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おいでませ、フラワーズ島

#グリードオーシャン #お祭り2020 #夏休み #フラワーズ島

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●れっつすいみんぐ
 陽射しの強まる夏、グリモアベースにて。
「グリードオーシャンでの夏休みに興味ある人はないかな?」
 唐突にシャチのキマイラ、ヴィクトル・サリヴァン(星見の術士・f06661)が語り始める。
「フラワーズ島っていう島があってね。無人島だったんだけど春頃にメガリスを回収した関係で人が訪れるようになった島なんだ」
「島はキマイラフューチャー由来、コンコンコンのシステムの残骸っぽい遺跡が暴走してたんだけども今は大体停止しているから安全だよ。それで安全になったと噂を聞いてやってきた海賊や商人が島を探索したんだけど、何か洞窟を探り当てちゃったみたいでね」
 そこであれやこれやあって変なシステムが起動、島の周りの海の様子が極端な状態になっているのだとヴィクトルは言う。
「まず基本的に、この島の周りは長い年月の間に住み着いた宝石みたいに鮮やかな熱帯魚や珊瑚礁がとても綺麗な穏やかな海だ。勿論ちょっと沖合に行けばこの世界らしい荒れ模様なんだけど、だからこそ休憩地点として海が豊かになっているんだろう。海だと味のいい魚、島の中だとどこからか流れ着いて定着したココナッツや各種果物、あと芋だとか野菜だとかもいい感じにあるみたいだから、それらを使ったお店が今のトレンドだね。お肉も海賊とかが他の島から持ち込んできてるから少し割高だけどあるみたい」
 要するに人が入り始めたばかりの豊かな自然をたっぷり堪能できるのだとシャチは言う。
 だけれど基本的にとは? と猟兵が尋ねればヴィクトルが説明を続ける。
「さっき言ってた極端な状態なんだけどね、島の南側の海は凄く穏やかなんだけど北側に行けば行くほど荒れ模様、一番酷い所だと外洋並みの大嵐になっている。その上柔らか素材なんだけど、流木とか樽型の何かが次々に流れてきて容赦なく襲ってくる。まあ、溺れそうになったら自動で南側に流れていくような海流になっているから安全だけは確保されているみたいだよ」
 ちなみに島の北、百メートルくらいの海上にぽつんと旗が立っていて、ゲットできたら何かあるという噂もあるとのこと。
「まあ何もなくとも自慢できるんじゃないかな、今の所現地の人は誰も成し遂げられていないみたいだし。楽しみ方としては南の穏やかな海――屋台の多くも此方にある、そこでのんびり海を楽しんだり、東西のいい感じの波のある位置でスポーツを楽しむ。或いは北で旗に挑戦したり泳ぎの特訓してみたり、嵐の海でのスポーツだとか色々あると思うんだ。ちなみに木製の小舟やボードとか、色々と商人が持ってきて貸出とかしてるみたいだからそれを借りてみるのもいいんじゃないかな」
 そうシャチは楽しそうに語る。
「大きな戦いがもうすぐあるかもしれないけど、その前に夏を楽しんでみない?」
 ヴィクトルは笑顔でそう締め括ると、早速転送の準備を始めた。


寅杜柳
 オープニングをお読み頂き有難うございます。
 今回はグリードオーシャン、夏休みのお誘いとなります。

※このシナリオは【日常】の章のみでオブリビオンとの戦闘が発生しないため、獲得EXP・WPが少なめとなります。

●フラワーズ島
 特色としてはアスレチック系の小さな元無人島。
 入植してきた海賊が洞窟を発見、中の怪しいスイッチをポチっとなしてしまった事で島近海の様子が島の南北でガラリと変わっている。

・南側海域
 一般向けイージー海域。
 島唯一の川の河口のある常夏の穏やかな海。色々な動植物がゆったり泳いでいる。
 屋台の大半はこの辺りの海岸にあり、島の動植物や新鮮な海の幸をふんだんに使った料理が楽しめる。

・東西海域
 中級者向けノーマル海域。
 基本は穏やかな海だが、サーフィンにうってつけな大波が時折押し寄せたり海流もそれなりに速い。
 なお海底を探れば洞窟もあり、上手く探せば島の地下を探検できるかも。

・北側海域
 上級者向けハード海域(安全)。
 とにかく嵐の海の驚異を再現したような荒れ狂う海。
 嵐どころか渦潮、離岸流に漂流物等の海の災難まで詰め込まれています。
 危なげではありますが島の不思議なシステムにより怪我や命の危険はほぼありません。
 100メートルほど沖に旗が一本ぽつんと立っています。
 また、こんな厳しい環境でも露店は数少ないですがあるようです。

 ヴィクトル(f06661)はお声かけ頂いた時のみ登場しますが構わなくても大丈夫です。
 基本は南側海岸で海の家を開いて商売していますが、お声かけ頂ければ休憩と称して泳ぎの競争相手なりきっとノリノリでついていくと思われます。

 それでは、皆様のご参加をお待ちしております。
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第1章 日常 『猟兵達の夏休み』

POW   :    海で思いっきり遊ぶ

SPD   :    釣りや素潜りを楽しむ

WIZ   :    砂浜でセンスを発揮する

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

辻ヶ花・りんず
【POW】

ねぇねぇ、ヴィクトルちゃん。ヴィクトルちゃんは泳ぐの上手?
良かったら、りんずに泳ぎ方を教えて欲しいの! ダメ?

目指すは南側の海岸だよ!
自慢の水着に着替えたら、いざ突撃ー!
あ、準備運動も大事だよね? りんず知ってるよ!
いち、に、さん、しー。いち、に、さん、しー。
よーし、今度こそ突撃ー!
ヴィクトルちゃん、ちゃんと見ててねー?

泳ぎ方を教えて貰ったら、お礼に屋台の食べ物をご馳走してあげるね!



●煌めく夏の海!
 南北で大きく海の様子が変わっているフラワーズ島ではあるが、真夏の日差しは平等に降り注いでいる。
 北の荒れた海も天気だけは明るく、そして南の凪の海は楽しく泳ぐのに絶好の海日和となっていた。
 砂浜に少しばかり残っていた遺跡の残骸も危なくないよう片づけられている様子で、太陽の光に白く輝く綺麗な砂浜を金色の妖狐の少女、辻ヶ花・りんず(夕焼け小焼け・f13114)ははしゃいだ様子できょろきょろと眺める。
 元々は無人島だったらしいけれど、この海岸に並んだ賑やかな露店、海の家の様子を見ればそう遠くない日に人が集まり村なり町なりが出来そうな気もする。
 そんな海の家の一つで鉄板に野菜や海の幸を投入してじゅうじゅうと香ばしい匂いを漂わせているシャチのキマイラを見つけ、りんずはその海の家に駆けよる。
「やあ、楽しんでるかい?」
 駆け寄るりんずに気付いたヴィクトルの問いに、りんずはうん! と元気に返す。
「ねぇねぇ、ヴィクトルちゃん。ヴィクトルちゃんは泳ぐの上手?」
「うん?」
「良かったら、りんずに泳ぎ方を教えて欲しいの!」
 ダメ? と見上げるりんずにヴィクトルはダメなわけじゃないかと笑顔で返す。

 海の家を休憩時間という事で一旦閉めて、ヴィクトルとりんずの二人は南海岸の波打ち際に移動していた。
 二人の装いは水着姿――と言ってもヴィクトルは麦藁帽とアロハシャツを外したくらいしか違いはない。
 そしてりんずの装いはふりふりとした可愛らしい花柄の水着に白のパーカーを羽織り、涼しそうな青のサンダルに履き替えたこの海にうってつけの姿。金色に輝く狐耳と尻尾も太陽の光にきらきらと輝いて見える、彼女にとっても自慢の水着姿だ。
 穏やかな波は初心者や子供にも優しくこんな練習には丁度良い。
「いざ突撃ー!」
「おおっと、待って」
 元気にいきなり突撃しようとする妖狐の少女にヴィクトルはストップをかける。
「海に入る前はまず準備運動、じゃないと体がびっくりしちゃうかもしれないよ」
「あ、りんず知ってるよ! 準備運動って大事なんだよね」
 忘れてた、とりんずは準備運動にかかる。
「いち、に、さん、しー。いち、に、さん、しー……よーし、今度こそ突撃ー!」
 そして、今度こそりんずは羽織っていた白いパーカーを外してから海にばしゃーんと飛び込んでいく。まだまだそこまで深くはない場所で体を慣らすようにしてりんずは燥ぐ。
「それじゃあまずはクロールから練習しようか。体を伸ばして……」
 大分体も水に慣れてきたと見たヴィクトルが説明を始める。
 流石は海棲哺乳類のキマイラ、その説明はりんずにも分かりやすいようで、すぐにすいすいと泳ぎ回れるようになった。
「ヴィクトルちゃん、ちゃんと見ててねー?」
 足のギリギリ届くぐらいの深さの海を泳ぎながら、何かあったらすぐに救助に入れるように海に入り見守っているヴィクトルをりんずは振り返る。
「大丈夫見てるよー。あ、耳に海水が入らないように注意した方がいいよ」
 そこは洗い難いからね、等とちょくちょくアドバイスを入れるヴィクトルと、その助言を吸収してぐんぐんと上達していくりんず。
 北の海はともかく慌てなければ東西の海岸位なら問題なく泳げるようになったんじゃないかな、とのお墨付きを得たりんずは海岸にあがり休憩をとる。
 毛並に残った水滴をキラキラと太陽の光に輝かせ、海で少しだけ冷えた体を温めながら深い青の美しい真夏の海を眺めて。
「ヴィクトルちゃん、泳ぎ教えてくれて有難うね!」
 そして隣でのんびり海を見ているヴィクトルに、りんずはお礼を言う。
「俺は海の仲間だからね、少しでも助けになったならそれが一番だよ」
「お礼に屋台の食べ物をご馳走してあげるね!」
 元気にそう言うりんずに、ヴィクトルは楽しみにしているよとシャチの表情をやわらかく緩めた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

山田・菜々
清水・式(f02108)と参加
関係:夫婦

海底洞窟なんて、ロマンすね。
おいらたちなら潜水もお手のものっすし、洞窟も探し当てられるっすね。

水中ノートを持っていって、会話ができるようにしておくっすよ。

あ、スイッチとか見つけても、押しちゃだめっすからね。

洞窟探険もわくわくするっすけど、ふたりだけのデートってのも久しぶりでいいっすね。

なんというか、神秘的っすね。素敵っす。


清水・式
ペア:山田・菜々(f06898)
関係:夫婦

海底洞窟を探険。
洞窟って言うくらいだから、
薄暗かったり、視界が悪かったりするはずだし、
二人だけの時間が沢山とれるはず。

あっ、でも。
肌寒いかもだから、菜々の分の上着を持っていかなきゃ。

他人に見られるのは恥ずかしいから、
キスする時は、人目が無いことを確認してから、ね。



 フラワーズ島の東西は程々に波のある海域となっている。
 島の西側、その南寄りにはこの短期間に波止場が建設されて他の島からの船を迎え入れていた。
 その絡みか、この島原産の植物素材のボート等を波に走らせる等の乗り物を用いた遊戯が盛んである。
 逆に東側はそのような乗り物は少なく、サーフィンやダイビング、マリンスポーツなどの比較的小規模な遊びが優勢。
 この島を取り巻く環境を変えた海底洞窟も、その入口は東側の海底で発見されたとの事だ。
「海底洞窟なんて、ロマンすね」
 南海岸の海の家、深海人の商人らしき店主の観光客向けの説明を聞きながら、山田・菜々(正義の味方の味方・f06898)は向かいに座る夫の清水・式(f02108)にそんな感想を零す。
 夫婦である二人の夏休み、それを楽しむために訪れたこのグリードオーシャンの島は中々面白いものもあるようで。
「海底か。もしかすると未発見の洞窟もあるかもしれないね」
「おいらたちなら潜水もお手のものっすし、洞窟も探し当てられるっすね」
 式の言葉に菜々が返す。猟兵の身体能力ならそれも可能だろう。さらにアザラシのような姿の店主に話を聞けば、意思疎通のためのノートやダイビング用の道具は東の露店の方で借りる事ができるらしい。
 ちなみにその露店は系列店なのだとか。ちゃっかりしてるっすね、とか菜々はそんな事を思う。

 そうして装備(レンタル)を整えた夫婦は東海岸の海に飛び込む。
 様々な戦闘技術を習得している菜々は勿論のこと、式も彼女に遅れることなくすいすいと泳いでいる。
 けれど海底洞窟はなかなか見当たらない。
 水中ノートにさらさらっと菜々が文字を書く
 もう少し北の方に行ってみない? そんな問いに式はジェスチャーで肯定する。
 そして二人が少し波が荒れ始める海域に差し掛かった頃。
(「あの洞窟怪しいかも」)
 海底付近まで潜った式がノートに書いた通り、そこにはぽっかりと島の方に伸びる黒いトンネルのような空洞があった。
 安全を確認しながら二人はその洞窟へと侵入していった。
 そしてその空洞の先には空気のある空間があった。ぷはっと二人は息を吸い周囲を見回す。
 薄暗く、キマイラフューチャーの遺跡が岩肌の各所に見える洞窟は妙にちぐはぐ。
 長い時間をかけて遺跡が浸食されてこのような形になったのだろうかと、式は思案する。 
「なんというか……神秘的っすね。素敵っす」
 いつもの口調の菜々へと振り返る。薄暗くはあるが彼女の表情ははっきり分かる程度の明るさで、周囲に他の誰かの気配もない。
 もしかすると前に誰かが見つけて踏破した洞窟なのかもしれないけれど、そんな事はこの島を知らない二人には関係ない。
「あ、スイッチとか見つけても、押しちゃだめっすからね」
 そんな事を考える式に菜々が釘を刺す。彼女の方も当然洞窟探検にわくわくしているのだけれども。
 けれど、それよりも。
(「ここなら二人だけの時間が沢山とれるはず」)
(「ふたりだけのデートってのも久しぶりでいいっすね」)
 お互いに似たような事に考え至っていた。
 他人にデートを見られるのはいくら夫婦という仲になっていても少々気恥しい。特に口づけなどは。
 その時、洞窟の奥から冷たい風が二人の肌を撫で吹き過ぎる。
 このままの水着姿では寒いからと、式は濡れぬように収納していた菜々の上着を取り出し、彼女の肩にかける。
「それじゃ冒険行くっすよー」
 おー、と手を上げる二人は当初の目的通り洞窟の奥へと歩みを進めた。 
 ――その後アスレチック染みた遺跡の防衛トラップを潜り抜けたり謎の機械に遭遇したり、思いもよらぬ冒険に挑む事になったのだけれども。
 その最後、誰もいない絶景を一望できる場所に辿り着いた二人は、どこかの大作アクション映画のラストシーンのように冒険を締め括ったのであった。

 壊れた遺跡が意味なく暴走していたのも既に昔の話のよう。
 新たに訪れた人々により賑やかに、あるいは心躍るような思い出を重ねていく。
 そんな風にフラワーズ島の夏の一日は過ぎていったのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2020年08月05日


挿絵イラスト