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大切な人は誰?(作者 彌厘
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●こんな私でよければ
 目が覚めたら世界は真っ暗だった。
 埃っぽく冷たい床から上半身を起こして辺りを見回す。どうやら室内のようだが薄暗くてここがどこなのかはわからない。
「嘘ダ。コンナ事、アルハズナイ……! 嘘ダ!」
 聞き覚えのない男性の声がする。ひどく怯えた声だ。
「嘘ではありませんよ。あなたは救われたのです」
 また別の落ち着いた穏やかな男性の声。
 何があったのだろう。
 闇に慣れてきた目で声の聞こえた方を見た。
 そこにいたのは長い髪の男性と――。
「ひっ!」
 化け物がいた。
 人間と複数の動物が合わさった異形の怪物。それがそこにいた。
「ああ、気が付かれたのですね」
 長髪の男性がこちらに歩み寄ってくる。彼は場違いなほど穏やかに微笑んだ。
「大丈夫ですよ。すぐに貴女も救って差し上げますからね」
「嘘ダ……嘘ダ……!」
 怪物は泣いているようだった。
「何を……どういう……?!」
 何も理解できなかった。けれどもおそらく、私は今日死ぬのだろう。そんな予感がした。
 逃げ出したいけれどもそれはできない。一年前の交通事故で私の下半身はもう動かなくなってしまったから。
 まだ彼からのプロポーズの返事をしていなかったのに。最期に、彼に会いたかった……。

●グリモアベースにて
 グリモア猟兵のアリス・トゥジュルクラルテ(白鳥兎の博愛者・f27150)はひどく深刻な表情で集まった猟兵たちに説明を始めた。
「UDCアース、人、次々、いない、してる、です。老若男女、関係、ない、でも、重病、大ケガ、ある、人、ばかり、行方不明、です」
 とある町で年齢や性別を問わず一般人がUDCに拉致されているのだという。
「どこ、いる、わかる、ない、です。だから、まず、探す、ください」
 まずは町で情報収集だ。行方不明者の知り合いに話を聞いたり、被害者が拉致された現場付近を調査したりなどが考えられる。
「その、場所、UDC……と、思う、者、いっぱい、いる、です。それ、どうにか、する、です。そしたら、攫う、した、ボス、倒す、です」
 UDCだと思うとは妙に歯切れが悪い説明だ。猟兵が指摘すればアリスは申し訳なさそうな表情になる。
「ごめんなさい……。オブリビオン、詳しい、わかる、ない、です。でも、普通、オブリビオン、違う、気、する、です。……とても、悪い、予感、する、です」
 アリスは胸の悪くなるような何かを予知から感じたようだ。
「でも、オブリビオン、倒す、しないと、助ける、できる、人、助ける、できる、ない、です。だから、覚悟、する、行く、ください」
 そう言うとグリモア猟兵は深々と頭を下げた。





第3章 ボス戦 『救済者アルファ・ニール』

POW ●兄弟仲良く…
戦闘力のない【操り人形に改悪したクローン聖者の失敗作達】を召喚する。自身が活躍や苦戦をする度、【自身の勝利を祈る様洗脳した聖者達の加護】によって武器や防具がパワーアップする。
SPD ●どう救う?
対象への質問と共に、【自分がこれまで力を植え付けた人々の中】から【暴れるしか能のない怪物になり果てた子供達】を召喚する。満足な答えを得るまで、暴れるしか能のない怪物になり果てた子供達は対象を【怪光線や鋭利な牙、巨大化した爪による暴力】で攻撃する。
WIZ ●憎たらしい…!
【敵対する猟兵のユーベルコードのエネルギー】【を取り込みその強さへの嫉妬と憎悪により】【奪ったユーベルコードの力をコピーする事で】で自身を強化する。攻撃力、防御力、状態異常力のどれを重視するか選べる。
👑11

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠キリエ・ニールです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


「あはははは!」
 繋ぎ合わされし者たちが無力化されたのを見て男は狂ったように笑った。
「……たかが人間風情が私の崇高な救いを邪魔するとは。憎たらしい。ああ、憎い。憎い憎い憎い憎い憎い!」
 表情とは裏腹にその目は猟兵への憎悪に満ちていた。
 しかし男は突然動きを止める。そして何もない宙をじっと見つめた。
「……ええ。そうですね。私があの者たちを救ってご覧に入れましょう」
 男は何事もなかったように柔和な笑みを浮かべて猟兵たちに視線を戻す。
「そういえば、自己紹介がまだだったね。私は救済者アルファ・ニール。人によって生み出された、聖者のクローンだよ。以後、お見知りおきを」
 被っていた白いシルクハットを取って一礼して見せた。
 それと同時に男――アルファの周囲の床が赤く光る。その光の中から彼によく似た者たちがゆらりと立ち上がる。しかし彼とは違いその顔に表情はなくその瞳には何も映さない。アルファを守るようにただそこに立っていた。
「さあ猟兵。彼らをどう救う?」
 アルファの言葉と共に今度は猟兵たちの目の前の床が赤く光る。そこからずるりと出てきたのは子どもたちだった。彼らの腕は異様に大きい。爪は動物のように鋭く長い。口からは肉食獣のような牙がのぞいている。
「救えないのなら彼らが……私が君たちを、猟兵と言う名の呪いから救ってあげるよ!」
 子どもたちがこちらを見た。
「オモチャ」
「アソボウ」
「アソンデ」
 彼らは巨大な両腕を振り回しながら猟兵たちに襲いかかってくる。