ちいさなぼうえいせん-妖精村防衛戦
●無謀な勇気
ここはアックス&ウィザーズのとある村、森へと続く道。
盗賊団を前に、長い棒を持った一人の少年が道を塞いでいる。
「こ、こっから先へはオレが通さねーぞッ!」
……村の大人達はみんなこいつらにやられてしまった。
盗賊団の襲撃直後、たまたま家へ遊びに来ていた友達のフェアリーにはみんな揃って逃げるよう伝えたが、このまま逃げ延びてくれただろうか?
それだけが気がかりであった。
「おいおい、ガキ一人が俺達を止めようだァ?」
「ゲヒャヒャヒャ、こいつぁたまげたぜ! まあ、その根性だけは認めてやるがなァ!!」
盗賊子分達が下品に笑う。
「テメェ一人が足止めして羽虫共を逃がすつもりだろうが、無駄な事よォ!」
「なんせ別の部隊が違う方向からとっくに入り込んでるからなァ! 今頃は何匹も入れ食いって訳さァ!」
その言葉を聞き、少年は愕然とする。
まさか、友達はもう既に……?
「オゥ、ガキは奴隷にすれば最低でも銀貨数枚程度にはなる。傷付けず生け捕りにしろよ」
「ヘイ親分!」
後ろから現れた、金の骨を被った盗賊団の親分が命令すると子分達は一斉に襲い掛かる。
ろくな抵抗も出来ず、あっと言う間に少年は捕まってしまい……。
●スモール・ディフェンシブライン
「みんな集まった? うん、じゃあ緊急だからすぐに始めるわね」
グリモア猟兵のアヤカ・ホワイトケープ(ロストイノセント・f00740)が説明を始める。
その様子を見るに、急ぎの事態でもあるようだ。
「今回の世界はアックス&ウィザーズ。そのとある村なんだけど、村と隣接するように広い森があって……」
森には古くからフェアリー達が暮らしており、村に住む人間とも仲良く共存している。
そんな事からこの村は”妖精村”と言う名で親しまれ、ちょっとした観光名所でもあるのだとか。
……だが最近になって妖精密猟業者が暗躍するようになり、妖精は大金になると言う話が広まってしまったため盗賊団がここに目をつけてしまったらしい。
このままでは村は壊滅し、数多くのフェアリーが捕まってしまう事だろう。
「わたしの見た予知では、盗賊の先行部隊がもう既に別方向からフェアリー達の住む森へ入り込んでるみたい。その暫く後で、盗賊団の本隊が村を襲って破壊と略奪を行ってから先行部隊と合流するそうよ。転送した直後は、既に密猟者達がフェアリーを何人も捕まえてしまっているかもしれないわ……」
でも、急げばまだ間に合うとアヤカは言う。
まず最初にすべき事は森に入り込んだ先行部隊を倒し、捕まったフェアリーの解放・救出。
その後、急ぎ村の近くにトラップなどを仕掛けて防衛線を敷いてほしいと言う。
罠にかかり子分の数が減ったとなれば親分が直接出てくるので、最後はそのまま討伐。
そうすれば盗賊団は壊走し、妖精村が襲われる事はなくなるだろう。
「気になって妖精密猟業者の事を色々調べたけど、なんでも妖精の羽は金貨数枚で取引されて妖精の”身体そのもの”も高値で売買されているそうよ。……何に使うのかは知らないし知りたくもないけど、本当にひどい話ね……!」
いったい何の用途で取引されるのか、考えただけでもゾッとする。
少なくとも命が無事でいられる保障はなく、アヤカが憤慨するのも当然と言えよう。
「あんな事をする盗賊団の連中にかける慈悲は一切無いわ。生まれてきた事を後悔するくらい念入りに、全力で叩き潰してきてね。……だって、オブリビオンだもの、ね?」
ホントはわたしも叩き潰す側に回りたかったけど、そっちはみんなにお願いするね。
そんな事を言わんばかりの笑顔だった。
……声は全く笑っていなかったが。
NS
はいどうも、NS(えぬえす)でございます。
今回はフラグメントから思い付いたネタをお送りしたいと思います。
四発目のシナリオはA&Wが舞台、妖精達を救い盗賊団を倒しましょう。
この件でアヤカは大変お怒りのようなので是非とも彼女の分までやっちゃってください。
●場所
アックス&ウィザーズ、妖精村。転送地点はフェアリーの住まう森の入口となります。
●目的
盗賊団の先行部隊に捕まったフェアリー達の解放と救出。
その後、村の近くへトラップを仕掛けて迎撃体制を敷き、子分を撃破。
親分を引きずり出して、盗賊団を撃滅してください。
●ご注意
今回シナリオ傾向はギャグともシリアスとも取れない中間型(?)なノリだと思います。
第一章はフラグメントの行動の通りに動く必要は特にありません。
挑む能力に合ったプレイングで救出をやってみてください。
それに応える形で判定・リプレイを書きます。
第二章はトラップなどで盗賊子分を迎撃するパートとなります。
どんな風に迎え撃つか(罠からユーベルコードを使う、などでも可)を書いてみてください。
判定で子分撃破数が変動します。
罠はアックス世界にある品や素材などを生かして作った物が望ましいと思われます。
リプレイはいつも通りプレイングがいくつか集まり次第、取り掛かる感じになります。
それでは、盗賊団を叩き潰し妖精村を守ってください。
第1章 冒険
『妖精密漁業者』
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POW : フェアリーを捕獲するところを待ち構えてやっつける
SPD : 拠点を見つけて囚われたフェアリーを開放する
WIZ : 売買する場所を押さえてやっつける
👑11
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●フェアリーハント
……それは猟兵が到着する少し前の事。
フェアリー達の住まう森に、招かざる訪問者達が既に何人も入り込んでいた。
目立ちにくい迷彩装備、妖精用の罠、投網、大き目の虫取り網、麻酔吹き矢……
連中はオブリビオンではなく、盗賊団に大金で雇われた密猟者である。
元々はプロのハンターだったらしいが、金貨に目が眩んで悪行に手を染めた不届き者だ。
言うまでもなく奴隷や人身売買はこの世界において重罪であり、それはフェアリーも例外ではない。
「よぉし、これで五匹目! ここまで全部メスだ!」
「お前、今日は絶好調だなぁ! しかもこいつ綺麗な羽をしてやがるじゃねえか」
「おうよ! これで金貨が更に上乗せってな!!」
およそ30センチ大の瓶の中に押し込められたフェアリーの少女が泣きながら、ここから出してと懇願している。
だが密猟者からすれば、金のなる木……当然聞き入れる訳もない。
妖精入りの瓶はそのまま鞄の中へと無造作に突っ込まれる。
「くそッ、こっちはイマイチだな……二匹捕まえたとは言え、どっちもオスじゃ価値が下がっちまうぜ」
「だが好事家なら高く買ってくれるって話だろ? 何をされるか知らんがな!」
「ハッ、違ぇねえ!」
そう言う密猟者の手にある瓶の中には、フェアリーの少年が怯えた様子で詰め込まれていた。
売れるのであれば、性別ですら見境も無いと言う事なのか。
「……よう、やってるか? 俺はさっき罠にかかった奴を捕まえたぜ」
声をかけてきた男の持つ瓶の中には、ケガをしたフェアリーの少女がぐったりとした様子でうずまくっている。
罠にかかってしまったせいなのだろう……このまま放置していては命に関わるかもしれない。
「おいおい、お前何やってんだよ。傷物にしたら価値が下がっちまうだろ」
「罠の当たり所が悪かったからしょうがねえだろ。その分、数で稼げばいいって話じゃねえか?」
そして、より邪悪な笑みを浮かべてこう言った。
「まだ見つけてない羽虫共の集落があるだろ? そこを一網打尽すれば、俺達は一生遊んで暮らせるくらい……」
「ボロ儲けってか! おっしゃあ、早いとこ見つけちまおうぜ!!」
「ああ、だが分け前は半々だぞ。それが俺達のルールだからな」
そして密猟者達は行動を再開する。
……このままでは森のフェアリー達が根こそぎ捕まってしまう! 急げ猟兵達よ!
●妖精救出!密猟者達をブチのめせ!
一行はグリモアベースからフェアリー達の住まう森の入口へと転送される。
予知の通りに行くと、この森のフェアリーは先に現地入りしていた密猟者の連中に狩り尽くされてしまい、暫く後でやってきた盗賊団の本隊が村を襲撃。
フェアリーを逃がすべく、やってきた盗賊団を足止めをしようとした村の少年が捕まってしまうと言う事になる。
……だが盗賊団がやってくるのは暫く後の事であり、今ならまだ間に合う。
まずは森で悪さをしている密猟者達を叩きのめし、捕まったフェアリーを解放するのが第一だ。
一行は手分けして密猟者達と連中に捕まったフェアリーの捜索を始める。
かくして猟兵達のフェアリー救出作戦が幕を開けた。
祝聖嬢・ティファーナ
男の子に「友達を助けようとしてくれているんだね♪ありがとう☆」と姿を見せたまま声を掛けます。
「ボクのチカラで足止めしちゃうからちょっと向こうに行こうよ♪」と動いてもらい、草の下の地面を『エレメンタル・ファンタジア』で闇X泥に変えて盗賊達の足止めする所を見せて男の子を「見付らない様に隠れておこう♪」と言って隠れて、他の精霊たちに『神罰の聖矢』で盗賊達の檻籠を壊したら風や闇の精霊たちに姿を隠してもらって逃げてもらいます☆
男の子と隠れたら『クリスタライズ』で姿を隠しておきます♪
ティエル・ティエリエル
「ボクの仲間達を捕まえて売り飛ばすなんて絶対許せない!全員ボクがやっつけてやるよ!」
住む場所が違っても同じフェアリー族のピンチに黙っていられない!密猟者達を懲らしめるよ!!
「存在感」のあるボクが囮になって密猟者達を引き付けるよ!
小さいからって油断して近寄ってきたら投網や虫取り網を「見切り」で回避して「カウンター」で目を突いちゃうよ!
罠で怪我をした子には【小さな妖精の輪舞】を使って怪我を治してあげるね♪
ふふーん、ボクの翅の粉には傷を癒す力があるんだから☆
※ティエルを捕まえて売り飛ばせばきっとかなりの大金が手に入るはず!?
※アドリブや他の方との連携も大歓迎です
コエル・フーチ
ふー……(煙草の煙を吐き出し)……よし、殺そう
生まれてきたことを公開させてやる
ああ、だめだな。頭に血が上り過ぎだ、冷静にならないと
まずは同胞たちをあの下衆共から助け出してからだ、それからでも遅くない
他の集落のフェアリーのフリで、下衆共の気を引き付ける
口調は演技で純真無垢なフェアリーのように変えておく
「集落のみんなに伝えなくっちゃ!」と下衆共が追いつける速度で逃げ
引き付けてから「不意撃ち」で【フェイント】【範囲攻撃】だ
同胞には当たらないように【誘導弾】で気をつける
適当に再起不能なくらいに痛めつけたら、同胞を解放しよう
下衆共で同胞の売り込み先を【情報収集】しておき、後で然るべきところに通報しておく
●妖精達の反撃・パート1
「ボクの仲間達を捕まえて売り飛ばすなんて絶対許せない! 全員ボクがやっつけてやるよ!」
密猟者達に対する怒りをむき出しにしているのはティエル・ティエリエル(おてんば妖精姫・f01244)。
彼女はこの世界にある、常春の地方にある妖精の国のお姫様だ。
同族の危機とあって、いてもたってもいられなかったのだろう。
もちろん、やる気を見せているのは彼女だけではない。
「……よし、殺そう。生まれてきたことを公開させてやる」
煙草の煙を吐きつつ、早々に物騒な事を言ったのはコエル・フーチ(指先の熱・f08889)。
出撃前のブリーフィングにおいて、妖精の売買と言う話を聞いてブチギレていたのだろうか。
既にその目はやる気と言うよりも、殺(や)る気に満ちている。
愛用のダブルバレルショットガン型の精霊銃、ショットスピリッツのチェックに余念が無い。
「殺すのはダメだよ、せめて痛い目に遭わせるくらいにしないと、ね♪」
そんなコエルをたしなめたのは祝聖嬢・ティファーナ(フェアリーの聖者×精霊術士【聖霊術士】・f02580)。
まだこの時点で密猟者がオブリビオンかどうか分からないため、迂闊に命を奪ってはいけないと感じたのだろう。
……もっとも、タダで済ませる気は無いと言う事だけは共通のようだが。
「……ああ、だめだな。頭に血が上り過ぎだ、冷静にならないと」
ティファーナの言葉にコエルは冷静さを取り戻す。
彼女のようなストッパーがいなかったら、割と本気で密猟者達をこの森で始末する気だったのだろう。
「とりあえずボク達なら囮になるだろうから、密猟者達を誘き出してから……」
「懲らしめる、だね♪ 捕まった子を助け出すのなら、ボクに任せてね♪」
「よし、それで行こう。フェアリーを舐めたらどうなるか、あいつらに痛いほどに分からせてやるか」
ティエルの提案に、ティファーナとコエルが賛同する。
こうして、三人のフェアリーによる反撃が始まるのであった……。
「さーて、羽虫の奴らはどこに……」
「おい、アレを見ろ!」
二人組の密猟者が指差した先に、フェアリーの姿が二つ漂っている。
言うまでもないが、ティエルとコエルだ。
高い存在感を放っている事もあってか、密猟者の目を引くのには十分なくらいであった。
「ヒュウ! こりゃあ金貨30枚はイケるぞ!」
「一匹ずつでいいな? それで分け前も半々だぞ?」
「はいよ、それじゃあやるか……!」
密猟者の二人は音を立てる事なく慎重に接近する。
手には投網や虫取り網が準備済みだ。
そしてこの辺りで届くと直感した位置で投網を投げる!
「おっと!?」
しかし、既に密猟者の接近に気付いていたティエルは寸前のところで投網を避けた!
「えっ、何……み、密猟者!? た、大変! 集落のみんなに伝えなくっちゃ!」
後ろを振り返り、網を持った密猟者に気付いたコエルが純真無垢なフェアリーを装って逃げ出す。
それも、追いつかれそうなギリギリの速度でだが……もちろん、これは演技である。
「ゲッヘッヘ、逃がしゃねえぞ羽虫ィ!」
「追うぞ、金貨の種を逃がしてたまるかよ!」
フェアリー二人組の策にはまっているとも知らず、密猟者が追いかける。
網の届く距離まで近付くと、今度は虫取り網を振り下ろす……だが、その時だった!
「これでも、食らえっ!」
ティエルが見切りで回避すると同時に、カウンターでレイピア型獣奏器、風鳴りのレイピアを密猟者の目に一撃を与えて素早く後退!
「おっと手が滑った」
それと同時にコエルも密猟者を引き付けてから、フェイントで不意撃ち(サプライズショット)で横並びの二人に範囲攻撃で顔面に魔力散弾を叩き込む!
息の合った連携だ!!
「「ウッギャァァァーーーッ!?」」
思わぬ手痛い反撃を食らい、その痛みに悶絶する密猟者達!
例えフェアリーの武器とは言え、当たり所が悪ければ実際痛い!!
「ボクのチカラで足止めしちゃうよ♪」
そこへ更に、ティファーナがエレメンタル・ファンタジアで密猟者の足元を、泥へと変化させる!
突然足元が泥に変わった事で、足を滑らせてそのまますっ転ぶ!!
「「おわッ!?」」
すると、滑った拍子で密猟者の鞄の中から瓶が飛び出してくる。
中にはフェアリーの少年が詰め込まれているではないか!
それに気付いたティファーナが素早く神罰の聖矢(シンバツ・ノ・セイヤ)を瓶に叩き込み、中身を傷付ける事なく破壊する。
解放されたフェアリーの少年が、助かったとばかりに彼女のところへと駆け寄る。
「く、くそ……オスでも金貨の足しになるんだ、逃がしゃしねえ……!」
転んだものの、すぐに起き上がった密猟者の一人がティファーナへと手を伸ばす。
しかし……
「見つからないように隠れておこう♪」
一足早くクリスタライズを使い、ティファーナはその姿を隠す。
フェアリーの少年ごと透明化してしまった以上、いくらプロのハンターである密猟者でも、その姿を見つける事はほぼ不可能であろう。
「消えた!? こ、この羽虫共……タダモノじゃねえぞ!」
「そう言う事だ。……同族捕まえて売り飛ばすとか、タダで済むとは思ってないだろうな?」
コエルが新しく煙草に火を付けたあと、ショットスピリッツを突きつけ宣告する。
その有無を言わさぬ威圧感に、密猟者二人が本能的な恐怖を感じた。
「もう二度とこんな事が出来ないように、懲らしめてやるんだから!」
ティエルもそれに続く。
弱者を放っておけない心が、悪人に対する力となるのだ。
「ふっふっふー、覚悟はいいかなー♪」
助けた少年をどこかへ隠れさせたティファーナがじりじりと近付く。
その表情こそ笑ってはいるが、痛い目を見せる気はマンマンのようだ。
「「ア、アワワワ……」」
捕まえる相手を間違えた、と密猟者は後悔する。
……そして、二人の男の悲鳴が森の中に響いた。
その後、密猟者二人を半殺しにするまで痛め付け、逃げられないように縛り付けるとフェアリー三人組は奪い取った荷物を物色していた。
瓶に入れられた同胞はしっかり解放も済ませてある。
そんな中、同胞が売られる先の情報収集をしていたコエルがある物を発見する。
「ん、こいつは……盗賊団との契約書、か?」
契約書にはこう記されていた。
『妖精捕獲の後は盗賊団首領立会いのもと、ブラックマーケットで売却。
売り上げの取り分は密猟者3:盗賊団7とする。妖精捕獲数に応じて追加ボーナス有り。
レア種は更に上乗せ。メス、子供は高価につき捕獲は慎重に……』
……などと、見ているだけで密猟者に対する殺意が再度燃え上がる内容であった。
「あ、この部分に契約者の名前が書いてあるよ」
ティエルが指差した部分には、密猟者の名前らしき物が書かれている。
これは密猟に関する重要な証拠となるに違いない。
「うんうん、これは大事に確保しておこうねー♪」
盗賊団との繋がり、密猟の証拠、ブラックマーケットの場所……
これがあれば、通報材料に使えるはずだ。
ティファーナの言う通り、この契約書は保存しておくべきであろう。
ひとまず、密猟者を二人捕まえる事が出来た。
しかし、森の中にはまだ何人かが残っており、捕まったフェアリーもいるはずだ。
猟兵の救出作戦は続く……
成功
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レナード・レッドホーク
人身売買か。
上手くやれば、そりゃ儲けは良いだろうな。
ただ、今の俺は猟兵だ。遠慮なく阻止させてもらうぜ。
斥候部隊の召喚を使用。
自分と斥候部隊で偵察をして、フェアリーが捕らえられた場所を探そう。
夜間なら暗視ゴーグルの「暗視」も使う。
拠点と、フェアリーが捕らえられた場所を見つけたら、救出開始だ。
安全に助け出すことが優先だから、戦闘は最低限。
こっそり、あるいは味方の戦闘に乗じて、潜入任務といこうか。
「目立たない」「迷彩」「地形の利用」「忍び足」で、隠密行動。
必要があれば、見張りをアーミーナイフで「暗殺」して、捉えられている場所に潜入。
救出して、そのままこっそり護送するか、自分が戦っている隙に逃がす。
フェム・ポー
あらぁ? 妖精の密猟なんてぇ、とても悪い事をする子たちがいるのねぇ?
……こういう時はぁ、ちゃぁんとぉ、お仕置きしてあげなくちゃぁ。 そんな悪いことぉ、二度と思いつかないようにぃ、徹底的にねぇ?
フェムも妖精だからぁ、わざと捕まってぇ、他の妖精の子達が捕まっているところが分かったらぁ、瓶を壊して脱出するわねぇ?
そうしたらぁ、悪い子達にオシオキの時間ねぇ。
フェムはぁ、他の人の痛みがぁ、分からないからぁ、悪い事をしてしまうと思うのぉ?
だからぁ、UCでぇ、とても、とてもぉ、痛くしてあげるわねぇ?
ちゃぁんと反省してぇ、魂の奥底からぁ、ごめんなさいってぇ、できるまでぇ、フェムはつきあってあげるからねぇ?
●妖精狩り狩り
ティエル、コエル、ティファーナの三人組が密猟者二人を返り討ちにし、捕縛したその頃。
森の中では一人のフェアリーがふよふよと宙に浮きながら移動している。
今、この状況下においては危険極まりないが、この行為は意図的であった。
(妖精の密猟なんてぇ、とても悪い事をする子たちがいるのねぇ? ……こういう時はぁ、ちゃぁんとぉ、お仕置きしてあげなくちゃぁ。 そんな悪いことぉ、二度と思いつかないようにぃ、徹底的にねぇ?)
怪しげな笑みを浮かべ、フェム・ポー(聖者の残骸・f12138)はそんな事を考えていた。
フェムは以前にも妖精密猟団の壊滅作戦に参加した事はあったが、それは氷山の一角でしかなかったらしい。
今回も密猟の話を聞いてか、こうして駆けつけたのだろう。
そうこうしている内に、フェムの背後から一人の密猟者が静かに接近すると、虫取り網を振り下ろす。
「やぁん……何をするのぉ……?」
あっけなく捕まってしまったフェムは、そのまま瓶へと入れられてしまう。
だが、これは彼女の策略である事に密猟者は気付かない。
「……お、何されるか知りたいか? ヘヘッ、お前はこれからブラックマーケットに売られちまうのさ!」
それだけ言うと、瓶を鞄の中へ詰め込む。
中には既に捕まってしまったフェアリー達が鞄いっぱいに入れられていた。
その一人から「あなたも捕まってしまったの?」と瓶越しで不安そうに尋ねられる。
それに対してフェムは……
「大丈夫よぉ、あなたたちの事はぁ、フェムがぁ、助けてあげるわねぇ」
と、答える。
密猟者の後ろには、ぴったりと何者かの影が忍び寄っていた。
(人身売買か。上手くやれば、そりゃ儲けは良いだろうな。ただ、今の俺は猟兵だ。遠慮なく阻止させてもらうぜ)
その影を操っているのはレナード・レッドホーク(人間の戦場傭兵・f00218)。
彼は歴戦の知識と経験で戦う猟兵であり、かつては報酬次第でどんな汚れ仕事もこなす傭兵だった。
だが、紆余曲折を経て猟兵となった今、こうしてオブリビオンの脅威から力なき人々を守るために戦っている。
それはもちろん、フェアリーとて例外ではない。
レナードは自身のユーベルコード「斥候部隊の召喚(スカウトチーム)」を使い、友軍の斥候部隊を召喚して密猟者の追跡に当たらせている。
大量にフェアリーを狩るのであれば、どこかに集めている場所があるはず。
そう考えた事から、自ら囮を買って出たフェムと組んで行動をしているのだ。
……そしてレナードが慎重に追跡を行っていると、森の入口に密猟者が出るのが見えた。
そこには馬車が置いてあり、馬が近くの木にロープをくくり付けられて待機している。
おそらく、密猟者達はここに捕獲したフェアリーを集めているのだろう。
まず見張りがいないか周りを確認するが、特にそれらしい姿もない。
馬車の近くで小太りの男がシートを敷いて眠りこけているくらいだ。
これは大した脅威にもならない、そう考えたレナードはフェムが動くのを待つ……。
「よし、こいつらを全部箱に詰めたら狩りの再開だな。今日は大漁だぜ……」
ほくそ笑みつつ、密猟者が鞄から一つずつフェアリーの入った瓶を木箱へ入れていく。
一人、また一人と箱へ入れられ、次はフェムの番と言うところで……
「そぉれっ」
内側から加虐の針(サディスティック・ニードル)を使い、瓶を破壊して外に出る!
「何ッ!?……ぐあぁぁぁッ!!」
そして瓶から出たと同時に、針を密猟者の腕に容赦なく突き刺す!
何しろこのユーベルコードは『この世のものとは思えない激痛を与える針』だ、その痛みは想像を絶するのは言うまでも無い。
「悪い子達にオシオキの時間ねぇ。フェムはぁ、他の人の痛みがぁ、分からないからぁ、悪い事をしてしまうと思うのぉ?」
この時を待っていたとばかりに、サディスティックな笑みを浮かべるフェム。
「だからぁ、とても、とてもぉ、痛くしてあげるわねぇ?」
そして今度は針を両足に突き刺す。
「な、や、やめ……うあ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ーーーッ!?」
「ちゃぁんと反省してぇ、魂の奥底からぁ、ごめんなさいってぇ、できるまでぇ、フェムはつきあってあげるからねぇ?」
……そして恐怖の拷問が始まった。
まずは両手、次に足、腕と針のむしろにされていく密猟者。
針が一本一本刺されていく度に出る絶叫……心が折れるのはあっと言う間であった。
「ご、ごめんなさいッ! か、金が! 金がどうしても必要だったんですッ!!」
発狂しそうな痛みを全身に受け、泣きながら自白する。
「そのためにぃ、罪のない妖精を犠牲にぃ、したのぉ?」
「と、盗賊団の奴らから、『稼げる手段がある、手を貸せばお前らにも金貨が手に入るぞ』って、さ、誘われただけなんです!」
「ふぅん、いけない子達ねぇ……」
更に針で追撃をしようとしたその時。
「フェム、それくらいにしてやりな」
レナードが小太りの男にアーミーナイフを突きつけた状態で止めに入る。
フェムが拷問をしている間にも、レナードはこの男相手に尋問を済ませたようだ。
……分かった事は以下の通りである。
密猟者は全部で六人、集めたフェアリーはこの馬車に集められブラックマーケットへ送られる手筈であった事。
盗賊団ではフェアリーを傷付けてしまうため、プロのハンターを金で雇った事。
この小太りの男はポーター、つまりは運び屋であると言う事。
大体はこんなところである。
「やれやれ、ロクでもねえな。……だが、これで大量売買は阻止出来そうだ」
「うふふ、悪い子達にはぁ、たーっぷり、オシオキが必要ねぇ」
そんな事を口にしつつ、木箱からフェアリーを解放していく二人。
密猟者と運び屋を一人ずつ捕縛する事が出来たが、森の中にはあと三人残っている。
連中をどうにかしなければ、この森に平穏は戻らないのだ。
救出作戦は大詰めに入ろうとしている……。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
ナイツ・ディン
【POW】
「狩る側の妖精がいることを見せてやろうか。」『暴れてよいのだな!?』
割とキレている旅の妖精ナイツと脳筋相棒の紅竜『ディロ』(竜槍)
変装使って少し幼い感じに。大人妖精よりかは油断してくれそう。
動物と話すで情報を集めつつ、待ち伏せ。目立たない、視力、援護射撃、スナイパーを乗せて弓矢で撃つ。
気づかれて近づかれたら槍に持ち替えて狩りに行く。
「てめーら、妖精を怒らせたらどうなるか教えてやる。」
竜化の騎士を使って巨竜化。容赦なく狩る。
逃げる奴は1、2人程度逃しておきたい。噂が広まれば狩るヤツも減るかもしれないし。
――理性がちゃんと残っていれば、だが。
※竜化は時間経過で解除、理性が戻るのは少し後。
テテルマイス・ミンスキパイア
(事前に【シャズ】を呼び出し、狼の群れを召喚。密猟者に気づかれないよう包囲網を作成します)
まずはアタシ一人で密猟者に近づき、取引を持ちかけるフリをするよ。とびきり悪い笑みを浮かべて、同類と思わせてみるさ。
「ヒッヒッヒ、アンタ達いいもの持ってるじゃないか。どうだい、アタシに売ってみないかい?こんな上等なもの、見逃せないねぇ……見逃せるはずないさ……こんな、とびきり性根の腐った人間の命はねぇ!」
相手が同類と思い油断したら、一気に狼達に襲いかかってもらって密猟者達の腕や脚を封じるよ。尋問の為にも一応命は取らないつもりだけどね、恐怖は思う存分味わってもらうさ。
〔容姿〕
黒三角帽に黒ローブ、童話的な老魔女
ポケッティ・パフカニアン
ふぅーん、妖精はお金になる、ねぇ…?
中々面白い話してるじゃない。えぇ、面白すぎて全く笑えないけど。
●POW
あたし自身がフェアリーよ?
こんな綺麗な羽(当社比)で可愛い(当社比)妖精を放っとくなんて、密猟者じゃなくたってしないわよ。
囮はあたしでいいわ、協力する気のある人がいるなら、巻き込まれないようにしなさいよ!
森の中で、一番見晴らしのいい場所で迎え撃つわ。
猟兵以外で近づいてきたヤツらは、間違いなく敵でしょ?容赦なく殺るわよ。
時削る魔弾!今日は出血大サービスよ、全員死ぬまで撃ちまくってやるわ!
注意するのは、相手の不意打ちとか飛び道具ね。
こっちは狙わなくたって、バラまくだけでいいし。回避を最優先よ!
ロティリア・マクディーナ
※アドリブ及び他猟兵との連携可
気に入らないっすね。
実に気に入らないっす。
連中は罠も張っていて、それは下手すりゃ致命傷にも成り得る物らしい、と。
……なら、敢えてその罠、嵌ってやろうじゃないっすか。
敢えて罠に掛かって連中を誘き寄せ――あわよくば残り連中全員が来ればいいっすね――タイミングを計って【戦場の亡霊】で一網打尽。
ボク自身の得物は【物を隠す】でギリギリまで隠し持っておいて――ああ、格好も普通の妖精っぽくしておくっすか――連中が混乱しきった所で取り出して攻撃に参加するっす。瀕死であっても、死んでなけりゃ問題無い筈っす。
妖精は人間を惑わすもの。
今のアンタ達の迷子の知らせは――誰にも届かないっす。
●罠
ここに至るまで、三人の密猟者と運び屋一人が猟兵達の手により捕縛された。
残った密猟者は残り三人……連中は現在、集落を捜索していた。
フェアリーの集落であれば、最低でも二、三十匹は乱獲出来ると思っているのだろう。
だが、この森は相当なまでに広い。
そう簡単に見つかるような物ではないようだ。
「うーん、ここまで不作だな。さっき罠にかかった羽虫が一つ取れたが……」
そう言う密猟者の手の中にある瓶には、妖精捕獲用トラバサミにかかってケガをしたフェアリーが一人、追加されていた。
また何も知らないフェアリーが犠牲になったのかと思われるかもしれないが、実は彼女は猟兵である。
(気に入らないっすね。実に気に入らないっす……連中は罠も張っていて、それは下手すりゃ致命傷にも成り得る物らしい、と)
傷の痛みに耐えつつ、ロティリア・マクディーナ(鋼の季節・f04370)が瓶の中で毒づく。
あえて敵の罠にかかる事で、反撃のチャンスを狙うと言う捨て身の策に出たのだ。
そのおかげで、密猟者三人が結集する事が出来たのは狙い通りである。
(あとは仲間がうまく追い込んでくれるまで耐えるだけ……ああ、それにしても結構辛いっすね……)
ひとまず止血はしたが、痛みが収まる事はない。
そして体のダメージも決してバカにならない。
瓶が鞄の中に詰め込まれると、先に入っていた瓶の中にケガをした同族がいた。
「大丈夫っすか……?」
ロティリアの問いかけには、あまり大丈夫じゃないかも、と力なく答える。
すぐにでも助けたいところではあるが、まだ反撃の機会ではないため堪える。
「助けは必ず来ますから、もうちょっとの我慢っすよ……」
今は励ますくらいしか出来ない事にもどかしさを覚えつつ、ロティリアはその時を待つ……。
「この辺りにもねえな……くそッ、羽虫共の集落はどこだ?」
「なぁアンタ達、ちょっといいかい?」
集落が見つからずに苛立っているところへ一人の老婆が声をかける。
テテルマイス・ミンスキパイア(御伽噺の魔女の如き・f13216)だ。
その姿は黒三角帽に黒ローブ、悪そうな顔をしたいかにもな童話的な老魔女である。
「な、なんだアンタは!?」
「ヒッヒッヒッ、そう怖い顔をするんじゃないよ。アンタ達、妖精を狩ってるんだろう?」
「な、なんでそれを……ん、いや、まさか……?」
密猟者の一人が警戒するも、テテルマイスの風貌を見て何かに気付く。
「そうだよ、アタシも同業者のようなものさ。妖精の羽は魔法の秘薬として取引されてるくらい、知ってるんだろう?」
「お、おお、そうだとも。……うん? って事はもしかして……」
「気付くのが早くて助かるよ。そうさ、アンタ達の狩った妖精を売っちゃくれないかい? なんなら言い値で買うよ? ヒヒヒッ!」
悪そうな顔で取引を持ちかけるテテルマイス。
どうするか、と言った顔をしている三人の目の前を突然一人のフェアリーが横切る。
「ふぅーん、妖精はお金になる、ねぇ…? 中々面白い話してるじゃない。えぇ、面白すぎて全く笑えないけど!」
先ほどの話を聞いていたのか、ピンクの髪のフェアリー……ポケッティ・パフカニアン(宝石喰い・f00314)が挑発するように言う。
気付かれないように、ポケッティがテテルマイスへアイコンタクトを送る。
「こんな綺麗な羽(当社比)で可愛い(当社比)妖精を放っとくなんて、密猟者じゃなくたってしないわよ!」
「ムムッ……アレはいい、いい材料になる! アンタ達、あの妖精を捕まえておくれ! そうすれば金貨は出せるだけ出すよ!」
「マジかよ、婆さん!」「よし来た、大金は俺が頂くぜ!」「てめえ、抜け駆けするな!」
金に目が眩んだ密猟者三人は、目の色を変えてポケッティを追いかけ始める。
あっと言う間に森の奥へと消えたポケッティの追跡劇が始まる……。
だが、それを追いかけるテテルマイスの後ろにはフェアリーが控えている事。
そして密猟者の連中を追うように、狼の群れが少しずつ包囲網を形成している事。
追う者が追われる者になっている事に、まだ連中は気付いていない……。
●妖精達の反撃・パート2
ポケッティは森の中を飛び回り、開けた場所へと出る。
この部分だけが大きな広場となっており、おそらくはここでフェアリー達が遊び回ったりしているのだろう。
もっとも、今この状況においてはここに誰もいないのだが……これから起こる事を思えば、それは幸いだったのかもしれない。
「オラ羽虫、逃がしゃしねえぞ!」
「俺達の金貨になりやがれ!」
「さあ、もう逃げられねえぞォ!」
三人がそれぞれ回りこむようにしてポケッティを包囲する。
「今、あたしの事を虫って言ったわね? ……よし、容赦なく殺るわ!」
虫と呼ばれるのを嫌うポケッティの怒りが、瞬時にマックスとなる。
三人は知らない内に地雷を踏んでいたらしい。
「ヘッ、羽虫一匹に何が出来るってんだよ!」
「俺達に囲まれた以上、抵抗したって無駄だぜぇ?」
「何よりあの婆さんがテメエを高く買ってくれるって言ったからな!」
三人がそれぞれ捕獲用のアイテムを手にする。
普通の妖精であれば、この時点で詰みだ。
……そう、普通の妖精であればだが。
「ふーん……包囲されてるのはあんた達って、まだ気付いてないの?」
しかし強気な姿勢を崩さないポケッティ。
「あん? 何を言って……え?」
ふと、周りを見ると木々の間から現れた狼の群れが密猟者三人を取り囲んでいた。
「お、狼……!? な、なんでここに!!」
「ここには小動物しかいないって話じゃ……」
持参したのは捕獲用道具ばかりで、護身用の武器はナイフ一本だけしかない連中にとって、この狼の群れを相手にするのは正直不可能である。
「こんな上等なもの、見逃せないねぇ……見逃せるはずないさ……こんな、とびきり性根の腐った人間の命はねぇ!」
悪そうな笑いを浮かべたテテルマイスが少し遅れてやってくる。
説明するまでもないだろうが、この狼の群れは自身のユーベルコード「タルジイの森の巨狼、シャズ(シャズ)」で呼び出したものだ。
金に目の眩んだ人間相手なら、取引を持ちかければ簡単に騙せる。
そう踏んだテテルマイスの策に、密猟者達はまんまとはまっていたのだ。
「バ、ババア……俺達をハメやがったなッ!?」
「ハン、騙される方が悪いのさ! ま、妖精の羽に興味がないと言えば嘘になるがね……そのために大事な命を奪おうなど、アタシはそこまで腐っちゃいないんだよッ!」
テテルマイスの一喝にたじろぐ密猟者達。
「狩る側の妖精がいることを見せてやろうか」『暴れてよいのだな!?』
そしてテテルマイスの後ろに控えていたナイツ・ディン(竜呼びの針・f00509)と脳筋相棒の紅竜、竜槍『ディロ』が現れる。
彼もまた、同族の危機であると聞きつけてやってきたフェアリーの一人だ。
当然ながら、ナイツもこの件に関してはキレていると言ってもいいだろう。
「……と、言う訳よ。大人しく降参するなら命だけは助けてもいいけど?」
ポケッティが降伏勧告を迫る。
「お、おい……どうすんだよ!?」
「無理だ、こんなのに勝てる訳ねえ……」
「……ッ、て、てめえら! こいつがどうなってもいいのか!?」
顔を見合わせる密猟者だったが、その一人が逆上して鞄の中から瓶を取り出す。
中に入っているのは……ロティリアだ。
「お、俺一人だけでも逃げ延びてやる……さあ、こいつの命が惜しいなら道を開け……」
「やれやれ、心底クズ野郎っすね……」
そう言うと同時に、傷を受けて瀕死に近い状態だったロティリアが戦場の亡霊を発動する。
この時こそが最大の好機だと踏んだのだろう。
そして、それと同時にナイツが目立たない、視力、援護射撃、スナイパーを乗せて弓矢で密猟者の腕を狙い撃つ。
「ぐぁッ!!」
手からこぼれ落ちる瓶を戦場の亡霊が砕き、ロティリアを脱出させる。
「てめーら、妖精を怒らせたらどうなるか教えてやる」
これでようやく遠慮なしにやれると分かったナイツが竜化の騎士(ドラゴンナイト)を使う。
ディロがナイツの体を取り込み巨大な竜へと変化していくのを見て、密猟者達が恐怖の叫びを上げた。
……もはやこうなってしまっては、密猟などどうでもいい。
とにかく生き延びるために今は形振り構わず逃げるしかない。
少しでも身軽になるべく、密猟者達は妖精の詰め込まれている瓶の入った鞄をその場に投げ捨てて、散り散りになって逃走を始める。
そしてそれをポケッティが、テテルマイスの狼が、ロティリアの戦場の亡霊が、竜へと変化したナイツが追跡する。
ここに、密猟者達による命がけの逃走劇が始まった。
……果たして、連中の命は無事でいられるのだろうか?
「ほ、本当に……申し訳ありませんでした……」
「俺達は金に目が眩んで……大金で雇われただけなんです……」
「も、もう二度と……密猟に手を染める事はしません……」
土下座する密猟者達の姿は痛々しいまでにボロボロだった。
……結果的に言えば、三人の密猟者はなんとか無事だった。
しかし、各々本気で殺される寸前のダメージを負ったのは事実であったが。
「はぁ、テテルマイスの婆さんに感謝しろよ。でなかったら、てめーらその場で全滅してたところだったからな……」
実際にナイツの竜変身が一番危なかったが、変身が解けた頃に「そのくらいにしておきな」と言う声を受けてギリギリ踏みとどまったのだ。
もし連中がオブリビオンであれば、そんな事は言われなかったであろう。
「あと、てめーらに言いたい事は山ほどあるが……まず、密猟の罪はしっかり償ってもらうぞ」
「「「は、はいぃぃぃぃ!!」」」
力関係が完全に逆転した以上、密猟者はただ従う事しか出来なかった。
人身売買の罪は重く、最低でも15年以上の禁錮は避けられないだろう。
犯罪の証拠となる契約書も、連中の鞄から押収済みだ。
これをこの地域の警備隊に提出すれば、ブラックマーケットは摘発、密猟に加担した者達、運び屋は揃って逮捕される事だろう。
そして、鞄の中に詰め込まれていたフェアリー達は全て解放され、ケガをした者はその場で手当てを受けて事なきを得た。
あとは仲間達と合流して、密猟者を全て捕縛出来たのを確認した後で村へ向かうだけだ。
ひとまずはフェアリー達の危機は去ったと言ってもいいだろう。
猟兵達の救出作戦はこうして完了したのである。
●救助完了、そして……
猟兵達は密猟者達を残らず捕まえ、フェアリー達を全て救出する事が出来た。
だが、ボヤボヤしてもいられない。
今度は急いで村の近くに防衛線を構築し、盗賊団の本隊を迎え撃つ準備をせねばならないのだ。
そのためにも、まずは村にこの事を伝えて協力を仰ぐ必要がある。
一行は証言協力のためにフェアリー達を連れ、村へと急ぐ。
「あ、冒険者さん達だ。こんにちは、ここには観光で来たの?」
森を出て、村へ入ると一人の少年が声をかけてくる。
一行は早速、これまでの事をフェアリー達の証言も交えて手短に説明する。
「な、なんだって!? そんな事が……しかも、盗賊団がこの村に!? 大変だ……!」
実際に捕まったフェアリー達の言葉もあって、この話はすぐに信じてもらえたようだ。
幸いまだ盗賊団がやってくるまでには余裕はある、それまでに迎撃の準備をしたいので協力してくれないかと尋ねる。
「うん、分かった! オレ、この事を村のみんなに伝えてくるよ! 罠に使える物、あんま無いかもしれないけど色々集めて回ってみる! オレの友達を助けてくれた冒険者さん達なら、村のみんなが協力してくれるだろうからさ!!」
そう言うと少年は駆け足で村内の家へあちこち回る。
……それから程なくして、この妖精村全体で盗賊団を迎え撃つための協力を取り付ける事に成功した。
さあ、迎撃準備の時間だ!
成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴
第2章 冒険
『防衛戦の準備』
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POW : 力仕事で防衛の壁作りや兵器の設置をする。
SPD : 速さで偵察や罠を仕掛ける。
WIZ : 防衛の作戦や地形利用した案をだす。
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●迫る脅威
妖精村からある程度離れた地点。
見るからに危険そうな集団が街道を歩いている。
例の盗賊団、その本隊だ。
「さて、あいつらは上手くやってくれてるだろうかなァ?」
「親分が見込んだ連中ですぜ……今回も大漁に違いねえですよ!」
「ガハハ、そうだろうよ! 今日はざっと見積もって、金貨千枚以上は稼げるかもな!」
まだ見ぬ宝の山を想像してか、盛大に笑う盗賊団達。
……だが、笑っていられるのも今の内だ。
密猟者達は既に全員が拘束され、フェアリー達は全て解放済み。
そして村の近くでは、猟兵達が既に防衛線を敷いて待機している……これから盗賊団の連中が、阿鼻叫喚の地獄絵図となる事を知らないのは幸いか、はたまた不幸と言うべきなのか。
「おーし野郎共、もうそろそろ村が見えてくる頃だ。派手にやって、今日は大宴会と行こうやッ!!」
「「「「「ウオォォーーーーーーーッ!!」」」」」
親分の号令に、子分達が一斉に吼えた。
……同じ頃、妖精村の付近にて。
村の住人の協力を得て防衛線を敷いた猟兵達は、迎撃の時を待っていた。
「……ねえ冒険者さん、フェアリーのみんなはオレがこの村で生まれた時からの大事な友達なんだ。だから盗賊団の奴らをブッ飛ばして、この村を守って……くれる、よね……?」
不安そうな目で少年が尋ねる。
一行は『ああ、自分達に任せろ』と自信を持って返答する。
……その時であった!
「来た、奴らだ! 盗賊団の連中が来たぞ!! それもかなりの数だ!!」
見張り台の上から望遠鏡で様子を見ていた村人が叫ぶ。
遠くからだが、その姿がうっすらと見えてくる。
数はここからではまだ分からないが、多い事だけは確かなようだ。
「冒険者さん!」
少年の呼びかけに、一行は頷く。
小さな命を守るための防衛線に、大きな軍団が迫る……。
さあ、盗賊団の連中に地獄を見せてやろう!
相手はオブリビオン、一切の慈悲は必要ない!!
レナード・レッドホーク
今回は、フェアリーの猟兵が多く参加してるんだな。
身体は小さくても、戦闘力は一級品。
頼もしいぜ。
他の猟兵とも協力しつつ、「戦闘知識」「地形の利用」で、防衛プランを練ろう。
敵を足止めできるルートに誘導するような形で防壁を調えたり。
どうせなら、防壁にフェアリーだけが通れる抜け道を用意しておいて、戦場を縦横無尽に遊撃してもらうのも面白そうだ。
ま、その防壁の準備も、「怪力」を使って俺がやるんだが。
小さいフェアリーに力仕事はさせられないし、仕方ねえ。
戦闘中は、「斥候部隊の召喚」を使い、盗賊団の動きを常に把握。
アサルトウェポンの「援護射撃」と「2回攻撃」で、攻撃と足止めをして、仲間の攻撃につなげよう。
ナイツ・ディン
「さーて、のこのこやってきたアホヅラを見てやるか」
エアライド・ディロで航空偵察。視力や騎乗、目立たないを使って様子を伺い、盗賊本隊が村に襲撃かけて罠にかかった所を背後から強襲。
「獲物は貴様らの方だ、狩り尽くしてやろう!」
ディロを駆りながら弓をもってスナイパー、援護射撃。ディロも炎のブレスで楽しそうに焼いている。
『竜を恐れよ、讃えよ!』
協力者がいれば紅竜の夢見た世界(スリーピードラゴン)で一緒に運ぼうか。なに、ちょっとディロに喰われるだけだ、痛くないから。
『ニンゲンはマズイから好きじゃないんだがな……』
ロティリア・マクディーナ
さっきの負傷? あァ、問題無いっす。
こン位なら、まァ良くある傷っすよ。
【SPD】
偵察ならボクがまァ適任っすかね。速さが要るってンなら、ボクのバイクが役に立つでしょうし。
相手の人数の把握もっすけど……村ごと妖精を攫って行こうってェクソ共っす。馬車なり何なり、相応の輸送手段やらは持ち合わせていると見て良いでしょう。その辺りも確認して移動速度やらを把握――狙えそうなら馬車の足回りとか壊したり遅滞行動を取ってみるっすか。
とりあえずは相手の行軍を遅くさせて村の方の迎撃体制を整えられれば上々っす。
無茶はしない程度に、判断材料を持ち帰る事を優先とするっすよ。
●サプライズ・アタック
妖精村に盗賊団の本隊が迫る。
見張りの話では、かなりの数がいるようだがこの距離で総数は把握するのは望遠鏡でもない限り難しいだろう。
「さて、こっちの準備は出来たが……どうする?」
準備の間に簡素ではあるが、丸太で防壁を建てたレナードが仲間に問う。
小さなフェアリーに力仕事はさせられないと言う事で、一部の村人と協力するような形で用意した物だ。
「なら、ディロに乗って上から敵を把握してみるぜ。空からなら安全だろうしな」
『我に任せるがいい!』
ナイツと相棒のディロが名乗り出る。
上からであれば、敵に対するアドバンテージは十分取れるだろう。
「ああ、ならボクも行きますよ。ちょっと確かめたい事もあるし、その通りに行けば少しは足止めと分断が出来るでしょうからね」
ロティリアも偵察に名乗り出る。
宇宙バイク乗りであれば、この世界の早馬よりも機動力はあり敵を撹乱するには十分と言う事か。
「……ケガの方は大丈夫?」
村の少年が心配そうに訪ねる。
ロティリアは先ほどの密猟者捕縛作戦において、わざと罠にかかった事でケガをした事は把握している。
それを知って、彼は手当てを率先して行ったくらいだ。
「さっきの負傷? あァ、問題無いっす。こン位なら、まァ良くある傷っすよ」
なんともない事をアピールする。
適切な処置をしてもらった事も大きく、いつも通りに動けるまでに回復出来た。
「よし、そこは二人に任せるぞ。俺はここで奴らをギリギリまで迎え撃つ」
「オーケー、決まりだな。さーて、のこのこやってきたアホヅラを見てやるか……ディロ、行くぞ!」
『うむ、目に物を見せてくれようぞ!』
ディロに騎乗したナイツが飛び立つ。
「それじゃあ、派手にやるとしますか……!」
そしてロティリアが宇宙バイクを駆り、敵に見つからないルートから回り込むように移動を始める。
二人が行ったのを確認すると、レナードは友軍の斥候部隊を召喚し待機する。
「それにしても……今回は、フェアリーの猟兵が多く参加してるんだな。身体は小さくても、戦闘力は一級品。まったく、頼もしいぜ」
同族の危機と言う事か、その誰しもが全力を尽くして戦っている。
「俺も負けてはいられんな」
それだけ呟くと、敵を待つのであった。
「敵の数は……大体50前後ってとこか」
『有象無象が、数だけは多いものだ』
ディロに騎乗したナイツが空から盗賊団の列を見やる。
50前後とは前方を歩いている子分のおおよその数だ。
そしてその後ろには輸送用の馬車が三台続いている。
その中にもまだ予備部隊の子分がある程度はいるのだろう。
打ち合わせではレナードが交戦を開始した辺りで後ろから奇襲。
挟み撃ちで混乱を狙い、数を減らす手筈だ。
そこから更に……
「ビンゴ、やっぱり輸送用の馬車はありましたか」
大回りするようにして盗賊団本隊から後ろの方へ隠れるように移動したロティリアが、敵の戦列を確認する。
破壊と略奪を行うのだから、輸送手段は用意して然りと言う事か。
ロティリアの狙いは、レナードとナイツが交戦を開始したと同時に輸送馬車を襲撃し、遅延もしくは戦力の分断を図ると言う物だ。
あれだけの数をまとめて相手するのは厳しいため、少しでも足止めが出来れば御の字と言ったところか。
とは言え、決して無茶はせず後退の合図が出れば素早く引き上げるつもりだ。
奇襲部隊のフェアリー二人がその時を待つ。
そして……
「ん、なんだこれは? 丸太の壁……?」
盗賊団子分の一人が、視界に入った簡易防壁に近付く。
それが合図となった。
「おいでなすったか。さあ、始めるぜ!」
「ぐぇッ!?」
レナードが挨拶代わりにアサルトウェポンによる銃撃を近付いてきた盗賊団子分に叩き込む。
突然の銃撃を受け、子分の一人が蜂の巣となり倒れた。
その後、素早く簡易防壁に隠れて狼煙を上げる。
赤い狼煙……つまりは交戦開始、と言う事だ。
「敵襲!? あの壁の向こうからか!」
「村人の奴らの抵抗か!? 構わねえ、やっちまえ!」
仲間が一人やられたを見て、即座に戦闘態勢に入る子分達。
それぞれがマスケット銃や弓矢などを構え、応戦に入る。
練度ならレナードの方が圧倒的に上だが、数的優位は向こうにある。
加えて、召喚した友軍の斥候部隊も使用時間に限度はある。
それまでにある程度の数を減らし、後続の仲間に繋げるのが目的だ。
「獲物は貴様らの方だ、狩り尽くしてやろう!」
『竜を恐れよ、讃えよ!』
そこへ、このタイミングを狙ったかのようにナイツとディロのコンビが空から奇襲を仕掛ける!
ナイツが弓を放ち、ディロが炎のブレスを吐いて敵を焼く。
「なッ、後ろから!? ぐぁッ!」
「うわあぁぁぁぁぁ、熱い、熱い、熱ィィィーーーッ!!」
小さくともその力は決して侮れない物であり、油断していた子分が三人ほど、その餌食となる。
決して無視出来ないダメージを受け、戦闘不能に陥る者も若干だが出ている。
「フェアリーを舐めるとどうなるか、その身で思い知れ!」
『雑魚共が、死にたくなくばそこを退けい!』
レナードとの連携で少しずつではあるが、本隊の戦力を削っていく。
本来であれば、そこへ後続の部隊が救援に回るはずなのだが……
「さあ、ボクを捉えられるものならやってみるっすよ!」
ロティリアが単身、宇宙バイクを駆りつつ輸送部隊にヒット&アウェイを繰り返す。
その対応に追われ、およそ10人近くがおびき寄せられている。
「クソッ、羽虫がチョロチョロと……!」
「あいつは一体何に乗っているんだ!? あんなの見た事ねぇぞ!!」
この世界に宇宙バイクは当然存在しない。
そのあまりの速度に、目が追いつくのがやっとと言ったところだろう。
「村ごと妖精を攫って行こうってェクソ共め……やらせないっす!」
ロティリアのアサルトウェポンが馬車の一台の車輪を撃ち砕く。
これで少なくとも応急修理のための時間を取られるはずだ。
分断工作は見事に成功していると言ってもいいだろう。
「……そろそろ頃合か」
防壁から身を乗り出しつつ、銃撃戦を繰り広げているレナードが呟く。
連携と分断工作で、やってきた子分の数は着実に減らせている。
重傷で戦闘不能となり、後退したのも何人かいるようだ。
だが、友軍の斥候部隊もそろそろタイムリミット……この辺りが退き際か。
防壁の後ろに隠れ、再び狼煙を上げる。
色は白……後退の合図だ。
「この辺りが退き際か。ディロ、下がるぞ!」
『雑魚共め、命拾いをしたようだな』
狼煙を見てナイツが素早く空へと上がる。
「ん、これくらいで十分っすね。引き上げるっすよ」
そして時を同じく、後退の合図を確認したロティリアも素早く反転する。
その時、馬車の中に金の骨を被った獣のような風貌の男がチラッと見えた。
おそらく、アレが親分なのだろう。
(……クソ共の親玉っすか。その首を洗って待っているっすよ)
心の中でそう呟いた。
このファーストアタックにより、子分九人を撃破。
うち五人が重傷により後退、十人が軽傷となった。
滑り出しとしては上々と言ったところだろう。
猟兵達の迎撃戦は続く……。
成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
祝聖嬢・ティファーナ
『クリスタライズ』で姿を消して、仲間の猟兵が居たら一緒に消える事を伝えます
『エレメンタル・ピクシィーズ』で風/闇/月/聖霊の力を借りて姿や気配や見た目を隠して、気付いていない間に攻撃を仕掛けて懲らしめて撃退します⭐
“オーラ防御”と“鼓舞”と“勇気”で力や応援を支援します♪
盗賊団への攻撃は『エレメンタル・ファンタジア』で火×嵐や氷×竜巻や聖×吹雪などや『エレメンタル・ピクシィーズ』の火/氷/風/光/闇/月/聖霊の攻撃を仕掛けます!⭐
怪我や状態異常には『生まれながらの光』と『シンフォニック・キュア』で癒して治します♪
コエル・フーチ
【SPD】
ずいぶんと大所帯で来たもんだ、デカい図体して寂しがり屋な奴らだ
……とりあえず、減らすか
レプリカクラフトで煙幕の罠を大量に作って
盗賊団が通る場所に仕掛けておく【罠使い】
煙幕で【目潰し】ができたら、【念動力】でナイフを素早く操り
盗賊共を浅く広く【範囲攻撃】
仲間のフリで「襲撃だ、殺せ!」と煽ってやって、同士討ちを狙おう
頃合いを見て「やめろ、同士討ちになる!一箇所に固まれ!」
と仲間のフリで誘導。盗賊が固まった所へ
魔力を火属性にした【オナモミ】を【投擲】して
【範囲攻撃】で一気に焼き払う
煽りや誘導が上手くいかなかったら【オナモミ】を投げまくりつつ
【ショットスピリッツ】の散弾をばら撒く
ティエル・ティエリエル
「大丈夫、ボクに任せておいてよ!」
同族によくしてくれる村を盗賊なんかに荒らさせたりしないよ!
密猟者達が使ってた罠を逆に利用してやるよ!「物を隠す」技能があるから見つけにくいように仕掛けるね。
森から逃げてきて、ばったり盗賊団に出くわしたフリをして何人かを罠があるところまでおびき寄せるんだ!
ふふーん、ボク、「存在感」があるからね!きっといっぱい釣れるよね♪
罠にかかって混乱したところを【妖精の一刺し】でどんどんやっつけちゃうよ☆
敵が反撃してきたら「敵を盾にする」で同士討ちさせちゃうぞ!
フェム・ポー
悪い子たちがまだまだたくさん来るのねぇ?
うふ。うふふっ……ちゃんとみぃんな『救って』あげなくちゃねぇ?
相手は沢山いるみたいだしぃ、村の方に被害が出てはいけないわねぇ?
それならぁ、UCでフェムの愛しい愛しい『子供達』を呼んでぇ、一緒に遊ぶことにしようかしらぁ。
(闇の光を帯びた妖精の体から黒く蠢く闇が染み出し、滂沱の如く落ちて、大きな黒い水溜りを作る。そこから人間大の肉人形が次々と這い出てきて、歓喜するように牙の並んだ口をガチガチと鳴らす)
うふふ。みんな元気いっぱいねぇ。
でも、遊んでいいのはぁ、悪い子たちとだけよぉ?
(肉人形の群れは小さな妖精に恐れを見せ)
いい子ねぇ。それじゃあ、行きましょぉ?
●絶対防衛の誓い
「凄い、凄いや! あんな数の盗賊団なのに、冒険者さんが圧倒してる!」
少年はレナードの敷いた第一防衛線の後方……村とは大分近いところにある第二防衛線の見張り台の上から、望遠鏡で迎撃の様子を見ていた。
数的不利を物ともしない戦いぶりにただ感嘆するばかりだ。
「ね、守ってみせるって言ったでしょ。大丈夫、ボク達に任せておいてよ! 同族によくしてくれる村を盗賊なんかに荒らさせたりしないよ!」
ティエルが胸を張って言う。
迎撃準備で村の人々と触れ合った際に知ったのだが、ここは人間とフェアリーの夫婦が少数ではあるが暮らしている。
異種族間であっても愛は生まれると言う事なのだろう。
であれば、尚更この村を守らなければならない。
少年とそう約束したのだ。
「そうそう。こんな素敵な村、絶対にやらせないんだから」
ティファーナもそれに続く。
フェアリーは大事な友達、少年がそう言った事を嬉しく感じたのは確かだ。
密猟の話を聞いた時、悲しそうな顔をしていたのは忘れられない。
世の中の人間が皆、彼のような考えを持ってくれればいいのにとティファーナは思う。
「そろそろここも危なくなる。村の中へ下がっていてくれ」
愛煙している煙草”Jaeger”を吹かしつつ、コエルが少年に退避を促す。
密猟者捕縛作戦の時は悪党共を半殺しに出来た事で、少しはスッキリした。
だが、黒幕を叩きのめさない限りはその鬱憤が晴れる事もないだろう。
何せ相手はオブリビオンだ、遠慮はいらない。
「悪い子たちを『救って』あげるのはぁ、任せてねぇ」
意味深な笑みを浮かべるフェム。
密猟者は『救った』ので、次は盗賊団の連中を……と、言う訳なのだろう。
もっとも、更に容赦のない手段に出る事は間違いない。
それがフェムのやり方なのだ。
少年が見張り台から降りて、村の中へと退避してから少ししてレナード達が戻ってきた。
派手に暴れてきたらしく、数はある程度減らす事が出来たと聞く。
ここから更に子分の数を減らしてしまえば、親分を引きずり出す事が出来るはずだ。
フェアリー四人組の反撃が、今始まる!
●続・妖精達の反撃
「くそ……まさか村人じゃなく冒険者から迎撃を受けるとは……」
「村の奴ら、俺達が来る事を予測してたのかもしれねえな」
比較的軽傷で済んだ盗賊団子分が、応急処置を終えて進軍を再開する。
やられた者や重傷からの後退した者もそれなりに出たが、親分の命令は『このまま進め』であった。
多少やられたくらいで、侵略は止めないと言う事なのだろう。
戦闘でボロボロとなった急ごしらえの防壁を抜けると、村が見えてくる。
するとそこへ……
「あわわ、まさか密猟者に追われるなんて……あっ、盗賊団!?」
子分の目の前をティエルが横切ると同時にわざとらしく驚く。
もちろんこれは演技だ。
「羽虫だ! こいつ、森から逃げてきた奴か!?」
「運のいい奴め……だが俺達に出会ったのが運の尽きだな!」
捕まえれば親分から報酬が出る事から、あっさりと演技に引っかかる。
「うわー、やだー! 売られたくなーい!」
そして村の方向へとターンし、ティエルが逃げ出す。
「ギャハハ! 逃がしゃしねえよ!」
「金貨はいただきだ!」
それに釣られて子分二人が追いかけるも……
ガチンッと言う金属が挟まれるような音と共に、密猟者から奪った小さいトラバサミが子分の足に食い込む!
「「ウギャァーッ!?」」
物を隠す技能のあったティエルが巧妙に地面に溶け込ませていたのが幸いしたか、感知される事なく罠にかかってしまったようだ。
いくら妖精用の罠とは言えど、人間がかかっても実際痛い!
それが足なら尚更だ。
「マヌケが、何引っかかってんだよ! 行くぞみんな、村はすぐそこだ!」
防壁の後ろからやってきた残りの子分達が次々と押し寄せる。
数人はダメージを受けた馬車の修理に追われているが、その数はまだまだ多いと言わざるを得ないようだ。
しかし、次の瞬間であった!
土の中に隠れていた煙幕の罠が一斉に起爆し、周辺へ煙を撒き散らす!
これはコエルがレプリカクラフトでいくつも用意していた物だ。
罠は二つあったのだ。
「なッ、煙幕だと!? みんな、気を付けろ! 敵はどこから……」
その時、ナイフが突然飛んできて煙で目潰しされて身動きの取れない子分達を浅く切り裂く!
これもコエルが念動力で操った物であり、撹乱目的による攻撃だ。
「うわッ!? て、敵か!?」
「襲撃だ、殺せ!」
突然の見えない攻撃を受け混乱する子分達を煽るよう、コエルが叫ぶ。
これが冷静な思考の持ち主であれば看破していたであろうが、悲しいかな相手は盗賊団の子分だ。
この状況下で冷静な判断でいられるはずもない。
「くそォ、そこか!」
声のまま、闇雲に手持ちのマスケットを撃つ。
しかし、それは自殺行為に他ならなかった。
「ぐへぁッ!?」
運の悪い子分一人が頭を撃たれて地獄行きとなった。
コエルの術中に完全にハマったとも言えよう。
しかし、コエルの策はまだ止まらない。
「やめろ、同士討ちになる! 一箇所に固まれ!」
もっともらしい事を言い、更に子分達を煽る。
確かにこの状況下なら、固まった方が同士討ちの確率も減るだろう。
「た、確かに固まる方が安全か!」
「みんな、固まれ! 武器は下ろすな!!」
言われるがままに固まる子分達だが……
「マヌケ共が、簡単に引っかかって……そらよ」
コエルが魔力を火属性にした魔力式の手榴弾『オナモミ』を固まった所へ投げ込む。
そして、炸裂。
煙の中から子分達の悲鳴と絶叫が上がった。
「うふふ、楽しそうねぇ。それならぁ、フェムの愛しい愛しい『子供達』を呼んでぇ、一緒に遊ぶことにしようかしらぁ」
阿鼻叫喚の地獄絵図を見て笑うフェムが動く。
「おいで、おいでぇ? 醜くかわいい愛子達。お遊戯の時間だよぉ?」
その声と共に闇の光を帯びた妖精の体から黒く蠢く闇が染み出し、滂沱の如く落ちる。そしてそれは大きな黒い水溜りを作った。
そこから人間大の肉人形が次々と這い出てきて、歓喜するように牙の並んだ口をガチガチと鳴らしたではないか。
フェムのユーベルコード、愛虐の忌子(カースド・スポーン)だ。
呼び出されたそれは、今にも暴れ出したくてたまらない様子である。
「うふふ。みんな元気いっぱいねぇ。でも、遊んでいいのはぁ、悪い子たちとだけよぉ?」
フェムの声を受け、肉人形の群れがビクリと恐怖する。
このようなおぞましい何かも、産みの親(?)には逆らえないのか。
「悪い子たちは大きい人間よぉ? いっぱい『救って』あげるのよぉ?」
命令を理解したのか、肉人形の群れが口をガチガチと鳴らす。
「いい子ねぇ。それじゃあ、行きましょぉ?」
その命令を待っていたとばかりに、肉人形の群れが煙の中へ突入する。
「くそ、こいつらかなり出来るぞ……みんな、煙から出るんだ!」
子分の一人が呼びかけると、煙の中から何かが出てくる。
「よし、無事か……う、うわあぁぁぁぁぁッ!? なんだこいつはッ!?」
肉人形が突然現れ、恐怖の叫びを上げる。
そして、それは容赦なく子分に喰らい付いた。
子分達の恐怖の悲鳴と死への絶叫が再び聞こえてくると、フェムは実に満足そうな笑みを浮かべる。
「いい子たちねぇ、嬉しそうな声を上げちゃってぇ、嬉しいわぁ」
それはまさにゾクゾクとしたような恍惚とした表情であった。
しかし、煙幕の混乱の中から何人か出てきた子分もいた。
「くそッ、羽虫の分際で……」
元凶を潰してしまえば少しはなんとかなる、そう思ったのか。
ナイフを構え、フェムとコエルの元へと走り出す!
だが、そこへ……
「いっくぞーーー!! これがボクの全力全開だよ☆」
見えないところからいきなり姿を見せたティエルが、妖精の一刺し(フェアリー・ストライク)を子分の足にお見舞いする!
「痛ってぇぇぇーーーッ!?」
突然の攻撃を回避出来るはずもなく、激しい痛みに悶絶!
ティファーナのクリスタライズで姿を隠していたところからの奇襲攻撃だ。
「ち、ちくしょーッ! この羽虫が、くたばりやがれーッ!」
痛みを堪えつつ、ティエルに狙いを変えてナイフを向ける。
だが、そんな事は予測済みだとばかりにティエルは敵を盾にする事で回避!
盾にされた子分の体に突き刺さるナイフ!!
「おご、ごごご……なん……で、俺、が……」
当たり所が悪かったのか、運の悪い子分はそのまま絶命した。
しかし、敵の不幸はまだ続く。
「みんな、下がってー! そろそろ大きいの行くよー♪」
ティファーナの呼びかけに、ティエル、コエル、フェムの三人が後退する。
「悪い奴らは、みーんな吹き飛ばしちゃうぞー! 巻き起これ、炎の、たーつーまーきー♪」
エレメンタル・ファンタジアを発動させると炎の竜巻が巻き起こる!
このユーベルコードは制御が難しく暴走しやすい欠点はあるが、この時においてはそんな事は関係ない。
敵を吹き飛ばす事が出来れば、それで十分なのだ。
「ウ、ウゲェェェーッ!? 炎の竜巻だ!!」
「や、やべえ! 逃げろ、逃げろォーッ!!」
煙幕がやっと晴れたと思ったら、恐ろしい物が視界に入ってきた。
迫る炎の竜巻を見て、巻き込まれてなるものかと子分達が一斉に散らばる。
運悪く逃げ遅れた二人が、炎に焼かれて竜巻の中へ吸い込まれ、どこかへと飛ばされていく。
……そして後に残ったのは、フェアリーを侮った愚か者達の成れの果てがいくつも転がっていた。
このセカンドアタックにより、子分十八人を撃破。
軽傷・重傷者多数と言う大戦果を上げる事に成功したようだ。
●真打登場
猟兵達の迎撃は大成功に終わった。
多くの数を従えていた盗賊団も子分が次々と倒れ、既に半壊状態。
その状況を受けてか、ついに痺れを切らした親分が後ろから現れる!
「おいテメェら、何やってんだ!」
「お、親分……村の連中、ヤバすぎますぜ……。まるで俺達が来るのを知ってたような迎撃を……しかも冒険者の奴らまで……」
瀕死の重傷を負った子分が命からがら逃げ出してくると、状況を報告する。
「何ィッ!? ……クソッ、まさか冒険者の奴らを雇ってたとはな……密猟の話が広まりすぎたせいか……?」
フェアリー大量失踪の話やブラックマーケットでの高価取引で、ここ最近は妖精密猟の話が大きくなってきたのは確かにある。
で、あれば妖精の宝庫とも言えるこの村に護衛を付けるのは、ごく自然と考えたのだろうか。
「親分、ど、どうしやす……このままだと……」
「チッ……しょうがねえ、生き残った奴らを全員後ろに下げろ。ここで全滅したら目も当てられねえ……なら俺様が冒険者の奴らを始末する。狩りはその後でいい!」
「わ、わかりやした! ……みんなー、一時後退だ!! 親分自らが出るぞォー!!」
号令を聞き、ケガの大小を問わず生き残った子分が一斉に下がる。
この辺りの統率力はさすがと言うべきなのか。
「冒険者の奴らめ、多少はやるようだが……この俺様を相手にした事を後悔させてやるぞォ!!」
予定通り、親分を引きずり出す事に成功した。
いよいよ最後の戦いが始まる……!
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
第3章 ボス戦
『呪飾獣カツィカ』
|
POW : 呪獣の一撃
単純で重い【呪詛を纏った爪 】の一撃を叩きつける。直撃地点の周辺地形は破壊される。
SPD : 呪飾解放
自身に【金山羊の呪詛 】をまとい、高速移動と【呪いの咆哮】の放射を可能とする。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
WIZ : カツィカ・カタラ
【両掌 】から【呪詛】を放ち、【呪縛】により対象の動きを一時的に封じる。
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴
|
種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「ナミル・タグイール」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●決戦!親分をブチのめせ!!
子分の半数以上を撃破し、ついに親分が目の前に現れた。
こいつを倒せば、この村は救われるだろう。
「テメェらか、俺様の子分をやったのは……」
計画を台無しにされたのか、その目は怒りに燃えている。
「羽虫共を金貨に変える計画を邪魔しやがって……絶対に許さねェぞ!」
フェアリー達を金儲けの道具としか見ていない外道に負ける訳にはいかない!
だが、盗賊団を率いる親分だ……その強さは生半可な物ではないだろう。
「俺様を舐めるなよ! テメェらを始末して、俺様だけでもこの村を破壊し尽して……羽虫共を狩り尽くし、計画を進めてやるわッ!!」
親分が吠える。
さあ、これが最後だ!
今こそ猟兵の力の差を、その身で分からせてやろう!!
祝聖嬢・ティファーナ
妖精を捉える敵の首領が出て来て、ティファーナの精神に暗いモノが出来ると『月の精霊』が『怒りと憎しにと滅意』をエサに新たな“チカラ”が生まれて『月霊死屍輪舞』が目覚めてティファーナは動きません☆
紅葉とひかりが起こしてくれて、『エレメンタル・ピクシィーズ』と『神罰の聖矢』で攻撃を仕掛けます♪
2人の怪我や状態異常を『生まれながらの光』と『シンフォニック・キュア』で治し癒します☆
風/月/闇/光の精霊が攻撃をしてくれているのにも“祈り”“鼓舞”“勇気”“オーラ防御”を2人と精霊聖霊たちにも送ります♪
2人が心配したら『クリスタライズ』も使います☆
心を込めて成敗を決めて“歌唱”して送ります♪
2人以外にもです
草剪・ひかり
POW判定
お色気、即興連携、キャラ崩し描写歓迎
他でもないティファちゃん(f02580)から、お友達のピンチに手助けを頼まれちゃ嫌とは言えないよね!
だけど、ティファちゃんはお友達のピンチにちょっと気持ちが逸りすぎかな……?
大丈夫だよ、いつも通りに私たちが力を合わせれば、きっとお友達を助けられるから!
そうやってティファちゃんを励ましつつ、巨躯と怪力を誇る敵と真っ向勝負!
正直、苦しい戦いだけど……それでも挫けずに立ち向かう姿をティファちゃんに魅せつけるよ!
そしてティファちゃんの力に怯んだ相手に、必殺のアテナ・パニッシャーを叩き込む!
この一撃で沈められるとも思わないけど……タダで済むわけも、ないよね!
紬雁・紅葉
ティファ―ナと一緒に行動
彼女への危害は庇って受ける
草剪・ひかりと一緒に行動
心底呆れ苦笑
まぁまぁ、盗人猛々しいとは言ったものですが…
ふとティファ―ナの様子に気づき、起こす
駄目よ?ティファ―ナ?
怒るのは…鬼の役目よ?
"剣神"の神霊体を宿し破魔+風属性の衝撃波で怪力を交え斬り吹き飛ばす
敵の攻撃はオーラ防御や耐性を併せ衝撃波カウンターで吹き飛ばす
叶う限り吹き飛ばす方向は草剪さんの方へ
小虫羽虫に届かぬ者が
小虫羽虫と他者を言う
二束三文儲けたつもりで
自分の命に値札を下げる
お前は願下げです!
敵が弱ったら力を溜め吹き飛ばして
とどめは草剪さんに送る
※アドリブ、緊急連携、とっさの絡み、大歓迎です※
●共に巨悪を討て
目の前に現れた盗賊団の親分を前に、ティファーナの心に黒い何かが目覚める。
密猟者はこいつに金で雇われ、森で密猟を行っていた。
……大本を辿れば、全ての元凶はこの存在にあると言ってもいいだろう。
そう思うだけで憎しみと殺意が心を支配していく。
(倒す、倒す、倒す、倒す、倒す、倒す、倒す、倒す……)
本人の意識しないところで、月霊死屍輪舞(ムーン・デッド・ロンド)が発動し、月の精霊がその姿を現す。
だが、ティファーナは一歩も動かない。
今の彼女は怒りと憎しみ、そして滅意だけがその力となっていた。
このまま放置していては色々な意味で危険な事になるかもしれない。
仲間達がそう思い、声をかけようとしたまさにその時。
村の中から二つの人影が駆け寄ってきた。
「お待たせーっ! まだ間に合……った、ようね!」
「ええ、しかもベストなタイミングでね」
現れたのは草剪・ひかり(次元を超えた絶対女王・f00837)と紬雁・紅葉(剣樹の貴女・f03588)であった。
何故この二人がやってきたのか?
……それは暫く前、密猟者を捕縛した後で村の近くに防衛線を敷いている時の事であった。
まだ時間に余裕があると言う事で、ティファーナが一旦グリモアベースへと戻り、ベース内に来ていた二人の友人に救援を要請していたのだ。
事情を聞いた二人は快諾し、準備が出来次第すぐに駆けつけると約束、そして現在に至ると言う訳である。
もっとも、このタイミングでやってきたのは実にベストであったようだ。
「駄目よ? ティファ―ナ?」
自我を失いつつある状態から紅葉の言葉を受け、ハッと我に帰る。
目から消えていた光が戻っていく。
「あっ、ボクは……何を……?」
「憎い奴を目の前にして、冷静さを失ってたよ? ティファちゃんはお友達のピンチにちょっと気持ちが逸りすぎてたのかな……?」
ひかりが諭すように言う。
ここまで同族を助ける事は出来たが、元凶がまだ生きているのだ。
それを目の前にして、冷静でいられなかったのだろう。
「わわっ、そうだった!? ご、ごめんっ……つい」
「大丈夫だよ、いつも通りに私たちが力を合わせれば、きっとお友達を助けられるから! お友達のピンチに手助けを頼まれちゃ嫌とは言えないよね!」
「ええ、それに……怒るのは……鬼の役目よ?」
そう言うと、ひかりと紅葉がティファーナの前に立つ。
「……と言う訳で、ティファちゃんから話は聞かせてもらったわ! か弱いフェアリーを捕まえて売り飛ばす悪党……なんとも分かりやすい悪玉(ヒール)ね!」
「まぁまぁ、盗人猛々しいとは言ったものですが……」
ビシッと親分を指差し熱く宣言するひかりに対し、紅葉は心底呆れたように苦笑する。
しかし友のためにここまでやってきて、その悪の親分を共に倒そうと言う心意気は本物だ。
「私達があなたをスリーカウントフォールするわ!」
「覚悟の方はよろしいかしら?」
そして戦闘態勢に入る。
「フン、女が増えたところで……まあいい、殺さず奴隷にして売ってくれるわ! 気の強い女は需要があるからなァ!!」
援軍が現れようと、強気の姿勢を崩さない親分。
双方とも睨み合い……そのまま同時に仕掛ける。
今ここに、戦いのゴングが鳴ったのだ!
「フンハァァァーーーッ!!」
先に仕掛けたのは親分であった。
右腕が漆黒のオーラに包まれて、そのままひかりへ向けて……爪を振り下ろす!
しかしそれを素早く避けるも、爪が地面に叩き付けられると同時に、衝撃波が走り、土煙が上がる。
それはまるで極小の隕石が落着したかのごとき衝撃!
近くにあった岩が余波を受け、粉々に粉砕される。
「ッ、こいつは……かなりのパワーね!」
その力の強さを率直に認めるひかり。
只者ではない相手だと、一目見て判断したがこれ予想以上だ。
「いざ、参る!」
次いで巫覡載霊の舞を発動し、"剣神"の神霊体を宿した紅葉が反撃する!
解除するまで毎秒寿命を削る荒業だが、そうでもしなければ倒せない。
そう踏んだのだろう。
破魔と風属性の衝撃波を次々と飛ばす。
「ぬぅぅぅぅぅッ!」
紅葉の猛攻をガードする親分。
衝撃波はカマイタチとなり、その野獣の肉体に無数の切り傷を作る。
「フン、少しはやるようだな! だが、そうでなければなッ!!」
ニヤリと笑うと、親分を両掌を紅葉に向け、黒い光……呪詛を放つ。
カウンターで放った呪詛が紅葉に命中し、呪縛を受けて動きを封じられる。
「……これは!?」
「これこそが俺様の力よ! この力で冒険者共を血祭りに上げてきたのさ!」
親分が豪快に笑う。
確かにこの攻撃は侮れないものがある……対処法がなければ、だが。
「♪~」
しかし、そこへ癒しの歌声が風に乗って流れてくる。
ティファーナがシンフォニック・キュアを使い、呪詛を打ち消したのだ!
「援護ならボクに任せてね!」
「な、何ッ!?」
「戦っているのは、わたしだけではないと言う事よ。……さあ、反撃と行くわ!」
紅葉が再び衝撃波を放つ。
親分もそれに負けじと呪詛を再度放つが……
「一度見た攻撃、二度と通用するなど……!」
呪詛の光を紅葉の衝撃波が打ち消す!
更に、そこへ……
「歌唱う、我らが精霊・聖霊・月霊よ♪ 歌い、踊り、唄い、舞踏れ♪ 素ノ源ヨリ来タレリ…」
ティファーナが援護射撃として、エレメンタル・ピクシィーズを放つ!
その数、実に120本もの魔法の矢が休む間もなく襲い掛かる。
「お、おのれ……!」
弾幕を回避しきれず、親分はガードを固める。
その巨体も仇となったか、そのほとんどが命中した。
そして立て続けに被弾した事で、体勢が崩れたその瞬間をひかりは見逃さない!
「今がチャンスね! 紅葉さん、ツープラトンよ! お願いッ!」
「任されて!」
ひかりの合図を受け、紅葉が動き出す。
「小虫羽虫に届かぬ者が小虫羽虫と他者を言う。二束三文儲けたつもりで自分の命に値札を下げる。……お前は願下げです!」
「ぬおぉぉッ!?」
素早く親分の後ろに回り込み、力を溜めた一撃で吹き飛ばす!
吹き飛ばした先は……ひかりだ!
「ま、まだ俺様の腕は……動くぞ!」
しかし吹き飛ばされた体勢でありながら、親分の左腕に漆黒のオーラが宿る!
またあの強烈な爪撃を叩き込むつもりなのか!?
「この一撃で沈められるとも思わないけど……タダで済むわけも、ないよね!」
それに臆する事なく、ひかりは右腕を振りかぶる。
……その時、どこからともなく声が聞こえてきた!
(さぁ、絶対女王草剪ひかり! ここで遂に、激闘に終止符を打つ必殺の右を繰り出すか!?)
どこから流れてきたのかは定かではないが、その声こそが引き金となる!
「あ、あぁっ!? あ、あの技は!?」
村の中に退避したはずの少年が、いつの間にかその戦いぶりを見て叫ぶ。
次の瞬間、飛んできた親分の爪撃を僅かに避けると、ひかりのユーベルコード“戦女神の断罪の斧”アテナ・パニッシャー(ジョオウヒカリノヒッサツミギラリアットガサクレツ)が炸裂する!
「ぐおぉぉぉーーーッ!?」
そして大きく親分が吹き飛ばされる。
強烈な一撃が……決まった!
成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
ナイツ・ディン
目立たない、忍び足で近づき盗み攻撃。
頭のジャラジャラでも奪ってみようか。
「趣味の悪い飾りだ。まあ、趣味の悪い所なら売れるか。」
ま、俺を売るよりは安い品なんだろうけどな。
他の猟兵で隙が出来たら竜槍ローアで解呪の力(封印を解く)を込めて槍投げ。これなら飾りから力を得ることもできんだろう。制御出来ない呪詛で苦しめクズが。(激おこ)
ローアに解呪をさせている間にディロに持ち替えて攻撃をしていくか。呪詛で速度勝負するようなら俺は反応速度で対応(第六感)だな。……ま、速さでも負ける気は無いが。盾や装備を投げ捨て、ダッシュ込みの飛翔で貫くぜ。(フラッシュニードル)
『ナイツは我のものだ!』
「いや売り飛ばすなよ」
レナード・レッドホーク
親玉のお出ましだな。
相手は強そうだが、逃げないなら好都合。
盗賊団ごと一網打尽にするチャンスだ、もう一仕事頑張りますか。
「戦闘知識」で味方にアドバイスをして、チームで連携をする。
敵さんはバリバリの攻撃タイプだな。
味方が動きやすいように、俺が囮になって敵の攻撃を引きつけよう。
「地形の利用」で遮蔽物(残った防壁等、何でも使う)を確保。
「2回攻撃」と「援護射撃」して、敵の気を引き足止めをする。
相手の攻撃は「フェイント」や「見切り」でやり過ごそう。
敵の「呪獣の一撃」で遮蔽物が破壊されたら、「逃げ足」で次の遮蔽物へ。
弾を撃ちきったら、「ナイフ・コンバット」で対抗。
高速移動に追いつけるといいんだが。
コエル・フーチ
羽虫が欲しけりゃ体にハチミツでも塗って森で突っ立ってろ
私らはフェアリーだ、虫と一緒にしないでくれ
なあ、金貨に集るウジ虫の親分さんよ
【高速詠唱】で『熱線の雨』を装填したダブルバレルのショットスピリッツを構え
左右2つのトリガーを引き【2回攻撃】で『熱線の雨』の熱【属性攻撃】だ
【念動力】で敵の動きを阻害した後に、更に時間差【フェイント】を入れた
110本×2発の熱線の【誘導弾】で敵を集中攻撃する
味方の援護が必要な場合はショットガンの【援護射撃】で
カツィカ・カタラで動きを止められたら「念動領域」で念動力で身体を無理矢理に動かして回避する。
テテルマイス・ミンスキパイア
アタシの存在はまだ気づかれていないみたいだねぇ。金の骨を被ったアイツが親玉かい?わかりやすくていいねぇ……ヒッヒッヒ!(【シャズ】の背に乗って空中で待機します)
さてさて、【エレメンタル・ファンタジア】で何を呼び出してやろうかねぇ。どれ、アイツの好きな金キラでも降らせてやろうか。『金』属性の『ファフロッキーズ』で、金色の墓標でも降らせてやるよ。使う金属は……金は勿体ない、真鍮にしてやろう。心が貧しいアンタには、金より貧金がお似合いだよ!ヒーヒッヒッヒ!
狼の群れを呼び出して相手を一定の場所に留め置いてから、巨大な墓石型の真鍮を降らせるよ。これで終われば良し、ダメならシャズに切り刻んでもらおうかね。
ティエル・ティエリエル
「お前が密猟者のボスだな!ボクの仲間達をこれ以上襲わせないぞ!」
ボクのことを商品にしようとしたら、「ボクらは売り物じゃないもん」とあっかんべーってやるよ!
戦闘では得意の【SPD】を活かした戦い方をするね♪
自慢の翅と【スカイステッパー】を使って空中からのヒット&アウェイで戦うよ!
敵の攻撃は「見切り」で回避して、そのまま「カウンター」で風を纏わた「属性攻撃」だよ!
※アドリブや他の方との連携も大歓迎です
ロティリア・マクディーナ
金、金っすか。清々しい位に下らない理由っすね。
そンなモンの為に、アンタはどンだけふざけたコトをやってきた?
【SPD】
そっちも速さには自信があるようっすけど……その速さを出すのに無茶しなきゃならねェのなら、存分に無茶をさせてやろうじゃないっすか。
【ゴッドスピードライド】を使って走り回りながら【時間稼ぎ】狙いで弾をバラ撒くっす。【2回攻撃】を活かして弾幕はなるべく絶やさない様にしておくっすかね。
基本けん制、本命は他の皆に任せるつもりっす。
他に気が向きそうなら【殺気】を込めた急所狙いで強引にこっちを向けてやるっす。
地獄の沙汰も何とやら、らしいっすケド。
地獄にゃ財貨は持ち込めぬ、とも言うらしいっすよ?
フェム・ポー
うふふ。一番悪い子ちゃんが出てきてくれたのねぇ?
オブリビオンってぇ、かわいそう、かわいそうねぇ? わざわざ『現世』(苦界)に迷い出てきてぇ、罪を重ねるなんてぇ。
でも安心してねぇ。ちゃんとフェムが『救って』あげるからねぇ?
UCを使って真の姿も解放してぇ、変身(人間大で、黒く輝く天使の輪を浮かべた姿)するわねぇ?
貴方の全てぇ、フェムが受け止めてあげるわぁ。フェムと一緒に還りましょぉ?(全身にまとった存在の境界をとろかし、生命力吸収の力を持った闇の光と、魔力で生み出した呪鎖で攻撃し、全てを吸い尽くして『救済』へと導く)
この姿は相手の攻撃を弱めてくれるけどぉ……貴方はどんな痛みをくれるのかしらぁ?
●第二ラウンド開幕
ティファーナ、ひかり、紅葉の三人による攻撃が決まった。
まだ撃破には至らないが、その強烈な一撃は確かに効いたと言ってもいいだろう。
「ヒュウ! 今のは凄かったな……正直、アレは喰らいたくないぜ」
アテナ・パニッシャーの一撃を見たレナードが感嘆の声を上げる。
並のオブリビオンならば、あの一発でKOしていたのは間違いない。
だが、先程の一撃で大きく吹き飛ばされたにも関わらず、親分が立ち上がる。
「あいつ、まだピンピンしてやがるな……さすがにしぶといぜ」
『先程の雑魚とは違うと言う事か、面白い!』
親分のタフさを見て、率直な感想をナイツとディロが述べる。
体中には細かい傷が付いているが、まだまだ戦える様子を見せており、そう簡単に倒せる相手ではないと言う事なのか。
「うぬぅッ、俺様とした事が油断したわ……だが、その程度でこの俺様がくたばるものかよッ! 羽虫共を捕まえて金にするためにも……」
「羽虫が欲しけりゃ体にハチミツでも塗って森で突っ立ってろ」
これ以上、同族への侮辱を言わせないとばかりにコエルが割り込む。
「私らはフェアリーだ、虫と一緒にしないでくれ。なあ、金貨に集るウジ虫の親分さんよ」
「フ、ハハッ……羽虫ごときが言うじゃねえか!! そうだとも、俺らは盗賊団だ! 金のために盗みも殺しも密猟でも、なんでもやる! 今更それがなんだってんだ、アァン?」
コエルの煽りを笑い飛ばす。
自分達の行いには何一つ罪悪感すらないその様子……清々しいまでの下衆だ。
「金、金っすか。清々しい位に下らない理由っすね。そンなモンの為に、アンタはどンだけふざけたコトをやってきた?」
ロティリアが静かな怒りを携え、親分に問う。
……意味の無い問答だとは分かっている。
それでも聞かずにはいられなかったのか。
「ベチャベチャと小うるさい羽虫が……そんなモン、百より先は覚えておらんわ!」
つまりは最低でも百件以上の悪行を重ねてきたと言う事なのか。
「ああ、それを聞いて安心したっすよ。これで何の気兼ねもなく、アンタを殺れるってモンっすからね」
そう言い、ロティリアは武器を構える。
「密猟者のボスめ、ボクの仲間達をこれ以上襲わせないぞ!」
そこへティエルが力強く宣言する。
今ここで自分達がやられてしまえば、森のフェアリーは根こそぎ狩り尽くされてしまう。
ここがまさに最後の防衛線なのだ。
「……フン、見れば冒険者の羽虫共が結構いるじゃねえか。傷物になると価値は落ちるが仕方ねえ、徹底的に痛めつけて捕獲して、まとめて売り飛ばしてやるとするかァ!」
「ボクらは売り物じゃないもん!」
と、ティエルはあっかんべーをする。
「その余裕がどこまで持つか見物だなァ、オイ! ……行くぞォ!」
親分が吠える。
いよいよ最後の戦いが始まった!
●妖精達の大反撃
「うふふ。一番悪い子ちゃんが出てきてくれたのねぇ?」
ボスを前に、フェムがますます怪しげな笑みを浮かべる。
ここまで密猟者、盗賊団子分を『救って』きたが、本命がようやく現れたと言う事に歓喜しているのであろうか?
「オブリビオンってぇ、かわいそう、かわいそうねぇ? わざわざ『現世』(苦界)に迷い出てきてぇ、罪を重ねるなんてぇ。でも安心してねぇ。ちゃんとフェムが『救って』あげるからねぇ?」
そう言と、フェムは反聖母(ネガ・マリア)を発動し、更に真の姿を解放する。
その体が黒い光に包まれ膨れ上がると同時にヒビが入り、やがてガラスが割れたような音と共に姿を現す。
それは人間大のサイズに黒く輝く天使の輪を浮かべた、堕天使とも違うような神々しさと禍々しさが合わさったような物であった。
「な、人間のサイズに変化した……だと!? これはレア中のレアだな! ますます俺様の物にしたくなったわ!! 売れば万単位の金貨は確実だなッ!!」
そんなフェムの真の姿を見た親分は、こんな状況下であっても金の事しか考えていなかったようだ。
最早救いようがないとも言うのか。
「さあ、俺様の力を見ろッ! ……オオオォォォォォーーーーーンッ!!」
叫びと共に、親分の体が金色のオーラに包まれた。
そして呪文字のような何かが実体化し、四方八方へと放射される!
「なんだ、この攻撃は……!? くっ!」
咄嗟に危険を感じたレナードが防御姿勢に入る。
放たれた”それ”はまるで刃のような鋭さで体を切り裂く。
フェアリー達はその体の小ささから、慌てて回避に入った事で幸いにも当たらなかったが、一発でも喰らえば痛いダメージとなっていたかもしれない。
「このっ、これでも喰らえっ!」
ティエルが空中から攻撃を仕掛けるが、その一撃は空を切る。
その巨体に似合わない高速移動で避けたのだ。
「な、早い!?」
「フハハハ! 見たか、これが俺様の力よ!」
これはパワーとスピード、どちらも兼ね備えていると言う事なのか。
「なるほど……相手は強そうだが、逃げないなら好都合。盗賊団ごと一網打尽にするチャンスだ、もう一仕事頑張りますか」
レナードは不敵に笑う。
勝つための策があると言う事なのだろう。
「みんな、ここは連携して行こう! 地上の敵相手なら、空中からの攻撃には比較的弱い。そこを狙うんだ!」
レナードはその戦闘知識を生かし、アドバイスを送る。
仲間にフェアリーが多い事もあるため、空中からの攻撃を多用出来るはずだと考えたのか。
「よし、それで行くか」
「オーケー、やるっすよ」
互いに頷き、コエルとロティリアが空に舞う。
まずコエルが高速詠唱で『熱線の雨』を装填したダブルバレルのショットスピリッツを構え
左右二つのトリガーを引き2回攻撃で『熱線の雨』の熱属性攻撃を空中から放つ。
それはまさに文字通り、熱線の雨となって敵へと降り注ぐ!
「……なかなかやるな! だが、俺様の速度に付いて来る事など……」
降り注ぐ熱線の雨を足の速さで避けていく。
だが、それに追い付く影が一つ……
「そっちも速さには自信があるようっすけど……その速さを出すのに無茶しなきゃならねェのなら、存分に無茶をさせてやろうじゃないっすか」
ロティリアがゴッドスピードライドを発動させたまま、敵に喰らいつく。
あれだけの速度に追従するのならば、同じ無茶をすればいい。
実に単純な話だ。
「な、俺様の速度に付いて来ているだと!?」
「逃がしゃしねえっす」
時間稼ぎで敵の移動先に弾幕を張る。
更に2回攻撃で逃げ道を細め、牽制していく。
「よーし、ナイスな時間稼ぎだ。このチャンス……狙わせてもらう」
そこへコエルが念動力で敵の高速移動の阻害を試みる。
少しでもいい、速度が落とせれば当てるチャンスはある。
「……!? なんだ、足が急に……!?」
上手くいった。
速度が少しだが落ちた……今が最大の好機だ。
「集束、凝縮、装填完了、熱線発射」
時間差フェイントを入れた、110本×2発の熱線の誘導弾がまるでホーミングレーザーのごとく殺到していく!
「ぬッ、ぬおぉぉぉ……ッ!?」
足を生かして何本かは避けたようだが、かわしきれなかった無数の熱線が敵を焼く。
そして足にいくつか命中し、転ばせる事に成功したようだ。
これで機動力はある程度落とせたに違いない。
「おのれ、やってくれたなァ! だがまだまだ死なんぞ!!」
それでも敵は立ち上がり、戦意が失われていない事をアピールする。
そこへ何かが飛来した。
バキッと言う音と共に、被っている金の骨の角の部分がへし折られる。
「大当たり、とまではいかなかったか」
ナイツだ。
この隙を狙い竜槍ローアで解呪の力を込めて投擲したのであった。
本来であれば、忍び足で近づき盗み攻撃で頭の装飾部分を奪い取ろうとも考えたようだが、角部分に固定されているのか、全く動かない事に気付いて断念したようだ。
そこで解呪の力を込めた槍で呪詛の力を弱めようと判断したらしい。
「テメェ、何をした!?」
「呪詛の力がなきゃ何も出来ないクズの力を奪おうとしたまでさ」
「フン、言ってくれる! だが、この程度……」
敵は再び呪いの咆哮を放つ……が。
「さっきよりも威力は落ちたようだな?」
「な、何故だ!? 何故力が出ん!?」
確かに呪文字は出たが、その威力は先ほどまでと比べて半減していると言わざるを得ないまでに落ちていた。
どうやら折られた角の影響は大きかったらしい。
「大当たりじゃなかったが、狙いは当たりだったようだな」
「ほざけ! むしろいいハンデに……」
そこへ更に、空中から飛来する影が一つ……
「まだまだ行くよ! てやあぁぁーっ!!」
ティエルが空中から一刺しを狙うかのように急降下!
弱体化したこの隙を見逃す訳もない。
「ぐぅっ! は、羽虫の分際で……」
呪詛の力が落ちたとは言え、まだ戦う事は出来る。
敵はその爪を空中へ向けて振り上げるが……
「これがフェアリーの力……なめるなぁーっ!」
見切りで僅かに体を逸らして爪の一撃を避けると、そのままカウンターで風を纏った攻撃で更にもう一発!
「あがぁぁぁッ!?」
その一刺しは敵の左目を突いた!
黒く変色した血が目から流れ落ちる。
片目を失った事で、更に敵を弱体化させる事に成功したと言えるだろう。
「お、おのれおのれおのれェッ! 冒険者風情がこの俺様に……」
その次の瞬間、敵の体に何かが複雑に巻き付く。
それは魔力で生み出した呪鎖であり、放ったのはフェムだった。
「な、なんだこれは!?」
「貴方の全てぇ、フェムが受け止めてあげるわぁ。フェムと一緒に還りましょぉ?」
そう言うと、呪鎖が黒く輝き出し敵の生命力を吸収する。
ドグン、と敵の体が大きく跳ねる。
「お、おあ……テメェ、お、俺様に……何を……」
「あぁん、すごい生命力……こんなのぉ、久しぶりよぉ」
ドス黒い生命力を吸い取って、フェムの表情が紅潮する。
人間大の大きさになってからは、その妖艶さに更に磨きがかかっていると言ってもいいだろう。
……もっとも、今行っているのは敵の命を吸い取っている事だが。
「な、なんだ……これ……体の力が……」
明確に命が吸い取られていく感覚。
だが、被った金の骨から発せられる呪詛の力が生命力を補充する。
吸い取られては供給されていく、まさに生き地獄とも言える状態だ。
「……どうやらケリは付いたようだな」
戦闘中に援護射撃を行っていたレナードがやってくる。
「でもぉ、この子の命はぁ、いっぱい湧いて出てくるわぁ? このままだとぉ、『救って』ぇ、あげられないのぉ……」
いくらフェムでも吸収に限度がある、と言う事なのだろうか。
この金の骨から湧いて出る呪詛の力は侮れないのが分かる。
「なら、トドメは適任者に任せるとしよう。みんな少し下がった方がいい」
言われるがまま、フェムも呪鎖を展開したまま後ろに離れる。
敵は最早動く事も出来ないほどにダメージを負ったようだ。
「な……なんだ……俺様に、何をする……気……だ?」
「婆さん、いいぞ!」
レナードが手を挙げる。
すると、空から何かが降ってくる。
「ん? アレは……」
「墓石、っすかね?」
落ちてくる物を見たコエルとロティリアが目を凝らす。
簡素な形状をした墓石のような物だが、よく見れば真鍮で出来ていた。
……そして、それは敵の頭に直撃した。
落下物の衝撃で被っていた金の骨にヒビが入り、そのまま砕け散る。
「あが……バ、カな……こ、の……俺様……が……」
それが最後の言葉となった。
直撃した墓石で金の骨ごと頭が砕かれ、体中を包んでいた呪詛が一斉に解放されると同時に、敵の体が黒い炎に包まれて灰も残さずに消滅する。
跡に残ったのは『愚か者ここに眠る』と書かれた墓石だけであった。
「心が貧しいアンタには、金より貧金がお似合いだよ!ヒーヒッヒッヒ!」
タルジイの森の巨狼、シャズの背に乗り空中からその様子を見ていたテテルマイスが、笑った。
……さて、テテルマイスは今まで何をしていたのか?
まず、そこから話さねばならないだろう。
密猟者を捕縛した後、連中から奪った馬車で妖精村からこの地域の警備隊のいる町まで引渡しの仕事を行っていたのだ。
他の仲間達は盗賊団子分の迎撃準備をする中で……
「万一逃げられたら、またこいつらは同じ事をやらかすかもしれないからねぇ! 出来る事はは早めにやっておくモンさ!」
……と、言って自ら密猟者の引渡しを買って出たのだ。
もっともあれだけ盛大にやられた以上、密猟者が馬車から脱走する気は欠片も起きなかったようだが。
その後は証拠品の提出や被害者の証言、ブラックマーケットの場所など様々な手続きなどで戻るのが遅れてしまい、子分迎撃には出られなかったがこうして親分討伐にはギリギリで間に合ったと言う事になる。
そして、戻ってきた事に気付いたレナードが話を聞き現在に至ると言う訳だ。
終わってみれば、結果的にはトドメを刺したと言えるのだろうか?
……ともあれ、猟兵達の活躍により盗賊団の親分はここに討たれたのだ。
●取り戻した平穏
「お、親分が……やられた!?」
「そんな……も、もうおしまいだぁ!!」
「みんな逃げろ、逃げろォーッ!!」
生き残った子分達が、目の前で親分を討伐されたのを見て慌てて逃げ出す。
雑魚の集まりとなった以上、連中はもう既に脅威ではない。
これで盗賊団は事実上壊滅したとも言えるだろう。
「や、やった! やったんだ! 冒険者さん達が勝ったんだ!」
戦いの様子を見ていた少年が飛び上がって喜ぶ。
そして、それにつられて森のフェアリー達も歓喜に舞う。
「冒険者さん、本当にありがとう! みんなが来てくれたおかげで、オレも友達も、この村も助かったんだ!!」
素直に感謝の言葉を述べる少年。
もし放置していたら今頃村は壊滅し、彼は奴隷として捕まっていただろう。
「……坊や、この村は好きかい?」
唐突にテテルマイスが尋ねる。
「うん! この村のみんなもそうだし、森に住むフェアリーのみんなも大好きだよ。……オレ、大きくなったら冒険者さんみたいにこの村を守れるようになりたい!」
「ヒヒヒッ、いい子だねぇ! その心があれば大丈夫さ! 決して忘れるんじゃないよ」
テテルマイスは少年の真っ直ぐさに感心する。
彼のような者なら、今日戦った心の汚れきった人間には決してなるまい。
そう思えた。
……そして猟兵達は村で盛大な大宴会で歓迎を受け、帰還した。
この後に一つのブラックマーケットが摘発され、妖精村を襲った盗賊団が壊滅したと言う噂が広まった。それが僅かではあるが、妖精密猟の抑止力となったらしい。
だが、世に儲け話の種は尽きない。
もしまたこの世界のどこかで妖精密猟の話が出れば、猟兵達が再び駆け付けてくる事であろう。
成功
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