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皆を狂わす、吸血鬼の血

#ダークセイヴァー

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#ダークセイヴァー


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 暗い古城の一室……その高貴な身なりの女性は、黒い影と対峙していた。
 禍々しい気を放つ影へと、静かに問いかける。
「わたくしを、斬るのですか……?」
「……まさカ。我ガ求むハ、吸血鬼の混血なリ。貴様ハ、吸血鬼ですラなイ、人ノ子だろウ?」
「そう……。」
 影の返す歪んだ声に女性は言葉に詰まり、険しい表情へと変わる。
「ならば、何故……ここに来たのです?」
「貴様ノ抱ク憎しみニ惹かれタまデ。……我ガ求メ、使役すルものヲ、貴様ハ憎んデいル。」
「あなたに……何が、解るのです。」
 静かに怒りに肩を震わせる女性からふわりと飛び退り際……一瞬だけ、影の下にある顔が覗く。
 影に使役される者……ダンピールの顔は、どことなく女性に面立ちが似ていて。
「あな、た……まさか……。」
「……じきニ、ここハ戦場トなル。」
「お待ちなさい! くっ……あの者を捕えなさい!」
 部屋から出ていく影へと、侍従たちを差し向ける。
 少女の姿をした侍従たちは、肩に身に合わない腕が揺れていた……。

「……とまぁ、オブリビオン同士の諍いが起きてるようだね。
 そのまま潰し合ってくれればいいんだが、どうもそういう雰囲気じゃないようだ。
 やれやれ、うまくいかないものだね。」
 ボヤくように紫煙を吐きながら話をしていたニャルラ。
 手にしたグリモアを輝かせると、壁に映るのは暗い古城で……廊下を走る黒い人影が見える。
「倒してもらいたいのはコイツでね。
 本体は黒い剣のようだが、コイツは吸血鬼との混血……ダンピールと呼ばれる者を操って動いている。
 ただの人や純血の吸血鬼より身に馴染むそうだが、その辺は好みの問題だろう。
 で、だ……放っておくと、コイツは城下の村人を斬り殺しに行ってしまうのさ。
 今ならまだ間に合う、君らが止めてくれ。」
 頼んだぞ、という言葉と共にゲートを開くと……ちょうど城門から影が現れた所だった。


ヨグ
 ヨグです、ダークセイヴァーの物語となります。
 混ざりものと、交ざりものと、混ざり気のないものと……。
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第1章 ボス戦 『彷徨える黒剣』

POW   :    黒剣覚醒・時間加速
自身の【外装】に覆われた【神器】が輝く間、【黒炎を纏う黒剣】の攻撃回数が9倍になる。ただし、味方を1回も攻撃しないと寿命が減る。
SPD   :    黒剣覚醒・時間遡行
あらゆる行動に成功する。ただし、自身の【宿主のダンピールの寿命】を困難さに応じた量だけ代償にできなければ失敗する。
WIZ   :    黒剣覚醒・時間転写
自身の【宿主のダンピールの寿命】を代償に、【複数の過去】から召喚した【自分自身】を戦わせる。それは代償に比例した戦闘力を持ち、【自身のユーベルコード】で戦う。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はリーヴァルディ・カーライルです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

アリス・セカンドカラー
お任せプレイング。お好きなように。
ふむ、寄生型の魔剣か、ま、どうとでもなるわね。
私の間合いは妄想世界(結界術)、即ち間合いに入った時点でイマジネイション・ロウの対象である。魔力振動の多重詠唱で一動作毎にリアルタイムでルールの宣告。魔剣にとって簡単な攻撃手段を指定しそれの成功をルールとする。
第六感で見切り、結界術で受け流し、化術で群体化してすかし、早業の先制攻撃で後の先とって神罰カウンターしたりでルール不成立を狙いましょう。
そして、それを可能とする神憑り(限界突破/リミッター解除/降霊)の術による神武不殺の戦闘技術よ。
さて、ルール不成立のペナルティにはどんな神罰が相応しいかしら?



「ふむ、寄生型の魔剣か。」
「ム?」
 呟きに勢いよく飛び退り、距離をとる黒い影。
 城門の影からクスクスと笑いながら現れたのは、アリス・セカンドカラー(不可思議な腐敗の魔少女・f05202)。
「ほウ、貴様……混ざリモノ、カ。」
「へぇ、解るのね。やっぱり、好きな物は手に入れたい質かしら?」
「ふン、我ガ前に現れタのガ、運の尽キよ!」
 影が広げた手には、黒炎を纏う魔剣が現れる。
 それを見たアリスの目が鋭く変わり、
「ま、どうとでもなるわね。」
「ほざケ!」
 影は一気に踏み込んで、アリスへと向かってきた。

「ふっふふ、わたしはこっちよ」
「……埒ガ明かんナ。」
 いくら踏み込んで斬りつけようともアリスは最小の動きで躱していく。
 時に見切られ、広げられた結界に阻まれ……影の身体から禍々しい光が立ち上る。
「一気ニ決メさせテもらおウ。」
「さぁ、出来るかしら?」
「舐めるナ!」
「あら……、」
 目にもとまらぬ一閃に、アリスの首が胴から離れていた。
「他愛ノなイ。」
「……早いのね♪」
「くッ!? 小賢しイ!」
 ポロリと落ちた首、そしてアリスの身体が小さなアリス達へと変わっていた。
 それらへと魔剣を振るっていくが、
「横斬りは禁止よ♪」
「じゃあ、縦斬りも禁止しちゃおう♪」
「踏み込みの足は右じゃ、ダーメ♪」
「ヌゥ、アああア!」
 ……一つ一つの動きを取る寸前、それを見たアリス達から口々に発せられるルール。
 事前に神を降ろし、人を超えた速度で世界を視るアリスに、影の攻撃を見てからルールを宣言するなど容易かった。
「く、グぬゥ……。」
「ふふ、良い姿になったわね♪」
 ルールを破るごとに身を引き裂くような痛みが走り、影が自身の体を見下ろせば……なぜか、痛みの走る場所には、ひらひらとしたメイド服。
 影から置き換えられ、身を削られた痛みだった。
「さぁ、次は何が着たいかしら?」
「……ふざケるナ!」
 叫びと共に、メイド服は内から膨れ上がる影に吹き飛ばされていく。
 その様を、アリスはクスクスと笑いながら見つめていた。

成功 🔵​🔵​🔴​

祝聖嬢・ティファーナ
WIZで判定を
※アドリブ歓迎

「ミンナ気を付けてね☆」と言って『フェアリーランド』の壺の中から風/火の精霊と聖霊と月霊を呼んで『クリスタライズ』で姿を隠して『エレメンタル・ピクシィーズ』で属性攻撃を『神罰の聖矢』で聖属性攻撃を仕掛けます♪
敵の攻撃を『月世界の英霊』で空間飛翔して『月霊覚醒』で敵のUCを封印/弱体化させます☆
敵が強ければ『叡智富める精霊』+『神聖天罰刺突』で苛烈な猛攻を仕掛けます♪
猟兵の怪我人には『祝聖嬢なる光輝精』で傷を治し『シンフォニック・メディカルヒール』で状態異常を癒やします☆
機会を見て『聖精月天飛翔』で猟兵の補助攻撃兼敵を邪魔します!

「黒剣は舞い襲う敵、鎮魂致します!☆」


ナギ・ヌドゥー
あの歪な黒剣が本体か?
このダンピールは使い捨ての傀儡でしかない
憐れな半魔を今ここで開放してやろう

あの異様な剣の軌道は躱しにくく厄介
【ドーピング】藥投与により身体能力向上
【第六感・野生の勘】で剣の動きを察知し【見切り】致命傷を避ける
本体である剣を狙いその刃を削ぎ落していく

それでも敵UCを止めねば破壊は難しいか?
ならば呪獣ソウルトーチャーに【オーラ防御】を付与し敵の斬撃を受けさせる【盾受け】
受けと同時にUC発動、禍つの力で奴の動きを封じろ!
その黒剣はこの怨刃が断つ【部位破壊】



「あの歪な黒剣が本体か?」
「多分、そうだね。」
 立ち上がる影、そして鎖のように伸びる黒剣へと視線を落として呟くナギ・ヌドゥー(殺戮遊戯・f21507)と、隣に飛びながら応じていた、フェアリーの祝聖嬢・ティファーナ(フェアリーの聖者×精霊術士【聖霊術士】・f02580)。
 そんな二人に気が付いた影は黒剣を構え、
「だトしたラ?」
「そのダンピールの子を開放してもらうよ☆」
 ビシっ! と指さし、言い放つティファーナ。
「アンタにとってその憐れな半魔は、使い捨ての傀儡でしかないのだからな。」
 そしてナギも、鋸刃のような大鉈を手に身構える。
 二人に対し、影はニヤリと嗤うように視線をあげ、
「出来ルもノなラ、やっテ見るガいイ!」
 黒剣を手に斬りかかってきた。

「うわっと!」
「まずはオレが相手だ。」
 ティファーナが影の振るう刃をふわりと飛んで避け、その鎖のように伸びる黒剣へと大鉈を振り下ろすナギ。
 鞭のようにしならせ、さらに影本体も後ろに跳んで避けられると同時に、ナギは太ももへと薬液を流し込む。
「……なかなか厄介な。」
「ふン、貴様こソ。」
 影の突進と共に振るわれる黒剣が、薬で加速したナギの視界にゆっくりと迫ってくる。
 半身を躱して空いた手で受けつつ、大鉈を黒剣に叩き込み、
「ぐゥっ!」
「ちっ……身体が持たんな。」
 苦鳴を漏らしながら跳び退る影を見つつ、滴る血を振り払っていると、
「さぁみんな! 敵はあいつだよ、気を付けてね☆」
「くッ。」
 ティファーナの持つ壺から飛び出した火と風の精霊たちが、炎の矢を浴びせかける。
 纏った風で方向を変えて向かい来る矢に、影は黒剣を振るって叩き落とし、
「小癪ナ!」
「アンタの相手はオレだと言っただろう!」
 ティファーナへと黒剣を伸ばした時……ナギの手から滴る血を受けた、呪獣ソウルトーチャーが黒剣へと喰らいつく。
「禍つの力で奴の動きを封じろ!」
「ぐヌぅあア!」
 ソウルトーチャーの尾から生える骨針が黒剣へと突き刺さり、影は力が抜けていくのを感じた。
「き、貴様ァ!」
「舞い襲う黒剣は、鎮魂致します!☆」
 ティファーナの指が向けられ、天上から降り注ぐ聖なる光に照らされ、
「終わりだ。」
「ぐアあああア!」
 地面に突き刺さるほどの勢いで振り下ろされた大鉈に、黒剣の先が斬り放たれ……その先は塵となって消えていった。

 影が倒れているのをナギが見下ろしていると、
「うわ……ちょっと凄い傷。」
「……気にするな、いつもの事だ。」
「ううん、そうはいかないよ!」
 ナギの腕から流れる血は止まっていたが、黒剣の傷は決して浅くはなかった。
 見かねたティファーナの手が添えられると、暖かな光が傷へと沁みこむように差し込んでいて、
「これでどう?」
「ふむ。」
 試しに手を握ってみれば、痛みもなく元の通りになっていた。
「すまんな。」
「ううん、治ったなら良かった☆」
 そうティファーナが笑みを見せ、ナギの表情も少し緩んだ時、
「貴様ラ……ゆるさンぞ……。」
 地の底から響くような声で、影が起き上がってきた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​


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※MSより
 身内に不幸があり、少しの間執筆が困難になります。
 参加をお考えの方は、26日以降のプレイングの送信をよろしくお願いします。
=============================
ドゥルール・ブラッドティアーズ
共闘×
グロ×
SPD

半吸血鬼を欲するオブリビオンに
オブリビオンを愛する半吸血鬼。
私達、気が合いそうね

守護霊の【ドーピング】で戦闘力を高め
悲愴の剣の【衝撃波】や【2回攻撃】……当たらない?
相手の攻撃も、何度もやり直したかのように的確で
【第六感・見切り】でギリギリ避けたわ

この感覚は……貴方も時を操れるのね

『無情なる刻』で16.8秒の時止め。
本体の黒剣の柄を【怪力】で掴み【生命力吸収】

時が動き出し
宿主の攻撃や黒炎で抵抗されても
【激痛耐性・火炎耐性】と生命力吸収による回復で耐え
【呪詛耐性・気合い】で洗脳される事なく
逆に私の【呪詛】に染めるわ

私の血ならあげる。代わりに力を頂戴。
世界の理をも断ち切る力を!!



「ふぅん……貴方は半吸血鬼を欲するのね。」
 影の前にふらりと現れた、ドゥルール・ブラッドティアーズ(狂愛の吸血姫・f10671)。
 ドゥルールも吸血鬼を父に持つ、半吸血鬼だった。
「ほウ、貴様は混血カ。」
「そうよ、半分ずつね。」
 影の好奇の視線に対して笑みを返し、短剣を抜きながら軽く唇を舐め、
「半吸血鬼を欲するオブリビオンに、オブリビオンを愛する半吸血鬼。……私達、気が合いそうね?」
「ハッ、どウだろうナ!」
 構えているようには見えなかったが、手首のスナップだけで鞭のように黒剣を振るう影。
「くっ……。」
 まさに間一髪、身を躱したドゥルールの首のあった場所を通りすぎる黒剣。
 動きながら振るう短剣からは、悲鳴のような風切り音と共に呪詛の波動が飛ぶが……。
「当たら、ない?」
「貴様モな。」
 影の動きは、何度も繰り返した結果のように的確で。
「……ふふ。」
 ドゥルールが笑みを浮かべた時、その身を黒いドレスが包む。
「貴方もそう、なのね。」
 止まった時の中で、ドゥルールの呟きだけが響いていた。

「グ……貴様、いツの間ニ!?」
 笑みを浮かべたドゥルールの姿が消えたと思えば、今は黒剣の柄を掴まれていた。
 強い力で掴まれ、その手を振り払う事が出来ず、
「ち、力ガ、」
「貴方は、とても面白いわ。」
「くッ、貴様!」
 内の半吸血鬼から黒炎を噴き上げ、ドゥルールの肌を焼いていくが……その手を離すことはできなかった。
「放セ!」
「私の血ならあげる……代わりに力を頂戴。世界の理をも断ち切る力を!!」
「ぐ、アああア!」
 生命力を吸い上げられ、それを埋めるように呪詛が注ぎ込まれていく。
 ……その時、影が破裂するかのように炎を噴き上げ、ドゥルールの体を吹き飛ばした。
「……ふふ、最後までは奪えなかったわね。」
「キ、貴様……。」
 影の動かす身体はすでに満身創痍で……欠けた部分を影で補いながら立っている。

成功 🔵​🔵​🔴​

水心子・真峰(サポート)
水心子真峰、推参
さて、真剣勝負といこうか

太刀のヤドリガミだ
本体は佩いているが抜刀することはない
戦うときは錬成カミヤドリの一振りか
脇差静柄(抜かない/鞘が超硬質)や茶室刀を使うぞ

正面きっての勝負が好みだが、試合ではないからな
乱舞させた複製刀で撹乱、目や足を斬り付け隙ができたところを死角から貫く、束にしたものを周囲で高速回転させ近付いてきた者から殴りつける
相手の頭上や後ろに密かに回り込ませた複製刀で奇襲、残像やフェイントで目暗まし背後から斬る、なんて手を使う
まあ最後は大体直接斬るがな

それと外来語が苦手だ
氏名や猟兵用語以外は大体平仮名表記になってしまうらしい
なうでやんぐな最近の文化も勉強中だ


雫石・凛香(サポート)
○アドリブ・MSさんの解釈による下記に沿わない動きも歓迎

オブリビオンへの恐怖で眠れなくなった姉のために戦う妹キャラ
性格はクール枠。冷静に物事を見て、必要そうな行動をとれます
敵への態度は苛烈。相手にどんな事情があろうと容赦はなし
反面、子供故の短絡さもあり、口が上手い相手だと挑発に乗せられるかも…

魔剣【鞘】という凛香の意思に従い姿を変える剣を持っており、形状変化による攻め手の多さとスピードで勝負するタイプ
逆に相手の攻撃を剣で受ける行為はパワー不足でほぼ不可能

UCは基本的に妖剣解放のみ
高い機動力で相手をかく乱し、衝撃波でヒット&アウェイが基本戦法

動きを封じることで先の展開が有利になれば剣戟結界も使用



「水心子真峰、推参。」
 その声に影が振り向けば、若い女武芸者の姿をした、水心子・真峰(ヤドリガミの剣豪・f05970)。
「ほウ。貴様は武器カ。」
「おや、解るのだな。だが、君のように人を操ってはいないがな。」
「……あなたがオブリビオンね。」
 鞘に入ったままの刀を手に影へと語り掛ける、雫石・凛香(鞘の少女・f02364)。
「そっちノは混血、カ。」
「……吸血鬼の血を引いている事、あなたに関係はないわ。」
「イイや、アる。」
 影は操るダンピールから黒炎を吹き出させ、それを体として剣を構える。
「これハもウ限界ダ。……貴様ノ身体を貰イ受ケる。」
「……させる訳ないでしょ。」
「同じ刀のヤドリガミとして、君を止めさせてもらう。」
「やっテみロ!」
 その言葉と共に影は黒炎を曳き、二人へと襲い掛かっていった。

「道具は人に使われてこそ価値がある……そう言う物もいるがね。」
 正面から襲い来る影を見据え、水心子は自身でもある太刀を周囲に大量に複製していく。
 念動力で浮かして影へと刃を向け、
「君のように、無理やり使わせるのは見過ごせないな。」
「はッ、戯言ヲ!」
 水心子の振る手に合わせ、嵐のように襲い来る太刀を、影の黒剣が弾き飛ばしていく。
「人ト合わせテこそノ、道具だろウ!」
「……お前にわたしの身体は渡さない。」
 そこへ雫石が一気に踏み込み、鞘から細身のレイピアを引き抜いて突きかかる。
 舞い踊る太刀の間から、小柄な雫石でも扱いやすい軽い刀身による高速の突きに、影はすっかり翻弄されていく。
「わたしが凛子を、姉を護るの!」
「くッ、早いナ……グアアアア!」
 突然、背後から袈裟懸けに斬り払われる影。
「き、貴様ァ!」
「悪いな、君を生かしておくわけにはいかないんだ。」
 いつの間にか後ろに回り込み、短刀のサイズの木刀で斬りつけた水心子。
 しかし、崩れかけた身体を繋ぎ止める黒炎を斬り裂くには十分で、
「【鞘】、応えて!」
「がハ!?」
 影の注意が逸れた瞬間、レイピアを鞘に戻して引き抜く雫石。
 自在に姿を変える刃が次に姿を変えたのは居合刀で……影の首を一撃で断ち切った。
「ク、くっクッくッ……これデ、良イ。」
 黒剣が砕け散るとともに纏っていた影が消え、1人のダンピールは安らかな顔で塵となっていった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​




第2章 集団戦 『人体キメラ部隊』

POW   :    悪鬼投与
【身体超強化薬の投与による制御不能な狂暴性】【戦闘行為への常軌を逸した多幸感】【鈍化した痛覚】を宿し超強化する。強力だが、自身は呪縛、流血、毒のいずれかの代償を受ける。
SPD   :    蹂躙体術
【スカート内に格納している全武装の破棄】により、レベルの二乗mまでの視認している対象を、【超高速移動と背面の巨腕による体術】で攻撃する。
WIZ   :    四腕斉射
【背面の巨腕と本体が装備した銃器による弾幕】を放ち、自身からレベルm半径内の指定した全ての対象を攻撃する。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 影は最後にこう言った……『これで良い』と。
 どういう意味だ? と猟兵達が考えた時、複数の足音が城門から現れた。
「おやぁ……捕まえるはずの者がいないなぁ。」
「お前らが、倒しちまったのかぁ?」
 現れた少女達が猟兵達へと問いかける。
 だが、それに答える間もなく、
「どっちでもいいやぁ……お前らを叩き潰せばぁ、お館様もよろこぶだろぅ!」
 スカートから武器を出し、その身体に似合わぬ巨大な腕で殴り掛かってきた。
祝聖嬢・ティファーナ
WIZで判定を
※アドリブ歓迎

『フェアリーランド』の壺の中から風/戦乙女・聖霊・月霊を呼んで、“七色こんぺいとう”を配ってから『クリスタライズ』で姿を隠して『エレメンタル・ピクシィーズ』で属性攻撃を『神罰の星矢』で聖攻撃を仕掛けます♪
敵の攻撃を『月世界の英霊』で空間飛翔して避けながら敵のUCを『月霊覚醒』で封印/弱体化させて、『聖精月天飛翔』でWIZを強化して『叡智富める精霊』+『神聖天罰刺突』で苛烈な猛攻を仕掛けます☆彡
猟兵の怪我人を『祝聖嬢なる光輝精』で治して『シンフォニック・メディカルヒール』で状態異常を癒やします♪

「ミンナ、気を付けて頑張ってね!お守りに“こんぺいとう”あげるね!☆彡」


アリス・セカンドカラー
お任せプレイング。お好きなように。
汝が為したいように為すがよい。

あー、どうしたものかしらねぇ。
厄災迷宮戦で軽い燃え尽き症候群に陥っててあんまりヤル気が起きないのよねぇ。
……面倒だし、まとめて捕食してしまえばいいか。不可思議なる蝕害齎す悪霊の女蝗で飛蝗の群体に変身するわ。伝承において全てを喰らう悪魔とすら称された“災害”そのものを果たして耐えきれるかしら?
ああ、不可思議体の群体全てが分身であり本体でもあるから、全部つぶさないと止まらないわよ?



「あー、どうしたものかしらねぇ……。」
 殴り掛かってくる少女の剛腕を躱しながら、どこか上の空に言葉を紡ぐアリス。
「この前の戦争で軽い燃え尽き症候群に陥ってて、あんまりヤル気が起きないのよねぇ。」
「だったらぁ、素直に殴られろぉ!」
「それはお断りよぉ。」
 少女たちと共に間延びした口調で言い合っていると、周囲に現れたのは様々な精霊たち。
 片隅に落ちている壺から現れた者たちへ、ティファーナは七色こんぺいとうを配り、
「ミンナ、気を付けて頑張ってね! お守りに“こんぺいとう”あげるね!☆彡」
 頷いた精霊たちは自身の司る属性の矢と変わり、最も力のある月の精霊の導きによって少女たちへと降り注いでいった。

「……しゃらくせぇ!」
 対する少女たちはスカートからマスケット銃を取り出し、無差別に撃ち放ち始めた。
「避けて、ミンナ!」
 しかし、所詮は真っ直ぐにしか進まぬ弾丸……意志を持つ精霊たちはティファーナの声に合わせて弾丸を掻い潜り、少女たちへと突き刺さる。
「ぐあああぁ!」
「ちぃ、握りつぶしてやるぅ!」
「へへーん、そう簡単に捕まれないよー!」
 少女たちから素早く離れていくティファーナと精霊たち……。
「……ふーん、そういう戦い方もあるわね。」
 それを見ていたアリスもスカートをバサリと叩くと、下から飛び出すのは蝗たち。
 伝承において、全てを喰らう悪魔とすら称された“災害”……アリスの身体が全て、彼らに変わる。
「まとめて捕食してあげる。」
「ぐあぁ、なんだぁこいつはぁ!」
 少女たちも体に取り付いた蝗を振り払い、握りつぶすが、
「ふふ、その程度で終わらないわ。この不可思議な群れは、すべてが分身体でわたしでもある。」
「痛ってぇ! くっそぉ、離れろぉ!」
「つまり……全部潰さないと止まらないわよ。」
 戦いに高揚していた少女たちの顔が、はじめて恐怖に歪む。
 相手は人ではなく、攻撃の通らぬエネルギー体と生きたまま貪り喰う蟲の群体……自分たちの手に負える相手ではない。
「や、やめろぉ……。」
「離れてくれぇ!」
「ふふふ……そうはいかないわ。」
「さぁミンナ、いくよ!」
 アリスの群体に足を喰われて動きの止まった少女たちへ、聖なる武器へと化した精霊たちと共にティファーナが飛ぶ。
「神罰なる天罰の刺突を!☆彡」
 矢、槍、鉾、杭……様々な形状の聖なる武器が、少女たちの心臓を貫く。
 そのまま少女たちは黒い塵へと変わり、それも蝗の群れに喰いつくされていった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

火土金水・明
「この世界を少しでも平和に進めるためにも、あなた達を全力で攻撃させてもらいます。」
【WIZ】で攻撃です。
攻撃は、【高速詠唱】で【破魔】と【継続ダメージ】と【鎧無視攻撃】を付け【フェイント】を絡めた【全力魔法】の【新・ウィザード・ミサイル】を【範囲攻撃】にして、『人体キメラ部隊』達を纏めて【2回攻撃】します。相手の攻撃に関しては【見切り】【残像】【オーラ防御】で、ダメージの軽減を試みます。
「(攻撃を回避したら)残念、それは残像です。」「少しでもダメージを与えて次の方に。」
アドリブや他の方との絡み等はお任せします。



「お前もぉ、邪魔をするのかぁ?」
「さて、どうでしょうね。」
 城から現れた少女たちと相対するのは、火土金水・明(夜闇のウィザード・f01561)。
 つばの広い帽子の下で薄い笑みを浮かべ、
「まぁ、あなた達はこの世界に良い影響を与えませんからね。全力で排除させてもらいます。」
「……出来るものならぁ、やってみろぉ!」
 明の余裕のある笑みが癪に障ったか、元々戦いに飢えていたか……少女たちはばさりとスカートを翻すと、取り出したのは大型のマスケット銃。
 自身の両の腕、そして肩の腕で掴み上げ、容赦なく明へと撃ち放っていた。

 立ち昇る硝煙の中、少女たちが明のいた場所へと目を向けている。
「やったかぁ?」
「ふふ……残念。」
 かけられた声は背後から。
 少女たちが振り向いた時には、明の周りには無数の魔力の矢が浮かび上がっていた。
「あなた達の弾丸が貫いたのは、私の残像です。」
「て、てめぇ!」
「さぁ……今度は、私から。」
 言葉の途中から解き放たれる魔力の矢。
 飛ぶ間に様々な属性を帯び……少女たちは避ける間もなく貫かれていく。
「熱ぅ!?」
「ぐあぁ、凍りついてぇ、痛ぇ!」
 様々な属性で撃ち貫かれ、やがて内から浄化されていく少女たち。
 悲鳴はすぐに止み、あとには塵が横たわっていた。
「プレゼントはお気に召したようで何より。」
 その様を見た、明の満足げな言葉だけが残っていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ドゥルール・ブラッドティアーズ
共闘×
グロ×
SPD

野蛮な子達ねぇ……
いいわ、遊んであげる

真の姿で背中に黒炎の翼。
守護霊の憑依【ドーピング】で更に強化しつつ
『無情なる刻』の高速移動と【ダッシュ】で彼女達の速さに対抗。
【第六感・見切り・怪力・早業】で巨腕の連撃を受け止める

無駄無駄無駄無駄ぁッ!!
330種以上のオブリビオンと共に在る私は
肉体どころか魂がキメラなのよ!

無情なる刻で17.8秒の時を止め
【呪詛・属性攻撃】の黒雷を圧縮した【槍投げ・乱れ撃ち】で
彼女達の影を縫い付ける【マヒ攻撃】

そんなに野蛮だと可愛いお顔が台無しよ?
戦いよりも、ずっと楽しいコト教えてアゲル♥

【誘惑・催眠術】で愛を囁き
スカートの中に手を入れ【慰め・生命力吸収】



「全く、野蛮な子達ねぇ……。」
「あぁ?」
 ふわりと降り立ったドゥルール・ブラッドティアーズ(狂愛の吸血姫・f10671)を、見上げる少女たち。
 漆黒のドレスの背で黒炎の翼を広げ、ドゥルールは少女たちを見渡しながらぺろりと舌なめずりをし、
「いいわ、遊んであげる。」
「……やってやらぁ!」
 ガシャガシャと、少女たちのスカートの中から落ちる重火器。
 そうして身軽になった少女たちは剛腕を振りかぶりながら、ドゥルールへと殴り掛かっていった。

 ぶん! と空を切る少女たちの腕。
「ふふ、そんなに怖い顔しなくてもいいじゃない?」
「なめるなぁ!」
 捉えたと思えばそこにはおらず、背後から聞こえるのはドゥルールの声。
 そこへ少女は振り向きもせずに肩の拳をぶち込むが、
「……なにぃ!?」
「無駄よ。」
 肩の剛腕に対し、指の太さほどしかないドゥルールの手で受け止められていた。
「数多のオブリビオンと共に在る私は、肉体どころか魂がキメラなのよ!」
「くぅ!?」
「動け、ねぇ!」
 気が付けば、少女たちの影には黒雷の槍が突き刺さり、身動きが取れなくなっていた。
 困惑する少女たちの中、ドゥルールは最初に剛腕を捉えた少女へと指を絡めてにじり寄り、
「そんなに野蛮だと、可愛いお顔が台無しよ?」
 その細い指は、少女たちの服の下へと滑り込んでいく。
「ひ……や、やめぇ。」
「戦いよりも、ずっと楽しいコト教えてアゲル♪」
 あとには嬌声だけが響いていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『純血姫レヴリス・シルバームーン』

POW   :    第四の旋律・灼かれて滅せよ
【敵への憎しみから生み出される「灼滅の炎」】が命中した対象を燃やす。放たれた【憎しみの】炎は、延焼分も含め自身が任意に消去可能。
SPD   :    第五の旋律・番犬の刃
【三つ首の番犬】の霊を召喚する。これは【牙】や【炎を吐くこと】で攻撃する能力を持つ。
WIZ   :    終の旋律・忘却への道標
対象の攻撃を軽減する【天使の姿】に変身しつつ、【全てを忘れ眠るように命を奪う浄化の光】で攻撃する。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はマヒル・シルバームーンです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 少女たちを倒し終えた時……城門から現れたのは、漆黒のドレスを纏った城主。
「あなたたちは、あの子を……。」
 その言葉には、深い悲しみが感じ取れる。
 かつての自身の子、吸血鬼との混血の子を失った……と。
「許せません……刺し違えてでも、あなたたちは。」
 そして、美しい歌声が響き渡る。
 本来の子であるかどうか、見間違えているのではないか……そんなことはすでにどうでもいい。
 深い怒りと悲しみの歌声と共に、猟兵たちの頭に黒剣の最期の言葉がよぎる。
『これデ、良イ。』
祝聖嬢・ティファーナ
WIZで判定を
※アドリブ歓迎

『フェアリーランド』の壺の中から風精霊・戦乙女・天使を呼んで『クリスタライズ』で姿を隠して『エレメンタル・ピクシィーズ』で属性攻撃を『神罰の星矢』で聖攻撃を仕掛けます!☆
敵の攻撃を避けれない時は『月世界の英霊』で空間飛翔して、敵のUCを『月霊覚醒』で封印/弱体化をします♪
『聖精月天飛翔』でWIZを強化して『叡智富める精霊』+『神聖天罰刺突』で苛烈な猛攻を仕掛けます!☆

「旋律は心を癒し勇気を奮い立たせる音楽です!」
『祝聖嬢なる光輝精』で怪我を治して『シンフォニック・メディカルヒール』で状態異常を癒やします♪

「“聖浄なる楽園”へ還して、悔い改めなさい!☆」
「聖精清浄!」



「悲しむのは解るけど、」
 手にした壺から、ティファーナは精霊たちを呼び出していく。
 そして、歌い上げる女性をびしりと指差し、
「旋律は心を癒し、勇気を奮い立たせるものです!」
 声に合わせ、聖なる矢となった精霊たちは女性へと飛来した。
「……あなたには解らないでしょうね。」
 その矢が突き刺さると同時に、女性の姿が光に包まれる。
 矢の傷も気にせずに、光の中でばさりと純白の羽を広げた姿は、まさに天使のようだった。
「自身の過ち……そして、それでも愛しい我が子を失う辛さは。」
 祈るように両手を合わせ、再び歌声が響く。
 歌と共に、周囲に光が解き放たれた。

「確かに、キミの気持ちはボクには解らないけど、」
 女性の放つ浄化の光の中へ、ティファーナは光の精霊たちと共に飛び込んでいった。
 冷たい殺意の篭もる光を、精霊たちの変じた神聖な光の武器で斬り裂きながら、
「キミのことは放っておけないよ!」
「くっ……。」
 その勢いのまま突き刺さる槍や鉾に、女性の顔が苦痛に歪む。
「聖精清浄! “聖浄なる楽園”へ還して、悔い改めなさい!☆」
 ティファーナの手が光の武器へと添えられると、神罰の光が女性へと降り注ぐ。
 しかし……、
「あぁ……ああああ!」
 それでも、女性の口からは叫ぶような歌声が響き渡っていた。
「まだ……まだ、私は……。」

大成功 🔵​🔵​🔵​

アリス・セカンドカラー
お任せプレ、汝が為したいように為すがよい。

ふふ、心地がよい呪詛ね。では、遠慮なくいただきます♪
「灼滅の炎」も憎しみも、サイキックヴァンパイアたる私には上質のエナジーでしかないわよ☆
あは♪強い感情はやはり極上よね♡ええ、あなたの憎しみも悲しみも全部略奪して捕食しつくしてあげる♪
でも、オブリビオン相手ならやっぱりコレ、破壊の衝動を情熱の炎に焚べて燃え上がらせるのがとーってもおいしいの♡
ふふ、もう私のことしか考えられないでしょ?ええ、ええ、嫌な事は全部私が捕食して忘れさせてあげる♪だから仲良くしましょ、ママ☆
あら、相手の大事な者に成り代わるのは寄生の基本でしょ♡
魂までしゃぶり尽くしてあげるわ♪



「あなたも……あの子を奪ったのですね。」
「さぁ、それはどうかしら?」
 憎しみの篭もる視線を真っ向から受け止めながらも、楽し気に返すアリス。
「私は遊んであげただけよ。」
「……許せない。」
 嘲るような笑い声に対し、女性が静かに手を向ける。
 足元からは炎が上がり……ぺろりと舌なめずりをしたアリスは、灼滅の炎の中へ呑み込まれていった。

「あは……強い感情は、やはり極上よね♪」
「な……。」
 炎の中で楽し気に揺らめく人影に目を剥く女性。
「無事で済むはずが、」
「ふふ、仮初の身体を焼かれても何も困らないわ♪ それに、」
「……滅しなさい!」
 灼滅の炎がその勢いを増した時……揺らめく人影の顔が、女性の目に入った。
「なん……で……。」
 そこにいるのは、かつての我が子。
 思わず炎の中へと手を伸ばし……引っ張り上げたその姿は、間違いなくアリスだが、
「ああ……大丈夫、なの?」
「ふふ……もう、私の事しか考えられないでしょ?」
 噛み合わない会話。
 しかし、女性の腕の中には焼け焦げた我が子がいる……腕の中のアリスをそうだと信じこまされている。
「ごめんなさい、あなたを焼く気は」
「ええ、なかったでしょうね☆」
 おろおろと言葉を呟く女性にアリスから抱き付き、向けられる感情を全て吸い取っていく。
「さぁ……嫌な事は、全部私が捕食して忘れさせてあげる♪ だから、」
 その唇が塞がれた時、
「仲良くしましょ、ママ☆」
「……違う。」
 先ほどまでの狼狽えとは違う、刺すような視線。
 それを感じた瞬間、アリスもふわりと女性の腕の中から逃れた。
「あらあら、まだ自我を保てるのね。」
「あの子を……なぜ、あなたが。」
「あら、相手の大事な者に成り代わるのは寄生の基本でしょ?」
 くすくすと笑いながら応えるアリスを貫く、悲しみと憎しみの篭もる視線。
「あなたの中の我が子を引き出しただけよ。私は、あなたの子の事は知らないわ。」
「……許せない。」
「だったら、どうするのかしら?」
 しかし、サイキックヴァンパイアであるアリスにはそれすらも心地よい。
 笑みへと返されるのは、静かに響き渡る憎しみの歌声だった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

雛里・かすみ(サポート)
 バーチャルキャラクターの戦巫女×UDCメカニックの女性です。
 普段の口調は「明るく朗らか(私、あなた、~さん、なの、よ、なのね、なのよね?)」
寝起きは「元気ない時もある(私、あなた、~さん、ね、わ、~よ、~の?)」です。

 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、
多少の怪我は厭わず積極的に行動します。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
また、例え依頼の成功のためでも、
公序良俗に反する行動はしません。

明るく朗らかな性格の為、
男女分け隔てなくフレンドリーに会話を楽しみます。
どんな状況でも、真面目に取り組み
逆境にも屈しない前向きな性格です。

 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!



「なんて悲しい歌声なの……。」
 戦場に響く深い悲しみの歌声に、薙刀を構えつつ呟く、雛里・かすみ(幻想の案内人・f24096)。
「でも、あなたが復讐するべき相手は、私たちじゃないよ。」
「……あの子を殺したのは、あなたたちでしょう。」
 女性は雛里の言葉に耳を傾ける気はないようだ。
 しかし、彼女の言う我が子とは、
「魔剣が操っていた人は、あなたの子じゃない」
「いいえ、そんなはずはありません。」
 深く静かに雛里の言葉を遮り、女性の姿は天使のものへと変わっていく。
 亡くした子を想い、囚われ続けるモノ……雛里は、祈るように歌う女性を映す瞳に憐みを浮かべつつ、
「そう……それなら、私も何も言わない。」
 手にした薙刀が、七色に煌めく蓮の花びらとなって零れ落ちる。
 ふわりと雛里の周りに花びらが浮かび上がった時、女性の放つ眩い浄化の光に包まれた。
「ここであなたを倒すよ。」
「くっ、」
 光の中から襲い来る、七色の煌めき。
 花びらは女性の身を斬り刻んでいく。
「悲しみを終わらせるためにね!」
 身を焼く浄化の光は花びらに遮られ、雛里へと届くことはない。
 花びらの嵐に斬られ、吹き飛ばされ……とさりと倒れる音が響いた。

成功 🔵​🔵​🔴​

ドゥルール・ブラッドティアーズ
共闘×
グロ×
POW

真の姿で背中に黒炎の翼。
彼女の炎に【火炎耐性・激痛耐性・気合い】で
ひたすら耐える

私も吸血鬼の父と人間の母の間に生まれた混血。
貴女の憎悪を受け止める義務があるわ。
気が済むまで、やって頂戴

憎悪を吐き出して彼女が落ち着いたら
私ではなく、彼女に守護霊を憑依【ドーピング】
黒剣から吸収した魂の欠片に
子の意識が少しでも残っていると信じて

親子を再会させる事が出来たら
『血統覚醒』で戦闘力を高め
効力の増した【誘惑・催眠術】で説得

私が貴女達を保護するわ。
二度と離れ離れになんてさせない。
私と同じ苦しみを味わわせはしない

自身も母の温もりを求めるように抱きしめ
【吸血】で仄かな快楽を与えつつ【生命力吸収】



 倒れた女性を抱え起こすドゥルール。
「目覚めたのね。」
「……あなた、も。」
 語り掛けたドゥルールの口元を見上げた女性の表情が、一気に強張る。
 吸血鬼の血を引く事を現す、尖った犬歯……。
「あの子、を……!」
 憎しみの目が向けられ、ドゥルールの身体が炎に包まれていく。
「あなたの憎しみをぶつけて……気が済むまで。」
 しかし、女性を見下ろす漆黒の瞳は、どこまでも穏やかだった。
 肌を焼かれながらも、抱きしめる力は変わらず……。
「なぜ……。」
「ふふ……何でかしらね。」
 すっかり勢いの弱まった炎の中、払いのけるようにドゥルールの黒炎の翼が開かれる。
 揺らめく視界の中……女性を覗き込む顔がもう一つ。
「あな、た……。」
 それは、魔剣の持ち主の魂の欠片。
 ドゥルールの取り込んだモノから再構築された魂……。
「貴女が会いたかったのは、この子でしょう?」
「あぁ……あなた、が。」
 縋るように抱き付く女性を、ドゥルールはそっと抱きしめる。
 その背をさすりながら、
「私が貴女達親子を保護するわ。二度と、離れ離れになんてさせない……。」
「……ふふ。」
 女性の笑みに目を向けると、すっかり落ち着いた様子で見つめ返され、
「本当は解っていたわ……この子が、私の子じゃないって事を。」
「……え?」
「でも……ありがとう。」
 そう呟きを残し、女性の身体は塵へと変わっていった。
「……どういたしまして。」
 手に残る塵へと、ドゥルールも言葉を返す。
 子を想う、母の魂の温もりを感じながら……。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2020年10月01日


挿絵イラスト