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魂に飢える狂槍(作者 らけ
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●闇夜に火花散る
「ヴアアアアァァァァッッ!!!」
 獣のような咆哮を吐き出し、その男は禍々しい長槍を振り回す。
 技量など微塵も感じられない、力任せに振るわれたそれは、しかし彼を取り囲む修道女たちをただの一振りで何人も切り裂いていく。
「臆するな! たかだか狂人一人のために、主様のお手を煩わせるでないぞ!」
 本来ならばその細腕では持ち上げることもできないであろう、死神を連想させる大鎌を構える修道女たち。そしてそれらを容易く槍で引き裂いていく男。それはどちらも常人の力ではない。
 常ならば起こり得ない、オブリビオン同士の戦いであった。
「足りねぇ……足りねぇよ……。 お前らじゃ全然足りねえ……」
 次々と修道女の体を切り裂き、頭を槍で貫き穿ち、それでもまだ足りぬと男は嘆く。
「喰わせてくれ! 俺に! もっと強く美しい『魂』を!!」

●混戦模様
「今回の事件はねー、ダークセイヴァー世界でオブリビオン同士が戦ってるの!」
 グリモアベースに集まった猟兵たちへ、ピーチパッチ・グランヴァルリオン(look at me!・f21844)が事件の説明を始める。
「何があったかは分からないけれど、槍を持った一人のオブリビオンが、あるヴァンパイアの館に乗り込んで、わーっ!!って暴れてるみたい」
 現在は乗り込んだ魔槍のオブリビオンとヴァンパイアの配下たちによる、一対多の乱戦状態。それでも乗り込んだ側が戦況は有利らしい。他のヴァンパイアに戦いを挑むところからも、この魔槍のオブリビオンの戦闘力の高さが伺える。
「とゆーわけで! この槍の人が暴れているところへ、みんなにも行ってもらいます!」
 普段は厳戒に警備されているヴァンパイアの館が大混乱中となれば、利用しない手はないだろう。
「最初はヴァンパイアの配下たちと戦ってー、次は館の主のヴァンパイアとの戦いになります! どっちの戦いでも、槍の人も一緒にいるよ!」
 配下の数は多く、ヴァンパイアの力は強大だ。どちらの戦いでも、猟兵たちは暴れている魔槍のオブリビオンを上手く利用して戦う、ということになる。
「そして最後は、槍の人を倒してもらいます! 配下やヴァンパイアと戦って消耗しているはずなので、そこをねらってね!」
 どんな理由があってヴァンパイアに戦いを挑んでいようと、オブリビオンはオブリビオン。遠慮は無用だ。
「あっ、だけど最後まで槍の人と戦うのは待ってね! 単純にすごく強いし、ヴァンパイアたちと戦うのも、槍の人が暴れてくれないとむずかしーので! 話し合いとかも、多分通じないと思うなー」
 とにかく状況を混乱させる魔槍のオブリビオンを利用し、猟兵たちが漁夫の利を得るのが第一である。迂闊に喧嘩を売れば相応のしっぺ返しがくるだろう。
「危険な依頼だからみんな気をつけてね! 無事に帰ってこられますようにっ!」
 そんなお祈りとともに、転送の準備を始めるピーチパッチ。猟兵たちは各々の準備を整えて、ダークセイヴァー世界へと向かうのであった。





第3章 ボス戦 『魔槍ににすべてを喰われた男』

POW ●美味しく喰ってやるから安心しな
【魔力】を籠めた【魔槍】による一撃で、肉体を傷つけずに対象の【魂】のみを攻撃する。
SPD ●ちょいと味見をさせてもらうぜ
【魔槍】で攻撃する。また、攻撃が命中した敵の【魂から読み取った気質】を覚え、同じ敵に攻撃する際の命中力と威力を増強する。
WIZ ●いい表情(カオ)見せてくれよ?
自身からレベルm半径内の無機物を【自分の分身】に変換し、操作する。解除すると無機物は元に戻る。
👑8 🔵🔵🔵🔵🔴🔴

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はサンディ・ノックスです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●食事の時間は終わらない
「フーッ……まあまあ美味い魂だったな……」
 ヴァンパイアとの戦いを終え、魔槍の男は暴走と言っていい様子から幾分か落ち着いた様子を見せる。よく見れば肩で息をしており、やはりヴァンパイアの軍勢を一人で休みなく相手取るのは、相応の消耗があったようだ。
「だが、今日はツイてるぜ…… 猟兵までたらふく喰えるとはな」
 当初の目的を達しても、それが戦いを止める動機にはならない。男が猟兵たちを見る目には歓喜の色すら浮かんでいた。
「猟兵はまだ喰ったことがないからな…… クソヴァンパイアとの食べ比べといこうか」
 歪に口角を上げ、男はヴァンパイアの血に塗れた魔槍を猟兵たちへと向ける。消耗した今ならば多少の言葉は通じるかもしれないが……この戦闘狂が戦いを止めることだけは無いだろう。
「さあ、デザートの時間だ。 楽しませろよ、猟兵!!」
カタリナ・エスペランサ
吸血鬼の魂が美味しいとは思わないけど。悪食なのは最初から分かってたね
こうして正面から声を掛けるのも初めてか
猟兵のカタリナだよ。キミも名乗り返す名前くらいはまだ残ってるのかな?

変装は脱ぎ捨て【天災輪舞】発動。蒼雷を纏い加速、翼を活かし三次元的な《空中戦》を仕掛けるよ
ダガーも鋼槍に《武器改造》で再錬成して魔槍に間合いを合わせよう
相手の手なら《学習力+情報収集》で解析済みだ、《第六感+戦闘知識+見切り》も合わせ動きを先読みして攻撃を回避。

ばら撒く雷羽の《属性攻撃+誘導弾+乱れ撃ち+マヒ攻撃+継続ダメージ》は防御しようとその身を焼き動きを縛る牽制さ
鋼槍と体術の《早業+怪力》で攻め立て仕留めに掛かろうか


藤堂・こずゑ
「何でそんなに、あなたはヴァンパイアを嫌悪してるのか分からないけど…私は、その槍と仕合う事が出来れば満足だわ」
改めてその槍を見るこずゑ
刀は槍に対し不利なので、【集団戦術】で他の猟兵と連携を取りながら倒す事にするわ

敵の動きを誘い【第六感】【見切り】でUCを発動させ回避しながら味方からの攻撃を狙わせやすくするわ
それでも槍の攻撃が当たりそうになったら【武器受け】で槍を側面から受け、穂先から柄を伝い刀を走らせ敵の懐に【早業】で【切り込み】一撃を加え敵の間合いの外へ離脱を試みるの

あなたの槍こそ…喰らいたい…わね…おっと、いけないいけない


●魔槍を断つ、流水と蒼雷
「吸血鬼の魂が美味しいとは思わないけど…… 悪食なのは最初から分かってたね」
 魔槍の男が口にした魂の味についてそんな感想を抱きながら、修道服を脱ぎ捨てたカタリナ・エスペランサ(閃風の舞手(ナフティ・フェザー)・f21100)が男の正面へと立ちふさがる。
「こうして正面から声を掛けるのも初めてか。 猟兵のカタリナだよ。 キミも名乗り返す名前くらいはまだ残ってるのかな?」
「名前……名前か」
 名乗るカタリナに対し、魔槍の男は僅かに考えを巡らせるが。
「さてなんだったか…… クソヴァンパイアどもに名乗る機会なんざなかったからな、使わないうちに忘れちまったよ」
 自らの名前を喪失した事実を、興味なさ気にそう言うだけであった。
「何でそんなに、あなたはヴァンパイアを嫌悪してるのか分からないけど…私は、その槍と仕合う事が出来れば満足だわ」
 カタリナと同じく男の前に立つ藤堂・こずゑ(一閃・f23510)は、慎重に距離を測りつつ男の出方を伺っている。
「そうかい。 俺も猟兵の魂には興味があるからな…… 口先だけ立派で喰ったらマズイなんて、ガッカリさせてくれるなよ!」
 言うが早いが、男は魔槍を構え猟兵たちへと駆け出す。始めに狙いをつけられたのがこずゑなのは、その刀に対して魔槍の方が長さに長けるためだろうか。
「あなたの槍こそ……喰らいたい……わね…… おっと、いけないいけない」
 なにやら意味深なことを呟きつつ、静かに呼吸を整え男の槍先に集中する。
「さぁ、味見させてもらうぜェ!」
 単純なほどに真っ直ぐ、だが助走とともに尋常でない速度で向けられた魔槍の刺突。動作を見てからでは躱しきれそうもない。
「……そこね」
 だからこそ、こずゑは目で見切るだけに頼らなかった。これまでの戦いで培った第六感と、魔槍が空気を貫く大気の流れを読み取れば、心臓を穿たんと迫る魔槍を『流水の動き』でもって紙一重で躱す。
「やるじゃ……ねぇか!」
 魔槍の男とて一撃の刺突に留まらない。魔槍の長さを活かし、刀の届く間合いの外から足を払い態勢を崩させようとし……。
「やあやあ! アタシを忘れてもらっちゃ困るなぁ!」
「うおっ、とぉ!?」
 上からかけられた声へと反射的に槍を振り回し空を見上げれば、視界を埋めるのは燃え盛る羽、羽、羽。
「さぁ、最っ高のパフォーマンスで魅せてあげるよ!」
 それをばらまくのは、蒼雷を纏い闇夜に輝くカタリナであった。背の翼から放たれる『天災輪舞』の散弾は、雷と炎の双方を宿す羽。触れれば焼け焦げ、同時に肉体の動きは麻痺して鈍るだろう。
「……面倒クセェ真似を!」
 頭上に掲げた魔槍を振り回し、巻き起こす旋風でもって降り注ぐ羽を振り払う。そのまま魔槍を振り下ろしてこずゑへと迫り――。
「気を取られて、焦ったわね」
 振り下ろされる魔槍の軌道を、いとも容易く刀の切っ先で添えるよう逸らすこずゑ。男の槍を振り回す大きな動きは、大気の流れを読むこずゑからして見れば躱すに容易い。
「なにっ……!」
 武器が長いということは、それを戻す隙も大きいということ。最小限の動きで避けたこずゑはそのまま滑るように男の懐へと飛び込み、一撃を見舞う。
「ぐっ……だが、捕まえたぞ!!」
「きゃ……!?」
 その懐からの一撃離脱を試みようとしたこずゑだが、鉄棒を掴むように横向きに握られた魔槍をそのまま引き寄せることで、魔槍と男の体の間に挟み込まれてしまう。そのまま華奢な体を締め上げようと男が力を込める。
「そういうことを、女の子にしちゃいけないよっ!」
 そこに突き出されたのは、カタリナが錬成した鋼鉄の槍。男の片腕に突き刺さり、拘束が緩む。
「こ、のっ……! 俺に、槍でケンカ売るってかァ!」
 カタリナの見た目からは想像もできない怪力で突き刺された槍だが、魔槍の男はそれをもう片方の手で握り、無理矢理に押し返す。
「むむ……!」
 こずゑを拘束から助けた今、深追いは無用だと、カタリナは一度距離を取る。仕留めきれなかったとて、こずゑの与えた刀傷と合わせて十分な傷は負わせた。
「ハハ、上等だ……! あのクソヴァンパイアより、よっぽど歯応えがありやがる……!」
 傷を負いながらも、男の表情は肉食獣のように歯をむき出しに笑う。食べごたえのある獲物に出会えたことに喜ぶかのように。
成功 🔵🔵🔵🔵🔴🔴