カラフルアイスと夏の祭典
●モフリス島のアイス祭り
グリードオーシャンに浮かぶ数多くの島。その中の一つ、モフリス島。
この島にも海の季節がやってきた。コンキスタドール改めオブリビオンはいなくなり、島では平和な日々が続いていた。
キラキラと輝く海岸の傍ら、並び立つものは屋台。店主はキンキンに冷えたそれを用意し、小さなお客へと渡していく。
「はい、キミは甘々レインボーオレンジ味。隣のお嬢さんはスペシャルデコ盛りイチゴ味ね」
「わーい!」
「ありがとー!」
「ちゃんと前見て歩くんだよ、転ばないようにね!」
次々と出てくるものはカラフルで豪華そうなアイス。受け取った子供達は嬉しそうに握り締め、海へと向かっていくのだった。
暑い夏に欠かせないお供、アイス。特にこのモフリス島はもふもふなキマイラ達が住んでいる場所だ。冷たいものは必需品である。
故にこの島のアイスは種類が多い。他の世界でもよく見るアイスから、変わった形や色をしたアイス、飲むアイス、伸びるアイス、映えるアイス、レインボーアイスなど……とにかくお客を飽きさせないものが揃っている。
島民である子供達にも人気である中、最近では休憩に訪れた海賊や観光客にも密かな人気となっているようだ。
きらりと輝く太陽の下、今年もまた新作アイスを用意し、アイス屋さん達は自身の屋台を経営するのだった。
●アザミの情報
「なるほど」
アザミ・アカシア(忘却のUDCメカニック・f05817)は機械の腕が持っていたアイスを手に取り、眺めていた。その後、集まった猟兵達に向けやっと声を掛ける。
「現在、グリードオーシャンのモフリス島という島で、様々なアイスを売っているらしいです。このアイスもまた、そのうちの一つだそうですが」
一見普通の棒アイスに見える。アザミはアイスを一口味わうと、無表情だったその顔を少しだけ変えた。
「……メロン味と聞いたのですが、随分と果肉が凝縮されたアイスですね。メロンそのものの味と感触がする中、内側にはバニラアイスが入っていますね」
と、アイスの感想を呟く。
「……えぇ、とにかく。味は悪くないようです。暑い時期には冷たいものが有効であると言われています。それを実証する為にも、俺はモフリス島へ向かおうと思ってます。アンタ達も……興味があるなら案内しますけど」
アイスが美味しかったから行く、なんて絶対に言わないアザミ。しかし無表情だった顔も、今では何処か穏やかだ。
「水着コンテストは終わってしまいましたけど、夏はまだ続いてます。つまり水着の出番はまだ終わってはいないという事です。……アイスで涼しみ海岸で過ごすのも、悪くないとは思いますよ」
水着姿でアイスを選び、美しい海岸を歩くのもまた一興だろう。もしかすると島民から反応があるかもしれない。そう、水着姿は猟兵達だけのものではないのだから!
「えぇ、では。モフリス島に向かう方は俺に言って下さい。少しなら……待ちますんで」
猟兵達にそう伝え終えると、アザミは興味深そうにアイスを再び食べ始めた。
ののん
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このシナリオは【日常】の章のみでオブリビオンとの戦闘が発生しないため、獲得EXP・WPが少なめとなります。
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お世話になります、ののんです。
●状況
グリードオーシャンが舞台となります。
1章で完結する平和なシナリオです。
モフリス島は過去執筆したシナリオに登場したものですが、知らなくても全く問題ありません。
●当シナリオについて
分かる方に伝えるとするならば、これはイベシナです。
美しく輝く海岸にて、アイスの売店がたくさん並んでいます。どんなアイスでも売ってます。お好きなアイスを頼んで下さい。
更に水着イェーガーカードをお持ちの方は、プレイングの冒頭に【★】を記載して下さい。島の住民が水着姿の感想を言ってくれます!
お持ちでない方はこんな水着を着ているぞ!って書いて下さい。
その為、プレイングに水着の雰囲気やポイントを書いて頂いてもOKです。寧ろこっちがメインかもしれないです。是非とも拝見させて下さい。
フラグメントの選択肢は一例ですので無視して頂いて構いません。
もしご要望があれば、アザミ・アカシア(f05817)と過ごす事もできます。
●プレイングについて
受付期間は特に設けておりません。
キャラ口調ですとリプレイに反映しやすいです。
お友達とご一緒する方はIDを含めた名前の記載、または【(グループ名)】をお願い致します。
同時に投稿して頂けると大変助かります。
以上、皆様のご参加お待ちしております。
第1章 日常
『猟兵達の夏休み』
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POW : 海で思いっきり遊ぶ
SPD : 釣りや素潜りを楽しむ
WIZ : 砂浜でセンスを発揮する
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種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
山路・紅葉
【★】(去年の物)
お姉様や凶津君と!(f11808)
🐰わぁ…本当にキラキラ輝いてる…綺麗な海岸…孤児院の皆にも見せたかったな…
🐺…ま、折角遊びに来たんだから気にせず紅葉も楽しみなさいよ
ほら、アンタの好きなお店もあるわよ
🐰アイス屋さん!えっと…こう、沢山お願いします!
🐺…いや、また大きく行ったわね…大食いのアンタなら食べられるだろうけど…
🐰わ、私一人の分じゃないよ!?織子ちゃんやお姉様、凶津君達と食べ比べ!
…確かに私の分は多いかもしれないけれど…
…それにしても、なんだか視線を感じる様な…?
🐺…アンタは何でそんなに無防備なのよ…散った散ったッ!…今何か飛んで行かなかった?
※アドリブ歓迎
神代・凶津
【★】
紅葉の嬢ちゃんたち(f14466)と参加だ。
バカンスに来たがあちーなぁ。
相棒は麦わら帽子かぶってるからいいよな。
お、この島アイス屋が結構多いじゃんか。
せっかくだから何か食っていこうぜ。
俺も相棒も甘いものには目がないからなッ!
俺はこのスペシャルデコ盛りイチゴ味ってのを貰おうかッ!
「・・・私は、このバニラアイス乗せいちごかき氷で。」
かーっ、暑い日に食うアイスは堪らねえなッ!
っと、島の住民が相棒達の水着姿の感想言ってるな。
「・・・少し恥ずかしいですね。」
まあ、島の男共は出るとこ出てる紅葉の嬢ちゃんの方に目が釘付けってあああああああああ!!?
(相棒の少女に海にぶん投げられる鬼面)
【アドリブ歓迎】
太陽の光を反射し美しく輝くエメラルドグリーンの海。宝石のようだが決して眩しくは感じない、キラキラとした砂浜。
「わぁ……本当にキラキラ輝いてる……綺麗な海岸……」
見た事もない景色に山路・紅葉(白い兎と黒い犬・f14466)は驚いた。ぐるりと何処を見渡しても海岸はキラキラと輝き続けているのだ。
「……孤児院の皆にも見せたかったな……」
静かにはしゃいだかと思いきや、孤児院の事を思い出す。少しだけしゅんとした彼女を、試験兵器である黒犬、織子が宥める。
「……ま、折角遊びに来たんだから気にせず紅葉も楽しみなさいよ。折角みんなで来たんだから」
「そ、そうだね!」
紅葉は慌てて切り替える。そうだ、今回は二人で来たのではないのだ。
「あちーなぁ……相棒は麦わら帽子かぶってるからいいよな」
紅葉の隣にいるのは神代・桜とその仮面、神代・凶津(謎の仮面と旅する巫女・f11808)。凶津が暑そうにする中、反対に桜は涼しげな表情を見せていた。
「あちーと言えば……そうそう、確か貰ったチラシだとあの辺りに……」
「あぁ、あの屋台の並びがそうかしら。ほら、アンタの好きなお店よ」
織子が声を掛けると、紅葉はぴくりと反応し、途端にテンションが高くなった。そう、ここでの目的はただ一つ。
「アイス屋さん!」
島の名物、アイスである。紅葉は嬉しそうに屋台へと駆けてゆき、その後ろ姿を桜が追い掛ける。
会場に辿り着くと、そこには個性豊かな自慢のアイスを用意した屋台がずらりと並んでいた。どの屋台も店主がもふもふな白熊のキマイラだ。何故だろうか、考えてはいけない。
「お、この島アイス屋が結構多いじゃんか。いいねぇ、俺も相棒も甘いものには目がないからなッ!」
「えっと、えっと……」
テンションアゲアゲの凶津と紅葉(そして表情には表さないが桜も)。どの屋台のアイスにしようか見て悩んでいるだけでも気分が涼しくなってくる。
「決めたわ、俺はこのスペシャルデコ盛りイチゴ味ってのを貰おうかッ! って事で頼むぜ相棒!」
「……私は、このバニラアイス乗せいちごかき氷で」
「待って相棒そっちの屋台じゃないぜ!?」
ふらりと桜は屋台へと向かう。残された紅葉は悩み悩んだ末、
「……こう、沢山お願いします!」
選び切れず大きなカップにたくさん盛って貰った。それも二カップも。レインボー山盛りアイスだ。
「いや、また大きく行ったわね……猟兵はタダらしいからこんなに貰えたけど……。大食いのアンタでも食べられるの? お腹壊しそうね……」
「わ、私一人の分じゃないよ!? そっちのは織子ちゃんやお姉様、凶津君達と食べ比べ!」
持たされた片方のカップを眺め呆れる織子。紅葉は慌てて弁解するのだが、彼女の持つカップは確かにアイスの量が多めに見えなくもない。
桜もかき氷を貰い、凶津も無事にアイスを手に入れた所で二人(四人)は海へと向かう。楽しそうに遊ぶ子供達の声が周囲に響く中、ひそひそと聞こえる何かの話し声。
「(……なんだか視線を感じる様な……?)」
紅葉と桜がアイスやかき氷を食べながら不思議そうな表情を浮かべる。視線を感じるとはいえ、それは殺意を感じるような冷たいものではない。もっとこう……温和なものだ。
「はぁ~……細い体だなぁ……」
それは若者や大人の声だった。もふもふなキマイラが住民であるこの島では、人間型は珍しい。その人間型の水着を着ているとなれば、それはもっと珍しい光景になるのだ。
「涼しそうだなぁ、あんなに大胆でいいのか?」
「でも動きやすそうだしお洒落よね、髪だってとっても綺麗……」
純粋に羨ましそうな様子でうっとり眺める住民達。
「っと、島の住民が相棒達の水着姿を眺めてるぜ。まさに釘付けってか?」
「うーん、そこまで……かな?」
凶津に対し、首を傾げたのは紅葉。そんな彼女に織子は再び深い溜め息を吐き。
「……アンタは何でそんなに無防備なのよ……ほら、散った散ったッ!」
住民達(主に男性)に向かって尻尾を振って離れるよう仕向けてやった。そそくさと離れてゆく住民達。
「……少し恥ずかしかったですね」
ぽつりと呟く桜。凶津は豪快に笑い桜を励ます。
「まぁ心配するな! 釘付けとは言え、島の男共は出るとこ出てるでっかい紅葉の嬢ちゃんの方に目がくぎづっっってああああああああ!!?」
言葉を言い終える前に、凶津の全身は輝く海の上へと高く高く飛んでいくのであった。
「……今何か飛んで行かなかった?」
「……フリスビー、かな……?」
太陽の中に吸い込まれていく赤い何かを織子と紅葉は最後まで……眩しいので見守らなかった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
夜奏・光花
【★】
綺麗な海になにより美味しそうなアイス(キラキラ)
…は!ええと、どれにするか迷いますね。
どのアイスも美味しそうです。あのー、すみません。
オススメは何ですか?
何処か日陰か涼しげな場所でゆっくり食べれないでしょうか。
浮き輪の上に座れば熱くないですよね?
…あとで写真、撮りたいですね。
(両親と一緒に来れなくても、見せてあげることは出来ますよね。)
夢のような空間に夜奏・光花(闇に咲く光・f13758)は目を輝かせた。
キラキラと光る綺麗な海と砂浜。そして美味しそうでカラフルなアイスを売っている屋台。先にどちらへ向かおうか思わず悩んでしまうほど。
きょろきょろと見回し悩んだ結果、日差しが強いので先にアイス屋さんへ向かう事に決めたのだった。
「わぁ、随分と可愛いお客さんだねー。いらっしゃいだよー」
もふもふした大きな体の白熊キマイラが光花を迎える。アイスが並んだケースの前まで来たものの、どのアイスも美味しそう。どれにしようか迷ってしまい、再び考え込んでしまう光花。
「……あのー、すみません。オススメは何ですか?」
今度は店主が目の前にいるのだ。こんな時は直接聞くのが一番である。店主は嬉しそうに答えてくれた。
「そうだねー、お客さん、猫は好きかなー?」
光花はびっくりしながら頷く。のんびりした口調の店主はにっこり微笑んだ。
「やっぱりねー、だって水着に猫のマークがあるんだものー。その浮き輪も猫だしねー」
猫のマークと呼んだのは胸元の事だろう。……空いているとは思っていないようだ。
「そしたら、これはどうかなー? イチゴとバニラのミックスに、猫型のチョコチップが混ざったアイスだよー。美味しいし可愛いからオススメだよー」
店主は左側にあるアイスを指差す。ケースから覗いた光花は満開の花のように笑顔を輝かせた。
「わ、わ……! これにします!」
「はーい、アイスの形も猫型にしてあげるからねー」
店主はワッフルコーンを用意し、アイスを盛っていく。ちょん、とアイスに猫の耳を生やせば出来上がり。しゃがんで光花にアイスを渡した。
「フリルがお洒落可愛いねー。アイス、落とさないように気を付けるんだよー」
「ありがとうございます! ……でも子供じゃないですよ!」
「あははー、それは失礼したねー。いってらっしゃいだよー」
アイスを受け取り手を振る光花と店主。さて、ご機嫌になった所で次に向かう場所は海だ。とは言えアイスを持ったまま海水に入る訳にはいかない。ひとまずは涼しげな場所を探す事にしよう。
「ええと……あ、あそこが良さそうですね」
丁度良くそびえ立つ木の下には誰もいないようだ。あの木陰で休もう。光花はアイスを落とさないよう歩き、木陰へと向かう。
無事に到着すると、浮き輪を椅子代わりにして座り込んだ。これでやっと海とアイスを楽しむ事ができる。
「えへへ……まだ海で遊んでないのに、凄く楽しい気分です」
猫型アイスに猫型チョコチップ。丁度良い甘さのイチゴバニラアイスの味にも満足。輝く海に早く向かいたいと思いながらも、涼しい風と冷たいアイスを堪能したいという気持ちも強く、どちらも光花の中でせめぎ合う。
ただ、一つ心残りがあるとするならば。
「……一緒に行ければ良かったのですが」
少しだけ寂しそうに、そう呟いた。
光花が思い浮かべたのは両親の顔。本当は一緒に行ければ一番嬉しかったのだが、それは叶わず。一人で来てしまった事はやっぱり寂しく感じる。
それでも、楽しい場所を、楽しかった事を、伝える事はできる。
「……あとで写真、撮りたいですね」
一緒でなくとも、写真と言葉ならば、きっと。
そうだ、いっぱい遊んで思い出を作ろう。それを両親に教えてたくさん自慢しよう。うずうずして抑えきれない気持ちがある事は、本当なのだから。
大成功
🔵🔵🔵
須磨・潮
★
【てんてん・A】
5人で海に来ました。
私と鹿糸、エリオさんの3人はアイスを買いに。
千頭さんと明石さんは海で待っているようです。
一応リクエストは聞きますが、不明瞭なので選ぶのは2人にお任せします。
私は無難に抹茶や小豆を食べたいと思います。
冒険して痛い目を見たくありませんから。アイスクリームは伸びるものでは無いでしょう。
……2人が選ぶのは奇抜な色合いですね。
本当にその色を選ぶんですか。
おかしなものに当たると困るので、水を購入しておきましょう。
その蛍光色、どちらに差し上げるつもりですか。
(アドリブ他おまかせ)
氏神・鹿糸
【てんてん・A】★
5人で遊びに来たわ。
海の世界って初めて。随分と暑いのね。
色とりどりのアイスなんて素敵。
せっかくなら色合いの綺麗なものを選びましょ。
お留守番の二人を置いてアイスを選ぶわ。
潮は冒険しないの?伸びるアイスなんて楽しそうなのに。
エリオったら意地悪ね。選ぶなら見た目は普通でも、味が奇抜なものが良いんじゃない?
こういうのはお店の人が知っているのよ。
オススメの面白いアイスを教えてくれる?
私は一番美味しい、オススメのものを食べるわ。
せっかく遊びに来たんだから、美味しいものを食べたいもの。
鐘馬・エリオ
【てんてん・A】★
最高に浮かれている自覚があります。
だって、海。しかも糸姉や潮先生って綺麗なお姉さんたちとアイス選んでるんですよ?
浮かれなかったらおかしい。
ボクは健全です。
派手なアイスや珍しいアイスって何??
買ってきてもらうのに結構な難題じゃない?
全力でヤバそうなアイス選んでやる。
蛍光色のアイスください。もしくは奇抜な味。
糸姉だって意地悪じゃないですか。見かけで騙す系ですか。
潮先生はちゃっかり回避してますね?
ボクは折角なのでレインボーとか挑戦してみます。
鷲兄と定へはお店の方に選んでいただいた奇抜アイスです。
さあ、食え。
明石・鷲穂
★【てんてん・B】
※アドリブお任せ
賑やかだなあ。去年は宇宙での祭りとはまた違って、今年も楽しそうだな。
アイスの買い出しは鹿糸、潮、エリオに任せて、俺は定と留守番だ。三人のセンスにお任せするぞ。
元気だなあ。あんまり深いとこに行くなよ。
浮き輪に乗った定を引いて浅瀬を歩くぞ。
俺、泳げないからなあ。翼が濡れるのもあるが、下半身が重いんだ。
定は泳げるのか。なら、浮き輪貸してくれても良いんだぞ。
アイスを買った三人が見えたら、浜に戻ろう。…心なしか楽しそうな笑顔が怖いな。
定が珍しいアイスが良いって言ったんだろお。
千頭・定
★【てんてん・B】
来ましたー!
ハワイもかくやグリードオーシャン!
たくさんのアイスが美味しそうですが……先に海です。海。
鹿糸さん、潮先生、エリオくんにアイス選びをお任せして海に向かいます。
とにかく派手で珍しいアイスをお願いします!!
鷲穂さんと海に入ります。
浮き輪に座ってのんびりです。
泳げないって意外ですよう。翼が濡れちゃうからですか?
私は人並みに泳ぐのは得意です!
でも浮き輪は譲りません。いまはのんびりタイムですので!
ひとまず海に満足したら、ビーチに戻りますっ
すごい色のアイスを持った3人が見えるんですが。
私は年上を尊重する人間なので、鷲穂さんに変な色の方あげますね。
眩しい太陽。永遠に続くエメラルドグリーンの海。輝く柔らかい砂浜。
「来ましたー!」
島に到着し、一番に砂浜へ足を踏み入れたのは千頭・定(惹かれ者の小唄・f06581)。一緒に来た他の四人も、彼女の後ろを歩いて追う。
「海の世界って初めて。随分と暑いのね」
「そうだなあ、去年の宇宙の海とはまた違うな。皆の肌が焦げそうで心配だぞ」
「そうね、気を付けなくちゃ」
氏神・鹿糸(四季の檻・f00815)と明石・鷲穂(真朱の薄・f02320)も物珍しそうに海岸を見渡す。
「見てください、きっとあれがアイスの屋台ですよ! アイス!」
鹿糸達が定に追い付いたかと思えば、定は再び一人で飛んで行ってしまう。そんな姿に苦笑いを見せ合いながらも四人は後を追い続けるのだった。
「わー、美味しそうなアイス! で、あっちは凄い海ですね!」
「千頭さん」
ぱちり、と手を叩いたのは須磨・潮(既知の海・f13530)。その音にくるりと体を向ける定。
「えぇ、順番を決めましょう。今は着いたばかり、時間もたくさんあるのです。アイスを買って、それから海へ向かう。そうしましょうか」
「分かりました!」
元気に返事をする定。全員が賛成の様子を見せた直後。
「うぅん、たくさんのアイス……でも……先に海です。海。アイス選びはお任せします。とにかく派手で珍しいアイスをお願いします!!」
再び一人で飛んで行ってしまった。
「元気だなあ。じゃあ俺は定と行くか……。俺も三人のセンスにお任せするぞ、アイスの買い出しは任せた」
定の背中を眺めると、鷲穂はのんびりと歩いて海へと向かうのだった。
突然そんな状況になって大変喜んだのは鐘馬・エリオ(イディオット・f16068)。予期せぬ展開ながらも女性と自分の三人きりだ、浮かれない訳がない。
「(いや、だって、ここは海。しかも水着姿の糸姉や潮先生って綺麗なお姉さん達とアイス選ぶ訳ですよ?こんな事滅多に起きないですよね、いや、最初で最後の可能性だってありますよ。こんなシチュエーションに出くわして浮かれない男子っています? 浮かれなかったらおかしい。だからボクは健全です、はい)」
「どうしましたか、エリオさん。アイス、どれにしようか悩んでいるのですか?」
「あ、いえいえ。今向かいます、潮先生」
現実に戻った瞬間エリオの表情はキリっとしたキメ顔に戻る。例え目がにやけてもサングラスで何とか誤魔化せるだろう。
「ん? でも……派手で珍しいアイスって何??」
ぴたり、エリオの足が止まる。潮も考える素振りを見せていた。
「さあ、不明瞭なので選ぶのは二人にお任せしますね。私は自分のものを選びますので」
「あら、潮は何にするの?」
「そうですね、私は無難にあの屋台に並ぶ抹茶や小豆を食べたいと……」
「冒険しないの? あの伸びるアイスなんて楽しそうなのに」
鹿糸が指差したのは、お餅のように伸びるアイスを食べる住民。というか伸びすぎて一反木綿のようだ。見ていると楽しそうだが、潮は首を横に振る。
「冒険して痛い目を見たくありませんから。それに、アイスクリームは伸びるものでは無いでしょう」
そう言い残し、潮は目的の屋台へと向かうのだった。
「ちゃっかり回避しましたね、潮先生」
「面白そうだったのに、ね。ではエリオ、あなたはどうするつもり?」
「ボクですか? 折角なのでレインボーとか挑戦してみようかと……」
「そうね、私も色合いの綺麗なものを選びましょ」
「(糸姉とボクが同じアイスを……!?)」
ここで浮かれない訳がない。
「で、お留守番の二人の分はどうしようかしらね」
「こうなったら全力でヤバそうなアイスを選びましょう。蛍光色のアイスとか」
「エリオったら意地悪ね。選ぶなら見た目は普通でも、味が奇抜なものが良いんじゃない?」
「糸姉だって意地悪じゃないですか。見かけで騙す系ですか」
悪巧みに花を咲かせる二人。話が纏まった末、やっとアイス屋さんの店主に声を掛け。
「すみません、オススメの面白いアイスを教えてくれる? 凄い色で、見た目も味も面白いものを。……それとは別に、一番美味しくて綺麗なアイスを一つ」
「!?」
同じレインボーアイス食べるんじゃなかったの!?
抹茶と小豆のアイスが二つ並んだカップを手に持ち、慣れ親しんだ風味を味わいながら歩く潮。二人はどうしたものかと合流しようと戻ったのだが。
「…………」
遠くから見ても分かる。あの色はやばい。潮は静かに回れ右をし、飲み物を探しに向かうのだった。
「よし、行くぞ。落ちるんじゃないぞ」
「出発進行です!」
所変わって海。浮き輪に乗った定を鷲穂がロープを引いて歩き出す。ぷかぷか浮かぶ定も、ばしゃばしゃと浅瀬を歩く鷲穂も気持ち良さそうだ。
「はあ、砂浜の上は暑かったが、海に入ると涼しくて気持ち良いな」
「本当ですね。にしても鷲穂さんが泳げないって意外ですよう。翼が濡れちゃうからですか?」
「俺、泳げないからなあ。翼が濡れるのもあるが、下半身が重いんだ」
キマイラである鷲穂の下半身は人間のものではなく獣の四肢だ。確かにこの大きな体では沈んでしまうだろう。
「なるほどです……ちなみに私は人並みに泳ぐのは得意ですよ!」
「そうかあ、じゃあ俺が溺れたら助けてくれよな。何なら浮き輪を貸してくれても良いんだぞ」
「ダメです、今はのんびりタイムですので!」
じゃばじゃば。海の散歩はまだ続く。
「んん、なんか視線を感じるなあ」
「あ、見てくださいよ。住民達、こちらを見てませんか?」
定が砂浜へ指差す。確かに住民達が海で遊ぶこちらを見つめているように見える。お互い変な事をした記憶はないのだが。
「……なんて良い体つき」
「あの脚の筋肉、胸元、凄いわ……」
ひそひそと聞こえてくるのは女性の声。もふもふなキマイラが多いこの島では、やはり鷲穂のようなキマイラが注目されやすいのだろうか。
「浮き輪の子は熊かしら、猫かしら。とっても細くて可愛いわぁ」
「いいなぁ、とても涼しそうじゃない……お父さんに引っ張って貰ってるのね、微笑ましい光景だわ」
「!!!」
頭のお団子が耳に見えたのは全然構わない。しかしその後の発言には物申したい。照れて微笑む鷲穂の後ろで定は慌てた様子で鷲穂と住民を二度見、三度見する。
「そ、そこまで子供じゃないです! 鷲穂さん、のんびりタイム終了です! 変わってください!」
「え、もう終わりか?」
「今度は私が引っ張ってあげますね。ほら、行きますよっ!」
「おお、元気なのは良い事だが。あれ、浮き輪が小さいな、入らな……いや壊れそう……」
前足を入れた鷲穂の浮き輪を定が引っ張っても全く動かなかったのは言うまでもない。
一方その頃、エリオはとても上機嫌だった。目的のアイスも手に入ったし、潮とも合流した。後は海に向かうだけだ。しかし、道中周囲から聞こえるひそひそ話と視線がたまらなくぞくぞくしたので、わざとゆっくり歩いた。いや、Mという訳ではなく。
「……あの歩いてる三人、美男美女揃いだなぁ」
「(そうそう! そういうのを待っていたんです!)」
水着で来たからには言われるであろうと期待していた。何せ住民はもっふりとしたキマイラばかり。人間型が逆に少なく目立つくらいなのだから。
「あの人の白い水着、不思議な模様ね。凄く綺麗だわ。いいわぁ、あんなの着てみたい……」
「体に亀裂が入っているように見えるんだけど、気のせいかな?」
この会話の内容は恐らく鹿糸の事だろう。しかし彼女は自身の色鮮やかなアイスに夢中だ。
「黒い水着の人はモデルさんかな? 白いお肌と似合ってて凄く素敵」
「きっと貴婦人さんよ。凛とした姿に帽子がお洒落だもの」
そしてこの会話の内容は潮の事だろう。しかし彼女は鹿糸と会話をしていて気付いていない。
「真ん中の子は……派手そうに見えるけど落ち着いた柄ね」
「翼とサングラスがお洒落っぽい! 今度真似してみよ!」
この会話の内容はエリオの事だろう。勿論聞いている。
「エリオさん、どうしましたか。とてもにこやかですが、それほどアイスを見せるのが楽しみなのですか」
「え、あ、はい。そうですね、それもあるんですけど」
「そうよね、きっと驚くわ。早く会いたいわね」
ああ、こんなにも海で歩くのが楽しいとは。
海に到着すれば、すぐさま定と鷲穂の姿は発見できた。手を振って呼び掛ければ二人は浜辺に戻ってくる。
「おかえりなさいです、鹿糸さん、潮先生、エリオくん……」
定はずぶ濡れになって疲れていた。鷲穂はほのぼのとした表情を浮かべ笑っている。彼の背中に垂れ下がっているのは恐らく……。
「ごめんなあ。浮き輪、破裂させてしまった。後で新しいの探してくるな」
「二人だけで随分と遊んでいたのね。ずるいわ、私達も早く海に入りたいのに」
でもその前に、と鹿糸は持ってきたアイスを見せる。待ってましたと言わんばかりに隣のエリオもアイスを差し出す。
「さあ、食え」
「…………」
「…………」
無言の間が生まれた。楽しそうな笑顔が怖かったんだよなあ、と鷲穂は薄々感じてはいたようだが。
「……これは?」
「お店の方に選んで頂いた、ゲーミングアイスです」
「ゲーミングアイス」
定と鷲穂が揃って単語を繰り返す。
「ボクもよく分からないけど、店員の白熊さんによると『1680万色に輝き続ける虹色味のアイス! 食べれば宇宙を感じる未体験の味!』って言ってました」
「自分で『よく分からないけど』って言っちゃいましたね」
エリオと鹿糸が差し出したアイスバーはとにかくレインボーだった。しかもめっちゃ光っている。中にライトでも仕込まれているんじゃないか……と思うような蛍光色が波打つように輝きを放っている。そんな感じだ。
「……似たような鮮やかな色合いなのに、エリオと鹿糸の方が美味しそうに見えるぞ」
「これはこれ、それはそれよ。はい、どうぞ」
ゲーミングアイスを渡される定と鷲穂。微笑むエリオと鹿糸の後ろでは潮が心配そうな表情を浮かべながら抹茶小豆アイスを食べている。
「私は年上を尊重する人間なので、鷲穂さんがお先に食べてくださいな。私ちょっと疲れちゃってるので」
「定が珍しいアイスが良いって言ったんだろお。……まあいいか」
折角だしなあ、と鷲穂はゲーミングアイスを齧った。
「……どうかしら、鷲穂? お味は?」
「すごいぜ、うちゅうだぜ」
「うわ、口の中が七色に……いや、えっと、1680万色に光ってますね……」
「これがゲーミングアイス……恐るべしです……っ!」
宇宙へ飛び立ってしまった鷲穂を三人が呆然と眺め、見届ける。
「……いえ、皆さん、助けてあげて下さい。明石さん、お水ですよ。どうか戻ってきてください」
潮の用意した飲料水のお陰で意識が戻った鷲穂。
その後、エリオと鹿糸が潮から軽いお説教を受けたのち、全員でゲーミングアイスを完食したとか、してないとか。
……ともかく、潮が余分に用意したカップアイスを皆で並んで食べ、アイスタイムは平和に終了したとさ。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
アルデルク・イドルド
ディルク(f27280)と
★
夏は変わらず暑いが水着だと多少は涼しいな。
それに海賊らしい海賊服を着るのも新鮮だ。
アイスクリーム。ディルクが好きそうだと思って来てみたんだが。正解だったみたいだな。
しかし、本当に種類が多いな。
ディルクも悩んでるみたいだし。
ディルク、たくさんあるし選び切れないかもしれないが腹を壊さない程度にしろよ。
…どれで悩んでるんだ…ん、じゃあそっちのやつを俺が食べるから。後で一口やるよ。
これなら、もうちょっと選べるだろ?
冷たくて美味いな。
ディルクも楽しそうだし。
ほら、これ、一口やるから口開けな。
(アイスをスプーンですくい口元に運んで)
美味いか?なら良かった。
ディルク・ドライツェーン
アル(f26179)と
(水着はボクサータイプで動きやすさ重視)
おお~っ、アイスがいっぱいある!!
これどれでも好きなの食べて良いのか!?
いろんなアイスがあるから迷うな~
見てアルっ、このアイスすっごい伸びるぞ!
アイスが伸びるの初めてみた…
(トルコアイスを楽しそうに伸ばして目をキラキラさせ)
オレこれ食べてみたいっ!
あ、でもあっちのフルーツが乗ってるのも美味しそうだ
アルぅ…食べたいのがいっぱいあるどうしよう…
アルのくれるのか?
うん、そうする♪
ん~~~どれも美味しいなっ!
(アルにアイスを貰いながら)
アルにも、オレのアイスやるよっ(お返しに自分のアイスを同じように差し出して)
「おお~っ、海と砂が光ってる! アイスもいっぱいある!!」
動きやすさを重視した水着を着たディルク・ドライツェーン(琥珀の鬼神・f27280)はあちらこちらと動き回ってはきょろきょろと周囲を見渡す。
「落ち着け、どれも逃げやしないって」
彼の後ろをゆっくりとついて行くのはアルデルク・イドルド(海賊商人・f26179)。いかにも海賊らしい雰囲気を漂わせる水着を身に纏い、砂浜に足跡を付けていく。
「にしても、砂浜までこんなに輝いているとはな。宝石が混ざっているようで素晴らしい」
宝石好きの海賊である彼にとって、この島の海岸そのものがお宝に見えた事だろう。日差しは暑いが気分は清々しく、風も涼しい。バカンスには最高の場所だ。
まぁ、本当はディルクがアイスクリームを気に入ると思いやって来たのだが、それもそれとして正解だったようだ。ディルクは目を輝かせながら屋台の前を歩き回っていた。
「なぁ、これどれでも好きなの食べて良いのか!?」
「そうらしい、猟兵だからタダだとよ」
「うお~すげぇ! いろんなアイスがあるから迷うな~」
悩んでいるとはいえディルクの楽しそうな様子を見られるのは微笑ましいし嬉しい。アルデルクはにこやかに後ろから見守る。
「しかし、本当に種類が多いな……ディルク、たくさんあるし選び切れないかもしれないが、腹を壊さない程度にしろよ」
「分かってる! 分かってるけど、うぅん……」
どれも目移りしてしまい、なかなか決められないディルク。すると突然、ぴくっと何かに反応し、大声を上げる。
「見てアルっ、あそこのアイスすっごい伸びるぞ! なんだあれ!? 本当にアイスなのか!?」
ディルクが指差した先には、店員が子供に伸びるアイスを渡そうとしている様子であった。コーンに乗せようと白熊キマイラの店主がアイスを取り出すのだが、びよーんと餅のように長く長く伸びるのだから驚きだ。
「あぁ、確かドンドゥルマ……という名だったかな。見ての通り、伸びるアイスだ。間近で見ると迫力があるな」
「すっげ~、アイスが伸びるの初めて見た……」
地元の子供達と一緒に伸びるアイスのパフォーマンスに感動するディルク。
「どうする? あれにするか?」
「うん、オレこれ食べてみたいっ! けど、でも……」
アルデルクに向かって一瞬嬉しそうに返したのだが、それもすぐにしゅんと消える。
「あっちのフルーツが乗ってるのも、しましま模様のやつも、ケーキみたいなやつも、美味しそうだ……」
やはり決めきれない、と小声で申し訳なさそうに話す。しかし、そんな事で溜め息を吐いたり叱ったりするアルデルクではないのだ。
「何だよ、まだこの島に来たばかりじゃないか。アイスは逃げないし、誰が『一つしか選べない』って決めたんだ? 一つ選んだら、また選びに行けばいいだろ?」
「アル……!」
「じゃあ、俺が伸びるアイスを食べよう。安心しろ、後で一口やるからよ。これならもうちょっと選べるだろ?」
「……うん!!」
ぱっと笑顔に戻ったディルク。喜んで他のアイスを求めて別の屋台へと向かうのだった。
「あれはあんたの連れかい?」
ディルクを見送ったアルデルクに突如声を掛けたのは白熊のキマイラ。先程の伸びるアイスを売っている店主だ。
「あぁ、そうだが」
「可愛いねぇ、あれだけ喜ばれるとこっちも嬉しいってモンだよ」
店主は二人のやり取りを聞いていたようだ。もふもふした毛を揺らしながら笑っている。
「折角だから新作のバニラチョコ味をあげようか。氷も混ざっててシャリっとするんだよ」
そう言い、店主は伸びるアイスをコーンに乗せる。アイスに混ざる氷がキラキラと輝いて宝石のようだ。
「どうも。またあいつ、驚くかもしれないな」
「そうだといいねぇ、海賊さん」
「ほう、どうして分かったんだ?」
「その恰好はどう見ても海賊さんだろ? 涼しげでなかなかイカしてるよ、王様みたいだね」
店主にそう言われると、そうだったな、とアルデルクは思わず笑った。
「はは、何せ海賊らしい海賊服を着るのは新鮮だったものでな。うっかりしたよ」
まるでケーキのように苺がたくさん乗ったアイスバーを持ってきたディルクと合流すると、アルデルク達は木陰へと移動した。広大なエメラルドグリーンの海を目の前に、キラキラと輝く砂浜の上へ並んで座り込む。
「ほら、これ、一口やるから口開けな。バニラチョコ味だそうだ」
「くれるのか!? あ~ん……♪」
ディルクは大きく口を開く。スプーンですくったアイスをアルデルクが相手の口へと運ぶ。コーンから伸びるアイスとディルクの口が繋がり、むしゃむしゃとディルクが食べる度にアイスが揺れる。アルデルクがスプーンでアイスを絡め取り切断してあげる姿は、まるで親子のようにも見える。
「ん~~~美味しいなっ! つっめたい!」
「そうか、なら良かった」
ディルクがこれ以上にない幸せそうな顔を見せながら食べるのだから、アルデルクもつられて微笑んでしまう。
「アルにも、オレのアイスやるよっ。お返し!」
ずい、とアルデルクの真似をするかのように自身の持つアイスバーを差し出すディルク。アルデルクはアイスを握る彼の手を握りながら、一口アイスを齧る。
――それはきっと何物にも変えられない、思い出の甘い味になるだろう。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
榎・うさみっち
★ステシSDの水着姿
モフリス島、島の名前だけでもなんだか魅力的なのに
更にありとあらゆるアイスがあるとはな!
これは是非遊びに行って食い尽くさねば!
へい、トリプルのアイス頼むぜ!
俺が愛してやまない抹茶味
抹茶の次に好きで、俺と色がお揃いなイチゴ味
最後は王道のバニラ味!
普段なら人間サイズもペロリと食べる俺だけど
アイスは時間かけると溶けちゃうから
今回はフェアリーサイズ
その分何度でも買いに来ちゃう!
ん?水着?ふふふ、いけてるだろ!
去年の水着で遊んでたらうっかり日焼けしてさ
でもこれはこれで格好良くね!?
ってことでむしろアピールしてるんだぜ!
コンテスト会場では見かけなかったって?
フッ、今年はお忍びってやつさ!
モフリス島に榎・うさみっち(うさみっちゆたんぽは世界を救う・f01902)がやって来た。目的は一つ、アイスを食べ尽くす為だ。
「これがモフリス島! 名前だけに住民めっちゃもふもふしてるじゃん! 更にアイス屋もめっちゃあるじゃん! これは優勝したな!」
何が優勝なのかは分からないが、うさみっちは上機嫌にアイス屋さんの並ぶ屋台へと飛んでいく。
「へいそこのお姉さん、トリプルのアイス頼むぜ!」
「わぁ~小さなお客さん、いらっしゃい!」
白熊キマイラの女性店員がうさみっちに声を掛けられると、笑顔を浮かべながら珍しそうに眺めた。
「まず、俺が愛してやまない抹茶味。抹茶の次に好きで、俺と色がお揃いなイチゴ味。そして最後は王道のバニラ味で!」
バチンと指を鳴らしながら注文をする。は~い、と店員は店の奥からワッフルコーンを用意する。
「コーンは普通のサイズとフェアリーサイズがあるけど、どっちがいいかしら~?」
「うーん、今回はフェアリーサイズで! 普通のサイズもイケるけど、外だし時間かけると溶けちゃうからな。……だが安心したまえ、その分何度でも買いに来ちゃうから!」
「ほんと~? 嬉しいな~妖精さん!」
珍しい訳ではないがあまり見かけないフェアリーの姿に、店員は嬉しそうだ。指定されたアイスのフレーバーをコーンの上にちょこんと乗せると、二段目のアイスに小さなクッキーを差し込み、三段目のアイスには耳を生やした。
「どうかしら、クッキーで羽を生やして妖精さんみたいにしてみたわ~」
「うおぉ……これはまごう事なき俺! センキューサンキューありがとう!」
なんと手先が器用な店員なのだろうか。うさみっちのテンションは更にアゲアゲだ!
「所で妖精さん、ずっと思ってたんだけど」
「分かってる分かってる、この水着の事だろ?」
バァーンと上着を開いて水着姿を見せつけるうさみっち。点が二つにばってんが一つ。リボンとウサギマークがポイントのズボンを履きこなしたうさみっちの華麗な身体つきに店員はキャッ、と声を漏らし。
「わぁ~、やっぱり変わった模様の妖精さんね~、体にも顔がついてる~! 不思議ね~!」
「んっ??」
そう、今のうさみっちの体は日焼けの跡だらけだった。こんがり焼けた顔にもサングラスの跡が残り、上着を脱げば茶色と白の境界線がくっきりと分かる。しかしうさみっちはブレない。寧ろそれをプッシュする。
「ふふふ、去年の水着で遊んでたらうっかり日焼けしてさ!」
「あら日焼けだったのね、てっきり面白い模様なのかと~。でもイケてるわよ~!」
「そうだろそうだろ、いけてるだろ! これはこれで格好良いから!」
どや顔が止まらないうさみっち。店員もぱちぱちと拍手を送る。
「それじゃ、また来るぜ! 日焼けもバッチリしなきゃな!」
「は~い、いってらっしゃい~。黒コゲになっちゃ駄目よ~」
うさみっちが気に入った様子の店員は以降、何度訪れても店で待っていたという。
三段アイスを持った日焼け妖精うさみっちはぶーんぶーんと海辺へ向かい、椅子代わりになってくれそうなもっふもふな住民を探したという。
大成功
🔵🔵🔵
枢囹院・帷
★
晴夜(f00145)と
美し白波にニッキーくんがザブザブ入っていく
その銛で魚を突いて来てくれるのか
遠洋まで出ないように気を付けるんだよ
モフリス島は景観も綺麗だがアイスの多様性も素晴らしい
メロン味ジェラートは私達二人が好む赤肉を
伸びるアイスは、ほら、きっと魔法が掛けてあるんだ(世間知らず)
燃えるアイスはラム酒でフランベしていて実に見栄えが佳い
極光の如き煌めきも芳しい香気も、味も、之が一番だな
この島での思い出にしよう
處で晴夜はお気に入りに出逢えたかな
口実……相変わらず素直じゃない
然し其こそ君の魅力だと少し知った気でいられる
私も晴夜の色んな表情を見られて佳かった
ニッ……蛸の魔窟にでも行ってきたのかい
夏目・晴夜
★
帷さん(f00445)と
人形のニッキーくんは海へ行かせます
何故なら二人きりになりたかったから…
…という訳ではなく、海鮮もめっちゃ食べたい気分なんですよね!
今は大漁を祈りつつアイスを楽しみましょう
目に映るアイスは片っ端から購入します
互いに一番好きなアイスを探しましょう
やはり果物のアイスは最高に美味しいです
これは普通のアイス…うわ、なんか伸びますよ!何故!?
こちらは超映えてますね…写真を撮っておかねば
色々楽しみましたけど、帷さんが一番好きと思えるアイスはありました?
私の一番好きなアイス?あ、探すの忘れてました
帷さんと一緒にアイスを食べたいが為の口実だったもので
ああ、ニッキーくんお帰りなさ――怖っ
照りつく日差しに、白い肌が焼け焦げてしまいそう。ここは本当に……ダークセイヴァーとは正反対の世界だ。
白薔薇で飾った黒い日傘を手に海岸へと赴いた枢囹院・帷(麗し白薔薇・f00445)。共に来た夏目・晴夜(不夜狼・f00145)とからくり人形のニッキーくんの三人で広大な海を眺め、潮風を楽しむ。
「モフリス島はこんなにも綺麗なのだな。まるで溶けた宝石のような緑色だ」
「何処まで見ても透明……というのがまた素晴らしいですね」
晴夜も頷きながら海を見渡す。そんなに綺麗な海ならば……海の幸も素晴らしいのでは?
「という事でニッキーくん、海に入って美味しそうな海鮮を探してきて貰えますか? いやぁ海鮮めっちゃ食べたい気分なんですよね!」
するとニッキーくん、任せろと言わんばかりに銛を握り締めざぶざぶと海に入っていくのだった。
「遠洋まで出ないように気を付けるんだよ」
ひらりと手を振りニッキーくんを見送る帷。さて、と後ろへ振り向けば、浜辺に並ぶのは多くのアイスの屋台。個性豊かな自慢のアイスを取り揃えたアイス屋さんがそれぞれお客の接待を行っている。
「景色も佳いが、アイスの多様性も素晴らしいと思っていたのだ。晴夜、共に屋台を見回ろうか」
「ええ、ニッキーくんの大漁を祈りつつアイスを楽しみましょう! 猟兵はタダで貰えるらしいですし、どうせなら欲張って片っ端から貰っちゃいましょうか」
「ふふ、それも有りかもしれないな」
ニッキーくんが離脱し二人きりになった帷と晴夜。これも全ては晴夜の計画通り……だったのかもしれない。
「そこの真っ白なお二人さん、うちのアイスはいかが?」
屋台を見回っている中、もふもふな白熊キマイラの店員(店舗は違うのに、どのアイス屋さんの店員も何故か白熊のキマイラだ)が声を掛けてきた。
「どんなアイスなのだろうか?」
「うちのは伸びーるアイスだよ」
店員はケースから真っ白なアイスを伸ばし二人に見せる。伸びる伸びる、一反木綿のように長ーく伸びる。
「うわ、なんか伸びますよ! 何故!?」
伸びるアイスに驚く晴夜。隣の帷も目を大きく開き、物珍しそうにパフォーマンスを眺める。
「……ほら、きっとあれだろう、魔法が掛けてあるんだ」
「なるほど、魔法……」
新鮮な反応を見せる二人に店員も嬉しそうに笑う。すると次は、
「伸びるアイスも面白いけど、うちのも迫力あるぞ!」
隣の屋台の店員が手を振って二人に声を掛ける。声を掛けた店員もアイス屋さんのはずなのだが、その目の前には鉄板を広げている。
「こちらはアイス屋ではないのかな?」
「いいや、アイス屋だ。うちのは『燃えるアイス』だ!」
「燃える……?」
店員は熱した鉄板にバニラアイスを滑らせる。直後、アイスに向けて瓶に入った酒を降らせる。
ぶわりと広がるラム酒と甘い匂い。大きく燃え上がる鉄板とアイス。しかし不思議な事にアイスは溶けていないのだ。
「こ、これもどういう事でしょうか!? 超映えますね……写真写真!」
「なるほど、アイスのフランベか。想像すらした事ない組み合わせだったが、確かに見栄えが佳いな」
やはり新鮮な反応を見せる二人。店員は満足そうにどや顔を見せる。
あ、もしやこの二人、あまりアイスの種類を知らないのでは? と察し始めた屋台の店員達。そうと分かれば二人に自慢のアイスを紹介しようと一斉に呼び込み合戦が始まった!
「白薔薇の水着が似合う綺麗なお姉ちゃん! こっちのは可愛いケーキ風アイスバーだよ!」
「うちのは花の形のアイスだよ! 真っ白な美人さんにぴったり!」
「碧いズボンと腰のカンテラが似合うお兄さん、スペシャルデコ盛りイチゴ味はどうかな?」
「大きな耳と尻尾の白い兄ちゃん! クッキーやチョコ、果物と混ぜたアイスはどうだい!?」
突如賑わうアイス屋屋台。だがそれでも帷と晴夜は知らないアイスに興味津々。律儀に全てを見回り、一つずつアイスを貰っていったという。
「いやはや、思っていたよりも楽しかったですね」
「そうだな、つい長居してしまった」
浜辺に並んだテーブル席に座る帷と晴夜。テーブルの上にはずらりと並んだ様々なアイス達。見た目も味も多種多様でカラフルだ。
「ここは色々なものが味わえて良い島ですね。スタンダードな果物のアイスも最高に美味しいですが、他のアイスも見た目に反してなかなか美味しいですよね」
「ああ、このメロン味のジェラートは馴染みのある味だが、シンプルだからこそ追求したのであろう、赤肉の風味が素晴らしい。伸びるアイスも、ケーキ風のアイスも、どれも互いに劣らない美味しさだ」
「色々楽しみましたけど……帷さんが一番好きと思えるアイスはありましたか?」
そんな晴夜の質問に、帷は目を閉じ静かに悩むと。
「少し悩んだが……極光の如き煌めきも、芳しい香気も、味も……之が一番だな。この島での思い出にしよう」
す、と手に取ったのは、フランベによって燃えていたアイスが乗っていた皿だ。既に食べ切ってしまって何もないが、その目には燃えていた炎が映っている事だろう。
「處で晴夜はお気に入りに出逢えたかな」
返された質問に、晴夜の耳はぴくりと止まり。
「私の一番好きなアイス? あ、探すの忘れてました。帷さんと一緒にアイスを食べたいが為の口実だったもので」
へらりと微笑みながら素っ気なく返答する。そんな彼に帷もつられて微笑み。
「……相変わらず素直じゃない」
それだけ呟き、再びアイスの試食会を始めるのだった。
彼女は知っている。屋台を巡る中、いや、その前から。彼がとても楽しそうにしていた様子を隣から見ていたから。
――私も晴夜の色んな表情を見られて佳かった。
ざぶん、ざぶん。
「ああ、ニッキーくんお帰りなさ――」
ニッキーくんは、大量の蛸を手に入れた。
「え、怖っ」
「ニッ……ええと、ニッキーくんで間違いないのだな? 蛸の魔窟にでも行ってきたのかい」
二人の前には、全身に大量の蛸をくっつけ、墨で真っ黒になった怪奇ニッキーくんが立っていた。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
ビリー・ライジング
★
ミリィ(f05963)と共に行動。
アイスクリームはさっぱりとした物がいいな。
俺はオレンジとレモンの二段シャーベットにしよう。
ミリィの選んだアイスは何だ? もしよかったら、一口貰えるか?
俺のシャーベットも一口分けてやるから。
俺の水着のポイントか? このゴールドのファイヤーパターンだな。
普通の水着でも特徴的なワンポイントがあればカッコいいだろう?
俺はマジックナイトで、炎の魔法が特技だからな。
……後ろの娘か? こいつは俺の妹だ。
恥ずかしがらなくてもいいだろう、別に減るものじゃないし。
ミリィ・ライジング
★
ビリー(f05930)と共に行動。
わぁ、いろんなアイス屋さんがあるね。
私はクッキー&クリームとストロベリーの二段アイスで!
お兄ちゃんの選んだアイスはシャーベット系なんだ。
……ねぇ、一口いいかな? 美味しそう!
あっ(思わずビリーの背後へと隠れる)……いや、私はいいよ。
えーと……私の水着、少し地味な感じがするけど、
実はお兄ちゃんのゴールドに合わせて、シルバーなのよ。
だけど私、他の人と比べると胸とかお尻とか小さいし……。
もう、恥ずかしい物は恥ずかしいのよ! お兄ちゃんのバカ!
暑い日差しの下、ビリー・ライジング(輝く黄金・f05930)とミリィ・ライジング(煌めく白銀・f05963)の兄妹は二人でモフリス島の海岸を歩く。向かう先はアイス屋さんの並ぶ屋台。美しい海を散歩するならば、涼しみながら楽しく歩きたい。
「わぁ……いろんなアイス屋さんがあるね」
様々な種類を取り揃えたアイス屋さんがずらりと並んだ風景に驚くミリィ。これだけあると、どれも目移りしてしまい悩んでしまいそうだ。
「どんなアイスが食べたいか決まったか? 俺はさっぱりとしたものにしようと思うんだが」
「さっぱり……それもいいね。うーん、でもあれもいいな。いや、あれも……」
「ミリィ、別に一つに絞らなくてもいいんだ。一回りしてまた選びに来るというのも手だからな」
「そっか! それじゃあ最初は……あのお店にしようかな!」
ミリィは元気良く駆ける。妹の後を兄が追う姿は微笑ましい。
一つのアイス屋さんの前に辿り着いた二人。そこには大きな体の白熊キマイラの店員が立っており、お客を喜んで迎える。
「いらっしゃい。猟兵さんかな? お世話になっているから猟兵さんはタダだよ」
「本当? ありがとう! そしたら私は……クッキー&クリームとストロベリーの二段アイスで!」
「俺はオレンジとレモンの二段シャーベットを貰ってもいいかな」
「はいはい、用意するから待っててね」
店員はのんびりとした口調でアイスの用意を始める。ケースに並ぶ色とりどりのアイスから希望されたフレーバーを慣れた手つきですくい取りコーンの上へ乗せていく。
「どうぞ、落とさないようにね」
「わぁ、ありがとう!」
礼を言いながらアイスを受け取る。ミリィは早速と言わんばかりにアイスをスプーンで食べ始める。
「うーん、すっごく美味しい!」
「どれ、もしよかったら一口貰えるか? 俺のシャーベットも一口分けてやるからさ」
「いいよ、お兄ちゃんのシャーベットも美味しそうだと思ったんだ!」
そんな仲睦まじいやり取りを見た店員は再び声を掛ける。
「やっぱり兄妹だったんだ。通りで顔が似てると思ったよ」
「あぁそうだ。二人で休息に、な」
「そっか、二人とも水着がお似合いだしね」
店員が何気なく言ったその言葉に、ミリィはそっとビリーの後ろへと隠れる。
「どうも。普通の水着でも特徴的なワンポイントがあればカッコいいだろう?」
「そうだね、炎の模様が男らしくて良いよ。妹さんもフリルとリボンが可愛いね」
「あ、ありがとう……」
堂々としたビリーとは正反対にミリィは声が小さい。先程までの元気が何処かへ行ってしまったようだ。
「俺は炎の魔法が得意だからな。妹とはゴールドとシルバーで色も合わせていて……どうしたミリィ、さっきから静かだな」
「いや、私の事はいいよ。他の人と比べると胸とかお尻とか小さいし……」
水着で来たのはいいが、いざ他人にまじまじと見られてしまうのはやはり恥ずかしい。そう感じている妹など露知らず、兄はしれっと声に出してしまう。
「恥ずかしがらなくてもいいだろう、別に減るものじゃないし」
嗚呼、女心は分からずか。ミリィは顔を真っ赤にし、ビリーに向かって大声で叫ぶ。
「もう、恥ずかしいものは恥ずかしいのよ! お兄ちゃんのバカ!」
アイスを握り締めミリィはその場から走り去ってしまった。しかしビリーは首を傾げて呆然と立ち尽くすだけであった。
「あはは、大変だねぇ。……ところで、アイス持って行かれちゃったんじゃないの?」
「はっ、しまった……!」
そう言えば一口あげようと思って渡したっきり手元に戻っていなかった。微笑む店員に見送られ、ビリーは海へと向かって慌てて走るのだった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
吉備・狐珀
【狐扇】★
水着、褒めて下さってありがとうございます。
去年後悔したから今年は、と思って。
それにこうして語さんと夏の海にお出かけしてみたかったから。
わぁ…本当にいろんなアイス屋さんがありますね。
色々気になりますけど…食べてみたいアイスがあるんです。
マカロンアイスってありますか?
マカロンが好きな子から聞いてずっと気になっていたんです。だってすごく美味しそうで。
わ、わ、こんなに種類が…。どれにしましょう。
ええと、この苺味にします。果肉も入っていて美味しそうです!
月代も食べますか?甘いアイスに苺の程よい酸味が美味しいですよ。
語さんのアイスも美味しそう…。
そうだ!語さん、わけっこしませんか?
落浜・語
【狐扇】【★】
うん、狐珀がかわいい。
普段和服の事が多いからなおさら、その、ね。とっても似合ってるしかわいい(もだもだ)
噺家失格なのはわかってるんだけれど、語彙力がどこかにいった…。
俺も去年のじゃなくて、新調すればよかったかなぁ。ちょっとだけ後悔。
ん、そう言ってもらえると嬉しいな。俺も、一緒に出掛けられて嬉しいよ。
アイス、どんな味のがあるんだろう…。あ、抹茶ある。
無難に抹茶でもいいけれど、少し冒険してみたい気もするし…。
あ、じゃあ、抹茶とそっちのミックスフルーツ?のジェラートを。
抹茶は定番でおいしいし、ミックスフルーツもさっぱりしてておいしいな。
ああ、一口どうぞ。マカロンアイスも一口頂戴?
「かわいい」
噺家は語る。
「狐珀がかわいい」
それは、それ以上でも以下でもない事を示す。
噺家、落浜・語(ヤドリガミの天狗連・f03558)の語彙力が吹っ飛ぶのも無理はない。ただでさえ和服を着ている事の方が多い吉備・狐珀(狐像のヤドリガミ・f17210)が水着姿で現れたのだ。新鮮な姿に何処へ目を向けていいのか分からず、語は普段の調子が出なくなってしまった。……少なくとも胸元は見られない。
「ありがとうございます」
少し頑張ってみました、と少々照れながらも礼を言う狐珀。
「あはは、俺も去年のじゃなくて、新調すればよかったかなぁ。ちょっとだけ後悔……」
「何を仰って。こうして語さんと夏の海にお出かけしてみたかったので、私はとても嬉しいのですよ」
「ん、そう言ってもらえると嬉しいな。俺も、一緒に出掛けられて嬉しいよ」
頭を掻く素振りを見せ、照れる語。やはり彼女の何処を見るべきなのか分からない。とうとう目を逸らしてしまうが、そっと狐珀が手を握った事によりやっと彼女の顔を見る事ができた。
「では、噂のアイス屋さんの屋台へ向かいましょう。猟兵は無料だそうですよ」
「無料か……そう聞くとたくさん選んでしまいそうだな。楽しみだ」
歩くごとに火照った体は少しずつ落ち着きを取り戻し、夏の暑さだけを感じるようになっていく。
アイス屋さんの屋台は賑やかだった。どの店舗にも白熊のキマイラが店員として立ち、接客を行っている。ケースから見えるアイスはどれもカラフルで多種多様だ。
「わぁ……本当にいろんなアイス屋さんがありますね。眺めているだけで涼しい気持ちになりますね」
「確かに涼しい。そしてこれだけあると、どんな味のがあるのか気になって悩むな……」
「色々気になりますけど……私は決まっています。食べてみたいアイスがあるんです」
ええと、と狐珀は屋台を見渡し、目的のアイスを探してみる。しかし店舗の数が多く、そう簡単には見つからなさそうだ。
「俺も予め決めておくべきだったかな。……あ、ジェラート。狐珀、少し寄ってもいいか?」
「勿論ですとも。私も見て回りたいですから」
まず訪れたのは語が気になった、ジェラートが専門のアイス屋さんだ。
「いらっしゃいー。ゆっくり見ていってねー」
ケースに並んだ色とりどりのアイスのフレーバー。店を選んだ所で悩むものは悩む。
「どうしようかな……あ、抹茶がある。それでもいいけれど、少し冒険してみたい気もするし……」
「悩んじゃうよねー。それじゃあお兄さん、今はどんな味が食べたい気分?」
「ん、そうだな……さっぱりしたもの、だろうか」
「そしたら、このミックスフルーツとかどうかなー? 氷を混ぜててシャリっとした感触が楽しいし、それに合わせて味もさっぱりに仕上げてて食べやすいと思うよー」
「なるほど。ならば抹茶とそのミックスフルーツを頂こう」
お客が悩む事など店員は分かりきっているようだった。慣れた対応で店員はアイスを勧め、器用にカップにアイスを盛っていく。
「はいどうぞー。ところで二人は猟兵さんだよねー?」
「ああ、そうだが」
猟兵と知った店員は、やっぱりねー、と頷く。
「だって水着に気合いが入ってるんだもの。お兄さんのは変わった模様の上着だねー?」
「ありがとう。これは扇子だ。何せ自分もそれなので、ね」
「センス……? なんだか不思議な言葉だよー。そっちのお姉さんは花飾りがお洒落だねー、とっても涼しそう」
「わ、褒めて下さってありがとうございます」
にこりと微笑み頬を染める狐珀。
「可愛くてお似合い、だねー。目一杯モフリス島を楽しんで来るんだよー」
もっふもっふと毛を揺らして笑う店員。急に言葉にされると嬉しくも何だか照れ臭くなってしまう二人。小さくなったまま二人は店員に礼を言い、そそくさと離れていくのだった。
「さて、狐珀。お探しのアイスはどうかな?」
「そうですね、この並びなら恐らくこの辺りかと……あ、ありました!」
屋台巡りを再開した二人。狐珀が探し求めているアイスの屋台はそれほど時間が掛かる事なく発見できた。彩りがカラフルなアイスを売る屋台が並ぶ中に、それはあった。
「すみません、マカロンアイスってこれの事ですか?」
「はい、そうですよ!」
店員の言葉に狐珀の目はきらりと輝き始める。
「わ、わ、これがマカロンアイス! しかもこんなに種類が……! マカロンが好きな子から聞いて、ずっと気になっていたんです。だってすごく美味しそうで!」
喜ぶ彼女に語も一安心。自分のアイスを食べながら、彼女の隣で物珍しそうにマカロンアイスを眺める。
「うちのマカロンアイスは果物そのものもアイスに混ぜているので、果物の味も一緒に楽しめますよ!」
色とりどりのマカロンアイスに悩み悩んだ末、狐珀が決めたものは。
「ええと、この苺味にします。果肉も入っていて美味しそうです!」
「はーい、当店オススメのアイスです! 程良い酸味の果肉入りで美味しいですよ、どうぞー!」
念願のアイスを手に入れた狐珀。彼女に釣られて語も嬉しそうに微笑む。
「へぇ、そのマカロンアイスっていうの、俺も気になるな」
「ふふ、マカロンアイスも嬉しいのですが……実は語さんのジェラートもさっきから気になっていたのです」
奇遇ですね、と互いにはにかむと、
「そうだ! 語さん、わけっこしませんか?」
突如狐珀から提案が。語は目をぱちくりさせながらも、すぐに答えを返し。
「それは名案だ」
テンションの上がっている彼女もまた可愛いなと、心の中で呟くのだった。
「では、一口どうぞ。あとでマカロンアイスも一口頂戴?」
スプーンに乗せたミックスフルーツのジェラートを狐珀の口元へと運ぶと、彼女は眩しいくらいに笑い、口を開くのだった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
アイナ・ラティエル
【★】
うんうん!
水着を着て海でアイスなんてまさに夏って感じだよね☆
さてと、アティはどのアイスにしようかな~?
伸びるアイス、レインボーアイス面白くて美味しそうなのがたくさんだね!
…あっ、飲むアイスも美味しそう!
うん、アティは飲むアイスにしようかな。
アイスを飲みながら散歩や海で浮き輪にぷかぷか乗るのも楽しそうだね♪
「わー! すっごーい!」
島にやって来たアイナ・ラティエル(星の国のアリス・f19388)は目を輝かせる。照りつく太陽、キラキラと光る海と砂浜、そしてずらりと並ぶアイス屋さんの屋台。
「うんうん、海でアイスなんて、まさに夏って感じ! 折角水着を用意したんだもの、いっぱい楽しまなくちゃ☆」
大きな浮き輪を片手に、アイナは駆け出す。目指すは屋台、求めるは美味しいアイス!
「うわぁ、ここまで来ると凄いカラフル……! 楽しそう!」
屋台に並んでいたのはカラフルで多種多様なアイス達。どの屋台も自慢のアイスを取り揃えて接客をしている。アイスを眺めているだけでも気分は涼しくなるし、そして楽しい。
「さてと、アティはどのアイスにしようかな~? こんなにあると悩んじゃうよ~!」
長く長く伸びるアイスに七色のレインボーアイス、ケーキのようなアイスは見ているだけでも面白い。どのアイスも楽しそうで目移りしてしまうのだが。
「うーん……あっ、あれってもしかして、飲むアイス?」
ある一つの屋台の前へと向かうアイナ。お店に置かれたジュースディスペンサーの中には冷たそうなアイスが入っているではないか。
「わー美味しそう! すみませーん、これって飲むアイス?」
「お、いらっしゃい。そうだよ、飲みやすくて美味しいアイスを揃えているよ。フレーバーも色々あるからね」
白熊キマイラの店員がアイナを嬉しそうに迎える。
「うん決めた、これにしよう! アイスを飲みながら散歩したり、海で浮き輪にぷかぷか乗るのも楽しそうだもんね♪」
そうと決まれば、次は何の味にしようかを考えねば。
「そーだなぁ、ここのオススメって何?」
「うちはアイスのフレーバーを自由に混ぜる事ができるんだ。バニラとチョコ、イチゴとラズベリー、とかね」
「なるほどー、なんだかもっと悩んじゃう……! あ、そしたらバニラとソーダをください! 飲み終わったら次はバニラとチョコ、その次はバナナとチョコを頼むんだ!」
「はいはい、それじゃあちょっと待っててね」
店員は優しく頷くと、専用のカップを取り出し飲むアイスを準備し始める。
「お客さんは猟兵かな? 水着がお洒落だね」
「うん! 折角の夏だもの! この後は海で浮き輪に乗るんだ♪」
「浮き輪と水着がお揃いなんだね。星模様とリボンがお似合いだよ」
店員は話しながらバニラとソーダを軽く混ぜ合わせる。ストローをさすと、アイナにカップを渡した。白色と水色の渦は清々しい海を思わせる色合いだ。
「はい、どうぞ。たくさん楽しんで来てね」
「わーい! ありがとう! 行ってきまーす!☆」
元気な声を響かせ、アイナは輝く海へと向かうのだった。
大成功
🔵🔵🔵
深鳥・そと
★
わ~~い!アイスーー!!
アクセに合わせてレモンのアイスにれっつごー!
味も映えも揃えてるなんて大天才!
わっ、かわいい? ありがと!
えへへー、超がんばってコーデしたんだっ。
これ水着に合わせたんだよー!
と脚を軽く曲げ靴を見せ
ネイルもキラリと
この上着もすっごくお気に入り!
セーラーって夏!って感じでいいよねっ
たくさん褒めて貰ったら
アイスと一緒に夏の思い出をパシャリ
「いらっしゃーい。あらあらーカラフルなお嬢さん!」
浜辺に並ぶたくさんのアイス屋さん。そのうちの一つのお店を受け持つ白熊キマイラが嬉しそうに来客に声を掛ける。
「わ~~い! 可愛いレモンのアイスくださいなー!!」
頭のお団子を揺らしながら深鳥・そと(わたし界の王様・f03279)は元気にアイスを注文する。
「はーい、これでいいかしら?」
店員がケースから出して見せたのは、凍った柑橘類の果肉や葉っぱで飾られたアイスバーだ。しかもアイスはゼリーのように透明であり、その中にはレモンやミカンが入っている。
かちゃりとハート型のサングラスを頭の角に引っ掛けると、ピンク色の瞳を輝かせた。
「うん、それー! すっごい可愛くて映えそう! 今日のアクセとお揃いだー!」
「あら本当! お耳のレモン、似合ってるわ。可愛い水着もとっても似合ってるわよ、お洒落さん!」
どうぞ、とアイスバーを渡しながら話し掛ける店員。褒められたそとはご機嫌だ。
「ほんと? ありがと! えへへー、超がんばってコーデしたんだっ。これも水着に合わせたんだよー!」
アイスバーを貰うと、くるりと一回転。脚を軽く曲げ靴とネイルを見せると、体の大きな店員ものっそりと上から見下ろしそとの姿を眺める。
「まぁ、手先も足先もカラフル! カラフルだけど派手じゃない所がお洒落ね、ふふ、なかなか分かってるじゃない? 上着と水着はまるで水兵さんみたい、夏らしくて涼しそうだわぁ」
「うん! この上着もすっごくお気に入りなの! セーラー風なんだー!」
話に花が咲き、店員もそとも楽しそうだ。
そんな中、あぁそうだった、とそとは思い出したかのようにスマホを取り出す。
「早くアイスを食べたいけど、まずは一枚撮らなきゃね! 思い出、思い出!」
カメラモードにして、まずはアイスだけをぱしゃり。次にアイスを自分の顔に近付け……。
「お嬢さん! 顔のアップも良いけど、折角なら海をバックに全身を映さなきゃ! お気に入りの水着なら尚更でしょ?」
「あ、確かに! うーんどうしよっかなー」
そんな悩む彼女の元へ、店員は店内からのそりと出て近付いて来る。
「私が何枚でも撮ってあげるわ。良い場所も教えてあげるから!」
「ほんとっ!?」
そとの嬉しそうな顔に店員もつられて笑い。仲良くなった二人は輝く砂浜を歩きエメラルドグリーンの海へと向かう。
スマホのアルバムには、何枚もの美味しく楽しい思い出がたくさん作られた事だろう。
大成功
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