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皆を狂わす、吸血鬼の血(作者 ヨグ
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 暗い古城の一室……その高貴な身なりの女性は、黒い影と対峙していた。
 禍々しい気を放つ影へと、静かに問いかける。
「わたくしを、斬るのですか……?」
「……まさカ。我ガ求むハ、吸血鬼の混血なリ。貴様ハ、吸血鬼ですラなイ、人ノ子だろウ?」
「そう……。」
 影の返す歪んだ声に女性は言葉に詰まり、険しい表情へと変わる。
「ならば、何故……ここに来たのです?」
「貴様ノ抱ク憎しみニ惹かれタまデ。……我ガ求メ、使役すルものヲ、貴様ハ憎んデいル。」
「あなたに……何が、解るのです。」
 静かに怒りに肩を震わせる女性からふわりと飛び退り際……一瞬だけ、影の下にある顔が覗く。
 影に使役される者……ダンピールの顔は、どことなく女性に面立ちが似ていて。
「あな、た……まさか……。」
「……じきニ、ここハ戦場トなル。」
「お待ちなさい! くっ……あの者を捕えなさい!」
 部屋から出ていく影へと、侍従たちを差し向ける。
 少女の姿をした侍従たちは、肩に身に合わない腕が揺れていた……。

「……とまぁ、オブリビオン同士の諍いが起きてるようだね。
 そのまま潰し合ってくれればいいんだが、どうもそういう雰囲気じゃないようだ。
 やれやれ、うまくいかないものだね。」
 ボヤくように紫煙を吐きながら話をしていたニャルラ。
 手にしたグリモアを輝かせると、壁に映るのは暗い古城で……廊下を走る黒い人影が見える。
「倒してもらいたいのはコイツでね。
 本体は黒い剣のようだが、コイツは吸血鬼との混血……ダンピールと呼ばれる者を操って動いている。
 ただの人や純血の吸血鬼より身に馴染むそうだが、その辺は好みの問題だろう。
 で、だ……放っておくと、コイツは城下の村人を斬り殺しに行ってしまうのさ。
 今ならまだ間に合う、君らが止めてくれ。」
 頼んだぞ、という言葉と共にゲートを開くと……ちょうど城門から影が現れた所だった。


ヨグ
 ヨグです、ダークセイヴァーの物語となります。
 混ざりものと、交ざりものと、混ざり気のないものと……。
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第1章 ボス戦 『彷徨える黒剣』

POW ●黒剣覚醒・時間加速
自身の【外装】に覆われた【神器】が輝く間、【黒炎を纏う黒剣】の攻撃回数が9倍になる。ただし、味方を1回も攻撃しないと寿命が減る。
SPD ●黒剣覚醒・時間遡行
あらゆる行動に成功する。ただし、自身の【宿主のダンピールの寿命】を困難さに応じた量だけ代償にできなければ失敗する。
WIZ ●黒剣覚醒・時間転写
自身の【宿主のダンピールの寿命】を代償に、【複数の過去】から召喚した【自分自身】を戦わせる。それは代償に比例した戦闘力を持ち、【自身のユーベルコード】で戦う。
👑11 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はリーヴァルディ・カーライルです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


アリス・セカンドカラー
お任せプレイング。お好きなように。
ふむ、寄生型の魔剣か、ま、どうとでもなるわね。
私の間合いは妄想世界(結界術)、即ち間合いに入った時点でイマジネイション・ロウの対象である。魔力振動の多重詠唱で一動作毎にリアルタイムでルールの宣告。魔剣にとって簡単な攻撃手段を指定しそれの成功をルールとする。
第六感で見切り、結界術で受け流し、化術で群体化してすかし、早業の先制攻撃で後の先とって神罰カウンターしたりでルール不成立を狙いましょう。
そして、それを可能とする神憑り(限界突破/リミッター解除/降霊)の術による神武不殺の戦闘技術よ。
さて、ルール不成立のペナルティにはどんな神罰が相応しいかしら?


「ふむ、寄生型の魔剣か。」
「ム?」
 呟きに勢いよく飛び退り、距離をとる黒い影。
 城門の影からクスクスと笑いながら現れたのは、アリス・セカンドカラー(不可思議な腐敗の魔少女・f05202)。
「ほウ、貴様……混ざリモノ、カ。」
「へぇ、解るのね。やっぱり、好きな物は手に入れたい質かしら?」
「ふン、我ガ前に現れタのガ、運の尽キよ!」
 影が広げた手には、黒炎を纏う魔剣が現れる。
 それを見たアリスの目が鋭く変わり、
「ま、どうとでもなるわね。」
「ほざケ!」
 影は一気に踏み込んで、アリスへと向かってきた。

「ふっふふ、わたしはこっちよ」
「……埒ガ明かんナ。」
 いくら踏み込んで斬りつけようともアリスは最小の動きで躱していく。
 時に見切られ、広げられた結界に阻まれ……影の身体から禍々しい光が立ち上る。
「一気ニ決メさせテもらおウ。」
「さぁ、出来るかしら?」
「舐めるナ!」
「あら……、」
 目にもとまらぬ一閃に、アリスの首が胴から離れていた。
「他愛ノなイ。」
「……早いのね♪」
「くッ!? 小賢しイ!」
 ポロリと落ちた首、そしてアリスの身体が小さなアリス達へと変わっていた。
 それらへと魔剣を振るっていくが、
「横斬りは禁止よ♪」
「じゃあ、縦斬りも禁止しちゃおう♪」
「踏み込みの足は右じゃ、ダーメ♪」
「ヌゥ、アああア!」
 ……一つ一つの動きを取る寸前、それを見たアリス達から口々に発せられるルール。
 事前に神を降ろし、人を超えた速度で世界を視るアリスに、影の攻撃を見てからルールを宣言するなど容易かった。
「く、グぬゥ……。」
「ふふ、良い姿になったわね♪」
 ルールを破るごとに身を引き裂くような痛みが走り、影が自身の体を見下ろせば……なぜか、痛みの走る場所には、ひらひらとしたメイド服。
 影から置き換えられ、身を削られた痛みだった。
「さぁ、次は何が着たいかしら?」
「……ふざケるナ!」
 叫びと共に、メイド服は内から膨れ上がる影に吹き飛ばされていく。
 その様を、アリスはクスクスと笑いながら見つめていた。
成功 🔵🔵🔴

祝聖嬢・ティファーナ
WIZで判定を
※アドリブ歓迎

「ミンナ気を付けてね☆」と言って『フェアリーランド』の壺の中から風/火の精霊と聖霊と月霊を呼んで『クリスタライズ』で姿を隠して『エレメンタル・ピクシィーズ』で属性攻撃を『神罰の聖矢』で聖属性攻撃を仕掛けます♪
敵の攻撃を『月世界の英霊』で空間飛翔して『月霊覚醒』で敵のUCを封印/弱体化させます☆
敵が強ければ『叡智富める精霊』+『神聖天罰刺突』で苛烈な猛攻を仕掛けます♪
猟兵の怪我人には『祝聖嬢なる光輝精』で傷を治し『シンフォニック・メディカルヒール』で状態異常を癒やします☆
機会を見て『聖精月天飛翔』で猟兵の補助攻撃兼敵を邪魔します!

「黒剣は舞い襲う敵、鎮魂致します!☆」


ナギ・ヌドゥー
あの歪な黒剣が本体か?
このダンピールは使い捨ての傀儡でしかない
憐れな半魔を今ここで開放してやろう

あの異様な剣の軌道は躱しにくく厄介
【ドーピング】藥投与により身体能力向上
【第六感・野生の勘】で剣の動きを察知し【見切り】致命傷を避ける
本体である剣を狙いその刃を削ぎ落していく

それでも敵UCを止めねば破壊は難しいか?
ならば呪獣ソウルトーチャーに【オーラ防御】を付与し敵の斬撃を受けさせる【盾受け】
受けと同時にUC発動、禍つの力で奴の動きを封じろ!
その黒剣はこの怨刃が断つ【部位破壊】


「あの歪な黒剣が本体か?」
「多分、そうだね。」
 立ち上がる影、そして鎖のように伸びる黒剣へと視線を落として呟くナギ・ヌドゥー(殺戮遊戯・f21507)と、隣に飛びながら応じていた、フェアリーの祝聖嬢・ティファーナ(フェアリーの聖者×精霊術士【聖霊術士】・f02580)。
 そんな二人に気が付いた影は黒剣を構え、
「だトしたラ?」
「そのダンピールの子を開放してもらうよ☆」
 ビシっ! と指さし、言い放つティファーナ。
「アンタにとってその憐れな半魔は、使い捨ての傀儡でしかないのだからな。」
 そしてナギも、鋸刃のような大鉈を手に身構える。
 二人に対し、影はニヤリと嗤うように視線をあげ、
「出来ルもノなラ、やっテ見るガいイ!」
 黒剣を手に斬りかかってきた。

「うわっと!」
「まずはオレが相手だ。」
 ティファーナが影の振るう刃をふわりと飛んで避け、その鎖のように伸びる黒剣へと大鉈を振り下ろすナギ。
 鞭のようにしならせ、さらに影本体も後ろに跳んで避けられると同時に、ナギは太ももへと薬液を流し込む。
「……なかなか厄介な。」
「ふン、貴様こソ。」
 影の突進と共に振るわれる黒剣が、薬で加速したナギの視界にゆっくりと迫ってくる。
 半身を躱して空いた手で受けつつ、大鉈を黒剣に叩き込み、
「ぐゥっ!」
「ちっ……身体が持たんな。」
 苦鳴を漏らしながら跳び退る影を見つつ、滴る血を振り払っていると、
「さぁみんな! 敵はあいつだよ、気を付けてね☆」
「くッ。」
 ティファーナの持つ壺から飛び出した火と風の精霊たちが、炎の矢を浴びせかける。
 纏った風で方向を変えて向かい来る矢に、影は黒剣を振るって叩き落とし、
「小癪ナ!」
「アンタの相手はオレだと言っただろう!」
 ティファーナへと黒剣を伸ばした時……ナギの手から滴る血を受けた、呪獣ソウルトーチャーが黒剣へと喰らいつく。
「禍つの力で奴の動きを封じろ!」
「ぐヌぅあア!」
 ソウルトーチャーの尾から生える骨針が黒剣へと突き刺さり、影は力が抜けていくのを感じた。
「き、貴様ァ!」
「舞い襲う黒剣は、鎮魂致します!☆」
 ティファーナの指が向けられ、天上から降り注ぐ聖なる光に照らされ、
「終わりだ。」
「ぐアあああア!」
 地面に突き刺さるほどの勢いで振り下ろされた大鉈に、黒剣の先が斬り放たれ……その先は塵となって消えていった。

 影が倒れているのをナギが見下ろしていると、
「うわ……ちょっと凄い傷。」
「……気にするな、いつもの事だ。」
「ううん、そうはいかないよ!」
 ナギの腕から流れる血は止まっていたが、黒剣の傷は決して浅くはなかった。
 見かねたティファーナの手が添えられると、暖かな光が傷へと沁みこむように差し込んでいて、
「これでどう?」
「ふむ。」
 試しに手を握ってみれば、痛みもなく元の通りになっていた。
「すまんな。」
「ううん、治ったなら良かった☆」
 そうティファーナが笑みを見せ、ナギの表情も少し緩んだ時、
「貴様ラ……ゆるさンぞ……。」
 地の底から響くような声で、影が起き上がってきた。
成功 🔵🔵🔵🔵🔴🔴

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※MSより
 身内に不幸があり、少しの間執筆が困難になります。
 参加をお考えの方は、26日以降のプレイングの送信をよろしくお願いします。
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ドゥルール・ブラッドティアーズ
共闘×
グロ×
SPD

半吸血鬼を欲するオブリビオンに
オブリビオンを愛する半吸血鬼。
私達、気が合いそうね

守護霊の【ドーピング】で戦闘力を高め
悲愴の剣の【衝撃波】や【2回攻撃】……当たらない?
相手の攻撃も、何度もやり直したかのように的確で
【第六感・見切り】でギリギリ避けたわ

この感覚は……貴方も時を操れるのね

『無情なる刻』で16.8秒の時止め。
本体の黒剣の柄を【怪力】で掴み【生命力吸収】

時が動き出し
宿主の攻撃や黒炎で抵抗されても
【激痛耐性・火炎耐性】と生命力吸収による回復で耐え
【呪詛耐性・気合い】で洗脳される事なく
逆に私の【呪詛】に染めるわ

私の血ならあげる。代わりに力を頂戴。
世界の理をも断ち切る力を!!


「ふぅん……貴方は半吸血鬼を欲するのね。」
 影の前にふらりと現れた、ドゥルール・ブラッドティアーズ(狂愛の吸血姫・f10671)。
 ドゥルールも吸血鬼を父に持つ、半吸血鬼だった。
「ほウ、貴様は混血カ。」
「そうよ、半分ずつね。」
 影の好奇の視線に対して笑みを返し、短剣を抜きながら軽く唇を舐め、
「半吸血鬼を欲するオブリビオンに、オブリビオンを愛する半吸血鬼。……私達、気が合いそうね?」
「ハッ、どウだろうナ!」
 構えているようには見えなかったが、手首のスナップだけで鞭のように黒剣を振るう影。
「くっ……。」
 まさに間一髪、身を躱したドゥルールの首のあった場所を通りすぎる黒剣。
 動きながら振るう短剣からは、悲鳴のような風切り音と共に呪詛の波動が飛ぶが……。
「当たら、ない?」
「貴様モな。」
 影の動きは、何度も繰り返した結果のように的確で。
「……ふふ。」
 ドゥルールが笑みを浮かべた時、その身を黒いドレスが包む。
「貴方もそう、なのね。」
 止まった時の中で、ドゥルールの呟きだけが響いていた。

「グ……貴様、いツの間ニ!?」
 笑みを浮かべたドゥルールの姿が消えたと思えば、今は黒剣の柄を掴まれていた。
 強い力で掴まれ、その手を振り払う事が出来ず、
「ち、力ガ、」
「貴方は、とても面白いわ。」
「くッ、貴様!」
 内の半吸血鬼から黒炎を噴き上げ、ドゥルールの肌を焼いていくが……その手を離すことはできなかった。
「放セ!」
「私の血ならあげる……代わりに力を頂戴。世界の理をも断ち切る力を!!」
「ぐ、アああア!」
 生命力を吸い上げられ、それを埋めるように呪詛が注ぎ込まれていく。
 ……その時、影が破裂するかのように炎を噴き上げ、ドゥルールの体を吹き飛ばした。
「……ふふ、最後までは奪えなかったわね。」
「キ、貴様……。」
 影の動かす身体はすでに満身創痍で……欠けた部分を影で補いながら立っている。
成功 🔵🔵🔴