湯けむり温泉誘拐事件(作者 みみずね
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#サクラミラージュ  #ふざける方のみみずね 


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#サクラミラージュ
#ふざける方のみみずね


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●「きゃー」と悲鳴が聴こえたら
 一も二もなく走り出せ。

●みんなアイスとか好き?
「夏だなー」
 エリオス・ダンヴィクトルなるグリモア猟兵はきみたちを一通り見渡してそんなことを言い出す。
「夏と言えば海! 焼きそば! アイス! かき氷!!
 ……って言ってやれれば良かったんだけど、残念。今回は温泉の依頼なんだな」
 まぁ、風呂上がりのアイスとかもいいよな。コーヒー牛乳とか。

 なんでこの暑いのに温泉入んなきゃいけないのかとか聞かないでくれ。俺だって選べるなら海行きたい。
「んでな。ちょっと面倒なことを言うんだけど」
 予知の内容は、サクラミラージュのとある人物が拐われる、というものだ。場所は石像立ち並ぶ不思議な感じの温泉旅館。そこまでは別にいいんだが、
「今回、『きゃー』と悲鳴が上がるとこまでは、確定事項なんだわ」
 拐われるのを未然に防ぐのは不可能、ということだ。つまりみんなにやってほしいのは、
「とりあえず好きに温泉旅館で過ごして、悲鳴が上がってから動いてくれればいい」

 シンプルだろ?
 にぃやりと笑うエリオス。悪役の顔だが??
「人さらいがオブリビオンによるものなのは確定だから、そこんとこは深く考えなくていいしな。旅館のほうは通常営業中だけど、まぁ……派手に建物壊すとかしなきゃなんでもいいよ」
 雑。いつものことだが対応の多くは各猟兵の判断に委ねるというやつだ。

「そんな訳で。悲鳴が上がるまでは温泉。悲鳴が上がったら影朧を追っかける。別にすごく強いヤバイ敵とか出ない。以上!」
 なんか質問無いかなーと見渡す。ないならよし。
「それじゃ、頼んだ」
 誘拐犯から、攫われたひとをキッチリ取り返してきてやってくれ。

「Good Luck」


みみずね
 こんにちは、あるいははじめまして。いつの間にか戦争入れてこれで10本目のシナリオになります、まだまだ新米マスターみみずねです。
 サクラミラージュより、ふわっとさくっとコミカルに気軽なシナリオをお届けの予定です。

●第一章(冒険)
 温泉旅館です。「きゃー」という悲鳴が聞こえるまで何をしているか、そして聞こえてからどう行動するか、両方をプレイング文に好きな尺でお書きください。大喜利だと思ってくださって結構です。能力値は参考までに。
 お風呂からそのまま駆け出したりすると謎の光や、やたら多い湯気が演出されるかもしれません。

●第二章(集団戦)
 集団戦が発生します。第一章の続きであることをよく考えて行動しましょうねー。(着換え持った?)

●第三章(ボス戦)
 誘拐犯の影朧との対峙になります。

●受付期間について
 第一章はオープニング公開後、幕間的なやつが投下されたら受付開始いたします。体調と相談しながらですのでリプレイの返却速度や分量に多少のブレが生じるかと思いますがご容赦くださいませ。
 その後〆切などはマスターページの他、Twitterなどでも随時お知らせする予定です。
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第1章 冒険 『謎の旅館と石の温泉』

POWとりあえず温泉入ろうぜ!
SPD怪しいところを探って行く
WIZ旅館の人に話を聞く
👑11 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


〜そこは殺人事件じゃないんかいとか言わないで〜

 温泉♨。
 サクラミラージュの一角。そこそこ大きな旅館。
 広々とした温泉。癒やしの空間……。

 悲鳴が聴こえるまではゆったりしてもいい。
 水着ではしゃいでいたっていい。
 いつでも戦えるように支度をしていてもいい。
 そこらへんに並んでる石像とにらめっこしててもいい。

 ──何をしていようときみたちの自由だ。

「きゃー!」
 子どもの悲鳴が聴こえる。その瞬間までは、だが。
ロク・ザイオン
★イージーと
…あ゙ー
(肩まで湯に浸かっていると全身を暖かく撫で回されるようでとても心地好い
実は温泉大好きの森番
ゆるゆるぬくぬく
誰も居ないならちょっと鼻歌歌おうかな…)

――!!
(それを聞き逃す筈がない
自分が最も美しい音と聞き取ってしまう
こどもの悲鳴(うた)だ)
(湯船から蹴上がり女湯を飛び出す赤い疾風)
(助けを求めるこどもは何処だ)

…イージー
(一糸纏わぬずぶ濡れ※髪が長くて良かった)
キミも聞こえた…
…?
(何故倒れているんだ
とりあえず「生まれながらの光」で癒やそう
いい感じに光る)
別にいい
ダメ?
…そう
(それどころじゃないんだけど
渋々上着を借りる)
…何故そんなに沢山服を着てるんだ
(風呂冷たかったのかな)


イージー・ブロークンハート
★ロクと
み゛ー…ん…
(こんにちは硝子剣士です。温泉は好きですが体が少しずつ硝子質化する呪いによるつぎはぎボディのせいで、湯当たりの速度がマッハで死にました。温泉出たとこのベンチで死んでます。まだ回復しません。硝子ボディを晒すのもいやなので作務衣に靴下手袋タートルネック着てるせいもあります)
ん゛あっ
(悲鳴に飛び起きるぐらいの甲斐性はあり)(眼前に飛び出してきたのは)おう、ロ(あら奇遇、橙朱色の獣の弟ぶ…)

女子ッッ!!
(驚愕!妹分だった!)
(膝から崩れ落ちる)(地に伏せる)
おなご…おなごやったの…知らんかったしよ…(光と闇と髪の毛により隠される森番ボディ)
着て。俺の作務衣の上貸すから着て。お願い。


●なんでこうなったと思う??
「み゙ー…ん……」
 死にかけの蝉みたいな声で死にかけているこれは夏の風物詩、通称セミファイナル……ではなく、猟兵である。イージー・ブロークンハート(硝子剣士・f24563)はせっかく温泉に来たというのに早くもぐったりと醜態を晒していた。
 断っておくが別に彼は温泉が嫌いなのでも苦手なのでもない。むしろ温泉は好きだ。だが悲しいかな、イージーの身体は温泉にゆったり浸かるのに向いていなかった。

「こんにちは硝子剣士です……」
 気晴らしに虚空へ話しかける。
 そもそも硝子剣士の硝子剣士たる所以はその呪われた体にある。少しずつだがその身を確実に蝕む、体が硝子質化する呪い。その影響はすでにイージーの身体のあちこちに出ている。恥ずかしながらところどころが硝子が剥き出しのつぎはぎボディなのだ。
 で。それが温泉に入るとどうなるかって言うと、普通の身体部分と硝子部分との熱伝導性の差でのぼせ速度がマッハ。まさかのマッハ。
 あれ、それともこれ湯あたりっていうやつ? 食あたり的な感じで温泉の成分が体に合わないと体調を崩すとかいう??
「いやもう分かんない……」
 だとしたらとりあえず入った温泉のチョイスが悪かったということになるイージー、不運すぎる。

 だってだって、温泉は好きなのである。事件が起きるまでは好きに温泉入ってていいっていうからこの依頼来たのに……。
「ひどくなぁい……?」
 そんな悲しみの硝子剣士は温泉を出てすぐのベンチに横たわっている。温泉で具合が悪くなったときには横になって休むといいらしい。ついでに首筋や手足を冷やすといいそうだ。古い旅行本にも書いてある。
 だがちゃんと横になってる硝子剣士はもうだいぶ時間が経つのにまだ回復しない。
 ……何故なら作務衣に靴下手袋タートルネックのフル装備だから。身体を冷やすべきという情報と、ちぐはぐ硝子はみ出しボディを晒したくない男心、どっちが勝ったかという話である。

 そんな訳で、悲鳴が聴こえる直前までぐったり横になっていた男、イージー・ブロークンハートである。


 その一方で、温泉を満喫している猟兵もいる。ロク・ザイオン(月と花束・f01377)がまさにその一人であった。
「……あ゙ー」 
 喉の奥から出てくるざらざらの声。だが今は気にならない。どんな猟兵だってひとだって、このお湯に浸かったらこんな声が出るものだ。それに今は周りに誰もいない。
 肩までゆったり湯に浸かる。お湯の中で力を抜くと、全身を暖かく撫で回されているようで心地好い。赤毛の三つ編みもほどいてしまえば、引き締まったところがどこもなくなる。ゆるゆるで、ふわふわで、ぬくぬくだ。
 この森番、実は温泉が大好きである。

 どうやら他に客もいない。鼻歌くらい歌ってもいいかもしれない。
「〜♪」
 メロディを辿る。好きな歌。懐かしい歌。教えてもらった歌……。

 だが、ご機嫌な森番の耳に聴こえてきたのは。

 それは。
「──!!」
 悲鳴(うた)だ。ロクの歪んだ耳にはそれは、至上のうたとして聞き取れる。ああ、でも、聞き逃すはずはない。今のは、こどもの声。

 先ほどまで枕にしていた湯船のへりを蹴り上げて、赤い疾風が女湯を飛び出す。
(どこだ)
 いま自分がどんな状態なのかはとりあえず意識にない。
(助けを求めるこどもは何処だ)
 今の森番はこどもの声に意識が集中している。

「ん゙あっ」
 悲鳴に飛び上がったのはぐったりしていたイージーもまた同じ。さすがに悲鳴を聞いてもぐったりしているほど甲斐性無しではない。なかった。よかった俺。
「……イージー」
 ん? おお。聞き覚えのある声。この声は知ってる。あら奇遇、弟分の
「おう、ロ」
 ク、と続けようとした言葉が止まった。目の前には見間違えようもない橙朱色の獣のおとう……
 イージー、冷静になって。いまどこから来ましたこのこ。いまなんて? ぱーどぅんみー?

「イージー、キミも聞こえ……」
「女子ッッッッッ!!!!!」
 膝から崩れ落ちる硝子剣士。パリンッ。心砕けるわー。オブリビオンとか出る前にすでに挫けるわー。
(弟分だと思っていたらッ)(女子ッッ!!)(驚愕!)(妹分だった!)

 ロクはそれを心配そうに覗き込む。
「……?」
 どうしよう、なにか叫んで急に地に伏して動かなくなってしまった。具合が悪いのか、何かに祈りでも捧げているのか……たぶん今祈ってる場合じゃないからやっぱり具合が悪いのか……。
 言っておくが、森番なりの心遣いである。
 とりあえず【生まれながらの光】で癒してみることにする。いい感じに光る。イージーの発動しちゃってる【膝から崩れ落ちる】と相まって光と闇が混在するちょっとカオスな空間が生まれつつある。
 だがその光と闇と垂らしたまんまだった長い髪のおかげで、ずぶ濡れのままのその四肢はイージーからは見えない。そういうことになった。
「おなご……おなごやったの……知らんかったしよ……」
 めそめそする硝子剣士。
 なので許して。誰に言えばいいのか分からないがごめんなさい。すまんかった。反省しますから。頼むから。
「着て。」
「別にいい」

 即 答

 いやあの『突然何を言い出すんだこの男。』みたいな顔で見ないで?! 恥ずかしいのつらいのこっち!!! ねえ!!
「俺の作務衣の上貸すから着て。お願い」
 さすがに一糸纏わぬ姿の女の横を歩く勇気と度胸は硝子剣士には無い。マジで。無理だから。頼むから。
 真顔のイージーに根負けしたのはロクのほうだった。
「……そう」

 ロクとしては正直それどころではない。こどもの悲鳴が聞こえたのだからこんな訳の分からない問答をしている場合ではない。……しかし断り続けても仕方がないので渋々上着を借りることにした。
 何故なのかは知らないが。
 そもそも、よく見たらイージーは手袋に靴下、更にはハイネックという夏の温泉らしからぬ装い。
「……何故そんなに沢山服を着てるんだ」
 暑そうだし、動きづらそうだ。いや、もしかして。
(……風呂、冷たかったのかな)
 そうかもしれない。温泉というのは色んな種類があるから、そういうこともあるだろう。
 ひとまずそこだけ納得した森番は、旅館の奥を睨む。硝子剣士も同じく。森番の疑問にはいつかちゃんと答えるタイミングあるだろうから今は置いておく。

 ──確かにあちらから声がしたのだとだけは意見が一致したのだから。
大成功 🔵🔵🔵🔵🔵🔵

春霞・遙
夏だって温泉はいいものですよ。
お湯に揺られてぼーっと茹だってると全身が疲れごと溶けてしまうようで癒されます。
UDCアースならお風呂上がりにエアコンの効いた客室でのんびりするのもいいですよね。

というわけで、脱衣カゴにすぐ羽織れるようにバスタオルと浴衣を準備してから温泉でのんびりしていようと思います。
あ、急に立ち上がって立ちくらみ起こしても困るので水分補給しながらですね。

悲鳴が聞こえたらバスタオル巻いて浴衣羽織るという、最低限外へ出ても大丈夫な支度にしつつ声の出処を探します。
むやみに走っても見つかるかわからないので【影の追跡者】を放って並行してに探させますね。


●暑いと熱いとぬくいは別物なのです
 ──夏。
 サクラミラージュの夏は暑い。プールや海、行きたくなりますよね。人々は涼を求めて旅行したりするものです。
 でも夏だって温泉はいいものですよ。

 ゆったりお湯に浸かりながら、誰へともなく春霞・遙(子供のお医者さん・f09880)は思う。
 こう、お湯に揺られてぼーっと茹だっていると、全身が疲れごと溶けてしまうようで……癒やされます。ここがUDCアースであったなら、お風呂上がりにはエアコンの効いた客室でのんびり、なんていうのもいいですよね。ここにはエアコンはないのでせいぜいが扇風機でしょうが、それもまた風流かもしれません……。窓の外で風鈴がちりんと鳴ったりとか。お風呂上がりのアイスもいいですね。ソーダ味のガリガリしたやつもまた良し。

 温泉にも色々な効能のものがあるけれど、特に疲労回復のものが効く。当直明けに温泉に入れたらいいのになぁ……なんて考える。いっそ当直室に温泉が湧いたら……。
 いや、疲れで寝落ちてしまうかもしれない(真顔)。それ以前に当直中にお風呂に入ってたら急患が来ても対応できない。
 ……残念ですが、このアイデアは諦めましょう。

 そんなこんなを考えながら、温泉好きの遥はのんびりと温泉を満喫している。
 もちろん、やるべきことはちゃんとやっている。いざというときにはすぐに動けるように、脱衣カゴにはバスタオルも浴衣も準備してある。浴衣は洋服に比べてさっと着ることが出来る機能的な服だ。
 そうそう、お風呂から急に上がると目眩や立ちくらみを起こすこともありますからね。水分補給もしておきます。従業員さんに頼んだこれ。お湯に浮かべたお盆の上にお銚子とお猪口を載せて……。これがお酒だったら完全にただの温泉休暇ですね??
 もちろん今回はただのスポーツドリンクです。酔っ払ってしまったら話になりませんからね。

 くぴり、と喉を潤した、そのとき。
「……っ!」
 悲鳴が、聞こえた。
 遥は急いでお風呂から飛び出す。バスタオルを掴んで巻いて、浴衣を雑に羽織る!
 ……えーと、ちょっとだけ直して。これでひとまず、最低限外へ出ても大丈夫……と言えるはず。声の聞こえた方向へと走るが、むやみに走り回っても建物の中では迷ってしまうかもしれない。ユーベルコード【影の追跡者】を放ち、平行させておく。
 悲鳴の出処を探しつつ、不審な動きをする者がいないか探る。
 声は、子供の声だった。

 絶対に見つけなければ。
 猟兵として、医者として……子供の医者として。かならず、助けに行く。
 湯上がりほかほか、浴衣姿の遥が走る──!
大成功 🔵🔵🔵

朱酉・逢真
ほォん、温泉宿。せっかくだし温泉浸かるかね。水は俺の権能(元)だから相性いいし、《軛》を最大出力にした上で自分に結界張り重ねりゃ病毒の流出も防げんだろ。
ただ俺が毒素のカタマリだってなァ変わらんから、万が一を考えっとヒトと同席しないようにしねえとなあ。猟兵もあぶねえし、ああ、そォすっと部屋風呂入るしかねえかなあ。ま・そこらへんは臨機応変に。(おまかせ)
眷属どもも入りてえのかい。そうさなぁ、露天ならサルくらい入ってもいいような気がするが。ま・今回はやめときな。入りてえなら天然温泉探してやっからさ。
危険物だから触られんように《服》は神威に解いとく。生理現象のねえ身体だ。のぼせもせず入ってられらぁ。


●入れないことはないという程度
 ほォん、温泉宿。
 朱酉・逢真(朱ノ鳥・f16930)は軽く息を吐き、その建物を見上げる。縁が無いと言えば縁のない、あると言えばある建物、温泉宿。
「せっかくだし、温泉浸かるかね」
 水は逢真のかつて司っていた元々の権能でもあるから、相性自体は悪くない。というか、良いと言っていい。だが問題は、逢真自身が毒であるという点だ。
 病毒を抑える《軛》の出力を最大にして、結界を自分に重ね張りでもすればその流出も控えられるだろうか。

 ……とは言っても。
(俺が毒素のカタマリだってなァ変わらんから、万が一を考えっとヒトと同席しないようにしねえとなあ)
 逢真は病毒の神だ。ヒトはもちろん、猟兵だって例外はなくその影響を受ける。一緒に風呂に入るということは、カプセルに入れた毒と一緒に入浴しているようなものだ。対策はしてあっても、万が一があれば最悪の場合死に至る。大袈裟な言い方に聴こえるかもしれないが、どんな些細な毒でも病でも、最悪の場合はそうなる。

 まァ、そうすっと。
 逢真は一つの結論に至る。
 素直に部屋風呂に入るしかねえかなあ。

 大浴場も露天風呂もあるというのに、ちょっと残念ではあるが。
 それらを横目で見ながら部屋へと向かうと、今度は眷属たちがなにやら騒ぐ。
「眷属ども」
 温泉に入りてえのかい?
 逢真の眷属は毒や病を媒介する様々の生き物たちだ。彼ら自体には必ずしも毒がある訳ではない。
 いやしかし、病毒を媒介しがちな生き物たちが温泉に入っているのはいかがなものだろうか?
 露天風呂にサル、くらいならセーフかもしれない。割と広く知られた温泉のイメージとも合致する。しかしその他の獣、鳥の類や、虫たちはどうだろう。温泉……いや、蟲って温泉入るか??
 うん、やめような。
「入りてえなら天然温泉探してやっからさ」
 わりいが今回は諦めてくれや。

 これも実は危険物である《服》は神威に解いておく。何があるか分からない、うっかり他人が触っては困る。これもまた逢真の神性を帯びる、触れるだけで手が腐れる代物であるから。
「サテ」
 神たる逢真は生理現象もない身体だ。のぼせとも無縁にいつまでも温泉に浸かっていることができる。小さな部屋風呂でも温泉は温泉だ。

 ──嗚呼、悪くない心地だ。

 逢真はぬくい水の感覚に身を委ねる。
 悲鳴が上がるそのときまでは、ひとり、ゆったりと。
大成功 🔵🔵🔵

薙沢・歌織
【WIZ】
ようやく、お祖父様とお祖母様が故郷と言われていたサクラミラージュの地へ足を踏み入れました。咲き誇る幻朧桜に心を奪われますね…。事件がなければ、もっと色々な場所を見て回りたいです。

初めはルサールカビキニを着て、ゆったりと温泉に浸かっています。自宅の浴室とはまるで別世界…。広くて、開放感もあって…。

…エリオスさんの予知通り、悲鳴が!
水着から学園制服に【早着替え】し、ダイヤモンドティアラの【威厳】で、早めに私を猟兵と旅館の方へ認識させます。旅館の方から他に入っていた方の名簿を見せて貰えないか交渉したり、最近付近に不審な人物やオブリビオン…影朧を見なかったかなど情報収集を行い次に備えます。


●故郷の風景
「ようやく……」
 感慨深そうに幻朧桜を見上げるのは、薙沢・歌織(聖痕宿す魔法学園生・f26562)。
 歌織は祈るように、一度だけ目を閉じる。
(ようやく、お祖父様とお祖母様が故郷と言われていたサクラミラージュに足を踏み入れました)
 幼少までは父母と共に、それ以降も幼なじみとアルダワで育った歌織だが、もっと遡った家系の源流はサクラミラージュにあると聞いていた。だから来るのは初めてになるこの世界だが、なんだか心に感じるものがある。
 咲き誇る幻朧桜。噂に聞いていた通りだ。もっと時間があれば……事件の予知で訪れたのでさえなければ、色々な場所を見て回りたい。祖父や祖母がどんな街並みを生きたのか、訪れてみたかった。
 ふわりと風に流れた花びらを名残り惜しく見送って。

 今回のところは温泉旅館。
 ルサールカビキニを身に着けた歌織は広い温泉にゆったりと浸かる。本人は全く気にしていないが、そのデザインもなかなかに大胆であり彼女のナイスバディが見え見え隠れ見え隠れである。
「ふぅ……」
 自室の浴室とはまるで別物。別世界と言ってもいい。こんなに広くて開放感のあるお風呂は初めてだ。
 ふわふわと、心地よくなってきたところへ。

「!!」
 悲鳴が聞こえた。
(エリオスさんの予知通り!)
 そうです、エリオスの予知は一般的なグリモア猟兵の中でもかなり雑なほうですが、それでも一応予知は予知なのでたいていは予知通りのことが起きるのです!
 水着から一瞬で学園制服へと着替えた歌織は、ひらりと水着エリアを出て、旅館の建物へと向かう。額で輝くそのティアラは彼女に威厳を感じさせる。
「あの、お話伺ってもよろしいですか?」
 最近この辺りで影朧……いや、不審な人物を見なかったかと訊いてみる。影朧を見たならもっと早く通報されているはずだ。それと、出来たら宿帳を少しだけ見せてもらえないでしょうか? お客さんとして影朧が紛れ込んでいるのかもしれません。
 歌織のお願いに、従業員も通りすがりの宿泊客も足を止めてくれる。だが人々から話を聞いてみても、不審なものや人を見たという証言は無い。
 ……はて?

「強いて言うなら……」
 従業員の一人が手を挙げる。
「なんですか?」
「あっ、関係ないかもしれないですけど」
 関係なくてもいい、情報は少しでも欲しい。歌織はちょっとだけ前のめりになる。
「温泉掘ってなんかないはずの時間に、穴を掘ってる音がするって苦情が来て……若いバイトの子の間で怪談話が流行ってるんですよぉ」

 ……それは、今回の事件と関係があるのか、それともないのだろうか?
 歌織にはちょっと判断がつかないが、いつも音がするという場所は、悲鳴がした方角とそんなに離れてはいない。
 確かめるなら、自分の目でするべきだろう。
大成功 🔵🔵🔵

テフラ・カルデラ
※絡み・アドリブ可

なんだか石像がいっぱいあるのですよ!
石像に興味を惹かれ見て周ります
そこから色々と妄想の世界へ…
もしかしたらこの石像は元は人だったとか…

そんなこんなで妄想の世界に浸っていたら叫び声が!
声のした方向に急いで駆けつけます!


●この石像……もしかして……!?
「なんだか石像がいっぱいあるのですよ!」
 わぁお。
 ワクワク顔で旅館の石像を見て回るのはテフラ・カルデラ(特殊系ドMウサギキマイラ・f03212)、兎耳の少女……もとい、よく見ると少年である。服装のせいもあってよく間違えられるが、これでもれっきとした男の子である。
 旅館の入り口に整然と並ぶ石像、渡り廊下から見える傾いた石像、露天風呂のオブジェに混ざっている石像……。
 お地蔵さんみたいなのっぺりしたものがほとんどだけど、たまにかなりリアルなお顔の石像も混ざっていて、興味は尽きない。あっちにも、こっちにも……。

 もしかして……もしかしてなんだけど……。
 テフラは妄想の世界に身を踊らせる。この石像たち、元は人間だったとか……。石化! 呪い?! 魔法?!
 だとしたらどうしてそれが温泉に???
 例えばこのリアルな石像が実は人間が石化した姿で、のっぺりしてるほうはそれが経年劣化で……とか?
 例えばこの旅館には呪いがかかっていて、夜な夜な影朧が宿泊客を石化させている……とか!

 膨らむ妄想。
 しかし残念ながら(?)今回はただの誘拐事件という話。人を石化させてくる影朧なんて……出てこないとは言われていない。
 居ないと断言されていない以上、出会ってみるまで分からない。余地があるのだから、妄想くらいしたっていいじゃない。

 そんなこんなでテフラの止まらない妄想を止めたのは、旅館の奥の方から聞こえた叫び声!

「はっ」
 ようやく我に返ったテフラ。石像眺めてる場合じゃなかった!
 声のした方向へと急いで駆けていく。

 ……走る間、誘拐犯はどんな敵なんだろう、とやっぱり少し考えなくもなかったテフラであった。
大成功 🔵🔵🔵

ザガン・アッシム
【アドリブ及び連携歓迎】

温泉か…最近機械と生身の接合部が痛くなってきたから湯治には丁度いいな

…というかこの『サアビスチケット』とやら…大丈夫か?採算とか取れてるのか?(チケットが万能過ぎてちょっと不安な傭兵)

とりあえず悲鳴が聞こえるまでは温泉で湯治(ちゃんとマナーは守るぜ)

湯治中はそこらにある石像とを観察しつつ現地の客と交流

悲鳴が聞こえたら温泉から出て脱衣所から外套を羽織り外に出る

尚、外套はしっかりと前を止めておく(超重要)

いや、全裸に外套とか普通はアウトだからな!

憲兵=サン案件だからな!!

その後は【情報収集】で目撃者探しや、周囲にある石像に【増減】や【向きの変わった個体】がないか調べて回る


● うごく せきぞう
「温泉か……」
 最近機械と生身部分の接合部が痛むことが増えたからちょうどいい。そう頷きながら、また首を傾げるのはザガン・アッシム(万能左腕の人機兵・f04212)。
 何に首を傾げているかというと、今入り口で渡した『サアビスチケット』である。以前のサクラミラージュでの依頼で報酬の一部として入手したものだが……大丈夫なのか? 食べ放題とか飲み放題とか、温泉旅館も泊まり放題でシベリア超特急も乗り放題、様々に使えるこのチケット。万能すぎる。いくら猟兵を呼ばなきゃいけない事態が一般人には手に負えない事件だとしても、その報酬がこれでは赤字ではないのか。採算とか取れてるのか?
 この傭兵、サクラミラージュの経済事情に不安を覚えるなどしている。

 まぁそれはともかく。悲鳴が聞こえるまでは出来ることはあまりない。マナーを守って楽しく湯治といこう。
 しかし……なんかやたらと石像があるんだが。
 温泉に入りつつ、常連客だという老人たちから話を聞いてみる。旅館の入り口から、露天風呂の端っこにも。この旅館のあちこちに地蔵みたいな石像が並んでいたり、傾いていたり。これらは一体なんなのか?
「ひっひっひ。それはなぁ、むかぁしこの地方では天災の度に人柱をやる習慣があってな……?」
「えっ」
 突然始まる怪談話!!!
「代々、人柱になった生贄はこの石像に宿って……夜になると散歩してるっていうのよ」
「それ、暗がりで触りながらな、端から数えてひとつ……ふたつ……、十二しかいないはずの地蔵が、ひ、ひとつ多いーーー?!!!! ってな」
 テンション高いなこのご老人。
 心の中でちょっとザガンが引いた、その瞬間であった。

 悲鳴!!

 もちろんこの場の誰かが怪談話でびっくりしたのではない。もっと遠くから聴こえた。
 老人たちには慌てず部屋に戻るように伝え、ザガンは急いで温泉から上がり、外套を羽織って脱衣所から外へ出る。
 ……なお、外套の前はしっかり止めておく(ここ超重要)。全裸に外套だけで歩き回るとかやばいヒトすぎる。普通に考えて完全にアウト。憲兵=サン案件になってしまう。
 Q.全裸マントナンデ。
 A.急いでいるので。

 さて、悲鳴が聞こえた方へ向かう。従業員や他の客からも話を聞いてみることにしよう。悲鳴が上がる直前に不審なものを見なかったか? 走って逃げ去るやつがいたとか。
 或いは……。

 さっきの怪談を真に受けたではないが、一応石像も調べておこう。
「……ひとつ、ふたつ……」
 数が増えていたり、向きが変わっているものがあったり……動いた跡があったりしたらそれは怪しい。
「十……十一……?」
 ひとつ……足りない……!
「聞いた話と違う!!!」
 皿屋敷と十三階段混ぜたみたいな雑な怪談しよってからにもう!

 ともあれ、悲鳴とは別に不審な点を発見したザガン。だが怪談話とは明らかに違う、勝手に石像が歩いていったわけではなく……何者かが引きずっていった痕跡が見える。
「ふむ」
 同じ事件かどうかはまだ分からないが、悲鳴が聞こえた方向へと跡が続いている。となれば、
「行くか」
 やるべきことは、決まった。
大成功 🔵🔵🔵

水澤・怜
(籠に白衣と軍帽を入れ脱衣所でコーヒー牛乳片手に佇む軍服の男が一人)

入浴前の水分補給は重要だ
いくら効能のある温泉でも脱水症状になっては話にならない
入浴後は冷たいものを摂取し身体を適度に冷やすことも大切だ
コーヒー牛乳にアイス…その点ここは準備がいい

…頭の枝が伸びているだと!?
気のせいだ。断じて気のせいだ
(こっそり枝を押し込む)

(ふと目に入る温泉の効能表示)
…ふむ、この温泉は切り傷にも効能があるのか
猟兵にはうってつけだな
(ついこういうのをチェックしてしまうのは多分職業病)

(軍服の上衣に手をかけた瞬間響く叫び声)
…どうやらアイスはお預けだな

残念そうだと?そんなことはない
…気のせいだ(軍帽を被り直し)


●コーヒー牛乳には飲むときの作法がある
 軍帽を取ると、桜の精特有の枝がひょっこり。白衣を脱いで畳み、軍帽と一緒に籠に入れる。脱衣所でコーヒー牛乳片手に佇むのは軍服に眼鏡の男、水澤・怜(春宵花影・f27330)。
 まさかの開幕コーヒー牛乳である。

 何故コーヒー牛乳を手にしているのか?
 決まっている。入浴前の水分補給だ。
「いいか、よく聞け」
 これは医者からの、温泉に入る際の注意事項だ。
 いくら効能のある温泉でも、身体をあたためすぎて脱水症状になっては話にならない。入浴前にはしっかりと水分補給、そして入浴後にも冷たいものを摂取し身体を適度に冷やすことは大切だ。その点この温泉は用意がいい。コーヒー牛乳に、アイスもある。いいことだ。

「で。」
 こほん、咳払いをひとつ。
 だからこれは身体のために、健康のために軍医として自らそれを実践しているのであってだな……なに、俺の頭の枝が伸びているだと!?
「気のせいだ。断じて気のせいだ」
 さては温泉の入りすぎで体調を崩しているな? さあこのコーヒー牛乳をやるから向こうで休むがいい(ぐいぐい)。
 む、なんでもう一本コーヒー牛乳持ってたかって?
 ……。…………。これは、温泉から上がってから飲むために確保しておいた水分補給用のものだ。深く考えるな。

 怜は患者(仮)を休憩用スペースへと押しやって(ついでにコーヒー牛乳を渡して)、見られないようにこっそりと伸びた枝を押し込む。どうも気が緩むとうっかり伸びてくる小憎い枝である。
 温泉の効能に『桜の枝がシャッキリする』とかないだろうか……。とか思ったわけではないが、そこに掲示されていた温泉の効能表示が目に入った。
「……ふむ」
 切り傷の養生にもいいらしい。
(猟兵が休むにはうってつけの温泉だな)
 そんなことを考えてしまうのは職業病だろうか。せっかく温泉に来たのだから、ひとときでも仕事は忘れて心も身体も休めたいところだ。……そう、ゆっくり身体を温めたあと、風呂上がりには冷たいアイスをだな、
 などと考えながら軍服の上衣のボタンを外そうと手をかけた、まさにその瞬間だった。
 悲鳴。

 はぁ、と小さく息をもらす。
「……どうやらアイスはお預けだな」
 なんかすごーく残念そうでる。
「そんなことはない。気のせいだ。すごく気のせいだ」
 手早く籠から取り出した軍帽をかぶる。
 大丈夫、いつも通りだ。戦える。

 飲みかけだったコーヒー牛乳の残りを一気飲みして、怜は悲鳴の聞こえた方向へと向き直った。
大成功 🔵🔵🔵

箒星・仄々
狙われるのは子供さんなのでしょうか
悲鳴が上がるその時まで動けないのは
もどかしいですけれども
絶対にお助けしましょう

折角の温泉
満喫したいです♪

温泉パワーで血行や新陳代謝が良くなれば
この後の戦いもばっちりでしょう

景色も楽しみながらリラックス
新たな旋律が思い浮かぶかも?

風の魔力で音の伝播を操り
悲鳴を聞き逃しません

悲鳴で耳がぴくり
疾風纏い残像を残しながらの超加速で現場へ
必要なら空中浮遊

超加速の風と炎の魔力の温風で毛皮はすぐに乾きます
いつの間にかいつもの銃士風の服装を身につけています
魔法の力です

加速解除し顕現
オブリビオンさんの前に立ちふさがります
手には珈琲牛乳

狼藉は許しません!(瓶をぐいっとして水分補給


●露天風呂を満喫する魔法使いの巻
 聞いた話では……悲鳴が「きゃー」と上がるらしいですね。そうすると、狙われるのは女性か子供さん……なのでしょうか?
 いやいや決めつけは良くない、と箒星・仄々(ケットシーのシンフォニア・f07689)はかぶりを振る。きゃーと悲鳴を上げる子猫もいるかもしれないし、そもそも悲鳴が拐われるひとの声だとすら一言も言ってない。
 こう言うのもなんだが、以前から彼の予知は割と雑な情報しか出さないので、ちょっと信頼しきれないところがある。分かる、それな。あいつの言う簡単なお仕事が簡単だったことないもん。そこまでは言ってない? そうね。ごめん。

 話が逸れたが。とにかく悲鳴が上がるその時まで動きようがないのは変わりない。もどかしくもあるが、絶対に助けるという決意が仄々にはある。
 それはそれとして時間があるので折角の温泉だ。チャンスはチャンス、満喫していくスタイルの仄々なのである。

 ぬくぬく、ほかほか。露天風呂♪
 温泉パワーで血行や新陳代謝が良くなれば、この後の戦いもばっちりでしょう。
 景色も良いし……はっ、今なにか素敵な旋律が閃いた気がします。書き留めるものも奏でる楽器も手元にないので、ひとまず鼻歌で忘れないように繰り返してみる。
「〜♪」
 景色も楽しみながらゆったりお湯でリラックス。
 でもでも、警戒も忘れていません。風の魔力で音の伝播を操り、どんな音でも聞き逃さないように。悲鳴があがったら……

「……!!」
 ケットシーのお耳がぴくり。疾風を纏った仄々は残像を残しながら超加速で悲鳴の発生源へと向かう。
 え、毛皮が濡れてませんかって?
 超加速に使った風と、ついでに使っておいた炎の魔力ですぐに乾いているので大丈夫です!
 そしていつの間にかいつもの銃士風の服を身に着けている仄々。
 Q.ちなみにそれはどうやって?
 A.魔法の力です
 魔法すごい。たぶん早業魔法とかである。魔法すごい。

「お待ちなさい!」
 全くいつも通りの姿の仄々は、加速を解除して言い放つ。
「狼藉は許しません!」
 そして手にした珈琲牛乳の瓶をぐいっとやって水分補給もする。

 いや飲んでる場合かっ!!!!

 だがこれでも十二分に大真面目である。お風呂上がりには水分補給が大事ってどこかのお医者さんも言ってましたし。

 ……そんなこんなで。仄々が見たのはすたこら逃げていく白っぽい影だった。
大成功 🔵🔵🔵


第2章 集団戦 『ルールー』

POW ●るーるるーるるーるるー
単純で重い【シャベル】の一撃を叩きつける。直撃地点の周辺地形は破壊される。
SPD ●るーるるるーるる
【死者の国の王の力】を籠めた【シャベル】による一撃で、肉体を傷つけずに対象の【猟兵としての在り方】のみを攻撃する。
WIZ ●るるるるるるる
戦場全体に、【骸骨】で出来た迷路を作り出す。迷路はかなりの硬度を持ち、出口はひとつしかない。
👑11 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 温泉旅館の最奥、山へと続く古い廃路。
 ……が、穴だらけになっている。
「るー……」
 少女のような姿の影朧がシャベルで穴を掘っているのである。そこかしこに落とし穴のような穴。やたらたくさんの穴。
 そしてそのうちの一つには、一体の石像とそれに括り付けられた……一組の男女。どうやら意識は無い。
「る、るー、るるるー(特別意訳:おしごとしてるから邪魔しないで)」
 少女(影朧)は『る』しか言ってない。
「るるー、るるるるる……(特別意訳:あのこどもならもう連れてっちゃったから)」

 どうやら彼女たちはこの場できみたちの足止めをするつもりのようだ。そして後ろの方の穴で体が半分埋められている人間を助けるためにも、ここは戦うしかないらしい。


 ……ところでみんな、装備とか服とかちゃんとしてきた?
ロク・ザイオン
★イージーと

(作務衣の上だけオン素肌
しなやか素足にノーサンダル
森番、欠片も動じていない)
ないなら、ないで。
…ひとは服を着るものだから、いつも、着てるけど。
(獣の理論)
イージーはえらいな。服たくさんな。
……え、剣、ないの……?
(そんなに着てるのに!剣ないの!?)

……………わかった。
(刃使い通じ合う
なんか、あればいいんだな)

(【野生の勘】でシャベルの一撃を見切り
【地形を利用】足元が不安定な場所に病を誘い込む)
――あああァァアアア!!!
(「惨喝」
【大声】で【恐怖を与え】敵を竦ませ
その隙にシャベルを奪い取る)
使え!イージー!

(捕まった人間は己の声に怯えきっているかも知れない
対処はイージーに任せよう)


イージー・ブロークンハート
★ロクと
(作務衣下にタートルネック靴下手袋つっかけです)
その堂々動けるとこはすげえ尊敬するわ…。お服着るのわかってて偉いな…。お洋服の理由が気になるならにーちゃん今度説明するからな…。
あっ。
剣ない。
硝子剣も剣もない硝子剣士は!ただのモブ!(剣ないの!?に耐えきれなかった)(膝から崩れ落ちる)
…せめて近接斬撃武器があればなんとかなるんだけど…ごめんロク、オレ全く役に立たんわ… いっぱい着てるはえらいわけじゃないの…せめて【第六感】で諸々見ないようにしつつ【庇う】ことぐらいしか…。武器なんか都合よくないからさ…。
おわーーっ早業!あいさありがたし!
ボロだが一閃切れりゃいいや。
そんで穴の人を助けよう。


●ないならないで/困るものは困る
 果たしてそこに立つ二人は。

 一人は燃える赤髪。素借りた作務衣の上衣だけを素肌にオンしたロク・ザイオン(月と花束・f01377)。ちょっとぶかぶかの作務衣からしなやかな四肢が伸びる。足も素足のままだ。
 もう一人は下だけ穿いた作務衣にタートルネックに靴下&手袋、一応つっかけだけは文字通りつっかけてきたイージー・ブロークンハート(硝子剣士・f24563)。真夏の防寒バッチリである(?)。

 しかしやたらと厚着をしているイージーより、ほぼ全裸状態のロクのほうがよほど堂々としているのは一体どういうことなのか。というか実際その姿で堂々と動けるのはどうなん??
「堂々と動けるとこはすげえ尊敬するわ……」
「?」
 全く動じていないロクにはむしろ堂々と動けない理由がよく分からない。
 だって。ないなら、ないで。
 困ることはと言えばポケットがないから持ち運べるものがちょっとだけ少ないとか、そういうことで。
「……ひとは服を着るものだから、いつも、着てるけど」

 獣 理 論 。

 獣は服を着ないがひとは服を着る。そう、ロクにとってはそれはひとになるための、ひとであるための道具のひとつにすぎない。イージーがなんでそんなに必至になるのか、なんでそんなことで尊敬されてしまうのかもロクには皆目見当がつかない。
「うん。うん、そうだな……?」
 そうだなー。ひとは服を着るものだもんな。お服着るの分かってて偉いなロクは……。でもなんでお洋服着るのか理由が気になったらおにーちゃんが今度説明するからな……?
「イージーはえらいな。服たくさん、な」
 な。
「うん、いや、たくさん着てりゃえらいってわけじゃないんだけどさ……?」
 けどさ……?
 今なにか……引っかかった。服は着てる。作務衣は上を着てないけどこの状況でもっと大事なことがあった気がする。

 ……あっ。
「剣ない」
「……え……」
 剣、ない。悲鳴が聞こえて慌てて走ってきたのもあるし、それより隣の弟分改め妹分の格好にばかり気がいってしまってその。
 硝子剣士の硝子剣士たる所以をもう一度説明するのはやぶさかではないが、端的に硝子剣士が硝子剣を失ったらどうなるかを考えてみよう。“士”しか残らなくない?? いや待ってマジで『一周回ってかっこいい』とか言ってる場合じゃなくてさ仮にも剣豪の剣士が剣持ってなかったら何が出来るのって話で
「……剣、ないの?」
 ロクの純粋な瞳がこっちを見ている。まん丸く見開いた目が硝子剣の無い硝子剣士を見ている。その澄んだ青い瞳が語っている。
『そんなに服は着てるのに、剣ないの!?』

 そう、ないの!!!
 膝から崩れ落ちる(硝子剣)士。せめて普通の剣でもあればまだ剣士は保てたのだがそれすらない。
「硝子剣も剣もない硝子剣士は! ただのモブ!!」
 どこにでもいそうなモブ感溢れるこの男を唯一特徴付けてくれるのはその硝子の身体であり、剣技であり、そして何より硝子剣なのである。

 もう崩れ落ちたまま膝を抱えるしかない硝子剣士。
 ……せめて近接斬撃武器があればなんとかなるんだけどさ……ごめんロク、オレ全く役に立たんわ……。ロクはえらいって言ってくれるけどいっぱい着てるはえらいわけじゃないの……。
 せめてロクの戦いを見守……見っ……見てはいけないのでなるべく見ないようにしつつ庇うしかできない。そこらへんに武器なんか都合よくないからさ……。
「………………」
 ……なるほど。
「なんか、あればいいんだな」

 なんか、が何を指すのかはさておき。刃使い通じ合う。森番には分かるのだ。なんかあればいい、と。

「るーるるー」
 少女のカタチをした病がシャベルを振り上げる。大振りなその攻撃をしかし、ロクは持ち前の第六感でかわしていく。
「る……」
(そうだ、こっちだ)
 攻撃をかわしながら、穴の多く空いたほうへと誘導する。
「る」

   \\ズボッ//

「……る」
 足を踏み外した。いや、踏み外させたのだ、ロクが。そしてその隙を逃さず。
  「あ、」

 ──あああァァアアア!!!

 咆える。焔色の獣があげる咆哮。
 響き渡るこえ。
 【惨喝】の咆哮は影朧を竦ませるに充分な威力を持っていた。身体をこわばらせた目の前のそれから、ロクはシャベルを奪い取り、イージーへと投げてやる。
「使え! イージー!」
 叫ぶ。

 お、おわーーっ早業!! すごい!
「あいさ、ありがたし!」
 シャベルを片手で受け取り、硝子剣士改め今だけシャベル剣士(仮)はにいと笑う。落ち込む頻度と比例して立ち直る速度も速いこの男。
「ボロだが一閃切れりゃいいや」
 シャベルは硝子剣でも剣でもないが、イージーには剣豪としてその身に宿した剣技がある。近接斬撃武器であるならばなんでも使いこなしてみせよう。
 ……シャベルが斬撃武器かどうかはちょっと物議をかもしそうだが、斬撃を放てればそれは逆説的に斬撃武器と言えよう。
「ほれ、行くぜ」
 構え。そして一歩を退いたロクとすれ違いに、

 放つ。
 【剣刃一閃】

 シャベルでも、コード出せた──!

 結論:シャベルも近接斬撃武器。
 それはさておき。
「イージー」
「あいよ」
 短い会話で話を済ませる。ロクの声、咆哮はひとを怯えさせてしまうかもしれないものだ。そっちの対処はイージーに任せたい。
 ……せっかくシャベルも持ってることだし。
 そんじゃ、穴の人を助けようか。


 ──無理に使ったユーベルコードの反動でシャベルが壊れるまで、
 あと2秒。
大成功 🔵🔵🔵🔵🔵🔵

春霞・遙
浴衣で立ち回りはさすがにやりにくいな。しかも足場の悪い道を雪駄で走らなければならないときた。
でも危険に晒されてる人がいて放っておくこともできないし……。
ある程度はだけることは許容して、出来るだけ暴れないようにしよう。
どうせ襟は走りながらでも直せるし、はしたなくない程度なら裾は多少広がったほうが走り易い。

あまり動かないで済むよう戦闘は拳銃で行う。
敵の攻撃は回避、無理なら銃で武器受け、【バレットレイン】で影朧たちを撃ち抜く。
万が一敵のユーベルコードをくらっても猟兵としての在り方は自分自身としての在り方なので消えようがないと思います。


●骸と死者と医者と
(……やりにくいな)
 浴衣姿の春霞・遙(子供のお医者さん・f09880)は少々のじれったさを覚える。さっと着られるものとして浴衣を選んだが、更には足場の悪い道を雪駄で走らなければならないときた。
(だからと言って危険に晒されている人を放っておく気にはなれないし……)
 うん、仕方ない。
 ある程度はだけてしまうのは許容することにする。幸いここにはそんなにたくさんの人はいない。走りながらでも襟くらいなら直せるし、はしたくない程度なら裾は多少広がったほうが走りやすい。せめて、可能な限り暴れないようにしよう……。
 銃を使えば、移動も多くなくて済むだろうし。

 遥は器用に落とし穴を避けながら、影朧の攻撃をかわし、あるいは銃で受け止めて捌いていく。
「るーるるるー……」
 幾度目か、シャベルが振り下ろされる。その攻撃は、だがやはり遥には届かない。
(……この辺ならいいか)
 周囲を見渡す。充分な距離を把握する。
 一般人を巻き込んでは元も子もない。

 ──ふと、目の前の少女にも見える影朧の、透かしたような骨の脚が目についた。
(……死者)
 ああ、どうしようもなく死者だ。オブリビオンは皆そうだ。だが目の前のこれは、あまりにもそれをまざまざと見せつける。
 遥は改めて銃を構え直した。
 ユーベルコード【バレットレイン】──
 それは死者を穿つ礫。遥を中心とした半径数十メートルに無差別に降り注ぐ銃弾の雨。

「るる、るー……」
 斃れていくのは少女ではない。かつて少女であっただけのものたち。朽ちゆく定めにある、ただの死者。その幻。
「……」
「る。」
 身体を保とうとしながら、最後の力を振り絞ってシャベルを振るう影朧の攻撃は、遥の銃を握る手にかすっていった。死者の国の王の加護を得たシャベルはその身体を傷付けず、対象の猟兵としての在り方を傷付けるはずのものだった。
 はずだった、というのはつまり、遥がその攻撃で少しも傷付かなかったということに他ならない。遥にとっての猟兵の在り方とは、自分の在り方そのもの。そう簡単には歪められることのない、事実としての“存在”。
 その在り方を傷付けるなど、できようはずもなかったのだ。

「……ああ、」
 結局、結構ひどい有様になってしまった。雪駄の土を払い、浴衣の裾と襟を少しだけ直した。だがまだ、ここで落ち着いてはいられない。
 助けなければならないひとが、いるのだから──
大成功 🔵🔵🔵

朱酉・逢真
なァんか悲鳴聞こえたんでパッパと上がって《服》具現して空間裂いて来ました。おン。ふむ。なァに言ってんだかさっぱしわかんね。お嬢ちゃんらどこ出身だね。俺ァ言語の神じゃねぇのよ。
埋められかけてんのかィ。ならそこの穴底に小路開いて、猟兵の後ろにポンッと出すかね。これでなァんも問題なしさ。
俺は眷属どもを盾にしつつ、《鳥》と《虫》の群れを突撃させよう。これなら穴にも引っかからねえだろ。遊んでこい。墓穴は自前で用意してくれたらしいからよぅ。ああ、子供たちが遊んでら。かわいいねえ。


●すべては愛し子たちよ
「……ン?」
 なァんか悲鳴が聞こえたなア。

 今の今まで温泉に浸かっていた朱酉・逢真(朱ノ鳥・f16930)だが、声に気付いてすぐに立ち上がる。
「行くか」

 \\パッパと上がって空間裂いてきました//

 えっ、すごい。
 空間に裂け目を作り、望んだ場所への道を作ることができるこれもまた逢真の神技である。なお《服》もちゃんと具現してある。
 さくり、足元の積もった落ち葉を踏んで、いつもの格好で影朧の前に立つ。

「るー」
「おン?」
 逢真は首を傾げる。
「るるー、るる、るるるーるーるー」
「ふむ」
 ……ふむ?
「なァに言ってんだかさっぱしわかんね。お嬢ちゃんらどこの出身だね」

 分かんないんだ!!!??!
 どこ出身とか以前の問題な気もするが、でも分からないのに話を聞こうとした姿勢はすごい。
「俺ァ言語の神じゃねぇのよ」
 それは、確かに。言語の神様がいるとしたらきっとどの世界でも猟兵でなくてもすべての言葉を理解し、話し、或いは物言わぬ何かの主張をも通訳してくれるのかもしれない……が、逢真はそういう神ではない。故に“さっぱし”分かんないのである。

 ん。
 ふと奥を見やれば、石像に括り付けられた男女一組の人間が目に入る。
「埋められかけてんのかィ」
 意識は無いので返事もない。自力での脱出はもちろん、掘り起こしてから拘束を解いて……となると、戦いながら彼らをどうにかするのは難しいだろう。
 ……普通の手段では、だが。

 そンならこうだ。
 すい、と逢真が手を翳すと、ポンッ。ドサドサドサッという音が猟兵たちの背後でした。何かと言えば……見たままを言うと山盛りになった土の中に、石像に括り付けられた男女が埋もれている。
 つまりは、先程部屋からここまで来たのと同じ要領だ。穴の底からこちらへの“道”を作った。穴の底に空いた次元の裂け目から……穴に入れられていた土ごと、一般人を運んだのである。
 ……土や石像まで運ぶ必要はなかったのだが、“道”が出来たときに一緒に通ってきてしまったのだろうか? まぁ、それはさておき。
「これでなァンも問題なしさ」
 形勢逆転。人質を相手の後ろに取られているのと、こちらの後ろに守るべき人間がいるのとでは戦いやすさが段違いだ。

「そら、行きな」
 逢真は眷属たちを喚び出す。それらは《鳥》と《虫》……翼あるもの、羽あるものたちだ。足元に多数ある落とし穴も、彼らの前に何の障害にもならない。
 さあ。遊んでこい。墓穴なら相手が自前で用意しといてくれたらしいからよぅ。
 チィチィ、キィキィ。毒と病を媒介するものたちが影朧へと一斉に襲いかかる。
「る……るー。るるるー」
 影朧も応じてシャベルを振るうが、群れて襲いかかってくる小さなものたちに、致命打は与えられない。勢いに押されて文字通り、自分で掘った穴が墓穴となりつつある。

 目の前の光景に、逢真はほんの少しだけ目を細めた。
 ──ああ、子供たちが遊んでら。

 まったくかわいいねえ。

 逢真は笑う。
 どいつもこいつも、ああ。愛おしいのだ。
大成功 🔵🔵🔵

水澤・怜
装備?
…俺は温泉とアイスを堪能しそびれたからな
全く問題なげほごほごほっ!!(まぁ一気飲みして走ればこうなるよね!)
…問題ない(真顔

迷宮に閉じ込められると厄介だ
UC発動
【投擲・スナイパー】で遠距離から【先制攻撃・早業】で敵の攻撃の前に先手を打つ

迷宮に閉じ込められた場合は【情報収集】で出口を探しつつ、同時に【部位破壊・2回攻撃】とUCを使用して迷宮の破壊も試みる
迷宮の元は骸骨…つまり骨だ
どの生物の骨格にも必ず関節等の脆い部分や、骨の種類によっても強度に違いがある
そこを集中して狙えばあるいは…
本業の【医術】知識の見せ所だな

一般人への攻撃や流れ弾は【オーラ防御】
後で掘り出してやるからもう少し待っていろ


●『大丈夫だ、問題ない』
 ……温泉もアイスも堪能しそびれた水澤・怜(春宵花影・f27330)。心なしか桜の枝もしょんぼりしている。
 Q.服とか装備ちゃんとしてきた?
 A.もちろん全く問題な「げほっごほっごほっ!!!」

 全く問題ない #とは ──?!

 コーヒー牛乳を一気飲みして直後に全力ダッシュしたのである。その上で喋ろうとしたら咽るのは至極当然の帰結であった。
「問題ない(真顔)」
 あっ、はい。
 とにかく温泉に入る前だったので装備は一つたりとも欠けていない。アイスは残念だったがそれはそれ、これはこれ。

 というわけで影朧の前に立つのは、いつものように軍服に白衣。軍帽もきっちりかぶって、全く問題のない怜である。
「るー?」
 疑問を差し挟むんじゃない。問題ないと言ったら問題ないのだ。

 怜はユーベルコード【八千矛】を発動する。
 見た感じでは影朧の武器はシャベル。遠距離から狙撃すれば先手は打てるだろうと見込んでの攻撃だ。麻痺薬を塗った300を超えるメスが、少女の姿をしたそれへと放たれる──!
「るー!」
 だがしかし、メスが影朧へと命中するわずか刹那の間。その一瞬に使用された影朧の──

「迷宮、か……!」
 またたく間に戦場が骸骨でできた迷宮で覆われる。
 ……出口は?
 周囲を注意深く観察しながら、怜は足元の骸骨をひとつ、コンと叩いてみる。明らかにただの骸骨より硬度は高い。……だが、骸骨は骸骨だ。
「……ならば、やりようもある、か」
 迷宮を構成している骸骨……つまり骨とは、多くの生物の芯となるものだ。基本的には硬く出来ているが、部位によってはその限りではない。生体の関節部には脆い部分もあり、また骨の種類によって強度は様々である。
 怜はそれらを知っている。知り尽くしているからこその医者である。
「本業の医術知識の見せどころだな」
 ひとつ頷く。
 果たして、怜の選択は『迷宮の破壊』。無論最短ルートでの迷宮からの脱出であった。

 パリ……ン

 小気味よい音ともに、怜は迷宮から放り出される。バラバラに砕け散った骸骨の破片がそこかしこに散らばり、ばら撒かれる。
 戦場の隅にまだ開放されていない一般人も目に入った。
「後で掘り出してやるから、もう少し待ってろ」
 そう言って、怜はまだ麻痺薬で動けないでいる影朧のほうを見る。どうやらメスが命中する直前に迷宮を作り出したものの、麻痺薬が効いていて動けずにいたようだ。崩壊には至らず麻痺していたから迷宮は維持されていたが、すでに戦える状態ではなかったのだ。
 怜はそっと少女の姿をしたそれに手をかざす。

 ……彼女たちにも、癒やしが必要なはずだからな。
大成功 🔵🔵🔵

テフラ・カルデラ
※絡み・アドリブ可

叫び声に反応して飛んできました!
一応元々の服装なので大丈夫…のはず

【全てを凍てつかせる小さな妖精】で敵を凍らせて倒しちゃいましょう!
ついでに【蝋シャンパン】の罠も仕掛けておきます…!
その間に括り付けられた人達を助け出しましょう…!

しかし…子供はどこへ連れ攫われてしまったのでしょうか…?


●温泉掘ってる少女VSひんやり冷たい妖精
 悲鳴が聞こえたので飛んできました!
 ぴょーんと元気よく現れたのはテフラ・カルデラ(特殊系ドMウサギキマイラ・f03212)。
 え、装備とか服とかちゃんとしてきたか……?
 テフラは自分のからだをぺたぺたと確認する。温泉にも入らず、石像を眺めてたときのまま。つまり元の服装なので大丈夫……のはずですね! 装備もバッチリ全部持ってます。

 テフラは影朧と対峙する。が、
「るーるるるる、るー……」
 はて、これは全く会話の通じなさそうな相手。となれば。
「凍らせて倒しちゃいましょう!」
 妖精さーん!
 頼みましたよ、と声をかけて、テフラは【全てを凍てつかせる小さな妖精】たちを喚び出す。喚び出された悪戯妖精たちは、触れたものをまたたく間に凍り付かせることができる。
 (影朧にとっては)残念なことに、ここは温泉地の外れ。どの穴の底にも温かいお湯は湧いていないので、凍った影朧はなすすべなくヒンヤリ冷やされるしかない。

「それからこれもっ」
 落とし穴の近くに、蝋シャンパンで罠を仕掛けておく。相手の掘った穴を逆に利用したトラップ。うっかり開けると蝋まみれになり、そのまま固まるという寸法だ。妖精たちの力も合わせて、上手くいけば影朧の動きをかなり封じられるはずだ。

 さて、その間に……!
 石像に括り付けられ土に埋もれた二人組を掘り出していく。……なんでこんなことになってるんだろう?
「しかし……」
 二人のうち一人は女性だが、聞こえた悲鳴はもっと幼い子供の声だったように思う。悲鳴の主が彼らのどちらでもないとしたら、あの悲鳴の元は別にいたはずだ。見た限りこの場には他に人間の姿は認められない。どこかにいるはずの悲鳴を上げた子供。
「その子供は一体どこへ連れ攫われてしまったのでしょうか……?」
 首を傾げるテフラ。
 ここで影朧がわざわざ立ちはだかるからには……もっと奥に連れ去ったのかもしれない。
 助けようと思うなら、先へ進むしかないようだ。
大成功 🔵🔵🔵

ザガン・アッシム
【アドリブ及び連携歓迎】【POW対応】

(ほぼ)全裸での戦いとか…慰安中に奇襲された時以来か

まあ、俺には関係ねぇけどな!(THE・GUNの武装起動)

それに、必要なら眼前の嬢ちゃん(敵)の服でも奪えb…

あ、いや違うんだ憲兵=サン。現地調達というのは戦場の常であって、決して俺自身の趣味嗜好じゃない

卑猥は一切ない、いいな?

内蔵サブマシンガンで敵の足元を【制圧射撃】して足止めし、動きが止まった所で【UC】で敵、若しくは敵の武器を捕縛し、引き寄せてから右手の殺戮刃物で【串刺し】にする

敵の攻撃は引き寄せた【敵を盾にする】か、【武器受け】で

UCは下腹部の隠し腕(比喩表現)から

卑猥は一切ない、いいな?(二回目)


●変形はかっこいい。古文書にも書いてある。
 こんなことは初めてではない。
 全裸に外套だけ(※ちゃんと前は閉じています。念の為)という姿のザガン・アッシム(万能左腕の人機兵・f04212)は回顧する。(ほぼ)全裸での戦いとか……いつだったか慰安中に奇襲されたとき以来ではある。

(まあ、今の俺には関係ねぇけどな)
 ザガンは左腕のTHE・GUNの武装を起動する。【フレキシブル・アーム】!
 これは自らの肉体をフレキシブル・ベロウズ・リム構造に変えるというすごいユーベルコードである。みなさんご存知だろうか、フレキシブル・ベロウズ・リム構造。比較的知名度の高そうなもので例えるなら空飛ぶ城にいるロボットの腕みたいなあれである。気になったら検索してみてほしい、かっこいいぞ。
 この変形した肉体なら伸縮自在、ついでに言ってしまえばちゃんと服を着ていないこともそんなに気にしなくて良い!
(それに、どうしても服が必要なら目の前の嬢ちゃんから奪えb……)
 もしもしポリスメン??

 あーーーーっっっ!!!
 いや、ちちち違うぞ! 違うんだ憲兵=サン!! 現地調達は傭兵として、戦場の常であってだな。決して俺自身の趣味嗜好じゃない。断じて違うぞ。
 卑猥は 一切 ない。
 いいな?

 問答している場合ではない。少女の姿をした影朧がシャベルを振り上げている。
「っと」
 ザガンは内蔵マシンガンで牽制をかけながら、UCの伸縮自在の腕で影朧からシャベルを奪い取り、体勢を整える。それからもう一度左腕を伸ばすと、敵をがさりと絡め取り捕縛しながら引き寄せ、右手に握った殺戮刃物で串刺しにしていく。外見が少女だろうと関係ない、これは戦いであり、相手は影朧なのだ。

 ただしUCは下腹部の隠し腕(比喩表現)から出る。

 ……なんて?
 もしもしポリs

 卑猥はない、いいな?(二回目)

 というわけで(?)卑猥なんてなかった。憲兵=サンの出番もない。生まれも育ちも戦場、生粋の傭兵たるザガンは淡々と戦闘を行い、オブリビオンを処理するだけだ。
 外套一枚はためかせ、ザガンは戦う──!
大成功 🔵🔵🔵

箒星・仄々
お仕事をお止め下さい
骸の海へお還し致しましょう
…願わくば転生も、ですけれども

UCで摩擦抵抗操作し高速滑走

攻撃は華麗なドリフト&魔法の残像分身で回避
魔力の盾で防御

例え一撃を受けても
先程温泉で閃いた旋律を奏で歌い
魔法の根源へ共鳴・増幅
世界に満る命の煌きで死者の王の力を打ち消し

すれ違いざまぺろ
武器がすっぽ抜けたり
脚の骨がバラバラに

影朧さんへお話
るーるーるるー

魔法で言葉が判ったり話せるのです(えへん


そのお姿から想像しか出来ませんが
さぞお辛い過去だったのでしょう
サークルオブライフ
命は巡り巡ります
もう転生していいのですよ

戦闘後に少女さんらへ鎮魂の歌を捧げます
男女をUCで解放
意識が戻るならば分けを尋ねます


●るるるるるるるるる
 この影朧、お仕事をしているらしい。
 箒星・仄々(ケットシーのシンフォニア・f07689)には分かる。さっき何となくだかそう言っていたように聞こえたのです。
「お仕事をお止めください」
 お願いしてみる。シャベルを握った影朧の動きが止まる。
「るー?」
 少女のような姿をした影朧が首を傾げる。
「る」(影朧)
「るるる」(仄々)

 ?!

「るるるる、るーるるる」(仄々)
「るー」(影朧)
「るるー、るーるー」(仄々)

 シャ、シャベッタァアァァア!!!!

 なんと仄々、魔法の力で言葉が分かったり話せたりするのです!(えっへん)
 魔法すごい!!

 ここから全部『る』だけで話をお送りするのもなんなので、仄々が彼女たちに語りかけた言葉を現代語訳付きでお届けいたします。
「るるるーるるる(そのお姿から想像しかできませんが)、
 るーるる、るるるる(さぞやお辛い過去だったのでしょう)」
「るー……」
 影朧は俯いている。
「るるるる、るーるー(サークルオブライフと申しまして)
 るる、るーるるる(命は巡り巡ります)」
「るる……」
 影朧は首を横に振っている……。
「る、るるる、るるるーるーる(もう転生してもいいのですよ)」
「るるる……」
 影朧はシャベルを構えた!
「る!」

 やっぱり対話と和解は無理だった! 魔法万能説崩壊!!
 言葉が通じても分かり合えるとは限らないですからね。仕方ありません。
「骸の海へお還し致しましょう」
 いえ、願わくば転生していただけたらなお良いのですが。

 ともあれ仄々はシャベルを振り上げて襲いかかってくる少女の横を、ユーベルコードを使用しながら素早くすり抜ける。振り下ろされたシャベルも華麗なドリフトで回避しつつ、少女の脚……剥き出しの骨を少しだけ、ぺろり。猫の毛づくろい。
「る……?!」
 かしゃり、くしゃり。摩擦係数が限りなくゼロに近くなった脚では立つこともままならず、その場に崩れ落ちる。
「るー……!」
 仕方なくそのままでシャベルを振るうも、仄々は先ほど温泉に浸かっていて閃いたあの歌を歌い奏でる。それは魔法の根源へと共鳴し、増幅される。その音色は影朧のシャベルに宿る死者の国の力とは真逆の、世界に満ちる命の煌き。
「る、る……」
 怯んだ隙にまたぺろり。今度こそシャベルも手からスッポリ抜けて飛んでいってしまった。
「……どうか、ゆっくりおやすみください」
 もはや何も出来ない影朧に、仄々は小さく礼をする。もう少しくらいなら離れても大丈夫だろう。すべてが終わった後で、彼女たちのために鎮魂歌を捧げることにして……。

 それから仄々は掘り出された二人組の元へと向かう。
 ぺろ、ぺろり。石像とガッチリ括り付けられていた紐もぺろり、猫の毛づくろいですんなりほどけた。
「あの……大丈夫ですか?」
 聞けるなら事情を聞きたいと思ったのだ。ケットシーのおててでそっと撫でてみると、二人のうち男性のほうが目を覚ました。
 周囲を見回した彼の第一声は、
「あっ……あの、うちの子を見ませんでしたか?!」
 うちの子?
「温泉で、三人で一緒にいたはずなんですが……」
 そもそもここはどこで何が起きているのかも分からない、といった様子だった。……なるほど。やはりあの悲鳴は子どもさんの声だったのですね。
「今しばしお待ちください」
 ご心痛はお察しいたします。けれどどうか、ご安心を。必ず私たちがお助けしますから。
「ありがとう……お願いします……」
 項垂れた男は連れの女性を気遣いながらも、仄々に礼を述べた。

 仄々は影朧が立ちはだかっていた道の奥へと視線をやる。おそらくは、この向こうに。
大成功 🔵🔵🔵

薙沢・歌織
【WIZ】
衣装は前回、水着から学園制服に着替えてきました。

旅館の奥に、このような廃路が…。
脚部の骨が剥き出しになった、影朧の群れ…誘拐事件を起こしていたのは彼女達のようですが、この様子だと廃路の奥に、更なる上位の影朧がいそうですね。

骸骨の迷路に、私を閉じ込める気ですか?ならば私は【魔力溜め・全力魔法】の【アルダワの幻影迷宮】で骸骨の迷宮を上書きし、すぐに幻影迷宮を消して対抗します。
影朧には近接戦闘で対抗。ロープを敵へと放ち【捕縛】し、雷迅刀の【破魔】の力を込めた【切り込み】を放ち斬り捨てていきます。敵が片付き次第【偵察】して囚われた人々を探し、【救助活動】と旅館への避難指示を行います。


●迷い路
(旅館の奥にこのような廃路が……)
 薙沢・歌織(聖痕宿す魔法学園生・f26562)周囲を見渡して息を呑む。ちなみに服装は先程お風呂から上がって早着替えで着替えた学生服である。
 目の前にいるのは脚部の骨が剥き出しになった少女のような姿をした影朧の群れだ。彼女たちが誘拐事件の実行犯であることはもはや疑いようもない。
(……でも、この様子だと廃路の奥に、更なる上位の影朧がいそうですね)
 歌織は意識を引き締める。

「るるるるる」
 影朧がシャベルを振り上げる。
「……っ!」
 戦場が一瞬で骸骨の迷宮で覆われようとする。しかし。
「ならば……!」
 目には目を、歯には歯を。迷宮には迷宮を。全力の魔力を込めたユーベルコード【アルダワの幻影迷宮】をその場で展開する。ほんの数秒、二種類の迷宮がひとつの空間に混在したかのように見えた。
 だがしかし、骸骨の迷宮は歌織が作り出した幻影迷宮によって空間ごと上書きされ、幻と消える。歌織もまた自らその発動を解除したことで、戦場は元通り山の廃路の姿を取り戻した。

「るー!」
 迷宮を破られた影朧は闇雲にシャベルを振りかざし襲いかかるが、歌織はそれらをひとつひとついなしていく。ロープを投げて捕縛し、破魔の力の宿った武器──雷迅刀による切込みを放ち、切り捨てていく。

「……ふう」
 大方の戦闘が終わったところで、歌織は周囲をよく観察する。落とし穴のひとつひとつも確認したが、どうやら最初に見えた男女の二人以外、ここには一般人はいないようだ。
「……気が付かれましたか?」
 石像に括り付けられていた二人組のうちの一人、女性のほうが目を覚ましたのに気付き、声をかける。
「あ……」
 女性はしばし周囲をきょろきょろと見回し、連れの子どもが一人いないことを必死に話した。その慌てぶりときたら、放っておけば自分で探しにいこうとするかもしれないというほどだ。歌織はゆっくりと、言い聞かせるように静かな言葉で女性に語りかける。
「落ち着いてください。ここには頼りになるひとがたくさんいます」
 だから、大丈夫。
 旅館まで戻り、待っていてください。

 女性は少しだけ戸惑った様子を見せたが、しばらくして頷いた。彼女が旅館の方へ向かったのを確かに見届けてから、歌織は廃路の奥を見る。
 大丈夫。自分にも言い聞かせるように頷く。悲鳴が聞こえてから、まだあまり時間は経っていない。
(……どうか、無事でいてくださいね……)
 静かに。ただそれだけを祈った。
大成功 🔵🔵🔵


第3章 ボス戦 『アイスメーカー『サンデューワ』』

POW ●『アイスメーカーズ』さん、本日も宜しくお願い。
【触れた対象を吸い込むアイスクリーム製造機】で武装した【アイス屋店員】の幽霊をレベル✕5体乗せた【百貨店1フロア規模のアイス屋空間】を召喚する。
SPD ●ご注文はお決まりですか?(『メイクオーダー』)
【開いたメニュー】を向けた対象に、【気になった品に対象を変化させる光】でダメージを与える。命中率が高い。
WIZ ●『アイス・サンプリング・フェア』
小さな【ガラスケースを設置すると、それは戦場】に触れた抵抗しない対象を吸い込む。中はユーベルコード製の【強制アイス化空間で、使用者が持ち出す事】で、いつでも外に出られる。
👑11 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠ポーラリア・ベルです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


「いらっしゃいませー♡」

 ……何故。
 どうして?
 なぜにホワイ山の奥にアイス屋さん。
 笑顔がかわいい店員さん。
 だが影朧だ。

 笑顔。
「あらら、もしかしてるーちゃんはやられてしまったのですか?」
 笑顔。ため息。
「しょーがないですね。るーちゃん、ちょっと意識がふわふわしてるとこありましたし……」
 古い石像を埋める以外、言われたことしかできないるーちゃん。
 さっきもおとなのひとを静かにしてねってお願いしたらこどもは放置でした。おかげで悲鳴があがっちゃって、猟兵さんたちが来ちゃって……。

「でも、るーちゃんのおかげで新鮮な素材が手に入りました!」
 笑顔。
「猟兵さんたちも一緒にいかがですか?」
 笑顔。
「……って言っても駄目なんでしょうねー」
 そしてまたため息。

 せっかく活きのいい、とってもかわいい男の子を手に入れたんですけど。
 女の子に見えるくらいの年頃の子が一番おいしいと思うんですけど。
「……やっぱりだめですよねー?」

 当然駄目である。
 やっぱりオブリビオンと猟兵は分かり合えない。

「これから美味しいアイスになってもらおうと思ったんですけど」
 邪魔をするなら仕方ないですねー。ひとまず保管庫に入れておいて。
「こうなったら、みなさんを先にしちゃいましょう!」
 美味しくなってくれますか?

▼マスターより
 誘拐犯主犯(アイス屋の店員さん)との対決となります。
 さらわれた子どもは特別製の保管庫の中ですので戦闘中危害を加えられることはありませんが、同時に猟兵たちもオブリビオンを倒すまでは手出しできません。
テフラ・カルデラ
※絡み・アドリブ可
WIZ

やっぱりあの穴掘り少女(?)はあなたの差し金だったのですね!
子供をアイスに変えるなんて恐ろしい…でもそうはさせませんよ!

あ…あれ?このアイスメーカーさんすごーく目を輝かせているのですが…
女の子に見えるくらいの年頃の子…あっ…!?
完全にわたしをターゲッティングされています!こうなったら【あま~いちょこれーとらびりんす】を発動させて、アイスにされる前に相手をチョコレートで固めてしまえば…!
どちらがおいしい甘味になるか勝負なのです…!!
(アイス化される際はチョコアイス希望)


●おいしいおいしいチョコアイス♪
「やっぱり!」
 テフラ・カルデラ(特殊系ドMウサギキマイラ・f03212)は人差し指でビシィっとアイス屋さんを指し示す。
「あの穴掘り少女(?)はあなたの差し金だったのですね!」
 対峙したときにも違和感はあったのだ。彼女がるーちゃんと呼ぶあの影朧たちは話も通じなかったし、テフラの仕掛けた罠にもやすやすと引っかかった。ひょっとしたら自分の意思では動いていないのかもしれない……そんなことを考えていたのだ。

 それにしても。
「子供をアイスに変えるなんて……」
 そして食べちゃおうだなんて。
「恐ろしい……でも、そうはさせませんよ!」

 そこまで喋ったテフラ。ふと見上げるとアイスメーカーさんはキラーンと目を輝かせている。あ……あれ? なんかすごーくやる気に満ち溢れたお顔を……しているのですが……?
 さっきまでの彼女の発言を振り返ってみる。
『活きのいい、とってもかわいい男の子を〜……』
『女の子に見えるくらいの年頃の子が一番おいしいと〜……』
 かわいい男の子……女の子に見える……年頃……。
「あっ(察し)」
 齢13半ば、テフラはひとつの事実にたどり着く。たどり着いてしまった。察してしまった。
 彼女の求めるもの(アイスの材料)に、まさに自分がどストライクであることに──!

「うふふ、まさか自分から飛び込んできてくれるなんて♪」
 これはつまり……完全にわたしをターゲッティングされています?!
「猟兵さんは、どんなアイスになりたいですかー?」
「いやいや、アイスになったりしませんから! しませんから!!」
「そうですかー? きっと美味しいですよー?」
 店員さん、ワクワク顔!!!
 そしてドォん、とどこからともなくガラスのサンプルケースを取り出す。どれでもお好きなのをどうぞ♡
 Q.ちなみにこれ選ぶと?
 A.お望みのフレーバーのアイスになれちゃいます♡♡

 うわぁ、フレーバー選べるんだぁ……(そこじゃない)。
 暑い夏特有の『新種の状態異常:お好みのフレーバーアイス』と思えばなってみるのもやぶさかではないけど、食べられちゃうのはお断りしたい、全力で。
(こうなったら……!)
 テフラは【あま〜いちょこれーとらびりんす】発動させる。アイスにされるより先に、相手をチョコレートで固めてしまえば……!

 強制アイス化空間vsチョコレートの迷宮!!
「あら、まあ。おいしそうなチョコレート」
「どちらがおいしい甘味になるのか、勝負なのです……!!」
 チョコレートの迷宮はドロドロチョコまみれ。そこかしこをチョコレートスライムが闊歩し、うっかり迷えばチョコの壁や沼に取り囲まれチョコになってしまうという恐ろしいチョコレート・フォンデュな迷宮である。
 だが、強制アイス化空間だって相手を美味しくすることでは負けていない(?)。ひんやり空間がチョコレートスライムたちの動きを鈍くしていく……!
 そう、チョコレート・フォンデュは温めてドロドロのチョコレートでなくては成立しないのである!!
 つまり、アイス化空間と絶妙に相性が悪い。
「チョコレートと……アイスが合わさって……チョコアイス……」
 ひんやりチョコアイス・テフラの出来上がりである。

 これは、まずいのでは?
「ちゃんと美味しくいただきますよ」
 そういう意味ではなく!!
 えっ、チョコアイスになっちゃった猟兵をどうするかって?
「出来たてはまだ冷たさが足りないので、冷凍庫いきです!」
 店員さんはそそくさと戦場のすみにテフラ(チョコアイスのすがた)をおいやる。
「ふふふ、この戦いが終わったら食べてあげますからねー♡」

(ぎゃー!!)(食べられるのは……いやぁ……!)
 テフラ、チョコアイス化により戦線離脱──!
成功 🔵🔵🔴

朱酉・逢真
心情)ミートアイスって味どうなんだろな。味付けしだいだとは思うが、素材の味を殺すならなんだっていいハナシさ。なんにせよ、俺は味なんかわからんがね。俺を食うって? そいつぁ難しい願いだねェ。この身はこの世すべての毒厄。含めば神仏もおっ死ぬぜ。

行動)アイス化空間を上書きしてやらぁよ。俺の《軛》は世界を俺から守るが、短い間なら世界から俺を守ってくれもするのさ。そのすきに空間をのっとる。そうすりゃここは冥府につながる。この嬢ちゃんに食べられて死んだやつはいるかい。復讐したけりゃチカラ貸してやる。眷属たちと外に出してやろう。さあ、無念を晴らすがいいさ。


●世と世のはざまで
 ふむ。朱酉・逢真(朱ノ鳥・f16930)は少しばかり考える。いや別段大したことではない。
(ミートアイスって味どうなんだろな)
 そんな他愛もないことである。
 人間の……それも特定の年齢を狙ってかっさらって材料にしようってえのだから、ひょっとして旨いんか?
(味付け次第だとは思うが)
 素材の味を殺すならなんだっていいハナシさ。

 そう、なんだっていい話なのだ。なんにせよ、そもそも逢真には味が分からないのだし。
「美味しくなって、くれますか?」
「俺を食うって?」
 それはそれでとんでもない話だ。悪い冗談がすぎる。食われてやる気がないのは誰でもそうだろうが、
「そいつぁ難しい願いだねェ」
 病毒の神である逢真はその身それ自身がこの世すべての毒厄だ。アイスに仕立てて口に含んだとて、いかなる神仏化生だとても一口でおっ死ぬこと間違いなしだ。味を確かめる暇もないだろう。

「むむむ……食べられなくても、アイスを作ることに意義がありますので!」
「ヘェ」
 展開された強制アイス化空間の中でも、逢真は平然と笑う。
「そのアイス作んのに、これまで何人“使った”んだろぉな?」
「んま」
 店員さんは目をぱちくりする。『これまで食べたアイスの数なんて覚えてません!』とばかりに。
「サテ、確認してみるかい?」
 逢真の《軛》は、本来なら逢真の毒から世界を守るための力だ。だが今このときは違う。その力をもってすれば、世界から……つまり今この場ではアイス化空間から逢真を守るモノにもまたなり得るのだ。
 そして──

 発動するのはユーベルコード【妣が国】。
「なっ、なんです何です??」
 アイス化空間を飲み込んで、逢真が空間を乗っ取る。塗り替えられた世界は冥府に繋がる。
 朱色の羽根が舞い散る世界。誰もが一度は訪れて、また誰もが忘れ去っていく。そこは神としての逢真の神域。現世ならぬ、死者の魂の在る処。
「この嬢ちゃんに食べられて死んだやつはいるかい」
 逢真は虚空に呼びかける。淡いひかりがひとつ、ふたつと集まってくる。
 ああ。居る、居る。いくつもいる。辛かろうな、悔しかろうな。
「復讐したけりゃチカラ貸してやる」
 眷属に乗せてやろう。現世での器を貸そう。今ひとときだけ、外に出してやる。
「さあ、無念を晴らすがいいさ」

 ぱちん。
 弾けた音がして、世界はアイス化空間でも死者の国でもない、もとの山道に戻る。しかし逢真の眷属たちは現れたままだ。
 それらはほのかな力を帯びて、影朧へと襲いかかっている。
「やっ、やーん! ちょっと、なんですか、これ!!」
 何と言われても。
 それは逢真が遣いとする毒と病を媒介する生き物たちだ。そして今それを動かしているのは、彼女がアイスの材料としたもののナカミ。
「好きにやりな」
 逢真が言うまでもなく、鳥たちは好き勝手に影朧を啄き啄んでいく。

 ああ。なんならそのまま食い返してやんな。
成功 🔵🔵🔴

ロク・ザイオン
★イージーと

折れたな。
(シャベルはだめでした)
(見回しても【野生の勘】でも
確かにここにはもう、近接斬撃武器は見つからない)
じゃ、使う?
おれ。

(「捧架」
己のかたちは、キミにとって最も扱い易い刀の姿を映す
振るわれれば吸い込まれる前にその【鎧を砕こう】
氷菓売りに【恐怖を与える】【焼却】の灼熱もキミの意のままだ)

(ところで森番変身地点には上だけの作務衣がヒラヒラ残されています)
……終わった?
(ネイキッド・ワイルド・森番再び
変身解いたら都合良く服を着ているわけがないじゃないか)
!?(イージーのすごい声に硬直した隙にスポーン服が被せられる)

……イージー(硝子凝視)
!?(また叫ばれた)(どうして!?)


イージー・ブロークンハート
★ロクと
こんにちはただの士です…。
ロクごめん今度こそ無理…百貨店フロアにゃねえもん近接斬撃武器…お客様の安全の為無要な刃物の持ち込みは禁止しております…。
えっ
わーー!
(剣、様相は刀に似て、肌は硝子ではない、鋼の一振り)
かっけーー!ロクすげーー!
ならいざやご覧にいれよう、麗し玉肌に傷一つつけぬ、剣豪が剣刃一閃。
襲いかかってきそうな敵から見切り切り捨てる!
(灼熱纏い、断つだけでなく打つに優れた、全くなんたる)
名刀だこと!
…ん、あれ作務…
ア゛ーーーッ!!(全裸ッ)(嫁入り前全裸ッ)(マッハでタートルネックを脱ぐ)(マッハでロクに被せる)(スポーン)
あっ(隠しようのない硝子の身体)
…えっ、エッチーー!


●ご覧じろ、これなるはひとりの士なれど
「こんにちは、ただの士です……」
 開幕再び虚空に語りかけるこの男、硝子剣を失った(硝子剣)士ことイージー・ブロークンハート(硝子剣士・f24563)である。
「折れたな」
「うん、折れた……」
 イージーの心ごと折れた。何がって、シャベル。シャベルはだめだった。一瞬だけいけそうだったけどやっぱりだめだった。
 温泉から慌てて駆け出したので硝子剣は手元にない。奪ったシャベルでユーベルコードを使ったら折れた。もはや本当に何一つ武器がないイージーに容赦なくその事実をつきつけるのは、イージーは弟分と思っていたが実はおなごだったロク・ザイオン(月と花束・f01377)。

「はーい、2名様ご案内ー♡」
 ハートブロークンモードのイージーをよそに展開される百貨店1フロア規模のアイス屋空間。100や200じゃきかない大量の幽霊店員たち(アイス製造機装備)。
「ロクごめん……」
 めげめげなイージー。いやだって無理でしょ。だってただの士だもん……相手のフィールドだしさ……。
 今度こそ無理……百貨店のフロアにゃねぇもんよ近接斬撃武器はさ……。
 お客様の安全の為無要な刃物の持ち込みは禁止しております……ほら虚空もああ言ってるし……。
「イージー、」
 なに言ってるの、とはロクは言わなかったが。
 確かにロクが周囲を見回して見ても、集中して野生の勘を駆使しても。ここにはもう、近接斬撃武器は、ない。
 他にないのなら。じゃあ。

「じゃ、使う?」
「え?」 ……何を?
「おれ」

 おれ。

 ……ってロク、を?

 戸惑うイージーが聞き返すより速く。
 【棒架】
 ロクは姿を変じる。形状は望まれるがままだ。硝子剣士のそれがかつてそうであったと同様に。
「握って」
 つかめ。
 言われるままにイージーが手を伸ばせば、その姿は剣に。
 様相は刀に似て、だが硝子剣とは違いその肌は鋼。しかしそれは剣士にとって最も使いやすく、使いなれた形を写す。
「わーー!」
 えっ、すごい。かっこいい。
「かっけーー!」
 ロクすげーー!!

 燃える赤毛はそのまま灼熱の焔となり、刀身に纏う。ああ、美しい刀だ。
「なら」
 ならばいざやご覧に入れよう、麗し肌に玉肌に傷一つつけぬ、剣豪が【剣刃一閃】。
 ひとつ振るい、近場の幽霊から順に見切り、切り捨てていく。
「あ、ちょ、ちょっと!! アイスフロアは火気厳禁ですよお!」
 店員さんが思わず後退りながら叫んでいる。いやしかし幽霊たちはさくさくと片付いていく。振れば灼けて、斬れて。
 灼熱を纏う刀身。断つだけでなく打つにも優れた、全くなんたる──
「名刀だこと!」
 その身も軽く感じるほどに。


 ……ところで。
 つい先ほど刀に姿を変じた森番であるが、そのときに落としてきたものがある。その場に落ちているそれにイージーは見覚えがある。
 作務衣(上だけ)。
 ひらひらと地に落ちているそれ。どうしてそれがそこにあるのかとは聞くまでもなかろう。
「ん、あれ、作務衣……」
 違和感と見覚え。だってそれはこの剣士が森番に無理やり貸し出したものである。
「……終わった?」
 戦いが一区切りついたのを察して、するり、森番はひとのかたちを取り戻す。
 もちろんネイキッド・森番である。当然である。変身解いたら都合よく服着てるなんてあるわけがないじゃないか。
「ア゙ーーーッ!!(全裸ッ)(嫁入り前全裸ッ)(マッハでタートルネックを脱ぐ)(マッハでロクに被せる)(スポーン)」

 すごいスピード感。
「……!?」
 なんだ。叫びながらものすごい速度で服を着せられた。すごい声にちょっとビックリしてる隙にスポーンと頭から被せられた。今の今までイージーが着てたタートルネックはちょっと大きいし暑い。
 突然の叫びと服の押し付け(本日二度目)、何故どうしてそれが発生したのか分からないロクはイージーを見るするしかできない。作務衣もタートルネックも脱いだイージーの肌には硝子が露出しているのでつい視線はそこへ向かう。凝視してしまう。
「イージー」
「……あっ」
 しまった。硝子の身体を隠すものがない。これ見られたくないから服オン服、温泉来てまで厚着してたのに。
 森番は無垢な瞳でじっと見ている。悪意がないのは分かる。分かるけど見られたくないのは見られたくないのであって……
「えっ、エッチーー!!!!!」
 見ないでーー!!!!

「!?」
 また叫ばれた。本日何度目かのイージーの叫び。
(どうして!?)
 自分で服を脱いでおいて今度は身を隠そうとするイージーの、その複雑すぎる心境はロクにはわからない。
 えっ、なに?
 服が要るんだったなら返そうかとしたらそれも全力で止められて、もうどうしたら正解なのか森番には分からない。
「あっ、作務衣!! 作務衣取って!」
 ロクは言われるがままに作務衣を拾って手渡してくれる。とはいえ普通に着ても硝子丸見えなので後ろ前に着てみたりとりあえずなんとか硝子が見えないように巻いてみたり……。
「…………終わった?」
「お、おう。……おう……」
 本日二度目の『終わった?』。なんとも不格好な作務衣姿の剣士がひとりと、借りた大きめのタートルネックからすらりと足が出ちゃってる森番がひとり。
「……全部終わったら、アイス食べに行こうな……」
 どこか遠い目をしたイージーに、ロクは頭の上に『?』を浮かべながらもわかった、と頷いたのだった。
成功 🔵🔵🔵🔵🔴🔴

春霞・遙
未来ある子どもを食べようなんて、ダメですよ。気づいてしまった以上見逃せません。
連れて行った子を返してくれて、それ以上悪さをしないで、そのまま骸の海に帰るというのなら代わりにアイスにされてもいいですけど、約束頂けないんでしょう?

なんとか最低限見苦しくならないように立ち回ります。
拳銃で牽制しつつ【御霊滅殺符】で光の効果を殺したり、符を投擲して彼女を攻撃したりします。
チョコミントは好きだけど、人の命でできたアイスなんて食べたくはありません。

逆凪がなんであれ、呪われたアイスなんて食べたくはない、かな。
ああ、禊というわけではないけど終わったらもう一度温泉に入りたいなぁ。


●お話し合い[こうしょう]は決裂しました
「ダメですよ」
 春霞・遙(子供のお医者さん・f09880)は毅然と言い放つ。
「未来ある子どもを食べようなんて、ダメですよ」
 子どもには未来がある。まだまだ先の人生がある。それをここで摘んでしまうなんて、許されることではない。気付いてしまった以上、見逃せません。
「はああー、やっぱりダメですかー……」
 はあ、と影朧はまたため息を吐く。
「ちなみになんですけど、あなたもやっぱりアイスにはなってくれないんですよねー?」
 基本的にはノーだ。
「連れて行った子を返してくれて、それ以上悪さをしないで、そのまま骸の海に帰るというなら代わりにアイスにされてもいいですけど、約束頂けないんでしょう?」
「それじゃあ結局アイスを食べられないじゃないですかあ!」
 当然である。それらがお約束頂けないなら交渉は決裂だ。

 遙は銃を抜いて構える。なるべく動き回りたくないというのが本音だ。
「ちょっとー、そんなに遠くちゃメニューが見えないでしょう?」
 なのに、するりと懐に入ろうとするこの影朧。
「そんなですね、いかにも温泉から上がってきました〜みたいな格好で……」
 まあ、遙は浴衣に雪駄。それ以外の装備はといえば辛うじてUCを使うのに必要最低限の銃や符のみ。タオルで髪を纏めていたら多分満点だっただろう。
「気になるアイスがないなんて言わせませんよー♪」
 ぐっ。
 そりゃ、だって。温泉もアイスも、好きですし。

 ……って駄目だ!
 咄嗟に符を出してメニューから出る光の効果を打ち消す。あぶない危ない。あやうくチョコミントアイスにされるところだった。
 【御霊滅殺符】はあらゆる霊的要素を殺害する穢れを宿した符だ。逆凪という代償はあるものの、今は手段を選んでいられない。……色んな意味で!
「きゃっ、ちょっと、なんですか!!」
 符の力に驚いた影朧をさらに銃の牽制で押し返す。
「いいじゃないですか、アイス。美味しいですよ」
「あなたと一緒にしないでください。人の命でできたアイスなんて食べたくありません」
 言いながらさらに追い打ちするように符を投擲する。
 ──人の命をなんだと思って。

 遙は怒っていた。
 人の命を喰らおうとすることにも、その中でも未来ある子どもを狙うことにも。彼女のそれを全く悪いことだと思わない振る舞いにも、そんな影朧と戦わねばならないことにも、温泉からこんな格好でこんな場所まで走らされたことにも……!!


(はぁ……)
 符の使用による逆凪はその時によって違う。どんな逆凪であろうと受ける覚悟をして呪いを符に込めるのだ。
 ……今回の逆凪がなんであれ、呪われたアイスなんて食べたくない。アイスは確かにちょっと食べたいが、人の命でできたものなんてとんでもない。呪われたアイスなんてもってのほか。
 ……ああ、禊というわけではないけれど。
(これが終わったら、もう一度温泉に入りたいなぁ)

 今度こそ、ゆっくりと心ゆくまで。
大成功 🔵🔵🔵

ザガン・アッシム
【アドリブ及び連携歓迎】

秘境のアイス屋か…

悪いが嬢ちゃん、その店は今日で店じまいだ

親御さんも、そして子供も悲しませる訳にはいかないからな

さあ、覚悟しやがれ!!(E:外套、どこかで見たワンピース(new!))

…ちゃうねん(震え声)。断じて趣味やない、これはUDCの研究用のサンプルなんや(似非関西語)

敵がアイス屋空間を展開したのを確認したら、尖兵諸共UCで滑らせて敵の攻撃を阻害する

場の冷気には【氷結耐性】と【環境耐性】で耐え、敵を粗方油塗れにしたら、武器を火炎放射器に切り替えて敵を一斉に【焼却】し、回避、或いは逃走を図ったらワイヤーで敵を【捕縛】して【継続ダメージ】を与える

…どうだ?暖まっただろ?


箒星・仄々
アイスは夏の定番ですし
温泉あがりには珈琲牛乳同様必須です
けれど人をアイスに変える非道は赦しません
骸の海へお還ししましょう
転生も促したいです

属性魔力の旋律や剣戟で
製造機や店員さんを攻撃

主たるは緋の音や銀朱の刃:炎
アイスを溶かし
製造機を過熱

吸い込まれても中から攻撃し脱出

魔力の一閃でアイス屋空間を断ちます

店員さん
過去である貴女が創れるのは
昔懐かしいレトロアイスだけ
其で満足ですか?
転生すれば新たなアイス作りへの道が拓けますよ?

事後
保管庫から救出し慰撫

転生時は旅立ちを祝し
そうでなければ安らぎを願い
温泉で閃いた曲を演奏

お子さんをご両親へお届けしたら
温泉に入り
入浴後はお楽しみのアイスタイムと行きましょう♪


●冷たいと熱いの狭間で
「秘境のアイス屋か……」
 呟く。どうしてこんな山の奥にアイス屋さんがいるのか、ザガン・アッシム(万能左腕の人機兵・f04212)は知らない。こんなところにアイス屋がいてはいけないとは思わないし言わない。……彼女が影朧でさえなければ、の話だが。
 ひょっとして団体客は俺たち猟兵が初だろうか? だとしたら彼女には残念だが、
「悪いが嬢ちゃん、この店は今日で店じまいだ」
 アイス屋はいい。子供がアイスを食べて笑顔になるならいい。だがこの店はまるで逆だ。
 子どもを犠牲にするような店を続けさせることはできない。子どもの親御さんも、そして当然だが子供も悲しませる訳にはいかないからな。
「さあ、覚悟しやがれ!!」

 そして傭兵は咆える──!

 ……と。突然だがここでその傭兵の装備品を見てみよう。
 装飾:外套
 頭:なし
 胴:どこかでみたワンピース new!!
 足:なし

 >>どこかでみたワンピース<<
 ヘイユーそれどうしちゃったのさ?

 ……いや、ちゃうねん。
 震え声で虚空へと言い訳するザガン。
 ちゃ、ちゃうねん。断じてこれは……これは俺の趣味やないねん。趣味やなくて、ちゃうくてつまりその、UDCの研究用のな……? そう、研究用のサンプルなんや。
 ええか?

 ええもなにも……
 それは色々とアカンやろ!!!!!!

 以上、現地の虚空さんからのツッコミをお送りいたしました。
 引き続き本編をお楽しみください。


 さて。咆える傭兵の隣に立つのは箒星・仄々(ケットシーのシンフォニア・f07689)。猫の額に憂える眉間の皺……があるかどうかはよく見えないが、ほうと小さく息を吐く。
 アイスは夏の定番ですし。
 ええ、みんな好きですとも。仄々だってそう。温泉あがりには珈琲牛乳同様必須です。
「けれど、人をアイスに変える非道は赦しません」
 アイスが好きな心は同じかもしれないが、それは決して許されざることだ。
「骸の海へお還ししましょう」
 でも、出来ることなら転生の癒やしを得られますように。仄々は心の片隅でそう祈る。

「さあ、本日も張り切って開店!」
 アイスメーカーズさーん、と彼女が呼ぶと、展開されるのは百貨店1フロア規模のアイス屋空間。そしてどこからともなく現れるアイスクリーム製造機を抱えた店員幽霊たち。
「いじわるな猟兵さんたちもアイスにしちゃいましょう♪」
 ごーごー♡ とお気楽な声援を送る店員さん。
 だがそうは問屋がおろさない。

 まずは仄々が緋の音や銀朱の刃:炎でアイスを溶かしては、製造機を過熱していく。アイス製造機といえど機械は機械なので熱せられれば故障してしまうのだ。
 それでいくらか数が減ったところを見計らって、ザガンが特製油(食用にもなる安全なタイプのものです、なんとアレルギーにも配慮!)を撒いていく。……食べる予定はないのだが、とにかくこの油よく滑る。幽霊店員さんたちがすってんころりん。みんな転んで油まみれ。
 さあて、そろそろ頃合いだろうか。ザガンは腕に内蔵している装備を火炎放射器へと切り替える。簡単なことだ。油+炎=?
 答えは『大炎上』!
 あちち、あちち、と転がる幽霊店員たち。
「どうだ? 暖まっただろ?」
 傭兵がにやりと笑う。イエス、ハードボイルド。……服装が外套&ワンピースなのは見なかったことにする。

「あわわわわわわ……」
 燃え広がる炎を前にオロオロする影朧。とりあえずアイスが溶けないように冷気を保とうとしている。
 だがそれもむなしい努力。仄々の魔力がこもった一閃で、ダメージの蓄積していたアイス屋空間は脆くも崩れ去ったのであった。

「ああ……わたしのお店が……」
 がっくりとうなだれる影朧に仄々は声をかける。
「店員さん」
 アイスが大好きなあなた。あなたはオブリビオンという、過去から生まれた、過去でしかない存在。
「そんなあなたが創れるのは、昔懐かしいレトロアイスだけです」
 ねぇ、あなた。アイスが大好きなあなたにお訊きします。
「それであなたは満足ですか?」
 世界にはもっともっと、新しくて素敵な、美味しいアイスがたくさんあります。それらを知らずに、作れずに、食べられずに、それで満足できるのですか?
 ゆっくりと、丁寧に。仄々は彼女に転生の道を促す。
「ねぇ、店員さん。転生すれば、新たなアイス作りへの道が拓けますよ?」
「そ、そんなこと言われても……」
 少し、俯いて。

「……だって、転生しちゃったら今度は、“こういう”アイスは作れないんでしょう?」
 ハッ、と仄々が我に変えるより速く、ザガンが投げたワイヤーが影朧の取り出そうとしたメニューブックを叩き落としていた。
「油断するな」
 言いながら、ザガンは影朧を睨む。影朧もまた睨み返す。
「わたしは自分の好きなアイスが作れればなんでもいいんです。古いとかレトロとか時代遅れとか人間アイスは無いわーとか言われても知りません!!!」
 おこ。店員さんおこである。
「言ったろ、嬢ちゃん。今日でここは店じまいだ」
 ザガンは冷たく繰り返す。
 だって実際人間アイスは無い。あってはならない。今の彼女の在り方を肯定できるものは、少なくともこの場にはいないのだ。
「もう諦めろ」

 そんな言葉で諦められるなら、きっと影朧などにはなっていないのだろうが……。だが、気休めだろうとそう言うしかできない。
「せめて、来世を期待しな」
 どうかもっと、前向きに。
大成功 🔵🔵🔵🔵🔵🔵

薙沢・歌織
【WIZ】
恐らくあのメイド型影朧が、誘拐事件の真の主犯でしょう。
魔法の実験は好きではありますが…私はあなたのように、子供をアイスの材料にするようなことは絶対やりませんからね!

【我が身に宿れ、炎の女神】を発動。常時緋炎剣とエレメンタルオーブと翼の炎を燃やし、更に地霊盾の【氷結耐性】を発動して抵抗の意思を示し、これらの熱を【全力魔法】で更に増幅して放ちガラスケースの故障を狙います。

メイドへは遠距離からエレメンタルオーブの【火炎弾の属性攻撃】、接近チャンスができたら【ダッシュ】し、緋炎剣での【炎属性の切り込みによる焼却】でアイス攻撃を打ち払いながら攻めます。
…アイスへの妄執は、私が断ち切ります。


●妄執を断つ刃
 あれは……カフェーの給仕さん? いえメイドさん? とにかくあの店員さん影朧が誘拐事件の真の主犯ということで間違いなさそうです。
 他の影朧に手伝いをさせていたことまで自主的にぺらぺら喋ったことからも、その予想が正しそうだということが察せられる。
「魔法の実験は好きではありますが……」
 薙沢・歌織(聖痕宿す魔法学園生・f26562)はアルダワでの生活を思う。色々なものから色々なものが作れる。実験は好きだ。けれど、材料に人間は選ばない。
「私はあなたのように、子供をアイスの材料にするようなことは絶対にやりませんからね!」
 キッパリと言い放つ。

「じゃあ、あなたのほうがアイスになっちゃってください!」
 ぷう、と少し膨れた影朧はその場にガラスケースをどんと置く。強制アイス化空間への誘いだ。
「そのお誘いには乗れません!」
 盾を構えて拒絶の意思をはっきりと示し、歌織はユーベルコードを発動する。
 【我が身に宿れ、炎の女神】
 歌織の姿が変わっていく。その姿は背に緋炎の翼をもつ、燃えるような赤髪の女神。手にした剣と今まで非実体化していたエレメンタルオーブ、そして背の翼に熱き炎をごうと燃やし、全力魔法でガラスケースめがけて熱を放つ!
「きゃーっ、アイスが溶けちゃうじゃないですか!!!」
 悲鳴をあげるアイス屋さんの影朧。

 だが、アイスの心配をしている場合ではない。歌織は続けて彼女に向けてもエレメンタルオーブから火炎弾を放ち攻撃する。
「やっ、ちょっと、やめてくださいよー!」
 火炎弾から逃げ惑いながらもガラスケースの炎を消そうとしているその隙をついて、女神の姿になった歌織は飛翔し、急接近する。その手には、炎を帯びた緋炎剣アメノホアカリ。
 その踏み込みは風のごとく。切込みは炎を纏い、熱を帯びて、アイスの冷気を近付けない。
「ああ、わたしのアイス……」

 それでも影朧はアイスを守ろうとする。
 何故彼女がそこまでアイスにこだわるのかは歌織には分からない。だが、自分が怪我をするよりアイスが溶けるのを心配するほどの執着があるのは確かだ。
 その執念が、妄念が、彼女を影朧たらしめている。
 ならばそれを断つしか、この影朧を開放する方法はない──!

「はあっ!」
 剣を振り抜き、そしてもう一度切払う。決意を込めて。

「……そのアイスへの妄執、私が断ち切ります……!」
 炎の女神となった歌織がそこに存在するだけで放つ熱は、周囲の空間全体へと広がっていた。
大成功 🔵🔵🔵

水澤・怜
…当たり前だ(ため息返し

人間アイスなど冗談ではない
確かに俺はアイスを食べそびれたが…そのような代物、食べるのもなるのもお断りだ

UC発動
【投擲・スナイパー・マヒ攻撃】で敵を攻撃&足止め
…まさかアイスにされそうなのに抵抗しないようなやつは…いないよな?
(念の為ガラスケースへも幾つかメスを投げ可能なら破壊)

【ダッシュ】で一気に敵との間合いを詰め月白による【二回攻撃・早業】で一閃

アイスは人を材料にしたり悲しませるものではない
人を喜ばせるものだ
その部分さえ間違えなければ、その笑顔で来世はいいアイス屋になれるだろう(※真剣です)
可能なら桜の癒しを

…依頼が終わったら食べそびれたアイスを食べに行くとしようか


●どうか私とアイスを
『猟兵さんたちも一緒にいかがですか?』
『……やっぱりだめですよねー……』
 はあ。

「……当たり前だ」
 残念そうにため息を吐く影朧を前に、同じくはあ、と深いため息を返す水澤・怜(春宵花影・f27330)。何を言っているんだ、こいつは。
 人間アイスなど冗談ではない。
「確かに俺は温泉でアイスを食べそびれたが……」
 だがだからといってアイスならなんでも食べるというわけではない。
「そのような代物、食べるのもなるのもお断りだ」
「……残念です。じゃあ、無理やりでもアイスになってもらいます」
 影朧はガラスケースをどん、と設置する。美味しそうなとりどりのアイスが並んだ陳列棚。

「……っ!」
 怜は咄嗟にメスを投げ、その手元を攻撃する。
「きゃんっ。やだー、危ないじゃないですかー!」
 せっかくのアイスが……と自分よりもアイスの心配をする影朧。
(……まさか、のこのことアイスにされにいった奴がいるとは思わないが……)
 食べられるかもしれないのに抵抗しないようなやつは……いないよな? ん?
 まさかとは思うが、念の為ガラスケースへとさらにメスを投擲し、破壊を試みる。もしアイスになった猟兵がいたとしても、あれを壊しておけば少しはいいはずだ。
「あーっ、ひどーい!!!」
 降り注ぐメスに、かしゃん、と音をたてて割れるガラス。キラキラのガラス片がトッピングのようにアイスに降り注ぐ。綺麗だがそのアイスはもう食べられない。

「そんなあ……」
 ガラスケースの残骸を前に途方に暮れる彼女へと、怜は距離を詰める。腰に佩いた月白──蒼白色の太刀に手をかけ、一閃。
 メスに塗られた麻痺薬が効いてその場を動けないでいる影朧を斬りつけ、目にも止まらぬ二太刀を浴びせる。

「うぅ……わたしのアイス……」
 崩れ落ちる影朧に、しかし怜は静かに声をかける。
「アイスは……人を材料にしたり、悲しませるものではない」
 膝を折り、視線の高さを彼女に合わせる。話を聞いてくれるだろうか。アイスで人を悲しませるのは、間違っている。何故ならアイスは、
「人を喜ばせるものだ」
 本当は、かつてはそれを分かっていたから、アイスを作ろうと思ったのではなかったのか? 誰かを喜ばせるために。或いはそれは自分自身だったかもしれないが。大切なのは、喜ばせたいというその気持ちだ。
「その部分さえ間違えなければ、その笑顔で来世はいいアイス屋になれるだろう」
 ぱちくりと瞬きを繰り返す、笑顔がかわいいアイス屋の店員さん。きみに転生の癒やしを与えよう。別に来世もアイス屋さんになりたいとは言ってないけど。でも、もしも望むのならば。彼女自身が望むなら、きっと今度こそ。
 ……ああ、もし店を開いたら、今度こそちゃんとしたアイスを食べに行こう。何年先になるのかは分からないが。約束しよう。

 ──桜が舞う。
 そこにあった店も店員も跡形もなく、ただ静かに花びらが地に落ちる。


 それにしても。せっかく温泉に来たというのに、温泉もアイスも楽しみ損ねた。
 ……今からでも遅くないだろうか?


●温泉と、つめたくておいしいの組み合わせは正義
 温泉旅館まで戻ってくれば、こどもの保護者たちが泣いて少年を出迎え抱きしめた。猟兵たちはそれを見届けると、思い思いのほうへ去っていく。
 あるものは一足先に自分の世界へ戻り、あるものは石像をもう一度見て回り。あるものは改めて温泉に浸かり、またあるものは風呂上がりのコーヒー牛乳やアイスを楽しみ、あるいは山の奥に戻って何かを探していた。転生していった彼女の新たな旅路を祝福する音楽も聴こえていた。

 そして怜はと言えば──
「風呂上がりには水分補給だ」
 上がりすぎた体温を下げるにはアイスも効果的だと前にも言わなかったか?
 風呂上がりに冷たいアイス。

 これは、ひとつの正義のかたちである。
大成功 🔵🔵🔵

最終結果:成功

完成日2020年08月11日
👑11 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴