●新たなる襲来者
かつて、このグリードオーシャンには、時空を操る鰐の姿をしたコンキスタドールに支配された島があった。
島民の男性たちは鰐のコンキスタドールの配下たちによって真珠の像へと変えられ、女性の島民たちはコンキスタドールの慰み者にされていたのである。
猟兵たちの活躍により、島はコンキスタドールの魔の手から解放されたが――そこに今、新たな脅威が群れを成して押し寄せていたのであった……。
●ちなみにこの島にはまだ名前が無いので島名を絶賛募集中
「――そんなわけで、皆……鰻食べに行かへんー?」
↑の結構シリアスな予知を語り切った後、グリモア猟兵の灘杜・ころな(鉄壁スカートのひもろぎJK・f04167)の口から飛び出したのはそんな誘い文句だった。
ちなみに、本日のころなは代名詞たる鉄壁のスカートを穿いていない。というか、水着姿だった。白を基調としたビキニだが、羽衣を思わせる飾り布が特徴的で天女を思わせる。良かったら投票もお願いします。……それはさておき……。
「まあ、具体的に説明をするとなぁ。例の鰐型のコンキスタドール・『クロックダイル』に支配されとったあの島に、今、大量の鰻が押し寄せとるんよ」
ころなが手にした金と銀の扇をふりふり解説する。……UDCアースでは絶滅が危惧されている彼の魚も、グリードオーシャンではまだ大変豊富に生息しているらしい。その鰻たちが、問題の島へとんでもない数で襲来しているというのだ。
「周囲の海も、島の河川も、あの黒いうねうねとした姿で覆い尽くされとるそうなんよね。このままやと島の生態系にも悪影響が出かねんし……。ちゅうわけで、あの島の人らは鰻を駆除がてら獲って食べてしまうことにしたそうなんや! それのご相伴にうちら猟兵たちも預かれることになったんよー」
何せ、あの島の人々にとっては、猟兵たちは自分たちを救ってくれた英雄である。それのお礼も満足に出来ていなかったのだから、これ幸いとご馳走を振る舞ってくれることになったのだ。
奇しくも、UDCアースの日本では土用の丑の日も近い。絶滅の危機が取り沙汰されているあの世界では、鰻を食べることにも少々罪悪感が伴うが……グリードオーシャンならばそんなことを気にする必要も無いだろう。鰻を思う存分に食べることが出来るはずだ。
「ちなみに、あの島は元はアックス&ウィザーズの一部やったわけやけど……グリードオーシャンに転移してから流れ着いた人ん中には、UDCアースやサムライエンパイアの出身者も居ったみたいやね。鰻の調理法についても充分に伝わっとるらしいから、色々な料理を食べさせてもらえるで♪」
鰻の蒲焼きを基本に、鰻丼、鰻重、ひつまぶし、肝吸いだってお手のものであるそうな。……ちょっと変わったところでは、例の英国の鰻のゼリーも味わえるかも……?
「そんなわけで、今年の夏は鰻尽くしで決まりやー♪」
嬉々として拳を天に突き上げるころな。……昨年の肉尽くしに続き、今年も彼女の夏休みは食べ物オンリーであるらしい。
「……あ、それとな。あんまりに鰻が多いもんやから、島の人たちだけやとなかなか獲り切れんそうなんや。それを解消する為に鰻の掴み獲り大会もやっとるらしいから、興味がある人は出てみるのもええかもね? あ、こちらは水着着用必須やそうやで」
そんなころなの発言に、何人かの猟兵は顔を引き攣らせたかもしれない。だって、それは、ねえ……?
――水着で鰻の掴み獲りとか、フラグとしか思えないよ!?
天羽伊吹清
どうも、天羽伊吹清です。
今年も猟兵たちの夏休みが始まりました。さらなる戦いに向け、英気を養って頂けましたら幸いです。
以下、注意事項があります。
※このシナリオは既に猟兵たちによってオブリビオンから解放された島となります。
拙作、『ハーレム島解放戦線~剥がれる水着と真珠の煌めき』の舞台となった島です。ただし、そちらのシナリオに未参加かつ該当シナリオのリプレイを一切読んでいなくても問題は全くありません。
※このシナリオは【日常】の章のみでオブリビオンとの戦闘が発生しない為、獲得EXP・WPが少なめとなります。
この部分をご了承の上、ご参加をお願いします。
さて、あと何点か補足を。
今回のシナリオにおいて、鰻を使った料理であれば、基本的に注文すれば作ってもらえます。ただ、天羽自身がその料理を知らない場合もありますので、あまり有名ではないと思われる料理は簡単な説明をして頂けると助かります。
また、この島に襲来している鰻の大半は普通の(日本人がイメージする)鰻ですが、稀にとんでもなく巨大だったりツインヘッドやトリプルヘッドだったりする個体も混じっております。しれっと電気ウナギも居たり……? 戯れたい方はご注意下さい。
まあ、オブリビオンではないただの魚なので、猟兵なら大丈夫でしょうが。
ちなみに、グリモア猟兵の灘杜・ころなも参加者の皆様からお誘いがあった場合はリプレイに登場します。
お声が掛からなかった場合は、片隅でモクモクと鰻を貪っておりますのでお気になさらずに。
それでは、楽しい夏の思い出を作りましょう!
第1章 日常
『猟兵達の夏休み』
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POW : 海で思いっきり遊ぶ
SPD : 釣りや素潜りを楽しむ
WIZ : 砂浜でセンスを発揮する
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種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
備傘・剱
また、ここにきてしまったか…
しかも、鰻が押し寄せてくるとか
まぁ、美味いからいいんだけどよ
折角の機会だ、前から作りたかった料理、イタリアの煮込み料理のカピトーネとか、トマト煮込みとか作ってみるかな
ピザや、リゾットもあるし、割とレシピが多いんだよ
てなわけで、捕ってくるわけだが…
此処はお約束、さぁ、鰻共、肉おいてけ!
新しい水着には爪があるから、捕りやすいぜ~
…うん、この水着について、色々と突っ込み処があるのは、重々承知してる
どっちかっていうと、鎧風味だって突っ込みが入るかもしれない事もな!
仕方がないだろ、猟犬って注文出したら、こうなったんだから!
かっこいいからいいけど
アドリブ、絡み、好きにしてくれ
彼の島の河と海が重なる狭間――汽水域の近くに『それ』は立っていた。
「また、ここに来てしまったか……」
その身体の半分以上は黒き装甲に覆われ、影のようなオーラを周囲に取り巻かせている。人の形を成してはいるが、頭部は鋭利かつ獰猛な形状をしており、肉喰らう猛獣を思わせた。
或いは、現世へと顕現した地獄の猟犬だろうか? その猟犬は何処か呆れたような仕草で首を横に振ってみせる。
……猟犬の視線の先には、黒くのたうつ生物たちで闇の色に染め上げられた水があった。
「……しかも、鰻が押し寄せてくるとか……まぁ、美味いからいいんだけどよ」
吐き捨てるように言って、黒き獣人は前傾姿勢を取る。まさしく、獣が獲物に襲い掛かる為の予備動作。次の瞬間、黒い獣は疾風迅雷の速さで黒き魚群の中へと飛び込んだ。
「さぁ、鰻共、肉置いてけ!」
黒猟犬の前肢の先で鈍く光る爪が一閃、二閃、三閃――鰻たちが次々と宙を舞い、その身を汽水域の外へと弾き出されていく。
「は、『新しい水着』には爪があるから、獲り易いぜ~」
……………………。
黒き人型の猟犬は、小休止を入れて陸へと上がってきた。おずおずと頭に手を回し、狼の如き頭部――正確にはそういうデザインの兜を外す。
……内側から現れたのは備傘・剱(絶路・f01759)の精悍な顔だった。彼はばつが悪そうに虚空に向けて言い訳を始める。
「……うん、この『水着』について、色々とツッコミどころがあるのは重々承知してる」
そろそろ皆さんもお解りであろう。こちらの水着(?)は、今年2020年の水着コンテストに際し、剱が用意した一着であった。
「……どっちかっていうと、鎧風味だってツッコミが入るかもしれないことも重々承知の上さ!」
彼は、開き直った様子で朗々と語り始める。
「仕方が無いだろ、『猟犬』って注文出したら、こうなったんだから! ……カッコいいからいいけど」
言いたいことを言い切って、肩で息をする剱。そんな彼に対して、天はこのように声を掛けたい。
――世の中には、水中戦用機動兵器みたいな代物を水着だと主張する剛の者も居る。
――あと、具体的に、今年のブラックタール男性部門の水着を見てくるといいと思う。
きっと剱も、自分の水着に関する悩みが帳消しになるはずだ。
……うん、ある一部の猟兵たちの水着は、別次元的におかしい。
閑話休題。
――そんなわけで、鰻大漁の剱はそれを抱えて島の厨房にお邪魔をするのだった。
「折角の機会だ。前から作りたかった料理、作ってみるかな」
猟兵業の他に酒場を営んでいる剱には、料理に対して並々ならぬ探求心がある。今回を良い機会と捉え、新たなレシピを開拓しようという心積もりのようだ。
腕まくりをした剱は、獲ってきた鰻の中でも大きく肉厚なメスの鰻を手に取る。
「立派な『カピトーネ』だ」
ニヒルに笑って呟く剱。カピトーネとはイタリア語で鰻のことを差す。ただし、普通の鰻は『アングィラ』と呼ばれており、カピトーネとは剱が選んだようなメスの大きな鰻のことを特にそう呼ぶのだ。
イタリアでは、クリスマスから年始に掛けてこのカピトーネがよく食べられる。彼の国では鰻を『悪魔の化身』と捉えており、めでたい聖夜や正月にそれを食べることでゲン担ぎとする文化があるのだ。
調理法はシンプルに焼いたり、揚げたりする場合もあるが……。
「……そうだな。ここは煮込み料理にしよう。トマト煮込みとか作ってみるかな?」
トマトを始めとした鰻以外の食材も見繕って、剱は包丁を握り締めた。ヌメヌメと動き回る鰻は魚の中でもかなり捌き難い……しかも、加熱によって無毒化するとはいえ肉や血液には毒が含まれており、ちょっとしたミスが大変なことに繋がるケースもあるわけだが……流石というべきだろう、剱の手際には澱みなど無かった。
下処理を終え、鍋の中でトマトと一緒にぐつぐつと煮込まれていくカピトーネを見下ろし、剱は暫し黙考する。
(この際、ピザも作ってみたいな。リゾットもあるし、割とレシピは多いんだよ)
鰻を千差万別な料理へ変身させる手順は、剱の脳内に数多くインプットされていた。その全てを実行するとなるとかなりの量の鰻が必要となるだろうが……なんと幸いなことか。その為の鰻は今この島に充分な数が存在しているのである。
剱のような料理人にとって、この島は今、楽園と呼べるかもしれない。
「……何というか、心が躍るな」
剱の口元にはいつしか、実に楽しげな笑みが浮かんでいた。
作った料理はもちろん剱自身も食べるが、このままではきっと作り過ぎてしまうだろう。その分は他の猟兵たちへと振る舞い、感想を聞いてみてもいいかもしれなかった。
カピトーネのトマト煮込みを味見して、会心の表情を浮かべる剱。こんな料理尽くしの夏休みも悪くない――そんな風に呟いているようだった。
大成功
🔵🔵🔵
夢ヶ枝・るこる
■方針
・【POW】使用
・服装:牛柄ビキニ
・アド/絡◎
■行動
此方の島は久しぶりですねぇ。
お邪魔させていただきますぅ。
あまり料理する機会の無い食材ですし、まずはお料理を手伝わせていただきたいですねぇ。
【豊饒現界】で[料理]を強化、蒲焼に白焼き、櫃まぶしまで、色々と作ってみましょう。
出来たものは皆さんでお召し上がり下さい。
灘杜さんも如何ですかぁ?
その後は、昨年同様『全メニュー制覇』を目指しましょうかぁ。
【豊饒現界】で[大食い]も強化されておりますから、かなりの量でも問題なくいただけますぅ。
「とんでもない巨大鰻」というのも食べてみたいですねぇ。
運ぶ際には[怪力]、必要なら[料理]もお手伝いしますので。
「――あ、この蒲焼き、美味しいね~。タレの味付けが絶妙やわぁ。……わ、こっちの白焼きは鰻自体の味が鮮やかやね。これも美味しいわ~」
「ありがとうございますぅ」
白い天女風のビキニ水着姿で各種鰻料理に舌鼓を打つ灘杜・ころな(鉄壁スカートのひもろぎJK・f04167)へ、それらの料理の作り主である夢ヶ枝・るこる(豊饒の使徒・夢・f10980)は微笑みながら頭を下げた。その反動で、牛柄のホルターネックビキニに包まれた彼女の胸が量感たっぷりにたゆんと揺れる。
……相変わらず、大きいという言葉が生温く感じるほど大きい。ころなも10代の半ばとしてはかなり発育が良い方だが、るこるはそれすら遥かに上回る。二人の身長が全く同じである為、差はより顕著に比較されてしまっていた。
水着コンテストならぬバストサイズコンテストがあれば、きっとるこるは殿堂入りであろう……。
さて、かつて自身もクロックダイルと戦ったこの島を再び訪れたるこる。そのままころなのようにおもてなしされる側に回っても良かったはずだが――彼女はまずは鰻の調理を手伝う側へと回ったのであった。
「あまり料理する機会の無い食材ですし、まずはお料理を手伝わせて頂きたいですねぇ」
……というのがるこるの弁。確かに、言われてみればプロの料理人……それも鰻を専門的に扱うような店舗で働いているのでもなければ、実際に鰻を一から調理する機会というのは、特にUDCアースの日本では無いかもしれない。
折角のチャンスを、るこるとしても逃したくなかったのだろう。
とはいえ、色々と専門的な技術も必要とされる鰻の調理。本来ならるこるには少々ハードルが高かったはずだが……。
「『大いなる豊饒の女神、《楽園の地》の豊かなる恵みと力をお貸しくださいませ』」
ユーベルコード・『豊乳女神の加護・豊饒現界』を用いればその問題は万事解決だった。女神の祝福をその身に受けたるこるならば、鰻を目打ちし、開いて骨を取っていくのもお手のもの。調理されまいとうねうねと抵抗する黒く長い魚類たちも、瞬く間に食材、さらには料理へと変えられていったのである。
今、ころなの前に出されたひつまぶしもるこるの作だ。真っ白な湯気を上げる白米の中に刻まれて混ぜ込まれた鰻の蒲焼きが、実に食欲をそそる芳香を立ち昇らせている。
おひつの中のひつまぶしを四等分し、一杯目を茶碗によそったころなはそれをパクリ。
「~~~~♪」
まさに『いいね!』とばかりにサムズアップするのであった。
そうして、調理が一段落したところで、るこる自身も鰻料理を食べる側へと回る。
「今年も昨年同様、『全メニュー制覇』を目指しましょうかぁ」
そう言うるこるの前にも、ひつまぶしのおひつが置かれていた。……ただし、ころなの前のそれの三倍……いや、四倍はあろうか?
こちらもひつまぶしの正式な食べ方に則り、四等分して一杯目をよそっていく。……茶碗ではなく、かなり大きめの丼にだ。
一杯目はそのまま食べ、二杯目はわさびやネギなどの各種薬味を投入。三杯目は鰻の出汁を注いでお茶漬け風にし、四杯目は特に気に入った食べ方をもう一回……。
「ひつまぶし、ご馳走様でしたぁ」
「――早ない!?」
るこるがデカ盛りのひつまぶしを平らげた時点で、ころなは普通サイズのひつまぶしのまだ三杯目を片付けた段階であった。
ユーベルコードによって、るこるは大食いについても強化されているのだが……それにしたって食べるのが早過ぎる。食べた量も多過ぎる。それでいて、彼女は『全メニュー制覇』の宣言通りに次のメニューへともう取り掛かっているのだ。
食べていく内に、るこるのお腹は段々と丸く膨らんでいくが……それは逆に言えば、彼女の身体が多くの料理をしっかりと食べ切ることに適している証左に他ならない。この圧倒的健啖家ぶりこそが、るこるの恐るべき発育の良さを支えているのかもしれなかった。
「――『とんでもない巨大鰻』というのも食べてみたいですねぇ」
島民たちが噂していたそれをふっと思い出し、るこるは呟く。
実際にどれだけの大きさかは解らないが、もし運ぶ為に人手が必要なら、るこるも手伝うつもりでいた。今の彼女はユーベルコードにて筋力も増大しているのである。
「必要なら料理もお手伝いしますのでぇ」
今はまだ捕獲はされていないようだが、大物狙いで動いている猟兵たちも居ると聞く。噂の巨大鰻が捕まるのも時間の問題かもしれなかった。
それを楽しみにしていたるこるだが――その刹那、彼女の料理を食べる手がピタリと止まる。
「……ま、まさか……?」
……この瞬間、るこるは自身の掲げた『全メニュー制覇』の目標を後悔したかもしれない。
――ぶつ切りにされた鰻が、ゼリーの中に寄せられていた。
……そう、あの悪名高きイギリス料理・『鰻のゼリー寄せ』である。
うん、確かに、↑のオープニング本文で存在がほのめかされていた。全メニュー制覇を目指すのであれば、これも避けては通れない一品なのである。
ちなみに――実食したことがある方々の感想によると……。
「この料理は、夜中にうなされるレベルのトラウマになっている」
「また食べろと言われたら、オレは全力で鰻を絶滅させに行く」
「あんな不味い魚料理は生まれて初めて食べた……」
「生臭い! しょっぱい! 気持ち悪い!!」
……るこるよ。本気でこれを食べるのか……?
「……るこるちゃん、無理せんでええんやで?」
心配そうに声を掛けたころなへ、るこるは首を横に振って悟ったような笑顔向けた。
「真っ直ぐに自分の言葉は曲げません。――それが私の食事道ですぅ」
そのように告げて、るこるは問題の一皿へとスプーンを突き立てたのであった……。
味の感想は、るこるのみぞ知る。
成功
🔵🔵🔴
ロベリア・アナスタシア
(アドリブ絡み歓迎)
鰻のつかみ取りとか聞いて来ちゃった…♪
(水着:私のイェーガーカード参照よ)
…別に変なこと考えてないわよ、鰻を取れば良いんでしょ?
という訳で他の子(ころなちゃんとか)と一緒に鰻のつかみ取りを。
あっ…取れたうなぎが、手で滑って…あぁ、私の体に!?
いやぁん、体をぬるんぬるん這いまわってくるぅ♪(いやんいやん)
早く取らないと…あぁん!?今度は手が滑って他の子
(ころなちゃんとか)の体に!?早く取ってあげないと♪
…ち、違うわよ触りたい訳じゃないの、鰻を取りたいだけなのに
逃げるの早くて捕まえようとしたら手が…色々と♪
…あっ、終わったら普通にうな重食べておくわね。
「……鰻の掴み獲りとか聞いて来ちゃった……♪」
そう言って妖艶に微笑んだのはロベリア・アナスタシア(『快楽』と『影』と『媚薬』を司る美魔嬢・f23913)であった。
うん、もう、何というか……フラグを踏み抜く気満々ですね。
「……別に変なこと考えてないわよ、鰻を獲れば良いんでしょ?」
「……ほんまにー?」
食事の途中で鰻の掴み獲り大会の会場となっている島の汽水域へと引っ張ってこられた灘杜・ころな(鉄壁スカートのひもろぎJK・f04167)が、疑わしげな声を上げる。
「何でそんな風に私を疑うの、ころなちゃん!? 私にそんなに疑わしい所があるの!?」
「……だってなぁ……『紐』やん?」
ころなが半眼で指摘したのはロベリアの水着だった。今の白いビキニ水着姿のころなとほぼ変わらないような格好で普段から生活しているロベリアだが、現在はそれがさらに数段階突き詰められている。
――紫色の紐であった。
それがロベリアの胸回りや腰回りに引っ掛けられ、多少太い部分が肝心な部分をどうにか隠している。
それこそが、ロベリア・アナスタシアが2020年水着コンテストでも着た水着であった。
ロベリアの小玉スイカの如く実った乳房も悩ましい曲線を描くお尻もほとんど剥き出し。股間のトップシークレット部分すらほんの少し動いただけで見えてしまいそうだった。
「……鰻獲る格好ちゃうよね? それ以前に、人前に出る格好でもないと思うんやけど――」
「――あ、競技が始まるみたいよ。ころなちゃん、急いで~!」
「うちのツッコミ聞いてぇな!?」
まあ、そんな感じでなし崩し的に、ころなもロベリアによって鰻の掴み獲り大会へと引っ張り込まれたのであった……。
……そして、汽水域は最早水よりも鰻の方が多いのではないかという有様であった。ロベリアでさえも一瞬踏み込むのを躊躇したレベルだと言えば、少しはその驚異が伝わるだろうか?
「いやぁぁっ!? 無理無理無理無理! うち、こんなトコ入れんから!!」
「大丈夫、慣れれば意外に平気だから♪ ……多分」
嫌がるころなの手を引き、ロベリアが恐る恐る鰻の群れの中へと足を入れる。にゅるんにゅるんと足に絡み付くヌメヌメとした感触……ロベリアでもちょっと後悔するレベル。
「あぁん……無事に岸まで戻れる気がしないわ……♪」
「何でちぃと嬉しそうなん!?」
河岸までたった数m……けれどその数mが途方もなく遠く感じられる地点で、とりあえずロベリアところなは鰻を捕まえてみることにした。
「……うわぁ、滑って全然掴めへんよ……」
滑り易い鰻がことごとく手の中から逃げていくころなに対し、ロベリアがお姉さんぶった仕草で人差し指を立てた。
「こういうのを掴むにはコツが要るのよ。そうねぇ……男性のアレを握る感じで――」
「――そんなん経験無いから解らんわっっ!!」
ロベリアの参考にならないアドバイスに咆哮するころな。その大声にびっくりしたのか、ロベリアが見事に掴んでいた黒々と照り光る立派な鰻が、にゅるんと彼女の掌中より脱出する。
逃亡先は……ロベリアの深き乳房の谷間だった。
「あぁ、私の身体に!?」
自身の胸の渓谷へと潜り込んでいく鰻を引っ張り出そうと手を伸ばすロベリアだが、その指を掻い潜って鰻は彼女の腰を経由しお尻の方へ。太股をキュッと閉じるロベリアだったが、その僅かな隙間を抜けて粘液塗れの黒い魚は彼女の股間の方へと移動していく。
「いやぁん、身体をぬるんぬるん這い回ってくるぅ♪」
「ちょおっ!? 水着ずれてアブナイ所とか見えとるよー! ……ちゅうか、ほんま何か嬉しそうやない!?」
ころなの指摘通り、根本的に保持力、隠蔽力に欠けるロベリアの水着は大切な所からずれて、見えてはいけない突起とか亀裂とかが露わになっている。そこに擦り付けられた鰻の粘液が陽の光を反射して……大変けしからん光景を演出していた。
「早く取らないと……あぁん!?」
「うっひゃあっ!?」
ロベリアが、それでも何とか鰻を手で追っていると、今度はそれが彼女の乳房の辺りから大ジャンプ。そのままニュル、スポンッところなの胸元へ。流石にロベリアには劣るが……それでも充分な深みを持つJKグリモア猟兵の乳房と乳房の狭間へ、鰻は滑り込んでいった。
「んにゃああっ!? ヌメヌメしとって何か……キモッ! こらぁっ、出てけぇっ!!」
「あぁん、ころなちゃんの身体に!? ……早く取ってあげないと♪」
「うひゃあんっ!?」
若干弾んだ声を上げたロベリアが、その繊手をころなを襲う鰻へ伸ばす。……が、目測を誤ったのか、ロベリアの五指はころなの乳房の方へ喰い込んだ。
「あぁん、お餅みたいに柔らかくありつつ、しっかりとした張りと弾力もあって……♪ ――じゃなかったわぁ」
「うにゃあんっ!?」
ロベリアはころなの肢体を下へと逃げる鰻を追い掛け、己の手も下らせる。「えぃやっ」と指先を突き立てたのは……今度はころなのお尻だった。
「あぁん……おっぱいの触り心地も良かったけど、プリプリと瑞々しいこっちの感触もなかなか……♪ ――いけない、そうじゃないわっ」
今度こそ逃がさないとばかりに、ロベリアは渾身の気合いを込めた右手を鰻が居るはずのころなの太股と太股の間へ……。
――その瞬間、一瞬だけ周囲の重力が数百……数千倍にも増大した気がした。
……ころなの身体を這い回っていた鰻は突然力を失ってぼとりと落下する。見れば、周囲の鰻という鰻も気を失った様子で動きを止めていた。
そして、ころなの大事な所へと伸ばされていたロベリアの右手は、ころなの左手にがっしりと掴み止められている……。
自分より大分年下の少女の翡翠色の瞳にガチの怒りが浮かんでいるのを見て取って、ロベリアは赤い瞳をそっと逸らした。
「……ち、違うわよ触りたかったわけじゃないの。鰻を取りたかっただけなのに逃げるのが早くて捕まえようとしたら手が……色々と♪」
「――ロベリアちゃん」
「……はいっ」
ロベリアの言い訳を刃のような声音で止めたころなは、にっこりと花のような……同時に般若のような笑顔を浮かべて、こう告げた。
「おイタが過ぎると、お仕置きやで?」
「……わ、解ったわ」
周囲の空気を軋ませるような波動を放つころなへ、ロベリアはコクコクと頷くのであった。
「……あっ、美味しい♪」
そんなこんながありつつも、自力で獲った鰻を使っているという部分も大きいのだろう……ロベリアがその後に食した鰻重は絶品であったという。
成功
🔵🔵🔴
ヘザー・デストリュクシオン
【ファブル】
うなぎ!デート!
えへへ、ルトルファスくんといっしょに魚が食べれるなんて、うれしいの!
いっぱい食べるの!
つかみ取りするの!
去年の水着…ちょっときついけど、しかたないの。
でも海こわいから、ルトルファスくんわたしのことつかんでてね?流れないように。
んー、動きはあんまり早くないけどぬるぬるしてて…!
でも負けないの!水着しか着てないからUCで早く動けるんだから!えい!
よし、つかまえ…あ!水着の中に入って…ぬるぬるあばれて…にゃうっ!
ルトルファスくん、取ってぇ…!
にゃ!ルトルファスくんの手、気持ちいい、の…❤
うう、ひどい目にあったけどうな重食べて気を取り直すの!
んー、おいしいの!来てよかった!
ルトルファス・ルーテルガイト
【ファブル】(アドリブ絡み歓迎)
(水着:赤のトランクス型)
…鰻のつかみ取り、しなきゃならないのか…面倒な。
…どうしてもヘザーが怖がってるから、しっかり手を掴んであげて。
…ってこれじゃ片腕でしか鰻が取れん、酷いハードモードだよ!
その内取れなくてズル(精霊術使用)しようと思った矢先に
ヘザーから悲鳴が。なんかヘザーが鰻に悪戦苦闘してる!?
…早く鰻を取らないと、あっ待て…暴れたら取れないから。
…鰻以外のところに、手が…指が、当たってしまうから…!(悪戦苦闘)
…酷い目に遭ったが、何とか鰻を捕まえた後はうな重を食べて。
……まぁ、美味しいからいいか。
UDCアースの日本以外の国では『悪魔の化身』と称されることも多い魚に占拠された島の汽水域を前に、赤のトランクス型の水着を着用したルトルファス・ルーテルガイド(ブレード・オブ・スピリティア・f03888)は早くも疲れた表情を浮かべていた。
(……鰻の掴み獲り、しなきゃならないのか……面倒な)
いや、まあ、実際に気が滅入ってくるのは仕方が無いだろう。鰻も一匹や二匹なら可愛げもあっただろうが……数千匹、数万匹とひしめき合っている様を見せられれば、ルトルファスとて回れ右をしたくなる。
それでもルトルファスがそうしないのは、普段なら口に出してしまうぼやきを胸の内に留めたのは、『同行者』の存在が大きかった。
「うなぎ! デート! えへへ、ルトルファスくんと一緒に魚が食べれるなんて、嬉しいの! いっぱい食べるの!」
そう言って、ルトルファスの視線の先でピョンピョンはしゃいでいるのはヘザー・デストリュクシオン(白猫兎の破壊者・f16748)。猫の目と爪と嗅覚、ウサギの耳と尾と脚力を有したキマイラの少女であり……ルトルファスの恋人であった。
本日、ルトルファスとヘザーはデートの真っ最中である。大喜びの恋人の姿を見れば、ルトルファスとて彼女のその喜ぶ様に水を差したくないと考えるのは自然であった。
とはいえ、そんなヘザーの元気いっぱいな姿は、いざ鰻を獲りに行く段階になって引っ込んでしまうのだが……。
「掴み獲りするの! ……でも、水怖いから、ルトルファスくんわたしのこと掴んでてね? ……流れないように……」
「解ってる。絶対に離したりしないから安心しろ」
目に見えて震えているヘザーの手を、ルトルファスはしっかりと握ってやった。……ヘザーは流水が苦手なのである。それを解っているルトルファスは、少しでも彼女の怯えを軽減してやる為に己の片手を提供した。……そして気が付く。
(……って、これじゃ片腕でしか魚が獲れん、酷いハードモードだよ!)
だけれど、ヘザーの手を振り解いたりしないのがルトルファスの優しいところであった。……頑張れ。腕が一本しか使えなくても、君には二本の脚と口もある。
そんな感じで、鰻が群れ成す水の中へと入っていくルトルファスとヘザー。その拍子、ヘザーはルトルファスに気付かれないように水着のボトムスのお尻への喰い込みを調整する。
ヘザーは、今年の水着コンテストには参加していなかった。今着ている水着は去年の水着コンテストに際して用意した物である。一年前程度の物ならまだ充分に着られるというのが彼女の公算だったのだが……。
(……ちょっときついけど、仕方ないの)
ヘザー自身は今まで自覚していなかったが、この一年間で彼女の肢体はまた発育していたらしい。黒と赤のカッコいい色合いのトップスは胸元の布地がパツンパツンであるし、同じカラーリングのボトムスは少し動いただけでヒップラインにどんどん喰い込んでくる。
少々動き難いかもしれないのは、ヘザーとしても懸案事項であった。それは現実に彼女の前に立ち塞がる……。
「んー、動きはあんまり速くないけどぬるぬるしてて……!」
ヘザーが手を伸ばして水面をバシャバシャと揺らすが、彼女の指先を掠めるように鰻たちは逃げ回る。……猫の要素を持つキマイラとして、それはヘザーのプライドを些か傷付けたのかもしれない。
「……でも負けないの! 水着しか着てないからユーベルコードで速く動けるんだから! えい!!」
シーフたちの代名詞とも言えるユーベルコード・『シーブズ・ギャンビット』を発動させるヘザー。加速した反射神経が、水中を縦横無尽に泳ぐ鰻の動きを完璧に捉えた。
「良し、捕まえ……あ!?」
しかし、その瞬間にヘザーは自分の背中側でプツッ……という小さな音を聞いた。同時に、水着のトップスが僅かに緩む。……やはり、去年の水着はやや小さく、今年の成長したヘザーを保持し切れなかったらしい。水着のトップスを留めていた紐が切れてしまったのだ。ヘザーの水着のトップスは背面分が編み上げになっている為、それでもそう簡単に脱げてしまうことはなかったが――緩んで広がった水着と彼女の肌の隙間に、その隙を突いて拘束を逃れた鰻が飛び込む。
「やっ……にゃううぅぅっ!?」
「!? ど、どうした!?」
悲鳴を上げたヘザーにルトルファスが振り向いた。あまりの鰻の獲れなさに「……精霊術、使うか」とズルいことを考えていた矢先である。白黒するルトルファスの目に映ったものは……。
「ぬるぬる暴れて……にゃうぅっ……!? ルトルファスくん、取ってぇ……!」
「なっ……えぇっ……!?」
ルトルファスの間近に迫る、ヘザーの金色の涙目。そしてヘザーのなかなか豊満な胸元では、赤と黒の布地の内で蠢く細長い影が垣間見えた。ヘザーの水着の内部で、鰻が彼女の乳房に絡み付いていると察知し――ルトルファスの胸中にメラッと嫉妬の炎が燃え上がる。
……とはいっても、ツンデレ気質のルトルファス。ジェラシーの感情を素直に表すことは出来ず、平静を、冷静を装ってヘザーへクールな声を掛けた。
「……落ち着け。早く鰻を取らないと――あっ、待て……暴れたら取れないから」
「にゃあぁぁんっ……!」
身体をくねくねとさせるヘザーを諭しながら、ルトルファスは微かに震える指を彼女の水着のトップスの中へ。内心は恋人の胸を弄ぶ鰻へ殺意を漲らせつつ、問題のその魚類の位置を探る……。
「――あっ!? ふにゃあんっ……!」
「…………っ!?」
突然、ヘザーが鼻に掛かった声を上げたせいで、ルトルファスは硬直した。冷や汗が彼の背筋を伝い、逆に首筋は熱くなる。
「ど、どうした、ヘザー?」
「ご、ごめんなのっ。ルトルファスくんの指が、その……先っぽ、引っ掻いたの……」
「……お、俺こそ済まない……」
もじもじするヘザーを前に、ルトルファスは育ての親より叩き込まれたエルフの教えを脳内で復唱しながら、今なおヘザーを困らせる鰻の追跡を再開した。
(平常心だ……六根清浄……鰻、後で覚えていろ……!)
「……あっ!?」
「……あ」
ルトルファスの努力が実ったのか、鰻はヘザーの水着のトップスから滑り出た。……が、そのまま今度はヘザーのボトムスの方へと潜り込もうとする。それに、今度こそルトルファスは頭に来た。
(そこは、お前の好きにしていい場所じゃない……!)
ヘザーと握り合っていた方の手を離して、ルトルファスは不埒な鰻を追撃した。今まさにヘザーのボトムスへ侵入しようとしていた鰻を引っ掴む。
「――んにゃうっ……!?」
「っっ……!?」
……引っ掴んだつもりで、鰻はにゅるりんとルトルファスの手を回避した。ぽちゃんっと音を立て、水の中に逃げ込む。そして、ルトルファスの手は……勢い余ってヘザーのボトムスの中へと入り込んでしまっていた。
(う、鰻以外の所に、手が……指が、当たって……!)
……気が付けば、ルトルファスは背後からヘザーを抱き締めるような形で、彼女の水着のトップスへ左手を、ボトムスへ右手を突っ込んでいた。彼の指は無意識に恋人の身体を探るように蠢いて……。
「んっ……にゃあっ……❤」
ヘザーが甘い吐息を漏らして、その身をピクンッと震えさせる。
潤んだ金色の瞳を切なげに揺らして、ヘザーは愛しいルトルファスへ囁いた。
「ルトルファスくんの手……気持ちいい、の……❤」
……それから、しばらくの後……。
「うう、酷い目に遭ったの……」
「……酷い目にあった……」
ヘザーとルトルファスは島の浜辺に並んで腰掛けて、同じように身悶えていた。
まあ、あれくらいなら普通は恋人同士の少し行き過ぎた戯れで済むものなのだろうが……あそこは鰻の掴み獲り『大会』の会場であり、ヘザーとルトルファス以外にも島民が当然ながら居たわけである。彼らの前でああいう姿を見せ付ける羽目になったわけで……二人の心中は如何ばかりか?
それでも、どうにかヘザーもルトルファスも鰻は捕まえていたのである。
「……鰻重食べて気を取り直すの!」
「そうだな……鰻重を食べよう」
二人は膝の上の箱型の食器の蓋を開く。――途端に溢れ出す、炭火で焼かれた鰻の香ばしい匂い……。
「わぁぁ……!」
綻んだヘザーの横顔に、それを横目で見ていたルトルファスは固まってしまう。
薄っすらと頬を染め、惚けた表情を浮かべているルトルファスに気付かず、ヘザーはふっくらと焼けた鰻の身を白いご飯と一緒に頬張った。甘辛さが絶妙なタレの味と程良い鰻の脂が白米に絡み、幸せなハーモニーを奏でる。
「んー、美味しいの! 来て良かった! ね、ルトルファスくん!」
「――あ、ああ」
満面の笑みを向けてきたヘザーに、ようやく時間停止を脱したルトルファスが頷き返した。彼は慌てて自分の分の鰻重を口に運ぶ。
「……本当に旨いな」
「うん!」
同意してさらにパクパクと鰻重を食べ進めるヘザーの姿にふっと微笑んで、ルトルファスはまた一口鰻重を口に運ぶ。
(……まぁ、本当に美味しいからいいか)
恋人と同じように、ルトルファスも心から「来て良かった」と思うのだった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
青葉・まどか
鰻の食べ放題!
こんな役得あっていいの!猟兵最高!
浮かれ気分で島に訪れると鰻の掴み獲り大会主催者から「大会を盛り上げるために猟兵にも参加して欲しい」と頼まれる。
断っても問題はないと思う。
思うけど、猟兵とはいえ本来の私は小市民の日本人。
鰻をご馳走してもらう立場としては断り辛く、大会に参加することに。
会場に現れたのは巨大な……鰻?
グリードオーシャンではメガリスを食べて鮫が巨大化する。
なら、巨大化して頭が八つある鰻がいてもおかしくはない……おかしくはないけど、納得出来ないよ!
こんなお化け鰻がいるなんて聞いてない!
(八つある頭を使ってぐるぐる巻きにされ全身ぬちょぬちょに)
アドリブ・ハプニング歓迎
「………………」
鰻の掴み獲り大会の会場である、島の汽水域。その付近の砂浜で青葉・まどか(玄鳥・f06729)はポニーテールにした黒髪を風に撫でられていた。眼鏡越しの黒瞳は彼方の水平線を見詰めている。
着用するのは、今年の水着コンテストの為に用意した水着であった。暗色のビキニは案外布面積が少なめで、まどかの14歳……来月には15歳になる年齢不相応に発育した肢体を大胆に露出している。
白い肌に目一杯陽光を浴びながら――まどかは内心で後悔していた。
(ああ、私って本当に……小市民な日本人……)
……この島に再び足を踏み入れた当初、まどかははしゃぐにはしゃいでいたのである。
『鰻の食べ放題! こんな役得あっていいの!? 猟兵最高!!』
もう何というか、鬼の首でも取ったかのような様相であった。
そうして、スキップしながら鰻料理の許へ向かおうとしたまどかだったが……そんな彼女を呼び止めた者が居たのである。この鰻の掴み獲り大会の主催者であった。
彼は猟兵たちに次のように声を掛けていたのである。『大会を盛り上げる為に、皆様にも参加してほしい』と。
それを了承する猟兵も居れば、断る猟兵も居た。どちらだって構わなかったのである。ただ、まどかとしては、鰻料理をご馳走してもらう手前、断りづらいと感じてしまい……今に至っていた。
「……私って本当に小市民な日本人……とほほ」
既に鰻料理に舌鼓を打っている猟兵も居るはずなのに……自身の人の良さに肩を落としつつ、まどかは自分が競技に参加する順番を待っていたのだが……。
「うわぁっ!?」「わー!?」「きゃああ!!」
「……何か様子がおかしくない?」
断続的に大会参加者から上がる悲鳴に、まどかははっと顔を上げた。
掴み獲りが行われている島の汽水域……そこに入っていた参加者たちが慌てて岸へと上がってくる。彼らが先まで浸かっていた水の中には、今なお大量の鰻がひしめき合っていたが……その群れを押し退け、弾き飛ばして、泳ぎ回っているモノがあった。
「……え? あれも……鰻?」
まどかの台詞が疑問形になったのは仕方が無かっただろう。何せ、鎌首をもたげるように水中から身を起こしたそれは……目算で10mを軽く越す。黒い蛇を思わせる、しかし紛う方無き魚類。サイズを除けば、確かにそれは鰻と同じ姿形を有していた。
「ちょっ、こんなお化け鰻が居るなんて聞いてない!?」
まどかが悲鳴染みた声を上げる。
ここ、グリードオーシャンでは、メガリスを食べて鮫が巨大化する事例が確認されていた。ならば、メガリスの影響か何かで巨大化した鰻が居ても全然不思議ではないのである。
「おかしくはない……おかしくはないけど――納得出来ないよ!」
とはいえ、まどかに地団駄を踏んでいる暇は無かった。誕生の経緯はさておき、あの巨大鰻は一般人の島民たちで対処出来る存在ではない。猟兵の力が居る。……そして、何の因果か今、このタイミングでこの場に居る猟兵はまどかだけだったのだ。――彼女が何とかするしかない。
「皆は避難して! この――って、ええっ!?」
島民たちへそう呼び掛け、まどかは砂浜を疾駆し、跳躍。巨大鰻へと躍り掛かったが――周囲の水面から、さらに七本もの巨大鰻の首が持ち上がった。……なんとこの巨大鰻、胴体の途中から首が八本に分かれ、そのそれぞれの先にも頭部が付いていたのである。
「本当にこんなの聞いてないぃぃ!?」
嘆くまどかの肢体へ、巨大鰻の八つの首が次から次へと絡み付いた。
「くっ……このっ!」
四肢に巻き付いた巨大鰻の首を振り解こうと力を籠めるまどかだが……いくら猟兵たる彼女でも、ここまで身体のサイズが違う相手の筋力は跳ね除けられない。拘束され、宙へと持ち上げられたまどかの肢体が、擦り付けられた鰻の体表の粘液で照り光る。
幸いなことに、八岐巨大鰻はまどかに興味津々なようで、未だ避難し切れていない島民たちの方へ向かう心配は無さそうだった。それは猟兵としてのまどかにとって僥倖であったが――『女の子』としてのまどかにとっては、災難の始まりであったのである。
巨大鰻の頭の一つが、興味深そうにまじまじと見詰めた……まどかの水着のボトムスを。お尻の側からそれをはむっと噛んだのだ。
「えっ、ちょっ――ひぃあんっ!?」
まどかの焦った声が上がるとほぼ同時、巨大鰻は噛んだ彼女のボトムスをグイッと引っ張った。布地が思い切りまどかのお尻に、股間に喰い込んでくる。
「やぁああああっ!? 待って、待って!!」
超Tバック状態になったまどかの魅惑のお尻がほとんど丸見えになる。股間の方だって……大変デンジャラスな有様。そして――この場にはまだ、少なからず島民たちが居るのだ。
彼らに自分の恥ずかしい姿を目撃されて、まどかの顔面が一気に炎上する。
「やだっ、見ないでぇっ!!」
いやいや首を振るまどかだが……彼女の受難はまだ終わらない。巨大鰻の首がもう一本、まどかの水着のボトムスに興味をそそられたらしく――今度はそれを前の方からはむっと噛んだのである。その上で、当然引っ張る。
「ぃやぁああああっ!? 待って! 本当にお願い待ってぇっ!?」
前後から引っ張られて紐のように伸びたまどかのボトムスに、彼女の下半身をまともに隠せる機能など最早望めるはずも無く……10代の半ばの少女のシークレットゾーンが大部分露わになってしまった。それがこの場から逃げ遅れた島民たち……男性もかなり居る……の網膜にしかと焼き付けられてしまったのである。
羞恥心で頭が沸騰しそうになるまどかだが……生憎、彼女の困難はここまで来てもまだ終わらなかった。前と後ろから引っ張られて細く絞られた水着のボトムスは、まどかの両脚の付け根の、大切な割れ目にまで喰い込んできて……。
「……んっ……ぁ……ちょ、ちょっと……!?」
しかも、ボトムスの前を咥える巨大鰻の頭部と、後ろを咥える頭部とで綱引き状態。前が引っ張ったら負けじと後ろも引っ張り返して……前後に動いて、まどかの亀裂を擦り上げる。
「やっ……んっ……だ、駄目っ……止め――んんっ……!?」
裂け目の奥の粘膜が、上部のお豆が、ボトムスの布地に刺激され……まどかの身体がピクンピクンッと震えた。その反動で、彼女の胸部の豊かな果実もたゆんたゆんと弾む。
……そして、波打つ乳房に興味を引かれたらしい巨大鰻の別の首に、まどかの水着のトップスまで早業で攫われた。
「あっ――っきゃぁぁああああああああああっっ!?」
まどかが悲鳴を上げるも、もう遅い。彼女の年齢にそぐわぬご立派なおっぱいは、陽の光の下に……島民たちの視界の中へと晒されたのである。瑞々しく弾み、踊るそれに、男性島民たちが前屈みになったりしゃがみ込んだり……。
いや、その……許してあげてほしい。彼らも島がこんな状況で、朝昼晩三食鰻という生活をしているのである。精の付く食材の代表格でもある鰻を食べまくっている島の男性陣が、まどかのような抜群のプロポーションを持つ美少女のこんな艶姿を見せられれば……勃たせるなという方が酷な話であった。
「あっ、やっ、はっ、あっ、あっ……❤」
そんな島民男性たちの熱視線を全身に浴びながら、まどかは巨大鰻から下半身へともたらされる甘美な摩擦に段々と高まってきてしまう。それに反応したわけではないだろうが、巨大鰻によるボトムスの綱引きはますます激しさを増して……それの刺激に揺れ動くまどかの胸元で、左右の乳房が別の生き物のように踊り狂った。
「あっ……❤ ああぁぁああああああああああっっ……❤」
一際大きく双乳を暴れさせ……誰の目にも明らかなほどまどかが達した。
……こうして、まどかは、鰻料理をご馳走になるつもりが、逆に島民の男性たちへ夜のオカズを提供してしまうことになったのである……。
ちなみに、八本首の巨大鰻は、この後ガチギレしたまどかに無事に退治されました。
成功
🔵🔵🔴
ハロ・シエラ
なるほど、あの島がこんな事に……もううなぎ島で良いのでは?安直すぎますか?
とにかく私も猟兵、これも戦いです。
鰻の動きを【見切り】、【早業】で掴み取ります。
小さい鰻ならそれで十分でしょう。
もし巨大な電気鰻でも現れたら本気を出さなければなりません。
【怪力】と【グラップル】の技術も使って全身で押さえ込むしかないでしょう。
電気は【激痛耐性】で耐えますが、この水着だとちょっと刺激が強すぎるかも知れません。
もし耐えきれず小さい鰻の群れに落ちてしまったら、潜り混まれたりして余計にとんでもない事になってしまいそうです。
ですが必ず巨大鰻をユーベルコードで捌き、皆さんに蒲焼きにしてもらいます!
何だこうだで、鰻の掴み獲り大会は盛り上がりを見せている。それは、意外にそちらへ積極的に参加する猟兵たちが多かったおかげだろう。
ハロ・シエラ(ソード&ダガー・f13966)もそんな猟兵の一人である。
スピードに長け、見切りにも長じるハロにとって、鰻を手掴みすることなど容易なことであった。汽水域の水面を駆けるように走り、そこを埋め尽くす鰻たちを次から次へと捕獲していくハロ。
一息吐いたところで、彼女は改めてこの島の現状を見回した。夏の眩しい陽射しを浴びて、島の木々も輝いているようである。その煌めきを受けた島民たちも……女性のごく一部にまだ表情に微かな陰りが見える者も居るが――誰もが笑顔だ。
「なるほど、あの島がこんなことに……」
ハロは、かつてこの島を傍若無人に支配した鰐型コンキスタドールを討伐した一人である。コンキスタドールに支配されていた頃の……本当に悲惨だったこの島の状況を知っているからこそ、今の復興したこの島の様子は感慨深いのかもしれない。
ところで、先に言われた通り、この島にはまだ名前らしい名前が無いのだが……。
「……もう『うなぎ島』でいいのでは? 安直過ぎますか?」
……流石に……ええ。他の候補を選定したく……。
それはそれとして、ハロが今着用している、2020年の水着コンテストでも披露した水着は実に可憐だった。いわゆるオフショルダービキニなのだが、トップスのフリルやボトムスのスカートがシースルーになっている。それから透けて見えるバンドゥ型のブラやショーツがセクシーさも醸し出していた。
ハロが髪型を普段とは変え、ツインテールにしている点もポイントが高い。
良いモノを見せて頂きました。
「……ん……?」
――その時、ハロが何かを察知した様子で赤い目を細めた。瞬時に猟兵としての表情に切り替わった彼女が、島民たちへ呼び掛ける。
「岸へ上がって下さい。何か――来ます!」
ハロの誘導で島民たちが全員水から上がった直後――汽水域の水が蒼白い光を放った。……数秒後、そこにひしめき合っていた鰻たちが動かなくなり、力無く腹を晒す。その合間を、まるでアナコンダのようなサイズの影が悠々と泳いでいった。
「あれは……電気鰻ですか!? それも、なんて大きいんでしょう……」
ハロの頬を冷や汗が伝う。
電気鰻とは、正確には鰻とは全く別種の生き物であり、その身体の大半が発電器官で構成されているのが特徴である。
筋肉が変化したという電気鰻の発電器官は、当然ながらその量が増えるほど発電力も増すらしい。UDCアースのアマゾンに生息する電気鰻は、2mを超える体躯で600Vから800Vの電気を発するというが……それよりも遥かに大きい、10mを超す眼前の電気鰻は……どれほどの電気を発するか想像も出来なかった。
「……いけませんね。放ってはおけません」
ハロが独白し、汽水域へ向かって駆け出した。……オブリビオンではないだろうが、あの巨大電気鰻は一般人にとってはそれに匹敵する脅威だろう。あんなものをのさばらせておいたら、この掴み獲り大会が進められなくなってしまうばかりではない、今後の島の生活にも悪影響を及ぼしかねなかった。
「少し、本気を出さなければなりませんね」
巨大電気鰻退治を決意するハロ。……だが、今の彼女の手元には武器らしい武器が無かった。今回この島へ来たのは遊びのつもりだったのだから、仕方が無いとはいえ……。
(少々心許無いですが、格闘戦で押さえ込むしかないでしょう)
多少の電撃は浴びる覚悟で、ハロは巨大電気鰻が待つ水の中へと飛び込む。
相手はすぐに見付けられた。そしてすぐに追い付けた。そこまで泳ぐのが速いわけではないらしい。それでも、相手は魚類。人であるハロでは、水中で隙を突かれれば瞬く間に逃げられてしまうだろう。
(これが最初で最後のチャンス……!)
ハロは、その小柄で華奢な身体をいっぱいに使って巨大電気鰻へとしがみ付いた。そこから、見た目とは裏腹の怪力で締め上げる。
ハロからの攻撃に、巨大電気鰻も彼女が敵だと悟ったようだ。躊躇なく、その身から電撃を迸らせる。――衝撃で、ハロは一瞬意識が飛び掛けた。
(くぅっ……普段の装備なら……)
この電流もある程度防いでくれただろうが、今のハロの装備は防御面には些か不安がある水着のみ。激痛には耐性があるハロだが、なかなかにつらい。
もっとも、一発目の電撃にハロが耐えられた時点で勝負は決していたと言える。電気鰻の放つ電気は決して無尽蔵ではなく、放てば放つだけ電気鰻も疲弊していくのだ。要するに、威力が最大なのは最初の一発目であり、そこからは段々と威力が下がっていく。実際の電気鰻漁でも、わざと電気鰻に放電させ、それで電気が放てないほど疲れ切らせてから捕獲するのが主流なのだった。
この巨大電気鰻も基本的な部分は変わらなかったようで……やがて、少しだけピリッとくるだけの電気しか放てなくなってしまう。相手が大人しくなったことで、ハロも胸を撫で下ろした。
(一時はどうなるかと思いましたが、何とか出来ましたね。後はこの巨大電気鰻を岸へ引き上げないといけませんが……)
ずっと水中にいたせいで、ハロも息がつらくなってきていた。一旦巨大電気鰻は置いておいて、水面まで息継ぎに行くべきかと彼女が悩んだ……刹那である。
(……ぅん?)
巨大電気鰻の脅威が去った為か、電撃を浴びて気絶していた普通の鰻たちもチラホラと復活してきていた。……とはいっても、強烈な電気を喰らった鰻たちはフラフラとしており、どうにか身体を休ませることが出来る安全な場所を探している様子である。
その中の一匹がハロのお尻の辺りに泳ぎ着いた。ちなみに言うと、鰻が『安全な場所』と認識するのは、多くの場合は自分たちのような細い身体でないと潜り込めない狭い隙間である。
……ところで、ハロは自覚していなかったが……巨大電気鰻へとしがみ付いて奮戦していた彼女の水着は若干ずれており、特にボトムスは元から少々ローライズ気味だったこともあって、ずり下がってお尻の割れ目が覗いていたのであった。
そこに――件の鰻はにゅるんと滑り込む。
(――んひゃあっっ!?)
「ゴボッッ!?」
鰻からの不埒な不意打ちに、思わずハロは肺の中に残っていた空気を残らず吐き出してしまった。酸欠に大いに焦るハロだが、仲間の鰻の行いを見ていた他の鰻たちも、ハロ=安全な隠れ場所と認識して殺到してくる。
(やっ、やぁっ……!? 水着の中、潜り込まないで下さ……そこは絶対に駄目ですからぁっ!!)
自分の水着の白い布地の内、それもお尻や胸元やら……両脚の付け根やらでヌメヌメ蠢く鰻たちに、ハロは巨大電気鰻との激突以上のピンチに陥るのだった……。
「……あまり美味しくないです」
――余談だが、さらなるピンチをどうにか脱したハロは、巨大電気鰻を蒲焼きにして食してみたのであるが……味は微妙だったという。
電気鰻は身体の大半を構成する発電器官がブヨブヨとした食感で、その味は……実食したことがある人曰く、「アルミホイルのよう」。
一応、濃い味付けの煮込み料理……例えば豚の角煮のような感じにするのであれば、それなりに食べられるものにはなるという。
大成功
🔵🔵🔵
フレミア・レイブラッド
鰻、あまり馴染みが無いけど、聞くところによると美味しいみたいね♪
雪花「高級食材なのー!みんなで特上の鰻重食べるの!」
折角だし、また【虜の軍勢】で眷属の一部(雪花、エビルウィッチ、花魁猫又、エージェントの子達、黒い薔薇の娘たち、ジョーカー、ハーベスター、光の断罪者)を召喚。
以前より更に大所帯になったから全員は呼べないけど…。お土産の鰻を持ち帰ってあげるわ♪
鰻の掴み取り…。留守番してる子達の分を取る為、こんなモノは【念動力】でまとめて捕獲してしまえば…ひゃん!(跳ねた鰻がぬるっとフレミアの胸元に)…あっ(集中力を切らしてしまい、念動力で浮かべてた大量の鰻が自身や眷属、ころなの下へボタボタと)
フレミア・レイブラッド(幼艶で気まぐれな吸血姫・f14467)という人物を知る者が見れば、それは恐るべき光景であったかもしれない……。
強気で誇り高く、どんなものにも屈しないという心根を全身から発散させている彼女が――砂浜で正座させられていたのだから。
そのフレミアの周りを、雪女見習いの雪花を筆頭としたフレミアの眷属たちと、グリモア猟兵の灘杜・ころな(鉄壁スカートのひもろぎJK・f04167)がジト目で取り囲んでいる……。
……一体、何があったのか……?
それを最初から振り返ってみよう……。
「鰻……あまり馴染みが無いけど、聞くところによると美味しいみたいね♪」
艶やかな赤いビキニに身を包んだフレミアが、島の汽水域で行われている鰻の掴み獲り大会の様子を眺め、興味深そうに呟いた。
身長こそあまり高くないフレミアであるが、プロポーションは実に均整が取れた素晴らしいものである。水着のトップスから覗く胸の谷間も何とも深い。
彼女の隣では、色違いの白いビキニに身を包んだ雪花が主とは打って変わって興奮している。
「高級食材なのー! みんなで特上の鰻重食べるの!」
サムライエンパイア出身の雪花は、鰻の価値をしかと把握しているらしい。
同様にうんうんと頷いているかつて邪神のエージェントであった少女たちは、UDCアースの日本出身。絶滅が危惧されて年々値段が吊り上がっている彼の魚の価値をきちんと認識している。その隣で猫耳をピコピコ、猫尻尾をパタパタさせている猫又の花魁たちも、雪花と同じサムライエンパイア出身。鰻と聞いて踊る心を隠し切れていなかった。
逆に、ダークセイヴァー出身の光の断罪者たちや黒い薔薇の娘たち、アックス&ウィザーズ出身のエビルウィッチたち、アリスラビリンス出身のジョーカーやハーベスターなどはピンと来てはいないようである。
ちなみに、フレミアの眷属である彼女たちは全員、主とデザインがお揃いで色違いの水着にて着飾っていた。だからこそ、恵まれた者たち(元・邪神の女エージェントたち、猫又花魁たち、ハーベスター、光の断罪者たち)と恵まれぬ者たち(雪花、ジョーカー)の格差が浮き彫りになっていて興味深い。……特に恵まれているわけではないが、恵まれていないわけでもないエビルウィッチたちや黒い薔薇の娘たちはどういう反応をすればいいのか困っている。
(うちも大所帯になったわね)
可愛い眷属たちを見守りながら、フレミアは感慨深げに思いを馳せる。異空間にそびえる彼女の居城たる『魔城スカーレット』には、今回は連れて来ることが出来なかった眷属たちがまだ大勢居る。見送ってくれた彼女たちの少し寂しそうな顔を思い返し、フレミアの口元には苦笑い染みた微笑が浮かぶのだった。
(あの子たちにもお土産の鰻を持ち帰ってあげないとね♪)
そう考えれば、フレミアも些か気合いが入るのだった。
さて、そんなわけでいざ、フレミアとその眷属たちが鰻の掴み獲りに挑む番が回ってきたのだが……。
「「……う、うわぁ……」」
「「「「「ひぃいいいいっ……!?」」」」」
「……いくら何でも多過ぎなのー……」
汽水域の水からうねうねうにょうにょと溢れんばかりになっている黒く細長い魚の群れに、鰻という生き物を元から知っている雪花、元エージェント、猫又花魁たちがドン引いた表情を浮かべている。鰻をよく知らなかったハーベスター、光の断罪者、ジョーカー、エビルウィッチ、黒い薔薇の娘たちは一斉にフレミアへとしがみ付く。
愛しい眷属たちに密着され、柔らかかったり弾力に富んでいたり将来性有望だったりする膨らみを押し付けられているフレミアだが、そんな役得状態にもかかわらず、彼女の頬もまた引き攣っていた。
「……ねぇ、雪花? さっきも言った通り、わたしは鰻にあまり馴染みが無いのだけど……何これ? UDCアースの邪神の眷属?」
「……れっきとした普通のお魚なのー」
自身の眷属筆頭の言葉を信じないわけではないが、フレミアとてこれを『普通の魚』と言われてそう簡単には納得出来ない。粘液を纏ってヌメヌメしているし、ひしめき合って蠢く姿はUDCの怪物の触手に似ているし……正直、足を踏み入れた途端にR18ばりに襲い掛かってくるビジョンしか浮かばなかった。
そこへ、掴み獲り大会の様子を見に来たらしいグリモア猟兵が声を掛けてくる。
「あ、フレミアちゃんや。……あー、これ見ると流石に、ビビるよなぁ……。うちも少し前に掴み獲りに参加したんやけど……最初の一歩がどうにも踏み出せへんかったもん」
「……ころな。あなたにも訊きたいのだけど――本当にただの魚なのよね?」
「普通の魚やよー。あ、ちなみにかなりの悪食でなぁ。ヤの付く職業の人が死体の処分に困った時に利用するっちゅう話も――」
「――そんな豆知識は今は要らないわよ!?」
とにかく、ころなの話も聞き――フレミアは全力で思った。あんな所に踏み込んで堪るかと。
……ただ、それでは掴み獲りが出来ない――そう考えるのは素人さんである。フレミアは歴戦の猟兵なのだから、手段などいくらでもあった。例えば……。
「こんなモノは念動力でまとめて捕獲してしまえばいいのよ……!」
「お? おおぉ……!?」
金のロングヘアをふわりと浮かび上がらせたフレミアに、ころなが感嘆の声を漏らす。
フレミアの強大な念動力は、汽水域全体をカバーし、その水中に居た鰻のことごとくを捕縛。一塊にして空中へと持ち上げたのである。宙に浮かぶ何千匹という鰻が寄り集まった球体を目の当たりにし、雪花がポツリと言った。
「……本当にUDCの怪物みたいでグロいのー……」
「しょうがないじゃないの、雪花! そこまでこだわってられないのよ……」
如何にフレミアでも、或いは万にも届くかもしれない数の鰻を全て念動力で拘束して移動させるのは骨が折れるらしい。それでも、彼女はじりじりと鰻の塊を岸の方へと引き寄せていく……。
――が、何千何万の鰻塊が、フレミアたちの上空へと差し掛かった時だった。
にゅるん、ピョンッ。
……そこから一匹、たった一匹だが、鰻がフレミアの念動力から逃れて飛び出してきた。その個体は絶妙な弧を描いて空中を泳ぎ、奇跡的に飛び込んだのである。
すぽんっ、にゅるるるんっ……。
「……え?」
フレミアの、高貴なる胸の谷間へと。そこを堪能するようににゅるにゅると蠢き回る。
「――っひゃぁぁああああああんっ!?」
一拍遅れて、フレミアが艶めかしい悲鳴を上げた。珍しく頬を染め、己の乳房の狭間で暴れる触手染みた魚類に身体を跳ねさせる。
――それで、フレミアの集中力はぷっつりと切れてしまった。
「……あ」
「……あ」
「「「「「「「「……あ」」」」」」」」
フレミア、ころな、フレミアの眷属たち……彼女たちのポカンとした声が唱和した途端――真上の鰻の塊が崩壊して、千の、万の数の黒く細長い魚類たちが雨あられと降り注いだ。
絹を裂くような悲鳴が、辺りに響き渡る。
「お、おねぇさまの馬鹿ー! やぁぁっ!? 水着の中に入ってくるのー!!」
「うひゃあっ!? フレミアちゃんのアホー! このぉ、胸に絡み付くんやないー!!」
「にゃああっ!? 尻尾の付け根噛まれたぁっ!!」
「猫又花魁ー!」
「わぁぁん! エージェントたちの出す触手よりヌメヌメするー!!」
「……それはそれでプライドが傷付くわね……」
「ヌルヌル滑って全然取れない……!?」
「んきゃああああんっ!?」
「ひゃああああああああっっ……!?」
……阿鼻叫喚の地獄絵図であった……。
そして時間を現在に戻せば……もうお解りだろう。
……そんな地獄絵図を展開させたフレミアに対して、ころな&フレミアの眷属たちがお説教中なのである。
自分も鰻の粘液に塗れたフレミアが、おずおずと反論した。
「わたしだって巻き込まれたんだけど……」
「おねぇさまは自業自得なのー……」
「ええ、フレミアちゃん? ああいう大掛かりなことをやる時はな、ほんまに周りに気を付けんと……」
雪花ところなの諭す声を聞きながら、フレミアは痺れてきた脚をもぞもぞと動かすのであった……。
成功
🔵🔵🔴
アイ・リスパー
「鰻の掴み獲りですか。
これまでは水辺は苦手でしたが、今回は違いますっ!」
今こそ、新たに手に入れた高機動型パワードスーツ(水着イラスト参照)の出番です!
電脳空間からパワードスーツを召喚。
変身バンクシーンで装着して出撃です!
「このパワードスーツの機動力なら、どんなに素早い鰻でも摑まえられますっ!」
【ラプラスの悪魔】で鰻の動きをシミュレート。
動きを予測して摑まえていきましょう。
「……って、こっちの鰻は電気ウナギっ!?」
電気ウナギがパワードスーツと身体の隙間に入り込み……
パワードスーツがショートしてエラー!?
「ちょっ、緊急パージってなんですかーっ!?」
アーマーパージで全裸になり悲鳴をあげるのでした。
島の汽水域、鰻の掴み獲り大会の会場にて、アイ・リスパー(電脳の天使・f07909)は既に勝ち誇った笑みを浮かべていた。
「鰻の掴み獲りですか。……これまでは水辺は苦手でしたが、今回は違いますっ!」
自信満々に言い切り、薄い胸を張るアイ。……ご存じではない方の為に説明しておこう。彼女は、猟兵屈指の運動音痴である。その上、ドジっ子でもあった。なので当然、泳ぎの方も一切出来ないカナヅチなのである……。
そんなアイが、水辺に来ていた。これはもう、フラグを踏み抜きに来たとしか思えない……。
「失敬な!? いいですか、本当に今日の私はいつもとは違うんですからねっ! 今こそ――新たに手に入れた高機動型パワードスーツの出番です!」
天の声へと反論しながら、アイは展開したホロキーボードに指を走らせた。電脳世界の申し子たるアイが、電脳空間より新装備を呼び出していく。
アイの身に纏うブラウスが、ベストが、ミニスカートが、ニーソックスやブーツまでも0と1へ分解されていった。青と白のストライプの下着さえも消え、一糸纏わぬ裸身を晒すアイ。そんな彼女の細やかな胸元と慎ましやかな股間とお尻回りへ、電子の光が集合していく。
――まず結実したのは、ピッタリと肌にフィットする黒い極薄の布地。その上に、白と赤で彩られた装甲が音を立てて装着される。両腕と両脚にも光が集って、ガントレットとグリーヴが構築された。最後に、アイの白い髪にもヘアバンド状のパーツが飾られて……彼女は笑顔で凛々しいポーズを決める。
「このパワードスーツの機動力なら、どんなに素早い鰻でも捕まえられますっ!」
確信をもって言い切ったアイ。これこそが、彼女が今年の水着コンテストでも披露した自信作。この夏のアイは一味違うのである。
――ところで、さっきも言ったがここは『鰻の掴み獲り大会の会場』であった。当然、そこには島民たちだって集まっているわけである。
……その事実を今さら認識したアイの頬が、見る見る内に真紅に染まった。
うん、本当に、ね……男性の島民だって居るこの場で、全裸を余す所無く晒して生着替えなど、サービスが良過ぎである。島の男性たちの結構な数が、前屈みになったりしゃがみ込んだり。彼らだって今の島の状況のせいで、朝昼晩の三食が鰻だったりするのである。精力がギンギンな彼らがあんなお宝シーンを見せられれば、ビンビンになってしまっても仕方が無かった。
「……ぅ、うわぁぁんっ! いいです、もう……出撃ですっ!」
羞恥心に背中を押され、アイは鰻が群れを成す水の中へと突撃していった。
――そして、沈む。
……しばらくお待ち下さい。
「はあっ、はぁっ、はあっっ……!?」
どうにか岸辺に這い上がったアイは、瞳を困惑に揺らした。
「……何で沈むんですか……!?」
そりゃあ……金属製のパワードスーツは、そのままでは水に浮きませんから。いくらビキニアーマーレベルの面積であっても……。
「……落ち着きましょう。ここは『ラプラスの悪魔』です……!」
アイは、自身の未来予知クラスの状況シミュレーションユーベルコードを発動させる。
(この汽水域に存在する全ての鰻の動きが、手に取るように解ります!)
同時に、汽水域の深さもアイは把握した。今度は自身の足が届く場所を見定めて、鰻の群れに挑んでいく。
「――一匹目! そして二匹目です!」
寸前までと打って変わり、鮮やかに鰻を捕まえていくアイ。その動作の一つ一つが繊細かつ素早いのは、パワードスーツの恩恵なのかもしれなかった。
「さぁ、九匹目! これで二桁突入の――えっ?」
その瞬間、『ラプラスの悪魔』がアイに警鐘を鳴らした。が、些か調子に乗っていたアイは、それへの反応が遅れる。彼女が今、捕まえた鰻は……。
「……って、こっちの鰻は電気鰻っ!? っきゃあっ!?」
アイに無造作に掴まれた電気鰻は、それから逃れようと放電。それにアイの手は緩んでしまう。その隙を逃さなかった電気鰻はアイの腕を這い登り……腋から彼女のパワードスーツの中へと潜り込んだ。
――直後、衝撃がアイの肉体を駆け抜ける……。
「……あ……」
パワードスーツ内で放電され、電気ショックでアイの身体から力が抜けた。同時に、パワードスーツがけたたましいエラー音声を奏でまくる。
『Error! Error! Error! 緊急事態によりパージを開始します――』
(……ちょっ、緊急パージって何ですかーっ!?)
声を上げたいアイだったが、舌まで痺れていて声が出せない。彼女が為す術無いまま、パワードスーツが弾け飛ぶ。
(っきゃぁぁああああああああああああっっ!?)
……アイ、本日二度目の全裸であった。しかも、電気ショックからくる麻痺で、身体を隠すこともままならない。
――否、アイに迫る今日最大のピンチは、そんなことではなかった。
汽水域の浅瀬で膝を突いた裸のアイの周りに、大量の……本当に大量の鰻がにじり寄ってくる。その動きは、獲物に襲い掛かる前のUDCの怪物の触手に似ていた……。
「……ぁ……ゃ……」
(あのっ……ちょっと待って下さいっ!? この場には島の人たちが、男性だってたくさん居て……その人たちが今、わたしを見てるんですからっ……!?)
目で鰻たちに訴えるアイだが――生憎、人の言葉を介さぬ鰻たちは、アイコンタクトなどもっと介さなかった。
ただ、言えることがあるとすれば――鰻には、『穴に潜り込もうとする』性質があるという……。
「――ひぃぁぁああああああああああんっっ!?」
……アイの、悲痛な啼き声が汽水域へこだました。
「あぁっ、あぁっ、やぁぁっ……❤ 中でっ、そんなっ、のたうっちゃ……駄目ですぅっ……❤」
アイの大事な所は、鰻の巣にされてしまった……。
「ひっ、ひぃぅ……❤ そんないっぱい、無理ですからぁっ……❤」
……それも一匹や二匹ではなかった。殺到した鰻たちがその身体の細長さとぬめりを活かし、アイの内部へと次から次に潜り込んでいく。
「あっ、あっ、あっ……❤ お尻、はっ……堪忍して下さいぃ……❤」
前だけでなく後ろも鰻に不法占拠され、アイの背筋は何度も反り返った。
……そして……。
「そ、そこ、赤ちゃんの部屋ですからっ……っ……っっっっ~~~~❤」
己の最奥の一室にさえ鰻の侵入を許してしまったアイは、そのまま快楽の海へと轟沈していったのである……。
……せめて、溺れないことを祈る。合掌。
成功
🔵🔵🔴
レヴィア・リヴァイアサン
【淫魔組・POW】
「今日は先輩女神の皆さまとご一緒です…ふふ、楽しみです♪」
早速ステラさまが空へ、イプさまは鰻の群れへ突っ込んで行きました
わたくしも早速捕まえて皆さまに褒めてもらって…えへへ
と言う訳で鰻を捕まえようと…えいっ、えいっ!
…――上手く行きません。気付けば鰻の粘液と海水で水浸し
ビショビショになってしまったサマードレスを脱いだら
その下の低身長爆乳ビキニ姿を晒して
あどけない顔立ちに凶悪バスト、わがままボディを水着は包みきれず…
周囲から見られt恥ずかしい…恥ずかしさ耐性は1なのです
と、イプさまとステラさまが鰻に群がられヌルヌルと大変なことに!
は、早くお助けしないと……――あ。(転倒フラグ)
ステラシエル・ルチフェロ
【アドリブ歓迎】
【淫魔組】
アイルビーバック!
金色ビキニに身を包み島に降り立つわ!
鰻を食べるのよね!
しかもつかみ取り…ふふふ、女神らしく荘厳に捕えるわ!
イプにモルテ、レヴィアも見てなさい!
あんた達には捕えられない大物を捕まえてあげる、いざ海へ!
――!
大物発見!
黒くて太くてヌルヌルすごい…
けど、負けないわ!
あ、こら抜け出さないの!
くぬ!上へ逃げて…逃がすわけないでしょ!魔力を足場に捕まえるわ!
よし!完全に捕まえたわ!鰻ゲット…
あれ?なんで空中に?
ひゃぁぁ!?
あたた…下が海で良かっ…ぬる?
鰻の群れ!?こ、こら水着の中に入るなぁ
そんな所まれぇ!
こうなったら道連れよ
アイツらも鰻地獄に落とすわ!
イプシィ・アスモディア
【淫魔組】
うなぎで人類は空を飛べるのか。命題は証明困難であっても
少なくとも神は飛べる、飛べるのだ…――今飛んでったから
「アハハハ♪ まさか本当に空飛ぶとかちょっとステラ凄すぎるよっ♪」
さて、一通り笑ったからボクもうなぎ捕まえないとだね♪
このために今日の水着は銭湯にも耐えられる最新式ビキニ
ちょっと、かなり面積小さいけどその分動きやすいし
その方が『見てるみんな』も嬉しい…よね♡
さて…どのうなぎ狙おうか?
あっ、あそこにいい感じのうなぎの群れ発見♪
ボクは迂闊に飛び込んでヌルヌルグチョグチョになんてならないから♪
…と頭上からステラが落ちてきて
こ、こんなサービスシーン台本にないよっ!? ゃ…ん、らめ…ぇ♥
モルテマリア・ベルフェゴール
【アドリブ歓迎】
【淫魔組】
うふふ、真珠像効果もあってますます神々しくなりましたねステラちゃん…♡
まぁそれはおいておいて
じゅうじゅう、ぢゅわぢゅわ…♡
ううん良い香り…早速捌いたウナギをこれこう焼いて炙って
かぷ おいしいっ!
うふふ、ころなさんにもおすそ分けでしょうか~♪
去年の熱きあのお肉の祭典を思いをはせてしまいつつ…
あ、頑張りすぎてなんかステラちゃん浮いてる?
イプもレヴィアちゃんも交じって。ああ、ああ~♪
……ずるい!私も仲間にいれください!
と、なんか助けようとしてるレヴィアちゃんとイプを巻き込むようにダーイブ!
(うぞり。みちり。どたぷン)
…やン♥ でもいっぱい鰻捕まえて今夜は寝かせませんよぉ~!
「――アイル・ビー・バーック!!」
鰻の掴み獲り大会の会場たる島の汽水域に、元気いっぱいな声が轟いた。
身長150cm弱と小柄ながら、バストのサイズはメロンの如く。そんなアンバランスな肢体を金色のビキニで装ったステラシエル・ルチフェロ(輝く明星・f25565)が仁王立ちしていた。
「女神の降臨よ! さぁ、私をちやほやしなさい!」
かつて、鰐のコンキスタドールに支配されたこの島に降り立ち、島の人々を解放する為に……もとい、その様子を配信して自身の信者を増やそうとしたステラシエル。……その際に結構酷い目に遭っていたはずなのに、懲りずもせずに再びこの島を訪れていた。
そんなステラシエルの姿を、やや離れた所から見詰める三人が居る。
「うふふ、真珠像効果もあってますます神々しくなりましたね、ステラちゃん……❤」
ステラシエルの友人であり、黒の……凄まじく布面積極小のフリルビキニで惜しげも無くたわわなボディを晒したモルテマリア・ベルフェゴール(サクラメント・アップル・f17390)。
「いやぁ、もう……ステラがフラグを踏み抜く姿が早くも幻視されるよ♪」
もう一人のステラシエルの友人であり、こちらもちょっと……かなり布面積少なめなビキニで決めたイプシィ・アスモディア(ジ・アスモダイXII・f16507)。
「今日は先輩女神の皆様とご一緒です……ふふ、楽しみです♪」
そして、彼女はこの島に来るのは初めてのレヴィア・リヴァイアサン(オーバーローデス・マーメイド・f26627)。サマードレスの上からでも、先輩たちに負けず劣らずの恵まれた肢体が良く解る……。
「鰻を食べるのよね! しかも掴み獲り……ふふふ、女神らしく荘厳に捕まえるわ!」
友人二人と後輩の方を振り返り、ステラシエルはビシッと指を突き付けた。
「イプにモルテ、レヴィアも見てなさい! あんたたちには捕まえられない大物を捕まえてあげる! いざ、海へ!!」
そう告げて、ステラシエルは意気揚々と海……正確には汽水域の方へと駆けていった。その背中にレヴィアは拍手を送り、イプシィは期待に満ちた眼差しを向けている。……おや、モルテマリアが居ない……?
ともかく、鰻たちが群れ成す水の中へと走り込んだステラシエルだが、彼女は有象無象の鰻には興味が無かった。紫の眼光が鋭く周囲を撫でて……。
「――! 大物発見!!」
ステラシエルが向かった先には、まさに宣言通りの大物の姿があった。
ここまでにも、10m級の鰻を他の猟兵たちが捕獲していたが――ステラシエルが見付けたその個体は、さらに大きい。15mはあるかもしれない……。
ほとんど怪獣と言ってもいいその鰻に、ステラシエルは果敢にもしがみ付いた。
「黒くて、太くて、ヌルヌル凄い……」
その存在感、逞しさに、一瞬臆病風がステラシエルの胸中に吹き掛けるが……。
「……けど、負けないわ! あ、こら、抜け出さないの!」
巨大鰻を持ち上げ、岸へと運ぼうとするステラシエルだが、巨大鰻の方はそれに抵抗した。にゅるんと巨躯を振り、ステラシエルの腕から真上に逃げようとする。
「くぬ! 上へ逃げて……逃がすわけないでしょ!」
ステラシエルは自身の魔力を凝縮させて、空中に足場を形成。それに乗って逃げた巨大鰻を追い掛けて再捕縛する。
……にゅるんっ。
「また逃げないの! この……!」
さらに上に逃げた巨大鰻を追って、ステラシエルが魔力の足場を構築。それに乗って今度こそ捕縛。
……にゅるんっ。
「また逃げてー! このっ……!!」
にゅるんっ、がしっ。
にゅるんっ、がしっ。
にゅるんっ、がしっ……。
「……鰻で人類は空を飛べるのか? 命題は証明困難であっても、少なくとも神は飛べる、飛べるのだ……――今飛んでったから♪」
遥か上空――雲の高さへと消えていったステラシエルを地上から見送り、イプシィはとうとう耐え切れなくなった様子で噴き出した。
「アハハハ! まさか本当に空飛ぶとかちょっとステラ凄過ぎるよっ♪」
お腹を抱えてケラケラ笑い転げるイプシィ。……ひとしきり笑った後、目尻の涙を拭いて表情を引き締める。
「さて、一通り笑ったからボクも鰻捕まえないとだね♪」
そう言って、そっと纏うビキニのトップスへ手を当てるイプシィ。
「この為に、今日の水着は戦闘にも耐えられる最新式ビキニ。ちょっと……かなり面積小さいけど、その分動き易いし……その方が『見てる皆』も嬉しい……よね❤」
妖しく、悪戯っぽくウインクしたイプシィの視線の先には、彼女の撮影用の使い魔たちの姿。こんな楽しいイベントを、イプシィが動画配信していないわけがなかった。
イプシィもまた、鰻たちの待つ水の中へと駆けていく。
それに触発されて、レヴィアも動き始めた。
「早速ステラさまが空へ、イプさまは鰻の群れの中へ突っ込んで行きました。わたくしも捕まえて皆様に褒めてもらって……えへへ」
先輩たちに褒めてもらうべく、レヴィアの奮闘が始まった。
「――えいっ、えいっ! ……上手くいきません」
……が、残念なことに、レヴィアの奮闘は実を結ばなかった。どう頑張っても鰻を捕まえられない……。気が付けば、折角のサマードレスも真水と海水が入り混じった汽水域の水に濡れ、それどころか鰻の粘液で汚れていた。
「……うぅ……」
折角のお洒落がびしょびしょになり、しょんぼりとした顔をするレヴィア。一旦岸へと戻った彼女は、仕方が無いとばかりにサマードレスに手を掛けてそれを上へと引っ張って脱ごうとする……。
――ボイインッ!
……凄まじいものが零れ出ましたよ!?
そこは、先輩たちに全く負けていない低身長爆乳ボディ! それを包むのは、あまりにも頼りないビキニ水着……!
ほら……サマードレスに引っ掛かったトップスが一緒に上へと引っ張られて……あと少しで、胸部の大山の天辺が、お目見えしそうに……!!
プルンッ……ピンッ……!
「――あ。……っっっっ……!!」
ようやくそれに気付き、脱いだばかりのサマードレスを胸に押し付けてしゃがみ込んでしまうレヴィア。その頬は赤々と燃え上がり、目の端には涙の粒さえ浮かんでいる……。
あどけない顔立ちのレヴィアの見ることに罪悪感すら覚える痴態に、鰻の掴み獲り大会を見守っていた島の男性陣は直立出来る人が一人も居なくなっていた。
――その時である。
「……さて、どの鰻狙おうか? あ、あそこにいい感じの鰻の群れ発見♪」
汽水域を泳ぎ回っていたイプシィが、良い感じに集合している鰻たちを目敏く見付けた。そちらに向かってじりじりと進んでいく。
「ボクは迂闊に飛び込んでヌルヌルグチョグチョになんてならないから♪」
しっかりとタイミングを見計らって鰻を捕まえる……そんな心積もりで鰻の群れを観察していたイプシィの耳に、「ぁぁぁああああ……!?」という聞き覚えのある声が届いた。
「……ん?」
何となく嫌な予感がして、イプシィが空を仰げば――その両腕にしっかりと15m級の鰻を抱き締めて、流星の如く墜落してくるステラシエルの勇姿!
……問題は、落下地点がちょうどイプシィをロックオンしていることで……。
「ちょっ、ステラ!? わぁぁっ!? こっち来ないでよー!!」
「イプこそ退いてぇぇええええっっ!?」
――盛大な水柱が上がった。……その横を仲良く吹き飛ぶイプシィとステラシエル。
二人が弧を描いて向かう先には――この汽水域でも一番大きな鰻の群れがあった。
「こうなったら道連れよ……イプも鰻地獄へ落とすわぁぁっっ!!」
「こ、こんなサービスシーン台本に無いよっ!?」
――二本目の水柱が上がってほどなく、ステラシエルとイプシィの嬌声も上がり始める。
「こ、こら、水着の中に入るなぁ! ――ひゃっ!? あっ……あぁっ……❤」
ステラシエルの金色の布地に隠された恥丘にて、細く長いものが蠢いていた。……それの長さは、徐々に短くなっていっていて……。
「は、入っ……❤ そんな所……奥まれぇっ……❤」
背筋を反り返らせたステラシエルの胸部で強調された連峰が、鰻たちに登山されていた。螺旋を描くようにステラシエルの乳山を登った鰻たちは、トップスの布地がずれてお目見えしたその天辺のピンク色をはむはむと頬張る。
「んんんん~~~~っっ❤」
ステラシエルは痙攣を繰り返し、水面で浮き沈みを繰り返した。
彼女から少し離れた水面では……。
「ゃ……ん、らめ……ぇ❤」
イプシィがトロトロに蕩けていた。
イプシィの前の穴にも後ろの穴にも鰻が殺到し、我先にと潜り込んでいく。イプシィの中は大変居心地が良いのか……鰻たちは奥を、さらに奥を占拠していくのだ。
イプシィの下腹部など、鰻たちの動きに合わせて内部から押し上げられている。
「はっ……❤ ボクのお腹の中……鰻たちの巣になっちゃぅ……❤」
ずれたビキニのトップスから見えた鏃のように尖った乳首が、イプシィの悦びを表現していた。
……先輩たちのとんでもない姿に、レヴィアが焦燥感に駆られた声を上げる。
「イプさまとステラさまが鰻に群がられヌルヌルと大変なことに!? は、早くお助けしないと……!」
浅瀬をジャブジャブと歩いてそちらに向かったレヴィアだが……あと少しという所で、別の鰻の群れを踏ん付けてしまう。
「……あ――」
転んだ先の水中に待ち受ける膨大な数の鰻が見えて、レヴィアは涙目になった。
「やっ、あっ、やぁぁああああああああああっっ!?」
せめて股間の一番大事な所だけは両手で守るレヴィア。……代わりに、その凶悪なバストに、お尻にも鰻たちが群がった。特にバストの方は、何匹もの鰻に絡み付かれ、その間から柔肉がはみ出して淫らにたわんでいく。
「だ、駄目ですっ、もっと優しく……痕が、残っちゃいますからっ……!」
乳房へと降り注ぐ鰻たちからの乱暴なキスに、レヴィアは涙声を上げるのだった。
「………………」
そんな三名の様子を、グリモア猟兵の灘杜・ころな(鉄壁スカートのひもろぎJK・f04167)は顔面を耳まで真っ赤にして唖然と見詰めていた。……その隣では……。
じゅうじゅう、ぢゅわぢゅわ……❤
「……❤」
炭火を起こした七輪で捌いた鰻を炙り、モルテマリアが実に幸せそうな笑みを浮かべていた。焦げたタレが、何とも食欲をそそる香りを上げる。
「ううん、良い香り……❤ もう、いいですよねっ」
焼き上がった鰻の蒲焼きをかぷ、ぱくり。モルテマリアの幸福そうな表情がさらに深まる。
「ん~、おいしい❤ あ、ころなさんにもお裾分けです」
「……う、うん、あんがとね……」
蒲焼きを受け取ったころながもぐもぐとそれを口に運ぶ。……その視線はステラシエル、イプシィ、レヴィアの惨状から逸らされなかったが……。
「こうしていると、去年のあの熱きお肉の祭典を思い出しますね……」
「……もう一年過ぎたんやねー……」
去年、ころなが主催したスペースシップワールドのバカンス宇宙船を会場としたBBQパーティー、モルテマリアはそれの参加者だったのである。それをきっかけに交流を持ったモルテマリアところなは、他の三女神が色々と頑張っている間、こうやって鰻を食べつつ旧交を温めていたのだが……。
……そろそろころなの方が限界だった。
「ねぇ……モルテマリアちゃん? あれ……大丈夫なん……?」
ころなが指差したことで、やっとモルテマリアも友人たちと後輩の現状に気が付いた。
「……あ、頑張り過ぎて何かステラちゃん浮いてる?」
……鰻に、その手管に、敗北されてしまったのです……。
「イプもレヴィアちゃんも交じって……ああ、ああ~♪」
やっと事態を完全に認識し、モルテマリアが立ち上がった。
「――ずるい! 私も仲間に入れて下さい!!」
「……えっ?」
ころながツッコむ暇も無く――モルテマリアはイプシィと何とか彼女の傍まで辿り着いたレヴィア目掛けてダイブした。
……うぞり、とか。
……みちり、とか。
……どたぷん、とか。
そんな音がした……。
モルテマリアのとてもご立派な魅惑の肢体にも、鰻がこれでもかと押し寄せてくる。
穴に潜り込む性質があると言われる魚類たちは、モルテマリアの気持ち良さそうな穴へ競争のように侵入を試みていき……モルテマリアは甘い声を上げながらそれらを受け入れていった。
「あっ❤ あんっ❤ あぁっ❤ はぁぁっ❤」
ステラシエル、イプシィ、レヴィアの誰よりも太い鰻を自分の女性の中へと呑み込みながら、豊満な乳房の谷間で十数匹もの鰻を挟み込みながら、モルテマリアは淫蕩に微笑む。
「……やン❤ でも、いっぱい鰻捕まえて……今夜は寝かせませんよぉ~!」
このモルテマリアの艶姿を見ただけでも、島民の男性の相当数が今夜は眠れなくなりそうである。……もちろん、ころなも。
「あっ❤ あっ❤ ああぁぁああああああああああ~~~~~~~~~~❤」
汽水域中の鰻たちによって身体を蹂躙されていくモルテマリアは、同時に自らの肢体を罠に、鰻たちを次々と己へと取り込んでいっているようにも見えるのだった……。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
日和見・カナタ
鰻……食べたことはありませんが、とても美味しいらしいと聞いたことがあります。
島民の方も困っているみたいですから、捕獲に協力した後でご一緒させてもらいましょう!
ということで、水に潜って鰻を捕獲します!
ぬめりが厄介なようですが、『電光丸』の精密動作があればバッチリ捕まえられるはずです!
暴れる鰻には「属性攻撃」も使って、弱めの電流で大人しくしてもらいますよ!
思ったより順調ですし、意外と鰻捕りの才能があるのかもしれませんね……って、あれ?
鰻の群れがこちらに向かって来ているような……。
【アドリブ、協力歓迎】
島の汽水域、鰻の掴み獲り大会の会場にて、日和見・カナタ(冒険少女・f01083)は「ふむ」と思案していた。
「鰻……食べたことはありませんが、とても美味しいらしいと聞いたことがあります」
冒険心が非常に強く、何事にも興味を持つ女の子であるカナタ、今日は鰻という未知の魚に興味津々の様子だ。
「島民の方も困っているみたいですから、捕獲に協力した後でご一緒させてもらいましょう!」
そう決めて、蒸気機関で動く鋼の両手を打ち合わせるカナタ。同じく蒸気機関で動く鋼の両脚で砂浜を駆け、鰻たちが待ち受ける水の中へドボンッと飛び込む。
見た目とは裏腹に、カナタの両腕両脚と置き換わった蒸気機関の義手と義足は、水に沈んだ程度で動かなくなるほどやわではない。格好だって、フリルやリボンで華やかに飾られたセパレートの水着にとっくに着替え済みなのである。カナタの水中大冒険を阻む要素など何も無い。
目指すお宝は、たくさんの鰻だ。
とはいえ、本当にこの島には今、鰻が大挙して押し寄せているらしい。わざわざ探すまでもなく、ゴーグルを装着したカナタの視界に泳ぎ回る鰻たちの姿が飛び込んでくる。
それらに向けて腕を突き出すタイミングを計りつつ、カナタは島民たちや他の猟兵たちから聞いた鰻の特徴を頭の中で反芻した。
(身体が細くて長くて、表面が粘液でヌルヌルしているんでしたね……)
他にも「結構悪食だ」とか「狭い所に潜り込もうとする性質がある」とかも聞いたけれど、ひとまず今は考慮する必要はないだろう。
(ぬめりが厄介なようですが……私が相手なのは運が悪かったですね!)
このタイミング! ――と見定めて伸ばされたカナタの義手が、見た目のゴツさとは裏腹の繊細な動きで鰻をしっかりとホールドする。ヌルヌルとした体表も、絶妙な力加減で金属製の指が喰い込んでいる為、滑り易さを発揮出来ない。
それでも必死で暴れる鰻だが――次の瞬間、ビクンッと痙攣して、くたっと力が抜けた。……カナタが、『電光丸』という名のその義肢より微弱な電流を放って気絶させたのである。
同じ要領で、カナタは次から次へと鰻を捕獲していった。
「思ったより順調ですし、意外と鰻獲りの才能があるのかもしれませんね」
(……って、あれ?)
水面から顔を出して息継ぎした後、再び水中へと戻ったカナタは、ゴーグル越しに目をパチクリさせた。
(……鰻の群れがこちらに向かってきているような……?)
それは、カナタの勘違いではなく……やがてその群れはカナタの手の届く範囲にまで迫ってきた。それでも、ここまでの順調な鰻の捕獲率に自信を高めていたカナタ。今度の鰻たちも受けて立つことに決める。
まずはその中の一匹目を、電光丸にて掴み獲った。
(今までで一番、太くて大きいです!)
大物に心躍らせつつ、カナタはその鰻にも電流を流し込んだ。……のだが……。
(……えっ?)
その鰻はそれでは気絶せず、カナタの掌中で大暴れした。今までの必勝パターンが通じなかったことで、カナタの胸中に動揺が広がる。――そこを突かれて、鰻はカナタの指の拘束から抜け出した。そのまま彼女の義手を這い登って……。
(――ひゃああああああああっ!?)
……カナタの水着のトップスの中へと潜り込んできた。彼女の脳裏に『鰻は狭い所へ潜り込もうとする』という豆知識が思い出される。
そして、その豆知識はこの群れの他の鰻たちにも当て嵌まったようであった。殺到してきた鰻たちが、カナタの水着のスカート状のボトムス内へと潜り込み、さらにその内のショーツ型のボトムスにまで潜入を試みてくる。
(ちょっ、待っ……出てってー!!)
電流を帯びた左右の義腕でバシバシ鰻たちを叩きまくるカナタだが、今度の鰻たちは痺れてはくれず、余計にカナタの水着の奥を目指してきた。ゴーグルの内で涙目になりながら、どうにかする方法を彼女は思考する。
まあ、一体どうなっているのかといえば、此度の群れの鰻たちが一際大きくずんぐりとして、その身にたっぷりと脂肪を蓄えていたことが原因だった。
他の猟兵に遭遇した者が居たが――電気鰻。彼の魚は自分の放った電気で自分が痺れたり気絶したりすることは無い。それは、分厚い脂肪で重要な器官を守っているからなのだ。
要するに――『微弱な電流ならある一定以上の脂肪で防げる』。……鰻の魚体を傷付けぬように、気絶させる為の電流は最小限にしていたカナタ。そのせいで今度の鰻たちを気絶させるには若干、威力が足りなかったのだ。
(そ、それ以上奥は駄目だよ!!)
お尻の方からボトムスの中に侵入した鰻の一匹が、お尻の割れ目に沿うようにしてカナタの身体を這ってくる。女の子的危機感に見舞われたカナタは、咄嗟に『ガジェットショータイム』を発動させていた。
……出来上がったのは、楽器のシンバルに似たガジェット。焦るカナタは反射的にそのガジェットを本物のシンバルのように打ち合わせた。
――ガッッシャァァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアンッッッッ!!
……数秒後、腹を上に向けた鰻たちが水面に浮いてくる。ついでに、ぐったりとしたカナタも浮いてきた。
水は、空気よりもずっと音や衝撃を伝え易いのである。UDCアースの日本の古い漁のやり方の中には、水中の岩をハンマーで叩き、その衝撃を水の中に伝播させて魚を気絶させて獲るというものもあった。
ガジェットによって発生した音の衝撃を水中で受けたせいで、鰻たちも、カナタも目を回していたのである……。
なお、音を使った魚獲りは今の日本では法律で禁止されているので注意されたし。
成功
🔵🔵🔴
彩波・流江
(アドリブ歓迎です!)
今年用意した水着で、掴み取りに参戦です
まずはUCで力を(n +1)等分して(n)体の分身を出します
ふっふっふ、これで鰻を囲い込んで一網打尽ですよ(なお、掴み取りは初挑戦の模様)
…なぁにこれぇ、水面真っ黒で…水に入ってからずっと足とかに鰻が触れてヌルヌルしてます…
頭がいくつもある鰻なんて初めて見ました…喧嘩したりとかしないんでしょうかねー…って、わわっ…(躓いて水面にダイブ)
途中、想定外が起こりましたが…なんとか捕まえられました!
蒲焼きとか串焼きにしましょうか、卵も使って鰻巻きが良いでしょうか、迷いますね〜
あっそうだ、グリモア猟兵さーん!(アイデア求めるついでに食事の誘い)
島の汽水域にて行われている、鰻の掴み獲り大会。
その様子を砂浜から見据えつつ、彩波・流江(不縛神フルエリュト・f25233)は胸を張っていた。
「ふっふっふ、秘策を携えて、私も掴み獲りに参戦です」
自信満々な様子の流江、何やら彼女なりに鰻を捕まえる為の作戦を考えてきた模様である。
うん、まあ、それは乞うご期待でいいのだが……。
流江は、今年の水着コンテストの為に新調した水着をここでも着用していた。白地のビキニで、青いフリルがアクセントとして飾られたそれは大変可愛らしい物であったのだけれど……。
ちょっと、その……流江さんのおカラダには、少々小さかったのではありませんかね!?
流江の大変ご立派なサイズの乳房は、上乳も横乳も下乳も大胆に露出しているし、ボトムスの方も案外布面積が少なめでおへその下の下腹部が結構露わになっている。その上、トップスの方もボトムスの方も細い紐を縛って留めるタイプの品である為、何というか非常に……デンジャラスな雰囲気を醸し出していた。
……この島の男性たちは今の状況の結果、朝も昼も夜もご飯のおかずは鰻という人も多いのである。それ故に精力が有り余っている彼らの前で、流江がそんな大胆な格好で胸の膨らみを強調するように揺らしたら……不自然に前屈みになったりしゃがみ込んだりする人が続出してしまうのであった。
そうやって島の男性たちへ無自覚のテロリズム(……エロリズム?)を敢行した流江は、意気揚々と鰻の掴み獲りに挑んでいく。
「『我が身の写し身よ、静かに揺蕩いし力の源泉より出立しなさい』」
朗々と唱えて、ユーベルコードを発動させる流江。彼女のその姿が、さらに一人……二人……三人と増えていく。
……今の核弾頭級の破壊力を持つ流江が、何人にも増えていくという事態。普通であったらこの島の男性陣へ深刻な被害を与えていたであろうが――幸いにもこの『偽神の分け御霊』にて召喚された流江の分身は非常に発見され難い性質を有していた。一般人である男性島民たちには認識されていない。被害の拡大は発生しなかった。
「ふっふっふ、これで鰻を囲い込んで一網打尽ですよ」
自分のもたらし掛けた被害に全く気付いていない流江は、そんなこんなで分身たちと一緒に水の中へと足を踏み入れるのであった。
……そして数分後、流江は打って変わって弱気になっていた……。
汽水域の浅瀬に立ちすくみ、プルプルと震えている……。
「……なぁに、これぇ、水面真っ黒で……水に入ってからずっと足とかに鰻が触れてヌルヌルしてます……」
涙目で動けなくなっている流江は、鰻の掴み獲りの経験など一切合財無かったのである。
……それで何故、ああも自信満々だったのか……?
本体がこんな有様なのだから、分身たちだってそうそう違っているはずも無く……何体かは早くも転んで水の中……鰻の群れの中にダイブしていた。そうなれば、本体と同様に極めて大胆な水着姿の分身たちがどうなるかなど明白で……。
「きゃああああっ!? 水着の中、潜り込まないで下さい~!!」
ボトムスの、クロッチ部分の向こう側で鰻に跳ね回られている分身も居れば……。
「あっ、あっ、あっ、あっ……❤ おっぱい……先っぽ……噛んじゃ、駄目ですっ……❤」
その爆乳を渦巻き状に這い登った鰻によって、先端部をはみはみされて悶えまくっている分身も居る。
極め付けとしては……。
「……っ❤ ……っっ❤ っっっっ~~~~~~~~❤」
……前の大切な穴も、後ろの不浄なる穴も、幾匹もの鰻に占拠されてしまった分身。双方の穴に潜り込んだ鰻たちがのたうつ度に腰や脚をビクビクビクンッ! と痙攣させ、最早声にならない声を上げている。
「……私は、絶対にああはなりませんよ!!」
分身たちが一般人には見えていなくて本当に良かったと、胸を撫で下ろす流江だった。
何にせよ、分身たちの惨状を見ることで逆に冷静になった流江は、慎重に鰻の掴み獲りを試みていく……。
「……頭がいくつもある鰻なんて初めて見ました……。喧嘩したりとかしないんでしょうかねー……って、わわっ……!?」
その、三つ頭がある鰻が反抗的に流江の顔目掛けて噛み付こうとした。意外に鋭い牙を覗かせる鰻の三つ首に、思わず流江は身体を仰け反らせる。……それがいけなかった。足が別の鰻を踏んでヌルッと滑り、本体の流江もまた水面を激しく叩いて転倒する。
「やっ……いやぁっ!」
痴態を晒していた分身たちの姿が走馬灯のように過ぎって、流江は大急ぎで水の中から跳ね起きた。……すぐに起き上がったのが僥倖だったのだろう。鰻たちが絡み付いてくるよりも早く、流江は立ち上がることが出来た。……出来たのだが……。
「……あ、あれ? 何か少し重いです……?」
微妙な重量を感じ、流江が視線を巡らせれば……自分の水着から伸びた紐に噛み付いている鰻が数匹。それが重さの原因だと解って、大事は無さそうだとほっとした流江だが……。
――大事はあった。何せ、鰻たちが噛んでいた紐は、流江の水着を留めている結び目に繋がっていたのだから。
鰻たちの重みと暴れる反動で、その結び目が――解ける。
「……えっ? ………………。――きゃわぁぁああああああああああああああああああ~~~~~~~~~~~~~~っっ!!」
……その日、流江の豊満な乳房の珊瑚の欠片のような頂点も、安産が期待出来るお尻の魅惑的な渓谷も、そして……いずれは後継者たる女神を生むかもしれない大事な聖域も、ことごとく白日の下に晒された。
それを目撃することになった島の男性たちは……。
――ある者は大量の鼻血を噴いてぶっ倒れ。
――ある者はかつてないほど大きくなってしまった己の分身に完全に動きを封じられ。
――またある者は我慢し切れなくなってこそこそと物陰へと向かったのであった……。
これこそが、この島で年々語り継がれていくことになる『流江様マジ女神事件』の全容である……。
「……な、何とか鰻を捕まえられました……!」
……途中、想定外の事件が起こったものの、流江は辛うじて一匹の鰻を捕まえることに成功した。
あれだけの目に遭って、一匹も鰻を捕まえられなかったら本当に目も当てられなかったはずである……。
「まあ、『ちょっと変わった鰻』ですけど、食べられますよね?」
水を入れたバケツの中で泳ぐその鰻を見下ろしながら、流江は思案する。
「……蒲焼きとか串焼きにしましょうか? 卵も使って鰻巻きが良いでしょうか? 迷いますね~。――あっ、そうだ、グリモア猟兵さーん!」
辺りを散歩中の灘杜・ころな(鉄壁スカートのひもろぎJK・f04167)を見付けた流江が、彼女にアイディアを求めるついでに食事へと誘おうと駆けていく。
……この後、流江が捕まえた体色の大部分が黄色く、所々に黒いまだらが入った鰻にころながビックリし、それに何だ何だと集まってきた他の猟兵や島の人々もまた目を白黒させ、やがて鰻の知識が豊富な者から『バナナ鰻』と呼称される突然変異体だと解説が為されるのであった。
バナナ鰻は10万匹に1匹しか居らず、幸運をもたらす鰻とされる。
流江の、そして猟兵たちのこの夏の幸先は非常に良いものになりそうであった……。
大成功
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