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山賊どもは飛竜と共に

#アックス&ウィザーズ

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#アックス&ウィザーズ


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「お、早速話を聞いて来てくれたんだね」
 幼い少女のような姿ながら、どこか老成した口調の人物は集った猟兵達を前に軽く自己紹介をする。
「アタシはグリモア猟兵のアルミィだ。これからアンタ達を戦場への送り迎えをする役目の猟兵さ。それで早速なんだけど行ってもらい世界と、解決して欲しい事件の話をこれから伝えさせてもらうね」
 仕事の話だけで悪いね、と断りを入れつつ彼女は詳しい内容を説明していく。
「場所はアックス&ウィザーズ。まあ冒険者が剣と魔法でモンスター、オブリビオンと戦ってる世界だ。ある程度なら現地のヤツでもなんとかなるんだが、今回はそうじゃないのがとある廃村に出たんで、アンタ達にはソイツらを叩き潰してもらいたいんだ」
 その戦うべき敵とは、という問いかけに対してアルミィは続けて詳しい情報を出す。
「敵は山賊の群れと飛竜、ワイバーンってやつが一体。山賊は数が多くて、ワイバーンは一匹だけだが山賊よりも格上だ。山賊の群れを蹴散らしたあと、ワイバーンに挑む形になるだろうね。どっちも頭は良くないが、間抜けじゃない。弱い所とか見つけたら容赦なく突いてくるから油断は無しの方向でいっとくれ」
 ふと彼女はそこまで言うと不安げな猟兵の顔を見つける、山賊は人間ではないのかという質問が彼女へと向けられる。
「あー……、説明しとくね。ここの山賊ってのは人のカタチはしてるけど『もう人間じゃない』モンスターと同じなんだ。現に普通の人間より頑強になってて代わりに協調性とか廃れちまってる。だからこれまでもワイバーンとつるんで隊商を襲って金品や食料とかを強奪してたんだ」
 こういう事はしばしばあるらしい。
「ああ、そうそう。こいつらをぶっ飛ばした後に残った略奪された金品や食料なんかはアンタたちが手を付けても良い。というかむしろ付けろ。もう誰も受け取り手はいないから、命ごと奪われた奴らからの報酬と思って受け取っておきな。ただ、食料や酒なんかはかさばるから現地で宴会でも開いて飲みきっちまうのが良いだろう。戦いの後に休みたいだろうし、猟兵の戦いは長くなるだろうから杯でも傾けながらこの後の事を考えるんでもいいだろうね」
 依頼があって、報酬がある。これがアックス&ウィザーズの流儀だとアルミィは言う。
「それじゃ行っといで、猟兵(イェーガー)。すり寄ってくる過去なんかぶっ飛ばしちまいな。


西灰三
 初めまして。第六猟兵の世界へようこそ。
 このシナリオを担当させていただきます西灰三と申します。

 このシナリオでは第一章で山賊と戦い、第二章でワイバーンと戦い、第三章で敵の溜め込んだ食料や酒で打ち上げ、という展開を想定しています。
 ただし油断するとシナリオ失敗となり第三章まで行けない可能性もありますのでお気をつけて。

 プレイングには「自分が考える、課題に対して自分が最も活躍できると思える行動」を記入してください。内容によって採用された際に成功度にボーナスがかかる可能性があります。
 こちらは投稿されたプレイングを確認し、成功度の高いものを採用してリプレイを書きます。

 それでは皆様のプレイングをお待ちしています。
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第1章 集団戦 『山賊』

POW   :    山賊斬り
【装備している刃物】が命中した対象を切断する。
SPD   :    つぶて投げ
レベル分の1秒で【石つぶて】を発射できる。
WIZ   :    下賤の雄叫び
【下卑た叫び】を聞いて共感した対象全ての戦闘力を増強する。

イラスト:カツハシ

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

スウィートドール・シュガー
駄目よ、だめよ。他人のモノを勝手に獲っては。物も命も。
悪い子はお菓子のおばけに食べられちゃえ。

・戦闘
ユーベルコード【おかしな群れ】で山賊を攻撃しちゃうわ
二体くらいはスウィートドールを守ってね?
他のおばけさんたちは山賊を懲らしめちゃって!
無粋な雄叫びは、おばけさんを念動力かポルターガイストで浮かせて、口に入れて止められないか、試してみましょう
「ふふふ、おいしいお菓子のおばけさんよ。いかがかしら?」
最期に美味しいものに囲まれて、とっても嬉しいわね。素敵よね!


ナーシャ・シャワーズ
さあて、山賊なんぞやっていたからこんな目にあってるのか
それともそんな不幸は誰にだってやってくるのか。
ふ、宇宙海賊やっていた私の言えた口じゃあないか。

それはそうと投石はもっとも古い遠距離攻撃だ、というな。
誰にもできて補充は容易、効果は高い。
それが大量に、となれば脅威には違いない。

だが私だって早撃ちで鳴らしたもの。
ついでに言えば考える頭って奴だってある。
大量の敵を前に一丁の銃でどうやって戦うか、って奴だ。

まずは先制で一つ
続いて左手のソウル・ガンで視界を奪い
早撃ち勝負に挑む…これでまずは3体相手にできるわけだが、っと


ソラスティベル・グラスラン
むむっ、出ましたね卑しい盗賊よ!
ですが私は知っています、貴方たちが本当は善人だということを!
きっとそうやって盗賊に身を窶しているのも、きっと理由があるのです!
だからまずは……拳、いやさ斧で語り合いましょう!

略奪品が近くにあればちょっと離れて迎え撃ちます。
悩みもスッパリぶった斬り、ブッ飛ばして来世は良い子。
そんな小さな得物でわたしの勇気は怯みはしない!
武器を斧ではじき返し、ズドーンと纏めてふっとべー!

得た略奪品はありがたく頂戴しましょう!なんかちょっと勇者らしくない気もしますが!
食料は是非いただきますっ、斧を振うとお腹がすきますね!


一駒・丈一
後詰めでワイバーンが控えているようだが、俺にとってはそんなことはどうでも良い。
お前らのような下卑た山賊は、訳あって誅殺せねば気が済まんのでな。


さて、行動方針だ。
敵は群。されど一個体でも侮れん。一体ずつ確実に仕留める。
あまり一人で前に出すぎず、他の猟兵と強調して敵と対峙する。
あまり突出しすぎて袋叩きにされても構わんからな。

技能の2回攻撃をうまく活用しながら、手数の多さで立ち回る。
火力重視の他の猟兵の攻撃の合間に生じる隙を、手数の多さでサポートし補うように動ければ重畳。

では、仕事を始めよう。




 手入れのされていない建物が並ぶ元・村落。そこからやや離れた所で猟兵たちが山賊達の動きを観察している。見回りをするもの、その交代をするもの。この場に居る猟兵達の力を持ってすれば倒せなくはない相手だが油断はできない。
「さて、行動方針だ。敵は群。されど一個体でも侮れん。一体ずつ確実に仕留める」
「同感だ。一人何体まで相手できる? 私はこれくらいだ」
 一駒・丈一(金眼の・f01005)の言葉に3つの指をナーシャ・シャワーズ(復活の宇宙海賊【スペースパイレーツ】・f00252)が立てる。二人の問いかけにソラスティベル・グラスラン(暁と空の勇者・f05892)が元気一杯に斧を構える。
「気合でたくさん頑張ります! 足りない分は後は勇気で補います!!」
 彼女の快活な姿にスウィートドール・シュガー(甘言・f00081)は微笑みを浮かべてから答える。
「スウィートドールは皆よりたくさんの人をもてなす事ができるわ」
「わかった、……ではこういう手順で仕事を始めよう」
 丈一が戦術を示し、彼らは廃村へと向かう。


「むむっ、いましたね卑しい盗賊よ!」
 びしっと指を山賊たちに向けているのはソラスティベルだ。一人で現れて素っ頓狂な事を言う彼女に対して、山賊たちは下卑た笑みを浮かべる。
「よう、嬢ちゃん。俺らと遊びに来てくれたのかい?」
 だがそんな彼らのあけすけな言葉は、勇者を目指す彼女には届かない。
「ですが私は知っています、貴方たちが本当は善人だということを! きっとそうやって盗賊に身を窶しているのも、きっと理由があるのです!」
「おう、わかってるじゃねえか。だから仲良くしようぜ?」
「だからまずは……拳、いやさ斧で語り合いましょう!」
「……は?」
 山賊の一体が力任せにふっとばされ、今ここに来て少女が敵であると山賊たちが理解する。
「始まったか。少しでも負担を減らしてやらないとな」
 陽動を行っているソラスティベルのフォローを行うため、アサルトウェポンを手にした丈一が建物の陰をかいくぐりながら援護射撃に向かう。
「こっちにも敵がいやがる!」
「後詰めでワイバーンが控えているようだが、俺にとってはそんなことはどうでも良い。お前らのような下卑た山賊は、訳あって誅殺せねば気が済まんのでな」
 丈一はためらうことなく引き金を引いて、次々と山賊たちを撃ち抜いていく。その銃声は離れたところからも聞き取れ、ナーシャが口笛を吹く。
「あっちは派手にやってるねえ。……こっちもお客さんだ。お嬢ちゃんの準備は良いかい?」
「ええ、任せてね。その間守ってもらえると嬉しいわ」
 言っているそばからスウィートドールに放たれた投石をナーシャが事もなげに撃ち落とす。
「くそっ! 何だコイツ!」
「構わねえ、やっちまえ!」
 迫ってくる山賊たちを前に、ナーシャは眉一つ動かさずに代わりに言葉を紡ぐ。
「投石はもっとも古い遠距離攻撃だ、というな。誰にもできて補充は容易、効果は高い。それが大量に、となれば脅威には違いない」
 その言葉よりも早く、旧式の拳銃からは煙と弾丸を、反対側のソウルガンからは魂の弾丸をそれぞれ放ち、二体の敵が倒れる。
「けど、もうオシマイだろ!」
「おっと、こっちの方が早かったようだ」
 G.O.Dから発せられた二発目の弾丸が迂闊に近づいてきていた山賊の脳天を貫いた。彼女に守られている間に、スウィートドールは【おかしな群れ】の召喚を終える。
「美味しいお菓子、素敵なお菓子、こわーいお菓子。おかしなおばけには気を付けて」
 歌声のようにも聞こえる台詞と共にお菓子の怪物が溢れ出し、山賊たちを「懲らしめに」動き出す。
「駄目よ、だめよ。他人のモノを勝手に獲っては。物も命も。悪い子はお菓子のおばけに食べられちゃえ」
「な、なんだこの怪物は! う、うわあ!?」
「こっちに来るな……!」
 おかしな怪物たちは山賊たちに自らを「味わってもらう」ために、口の中を狙う。
「ふふふ、おいしいお菓子のおばけさんよ。いかがかしら?」
 窒息し倒れた山賊たちに微笑みかけた彼女は、本当に優しそうに見える。
「終わりましたか!」
 周りにいた山賊たちが全員倒れているのを確認し、ソラスティベルの腹がクウと鳴る。
「それでは略奪品をありがたく頂戴しましょう! なんかちょっと勇者らしくない気もしますが!」
「まあ、宇宙海賊やっていた私からすれば、まだ真っ当だと思うけどね。でもその前に」
「ああ、もう一体でかいのが居る。さて、どうしたものか」
 山賊たちを撃破した猟兵達の前に、騒ぎで目覚めたのかワイバーンが怒りと殺意を伴って現れる。
「あの子はどんなお菓子が好きかしら?」
 挑発されたのかと感じたのか、ワイバーンが猟兵たちに襲いかかる……。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 ボス戦 『ワイバーン』

POW   :    ワイバーンダイブ
【急降下からの爪の一撃】が命中した対象に対し、高威力高命中の【毒を帯びた尾による突き刺し】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
SPD   :    飛竜の知恵
【自分の眼下にいる】対象の攻撃を予想し、回避する。
WIZ   :    ワイバーンブラスト
【急降下】から【咆哮と共に衝撃波】を放ち、【爆風】により対象の動きを一時的に封じる。

イラスト:小日向 マキナ

👑17
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

ソラスティベル・グラスラン
あれは……ワイバーン!なるほど、予知というのは便利な物ですね。
危険な魔獣の存在を知らずにいれば、確かに苦戦もしたでしょう。
ですがご生憎様でしょうか、心構えは、できています!!

未だ小さくとも【勇気1】を持って、いち早く仲間たちの前へ!敵の注目をわたしへ!
爪は【怪力1】で弾き、返す刃で竜のオーラをを叩きつけ、オーラの鎖でワイバーンを地に引きずり下ろす!
咆哮からの衝撃波は、斧を地面に突き立て支えにしましょう
行動はできずとも不退転の意思、勇者とは誰より前に立つ者!
ふふふ……今のわたしは、英雄譚に記される彼らに並べるでしょうか


時雨・零士
「ワイバーン…ドラゴン退治か。良いぜ!燃えて来た!!」

宇宙バイクに乗って、機動力を活かして敵の攻撃を回避しつつ、隙を伺う。
空中にいると手出しし難いから、なるべく離れすぎない様に、敵の側面や背後に回り込む感じでバイクを走らせつつ、敵の攻撃を誘い、ワイバーンダイブに合わせてバイクを盾、または囮にしつつ敵の初撃を回避。
カウンターでカオス・ストライクを叩き込んで地上に叩き落とすぜ!!

可能であれば致命傷になりやすそうな首元か機動力を落とす為に翼の付け根辺りを狙えると御の字だな


花邨・八千代
◆心情
イイじゃねぇか、喧嘩の後にはうまい酒と食い物!報酬!
これ以上ない好待遇だ、最高だねェ
かかってこいよトビトカゲ、丸焼きにして喰っちまうぞ!

◆戦闘
自分の掌を掻っ切って【ブラッド・ガイスト】を発動
「恫喝」で啖呵を切ってこっちに意識を向けさせ、攻撃を誘発するぜ
相手の攻撃に当たろうが構いやしねぇよ、「捨て身の一撃」だ
拷問具の最大出力をもって攻撃するぜ
狙い目は翼だな、被膜でもぶち破って飛行に支障が出れば良い
ただで空に戻す訳がねぇ、意地でも地面に引き摺り落としてやる!


一駒・丈一
とてもお菓子が好きそうな形相には見えんが…はてさて。


俺がこの場で採り得るもっとも効果的な手段は
「咎力封じ」で相手の攻撃力を下げることだと思っている。
これを可能な限り戦闘の序盤で放つことで味方の被ダメージを少しでも下げる。
「さて、刑の執行を始める。」この一声と共にユーベルコードを放つ


あとは、技能の2回攻撃を主軸に、火力重視の味方の隙を埋めるように立ち回る。

ここまで大きな殺意を向けられるのは初めてでは無いが
ここまで大きな図体を相手取るのは今回が初めてだ。
油断せず、味方をフォローしながら立ち回るとしよう。


ナーシャ・シャワーズ
こいつが真打、って奴か。
なかなかのデカブツだが…
大物喰らいは宇宙海賊の華って奴だ。
頭の悪そうな獣じゃああまり面白くはないかもしれんがね。

…なるほど、こっちの動きを読むくらいの知恵はあるようだ。
反応できないほどの早さでやれば問題ないのかもしれんが…
流石にブランクって奴は恐ろしい。
銃弾一発で仕留めるのは厳しいかもしれないね。

が、方法がないかと言えばそんなことはない。
スペースサーファーのスピードとソウル・ガンがあればね。
抜き撃ちは拳銃じゃなきゃできないとでも思ってないかい?

ソウル・ガンは魂の力で魂を狙う。
まっすぐ飛ぶ弾丸は予想できても
このエネルギーの動きは予想できるかな!


スウィートドール・シュガー
あなたが悪い子たちの親玉ね。駄目よ、悪いことはだめ。
まあ、まあまあ怖いわ。そんなに怒らないで。
そうだ、あなたにもお菓子をあげるわ。何がいいかしら。

・戦闘
きっと怒ってるのはお腹がすいたからね
だからって人から獲っては駄目なのよ
ユーベルコード【柔らかい抱擁】で、大きなお菓子をあげる
あなたはそうね、卵たっぷりのプリンがいいわ!
飛んでいかないで、吹き飛ばしちゃいやよ、咆えないで味わって
「いっぱいどうぞ。おかわりもあるわ、遠慮なさらないで」
お腹いっぱい美味しかったでしょ。これでみんな、幸せね?


涼風・穹
【心情】
ワイバーン…亜竜か…
倒しても『竜殺し(ドラゴンスレイヤー)』と名乗るには無理があるけど、強敵には違いないな
……飛竜の角や爪のような素材は高く売れたりするのか…?

【行動】
空を飛ぶ相手ならまずは地上へ下ろさないとどうしようもないな
フック付きワイヤーのワイヤー側の端を頑丈な大木か大岩のような簡単には動かせない物へしっかりと結び付けておく
後はワイバーンが近付いてくるのを待って、フックをワイバーンの身体のどこかにでも絡めるように投擲する
上手く絡めて一瞬でも動きを止められたなら一気に接近、まずは飛行能力を奪うべく翼を狙って剣刃一閃を使いサムライブレイドで斬る!
グリモア猟兵が戦えないなんて思うなよ!


弥久・銀花
急降下の一撃にカウンターを合わせる事に賭けて、その時までは回避に専念!

なるべく建物や木や岩のある場所で立ち回り、ドラゴンの代名詞のブレスを警戒しておきます。

でも遮蔽物ごと攻撃される可能性もあるので身を隠すのと。

あの羽蜥蜴が急降下してきた時に、こっちから飛び掛る時の足場にするという目論見があります。

攻撃してきたら建物の中を突っ切って飛び出したり、木の幹を駆け上がって枝葉を突き破ってして、斬り掛かります!

「ドラゴンってもっとカッコいいモノかと思いました、盗賊に使役されているなんて幻滅です!!」

「隙ありです、『研ぎ澄まされた刃に斬れぬ物無し! 鋭刃線閃!』」




「あれは……ワイバーン!」
 ソラスティベル・グラスラン(暁と空の勇者・f05892)が飛竜の起こす風で帽子が飛ばないように抑えている。彼女達から少し離れた所に山賊を今まで相手にしていたのか何人かが遅れてやってくる。
「ワイバーン……亜竜か……」
 山賊の残党の後始末をしてきた涼風・穹(人間の探索者・f02404)が空を舞うワイバーンの姿を見て駆け寄ってくる。
「ワイバーン……ドラゴン退治か。良いぜ! 燃えて来た!!」
 そんな彼らの脇を時雨・零士(仮面ライダーデオルム・f04112)が宇宙バイクに乗って高速で駆け抜けていく。
「『竜殺し(ドラゴンスレイヤー)』と名乗るには無理があるけど、強敵には違いないな。……飛竜の角や爪のような素材は高く売れたりするのか……?」
「お! そうなら報酬増えるのか! イイねえ! 喧嘩の後にはうまい酒と食い物! 報酬におまけが付く! これ以上ない好待遇だ、最高だねェ!」
 零士に負けぬようにと花邨・八千代(羅刹華・f00102)が強敵と殴り合うために走っていく。彼女の前で相手の戦力をうかがうように宇宙バイクで旋回していたナーシャ・シャワーズ(復活の宇宙海賊【スペースパイレーツ】・f00252)が空に浮かぶ巨体を見て呟く。
「こいつが真打、って奴か。なかなかのデカブツだが……大物喰らいは宇宙海賊の華って奴だ。頭の悪そうな獣じゃああまり面白くはないかもしれんがね……っと!」
 言いながら放った弾丸をワイバーンはするりと回避する。
「……なるほど、こっちの動きを読むくらいの知恵はあるようだ」
 ブランクで錆びた自分の腕に舌打ちをする。かつての自分ならばもう少し当てられただろうか。
「……とてもお菓子が好きそうな形相には見えんが……はてさて」
「きっと怒ってるのはお腹がすいたからね。だからって人から獲っては駄目なのよ」
 ナーシャが気を引いている間に隙をうかがっていた一駒・丈一(金眼の・f01005)とスウィートドール・シュガー(甘言・f00081)は互いに合っているのか合っていないのか判断が付きかねる会話をしている。その中で分かったことがあるとすればワイバーンの攻撃は苛烈であり、その上でしぶとく、攻撃を当てることも簡単ではないということだ。
「さて、刑の執行を始める」
 丈一は長期戦に備え咎力封じを放つ。だが敵もその意図を読んでいたのか手枷と猿轡をかわしてしまう。かろうじて高速ロープは引っかかったものの巨体の割に素早いと内心で判断する。そうしている間にもワイバーンは咆哮と共に急降下を放ち、巻き起こった爆風で集まった猟兵たちを吹き飛ばす。
「……なるほど、予知というのは便利な物ですね。危険な魔獣の存在を知らずにいれば、確かに苦戦もしたでしょう。ですが!」
 その衝撃波に対し斧の峰を盾にしてソラスティベルが飛ばされないように耐える。
「行動はできずとも不退転の意思、勇者とは誰より前に立つ者!」
彼女の視線は目の前に降りてきた飛竜の頭に向けられている。飛竜も彼女の方に怒りの視線を向けている。
「その斧、お借りします!」
 不意に彼女の後ろから木立の中を駆け抜けてきていた弥久・銀花(人狼の剣士・f00983)の声が響く。即座にソラスティベルは斧の柄から手を離すと、その持っていた部分を足がかりに銀花が飛び上がり、空に戻ろうとしていたワイバーンの胴体を斬りつける。
「ドラゴンってもっとカッコいいモノかと思いました、盗賊に使役されているなんて幻滅です!!」
 切りつけた後着地した銀花が自分のイメージから外れている敵に対して憤慨する。その怒りは別の猟兵の攻撃を呼び込む。衝撃波をスペースサーファーで乗り切ったナーシャが魂の弾丸を孤を描くように放ち、相手の魂を撃ち抜く。
「魂の乱れた今のお前にこのエネルギーの動きは予想できたかな!」
 ソウル・ガンは魂の力で魂を狙う武器だ。それを抜き撃ちの名手であるナーシャが使えば、簡単には逃れることのできない一撃となる。
「……今だ!」
 2連続で意表を突かれたワイバーンの体が大きく揺らぐ。これを大きな隙と受け取った穹がフック付きワイヤーを投げつける。投げられたワイヤーはワイバーンの足に絡みつく。そのワイヤーのワイバーンとは反対側には大岩が結ばれている。これで自由に相手は動けないだろう。
「ざまあねえなトビトカゲ! このまま丸焼きにして喰っちまうぞ!」
 八千代は動きの鈍くなったワイバーンに対して、獣のような笑みを浮かべて啖呵を切る。同時に掌も切り、そこから溢れ出た血のありったけを拷問具に呑ませる。そんなあからさまな挑発に、傷つけられて頭に血が登っているのかワイバーンは簡単に乗ってしまう。一度大きく飛び上がったかと思うとそのまま急降下し、八千代を引き裂き刺し殺そうと高速で降りてくる。
「来やがれ!」
 轟音が響き大地が揺れる。次の瞬間、傷を負っていたのは八千代、それ以上の傷を負い地に伏せていたのはワイバーンだった。ワイバーンは自身に何が起きたのか分からないらしく、低くうなりながら頭を巡らせる。その視線の先には自身に攻撃を向けていた二人の影があった。
「動きが分かれば当てるのは簡単だぜ!」
「私達の心構えは、できています!!」
 一体何が起きたのか。八千代の処刑具が翼の皮膜を咲き、零士のカオス・ストライクが反対側の翼の付け根を穿ち、ソラスティベルの竜のオーラが首を捕まえた。三方から動きを封じられたワイバーンはもはや飛竜の異名に値しない。だが、ワイバーンは自らの敗北を認められないのか殺意を込めた咆哮を周りに放つ。
「大きな殺意だが……」
 ひるまずに丈一はトリガーを引く。空中に相手がいれば当てるのも一苦労だが、今は容易い。
「あなたが悪い子たちの親玉ね。駄目よ、悪いことはだめ」
 趨勢が決しても今だ叫ぶことをやめないワイバーンを諭すようにスウィートドールが言葉を紡ぐ。それさえも挑発に聞こえたのかワイバーンはなお吠える。
「まあ、まあまあ怖いわ。そんなに怒らないで。そうだ、あなたにもお菓子をあげるわ。何がいいかしら」
 口元に手を立てて数秒、思いついたように彼女は目を見開く。
「あなたはそうね、卵たっぷりのプリンがいいわ!」
 柔らかい抱擁(ソフト・エンブレイス)の名のごとく、ワイバーンの頭上からカスタードプリンが落ちてきて、その吠える頭を包み込む。
「いっぱいどうぞ。おかわりもあるわ、遠慮なさらないで」
 次々と降ってくるプリンの山にワイバーンの巨体が飲み込まれていく。「飛んでいかないで、吹き飛ばしちゃいやよ、咆えないで味わって」そんなメッセージと共に贈られた甘味のプレゼントはワイバーンを飲み込んでいく。猟兵たちが警戒する中で、プリンの山からワイバーンの首が持ち上がり近くにいたものを噛み殺さんと勢いよく動く。
「隙ありです、『研ぎ澄まされた刃に斬れぬ物無し! 鋭刃線閃!』」
 銀花と穹のサムライブレードがもたげられた首を輪切りにする。おおよその生き物は首を切られれば死ぬ。少なくともこのワイバーンはそうなったと同時に動かなくなる。
「……グリモア猟兵が戦えないなんて思うなよ」
 穹が剣を収め、スウィートドールが落ちた首に微笑む。『お腹いっぱい美味しかったでしょ』と言うように。
「ふふふ……今のわたしは、英雄譚に記される彼らに並べるでしょうか」
「……英雄、か」
 ワイバーンを前に一歩も引かなかったトラスティベルの独白。それを耳にした零士は、口のなかでその断片を繰り返す。
「ともあれ終わったか。大物相手は初めてだったがなんとかなるものだな」
「いや、これからだ」
 丈一が一つ息を吐いた所で八千代がそれを軽く否定する。その彼女と隣りにいたサーシャの手には酒瓶が握られていた。
「さあ、始めようぜ! 宴をよ!」
 ……これでみんな、幸せね? スウィートドールの唇がそう形を作った。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 日常 『荒野の大宴会』

POW   :    たらふく喰ってたらふく飲む

SPD   :    巧みな芸を披露する

WIZ   :    料理を準備する、冒険を歌にする

👑11
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種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

フレズローゼ・クォレクロニカ
「あれっ、もう戦闘は終わってしまった?!
皆のかっこいい所、見たかったなぁ」
一足おそかった…とがっくりしつつもボクはボクに出来ることをする
戦闘地のお片付けや、怪我をしている人もいるだろうから、治療のお手伝いをするよ
「皆の凱旋歌を歌っちゃう!」
シンフォニック・キュアをのせて、皆を讃える歌を歌おうか
他に歌う人がいれば一緒に歌いたいな!
痛い痛いのとんでいけー!ってね
美味しい香りにお腹もぐぅ
ボクもなにか、食べたいなぁ!

笑顔が咲けばボクも嬉しくなる
皆の笑顔を、取り戻された平穏な時を忘れないように、しっかり皆の姿を、笑顔を、この時間を絵に描いておこう
記念写真ならぬ、記念絵画だよー!
絵なら得意だから、任せて!


涼風・穹
まずはワイバーンの素材剥ぎ取り
金になりそうな部位は丁寧に分けておく
売れそうなのは角や爪、鱗や牙辺りか?
それとも首をそのまま持っていった方が高く売れるのかな?
それと尻尾の毒のある部位というのも、まあ一部の市場では高く売れるような気もするな

それとワイバーンの肉を食べてみたい
本当に食べられるのかは流石に知らないけど、ドラゴンステーキというのもある位だしな
まあ火を通せば大抵のものは大丈夫だろう
……尻尾には毒があるみたいだけど、そこさえ取り除けば食べられる、よな…?
調理器具なら人斬り包丁(サムライブレイド)があるし、剣刃一閃ならワイバーンでも斬れるだろう
一口味見してみて、美味しいようならそのまま食べます


スウィートドール・シュガー
めでたし、めでたし。とっても素敵!
皆に楽しんでもらう為に、お料理を作りましょう。
甘いのも、からいのも、しょっぱいのも。スウィートドールは作れるのよ。
でもやっぱり得意なのはお菓子ね。ふふふ。
出来上がったお料理は、念動力でどんどん運ぶわ。
「スウィートドールはおもてなしが大好きなの」
だから遠慮なさらずにね。……このお菓子は襲ったりしないわ。

酔っぱらって大変なことになってる方は介抱しましょうね。
優しさとか救助活動とか、そんな感じなのよ。
医術でも使って、二日酔いに効くものでも用意しましょう。
大丈夫よ。いくら苦ーいお薬でも、あまーい糖衣に包んであげるから!


ソラスティベル・グラスラン
栄・光・ある・勝利ですっ!!(ドーン!)
強大な敵を討ち、人々の安寧を取り戻すっ。もぐもぐ
これほど勇気ある行いが他にありますか!む、こっちも美味ですね
ですがまだ世に混沌の種は無数にあるのです!ごくごく、ぷはぁ
ですから次の冒険まで更なる研磨を―――あっ、それはわたしのですよっ!

むぅ、少し食べすぎましたね!少々はしたなかったでしょうか
ともかく、これにて依頼は完了ですか
…仲間と共に戦い、健闘を讃え合い、食を囲む
ふふふっ、この充実感、やはり猟兵になって良かったです
今日のことは日記に書き記しておきましょう!
記念すべき最初の冒険、わたしと皆の、勇気ある活躍を!
んふふー…お腹がいっぱいになると筆が進みますねぇ


花邨・八千代
待ってました!やっぱ喧嘩の後は宴会に限るねェ
散々暴れてがなって、勝ちを味わったあとの酒は格別だ!
料理も酒もじゃんじゃん持ってこい!いくらあっても足ンねーぞ!

ところであのトビトカゲ喰えねェの?そこそこ肉ありそじゃね?
鱗さえ剥がせば後は焼いて塩振ればいけるいける
熱が通ってりゃ大抵の肉は食えるんだぜ


ナーシャ・シャワーズ
さて、何かしら私のお眼鏡にかなう品はあるもんかね。
まあこれでも宇宙の宝はいろいろ見てきた。
異世界とはいえただの金品ではさして珍しいとも思えないが、っと。
一杯やりながらのんびり探すとするかね。

しかし、あいつらの食糧なんか食っても大丈夫なのかね。
ま、たいていの食べ物ってのは焼けばなんとかなる。
意外とあのワイバーン、グルメだったかもしれんしな。

ああ…ちょいと昔に面倒が多かったんでな。
酒飲んで大騒ぎ、ってのは苦手でね。
まあこれはこれでこっちは楽しんでるから気にせずやってくれ。


時雨・零士
肉!酒!たらふく食ってたらふく飲むぜ!
まぁ、こんな荒野じゃロクに調理もできねぇだろうから、あるモンそのままって感じになりそうだけどな!
あるモノによっちゃ、一手間加えたりの簡単な調理をして、参加してるみんなに振舞ったりするぜ!
これでも独り身で料理はできる方なんでな~。
しかし、ワイバーンによく食われなかったな、この食糧…。

後は可愛い女の子と一緒に楽しく騒げれば文句なしだな!(とりあえず、嫌がられない程度に女性参加者に声掛けしたりナンパしたり)




「あれっ、もう戦闘は終わってしまった?! 皆のかっこいい所、見たかったなぁ」
 フレズローゼ・クォレクロニカ(夜明けの国のクォレジーナ・f01174)がぴょんぴょんと跳ねるように夜営の準備を始めている猟兵たちを見て呟いた。彼女はがっくりと肩を落とすと盗賊とワイバーンとの連戦で傷ついた猟兵達の治療へと向かう。
「待ってました! やっぱ喧嘩の後は宴会に限るねェ」
 花邨・八千代(羅刹華・f00102)は戦いの中で受けた疲労や傷はなんのその。豪快に杯の中のものを飲み干して、直ぐ様に手酌で注いでいく。なにせ敵が溜め込んでいた酒と食料は大量だ。勢い良く飲みきらねば尽きるかどうか。
「肉! 酒!」
 時雨・零士(仮面ライダーデオルム・f04112)は片手に骨付きの塩漬け肉、もう片方の手にゴブレットを持っている。時折八千代や他の猟兵たちと器を打ち合わせながら胃の中に次々と詰め込む。
「なんだかんだで、結構イケるな。……でもまあちょっと味気ないのは確かか」
 零士は立ち上がると、かまどのあるであろう廃屋に向かうが、すでにその家の煙突から煙が上がっている。
「先客がいるのか?」
「ふふふ? つまみ食いかしら?」
 扉を開けるとスウィートドール・シュガー(甘言・f00081)が念動力で調理器具を動かして宴会に出すための料理を作っていた。
「ここで準備していたのか?」
「スウィートドールはおもてなしが大好きなの」
「場所借りていいか?」
 どうぞ、と微笑んだスウィートドールが鍋を動かしているのを零士は見遣る。
(「いや流石に射程圏外だろ」)
 可愛いに違いないのだろうが年齢が下すぎると彼は内心で呟く。
「しかし、ワイバーンによく食われなかったな、この食料……」
「好き嫌いが激しかったのかもしれないわね?」
 スウィートドールは歌いながら料理を仕上げていく。その中でも彼女がもっとも力を入れているのは、焼き菓子を始めとしたお菓子類であった。
「はい、出来上がりね。みんなの所に運びましょうか」
 二人ができた料理を運んで来ると、保存食に飽きたフレズローゼを始めとした猟兵たちが食べるものを待っていた。
「ボクも食べていい?」
 シンフォニックキュアで怪我人を癒やし、同時にこの勝利を称える凱歌を歌い上げていた彼女はやはり疲れていたのか空腹に来ていたらしい。
「ええ、遠慮なさらずにね」
 問うた彼女にスウィートドールは優しく肯定する。彼女の持ってきた料理を味わっていたソラスティベル・グラスラン(暁と空の勇者・f05892)が流れていた凱歌を思い返し立ち上がる。
「栄・光・ある・勝利ですっ!!」
 どーんとフォークをローストした肉に突き刺した。そしてそのまま口に運ぶ。
「強大な敵を討ち、人々の安寧を取り戻すっ。……もぐもぐ。これほど勇気ある行いが他にありますか! ……ぱくぱく。む、こっちも美味ですね。……ですがまだ世に混沌の種は無数にあるのです! ごくごく、ぷはぁ」
 食べるか喋るか飲むかどれか一つに決めたほうが良いのではないだろうか。
「ですから次の冒険まで更なる研磨を―――あっ、それはわたしのですよっ!」
「うまいもんは早いもの勝ちだろ?」
 一足先にかっさらっていった八千代に叫ぶが、当の彼女は素知らぬ顔である。
「……あれ? そういえば少し人が少ないような……」
 ソラスティベルが辺りを見回すと少し離れた所に明かりが焚かれている所が遠目に見えた。
「さあて、解体を始めるか……」
 涼風・穹(人間の探索者・f02404)がUDCアースの出身者の割にワイルドな行動をし始めている。何か創作物の影響なのだろうか。ただ相手は巨体であるので、一人ではちょっと荷が重そうである。とりあえずサムライブレイドを抜いてこれで切り分けられないかを試そうとする。
「これ自体がお宝かい?」
 彼の後ろからナーシャ・シャワーズ(復活の宇宙海賊【スペースパイレーツ】・f00252)が木箱に腰掛けていた。
「アンタはあっちに行かないのか?」
「ああ……ちょいと昔に面倒が多かったんでな。酒飲んで大騒ぎ、ってのは苦手でね。まあこれはこれでこっちは楽しんでるから気にせずやってくれ」
 ひょいとナーシャが肩をすくめて見せる。
「そうか、それでここに何か興味でもあるのか?」
「さて、何かしら私のお眼鏡にかなう品はあるもんがあるかと思ってね。……まあこれでも宇宙の宝はいろいろ見てきた。異世界とはいえただの金品じゃ珍しいとも思えないが、この大物が宝になるかもって言うのなら別だ」
「まあ、金になるかもしれないってだけだからな。売れそうなのは角や爪、鱗や牙あたりか? それとも首をそのまま持っていった方が高く売れるのかな?」
「どこぞの好事家が欲しがるかもしれないね。いるだろ、そういうの」
「それと尻尾の毒のある部位というのも、まあ一部の市場では高く売れるような気もするな」
「……ろくなことに使われる気がしないね。まあでもこの世界の冒険者なら使うのかね」
 まあとにかくこの世界の市場に持っていけばこの価値は分かるだろう。そんな話をしながらも穹はどんどんとワイバーンを解体していく。
「……それとワイバーンの肉を食べたい。本当に食べられるのかは流石に知らないけど、ドラゴンステーキというのもある位だしな」
「ま、たいていの食べ物ってのは焼けばなんとかなる。意外とあのワイバーン、グルメだったかもしれんしな」
「そうだな、火を通せば大抵のものは大丈夫だろう」
 奇妙な意見の一致を見せた穹とナーシャ。そんな二人の所に八千代が酒を片手にやって来る。
「お、トビトカゲ捌いてるのか。これで焼けば食えるな」
 彼女の言葉を聞いた穹とナーシャは顔を見合わせて苦笑いを浮かべた。
「なんだよ。熱が通ってりゃ大抵の肉は食えるんだぜ。あとは塩ふればいけるだろ?」

「むぅ、少し食べすぎましたね! 少々はしたなかったでしょうか。ともかく、これにて依頼は完了ですか」
「ゆっくり休むといいわ」
「そうだな戦いも激しかったからな」
 ソラスティベルが腹部に手を当てて休んでいる所にスウィートドールと零士はそう声をかける。料理の皿は既に空になっており、空き瓶も増えている。そろそろ頃合いだろう。
「……仲間と共に戦い、健闘を讃え合い、食を囲む。ふふふっ、この充実感、やはり猟兵になって良かったです。今日のことは日記に書き記しておきましょう! 記念すべき最初の冒険、わたしと皆の、勇気ある活躍を!」
「うん、そうだね。ボクも残すよ。皆の笑顔を、取り戻された平穏な時を忘れないように、しっかり皆の姿を、笑顔を、この時間を」
 ソラスティベルの呟きにフレスローゼは同意すると、使い慣れた絵筆で岩絵具を溶き始める。
「記念写真ならぬ、記念絵画だよー!」
「めでたし、めでたし。とっても素敵!」
 出来上がった絵画を眺めてスウィートドールはそう感想をつける。戦うべき過去を下し、そして残すべき過去を得た猟兵達。彼らの世界をまたぐ旅はこうして幕を開けた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2018年12月22日


挿絵イラスト