魂に飢える狂槍(作者 らけ
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#ダークセイヴァー  #同族殺し 


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●闇夜に火花散る
「ヴアアアアァァァァッッ!!!」
 獣のような咆哮を吐き出し、その男は禍々しい長槍を振り回す。
 技量など微塵も感じられない、力任せに振るわれたそれは、しかし彼を取り囲む修道女たちをただの一振りで何人も切り裂いていく。
「臆するな! たかだか狂人一人のために、主様のお手を煩わせるでないぞ!」
 本来ならばその細腕では持ち上げることもできないであろう、死神を連想させる大鎌を構える修道女たち。そしてそれらを容易く槍で引き裂いていく男。それはどちらも常人の力ではない。
 常ならば起こり得ない、オブリビオン同士の戦いであった。
「足りねぇ……足りねぇよ……。 お前らじゃ全然足りねえ……」
 次々と修道女の体を切り裂き、頭を槍で貫き穿ち、それでもまだ足りぬと男は嘆く。
「喰わせてくれ! 俺に! もっと強く美しい『魂』を!!」

●混戦模様
「今回の事件はねー、ダークセイヴァー世界でオブリビオン同士が戦ってるの!」
 グリモアベースに集まった猟兵たちへ、ピーチパッチ・グランヴァルリオン(look at me!・f21844)が事件の説明を始める。
「何があったかは分からないけれど、槍を持った一人のオブリビオンが、あるヴァンパイアの館に乗り込んで、わーっ!!って暴れてるみたい」
 現在は乗り込んだ魔槍のオブリビオンとヴァンパイアの配下たちによる、一対多の乱戦状態。それでも乗り込んだ側が戦況は有利らしい。他のヴァンパイアに戦いを挑むところからも、この魔槍のオブリビオンの戦闘力の高さが伺える。
「とゆーわけで! この槍の人が暴れているところへ、みんなにも行ってもらいます!」
 普段は厳戒に警備されているヴァンパイアの館が大混乱中となれば、利用しない手はないだろう。
「最初はヴァンパイアの配下たちと戦ってー、次は館の主のヴァンパイアとの戦いになります! どっちの戦いでも、槍の人も一緒にいるよ!」
 配下の数は多く、ヴァンパイアの力は強大だ。どちらの戦いでも、猟兵たちは暴れている魔槍のオブリビオンを上手く利用して戦う、ということになる。
「そして最後は、槍の人を倒してもらいます! 配下やヴァンパイアと戦って消耗しているはずなので、そこをねらってね!」
 どんな理由があってヴァンパイアに戦いを挑んでいようと、オブリビオンはオブリビオン。遠慮は無用だ。
「あっ、だけど最後まで槍の人と戦うのは待ってね! 単純にすごく強いし、ヴァンパイアたちと戦うのも、槍の人が暴れてくれないとむずかしーので! 話し合いとかも、多分通じないと思うなー」
 とにかく状況を混乱させる魔槍のオブリビオンを利用し、猟兵たちが漁夫の利を得るのが第一である。迂闊に喧嘩を売れば相応のしっぺ返しがくるだろう。
「危険な依頼だからみんな気をつけてね! 無事に帰ってこられますようにっ!」
 そんなお祈りとともに、転送の準備を始めるピーチパッチ。猟兵たちは各々の準備を整えて、ダークセイヴァー世界へと向かうのであった。


らけ
 らけと申します。
 今回の事件ではオブリビオン同士が争っている状況を利用し、最終的にはどちらとも倒してもらうシナリオになります。

●第1章
 ヴァンパイアの配下たちとの集団戦です。魔槍を持つオブリビオンが暴れまわっているので、上手く利用しながら配下たちを倒してください。

●第2章
 館の主、ヴァンパイアとのボス戦です。ここでも魔槍のオブリビオンが暴れまわります。三つ巴の乱戦となることに留意しつつ、ヴァンパイアを討伐してください。

●第3章
 魔槍のオブリビオンとのボス戦です。これまでの戦いで相手も消耗しているはずなので、全力で討伐してください。

 いずれの章でも、魔槍のオブリビオンにまともな会話は通じません。
 プレイング等で注意深く様子を伺えば、なぜ彼がヴァンパイアの館に乗り込んだかの理由等は判明するかもしれませんが、基本的に話し合いは通用しないものと思ってください。

 それでは皆様のプレイング、お待ちしております。
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第1章 集団戦 『破滅の使徒』

POW ●死の抱擁
【魂狩の鎌】が命中した対象を切断する。
SPD ●滅の壊刃
【魂狩の鎌】を巨大化し、自身からレベルm半径内の敵全員を攻撃する。敵味方の区別をしないなら3回攻撃できる。
WIZ ●獣の行進
召喚したレベル✕1体の【飢えた狼】に【鬼火】を生やす事で、あらゆる環境での飛翔能力と戦闘能力を与える。
👑11 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●赤く染まる庭園
 猟兵たちの転送された先は、ヴァンパイアの館、その外にある広い庭であった。
「オラオラオラァッ!! まだまだ足りねえぞォォォッ!!!」
 猟兵たちからはやや遠い庭の中心部分、噴水の配置された広間からそんな雄叫びと、切り裂かれるヴァンパイアの配下の叫び声が聞こえてくる。
「なんとしても奴を通すな! 死んでも主様に会わせるでないぞ!!」
 修道女たちも大鎌を振りかざし、魔槍の男へと斬りかかるが……それが届くことはほとんどない。届く前に長槍で貫かれ、届いてもせいぜい服を掠める程度。
 戦闘力の差は火を見るよりも明らかだが、数の差もまた明らかである。庭のあちこちから際限なく現れる修道女たちは、主人への忠誠心か……あるいはこの男を通してしまった時、自分が主に一体何をされるかという恐怖心か、ともかく男に一太刀与えんと襲いかかる。
 いずれにせよ、この場で猟兵が現れたことに気づいた者はまだいない。
 混乱の戦況を見据えながら、猟兵たちは武器を握る手に力を込め、チャンスを伺う。
カタリナ・エスペランサ
へぇ、素敵な混戦ぶりじゃないか
吸血鬼の一派に掛けるような同情も無いしね
今回は精々利用させてもらおう

使うUCは【天下無敵の八方美人】
まず《目立たない》よう《存在感》を制御した上で修道女を観察し《情報収集》、《早業+高速詠唱》で手早く《変装》して味方を装い集団に紛れる
磨きを掛けた《演技・コミュ力》の見せ所だね
修道女たちも適度に《騙し討ち+暗殺》、《ブームの仕掛け人+恐怖を与える》技術で混乱を加速させるよ
敵がUCを撃つなら《第六感+見切り》で回避

少し気になるし変装したまま槍使いにも探りを入れてみるよ
その力は何だ、なぜ主様を狙う――とでも聞こうか?
変に目移りされても面倒だし、距離は一定以上に保つけどね


●暗殺者の影
(へぇ、素敵な混戦ぶりじゃないか)
 カタリナ・エスペランサ(閃風の舞手(ナフティ・フェザー)・f21100)は魔槍の男が暴れるほど修道女が吹き飛ばされるその状況に、少しだけ口角を上げた。
 彼女は修道女たちが慌ただしく走り回るその最中、彼女たちと同じように動き回っていた。猟兵であるカタリナがオブリビオンの群れのど真ん中でも見つかっていないのは、彼女たちと同じ修道服に身を包んでいるためである。
 なにせそこら中修道女だらけだ。動き回っているかこと切れて転がっているかの違いはあれど、変装するための資料や材料に困ることはない。
 目立たぬよう植込の陰で手早く着替えてしまえば、観察した修道女たちの仕草を真似て同胞の演技をするなど、『天下無敵の八方美人』を発動したカタリナにとっては楽なものである。
(吸血鬼の一派に掛けるような同情も無いしね。 今回は精々利用させてもらおう)
 槍が振りかざされ、修道女たちの注意がそれに向いた瞬間、手近な修道女の喉元へとダガーを突き立て寝転ばす。
「ぐ、ぁあっ!?」
「なに、どうしたの!?」
 突如として倒れた同胞に驚き恐怖する修道女と、同じように驚いた演技をするカタリナ。魔槍の男が別の方法で殺したのか、裏切り者が紛れ込んでいるのか。恐怖とともに混乱は加速していく。
 そうして人知れず何人かの修道女たちを葬ったカタリナだが、本来は同胞であろうヴァンパイア相手に戦いを挑む男に対しては、ほんの少し疑問を抱いていた。
(少し気になるし、探りでも入れておこうか)
「その力は何だ、なぜ主様を狙う!」
 あくまで修道女であると演技しつつ、槍が届かないよう距離を取って男へ問いかけるカタリナだが――。
「どいつもこいつも、喰って喰って喰い尽くしてやる……アイツのようになァ!!」
「っ!」
 答えにもならない言葉を発し、再び魔槍が振り回されれば修道女たちがまた数名切り裂かれる。あらかじめ距離を取っていたカタリナは寸前で避けることができたが、備えていなければ彼女とて危なかっただろう。
(喰うというのは、彼に取って殺すことと同義だろう。 『アイツのように』ということは……既に同じように殺した相手がいる?)
 男の発した言葉を脳内で噛み砕くカタリナ。まともな会話はできなかったが、発した言葉から拾える情報は何かしらの役に立つかもしれない。
 警戒して後ろに下がるフリをしながら、カタリナは再び修道女たちに紛れ込んでいった。
成功 🔵🔵🔴

髪塚・鍬丸
任務了解、だ。御下命如何にしても果たすべし。

乱戦ならばその隙間を縫う。
【遁甲の術】使用。不定形の透明体に変化。
【忍び足】【早業】で気取られない様に修道女達の合間を駆け回り、死角から忍者刀と手裏剣で【暗殺】。音もたてず急所を切り裂き仕留めていく。
一瞬たりとも一つ所に留まらず、UCの高速移動能力と伸縮性を活かして戦場を縦横無尽に走り回り、姿の見えない暗殺者の存在で混乱を誘おう。
修道女の範囲攻撃は厄介だが、味方を巻き込まない様注意はしている筈。【戦闘知識】で修道女を遮蔽に出来る位置を【見切り】、鎌の斬撃を喰らわない様にする。

伏兵の潜むこの状況で、槍使いはどう動くかね。
何にせよ面倒そうな野郎だな。


●不可視の刃
「聞いていた通り、随分な乱戦模様のようだ」
 混戦の庭へと辿り着いた髪塚・鍬丸(一介の猟兵・f10718)は自らの目で状況を確認した後、早速ユーベルコードを発動させる。
 乱戦ならばその隙間を縫う。鍬丸の発動した『遁甲の術』は、彼の姿を高速移動する透明体に変え、肉体に強い伸縮性と弾力性を与えるユーベルコード。
「御下命如何にしても果たすべし」
 そう呟いた後、人外の領域に達しつつある彼の早業が音もなく次々と修道女たちの急所を切り裂いていく。
「が、ぐぁっ!?」
「どうし……ぎゃぁっ!?」
 月明かりの下で忍者刀がひらめけば哀れな修道女たちの心臓が裂かれ、投じられた手裏剣がシスターヴェール越しに頭蓋へと突き刺さる。
「気をつけろ! あの槍の男だけではない、なにかがいるぞ!」
 こうも次々と味方が倒されていっては、さすがに修道女たちも第三者の存在に気がつく。槍の男だけでなく、自分たちの周囲にも警戒の目を巡らせ始めた。
 しかし鍬丸は透明と化し周囲の風景に溶け込んでいる上、的を絞らせないように常に移動を続けている。
 見えぬならば大鎌で周囲丸ごと攻撃しようとしても、修道女たちの数は多すぎる。その上――彼女らはまだ気がつけてすらいないが――鍬丸は修道女らを遮蔽物にできるよう、位置取りまで徹底して行動している。当てずっぽうに攻撃すれば、味方を巻き込んでしまうことは目に見えていた。
「ならば、巻き添えを出さないよう散開、その後周囲を薙ぎ払え!」
「……いや! 待て、よせ!」
 ある修道女がバラけるように指示を出すが、嫌な予感を覚えた別の修道女がそれを止めようとする。だが最初の声を聞いて、即座に仲間との距離を置いた者は――。
「群れなきゃ何もできねえヤツらが、何をワザワザ喰われやすくしてくれてんだぁっ!?」
「ぎゃ、あぁっ!?」
 散開し一人になった修道女が魔槍で穿たれ、また地に倒れ伏す。多対一でも抑えきれない魔槍の男もいる状況で散開するなど、各個撃破してくれと言うようなものであったのだ。
(伏兵の潜むこの状況で、槍使いはどう動くかと思ったが……)
 目につく者、隙を見せた者から次々と槍の餌食になっていく様子を見れば、姿を隠して修道女を攻撃した鍬丸の判断は正解であったのだろう。
(――何にせよ面倒そうな野郎だな)
 最終的にはこの男とやり合わねばならない未来を考え、鍬丸はひとりごちるのであった。
大成功 🔵🔵🔵

ナターシャ・フォーサイス
WIZ
鎌を扱う使徒となると、親近感を覚えますが。
我々は楽園の使徒。破滅の使徒とは対極の存在。
貴女がたが過去から蘇りし哀れな魂ならば、我々もまた楽園へと導いて差し上げねばなりません。

貴女がたが狼を呼ぶならば、天使達を呼びましょう。
皆様へ加護を齎し、天使と共に天を駆け狼達を導くのです。
私の聖祓鎌は砕けて久しいですが、それは些細なこと。
天使達と共に【高速詠唱】【全力魔法】【焼却】【範囲攻撃】の聖なる光を以て、貴女がたを導きましょう。

魔槍の男に蹴散らされるのは、憐れみを覚えますが…
もし、我らと共に来ることを望むならば。
罪と闇を祓った後、楽園の使徒として。
共に並び立つことができるよう、【祈り】ましょう。


眞嶌・未来(サポート)
 バーチャルキャラクターのシンフォニア×聖者、外見は十代前半くらいの女です。

 基本的に知っている歌を歌います。
 白兵戦ならハインライン型マシンウォーカーに搭乗して戦います。

 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!


●魔狼と聖光、そして悲鳴
「鎌を扱う使徒となると、親近感を覚えますが…… 我々は楽園の使徒。破滅の使徒とは対極の存在」
 次に戦場の庭園へ降り立ったのはナターシャ・フォーサイス(楽園への導き手・f03983)。修道女姿をしたオブリビオンを前に、一人の聖者としては思うところがあるようだ。
「はっ! 猟兵ごときが、主の祝福を受けた我々を破滅のものなどと言ってくれるな!」
 修道女たちの怒気を孕んだ叫びとともに地面が次々と盛り上がり、そこから飛び出してくるのは涎を垂らした飢えた狼の群れ。
「槍の男も猟兵どもも、一人残らず噛み殺せ!」
 邪なる祈りを捧げれば狼の毛皮には赤黒い鬼火が纏わされ、不気味な炎とともに狼の体躯はふわりと浮かびだす。
「ガォォォンッ!!」
 牙を剥き出しに、鬼火を纏う餓狼の群れは四肢で駆けるように闇夜を飛ぶ。狙うは魔槍の男とナターシャら猟兵たちの喉笛だ。
「貴女がたが過去から蘇りし哀れな魂ならば、我々もまた楽園へと導いて差し上げねばなりません」
 修道女の召喚する狼の群れへと対抗するため、捧げられたナターシャの祈りは『楽園の使徒』として発現する。彼女の背からは機械仕掛けの鋼翼が羽ばたき、その威光に導かれるように暗い空からは天使達が舞い降りる。
「あの魔狼たちの足止めを頼みます。 時を稼げば、残りは私が受け持ちましょう」
 ナターシャに命じられた天使たちが羽ばたき、修道女らに操られた狼の群れと空中で激突する。天使たちの握る武器と餓狼の爪牙がぶつかりあい、闇夜に火花と鬼火が舞う。
「アァ? なんだか知らんが喰う相手が増えたな。 テメェらの魂はどうだ、俺の糧に相応しいか?」
 天使と炎狼が織りなす空中戦を眺めるのは、修道女や猟兵だけではない。空中へとその身ごと魔槍が翻れば、修道女と狼だけでなく数体の天使までもが地へと落とされる。
「やはり、あの男は一筋縄ではいかないようですね……」
「それじゃ、私にまかせてっ!」
 天使だけでは狼たちはともかく、魔槍の男には歯が立たないだろう。そう感じたナターシャの呟きに元気よく応えたのは、二足歩行型のマシンウォーカーに搭乗した眞嶌・未来(センテニアル・ラブドール・f25524)だった。
 ガシャンガシャンとけたたましく鳴る駆動音とともに、未来は戦場の中心へと走り抜ける。
「わざわざ囲まれにきたか、愚かな猟兵だ!」
 好機とばかり、修道女たちの鎌が未来へと伸ばされる。周囲を飛び交う狼たちもまた、未来の硬い装甲へ鬼火を振りまこうと走り寄ってくる。
「女性に向かってそんな風に乱暴に近づくのは……イヤァァァーーーッ!!!」
 しかしそれこそが未来の狙い。敵に囲まれ、逆に味方は周囲にいないその中心から、悲鳴と共に秘められた力を解き放つ。
「なっ……う、うわぁっ!?」
「ギャインッ!?」
 ボン、と弾けるような衝撃が未来を中心に炸裂し、近寄ってきた修道女や狼の群れへと襲いかかる。周囲へ無差別に攻撃する未来の『イヤボーン』は、大天使へと変身したナターシャの祝福を受け、更に威力を増していた。
「ハッ、飛んで火にいる夏の虫ってか!! 不味そうな虫だが喰っておいてやらぁ!!」
 不幸にもちょうど魔槍の男のいる方向へと吹き飛ばされてしまった修道女や狼は、為す術もないまま槍の餌食となる。
「これでどうかな、いける?」
「ありがとうございます、それで十分です」
 一言の感謝を述べて、ナターシャは紡ぎ続けていた詠唱を完成させる。大天使の全力を持って狙うのは、未来によって陣形を崩した修道女と餓狼たち。
「この聖なる光を以て、貴女がたを導きましょう」
 その静かな宣言とともに、大天使の鋼翼から闇夜を切り裂く光が放たれる。修道女や空飛ぶ狼たちを照らせば、その聖なる力が邪悪なる存在へ灼熱に晒されるような痛みを……否、それを感じる暇もなく、次々と浄化されていく。
「ギャオォォンッ!?」
「ぐ、ああぁっ……!!」
 修道女も狼も、一声うめきをあげるだけで精一杯。この世界には本来無いはずの聖光に、跡形もなく焼き尽くされていく。
「もし、我らと共に来ることを望むならば……罪と闇を祓った後、楽園の使徒として。
共に並び立つことができるよう祈りましょう」
 鋼翼をしまい、消え去った彼女らの魂が救われるようにと、静かに祈りを捧げるナターシャ。
 残る修道女たちはわずかばかり……だが。
「へぇ…… なんだ、そっちの魂はどいつもこいつも美味そうじゃねぇか」
 数多の修道女や狼を相手取り未だ息の一つもあげていない魔槍の男は、その両目に獰猛な光を浮かべていた。
成功 🔵🔵🔵🔵🔴🔴

天海・虎徹
魔槍のオブリビオンか
俺の力を知るには絶好の相手だな
その前に、片づけなきゃならないやつがいるみたいだけど
まぁ、いいや。さっさと片付けよう

死の抱擁で鎌で斬り捨てようとしてきたら、先制攻撃でそれより早く動いてグラップルで左腕の籠手を使って相手の鎌の攻撃をそらし、そのままの流れで相手の首を左腕で掴んで、そのまま握り砕く
相手がこちらの攻撃を警戒しているなら、フェイントを混ぜて虚を突き、攻撃をいなせないなら、覚悟を決めて武器受けとオーラ防御を使って、重心を落として受け止める
「君たちに恨みがあるわけじゃないけど、俺の前に立ったのが不運だと思って、死んで」


コミュニ・セラフ
ふーむ、戦争ですに。
血沸き、肉躍る戦いになればいいですがに・・・!

恐れる事は無いに、ヴァンパイアの配下でも所詮は肉と骨。
解放と救済を与えてくれるに。

チェイン・ハンマーを呪縛砥石で研ぎ、生命力吸収が行えるようにしますに。私の持ち味は回避を選ばぬ、相打ちですに。鎧と外套の準備は万全。恐れる事無く、ただただ殴ることに集中するに。

奇襲等行わず、大声を上げて手近な敵を横凪にしてくれるに。
遠くにいる敵は、チェインを伸ばしハンマーを投擲してやるに。

餓えた狼など、私の怪力で刈り取ってくれるに。真に狼なら、死を恐れず襲い掛かってこいに。私の声帯で戦場全てに響く声を上げ、恐怖を与えてやるに。さぁ、戦おうかに!


●流水の篭手、破砕の大鎚
「魔槍のオブリビオンか。 俺の力を知るには絶好の相手だな」
 修道女の集団の中、魔槍を振るい大暴れする男を見据え、天海・虎徹(睡虎・f19245)は武器を構え直す。
「その前に、片づけなきゃならないやつがいるみたいだけど…… まぁ、いいや。 さっさと片付けよう」
 強者との戦いで力量を測るならば、周囲の有象無象は邪魔でしかない。そんな虎徹の呟きを聞きつけた一人の修道女が、激高した様子で大声をあげる。
「片付ける、とはまた甘く見てくれたものだな!」
 大鎌を構えれば、身の丈ほどであったそれが見る間に巨大化していく。両腕で掲げたその鎌は、ただ振るうだけで周囲の生命を数多奪えるだろう。
(この大きさは……受け切るのは、難しいか?)
 いつものように左腕の篭手で受けてから反撃に転じるには、その鎌の質量は少々大きすぎるように見えた。
「それなら……」
「その首頂くぞ、猟兵よ!」
 巨大化した鎌が振り切られるよりも早く、虎徹の左腕が動く。鎌の斬撃の軌道上からほんの僅かにズレた位置で篭手を構え、鎌に触れると同時、添えるように力を込める。
「受けきれないなら、こうやって……!」
 結果、滑らかな篭手の表面を流れる水のように、修道女の斬撃は滑り、いなされる。目前に迫る死を前に一歩も退かない、類まれなる覚悟あってこその技であった。
「なにぃ!?」
あらぬ方向に力を流され態勢を崩した修道女の首へ、そのまま虎徹の左腕が伸びて。
「君たちに恨みがあるわけじゃないけど、俺の前に立ったのが不運だと思って、死んで」
 首狩りの鎌を振るったはずの修道女は、逆にその首をへし折られることとなった。
「なんだ今のは!? あんな腕一本で……!」
「落ち着け! 囲んでしまえばどうにでもなる!」
 崩れ落ちた仲間を前にざわめく修道女たち。しかし冷静な一人が指示を出し、虎徹の周りを囲み始めた。
「……これはちょっと、面倒だな」
 こうして集団から一斉に襲いかかられれば、篭手一つで捌き切るのは難しいだろう。
「ならば私に任せるが良いに!」
 どうしたものかと思案しかけた虎徹の耳に、特徴的な声が飛び込んできた。
「ぎゃ、あぁっ!?」
 次の瞬間。囲いの一角であった修道女が、悲鳴だけ残して空の彼方へ吹っ飛ばされる。
「ふーむ、戦争ですに。 血沸き、肉躍る戦いになればいいですがに……!」
「な……なんだ貴様は!?」
 さきほどまで修道女がいた場所に立っていたのは、雷を纏うハンマーを既に振り抜いた姿勢で握りしめるコミュニ・セラフ(女傑なる狂天使・f12530)であった。こちらを注視する修道女らへとコミュニは告げる。
「恐れる事は無いに、ヴァンパイアの配下でも所詮は肉と骨。 解放と救済を与えてくれるに」
 それが意味するのがすなわち死であることを、コミュニが大鎚を頭上にかざすのを見た修道女たちは即座に理解した。
「やらせるか、このっ……!」
 近くにいた修道女は即座に大鎌を振るう。回避の素振りすら見せないコミュニの胴体に、鎌の鋭い先端が深々と突き刺さる。
「わざわざ近づいてくれて……感謝するにっ!!」
 だがそれとほぼ同時、コミュニもまたハンマーを振るえば……ごちゅん、と鈍い音が響き、修道女の頭部が跡形もなく消し飛ぶ。
「さあ、戦おうかに! どんどんかかってくるが良いにー!!」
 修道女らへと戦場全体に響くような大声をあげて、コミュニは向かってくる修道女たちへ次々とハンマーを打ち付ける。
「馬鹿な、同胞の鎌を受けて、なぜああも動ける!?」
 はっとしてコミュニを見やる修道女だが、胴体を貫かれたはずの大傷は既に跡形もなく修復されていた。事前にハンマーへと付与していた生命吸収の呪縛によって、コミュニは敵に傷を与えるほど体力を回復しているのだ。
「またなんというか、俺には真似できなさそうな戦い方だな」
 殴っては斬りつけられ、殴っては回復し……と大立ち回りのコミュニを眺める虎徹がそう呟いた。
 虎徹は技巧をこらし敵の攻撃を受け流したが、コミュニの戦いはそれとは真逆、回避を選ばぬ相打ちであった。
「め、滅茶苦茶だ…… もう私たちの手に負える状況ではないぞ!?」
 残る僅かばかりの修道女たちも、絶望的な状況にすっかりと戦意を喪失する。
「ふーむ……戦わぬ者に手を出す趣味はないがに……むっ?」
 とはいえ相手はオブリビオン、放置するわけにもいかない。どうするかと思案したコミュニの前に、飛び込んで来るのは魔槍の男。
「オイオイ、食べ残すなんざ行儀が悪いんじゃあねえかあ?」
「ひっ……ぎゃあぁぁぁ!?」
 乱入してくると同時に魔槍で薙ぎ払われる修道女たち。怯えの声を一瞬だけあげて、ひとり残らず殲滅されることとなった。
「なあ……お前らの魂も寄越せよ…… 俺が全部喰って、クソヴァンパイアを殺す力にしてやるからよ……」
 狂気的な笑みを浮かべ、猟兵たちへ近付いてくる男。警戒する猟兵たちはそれぞれが武器を持ち直して魔槍の男へと対峙する。
「ねぇねぇ、そーいうのはヨソでやってくれなーい?」
 そうして次なる戦いが始まろうとしている中で、場違いなほど幼い少年の声が聞こえてきた。
大成功 🔵🔵🔵🔵🔵🔵


第2章 ボス戦 『ヴァンパイア・ノゥブル』

POW ●封印魔眼
【封じられし魔眼から放たれる、魅了の視線】が命中した対象にルールを宣告し、破ったらダメージを与える。簡単に守れるルールほど威力が高い。
SPD ●従魔召喚
【レベル分の数、使い魔の吸血蝙蝠や人喰い狼】が現れ、協力してくれる。それは、自身からレベルの二乗m半径の範囲を移動できる。
WIZ ●肉体変化
対象の攻撃を軽減する【魔力で出来た霧状の肉体】に変身しつつ、【時折実体化し、腰に佩いた剣や調教用の鞭】で攻撃する。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
👑11 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はアルル・アークライトです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●館の主と魔槍の狂気
 修道女たちのいなくなった庭園。向かい合う猟兵たちと魔槍の男、そこに現れたのは館の主であるヴァンパイアであった。
「まぁ、キミたちが潰し合ってくれるのを待っていてもいいんだけど…… いちおー、ボクのかわいいシスターちゃんたちを殺してくれたお礼はしなきゃなーって」
 その姿は金髪赤目の幼い顔立ちをした美少年であった。貴族然とした黒基調の紳士服に裏地の真っ赤なマントを翻す姿は暗い闇夜のようであり、病的に白い肌はさながらその闇の中に浮かぶ幽鬼のようだ。
「だいたいさぁ、猟兵はともかくそっちのキミはなんなの? いろんな人間をころしてはきたけど、キミの恨みを買うような筋はないし。 多分」
 ヴァンパイアは見た目通りの幼い言葉遣いで疑問を重ねる、が。
「喰う、くう、クウ……! 見つけたぜぇ、ヴァンパイア……!!」
「ああ、だめだこりゃ。 めんどーなのに絡まれちゃったなー」
 そもそもが狂気に蝕まれている男にヴァンパイアの問いかけも通じない。男は槍を暗い天へと掲げて叫ぶ。
「魔槍よ、俺の『魂』を喰らえ!! 代わりに寄越せ、アイツのようなクソヴァンパイアどもを喰らう力を!!」
 空気がざわめき、男の持つ魔槍から淀んだ瘴気が溢れ出る。歯を剥き出した獣面を思わせる様子が、男の狂気を加速させる。
「グウゥゥゥッ…… アアアァァァ!!!」
 ヴァンパイアだろうが猟兵だろうが、彼の前には関係が無い。目につくものを全て葬らんと、魔槍を握り駆け出す。
「まあいいや、まとめてめんどー見てあげるよ。 シスターちゃんもいなくなっちゃったし、猟兵もかわいい子だったらボクの手下にしてあげるから」
 強大な力ゆえか余裕を見せるヴァンパイア。狂気に身を委ねる魔槍の男。そしてそれぞれの信念を胸に戦場に立つ猟兵たち。
 かくして、オブリビオンたちと猟兵たちとの三つ巴の戦いが始まった。
カタリナ・エスペランサ
吸血鬼に対する憎悪、力への渇望……この世界に生きる者としては共感できるものだけど。
同族殺しに成り果てた理由、それも魔槍に喰らわれた後なのかな?

さて、もう少し暗躍するとしようか
《目立たない》よう《存在感》を制御、《物を隠す》《迷彩》を纏い《忍び足》で隠密。《情報収集》で戦場把握は欠かさず、巻き込まれそうな攻撃は《見切り》回避しよう

【鏡鳴召喚】で槍使いをペンダントに映し複製、吸血鬼の召喚した従魔を散らす露払いとして援護させるよ
アタシが操らないといけないのが難点とはいえ、彼の戦い方なら十分観察しているしね

吸血鬼には《恐怖を与える》に足る眺めだと思うけれど
同族殺し、彼に自分自身の姿はどう映るのかな?


髪塚・鍬丸
状況は変わらず三つ巴。数は減ったが敵は何れも一騎当千。混戦を誘えない分、ここからが正念場か。

姿を隠し攻める戦術は続行だ。但し、透明化はそろそろ見切られる頃合いか。ならば。
【木の葉隠れの術】。戦場を、木の葉舞う結界で覆う。
防御力強化。己の姿と気配を消し去る。
吸血鬼の魔眼が視線を媒体とするなら見えない相手には使えない道理。槍使いも、眼前の仇敵を優先すると読む。

位置を気取られぬ様、戦場を【早業】で高速転移し飛び回り、吸血鬼の死角を狙う。
槍使いの攻撃に気を取られた瞬間を狙い「風魔手裏剣」を【投擲】。【衝撃波】の浸透による【貫通攻撃】で切り裂く。
卑怯かな?忍者にとっての恥とは任務を果たせない事のみ、さ。


藤堂・こずゑ
「本当に敵同士で戦ってるのね」
戦場に来たこずゑは、対峙する2人を見つめている
魔槍と言うのがどんなのか気になってやって来た
今は妖狐だが、刀のヤドリガミの末裔のこずゑ
良くも悪くも刀や槍に惹かれてしまうらしい
敵2人が戦っている時は我関せず、じっくりと2人の技や動きを観察します
そしてヴァンパイアが向かって来た時は【聞き耳】【第六感】【見切り】で敵の動きを感知し避けます
「あなたの手下にはならないわ。負けないもの」

徐々に挑発し、敵のUCを発動させ鞭は避け実体化し剣で攻撃してきた時に【武器受け】から【早業】で私のUC発動
弾かれた反動を利用して刀を背後で手早く逆の手に持ち替えて左手から突き胸を刺しにいくわ


天海・虎徹
可愛い子ねぇ
ずいぶんとませた子供だ。まぁ、どうでもいいんだけどね
君みたいな子供を倒すと思うと気が引けるけど、いいよね?
殺してきた以上、殺される覚悟も、できてるでしょ?

先制攻撃で相手より先に動いて攻撃を仕掛けつつ、妖刀で相手の視線を反射して自分にかからないようにしつつ、グラップルと二回攻撃で相手の体のどこかを掴んで、そのまま力任せに持ち上げて大地に叩きつけるか、つかんだ部分を握力で握り砕く
「痛い?あのさ、痛みをもらう覚悟もできてないなら、戦場に出てこないほうがいいよ?自分が殺意を向けてるとき、相手もまた、自分に殺意を向けてるんだから」


コミュニ・セラフ
ふぅむ、年下の子かに。とはいえ、年下に過ぎて趣味では無いんですよに。

所詮は私の敵かに、平等に解放してくれるに。

常に戦闘においては主導権を握り、強みを押し付けていくのを好みますに。
敵の攻撃タイミングに合わせて相打ちするに。


従魔など私の相手にはならぬに、人食い狼など噛みに来るならいっそ口の中に腕を突っ込みそのまま壁に叩き付けてやるに。

吸血蝙蝠等蚊も同然、その代償は命で償って貰いますに。

私の真価はハンマーではなく、闘争心と怒りそのもの。封じられたとしても、相手が攻撃してくる時に強引に殴りに行くに。

敵に冷静な判断をさせない為、大声を上げるに。頭をつかみ膝をつかせても尚万力のように押しつぶしてくれるに。


●狂気と邪心と猟兵たち
「ヴ……アァァァッッ!!」
 暴走する魔槍の男が最初に矛先を向けたのは、元来の目的であるヴァンパイアであった。破裂音のような咆哮を上げて突き出された魔槍だが、ヴァンパイアは既のところで先端を剣で弾く。
「ん、おもったより早いなぁ……」
 続けざまに放たれる連突をいなしながら、初撃で避けきれず僅かに裂けたマントをちらりと見やり、ヴァンパイアが不服そうな表情を浮かべる。だが連続して繰り出される刺突を前に衣装を気にする余裕がある辺り、ヴァンパイアの実力は魔槍の男に劣るものではないだろう。
「……本当に敵同士で戦ってるのね」
 戦場に到着した藤堂・こずゑ(一閃・f23510)は、まずはオブリビオン同士の戦いから情報を得ようと、二人の動きを観察する。力任せに叩きつけるように槍を振り回す男に対し、ヴァンパイアは闇夜に溶けるように身を躱していくが、決定打を返さないのは未だ様子を見ているのか。
「オオオォッ…… クウ、クワセロ、クソヴァンパイアァッ!!」
「吸血鬼に対する憎悪、力への渇望…… この世界に生きる者としては共感できるものだけど」
 魔槍の男が上げる唸り声に、先の戦闘から修道女姿のままであるカタリナ・エスペランサ(閃風の舞手(ナフティ・フェザー)・f21100)はそんな感想を抱く。彼が同族殺しへと成り果てた理由に僅かばかり思いを馳せるが、考えを巡らせる前にヴァンパイアが二人の女猟兵を見て口を開いた。
「コレと違って、そっちの猟兵はふたりともかわいいね。 どう?一応聞くけど、ボクのところに来ないかい?」
「悪いけれど……あなたよりは、そっちの槍の方が興味はあるかしら」
 刀のヤドリガミを祖とするこずゑにとっては、ヴァンパイアなどよりは魔槍の方が気になるようだ。
「同じく、キミみたいなのと親しくしたいとは思えないね」
 当然ながらカタリナからも冷たくあしらわれるヴァンパイア。魔槍の一閃から距離を取りながら、わざとらしく肩を落とす。
「あーあ、フラレちゃった! でもいいよ、可愛い子はムリヤリでも、ボクのものにしてあげるから」
「可愛い子、ねぇ…… ずいぶんとませた子供だ」
 自らの欲を満たすことしか考えていない、まさに子供のような思考に、天海・虎徹(睡虎・f19245)は「まあ、どうでもいいんだけどね」と付け足して呟く。
「ふぅむ、年下の子かに。 とはいえ、年下に過ぎて趣味では無いんですよに」
 コミュニ・セラフ(女傑なる狂天使・f12530)も同様、相手の容姿に興味なさげにハンマーを握る。
「所詮は私の敵かに、平等に解放してくれるに」
「君みたいな子供を倒すと思うと気が引けるけど、いいよね? 殺してきた以上、殺される覚悟も、できてるでしょ?」
 見た目に惑わされず殲滅の意を表するコミュニと同じく、虎徹も篭手を嵌めた左腕を構え、容姿の幼いヴァンパイアへと覚悟を問いかける。
「そーいうのめんどくさいなー。 大体ボク、君等より数倍年上だし。 ……あ、でもそっちの子もイイねー。 狩りの楽しみがふえたなあ」
 戦いとすら思わぬ『狩り』という表現に加え、露骨に女性にばかり興味を示すヴァンパイア。癇に障る、という表現がよく似合う言動である。
「……まず、その邪な視線を遮らせてもらおうか」
 そんな声とともに、突如として夜の庭園に吹く一陣の風と、視界を埋め尽くす勢いで舞い上がる木の葉。ここは仮にもヴァンパイアの庭園、これほど大量の葉がそこらに落ちているほど手入れがされていない……ということはないだろう。
「数は減ったが敵は何れも一騎当千。 混戦を誘えない分、ここからが正念場か」
 『木の葉隠れの術』によって味方をヴァンパイアの視線から守るのは髪塚・鍬丸(一介の猟兵・f10718)。改めて気を引き締め、三つ巴の戦に望む。
「グウゥッ…… ジャマダアアァァァッ!」
 視界に映る木の葉が不快なのか、魔槍の男は苛立たしげに槍を振り回し、手近にいるものへ襲いかかろうと走り出す。
「一番ジャマなのはキミなんだけどなぁ…… はぁ、さっさと終わらせて女の子といっしょにあそぼーっと」
 面倒くさそうな様子でヴァンパイアも動き出す。口振りこそ気力が感じられないが、大量の手下と館を構えていただけの実力があることは間違いない。
 こうして三つ巴の戦闘は、木の葉舞い散る中で始まることとなった。

●血煙の戦い、降り注ぐ魔槍
「さあ、さあ、さあ! 死合うとするにー!」
 猟兵たちの中で真っ先に前へと駆け出したのはコミュニだ。闘争心を燃え上がらせ、元気一杯とすら言えるほどの大声を上げて敵の元へと突き進む。とはいえ、強大なオブリビオンたちの相手を一人に任せる猟兵たちではない。
「俺も前に出るよ。 サポートとかは、任せる」
 虎徹が落ちた葉を踏み蹴り、コミュニの後を追う。左手に篭手を、右手に妖刀を構え、ヴァンパイアたちへと視線を向ける。
「いちいち相手してたらキリなさそうだねー。 というわけで、みんなおねがーい」
 一度に複数を相手取りたくないのはヴァンパイアも同じようだ。気障ったらしくマントを翻すと、その影からは穴の空いた翼で宙を飛ぶ蝙蝠や、歪な牙を噛み鳴らす狼の群れが現れる。数の不利を埋めるべく使い魔たちを召喚したのだろう。
「また集団の敵が相手か。 厄介だな」
「それならこっちも。 こういう派手なのも良いだろう?」
 鍬丸のつぶやきに応えるようにカタリナが不敵な笑みを浮かべ、ペンダントに映された者を分身として複数召喚し念力で操る『鏡鳴召喚』を発動する。そのペンダントに映されたのは……。
「アァ……? オレ、ダト?」
「うーわ、よりによってそいつ!?」
 カタリナが複製対象に選んだのは、魔槍の男。ペンダントから次々と複製される男の分身体は、総数70を超える。いずれも掲げるのは、本物と同じく禍々しい魔槍だ。
「アタシが操らないといけないのが難点とはいえ、彼の戦い方なら十分観察しているしね」
 カタリナ自身は狙われないように複製した槍使いたちに紛れ、分身の操作に注力する。念力で操作された魔槍の分身体がヴァンパイアへの配下へと襲いかかるが、そこに魔槍の男本人が文字通りの横槍を入れる。
「ハハハ! オレヲクエルノカ、オモシレェ!!」
 自分で自分を殺せる機会の何が面白いのか、狂気に呑まれた男から察することはできないが……分身体の向けた魔槍を、本物は難なく薙ぎ払い戦場の塵へと変えていく。
 魔槍の男の戦闘力が再現された分身とはいえ、動かしているのはカタリナの念力である。それを数十体一度に操作するともなれば、さすがに本物には及ばないのだろう。
「ああ、もう本当めんどうだなぁ! オシオキにあとでたっぷり可愛がってあげるからね!」
 だが、相手が蝙蝠や狼のような獣相手であれば別だ。分身たちは露払いとしての役割を全うし、ヴァンパイアの周囲の守りを崩していく。
「獣魔など! 私の相手にはならぬに!!」
 互いに数十体の配下や分身体を召喚し、騒がしくなった戦場。その騒音に負けない声量でコミュニの勇ましい声が響き渡る。狼がこちらへ噛みつこうと口を開ければ、そこに自ら腕を突っ込み、そのまま近場の噴水へと叩きつける。
「そっちの子もおてんばだなぁ……」
 戦場の中心に立つコミュニの姿を捉え、ヴァンパイアは右目を覆う眼帯をずらす。その下の瞳から毒々しい光が放たれ、真っ直ぐにコミュニへと命中した。
「ルールを告げる、『キミはボクに近寄ってはいけない』」
 告げられたルールを破ればダメージを受けるユーベルコード。木の葉によってある程度視線は遮られているが、さすがにヴァンパイアのユーベルコードを防げるほどではない。
「断るに!!」
 そしてそれを分かっていながら、躊躇いなくコミュニはヴァンパイアへと走り寄る。体に激痛が走り、ペナルティとして与えられた傷口から鮮血が滴るが、それを意に介するコミュニではない。
「フツー、もうちょっと躊躇とかないかなぁ」
 そう言いながらも、ヴァンパイアは自らの体を霧と化しコミュニの接近から逃れる。口調に驚きが見られないのは、先程の戦いからコミュニの行動を予想していたのか。
「あら、思ったよりあっさり逃げるのね。 年はとってると言っていたけれど、怖がりなのは見た目通りなのかしら」
「んー……?」
 最前線に立つコミュニからは一歩引いた位置で戦況を俯瞰していたこずゑが、不意にそのようなことを口にする。ヴァンパイアは体を霧と化したまま、だが口調には不満げな感情が見て取れる。
「可愛いけどナマイキだねぇ。 ボクのものにしてあげたら、もっと可愛いことを言えるようにチョーキョーしてあげるからね」
「あなたの手下にはならないわ。 負けないもの」
 姿勢も崩さず、毅然と言い返すこずゑの態度が気に食わないのか、霧と化したヴァンパイアが戦場を通り抜けて彼女へと向かう。
「いつまでそーゆー口が聞けるのか、たっぷり試してあげようかっ!」
 攻撃とともに実体化するヴァンパイア。不意を突いた剣閃がこずゑの刀を手元から弾く。
「ほら、これでおーわりっ……!?」」
 続けざまにこずゑを斬りつけようとするヴァンパイア。だが、こずゑがわざわざヴァンパイアを挑発したのは、まさにこの瞬間のため。刀は弾かれたのではなく、そうなるように受けたのである。
 武器を弾かれた衝撃そのまま、反動を利用して体を捻る。着物の袖が半円を描いてヴァンパイアの視界を封じ、その陰でこずゑは弾かれた刀を左手へと持ち替える。
「これは……どう!?」
 『廻し逆突き』と名付けられたその技は、最初から刀を弾かれた状況を想定した返し技。ヴァンパイアの虚を突いた反転突きがヴァンパイアの胸を貫く。
「あーあ…… でも、これで……キミも逃げられないよね?」
「っ!?」
 しかし胸を貫かれたまま、ヴァンパイアは至近距離へと近づいたこずゑに腕を伸ばす。ヴァンパイアの膂力であれば、こずゑの細い首など容易くへし折ることができるだろう。
「……させるわけ、ないだろ」
「ぐっ……!」
 しかしその魔手がこずゑを捉える直前。虎徹がその手首を掴み、肉の上から骨を砕かんばかりに握りしめた。そのままこずゑからヴァンパイアを引きずり離し、力任せに持ち上げて地面へと叩きつける。
「が、アァ、いたっ……!」
 貫かれた胸の傷からドス黒い血を吹き出して、さすがのヴァンパイアもうめき声をあげた。
「痛い? あのさ、痛みをもらう覚悟もできてないなら、戦場に出てこないほうがいいよ? 自分が殺意を向けてるとき、相手もまた、自分に殺意を向けてるんだから」
「……あはは! そうだね、まったくそのとーり」
 虎徹の言葉に、なぜかおかしそうに笑い声を上げるヴァンパイア。虎徹は不審な目を向けるが、その答えはすぐに返ってきた。
「でもキミが今殺意を向けてないからって、アレも殺意を向けてないとは限らないんじゃないの?」
「ヴオォォォッッッ!!!」
「!!」
 虎徹がとっさに身を捩ると同時、ヴァンパイアは虎徹の拘束から逃れて再び霧状へと姿を変える。そうして生じた僅かな隙間を、魔槍の刺突が縫うように通り抜けていった。僅かでも反応が遅れていれば、両者まとめて貫かれていただろう。
「ちっ……!」
 ヴァンパイアが再び霧と化して戦場に隠れた今、まともに魔槍の男を相手取るのも危険だと判断した虎徹は魔槍から身を隠す。思わずこぼれた舌打ちは、判断の遅れた自分自身への憤りか。
「はは、ざーんねーん。 そっちに気を取られちゃったね」
 安全圏へと逃れ、小憎たらしいセリフを吐くヴァンパイア。次こそ猟兵を仕留めようと歩みを進め……。
「……?」
 進めようとして、足が動かないことに気がつく。視線を下へと落とせば、そこに生えていたのは一本の鋭い手裏剣。
「な、にっ……!?」
「あの男に気を取られたのは、お前さんも同じだったな」
 戦場に潜み続けていた鍬丸の風魔手裏剣が舞い続ける木の葉に紛れて投じられ、ヴァンパイアの足へと突き刺さっていたのだ。虎徹と魔槍の男から同時に離れて安堵した瞬間を狙ったものである。
「この、ひきょーもの、が……!」
「卑怯かな? 忍者にとっての恥とは任務を果たせない事のみ、さ」
 木の葉に紛れて姿は見せないまま、言葉だけをヴァンパイアに返す。ヴァンパイアがいかに視線を巡らせて魔眼で拘束しようとしても、その姿が見えなければ意味はない。
「く、ちょこまかと……!」
「余所見をする余裕があるのかに?」
 そうして足を封じられたヴァンパイアの元にコミュニが辿り着く。倒した使い魔たちの返り血と自身が流した流血に、その体は真っ赤に濡れていた。
「ようやく、捕まえたに……!」
「う、わっ!?」
 がっちりとヴァンパイアの頭を掴み、全力で持って地面へと抑え込む。そうして二人とも足を止めれば、先ほど虎徹がそうした時と同様、魔槍の男の視線がこちらへと移る。
「ま、まって!? こんな抑え方をしたらキミも一緒に……」
「それがどうしたに!!」
 相打ちを信条とする彼女にとって、ヴァンパイアの言葉は躊躇う理由にはならない。
「イイゼェ…… マトメテクラッテヤル、ヨォォッ!!」
 二人まとめて殺せるチャンスだと、魔槍の男は跳躍し切っ先を真下に向ける。重力とともに落ちきれば、二人まとめて串刺しになることは間違いない。
「そうはっ……させない!」
 こずゑの刀の切っ先が、虎徹の篭手に包まれた腕が、鍬丸が投じた手裏剣が、それぞれヴァンパイアの手足を貫き、掴み、身動きを封じ込める。
「ごめんね、コミュニさん!」
「にっ!?」
 そしてコミュニの体が魔槍の男に貫かれる寸前、カタリナの操る分身体がコミュニの体を突き飛ばし、代わりに魔槍の餌食となった。
「ウギッ……ギャアァァァッッ!!!」
 当然、その下にあったヴァンパイアの肉体までもを魔槍は貫く。致命的な一撃を受けて、整った少年の顔立ちが醜く歪み、聞くに堪えない悲鳴をあげた。
「こ、このっ……ボクが、こんな死に方……!!」
「ハハ、ハハハ! ハァーッハハハハハ……!!」
「アァ、ぎ、グアアァァァ……!!!」
 苦悶に満ちたヴァンパイアの表情に狂喜乱舞する魔槍の男。ざくり、ぐりぐりと魔槍をねじ込めば、ヴァンパイアは悲鳴とともに絶命する。
 消えゆくヴァンパイアの残滓を残して次なる獲物を求める男は、その眼差しを猟兵たちへと向けるのであった。
大成功 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵


第3章 ボス戦 『魔槍ににすべてを喰われた男』

POW ●美味しく喰ってやるから安心しな
【魔力】を籠めた【魔槍】による一撃で、肉体を傷つけずに対象の【魂】のみを攻撃する。
SPD ●ちょいと味見をさせてもらうぜ
【魔槍】で攻撃する。また、攻撃が命中した敵の【魂から読み取った気質】を覚え、同じ敵に攻撃する際の命中力と威力を増強する。
WIZ ●いい表情(カオ)見せてくれよ?
自身からレベルm半径内の無機物を【自分の分身】に変換し、操作する。解除すると無機物は元に戻る。
👑8 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はサンディ・ノックスです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●食事の時間は終わらない
「フーッ……まあまあ美味い魂だったな……」
 ヴァンパイアとの戦いを終え、魔槍の男は暴走と言っていい様子から幾分か落ち着いた様子を見せる。よく見れば肩で息をしており、やはりヴァンパイアの軍勢を一人で休みなく相手取るのは、相応の消耗があったようだ。
「だが、今日はツイてるぜ…… 猟兵までたらふく喰えるとはな」
 当初の目的を達しても、それが戦いを止める動機にはならない。男が猟兵たちを見る目には歓喜の色すら浮かんでいた。
「猟兵はまだ喰ったことがないからな…… クソヴァンパイアとの食べ比べといこうか」
 歪に口角を上げ、男はヴァンパイアの血に塗れた魔槍を猟兵たちへと向ける。消耗した今ならば多少の言葉は通じるかもしれないが……この戦闘狂が戦いを止めることだけは無いだろう。
「さあ、デザートの時間だ。 楽しませろよ、猟兵!!」
カタリナ・エスペランサ
吸血鬼の魂が美味しいとは思わないけど。悪食なのは最初から分かってたね
こうして正面から声を掛けるのも初めてか
猟兵のカタリナだよ。キミも名乗り返す名前くらいはまだ残ってるのかな?

変装は脱ぎ捨て【天災輪舞】発動。蒼雷を纏い加速、翼を活かし三次元的な《空中戦》を仕掛けるよ
ダガーも鋼槍に《武器改造》で再錬成して魔槍に間合いを合わせよう
相手の手なら《学習力+情報収集》で解析済みだ、《第六感+戦闘知識+見切り》も合わせ動きを先読みして攻撃を回避。

ばら撒く雷羽の《属性攻撃+誘導弾+乱れ撃ち+マヒ攻撃+継続ダメージ》は防御しようとその身を焼き動きを縛る牽制さ
鋼槍と体術の《早業+怪力》で攻め立て仕留めに掛かろうか


藤堂・こずゑ
「何でそんなに、あなたはヴァンパイアを嫌悪してるのか分からないけど…私は、その槍と仕合う事が出来れば満足だわ」
改めてその槍を見るこずゑ
刀は槍に対し不利なので、【集団戦術】で他の猟兵と連携を取りながら倒す事にするわ

敵の動きを誘い【第六感】【見切り】でUCを発動させ回避しながら味方からの攻撃を狙わせやすくするわ
それでも槍の攻撃が当たりそうになったら【武器受け】で槍を側面から受け、穂先から柄を伝い刀を走らせ敵の懐に【早業】で【切り込み】一撃を加え敵の間合いの外へ離脱を試みるの

あなたの槍こそ…喰らいたい…わね…おっと、いけないいけない


●魔槍を断つ、流水と蒼雷
「吸血鬼の魂が美味しいとは思わないけど…… 悪食なのは最初から分かってたね」
 魔槍の男が口にした魂の味についてそんな感想を抱きながら、修道服を脱ぎ捨てたカタリナ・エスペランサ(閃風の舞手(ナフティ・フェザー)・f21100)が男の正面へと立ちふさがる。
「こうして正面から声を掛けるのも初めてか。 猟兵のカタリナだよ。 キミも名乗り返す名前くらいはまだ残ってるのかな?」
「名前……名前か」
 名乗るカタリナに対し、魔槍の男は僅かに考えを巡らせるが。
「さてなんだったか…… クソヴァンパイアどもに名乗る機会なんざなかったからな、使わないうちに忘れちまったよ」
 自らの名前を喪失した事実を、興味なさ気にそう言うだけであった。
「何でそんなに、あなたはヴァンパイアを嫌悪してるのか分からないけど…私は、その槍と仕合う事が出来れば満足だわ」
 カタリナと同じく男の前に立つ藤堂・こずゑ(一閃・f23510)は、慎重に距離を測りつつ男の出方を伺っている。
「そうかい。 俺も猟兵の魂には興味があるからな…… 口先だけ立派で喰ったらマズイなんて、ガッカリさせてくれるなよ!」
 言うが早いが、男は魔槍を構え猟兵たちへと駆け出す。始めに狙いをつけられたのがこずゑなのは、その刀に対して魔槍の方が長さに長けるためだろうか。
「あなたの槍こそ……喰らいたい……わね…… おっと、いけないいけない」
 なにやら意味深なことを呟きつつ、静かに呼吸を整え男の槍先に集中する。
「さぁ、味見させてもらうぜェ!」
 単純なほどに真っ直ぐ、だが助走とともに尋常でない速度で向けられた魔槍の刺突。動作を見てからでは躱しきれそうもない。
「……そこね」
 だからこそ、こずゑは目で見切るだけに頼らなかった。これまでの戦いで培った第六感と、魔槍が空気を貫く大気の流れを読み取れば、心臓を穿たんと迫る魔槍を『流水の動き』でもって紙一重で躱す。
「やるじゃ……ねぇか!」
 魔槍の男とて一撃の刺突に留まらない。魔槍の長さを活かし、刀の届く間合いの外から足を払い態勢を崩させようとし……。
「やあやあ! アタシを忘れてもらっちゃ困るなぁ!」
「うおっ、とぉ!?」
 上からかけられた声へと反射的に槍を振り回し空を見上げれば、視界を埋めるのは燃え盛る羽、羽、羽。
「さぁ、最っ高のパフォーマンスで魅せてあげるよ!」
 それをばらまくのは、蒼雷を纏い闇夜に輝くカタリナであった。背の翼から放たれる『天災輪舞』の散弾は、雷と炎の双方を宿す羽。触れれば焼け焦げ、同時に肉体の動きは麻痺して鈍るだろう。
「……面倒クセェ真似を!」
 頭上に掲げた魔槍を振り回し、巻き起こす旋風でもって降り注ぐ羽を振り払う。そのまま魔槍を振り下ろしてこずゑへと迫り――。
「気を取られて、焦ったわね」
 振り下ろされる魔槍の軌道を、いとも容易く刀の切っ先で添えるよう逸らすこずゑ。男の槍を振り回す大きな動きは、大気の流れを読むこずゑからして見れば躱すに容易い。
「なにっ……!」
 武器が長いということは、それを戻す隙も大きいということ。最小限の動きで避けたこずゑはそのまま滑るように男の懐へと飛び込み、一撃を見舞う。
「ぐっ……だが、捕まえたぞ!!」
「きゃ……!?」
 その懐からの一撃離脱を試みようとしたこずゑだが、鉄棒を掴むように横向きに握られた魔槍をそのまま引き寄せることで、魔槍と男の体の間に挟み込まれてしまう。そのまま華奢な体を締め上げようと男が力を込める。
「そういうことを、女の子にしちゃいけないよっ!」
 そこに突き出されたのは、カタリナが錬成した鋼鉄の槍。男の片腕に突き刺さり、拘束が緩む。
「こ、のっ……! 俺に、槍でケンカ売るってかァ!」
 カタリナの見た目からは想像もできない怪力で突き刺された槍だが、魔槍の男はそれをもう片方の手で握り、無理矢理に押し返す。
「むむ……!」
 こずゑを拘束から助けた今、深追いは無用だと、カタリナは一度距離を取る。仕留めきれなかったとて、こずゑの与えた刀傷と合わせて十分な傷は負わせた。
「ハハ、上等だ……! あのクソヴァンパイアより、よっぽど歯応えがありやがる……!」
 傷を負いながらも、男の表情は肉食獣のように歯をむき出しに笑う。食べごたえのある獲物に出会えたことに喜ぶかのように。
成功 🔵🔵🔵🔵🔴🔴

髪塚・鍬丸
結局、お前さん何がしたかったんだい?喰らうとか言ってたが。
腹を空かせてるのはお前さんかい?それともその槍か?

左手の忍者刀「双身斬刀」を逆手に構える。櫛状の刃は所謂ソードブレイカー。穂先を櫛に噛ませ受け止める防御の構え。
姿は現す。手裏剣の類も収め剣技で対峙する。
こういう野郎は真正面から倒してやらないと禍根が残る。忍者としての任務は十分。ここからは一介の猟兵として戦おう。

突きを【見切り】【武器受け】。穂先を止めた瞬間を狙い【早業】の【カウンター】。
【変位抜刀術】。双身斬刀の肉厚の刀身は刃にして鞘。仕込まれたもう一振の刀による刹那の抜刀術。
「切断された結果」を投射、槍の間合いを越え相手を切り裂くぜ。


天海・虎徹
デザート?
言ってくれるね。それは俺らからも言えることなんだけどな
まぁ、いいや。そのなめた口をふさいであげるよ

ちょいと味見をさせてもらうぜで、魔槍に攻撃されたら、命中する度に自分に対する威力と命中が上がると思うので、武器受けとオーラ防御を駆使して受けるか、第六感で避ける
槍は間合いがある分一度攻撃すると戻すのに時間がかかるので、その間に覚悟を決めて踏み込んで相手の手首かどこかを掴んで握力でへし折ろうとする
「まだまだ、あんたなんかに俺の魂はやれないよ」


●魂の行く道は
 猟兵たちに手傷を負わされながらも、男は魔槍を振るうことを止めない。むしろ、より活きの良い相手に出会えたことで勢いは増さんばかりだ。
「ははは! とんだデザートになったもんだぜ!」
「デザート? 言ってくれるね。 それは俺らからも言えることなんだけどな…… まぁ、いいや。 そのなめた口をふさいであげるよ」
 男の口振りにそう言って返すのは天海・虎徹(睡虎・f19245)。突っ込んでくる男に怯まず、ただ篭手だけを構える。
「ハッ! 俺を黙らせるってか、やってみやがれ!」
 男は助走から虎徹へと飛び込むに大きく踏み込むと、銃弾のような速さで魔槍を突き出す。
「そうそう、馬鹿の一つ覚えみたいなのを、喰らってはあげられないね」
 魔槍の攻撃を受ければ魂を喰われる。そこまで分かっていて、虎徹はまず防御に徹した。構えた左腕の篭手にオーラを纏い、槍の先端へと構え、受ける。
 ギャリンッ、と甲高い音を響かせて、魔槍の一撃は篭手の表面を滑り虎徹を捉え損ねる。
「チッ……!」
 深く突き込んだ槍を戻してからまた攻撃へと移るには、一瞬だが大きな隙が生じる。
 そこまで分かっていれば、懐へと飛び込むために必要なのはたったひとつ、覚悟だけだ。
「まだまだ、あんたなんかに俺の魂はやれないよ」
 槍の内側へと踏み込んだ虎徹の左手が、その槍を握る男の腕に掴みかかる。後はもう、『猛虎破牙』で握りつぶすのみ――!
「ガ、アァッ!!」
 魔槍を握る腕を恐ろしい握力で握りつぶされても、男は武器を手放すことはなかった。潜り込んだ虎徹を振り払い、苦痛に顔を歪めながらも、猟兵たちを見る目は変わっていない。
「ハハハ……最高だ! テメェらを喰えば、きっと俺は、オレは……!」
「結局、お前さん何がしたかったんだい? 喰らうとか言ってたが」
 男の言動に疑問を抱いた髪塚・鍬丸(一介の猟兵・f10718)が、姿を現して男へと問う。
「腹を空かせてるのはお前さんかい?それともその槍か?」
「さぁな…… 今となっちゃ、どっちだっていい」
 魔槍に自らの魂も捧げつつある男は、しかし自らの命や意思にはさほど興味がなさそうにそう答えた。
「ヴァンパイアやテメェらを喰えば、俺はもっと強くなれる。 もっともっと喰って、ヴァンパイアどもを食らい尽くせば……アァ、いや。 もうどうでもいいな」
 そこまで口にするが、ふと言葉を途切れさせれば、やはり興味なさげな様子で続ける。
「聞く意味もねぇだろ、テメェらにとっても」
 男には男なりの事情があったらしいが、もはやそれも重要ではない。戦いの中に不純物を持ち込んでしまうとでも思ったのか、男は血の滴る腕で魔槍を構え直す。
 対する鍬丸も手裏剣を収め、正面から男と対峙する。持つ武器は、逆手に握る忍者刀『双身斬刀』のみ。
「忍者としての任務は十分。 ここからは一介の猟兵として戦おう」
 戦場で隠し続けていた正体を晒して戦いに挑むのも、禍根を残すようなことはしないという鍬丸の意思である。
「さぁ…… いくぞ猟兵!」
 一瞬の集中から繰り出されたのは、これまでの戦いで幾度も繰り返された魔槍の刺突。男が最後の一撃にもそれを選んだのは、それが一番信頼できるからこそだろうか。
「やはり、そうきたか」
 だからこそ、戦場に潜み続けていた鍬丸にとってもその攻撃は予測できていた。櫛状の刃が魔槍の穂先を受け、止まった一瞬の隙に忍者刀に仕込まれたもう一振りの刀を抜き放つ。
「……あぁ、そうか。 これで終わりか、俺は」
 魔槍の男は身を躱そうとし……既にそれが無意味なことに気がついた。鍬丸の『変位抜刀術』は、抜刀した時点で相手に切断された『結果』を投射するユーベルコード。
 槍を躱され、刀が抜かれた時点で、魔槍の男の負けは決まっていたのだ。
「お前さんの事情は知らないが…… まぁ、ゆっくり眠りな」
 知らずとも伺える何かはあったのだろう。鍬丸は手向けの言葉を男へとかける。
「……あぁ……ハラ、へったな……」
 その一言を最後に、魔槍の男は地へと倒れ、魔槍は塵となって空に消える。
 無数の魂を喰らった男の魂が、死してどこへ向かうのかは誰にも分からない。
 もはや彼が魔槍を手にした理由も、ヴァンパイアへと襲いかかった背景も知る由はない。だが猟兵たちは確かに、狂気に暴走するオブリビオンを倒すことに成功したのであった。
大成功 🔵🔵🔵🔵🔵🔵

最終結果:成功

完成日2020年08月07日
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