めつつ、倫太郎が呟く。そしてふと気付いた。
 島の灯りがやや遠く、海から立つ音も変化していた。
「つーか、結構沖まで泳いできちまったのか……や、流されたのか?」
 灯りが見える内は大丈夫だろう、そう思い直した倫太郎は改めてイルカに向き合った。
「ちっとイルカと遊んでくのも悪くないな――な?」
 最後はイルカに向けて。
『キュイ』
 倫太郎の上に乗り上げそのまま滑り落ちるように頭から海へと入ったイルカは海中でくるんと一回転したようだ。彼の脚を掬うようにしてまた海上へと頭を出した。
「とんだ悪戯小僧だな?」
 アピールというか遊びに誘われているというか、倫太郎が泳ぎ始めると「お? やるか?」という感じでイルカもついてきた。
 倫太郎を追い抜いたり、また後方に戻ったり。
「泳ぎ比べはしねぇぞ? 勝てねぇもんな」
 人懐っこいイルカと伴泳しながら、緩やかな光の軌跡を見て、カメラにおさめて。
 夜に広がる星と光。
 時に流れた星が空に軌跡を描き、海もまた生き物たちの光る軌跡を描く。島へと向かい真っ直ぐに流れる光は、倫太郎とイルカのもの。
「見送り、あんがとな」
 刹那の友の頭を撫で、じゃあな、と倫太郎は言う。
 数多なる生命の中でのひと時の邂逅に、またひとつ、夏を刻んだ。
大成功 🔵🔵🔵

乱獅子・梓
【綾(f02235)と】
思い返せば色々な島で
色々な過ごし方をしてきたな…
うーむ、今回は何をしたものか
あ、そうだ、まだアレをしていなかったな

島の店から立派なスイカをひとたま調達
そう、スイカ割りだ!!

というわけで綾
俺が指示してやるからしっかり狙えよ
…あ、しまった
俺としたことが、スイカは用意したが
割る為の棒を忘れてしまったな
ってそれで叩き割るのか…!?

もう少し右、そのまま真っ直ぐ、いや行きすぎだ
など、あれこれ指示
焔と零は元気に鳴いてエールを送っている
たまに綾がこちらに向けて
ハルバードを振りかぶろうとするから慌てる場面も

無事割れたらもちろん全員で食べる
焔と零ときたら、顔中に種がくっついているぞ


灰神楽・綾
【梓(f25851)と】
スイカ割りかぁ
海での定番の遊びだけど
案外やったこと無いよね

…えっ、俺が割る側なの?
てっきり梓が割るものだと思って
日陰で見守る気満々でいたのに…
仕方ないなぁと大人しく目隠しされる
ああ、棒が無いならこれ使うよ
取り出したのは愛用武器のEmperor
使い慣れたものの方が良いからね

梓の指示に従い狙いを定めようとするけど
やっぱり難しいなぁ
敵なら何も見えなくても
ある程度殺気とかで分かるんだけど
何せ相手はただのスイカだし
そこかな?えいっ
何かを斬った手応えを感じる
見事ナイスヒット
Emperorで斬ったから断面も綺麗

島のスイカは純粋に美味しくて
ひと仕事終えたのもあってどんどん食べられるね


 青い空、青い海。
 時に違った景色も見せてくれるが、グリードオーシャンといえば青に染まった世界でもあった。
 同じ色であれど、島によって海風は違う……気がする。
「思い返せば色々な島で、色々な過ごし方をしてきたな……」
 夏休みを数多の島で過ごしてきた乱獅子・梓(白き焔は誰が為に・f25851)は、ちょっと違いの分かる男になっている気がしなくもない。
 今回訪れた島での夏休みは何をしたものかと考える梓。考えこむ立ち姿は一見シリアスだ。
「――あ、そうだ、まだアレをしていなかったな」
「梓?」
 のんびりとした灰神楽・綾(廃戦場の揚羽・f02235)の己を呼ぶ声に、ちょっと待ってろ、と返した梓は駆けだした。ドラゴンの焔も一緒だ。
「いってらっしゃい」
「ガウ」
 もう確実に聞こえていないだろうが一応そう声を掛けて、綾は飲料を片手に、彼と一緒に待つことにしたらしいクールな仔ドラゴン・零とのんびり過ごす。彼が座るのは島の木々に近い砂浜。今の時間帯、陽射しにさらされた砂浜は熱されているけども、木陰が落ちるこの場所はひんやりとしていた。
 特に何を考えるでもなくぼうっと待っていると、何かを抱えて駆け戻ってくる梓。
「――そう、スイカ割りだ!!」
 会話(?)は続いていたらしい。彼が島の店から調達してきたスイカは大きく、立派なひとたまだ。
「スイカ割りかぁ。海での定番の遊びだけど、案外やったこと無いよね」
「そうだろう、そうだろう? というわけで綾、俺が指示してやるからしっかり狙えよ」
 …………。
「……えっ、俺が割る側なの?」
 スイカ割りだから、言いだした梓がスイカ割りたいんじゃないのか。
 日陰で見守る気満々でいた綾は、梓の言葉にちょっとびっくりした。
「……まあ、いいけど」
 仕方ないなぁと呟きながら、持っていたタオルで大人しく目隠しをされる綾。
 目隠しを施して、スイカを置きにいく梓。
「――あ、しまった。俺としたことが、スイカは用意したが割るための棒を忘れてしまったな」
「ああ、棒が無いならこれ使うよ」
 そう言って手に持ったのは愛用武器のEmperorだ。ハルバードの斧部と、反対側はハンマーになっていて、長柄を持てばその重さが心地良くもある。
「ってそれで叩き割るのか……!?」
「使い慣れたものの方が良いからね。それじゃ、指示よろしく」

 視界が閉ざされると、ざざん、と海の音がより響いているような気がした。
「綾、右だ右ー。――もう少し、右」
「こっち?」
「そうそう、そのまま真っ直ぐ」
「ガウ、ガウ」
「キュー」
 梓が指示を出し、うろうろとする綾。
 零と焔も元気に鳴いて、エールを送る。
「キュー?」
「あ、こっち?」
 焔のちょっと違った声に、勢いよく振り向く綾は「よし」とハルバードを振り被った。
「待て待て待て待て! 俺、俺! そこ俺!! スイカはあっち!」
「あっち?」
 百八十度振り向いた綾に、そのまま九十度戻れと指示を出す梓である。
「やっぱり難しいなぁ。敵なら何も見えなくても、ある程度殺気とかで分かるんだけど」
 何せ相手はただのスイカだし、と呟きながら少しずつ進む綾。
「もう少し、半歩!」
「そこかな? ――えいっ」
 刃の向きは体が覚えている。
 迷いなくEmperorを振り下ろした綾に、タンッと確かな手応え。次いで甘い香りが漂った。
 目隠しをずらし、確認すればスイカは綺麗な断面を見せて転がっていた。
「ナイスヒット」
「キュー!」
「ガウ!」
 焔と零もやったね! と歓声を上げているようだ。そんなドラゴンたちの様子に梓は微笑む。

 見事に斬り割ったスイカを更に食べやすいように斬って、「はい、どうぞ」と綾が差し出した。
「うま」
 梓がかぶりつけば、水分たっぷりな果汁。冷えていたスイカは、ほどよい冷たさとなっていた。
「ひと仕事終えたのもあって、どんどん食べられるよ」
 この陽射しのなか歩き回ったこともあり、綾は言葉通り食べるペースが速い。
 焔と零も自身の背丈ほどもあるスイカにかぶりつく。
「焔、零、顔中に種がくっついているぞ」
「キュー?」
「ガウ」
 梓を見上げて首を傾げる焔と、構わず食べ続ける零。苦笑しながら梓はドラゴンたちの顔からスイカの種を取り除いてやる。
「おかわり、あるからね」
 綾の言葉には尻尾を振り、応じるドラゴンたち――何せ、今は食べることに忙しい。
 夏休みの新しい思い出。スイカ割り。
 またひとつ、夏を知った二人と二匹であった。
大成功 🔵🔵🔵🔵🔵🔵

シーカー・ワンダー
【綿兎】

ノクティルカ!海が光ってる!きれいきれい!

わあいバーベキュー!クマさんとかにも設営手伝ってもらおう!
俺はジュースとアイス持ってきたよ!

ハレンさんありがとー!俺からはこれ!お礼の青くてキレイなジュース!
えへへー、ありがとうつゆりん!デザートは用意してきたから一緒に食べよ!

水着についてとか夏の食べ歩きの話など談笑しながらバーベキューに舌鼓
食後に海へ駆け寄った澪を心配して追いかけるけど波打ち際でビビってストップ。もふもふが水を吸って溺れるため泳げないのだ

澪がすくって来た夜光虫を見て大喜び。ちょんちょん触ったり写真を撮ったりして満喫。ありがとつゆりん!

海に帰った夜光虫に波打ち際で手を振り


栗花落・澪
【綿兎/2人】

夜光虫ってノクティルカっていうんだぁ
ほらほらワンダーさん、すっごく綺麗だよ!

綺麗に輝く海を眺めながらバーベキューの準備を
お肉とかお野菜、魚介類も持ってきたよ
ちょっと手伝ってもらったけどね

ここまで運搬を分担してくれた【ハレン】にお礼の★飴を渡し
一応タッパーも持って来たから残ったらあげるね
自由に食べて!

水着コンテストや夏依頼の思い出とか
色々談笑しながら食事を
食後は水辺に駆け寄り
足先で水面をなぞるようにくるりと数秒踊った後
夜光虫を水ごと両手で少し掬い

ワンダーさん、夜光虫!近くで見た事ある?
触ると動くんだよ、ほら

水に入れないワンダーさんにも近くで見せたいんだ
終わったらちゃんと海に帰すね


 ざざん、と砂浜に打ち寄せる波の音。
 夜海の涼しい潮風を受け、わあっ、と喜びの声を上げたのは栗花落・澪(泡沫の花・f03165)だ。
 琥珀色の瞳に映りこむのは、この期間にだけ光る生命の輝き。
 空の満天と海に光る生命が夜を彩る。
「夜光虫ってノクティルカっていうんだね。ほらほらワンダーさん、すっごく綺麗だよ!」
 海を指差しながら澪が振り向いた先には、シーカー・ワンダー(ファーフロムホーム・f00478)がぴょんぴょんと跳ねる喜びの舞い。
「ノクティルカ! 海が光ってる! きれいきれい!」
『ほんとキレ……ま、まあまあの輝きね!』
 二人と同じくわあ、という表情になっていた金蓮花の精霊・ハレンも言う。
 そんな【綿兎】が抱えているのはたくさんの食材が入った荷物。ちょっと重い。
「ちょっと腕もぷるぷるしてきたし、バーベキューの準備もしていこうね」
「わあい、バーベキュー!」
 澪の言葉に、クーラーボックスを背負ってぴょんこぴょんこシーカーが跳ぶように進む。その先にはバーベキューの道具が置いてある場所。クマさんにも運んでもらって設営する。
 荷物を置いて、ぷるぷるしていた腕を軽く振りながら澪はハレンに声を掛けた。
「ここまで運搬手伝ってくれてありがとうね。一応タッパーも持って来たから、残ったらあげるね」
 そう言って★飴を渡し、金蓮花の精霊をねぎらう。
 シーカーも、俺も、俺も、と。
「ハレンさんはありがとー! 俺からはこれ! 青くてキレイなジュース!」
 クーラーボックスから取り出したお礼のジュースをハレンに渡す。
『あ、あ、ありがと』
 受け取りながらもどこか照れたようなハレンは、目付きを強めてみたり緩めてみたり。
 そんな精霊の様子に微笑みながら、火種を作って炭を組む澪。
「火おこし成功! あったまってきたねー」
 シーカーもいるので、バーベキュー台は低めに。澪は座って調整をしていく。
「あみ置く?」
「うん、よろしく」
 澪の頷きを得て、両手で持った網を設置するシーカー。
 網の上に野菜と肉、貝ものせて焼いていく。
 肉からは脂が落ちて、じゅーじゅーと音を立て香ばしさの混じった炭の匂い。
 野菜にちょっと焦げ目がつき始め、貝からは独特な海鮮の香り。
「お肉とお野菜は、そろそろいいかな~? ワンダーさん、自由に取ってね!」
「えへへー、ありがとうつゆりん! デザートは用意してきたから一緒に食べよ!」
「わあい、デザート、楽しみだなぁ」
 何を持ってきたの? と言葉を続けた澪に「アイス!」と元気よくシーカー。
「あと、ジュースもいっぱい!」
 そんな会話をしてから、二人で『いただきます』
 最初はそのまま味わうために、胡椒もタレも無しで。
 熱々で、外側がカリリッと焼けた肉は噛めば噛むほど肉汁が出てきてとても美味しい。
 肉の部位によってはほろろと口の中でほどけるものもある。
 そこへ輪切りにした玉ねぎも放り込めば、野菜の甘味と肉の旨味のハーモニー。
「うまー!」
「ほんと、おいしいねー。ワンダーさんはもふもふにこぼさないようにね?」
「がんばる」
 ぱちぱちと爆ぜる火を見ながらのバーベキューは、自然と思い出話に花が咲いた。
 夏の始まりの水着コンテスト。そこで新調した澪の活発的に動ける水着のことや、シーカーの風船がたくさんついた浮輪のこと。それを着て遊んだ夏の思い出や、夏の食べ歩き。
「――ってこうやって話して気付くんだけど、まだ食べてないのもあるよねー」
 焼きトウモロコシ食べた? 焼きイカは? カキ氷は?
「大丈夫! 夏はまだまだあるし!」
 シーカーの声に、そうだね、と澪はにっこりと笑ってみせた。
 猟兵たちの夏休みは、まだまだ訪れるのだ。

「それじゃ行こう、ワンダーさん!」
「つゆりんー!?」
 デザートタイムも終わってのんびりしていると、ふいに澪が駆けだした。向かう先は夜の海辺だ。
 心配して追っていくシーカーであったが、ざざん、と結構な勢いで打ち寄せる波にビビってストップする。ちょっと後退った。
 シーカーの体のもふもふが海水を吸ってしまったらどうなるか――溺れちゃう予感しかない。
 波打ち際でキラキラと。
 引く波に着いて行く砂がさらさらと音を立てる。
 足先で水面をなぞるようにくるりと数秒ほど踊った澪は、屈み、両手でほんの少し海水を掬った。手の中には青白く、そして紫に輝く夜光虫。
 踵を返して、たたっと軽やかに駆け戻る。
「ワンダーさん、夜光虫! 近くで見た事ある?」
「ノクティルカ?」
「そう、触ると動くんだよ、ほら」
 触ってみる? と掬ったそれを差しだす澪。覗きこむシーカーは、ちょんちょんと優しく触れてみた。
「わあ、ほんとだ! 生きてる!」
 世界によって夜光虫の生態も違うのだろう、繁殖期となるここの夜光虫は蛍のように時々ぱかぱかと光ってアピールしている。
 その様子を写真に撮ったり、動画で撮ったり。夏の思い出がまた一つ、シーカーの中に刻まれた。
「ありがとつゆりん!」
「ううん、ワンダーさんが喜んでくれて良かったよ」
 ――っと、そろそろ海に帰してくるね。微笑んだ澪が夜光虫を海へと帰す。
「ノクティルカ! バイバイ!」
 普段なら間近に会えなかったであろう生き物に、シーカーは親しみを込めて手を振り別れを告げた。
 水に入れないシーカーにも近くで見せたかった――彼の喜ぶ様子に、澪もまた嬉しくなる。
 キラキラ、キラキラと。
 猟兵たちの夏がまた一つ、グリードオーシャンで輝いた。
大成功 🔵🔵🔵🔵🔵🔵

ガーネット・グレイローズ
ノイン(f03434)と参加
「この島は、以前訪れたことがあってね。アーチェニットと
ミミリーは元気かな」
久々の休暇。昼間はコテージで寛いだり、散歩してのんびり過ごそう。
海賊たちとも交流できたらいいね。
「今から三人で夜光虫を観に行こう。出ておいで、マン太」
陽が落ちたらイロハ、ノインと一緒に浜へ。呼びかけに応じて
巨大なオニイトマキエイが浮上してくる。
マン太は賢いしよく言うことを聞くので、たまに背中に乗せてもらうのだ。
三人でマン太に乗り、水上をふよふよ飛ぶマン太と島の周りをぐるっと巡ろう。
「まるで魔法の絨毯だね」
光放つ夜光虫は、まるで宇宙空間の星々のよう。
今夜はこの、神秘的な命の光に乾杯だ。


ノイン・フィーバー
ガーネットサン(f01964)と参加しますヨー。
「ほぅほぅ。お知り合いがいるのですねェ。会いに行ってみますカ? 折角の機会でしょウし」
コテージで給仕の真似事のような事をしてます。

・夜
「ありがとうございマす、ガーネットサン。マン太サンも、よろしくお願い致しますネ」
マン太サンにしっかりと挨拶をしてから、お供を。
もし手が空いているようならイロハサンもお誘いしましょう。

・夜光虫見学
画面に「Fantastic!」と表示しながら、
「美しい景色ですネ……」
多くは語らず、夜光虫と星空、それを反射する水面を眺めながら、そっとお二人にはワイングラスを差し出し、どこからともなくワインとジュース取り出し注ぎまス。


 砂浜に打ち寄せる波の音が少し遠くで聞こえる。
 ラグーンに建つ水上コテージ。吹き抜ける風に紗が揺れて、涼しげな奏でを披露した。
 南国の葉をあめ色にいぶし編みこんだカウチソファでくつろぐのはガーネット・グレイローズ(灰色の薔薇の血族・f01964)。ふと、読んでいた本を傾け、脚を床へと降ろした。プルメリアのアンクレットが揺れる。
 そんな彼女に気付き、声を掛けるのはノイン・フィーバー(テレビ顔のメカ野郎・f03434)だ。
「ガーネットサン、トロピカルなジュースは如何ですカ?」
「うん、もらおうかな」
 喉が渇いたことに気付き、ガーネットは頷いた。栞を挟んで本を閉じる。
 ハイビスカスのような花が飾られたテーブルへ、色鮮やかなジュースが置かれた。
「ノインはもう飲んだのかい?」
「はい、先程いただきましタ」
 ノインの言葉に、そうかと再び頷くガーネット。いつもは忙しく動く日常であったが、今は久々の休暇。時間はゆっくりと過ぎていく。
 様々な果物がミックスされたジュースに仄かな葡萄の味。そういえば、この島では葡萄が育てられていたな、とガーネットは農場の風景を思い出した。
「この島は、以前訪れたことがあってね。――アーチェニットとミミリーは元気かな」
「ほぅほぅ。お知り合いがいるのですねェ。会いに行ってみますカ? 折角の機会でしょウし」
 と、ノイン。
 ついでに、とコテージの中を見回して、
「そろそろ買い出しも必要かと」

 バカンス中の島は、以前訪れた時とはまた違う賑わいを見せていた。
 大物を釣ってきた者がいるらしく、俺に任せろと漁師たちが自身よりも大きな魚を囲んでいた。
 その輪からやや外れるように、島の頭であるアーチェニットの姿。
 知る顔を見つけたガーネットは麦わら帽子を少し持ち上げ、微笑む。
「お久しぶりです」
「――お? ああ、ガーネットさん、久しぶりだな」
 仕事中ならば今期のワインの出来高は、とか、費用の話などが広がるのだろうが今は互いにバカンス中。
「何だか凄く賑やかですね」
「ミミリーが湾の方で大物を捕まえてきてな。今日の夜は宴でもするかって話になってる」
「それはそれは」
 賑やかにもなるというものだ。つまみや酒の支度と、全力で楽しむつもりらしい。
 一方、ノインはというと。
「ああ、ガーネットさんのところの! いつも世話になっているね。これはウチで作った酒なんだよ、持って行きな!」
「ありがとうございマす」
 島のおばちゃんたちに地酒や特産品のワインを押し付けられ……もとい頂いているところ。
 画面はニッコリマークになっている。
 捌きたての新鮮な魚の包み、野菜と両腕はいっぱいになり、背中には生ハムの原木を背負った。
「大漁ですネ~」
 海上交易の恩恵といったところか。ガーネットの旗印を画面に映し、ノインは丁寧に礼を述べていった。

「凄い御馳走でしたね」
 同じく島に滞在している冬原・イロハの夕食の感想。朝一番に飾った花を回収し、水桶につける。
 ノインと一緒に食卓を片付け一段落したところで、ガーネットが二人へと声を掛けてきた。
「それじゃ食後の散歩でもしようか。今から三人で夜光虫を観に行こう」
 この夏仕立てたばかりの海賊帽を被る。
「出ておいで、マン太」
 海を臨むコテージにてガーネットが呼びかければ浮上してくる巨大な存在。
 ざぱあっと海の中から出てきたのは巨大なオニイトマキエイであった。
 頭がほんの少し上がってきて、ガーネットは撫でてやった。マン太は賢く、よく言うことを聞く。たまに背中にも乗せてもらったり。
 だから今回も、
「マン太の背に乗って、ふよふよと散歩だ」
「ありがとうございマす、ガーネットサン。マン太サンも、よろしくお願い致しますネ」
 と、マン太に向かって一礼するノイン。
 ノインに続いて挨拶をするイロハ。彼の所作を真似して礼をした。
 マン太の背に乗せてもらう。巨大なマン太に三人がすっぽりと収まった。胸鰭を海中のようにゆっくりと、上下に羽ばたくように動かしたマン太がふわりと浮く。
 ゆらり、ゆらり。島の周囲を巡る風波にのるように。
「まるで魔法の絨毯だね」
 心地の良い浮遊感にガーネットがマン太を撫でながら言った。
 三人と一匹で揺蕩う、深い夜の世界――だが静かな命灯が数多。
 夜光虫たちの青白く、そして紫の光粒の散らばりは、宇宙空間の星々よう――故郷でもちょっとした時間、ガーネットはこんな風に星を眺める。
『Fantastic!』
 ノインが画面に表示するは感嘆。
「美しい景色ですネ……」
 呟きひとつ。彼は多くは語らなかった。
 満天の空と、生命の輝きに満ちた夜の海。さらには海面の穏やかな揺れが、光をキラキラと反射している。時々、夜光虫を纏った魚が跳ねた。遠く、流れた星は海へと落ちていくように。
 ひらり。ノインが手を翻し、ワイングラスを二人へと差し出した。
 静かに行われたマジック。ノインらしい、とガーネットは微笑み、イロハはびっくり顔で受け取る。
 そうしてどこからともなくワインとジュースを取り出すノイン。昼間に貰ったもので、そのボトルはちゃんと冷やされていた。
 この島の特産である葡萄のワインとジュースを二人のグラスに注いで、ノインは自身のそれを少し掲げる。
 慣れ親しんだ所作にガーネットもグラスを掲げた。
(「今夜はこの、神秘的な命の光に乾杯だ」)
 夜のなか、輝く光粒のなか、数多の生命のなか、三人とマン太。
 ふわりふわりと進んでいった。
大成功 🔵🔵🔵🔵🔵🔵

アヤネ・ラグランジェ
【橙翠】
ソヨゴー
ここまで来てそんなレポートとかいいからさー
遊ぼうよー
大学?
学力選考はもう受かってるネ
あとは面接だけだから大丈夫

ソヨゴー
僕お腹すいたー
おおやはりそこに積まれていたのは食べ物だったのネ
原型をとどめ過ぎていてひょっとしたら飼うのかなって
ほらそいつまだ動いてる
ソヨゴの包丁捌きを楽しそうに見守る
さすがソヨゴ
熱々で美味しいネ!

シロイルカを浜辺に用意しておいて
二人お揃いの水着で
夜の海に遊びに行こう
夜光虫は大型のプランクトンだネ
光る仕組みは蛍と同じだけど
蛍が緑色なのにこちらはご覧の通り真っ青だ
衝撃で発光するためシロイルカがたてる波が青く輝く

飛ばすよ
落ちないようにしっかりつかまって!


城島・冬青
【橙翠】

猟兵の職務を忘れて島でのんびりバカンスなんて最高!
まぁ学生なんで完全にのんびり過ごすのは難しいんですが(夏休みの課題を片付けつつ)
もー、ちょっと待ってて下さいよ
そういえぱアヤネさんの方こそ大学試験の方は大丈夫なんですか?
えっ!もうそこまで…流石ですね

課題を片付けたら
ご飯のブイヤベースを作ります
はいはいちょっと待ってて下さいね〜
家じゃなかなか作れませんが
ここは新鮮な魚介類が沢山取れるから豪華な一品が作れますよ!

夜はアヤネさんのシロイルカに乗せてもらって夜光虫を観に行きます
夜なのに波がよく見えます
虫とはいいますがこれってプランクトンなんでしたっけ
綺麗で不思議な光景です…
まるで御伽噺みたい


 猟兵たちの夏休み。
 グリードオーシャンで行われた水着コンテストから、そのままバカンスへと入った者も多いだろう。
 既にいくつかの島で満喫していても、やはり開放感のあるビーチでははしゃいでしまう。
『うみだー!』
『う~み~!』
 アヤネ・ラグランジェ(十二の結び目を解き放つ者・f00432)と城島・冬青(六百六十九番目の宿木・f00669)も再び訪れたモルト・カリーナ島で、バカンスを楽しむ――……つもりではある。
(「猟兵の職務を忘れて島でのんびりバカンスなんて最高! ――とは思うんだけど」)
 しかし、やらねばならない時も確りあるのが『夏休み』。
 ラグーンにある水上コテージ。そのテーブルにノートや教科書を広げて黙々とペンを動かすのは冬青だ。そう、学生としての務め、課題があった。
 南国の葉をあめ色にいぶし編みこんだカウチソファで寝そべっていたアヤネは、読んでいた学術雑誌を閉じる。冬青へと目を向けた。
「ソヨゴー、ここまで来てそんなレポートとかいいからさー、遊ぼうよー」
 体勢に伴い語尾ものびやかに。
 そんなのんびりとしたアヤネの声に「もー」と頬を膨らませつつ応じる冬青。
「ちょっと待ってて下さいよ。あとちょっとですからー」
 やるべきプリントは残り一枚。
 それを終わらせて、てきぱきと筆記具を片付けていく冬青。
「そういえば、アヤネさんの方こそ大学試験の方は大丈夫なんですか?」
「だいがく?」
 冬青の様子を見て、アヤネも起き上がる。
「大学か。学力選考はもう受かってるネ。あとは面接だけだから大丈夫」
「えっ! もうそこまで……流石ですね」
 感心する冬青、けれども、アヤネは起き上がっても伸びきった猫のように。
「ソヨゴー、僕お腹すいたー」
「はいはい、そうですねご飯にしましょうか~。アヤネさん、お片付けとテーブルの用意と、さっきの貝を取ってきてくれますか」
 そう言って冬青がぱたぱたと駆けていく。
 片付け、課題のために退かしていた南国の花々をテーブルへと戻すアヤネ。そしてコテージの隅にある柱へと向かうと、そこに結び付けていた網を海中から引き上げた。貝がぎっしりと詰まっている。
 そのまま縁側を伝って冬青のいる場所へ。そこで目にしたのは――、
「――おお……やはりそこに積まれていたのは食べ物だったのネ」
 アヤネの視線の先にはいくつかの水桶。逃げないように網をかぶせていて、海老がいる。
「はい、しっかり食材ですよ」
「原型をとどめ過ぎていて、ひょっとしたら飼うのかなって――ほらそいつも、こいつもまだ動いてる」
 と網の中の貝を掲げるアヤネ。
 ありがとうございますと貝を受け取った冬青は、たわしで磨く。足糸を取り除いて塩水へとつけた。10分。
 うぞうぞと動く海老を掴み、背わたをとるなどの処理。
 白身魚も捌いて、と、冬青の見事な包丁捌きを、アヤネは楽しそうに見守った。

 そうして出来上がったのは、魚介類をふんだんに使った鍋料理、ブイヤベースだ。
 ベースとなったトマトスープに旨味たっぷりの海鮮。ほくほくに煮込まれた柔らかな魚の白身と貝。王の如くどどんと君臨しているのは、形そのままの海老だ。
「お~、さすがソヨゴ! 豪華だネ」
「はいっ。家じゃなかなか作れませんが、ここは新鮮な魚介類がたくさん捕れますし、豪華な一品を目指してみました!」
 買ってきた雑穀のパンは硬めなもので。スープに浸して食べるのだ。
 二人でいただきますをして、いざ実食。
 濃厚な海鮮の味と香り。さらにトマトの酸味や白ワインなどが溶けあっている。
「んん~、美味しい……!」
 ソヨゴ、凄いネ! と喜びの声を上げて食べていくアヤネの姿に、冬青も微笑んだ。

 ご飯を食べて、のんびりと過ごして。
 夜が訪れ、二人は水上バイクのシロイルカに乗って夜の海へと遊びに行くことにした。
 お揃いの水着は、コンテストではレースクイーン仕様であったが、実用性はしっかり。スポーティであるため水上バイクにはもってこいである。足にはお気に入りのアンクレットをつけて。

 涼しくなった潮風と、砂浜に打ち寄せる波の音が聴こえる――それも徐々に遠ざかっていく。
 満天の空と、生命の輝きに満ちた夜の海。
 ぱしゃん、と。跳ねた魚は夜光虫を纏い、キラキラと輝いていた。どこか流れ星の様にも思えた。
「夜なのに波がよく見えますね」
 海面の揺れは、光をキラキラと反射している。透き通った海は、夜光虫を通し、下を行く魚群も視認できた。上も下も星の海――ほんの少し、冬青はアヤネに掴まる腕に力をこめた――深い夜のなか、泳ぐ光たち。
「虫とはいいますが、これってプランクトンなんでしたっけ」
「夜光虫は大型のプランクトンだネ。光る仕組みは蛍と同じだけど、蛍が緑色なのにこちらはご覧の通り真っ青だ」
 ほら、見てご覧、とアヤネは冬青を促した。
「衝撃で発光するから、シロイルカでたてる波が青く輝くよ」
 ハンドルを操作すれば海に綺麗な円が描かれて、輪郭がぼやけるように、少しずつ散っていく。
「綺麗で不思議な光景です……まるで御伽噺みたい」
 焦点のあわない、夜と光粒の世界だ。
 音は、シロイルカと水、風、二人の声だけ。
 いつも身近な都会の喧騒などはなく、本当に自然のなかの二人。それでも生命の満ちた場所であった。
 遠く、島の灯りが見える。
 しばらくゆっくりとシロイルカを走らせていたアヤネは、頷き一つ。
「飛ばすよ。落ちないようにしっかりつかまって!」
「はい!」
 ぎゅっと。二人の体温は心地良く、あったかい。
 駆けるシロイルカが海に夏の軌跡を描いていった。
大成功 🔵🔵🔵🔵🔵🔵

最終結果:成功

完成日2020年08月05日
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