先進的服飾ファッショナブル!(作者 佐渡
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#グリードオーシャン 


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#グリードオーシャン


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 古くより、我らは衣と共にあった。
 全く異なる世界より来たという先祖は、僅かな仕事道具と人の力を合わせ、島を切り拓いていった。
 小間に油をひいた布を使った番傘は、日差しを遮るのに実に都合がよい。布地こそ少ないが気品を無くさぬ様に作られた衣も、何代も前に苦心して作り上げたものらしい。
 我らは衣と共にあった。そして今も。
 島民全員が苦心する、夏の暑さに海で泳ぐ者達が着るような、革新的で新たな服の案を求め、人々は頭を捻る。

 衣織島。そこは美しき衣と新たな装い、そしてそれを紡ぐ人々の在る島。

「くふふ……ついに見つけたのじゃ、最高の宝を!」
 だがそんな島に、今一つの脅威が迫っていた。


「皆様、お揃い頂き何よりです」
 グリモア猟兵・行間・埋(記す者・f21514)は、集まった猟兵達を出迎えるよう深々と礼をした。
「今回皆様にはグリードオーシャンのある島に向かって頂きます」

 『衣織島』。サムライエンパイアでも名の知れた織物の職人の集落が、丸ごと落下し島となった場所。今もなおその技術を連綿と受け継ぐ末裔たちが日々様々な布を織り、そしてそれで衣服を拵えているらしい。サムライエンパイアの技術とグリードオーシャンの気候、重ならない二つが交わり独自の進化を遂げたこの場所に住む人々は、新たな衣服の創作が生きがいであるのだという。
 ――無論、それだけではない。彼らがそれだけの布を編み続けられるのには訳がある。
「メガリス『絹繭如来像』。素材も自在、五色の美しき糸を際限なく生み出すこの像こそ、この島を支える基であり同時に信仰の対象です」
 そしてこのメガリスに目を付けたコンキスタドール、即ちオブリビオンが島に潜伏している。それを排除するのが、今回の目的である。
 島民たちに戦う術はない。もし巻き込まれればただでは済まないだろう。故に、できる限り戦闘は決して彼らに知られぬように行わなくてはならない。そのために、猟兵達にはやってもらわなければならない事があるのだという。
 それは――。

「所謂海遊びで御座います!」

 先述した通りこの島の住民たちは布を織り、服を作る事を命題とし魂を賭ける職人たち。外より現れた猟兵達の服装は彼らにとっては未知の結晶、創作意欲を刺激する最高の逸材。海をバックに、彼らに服を見せれば、彼らは得たイメージを形にするべくすぐさま作業にかかりきりになるだろう。そう、他の物が目にも耳にも入らないほどに。

 偶然にも今は水着のシーズンでもあるため、水着で海を楽しむのはもちろん。
 水着でなくとも自らのファッションを人々に見せつけるもよし、
 或いは彼らと話をして衣服を作る手伝いや技術を手ほどきを受けてもよし。
 思い思いにビーチと和の融合を存分に楽しめるはずだ。

 そして、人々の誘導が終わった後は――オブリビオンを速やかに撃退する、と言う運びである。
「此度現れるオブリビオンは、『我儘王女ベルベット』。一国の姫であったことから自尊心が高く、傲慢です。しかし厄介な事に確かな力と大量の下僕を従えています」
 彼女の目的は、自身の新たなドレスや水着を作る為に、かのメガリスを奪い取る事。
 ……ちなみにその下僕と言うのは、宝物を探すことに特化した知性なき『はたらきばち』。如何に美しき糸を生み出すメガリスであれど、布にし服を作る事はできないだろうが、実際に奪い取るまで本人が気づく事はなく、いざ気付いたとするなら癇癪でこの島は破壊しつくされ、海の藻屑になるだろう。

「決して状況は穏やかとは言えないものですが、皆様であれば敵の打倒などそう難しくはないでしょう! どうか存分に、海を満喫してくださいませ!」
 笑顔で見送る行間の背後で、グリモアが道を生み出した。

 潮風と太陽の世界が、猟兵達を呼んでいる。


佐渡
 佐渡と申します。今回は、『衣織島』とよばれるグリードオーシャンの島を舞台に、メガリスを狙うオブリビオンを撃退する――。
 という題目で水着で海を楽しんだり、ファッションショーを行うシナリオとなっております。
 一章では、島の広大なビーチで思い思いに過ごす事が出来ます。海で遊ぶ以外にも、島の様子を見て回ったり、メガリスの視察を行う事もできます。
 二章、三章では、島に潜伏していたコンキスタドール(オブリビオン)の『『海を満喫』我儘王女ベルベット』、及びその配下である『『蒐集蜂』はたらきばち』との戦闘が行われます。

 断章は章の開始に一回づつ挟ませて頂きます。それ以外は基本挿入いたしません。
 また、【全篇通して、衣服に関する情報を頂ければそれに関する情報を細かに描写させて頂きたいと思います】。
 皆様のご活躍、そして様々なお姿を全力で描写させて頂きたいと思いますので、何卒宜しくお願い致します。

●※おねがい※●
 迷子を避けるため、ご同行の猟兵の方がいらっしゃる場合には同行者名、あるいはチーム名等目印をお忘れないようにして頂けると幸いです。
 またマスタープロフィールに御座います【シナリオ傾向】については是非一度目を通して頂くよう強くお願いいたします。
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第1章 日常 『夜の浜辺で』

POW足に波を感じながら散策
SPD貝殻等の漂流物を集める
WIZ波の音に耳を傾ける
👑5 🔵🔵🔵🔵🔵🔵

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 『衣織島』に降り立った猟兵達を迎えるのは、満天の星と満ちた月。
 そしてそれら夜の中で輝く島の姿であった。

 灯篭の橙がぼんやりと町の全体像を映し出し、靡く大布に降りる月光が五色に、七色に、十色に彩る。和風の家屋に南国の海。そう広いわけでもない島の空で靡くは匠の布。
 ただ波の音と、僅かに聞こえる潮風の笛に合わせ、照らし出されるこの島で、果たして猟兵達は如何なる時を過ごすのか。
箒星・仄々
三銃士っぽい服装で着た切り雀ですけれども…
島民さんには却って新鮮でしょうか?
いつもの服装でお訪ねしましょう

色々教えてもらいますね
オーシャンで服飾関係だと水着とか
海賊さんの衣装、海賊旗が多いのかも?

帽子も新調したくなりました
制作をお願いできますか?

守るべき如来像も拝観させていただきますね
合掌~

その後はお弁当持参で島内をハイキング
テーはアイスがいいですね♪
我儘さんは既に潜伏しているという話でした
ハイク次いでにそれとなく見て回り
潜伏場所に目星をつけておきますよ

敵の動きを見張り易い場所の木陰で
潮風に吹かれながら竪琴を爪弾きます
只々穏やかな贅沢な時を味わいながら
この素敵な島や島の皆さんを守る誓いを新たに



 浜辺を一望する大岩の上、松の葉越しに星も覗けるスポットで、箒星・仄々(ケットシーのシンフォニア・f07689)はアイスティーに口を付ける。
 島内をナイトハイクよろしくぐるりと見て回った彼は、島の人々のその並々ならぬ衝動の一端を垣間見た。

 本日の装いもまた、一張羅の銃士の制服。手にするは吼えるマスケットではなく歌うリート。眼の翠と揃えたアーガイル柄と対になる、紫地に金刺繍のサッシュ。大きなのブーツの傷やくすみは、駆け踏み締めた旅の勲章。瀟洒で格式高く、されども溌剌とした遊び心は忘れずに。
 小柄な彼が着熟す装いに目にした人々の興味は尽きず――二言三言の断りを入れた後に、二百三百の質問が飛び交う事になるほど。
 とはいえ、無遠慮に奇異の視線や己が利のみだけで彼を縛るわけでも決してない。メガリスであり、村の信仰の要である『絹繭如来像』の見学もあっさり承知し、彼の「帽子が欲しい」という言葉には、集まった人々が真剣な面持ちで案を練り、必ず満足のゆく逸品を仕上げると息まいていた。
 
 人の好さと個性的な文化。景観だけの美しさだけで終わる事もない。空になったカップをしまうと、彼は竪琴を手にする。
 既に潜む敵の姿はまだ見つける事ができない。だが、監視に相応しい場所も、島の地形は既に粗方把握した。残るは機が熟すのを待つばかり。
 奏でるは穏やかな調べ。己が心を鎮め、そして島の人々へ捧ぐ祈りのような曲。再び見えたその時には、彼らの前で披露しよう。
「そのためには、まずやらねばならない事がありますね」
 誓いは新たに。そして、覚悟は一層固く。応ずるように一条の星が流れた。
大成功 🔵🔵🔵

クロエ・アスティン
POWで判定

えっと、海で遊んでいれば大丈夫なのでありますか?
故郷に海はなかったのでちょっと楽しみであります。

水着姿でといことで水着コンテストで着ていた胸に名前の書かれた白スクを着てきますね
真の姿のビキニアーマー姿よりも肌の露出が少ないとはいえ、男の人に見られているのは恥ずかしいであります。

船の上のの戦いは経験したことがありますが、砂浜で遊ぶのは初めてなので波打ち際で波と戯れているであります。
ひゃ……こ、これが波でありますかと驚いていたところに大きな波が来て足を取られて転んでしまいます。

※アドリブや連携も大歓迎



 クロエ・アスティン(ハーフドワーフのロリ神官戦士・f19295)は感嘆の息を吐いた。
 彼女の故郷に海はなかった。だが海を見た事はある。船上を舞台に戦いを行ったこともある、だがそれでもその光景は余りにも美しかった。
 月光に照らされる深い群青。穏やかな波が織りなす白の波紋と、世界の果てで融け合う水平線。そしてそこから大小様々の星々が散りばめられた夜が天上を、そして頭上を覆う。
 彼女が纏うのは、つい先日開催されたコンテストにも使った自身の水着。機能的な形状としっかりと身体に馴染む素材。同時に児童が纏う事が多い形状のためか過度な露出を避ける意匠。
 月光に照らされた黒髪が、未知を体感し感動に輝く青い瞳が、そして彼女が纏う白が、世界と一体となり、一枚の絵画のように世界に溶け込ませた。

 そうして眼前の世界に気を取られていると、不意に背後から複数の足音が聞こえる。――かの世界の人々は新たな衣装に目がない。悪意あるものではないと理解はできつつも、彼女の身体は刻まれた過去故に無意識のうちに強張った。
 だが、その予想を破るように、彼女に近づいてきたのは、心配そうな顔の女性たちであった。
 曰く、夜更けに子供がひとりで海にいるらしい。男衆から話を聞いたが、事情がわからぬのならば話しやすい方がよい、と子を持つ母親や弟妹の多い姉が彼女に話を聞きに来たのだという。
 ……白い服装故か、何か重いつめたように思われたらしい。緊張があっというに解れたことで思わず吹き出すクロエ。事情を説明すると、彼女らは理解してくれたのか、頷いた。その後彼女の纏うその水着について幾つか訪ねた後に、「困ったことがあればいつでもおいで」と言い残し去っていった。

 しばらくの時を、彼女は波打ち際で過ごした。足元に寄せては返す波の感覚を感じていたその時。
「ひゃ、わ」
 不意の強い波に足を取られ仰向けに引き寄せられる。舌を刺す塩の味と、ずぶ濡れの身体。ふるふると顔を振るいながらも、どこかおかしくて笑ってしまう。
 彼女にとって初めての海。それは美しく、予想外であり、そして貴重な体験となったことだろう。
大成功 🔵🔵🔵


第2章 集団戦 『『蒐集蜂』はたらきばち』

POW ●θ
自身の【飛行能力】を代償に、【焼け爛れるほどの熱】を籠めた一撃を放つ。自分にとって飛行能力を失う代償が大きい程、威力は上昇する。
SPD ●ζ
あらゆる行動に成功する。ただし、自身の【群れを率いる女王蜂が求める宝】を困難さに応じた量だけ代償にできなければ失敗する。
WIZ ●φ
【倒れた仲間の身体】から【蜜や蜜蝋など】を放ち、【敵を窒息させる事】により対象の動きを一時的に封じる。
👑11 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 夜は更けた。月は天上より少し外れ、夜闇は一層濃く深くなる。
 島についていた明かりが一つ、また一つと落ち、僅かに残った家の中からも絶えず機を織るか糸が結われる音が絶え間なく聞こえてくる。
 静寂と沈黙。――それこそ、戦いの幕が上がる何よりの合図であった。

 ぶぅん。ぶぅうん。

 耳障りな羽音が海より出る。硬質な身体、関節に生えた棘。意思なき群体はただ主命に従いメガリスを目指す。
 群れ為す二足の「はたらきばち」。音なく素早く、華麗に討つべし。
ダンテ・ホーンテッド
アドリブ、他の猟兵さんとの共闘、負傷描写ok

水着姿に着替えてパンク系、
ロック系、ゴシック系な洋服や浴衣を買う為に
そして絵の新たなインスピレーションを得る為に海岸周りの服屋をはしごする

衣織島独特の服飾の造形や布の模様に見惚れてたら地元の職人達に興味津々に水着のジャンルを聞かれる
ダンテは他者との会話は基本不得意なので素っ気なくするが
彼らの熱意に圧されヘルスゴスを必死に衣織島生まれの彼らに分かりやすく説明する

会話中に敵が襲撃してきて
形は違えど芸術や美しい物を創作することに情熱的な地元民達を守る

UCで敵を倒すものの不意に負傷するが
俺様の服を切りやがってとキレながらUCを応用した蹴り技をぶちかます



 「はち」の群れは砂浜に着地し、ぞろぞろと歩み出す。
 無機質な顔面はハニカム構造の面の如き甲殻に覆われ、表情らしきものを窺う事さえできない。だが、小刻みな羽音は明確な攻撃性、オブリビオンの持ちうる破壊的衝動を滲ませる。

 しかし既に、猟兵はこの事態を予見していた。
 ――飛来するは雷。然し眩い閃光ではなく暗がりより刈り取るその一撃は宛ら影。
 虫の頭を砕き、水辺に舞い降りたのはダンテ・ホーンテッド(黒い幻雷と紫水晶・f23827)。海辺に合わせた水着姿で、先制を果たす。
 奇襲に対し、動揺や恐れといった感情を見せることなく、走狗は打ち倒された敵の亡骸を拾い上げるとその蜜の如き体液を以て彼の動きを封じようと試みる。しかし、それが彼に命中する事はなかった。
 絶えず砂上を駆けながら、ダンテの放つ技は的確に蜂の数を減らしてゆく。
 ウェットスーツの上に履いたサーフパンツ、その側面にあしらわれた黄のライン。羽織ったパーカーのポケットに付いた金のスタッズ。そして頭部の黄金の石が月光によって動くたびに輝きを放つ。変則的であり、同時に閃く軌跡は宛ら稲光。
 先程村を巡り、この島の人々の「作品」への執念を間近に感じた。芸術を生み出し、愛する心意気。それを知ったからこそ、彼は決して止まらない。
 しかし、死角より放たれた蜜が羽織った服に命中する。重く沁みこみ動きを妨げる上着を、彼は天高く投げ上げた。
 一瞬の思考のブレ。その瞬間を狙いすまし、彼は眼前の蜂へ全速力で近づくと、その胸に思い切り飛び蹴りを打ち込んだ。勢いのままに後方へと宙返りし、投げた服を回収したまま着地する。
 着地を狙おうと、彼に釘付けの蜂どもは気付かない。これまで投げた雷撃によって帯電した地面に。蹴りと同時に体内の蜜に撃ち込まれた電撃に。

「クソッ、洗って落ちるのかよ、コレ……」
 苛立つ彼の独り言。呼応するように黒の雷撃が、害虫の一隊を尽く駆除する。
 どんと巻き上がる砂と海水が音を掻き消したことで、激しく、だが静かに。相反する二つが、両立した一つの結果となった。
成功 🔵🔵🔴

箒星・仄々
社会性昆虫は
生まれながらに役割が決まっているといいますけれど
我儘王女さんの手駒とはお可哀そうに

その軛から解放して差し上げるのも
私達の役目かも知れませんね

海へお還りいただきましょう

弦や剣に属性魔力を宿し攻撃

翠の音や花萌の刃:風
緋の音や銀朱の刃:炎
蒼の音や紺碧の刃:水

烈風で羽根を切り裂き、吹き飛ばし
炎で燃やし、高熱で致死温度に
水流で敵の熱を覚まし、超水圧で串刺しに

熱殺蜂球は水のバリアで身を守りつつ
風で竜巻を生み吹き飛ばします

倒れた蜂さんは炎で包み
蜜や蜜蝋を溶かし変性させます

もし自分や仲間が蜜蝋に捕まったら
炎の魔力で溶かし脱出/救出します

戦闘後に鎮魂曲を奏でます
骸の海でも
海で穏やかに過ごせますように



 蜂は群れる。だが同時に走狗であり兵である彼らは群を分けて島のあちこちから迫る。主の命のままに、羽音を響かせながら。

 だがその羽音を掻き消すような、風雅な音色が風に乗って現れる。気付けば蜂の羽には不可視の刃に薙ぎ払われ、同時に内より発火したなら糖の焦げた匂いと黒煙を上げて次々に落下してゆく。
 竪琴の戦慄と共に、箒星・仄々(ケットシーのシンフォニア・f07689)は姿を見せる。島の全体を知った彼にとって、奇襲への備えは十全であった。
 焦がされた仲間の姿を見、蜂どもは自ら空の優位を捨て、熱で身を包む。これで炎は効くまいと。だがその行為は決して完全な逆転に至るものでは決してない。
 爛れ続ける程の温度が、彼に届く事はなかったから。近づこうとすれば、彼との間に生み出されるのは風の防壁。それでもなお無理やりに迫ろうとするものには。レイピアに纏わせた青い魔力が鋭い水流となり、その身を穿つ。
 伏せた表情を窺う事はできない。羽根のついたつばの拾い帽子は彼の顔の全体をすっぽりと隠し、狙いや意志を相手に悟らせない。
 蜂にとって、空の優位を捨てたのは余りにも痛手であった。代償が大きければ大きいほど力を増し、熱は一層激しくなるも、それが彼に届かぬ以上は自らを苦しめる者に過ぎない。
 ――最早動く事すらままならない彼らに、ただ静かに顔を上げた仄々の目に宿っていたのは、ただ寂し気な哀れみであった。
 小さな手が弦を弾く。大海と呼応した魔力が奏でる、蒼の音。物悲しくも胸を打つ鎮魂歌が、ただ主の下した命のままにしか生きられぬ蜂に眠りを与える。驟雨のように注ぐ刃が、一撃の元に彼らを骸の海へと還すだろう。

 羽音はもうない。ただ小波と海風によって彼の背で靡くマントの音が残る。
「どうか、あちらの海でも――心穏やかにあるといいのですが」
 呟くような言葉と共に、竪琴の音色が夜に融けていく。
大成功 🔵🔵🔵

クロエ・アスティン
POWで判定

予定通りでありますね!引き続き白スクのまま、浜辺で蜂を迎え撃ちます。
見知らむ子供を心配して様子を見に来てくれるような優しい人達を傷つけたりはさせません!

襲い掛かってくる蜂の攻撃を「盾受け」と「激痛耐性」、「火炎耐性」で耐えしのぎながら「魔力溜め」ていきます。
十分に魔力がたまったら「全力魔法」で【戦乙女の戦槍】を唱え、まとめてなぎ払います!
地上に降りてきたのが運の尽きでありますね!

※アドリブや連携も大歓迎



 また別の海岸でもまた、蜂共は侵攻を行っている。暗夜に紛れながら、如何に仲間の数が減ろうと盲目的に目的へと向かう様は不気味さすら感じる。

 そんな群れに対し、一人の少女が立ちはだかる。纏うた水着は彼女の中の幼さ、儚さを引き立て、彼女を弱々しい獲物のように見せるだろう。
 同胞の仇討ちではなく、主命に障るがゆえに。蜂どもはすぐさまその羽を自ら燃やし、熱を帯びた一撃を四方より少女に向けて放った。自身の身体の半分もある大盾を構え、迫る無数の殺意をいなし、防ぎ、受け流す。遊びの装いをしながら清廉なる加護持つ盾を構えるその姿を、見知らぬものなら笑うやもしれない。
 だが、彼女にとって――クロエ・アスティン(ハーフドワーフのロリ神官戦士・f19295)にとっては、決して無為ではない。
 彼女は知った、この島の人の温かさを。平坦ではない生の道のりを歩んできた彼女だからこそ、それが素晴らしい事であると理解できる。ならばこそ、守ってみせると。
 戦巫女に奉ずる神官騎士。その純白は文字通りの「勝負の色」なのだから。
「あんな優しい人達を、傷つけたりはさせません!」
 彼女の言葉は誓いであり、聖戦の証。敵の苛烈な攻撃を防ぎきった彼女の身に溢れんばかりの魔力は、彼女の全身を鎧う。水着の上から光の軌跡が生み出す半透明の羽衣と腰布は、宛ら女神の生誕を彷彿とさせる。そして、右手に固く握られた聖なる魔力に満ちた騎士槍。彼女はそれを、思い切り天へと投げ放った。
 楔の如く夜空を舞った槍が、次の瞬間降り注ぐ光条となって蜂を刺し穿つ。羽を喪い、既に高熱の一撃を耐えきられた蜂どもに、回避のすべはない。

 浄化の槍は、クロエの前に現れた悪意の全てを清めてみせる。
 確かな勝利。だがまだ終わってはいない。気を引き締めるように、彼女は姿勢を正し、次なる敵の気配に備える。
大成功 🔵🔵🔵

リズ・ルシーズ(サポート)
生体ベースのサイボーグ、何らかの理由で生命維持モード(Re-A=リア)として活動中、普段の活発さはなくミステリアスな雰囲気。生命維持を最優先、リスクを避けるとともに敵対する存在に対して容赦はしない。白い外部装甲

『私はリア、この身体に敵対するものに容赦はしません』
『『解析・検証・再定義』データの取得に使わせていただきます』
『私はリズ程は甘くはありませんよ?』


21歳 女
口調:おしとやか(私、貴方(貴女)、~さん、ですね、です、ですか、でしょうか?)
武器:電磁ランスと疑似刻印による光属性攻撃のレーザー
補助装備:ナノワイヤー(トラップ・移動用)、重力制御装置
探索時:R-Seriesでの人海戦術など


轟木・黒夢(サポート)
『私の出番?それじゃ全力で行くわよ。』
 強化人間のヴィジランテ×バトルゲーマー、18歳の女です。
 普段の口調は「素っ気ない(私、~さん、なの、よ、なのね、なのよね?)」、偉い人には「それなりに丁寧(私、~さん、です、ます、でしょう、ですか?)」です。

 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、
多少の怪我は厭わず積極的に行動します。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
また、例え依頼の成功のためでも、
公序良俗に反する行動はしません。
性格はクールで、あまり感情の起伏は無いです。
戦闘では、格闘技メインで戦い、籠手状の武器を使う事が多いです。
 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!



 猟兵達の隠密作戦は功を奏し、宛ら敵は飛んで火にいる夏の虫。だが、それでも圧倒的な物量を持つ敵に猟兵達の頭数は僅かに足りないように見受けられた。
 包囲にできた僅かな間隙、そこに滑り込むようにしてはたらき蜂が殺到する。

 だが、生まれた狭間を塞ぐように予兆なく出現する二つの色彩。
 白き鋼の鎧に身を包み、無感動な表情で迫る害虫へ流麗な曲線を持つ槍を向けるリズ・ルシーズ(Re-Z・f11009)。籠手にも似る装具の具合を確かめながら、黒髪を靡かせ準備運動を行うのは轟木・黒夢(モノクローム・f18038)。急遽任務へと参加した二人の猟兵は、然し眼前の敵をさしたる脅威として認識してはいなかった。
 蜂の群れは彼女らを取り囲み、一斉攻撃を仕掛ける。統率は素早く、そして確実。回避も反撃も難しいと言わざるを得ないだろう――最も、蜂が自身の技を使うことができていたならば、だが。
『対象指定、座標解析、転送承認』
 機械的な音声を残して円形に打ち放たれる無数の針。だが莚となったのは海辺の砂であり、猟兵ではない。完全な包囲網から、どうやって抜け出したのか――解を知る間もなく、逆に蜂どもの胴にこそ無数の穴が空いていた。
 リズ――いや、正確には彼女の本来の姿であるリアの用いた機能、そして研鑽と改造の果てに手に入れた黒夢の人知を超えた技。この二つによって、今蜂は先制の有利を容易く逆転されていた。
 翻る白いドレス、天を舞う姿は蝶の如く、されど敵を砕く様は勇猛なる戦士の相。向かい来る殺気に指を鳴らせば、内より爆ぜるは意思なき虫。捕らえる事のできない神速こそ、彼女の用いた技。
 そして音無く彼女の背後から現る鋼の騎士が、遠方や夜闇の中に紛れ姑息に不意を突こうとする羽虫の尽くを撃ち落とす。脅威を排し、生命を守る。リスクを取らずとも戦果は上がってゆく。
 味方の位置への転送、緊急離脱や補助の為のリアの機能は、凄まじい移動速度と敵を砕く殲滅力を併せ持つ黒夢を描にすることで、疑似的な高速移動を可能としていた。黒夢にとっても遠方の敵に対しての警戒をリアに任せ、眼前の敵へと集中することができた。

 硬と軟、遠と近。白銀が穿ち、漆黒が砕く。二人が足を止めた時、走狗は全て海へと還った後。
 静寂は未だ島に満ちている。愈々、月は天の頂点に坐した。
成功 🔵🔵🔵🔵🔴🔴


第3章 ボス戦 『『海を満喫』我儘王女ベルベット』

POW ●ベルちゃん様の言うことを聞くのじゃ!
自身の【海の魔物を操るレアアイテムに込めた魔力】を代償に、【海の魔物クラーケン】を戦わせる。それは代償に比例した戦闘力を持ち、【無数の触手】で戦う。
SPD ●ベルちゃん様の水着姿に見惚れるのじゃ!
装備中のアイテム「【全てのダメージを反射する水着】」の効果・威力・射程を3倍に増幅する。
WIZ ●あれもこれもベルちゃん様に寄越すのじゃ!
レベル分の1秒で【海に関する装備(主に水着)を奪い取る魔法】を発射できる。
👑11 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はティエル・ティエリエルです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


「なぜじゃ、どうしてこうもうまくゆかぬのじゃ!」
 これまで静かだった海辺の砂浜に響く、怒りの声。猟兵達の視線の先で、地団太を踏む一人の少女。
 ワインレッドにフリルのあしらわれたワンピースタイプの水着、それに華やかな飾りを付けた麦藁帽子。着こなしは大人びているが、体格のせいか幼さが勝る。
 しかし見た目に反して満ちる魔力は歪で膨大、彼女こそこの事件の元凶であるコンキスタドール……オブリビオンに相違ない。

「このベルちゃん様の新たな衣装のための計画を邪魔するなど、不敬極まるのじゃ猟兵どもめ! ここで成敗してくれるのじゃ!」
 尊大に、傲慢に、猟兵達へと啖呵を切るは、我儘王女ベルベット。最後の戦いが、始まろうとしていた。
箒星・仄々
コンキスタドールと化してしまわれたとは
お可哀想に
元へ戻して差し上げられないのは
悔しいですけれど
せめて骸の海へ導きましょう

他者の着ているものまで奪おうとは
本当に我儘さんです
コンキスタドールとなりお心が歪んだのでしょうか

目旗魚のランさんが奪われてしまうかも?
ランさんは少し離れた海中に隠れていてもらいましょう

月明りに照らされた夜の浜辺を駆け
魔力の残像分身で惑わしながら
三魔力の矢

海風を風の矢に
月の光を炎の矢に
打ち寄せる波を水の矢として

月の夜を



と彩りながら
ベルちゃん様を滅します

終幕
鎮魂の調べ
骸の海で穏やかに休まれますように

そのまま浜辺を散策
満ち足りた静けさの中
島や島の皆さんの幸せを願い
爪弾きます



 悲しむように、憐れむように。丸い眼を歪ませ見るは傲慢なる少女。箒星・仄々(ケットシーのシンフォニア・f07689)はリートを鳴らし、月夜の浜辺に舞い降りた。
 小柄な子猫の姿に愛玩するかと逡巡せども、猟兵とあらば加減はない。我儘王女は彼の武具を奪わんと術を用いた。
 すると仄々の背後、海が持ち上がり月を背に大魚が跳ねる。そして魔術に導かれるがまま彼女の元へと一直線に向かっていった。それは彼の旅に寄り添うともがら。そして鋭き彼の槍。世に知られる名を目梶木――彼女の名前は『カッツェンランツェ』。
「のわー!? ベルちゃん様は生魚嫌いなのじゃあー!?」
 だがその登場は彼女にとって予想外、夏に纏わるものを奪う技は、常の姿をとって現れた彼にはほぼ無力。せめてと連想ゲーム宜しく夏は海、海は魚、魚ならばと彼女が惹かれた。強すぎる魔力故に中断もできないのは、愚かか愛嬌か、どちらにせよその傲慢が島に仇為す以上、彼の使命は一つ。
 悲鳴で拒絶せども切っ先は逸れぬまま。奇妙な逃走劇に合わせるように、かき鳴らす黒猫の音色が躍らす力。
 風は波に、月光は光に、飛沫は礫に。三色が合わせて打ち当たり、王女の魔力を削り取る。息せき切って逃げた先で受けた攻撃によろけた我儘王女は顔面から砂に突っ込む。
 咳き込みながら顔を上げたベルベットその頭上より落下した槍は、頭蓋を突き刺し見るも無惨――とはならなかった。帽子を射貫き、そのまま倒れて額と額でごつんとぶつかった。
 目を回し、瞼の裏で星を眺める幼きその姿に駆け寄る仄々。もし只人であった時に、正されていたのなら。幾度も戦い続けた彼も、未だ幾度も願う詮無き思考。
「どうか、骸の海で穏やかに休まれますように」
故に弦を弾いて思いを奏でる、残酷の消えぬ世界で、それでもその果てに救いあれと。

 ちなみに演奏の後、ちくりと痛い批難の視線を受けて彼は友を海へと担ぎ込むことになったのだが。
大成功 🔵🔵🔵

クロエ・アスティン
WIZで判定

これ以上の我儘は許さないでありますよ!
このまま躯の海にお帰り願います!

膨大な魔力に気おされながらも一気に接近戦に持ち込もうとするけど
駆け出そうとした瞬間にはベルちゃん様の魔法が発動して水着が……!?

とっさに魔法が命中した瞬間に女神様に祈りを捧げたことで【戦女神に捧げる聖なる祈り】が発動
すぐさまビキニアーマー姿になって事なきを得ました……あ、危なかったであります

そのまま飛行して突撃であります!
再びベルちゃん様が魔法を唱えますが今度は水着じゃないでありますよ!
戦乙女の槍で「ランスチャージ」で貫くであります!み、水着も回収させていただくであります!

※アドリブや連携も大歓迎



 気絶から復活した王女は受けた屈辱に砂を蹴る。だがまだ戦いが終わったわけではない、悪そうな笑みを浮かべながら再び島の中央に視線を戻す。
 だが、そんな彼女の前に立ち塞がる新たな猟兵。
「これ以上の我儘は許さないでありますよ!」
 ふんと息巻き仁王立ち、クロエ・アスティン(ハーフドワーフのロリ神官戦士・f19295)は槍を手にした。ついに現れた首魁、島を守る覚悟を一層高めた彼女の士気は最高潮、意気軒昂のまま突進する。――しかし、彼女の決意とは裏腹に、我儘王女の目に留まるのは迫る攻撃ではなく彼女の纏うた衣装の方だ。

「ふうむ、ベルちゃん様にはちょっと子供っぽい気がするが、まあよい!」
 彼女にとって価値あるのは自身の興味があるものだけ。ゆえに未知の水着を纏うたクロエのそれをも奪わんとするだろう。
 凄まじい勢いで引きはがされ、王女の手の内に収まる白い水着。だが、直後弾ける閃光が敵の目を灼いた。
 ――纏うは神の奇跡を降ろす信仰の鎧。背に出ずる翼は月光に当てられ清浄の輝きを放つ。手にした槍を覆う力は増し、彼女の手の中で渦の如く力が溢れ出す。水着を着ているときよりも肌の露出が多い気もするが、ともあれ重要なのは布の量ではない。
 何を、どのように纏うか。彼女を包むのは正義の光。着るのは覚悟、そして戦乙女としての在り様だ。

 相手の用いた「引き寄せる」魔力の力を利用し加速したランスチャージ。迷いなき一閃が、槍に灯した退魔の力が敵を穿つ。勢いのまま空へと舞い上がり、夜を軌跡残し駆ける姿は正に清らかな天使の様。
 羽搏き、そして砂浜へと静かに降り立つクロエ。僅かな赤面と共に、その手には確かに奪われた水着が握られていたのだった。
大成功 🔵🔵🔵

朧月・咲楽(サポート)
格好つけたがりな赤髪青年、口調などはちょっと荒めです。

武器は刀を2本。
他にナイフを投げたり、「桜火」という触れると燃える桜の花びらなどを使います。
灼狐という上から目線ののじゃロリ狐の式神もおり、魔術系はそちらに対応させるのが良いかと。
基本方針は戦闘なら仲間と連携、役割分担を重視。

日常系の方針は、積極的に楽しむことを重視。
ただ、何かしらの調査の場合、周りのテンションに合わせてください。

 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は構いません。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!



「ふぬぁー! もう許せんのじゃー!」
 繰り返し繰り返し辛酸を舐めさせられたことで、ついに我儘王女は癇癪を起こす。有する魔法の道具を用いて、海より怪異を呼び出す。
 吸盤を持つ巨大な脚が、砂浜を掴むように振り下ろされた。島を、水底で引き摺りこむかのように。
 手に入らないなら壊してしまえ。幼い思考に従い荒れ狂う力。降りかかる災厄を、一つの「波」が呑み込んだ。

 音波の様な軌跡を残して広がるそれが一本の触手に打ち当たれば、瞬く間に赫々とした炎を上げる。なんじゃなんじゃと驚きうろたえる王女のその背後、呼び出された触手は一本、また一本と火柱と化していく。慌てて水の魔法で鎮火しようとしたその矢先。
 天より来る影が放つ白い閃き。
 とんと軽い足取り地面に降り立つと共に、周囲の時間は静止する。
 
 ざん、と。燃え上がった炎が吹き消える旋風。だがそれは攻撃の余波に過ぎない。徐々に自身の重さで崩れ落ちていく塊は、火が通り焦げついた赤い触手だったもの。そう、舞い降りた影――朧月・咲楽(焔術剣士の桜と九尾・f11790)の手にする二刀によるものだ。
「流石にこれは、煮ても焼いても食えねぇな」
 背後でぶつ切りになったものを一瞥し、はっと嗤う。救援に参じた彼にとって、この程度は遊びの様な容易さだ。そもそも、今回戦う事への強いモチベーションを有するのは、彼ではなくむしろ彼の傍に立つ式神であった。
 彼の輩、切っても切れぬ間柄。彼女はベルベットを射殺さんばかりに睨み、うわごとのようにキャラ被りだの、若さがどうこうなどと呟く。

 流石に、これまでの殺気を向けられ呆けている王女ではない。次の触手を呼び出そうとするだろう。
 しかし、その試みが成功する事はない。再び放たれた灼熱を齎す波。そしてその波に乗るようにして宙を舞い、肉薄する咲楽。

 二つの刃と燃える炎。
 敵を捕らえた一撃が散らす焔の粉は、桜の如くに夜を照らした。
成功 🔵🔵🔴

グレナディン・サンライズ(サポート)
『ここはこの年寄りに任せてもらおうかね?』
『こう見えても、まだまだ衰えちゃいないよ』
年齢3桁の婆。
スペースシップワールド出身の元宇宙海賊。
主な武装はフォースセイバーとブラスター。
戦闘スタイルは基本的には前衛遊撃。敵を翻弄するような戦いを好む。
グルメではない酒好き。
年齢なりの経験を積んでいるので、冷静さと余裕をなくすことはない。
口調(あたし、あんた、だね、だよ、~かい?)



 帽子のつばが焦げ、綺麗な髪も砂だらけでは飽き足らず、毛先が焼かれて縮れている。王女の尊厳はぼろぼろだ。
 だが彼女は諦めない。半べそになりながらも、なおも海魔を呼び寄せようと術を繰る。過去の残滓になっても、それでも彼女は女王。受けた恥辱をそのままにはしない。

「若いねぇ、お嬢ちゃん」
 海の夜風の中で現れたのは、枯れ枝のように細く老いた女性。ゆったりとしたローブ姿で、ただ静かに敵を見る。グレナディン・サンライズ(永遠の挑戦者・f00626)、猟兵であった。
 彼女に対し、ベルベットが見せたのは哀れみであった。美しさとは真逆の、老いさらばえた姿。美しくある事を至上とする王女にとってみれば、成程確かに見るに堪えないモノなのだろう。
 だがそれにこそ、グレナディンは言った。若い、と。
 再び海より現る巨大な脚。吸盤を有するそれは老体を砕き折ろうと迫り来る。
 だが、溜息と共に構えた拳銃から打ち出された光球は、巻き取る長い足の間に潜り込み――爆発した。

 事も無げに、淡々と。王女の放った海の刺客は、数発の榴弾によって千々に消し飛んだ。
 もうもうと立ち込める煙の中、杖をつくでも、腰を曲げるでもない。
 ただ冷たい眼差しで、王女を見る老女。その表情に、その居姿に、漂い消えぬ確かな気配。それは、堂々とした圧。
 重ねた経験、積み上げた貫禄。外見の華ではなく、その生き様こそ、彼女の有する美しさ――とは言ったものの、容姿に拘る事も無為ではない。塩風塩水を浴びたローブは、かえって洗濯せねばなるまい。
 それでも、この場において、より強いのはどちらかなど、より美しいのはどちらかなど、競うべくもなかった。
成功 🔵🔵🔴

クレア・フォースフェンサー
この世界のオブリビオン……コンキスタドールは、呪いの秘宝メガリスを手にし、死した者達と聞く
おぬしは一国の王女でありながら、メガリスに手を出し、コンキスタドールに堕ちたというわけじゃな

今のおぬしの言動を見れば、おぬしの国がその後どのような結末を迎えたのかは想像するに難くない
他者を顧みぬ自分勝手なその行為、今日ここで終わりにさせてやろうぞ

まずは、あのでかぶつが相手じゃな
刀身を伸ばした光剣にUCの力を込め、遠間から触手ごと斬り落とそう
そのまま、ベルベットに接近。自慢の衣服全てを細かく斬り刻んだ後、心臓を貫こう

今までさんざん人の物を奪ってきたのであろう
少しはその痛みを知った後に骸の海に還るのじゃな



 繰り返す敗北。力比べ、そして美しさの「格」で敗れ、ついに感情の沸点を超えた我儘王女。最早残る余力も何もかもを投げうって、全てを海に沈めんとする。
「もう全部を滅亡させるのじゃー!」

 制御を放り捨てた結果、海からついに海魔が目覚める。ぼうと現れる剃髪したような丸頭、横向きの瞳孔。何本も何本も脚を痛めつけられ、こちらも愈々とばかりにその威容を月下に晒す。
 強大な力、巨大な敵。戦いの舞台に現れ、一身に殺気を受けてなお、その猟兵は嘆息交じりの呆れ顔であった。
 幕を引くは靡く黄の髪。羽織った制服の如き装いは白を基調に赤と金をあしらう。歌劇の主役の様な出で立ち。だが堂々とした立ち姿、光条の剣を構える姿は英傑のそれ。
 クレア・フォースフェンサー(UDCエージェント・f09175)。先ず挑みかかるは、海原を破って顔を出した赤ら顔。
 無尽蔵にも等しい魔力を受けて再生した脚は、彼女に触れんとすればするほどに長さを失い、太さを無くしていく。目にも見えぬ剣技――というだけではない。
 手にした剣に纏うた力、特筆すべき奇跡として、持って回った技の名を冠する事すらするまでもない、ただの「機能」。
 猟兵として持つ力そのもの。過去からの骸を海へと還す、それだけの力。
 異形の眼と、黄玉の瞳とがかち合う。既に、決着がついている。

 夜を裂くかの如き、横一文字。水平線を沿う残光。
 こんもりと、海から持ち上がったその胴も又、刃の軌跡に沿って、ずれ動き、そのまま姿勢を崩して沈んでゆく。
 飛沫も無く、ただ在るべき場所へ。
 大きく長さを増した剣は、彼女の一撃の後あるべき程度へと収まる。相手の場所まで赴かず、切り払う。あくまであれは前座、真に相手取るべきは、砂浜に居るのだから。
 ――そしてその相手は、この期に及んでまだ傲岸不遜を崩さない。やれ死罪だ、やれ不敬だと騒ぎ続けている。
「おぬしは、今までさんざん人の物を奪ってきたのであろう」
 口にした言葉は淡々としていた。問いでも責めでもなく、ただ自明であるかのように。一国の主でありながらメガリスに手を掛ける強欲、これまでの戦いとその態度。そしてこの場のメガリスを狙った目的。どれもを加味しても、支配者たる器を、クレアは眼前の姿から感じる事は出来なかった。
 ならば、と彼女は剣を握り直した。
 相応しいのは、自分がしてきたように奪われることであろうと。

 ――戦いは、静かに終わった。
 切り裂かれた布切れと、小波の音色を残して。


 夜は明け、猟兵達が島を去った後。
 この島の住民たちは目にくまを作りながら、家々から飛び出す。
 完成した、素晴らしい出来だ、全く新しい衣だと。

 衣織島で起きた戦いは、彼らに悟られることはなかった。
 しかし彼らにとって、猟兵達との邂逅は非常に有意なものであり、同時に忘れがたいものであっただろう。
 もちろん未知の衣服を纏うた新たな知見の種、という職人としての心もあるだろう。
 だが、自分たちの作ったものを見、そして評価した猟兵たちの反応を、その中で得た喜びを、彼らは忘れないはずだ。

 今日も島には、機織りの音が響く。海風に靡く、五色の衣と共に。
大成功 🔵🔵🔵

最終結果:成功

完成日2020年10月08日
👑11 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴