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刀剣吹き荒れる中で!

#カクリヨファンタズム

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#カクリヨファンタズム


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●カクリヨファンタズム
 紫塞のオーラスの企みによって、『刀』に覆われた幽世は、刀剣の嵐が吹く『殺戮の世界』となっていた。
「この世に留まりたいのであれば、戦え! ここでやるべき事は、自らの命を懸けて戦う事。それ以外の選択肢など存在していない。むしろ、選択する権利など、貴様らにはない。ただ戦う事だけが、貴様らに許された道だ! 故に弱きモノは滅びよ! そして、骸魂の糧となれ!」
 紫塞のオーラスが叫び声を響かせ、まわりにいる妖怪達を嗾けた。
 だが、妖怪達に拒否権はない。
 既に、東洋妖怪と西洋妖怪に分かれて、戦いが始まっている。
 そこで戦いを拒む者は、刀剣の餌食になり、辺りを飛び交う無数の骸魂に飲み込まれ、オブリビオンと化していった。
 それは、まるで世界の終わり。
 見渡す限り、刀剣が荒れ狂う中、妖怪達に逃げ場はなかった。

●ガジルからの依頼
「みんなに頼みたい事があるんだよ!」
 ガジル・コリアンダー(キマイラのスカイダンサー・f00907)が真剣な表情を浮かべ、今回の依頼を説明した。
 今回の目的は、紫塞のオーラスの撃破。
 ただし、紫塞のオーラスを撃破するためには、妖怪達を蹴散らし、要塞化した神社を突破し、その先にある城に向かう必要があった。
 この戦いに敗北した妖怪達は、骸魂に飲み込まれてしまうが、紫塞のオーラスさえ倒す事が出来れば、救出する事が可能なようである。
 とにかく、紫塞のオーラスさえ倒せば、刀剣の嵐も止むため、よろしく頼むという事だった。


ゆうきつかさ
 基本的に、OPに書かれていない事や、分からない事があった場合は、都合よく解釈してかまいません。
 方針的には、みんなで物語を作っていく物だと考えているため、キャラクターらしく行動していただければ問題ありません。
 世界観や設定に問題がない限り、採用していこうと思っています。

 第1章は【冒険】です。
 まずは東洋妖怪に味方するか、西洋妖怪に味方するか、選んでおきましょう。
 どちらの陣営にも味方をしないという選択肢もありますが、その場合は両陣営から襲われるので注意しておきましょう。
 所属している陣営の妖怪に襲われる事はありません。
 また他の猟兵達と協力しても構いません。
 妖怪達は戦わなければ、骸魂の餌になってしまうと思い込んでいるため、とにかく必死で襲い掛かってきます。
 そのため、説得をしたとしても、考えを改めるだけの余裕が、精神的にないかも知れません。
 とにかく、妖怪達の猛攻を退け、要塞化した神社に辿り着く事が出来れば、成功です。

 第2章は【集団戦】です。
 妖怪を飲み込んだ骸魂が、雷獣古桜となって、要塞化した神社の迷宮で猟兵達を待ち構えています。
 雷獣古桜達を撃破し、要塞化した神社を突破する事が出来れば、紫塞のオーラスが待つ城に向かう事で出来ます。
 要塞化した神社は、迷路のようになっており、侵入者達を見つけると、雷獣古桜が襲い掛かってきます。

 第3章は【ボス戦】です。
 紫塞のオーラスが城の中で、猟兵達を待っています。
 侵入者を見つけると、比類なき破壊力を持った大斧を振るって襲い掛かってきます。
 また勝つためには手段を選ばない非情さを持っているようです。
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第1章 冒険 『東西妖怪大戦争!』

POW   :    怪力こそ妖怪の真骨頂。大きさや力強さを競い合え!

SPD   :    神速こそ妖怪の真価なり。速度や敏捷性を競い合え!

WIZ   :    化かす事こそ妖怪の神髄なり。妖しさ、怪しさを競い合え!

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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

空桐・清導
「理不尽に戦いに巻き込むなんざ、許せねえ・・・。」
紫塞のオーラスへの怒りと、
助けを求める人々を救うため参戦するぜ。

追い込まれた東洋妖怪の前に立って、
「安心しな、もう大丈夫だ。」と笑顔で言うぜ。
妖怪達を一瞥して、決断したように叫ぶ。
「ちょおおおお、変身!!」

俺の猟兵としての姿、真紅の機械鎧"ブレイザイン"を纏う。
さらにユーベルコード「スーパー・ジャスティス」を使い、
強化されたパワーで妖怪たちの相手をする。
けど、出来るだけ空を飛んで神社を目指す。
ラスボスを倒せば助かるけど、悪以外に揮う拳は持ってねえ。
「待ってやがれ、紫塞のオーラス。
 てめーの企みは、このブレイザインがぶっ潰す!!」

協力大歓迎です!


御園・桜花
「出自も見た目も東洋ですもの。私は東洋妖怪に与する方が自然でしょう?」

UC「桜の癒やし」使用
西洋妖怪には
「さあ、眠っておしまいなさい。勝利は我らのものです」
東洋妖怪には
「まあ、お怪我なさってるじゃありませんか。治療いたしましょう。さあ皆さん、此方にお集まりになって」
西洋妖怪には攻撃として
東洋妖怪は集めて治療として使用
どちらもなるべく怪我をさせずに目的地までの距離と時間を稼ぎたかったため
攻撃は第六感や見切りで躱す

「首謀者を倒せれば終わることです。それに…怪我をすれば、痛いのですもの。少しでも痛みも怪我もなくこの狂乱が終わるなら、それが1番良いと思いますもの」


瞳ヶ丘・だたら
許せないな。
迫害種だった自分は元より正義や倫理を標榜するクチでもないが、それでもこの惨状は反吐が出る。
味方をするのは、馴染み深い「東洋妖怪」だ。別段向こうに恨みがあるわけでもなし、惨いことだとも思うが、退くわけにもいかん。

刀剣と戦火の坩堝に、【タンクキャバリア】で〈属性攻撃〉の強化を施した[戦車]に乗って横断を試みる。
蒸気仕掛けの超馬力はそこらの力自慢では押しとどめられないはず。
急ごしらえの粗悪な機構ではあるが、外装から噴き出す炎が彼らに有効な〈破魔〉であればと思いつつ、迫り来る西洋の魑魅魍魎を〈蹂躙〉せんと突き進もう。

「今回のガジェットタンクは高価く付いたんだ。それなりに、覚悟してもらおう」


リウティナ・スピネルレッド
【Star Wind】
呼称は、シモン(f27298),リコット(f27299)だよ。

す、既に大変な事になってる!?
いつも和気あいあいとしてる妖怪のみんなが……。
これ以上被害が大きくなる前になんとかしなくちゃ!

どちらかに付くなんて悠長な事はしてられないから、出来るだけ妖怪のみんなを傷つけず真っ直ぐ目的地に向かうよ!
UCを使って精霊さん達に、妖怪に大きな危害が加わらないイタズラとかで手伝ってもらいつつ、わたしは【第六感】【見切り】で強行突破。
立ち塞がる妖怪には【フェイント】を使って隙が出来た所を通らせてもらうよ!
もし傷つけてしまったり怪我をしている妖怪がいた場合は精霊さん達に傷を癒やしてもらうね。


シモン・ピェール
【Star Wind】
呼称は、普段は相棒(f27298)時々リウ。
普段はリコット(f27299)時々リコ防。

おーおー、派手にやってるねー。
正直ちょっと楽しそうだし、混ざって遊んであげたい所だけど、相棒達に免じて優しく助けてあげますか。

UCを使い敵の攻撃を避けつつ、仲間達を一番楽に通れそうな道に誘導するよ。少し邪魔になりそうな奴らがいたら【恐怖を与える】で退かせるか、加減をした【吹き飛ばし】で大怪我をさせない程度に退いてもらうよ。


リコット・アプリィー
【Star Wind】
呼称は、ご主人(f26107),シモンさん(f27298)です。

確かに、予想以上に大きな争いになってますね……。
ご主人の言う通り、急いで神社に向かうとしましょう。

少しでもご主人達の危険を減らすために、お二人に危害を加えそうな者が居たら、【おびき寄せ】を使い【かばいたい】と思います。
もし予想通りに妖怪が向かって来ましたら、UCを使い【カウンター】を致しましょう。勿論、大きな怪我はしないように加減は致しますよ。


セフィリカ・ランブレイ
【砦】
バルディメオ砦のオーラス将軍……
規律に厳しくて、声が大きくて。お姫様の私にも臆さなかったな
そんな将軍が行方不明になって、そっくりの奴が現れた
正体を考えるのは、後
『セリカは考え込むほどダメになるし。肩の力抜きなさいね』
シェル姉……相棒の魔剣が素直に心配なんて珍しい
それに今回は一人じゃない。頼れる仲間もいる!
ここは西洋妖怪に味方して、一気に神社を目指していこう!
【砦】の皆と連携して進軍!
シルちゃんが散らして、芙実ちゃんがルートを作ってくれる
残ったやつは、【神薙ノ導】で一気に切り伏せる!
丈さん、後のフォローよろしくね!


シル・ウィンディア
【砦】で一緒に

セフィリカさん、大丈夫かなぁ
でも、心配ばっかりしても仕方ないし
ここは、いつも通りに、だね

西洋妖怪側につくね

さて、この妖怪の群れを突破しないとだけど…
どいてくれないなら、無理やりどかすだけってね

【高速詠唱】で隙を減らして
エレメンタルドライブ・エアリアルを行使
それじゃ…
シル・ウィンディア、吶喊しますっ!

はいはーい、わたし達が通るので道開けてねー
開けてくれないと…
吹き飛ばしちゃうぞっ♪

強化された風の【属性攻撃】を杖に付与して
前方を邪魔する妖怪さんを風で吹き飛ばすよ
後ろが離れない様に速度は落としてっと

例え、吹き飛ばし漏れがあっても
みんながきっとフォローしてくれるから
わたしは前のめりにっ!


一駒・丈一
【砦】
西洋妖怪側に味方し、一点突破で切りぬけよう

セリカは…若干気負っているようだが…。
フォローはお任せあれだ。何せ俺は36年の伝統を誇るフォロー体質だからな。
(と、冗談で彼女の気を紛らわせよう。)

芙実の作り出したトンネルを通って進軍。
行軍の確度は高められているが…
俺の【戦闘知識】では…こういう場合でも「想定外」は起こり得る。
前方からの討ち漏らしや後方からの追撃の他、地中からモグラ型の妖怪やらも来る可能性もある。
そんな、此方の攻撃網を潜り抜けて来る敵には、UC【間断無き断罪】にて【早業】と【咄嗟の一撃】を織り交ぜた一閃にて仲間を守るように敵を斬り伏せよう
礼は要らんぞ。内心評価だけ上げといてくれ。


水元・芙実
【砦】
…セフィリカが気負ってる?
ここは私達が冷静にならないとダメね。なんだか無茶しちゃいそうだし。

まずは道を作るとしましょうか。西洋妖怪に味方して進軍するわ、シルが風で周りの妖怪を吹き飛ばしたら、幻炎合成法で空気を鋼鉄のトンネルに変えて戦場に乱入されないような道を作るわ、後方から追撃されないように後ろ側は塞いでね。これなら刀剣の嵐も防げるでしょ。
トンネルの外側には棘を生やして簡単には近づけさせないように、多分前方でみんな戦ってるから、内側の形状も変化させて援護するわ。
あとは移動しながらトンネルを作り直していくわね。

…それにしても手口がなんだか直接的ね。
一体何が起きてるって言うの?


リズ・ルシーズ(サポート)
生体ベースのサイボーグ、何らかの理由で生命維持モード(Re-A=リア)として活動中、普段の活発さはなくミステリアスな雰囲気。生命維持を最優先、リスクを避けるとともに敵対する存在に対して容赦はしない。白い外部装甲

『私はリア、この身体に敵対するものに容赦はしません』
『『解析・検証・再定義』データの取得に使わせていただきます』
『私はリズ程は甘くはありませんよ?』


21歳 女
口調:おしとやか(私、貴方(貴女)、~さん、ですね、です、ですか、でしょうか?)
武器:電磁ランスと疑似刻印による光属性攻撃のレーザー
補助装備:ナノワイヤー(トラップ・移動用)、重力制御装置
探索時:R-Seriesでの人海戦術など


鴨嘴・ケンゴ(サポート)
戦闘をメインに活躍させて欲しいっす。
戦闘での行動は変形する偽神兵器を使って、カッコいい剣撃と銃撃、捕食による敵のデータ収集と偽神兵器の強化を行うっす(メタ的に言うとゲームのゴットイーターな感じ)
敵は絶対殺す又はデータ収集すると言う意思で戦う為に戦闘中は性格が変わったように攻撃的になります。
(口調 少年(おいら、~くん、~さん、~っす、~っすよ、~っすね、~っすか?)
敵には 野生の感覚が蘇る(オレ、アンタ、言い捨て)っす。


水心子・真峰(サポート)
水心子真峰、推参
さて、真剣勝負といこうか

太刀のヤドリガミだ
本体は佩いているが抜刀することはない
戦うときは錬成カミヤドリの一振りか
脇差静柄(抜かない/鞘が超硬質)や茶室刀を使うぞ

正面きっての勝負が好みだが、試合ではないからな
乱舞させた複製刀で撹乱、目や足を斬り付け隙ができたところを死角から貫く、束にしたものを周囲で高速回転させ近付いてきた者から殴りつける
相手の頭上や後ろに密かに回り込ませた複製刀で奇襲、残像やフェイントで目暗まし背後から斬る、なんて手を使う
まあ最後は大体直接斬るがな

それと外来語が苦手だ
氏名や猟兵用語以外は大体平仮名表記になってしまうらしい
なうでやんぐな最近の文化も勉強中だ



●東西妖怪大戦争
「ウヒャヒャヒャヒャ! これで俺達の勝ちは決まったモノだな!」
 西洋妖怪の切り込み隊長であるガーゴイルが、勝ち誇った様子で高笑いを響かせた。
 戦いは、西洋妖怪達にとって、有利な方向に進んでいた。
 それも、そのはず。
 西洋妖怪達が本気を出せば、天候を操る事さえ、難しい事ではない。
 一方、東洋妖怪と言えば、豆腐を運ぶだけ、脛を擦るだけ、小豆を洗うだけ、枕をひっくり返すだけ、その場に居座るだけの能力しか持たない者ばかり。
 そんな者達ばかりが集まってしまった事もあり、東洋妖怪達の気持ちは、御通夜であった。
 そのため、このまま玉砕覚悟で特攻を仕掛けるか、すべてを諦めて骸魂の餌になるしか選択肢が残されていなかった。
「……惨めなモノだな。この嵐で実力の半分も出す事も出来ず、誰も助けてくれないのだから……。俺達は違う。嵐を操る魔人のおかげで、この刀剣ですら味方につける事が出来た。故に、負けない。……負ける訳がない!」
 西洋妖怪である吸血鬼が、東洋妖怪達を見下した。
 既に勝利は決まったようなモノ。
 後は煮るなり、焼くなり、好きにしても、誰かに文句を言われる事もない。
 そもそも、紫塞のオーラスと戦う気などないのだから、この先に進む必要もなかった。
「うう……ううう……」
 そんな空気を察した東洋妖怪達が、恐怖で身を強張らせ……天に祈った。
 それが神に対してなのか、仏に対してなのか、はたまた悪魔に対してなのか分からなかったが、とにかく祈った。
「そこまでにしておけ。……と言うか、弱い者いじめをして楽しいのか、アンタらは……」
 そんな中、颯爽と現れたのは、空桐・清導(人間のアームドヒーローにしてスーパーヒーロー・f28542)であった。
 まさに、天の助け。
 東洋妖怪達にとっての希望。
 それ故に、東洋妖怪達には、清導が光り輝いて見えた。
「……安心しな。もう大丈夫だ」
 その視線に気づいた清導が、東洋妖怪達に優しく微笑んだ。
「まあ、お怪我なさってるじゃありませんか。治療いたしましょう。さあ皆さん、此方にお集まりになって」
 御園・桜花(桜の精のパーラーメイド・f23155)が、心配した様子で東洋妖怪達に声を掛けた。
「なんだ、テメエらは! 俺達とヤル気か?」
 その途端、ワニ顔の西洋妖怪が殺気立った様子で、猟兵達に迫っていった。
 連戦連勝、負け知らずの事もあってか、ワニ顔の西洋妖怪は、かなり強気。
 まるで、この世の支配者になったような勢いで、猟兵達に喧嘩を売っていた。
「迫害種だった自分は元より正義や倫理を標榜するクチでもないが、それでもこの惨状は反吐が出る。これだけの事をして、タダで済むとは思っていないよな?」
 その行く手を阻むようにして、瞳ヶ丘・だたら(機械ヲタな単眼少女・f28543)がワニ顔の西洋妖怪の前に立った。
 その間、東洋妖怪達は怯えた様子で、だたらの後ろに身を隠した。
「俺達を馬鹿にしているのか? お前達だけで何が出来る。返り討ちにあって、肉の塊になるのがオチだぞ! うおおおおおおおおおおおおおおお!」
 毛深い男が空に浮かぶ月を見上げ、咆哮と共に狼男に変身した。
 それは魔女によって作り出された偽りの月であったが、狼男の全身から漂う気迫と殺気は本物だった。
「……残念だったな、俺も変身するんだ。ちょおおおお、変身!!」
 次の瞬間、清導が覚悟を決めた様子で、叫び声を響かせ、真紅の機械鎧"ブレイザイン"を身に纏った。
「そんなモノ、見掛け倒しだ! うおおおおおおおおおおおおん!」
 それと同時に、狼男が唸り声を響かせ、清導に殴りかかっていった。
 だが、そのパンチは当たらず、虚しく空を切るばかり。
「まさか、それで本気を出している訳じゃないよな? 遠慮せずに纏めて掛かってきやがれ! 全員、相手をしてやるからよ!」
 それを迎え撃つようにして、清導が【スーパー・ジャスティス】を発動させ、黄金のオーラで全身を覆い、パンチ一発で目の前にいた狼男を黙らせた。
「別段、恨みがある訳では無いが、このまま放っておく事も、退く訳にも行かん。命が惜しいのなら、道を開けろ。それが嫌なら、しばらく地面に突っ伏しておけ」
 続いて、だたらが【タンクキャバリア】を発動させ、属性攻撃の強化を施した軍用の戦車に乗り込んだ。
 それは西洋妖怪達が操る刀剣を弾き、降り注ぐ火球を弾き、氷の刃を砕き、稲妻を防ぐほどの強度があった。
「ええい、怯むな! あんなモノ、見掛け倒しだ!」
 それでも、西洋妖怪、半魚人は強がった。
 本音を言えば、逃げ出したいほどの恐怖と絶望。
 圧倒的な力の差を感じつつも、いまさら逃げ出す訳にはいかないため、それを誤魔化すようにして、戦車に攻撃を仕掛けていった。
 だが、気合と根性で何とかなるほど、戦車の装甲は薄くもなく、近距離から放たれた主砲の一撃によって、この世から姿を消した。
「今回のガジェットタンクは高く付いたんだ。それなりに、覚悟してもらおう」
 だたらが西洋妖怪達に警告しながら、外装から噴き出す炎で、次々と西洋妖怪達を蹴散らしていった。
 それでも、西洋妖怪達が戦車に攻撃を仕掛けてきたが、わずかに傷をつける事しか出来なかった。
「ふ、ふざけるなっ! 俺達は負けない! 負ける訳がない!」
 西洋妖怪であるミイラ男が、包帯越しに猟兵達を睨みつけ、捨て身の覚悟で攻撃を仕掛けてきた。
「さあ、眠っておしまいなさい。勝利は我らのものです」
 それを迎え撃つようにして、桜花が【桜の癒やし】を発動させ、桜の花吹雪を放って、西洋妖怪だけでなく、東洋妖怪も眠りの世界に誘った。
「ど、どうして……」
 東洋妖怪である豆腐小僧が、信じられない様子で、深い眠りについた。
「首謀者を倒せれば終わることです。それに……怪我をすれば、痛いのですもの。少しでも痛みも怪我もなくこの狂乱が終わるなら、それが1番良いと思います。……ですから、少しの間だけ眠っていてください。目を覚ます頃には、すべてが終わっていますので……」
 桜花が豆腐小僧の頭を撫で、優しく耳元で囁いた。
 豆腐小僧は深い眠りについており、しばらく目を覚ます事はない。
「……待ってやがれ、紫塞のオーラス。てめーの企みは、このブレイザインがぶっ潰す!!」
 そう言って清導が紫塞のオーラスに対する怒りを膨らませ、勢いよく空を飛ぶと、風を切るようにして、雷獣古桜達が待つ神社を目指すのであった。

●【砦】
(バルディメオ砦のオーラス将軍……。規律に厳しくて、声が大きくて。お姫様の私にも臆さなかったな 。そんな将軍が行方不明になって、そっくりの奴が現れた。正体を考えるのは、後……)
 一方、セフィリカ・ランブレイ(蒼剣姫・f00633)は【砦】の仲間達と共に、西洋妖怪に味方して、東洋妖怪達と戦っていた。
 ただし、セフィリカ達が味方しているのは、西洋妖怪の中でも、穏健派と呼ばれる者達。
 一方、西洋妖怪と敵対しているのは、東洋妖怪の中でも、過激な考え方を持つ者達ばかりであった。
 だが、それよりも気になるのは、紫塞のオーラスであった。
 一言で言えば、似た非なる存在。
 まるで何かがオーラスに取り憑き、操っているような違和感を覚えた。
『セリカは考え込むほどダメになるし……、肩の力抜きなさいね』
 相棒の魔剣である魔剣シェルファが、セフィリカに語り掛けた。
 魔剣シェルファが素直に心配するなんて珍しい。
 そんな反応を示してしまう程、セフィリカの態度がいつもと違っていたようである。
(……セフィリカが気負ってる? ここは私達が冷静にならないとダメね。なんだか無茶しちゃいそうだし……)
 その事に気づいた水元・芙実(スーパーケミカリスト・ヨーコ・f18176)が、自分自身に気合を入れた。
 ここで一緒になって、あたふたする訳にもいかないため、大きく深呼吸をして、気持ちを落ち着かせた。
「フォローはお任せあれだ。何せ俺は36年の伝統を誇るフォロー体質だからな」
 そんな空気を察した一駒・丈一(金眼の・f01005)が、ピリピリとした空気を和らげるために軽く冗談を言った。
 その間も、刀剣の嵐が吹き荒れているものの、西洋妖怪の中に嵐を操る者がいるらしく、ある程度は制御されているようだった。
「確かに、心配ばっかりしても仕方ないし、ここは、いつも通りに、だね」
 シル・ウィンディア(光刃の精霊術士・f03964)が、納得した様子で答えを返した。
「おいおい、さっきから何処をみてやがる! 俺達は、ここだ! それとも、西洋妖怪に守られていなきゃ、何も出来ねぇのか!」
 その行く手を阻むようにして現れたのは、東洋妖怪達であった。
 東洋妖怪達は先程まで、西洋妖怪と戦いを繰り広げていたが、猟兵達なら楽勝だと思ったのか、チンピラチックなノリで、まわりに集まってきた。
「さて、この妖怪の群れを突破しないとだけど……。退いてくれないなら、無理やり退かすだけってね」
 それでも臆する事なく、シルが東洋妖怪達の前に陣取った。
「俺達を退かす? 退かす、だと!? 無理、無理、無理! 絶対に無理! ぎゃははははっ!」
 その途端、赤鬼が小馬鹿にした様子で、馬鹿笑いをし始めた。
「まずは道を作るとしましょうか」
 芙実が覚悟を決めた様子で、東洋妖怪達の前に陣取った。
「道を作る……だとォ!? いい度胸をしているじゃねえか。俺達を前にして、道を作る……なんて。だったらアレか。俺達をヤルって訳か。そんな、ひょろっちい奴等ばかりで、俺達を……! 本当はビビッて、腰が抜けているんじゃねえのか、オイ」
 東洋妖怪かまいたちが、小馬鹿にした様子で、ケタケタと笑い出した。
 他の妖怪達も、同じようにケタケタ。
「……笑っていられるのも、いまのうち! 私達は一人じゃない! 頼れる仲間もいる! だから、何も怖くない……!」
 セフィリカが仲間達を引き連れ、東洋妖怪に攻撃を仕掛けていった。
「それじゃ……シル・ウィンディア、吶喊しますっ!」
 すぐさま、シルが高速詠唱で隙を減らし、【エレメンタルドライブ・エアリアル】を発動させ、風精の翼を纏った姿に変身した。
「はいはーい、わたし達が通るので道開けてねー。開けてくれないと……吹き飛ばしちゃうぞっ♪」
 シルが風の翼で飛び上がり、風精杖『エアリアル』を振り下ろし、強化された風の属性攻撃で、行く手を阻む東洋妖怪達を蹴散らした。
「この私にかかれば作れない物なんて何も無いわ!」
 その間に、芙実が【幻炎合成法(フォックス・ラボラトリー)】を発動させ、空気を鋼鉄のトンネルに変えた。
「な、なんだ、これは……!」
 それを目の当たりにした小鬼達が、鋼鉄のトンネルをガッコンガッコンとやり始めた。
「俺達もトンネルの中に入るぞ!」
 それでは埒が明かないと判断したのか、牛鬼が東洋妖怪達を引き連れ、トンネルの中に入ってきた。
「悪いけど、こうなるのは想定内だから……」
 それを迎え撃つようにして、シルが強化された風の属性攻撃で、東洋妖怪達を吹き飛ばした。
「……これも先に進むためだ。嫌なら、これ以上、俺達の邪魔をするな。お前達だって、命が惜しいだろ?」
 丈一が【間断無き断罪(カンダンナキダンザイ)】を発動させ、早業と咄嗟の一撃を織り交ぜた一閃で、東洋妖怪達を斬り伏せた。
 それでも、東洋妖怪達が向かってきたが、丈一の敵ではなかった。
 丈一の身体を傷つける前に、一刀両断。
 あっと言う間に肉の塊と化して、骸魂の餌になった。
「それでも、追ってくるというのなら、容赦はしないわよ」
 それに合わせて、芙実がトンネルの外側に棘を生やし、後を追ってきた東洋妖怪達の足止めをした。
「このまま、一気に神社を目指すよ!」
 その間に、セフィリカが【神薙ノ導(カンナギノシルベ)】を発動させ、機先を制する強力な踏み込みからの一撃で、行く手を阻む東洋妖怪を蹴散らしていった。

●【Star Wind】
「おーおー、派手にやってるねー」
 シモン・ピェール(一般兎(自称)・f27298)は【Star Wind】の仲間達と共に、東洋妖怪と西洋妖怪が戦いを繰り広げている激戦地にやってきた。
 妖怪達は刀剣の嵐が吹き荒れる中、命懸けで戦っているようだった。
 そのため、猟兵達の存在にも気づいておらず、ただ目の前の敵を倒す事だけに、全力を注いでいるような感じであった。
「な、何だか、既に、凄い事になってるし!?」
 それを目の当たりにしたリウティナ・スピネルレッド(廻る冒険家・f26107)が、唖然とした表情を浮かべた。
 普段であれば、和気あいあいとしている妖怪達が、刀剣の嵐吹き荒れる中、血で血を洗う殺し合いを始めていた。
 しかも、弱った妖怪達は骸魂の餌になっており、あちこちから悲鳴が上がっていた。
 だからと言って、協力し合って骸魂を倒そうとはしておらず、そう言った考えすら浮かばない程、追い詰められている様子であった。
「確かに、予想以上に大きな争いになってますね……」
 リコット・アプリィー(清らかなる自律人形・f27299)が、警戒した様子で身構えた。
 その間も、妖怪達は戦いを繰り転げていたが、猟兵達の存在に気づいて、一斉にジロリッ!
 『なんでコイツら、戦ってねぇんだ? 俺達がこんなに必死に頑張っているのに……』と言わんばかりに殺気立ち、途端に鼻息を荒くさせた。
「どうやら、わたし達を完全に敵として認識したようだね。正直ちょっと楽しそうだし、混ざって遊んであげたい所だけど、相棒達に免じて優しく助けてあげますか」
 シモンが妖怪達を見つめ、含みのある笑みを浮かべた。
 見渡す限り、妖怪達は傷つき、気力だけで戦っているような感じであった。
 そのため、苦戦を強いられる事があったとしても、決して負ける事はない。
 そう思えてしまう程、妖怪達は弱っており、虫の息だった。
 おそらく、戦わなければ、刀剣の嵐に巻き込まれ、骸魂の餌になるのが分かっているため、戦う事を止めようとしないのだろう。
 まるで戦ってさえいれば、酷い目に遭う事もない、と言わんばかりに、全力全開であった。
「これ以上、被害が大きくなる前になんとかしなくちゃ!」
 その事に危機感を覚えたリウティナが、目的地に向かって走り出した。
 この際、どちらかの陣営につくなど、悠長な事を言っている場合ではない。
 出来るだけ妖怪達を傷つけないようにしながら、突き進むのみ。
 そうしなければ、無駄に妖怪達が命を落とし、骸魂の餌になって、オブリビオンが増えていくだけなのだから……。
 それこそ、敵の思うツボ。
 敵の数を減らしているつもりが、自分達の手で強敵を生み出しているような状態になっていた。
 そう言った意味でも、極力戦闘を減らして、目的地に行く事が重要になってきた。
「死ねぇえぇぇぇえぇぇぇぇぇぇ!」
 だが、妖怪達も素直に道を通してくれるほど、甘くはない。
 例え、負ける事が分かっていても、戦わなければ生き残れない。
 それ故に、捨て身の覚悟で特攻を仕掛けてくる妖怪もおり、先に進む事は困難であった。
「それでは、ご主人の言う通り、急いで神社に向かうとしましょうか」
 すぐさま、リコットが妖怪達を誘き寄せつつ、【水龍の構え(スイリュウノカマエ)】を向け、水が流れるかのような連撃で、次々と蹴散らしていった。
 それは妖怪達にとって、一瞬の出来事であったが、気がついた時には、上半身と下半身がお別れしているほど、鮮やかな一撃であった。
「みんな、ちょっとだけ力を貸してくれるかな?」
 それに合わせて、リウティナが【かむおんアニマ(カムオンアニマ)】を発動させ、戦闘力のない小さな精霊達を召喚した。
 召喚された精霊達は妖怪達に対して、大きな危害が加わらないレベルの悪戯で注意を引き、リウティナが強行突破をするための時間を稼いだ。
 その上で、リウティナが第六感と見切りを駆使して、立ち塞がる妖怪達を、フェイントを使って避けていった。
「それじゃ、みんな退いてもらうよ」
 そう言ってシモンが【Fortuna Laplace's(フォルトゥーナラプラス)】を発動させ、最初から全てを知っていたかのように妖怪達の攻撃を予想し、仲間達を一番楽に通れそうな道に誘導していった。

●東西妖怪大戦争
「……随分と盛り上がっているようっすね!」
 鴨嘴・ケンゴ(カモノハシのストームブレイド・f24488)は、仲間達と共に戦場に降り立った。
 その場所は東洋妖怪と西洋妖怪が入り乱れて戦う戦場の真っただ中。
 状況的には、やるか、やられるか。
 そのため、戦うか、戦わないか、ではなく、戦うしか選択肢が存在していなかった。
 そこには第3の選択肢など存在しておらず、とにかく戦う事だけが生きる道ッ!
 それが正しいか、正しくないか、ではなく、やるしかないような状況であった。
「さて、真剣勝負といこうか」
 そんな空気を察した水心子・真峰(ヤドリガミの剣豪・f05970)が、先陣を切って妖怪達に攻撃を仕掛けていった。
「な、なんじゃ、おぬしらは!」
 御約束の言葉を吐きつつ、大声を上げたのは、子なき爺であった。
 その背後に陣取るのは、ぬりかべ、一反木綿、砂かけ婆等々。
 何やら何処かで見た事のあるメンツが、束になって真峰に襲い掛かって、返り討ちに遭っていた。
「それでは『解析・検証・再定義』データの取得に使わせていただきます」
 それに合わせて、リズ・ルシーズ(Re-Z・f11009)が、まわりにいた西洋妖怪達を蹴散らしていった。
「ふざけるなっ!」
 だが、妖怪達の数は減るどころか、増えていく一方だった。
 おそらく、妖怪達の数が減るにつれ、次第に密集していき、戦う範囲が狭まってきているのだろう。
「これで新たな攻撃の型を生み出すっす!!」
 すぐさま、ケンゴが【偽神兵器【骸喰】・無限の型(インフィニティ・フォーム)】を発動させ、偽神兵器【骸喰】に施された可変ユニット複数連結システムの封印を解除した。
「だから、どうしたァ!」
 その間に、東洋妖怪の河童が右手を光って唸らせ、ケンゴの尻子玉をゲットしようとした。
「その右手……いただきっす!」
 それを迎え撃つようにして、ケンゴが偽神兵器【骸喰】を変形させ、河童の右手をガブッと丸呑みした。
「グギャアアアアアアアアアアアアアアア! お、俺の手があああああああああああ!」
 その途端、河童が悲鳴を響かせ、崩れ落ちるようにして、その場に尻餅をついた。
「……それだけで済むと思ったら大間違いだ」
 その間に、真峰は複数刀を乱舞させ、河童の目や足を斬りつけ、死角から貫き、息の根を止めた。
 そこに骸魂の群れが現れ、息絶えた河童を丸呑みすると、そのまま他の妖怪達も胃袋の中に収めていった。
 それと同時に、真峰が複製刀で牽制しつつ、骸魂と距離を取るようにして飛び退いた。
「これではキリがありませんね」
 そんな空気を察したリズが【Re-Turn(リターン)】を発動させ、仲間達と共にテレポートした。
 次の瞬間、リズ達が降り立ったのは、禍々しい力によって、要塞と化した神社であった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​




第2章 集団戦 『雷獣古桜』

POW   :    桜の枝の先には、桜の樹の下には
【首吊り紐や短刀】で武装した【呪われた自決者】の幽霊をレベル×5体乗せた【妖怪桜】を召喚する。
SPD   :    紫電一閃
自身の【雷光】が輝く間、【雷獣が変化した片刃剣】の攻撃回数が9倍になる。ただし、味方を1回も攻撃しないと寿命が減る。
WIZ   :    桜の癒やし・狂い花
【心地よい電流を帯びた桜の花吹雪】を放ち、自身からレベルm半径内の指定した全対象を眠らせる。また、睡眠中の対象は負傷が回復する。

イラスト:ekm

👑11
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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

火土金水・明
「今回の事件の元凶と戦う前に、まずは目の前の相手を倒しましょう」「もちろん、取り込まれた方は助け出します。」
【WIZ】で攻撃です。
攻撃は、【先制攻撃】で【継続ダメージ】と【鎧無視攻撃】と【貫通攻撃】を付け【フェイント】を絡めた【銀色の嵐】を【範囲攻撃】にして、『雷獣古桜』達を纏めて【2回攻撃】します。相手の攻撃に関しては【見切り】【残像】【オーラ防御】で、ダメージの軽減を試みます。
「(攻撃を回避したら)残念、それは残像です。」「少しでも骸魂達にダメージを与えて次の方に。」
アドリブや他の方との絡み等はお任せします。


空桐・清導
「流石に数が多いな・・・。」
清道はそう言って、迫りくる妖怪桜から距離をとる。
今回は遠距離から一気に敵を薙ぎ払うことを狙う。

【ヘビーアームズ・ウェポナイズ(POW)】を使う。
「往くぜ!サンライザー、アクティブ!!」
足を思いっきり踏みしめ、腰部にある装甲を展開して姿勢固定。
肩部に装備された[レーザーキャノン]を展開する。
レーザーは<誘導弾>だから敵だけを狙うことが出来るんだぜ。
俺の目的は、いち早く敵の群れを殲滅してみんなで前に進むこと。
その為なら、ある程度のダメージはしょうがねえ。
「チャージ完了、行くぜ! サンライズ・スプリット・ブレイザー!」
キャノンから無数の炎が奔り、敵を討つ!

協力大歓迎です!


瞳ヶ丘・だたら
真の姿を発現しよう。肩甲骨から機械仕掛けの四本腕を現出させ、それらがあたしの意思に従って戦車を改造し始める。
【ガジェットショータイム】によって作成した奇妙な形のドリルめいた[ガジェット]を[戦車]に取り付け、迷宮の壁を掘り抜いてまっすぐ城へと向かって行くぞ。あるいは他の猟兵の通り道になれば幸いだが、高望みか。
音に誘われてやってきた雷獣、刀に変化したそれにもドリルと主砲をお見舞いしてやるが、いかんせん相手の手数が多いな。無理な改造と連戦で履帯にもガタが来つつある。場合によってはいくらかの故障は承知で、攻撃を受けながらでも先を急ごう。
「もう少しだけ保ってくれよ。いい子だからな……っ」
(協力大歓迎)



●偽りの神が祀られし場所
 要塞と化した神社は、無数の鳥居が連なり、不気味な雰囲気が漂っていた。
 そのため、神聖であるはずの神社からは、禍々しい気配が漂っており、何やら近寄り難い感じであった。
 そこに引き寄せられるようにして集まっていたのは、妖怪を飲み込んで満腹になった骸魂達であった。
 骸魂達は猟兵達の脇を擦り抜け、神社の中に入っていった。
 それはまるで猟兵達を誘導しているような感じであった。
 その後を追うようにして、猟兵達が向かった先に、雷獣古桜達が待ち構えていた。
「あらあら、これは、これは……美味しそうね」
 雷獣古桜のひとりが、クスクスと笑った。
 それに合わせて、他の雷獣古桜達も、同じようにクスクスと笑い出した。
 みんな猟兵達を食べるつもりでいるのか、興奮した様子で舌舐め擦り。
 煮て食うべきか、焼いて食うべきか考えつつ、頭の中で妄想を膨らませているようだった。
「随分と自信があるようですね。まだ戦ってもいないのに、その後の事を考えているなんて……甘いですね」
 すぐさま、火土金水・明(夜闇のウィザード・f01561)が間合いを詰め、先制攻撃を仕掛けると、雷獣古桜が身を守る隙すら与えず、その身体を貫いた。
「ば、馬鹿なっ! あ、あり得ない!」
 それは雷獣古桜にとって、屈辱的な一撃であったが、この状況で身を守る術はない。
 気がついた時には、大量の血が大輪の花の如く咲き乱れ、地面を真っ赤に彩っていた。
「よくも!」
 だが、他の雷獣古桜達は、怯まない。
 みんな一斉に殺気立ち、次々と襲い掛かってきた。
「流石に数が多いな……」
 空桐・清導(人間のアームドヒーローにしてスーパーヒーロー・f28542)が間合いを取り、険しい表情を浮かべた。
 しかし、雷獣古桜達の隙はない。
 お互いの欠点をカバーするようにして、雷獣古桜達が連携を取りつつ、猟兵達に攻撃を仕掛けていた。
「……と言うか、邪魔だ」
 そんな中、瞳ヶ丘・だたら(機械ヲタな単眼少女・f28543)が真の姿を発現し、肩甲骨から機械仕掛けの四本腕を現出させ、【ガジェットショータイム】で戦車を改造し始めた。
 その姿は、雷獣古桜達でさえ、魅入ってしまう程。
 まるで舞い踊るようにして、戦車を改造しているせいか、雷獣古桜達も心を奪われ、攻撃の手を止めていた。
「……!」
 だが、それも束の間。
 戦車の姿が変わっていくにつれ、雷獣古桜達の中で、次第に不安が膨らんでいった。
 それは自らの生命を脅かす、死の足音。
 ジリジリと命を削られるような感覚に襲われ、心と体が震えていた。
「……クッ! こ、このままでは!」
 その事に危機感を覚えた雷獣古桜のひとりが、心地よい電流を帯びた桜の花吹雪を放ち、猟兵達を夢の世界に誘った。
「私達を眠らせて、その間に逃げるつもりですか? それなら、無理です。……諦めて下さい」
 明が全身に圧し掛かる睡魔と戦いながら、フェイントを絡めた【銀色の嵐(ギンイロノアラシ)】で、幾何学模様を描きつつ複雑に飛翔し、骸魂に直接ダメージを与える魔法剣を雷獣古桜達に突き刺した。
「こ、こんな事で……負ける訳には……」
 それでも、雷獣古桜が最後の力を振り絞り、捨て身の覚悟で明に攻撃を仕掛けてきた。
「……残念、それは残像です」
 だが、それは明が作り出した残像。
 その事実を雷獣古桜達が知った時には、既に手遅れ。
 みんな魔法剣の餌食になっていた。
「そんな馬鹿なっ! 我らが苦戦を強いられている……だと!?」
 その現実を受け入れる事が出来ぬまま、雷獣古桜のひとりが妖怪桜を召喚した。
 大地に根付いた妖怪桜は、首吊り紐や短刀で武装した呪われた自決者の幽霊達が乗っており、雨の如く勢いで猟兵達に襲い掛かってきた。
「往くぜ! サンライザー、アクティブ!!」
 それを迎え撃つようにして、清導が【ヘビーアームド・ウェポナイズ】を発動させ、足を思いっきり踏みしめ、腰部にある装甲を展開して姿勢を固定し、肩部に装備されたレーザーキャノンを展開した。
「ケーッケッケッケ! そんなモノで、俺達を殺す気か? だったら、やれ! やってみろ!」
 その途端、幽霊達が小馬鹿にした様子で、ケタケタと笑い声を響かせた。
「……いいのか? だったら、遠慮なくいくぞ! 「チャージ完了、サンライズ・スプリット・ブレイザー!」
 次の瞬間、清導がレーザーをぶっ放し、目の前にいた幽霊達を、一瞬にして消滅させた。
 幽霊にとって、それは一瞬の出来事。
 そのため、幽霊達は何が起こったのか分からず、理解する事さえ出来ず、無数の炎に身体を焼かれ、一瞬にして塵と化した。
「う、嘘だ! 嘘だ! 嘘だ!」
 それを目の当たりにした雷獣古桜達が一斉に雷光を輝かせ、雷獣が変化した片刃剣で猟兵達に襲い掛かった。
「嘘ではない。偽りでも幻でもなく、すべて現実だ。それとも、夢でも見ているつもりか。だったら、目を覚まさせてやろう」
 その間に、だたらが奇妙な形のドリルめいたガジェットを戦車に取り付け、近距離から主砲を御見舞いした。
 そのため、雷獣古桜達は身を守る事が出来ず、この世から跡形も残さず消滅した。
「生意気な奴め! まずは、お前から……い、いない!」
 それと同時に雷獣古桜達が片刃剣を握り締め、だたらに斬り掛かっていこうとしたものの、既にそこには姿がなく、大きな穴だけが開いていた。
 そして、だたらは無理な改造と連戦で履帯にもガタが来つつある戦車に乗ったまま、土の中を掘り進みながら、仲間達を連れて紫塞のオーラスが待つ城に向かうのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

御園・桜花
「私は眠らされてしまうかもしれませんが、地中に桜吹雪は起こせませんし霊も眠りませんから」

UC「エントの召喚」使用
何本もの木の根で地中から一気に敵を刺し貫く
高速・多重詠唱で銃弾に破魔の属性与え制圧射撃
敵の行動阻害してエントの攻撃が当たりやすくする

「貴女達がただ敵を倒し妖怪を飲み続けることだけを願いとするなら。貴女達とは共存出来ません。どうか、他の願いを持てるようになったらお戻りを」
逝くのを鎮魂歌で送る

骸魂から救出できた妖怪は目覚めてすぐまた戦争に参加しないよう離して集める
「骸魂が東方妖怪と西洋妖怪を争わせ、その隙に大量の骸魂にしていたのです。大元を退治してきますので、暫く戦わず隠れていて下さい」


水元・芙実
次は雷の剣士?
対策が立てやすくてありがたいわ。

幻炎合成法で周りの空気を金に変えて雷自体を地面に誘導、つまり接地させるわ。これなら花びらが舞っても雷による振動は起きないわ。
あとは相手の手足にも金の重しをつけて、更に鎖を伸ばし地面に垂らしてしまいましょう。雷光が輝くって空気放電でしょ?
こっちも地面に落とせば発動や威力を抑えられるわ。

相手の骸魂は雷獣の方、こちらを潰せば問題ないわ。剣を折れば大丈夫だと思う。

…悪いけどセフィリカの気持ちは分からない。
自分の大事な人と戦った事はないから。
でも、それでもセフィリカが戦わなきゃいけないと思うなら私が手を引っ張るわ。少なくとも自分の目で確かめに行かないと、ね?


セフィリカ・ランブレイ
【砦】で行動

十全な援護を仲間達がしてくれる!
私は全力で攻撃に専念するよ!

【碧剣の勇者】を呼び出して攻撃
私自身の血液を代償に起動する最高速の機械剣士。これを相手の剣技にぶつける!


勝っても次への足が重い
……ごめん。結構参ってるみたい

オーラス将軍さ、生意気盛りの私を怒る珍しい人だったんだ
勿論、行方不明の将軍とこの先の敵が同一人物の証拠なんて、ないんだけど
それでももしを考えると……キッツいかな、って
身内と戦う可能性なんて、今まで考えた事なくて

ありがと、丈さん。優しいよね
……そうだね、いつまでも手のかかるお転婆だって思われてるのも癪だし
それに、芙美ちゃんに手を引いてもらえるの、いいよね

…うん、行こう!


シル・ウィンディア
【砦】で行くよ

邪魔するなら容赦しないよっ!

敵の攻撃は、芙実さんが防ぐ手段を考えてくれているみたいだし
わたしは攻撃寄りに考えるか…

前衛は
セフィリカさんと丈一さんに任せて
わたしは、敵の動きを【見切り】
二人の死角から襲ってくる敵を
腰部の精霊電磁砲で片っ端から撃ち抜いていくね

芙実さんのほうに来る敵は
光刃剣と精霊剣の二刀流で対処

これだけ多いと少しきついか…

【高速詠唱】で隙を減らして
選択UC
エレメンタルシューター…
さぁ、乱れ撃つよっ!!


セフィリカさん…
…えーいっ!沈んでるのはもったいないっ!
もし、その人が本人だとしてもだよ
今のセフィリカさんを見せてあげたらいいと思うよ
違ったなら、ぶっとばせばいいんだしね?


一駒・丈一
【砦】

さて、熱烈な歓迎だが…手厚い歓迎を受けている暇はない。
早々に道を拓く

前衛にて、敵が紫電一閃を放つ前に【咄嗟の一撃】と【早業】でUC【罪業罰下】を放ち視界上の敵集団を一閃する
討ち漏らしても、シルの砲撃や芙実の雷対策でカバーできる筈


迷いを抱えたセリカに対しては…
本人か否かは証拠は無い。が、人間の想像し得る事は、十分に起こり得る。持論だがね
…故に、辛いだろうが覚悟はした方が良い
そして思い出せ。かの将軍は、このような行動を起こす人物だったかな?
否であれば…尚の事、止めるべきだ。それが、本人に対しての敬意にもなり、救いにもなり、名誉を守ることになるのだからな。
覚悟が決まらぬならば、一旦引き返すか?



●夢の世界へ
 そんな中、御園・桜花(桜の精のパーラーメイド・f23155)は心地よい電流を帯びた桜の花吹雪に巻き込まれ、眠りの世界に旅立とうとしていた。
 それに抵抗するようにして、【エントの召喚(エントノショウカン)】を発動させ、木の牧人の霊を召喚した。
「ほっほっほっ、そんな事をして、何になる。まさか、それで妾達を倒すつもりかえ?」
 雷獣古桜が小馬鹿にした様子で、見下すようにして笑い出した。
 その間も、桜花はスヤスヤ。
 桜の花吹雪に包まれながら、夢の世界の住民と化していた。
「これは愉快、愉快! ならば、眠りの世界から、死の世界に導いて……ぐはっ!」
 次の瞬間、地中から何本も木の根が伸び、雷獣古桜の身体を刺し貫いた。
「あ、あ、あ……」
 雷獣古桜が口から血反吐を吐き、激しく目を泳がせた。
「あ、あり得ぬ……」
 その途端、雷獣古桜が悔しそうな表情を浮かべ、唇をグッと噛み締めた。
 だが、身体から溢れ出した血は止まる事なく、足元を真っ赤に染めていった。
「貴女達が、ただ敵を倒し妖怪を飲み続けることだけを願いとするなら、貴女達とは共存出来ません。どうか、他の願いを持てるようになったらお戻りを……」
 その間に、桜花が高速多重詠唱で銃弾で破魔の属性を与え、制圧射撃で雷獣古桜の身体に風穴を開けた。
「こ、こんな事をしても、無駄じゃ。妾達は骸魂達がいる限り、何度でも……何度でも……ぐはっ!」
 雷獣古桜が恨めしそうな表情を浮かべ、捨て台詞を吐き捨て息絶えた。
「それなら、骸魂を倒していくだけです」
 そう言って雷獣古桜が覚悟を決めた様子で、骸魂達の後を追うようにして、要塞と化した神社の中を走り回った。
 その先に、骸魂が集まる場所があると信じて……。
 骸魂達に飲み込まれた妖怪達を救うため……。
 桜花は迷う事なく、要塞と化した神社の中を突き進んでいくのであった。

●【砦】
「……これは随分と歓迎されているようだな」
 一方、一駒・丈一(金眼の・f01005)達は要塞と化した神社の連ね鳥居を駆け抜け、城に続く通路の途中で雷獣古桜達の足止めを喰らっていた
「ホホホホホッ、飛んで火にいる何とやら……とは、この事のようですねぇ。まあ、私達に掛かれば、雑魚も同然。悲鳴を上げる間もなく、殺して差し上げましょう」
 雷獣古桜達は血に飢えたケモノの如く両目をギラギラさせ、丈一達を品定めするようにして舌舐め擦りをし始めた。
「邪魔するなら容赦しないよっ!」
 シル・ウィンディア(光刃の精霊術士・f03964)が雷獣古桜達に警告しながら、攻撃を仕掛けるタイミングを窺った。
 だが、雷獣古桜達は通路を塞ぐ壁の如く陣取っており、倒さなければ先に進む事が出来ない状況を作り出していた。
「あらあら、怖い、怖い! その視線だけで、アタシらを殺そうって訳か」
 その途端、雷獣古桜のひとりが、小馬鹿にした様子で、ケタケタと笑い出した。
 みんな自分達の実力を過信しているのか、絶対に負けないと思い込んでいるらしく、猟兵達を前にしてもまったく恐怖を感じていないようだった。
「今のうちに吠えておく事ね」
 すぐさま、水元・芙実(スーパーケミカリスト・ヨーコ・f18176)が【幻炎合成法(フォックス・ラボラトリー)】を発動させ、まわりの空気を金に変えた。
「ひょっとして、これで命乞い? 悪いけど、金になんて興味がないから……」
 その事に気づいた雷獣古桜が、イラついた様子でフンと鼻を鳴らした。
「本当に、そう思っているの? だったら、私達には勝てないよ」
 すぐさま、セフィリカ・ランブレイ(蒼剣姫・f00633)が【碧剣の勇者(エストランテ)】を発動させ、自らの血液を代償にして、最高速の機械剣士を起動させた。
「お、愚かな! そんな小細工で、私達が怯むと思っていたのか!」
 そんな状況でも臆する事無く、雷獣古桜が躊躇う事なく間合いを詰め、セフィリカに斬り掛かった。
 しかし、その切っ先がセフィリカに触れる事なく、雷獣古桜が持っていた片刃剣が木っ端微塵に砕け散った。
 その途端、片刃剣が元の姿である雷獣に戻り、肉の塊と化して地面に落ちた。
 それと同時に雷獣古桜が糸の切れた人形の如く、その場に崩れ落ちて動かなくなった。
「……!」
 それを目の当たりにした雷獣古桜達の間に動揺が走り、雷獣が変化した片刃剣を握り締めたまま、全く身動きが取れなくなった。
「俺達を殺すつもりじゃなかったのか? まあ、いい。悪いがお前達と遊んでいる暇はない。……早々に道を拓く」
 次の瞬間、丈一が早業で【罪業罰下(ザイゴウバッカ)】を発動させ、己に課せらた因果を一時的に逆転させる事により、刀剣による一閃で雷獣古桜達が持っていた片刃剣を破壊した。
 それは瞬きをする、ほんの一瞬。
 その事を認識した時には、雷獣古桜達の意識が消失し、地面の転がった後だった。
「ま、まだだ!」
 一瞬にして形成を逆転された雷獣古桜が、自らの動揺を隠すようにして、心地よい電流を帯びた桜の花吹雪を舞い散らせた。
 それと同時に、桜の花吹雪が金に吸い寄せられ、舞う事なくピタッと地面に張りついた。
「残念だったわね。それじゃ、その片刃剣を折らせてもらうわよ」
 その隙をつくようにして、芙実が一気に間合いを詰め、雷獣古桜が持っていた片刃剣を破壊した。
「……がはっ!」
 その影響で、雷獣古桜が糸の切れた人形の如く、膝をついて倒れ込んだ。
「さあ、乱れ撃つよっ!!」
 次の瞬間、シルが【エレメンタル・シューター・アラウンドシフト】で腰部の精霊電磁砲から、4つ(火水風土)の複合属性の魔力弾を放って、残りの雷獣古桜達を一掃した。
「何とか勝つ事が出来たけど……ごめん、結構参ってるみたい。オーラス将軍は、生意気盛りの私を怒る珍しい人だったんだ。勿論、行方不明の将軍と、この先の敵が同一人物の証拠なんて、ないんだけど……。それでも、もしを考えると……キッツいかな、って」
 そんな中、セフィリカが、不安な気持ちに包まれた。
 現時点で、紫塞のオーラスと、オーラス将軍が同一人物なのか、分かっていない。
 だが、それでも……嫌な予感しかしなかった。
 万が一、別人であったとしても、オーラス将軍と同じ姿をしているのだから、何らかの関係がある事は間違いない。
 しかも、それは悪い意味で……。
「……えーいっ! 沈んでるのは、もったいないっ! もし、その人が本人だとしてもだよ。今のセフィリカさんを見せてあげたらいいと思うよ。……違ったなら、ぶっとばせばいいんだしね?」
 そんな空気を察したシルが、セフィリカを励ました。
 相手が誰であれ、戦わなければ、何も始まらない。
 例え、本物であったとしても、セフィリカが知っているオーラスと違うのであれば、何者かによって肉体と精神を奪われている可能性が高いのだから、ここで放っておく訳にはいかなかった。
「本人か否かは証拠は無い。が、人間の想像し得る事は、十分に起こり得る。持論だがね。……故に、辛いだろうが覚悟はした方が良い。そして、思い出せ。かの将軍は、このような行動を起こす人物だったかな? 否であれば……尚の事、止めるべきだ。それが、本人に対しての敬意にもなり、救いにもなり、名誉を守ることになるのだからな。それでも、覚悟が決まらぬならば、一旦引き返すか?」
 丈一が神経な表情を浮かべ、セフィリカの顔色を窺った。
「そ、それは……」
 セフィリカが、答えに困った。
 本音を言えば、真実を知りたくはない。
 おそらく、それはセフィリカにとって、最悪の現実。
 その事が分かっていながら、前に進む事など出来なかった。
「……悪いけどセフィリカの気持ちは分からない。自分の大事な人と戦った事はないから。でも、それでもセフィリカが戦わなきゃいけないと思うなら、私が手を引っ張るわ。少なくとも自分の目で確かめに行かないと、ね?」
 芙実がセフィリカの気持ちを察した様子で、ゆっくりと歩き出した。
 相手の正体が何であれ、悩んでいる状態のまま、戦って勝てる相手ではない。
 その相手がオーラス将軍であれば、尚更である。
 それ故に、ここで迷っている場合ではない。
「……そうだね。ありがと、みんな! いつまでも手のかかるお転婆だって思われてるのも癪だし、芙美ちゃんに手を引いてもらえるの、いいよね。……うん、行こう!」
 そう言ってセフィリカが覚悟を決めた様子で、紫塞のオーラスが待つ城に向かうのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『紫塞のオーラス』

POW   :    剛斧
単純で重い【大斧】の一撃を叩きつける。直撃地点の周辺地形は破壊される。
SPD   :    紫砦の将軍
全身を【鉄壁の防御技術】で覆い、共に戦う仲間全員が敵から受けた【攻撃威力】の合計に比例し、自身の攻撃回数を増加する。
WIZ   :    将の一喝
【空間をも割る一撃】により、レベルの二乗mまでの視認している対象を、【衝撃波】で攻撃する。

イラスト:水葵林檎

👑11
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はセフィリカ・ランブレイです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

鳩麦・灰色(サポート)
「ウチ、やなくて私も手伝わせてもらうよ」
「アンタ(敵)はそこで黙ってて」

◆特徴
独り言は関西弁
話言葉はほぼ標準語
脱力した口調
『敵さん』の行動の意図を考える傾向があるが内容に関わらず容赦しない

◆行動
【ダッシュ】【クライミング】【地形の利用】で場所を問わず速く動く事が得意

戦闘は速さで回避重視
味方が居れば武器の音で【存在感】を出し率先して狙われにいく

攻撃は主に【衝撃波】を込めた鉄パイプを使用、空砲銃は場合に合わせて使用

◆UC
索敵、回避特化ではUC『三番』
集団戦では『四番』
敵単体では『一番』か『二番』を使用する

◆日常
日常は何かしつつ寝落ちる事が多い


協力絡みセリフ自由
他おまかせ。よろしくおねがいします!


鴨嘴・ケンゴ(サポート)
戦闘をメインに活躍させて欲しいっす。
戦闘での行動は変形する偽神兵器を使って、カッコいい剣撃と銃撃、捕食による敵のデータ収集と偽神兵器の強化を行うっす(メタ的に言うとゲームのゴットイーターな感じ)
敵は絶対殺す又はデータ収集すると言う意思で戦う為に戦闘中は性格が変わったように攻撃的になります。
(口調 少年(おいら、~くん、~さん、~っす、~っすよ、~っすね、~っすか?)
敵には 野生の感覚が蘇る(オレ、アンタ、言い捨て)っす。


ジェイソン・スカイフォール(サポート)
おもに「正当防衛」「衛生小隊」を使ってメイン参加者の援護を行います。

▼行動例

「下がってください!」
メイン参加者が不利な状況に登場し、かばう。ボス敵の相手を引き受け、味方が態勢を立て直すための機会をつくる。

「救護します!」
衛生小隊にボス敵の牽制を命じ、その隙に、負傷したメイン参加者を安全圏に撤退させ、応急手当を行う。必要に応じて「生まれながらの光」で治療する。


雛里・かすみ(サポート)
 バーチャルキャラクターの戦巫女×UDCメカニックの女性です。
 普段の口調は「明るく朗らか(私、あなた、~さん、なの、よ、なのね、なのよね?)」
寝起きは「元気ない時もある(私、あなた、~さん、ね、わ、~よ、~の?)」です。

 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、
多少の怪我は厭わず積極的に行動します。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
また、例え依頼の成功のためでも、
公序良俗に反する行動はしません。

明るく朗らかな性格の為、
男女分け隔てなくフレンドリーに会話を楽しみます。
どんな状況でも、真面目に取り組み
逆境にも屈しない前向きな性格です。

 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!


空桐・清導
「俺は必ず、みんなを救う!!」
清導の[勇気]と[気合い]に反応し、ブレイヴ・ドライバーが光り輝く。
さらに、彼自身も[限界突破]し、真の姿へと覚醒する。
心臓がある位置から太陽のごとく光が溢れる。
機械鎧"ブレイザイン"は全ての光を炎に変換し、右手に集中させる。
傷つき、割れた仮面から見える表情は自信たっぷりの笑み。
「ヒーローはどんな時も諦めねー。
 何時だって限界超えて、笑うんだ!」
【アライアンス・リベンジャー(SPD)】を使用。
相手が硬く、速いというのなら全身全霊の一撃で決める。
「喰らえ、紫塞のオーラス!
 超必殺!!ブレイジング・ブレークスルー!!」
全力の炎拳をオーラスに叩き込む!

協力大歓迎です!!


瞳ヶ丘・だたら
とうとうここまで来たか。さすがの威圧感だが……退くわけにもいかない。ここはひとつ、威勢よく啖呵を切るとしよう。
「弱きモノは滅びよ、などと嘯いていたな。
 ならばこの力は骸魂に呑まれた者たちの、弱きモノたちの怨嗟と思え、『紫塞のオーラス』!」
早速ではあるが【骸合体「ヤマタノオロチ」】を使用し、我が身をオブリビオンと化す。六本の腕を鋼の〈属性攻撃〉を帯びた大蛇の首へと変化させよう。多頭の大蛇が[超重装甲]をも貫いて戦車の上部から生えたような異形の様相で相手に突っ込み、〈蹂躙〉してくれる。
戦車に積み込んだ酒の貯蔵が少ないことが問題だが(あたしは未成年だしな)、狙うは短期決戦。行けるか……?


御園・桜花
「幽界にはとても珍しい方のように見受けられます。それと…もしかして、とても縁深い方がいらっしゃる?」

UC「精霊覚醒・桜」使用
飛行し桜鋼扇でぶん殴る
ヒット&アウェイか前衛に張り付くかは他の前衛次第
敵の攻撃は第六感や見切りで躱す

「私は貴方の事を知りませんもの。思い入れのある方と存分に話し合い、悩まれるが良いと思います。ただその間、貴方が足を止めて会話だけするとは思えませんから」

「私は貴方の事を知らない桜の精ですもの。当然戻ってらっしゃいと言いますわ。骸魂が願いを持つことは当たり前です。ただ私達と共存できない願いであるから戦うだけ。だから何時か…共存できる願いと共にお戻りを」
消滅時は鎮魂歌歌い見送る


セフィリカ・ランブレイ
【砦】
私がわかる?オラ爺
記憶にもないか
知る人の姿と技なのに、な

『言葉が解決する状況じゃない。セリカも、相手の強さは知ってるでしょ』
死ぬわよ、と、警告する相棒の魔剣
今はやるしかない!
けど私の一撃は精彩を欠く

『焦りが剣に出てる!』
私一人じゃ無理か、ごめん、ちょいその場に止めてくれるかな!

【紫砲の将軍】を準備
バルディメオ砦にオーラスあり。…不落の城塞を由来に名付けたこのゴーレム
対軍用の大規模火砲の雨霰を、次元の穴越しにお見舞い!


姫様は自分勝手が過ぎる。兵が王に求めるモノを学びなされ
それが何かはこの爺が言っても仕方がなかろう?

かつて交わした言葉を思い出す。
多分もう会えない、そんな直感があった


水元・芙実
【砦】
(世界移動…前々からあるとは聞いていたし私もそうだろうけど、もしその途中で骸の海に落ちたのなら全く違う世界のオブリビオンとして現れる事がある? …骸玉がそうね。なら、この人は…)

セフィリカと相手のやり取りを見ながら、すぐにハイドロボムを投げつけられるようにするわ。相手が不意を打とうとして素振りを見せたら即座に投げつけて2人の距離を強制的に取るわ、悪いけど私はそこまでお人好しじゃないの。

相手が怯んでいる内に狐狗狸戦術で残る2人と一緒に攻撃を仕掛けるわ。
策は詭道なりって言うかもしれないけど、種が分かっていれば大したことはないわ。

戦いが終わったらセフィリカが落ち着くまで待っているわね。


シル・ウィンディア
【砦】
オーラス…
セフィリカさんとの関係は気になるけど…
でも、戦うと決めたのなら
わたしは、その力になるだけ
ただ、それだけのこと

武装のモードは光刃剣と精霊剣を束ねて持つ
2mの光刃のバスターソードモード

敵のUCは
【空中戦】で飛んで【フェイント】と【残像】で撹乱機動
被弾しそうな時は
【オーラ防御】を纏わせた光刃で【武器受け】
【フェイント】を入れた【二回攻撃】ではじいていくよ

前衛には強い人がいるから
UCを防いだ後は…

【魔力溜め】で魔力を【限界突破】させて
【高速詠唱】で隙を減らして【多重詠唱】で術式強化
【全力魔法】の選択UC

みんながいる、だからこそ撃てるわたしの一撃
…さぁ、わたし達の全部、もってけーっ!!


一駒・丈一
【砦】

セリカがオーラスに語りかけている際は、静かに見守ろう。

だが…語りかけが功を奏さない場合は、止む無しだ。
武には武を以って応じる他あるまい。

若い娘にここまでの決意を強いるこの状況…その決意への助力となるべく。
俺は相手の防御を切り崩すことを目標に動く。

相手の足止めに注力しつつ、剛斧は【早業】で回避。
そして、相手への距離を一気に詰めて【咄嗟の一撃】にてUC【金科玉条の流転】を放つ。
狙うは胴の甲冑。可能な限り鎧を破壊する方向で動き、相手の防御を削ぐ
あとはキミ次第だぞ、セリカ…!

戦闘後は…セリカの様子を気にかけよう。
辛い決断だったな。
こういうのは、気持ちの整理に時間が掛かる。
今は、暫し休むと良い。



●城内・王座の間
「最後まで勝ち残ったのは、妖怪達ではなかったか」
 紫塞のオーラスが、深い溜息を漏らした。
 本音を言えば、予想外。
 これでは骸魂の餌には出来ない。
 だが、戦うだけの価値はある。
 その気持ちが鋭い刃の如く勢いで、猟兵達に向けられた。
「さすがの威圧感だが……退くわけにもいかない」
 そんな空気を察した瞳ヶ丘・だたら(機械ヲタな単眼少女・f28543)が、ケタ外れの威圧感に圧し潰れそうになりながら、紫塞のオーラスを睨み返した。
 しかし、紫塞のオーラスはまったく動揺しておらず、視線だけでだたらを屈服させる勢いで、睨みつけていた。
 その気迫だけで常人であれば、膝をついてしまう程、紫塞のオーラスから、圧倒的な強さを感じた。
「ならば、どうする? 戦って死ぬか。それとも、逃げて……死ぬか!」
 次の瞬間、紫塞のオーラスが空間を割るほど強烈な一撃を放ち、猟兵達めがけて衝撃波を飛ばしてきた。
 その一撃は天井と床を瞬時に破壊し、見えない刃となって、猟兵達に襲い掛かってきた。
「これじゃ、様子見している暇もないね」
 その事に危機感を覚えた雛里・かすみ(幻想の案内人・f24096)が、【巫覡載霊の舞】で神霊体に変身して、なぎなたから衝撃波を放ち、紫塞のオーラスが放った衝撃波を打ち消した。
「なかなか、やるじゃないか。だが、いつまでも防ぐ事が出来ると思ったら大間違いだ」
 紫塞のオーラスがかすみの実力を試すようにして、再び空間を割るほど強烈な衝撃波を放ってきた。
「確かに、私だけだったら、そうかも……」
 かすみが再びなぎなたから衝撃波を放ち、紫塞のオーラスの注意を引いた。
「一体、何を言っている……」
 その言葉に違和感を覚えた紫塞のオーラスが、警戒心をあらわにした。
「下がってください!」
 すぐさま、ジェイソン・スカイフォール(界境なきメディック・f05228)が、かすみに対して警告すると、紫塞のオーラスに斬り掛かった。
「なるほど。仲間達の協力さえあれば、私に勝てるという訳か」
 紫塞のオーラスが納得した様子で、近距離から単純で重い大斧の一撃を放って、ジェイソンを吹っ飛ばした。
「幽界には、とても珍しい方のように見受けられます。……もしかして、とても縁深い方がいらっしゃる?」
 その行く手を阻むようにして、御園・桜花(桜の精のパーラーメイド・f23155)が紫塞のオーラスの前に陣取った。
「……答える義理はない」
 紫塞のオーラスが冷たい視線を送り、再び大斧を振り上げた。
「私は貴方の事を知りません。……ですが、思い入れのある方と存分に話し合い、悩まれるが良いと思います。ただその間、貴方が足を止めて会話をするとは思えませんが……」
 桜花が【精霊覚醒・桜(セイレイカクセイ・サクラ)】で、全身を渦巻く桜吹雪で覆い、自らの意志の力で戦闘力を増強させた。
「そんな事はない。力を示せば、話くらいは聞いてやる」
 紫塞のオーラスが躊躇う事なく、大斧を勢いよく振り回した。
「力を示せ……ですか。戦う事しか興味がない。それとも、戦う事で失われた『何か』を取り戻そうとしているのですか? それが何なのかわかりませんが、だいぶ苦しんでいるようですね」
 桜が第六感で大斧の攻撃を見切り、悲しげな表情を浮かべた。
「……貴様に、何が分かる! この私の苦しみが、貴様に分かるのか! 分かる訳がない! 分かる訳が……」
 紫塞のオーラスが殺気立った様子で、大斧を何度も振り下ろした。
 それはまるで過去の亡霊を振り払うような感じで、見えない『何か』と戦っているようにも見えた。
「救護します!」
 すぐさま、ジェイソンが傷ついた身体を庇いながら、【戦場の亡霊】を召喚し、紫塞のオーラスに攻撃を仕掛けていった。
「それで本気を出しているのか」
 それと同時に、紫塞のオーラスが全身を鉄壁の防御技術で覆い、大斧を振り下ろして、戦場の亡霊を消滅させた。
「だったら、本気の実力を見せてやる! 後で後悔するんじゃねぇぞ!」
 その間に、空桐・清導(人間のアームドヒーローにしてスーパーヒーロー・f28542)が勇気と気合を爆発させ、ブレイヴ・ドライバーを光り輝かせた。
 それか引き金となって限界突破をすると、紫塞のオーラスの前で真の姿に覚醒した。
「そう言えば、弱きモノは滅びよ、などと嘯いていたな。ならば、この力は骸魂に呑まれた者たちの、弱きモノたちの怨嗟と思え、『紫塞のオーラス』!」
 続いて、だたらが【骸合体「ヤマタノオロチ」】で骸魂【ヤマタノオロチ】と合体し、一時的にオブリビオン化すると、六本の腕を鋼で出来た大蛇の首に変化させた。
 その首は超重装甲を貫き、戦車の上部から生えており、異形で禍々しかった。
「見た目が変わっただけで、私が臆するとでも……。だとしたら、愚かだな。自分の実力も分からず、巨象に立ち向かう蟻同然……」
 紫塞のオーラスが、完全に見下した様子で、フンと鼻を鳴らした。
「そこのアンタ! ちょっと黙ってて!」
 その言葉を遮るようにして、鳩麦・灰色(音使いおおかみ・f04170)が大声を上げながら、鉄パイプから衝撃波を繰り出した。
「……クッ!」
 即座に紫塞のオーラスが大斧を構え、盾代わりにしたものの、その衝撃で床がガリガリと削れて後退した。
「いまのうちに、新たな攻撃の型を生み出すっす!!」
 その隙をつくようにして、鴨嘴・ケンゴ(カモノハシのストームブレイド・f24488)が【偽神兵器【骸喰】・無限の型(インフィニティ・フォーム)】を発動させ、偽神兵器【骸喰】に施された可変ユニット複数連結システムの封印を解除し、紫塞のオーラスに振り下ろした。
 次の瞬間、偽神兵器【骸喰】が、紫塞のオーラスの肩に食らいつき、勢いよく引き千切った。
「ぐぬおっ! よくも、やったな!」
 その途端、紫塞のオーラスが傷ついた肩を庇いながら、狂ったように大斧を振り回した。
「確かに凄い攻撃っすけど、そう簡単に倒す事が出来るほど、オレは弱くないっすよ」
 その攻撃に対抗するようにして、ケンゴが偽神兵器【骸喰】で、何度も大斧を弾き返した。
「なかなか、やるな。ならば……限界を超えるまでだ!」
 紫塞のオーラスが自らの闘気を爆発させ、床が割れるほどの勢いで大斧を振り下ろした。
(このまま戦車に貯蔵している酒が……)
 そんな中、だたらが色々な意味で危機感を覚えつつ、雪崩の如く襲い掛かってきた睡魔と戦っていた。
「さっきまでの威勢は、どうした!」
 紫塞のオーラスが、だたらを挑発しながら、大斧を振り回し、次々と首を斬りつけた。
「掻い潜れ、"三番"!」
 それと同時に、灰色が【避音型 "三番"(ヒオンガタサンバン)】で音を出し、その音波に触れた紫塞のオーラスの動きを把握した。
「遅い!」
 その事に気づかぬまま、紫塞のオーラスが大斧を振り下ろしたが、灰色には当たらない。
 まるで紫塞のオーラスの攻撃を、すべて予知しているかの如く勢いで、大斧の攻撃を次々と回避していった。
「お前の負けだ、紫塞のオーラス。ヒーローは、どんな時も諦めねー。例え、それがいかなる状況であったとしても、お前の敗因はただひとつ。その背中を護る相棒がいなかった事だ!」
 その間に、清導が吠えるようにして叫びながら、機械鎧"ブレイザイン"の力によって、全ての光を炎に変換し、そのすべてを右手に集中させた。
「相棒などいらぬ。そんなモノは足手纏いだ。そこまでして、信じたところで裏切られるのがオチだ。だから、私に相棒など必要ない。今から、それ証明してやろう!」
 紫塞のオーラスが全身全霊の力を大斧に込め、それを清導に振り下ろそうとした。
「喰らえ、紫塞のオーラス! 超必殺!! ブレイジング・ブレークスルー!!」
 次の瞬間、清導が【アライアンス・リベンジャー】を発動させ、そのまま懐に潜り込むようにして、燃える拳で紫塞のオーラスをぶん殴った。
「ぐおおおおおおおおおおおおおおおおお!」
 その一撃を喰らった紫塞のオーラスが、バランスを崩して壁を突き破り、成す術もなく地面に落下した。

●【砦】
 城の外にいたセフィリカ・ランブレイ(蒼剣姫・f00633)達の前に落ちてきたのは、紫塞のオーラスであった。
「わ、私とした事が……」
 紫塞のオーラスは他の猟兵達と戦って傷つき、ボロボロになっていた。
 それでも、闘志は失われておらず、すぐにでも玉座の間まで戻りそうな勢いだった。
 だが、刀剣の嵐は見えない壁に阻まれているのか、紫塞のオーラスを傷つけるどころか、近づく事さえなかった。
(ひょっとして……本物? それとも、よく似た別人……。前々からあると聞いていたけど、その途中で骸の海に落ちたのなら、全く違う世界のオブリビオンとして現れる事がある? なら、この人は……)
 その事に気づいた水元・芙実(スーパーケミカリスト・ヨーコ・f18176)が、ゴクリと唾を飲み込んだ。
「なんだ、貴様等は……」
 紫塞のオーラスが険しい表情を浮かべ、警戒心をあらわにした。
「私がわかる、オラ爺? それとも、何も覚えていない」
 セフィリカが祈るような表情を浮かべ、紫塞のオーラスに語り掛けた。
「貴様は……、いや、貴方は……」
 紫塞のオーラスが驚いた様子で、激しく目を泳がせた。
 だが、その記憶を思い出そうとするだけで、頭が割れるほどの痛みが走り、心臓が止まりそうなほど、胸が締め付けられた。
「まさか、覚えている。でも、この反応……。一体、何が……。いえ、何をされたの……?」
 セフィリカが不安そうな表情を浮かべ、紫塞のオーラスを見下ろした。
「うるさい、黙れ! 貴様など、知らん!」
 その迷いを振り払うようして、紫塞のオーラスが大斧を振り回した。
「……やはり駄目だったか。ならば戦いも、止む無しだ。武には武を以って応じる他あるまい」
 その行く手を阻むようにして、一駒・丈一(金眼の・f01005)が贖罪の道標(磔用の杭)で、紫塞のオーラスが振り下ろした大斧を弾いた。
「……邪魔をする気か。その娘は、私の心を掻き乱す。排除せねば……排除しなければ……」
 紫塞のオーラスは何かに取り憑かれた様子で、セフィリカに襲い掛かった。
(セフィリカさんとの関係は気になるけど……。もう覚悟を決まったようだね。だったら、わたしは、その力になるだけ。ただ、それだけの事……)
 シル・ウィンディア(光刃の精霊術士・f03964)がセフィリカをチラリと見た後、光刃剣と精霊剣を束ねて持ち、紫塞のオーラスに斬り掛かった。
「それで私を止められると思ったら、大間違いだ!」
 紫塞のオーラスが、その攻撃を防ぐようにして、空間を割るほどの一撃と共に、衝撃波を放ってきた。
「だからと言って、そんな攻撃……当たらないよ」
 すぐさま、シルが飛び上がり、フェイントと残像を駆使して、紫塞のオーラスが放った衝撃波を避けた。
「は、速い!」
 紫塞のオーラスがハッとした表情を浮かべ、自らの身を守るようにして大斧を構えた。
「みんながいる、だからこそ撃てるわたしの一撃。……さぁ、わたし達の全部、もってけーっ!!」
 その隙をつくようにして、シルが溜めた魔力を限界突破させ、高速詠唱で隙を減らして、多重詠唱で術式を強化し、全力で【エレメンタル・ファランクス】を発動させ、火・水・風・土の4属性の魔力砲撃を紫塞のオーラスに撃ち込んだ。
「ぐ、ぐぬ……まだだっ! まだ終わりじゃない!」
 紫塞のオーラスが血の泡を吐き、力任せに大斧を振り下ろした。
 その衝撃で大地が避け、大量の土煙が舞い上がった。
「悪いが……お前にとっての既定路線は、ここで断たせてもらうぞ」
 丈一が早業で攻撃を避け、一気に距離を縮めると、咄嗟の一撃で【金科玉条の流転(キンカギョクジョウノルテン)】を繰り出し、紫塞のオーラスの存在因果を逆転させる斬撃を放った。
 それと同時に、紫塞のオーラスの甲冑が砕け、筋肉質の肉体があらわになった。
「あとはキミ次第だぞ、セリカ……!」
 丈一が紫塞のオーラスから離れ、セフィリカにすべてを託した。
「随分と馬鹿にされたものだな。こんな小娘に何が出来る」
 紫塞のオーラスが冷たくセフィリカを見下し、全身を鉄壁の防御技術で覆い、大斧を振り回した。
 その間、紫塞のオーラスは、違和感を覚えていた。
 紫塞のオーラスは知っていた。
 いや、覚えていた。
 セフィリカの事を……。
 しかし、そのすべてを否定するかのように、もうひとつの記憶に上塗りされた。
『何をボーッとしているの。このままじゃ、死ぬわよ! セリカも、相手の強さは知ってるでしょ! だったら、ここでやるべき事は、ひとつでしょ!』
 魔剣シェルファが危機感を覚え、セフィリカに警告した。
 セフィリカの心に迷いが生じているせいか、その焦りが剣に出ていた。
「……悪いけど、ここで見て見ぬフリなんて出来ないから……」
 そんな空気を察した芙実が、特製ハイドロボムを投げつけた。
 次の瞬間、高圧の液体が弾け、凄まじい衝撃波が、紫塞のオーラスに襲い掛かった。
「邪魔を……するなァ!」
 紫塞のオーラスが、ケモノの如く吠え、芙実に襲い掛かった。
 その攻撃は単純で重く……強力だった。
「そう言われて、素直に応じると思った? 悪いけど、それは……無理!」
 即座に芙実が【狐狗狸戦術(タクティカルコックリサン)】を発動させ、セフィリカと連携を取りながら、紫塞のオーラスに攻撃を繰り出した。
 それと同時に、紫塞のオーラスの物質的特性と、行動パターンを覚えた。
「やるしかないよね。バルディメオ砦にオーラスあり。……不落の城塞を由来に名付けた、このゴーレムで……」
 その間に、セフィリカが覚悟を決めた様子で、【紫砲の将軍(バルディメオラス)】を発動させ、超巨大要塞型ゴーレムが眠る次元格納庫の穴を巨大化させた。
 超巨大要塞型ゴーレムは、紫塞のオーラスに狙いを定め、次元の穴越しに対軍用の大規模火砲をぶっ放した。
「バルディメオ砦……だと……」
 その途端、紫塞のオーラスの中で、失われた記憶が蘇った。
 それはセフィリカとの思い出。
 どれもノイズが掛かっており、それでも紫塞のオーラスには、ハッキリと分かった。
 それが大切な記憶であり、護るべき記憶であった事を……。
 だが、その記憶は意識と共に薄れ、塵の如く消え去った。
「ひ、姫さ……」
 紫塞のオーラスが虚空に手を伸ばし、何か言葉を吐こうとした。
 しかし、口から漏れたのは、大量の血だった。
 そして、紫塞のオーラスの意識は消失した。
『姫様は自分勝手が過ぎる。兵が王に求めるモノを学びなされ。それが何かは、この爺が言っても仕方がなかろう?』
 セフィリカが紫塞のオーラスを見下ろし、かつて交わした言葉を思い出した。
 だが、紫塞のオーラスは何も語らない。
 その瞳から零れ落ちたのは、一筋の涙。
 セフィリカは紫塞のオーラスが伸ばした手を握り、静かに……泣いた。
「……辛い決断だったな。こういうのは、気持ちの整理に時間が掛かる。今は、暫し休むと良い」
 そう言って丈一が、セフィリカに優しく声を掛けた。
 そんな中、骸魂が飲み込んだ妖怪達が解放され、刀剣の嵐がピタリと止んだ。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2020年07月27日
宿敵 『紫塞のオーラス』 を撃破!


挿絵イラスト