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ここはヴァカンスの島

#グリードオーシャン

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#グリードオーシャン


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●招かれざる客
「全部屋のお掃除、完了ですっ!」
 明るく元気そうなハウスメイドが、掃除用具を抱えてぱたぱたと階段を駆け下りる。
 ここは海辺のリゾートホテル。
 南国風の調度品でまとめられたスイートルームからは、遥かな海岸線が一望できる。
 中庭に作られた日本式の大浴場の湯は、美肌によく効く天然温泉だ。
 普通ならば常に予約で満室になるような、素晴らしいホテル。
 ……のはず、なのだが。
「おきゃくさま、かぁ……どんな人たちだったのでしょう?」
 ここは島と島とが断絶された世界、グリードオーシャン。
 ホテルに泊まる客など、現れるはずもないのだ。

「私もいつか、おきゃくさまに会ってみたいなぁ……」
 それでも彼女は、客室を毎日掃除する。
 彼女だけではない。
 レストランのシェフも、土産物屋の看板娘も、この島の自然に一番詳しいガイドも。
 皆、いずれ来る『おきゃくさま』のために、先祖代々仕事を続けている。
 何しろそれがこの島のしきたりなのだ。

 そんな島が初めての客人を迎えるのは、明後日の夕暮れのこと。
「みんな、大ニュース! 港におきゃくさまが来たわよ!」
 フルーツ屋台のおかみさんが、興奮して声を張り上げる。
 喜びの声はやがて島中に広がり、その日の夜は来訪者を囲んでの宴が開かれることとなる。

 そして、その島は一夜にして終わりを迎える。
 客人は、コンキスタドールだったのだ。

●はじめてのお客様
「みんな、大変。平和な島が、コンキスタドールに襲われちゃう!」
 フォンミィ・ナカムラ(スーパー小学生・f04428)が、ぐっと拳を握り猟兵たちに呼びかけた。
「現場はキマイラフューチャーから落ちてきた島。おっきなリゾート施設がそのまま島になったような場所だよ。お客さんが行けなくなった今でも、先祖代々の習慣でホテルや観光施設は動かしてるんだって」
 幸い、島では魚やフルーツが豊富に採れ、コンコンシステムも不安定ながら1箇所だけ生き残っている。
 客のいない観光地ごっこのような暮らしをしていても、島民が飢えることはないのだ。
「そんな島の豊かな資源を、コンキスタドールが略奪しようとしてるの。お客さんのふりをして中心部に潜り込んで、島の人たちを皆殺しにしようとしてるんだよ!」
 客人を待ち望む島民にとって、外からの来訪者を怪しむという発想自体がないのだろう。
 そのくらい、平和な島なのだ。
「コンキスタドールが島に着くのは、明後日の日没後。みんなには、それよりも早く島へ行ってお客さんとして過ごしてほしいの」
 先に客として島に入り、島民たちがコンキスタドールに出会う前に迎え撃つ。
 そういう作戦だ。
「もちろん、お客さんとして潜入するからには観光をめいっぱい楽しんでOKだよ。予知で見た楽しそうなところはね……やっぱ海! あとフルーツ盛り盛りのパンケーキが美味しそうだったよ!」
 白く広がった砂浜はさらさらと美しく、良い波の立った青い海ではサーフィンも楽しめそうだ。
 レストランでは新鮮な魚料理と、トロピカルなパンケーキがシェフのご自慢。
 季節の花はプルメリア。花を象ったアクセサリーや、天然の花を使った香水をお土産に買うのも良いだろう。
「お気に入りの水着とか持って行ったりするのも楽しそうだよね。あ、でもコンキスタドール退治のことも忘れないでね!」
 そう念を押してグリモアを手にするフォンミィも、転送の準備をしながら「海、いいなぁ……」などと呟いている。
 後の一仕事に備えて……ひとまず今は、夏のリゾートを楽しむこととしよう。


椿初兎
 椿初兎です。
 よろしくお願いします。

 第一章はリゾートを楽しむ日常パート。
 海で水着になるもよし、ショッピングやグルメ等を楽しむもよし。
 ホテルの温泉は宿泊客以外も入れます。
 ご自慢の水着をアピールしたい方はプレイングに「今年の水着」(去年のでも可)等と書いていただければ幸いです。

 第二章・第三章は戦闘パート。
 日常パートとは打って変わって、シリアス寄りな雰囲気の敵が出てきます。

●リゾートの島『グラン・プルメリア』
 キマイラフューチャーのリゾート区画が丸ごと落ちてきて出来た島です。
 フルーツや海産物など豊富な資源に恵まれ、キマイラやバーチャルキャラクターの末裔たちが平和に仲良く過ごしています。
 誰もいないリゾートの維持は、島民にとっては半ば趣味のようなもの。
 今の季節は島じゅうにプルメリアの花が咲いていて綺麗です。

 プレイングお待ちしております!
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第1章 日常 『花は宴のためにある』

POW   :    宴会には飯! 美味しい料理をたらふく食べる。

SPD   :    場所取り命! 絶好のポジションを素早く確保。

WIZ   :    芸事こそ花! 花を見ながら隠し芸を披露する。

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

神崎・柊一
同行:楊・宵雪(f05725)
一緒に露天風呂の混浴へ
ここで濡れた足場に足を取られてバランスを崩して手を振り回す
これが宵雪の胸を掴んでしまって揉んでしまう
背中を流そうとして手が滑ってしまう、また揉んでしまう
もうどきどきしながら平謝り

風呂に入って、宵雪のお酌をしても谷間を見るたび手の感触思い出してやっぱりどきどきする

宵雪の質問への答え
いつか終わるその瞬間まで、自分を誇れる自分で居たいから
確かに僕らは短命でいつか終わりが来る
だったらせめて、僕は…明日の自分が誇れるように
今手の届く大切なものを護りたい
終わりがあるのならその瞬間までさ、こんな僕でもカッコつけてみたい
それだけなんだ、きっと


楊・宵雪
同行
神崎・柊一(f27721)
共に戦う相棒
2人部屋に一緒に宿泊

客室露天風呂で今までの戦いを労いあう
日本酒を飲みながら品を失わない程度に余裕のある様子

「背中を流してくださるの?じゃあお願いしようかしら
転んだ神崎に何度か胸を触られてもとくに拒絶はせず、体を離すことを急がず安全に体勢を整えるのを優先
「いいのよ、それより怪我はない?

お布団で
「神崎さんは随分生き急いているように見えるけれど、自分の寿命と健康は大切ではないのかしら?
仙の道を志す者にとっては不老不死は命題
寿命は伸ばすもの
短命種でありながら寿命を削るUCを多用することにハラハラするので、きいてみることにした



 南国の夕風が、優しく頬を撫でる。
 神崎・柊一(自分探し中・f27721)と楊・宵雪(狐狸精(フーリーチン)・f05725)は、露天風呂付きの二人部屋に泊まることにしたのだった。
「良い雰囲気だな。日頃の疲れが抜けていくようだ」
「色々と、事件は尽きないものね。せめて今はゆっくり疲れを癒しましょう」
 実は住民もこの部屋に泊まることに憧れている……とは、荷物を運んでくれたホテルマンの談。
 部屋付きの小さな風呂とはいえ、石造りの内装は本格的な和風の趣深い温泉そのものだ。
「これは癒されそうだ……っと、うわっ!?」
 浴場へ足を踏み入れた拍子に、柊一が足を滑らせバランスを崩す。
 転ばぬよう必死の思いで掴んだ、その手の先にあったものは――。
「あら、まぁ。ふふっ」
 柔らかく、指先を捉える感触。
 その手が触れたものに気付いた瞬間、柊一の顔が真っ赤に染まった。
「こ、これはその……ごめん! ごめんなさい!」
 どぎまぎしながら、柊一は宵雪の胸から手を離す。
 柔らかな弾力がまだ掌に残っているようで、胸の鼓動が止まらない。
「いいのよ、それより怪我はない?」
 対する宵雪は、何も気にしていない様子で柊一を気遣っている。
 安全に体勢が整うまで、宵雪は柊一をしっかりと支えていたのだった。

 なめらかに肌へ馴染む温泉の湯は、少しぬるめの良い塩梅。
(「2回も揉んでしまった……」)
 肩まで湯に浸かりながら、柊一は恥ずかしそうに宵雪から目を逸らしていた。
 せめてもの罪滅ぼしにと宵雪の背中を流そうとして、またも手が滑ってしまったのだ。
 こんなにも申し訳なく思っているのに、指先はまだ心地良い柔らかさを覚えていて。
「神崎さん、お酌してくださるかしら?」
「ど、どうぞ」
 ドキドキしながら、徳利を傾ける。
 注ぐ盃は、宵雪の胸の前。
 その豊満な谷間から、目を逸らすわけにもいかず。
「ふふ、ありがとうね」
 微笑む宵雪を見る度に、柊一の鼓動は大きく高鳴ってしまうのだった。

 夜。
 和室に布団をふたつ並べ、二人は床に就いた。
 けれど、宵雪にはどうしても気がかりなことがあって。
「神崎さんは随分生き急いているように見えるけれど、自分の寿命と健康は大切ではないのかしら?」
 柊一の使うユーベルコードは、寿命と引き換えに驚異的なスピードを手にするもの。
 仙の道を志す宵雪からすれば、その在り様は危なげに見えるのだ。
 まして柊一は命短きヒトの身。ただでさえその生は儚いものなのに――。
「いつか終わるその瞬間まで、自分を誇れる自分で居たいから、かな」
 少しだけ考え、柊一はそう答えた。
 その言葉から滲み出るのは、確固とした意志。
「僕は……明日の自分が誇れるように、今手の届く大切なものを護りたい」
 いつか終わる生命なのだから、せめてその瞬間まで。
「こんな僕でもカッコつけてみたい……それだけなんだ、きっと」
 照れ隠しのように、呟く。
 ふたりの夜は、ゆっくりと更けていくのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

中村・裕美
シルヴァーナで参加
「無粋ですわね。折角の島を楽しまずに滅ぼしてしまおうなんて」
キマイラフューチャー由来の島なら、そうした種族の方々が多いのかしら?……肉体を持ったバーチャルキャラクターはほぼ人間にしか見えそうにないですが。

基本的に【優雅なるご令嬢】として、おもてなし甲斐のある振る舞いを心掛ける。
観光名所を訪れたり、おいしいパンケーキをいただいたり、好きなように動かしていただければ。
あとは、普通に楽しんでも、向こうが練習したこと全部を出し切ることはできないかもなので、うっかりフォークを落としたり等のトラブルを起こして、その対応の様子を見てみたり
(ちょっと試験官みたいな気分ですわね)



 青空に手を伸ばすように、背の高いヤシの木が連なる街並み。
 まさに南国リゾート地といった街を、シルヴァーナ(f01705)は優雅な足取りで闊歩していた。
「無粋ですわね。折角の島を楽しまずに滅ぼしてしまおうなんて」
 敵はこのリゾートを独占するつもりならまだしも、壊滅させてしまうのだという。
 信じられない――などと思いを巡らせるシルヴァーナの元へ、一人の住民が駆け寄った。
「お待たせしました。グラン・プルメリア大自然ツアー、お一人様ご案内です」
 どうみても人間にしか見えないこのツアーガイドの女性、実はバーチャルキャラクターの家系なのだという。
「どんな素敵な旅になるのかしら。楽しみですわね」
 ガイドの緊張をほぐすように、シルヴァーナは優雅に微笑み返す。
 先祖代々おもてなしの練習に明け暮れていた彼らの実力、お手並み拝見といったところだ。

「素晴らしい景色でしたわ。今までお客様がいなかったのが勿体ないくらい」
 クリームとフルーツがたっぷりトッピングされたパンケーキにナイフを入れながら、シルヴァーナは島の自然を振り返る。
 行き来しやすいように道順の整った森林や大きな滝は、元々は人工のものだったのだろう。
 だが島となり長い長い年月を経たそれは、天然の動植物や地形の変化を受け入れ壮大で野性味のある趣を手にしていたのだった。
 美しい景色を振り返りながら、パンケーキを口に運ぶ。
「まぁ……このフルーツ、良い香りですわ」
「先程の森に実っていた赤い実です。私たちも普段から食べているんですよ」
 同席したガイドによると、この果実と海の幸が島の主食なのだそうだ。
 適切なタイミングでの解説は彼女の持ち味か、あるいはガイドとして代々伝わってきた技術なのだろうか。
「それは羨ましいですわね……っと、いけませんわ」
 相槌を打ちながら、シルヴァーナはフォークを落としてしまう。
 普通のレストランならばよくあるハプニング。果たしてこの店の反応は――。
「こちら、代わりのフォークでございます。……って、これはパンケーキには小さすぎだから……」
 シルバーセットから大きめのフォークを探し出し、改めてシルヴァーナに手渡す。
 その仕草に不慣れさと思いやりを感じ、思わず笑みをこぼしてしまった。
「ありがとうね。……少し意地悪だったかしら?」
 実はフォークを落としたのは、シルヴァーナのちょっとした悪戯心。
 突然のハプニングが起こった時の反応を、見てみたくなったのだ。
(「合格、ですわ」)
 試験管気分で、心の中で呟くシルヴァーナであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

アニカ・エドフェルト
(今年の水着着用)

(呟きが聞こえていたようだ)
フォンミィさんには、申し訳ない、ですが、今日1日、楽しませて、もらうことに、しましょう。
……お仕事、終わったら、何処か、誘ってみるのも、いいかもしれません、ね。

と、いうわけで、砂浜や、花畑ばっかりと、いうわけでは、ないでしょうし、島中一周、探検して 、みます。
海辺の洞窟や崖、森なんかも、あったりするのでしょうか。(探検アトラクション的な)
途中、滑りやすいところで、海に落ちたりとか、ハプニング(リゾート用に安全に仕組まれた)に、見舞われたり、しながらも、
一周しきったら、最後は、レストランで、のんびりパンケーキ、いただくことに、します。

(アドリブ歓迎)



「わぁ……」
 森林公園の見晴らし台から海を見下ろし、アニカ・エドフェルト(小さな小さな拳闘士見習い・f04762)は小さく歓声を上げた。
 どこまでも広がる青い海。真下には愛らしく香るプルメリアの花。
 この場所に来るまでに見てきた森や河川も、壮大で美しいものだった。
「……フォンミィさんには、申し訳ない、ですが」
 ここへ案内してくれた友人のことを、不意に思う。
 目に映る光景は、きっとグリモア越しの幻像よりも数倍鮮やかなはずで。
「今日1日、楽しませて、もらうことに、しましょう」
 仕事が終わったら誘ってみようか……などと考えながら、アニカは島の探検を続けるのだった。

「それでは、お気をつけて!」
「はいっ!」
 外で見守るガイドに元気な声で応え、アニカは洞窟の奥へ歩み出す。
 暗く深い海辺の洞窟。その奥には一体何が潜んでいるのか――という謳い文句の、探検アトラクションである。
「観光用、とはいえ……ドキドキします、ね」
 水着のフリルを揺らしながら、飛び石のような通路を一歩一歩確実に進んで行く。
 足下が不安定でも、翼には頼らないことにした。だって、こういうスリルも探検の醍醐味なのだから。
「どんなが仕掛けが、あるのでしょう……」
 曲がりくねった一本道の、その先。
 アニカの目の前が、緑白色の光に染まった。
「わぁ……」
 壁が、水溜まりが、星空のようにきらきらと光っている。
 ヒカリゴケと海ほたるの群生地が、洞窟の奥にあったのだ。
「がんばって、進んだ甲斐が、ありましたっ」
 一面の光のドームにアニカは見とれ、そして――。
「きゃっ!?」
 うっかり足を滑らせ、光る海へ水没。
 飛び石の隙間へ、派手にダイブしてしまった。
「……これはこれで、良い経験かも、です」
 海ほたるたちが驚いたように光を強め、お気に入りの白水着が青光に照らされる。
 こんな経験滅多に出来ないなと、ポジティブに捉えるアニカなのであった。

 冒険の後は、リゾートカフェで一休み。
「パンケーキ、とっても美味しい、ですっ」
 クリームをたっぷりのせたパンケーキは、至福の味。
 とろけるような甘さを噛みしめていると、疲れも抜けていくようだ。
「……次は、皆さんで、来れるように」
 この島を、守らなければと。
 アニカは、改めて心に誓うのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ルク・フッシー
今年の水着で
クーさん(f14438)と一緒に

うわあ〜!この世の楽園って感じです!
えへへ、どこから行きましょうか、クーさん?ボク、どこでもついて行きますよ!

ビーチバレーですね、わかりました!さっそく行きましょう!
(綺麗な海と砂浜に負けないくらい、運動するクーさんは輝いてます〜!)

見るものもやる事も描くものもいっぱいです、時間がいくらあっても足りないです〜
ああ〜、もう何泊かしていきたいくらいですね〜。…ホントに泊まっていきましょうか?

この光景を守るために。
一緒に戦いましょう、クーさん。


クトゥルティア・ドラグノフ
※ルク君(f14346)と一緒に!
お気に入りの白いワンピで!

流石観光施設!
とっても素敵で、どこも楽しそう!
そうだね、折角だし海にいこう!
ここってビーチボールとか貸してくれてたりするかな?
泳いだり、ビーチバレーで楽しもう!

本当だね、時間があっという間にすぎていっちゃう。
うんうん、私も何泊か泊まっていきたいよ!
もちろんルク君と一緒にね!

そうだね、ここを壊させるわけにはいかない。
うん。一緒に、戦って、守り抜こう!



 雲ひとつない青い空、どこまでも広がる海。
 街道はプルメリアの花で彩られ、風が清廉な香りを運ぶ。
「うわあ~! この世の楽園って感じです!」
 いかにも南国リゾートといった様子の光景に、ルク・フッシー(つるぷに竜のサマーペインター・f14346)は楽しげに歓声を上げた。
 既に服装はカラフルなアロハに着替え、楽しむ準備は万端。
 シャツに合わせたサンバイザーで、日差し対策もバッチリだ。
「流石観光施設! とっても素敵で、どこも楽しそう!」
 白いワンピースの裾をはためかせ、クトゥルティア・ドラグノフ(無垢なる月光・f14438)もルクの隣で無邪気に笑う。
 大切な人と、最高のリゾートで過ごす夏。
 思わず足取りも軽くなってしまう。
「えへへ、どこから行きましょうか、クーさん?」
 まず何をすればクトゥルティアは楽しんでくれるだろうか? と、ルクは考えを巡らせる。
 グルメにショッピングにレジャー、なんでも楽しめそうなだけに迷ってしまうが……。
「そうだね、折角だし海にいこう!」
 やはりここは海を楽しむのが一番だろう。
 そういうわけで、二人はビーチへと向かうのだった。

「浮き輪もビーチボールも、好きなの借りてってくださいね!」
 何せ初めてのお客様なのだから……と嬉しそうに言いながら、海の家の店主が次々と遊具を膨らませる。
 目移りしてしまいそうなほどにカラフルなそれらの中からクトゥルティアが選んだのは、手頃な大きさのビーチボールであった。
「あ、このサイズ! ビーチバレーにいい感じじゃない? ルク君も一緒にやろうよ!」
 ボールを抱え、クトゥルティアが砂浜へ駆け出す。
「わかりました! さっそく行きましょう!」
 その健康的な姿に見惚れながら、ルクも後へ続いた。
 
「いっくよー。えいっ!」
 思いきりジャンプして、クトゥルティアがボールをトスする。
「おっとと……そーれっ!」
 砂に軽く足を取られながら、ルクもボールを打ち返す。
「わぁ、風が!? っと、追いついたぁ!」
 風向きに翻弄されながら、ボールを追うクトゥルティア。
 その表情は、太陽に負けない明るさに彩られていた。
(「クーさん、輝いてます~!」)
 元気に駆け出す姿も、思いきりジャンプしてビーチボールをトスする姿も眩しくて。
 心のキャンバスに刻み付けながら、ルクもボールを追いかけるのだった。

「わぁ、これ昼間に行った海だよね。楽しかったなぁ」
「時間があったら、もっと描きたいんですけどね~」
 夕飯をとりに入ったレストランにて。
 ルクのスケッチブックを覗き込みながら、二人は今日の楽しかった出来事を語り合っていた。
「まだまだ遊び足りないよねー。時間があっという間に過ぎていっちゃう!」
「本当に、時間がいくらあっても足りないです~」
 楽しそうな遊びも、美味しそうなものも。
 この島には、まだ二人で回りきれなかった素敵な観光スポットがたくさんあるのだ。
「ああ~、もう何泊かしていきたいくらいですね~」
「うんうん、私も何泊か泊まっていきたいよ!」
 もちろんルク君と一緒にね、と付け加え、クトゥルティアはにこりと笑みを向ける。
「……? もちろん連泊は大歓迎ですよ?」
 事情を知らぬスタッフが、不思議そうに言う。
 だが――明日の日没には、コンキスタドールがやってくる。
 自分たちが守り抜かなければ、このリゾートは壊滅してしまうのだ。
「この光景を守るために。一緒に戦いましょう、クーさん」
「そうだね、ここを壊させるわけにはいかない。一緒に、戦って、守り抜こう!」
 平和になったら、ゆっくり時間をかけて二人のヴァカンスを過ごすため。
 ルクとクトゥルティアは、戦う決意を固めるのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 集団戦 『汚す者』

POW   :    穢れの一撃
【汚染の泥】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
SPD   :    冒涜する命の進撃
レベル×5体の、小型の戦闘用【死した動植物に感染した同族】を召喚し戦わせる。程々の強さを持つが、一撃で消滅する。
WIZ   :    汚染の連鎖
【自身が放つ球体の黒光】が命中した対象にダメージを与えるが、外れても地形【を感染して汚し】、その上に立つ自身の戦闘力を高める。
👑11
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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 そして、その翌日の日没。
 猟兵たちは、予知された敵を迎え撃つべく海岸へと集まっていた。

 海が、淀む。
 淀みはとめどなく溢れ、波間に浮かぶように揺蕩いながら陸へと流れ着く。

 間違いない――この淀みは、オブリビオンだ。
 島が汚染されぬよう、ここで食い止めなければ。
楊・宵雪
同行
神崎・柊一(f27721)

索敵は同行者メインで、占星術と失せもの探しで補助

「島の人たちには手出しさせないわ
UCで召喚した狐火を二重円状に周回させて敵を取り囲み行動を抑制
その間に逃げるように言う
敵本体は内側の円で囲み、敵UC(SPD)を使われたら外側の円を拡大縮小

敵UC(POW/WIZ)に狐火を当てて相殺していく
景観も観光地では重要な財産なので汚染は最低限に食い止める

同行者のお風呂への誘いを快諾

「昨夜のお話だけど、終わりを早く招き寄せるようなことは感心できないわ。でもね、必死に今を積み重ねて未来を作っていくあなたはとてもかっこいいわ


神崎・柊一
同行:楊・宵雪(f05725)

こんな人もこれない孤島だからこそ援軍も望めないから拠点とするにはちょうどいい
目の付け所は良かったんだけどね、まぁそうさせるつもりは毛頭ないよ
…さーて仕事だ

恐らく孤島で全員顔なじみだと思うので
知らない顔であり、かつ臭いやつ
は危険だと事前に周知、また話しかけられたら観光案内所に行くといい、取ってもらう
この観光案内所という隔離場所を地元の人から借り、そこに誘い込む
これは戦闘での破壊、汚染を最小に抑え込むため

敵が姿を現したらユベコ発動
向こうの放出してくる全てを火力で薙ぎ払う

戦闘後は汗もかくしちょっと匂い気になりそうだから
宵雪にまたどっか宿でお風呂でもいこうか、と誘う



 ゴボゴボと気泡を上げながら、黒泥が黒光の球体を吐き出す。
 その狙いは……明日も観光客を待つのだとばかりに飾り立てられた、海の家。
 勢いよく発射された汚染物質の塊は一直線に陸地を目指し――突如として現れた炎に、その行く手を阻まれた。
「島の人たちには手出しさせないわ」
 楊・宵雪(f05725)の狐火が渦を巻き、壁となって泥の侵攻をシャットアウトしたのだった。。
 炎に跳ね落とされた黒球が溶け落ち、海上に黒い染みが広がる。
「……こんなものが、陸へ上陸してしまったら……」
 恐ろしい想像を打ち消すように、宵雪は円を描くように狐火を繰る。
「いいえ。そんなこと、させないわ」
 こんなにも美しい島に、汚れた泥など不要なのだから。
 怯んだように立ち往生する汚泥の挙動を見張りながら、宵雪は抜け道を作らぬよう炎の包囲網を形成していった。
 泥と炎。一瞬の隙も見せられない攻防が続いた、しばし後。
「待たせたな!」
 その声と同時、神崎・柊一(f27721)の銃が闇を貫く。
 狐火の隙間を突こうと放たれた泥を光線が焼き払い、焦げ臭い煙が立ち昇った。
「お疲れ様。皆、ちゃんと避難できたかしら?」
「ああ。今頃みんな観光案内所に集まってるはずだ」

 宵雪が泥を食い止めていた頃、柊一は島民へ避難を呼びかけていた。
「山の案内所へ行くんだ。絶対に海側へは来るなよ!」
「は、はぁ……」
 危機という概念の薄い島民たちにも、これが何かしらの非常事態ということは伝わったようだ。
 家族や隣近所で声を掛け合いながら、森林公園の方角へ向かっていく。
「僕たちは心配いらないから、知らない奴は放って逃げるんだ!」
 既に敵が内部へ潜っていることも警戒しながら、声掛けを続ける。
 幸い、島民と猟兵たちの他にまだ誰も上陸していないようだ。
 観光街から人の気配がなくなったのを確認し、柊一は汚泥の押し寄せる海岸へと駆け付けたのだった。

「さぁ……全力でいくぞ!」
 全武装の安全装置を解除し、柊一が汚泥の海へ向き直る。
「あまり無理はしないでちょうだいね?」
 守りへ転じるように、宵雪が狐火を自分たちの側へとわずかに引き寄せる。
 二人の戦意を感じ取ったように、汚泥の塊が激しく噴き上がった。
「吹き飛べ!」
 泥弾も本体も全てを巻き込む勢いで、柊一の砲身が火を噴いた。
 だがその射線は粘つく泥の手に絡め取られ、穢れを相殺するのみに終わってしまった。
「なかなかに厄介ね。でも、逃げられるかしら?」
 魔を封じ込める檻のように、宵雪の狐火が泥を囲い封じ込める。
 シュウシュウと煙を上げながら抵抗する泥の塊を、柊一のビームキャノンが狙っていた。
「リミッター解除……フルバースト!!」
 ギリギリまで近寄り、泥塊の中心めがけ光線を撃ち込む。
 何か『核』のようなものが音を立てて爆ぜ――泥は、完全に沈黙したのだった。
「まったく。そういう、終わりを早く招き寄せるようなことは感心できないわ。でもね」
 リスクを冒して近接するなど、見ていてハラハラしてしまうのだけれど。
「必死に今を積み重ねて未来を作っていくあなたはとてもかっこいいわ」
 微笑む宵雪の視界の端で、ゴボッと何かが泡立つ気配がする。
 どうやら、泥は一塊だけではなかったようだ。
「まだ終わらないみたいだね。全部倒したら、お風呂で泥と汗を流そうか」
「ええ。次はヒノキのお風呂もいいわね」
 軽口を叩きながらも、目線は次なる敵へ。
 汚染を阻むべく、二人の戦いは続くのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

クトゥルティア・ドラグノフ
※ルク君(f14346)と一緒!

うぇ……なんと私と相性の悪そうなオブリビオン……こんなのに触ったら、病気になっちゃうよ
そうだね、島に上がらせる訳にはいかない!
いこうルク君、一緒にこの島を守ろう!

私の攻撃は、ほとんど物理。この軟体な存在に通用するかは怪しいけど、足止めにはなる!
【月影剣】を展開、陸に上がらせないように牽制。油断するならその隙【見切り】【串刺し】にしてあげる!
止まった奴にはルク君のユーベルコードが飛んでいくはず……だから私は足止め専念だ!
持続ダメージのエリアで、じわじわ削られてしまえ!!

私一人じゃ倒せなくとも、ルク君と一緒なら、どんな相手だって!
うんルク君!
燃えていくよ!!


ルク・フッシー
クーさん(f14438)と一緒です

汚れその物のようなオブリビオン!?上陸しただけでも島がめちゃくちゃになってしまいます!
…行きましょう、クーさん!

ボクは【花宴描画】を使用。舞い踊る白い花びらには光属性を宿し、汚れの浄化を試みます
この聖なる花びらを広範囲に広げ、オブリビオン達に貼り付けて継続ダメージを与えます

汚れた海や砂浜も、光の塗料により塗り替えてしまいましょう!塗料ですから地面に留まって汚染を防ぎ、後続のオブリビオンにもダメージを与えられるかもしれません

1人じゃ抑えきれなくても、隣にはクーさんだっています!
ここで負けてはいられません!頑張りましょう、クーさん!



 奇怪なマーブル模様を描きながら、黒泥は地上へと押し寄せる。
 まるで海中の穢れを集めたようなそのグロテスクな光景を前に、クトゥルティア・ドラグノフ(f14438)は不快そうに顔をしかめていた。
「うぇ……」
 生あるもの全てを侵すような、汚染そのもの。
 少し肌に残っただけでも病気になってしまいそうだ。
「まるで汚れその物ですね!? 上陸しただけでも島がめちゃくちゃになってしまいます!」
 絶対に島を汚させてなるものかと、ルク・フッシー(f14346)は汚泥の海を睨み付ける。
 海も、レストランも、ホテルも。二人に幸せなひとときをくれた全てを、汚させるわけにはいかないのだ。
「そうだね、島に上がらせる訳にはいかない!」
「……行きましょう、クーさん!」
 強い意志を胸に、二人は泥塊と対峙するのだった。

「それ以上は進ませないよ!」
 クトゥルティアの合図と共に、無数の大剣が宙に浮かぶ。
 月明りに輝く刀身が睨むのは、汚泥渦巻く海上。
「それ以上進むなら……まとめて串刺しだよ!」
 79の切っ先は花弁のように複雑に角度を変え、すり抜ける術などないと言わんばかりに泥を牽制している。
 泥塊は怯んだように動きを止め――不意に、流線型の『何か』を吐き出した。
「うぇぇ……気持ち悪っ!」
 咄嗟に大剣のひとつで切り伏せた『それ』は、魚の死骸であった。
 この泥の上陸を許してしまえば、島中がこうなってしまうのだろう。
 あるべきではない未来を想像するクトゥルティアの眼前に、白い花びらが舞った。
「お待たせしました!」
 ルクの描き出す、清廉な光の花。
 滑らかなカーブを描くその花弁は――島に咲き誇る、プルメリア。
「浄化されちゃってください!」
 花弁に触れた泥が、蒸発するように溶けていく。
 もがくようにうねる泥へ、清浄な光が絶え間なく降り注ぐ。
「逃がしませんよ!」
 気付けば海岸線は光に満ち、清らかな香が穢れの上陸を阻むように立ち上っている。
 海面いっぱい花びらで彩られ、もはや泥の逃げる場などない。
「さぁ、抵抗はやめて……何ですか!?」
 最後の抵抗とばかりに、泥は黒く穢れた球体をその身に浮かべる。
 仄かに纏う光はルクの花と同質のそれではなく、公害物質の放つ禍々しい燐光。
「あぁっ、あんなものが当たったら……」
「まかせて、食い止めてみせる!」
 弾の軌道上に、クトゥルティアの大剣が飛んでいく。
「潰れちゃえ……っ!」
 勢いよく投げられた黒弾は無数の刃を受け、行き場を失ったまま静かに崩壊していった。
「ここで負けてはいられません! 頑張りましょう、クーさん!」
 海岸線に光の花びらを振りまきながら、ルクが声を上げる。
 一人では抑えきれない敵でも、大切な人と一緒なら。
「うんルク君! 燃えていくよ!!」
 苦手なタイプの敵相手でも、大好きな人と一緒なら。
 互いへの信頼を胸に、二人は未だ押し寄せる泥へ立ち向かうのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

中村・裕美
1章で言い忘れてたけど、水着は今年のやつで
「あらあら、あまり切ったり刺したりが効きそうにない相手ですわね。それじゃ裕美、頼みますわよ」
相手と相性が悪いので、さっさと裕美と交代する

「……自分勝手な。……まあ……パンケーキはおいしかったし……ちょっとだけ……手伝うわ」
【エレクトロレギオン】を召喚し、汚すものがいるあたりにミサイルや魚雷などで【爆撃】
「……島には……近づけさせやしないわ」
相手が球体の黒光を飛ばしてきたらミサイルで迎撃、もしくはレギオンの一体で受け止めさせ、地形に着弾させないようにする。
「……これが終わったら……豪華な部屋で引きこもりライフさせてもらうわよ」



「あらあら、あまり切ったり刺したりが効きそうにない相手ですわね」
 押し寄せる泥の波と対峙し、シルヴァーナは困ったように溜息をついた。
 来るべき戦闘に備えパレオの下に隠しておいた暗器も、不定形の汚泥相手ではあまり役には立たなそうだ。
「ならば交代ですわね。それじゃ裕美、頼みますわよ」
 相性の悪い戦法で無理に戦うくらいならば、適任者に任せるほうが手っ取り早い。
 迷いのない判断で、シルヴァーナは意識のバトンを中村・裕美(捻じくれクラッカー・f01705)へと渡したのだった。

「……自分勝手な」
 素肌を隠すようにパレオを引き寄せながら、裕美はぼそりと呟く。
 だが、決して戦う事が嫌なわけではないのだと、鳴り響く黒竜の駆動音が告げていた。
「……まあ……パンケーキはおいしかったし……ちょっとだけ……手伝うわ」
 泥塊の群れと真っ向から向き合わせるように、裕美はレギオンの軍勢を会場へ飛ばす。
「……島には……近づけさせやしないわ」
 前衛のレギオンが、ばらばらと五月雨式にミサイルを撃ち込む。
 高く隆起した泥の二塊ほどが吹き飛び、ちいさな欠片となって海へと降り注いだ。
 警戒した様子の生き残りが、ミサイルの射程から逃げるように海中へ潜るが――それも裕美の読み通り。
「第二陣、一斉発射」
 裕美の声に応じるように、レギオン達が魚雷を発射。
 派手な爆破音と共に、泥と海水とが混ざり合ったような水柱がいくつも噴き上がった。
「どこに逃げても……無駄よ……」
 だが、水柱の上がる海に数個。
 黒い球体が、ぷかりと浮かんでいた。
「まずい……!」
 逃げおおせた泥塊が、球体をすくい上げるように立ち上がる。
 そしてそれを、投げた。
「迎撃……しないと……」
 咄嗟にレギオンを操り、球体の前へ飛ばす。
 穢れをその身で受け止めた黒竜は消えてしまったが――泥弾もまた、地上を汚すことなく消滅したようだ。
 欠けた個体の穴を埋めるように、待機させていた別個体を投入。
 何せこちらは400をゆうに超える大軍勢。いくらか撃破されても、代わりはいくらでも投入できるのだ。
「……これが終わったら……豪華な部屋で引きこもりライフさせてもらうわよ」
 朝から部屋付きの温泉でだらだら過ごして、ルームサービスのパンケーキに舌鼓。
 そんな自堕落バカンスを過ごすことを楽しみに、裕美はレギオンを飛ばすのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

アニカ・エドフェルト
さて…困りました…。
これだけ、泥だらけ、だと、わたしとの、相性は、最悪、ですね…。
何か、“中心”みたいなのが、あると、いいのですが…
とにかく、出来ること、やってみましょう。

〈オーラ防御〉と、一部〈耐性〉を、身にまとって、《飛翔天使》《舞踏天使》で、相手の体を、貫通するように、飛び込み…
うっ…わかっては、いましたが、怖い、です…。
(何度も直前停止を繰り返す)

でも、この方法は、わたしの、意思の強さが、試され、ます。
《サウンド・オブ・パワー》他で、わたし自身を、鼓舞して…
目を、瞑って、一気に、飛び込み、ますっ

一回出来れば、もう怖く、ありません。
何度でも、飛び込んで、いっちゃいますっ

(アドリブ歓迎)



「これだけ、泥だらけ、だと、わたしとの、相性は、最悪、ですね……」
 泥の一群へ空中から接敵しながら、アニカ・エドフェルト(f04762)は敵の様子を注意深く観察していた。
 泥そのものが意志を持って流れているような、不定形の怪物。
 組み付き技を得意とするアニカにとって、掴みどころのない流体というものは相手としてかなり苦手な部類である。
「……とにかく、出来ること、やってみましょう」
 力の限りぶつかっていけば、倒す糸口が見つかるかもしれない。
 意を決し、アニカは泥の渦巻く海へと降下するのだった。

「いき、ます……っ! えいっ!」
 全身にオーラを纏わせ、アニカは泥の中へとまっすぐに蹴り込んでいく。
 汚染の影響を受けないように、守りはしっかり固めてある。
 臆せず怖がらず、敵の体を貫通するような一撃を――。
「うっ……わかっては、いましたが、怖い、です……」
 ギリギリの所で立ち止まり、再び空へと引き返す。
 覚悟を決めたつもりでも、間近で見る汚染物質の塊というものは精神的にくるものがある。
「もう、一回……!」
 だが、恐怖が勇気を上回ってしまう。
 動き、臭気、ドロドロとしたおぞましい見た目。
 浮かぶ渦がこちらを睨む無数の目に見えて、心臓が跳ねた。
「でも……やらなきゃ、いけないん、ですっ」
 ギュッと瞑ったまぶたの裏に浮かぶのは、島で見た美しい光景。
 自然に満ちた山、おいしいパンケーキ、そして海ほたるの洞窟。
「……まるで、星空のプール……♪」
 自らを鼓舞するように、即興のメロディを口ずさむ。
 守るべきものを再確認するように、島の美しさを唄う。
「がんばり……ますっ!」
 目を閉じたまま、真下の泥へ急降下。
 拳がべちゃりとした軟体に食い込み――確かに、『核』のようなものを捉えた。
「これが……“中心”なのです、ね……!」
 狙いをしっかり定め、もう一度拳をしっかりと当てる。
 全力の打撃を受けた『核』が砕ける感触を、アニカは手探りで感じていた。
「やりました……!」
 泥の塊が急速に溶け、透明度を増していく。
 まずは一体、倒すことができたのだ。
「もう、怖く、ありませんっ」
 泥の感触も、倒し方も覚えた。
 勇気を出して飛び込んでしまえば、存外平気なものだ。
「何度でも、飛び込んで、いっちゃいますっ」
 お気に入りの水着が汚れることも厭わず、アニカは次の敵へと狙いを定めるのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

星川・杏梨(サポート)
『この剣に、私の誓いを込めて』
 人間のスーパーヒーロー×剣豪、15歳の女です。
 普段の口調は「聖なる剣士(私、~さん、なの、よ、なのね、なのよね?)」、時々「落ち着いた感じ(私、~さん、ね、わ、~よ、~の?)」です。

 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、
多少の怪我は厭わず積極的に行動します。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
また、例え依頼の成功のためでも、
公序良俗に反する行動はしません。

性格はクールで凛とした雰囲気です。
常に冷静さを念頭に置く様に努めており、
取り乱さない様に気を付けています。
戦闘は、剣・銃・魔法と一通りこなせます。
 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!



「敵は不定型の泥……下手に近付くのは悪手ね」
 星川・杏梨(聖炎の剣士・f17737)は、泥塊の動きを冷静に観察していた。
 敵のおぞましい動きは生理的な嫌悪感を誘うが、直視しなければ倒せない。
 つとめて冷静に、杏梨は最初の一手を紡ぎ出していた。
「ならば……機械人形達よ、私の指揮に従い敵を殲滅しなさい!」
 杏梨の呼び声に応じ、機械人形たちが泥の波へと駆ける。
 汚泥の濁流の前に立ちふさがるように、剣使いが防御姿勢をとった。
「撃ちなさい!」
 隆起する泥に狙いを定め、銃使いが猟銃の引き金を引く。
 命中した部位から血のように泥水が吹き出し、泥塊は痛みに抗うようにぐらぐらと身を捩らせた。
「そのまま一斉攻撃よ!」
 どうやら、物理攻撃は効果があるようだ。
 それならば……と、杏梨は剣使いへ攻撃を命じる。
 恐らくこの一塊が一個体なのだろう。そうと分かれば、集中攻撃で各個撃破が最善手だろう。
「手を緩めないで、攻め続けるのよ!」
 杏梨に命じられるまま、機械人形たちは苛烈に戦う。
 絶え間ない剣閃と猟銃の重い一撃を受け続け、泥は次第に体積を減らしているようだ。
 このまま消滅まで攻め込めば勝てる。そう確信したその時――波間に、黒い球体が浮かび上がった。
「何を……っ!?」
 水面ギリギリを飛ばすように、泥が球体を投げる。
 その狙いは――人形たちを指揮する、杏梨本人。
「くっ……少しは、頭が回るようね」
 杏梨に命中した球体が炸裂し、刺激性の煙を上げながら燃え上がる。
 涙に霞む目を拭い、杏梨は泥を睨み付けた。
「でも……無駄よ!」
 自ら剣を取り、汚泥へと向かっていく。
 機械人形との戦いぶりを見て、敵の性質は把握した。
 ならば。
「これで、終わりよ」
 急所と見抜いた一点を狙い、流星の剣を浴びせかける。
 浄化の一撃を受けた泥は、清浄な水となって動きを止めたのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

シェーラ・ミレディ(サポート)
※OK:シリアス
※NG:エロ、ネタ、コメディ、心情系
※傭兵的なスポット参戦

称号通り、僕の身体を維持するための金儲けと、弱者をいたぶる醜い行いが許せぬ義侠心が行動指針だ。
美しいものは愛でるべきだが、恋愛には結びつかないなぁ。
性格ブスは醜い。見るに堪えん。

複数の精霊銃をジャグリングのように駆使する、彩色銃技という技(UC)を使って、敵を殲滅しようか。
敵からの攻撃は基本的に回避する。が、護衛対象がいるならかばうのも検討しよう。
……嗚呼、僕を傷付けたなら、代償は高くつくぞ!


ミロ・バンドール(サポート)
大人向けな依頼は不採用にしてください

口調はステシの基本通り
強がって一匹狼を気取った態度ですが、連携にはきちんと応え
最善の結果のために努力します
いわゆるツンデレ

基本的な戦闘スタイルは敵の力を削ぎ、次の味方の行動へ繋げるサポート役で
次いで重視する行動が敵の押さえです
技能の各種耐性や改造を活かし、戦場の状況に合わせたスタイルを模索します

一般人保護耐性技能を利用して盾になり
UCは誰かが望まない犠牲になるときは差し控える傾向

*備考
・精神攻撃にはとても弱い(ヘタレると寝言時の口調)
・ギャグ展開にはよく巻き込まれる(弄られOKです)

※キャラぶれても気にしないので、お気軽に弄って下さい



「あぁ……見るに堪えん」
 海上に蠢く泥の醜さに、シェーラ・ミレディ(金と正義と・f00296)は眉を顰めた。
 一足早く上陸していた猟兵たちの言う事には、この島はシェーラのような高貴なドールがヴァカンスを過ごすに相応しいリゾートなのだという。
 そんな場所を汚す怪物は見過ごすわけにはいかないし、何も知らない島民を巻き込んでしまうのも不愉快だ。
「ここで食い止めてやろう」
「うわ……こんなキモいの、島に上げるわけにはいかないよな」
 ミロ・バンドール(ダンピールの咎人殺し・f10015)もまた、嫌悪感を隠しもしない表情で汚泥渦巻く海を睨み付ける。
 絶対に穢れに触れぬよう、手袋と作業靴で完全防備。
 拷問具の鎖を手繰りながら、仕掛けるタイミングを見計らう。
「これ、効くかなぁ……ま、やってみるか」
 戦いの準備を整え、二人は渦巻く泥塊と対峙するのだった。

 最初に動いたのは、シェーラであった。
「さぁ、この手を取って僕の傍においで。力を貸してくれ」
 精霊銃を手に取り、大きく隆起した泥の一塊へまず一発。
 穿った孔が塞がらぬ間に、新たな精霊銃を手に取りもう一発。
「さて、どこまで耐えきれるかな?」
 次々と精霊銃を手に取る姿は、まるで華麗なジャグリング。
 星河一天のごとく飛び交う無数の弾雨が、泥を崩すように降り注いだ。
「容易いな……何!?」
 弾丸に削られた泥が、不意に高さを落とし海面へと広がる。
 水と交じり合うように広がる黒泥から、腐敗した魚が跳ねた。
「くっ……」
 避けられない。
 そうシェーラが覚悟を決め、防御の姿勢をとろうとしたその時。
「うげぇっ……思った以上にきついなこれ」
 炎の外套に身を包んだミロが、咄嗟にシェーラの前へと躍り出た。
「俺、毒とかには強いほうだけどさぁ」
 鎖を伸ばし、魚を拘束する。
 攻めることも逃げることも出来なくなった魚が、びしゃびしゃと汚い泥水を跳ね上げ暴れ回った。
「やっぱ……嫌だよな、汚いのは」
 魚めがけてギロチンの刃を一振り。
 骨もろとも一刀両断された魚が、動きを止めた。
 だが、まだ泥の底で、死せる者が蠢くような気配がする。
「もう勘弁してくれよ……!」
 言い放ちながら、ミロは拘束具を泥上へ放つ。
 複雑に絡み合った拘束ロープが、網のように泥を掬い上げ、一纏めにするように縛り上げる。
 器用に固定されたその高さは――シェーラの真正面、精霊銃の射程。
「……嗚呼、僕を傷付けようとしたな」
 怒気をはらんだ瞳で、シェーラは巨大な泥玉を見つめる。
 醜い汚物。それが自分の視界を汚すことすら許し難い。
「……代償は高くつくぞ!」
 喚べるだけの精霊銃をフル展開。
 目にも止まらぬ速さで、泥へ弾丸を撃ちこんでいく。
「これで……終わりだ!」
 最後の銃声が響く頃には、泥は跡形もなくなっていたのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​




第3章 ボス戦 『『凍龍の支配者』リュウガ』

POW   :    凍龍牙呪『氷獄の苗床』
攻撃が命中した対象に【癒えない凍傷】を付与し、レベルm半径内に対象がいる間、【対象の身体を突き破って生成される氷柱】による追加攻撃を与え続ける。
SPD   :    凍龍牙陣『封絶の凍檻』
レベルm半径内の敵全てを、幾何学模様を描き複雑に飛翔する、レベル×10本の【氷柱】で包囲攻撃する。
WIZ   :    凍龍飛翔『凍龍の暴虐』
全身を【凍て付く冷気】で覆い、自身の【解放した、メガリス『凍龍の神核』の力】に比例した戦闘力増強と、最大でレベル×100km/hに達する飛翔能力を得る。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は霧島・クロトです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 海を埋め尽くす醜い泥は、一塊残らず消え去った。
 月明りに照らされる海が、元の清浄な青を取り戻した頃。
 男がひとり、海上を静かに歩むように現れた。

「島民……ではないな。よもや先客がいたとは」
 男が一歩進むごとに、足元の海水が凍り付く。
「貴様らも島のエネルギー体を求めて来たのだろう? だが、この島は俺が奪うべきものだ」
 男の纏う機械鎧から、冷気が吹き出す。
 打ち寄せる波が凍り付き、砂浜に霜が走った。
「抵抗する者の存在は想定内。排除行動を開始する」
 砂浜に降り立った男が、猟兵たちへと接敵する。
 島の平和を守るため、最後の戦いが幕を開けた。
中村・裕美
「……エネルギー体……コンコンシステムの事かしら? ……貴方にどうにかできるとは……思えないけど」
敵との会話はこのくらいに、【オルタナティブ・ダブル】でシルヴァーナを呼び出す
「……あとは任せたわよ」
「んー、若くして冷房病は嫌ですわ。あの冷やしすぎを何とかしてくださらない?」
「……なんとか」
裕美は空間に【ハッキング】して、光を屈折させて【残像】を生み出し、氷柱を回避。シルヴァーナは残像に紛れ、敵に素早く近づいて【早業】でナイフを閃かせて【暗殺】
「……氷の反射を利用して……像をいじるのはたやすいこと」
「何とかするの方向性が期待したものと違うのですが」

終わったら分身したままそれぞれ満喫してみる



「……エネルギー体……コンコンシステムの事かしら?」
「それだけではない。この島の地熱、内包エネルギー、全てが我が資源として活用すべきもの」
 どうやら敵――『リュウガ』は、この島全体を広大なエネルギー源として奪おうとしている様子。
 猟兵を排除すべく飛び込んできたリュウガの動きを、裕美は冷静に観察し次の一手を打つ。
「……貴方にどうにかできるとは……思えないけど」
「まったくですわ。思い知らせてやりませんと……って、ちょっと寒くありません?」
 裕美の隣に現れたシルヴァーナが、ぶるりと身震いし声を挙げた。
 周囲は夏らしからぬ冷気で満たされ、夥しい数の氷柱がこちらを狙っている。
「……あとは任せたわよ」
 下がろうとする裕美を、シルヴァーナがぐいっと引き留めた。
「ちょっと裕美。あの冷やしすぎを何とかしてくださらない?」
 若くして冷房病なんて御免だと、目で訴えかけている。
「……なんとか」
 観念したように、裕美が電脳デバイスを展開。
 ホログラムスクリーンが、スポットライトのようにシルヴァーナの姿を照らした。
 氷柱が、一斉にシルヴァーナのほうを向く。
「先手必勝。凍り付け!」
 無数の氷柱による、四方八方からの串刺し攻撃。
 その中心になったが最後、並の人間ならば姿形も分からぬほどに粉々になってしまうことだろう。
 だが。
「何故……生きている……!?」
 無傷のシルヴァーナが、着弾点の横に立っていた。
 リュウガが一瞬だけ狼狽えた様子を見せ、すぐにまた氷柱の矛先を変える。
「逃したのならば、また狙えば良いだけのこと」
 二撃目、一斉発射。
 だが、またしてもシルヴァーナは無傷でそこにいる。
「その逃げの姿勢、いつまで続けられるか……ぐっ!?」
 次の氷柱を飛ばそうとしたリュウガが、砂浜に膝をつく。
 機械鎧の隙間から、血が溢れ出していた。
「わたくしが逃げるですって? 冗談キツいですわ」
 崩れ落ちたリュウガを、シルヴァーナが冷ややかな目で見下ろしていた。
 彼が狙っていたのは、電脳魔術による幻像。
 ホログラム迷彩に紛れながら、シルヴァーナは攻撃の機会を伺っていたのだ。
「……氷の反射を利用して……像をいじるのはたやすいこと」
 ホログラムスクリーンの反射に隠れながら、少し得意げに裕美が呟いた。
 シルヴァーナの望み通り、冷気は一旦収まったのだ。
「何とかするの方向性が期待したものと違うのですが」
 溜息をつきながらも、シルヴァーナは次の一手に備える。
 まだ、止めを刺したわけではないのだから。
「終わったら、ショッピングに連れ回しますわよ。覚悟していなさい?」
「……帰りに、パンケーキ食べていいなら」
 軽口を叩き合いながらも、二人の目つきは真剣。
 楽しい計画を実行するには、目の前の敵から島を守り抜かなければならないのだから。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ルク・フッシー
クーさん(f14438)と一緒

うっ…すごい強敵です…
…で、でも、戦わなきゃ…

オブリビオンの攻撃はオーラ防御を張って逸らし、軽減
クーさんが相手を拘束してくれたら、間髪入れずにユーベルコードで追撃します
【流星描画】絵筆を降るい空中に流れ星を描き、オブリビオンに叩き込みます

怖いけど…この島と人々を守らなきゃ
クーさんがいてくれるから、ボク、頑張ります


クトゥルティア・ドラグノフ
※ルク君(f14346)と一緒!

常夏に反した寒さ!
私、寒いのはかなり苦手なんだよぉ
でも、だからって逃げてられない!
行こうルク君、島を護るんだ!

氷柱は決して食らえない。
【月腕滅崩撃】を発動!
生み出した腕と【オーラ防御】でガードをしつつ、【野生の勘】で攻撃を【見切り】、懐へと【切り込み】!
一瞬の隙を突いて【カウンター】、【怪力】で拘束するよ!
今だよルク君!!
ルク君の攻撃が命中したのを確認したら、そのままブレーンバスター、からのドロップキックで吹き飛ばしてあげる!

どんな苦手な相手でも、ルク君と一緒なら、負けるわけないんだから!!



 リュウガが纏う冷気を素肌で感じ、クトゥルティアはぶるりと身震いした。
「私、寒いのはかなり苦手なんだよぉ」
 この季節に似合わぬ――否。常夏のこの島にあってはならない、寒さ。
「うっ……すごい強敵です……」
 リュウガの佇まいに只ならぬ凄味を感じたルクも、怯えたように尻尾を丸める。
 二人にとって、決して得意なタイプではない敵。
 だが、ここで食い止めなければ、島は破壊されてしまう。
「……で、でも、戦わなきゃ……」
「うん、逃げてられない! 行こうルク君、島を護るんだ!」
 勇気と戦意を振り絞り、二人はリュウガと対峙するのだった。

「凍りつけ!」
 リュウガが叫ぶと、冷気の中から氷の矢が現れる。
 二人めがけて飛ぶそれを、エネルギー体の大腕が遮った。
「そんなの絶対食らわないよ!」
 クトゥルティアが操る、サイキックエナジーの腕。
 次々と飛んでくる氷礫を、掴み取るように食い止めていた。
「クーさんのことは、傷つけさせません……!」
 空中に大きな盾を描くように、ルクが絵筆をぐるりと回す。
 描き出されたオーラの防壁が、大腕を逃れた氷を弾き飛ばした。
「防がれたか。だが……」
 冷気に魔力を送り込むように、リュウガが宙へ手を翳す。
 まだ氷矢を生成するに余りある魔力は残っているのだろう。
 だが、遅い。
「隙あり!」
 素早く死角を捉えたクトゥルティアが、リュウガの懐へと飛び込んでいた。
 自らの肉体とエナジーの大腕で、力任せに関節を固める。
「貴様……!」
「今だよルク君!」
 しっかりと動きを封じながらルクに合図を出す。
 クトゥルティアの視線の先には、油絵調の星々が煌めいていた。
 ルクが空中に描いた、魔力の込められた流れ星だった。
「はいっ! この星は、ボク達と島の人々の希望です!」
 ルクが絵筆を振り上げると、流星がリュウガめがけて降り注いだ。
 光り輝く星々が敵の全身を狙い、機械鎧に細かい亀裂を刻んでいく。
「くっ、戯言を……!」
 振りほどこうともがくリュウガ。だがクトゥルティアの力はあまりに強い。
「逃がしたりしないんだから!」
 流星がリュウガの頭部装甲にクリーンヒットし、保護ゴーグルに大きなひびが入った。
「よしっ、これなら……!」
 すかさず体勢を変え、クトゥルティアはリュウガのボディを頭上高く持ち上げる。
「覚悟!」
 まっすぐ垂直に、頭から投げ落とす。
 砂浜が深く抉れ、リュウガが地面へ倒れ込んだ。
「怖いけど……クーさんがいてくれるから、ボク、頑張ります!」
 ふらふらと立ち上がったリュウガの眼前に、ルクの描いた流れ星が迫る。
 眩い光にリュウガが思わず目を閉じた、その瞬間。
「どんな苦手な相手でも、ルク君と一緒なら、負けるわけないんだから!!」
 クトゥルティアのドロップキックが、リュウガの側頭を激しく打ち据えた。
 力強く激しい蹴撃を受け、リュウガは波打ち際まで吹き飛ばされたのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

アニカ・エドフェルト
この島の、力がどうとか、関係、ありません。
きれいな島を、作ってくれた、島民さんのためにも、この島は、あなたには、譲れませんっ

さて、微妙な距離を、取られると、面倒そう、ですから、
相手の頭上、ちょろちょろと、〈空中戦〉で、飛び回りながら、
要所要所で、〈グラップル〉〈怪力〉で、投げ飛ばしたりとか、関節極めとか、してみたり、相手を、逃さないように、してみます。
ちょっと間合い、取られたとしても、〈飛翔天使〉全力で、追いかけます。
あなたの氷柱と、どっちが先に、相手を削り切るか、勝負、ですっ

この島を、狙ったのが、あなたの、運の尽き、です。
その報い…全身で、味わってくださいっ

(アドリブ歓迎)



「何故そうまでしてこの島を護る? 『資源』は有効に使うべきものだろう」
 まるでこの島をただのエネルギー庫としか考えていないような、リュウガの言葉。
 その態度に強い憤りを覚え、アニカはぐっと拳を握りしめた。
「この島の、力がどうとか、関係、ありません」
 島となる前から蓄えられてきたエネルギーも、時間を経て築かれた豊かな自然も。
 全てこの島の住人たちが、いずれ訪れる客人を想い大切にしてきたものなのだから。
「きれいな島を、作ってくれた、島民さんのためにも、この島は、あなたには、譲れませんっ」
 翼を広げ、アニカはリュウガの元へと翔んだ。

(「どうにかして、有利な間合いに、入らないと、です」)
 敵の頭上をとり、アニカは仕掛けるタイミングを見計らう。
 氷礫を放つ敵相手に、距離をとって戦うのは命取り。
 得意な間合いに飛び込む隙を探すように、旋回しながらじりじりと距離を詰める。
「そこ、ですっ!」
 背後を取るように急降下。
 素早く首へ腕をかけると、地面めがけて叩きつけた。
「無駄なことを……!」
 体勢を整えながら、リュウガが氷弾を放つ。
 鋭利な氷を帯びた吹雪がアニカを吹き飛ばし、開いた傷口を蝕むように鋭い氷柱が身体の内側に伸びた。
「痛ぅ……ま、負け、ませんっ!」
 流れる血液も凍るほどの冷気の中、痛みをこらえアニカは全身にオーラを漲らせる。
 意志の力を振り絞り、距離を取ろうとするリュウガを追いかけた。
「諦めの悪い奴め。だがいつまで耐えきれるか」
「どっちが先に、削りきるか、勝負、ですっ」
 氷の刃が肌を斬りつけ、氷柱がじわじわと身を蝕む。
 痺れる腕にぐっと力を込め、アニカはしっかりとリュウガを抑え込んだ。
「くぅっ……まだ、戦え、ますっ!」
「その虚勢も、どこまで保つか……っ」
 リュウガの腕をぐっと捻り、アニカが関節技を極める。
 その肩には、氷柱が深々と刺さっていた。
 アニカとリュウガ、双方の表情が苦痛に歪む。
「……! 今、です……!」
「何っ!?」
 リュウガの意識が一瞬だけ揺らいだ、その刹那。
 アニカが、リュウガを思いきり担ぎ上げた。
「この島を、狙ったのが、あなたの、運の尽き、です」
 高く高く、垂直に飛翔する。
 夏風を受け、氷柱が少しずつ小さくなる。
「その報い…全身で、味わってくださいっ!」
「ぐぁっ……!」
 遥か真下へと、リュウガを投げ飛ばす。
 短い悲鳴と、砂浜を抉る衝突音。
 アニカが地上へ戻る頃には、リュウガは小さな冷気となり消え果ていたのだった。

 こうして、リゾート島「グラン・プルメリア」は壊滅の危機を免れた。
 戦いの跡が残る海岸も、しばらく経てば元の美しい景観を取り戻すことだろう。
 翌日鉄甲船が出港するまで、猟兵たちは思い思いに旅の最終日を満喫したのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2020年08月11日
宿敵 『『凍龍の支配者』リュウガ』 を撃破!


挿絵イラスト