6
青海にて唄え、黒鉄の艦よ

#グリードオーシャン

タグの編集

 現在は作者のみ編集可能です。
 🔒公式タグは編集できません。

🔒
#グリードオーシャン


0




 グリードオーシャン、名もなき島にて。
 そこは『速さ』を尊ぶ『イダテン・シャーク海賊団』のアジトである。
 彼らは海賊船は速ければ速いほど素晴らしいという考えのもと、年に数回、他の海賊団を招待して催し物を行っている。その催し物とは……?
「海賊船最速レース! 開幕だーッ!」
「「おおーッ!!」」
 スピード自慢の海賊たちが一同に集結したアジトの島は大変賑わっている。
 レース仕様に魔改造された海賊船の数々は、どれもみな個性的な外見だ。
 どの海賊たちも、自分の海賊船が優勝すると信じてやまない様子。

 ――だが、その島の背後から、異様な黒鉄の艦が接近していた。
「このお祭り騒ぎなら、私達の巨大な艦船が接近しても怪しまれません! 今があのアジトの島に攻め入るチャンスです♪」
 歌う海賊団『オケアニス・シレーネス』の人魚海賊達がほくそ笑む。
 彼女達は虎視眈々と平和な島へと魔手を伸ばしていたのだ。

「今回の任務は、海賊達に気付かれることなく、接近するコンキスタドール達を撃退することだよっ!」
 蛇塚・レモン(白き蛇神オロチヒメの黄金に輝く愛娘・f05152)は予知の内容を、頭上のグリモアから投影しつつ話を進めた。
「みんなはまず、この海賊船レースに紛れてもらって、アジトの島を根城にする海賊団達と交流を図ってもらいたいなっ! 彼らの許可なしに島への滞在は出来ないし、せっかくだからレースに参加するのも面白そうだよねっ!」
 レースに参加するだけではなく、観客として紛れ込んだり、商人に成りすまして海賊達へ物を売ったりする方法もある、とレモンは助言した。

「海賊団の許可が下りれば島への滞在が認められるから、急いでイベント会場とは真反対の海岸へ急行してねっ! そこに今回の敵であるコンキスタドールの海賊団が上陸を試みようとしているよっ!」
 そこからは普段通り、島へ上陸させないように猟兵達が食い止めるだけだ。
 しかし、レモンは首を傾げていた。
「不審な点といえば、襲ってくる敵の海賊船に“船長”がいないんだよね……っ? 少し警戒したほうがいいも……っ?」
 猟兵達は、レモンの言葉を胸に留めつつ、早速、グリモアの力を借りてグリードオーシャンへと向かうための鉄甲船へ転送されてゆくのだった。


七転 十五起
 水着コンテスト、お疲れ様でした!
 なぎてんはねおきです。
 今回は海賊団に気付かれることなく敵を排除することが目的です。

 第一章は日常パート。
 現在、アジトの島では『海賊船レース』を開催中です。
 この島を拠点とする『イダテン・シャーク海賊団』は、ほうぼうから海賊団を招待してレースに興じている真っ最中です。
 彼らはレース結果で賭博をしており、掛け金は『自分たちが得たお宝』です。
 猟兵達もこの賭博に参加できます。大勝すれば、どの海賊団からも一目置かれるでしょう。
 勿論、レースに参加して勝利してもいいですし、珍しい品を売り付けて興味を惹かせるなんてことも有効なアプローチです。

 第二章・第三章は戦闘パートです。
 詳細は、断章にて加筆致します。

 それでは、皆様のプレイングをお待ちしております!
213




第1章 日常 『開幕! 海賊船レース!』

POW   :    海賊船で参加する

SPD   :    観客として観戦する

WIZ   :    観客を相手に商売してみる

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

小雉子・吉備
依頼の詳細は読んだけど、キビ達が出来る事にしても、レースに出て海賊さん達とコンタクトを取るのは難しいかな?

〖WIZ〗
それなら吉備団子を各種【料理】して〖なまり〗ちゃんや〖ひいろ〗ちゃんと一緒に【パフォーマンス】しながら販売して回るしかないよね

吉備団子がお口に合うか解らないけど

今のUDCアースだと、昔と違って吉備団子の種類が豊富だからバリエーションには困らないけど

プレーン、あんこ、梅ジャム、チョコ、黒蜜を掛けたのも

後は……甘さ控えめのあんこを包んだ吉備団子を揚げた、揚げ吉備団子かな

これは抹茶をまぶしたのと
きな粉をまぶしたので

カリっもちっとしてて
素朴な甘さが美味しいよ

〖アドリブ絡み掛け合い大歓迎〗


サヤネ・コルネージュ
POW判定
おいおい海賊船レースだって?だったらあたいらが参加しねえわけにはいかねえなぁ。
どんな海賊が相手だろうが、殺して奪って赤く染める。
悪名名高いコルネージュ海賊団のお通りだ!

うちの船は海賊船ブラックホーク号……をレース用に魔改造したもの。
先端に鷲の像がある海賊船だ。一応大型エンジンと魔力エンジンが積んであるぜ。
UCを発動して部下の気合も動きもMAXだ。

基本的にはレースで勝つことを意識するぜ。
こちとらお宝をかけてんだ。そうそう負けるわけにはいかねえんだよ。

まあ本来の目的は忘れちゃいかんのだけれど。
オケアニス・シレーネスの奴らが上陸するようなら旋回して他の猟兵と合流するぜ。


箒星・仄々
海賊団同士が仲良くレースなんて
なんか微笑ましくてほっこりしますね
楽しそうです♪

コンキスタドールさんの狙いは
掛け金のお宝なのでしょうか…?
判りませんが邪魔はさせませんよ

楽士として島に上陸しましょう
お祭り騒ぎに賑やかな音楽はつきものですよね

方々で竪琴を奏でて
イダテンはじめ海賊団の皆さんと交流
皆さんの噂話にそれとなく耳を傾けていましょう

この島のメガリスや
掛け金のお宝で目ぼしいものなど
コンキスタさんに狙われそうなものがあるでしょうか?

レースの時には
水面を低空飛行する目旗魚のランさんに立ち乗り
レース船に伴走しながら賑やかな曲を爪弾き
応援して盛り上げます♪
皆さんファイトですよ~

(そして私達も頑張りますね)



 猟兵達は鉄甲船に乗り込み、件のアジトの島の港へ到着した。
 そこへ手下の海賊達がやってきて尋ねてきた。
「おいお前ら! ここが『速さ』を尊ぶ俺達『イダテン・シャーク海賊団』のアジトだと知ってて来たのか?」
「色々な海賊がアジトにやってきているが、お前らは海賊じゃないな? 何者だ!」
 警戒する手下達の前に、東方妖怪の小雉子・吉備(名も無き雉鶏精・f28322)が顔を出した。
(妙に警戒心が強いね。依頼の詳細は読んだけど、キビ達が出来る事にしても、レースに出て海賊さん達とコンタクトを取るのは難しいかな?)
 お供の青い狛犬と赤い猿を引き連れ、しばし小雉子は逡巡。
 そして顔を上げて笑みを浮かべてみせた。
「キビは商人だよ。この島でお祭りが行われているって聞いたから、手軽に食べられる『吉備団子』を売りたいんだ」
 小雉子は到着までの間、鉄甲船の中で吉備団子づくりに没頭していた。
「吉備団子がお口に合うか解らないけど。試食してみる気はないかな?」
 差し出された吉備団子は、1つの串に3つの吉備団子が刺さった状態で紙皿に乗っていた。
 手下達は恐る恐る串に手を伸ばし、団子を口に運んでゆく。
「……んめぇっ!」
「オレ、これ好きだぜ! きっとボスも喜んでくださる!」
 こうして、手下達の胃袋を掴んだ小雉子のおかげで、猟兵達は商船団の一員として島に上陸されることを許された。
 
 黒猫ケットシーの箒星・仄々(ケットシーのシンフォニア・f07689)は、レースで賑わう海賊達の中をキョロキョロと見回しながら練り歩いていた。
「海賊団同士が仲良くレースなんて、なんか微笑ましくてほっこりしますね。楽しそうです♪」
 普段は縄張りや同じお宝を狙い合っているであろう海賊団達だが、ここでは互いに肩を組み、酒を飲み、レースの行方に一喜一憂する様子は、箒星の言う通り、大変和やかな雰囲気に包まれている。
(コンキスタドールさんの狙いは掛け金のお宝なのでしょうか……? はっきりと判りませんが邪魔はさせませんよ)
 箒星は港の広場に陣取ると、懐から取り出した懐中時計のボタンを押した。
 すると、懐中電灯はあれよあれよと姿を変え、蒸気機関式竪琴『カッツェンリート(ねこのうた)』に早変わり!
「私は旅の楽士です。お祭り騒ぎに賑やかな音楽はつきものですよね」
 そう告げて人前で弦を爪弾けば、竪琴が陽気なメロディを奏で始める。
 アップテンポかつリズミカルな民族音楽が広場で流れ始めると、海賊達はつられて喝采を挙げ始めた。
「即興のポルカですが、喜んで戴けて何よりです」
 箒星は暫く、広場で演奏を続けていった。

 海賊船レースと聞いて、黙っていられない猟兵も存在する。
 人間の海賊にしてメガリスボーグ。かつてグリードオーシャンにてメガリスを使い暴れまわっていた悪名高い『コルネージュ海賊団』の船長こと、サヤネ・コルネージュ(コルネージュの旗は赤く染まり・f28872)が操舵する海賊船が島へ到着、レース参加のための手続きを行っている真っ最中だ。
「まさか、あのコルネージュ海賊団がレースに参戦するなんてな……?」
 すっかりビビっている整備要員の海賊に、サヤネは快活に笑い飛ばしてみせた。
「はっはっは! おいおい、海賊船レースなんて楽しいイベント、あたいらが参加しねえわけにはいかねえなぁ。なにせ、どんな海賊が相手だろうが、殺して奪って赤く染める。それが悪名名高いコルネージュ海賊団だ! って、殺しちゃ駄目だったな。こほん、とにかく、このレースでぶっちぎりで勝ってみせるぜ!」
 意気込みの丈の笑いながら述べるサヤネに、整備要員は唖然としていた。
「なぁ、整備工? あたいらの船、どうだい?」
「え、えぇ。レース参加資格を満たしています……。ボスには報告しておきますので、このゼッケン番号を見える場所に貼っておいて下さい」
「判った。んじゃ、船首にでも張っておくとするか! それより、あたいらの船凄いだろう?」
 唐突にサヤネは自分の海賊船を自慢し始めた。
「うちの船は海賊船ブラックホーク号……をレース用に魔改造したものだ。先端に鷲の像がイカしてるだろう? 一応、大型エンジンと魔力エンジンが積んであるぜ。あたいが発破を掛けておいたから、部下たちの気合も十分だ!」
 事前にユーベルコード『眠れる力を呼び起こせ!』で部下たちをバトルオーラで強化しておいたため、彼らのポテンシャルはレースでは100%発揮されるだろう。
「それじゃ、レースの出番が回ってくるまで、この島を物見遊山させてもらうが構わねぇよな?」
「も、勿論ですとも。どうぞ、ごゆっくり……」
 サヤネは船の最終調整を部下たちに命じると、自分はこの島の噂を集めるべく行動を開始した。

 サヤネは島中を見物しに歩き回っていると、小雉子が青い狛犬の『なまり』と燃える赤い猿の『ひいろ』と一緒に吉備団子を販売しているのを見かけた。
「レースを観戦しながら小腹が満たせる吉備団子はいかがかな? 昔と違って吉備団子の種類が豊富だから、バリエーションには困らないけど、どれにする?」
 UDCアースの知識を取り入れ、プレーンな吉備団子の他に、あんこ、梅ジャム、チョコ、黒蜜掛けなど実に幅広く取り揃えているようだ。
 そこへサヤネが声を掛けた。
「よう、同業者? アンタも猟兵なんだろ?」
「そういう海賊さんも猟兵なんだね?」
 お互い目的を隠しての潜伏中ゆえ、大声を挙げずに喧騒に紛れながら会話を進めてゆく。
「どうだ? そっちは何か掴んだか?」
「キビ達はあんまり。でも確かなのは、今この島には、色んな海賊団のお宝が集結しているってことかな」
「あたいらのお宝も賭けているからな? コンキスタドールの狙いはそれか?」
「そう考えるのが自然だろうね。あとはここ、拠点としては一級品の天然要害らしいよ。島の内部の地形は入り組んでて、不慣れな者が島の奥へ足を踏み入れたら最後。二度と砂浜に戻れないんだとか」
「トラップでも仕込んでいるのか? まぁ、海賊団のアジトだしな、ありなくもねぇよな」
 大きく何度か頷いてみせるサヤネ。
「こっちはお気楽な話ばっかだったぜ。このレースのおかげで、この辺の海域は平和そのものらしい。コンキスタドールが出ても、海賊団が徒党を組んで退治できちまう程度には結束が堅いんだとか?」
「きっと、ここを根城にしている『イダテン・シャーク海賊団』のボスは平和主義なのかな?」
「いや、ここのレースの元締めだろ? 勝手にお宝が転がり込んでくる仕組みを考えた当たり、かなりズル賢いかもしれないな?」
 サヤネは吉備団子を部下たちのお土産として買い込んでゆくと、自分の海賊船へと戻っていった。

「この島のメガリスや掛け金のお宝で目ぼしいものなど、コンキスタさんに狙われそうなものがあるでしょうか?」
 演奏を終えた箒星は、この島のボス……つまり『イダテン・シャーク海賊団』のボスに直接尋ねてみた。
 あまりの演奏の素晴らしさに、彼は直々にボスと面会する機会を得たのだ。
「いきなり何を聞くかと思えば、そんな事か! だったら決まってるだろ。俺達にとっての宝、それは海賊船だ! しかも世界最速だ!」
「……なるほど。島の中にお宝があるのではなく、自慢のお宝である船でレースするわけですね~?」
「そういう事だ! あ、そうだ! 猫の楽士さんよ、その腕でレースを更に盛り上げてくれねぇか?」
 ボスの頼みに、箒星は二つ返事で承諾した。
「分かりました。では、早速行ってきますね」
「よろしくな! 今年はいつも以上に楽しくなりそうだ!」
 ボスの屈託のない少年のような笑顔に、箒星もつられて笑顔になっていた。

『おまたせしました! 本日の飛び入り参加! あのコルネージュ海賊団がレースに参戦だ!』
 大声で叫ぶ司会! 観衆はどよめき、サヤネの紅に染まった海賊旗が目印の海賊船に注目する。
 どうやら様々な噂や憶測が彼女の海賊団には飛び交っているようだ。
 そこへ、カジキマグロのランさんの背に乗った箒星が海を及びながら竪琴を奏で始める。
「応援して盛り上げます♪ 皆さんファイトですよ~」
 レースを彩る演奏に、早くも観衆のボルテージは最高潮へ。
 その大観衆の中を小雉子が吉備団子を売り歩く。
「吉備団子ー、吉備団子美味しいよー。甘さ控えめのあんこを包んだ吉備団子を揚げた、揚げ吉備団子もあるよー。抹茶をまぶしたのと、きな粉をまぶしたのと2種類あるよ。カリっもちっとしてて、素朴な甘さが美味しいよー」
 小雉子の呼びかけに海賊達は物珍しさからか吉備団子を買い求め、あっという間に在庫が飛んでいってしまった。
「驚いたね、こんなに売れるなんて。鉄甲船に戻って作り直さないと。なまりちゃん、ひいろちゃん、手伝ってくれないかな?」
 この後も、レース会場と鉄甲船を彼女は何度も往復することになるのだが、それは別の話である。
「てめぇら! あたいらが苦労して手に入れたお宝が懸ってるんだ! 絶対に勝つ!」
「「おおおぉぉー!」」
 気合は一番。あとはスタートの合図を待つのみ。
 審判が海賊旗を掲げた。
 間もなく、レースの激闘が始まろうとしていた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

木常野・都月
俺はしがない狐。

船に住むネズミを駆除するために雇われた。

まあぶっちゃけネズミを食べつつ、任務で海賊に紛れ込めるなら、こんな平和な事はない。

雇われ狐として、ネズミを狩りつつ、レースの様子を伺いたい。

お宝…俺、あまりお金は興味ないんだよな。
レースに夢中になっている間に、魔法や精霊様に纏わるアイテムとかあれば、こっそりフードに入れたいけど…
海賊がそんな貴重な物持ってるとは思えないし。

仕方ない、どこか風通し良いところで、ごろーんと昼寝でもしていようかな。

木陰で潮風が気持ちいい。
チィもごろーんしてみろ。
気持ちいいぞ。


大町・詩乃
【SPD】

島の皆さんをコンキスタドールから護る為に頑張りますよ!
レモンさんが言っていた「襲ってくる敵の海賊船に“船長”がいない。」という事ですが、船長は島に潜入中なのでしょうね。

観客として島に行きます。
海賊さんに認めて貰えるよう、これまでの猟兵としての報酬で賭博に参加します。
同じ猟兵さん仲間の船に賭けますよ。

その上で、『オケアニス・シレーネス』の船長を探します。
歌う女性海賊の頭ですから、歌い手の様な服装をした女性なのでしょうね。
と当たりを付けた上で【失せ物探し・第六感・情報収集】で捜索します。

船長を見つけたら少し距離を置いて観察し、場合によっては船長がやろうとしている事をさり気なく妨害します。



「さあ、島の皆さんをコンキスタドールから護る為に頑張りますよ!」
 巫女姿の大町・詩乃(春風駘蕩・f17458)が同伴者に声を掛けた。
 同伴者は甲高い声で、こやぁんと返事した。
 声の主は、深緑色のフードを羽織った黒毛の狐だった。
(俺はしがない狐。船に住むネズミを駆除するために雇われた)
 木常野・都月(妖狐の精霊術士・f21384)は普段の人間の姿ではなく、狐の姿で行動していた。
(まあぶっちゃけネズミを食べつつ、任務で海賊に紛れ込めるなら、こんな平和な事はない)
 大町には事前に話を合わせてもらい、この島のネズミ駆除のボランティアということで共に行動してもらっている。
(ヒトガタでもいいけど、雇われ狐として、ネズミを狩りつつ、レースの様子を伺いたいんだ)
 じっと大町の顔を見上げる木常野。
「そろそろ行きましょうか。次のレース、猟兵の海賊船が参加するそうですよ」
 大町は観戦者として、周囲の海賊達に倣って“掛け金”を用意した。
「あの赤い海賊旗の船に、この指輪と懐刀を賭けましょう!」
「お、おい、嬢ちゃん? まさか、この指輪はアダマスかい? こっちの懐刀は、嘘だろ……オリハルコンかよ?」
「さすが、海賊の鑑定眼は伊達ではありませんね?」
 希少金属で出来た大町の装備に、海賊達がこぞってひと目見ようと押しかける。
「あの輝き、マジもんのアダマスだ!」
「オリハルコン……実在したのか」
 大町は海賊達の前で気風の良さを見せつけ、一気に周囲と打ち解けることが出来た。
「あとはレースの予想が的中すれば……でないと私の祭具が……」
 見た目は18歳前後の少女だが、実は植物を司る女神である大町。
 神様は今、ギャンブルに自分の祭具を賭けてしまっている……!
(大丈夫か? これ、あげるから元気だしてくれ)
 木常野は大町にすり寄ると、フードの中からごろんっと何かが転がった。
「おや? これは……?」
 大町が拾い上げてしげしげと見詰める。そして顔が引きつる。
「あ、あの、都月さん? これ……何処から?」
 大町は神様なので、動物状態の木常野とも会話が可能だ。
(俺はお宝に興味ないんだけどな……お金にも興味ない。でも、それはキラキラしてボール遊びにちょうどよかったから、詩乃が祭具を見せびらかしている間に、こっそり持ってきたんだ)
「都月さん……これ、時精霊のオーブですよっ? 時精霊との契約の媒介宝珠です……!」
(時間の精霊様なんてのもいるのか。詩乃、元気出たか?)
「え、ええ。……今、これを返しに行ったら、あらぬ疑いをかけられそうですし……いえ、後できちんと返しましょう」
 大町は振るえながら宝珠を懐にしまった。
 だが、彼女の心配は杞憂に終わる。
『凄いぞ! 飛び入り参加のあの赤き海賊旗がぶっちぎりの勝利だー!』
 レース予想は見事的中! 大勝利!
 大町と木常野の手には、賭けた指輪と懐刀、そして持ちきれないほどの財宝やマジックアイテムの類いであるメガリスが贈呈された。
 件の宝珠も大町が正直に打ち明けたところ、賭場の海賊が笑って許してくれた。
「嬢ちゃんはレースで一山当てたんだ! それも一緒に持っていけ! それにしても、この狐め! いたずら坊主だなァ、このこのっ!」
 木常野の頭や背を撫で回す海賊。
 どう見ても叱っているようには見えず、むしろ愛でているとしか思えない。
 撫でられている当人もとい当狐は、こやぁんとくすぐったげに声を漏らしている。
 ついでに干し肉も貰ってご機嫌の様子である。
「ところで、オケアニス・シレーネスという海賊団について、何か知っていることありませんか?」
 大町が賭場の海賊に尋ねてみるが、その返事は芳しい。
「あいつらはもう、滅んだって話だぜ?」
「船長がどんな奴かって? 知らねーなぁ?」
 大町は聞き込みした海賊達へ頭を下げると、一度、情報を整理するべく人気が少ない浜辺へ移動した。
「レース会場からだいぶ離れてしまいましたが、ここなら考えをまとめるにも丁度いいでしょう」
 同伴する木常野は、砂浜でお腹を出して、気持ちよさそうに寝転んでいた。
(木陰で潮風が気持ちいいな。チィもごろーんしてみろ。風通しが良くて気持ちいいぞ)
 白狐の姿をした月の精霊の子を横に侍らせ、2匹の狐がごろーんと昼寝を始めた。
 大町はその光景を微笑ましく眺めつつ、自身の推理を口にし始めた。
「グリモア猟兵さんが言っていた『襲ってくる敵の海賊船に“船長”がいない』という事ですが、てっきり船長は島に潜入中だと思っていました。ですが、そもそもオケアニス・シレーネスの船長なんて、この島にいないのかもしれません」
 いや、むしろ……。
「そもそも、船長なんて存在していないのでは? ですが、頭目不在で活動する海賊達なんて、果たしてありえるのでしょうか……?」
 うーんと深く考え込む大町。
 その横で、木常野がこやんこやんっと吠え立てた。
「あの、ちょっと黙っててもらえませんか?」
(詩乃、聞こえないのか? 敵の歌声だ! 近くまでその海賊が近付いているぞ!)
 木常野の敏感な聴覚が、海に潜むオケアニス・シレーネスの海賊達の存在に気が付いたのだ!
「なるほど、人魚の海賊団ですか。潜航しながら接近してくるとは不覚でしたね」
 すぐさま、他の猟兵も砂浜に駆け付けてきた。
 風雲急を告げる……!

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​




第2章 集団戦 『歌う海賊団『オケアニス・シレーネス』』

POW   :    楽曲番号一番「黒海のネレウス」
【ご機嫌な仲間たちと共に魂へと響き渡る歌】を披露した指定の全対象に【この歌を聴きながらお祭り騒ぎしたいという】感情を与える。対象の心を強く震わせる程、効果時間は伸びる。
SPD   :    楽曲番号八番「紅海のアプスー」
戦闘力のない【愉快に歌う海の音楽隊】を召喚する。自身が活躍や苦戦をする度、【魂へと響き渡る歌を共に楽しく奏でること】によって武器や防具がパワーアップする。
WIZ   :    楽曲番号二四番「死海のエーギル」
【活気ある仲間と魂へと響き渡る歌を奏でた】時間に応じて、攻撃や推理を含めた「次の行動」の成功率を上昇させる。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 海面から顔を出す人魚達が、急に歌い出し始めた。
「♪気付かれてしまったからには~仕方がないね~」
「♪歌う海賊団『オケアニス・シレーネス』~!」
「♪骸の海から~アンコール上演さ~!」
 唐突なミュージカル会話に、猟兵達はしばし唖然としてしまう。
「♪この島の海賊は~メガリス~たくさん~溜め込んで~る!」
「♪でも普段はとっても強~くて~とても手出しできやしない~って!」
「♪でもでも? 今なら? 奴らはレースに夢中!」
「♪私達が接近しても気付かれな~い!」
「♪あとは歌声で洗脳すれば~??」
「♪みんなまとめて~同士討ち~イェ~!」
 陽気に歌い上げる人魚たちだが、計画はかなりずる賢い!
 このままでは、歌声に惑わされた海賊達が大混乱に陥ってしまう!
 猟兵達は、これ以上、人魚達を上陸させないためにも武器をとったのだった!
【申し訳ありません。此方のシナリオ、次の戦争準備の兼ね合いで全員採用を見送ることにしました。29日中に3章へ移行し、そこからは随時リプレイ執筆とさせていただきます。御了承下さいませ】



木常野・都月
詩乃さん(f17458)と
(前回入手したお宝で、オーブ以外は詩乃さん所持でお願いします)

敵の歌があるから、どうしようかと思ったけれど、こちらには詩乃さんの音楽がある。
歌に対抗してもらえるなら、俺は安心して戦える!

武器をダガーとエレメンタルダガーに持ち替え、前衛を務めたい。

[野生の勘、第六感]で敵の動きに注意を払いつつ、風の精霊様に空気抵抗を減らして身軽に立ち回りたい。

エレメンタルダガーには氷の精霊様を召喚したい。
敵を攻撃した時に、相手に氷の[属性攻撃]を叩き込みたい。

詩乃さんの援護を受けつつ接敵、UC【全力一刀】を使いたい。

「詩乃さんの援護があったから、助かった。ありがとうございます!」


大町・詩乃
都月さん(f21384)と
(賭けで得たお宝の内、時精霊のオーブは都月さんがお気に入りなので、お渡しします)

「貴女達が歌で人々を支配しようとするなら、私は楽曲で貴女達を討ちましょう。」
と、響月で厳かな曲を【楽器演奏】して人魚達の歌を阻害しつつ、【神罰】上乗せでUC発動。
攻撃対象は『オケアニス・シレーネス』全員。

海上を【空中浮遊と自身への念動力】で移動、人魚達を攻撃範囲内に収める。
相手の攻撃は【第六感と見切り】で読み、天耀鏡の【盾受けとオーラ防御】で防ぐ。

都月さんを【光の属性攻撃・全力魔法・高速詠唱】による光の槍を放って援護し、「都月さん、とても頼もしいですよ♪」と都月さんに笑顔で【鼓舞】します。



 島への上陸を試みる歌う海賊団『オケアニス・シレーネス』の人魚達。
 木常野・都月(妖狐の精霊術士・f21384)は黒狐の姿から人の姿に戻ると、素早く水着姿となって臨戦態勢に。
 武装の類は白い子狐のような月の精霊であるチィが、魔力で鉄甲船から召喚したので問題ない。
「チィ、ダガーとエレメンタルダガーを持ってきてくれたのか。ありがとう」
「準備出来たようですね? いけますか、都月さん?」
 大町・詩乃(春風駘蕩・f17458)も水上戦が主体となることを察し、思い切って巫女服を脱ぎ去った!
 その服の下には、既に赤い紐が巫女袴を連想させる純白のビキニを身に着けていたのだ。いわば戦巫女装束の水着Ver.である。
「貴女達が歌で人々を支配しようとするなら、私は楽曲で貴女達を討ちましょう。貴方達の葬送の奏でに包まれて、安らかに眠りなさい」
 漆と金で装飾した龍笛『響月』を一度吹けば、神代に存在した不死の怪物の骨で作られた龍笛だからこそ魂に染み入る音色を出す。
 対して、人魚たちは楽曲番号一番『黒海のネレウス』を口々に合唱している。
 ご機嫌な仲間たちと共に魂へと響き渡る歌声を聞き続けると、自分もこの歌を聞きながらお祭り騒ぎしたいとう欲求が芽生えてきてしまう。
 聴覚が鋭い木常野にとっては本来不利な状況なのだが、大町の龍笛がそれを相殺してくれていた。
 人魚達の歌とは真逆の、荘厳で格式高い楽曲が砂浜に響く。
 この音色自体が大町のユーベルコード『帰幽奉告(キユウホウコク)』であり、魂と精神への直接攻撃なのだ。
 人魚達はアカペラで歌って対抗していたが、次第に精神攻撃を受け続けた結果、曲調に引っ張られて狂った調子で歌い続けてしまう。
「♪あーああーああー? こ、こんな曲調じゃご機嫌な気分で唄えない~!」
「つか、なんか気分がダルいんだけど……もう、唄えない……」
 人魚達の気力を直に削ぐことに成功した大町は、更に龍笛の音色を重厚なものへと変えてゆき、ダメ押しを図る。
 そのまま海面へ歩みを進めてゆくと、念動力で海面を歩くように浮遊し始めた。
 彼女の周囲には神器である天耀鏡が浮かんでおり、人魚達の歌声を神器から発せられる霊力壁で遮断しているため、平然と敵のユーベルコードの中を悠々と突き進んでいけるのだ。
(都月さん、あとはお願いしますね)
 アイコンタクトで木常野を見遣る大町。
 耳を塞いでいた木常野は、歌乃驚異が弱まったことを確認すると白い砂浜を駆け出していった。
「あとは任せろ、詩乃さん」
 ダガー二刀流のアサシンめいたキツネ独特の俊敏性で人魚へ肉薄!
 一瞬で懐へ踏み込んできた猟兵の動きに、人魚は思わず戦慄した。
「疾……っ!」
「残酷だけど、その喉が邪魔だ」
 すれ違いざまにナイフで人魚の喉笛を掻っ切ってゆく木常野。
「いやぁーっ! とりゃぁー!」
「グワーッ!」
「ギャアァァー!」
 断末魔がメロディーとなって戦場に轟く!
 そのまま木常野は海面へ足を踏み込むと、風の精霊で身体が浮き上がり、海面は瞬時に氷の道が形成されてゆく!
「この世界の風の精霊様と水の精霊様、ありがとうございます。これで詩乃さんを守れるぞ」
 演奏する大町を庇うように立ちはだかる木常野。
 普段の柔和な態度からは想像できないほどの殺気が今の彼の全身に漲り、仲間を守らんと人魚たちへ牙を剥く。
「知らないなら教えてやる。野生のキツネは、魚も獲って食べるんだ。つまり、俺はお前たちの『捕食者』だ。魚はキツネに勝てない。それを今から証明してやる」
 魔力を籠めたエレメンタルダガーを海面に突き刺す木常野。
「な、なんだ?」
「身体が、凍って動けない……!」
 すると、突き刺した地点から放射線状に海面が白く凍結してゆき、逃げる気力すら失せていた人魚達を次々に巻き込んで動きを封じてしまう。
 水の精霊の力を借りることで、瞬時に海面を凍て付かせるほどの魔力を、今の木常野は有しているのだ。
「悪いが、全力で行く」
 ナイフの柄を握る力が強まる。
 氷上の上を滑るように駆け出す木常野は、大町の龍笛の音色に合わせて舞うように人魚達の喉を斬り裂いてゆく。
 白い氷上の上で飛び散る人魚の鮮血が、夏の青空の下で咲き乱れる南国の花弁めいて容赦なく咲き乱れる!
 百花繚乱! ダンス・マカブル!
 木常野が振るう刃のひとつひとつが死神の鎌の如き鋭さで人魚達を骸の海へ沈め、大町の龍笛が彼女達へのレクイエムを奏でる!
 だが人魚達も必死の抵抗を試み、最期の気力を振り絞って歌い上げる!
「♪せめて道連れに~楽しく生きたいだけなのに~」
 だが、その歌声は長くは持たなかった。
 大町は頭上に戴いた天冠を触媒に巫力を練り上げると、全身に纏う魂命霊気から光の槍が広範囲に射出されたのだ。
 光の槍の穂先で穿たれた人魚達は次々に事切れ、歌声よりも龍笛の音色が戦場を支配していった。
「これが俺の、全力一刀だ」
 そして大町の演奏が終わったタイミングで、木常野は敵の第一波の最後の1体を仕留めた。
 龍笛の演奏による弱体化があってこそだが、実質、第一波を木常野が敵の大多数を仕留めた形に終わった。
「詩乃さんの援護があったから、助かった。ありがとうございます!」
「都月さんも、とても頼もしかったですよ♪ 無双の戦働きでしたね!」
 互いに褒め合いながら、返り血を海中で洗い落とす2人。
 水平線の奥には、敵の第二波と思しき集団が波間に見え隠れしている。
 島まで接近するのにまだ時間がありそうだ。
 猟兵達は態勢を立て直すべく小休止を取ることにした。

「都月さん、もしよかったら、これを差し上げます♪」
 大町が差し出したのは、先程、木常野が見付けてきた時精霊のオーブだ。
 木常野は目を丸くして尋ねた。
「いいのか? 俺はお宝に興味はないって言ったけども……」
「いいのです。私は他にも抱えきれないほどの財宝を戴いちゃいましたから。それに先程の戦闘を拝見した限り、都月さんは精霊を使役して戦ってましたし、この先の“船長”との戦いで役立つかもと思いましたので」
 差し出された時精霊のオーブを受け取り、その不思議な色合いの輝きに目を細める木常野。
「ありがとう、詩乃さん。次も詩乃さんは俺が守るからな」
「期待していますよ、都月さん♪」
 黒狐の青年に守られて、ちょっぴり上機嫌の神様であった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

小雉子・吉備
今、こんな所で暴れられたら
大惨事になるの目に見えてるよね?

そんな事させないんだからっ!

〖洗脳対策〗
洗脳による【誘惑】を
受けそうになったら〖ひいろ〗ちゃんに加減した【怪力】でつねって貰い正気を保つのを試みる

〖WIZ〗
【先制攻撃】で【高速詠唱】の〖時の愚鈍「スロウフールハウル」〗を【誘導弾】の【弾幕】として【範囲攻撃】でばら蒔き

【空中戦】で駆けつつ【第六感】で【見切り】弾幕も【盾受け】に利用しつつ回避しつつ

担いだ〖なまり〗ちゃんに指示したUCと

キビの【高速詠唱】した〖従雉「フェザントファミリア」〗の同時攻撃を【属性攻撃(魚雷)】と【誘導弾】を込めた【範囲攻撃】で一掃

〖アドリブ絡み掛け合い大歓迎〗


箒星・仄々
ミュージカルな海賊団って楽しそうです

レースで盛り上がっていますし
お祭り騒ぎはぴったりかも♪

人魚さん達を賑やかに華やかに
骸の海へ送別いたしましょう

竪琴起動
UCでエンチャント
超絶技巧で弦を爪弾き魔力練り上げ歌唱

人魚さん達の歌曲に協奏
寄り添い伴奏しつつ
徐々に、逆に此方が主旋律になり
人魚さん達の歌曲を翻弄し
その効果を人魚さん達へと反転

混乱を誘い
それにより更に歌の力を弱め
自滅していただきましょう

攻撃が必要なら風炎水の音色

人魚さん
終幕の時です
どうぞ舞台裏へお引き取り下さい
カーテンコールはありませんので悪しからず♪

戦闘後
人魚さん達が歌っていた歌曲を奏で鎮魂
骸の海でも
どうぞ素敵な歌声を響かせて下さいね


サヤネ・コルネージュ
アドリブなど歓迎

【SPD】
ヒャッーハッハッハッ!!!あたいらに敵う海賊はいねえんだよ!
さあ次だ次!お宝はコルネージュ海賊団の総取りだぁー!!
あ?緊急連絡?んだよせっかくいい所で……
……え?コンキスタドール? やっべ

180度旋回して現場に急行しつつ、UCを起動だ。
砲撃をかましつつ【咄嗟の一撃】で歌う暇を無くしてやる。
強化された武具防具はメガリスで【鎧砕き】【武器落とし】を狙う。
また、カトラスと旗で【なぎ払い】して音楽隊を狙ってパワーダウンも狙うぜ。

ええい畜生!あたいたちのお宝が……お宝が……!
こ、これ……グリモアベース戻ったら保証金とか出ない?ダメ?



 海賊船レース会場は、突如現れた赤き新星ことコルネージュ海賊団の独走で話題は持ちきりだった。
「ヒャッーハッハッハッ!!! あたいらに敵う海賊はいねえんだよ! さあ次だ次! お宝はコルネージュ海賊団の総取りだぁー!!」
 船長のサヤネ・コルネージュ(コルネージュの旗は赤く染まり・f28872)は高笑いしながら、次のレースにもエントリーしようと手下に働かせている。
 先程獲得した財宝を、そのままそっくり賭け金として納品する程度には自分たちの勝利を信じてやまなかった。
「ここは倍プッシュさせてもらうぜ! さあ、次は何処の海賊団が相手だ? って、あ? 緊急連絡? んだよせっかくいい所で……」
 手下達が慌ててサヤネへ駆け寄り、耳元で囁いた。
「げ、マジかよ……。やっべ」
 コンキスタドール出現を報せを聞いたサヤネは躊躇っていた。
「オイオイオイ……今、ここを離れたら、賭け金のお宝がぱぁじゃねぇか……」
 レース放棄は丸々全損だ。此処までの勝利が水の泡となって消えてしまう。
 だがサヤネは猟兵だ。一昔前の傍若無人な略奪者の身ではない。
 サヤネの胸中で、物欲と義務感がせめぎ合う。
 その結果――。
「ええい畜生! あたいたちのお宝が……お宝が……! だが、海賊達の宴をブチ壊そうとする無粋な馬鹿共を、コルネージュ海賊団は黙って見過ごせねぇぜ! てめぇら! 出撃だ!」
 こうして、レースを棄権して進路を180度真逆に転換させると、そのまま全速前進でコンキスタドール出現情報のあった島の裏手へ向かっていった。

 その頃、問題の砂浜では、歌う海賊団『オケアニス・シレーネス』の第二波を猟兵達が食い止めていた。
「今、こんな所で暴れられたら、大惨事になるの目に見えてるよね? そんな事させないんだからっ!」
 小雉子・吉備(名も無き雉鶏精・f28322)は迫りくる人魚達へワルツカードを発動させる。
「いくよ。時の愚鈍『スロウフールハウル』!」
 ワルツカードから時間の流れが遅くなる障害物用魔法弾幕を広範囲に展開。
「この誘導弾の弾幕は、汎ゆるものの時の流れを遅くするよ。あなた達の歌声だって、キビには届かないから」
 弾幕が障壁のように密集すれば、人魚達の歌声を防音壁めいて遮断してしまっている。否、遮断というのは少々語弊がある。魔法弾の周囲に発生する時間遅延効果によって、本来は音速で到達する人魚達の歌声が小雉子まで達していないだけなのだ。
 これによって、ほんの数秒間だが、完全に人魚達の歌声を抑え込んだのだ。
 だが、箒星・仄々(ケットシーのシンフォニア・f07689)は少し戸惑っていた。
「ミュージカルな海賊団って楽しそうです。レースで盛り上がっていますし、お祭り騒ぎはぴったりかも♪ ですが、弾幕で音が遅れて此方に届くとなると、私の攻撃も遅延するのでしょうか?」
 懐中時計の形状から、ボタンひとつで蒸気機関式竪琴へ変形起動させていた箒星。
 彼の主力兵装はこの竪琴だ。つまり人魚達と同じ攻撃手段である。
「う~ん、でも気にせず行きましょうか。人魚さんたちとのセッションは難しそうですが、此方の演奏で向こうのペースを乱すことに変わりはありせんし」
 すると突然、箒星は超絶技巧アルペジオで弦を高速に爪弾いてゆく!
 まるで音のガトリングガン! 時間遅延魔法弾幕越しの人魚達に音を届けてゆく。
 次第に奏でる音に火・水に・風の魔力が宿りだし、一音ごとに属性魔法弾として容赦なく人魚達へ放っていった。
「此方の音楽魔法も遅延するなら、密度の高い音の弾幕をぶつけて逃げ場を封じましょう。って、やっと人魚さんたちの歌声も届いてきました。ここからは伴奏として寄り添っていきましょうか」
 高速アルペジオを継続しながら、人魚達の歌声に合わせた伴奏を演奏する箒星。
 だが、そのひとつひとつが強力な魔法弾であり、これらも遅延して数秒後に彼女達へ着弾!
「きゃああーっ! 熱い! 冷たい! 息苦しい!」
「待って待って、こんな難しい伴奏にノれないってば~!」
 時間遅延魔法弾幕の中で人魚達は大混乱!
 だが彼女達も無能ではない。
 ユーベルコードを駆使して音楽隊を召喚し、自分たちの歌声を強化して次の行動をいかに成功させるか策を練り始めた。
「♪敵は私達を見誤った!」
「♪この弾幕の中で歌声を凝縮させて、一気に解き放ってやろう!」
「♪きっと島中に響くぞ! 海賊共は大混乱だ!」
 弾幕の上はポッカリ穴が空いており、人魚たちは頭上から歌声を解き放って島中へ響かせようと考えていた。
 恐らく、その行動は成功するだろう。
 だが、猟兵達はみすみすそれを実行させるわけがない。
「上空に弾幕がないのは、キビとなまりちゃんのユーベルコードを撃ち込むためだよ。なまりちゃん、アレを使うよ……準備は良い?」
 ちまくて利発な青色の雌狛犬が小雉子の頭の上に乗っかる。
 そして小雉子は背中の雉の翼を羽ばたかせて上空へ飛翔。
 弾幕上部の穴へ向けて、小雉子はなまりちゃんへ指示を出した。
「照準よし、目標補足……」
 なまりちゃんの口元が虹色の光で満たされたのを確認した小雉子は、自身もケルビンカードを起動させた。
「これで決めるよ! 虹色狛犬『虹色幾何学ナマリスパーク』! 更に従雉『フェザンドファミリア』! いけーっ!」
 なまりちゃんが口を開くと、虹色のレーザービームブレスが幾何学模様を描いて砂浜を駆け巡り始め、小雉子の周囲に漂う雉鶏精の霊魂達がゲーミングバードめいて七色に光りながら突撃を開始!
 上空から殺到した光線と光る雉鶏精の霊魂達が殺到した人魚達は、その身を撃ち抜かれ、凍て付かせて一網打尽になっていった。
「なんですって? 第二波戦力が、壊滅……?」
 最後の第三波の人魚部隊は、目の前で消滅した仲間たちの最期を目の当たりにして戦慄してしまう。
 その第三波を箒星は発見すると、高速アルペジオに三色魔力を宿して解き放った。
「人魚さんたち、終幕の時です。どうぞ舞台裏へお引き取り下さい。カーテンコールはありませんので悪しからず♪」
 音色は爆炎と氷刃と風圧弾へ姿を変え、第三波を次々と吹き飛ばしていく!
「ま、まずい! ここは一旦退却を……」
「逃さないよ?」
 小雉子自身の髪の毛に霊力を流すと、一部を雉鶏精の羽毛に変え、鈍足効果の羽針にして飛ばす!
 針が刺さった人魚たちの動きが鈍り、全くの隙だらけとなってしまう。
 そこへ突如、轟音と共に巨大な水柱が人魚たちのいた場所で立ち上ったではないか!
「いいか! 10秒もくれてやったんだ。外すんじゃねえぞ!」
 サヤネ率いるコルネージュ海賊団の砲撃ユーベルコードだ!
「待たせたな! ここからは海賊の流儀ってやつを見せてやるぜぇ! てめぇら! 弾代やお宝の補填はグリモアベースに請求……出来るか解らねぇけど、言い値で報酬がもらえるんだ、構うな! ぶっ放せ!」
 容赦ない砲弾の雨が海面に水柱を幾度も立ち上らせ、人魚たちは無慈悲に爆散!
 彼女達が呼び出した音楽隊すら粉砕し、あっという間に勝敗が決したのだった。
「ヒャーッハッハッハ! 海中に降りて近接戦をするまでもなかったなぁ!?」
 大満足のサヤメの高笑いが響いた。

 猟兵たちの活躍により、人魚たちは全滅した。
 だが、肝心の船長は何処に?

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​




第3章 ボス戦 『航宙駆逐艦『レコンキスタ』』

POW   :    亜光速加速砲
自身の装備武器に【亜光速にまで物体を加速させる装置】を搭載し、破壊力を増加する。
SPD   :    大気圏突入シールド展開
全身を【多重装甲のシールドで包む大気圏突入モード】に変える。あらゆる攻撃に対しほぼ無敵になるが、自身は全く動けない。
WIZ   :    『アーマー・レコンキスタ』の出撃
【敵の動きを強制的に止めるビームガン】で武装した【超装甲のロボットに登場する特殊隊員】の幽霊をレベル×5体乗せた【吶喊用ドリルがついた強襲揚陸艇】を召喚する。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はクリスタル・ファイアヘッズです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 歌う海賊団『オケアニス・シレーネス』の人魚海賊は全滅した。
 だが、彼女達が頭目なしに行動していたとは考えにくい。
 その“答え”が今、島に接近していた。

 水平線に浮かぶ黒い艦船。
 あれが人魚達の海賊船だったのだろう。
 その割には、やけに機械的なフォルムである。

 猟兵達が黒い艦船を望遠鏡で眺めていると、彼等の脳内に直接語り掛けてくる声が!
『イェーガー諸君。当機は航宙駆逐艦『レコンキスタ』である。スペースシップワールドで航行していた際、正体不明の次元の歪みからこの世界へ墜落した。以後、当機は海洋巡航駆逐艦として、この世界を彷徨っている。そして、偶然拾った人魚たちの海賊船であり、その海賊船の実質的指揮権を有している』
 まさかの艦船型コンキスタドール!
 しかも、この船が船長だというのだ!
 ……確かに、あの人魚たちは宴会と歌うことしか頭になさそうであったので、むしろ機械の指示に従っていたというのなら納得できる話である。
「全団員の死亡を確認。当機はこれより、ジェノサイドモードへ移行。目標、前方の島及び海賊達、並びにイェーガー。駆逐します。駆逐します」
 黒鉄の艦船が唸りを上げて戦闘モードへ移行!
 このまま島への揚陸を果たしたら、いくら屈強な海賊達が束になっても敵いっこないだろう。
 猟兵たちよ、すぐさま悪魔の黒鉄の船を破壊するのだ!
大崎・玉恵(サポート)
『あまり、老狐に無理をさせるでないぞ』
 妖狐の戦巫女×陰陽師女です。
 普段の口調は「女性的(わし、おぬし、じゃ、のう、じゃろう、じゃろうか?)」、気にいったら「尊大(わらわ、おぬし、じゃ、のう、じゃろう、じゃろうか?)」です。

 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、公序良俗に反する行動はしません。
ユーベルコードを絡めた【誘惑】による認識操作や籠絡、【呪符】に【破魔】【焼却】等の【呪詛】を込め【呪殺弾】とする、薙刀による【薙ぎ払い】【2回攻撃】が得意です。
卑劣な手段をとる敵には【威厳】【存在感】を放ち神として振る舞います。


スピレイル・ナトゥア(サポート)
精霊を信仰する部族の巫女姫です
好奇心旺盛な性格で、世界をオブリビオンのいない平和な状態に戻して、楽しく旅をするために戦っています
自分の生命を危険に晒してでも、被害者の方々の生命を救おうとします
技能は【第六感】と【援護射撃】と【オーラ防御】を主に使用します
精霊印の突撃銃を武器に、弾幕を張ったり、味方を援護したりする専用スタイルです(前衛はみなさんに任せました!)
情報収集や交渉のときには、自前の猫耳をふりふり揺らして【誘惑】を
接近戦の場合は精霊の護身用ナイフで【捨て身の一撃】を繰り出します
マスター様ごとの描写の違いを楽しみにしている改造巫女服娘なので、ぜひサポート参加させてくださると嬉しいです!


リディア・スカーレット(サポート)
 ダンピールのビーストマスター×パラディン、女です。
 普段の口調は「女性的(私、あなた、~さん、なの、よ、なのね、なのよね?)」
 恋人には「無口(わたし、あなた、呼び捨て、ね、わ、~よ、~の?)」です。

 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、
多少の怪我は厭わず積極的に行動します。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
また、例え依頼の成功のためでも、
公序良俗に反する行動はしません。

静かな場所や花などの自然が大好きです。
人との会話は淡々とこなし、あまり私情を入れない様にしてます。
仲間は大切に思っており、仲間とは協力し合い
依頼の成功を目指します。
 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!


バン・クロスハート(サポート)
【ボス戦、サポートします!】
「世界を乱すオブリビオンは許しません!」
「貴方は、削除します!」

僕の得物はダブルセイバーですから
前衛に回ってユーベルコードで支援しますね!

【前衛】
ダブルセイバーと具現化するレンガで敵の攻撃を凌ぎます!
動き回って攪乱も狙います

技能:残像、激痛耐性、武器受け、ダッシュ、逃げ足

【支援】
<クローズサイクロン>
武器を回転させて生み出す竜巻で相手の動きを封じます!

<インフィニティクロッサー>
手数が不足している時ならこちらで!
ダブルセイバーを複製し、敵にぶつけます!

<ドラッグオンチート>
強大な相手には身体能力を上げて対応します!


技能:念動力、部位破壊、二回攻撃、ドーピング



 敵は海洋に浮かぶ黒鉄の艦船そのものであった。
 猟兵は島の砂浜から海洋へ向かう必要があるが、その間に攻撃されては元も子もない。
 故に、鉄甲船の上に救援の猟兵達が急遽集結して時間稼ぎを行う運びとなった。
「どんなオブリビオンかと思えば、よもや巨大な船を相手取る羽目になろうとはな……? 老狐には堪えるのう」
 見た目は14歳程度の少女だが、実年齢は遥かに上の大崎・玉恵(白面金毛・艶美空狐・f18343)は、これから攻撃するコンキスタドールに困惑していた。
「あんな大きな艦船に砲撃されたら、島はひとたまりもありません! 浜から駆け付けてくる猟兵さん達、そして島を守るためにも時間稼ぎに徹しましょう!」
 気合十分に訴えるスピレイル・ナトゥア(蒼色の螺旋の巫女姫・f06014)は、フリルがふんだんに用いられた改造巫女服に炎の精霊の力を宿した弾丸を連射する突撃銃を抱えていた。
「何であろうと、与えられた任務はこなすだけよ。行きましょう」
 灰髪ダンピールのリディア・スカーレット(孤高の獣使い・f24325)は淡々と告げた。
 対して、バン・クロスハート(一×十Χのガーディアン・f23853)は、眼前に待ち構える黒鉄の艦船へ強い警戒心を露わにする。
「世界を乱すオブリビオンは許しません! まして、お祭りを楽しんでいる人たちの背後を狙うような卑怯な相手は尚更です!」
 キマイラフューチャー出身の少年型のバーチャルキャラクターであるバンにとって、目の前で行われようとしている敵の作戦は度し難く、そして許せない内容であった。
「貴方は、削除します!」
 バンが鉄甲船の甲板を駆け出すと、そのまま船の外へ跳躍!
 あわや海中へ身を投げ出す寸前のところで、彼の足元に両剣が召喚された。
「インフィニティクロッサーを使います! こういう使い方だってアリですよね!」
 ユーベルコード『インフィニティクロッサー』によって、バンの代名詞である仮想現実両剣型兵装こと『VW-ダブルクロッサー』を57本複製すると、自分の足場として両剣を数本組み上げる。そして念動力で操作すれば、空飛ぶ剣で出来たエアボードの完成だ。これがあれば艦船相手に空中戦を仕掛けられる!
 猟兵の攻撃を感知した航宙駆逐艦『レコンキスタ』は、格納庫から大量の超装甲のロボットを載積させた、吶喊用ドリルで武装した強襲揚陸艇を発進させた。
『攻撃パターンを検知。『アーマー・レコンキスタ』を出撃させます』
「前衛はみなさんに任せました! あの揚陸艇は私が食い止めます!」
 突撃銃の銃口から閃光を瞬かせながら弾幕を張るスピレイル。
 炎の精霊の力が籠もった弾幕は、着弾時に盛大な爆炎を拡散してロボットを海中へ押し沈めてゆく。
 だが、ロボットが装備しているビームガンが鉄甲船を狙っている!
 それに気が付いた大崎は、いち早く真紅の霊符に自身の神の力を宿して解き放った。
「させぬぞ! 己が力、その身を以て味わうがよい!」
 札が接触したロボットは焼け爆ぜて機能停止するも、残る機体がビームガンの引き金を絞った。
 放たれる光線を前に、大崎はユーベルコード『偽・太陽鏡(ギ・オオイナルヒノカガミ)』で対抗する。
「おぬしらの攻撃が光線で助かったのじゃ」
 鉄甲船を守るように出現するは、神気を宿した鏡。
 ビームガンの弾幕を一手に受け止めて吸収してしまうと、今度は鏡から膨大な光量の洪水が奔流する!
「鏡は光を反射するのじゃよ。そのまま人形は吹き飛んでゆけ」
 揚陸艇に積載されたロボは、この反射する光線で全て消し飛んでしまった。
 だが、肝心の揚陸艇の船首に搭載された吶喊用ドリルが、鉄甲船へ迫ってきている!
「今度は私の出番ですね! ライトニングリボンバラージ!」
 使役する雷の精霊から放たれた電撃の無数のリボンが揚陸艇を絡め取ったかと思えば、次の瞬間、紫電と火花を散らしてエンジンをショートさせてしまった!
 煙を上げながら黒焦げになった揚陸艇は、完全に海洋上で動きを止めたのだった。
「あれを足場にすれば、私も海を渡れそうね?」
 飛行手段を持たないリディアだが、ユーベルコード『血統覚醒』を用いて真紅の瞳に覚醒、ヴァンパイア化による爆発的な身体強化を活用することで艦船への接敵を試みる。
「私は他の人と違って、このバスタードソードくらいしか有効打がないもの。とにかく接近しなくちゃいけないわ」
 黒焦げになった揚陸艇へと飛び移ったリディアは、波間へ向けて急に獣奏器を奏で始めた。
 すると、どこからともなくイルカの群れが海面から顔を出したではないか。
「あの黒い艦船まで私を連れて行って」
 リディアの願いに、イルカたちはきゅいきゅい♪と鳴きながら承諾。
「あら、背中に乗せてくれるの?」
 きゅいきゅい♪
「ありがとう。でも気を付けて。相手には砲撃が……」
 その言葉を遮るように、亜光速で飛来する弾丸が、黒焦げになった揚陸艇を轟沈させた!
「危なかったわ……! イルカさんたち、無理しないでね?」
 間一髪でイルカたちの背に飛び乗ったリディアは、そのままイルカたちの巧みな連携に助けられ、遂に艦船のバルジまで到達出来た。
「ヴァンパイアの超身体能力、その身で体感してみなさい」
 バスターソードでバルジを叩き斬る!
 すると、金属が砕け歪む凄まじい轟音を撒き散らしながら、艦船の真横に大穴を開けることが出来たのだ。
「チャンスですね! インフィニティクロッサー!」
 高度の空中からオールレンジ攻撃を敢行するバン。
 だが、彼の剣先は艦船に突き刺さることはなかった。
『大気圏突入シールド展開。防御モードへ移行します』
 絶対無敵状態となった黒鉄の艦船だが、その場から動くことが出来なくなってしまった。
 これにバンはVG-ブロッキングブロックをサイバーから具現化させた。
「攻撃が効かない上に身動きができないなら、足止めとしての責務は果たされていますが、何もしてないのも癪なので……」
 甲板に降り立ったバンは、何やら艦船の左に無数のブロックを積み上げてゆく。
「宇宙ならどうか知りませんが、艦船って海の中で転覆すると大変ですよね」
 ただのブロック詰みは攻撃に該当せず、次第に重量が左に集中して艦船が傾いてゆく。
 そして限界まで積み上げたブロックが崩れる頃には、艦船のは左へ傾いて横転してしまったのだ。
『警告。警告。リカバリーモードへ移行。当機の体勢を修復します』
 沈没させることは出来なかったが、起き上がらせるためにかなりの時間を浪費させることにバンは成功した。

 こうそうしている間に、島から本命の猟兵達が駆け付けてきた。
 いよいよ、本格的な破壊作戦が決行される……!

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

大町・詩乃
都月さん(f21384)と

人々も島も駆逐するなどと簡単に言ってくれますね。
そんな事は私達が絶対にさせません!

UC発動

都月さんの援護を受けつつ高速飛翔。
(「ありがとう都月さん、チィさん♪」と感謝します)
敵の攻撃は【第六感】で予測し、軌道を【見切って】、【オーラ防御】を纏った天耀鏡の【盾受け】とUCによるオーラで防ぎます。

詩乃からはUCと都月さんの援護による戦闘力増強を元に下記実施
①煌月に【光の属性攻撃】を籠めた【なぎ払い・鎧無視攻撃】で艦橋や砲塔を切断。
②都月さんの雷攻撃に合わせて詩乃も【雷の属性攻撃・全力魔法・神罰・高速詠唱】で雷攻撃(「神鳴る力を受け取りなさい!」)。

「誰も死なせませんよ!」


木常野・都月
詩乃さん(f17458)と

スペースシップワールドの船!?
なんでこんな所に……。

とはいえ、相手が船だろうと、コンキスタドールなら、倒すしかない。

折角の宝珠だ、試しに使ってみたい。
時の精霊様にお願いして、敵の動きを遅くしてもらいたい。

あとは、さっきと同様に、詩乃さんを守りつつ、UC【精霊の歌】を使用、風の精霊様の力で詩乃さんに、チィの歌声を届けたい。
詩乃さん、思いっきりお願いします!

敵の攻撃は、[高速詠唱]乗せの雷の精霊様の[属性攻撃]の[カウンター]で対処したい。

加えて、[属性攻撃(2回攻撃)、全力魔法]で追撃を行いたい。



 神性に満ちた若草色のオーラを纏った大町・詩乃(春風駘蕩・f17458)が、木常野・都月(妖狐の精霊術士・f21384)を背におぶって飛翔する。
「あの艦船……人々も島も駆逐するなどと簡単に言ってくれますね。そんな事は私達が絶対にさせません!」
「というか、どうしてスペースシップワールドの船がこんなところに!? けれども、相手が船だろうと、コンキスタドールなら、倒すしかない」
 木常野は大町の背から飛び降りると、風の精霊の加護を得て、自身の体を逆巻く暴風で包み込んで、波間で浮き上がらせた。
「少しバランスを取るのが難しいけど、これなら海の上でも戦える。詩乃みたいにあんな早くは動けなくても、俺には精霊様の加護とチィがいるからな。これで十分戦える」
 木常野の肩にしがみつく月の精霊が『チィ♪』と元気よく鳴いた。
「そうだ、せっかくの時精霊の宝珠だ、試しに使ってみたい」
 海賊が持っていたオーブに己の魔力を込める木常野。
 すると、彼の周囲に幾多の時計盤めいた魔法陣が浮かび上がったではないか!
「……なんだ、これは? 今まで味わったことのない感覚だ。とりあえず、敵の攻撃を遅くしてみよう」
 空中に浮かぶ時計盤の針をくいっと指で押し戻すと、途端に世界は様変わりし始める。
 ぐにゃり、と木常野の視界が揺らいだかと思えば、再び元へ戻ってゆく。
 何が起きたのだろうと狼狽する木常野だったが、それはすぐに理解できた。
『――おぉぉおあぁああぁぁ――』
 黒鉄の艦船の電子音声アラートが、やけに間延びした再生速度になっているのだ。
 更に、格納庫から発進してきた揚陸艇も、コマ送り再生を眺めているかのようにゆっくりと近付いてくるではないか。
「これが時精霊様の加護か。凄い効果だな……。でも俺も凄く疲れるぞ。早めに決着を付けないと」
 時間制御の精霊術に慣れていないせいか、魔力をどんどん持ってかれてゆく感覚に苛まれながらも、木常野はこの大きなチャンスを逃すことなく攻勢に出た。
「チィ、頼む」
 木常野は肩に乗る相棒へ協力を仰いだ。
 月の精霊チィの歌声が大海原に響いてゆく。
 更に風の精霊の加護で歌声は上空を飛ぶ大町の耳にも届いてくる。
「これが精霊の歌声……。心が透き通るような、なんて清浄な気に満ちた調べなんでしょうか」
 大町はチィの歌声に共感したことにより、己の神気を増幅させてゆく。
「都月さん、チィさん! ありがとうございます♪」
「詩乃さん、思いっきりお願いします!」
 上空と海面で互いに手を振り合う大町と木常野。
 偶然から生まれたコンビ連携だが、今ではすっかり板に付いている。
 大町は緩慢な動きで砲撃準備をすすめる艦船へ急接近してゆく。
「いくら砲弾が亜光速とはいえ、射出するまでの準備が遅いのなら此方のものです。発射される前に攻め潰すまでです!」
 それに、砲弾が放たれれば島への被害が出てしまう。
 かといってその身で亜光速の物体を受け止めるのは、いくら不死身といわれる神と言えども無茶が過ぎる。
 それがユーベルコードで消滅できるかとはいえ、加速した物体の衝撃波までは相殺できるかどうか怪しい。
 故に、先手必勝。先に攻め潰して出鼻を挫くに限るのだ。
 大町は愛用の薙刀である煌月を振りかぶる。そのオリハルコンの刃に光を満たしたまま、マッハ7を超える超音速で艦橋や砲塔を次々と薙ぎ払い、斬り落としてゆく!
「はぁぁっ! せぇいっ!」
 裂帛の気合の声とともに放たれた、鎧さえも斬り裂く光の一閃が黒鉄の艦船を着実に破壊してゆく。
「あれが詩乃さんの神様としての全力か。俺も負けてられないな」
 スローモーションのまま接近してくる揚陸艇は、ロボを解き放って木常野へ襲わせた!
「遅いぞ。雷の精霊様、あのロボットと小さな船を攻撃して下さい」
 エレメンタルダガーを振り抜けば、雷の魔法弾が射出されて敵へ吸い込まれてゆく。
 着弾して火花を散らすロボット達は、次々と海の中へと撃沈!
 残る揚陸艇もエンジンが高圧電流に寄って焼け切れて爆発、そのまま沈没していった。
「詩乃さん、今です!」
「攻撃を合わせましょう、都月さん!」
 木常野のエレメンタルダガーに膨大な電流が局所集中!
 大町も自身の纏うオーラこと魂命霊気を変質させ、雷属性の神力の槍を生み出してゆく。
「機械は余分な電気をたくさん流すと壊れるって聞いたぞ。船のコンキスタドールも感電して壊れてしまえ」
「誰も死なせません! 神鳴る力、神罰の雷の槍を受け取りなさい!」
 2人の放つ雷撃が一瞬で黒鉄の艦船に突き刺さった!
 おお! 見よ!
 青天の霹靂とはまさにこのこと!
 2人の猟兵が放つ雷撃は、まるで古代ケルト神話に登場する太陽神ルーが所持した宝具『フラガラッハ』と『ブリューナク』が如き凄まじい閃光と威力を放った!

 コンキスタドールの艦船の動力部から黒煙が上がる。
 轟沈まで、あともうひと押しだろう。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

箒星・仄々
ランさんに騎乗
UC発動
水中から突撃

速さとサーカスめいた機動で回避
魔力放ち迎撃したり魔力の盾で防御
被弾も鱗がつるっと受け流し

ランさんは空中へ飛び出し
上空から突撃の素振りで牽制
私は…いません

水中で魔法の迷彩で紛れ船へ

発見されたら
水流ジェットで加速し
自身もUCで攻撃掻い潜り一気に迫り
船体をぺろ
摩擦0で装甲や武装、機構が空回りや分解

レコさん
別の世界にたった一人で幾星霜とはお可哀想に
賑やかな人魚さん達を手下にしたのも
寂しさ故なのでは?
大変でしたね
もう錨を下ろして永遠に停泊していいと思いますよ

戦闘後に人魚さんの楽曲1番を鎮魂として演奏
骸の海なら一人じゃないです
賑やかな調べてお休み下さいね


小雉子・吉備
船そのものが黒幕だなんて、トンでもなさ過ぎて……普通予測出来ないよね。


〖POW〗
戦いつつキビが現場に来る前までの敵の手数の【情報収集】

真の姿になり

【先制攻撃】の【高速詠唱】で〖時の愚鈍「スロウフールハウル」〗を【オーラ防御】と【属性攻撃(重力)】を込め【範囲攻撃】の【弾幕】で包囲

キビ自身も【激痛耐性】で備え【空中戦】で駆け【第六感】で【見切り】回避しつつ〖雉鶏精の羽針〗で【貫通攻撃】

隙見てキビもUCを【誘導弾】と【貫通攻撃】を込め穿ち、敵が既にUC使用済みなら

それが暴発し大爆発した過去をねじ込み

でなければ
今までの敵の行動で
失敗したら被害大な行動を
大失敗した事実を

〖アドリブ絡み掛け合い大歓迎〗



 先行した猟兵達の戦闘をつぶさに観察する小雉子・吉備(名も無き雉鶏精・f28322)。
 雉鶏精である彼女は、背中に生えた翼を羽撃かせることで黒鉄の艦船コンキスタドールへ接近してゆく。
「船そのものが黒幕だなんて、トンでもなさ過ぎて……普通、予測出来ないよね」
 そんな言葉をこぼしながらも、敵の全てのユーベルコードを確認することが叶った小雉子。
 一方、彼女の真下を白い飛沫を上げながら前へ前へと掻き分けてゆくメカジキがいた。
「ランさん、その調子で突撃して下さいね」
 箒星・仄々(ケットシーのシンフォニア・f07689)は、自身の相棒であり“カッツェンランツェ(ねこのやり)”と名付けた雌のメカジキのランさんの背びれにしがみついていた。
「そろそろ射程圏内だね……」
 小雉子は満を持して己の霊力を外へ解き放った。
 すると、彼女のヒト型の身体がみるみるうちに変化してゆき、陣羽織と雉印の胸当てを身に付けた雉鶏精となった。
 これが小雉子の真の姿だ。まるで童話の桃太郎のような出で立ち、そして右手に握るは伝説の御神刀『桃太郎祐定』の模造刀『偽御神刀・吉備男』。いわゆる贋作であるが、その刀身に宿る霊力は本物である。
「先手を打たせてもらうよ。時の愚鈍『スロウフールハウル』!」
 前方へ低密度の弾幕を解き放る小雉子。
 放たれた弾幕は、接近してくるあらゆる物体・エネルギーの動きを鈍らせる重力と時間制御の効果を有する。
 案の定、艦隊から発信してきた揚陸艇が弾幕に接触すると、積載されているロボット軍団もろとも敵の機動力が大幅に低下した。
 だがビームガンの光線は遅くなっても光の速度だ。ロボット達の放つビーム弾幕が猟兵達を襲う!
「大丈夫。銃口を向けるタイミングさえ分かれば……」
 小雉子は光線ではなく銃口から逃れるように空中を飛び回ることで弾幕を最小限の被弾で済ます。時には光弾を霊刀で切り裂いてみせた。被弾すると勢いで吹き飛ばされそうになるが、歯を食いしばって空中で大勢を保つべく翼を必死に羽撃かせた。
「お返しだよ」
 自身の髪の毛に霊力を流し、一部を雉鶏精の羽毛に変えると、鈍足効果の羽針に変えて一斉に解き放った!
 羽針の雨は揚陸艇の動きを更に鈍らせ、船底に穴を開けて浸水させてしまった。
 ロボットもエメンタールチーズのように穴だらけとなり、崩れるように碧海へ沈んでゆく。
「おっと、ランさん。ロボットさん達の破片に気を付けてくださいね?」
 時の愚鈍『スロウフールハウル』の弾幕を回避するべく、箒星とランさんは一旦、海の中へ潜航する。
 沈んでゆく鉄塊に押し潰されそうになるが、ランさんの鱗がつるんっとそれを弾いたのだ。
(『猫の毛づくろい』には、こういう使い方もあるのですよ~)
 事前にランさんをペロペロと舐めることで、鱗の摩擦をゼロにしておいたのだ。
 勿論、箒星が掴む背びれ以外の殆どを舐め回しているため、水の抵抗もゼロ。ランさんは今、生涯最高の遊泳速度を発揮していた。
(ランさん、そろそろアレをお願いします)
 更に速度を増したランさんは、一気に海面からジャンプ!
 空中へ飛び出し、上空から槍めいた口吻部の突起を、黒鉄の艦船の青く光るエネルギー動力部へ突き刺さんと急降下!
 だが、これに艦船は防御ユーベルコードを発動させた。
『大気圏突入シールド展開。絶対無敵モードへ移行します』
 ガキンッと甲高い金属音を立て、ランさんが甲板の上でちゅるんちゅるんと滑りまくっている。
 だが、その背びれに捕まっていた箒星の姿がどこにもいない。
 ランさん単独での攻撃が失敗した今、彼は一体どこへ?
 上空で見守る小雉子も不安げな表情を浮かべる。
 その次の瞬間であった。
『警告。3番から9番までの多重装甲シールドが剥離。原因不明。警告、警告――』
 突如、艦船の装甲が次々と勝手に剥がれ落ち、海の中へと沈んでゆくではないか!
 よくよく見てみれば、魔法でジェット水流を生み出して3次元立体駆動で艦船の周りを飛び回る箒星の姿が!
「ぺろぺろぺろ……レコさんが動けなくなる隙に、武装を引き剥がしちゃいましょう」
 ユーベルコード『猫の毛づくろい』の有効活用!
 攻撃に対してほぼ無敵を誇る艦船のユーベルコードだが、その間は身動きが取れない。
 箒星はその隙に、艦船中を舐め回して、パーツ毎の連結部の摩擦をゼロにしていたのだ。あとはそれぞれのパーツの自重で海の中へ滑り落ちてゆくだけだ。彼が素通りしてゆくたびに艦船は自壊してゆく!
『損傷率7割を超過。これ以上の損傷は航行が困難になります』
「もう航海をする必要なんてないよ。今からキビがやっつけるから。仄々ちゃん、ランちゃんと一緒に早く離脱して」
「了解です。ランさん、行きましょう」
 ビッチビッチと飛び跳ねるランさんの背びれに箒星が掴まると、そのまま海の中へ潜ってゆく。
 離脱を確認した小雉子は、艦船の上空に巨大なワームホールを出現させた。
 彼女の必殺のユーベルコードが今、発動する。
「大きな痕の切欠を過去に捩じ込む、その鍵を汝に穿たんっ! 改竄の痕『オルターフェザーブラスト』っ!」
 ワームホールから発射された虹色の雉鶏精の羽の雨が艦船の至るところに突き刺さった。
 途端、艦体が音を立てて爆破したではないか!
『損傷率9割超過。当機はこれ以上の戦闘継続は不可能……』
「その爆発……きっと、かつては星の海で立派に戦っていた過去の証なんだろうね」
 火柱を上げて海の中へ轟沈してゆく艦船を、じっと上空から見下ろす小雉子。
「キビのこのユーベルコードが命中すると、その対象が過去に受けた大ダメージを今に再現・改竄することでトドメを刺すよ。過去の致命傷が、現在に襲いかかってくる……過去に生きるコンキスタドールにとっては皮肉な結末だろうけどね?」
 不意に、海上で竪琴の音色が響く。
 物悲しいメロディの鎮魂曲を、箒星はランさんの背中で爪弾いていた。
「レコさん、別の世界にたった一人で幾星霜とはお可哀想に。賑やかな人魚さん達を手下にしたのも、寂しさ故なのでは? 真意は計りかねますが、もう錨を下ろして永遠に停泊していいと思いますよ」
 そして、一際大きな爆発と水柱が天まで立ち昇ると、黒鉄の艦船は真ん中から真っ二つにへし折れた状態で沈没してゆく。
「骸の海なら一人じゃないです。人魚さん達と一緒に、賑やかな調べてお休み下さいね」
 歌う海賊団『オケアニス・シレーネス』への慰みの曲を奏で続ける箒星。
 その背後の島から、大きな花火が打ち上がった。
「島ではレースがクライマックスみたいだね」
 小雉子はようやく笑みを浮かべると、島へ向かって飛び去ってゆく。
「どうやら海賊さん達に気付かれていないようです。島の平和が保たれましたね」
 箒星は曲調を明るい音色へ変えると、他の猟兵達と一緒に島へ戻ってゆく。
 人知れず悪を討った彼らのお祭り騒ぎは、これから始まるのだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2020年08月04日


挿絵イラスト