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ここはヴァカンスの島(作者 椿初兎
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●招かれざる客
「全部屋のお掃除、完了ですっ!」
 明るく元気そうなハウスメイドが、掃除用具を抱えてぱたぱたと階段を駆け下りる。
 ここは海辺のリゾートホテル。
 南国風の調度品でまとめられたスイートルームからは、遥かな海岸線が一望できる。
 中庭に作られた日本式の大浴場の湯は、美肌によく効く天然温泉だ。
 普通ならば常に予約で満室になるような、素晴らしいホテル。
 ……のはず、なのだが。
「おきゃくさま、かぁ……どんな人たちだったのでしょう?」
 ここは島と島とが断絶された世界、グリードオーシャン。
 ホテルに泊まる客など、現れるはずもないのだ。

「私もいつか、おきゃくさまに会ってみたいなぁ……」
 それでも彼女は、客室を毎日掃除する。
 彼女だけではない。
 レストランのシェフも、土産物屋の看板娘も、この島の自然に一番詳しいガイドも。
 皆、いずれ来る『おきゃくさま』のために、先祖代々仕事を続けている。
 何しろそれがこの島のしきたりなのだ。

 そんな島が初めての客人を迎えるのは、明後日の夕暮れのこと。
「みんな、大ニュース! 港におきゃくさまが来たわよ!」
 フルーツ屋台のおかみさんが、興奮して声を張り上げる。
 喜びの声はやがて島中に広がり、その日の夜は来訪者を囲んでの宴が開かれることとなる。

 そして、その島は一夜にして終わりを迎える。
 客人は、コンキスタドールだったのだ。

●はじめてのお客様
「みんな、大変。平和な島が、コンキスタドールに襲われちゃう!」
 フォンミィ・ナカムラ(スーパー小学生・f04428)が、ぐっと拳を握り猟兵たちに呼びかけた。
「現場はキマイラフューチャーから落ちてきた島。おっきなリゾート施設がそのまま島になったような場所だよ。お客さんが行けなくなった今でも、先祖代々の習慣でホテルや観光施設は動かしてるんだって」
 幸い、島では魚やフルーツが豊富に採れ、コンコンシステムも不安定ながら1箇所だけ生き残っている。
 客のいない観光地ごっこのような暮らしをしていても、島民が飢えることはないのだ。
「そんな島の豊かな資源を、コンキスタドールが略奪しようとしてるの。お客さんのふりをして中心部に潜り込んで、島の人たちを皆殺しにしようとしてるんだよ!」
 客人を待ち望む島民にとって、外からの来訪者を怪しむという発想自体がないのだろう。
 そのくらい、平和な島なのだ。
「コンキスタドールが島に着くのは、明後日の日没後。みんなには、それよりも早く島へ行ってお客さんとして過ごしてほしいの」
 先に客として島に入り、島民たちがコンキスタドールに出会う前に迎え撃つ。
 そういう作戦だ。
「もちろん、お客さんとして潜入するからには観光をめいっぱい楽しんでOKだよ。予知で見た楽しそうなところはね……やっぱ海! あとフルーツ盛り盛りのパンケーキが美味しそうだったよ!」
 白く広がった砂浜はさらさらと美しく、良い波の立った青い海ではサーフィンも楽しめそうだ。
 レストランでは新鮮な魚料理と、トロピカルなパンケーキがシェフのご自慢。
 季節の花はプルメリア。花を象ったアクセサリーや、天然の花を使った香水をお土産に買うのも良いだろう。
「お気に入りの水着とか持って行ったりするのも楽しそうだよね。あ、でもコンキスタドール退治のことも忘れないでね!」
 そう念を押してグリモアを手にするフォンミィも、転送の準備をしながら「海、いいなぁ……」などと呟いている。
 後の一仕事に備えて……ひとまず今は、夏のリゾートを楽しむこととしよう。





第3章 ボス戦 『『凍龍の支配者』リュウガ』

POW ●凍龍牙呪『氷獄の苗床』
攻撃が命中した対象に【癒えない凍傷】を付与し、レベルm半径内に対象がいる間、【対象の身体を突き破って生成される氷柱】による追加攻撃を与え続ける。
SPD ●凍龍牙陣『封絶の凍檻』
レベルm半径内の敵全てを、幾何学模様を描き複雑に飛翔する、レベル✕10本の【氷柱】で包囲攻撃する。
WIZ ●凍龍飛翔『凍龍の暴虐』
全身を【凍て付く冷気】で覆い、自身の【解放した、メガリス『凍龍の神核』の力】に比例した戦闘力増強と、最大でレベル×100km/hに達する飛翔能力を得る。
👑11

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠霧島・クロトです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 海を埋め尽くす醜い泥は、一塊残らず消え去った。
 月明りに照らされる海が、元の清浄な青を取り戻した頃。
 男がひとり、海上を静かに歩むように現れた。

「島民……ではないな。よもや先客がいたとは」
 男が一歩進むごとに、足元の海水が凍り付く。
「貴様らも島のエネルギー体を求めて来たのだろう? だが、この島は俺が奪うべきものだ」
 男の纏う機械鎧から、冷気が吹き出す。
 打ち寄せる波が凍り付き、砂浜に霜が走った。
「抵抗する者の存在は想定内。排除行動を開始する」
 砂浜に降り立った男が、猟兵たちへと接敵する。
 島の平和を守るため、最後の戦いが幕を開けた。