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火山の島でめぇめは微睡む

#アックス&ウィザーズ #戦後 #群竜大陸

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●群竜大陸、浮遊岩諸島
 その島は、人の手が入っていないが故に、名前が付けられていなかった。
 島の中央には背の低い山が立ち、常にもくもくと煙を吐き出している。
 山の周辺は開けてなだらかだが、人の営みが無いゆえに土地は荒れていた。
 そして、島のあちこちの地面や、山肌の割れ目から、勢いよく音を立てて噴き出す白いガス。ツンと鼻を突くにおいを嗅げば、人体に有毒なものだとすぐに分かるだろう。
 島に生える草木も、ガスの噴出する場所は枯れて地肌が剥き出しになっている様子。
 そんな過酷な環境の中で、生き延びる者は確かにいた。
「めぇぇー」
「めぇー? めぇめぇ」
 まんどらめぇめたちは火山性ガスなど何するものぞ、と言わんばかりに、地熱で温かい地面の上でごろごろ転がっていた。
 そしてそれを、微笑ましく見つめるものが一人。
「はぁ……かわいい、癒される……」
 ウサギの耳を生やした彼女は、まんどらめぇめを眺めながら、山頂付近の温泉で微睡んでいた。

●グリモアベース
「ごきげんよう諸君、依頼だ」
 ロスティスラーフ・ブーニン(ドジっ子ライオン先生・f00470)はいつも以上に明るい顔をして、グリモアベースにて猟兵たちを見回した。
 帝竜戦役が勝利に終わり、アックス&ウィザーズの世界にも平和が訪れた。
 群竜大陸も人の手が入り始め、徐々に開拓が進んできている。
「今回は、その群竜大陸の西部……浮遊岩諸島の一つが舞台となる。ここに、強力なオブリビオンが潜んでいることを察知した」
 そう言って、ロスティスラーフは手元のグリモアを回転させた。彼の隣の空間に、兎の耳と尻尾を生やした魔導士らしき女性の姿が浮かび上がる。
「『炎雷の兎魔導士』ブリエレール。かつて帝竜によって滅ぼされた冒険者の一人だ……無論、故人だがな。オブリビオンとして蘇った今、帝竜亡き現在は無気力に放浪し、気ままに悪を為している」
 かつての冒険者も、オブリビオンとして骸の海から蘇ったら、世界と人々の敵であることは間違いない。あちこちで悪事をなしているなら余計にそうだ。
 発見できたからには、何とか対処しなくてはならないだろう。
 再び、ロスティスラーフがグリモアを繰る。ブリエレールの姿が吸い込まれるように小さくなり、映像は一つの島を映し出した。
「その彼女が拠点に定めたのが、この島だ。火山がそびえ、常に島のあちこちで火山性ガスを噴き出している。人間の手から隠れるには、都合が良いのであろうな」
 背の高くない山の中心部からは、もうもうと噴煙が上がっている。それ以外の場所でもあちこちで白いガスが噴き出しているようだ。さらには地下水が温められて、温泉として噴出している場所もある様子。
 有毒な火山性ガスとなれば、人々が近づきたがらないのも道理。オブリビオンの隠れ場所には最適だ。
「故に諸君にはこの島に乗り込み、火山性ガスを乗り越えてブリエレールの退治を願いたいのだ……が、だな」
 そこまで話したところで、不意にロスティスラーフが言葉に詰まった。何やら困惑した様子で、視線をあちこちに巡らせている。
 何事か、と猟兵たちが首を傾げると、獅子の獣人は頬を小さく掻きながら、口角を持ち上げつつ口を開いた。
「いや、その……私が予知したところ、この島にはまんどらめぇめが多数生息しておるようでな……そのまんどらめぇめを、ペットのように扱っているようなのだ、件の者が」
 まんどらめぇめ。
 アックス&ウィザーズに生息する木の精霊で、頭上に植物を裂かせた羊の姿をしている生き物だ。オブリビオンとして蘇ったものは、骸の海から知識を得たのだろう、様々な人工物を頭から生やしているが、温和な性質に相違はない。
 猟兵たちを目にしても、特段敵意を向けることなくのんびりまったり過ごしている。それが、島のあちこちに暮らしているそうなのだ。
「性格の温和な、優しい精霊だ。オブリビオンと化した、人工物を頭に生やした連中も、人間相手に敵意はない様子。遊んでくるといい。件の者は怒るだろうがな」
 苦笑しながらロスティスラーフは告げた。なるほど、それは複雑な心境にもなろうか。
 のんびりとしたまんどらめぇめに癒されるもよし、一緒に温泉に浸かるもよし、ブリエレールをおびき寄せるため、派手に遊ぶもよし、だ。
 ブリエレールがそれに釣られてやってくれば儲けもの、探す手間も省けるだろう。
「それでは、よいな? ガスに巻かれて意識を失うなどないように、気を付けて行ってきたまえ」


屋守保英
 こんにちは、屋守保英です。
 ガスに強いめぇめぇとまったり遊ぶシナリオです。
 いっぱい遊んだらめぇめぇを独り占めしていた兎のお姉さんを退治しましょう。

●目標
 ・『炎雷の兎魔導士』ブリエレール×1体の撃破。

●戦場・場面
(第1章)
 群竜大陸、浮遊岩諸島の一つです。
 島のあちこちで火山性の有毒ガスが噴出しています。
 ガスの充満する地帯を乗り越え、山の上へ進みましょう。
 道中で、島に生息するまんどらめぇめと遊んでも構いません。第2章でも遊べます。

(第2章)
 島の中央に位置する山の山腹です。
 まんどらめぇめがあったかい地面の上でごろごろ微睡んだり、湧いた温泉に浸かってまったりしています。
 戦闘するつもりはあんまりありませんが、襲われたら対応します。

(第3章)
 第2章と同様、島の山腹です。
 『炎雷の兎魔導士』ブリエレールが、まんどらめぇめを独り占めされていることに怒って、襲いかかってきます。

 それでは、皆さんの力の籠もったプレイングをお待ちしています。
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第1章 冒険 『群竜大陸の探索』

POW   :    地道に歩き回って情報を集めたり、あえて危険な場所に踏み込んで捜索する

SPD   :    潜伏するオブリビオンの痕跡を見つけ出し、隠れ場所を突き止める

WIZ   :    オブリビオンの行動を予測して網をはったり、偽情報で誘き出したりする

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🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

バロン・ゴウト
帝竜戦役で勝利したとはいえ、まだまだオブリビオンの脅威が無くなったわけじゃないのにゃ。
まんどらめぇめ達とのんびり過ごしてるならまだしも、気ままに悪さをしているとなれば放ってはおけないのにゃ!

【トリニティ・エンハンス】の風の魔力と【オーラ防御】を組み合わせて、風のバリアを作り出して有毒ガスから身を守るのにゃ。
【クライミング】や【ダッシュ】を駆使して、急いでガス地帯を抜けるのにゃ!

絡み、アドリブ大歓迎にゃ。



●名も無き島の草原にて
 山裾らしく、草地に岩が覗く台地が広がる島。
 島の縁には山肌がせり上がり、盆地を形成するその島は風とガスが吹き溜まる。
 そんな島の上に降り立ったバロン・ゴウト(夢見る子猫剣士・f03085)は、漂うガスのツンとした臭いに鼻をひくつかせながら、あたりを見回した。
「帝竜戦役で勝利したとはいえ、まだまだオブリビオンの脅威が無くなったわけじゃないのにゃ」
 アックス&ウィザーズ世界に、新規にオブリビオンが染み出してくることは、当分の間は、ない。しかしオブリビオンの脅威が、全く失われたかと言うと、それも違う。
 いるにはいるのだ。そして悪行を成しているのだ。
「問題のオブリビオンがまんどらめぇめ達とのんびり過ごしてるならまだしも、気ままに悪さをしているとなれば、放ってはおけないのにゃ!」
 他のオブリビオンと一緒にのんびりまったり、平和的に過ごしているなら見過ごすこともあっただろうが、そうではないので。
 バロンはしっかりと、為すべきことを為そうと気持ちを引き締めていた。
 と、その足元に。
「めぇ?」
「めぇぇー」
「あっ、噂をすれば……」
 まんどらめぇめが二匹、とてとてと歩いて近づいてくる。頭には花。オブリビオンというよりは、島に住まう精霊の方らしい。
 それにしても、人懐っこい。バロンの姿を見ても恐れるどころか、構ってもらおうとぴょんこぴょんこ。
 そんなめぇめに、バロンはそっと声をかけた。
「君たち、兎のお姉さんがいつもどの辺にいるか知ってるにゃ?」
「め?」
 問われて、めぇめは二匹とも首を傾げるが、「兎のお姉さん」という単語に、思い当たる節はあったようで。
 頭上の花をぴこーんと光らせ、彼らはすぐさま駆けだした。
「めぇ!」
「めぇぇー」
「あっ、そっち……ガスが充満してるにゃ」
 駆けて行った方は、ガスの臭いが強い方。うっすら空気も霞んで見える。ガスが漂っていることは間違いない。
 そんな中を、まんどらめぇめは気にせず突っ走っていた。大地の精霊だから火山性のガスには耐性があるのかもしれない。
 避けて進もうか。いや、時間がかかるしめぇめも見逃してしまう。
「ええい、避けていたら面倒だにゃ! 突破するにゃ!」
 バロンは風の魔力を身に纏い、自身の周辺に気流を起こしながら駆けだした。
 火山性ガスを自分の周りから上に、上に。上昇気流を起こしてガスを巻き上げ、道を作る。そうしてめぇめを見失うことが無いよう、バロンは台地を一直線に駆けて行った。

成功 🔵​🔵​🔴​

木常野・都月
まんどら……めぇめ。
木の精霊様か。

見た目は羊だけど、それ言ったら、チィも見た目が子狐だしなぁ。

害がない上に、木の精霊様なら、仲良くなれるかもしれない。

挨拶して、モフっていいですか?って聞いてみたい。
モフっていいなら、そっともふりたい。

チィもいい子にするんだぞ?

優しい精霊様と聞いてたけど、本当に穏やかなんだなぁ。
木の精霊様という事もあるんだろうけれど、こちらも穏やかな気持ちになる。

UDCアースのテレビで見た、アニマルセラピー?は、こんな感じなのかもしれない。

チィも、まんどらめぇめさんと仲良くしてるし、俺も任務まで仲良くしてたいなぁ。

借りてる部屋に火山を持ち込めれば、連れて帰るんだけどなぁ。



●火山の麓の草地にて
 他方、火山性ガスの噴出が穏やかな地帯にて。
 木常野・都月(妖狐の精霊術士・f21384)は草原をふわふわと浮かぶように移動するまんどらめぇめを、垂れた目尻を一層下げながら見ていた。
「まんどら……めぇめ。木の精霊様か」
「めぇー」
 ふんわりもっふりした小さな羊の精霊。頭には花を咲かせて、草原をのんびりと漂っている。
 とても可愛い。そして精霊というよりは原生生物のようだ。
「見た目は羊だけど、それ言ったら、チィも見た目が子狐だしなぁ」
「チィ?」
「め?」
 杖の先端に乗っかる月の精霊である子狐・チィを撫でると、杖からひょいと降りたチィがまんどらめぇめの一匹に近づいていった。めぇめもチィに興味津々、そっと近づいて顔を近づけている。
 その微笑ましい光景に、都月は胸が温かくなる気持ちになった。
「……うん、害がない上に、木の精霊様なら、仲良くなれるかもしれない」
 都月は森育ちの妖狐だ。木にはもともと馴染みが深い。そんなあたりも、仲良くなれそうな気がして。
 チィと鼻をつつき合うめぇめの傍に、都月はゆっくり腰を下ろした。
「こんにちは、まんどらめぇめ。もふってもいいですか?」
「めぇ?」
 精霊相手なので、なるべく丁寧に。敬意を持って接すると、都月の声にまんどらめぇめが首を傾げる。
 しばし、風の音とガスの噴き出す音だけが聞こえて。
 めぇめが都月の脚にぐ、と身体を押し付けてきた。もふもふだ。
「めぇっ」
「……えぇと……よさそうだな。それじゃ……」
 もふってもよい、という反応を貰えて、恐る恐る都月がめぇめの身体に手を伸ばす。と、触れた傍から手が埋もれていく。沈むように手がめぇめの毛に包まれていく。
 これは素晴らしいもふもふだ。
「あっ……もふ……」
「チィ~」
「チィ、いい子にするんだぞ。敵じゃないからな?」
 何やら羨ましそうに見て、一緒になってめぇめの毛に手を突っ込んでいるチィに、そっと声をかけながらも、都月の手はめぇめの身体から戻ってこない。
 これは素晴らしい癒しパワー。ほっこりする一幕だ。
「UDCアースのテレビで見た、アニマルセラピー? ……は、こんな感じなのかもしれないな」
 今まさに自分が癒されていることを感じながら、都月はしみじみとそう呟いて。
 ふ、と視線を動かせば、今なお煙を噴き出す火山が見える。
 このまんどらめぇめたちは火山の島に住んでいる。この環境が、彼らにとっては好ましいのだろう。地熱とか、空気とか。
「……借りてる部屋に火山を持ち込めれば、連れて帰るんだけどなぁ」
 そんな無茶苦茶なことを言い始める都月は、しばらくまんどらめぇめとの触れ合いの時間を楽しむのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

春霞・遙
オブリビオン・フォーミュラがいなくなって平和になった世界で、無気力に放浪するオブリビオン。
見逃してあげたいけれど悪いことをしているのなら尚の事討伐せざるを得ないですね。

道中は体力温存しようと思います。
大きな紙飛行機に乗って、口元はハンカチで覆って移動します。
護身用にうちわも折って紙飛行機の付近に飛ばしておきましょう。
ガスや温泉の吹き出ているところや風向に注意しながら進んで、ガスとかこちらへ飛んでくるものがあれば扇いでやり過ごします。

個人的な趣味として地上の風景を「撮影」していこうかな。
高校の修学旅行で羊の群れに突っ込んでもふもふしたの懐かしいなぁ。



●名も無き岩の大地を見下ろす丘にて
 岩の外縁部は、大地を取り囲むように山のようにそそり立っているため、内部に空気が滞留しやすい。
 その為、噴き出した火山性ガスが島の内部に溜まりやすいのだ。
 そんな山の傍に突き出た小高い丘に、春霞・遙(子供のお医者さん・f09880)は立って眼下の大地を見下ろす。
「オブリビオン・フォーミュラがいなくなって平和になった世界で、無気力に放浪するオブリビオン……見逃してあげたいけれど、悪いことをしているのなら尚の事討伐せざるを得ないですね」
 オブリビオンでも、世界や人々に害をもたらさずに生きているなら、積極的に手は出さないで済ませたいと、遙は思う。既に平和になった世界なのだし。
 しかし、害を為すなら話は別だ。見逃すのは人々の為にならない。だから、しっかり退治しないとならないのだ。
 決意を新たにして、遙は一枚の大きな紙を取り出した。手早く折って、紙飛行機を作り出す。
「さて……命を持たない紙の鳥、散らず褪せない紙の花、くるりくるり、舞い踊れ」
 その紙飛行機をふわりと宙に浮かべれば、地面に落ちることなく漂って。遙が上に乗っても形を崩すことなく浮かび続ける。
 念力で操作して、遙は紙飛行機に乗ったまま上空に舞い上がった。
「火山ガスは大抵、空気よりも密度が高いから……なるべく高度を上げて飛んでいきましょう。護身用のうちわも……よし」
 万一そばにガスが来た時のために、口元をハンカチで覆って、扇いで防御するためのうちわも装備して。
 そうして遙は、岩の上空を火山に向けて飛翔した。
 ゆったりとした速度で飛びながら、眼下を見下ろす。ところどころの地面の割れ目から白いガスが噴き出している以外は、とても平和で、穏やかな土地だ。
「こうして上空から見ていると、豊かな大地に広がる自然、まんどらめぇめがあちこちでたわむれて……平和ですねぇ。あ、温泉も湧いてる」
 眼下ではまんどらめぇめが何匹も群れて、ふよふよ漂ってはたわむれているのが見える。その光景はとても穏やかで、微笑ましいものだ。
 ふ、と目元を細めた遙は、鞄の中に手を突っ込む。
「よし、カメラカメラ。せっかくですから撮っていきましょう」
 愛用のカメラを取り出して、眼下の風景に向けてシャッターを切る。それと、火山の方にもピントを合わせてもう一枚。
「修学旅行で、羊の群れに突っ込んでもふもふしたの懐かしいなぁ……あれは何年のだったっけ」
 得難い風景を記録に収めて、懐かしい学生時代の思い出に浸りながら、遙は火山の方へと紙飛行機を向けるのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

古峰ヶ原・美琴
(WIZで挑戦)
ガスがゴウゴウしていて、すごいね。こわいね
どうやって進んだらいいのかなぁ……
あ!めぇめぇさんだ、遊ぼう遊ぼう♪
めぇめぇさんは、くさいの平気ですごいね(手で触って、ふかふか)
めぇめぇさんの匂いは、ちょっと香ばしい(抱き着いて、もふもふ)
体当たり遊びだよ♪(飛びついて、ぼふん)
ありがと、めぇめぇさん♪
化術で、一回り大きくて金ぴかなめぇめぇさんに変身だよ
めぇめぇさんがいつも使っている獣道は熱いガスが少なくてきっと安全だよね
めぇめぇさんも山の上に一緒にいこう、って体当たり遊びして誘うよ
めぇめぇさんになりきって、めぇめぇさんの群れを連れて山の上を目指すの
めぇめぇ、みんなで歩くと楽しいね♪



●めぇめぇの力で地帯を抜ける
 ガスがどんどん吹き出している大地を前にして、猟兵は目を見張るしかなく。
 古峰ヶ原・美琴(神出鬼没・f28138)も同様に、なかなかに過酷な島の状況を見て、困ったように眉尻を下げた。
「ガスがゴウゴウしていて、すごいね。こわいね。どうやって進んだらいいのかなぁ……」
 島のあちこちで火山性ガスが出ている、人間にとっては危険極まりない状況。
 しかしそれでも、この島にもともと住まう精霊たちは気ままに跳ねていて。
「めぇー」
「あ! めぇめぇさんだ、遊ぼう遊ぼう♪」
 美琴の側に寄ってきたまんどらめぇめに、美琴は朗らかに声をかけた。
 一緒に戯れ、遊んで、そのもふもふな毛並みに顔を埋めればちょっと火山らしい焦げた匂いもする。
「めぇめぇさんは、くさいの平気ですごいね。匂いも、ちょっと香ばしい……」
「めぇー!」
 美琴が満面の笑みで顔を毛皮に寄せるのに、めぇめも嬉しそうに一声鳴いて。
 そこから始まる楽しい時間。組んで、転んで、ころころ転がってぶつかって。
「体当たり遊びだよ♪」
 体当たり遊びを始めて、まんどらめぇめとぶつかって、跳ね返されて。
 そこから始まるぶつかり合い。楽しさが極まった美琴が、不意に化け術を使ってまんどらめぇめに変化をする。
「めぇー!」
「めぇー!?」
 突然同族の姿が現れ、驚くまんどらめぇめ。しかし同族、すぐに受け入れて柔らかくぶつかり始める。
「(めぇめぇさんがいつも使っている獣道は、熱いガスが少なくてきっと安全だよね)」
 そんな内心を隠してか隠さないでか、美琴がまんどらめぇめん羊の言葉で呼びかける。山の上に登る安全な道はないものか。
「めぇ!」
「めぇ!」
 美琴の言葉にめぇめは答えて、ぽてぽて火山の方に向かって歩き始めた。その道のりは確かに、火山性ガスの多く出ない、嗅覚的にも安全な場所を進んでいて。
「めぇめぇ!」
「めぇめぇ!」
 めぇめぇと鳴きながら、美琴は火山の上を目指してまんどらめぇめと一緒に歩き始めた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

居神・ヲリヒメ
いちおう【POW】

帝竜が討たれて、この世界から悪の気配は大分薄れたようだな。
だが、悪が全て消えたわけじゃない。悪ってのはしぶといもんと相場が決まってるからな。

さて、とりあえず悪の匂いのする方へ……
って、ガスの匂いしかしねえ!
馬鹿正直に歩いてやるつもりはない。武器『折紙』を使って巨大な紙飛行機を……。
って、なんだテメエら。
まんどらめぇめ?
めぇめぇ言われても何言ってるかわかんねえな。(妖狐なのに)

紙に興味あるのか?
ほれ。
……って、喰うのかよ!
人の商売道具を喰うんじゃねえー!
相手してたら紙がいくらあっても足りねえな、紙飛行機に乗って、先を急ぐぜ!
……いや追いかけてくんのかよ!?



●悪は得てして禍根を残すもので
「帝竜が討たれて、この世界から悪の気配は大分薄れたようだな」
 辺りをぐるりと見回しながら、居神・ヲリヒメ(折紙使い・f28587)は安堵したように言葉を発した。
 帝竜は撃破され、オブリビオン・フォーミュラたるヴァルギリオスも滅んだ。世界は平和になったとはいえ、まだまだオブリビオンの存在は消えていない。
 ヲリヒメもその辺りは、よくよく分かっている様子で周囲を見た。
「だが、悪が全て消えたわけじゃない。悪ってのはしぶといもんと相場が決まってるからな」
 その通り、悪というのはしぶとく残るものだ。しぶとく根強く残り、その上で悪をなすのがオブリビオンというものだ。
 そんなあたりを念頭に置いて、ヲリヒメもオブリビオンを探そうと目をあちこちに向けるのだが。
「さて、とりあえず悪の匂いのする方へ……って、ガスの匂いしかしねえ!」
 問題は、この島が火山を中心とする島であるからして。火山性のガスの臭いにすべて隠されてしまうのだ。
 この臭いに巻かれながら山の方に向かう、というのも一つの手ではあるが。それはどうしたって、効率がよろしくない。
 そんなことを考えるヲリヒメだが。
「だとしても、まぁ、馬鹿正直に歩いてやるつもりは……って、なんだテメェら」
「めぇー」
 ふと、隣を見ればまんどらめぇめがめぇーと鳴きながら側にいる。
 一匹だけではない、何匹ものまんどらめぇめが、ヲリヒメを取り囲んでいた。
「めぇー」
「めぇー」
「って、めぇめぇ言われても何言ってるかわかんねえな」
 動物と話す技能を持っていれば意図を理解することも叶っただろうが、生憎そのようにはいかなくて。
 ただめぇーめぇーと鳴くまんどらめぇめに囲まれて、ヲリヒメは大きな紙を取り出した。
 そして取り出された紙に、めぇめの視線が集中する。
「紙が気になるのか?」
「めぇ!」
 きょとんとしたヲリヒメが何を言うよりも早く、めえめが紙の端っこに食らいついた。
 もそもそ、もひもひ。山羊が草やら紙やらにそうするように、まんどらめぇめが食らいつく。当然、ヲリヒメは困惑した。
「って、喰うのかよ! 人の商売道具を喰うんじゃねえー! あぁ、もう!」
 なんとかめぇめを引き離して、彼は紙を折り畳んで紙飛行機を作り上げた。喰らわれた一部は少し乱れているが、大した問題はない。
「相手してたら紙がいくらあっても足りねえな、くそ。ここは早いとこ……」
「めぇー!」
「って追いかけてくんのかよ!?」
 飛び上がる紙飛行機を、追いかけてくるまんどらめぇめ。
 しかして紙飛行機を追いかけて火山の方に駆けていくまんどらめぇめという図が、ここに出来上がった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

荒珠・檬果
アドリブ歓迎。

もふもふあるところにモフリストあり。
まんどらめぇめ。たしか…どこかで…。(ぴこーん!)
はっ!戦役の時にもふもふ我慢温泉で我慢した相手がまんどらめぇめ!!
今回はもふもふ我慢しなくていいんですねやったー!!!

さあ、それと知ったらここをとっとと抜けましょう!
私はシャーマンズゴーストですからね、鼻とか覆えるのがペストマクスになるのは仕方がないです。
途中でまんどらめぇめに会ったら、道案内頼みましょうか。
たまーにもふもふしつつ、さすがに危ないな、と思う地形(岩が飛び出ていたり)のところではもふもふ中断。
いいですか、モフリストたるもの、もふもふを危険にさらすわけにはいけないのです。安全第一。



●もふもふは正義なのです
 まんどらめぇめがぴょんこぴょんこと跳ねる中で。
 荒珠・檬果(アーケードに突っ伏す鳥・f02802)は難しく見えない表情で、難しく考えながら呟いた。
「まんどらめぇめ……確か、どこかで……」
 どこかで見た。どこかで確かにこのオブリビオンと出会った。
 思案を重ねて、そして確かに思い当たる。
「はっ、そうでした! 帝竜戦役の時にもふもふ我慢温泉で我慢した相手がまんどらめぇめ!!」
 そう、帝竜戦役の頃だ。そこで確かにもふりたくてももふれないまんどらめぇめと出会ったのだ。
 あの時はもふれなかった。しかし今回は違う。
「今回はもふもふ我慢しなくていいんですねやったー!!!」
「めぇー?」
 歓喜の声を上げて両手を突き上げる檬果。彼女の動きにめぇめは首を傾げて。
 ともあれ、檬果の目の前にはまんどらめぇめがいるわけで。
「あら早速まんどらめぇめ。はぁー、もふもふですねぇ……」
「めぇー」
 もふもふし始める檬果と、その手付きにまったりのんびりな様子のまんどらめぇめ。
 一人と一匹の間に、のんびりした時間が過ぎゆく、かと思いきや。
「はっ、とはいえ備えはしっかりしないとなのです。私はシャーマンズゴーストですからね、鼻とか覆えるのがペストマクスになるのは仕方がないです」
 檬果は備えも万全だった。シャーマンズゴーストの顔に合わせて、火山性ガスに対応してのマスクもちゃんと用意済みである。
 それを装備していても結局、まんどらめぇめのもふもふ具合には、叶わないのであって。
「あぁでもやっぱりもふもふなのですぅ〜」
「めぇー」
 そうして檬果はもふもふを堪能していた。とても、堪能していた。
 とはいえ、もふもふしているだけでは仕事にならない。それはよくよく分かっている。
「とはいえあれです。いいですか、モフリストたるもの、もふもふを危険にさらすわけにはいけないのです。安全第一」
 安全第一、健康第一。しかして檬果は歩き出す。
「めぇ?」
「あぁでもめぇめはそんなこと気にせずもふもふですよね分かりますぅ……」
 めぇめがその辺りを気にせずにぽてぽて歩くのにほんわかしながら、檬果は島の中央にある火山に向かって歩き出すのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 集団戦 『木の精霊・まんどらめぇめ』

POW   :    マンドラ・ミサイル
レベル×5本の【木】属性の【ふわもこな毛の塊】を放つ。
SPD   :    めぇめぶらすと
【ふわもこな体】から【ざっくりと編みこんだ毛】を放ち、【巻きつけること(痛くはない)】により対象の動きを一時的に封じる。
WIZ   :    必殺!疑似餌封じ
【美味しそうな食べ物】【愛らしいお人形】【魅力的な書物】を対象に放ち、命中した対象の攻撃力を減らす。全て命中するとユーベルコードを封じる。
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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●めぇー
 各々の調子で火山のある方まで登ってきて、それなりの高さまで登ってきたところで。
 猟兵たちは火山の山腹でのんびりまったり、微睡むまんどらめぇめを見た。
「めぇー」
「めぇー」
 その行動に危険性は無い。無いが、その頭の上には植物ではなく人工物。
 オブリビオンのまんどらめぇめであることは想像に硬くない。が、敵意も無い。
 敵意のないオブリビオンを前にして、猟兵たちはどうするべきか、思案するのだった。

●特記事項
 ・この章のまんどらめぇめはオブリビオンですがまったりのんびりしていて、猟兵に敵意を持ちません。
  戦闘については考えなくても大丈夫です。一緒に遊んでまったりすれば自然と骸の海に還ります。
ノイシュ・ユコスティア
2章からの参加となります。

ユーベルコードで召喚した流花に騎乗。
低空飛行しながら地上の様子を確認。
オブリビオンを発見したところで、流花から降りる。

…かわいい生き物なのに、オブリビオンかぁ。
敵意がないのなら、無駄に攻撃する必要はない。
仲良くなって、もふもふする…それだけ。

「一緒に昼寝してもいいかい?」
まんどらめぇめの隣に座って、人工物の本を読みながら、めぇめをもふもふ。

温泉に入っているめぇめを見つけたら、一緒に入る。(濡れても大丈夫な格好)
もふもふはできないけど、かわいい生き物の近くにいると和む。
「彼らはこんな過酷な大地で生きているんだ。
やっぱり精霊って尊い…」
のどが渇いたなぁ…



●めぇー
 名もなき島の火山の周辺を、一羽のハヤブサが飛翔する。
 ノイシュ・ユコスティア(風の旅人・f12684)は流花と名のついたそのハヤブサの背に乗りながら、地上の様子をうかがっていた。
 そして、火山の山腹、温泉も湧き出す開けた場所。
「……いた」
 まんどらめぇめだ。二匹、三匹、四匹……もっといる。
 もこもこした身体を山肌にくっつけるようにして、微睡んでいるまんどらめぇめ。背中から生えるぬいぐるみやケーキも、なんだかほかほか温かそう。
「……かわいい生き物なのに、オブリビオンかぁ」
 ノイシュは少し、しょんぼりした気持ちになった。
 あんなに可愛いのに、世界の敵。害を生すもの。
 でもだからと言って、敵意がないオブリビオンを無駄に攻撃する必要はない、仲良くなったり打ち解けたりして、共存していけばいい。
 それは、よくよく分かっていることだ。
 だからまんどらめぇめを見つけて、流花から飛び降りて着地したノイシュは、努めて友好的にめぇめに話しかけた。
「一緒に昼寝してもいいかい?」
「めぇ?」
 隣に寄っためぇめの背に生えるのは本だ。絵本らしく、可愛らしいイラストが描かれているそれを読むノイシュに、こてんと首を傾げるめぇめだが。
「めぇー」
 ノイシュが本を読みやすいように、という配慮だろう。座ったノイシュの膝の上によじ登ってきた。
 そのままめぇめを膝に乗せて、絵本を読んで読書と触れ合いタイム。作り出した人工物に構ってもらえて、めぇめも嬉しそうだ。
 そして、絵本を読み終わる頃にはめぇめもすやすや夢の中。その柔らかな毛並みをもふもふすれば、火山の地熱でぽかぽか温かい。
「ああ、もふもふ……あ」
 めぇめの背中に顔をうずめていたノイシュは気が付いた。
 視界の先に、温泉が湧き出してまんどらめぇめがそれに浸かっている。
 眠りこける膝の上のめぇめを起こさないようにそっとどけると、ノイシュはめぇめが浸かる温泉に、そっと足を入れた。
 ちょっと熱いが、入れない温度ではない。ただし、まんどらめぇめサイズなので、人間が入るには浅い。
 足湯にするようにして両足を入れながら、ノイシュは傍でほかほかと温泉を堪能するめぇめたちを見つめて、そっと目を細めた。
「彼らはこんな過酷な大地で生きているんだ。やっぱり精霊って尊い……」
 大自然の力と、そこで生きる生き物の力強さを実感しながら、ノイシュは笑みを浮かべて空を見上げるのだった。
 こんなことなら、水筒を持ってくるんだった。そう思ったことは内緒である。

成功 🔵​🔵​🔴​

春霞・遙
えー、こんな可愛い子たちになら捕まってもいいですよ!
私はめぇめの愛らしさにめろめろです。

近づいても大丈夫かな、なでたり抱きしめたりさせてくれるかな?
ブラシとか持ってないし、ほつれたり絡まってる毛とかあったらトリミングでもしてあげようかな。
毛の塊を放ってくるなら無防備に埋もれます。
でも、ちょっとまって。ちょっと毛の塊の量は手加減して。溺れる、溺れるってー。



●めぇー
「えー、こんな可愛い子たちになら捕まってもいいですよ!」
 遙のその言葉は、まさしく本心からのものであっただろう。
 こんなにもふもふして、かわいくて、人間に敵意が無い人懐っこい生き物で。
 それはもう、めろめろになるのも無理からぬ話であった。
 山肌にべちゃーっとへばりついて微睡むまんどらめぇめに、遙はそうっと、そうっと近づいていく。
「ち、近づいても大丈夫かな……撫でたり、抱き締めたりさせてくれるかな?」
 寝ているところを起こさないように、気を付けながら進んでいく遙。
 そして、一匹のまんどらめぇめのそばに、ゆっくりしゃがみ込んだ、その瞬間。
「め?」
「あっ」
 めぇめがぱっちり、目を覚ました。同時に遙の身体が硬直する。
 まずい、起こしてしまった。
 どうしよう、動かない方がいいだろうか、いやいやそれでも、と困惑する遙だが、当のめぇめはそれを気にする風でもなく。
 ぽふっと、遙の折り曲げられた膝の上に、両の前足を乗せた。
「めぇー」
「はぁぁぁ……!!」
 膝の上に感じる蹄の硬さと、もふっとした毛の感触に、もう遙さんは辛抱溜まりません、といった様子で。
 自分にくっついてきたまんどらめぇめを膝に乗せて、折り紙の小刀を手に取った。
「やっぱり、人の手が入らない場所だから毛がたくさん絡まっちゃってますねぇ。ブラシを持ってくればよかったです」
「めぇー」
 そう言ってもふりながら、小刀でめぇめの毛のほつれたところ、絡まったところを優しく切り取っていく。
 すると、なんだか仲間が気持ちよさそうにしているところに気が付いたのか、他のめぇめが遙の傍にやってきた。
 我も我も、と言いたげにくっついては、もっふもふの毛を更に増量させていく。
「め?」
「めぇー」
「あっちょっ、毛、毛をそんなたくさん、いっぺんに……!」
 周囲を囲まれ、毛を押し付けられる遙は困惑した。もう、どの毛がどのめぇめのものかなど分からないくらいに、視界が毛で覆われてしまっている。
 幸せだ、幸せだけれど。毛で包み込まれそうなくらいに囲まれて、呼吸がちょっと苦しい。
「あぁもふもふぅ……で、でも、ちょっと加減して、溺れる、溺れるってぇ……!」
「めぇー」
 幸せなのと苦しいのとが綯い交ぜになった遙の耳に、まんどらめぇめの満足そうな鳴き声だけが聞こえていた。

成功 🔵​🔵​🔴​

荒珠・檬果
(ペストマスク外して、見渡して)
こ こ が 天 国 か 。

やったー!まんどらめぇめたくさん!!
もー我慢しません、ひたすらもふります。もふってもふって、たまにもふもふに包まれて眠って起きてもふってもふって!!

モフリストたるもの、敵意のないもふもふまんどらめぇめに攻撃するなど以ての外!!
もふもふは続けますよ。もふもふもふもふ!
あー、癒される。あのとき、もふれなかった分まで癒される。
これこそモフササイズ。
次に控える戦いも、頑張れるというものです。

こ こ が 天 国 だ !

※『天国』と書いて『もふもふパラダイス』と読む勢い。



●めぇー
 檬果が、そっとペストマスクを外す。
 火山の山腹。ガスの臭いは鼻に感じるが、呼吸できないレベルではない。
 ぐるりとあたりを見回せば、まんどらめぇめ、めぇめ、めぇめがたくさん。
「めぇー」
「めぇー」
 小さく息を吸い込んで。
 ちょっと溜めて。
「……こ こ が 天 国 か」
 檬果は零した。文字通り零した。溢れて零れ出るこの思いを抑えきれない。ちなみに天国と書いてもふもふパラダイスと読みます。
 そこからはもう矢も楯もたまらない。檬果はまんどらめぇめの群れに向かって突進した。それはもうダイブする勢いで。
「やったー! まんどらめぇめたくさん!! もー我慢しません!!」
「めぇー!」
 まんどらめぇめのもっふもふの毛に飛び込んだ檬果はとにかくもふった。もふってもふってもふりまくった。
 もふってもふって、たまにもふもふに包まれて眠って起きてもふってもふって。でもまんどらめぇめを傷つけるような、もふもふを傷つけるようなもふり方はしない。それがモフリストの嗜みなのです。モフリストたるもの、敵意のないもふもふまんどらめぇめに攻撃するなど以ての外なのです。
「はぁぁ、もふもふ……もふもふもふもふ……」
 語彙力が逝去する勢いで、檬果はまんどらめぇめをもふった。もふった。もふった。
 ちなみにモフリストの卓越したもふ力によってか、まんどらめぇめもまんざらではない様子です。毛が増量してもふ度合いがアップするくらいには。
「あー、癒される。あのとき、もふれなかった分まで癒される」
「めぇ?」
「めぇぇー」
 檬果が声を漏らせば、まんどらめぇめがちょっと首をかしげる。
 檬果が以前にもふれなかった事案のことは知らないが、何となく今、自分たちが求められていることは分かったようで。
 そのまま、めぇめたちは檬果のもふに身をゆだねるのであった。
 ああ、まさしく楽園。これぞモフササイズ。次に控える戦いも、これなら頑張れる。
「こ こ が 天 国 だ !」
 檬果は心置きなく叫んだ。
 まさしくここはパラダイスであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

居神・ヲリヒメ
オレが猟兵で相手がオブリビオンなら、放置する理由はねぇな。
さあ、オレの折紙術で、楽に骸の海に送ってやるよ!

…………。
そんなつぶらでうるうるした目を向けたところで、オレの心は動かせないぜ。
なんせオレは正義の味方であって、もふりすとじゃねぇからな。
動かせ……。
うごか……。

ま、まあ、戦う気のないヤツに刃を向けるのは正義の味方のすることじゃねえな。
……って、勝手にオレのしっぽをもふってんじゃねえ!
(逃げようとするが「めぇめぶらすと」で動きを封じられる)
いや待てテメエらがもふられる側だろ? オレは……きゃー!
(あきらめてもふられる)

アドリブ・連携などお任せです



●めぇー
 山腹にわらわらといるまんどらめぇめを前にして、その場所に踏み入ったヲリヒメは目尻をキッと持ち上げて口を開いた。
「オレが猟兵で相手がオブリビオンなら、放置する理由はねぇな。さあ、オレの折紙術で、楽に骸の海に送っ――」
「めぇー」
 が、口上を述べ切る前に鳴きだすめぇめ。興を削がれて、ヲリヒメが鳴いためぇめに批判的な目を向ける。
「おいテメエ、口上の合間に鳴き声を上げるんじゃ」
「めぇー」
 しかしそんな批判など何するものぞ、と言いたげに、またも一鳴き。そしてつぶらな瞳でじーっとヲリヒメを見つめてくる。
 その害意のない、可愛さ満点の瞳にちょっと言葉に詰まるヲリヒメだったが、すぐに気を取り直して強く胸を叩いた。
「……そんなつぶらでうるうるした目を向けたところで、オレの心は動かせないぜ。なんせ俺は正義の味かt」
「めぇー」
「めぇー」
 ら、また口上に被せるように鳴かれた。しかも二匹に。
 もうここまで被せられると腹立たしいとかそういう問題ではない。ヒーローとして、正義の味方として、言うべきことは言い切りたい。
「オレはもふりすとじゃねぇ、正義の味方だ。オレの心はそんなんじゃ動かs」
「めぇぇー」
 が、めぇめはそんなこと知る由もないし、気にする理由もなくて。またも被せてきた。しかもさっきよりも大声で。
 ヲリヒメの口上と、めぇめの鳴き声の応酬は続く。
「動か……」
「めぇーー」
「うご……」
「めぇぇーー」
 言おうとすれば鳴き、返そうとすればまた鳴き。堂々巡りだ。
「…………」
「め?」
 そして程なくして、ヲリヒメが黙りこくる。やいのやいの言ってきたヲリヒメが何も言わなくなったことに、めぇめが首をかしげる。
 と。
「ま、まあ、戦う気のないヤツに刃を向けるのは正義の味方のすることじゃねえな」
 あ、陥落した。
 正義の味方として、弱きを助けるのは大事なことだ。このまんどらめぇめが弱いかは別として、戦意の無いものを攻撃するのは正義の味方のすることではない。
 と、安心したのかまんどらめぇめ、ヲリヒメの二股の尻尾に跳び付いた。
「……って、勝手にオレのしっぽをもふってんじゃねえ! ちょっ、やめろ!」
「めー!」
「めぇー!」
 尻尾にくっつかれて、逃げ惑うヲリヒメ。そんな彼を逃すまいと、まんどらめぇめがざっくり織られた羊毛を投じてくる。
「めっ!」
「めぇっ!」
「いや待てテメエらがもふられる側だろ? オレは……きゃー!」
 羊毛に囚われて足を止めざるを得なくなったヲリヒメは、そのままめぇめの為すがままに尻尾をもふられたのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

バロン・ゴウト
途中で逢った子達もそうだったけど、ここにいるめぇめ達は本当に敵意が無い子達ばかりなんだにゃ。
だったらボクと一緒に遊ぼうなのにゃ!

まんどらめぇめ達と一緒に【ダンス】をするのにゃ。
簡単に踊れる振り付けでまずボクが踊って見せたら、周りのめぇめ達が次々と一緒に踊ってくれたのにゃ。
ダンスの輪はドンドン大きくなって、まるでダンスパーティー会場なのにゃ!

絡み、アドリブ大歓迎にゃ。



●めぇー
 猟兵たちが踏み込んで、まんどらめぇめの目が徐々に覚め始めたところで。
 バロンがその小さな身体で、まんどらめぇめの顔を見上げながら声を漏らした。
「途中で逢った子達もそうだったけど、ここにいるめぇめ達は本当に敵意が無い子達ばかりなんだにゃ」
 敵意がない。オブリビオンだけど、敵意がない。
 それなら、一緒に遊んだり楽しんだりしてもいいはずだ。倒さなくてもいいはずだ。
「だったらボクと一緒に遊ぼうなのにゃ!」
「め?」
 バロンが呼びかければ、周囲のめぇめが身を起こしつつ彼を見る。
 そして。
「めぇー!」
「めめぇー!」
 口々に鳴き声を上げた。好意的な反応だ。やはり、人間にも猟兵にも敵意を持たないタイプなのだろう。
 同意が取れたところで、バロンがめぇめの輪の中心に立つ。
「それじゃ、ボクがまず踊るから、皆にはそれを真似して踊ってほしいのにゃ」
「めっ!」
「めぇ!」
 バロンの言葉に、鳴き声を返すまんどらめぇめの集団。そしてそこから始まるのは、バロンを中心としたダンスの時間だ。
 簡単に踊れる振り付けとステップで、バロンが山の地面を踏み、腕を振る。
「にゃっ、にゃっ、にゃ!」
「めっ、めっ」
「めぇー!」
「そうそう、その調子にゃ!」
 バロンに合わせて、めぇめもステップ、ステップ、スウィング。
 どんどん周囲のめぇめもそれに釣られて踊り始め、めぇめの蹄が山を踏み鳴らす、カツカツという音が大きくなり始めた。
「まるでダンスパーティー会場なのにゃ!」
「めぇー!」
 楽しいダンスの時間。バロンは満面の笑みを浮かべながら、もう一度足で地面を蹴った。

成功 🔵​🔵​🔴​

木常野・都月
気がついたら、狐の姿になってた……。
極上のもふもふに、一体化したかったんだ。

チィも、うっすら光ってるからいるのがわかるけど…モフモフに潜り込んで、姿が見えないや…。

ん?どこからか…お湯っぽい香り…まさか。

チィ、いくぞ!

やっぱり!温泉!
まんどらめぇめも、温泉に入ってる!

やった!まかさ温泉に入れるなんて!

まんどらめぇめを驚かせないように、落ち着いて、落ち着いて、温泉に浸かりたい。

あ〜〜……
温泉……温泉大好き……

まんどらめぇめに邪魔にならないように、そっとプカーっと浮かびたい。

まんどらめぇめと、一緒に温泉……。
癒しが…溢れてる……



●めぇー
 都月は、いつのまにやら黒い狐の姿になっていた。
 自分でもなんでかは分からない。ただ、この島はあっちにもこっちにももふもふがいて、そのもふもふは極上で。
 多分、そのもふもふと一体化したかったんだろう、もふもふとして。
 ちなみにチィはというと、都月の背中の辺りで潜り込んで、これまた一体化していた。
 そんなもふもふ都月を、まんどらめぇめも喜んで迎えて。丸っこい頭を寄せてすりすり、もふもふ。
 これだけでも十分幸せだし、至福の時間ではあるのだが。
 都月の鼻が、なにやら漂ってくるにおいを感じ取った。
「こゃん?」
「め?」
 火山ガスの臭い、だけではない。湿り気を帯びた、温かいお湯のにおいだ。
 そのにおいのする方に目を向ければ、まんどらめぇめが数体、まったりした表情でぷかぷかと浮かぶように動いている。
「めぇー……」
 めぇめがまったりとした声を上げるそちらに、都月は駆けていく。チィもいつの間にやら毛皮から顔を出して、都月の行く方を見ていた。
 そして、そこには。
「こゃん!」
「チィ!」
 温泉だ。源泉かけ流し、ぽかぽか適温の温泉が、そこに湧き出している。
 まんどらめぇめを驚かせないようにゆっくりと入って、一緒になってぷかーっと浮かべば、それだけでもう、極楽浄土だ。
「こゃ~……」
「めぇ~……」
 都月の鳴き声と、まんどらめぇめの鳴き声が、シンクロして温泉の煙と一緒に上っていく。
 癒しだ。癒しがここには溢れている。
 都月は戦闘がこの後に控えていることも忘れて、まったりとした時間に身をゆだねるのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

ヴィゼア・パズル
炎雷の魔導士…是非ご教授願いたい物です…それに木の精霊まんどらめぇめにもご挨拶せねばなりませんね。
「湯加減は如何ですか?」ほっこりと声をかけ、一緒に温泉を満喫しましょう。無限に湧いてくるのですから少しぐらい頂いても問題ありませんよね。野営の陣を応用して、温泉の吹き出す穴の一つに繋げ術式の通路を作り、温泉も少々(源の一つごと)持ち帰らせて頂きましょう。
「あ〜…… いえ、最近忙しくて碌に精神を休められて居なかったので…癒されますよ…。」
めぇめ達と【動物会話】を試みながら様々な話をできれば良いですね。
風呂上りにはUCを弱めに扱いドライヤー代わりにして乾かしよく冷えた牛乳瓶で一気!いやァ、良い湯でした



●めぇー
 名もなき火山の山腹に降り立って、ヴィゼア・パズル(風詠う猟犬・f00024)はふと山の頂上の方に目を向けた。
「炎雷の魔導士……是非ご教授願いたい物です」
 その方にいるであろう、この後相対することになる強大なオブリビオンを思いつつ、しかし彼の目線は今いる周辺、山腹で微睡み温泉を楽しむまんどらめぇめに向いた。
「それに木の精霊まんどらめぇめにもご挨拶せねばなりませんね。湯加減はいかがですか?」
「め?」
 おもむろに温泉に浸かっているまんどらめぇめに声をかけると、当の相手はこてんと首を傾げて。
 しかしヴィゼアの言葉は伝わったようで、元気に一声鳴いた。
「めぇっ!」
「ふふ、そうですか」
 めぇめの言葉にヴィゼアも頷いて、温泉の中にちゃぷり、足を入れる。なるほど、源泉がそのまま湧き出しているにしては程よい湯温。めぇめが平気な顔をして入っているのもうなずける。
「……無限に湧いてくるのですから、少しぐらい頂いても問題ありませんよね」
 そう言いつつ、ひっそりと温泉の噴き出し口に野営の陣を発動させて、自分のパーソナルスペースに温泉を引くヴィゼアである。そんな使い方も出来るとは、便利なものだ。
 とはいえ掠め取ったら取ったで湧出量は減るわけで。同席するめぇめがヴィゼアの仕草に首を傾げた。
「め?」
「あぁ、いえいえ。ちょっと自分用に、いただかせていただいただけですよ」
 そう嘯きながら、大きいようで小さな身体を温泉に浸すヴィゼアだ。
 まんどらめぇめにちょうどいい深さの温泉は、ケットシーたる彼の身体には微妙に深いくらい。縁の部分に腕をかけながら、温かな温泉を堪能していた。
「あ〜…… いえ、最近忙しくて碌に精神を休められて居なかったので……癒されますよ……」
「め? めぇ〜めぇ〜」
 動物会話も駆使して、めぇめとの会話を楽しむヴィゼア。その会話の内容は、彼のみの知るところである。
 しかして、すっかり癒やされ、身体がほぐれたヴィゼアがぐいと身体を持ち上げる。
「ふぅ……さて、と」
 そのまま温泉から上がれば、発動させるのは熱波の風。それを弱い威力で運用すれば、程よい温度のドライヤーだ。
 いつの間にかめぇめもお湯から上がって、吹き付ける温かい風に身を任せている。
「いやぁ、いい湯でした」
「めっ!」
 そしてすっかり身体を乾かしたヴィゼアの横で、同じく身体の毛をふっくらほこほこさせためぇめが、一声鳴いた。

成功 🔵​🔵​🔴​

古峰ヶ原・美琴
あっちにめぇめさん、こっちにもめぇめさん
めぇめさん達の楽園だ、かわいい満載だよぅ♪
食べ物を生やしているめぇめさんに近づいてみるよ
すごいね、美味しそうな香りがしそうだよ。食べられそうだよ
ぐぅぐぅきゅるり。慌ててお腹を押えても虫の声は止まれない
山を登ったからかなぁ、お腹がペコペコだよぅ
そうだ、エアー食事遊びをしよう
めぇめさんのリアルな食べ物がこーんなにいっぱいあるんだもん
よく見て味を想像しながら、空気をパクパクパクごくん
う~ん、甘くて美味しい、ほっぺ落ちちゃう♪
まだまだ入るよ、どんどん食べちゃうよ♪ 
食べ物めぇめさんに囲まれて、フードファイト状態だよ!
めぇめさん、美味しいよ、ありがと♪(なでもふ)



●めぇー
「あっちにめぇめさん、こっちにもめぇめさん」
 美琴は山腹にて、きょろきょろと辺りを見回しながら、視界に入ってくるまんどらめぇめに好奇の眼差しを向けていた。
 オブリビオンが、人間に敵意を見せないで、こんなにたくさんのんびり過ごしている。
 これはなかなか、他の世界では見れない状況だろう。
「めぇめさん達の楽園だ、かわいい満載だよぅ♪」
「めぇー」
「めぇー」
 嬉しくてぴょんと跳ねる美琴。その動きに興味を惹かれたか、まんどらめぇめが一匹、傍によってきた。
 その背の上には紛い物だが、ホットケーキ。バターたっぷりのそれに、美琴はぐっと顔を近付けた。
「め?」
「ふんふん、すごいね、美味しそうな香りがしそうだよ。食べられそうだよ……」
 ホットケーキの香りを鼻いっぱいに含めて、ほうと息を吐く美琴。
 と、あまりに美味しそうな匂いに腹の虫が反応したか、ぐぅぅ〜と派手に鳴いた。その大きな音に、思わず美琴が腹を押さえる。
「……あ」
「めぇー」
 苦笑するようにまんどらめぇめが一声鳴けば、美琴は困ったような表情を見せた。
 お腹は空いた。しかし目の前のまんどらめぇめに生えている食べ物は偽物だ。手元に食糧は無い。
「山を登ったからかなぁ、お腹がペコペコだよぅ……そうだ、エアー食事遊びをしよう!」
「めぇ?」
 と、何やらよく分からないことを言い始めた美琴に、めぇめが大きく首を傾げた。
 なんだその、エアー食事遊びとは。
 と、美琴がまんどらめぇめに生えたホットケーキの傍、何もない空間をぐっと掴む。
「めぇめさんのリアルな食べ物をよく見てー、味を想像しながらー」
「めぇっ!?」
 ホットケーキ周辺の空気を掴んで、口に運ぶ美琴。その突飛な行動に、めぇめが大いに戸惑った。
 そのまま何もない空気を口に含んで、もしゃもしゃ。咀嚼した美琴が歓喜の声を上げる。何も味がないのに。
「う~ん、甘くて美味しい、ほっぺ落ちちゃう♪ まだまだ入るよ、どんどん食べちゃうよ♪」
「め……めぇぇ……」
 まんどらめぇめ、若干引き気味である。そんなことなど露ほどにも思わず、美琴はめぇめの身体を撫でた。
「食べ物めぇめさんに囲まれて、フードファイト状態だよ! めぇめさん、美味しいよ、ありがと♪」
「めぇ……」
 何もしてないのにお礼を言われ、めぇめが困惑していたことは、言うまでもない。

成功 🔵​🔵​🔴​




第3章 ボス戦 『『炎雷の兎魔導士』ブリエレール』

POW   :    ブリュレ・ドゥ・フードゥル
【延焼分も攻撃となる炎の魔術】が命中した対象に対し、高威力高命中の【延焼分も含め炎から変換した高圧高電流の雷】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
SPD   :    エクレール・ドゥ・クレマシオン
【触れた対象と近距離の対象を感電させる雷】が命中した対象を燃やす。放たれた【雷から発火した】炎は、延焼分も含め自身が任意に消去可能。
WIZ   :    トネール・クラテール
詠唱時間に応じて無限に威力が上昇する【炎・雷】属性の【地形を焼け野原にし帯電させる魔術砲】を、レベル×5mの直線上に放つ。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠幻武・極です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●そして魔術師はやってくる
「ねぇ、ちょっと!」
 猟兵たちがまんどらめぇめと戯れている中で、ふと山頂の方から声がかかる。
 見れば、魔術師らしい装いに身を包んだ女性が、頬を赤らめこちらをにらみつけていた。
「はぁ、ふぅ、あ、あなた達、私のペット達を横取りして可愛がって、ど、どういうつもり!?」
 呼吸を荒くしながら言葉を投げてくる、赤いマントを纏ったウサギの耳を生やした少女。彼女が今回の依頼の標的たる「ブリエレール」であろう。
 そのブリエレールが、胸元を抑えながら叫ぶことには。
「め、めぇめ達は、私の唯一の癒やしなのよ! お、お風呂で微睡んでいたら私を差し置いてめぇめぇめぇめぇ、ゆ、許さないんだから!」
 どうやら先程まで温泉に浸かっていたらしい。頬が赤らんでいるのはそのせいか。
 と、ブリエレールの足元にとことこ、まんどらめぇめが一匹歩み寄る。するとブリエレールはそのめぇめの身体をくしゃりと撫でて、優しい声色で告げた。
「あぁ、はーい、ごめんね驚かせて。すぐに片付けるからねぇー」
 この声色、優しい口調、間違いない。このオブリビオンはめぇめを可愛がっている。
 ブリエレールの声に従ってまんどらめぇめが避難する中、なんとも緊張感に欠ける戦いが幕を開けた。

●特記事項
 ・ブリエレールはもふりすとのようです。もふ感に訴えれば戦闘を有利に進めることが出来ます。
居神・ヲリヒメ
(めぇめにたっぷりもふられた)
さあ、いよいよ本番だぜ、互いの誇りを賭けて……
んっ? オレの尻尾ばかり見て……そこを狙うつもりか?
は? もふもふさせてほしい? させねえよ!
って断られたくらいで雷起こすんじゃねぇよ! ちゃんと戦いたいだけなんだよオレは!

(何かに気づいた顔)
……いいぜ。なら、この尻尾をもふらせてやろう。ただし俺に勝てたらな!
【変化・九頭竜】!
頭に生えた竜の角から、雷を。
そんでもって狐の尻尾を竜の首に変えて、ブリエレールに炎のブレスを浴びせかける!

どうだ、これでガチで戦闘する気になったろ。
え、竜より狐の方がもふもふだった? 元に戻せ?
イヤどんだけもふりすとなんだテメエ……!



●いろいろと災難だった
「はぁ……ったく、ひどい目に遭ったぜ」
 さんざんまんどらめぇめにもふられたヲリヒメが、げっそりした表情で青色吐息。しかし目の前には戦闘態勢を整えたブリエレールがいる。
 尻尾をばさりと振って、ヲリヒメは折った折り紙を構えた。
「さあ、いよいよ本番だぜ、互いの誇りを賭けて――」
「おぉっ?」
 彼女の姿に、ブリエレールが唐突に目を見開く。その視線が向くのは、ヲリヒメの二本の尻尾だ。
「その尻尾……」
「んっ? なんだよ、オレの尻尾ばかり見て……そこを狙うつもりか?」
「すっごくもふもふじゃない! もふらせて!」
 まさかそれを狙って、炎でもぶつけてくるのか、と思ったヲリヒメだが、ブリエレールが返してきたのはそうではなかった。
 分かりやすいまでのもふ要求に、ヲリヒメの口がぽかんと開く。
「は? いやいや、させねえよ!」
「ひっ」
 強い口調で拒絶するヲリヒメに、ブリエレールが言葉に詰まる。その目の端に、じわりと浮かぶ涙。
 すると、杖をブンブン振って雷を繰り出しながら、ブリエレールが泣き始めた。
「ひぇぇぇん、イジワルゥゥゥ!!」
「って断られたくらいで雷起こすんじゃねぇよ! ちゃんと戦いたいだけなんだよオレは!」
「こんないいもふもふが目の前にあるのに、もふらせてくれないだなんてー! ひぇぇぇん!」
 もふりすとらしい要求と欲求に、ヲリヒメが深くため息をつきながら雷を避けた。
 まさかここまで自分の欲求に忠実な輩だとは。これはこれで与しやすいとも言えるが。
「……いいぜ。なら、この尻尾をもふらせてやろう。ただしオレに勝てたらな!」
 尻尾をばさりと広げながら、ヲリヒメは笑う。その言葉にブリエレールがぴたりと動きを止めて笑みを見せると、彼女は手を高々と掲げた。
「変化・九頭竜!」
「わわわっ」
 途端に、その姿が膨らむように大きくなる。骸魂「九頭竜」との合体だ。変化して竜になったヲリヒメが、その鎌首をもたげる。
 彼女が角から雷を放つと、呆気に取られた表情のブリエレールが途端に逃げ惑った。その背中に尻尾が変化した竜の首から発した炎がぶつかる。
「おら、まだまだあるぞ!」
「ひゃぁっ、あっつ!?」
 マントに火が点いて、慌ててそれを消しながらなおも逃げるブリエレール。彼女がようやく自分の前まで戻ってきたところで、九頭竜に変化したヲリヒメが口角を持ち上げた。
「どうだ、これでガチで戦闘する気になったろ」
「こんな……」
「あ?」
 しかし、ブリエレールはそういう気分ではないようで。ぶるぶると握った拳を震わせながら、批判的な目をしてヲリヒメを見上げた。
「こんなごつごつでもふもふしてない竜になるだなんて! 勿体ない、元に戻しなさいよ!」
「イヤどんだけもふりすとなんだテメエ……!」
 戦闘そっちのけで要求をぶつけてくるブリエレールに、ヲリヒメは肩を落とす他なかった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ノイシュ・ユコスティア
真の姿を開放し、背中に鷹の翼を持った状態で戦う。
上空からロングボウで攻撃する。

もふもふを愛する気持ち…、嫉妬心、なんとなくわかるよ…
いや、敵に同情はいらない。

ユーベルコードで、子供のハヤブサ達を召喚する。
「彼女のところに行って、十分可愛がられておいで。」
もふもふ愛を利用して、隙を付く作戦。
可能ならぷち流花には彼女の視界を遮るように動いてもらおう。

ぷち流花を見ていると、触りたくなってくる…
ここは我慢して集中だ!

敵とは常に距離を取る。
敵の攻撃はなるべく避けたい。
詠唱を始めたら、素早く彼女の視界から消える。

有効そうな属性を付与した矢を射つ。
狙うのは胴体か、急所になりそうな部位。

接近戦はダガーで対応。



●もふもふは大事
 ばさり、と翼をはためかせる。
 真の姿を解放したノイシュが、背中から鷹の翼を生やしたのだ。
「ふわわっ」
「同情するつもりは無いけど……もふもふを愛する気持ちに嫉妬心、なんとなく分かるよ」
 そのままノイシュは、上空へと舞い上がっていく。空を飛べないブリエレールは、飛び上がる彼を見上げることしかできなかった。
 そして彼女から距離を取って、ノイシュは自分の周囲に小さなサイズの流花を召喚した。その数、80羽。
「さあ、彼女のところに行って、十分可愛がられておいで」
 召喚した小さな流花に声をかければ、小さなハヤブサは眼下のブリエレールに向かって次々飛んでいく。自分にまとわりつくように飛び回る流花に、ブリエレールはメロメロだ。
「うわっ、何この子たち、いっぱいいるし、もふもふだし、かわいいー!」
「ぴぃっ!」
「ぴぃぴぃ!」
 さえずりながらブリエレールと戯れる流花。その姿を見下ろしながら、ノイシュはほっこりした気持ちで目を細める。
「ぷち流花、かわいいなぁ……見てるとやっぱり、もふもふしたくなっちゃうなぁ」
 かわいい。とてもかわいい。今すぐ降下してもふもふしたい。
 しかし今は戦闘中。ここで降りたら何のために流花を召喚したのかという話になる。
「いや、だめだめ。集中しないと!」
 大きく翼を動かして飛び回りながら、ノイシュは弓の弦を引き絞った。ブリエレールの胴体を目掛けて矢を放っていく。
 流花に構っていたブリエレールは、突然矢を射かけられて困惑した。ノイシュの姿を捉えようにも、流花が邪魔をして見つけられない。
「わわわっ、見えない!? どこから!?」
「よし……このまま!」
 戸惑うブリエレールの姿にほっと息を吐きながら、ノイシュは次の矢を手に取った。

大成功 🔵​🔵​🔵​

木常野・都月
まんどらめぇめは、ペットじゃないだろう?
この辺りを縄張りにする、野生動物だ。

野生には野生なりの流儀がある。

貴女は動植物を愛する優しい人なのかもしれないけれど、ペット化して困るのは、まんどらめぇめ達だ。

野生には、超えたらダメな線があるんだ。

彼らが野生で生きていけなくなったら、死んでしまうんだぞ?

元野生の狐だった身としては、心を鬼にして、ブリエレールを退治しないと。

UC【精霊の矢】を地の精霊様の助力で撃ちたい。

敵の攻撃は[高速詠唱]を乗せた地の精霊様の[属性攻撃]の[カウンター]で対処したい。

こんなモフモフまんどらめぇめの前で、炎や雷を使ったらダメだろう!
燃えたり静電気起きたら可哀想じゃないか!



●野生の矜持
 ブリエレールを前にして、都月は明らかに不機嫌そうな顔で彼女を睨みつけた。
「まんどらめぇめは、ペットじゃないだろう? この辺りを縄張りにする、野生動物だぞ」
 決してブリエレールの庇護下にある生き物ではない、この島に生きる野生の生き物。都月はまんどらめぇめたちを、そう捉えていた。
 確かに、彼らはブリエレールに護られて生きているわけではない。ただこの島でのんびりと、気ままに生きているだけである。更に言うならブリエレールもただめぇめを可愛がっているだけにすぎないわけで。
 しかしブリエレールは、悩まし気にふるふると頭を振った。
「いいえ! あの子たちは私のかわいいかわいいペットなのよ! 間違いないわ!」
 話を聞かない様子のウサギの女性に、都月は眉間にしわを寄せた。
「貴女は動植物を愛する優しい人なのかもしれないけれど、ペット化して困るのは、まんどらめぇめ達だ」
 自分達の力で生きているまんどらめぇめ。他人の力を借りないと生きられなくなったら、もう野生には戻れないのだ。都月はそれを心配していた。
「野生には、超えたらダメな線があるんだ。 彼らが野生で生きていけなくなったら、死んでしまうんだぞ?」
 野生の気持ちを忘れない都月が訴えかけるも、ブリエレールはその訴えを一笑に付した。
「まんどらめぇめはただの生き物じゃないわ、精霊なのよ。食事をしなくても生きていけるわ。何を心配する必要があるの?」
「そうか……なるほどな」
 その言葉に、むっとしながらも納得した都月だ。
 確かにまんどらめぇめはただの生き物ではない。木の精霊だ。動物と同じようにものを食べないと生きていけないわけではないのだ。
 だが、それでも。
「でも、あんまり人に慣れすぎるのも、いいことじゃない。いくらまんどらめぇめが人懐っこいからって、人を怖がらなくなったら、よくない」
 そう話しながら、都月は杖を振るった。地の精霊を呼び出すや、ブリエレール目掛けて放っていく。
「地の精霊様、最速で!」
 高速で飛んでいく精霊の矢。それに撃たれながらも、ブリエレールは都月に思い切って肉薄した。
「くっ……! 貴方とは、見解の相違があるようね!」
「わ……地の精霊様!」
 雷に打たれ、そこから燃え上がる炎にマントが焦げる。カウンター気味に地の精霊の力を借りて魔力を叩きつけながら、都月はブリエレールの傍にまんどらめぇめがいないことに安堵した。

大成功 🔵​🔵​🔵​

春霞・遙
めぇめさんたちは貴女のペットなんですか。
めぇめさんたち、どうなんです?
この子達、すごく人に慣れてて、もし本当にあなたが育てているというのなら貴女も本当はいい子なんじゃないかって思いますけど、どうしても人に迷惑をかけないわけにはいきませんか。
刈った毛でちびぐるみやストラップやブローチ作ろうと思ってるんですけど、一緒にしませんか?
好きの気持ちは独り占めするより誰かと共有したほうが楽しいと思うんですけどね。

めぇめさんたちの住処を焼け野原にされてはかなわないので、説得が通らないなら【竜巻導眠符】で無力化して攻撃用の符でお仕置きしますね。


荒珠・檬果
避難を促すとは…モフリストの鑑…!(煙ポフッ)
ふむ、すまぬ。妾、感激で『真の姿』となってしまったわ。許してたもれ。

では、同じモフリスト。これを存分にもふるがよい。
【バトルキャラクターズ】で再現せし戦闘用もふもふキャラ。
…戦闘用いうてもな、元からして戦闘力が低いのよ。
攻撃力:5
もふ力:∞
みたいに。
うむ、もふもふ。もふもふじゃぞー。
おぬしの耳もよきものよな。

さて、同志よ。これは討伐でな?
おぬしを 倒す 依頼でな?
悲しきかな、せっかく会えた同志というに。この紅紋薙刀で払わねばならぬ。
妾の『真の姿』を見せたのも、同志たるおぬしが初めてというに。
ほんに、悲しきかな悲しきかな悲しきかな。



●もふりすとの集い
 檬果は感動に打ち震えていた。
「避難を促すとは……まさにモフリストの鑑……!」
 感動する檬果の身体が、突然ぽふんと煙に包まれて。
「わっ」
 隣にいた遙はビックリした。ブリエレールは口をぽかんと見開いている。
 何故なら。
「ふむ、すまぬ。妾、感激で『真の姿』となってしまったわ。許してたもれ」
「真の姿そんなんなの!?」
 檬果の真の姿が解放され、シャーマンズゴーストだったのがスラリとした体躯の人間へと変わったからだ。変貌なんてレベルじゃない。
 呆気にとられつつも、それ以上に呆気にとられているブリエレールへと、遙が声をかける。
「え、えーっと。めぇめさんたちは貴女のペットなんですか」
「え、あ、そうよ!」
 遙の問いかけに、ブリエレールが気を取り直して頷いた。それを見た遙が、おもむろに後方を見やる。
「めぇめさんたち、どうなんです?」
「めぇー」
「おや、こちらにも来ておったのか」
 見れば、そこには何匹かのまんどらめぇめが身を隠していた。先程避難させられた時に、二人の方にもやってきていたらしい。
 しかして、遙に声をかけられためぇめが何やら主張を始める。
「めぇー、めぇめ、めぇめぇめー」
「ふんふん、なるほど」
 めぇめの言葉を聞いた遙が、こくこくと頷いた。動物と話す技能は持ってないけれど、ニュアンスはなんとなく分かる。
 そうして立ち上がれば、ブリエレールの方に顔を向けて。
「『可愛がってくれるいい人だけど、ペット扱いされるのはなんかヤダ』、だそうです」
「えぇーっ!?」
 その言葉に、ブリエレールは愕然とした。さもありなん。
 そのまま崩れ落ちそうになる彼女へと、遙は苦笑しながら声をかけた。
「まぁそれはそれとして。この子達、すごく人に慣れてて、もし本当にあなたが育てているというのなら貴女も本当はいい子なんじゃないかって思いますけど、どうしても人に迷惑をかけないわけにはいきませんか」
「そうじゃな、お主が心を改めて、他人に迷惑をかけずに生きていくというのなら、妾もその方がいいのではと思っておる」
「えー、うーん……」
 檬果も一緒に言葉をかけると、ブリエレールは難しい顔をして悩み始めた。なんだかんだ言って彼女もオブリビオン。いい子であっても譲れないラインというものは、やっぱりあるのだろう。
 うんうん唸るブリエレールに、遙が取り出したのは先程めぇめから切り取って集めた、ふわふわの体毛だ。
「答えがすぐに出ないならいいです。刈った毛でちびぐるみやストラップやブローチ作ろうと思ってるんですけど、一緒にしませんか?」
「えっ」
「あっ、妾もやりたいのう」
 体毛と一緒に取り出すのは金属の針。いわゆる羊毛フェルトというやつだ。檬果も一緒にやってみたいようで。
 関心を示して近寄ってきたブリエレールに、檬果が手のひらを広げて見せる。
「では、おぬしもおぬしも同じモフリスト。これを存分にもふるがよい」
 と、そこからわらわらと溢れ出すように、もふもふ毛玉が姿を現した。その数、70匹。
「わわっ、かわいい」
「やだ、もふもふ……!」
 遙もブリエレールも、可愛らしいもふもふな生き物に目を奪われて。檬果が自慢げに胸を張った。
「うむ、もふもふ。もふもふじゃぞー。バトルキャラクターズで再現せし戦闘用もふもふキャラじゃ……とはいえ攻撃力は低いんじゃがな」
 その実、もふ力だけがカンストしていて攻撃力は一桁台なもふ生物らしい。戦闘用とは。
 ともあれ、女子三人で山腹の開けた場所に腰を下ろしての羊毛フェルトタイムである。ニードルが羊毛を突き刺す、チクチク、プスプスという音が、火山性ガスの吹き出す音に混じって聞こえてくる。
「じゃあこの子たちをもふりながら、一緒に作りましょ。このニードルで羊毛をチクチク刺していってー」
「ほう、だんだんと質感が変わってきたのじゃ。面白いのう」
「ふあぁ……すご……」
 そうする間も、もふもふの手は止まらない。もふ生物をもふもふしながら柔らかい笑みを零すブリエレールだったが。
 ふと、彼女のウサギ耳が横から掴まれた。身体を跳ねさせるブリエレール。
「ぴゃっ」
「あっ、これはおぬしの耳じゃった。おぬしの耳もよきものよな」
 手を伸ばしたのは檬果だった。そのまま流れでブリエレールの耳をもふもふし始める。これもまた、良きもふもふ。
 そんなこんなでチクチクを続けて十数分。三人の手の中には、生成りの色をした丸っこい羊のマスコットが出来上がっていた。
「はい、完成ー」
「妾のも出来たのじゃー」
「出来た……」
 完成したちびぐるみを見ながら、ブリエレールは感動している様子だ。自分の手で何かを作り出すということを、あまりしてこなかったのかもしれない。
 そんな彼女に、遙は優しく声をかける。
「どうです? 無心でチクチクしてると、考えもまとまってきませんでしたか?」
「まぁ、うん、そうね」
 遙の言葉に、ブリエレールはこくりと頷いた。そうして、ちびぐるみを自分の懐に入れながら目を伏せる。
「あたしだって、元々は冒険者だったわけだし、他人に迷惑かけずに生きれたら、もっと生きやすいのかな、とは思う」
 目を伏せてうっすらと笑みを浮かべる彼女だ。その表情は、どこか寂しそうで、諦めてもいるようで。
「……けれど、あたしはオブリビオンだし。出自がどうあれ、世界を憎むように出来ているものだし。そこを変えるのは、難しいな」
「……そうですか」
「ほんに、悲しきかな悲しきかな悲しきかな。せっかく会えた同志だというに」
 そんなブリエレールの言葉に、遙も檬果も悲しみを顕にした。檬果の言葉は、本心からのものであったのだろう。
 モフリストの彼女は同志だ。しかし、猟兵とオブリビオン。相容れない存在なのはよく分かる。
 ならばと、檬果は薙刀を取り、遙は無地の符を取る。
「まぁ、元々おぬしを倒す依頼じゃったから、仕方がないのじゃがな」
「ごめんなさい、私たちもお仕事なので」
「あっもふもふが、もふもふがあたしに殺到し……スヤァ……」
 さらにはもふ生物がブリエレールの身体めがけて殺到し。ブリエレールの身体がもふもふに埋もれていく。
 そのまま導眠符によって眠りに落ちていく彼女の身体を、薙刀の刃が斬り裂いた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

バロン・ゴウト
一応聞いてみるけど、この先悪さをせずにのんびりめぇめ達と暮らしていくっていうのは……やっぱりダメ?
だったら仕方ないのにゃ。人々に悪さをするのならこのボクが相手になるのにゃ!

猫の毛づくろいで自慢の毛並みをよりもふもふにして、ブリエレールを【おびき寄せ】るのにゃ。
寄ってきたブリエレールを毛づくろいの効果でするりと躱し、【カウンター】で杖を持つ手を【串刺し】にするのにゃ!

絡み、アドリブ大歓迎にゃ。



●めぇめとうさぎと
「うーん……はっ、もふもふは!?」
 倒れ伏していたブリエレールが、ハッと意識を取り戻しては身を起こす。
 そんな彼女にそっと近づきながら、バロンは恐る恐る声をかけた。
「あのー、お姉さん?」
「なに……? ハッ、もふもふ」
 気だるげに視線を巡らせるブリエレールだが、声の主がケットシーのバロンであることを認識するや、その瞳に光が戻る。
 意識がはっきりしていることを確認したバロンが、ほっとしながらも彼女に言葉をかけた。
「一応聞いてみるけど、この先悪さをせずにのんびりめぇめ達と暮らしていくっていうのは……やっぱりダメにゃ?」
「えー、うーん……」
 その問いかけに、またも難しい表情をするブリエレールだ。
 この島を拠点にして、まんどらめぇめと戯れて、悪いことをしないで暮らしていけるなら、オブリビオンでもそれでいいのではないのだろうか。バロンはそう考えたわけだが。
 しかし、やはりブリエレールはゆるゆると頭を振った。身体を起こして、その場に腰を下ろしながら空を見上げる。
「そりゃー、めぇめたちとのーんびり、この島で温泉に浸かりながら暮らしてくっていうのも、悪くはないけれど……刺激が無いのがどうしても、ねー。それにこの島、作物が育たないから、飢えないためにどうしたって島の外に出なくちゃならないんだもの」
「そうなのにゃー」
 彼女の言葉に、バロンはしょんぼりと尻尾を垂らした。ダメもとで問いかけたのは事実だが、これはこれで、すっぱり「無理!」と言われるよりも堪える。
 とはいえ、ダメならしょうがない。しっかり仕事をするだけだ。黄金のレイピアを抜き放つ。
「だったら仕方ないのにゃ。人々に悪さをするのならこのボクが相手になるのにゃ!」
「かかってきなさいもふもふにゃんこ少年! もふり倒して膝の上でお昼寝してもらうんだから!」
「目的が違くなってるにゃ!?」
 すっかりもふりすとモードになったブリエレールにツッコミを入れつつ、バロンは自分の身体をぺろぺろ舐め始めた。
「そこまで言うなら仕方ないにゃ、もっともふもふにしてあげるのにゃ!」
「あぁっ、ネコ男子がぺろぺろ毛づくろいしてる……かわいい……」
 猫の毛づくろい、その実対象の摩擦抵抗を極限まで減らすユーベルコードだが、結局は毛づくろいなので。バロンのもっふり感はより一層高まっていた。
 もっふもふになったバロンが、自慢げに胸を張る。
「にゃっ!」
「はぁぁぁ、これはなんてもふもふ……いい……」
 そうしたらもう、ブリエレールは辛抱できない様子で。ふらふらとバロンに近づいて、その身体を抱き締めようとした。
 のだが。バロンは彼女の腕の中からするりと抜け出す。
「んぅっ!? すべ――」
「そこにゃ!」
 するんと腕から抜け出したバロンが、カウンター気味にレイピアを突き出す。その切っ先が突き刺さるのは、ブリエレールが杖を握る右手だ。
「いったぁぁーー!?」
 鋭い痛みに涙を流すブリエレール。その姿を見つつ、しゅたっと彼女から離れた場所に降り立ったバロンが、レイピアについた血を払った。
「ボクをそう簡単にもふれるとは思わない事にゃ!」

大成功 🔵​🔵​🔵​

ヴィゼア・パズル
ヴィゼア:ほう。
フロゥラ:ホッホウ
ダンクル:Coaaaaa...
「ああ、ダンクル、お前ははモフみと言うより堅牢さだ。」まんどらめぇめに跨って移動。服はちゃんと着ていますよ。彼女の方へ行きましょうか。
おや、この身がフワモコと?勿論。
「此方の姿でも、モフみは負け知らずだぞ?」
真の姿へ瞬きの間に変化。側へ立ち、尾で相手を包もう。
何、この尻尾。中身は蛇の骨格だ。自由に動く
「気持ち良いか?そうか、そうか。…そのままイってくれ。___フロゥラ。」
包んだまま風の精霊に声を掛け斬撃を見舞う。
「骸の海で海水浴と洒落込んでくれや。」
ニィと笑って見返そう。…中々好みのイイ女だったんだがなァ
残念だ?

アドリブや連携歓迎



●猟犬と精霊と
 すったかたー、とまんどらめぇめが山を駆けていく。
 その背中にはヴィゼアが乗り、傍には青緑に輝くフクロウと、漆黒の巨大魚が浮かんで追随していた。
「ほう」
「ホッホウ」
「Coaaaaa……」
「ああ、ダンクル、お前ははモフみと言うより堅牢さだ」
 フロゥラとDunkleosteusにそれぞれ声をかけて、ヴィゼアはブリエレールの前に躍り出る。その姿を認めたブリエレールが、ウサギ耳をぴこんと跳ねさせた。
「はっ、めぇめに乗ったにゃんこ!? ふわもこもふもふ!?」
「おや、この身がフワモコと? 勿論……あぁ、めぇめはありがとうな」
「めぇ!」
 ヴィゼアがまんどらめぇめの背中から飛び降りてブリエレールに不敵な笑みを見せると、そのままめぇめを引き返させて退却させる。
 めぇめが距離を取ったことを確認したヴィゼアは、その青い瞳を緩く細めた。
「さて……此方の姿でも、モフみは負け知らずだぞ?」
 と、瞬間にその肉体が爆ぜるように大きくなった。顔に傷を持ち、太い尻尾を持つ偉丈夫の姿に変わったヴィゼアを見て、ブリエレールが驚きに目を見張る。
「ふわっ!? おっきくなった!?」
「もふりたいなら、存分にもふらせてやろう……ほら」
 そのまま瞬時に彼女の傍に寄ったヴィゼアが、ブリエレールの肩を抱いた。彼女がハッとそちらを向くより早く、ヴィゼアの太い尻尾がしゅるりと彼女に巻き付く。
 否、ただ巻き付いているのではない、その身を締め上げているのだ。
「はぅぅっ!?」
「この尻尾、自由に動くんでなァ。このくらいはお安い御用だ」
 強烈な圧迫感に、ブリエレールが苦悶の表情を浮かべる。と、尻尾がそのまま彼女の顔を覆うように巻き付いた。呼吸を封じられ、顔面をもふもふに覆われたブリエレールが激しく身をよじるも、抜け出すことは叶わない。
「む、むぐ、むぐ……!」
「気持ち良いか? そうか、そうか。そのままイってくれ――フロゥラ」
「ホーッ!」
 優しい声色で話しかけると、ヴィゼアは風の精霊に視線を向けた。フロゥラが一声鳴けば、その翼の端が刃となってブリエレールの肉体を切り裂く。
「中々好みのイイ女だったんだがなァ……残念だ?」
 鮮血が噴き出すのを見ながら、ヴィゼアは毛皮に覆われたブリエレールの頭の耳を、そっと指先で撫でた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

古峰ヶ原・美琴
(SPDで挑戦、絡みとアドリブOK)
やだやだ! めぇめさんともっと遊びたいよぅ
わたし、怒っちゃうよ。おねーさんをめっ!てするよ

化術でめぇめさんに変身
爪の先から人工物の生え際、香ばしい匂いも完璧にめぇめさんを再現だよ
足場習熟と地形耐性でゴツゴツな岩場だって素早く移動できる
地形を利用して死角からおねぇさんに接近するね
体当たり遊びだよ。どかーん!
めぇめさんの姿のまま骸合体するよ
頭からぶら下げている人工物はヤマタノオロチのぬいぐるみ
もふもふの身体からニョキッと頭を生やしたアフロオロチと同じ姿だよ
暑い場所でお風呂上りだから寒い攻撃がいいかなぁ
8つのアフロ頭から同時に凍結属性のブレス攻撃をぐわーって吐くよ



●そしてそれは星のように
 ブリエレールがズタボロになって地面に転がり、しかしなお命を繋ぎ止めている中で。
 美琴はとても怒っていた。まんどらめぇめと遊びたかったのに、帰されてしまって怒っていた。
「わたし、怒っちゃうよ。おねーさんをめっ! てするよ」
 これから戦闘をするから、まんどらめぇめには安全な場所にいてもらおう、というブリエレールの気遣いが、美琴に関して言えば完全に裏目に出ていた。理不尽だが、猟兵相手なんてそんなものである。
 しかして、美琴は東方妖怪。さらに言えばどろんバケラー。化術ならお手の物だ。
 早速まんどらめぇめに変身。爪の先から頭の上に生やしたホットケーキの香ばしさに至るまで、見事にめぇめを再現している。
 その状態で一声鳴けば、まさにまんどらめぇめそのものだ。
「めぇー!」
「え、あ……? なんで、まだめぇめの声が……」
 ゆっくり身を起こしたところで、ブリエレールがそれに気が付く。何故だろう、まんどらめぇめがこんな近くで鳴くはずはないのに。
 困惑しながら辺りを見回そう、としたところで。彼女の背後から美琴が飛び出した。
「体当たり遊びだよ。どかーん!」
「へぶぅっ!?」
 美琴の全力の体当たり。予期しない方向からぶつかられて、ブリエレールは悶絶した。
 しかし美琴は体当たりをやめる気配がない。何度も何度も、容赦なく満身創痍のブリエレールをどつき回す。
「どかーん! どかーん!」
「ちょっ、待っ、やめ――っ! あっつ、き、傷、傷がっ!」
 身体のあちこちに受けた傷が開いて、どばっと血を流しつつ口からも血を吐くブリエレール。もうその命は風前の灯火だ。めぇめにぶつかられてもっふりを味わっているが、ぶっちゃけそんな余裕も最早ない。
 と、目の前に立っためぇめ姿の美琴を見て、ブリエレールが目を見張る。
 頭上の人工物がホットケーキから、別のものに変わっているのだ。
「なっ、頭の人工物が……って、なにそれ、えっ!?」
「アフロオロチだよ。暑い場所でお風呂上りだから寒い攻撃がいいかなぁ」
 それは、ヤマタノオロチのぬいぐるみ……否、それぞれの頭が伸びている胴体部分がもっふもふだ。なるほどまさしくアフロオロチ。
 そのアフロオロチの八つの頭が口をぱかっと開き、口の中にエネルギーを溜め込む。溜め込む。溜め込む。
「や、待ってちょっと、待っ――」
「ぐわーっ!!」
「いやぁぁぁぁぁぁ!!??」
 ブリエレールが制止するより先に、放たれるそのエネルギー。
 凍結属性のブレスが八本、ブリエレールの身体に殺到して、彼女の身体は衝撃で空高くにまで打ち上げられた。
 ブリエレールが上空に打ち上げられていく中で、まんどらめぇめが山のあちこちから、彼女を見上げているのが見える。
「あぁ……もっと、もふりたかった……ぐすん」
 そんな声が消滅間際、空から微かに聞こえた気がした。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2020年08月11日


挿絵イラスト