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先進的服飾ファッショナブル!(作者 佐渡
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 古くより、我らは衣と共にあった。
 全く異なる世界より来たという先祖は、僅かな仕事道具と人の力を合わせ、島を切り拓いていった。
 小間に油をひいた布を使った番傘は、日差しを遮るのに実に都合がよい。布地こそ少ないが気品を無くさぬ様に作られた衣も、何代も前に苦心して作り上げたものらしい。
 我らは衣と共にあった。そして今も。
 島民全員が苦心する、夏の暑さに海で泳ぐ者達が着るような、革新的で新たな服の案を求め、人々は頭を捻る。

 衣織島。そこは美しき衣と新たな装い、そしてそれを紡ぐ人々の在る島。

「くふふ……ついに見つけたのじゃ、最高の宝を!」
 だがそんな島に、今一つの脅威が迫っていた。


「皆様、お揃い頂き何よりです」
 グリモア猟兵・行間・埋(記す者・f21514)は、集まった猟兵達を出迎えるよう深々と礼をした。
「今回皆様にはグリードオーシャンのある島に向かって頂きます」

 『衣織島』。サムライエンパイアでも名の知れた織物の職人の集落が、丸ごと落下し島となった場所。今もなおその技術を連綿と受け継ぐ末裔たちが日々様々な布を織り、そしてそれで衣服を拵えているらしい。サムライエンパイアの技術とグリードオーシャンの気候、重ならない二つが交わり独自の進化を遂げたこの場所に住む人々は、新たな衣服の創作が生きがいであるのだという。
 ――無論、それだけではない。彼らがそれだけの布を編み続けられるのには訳がある。
「メガリス『絹繭如来像』。素材も自在、五色の美しき糸を際限なく生み出すこの像こそ、この島を支える基であり同時に信仰の対象です」
 そしてこのメガリスに目を付けたコンキスタドール、即ちオブリビオンが島に潜伏している。それを排除するのが、今回の目的である。
 島民たちに戦う術はない。もし巻き込まれればただでは済まないだろう。故に、できる限り戦闘は決して彼らに知られぬように行わなくてはならない。そのために、猟兵達にはやってもらわなければならない事があるのだという。
 それは――。

「所謂海遊びで御座います!」

 先述した通りこの島の住民たちは布を織り、服を作る事を命題とし魂を賭ける職人たち。外より現れた猟兵達の服装は彼らにとっては未知の結晶、創作意欲を刺激する最高の逸材。海をバックに、彼らに服を見せれば、彼らは得たイメージを形にするべくすぐさま作業にかかりきりになるだろう。そう、他の物が目にも耳にも入らないほどに。

 偶然にも今は水着のシーズンでもあるため、水着で海を楽しむのはもちろん。
 水着でなくとも自らのファッションを人々に見せつけるもよし、
 或いは彼らと話をして衣服を作る手伝いや技術を手ほどきを受けてもよし。
 思い思いにビーチと和の融合を存分に楽しめるはずだ。

 そして、人々の誘導が終わった後は――オブリビオンを速やかに撃退する、と言う運びである。
「此度現れるオブリビオンは、『我儘王女ベルベット』。一国の姫であったことから自尊心が高く、傲慢です。しかし厄介な事に確かな力と大量の下僕を従えています」
 彼女の目的は、自身の新たなドレスや水着を作る為に、かのメガリスを奪い取る事。
 ……ちなみにその下僕と言うのは、宝物を探すことに特化した知性なき『はたらきばち』。如何に美しき糸を生み出すメガリスであれど、布にし服を作る事はできないだろうが、実際に奪い取るまで本人が気づく事はなく、いざ気付いたとするなら癇癪でこの島は破壊しつくされ、海の藻屑になるだろう。

「決して状況は穏やかとは言えないものですが、皆様であれば敵の打倒などそう難しくはないでしょう! どうか存分に、海を満喫してくださいませ!」
 笑顔で見送る行間の背後で、グリモアが道を生み出した。

 潮風と太陽の世界が、猟兵達を呼んでいる。





第2章 集団戦 『『蒐集蜂』はたらきばち』

POW ●θ
自身の【飛行能力】を代償に、【焼け爛れるほどの熱】を籠めた一撃を放つ。自分にとって飛行能力を失う代償が大きい程、威力は上昇する。
SPD ●ζ
あらゆる行動に成功する。ただし、自身の【群れを率いる女王蜂が求める宝】を困難さに応じた量だけ代償にできなければ失敗する。
WIZ ●φ
【倒れた仲間の身体】から【蜜や蜜蝋など】を放ち、【敵を窒息させる事】により対象の動きを一時的に封じる。
👑11 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 夜は更けた。月は天上より少し外れ、夜闇は一層濃く深くなる。
 島についていた明かりが一つ、また一つと落ち、僅かに残った家の中からも絶えず機を織るか糸が結われる音が絶え間なく聞こえてくる。
 静寂と沈黙。――それこそ、戦いの幕が上がる何よりの合図であった。

 ぶぅん。ぶぅうん。

 耳障りな羽音が海より出る。硬質な身体、関節に生えた棘。意思なき群体はただ主命に従いメガリスを目指す。
 群れ為す二足の「はたらきばち」。音なく素早く、華麗に討つべし。
ダンテ・ホーンテッド
アドリブ、他の猟兵さんとの共闘、負傷描写ok

水着姿に着替えてパンク系、
ロック系、ゴシック系な洋服や浴衣を買う為に
そして絵の新たなインスピレーションを得る為に海岸周りの服屋をはしごする

衣織島独特の服飾の造形や布の模様に見惚れてたら地元の職人達に興味津々に水着のジャンルを聞かれる
ダンテは他者との会話は基本不得意なので素っ気なくするが
彼らの熱意に圧されヘルスゴスを必死に衣織島生まれの彼らに分かりやすく説明する

会話中に敵が襲撃してきて
形は違えど芸術や美しい物を創作することに情熱的な地元民達を守る

UCで敵を倒すものの不意に負傷するが
俺様の服を切りやがってとキレながらUCを応用した蹴り技をぶちかます



 「はち」の群れは砂浜に着地し、ぞろぞろと歩み出す。
 無機質な顔面はハニカム構造の面の如き甲殻に覆われ、表情らしきものを窺う事さえできない。だが、小刻みな羽音は明確な攻撃性、オブリビオンの持ちうる破壊的衝動を滲ませる。

 しかし既に、猟兵はこの事態を予見していた。
 ――飛来するは雷。然し眩い閃光ではなく暗がりより刈り取るその一撃は宛ら影。
 虫の頭を砕き、水辺に舞い降りたのはダンテ・ホーンテッド(黒い幻雷と紫水晶・f23827)。海辺に合わせた水着姿で、先制を果たす。
 奇襲に対し、動揺や恐れといった感情を見せることなく、走狗は打ち倒された敵の亡骸を拾い上げるとその蜜の如き体液を以て彼の動きを封じようと試みる。しかし、それが彼に命中する事はなかった。
 絶えず砂上を駆けながら、ダンテの放つ技は的確に蜂の数を減らしてゆく。
 ウェットスーツの上に履いたサーフパンツ、その側面にあしらわれた黄のライン。羽織ったパーカーのポケットに付いた金のスタッズ。そして頭部の黄金の石が月光によって動くたびに輝きを放つ。変則的であり、同時に閃く軌跡は宛ら稲光。
 先程村を巡り、この島の人々の「作品」への執念を間近に感じた。芸術を生み出し、愛する心意気。それを知ったからこそ、彼は決して止まらない。
 しかし、死角より放たれた蜜が羽織った服に命中する。重く沁みこみ動きを妨げる上着を、彼は天高く投げ上げた。
 一瞬の思考のブレ。その瞬間を狙いすまし、彼は眼前の蜂へ全速力で近づくと、その胸に思い切り飛び蹴りを打ち込んだ。勢いのままに後方へと宙返りし、投げた服を回収したまま着地する。
 着地を狙おうと、彼に釘付けの蜂どもは気付かない。これまで投げた雷撃によって帯電した地面に。蹴りと同時に体内の蜜に撃ち込まれた電撃に。

「クソッ、洗って落ちるのかよ、コレ……」
 苛立つ彼の独り言。呼応するように黒の雷撃が、害虫の一隊を尽く駆除する。
 どんと巻き上がる砂と海水が音を掻き消したことで、激しく、だが静かに。相反する二つが、両立した一つの結果となった。
成功 🔵🔵🔴

箒星・仄々
社会性昆虫は
生まれながらに役割が決まっているといいますけれど
我儘王女さんの手駒とはお可哀そうに

その軛から解放して差し上げるのも
私達の役目かも知れませんね

海へお還りいただきましょう

弦や剣に属性魔力を宿し攻撃

翠の音や花萌の刃:風
緋の音や銀朱の刃:炎
蒼の音や紺碧の刃:水

烈風で羽根を切り裂き、吹き飛ばし
炎で燃やし、高熱で致死温度に
水流で敵の熱を覚まし、超水圧で串刺しに

熱殺蜂球は水のバリアで身を守りつつ
風で竜巻を生み吹き飛ばします

倒れた蜂さんは炎で包み
蜜や蜜蝋を溶かし変性させます

もし自分や仲間が蜜蝋に捕まったら
炎の魔力で溶かし脱出/救出します

戦闘後に鎮魂曲を奏でます
骸の海でも
海で穏やかに過ごせますように



 蜂は群れる。だが同時に走狗であり兵である彼らは群を分けて島のあちこちから迫る。主の命のままに、羽音を響かせながら。

 だがその羽音を掻き消すような、風雅な音色が風に乗って現れる。気付けば蜂の羽には不可視の刃に薙ぎ払われ、同時に内より発火したなら糖の焦げた匂いと黒煙を上げて次々に落下してゆく。
 竪琴の戦慄と共に、箒星・仄々(ケットシーのシンフォニア・f07689)は姿を見せる。島の全体を知った彼にとって、奇襲への備えは十全であった。
 焦がされた仲間の姿を見、蜂どもは自ら空の優位を捨て、熱で身を包む。これで炎は効くまいと。だがその行為は決して完全な逆転に至るものでは決してない。
 爛れ続ける程の温度が、彼に届く事はなかったから。近づこうとすれば、彼との間に生み出されるのは風の防壁。それでもなお無理やりに迫ろうとするものには。レイピアに纏わせた青い魔力が鋭い水流となり、その身を穿つ。
 伏せた表情を窺う事はできない。羽根のついたつばの拾い帽子は彼の顔の全体をすっぽりと隠し、狙いや意志を相手に悟らせない。
 蜂にとって、空の優位を捨てたのは余りにも痛手であった。代償が大きければ大きいほど力を増し、熱は一層激しくなるも、それが彼に届かぬ以上は自らを苦しめる者に過ぎない。
 ――最早動く事すらままならない彼らに、ただ静かに顔を上げた仄々の目に宿っていたのは、ただ寂し気な哀れみであった。
 小さな手が弦を弾く。大海と呼応した魔力が奏でる、蒼の音。物悲しくも胸を打つ鎮魂歌が、ただ主の下した命のままにしか生きられぬ蜂に眠りを与える。驟雨のように注ぐ刃が、一撃の元に彼らを骸の海へと還すだろう。

 羽音はもうない。ただ小波と海風によって彼の背で靡くマントの音が残る。
「どうか、あちらの海でも――心穏やかにあるといいのですが」
 呟くような言葉と共に、竪琴の音色が夜に融けていく。
大成功 🔵🔵🔵

クロエ・アスティン
POWで判定

予定通りでありますね!引き続き白スクのまま、浜辺で蜂を迎え撃ちます。
見知らむ子供を心配して様子を見に来てくれるような優しい人達を傷つけたりはさせません!

襲い掛かってくる蜂の攻撃を「盾受け」と「激痛耐性」、「火炎耐性」で耐えしのぎながら「魔力溜め」ていきます。
十分に魔力がたまったら「全力魔法」で【戦乙女の戦槍】を唱え、まとめてなぎ払います!
地上に降りてきたのが運の尽きでありますね!

※アドリブや連携も大歓迎



 また別の海岸でもまた、蜂共は侵攻を行っている。暗夜に紛れながら、如何に仲間の数が減ろうと盲目的に目的へと向かう様は不気味さすら感じる。

 そんな群れに対し、一人の少女が立ちはだかる。纏うた水着は彼女の中の幼さ、儚さを引き立て、彼女を弱々しい獲物のように見せるだろう。
 同胞の仇討ちではなく、主命に障るがゆえに。蜂どもはすぐさまその羽を自ら燃やし、熱を帯びた一撃を四方より少女に向けて放った。自身の身体の半分もある大盾を構え、迫る無数の殺意をいなし、防ぎ、受け流す。遊びの装いをしながら清廉なる加護持つ盾を構えるその姿を、見知らぬものなら笑うやもしれない。
 だが、彼女にとって――クロエ・アスティン(ハーフドワーフのロリ神官戦士・f19295)にとっては、決して無為ではない。
 彼女は知った、この島の人の温かさを。平坦ではない生の道のりを歩んできた彼女だからこそ、それが素晴らしい事であると理解できる。ならばこそ、守ってみせると。
 戦巫女に奉ずる神官騎士。その純白は文字通りの「勝負の色」なのだから。
「あんな優しい人達を、傷つけたりはさせません!」
 彼女の言葉は誓いであり、聖戦の証。敵の苛烈な攻撃を防ぎきった彼女の身に溢れんばかりの魔力は、彼女の全身を鎧う。水着の上から光の軌跡が生み出す半透明の羽衣と腰布は、宛ら女神の生誕を彷彿とさせる。そして、右手に固く握られた聖なる魔力に満ちた騎士槍。彼女はそれを、思い切り天へと投げ放った。
 楔の如く夜空を舞った槍が、次の瞬間降り注ぐ光条となって蜂を刺し穿つ。羽を喪い、既に高熱の一撃を耐えきられた蜂どもに、回避のすべはない。

 浄化の槍は、クロエの前に現れた悪意の全てを清めてみせる。
 確かな勝利。だがまだ終わってはいない。気を引き締めるように、彼女は姿勢を正し、次なる敵の気配に備える。
大成功 🔵🔵🔵