●
「水着コンテスト、お疲れさん」
サングラス片手にそう語りかけるのは、自身もまた水着に身を包んだ楽しそうな男――テオ・イェラキ(雄々しき蛮族・f00426)であった。
「コンテストに参加した者もそうでない者も、せっかくだ……夏を楽しまないか?」
テオが提案するのは、以前猟兵たちに救われた深海に浮かぶ島――竜宮島へのバカンスだ。
そこは穏やかな日差しが優しく届く水中に浮かぶ不思議な島――熱すぎず、だが海を楽しめるその場所は、避暑地としては最適だという。
「深海人たちは猟兵たちに感謝をしてくれている。先の事件に関わった者でなくとも、良く歓待してくれるだろうしな」
先の島の平和を守った猟兵たちに対し、島に住まう深海人たちは深い感謝の念を抱き続けてくれている。
たとえ先の事件解決に挑んだ者で無くとも、猟兵であれば飲み食いは自由にさせてもらえることだろう。
どこかエンパイアと近い文化を感じさせる竜宮島は、夏の間は屋台と呼ばれる出店も立ち並んでいるという――そうした場所での買い物もまた、現地通貨を必要とせず楽しむことが出来るだろう。
また、夏の海を楽しむことももちろん可能だ。
大きな泡に包まれた水中の島からの眺めを楽しむも良し、その泡の中から竿を振り釣りを楽しむも良し、吹き出続ける泡で呼吸をしながら海中を泳ぐのも良いだろう。
色とりどりの珊瑚に包まれた竜宮島だが、流れ着いた砂が堆積して出来た小さなビーチも存在するという。
テオ曰く水中故に日焼けには向かないが、それ以外であれば大抵の楽しみ方には対応できるらしい。
「たまには事件も何も無い遠出も良いだろう? 夏休みだと思って楽しんできてくれ」
そう言いながら赤毛のグリモア猟兵は猟兵たちを送り出す。
自身もまた夏を楽しむ気満々な笑顔を浮かべながら。
きみはる
●ご挨拶
お世話になります、きみはるです。
せっかくなので水着依頼を出させて頂きます。
日焼けを気にすることなく、海をエンジョイして下さい。
●注意点
このシナリオは既に猟兵達によってオブリビオンから解放された島となります。その為、特に戦闘は発生せず夏を楽しむだけの依頼となります。
また、このシナリオは【日常】の章のみでオブリビオンとの戦闘が発生しないため、獲得EXP・WPが少なめとなります。
それでは、皆様の楽しそうなプレイングをお待ちしております。
先日MS自己紹介を大きく更新致しましたので、普段お世話になっている皆様も一度再読頂けますと幸いです。
●プレイングについて
7月23日(木)8:31~25日(土)昼までをプレイング募集期間とさせて頂きます。
テオにお声がけ頂いた場合には参加も可能ですが、それで文字数を喰うのも申し訳ない為、基本はあっさり演出となります。あんまりお勧めはしておりません。
第1章 日常
『猟兵達の夏休み』
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POW : 海で思いっきり遊ぶ
SPD : 釣りや素潜りを楽しむ
WIZ : 砂浜でセンスを発揮する
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種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
グラナト・ラガルティハ
マクベス(f15930)と
※グラナト水着は去年のもの
その水着…艶っぽい過ぎやしないか?
(そっとマントをかけようと試みて)
グリードオーシャンは海の世界だとは聞いていたが海の中で生活しているとはな。まったくもって『世界』は広い…。
しかしあれだな…自分の属性が炎ゆえ長時間海の中に居るのは少々不安を感じてしまうな…。
(マクベスに手を引かれて)
あぁ、手を繋いでもらったら安心した。
今はマクベスとの時間をたのしまないとな。
前に一緒に水族館には行ったがやはり迫力が違う…海はやはり命の源だな。みな生き生きと泳いでいる。
だが、この海の色よりも私はマクベスの青が一番だな。どの青よりも特別だ。
マクベス・メインクーン
グラナトさん(f16720)と
※水着は今年のコンテストのもの
グラナトさんくらいしか見ないから大丈夫だってばっ
へぇ…去年も海で遊んだけど、海の中は初めてだな
島の中で遊ぶのも楽しそうだけど
せっかくだから海の中を見て回らない?
水の中が苦手なグラナトさんのために
手を繋いで一緒に海の中を泳ぐ
「ふふっ、オレと一緒なら大丈夫♪」
時々、水の精霊の力で泡を集めて
2人が入れるくらいの球体を作って休憩しながら
泳ぐ魚を眺めて過ごす
ほんと…水族館で見た光景より綺麗だなぁ
こうやってグラナトさんと一緒に見れて嬉しい…
うん、オレはグラナトさんだけの青だからね
●
「その水着……艶っぽい過ぎやしないか?」
海水越しに降り注ぐ穏やかな日の光の温かみを感じながら穏やかに微笑んでいたグラナト・ラガルティハ(火炎纏う蠍の神・f16720)は、ふと隣に並び立つマクベス・メインクーン(ツッコミを宿命づけられた少年・f15930)へと声をかける。
揺蕩う水面に影響されて揺らめく日の光が、マクベスの細いうなじを、浮き出る鎖骨を、そして健康的な肉付きの肢体の上で踊る様子が目に入る。
仄かな明かりが照らし出すそのフォルムに妙な色気を感じ、健康男児としては特別露出が多いというわけでもないその水着が、やけに艶やかに目に映るのだ。
思わず心の中に仄暗い炎の燻りを感じ、己が背に背負うマントを外すとマクベスの背へとかけようとするグラナド。
「グラナトさんくらいしか見ないから大丈夫だってばっ」
しかしその指先に触れようとしていた白い肌は、まるで悪戯好きな猫のようにするりと抜けると笑顔を向ける。
そのどこかはにかむような、小さな笑みを見れば何も言えず……グラナドは先を歩くマクベスの背を追いかけるようにゆっくりと歩き出すのであった。
「へぇ……去年も海で遊んだけど、海の中は初めてだな」
昨年出かけたのは、宙を駆けるリゾート船の中の海。
それはそれでマクベスにとって珍しい経験にはなったものの、海を中から眺めるというこの経験もまた、目新しいもの。
「あぁ、グリードオーシャンは海の世界だとは聞いていたが海の中で生活しているとはな。まったくもって『世界』は広い……」
神であるグラナドもまた、己が常識の埒外の光景に感嘆の息を吐く。
「しかしあれだな……自分の属性が炎ゆえ長時間海の中に居るのは少々不安を感じてしまうな……」
しかし彼は炎を司る神――その溜息には感動と共に、不安の色を孕む。
決して触れているわけではないその水が、しかし頭上に言葉の通り空を覆うかのような量が広がっている。
大丈夫だと言われてもいつ降り注ぐか分からぬと思えば、本能的な恐怖を感じずにはいられないのだ。
「ふふっ、オレと一緒なら大丈夫♪」
しかし冷たく冷えていた指先がじんわりと温まっていくその感触が、意識を宙に奪われていたグラナドの意識を引き戻す。
呑まれていた自身に驚きながらも、こちらを覗き込む愛しい顔に心臓が脈打ち、全身の血のめぐりが再開される熱を感じる。
「あぁ、手を繋いでもらったら安心した」
そこに既に怯えに色は無く、その表情に浮かぶ笑顔は心の底からもの。
もう大丈夫……そう確信をしながら、二人は歩を進める。
そして、ゆっくりと海の中へと泳ぎ出すのであった。
「前に一緒に水族館には行ったがやはり迫力が違う……海はやはり命の源だな。みな生き生きと泳いでいる」
マクベスが精霊の力を借りて作り出した泡の中で、泳ぎ着かれた二人は休憩とばかりに腰を下ろす。
そこは星空のように種々様々な魚が泳ぐ圧巻の光景。
水族館とはくらべものにならない広さに――見通すことが出来ないほどの奥深くまで、魚たちが自由に泳ぐ光景が目に入る。
「ほんと……水族館で見た光景より綺麗だなぁ。こうやってグラナトさんと一緒に見れて嬉しい……」
こんな新たな驚きが、新たな思い出が。
これからも増えることを祈りながら、ふたりはゆっくりと時を楽しむのであった。
「だが、この海の色よりも私はマクベスの青が一番だな。どの青よりも特別だ」
「うん、オレはグラナトさんだけの青だからね」
二人だけの、しずかなゆっくりとした時の流れを。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
灘・岸科
ふむ、夏休み。……ならば! 思いっっきりハメを外すのが得策!
夏といえば西瓜? 砂浜で芸術? 否!
思いっきり体を動かす。これに限る!
遠泳だ! 遥か遠く、彼方まで広がる大海原。それを堪能してこその海!
素潜りで海の生き物達と戯れる。これが一興だろう。
鮫に襲われるのも悪くない。
まぁ、楽しんでいこう。
●
「ふむ、夏休み……ならば! 思いっっきりハメを外すのが得策!」
普段の和服姿から海に適した水着へと服を変え、灘・岸科(人間の剣豪・f25350)は竜宮島を意気揚々と歩く。
剣豪にして化身忍者である岸科。
彼は海水浴や潜水といった海のアクティビティとは縁の薄い生活をしてきた剣士。
しかしこうして休みと言うのであれば、騒がねば損だとこうしてやって来たのだ。
「夏といえば西瓜? 砂浜で芸術? 否! 思いっきり体を動かす。これに限る!」
西瓜割も良いだろう。
砂浜で城を作るも、城下町を作るも良いだろう。
だが己はそんなことを求めてこの深い海の中へとやって来たのか?……否、その質問に対しては、断じて否である。
「遠泳だ! 遥か遠く、彼方まで広がる大海原。それを堪能してこその海!」
一人高らかに宣言した岸科はいざ行かんとばかりに泡の外――穏やかな光が降り注ぐ海の中へと飛び込むのだ。
裸一貫――正しく素潜り。
しかし岸科は島から噴き出続ける泡で器用に呼吸を続けながら、遠泳を楽しむのだ。
先を見通すことも出来ないその先まで、種々様々な魚が泳ぐ。
光が遮られたかと視線を上に向ければ遠目に鯨が優雅に泳いでいるのが目に入る。
そして何か気配を感じ視線を海底へと向ければ、見たことも無い歪な深海魚が悠然と進んでいくでは無いか。
それは彼が今まで体験したこともない絶景。
その全てが新鮮であり、掛け替えのない体験と――想い出となるのだ。
(鮫か……ふむ、鮫に襲われるのも悪くない)
心が躍らせた岸科は海を進む。
その煌きは、たとえ鮫の群れを発見したとて止まらない。
鮫に襲われるのもまた貴重な経験と、構わず群れの中へと突撃していくのだ。
(まぁ、楽しんでいこう)
それは一人の男の、何とも豪快な海の楽しみ方であった。
大成功
🔵🔵🔵
神楽木・由奈
【はぴぺい】
みゆさんに誘われて、4人で竜宮島に遊びに来たよ!
この4人で遊ぶのは初めての経験だし、楽しみ、楽しみ!
服装は、今年の水着コンテストで着ていた水着を着ていくね!
かき氷を作って食べることになったー!
かき氷機、貸してもらえるかな……? きちんとみんなで頼めば、貸してもらえるよね!
かき氷はあたしは、抹茶あずきにする~! 大好きなんだ、抹茶あずき!
贅沢かな、えへへ! でも、美味しいよ~!
マギアさん、大丈夫!? かき氷、ゆっくり食べた方がいいよ!
みゆさんのもソフィアさんのもマギアさんのも、みんなのかき氷が気になる~!
一口ちょーだい! あたしのも少しあげる!
はい、あーん! わーい、ありがとう!
ソフィア・シュミット
【はぴぺい】
今年の水着を着用
とても美しいこの島で心結さん、由奈さん、マギアさんとめーいっぱい楽しむのですよ
一緒にかき氷なのですか?暑い季節に冷たいものを楽しむのはとても贅沢な楽しみなのですよ。
初めてですが溶けてしまわないうちに、きっと素早く作るのがいいのではないでしょうか。
ソフィアは青りんごシロップを選択します。
一緒にいただきますしてから、ひとくち、そしてまたひとくち。甘すぎず爽やか、さっぱりとしてていいですね。
あの、そちらも気になるのですけどいいですか?
ソフィアのも差し上げますので。
どうぞなのです、あーん?……はわ、一人で食べれますよね?つい、なのですよ。
マギア・オトドリ
【はぴぺい】
音海さん、ソフィアさん、神楽木さんと、一緒に、参加です……!
水着も私も皆さんもきて、ワクワク、です……!
それでは、かき氷、食べましょうか。どんなのか、楽しみだったのです。
かき氷……♪かき氷……♪
色合い、とても綺麗なものが多いですね。彩り、たくさんに、どんな味にしましょうか?
私は……被らないように、レモン味に、しましょうか。
味は甘酸っぱい、のでしょうか?それより口がひんやり冷たくて、気持ち良いです……!
しゃりしゃりしゃり……あ、頭が……
あ、でも、皆様のも綺麗……食べあいっこ、です?
勿論、良いですよ!代わりに、皆様のも一口、ください、です。
はい、どうぞ、です!
音海・心結
【はぴぺい】
今年の水着を着用
ソフィア、由奈、マギアっ!
かき氷を作りましょうっ
作るのが初めてでもなんとかなりますよ♪
海の家に行って、
かき氷機を貸してもらうようにおねだり
氷は人一倍拘って、しゃりしゃり削るのです
わあ、絹のような氷なのですっ!
由奈はかき氷にあずき乗せですか
贅沢ですねっ!
青りんごシロップ
そんなのがあるのですね?
たっぷりの苺シロップと練乳かけたら、
まずは最初の一口をぱくり
えへ、えへへ
甘くてふわふわ♪
マギア、頭痛いのですか?
だいじょうぶ?
みんなのも気になる(じぃ)
分け合いっこしませんか?
青りんごも抹茶あずきもレモンもぱくり
んん~ どれも美味しい
楽しくて自然と笑顔になっちゃうのです♪
●
島を包むはぽこぽこと噴き出続ける泡の音と、低く、静かに響く海流の音。
穏やかな日差しが海水越しに降り注ぐその島の名は――竜宮島。
色とりどりのサンゴ礁で出来上がったその深海島に、可愛らし四人組の少女が現れた。
「この4人で遊ぶのは初めての経験だし、楽しみ、楽しみ!」
どこか和風の雰囲気を感じさせる水着に身を包んだ神楽木・由奈(小さな願い・f24894)は、楽しそうに声をあげる。
同じ旅団に所属する同年代の仲間たちとのお出かけは、由奈の心を軽やかに弾ませるのだ。
そうして駆け出す彼女を追いかけるように、続く者の姿があった。
「水着も私も皆さんもきて、ワクワク、です……!」
マギア・オトドリ(MAG:1A・f22002)は髪の色と調和した薄紫色の水着に身を包み、後に続く。
ひらひらとしたフリルを揺らしながら歩くその様は、ぼんやりとしていることの多い魔ギアにしては珍しく、分かりやすく楽しそうな雰囲気を醸し出していた。
「とても美しいこの島でめーいっぱい楽しむのですよ」
ソフィア・シュミット(邁進を志す・f10279)もまた、フリルたっぷりの水着に身を包み後にマギアの隣を歩く。
ダークセイヴァー出身の彼女にとって、全周全てを海に囲まれているというこの島の光景は圧倒されるもの。
彼女が住まうUDCアースの水族館とて、ここまでのスケールのものは存在しないだろう。
こうした貴重な機会を存分に楽しまんと、意気込むのであった。
「ソフィア、由奈、マギアっ! かき氷を作りましょうっ」
そうした少女たちを前にして、最後尾を歩く音海・心結(ふよふよくらげ・f04636)は名案だとばかりに大声をあげる。
くらげを模した可愛らしい帽子から垂れ下がる布飾りをひらひらと漂わせ、最後尾から駆け出す心結。
追い抜かした勢いのままくるりと振り向けば、驚きの表情を向ける三人に対し笑顔を向ける。
事前の情報によれば、UDCアースで言うところの海の家のような出店も存在するとのこと。
もちろん様々な食べ物を買い食いするのも楽しいだろうが、せっかくだから自分たちで作ろうというのが彼女の提案なのだ。
最初こそ戸惑いを見せたものの、思い出作りに最適な提案に瞳を輝かせた一同は、いざかき氷機を借りようと屋台の立ち並ぶ一角を目指し足を進めるのであった。
●
「わあ、絹のような氷なのですっ!」
かき氷を売っていた屋台の一つでかき氷機を借りようとした一同。
猟兵からはお代を取らないからかき氷をサービスすると言い張る深海人に対し、自分たち自身でやるから意味があるのだと説得をすることでなんとか借りることに成功したのだ。
一人一人順番に氷を削り出しトッピングを思案する中で、心結は一際拘り氷を削り出していた。
しゃりしゃりと軽やかな音と共に落ちる氷はまるで絹のような薄さ。
想像以上にモノが良いかき氷機を借りることが出来たことに満足しながら、心結は山盛りの氷を削り出す。
乗せるのはたっぷりの苺シロップと練乳――ふんわりとした氷と絡め一口食べれば、彼女の口内にたっぷりの甘味と花を突き抜ける苺の香りが充満する。
「えへ、えへへ。甘くてふわふわ♪」
頬っぺたが落ちるのではと思わず掌を頬に沿えながら、満面の笑みを浮かべるのだ。
「あたしは、抹茶あずきにする~! 大好きなんだ、抹茶あずき!」
そんな心結の様子を眺めていた由奈は、自分も負けていられないと完成させた力作のトッピングを眺める。
彼女のかき氷の上に乗るのはたっぷりのあずきに抹茶シロップ。
エンパイア育ちの由奈にはなじみ深いビターな甘みを嬉しそうに味わうのだ。
「由奈はかき氷にあずき乗せですか? 贅沢ですねっ!」
「贅沢かな、えへへ! でも、美味しいよ~!」
何が高価なのか、何が珍しいのかもまた、世界其々での違いが存在する。
共に過ごす仲間たちに対する以外な発見に驚きながらも、由奈は抹茶あずきを堪能するのであった。
「ソフィアは青りんごシロップを選択します」
「青りんごシロップ、そんなのがあるのですね?」
溶けてしまわぬよう素早くかき氷を完成させながらも、皆と一緒に楽しみたいと食べ始めるのを待っていたソフィア。
そんな彼女がかけていたのは爽やかな甘みが特徴の青りんごシロップ。
甘すぎるくらい甘ったるいのが王道なかき氷において、心結が言うように少し珍しいフレーバーなのかもしれない。
しかし一口、また一口と食べる度に甘すぎない甘みと爽やかな香りを楽しむソフィアは満足顔。
嬉しそうにかき氷を頬張るのだ。
「私は……被らないように、レモン味に、しましょうか。しゃりしゃりしゃり……あ、頭が……」
せっかくなのだから皆と違う味がよかろうと、マギアはレモン味のシロップを選択した。
食べやすい甘みと酸味のハーモニーを味わいながらついつい勢い良く食べ進めてしまったマギア。
制止した方が良いのではと他の者が口を開けようとした時には既に遅い。
突然響く痛みに、思わず額を押さえるのであった。
「マギアさん、大丈夫!? かき氷、ゆっくり食べた方がいいよ!」
「マギア、頭痛いのですか? だいじょうぶ?」
とっさに心配そうな声をあげる由奈と心結。
しかし次の瞬間には、思わずくすりと笑みを浮かべる。
かき氷の時に響く痛みもまた、夏の風物詩。
ゆっくりと食べるように諭しながらも、これもまた思い出なのだと楽しくなってしまうのだ。
「みんなのかき氷が気になる~! 一口ちょーだい! あたしのも少しあげる! はい、あーん!」
「どうぞなのです、あーん?……はわ、一人で食べれますよね? つい、なのですよ」
「食べあいっこ、です?……勿論、良いですよ!代わりに、皆様のも一口、ください、です」
「んん~、どれも美味しい」
一通り自分のかき氷を堪能したのならば、ついつい人の物が気になるのもまた仕方の無いこと。
食べる度に思わず零れる笑顔は甘味によるものだけで無く、この楽しい時を共有しているが故の自然な笑顔。
意気揚々と互いの味を交換をしながら、少女たちはかき氷を堪能していくのであった。
この楽しい時間が、少しでも長く楽しめますようにと祈りながら。
少女たちの夏休みは、まだ始まったばかりだ。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
初里・ジン
●ヘスティア(f04572)と参加
ウェットスーツ姿でヘスティアを泳ぎに誘う
「万が一、溺れたりしても大丈夫だよ。手足が伸びるから救助も任せて。」
「すごいのを見せてあげるよ!」と【全力魔法】で風の魔術を発動。足を変化させて作ったサーフボードで上昇気流と共に波に乗るアクロバティックな技も披露
一通り海で遊んだら屋台に向かう
「水着コンテスト入賞おめでとう!何か食べたい物はあるかい?あと、ドリンクは温まらないように氷の魔術で冷やしておくよ。」
食べ物や飲み物を広げてお祝いする
「今日は付き合ってくれてありがとう。いやー、たくさんの人々に評価された水着姿の君を独り占めしちゃったなんて僕は贅沢だよね。」と照れ笑い
ヘスティア・イクテュス
【ジン・f10633】と参加
黒いホルタービキニを着て、ジンに誘われ海へ
あら、こう見えて泳ぐのは少し得意なのよ?まぁ、その時は頼りにさせてもらうわね?
ジンのサーフィン技には思わず拍手
足でサーフィンボードにしての魔術との組み合わせ、やるわね…
遊んだ後は屋台へ、その時は赤いパーカと黒い中折れ帽を上から被ってね
屋台の食べ物に目を輝かせお祝いの言葉にありがとうと笑顔
ジンも種族とジョブで同位で良い感じだったわねと言いながら焼きそば辺りを
ジンの言葉には少し照れつつも、此方こそ、誘ってもらって楽しかったわ。ありがとうね、と感謝の言葉を
●
「万が一、溺れたりしても大丈夫だよ。手足が伸びるから救助も任せて」
紳士然とした言葉をかけるのは、漆黒の肌をウェットスーツに包んだ男――初里・ジン(黒い奇術師・f10633)だ。
彼の言葉の通り、ジンは人間では無い。
目の前の少女――ヘスティア・イクテュス(SkyFish団船長・f04572)へと差し出したその人間離れした漆黒の腕は日に焼けたものでは無く、ブラックタールである彼の本来のものなのだ。
「あら、こう見えて泳ぐのは少し得意なのよ? まぁ、その時は頼りにさせてもらうわね?」
そんなジンのエスコートにくすりと笑うと、ヘスティアはその手をゆっくりと取る。
スペースノイドであるヘスティアとて、船内の設備により泳ぎ自体の経験は有る。
むしろスペースノイドにしては得意と言えると自負する彼女であったが、しかし目の前の伊達男の好意を有難く受け取ると、共に海へと繰り出すのだ。
「すごいのを見せてあげるよ!」
ジンが魔力により操るのは、風の魔術。
島を覆うような泡を水中へと作り出し、その中でサーフィンを始めたではないか。
己が両足を変形させて生み出したサーフボードへと風を絡ませ、魔術により生み出した波に乗る。
時に浮き上がり、時に回転するそのアクロバティックな動きは上下左右へと動きを見せる複雑なもの。
魔術により緻密に波を操ると共に。ブラックタールたる彼だからこそ出来る人馬一体の妙技。
「やるわね……」
縦横無尽に“海中で波乗り”を器用にこなすジンを眺め、ヘスティアは思わずといった様子で拍手を飛ばす。
自分には物理的に真似出来ない特技。
負けず嫌いな彼女を以ってしても、張り合おうとは思わないほどの達人技だ。
そうしてジンの波乗りを楽しんだ後は、二人で海水浴へと繰り出すのであった。
●
「水着コンテスト入賞おめでとう! 何か食べたい物はあるかい?」
一通り海を楽しんだ二人は、竜宮島の中でも屋台の立ち並ぶエリアへと足を運ぶ。
ジンの言葉の通り、先のコンテストでは好成績を残したヘスティア。
今日は彼女の好きなものを食べようと提案するのだ。
「ありがとう……貴方も良い感じだったわね」
祝いの言葉に笑顔を浮かべると、言葉に甘えて焼きそばを所望する。
せっかくの祝いなのだからと色々なものを広げるジンに対し、持て成されるヘスティアもまた、満更でも無い様子。
旅行先で楽しむ現地の食べ物。
それは高級レストランでは味わえない温かみと喜びが優しく広がっていた。
「今日は付き合ってくれてありがとう。いやー、たくさんの人々に評価された水着姿の君を独り占めしちゃったなんて僕は贅沢だよね。」
魔術によりキンキンに冷やしたドリンクをヘスティアへとそっと差し出すジン。
その言葉の通りちらちらとその水着姿に視線を受けていたヘスティアは、水着の上からパーカーを羽織り、帽子を被っていた。
ついつい視線を集めてしまうような魅力的な女性の時間を占有出来て幸せだと、仰々しくも素直な褒め言葉に、ヘスティアは小さく頬を染める。
「此方こそ、誘ってもらって楽しかったわ。ありがとうね」
猟兵として様々な世界を飛び交う二人は当然様々な世界へと足を踏み入れる。
しかし争いの無い静かな時間は貴重であり、それがこうして二人きりで楽しめるのならば、それはとても貴重で大切な時間となるだろう。
笑顔と共に、ふたりはゆっくりと時間を楽しむ。
この幸運な時間を作れたことに、感謝の言葉を交わしながら。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
ガイ・アンカー
【錨海】
アドリブ◎
この水中からの景色…錨が器の俺にはやっぱり馴染む
テティスのその姿もA&Wの戦争の時に見たな
水の体を見つめて…笑いながら肩を叩く
ま、戻りたかったら俺が手伝ってやるし
また抱えてやるからよ
おう、行こうぜ…ん?
釣りをする住人を見つけて興味津々
水中の島で釣りか…はは!いいな!
釣竿でも買って釣りをするか
釣り糸垂らして揺れる水面を見つめる
大物狙いも勿論いいがな
この待ってる時間も中々いいもんだ
テティスと話しながら待って…ヒットしたら魚との一騎討ちだ
狙った獲物は逃さねえよ!
釣れたら団への土産にするか
…って、俺ばかり楽しんじまうのもな
そうだな…面白い釣り場に連れてきた礼だ
後で屋台にでも行こうぜ
テティス・カスタリア
【錨海】
この体…どう形作ったか覚えてなくて
ずっと、水に入るの怖かった
輪郭を失ったらきっと、もう二度とこの人の形には戻れない
まだ…やるべき事があるのに
でもこの世界で泳ぐ事はきっと避けられないから
人魚でいる練習、度々してきた
だから、多分
「キノコ毒もない、大丈夫」
「ガイ、行こう」
船や何処かの島でも、たまに見るけど
ガイが釣りしてるの、見てたくて連れて来た
此処は…普段と全然違う釣り場
「お手並み、拝見」(知らず薄く笑って
傍で眺めながら待ってる間は話したりもする
「ぁ…獲物、来た?」
獲れた魚の鱗よりガイの笑顔の方が眩しいかも、なんてぼんやり
釣り姿眺めてられればよかったけど
ガイが行くなら屋台でも何処でもついてく
●
「この水中からの景色……錨が器の俺にはやっぱり馴染む」
海賊船の錨のヤドリガミ――ガイ・アンカー(Weigh Anchor!・f26515)はそう静かに言葉を零す。
彼の視界に映るのは、その視界全てを覆いつくすような水の塊。
ぼこぼこと聞こえる泡の音と、穏やかに降り注ぐ日差し。
慣れぬ者には恐怖すら与えかねないその絶景は、しかし長年海中に沈んできた錨のヤドリガミたるガイにとっては、むしろ母親の胎内のような……本能的とも言える懐かしさすら感じさせる。
「そういえば、テティスのその姿も先の戦争の時に見たな」
絶景に見入っていたガイは、ふと隣に立つ存在の気配を感じ、声をかける。
彼の視界の先には半人半魚の青年――テティス・カスタリア(想いの受容体・f26417)の姿があった。
彼は決して深海人というわけでは無い。
深海のソーダ水から生まれた水の精霊――セイレーンたるテティスは、ソーダ水で出来たその身を自由に変えることが出来る。
故に水中に適した姿――俗に言う“人魚”のような姿をとっているのだが、どうにも彼自身はその姿をとること自体に不安の色を残している様子であった。
「この体……どう形作ったか覚えてなくて。ずっと、水に入るの怖かった……輪郭を失ったらきっと、もう二度とこの人の形には戻れない。まだ……やるべき事があるのに」
いくら人間に見えようと、いくら深海人のような姿をとろうと……精霊たるセイレーンの本質はあくまでソーダ水。
海に出ればこのまま溶け出してしまうようで。
人の形には戻れないのではと、そんな本能的な恐怖を感じずにはいられないのだ。
「ま、戻りたかったら俺が手伝ってやるし、また抱えてやるからよ」
そんなテティスの不安を、ガイは笑い飛ばしながら肩を叩く。
何かがあれば自分が何とかすると……自信に満ちたその笑顔から言葉を聞けば、例え根拠もない内容であろうとも、思わずテティスは笑顔と共に首肯で返す。
「キノコ毒もない、大丈夫」
先の戦争のような毒も存在しない。
この姿で泳ぐ練習だってしてきた。
だから、きっと大丈夫……彼と共にいれば、不思議とそう思えるのであった。
●
「この待ってる時間も中々いいもんだ」
竜宮島を歩いていた二人は、釣り具を借り受け釣りに興じていた。
水中での釣りという貴重な体験に心を躍らせながらも、しかしこうした待つ時間もまた釣りの醍醐味。
二人は言葉を交わしながら、ゆっくりとした時を楽しんでいたのだ。
「ぁ……獲物、来た?」
水中から覗いているが故、全てを見通しながら釣りが出来るのも水中釣りの面白いところ。
二人の視線の先では巨大の魚が、今まさに釣り糸の先端に括られた疑似餌へと食いつかんとしていたのだ。
「狙った獲物は逃さねえよ!」
針へと食いついた瞬間暴れ出す巨大魚――しかしオーシャンハンターたるガイは全身の体重を竿にかけ、時に抗い、時に勢いをいなし巨大魚と戦う。
テティスの気の抜けるようなまったりとした声援を受けながら、ついには巨大魚を釣りあげることに成功したのだ。
「見て見ろ、鱗がキラキラしてるぜ! 団の皆への土産にするか」
(獲れた魚の鱗よりガイの笑顔の方が眩しいかも……)
そう語るガイの笑顔は、少年のような無垢な煌きを浮かべ――テティスの心中に気付きもせず、全身で喜びを表現しかねない勢い。
「……って、俺ばかり楽しんじまうのもな。そうだな……屋台にでも行こうぜ」
「釣り姿眺めてられればよかったけど……ガイが行くなら屋台でも何処でもついてく」
暇を持て余させた詫びとガイは語るも、テティスにとってもそれは幸せで貴重な一時。
楽しそうなガイを眺めることを名残惜しく感じつつも、それでも彼の傍が自分の居場所なのだと隣を歩く。
この幸せな時間が、少しでも長く続くことを祈りながら。
大成功
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