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とある文士の書き遊び

#サクラミラージュ

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#サクラミラージュ


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 とある町の無人となった洋館に逗留を決め込んだ男……いや、影朧が1体。今も自分のお気に入りの部屋で、語り部たちから取材してきた伝承、物語を文にまとめている。既に自身が怪異となっているというのに。
 影朧は窓から庭を見下ろす。見えるのは満開の桜。誰が手入れしている訳でもないのに不思議と庭は荒れていない。
「ここも悪くはないが、いささか退屈になってきましたね、また別の地に赴きましょうか、でも、その前にここで何かできないだろうか……」
 そうだ、と呟き彼はカードの束を取り出す。
「この館で事件を起こしましょう、連続殺人事件、大量殺人事件、この辺が面白い。たまにはルポルタァジュの書き手になるのも悪くはないでしょう。被害者たちは何か一貫性が欲しいですね……そう新聞社の社員たちなど良いかもしれない、その節は何かとお世話になりましたからね」
 新聞社と呟いた瞬間、無意識にかわずかに眉を顰めた。文士と言えば何かしら新聞社とは因縁があるものなのかもしれない。
「お招待の文面はこのような所ですかね、さて次は……」
 館への招待状を書き終え、次は殺人のために館に様々なギミックを作ろうと立ち上がった。

「そうやって影朧が出した招待状がこちらになります」
 滝乃家・吾平(滝乃家の気ままな三男坊・f14779)は懐から封筒の束を取り出しながら言った。
「招待状は全部回収できてるから、一般の人がこの連続殺人事件に巻き込まれることはないんで安心してくれ、ただ、折角だからこの招待を利用して影朧を倒したいと考えてるんだ」
 つまり、わざと事件の被害者となって死んでほしい……ではなくて死んだふりをして影朧をおびき出してほしい、という訳だ。
 ギミックにひっかかっても一般人には危険だが、猟兵だったら死なないだろう、多分。
 招待状の内容を吾平が伝える。
「館の庭に一年中咲き乱れる桜のお花見の招待、お昼は庭で、夜は夜桜を館の中から食事をしながらお楽しみください、各部屋で休んでいただいても構いません、との事だ」
 そこで猟兵の皆にしてほしい事はと彼は続け、
「まずは純粋に花見を楽しんでくれたらいい。友達や仲間を誘ってもらって楽しい時間を過ごしてほしい、影朧は幸と不幸の落差というのを見たがってるみたいだからな。勿論、いかにも連続殺人事件の被害者っぽいふるまいをしてくれてもいい、性格が悪そうなやつとか、何か秘密がありそうな態度とかな。影朧は皆の何も知らずに花見を楽しむ姿をほくそえみながらどこからか眺めているんだろうな。あ、影朧は殺人事件が完遂されてからしか姿を現さないので注意してくれ」
 あくまで今は殺人事件自体は起きない段階だと吾平は念を押す。
「殺人事件が起きるのは次章にご期待ってところだな。今回はお花見を楽しんでくれれば、それでいいや、それじゃ、頼んだぜ!」
 そう言って、吾平は猟兵たちをサクラミラージュへと送り込んだ。


八雲秋
 第一章は、お花見です。一人でも友達恋人とでも自由に参加して楽しんでください。次章の事は気にしないでもらって問題ありません。
 逆に、次章に向けて怪しげな態度をとってもらうのもまた一興かもしれません。

 第二章で殺人事件が起きます、というか皆さんで自作自演して被害者になってください。新聞社の人たちが招待されているという設定なので、その辺りを絡めて見るのも良いでしょう。

 第三章はボス戦となります。
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第1章 日常 『しあわせのひとひら』

POW   :    桜の花弁をつかまえて

SPD   :    花より団子、白亜の館で桜菓子を楽しむ桜茶会

WIZ   :    満開の桜の下、あなたと一緒に

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

ソルティリア・ブレイズ
アドリブ/連携歓迎
POW

花見か~っもうそんな時期になったんだねぇ。普段工房にこもってばっかだから、こういう招待は丁度いいって物だね。

どこかそこらへんに置いてあったみたらし団子(?)的な物を口に加えつつ、手にもった作ったばっかの自作の刀で、木から零れ落ちた桜を見切り切り裂く感じで、切れ味を確認してよう(技能:見切り)。

他の仲間がいたのなら、残りのみたらし団子でも渡して交友深めてると思います。


稷沈・リプス
アドリブ歓迎。
自称:人間な神。自分から神だとは、余程のことがなければ言い出さない。

お花見っす。お花見っすよ!
いやー、以前(神として祀られ畏れられていた時)はこうして、花の下でお花見できなかったっすからね。建物の中から、眺めるだけ。
え?俺は人間の新聞記者っすよ(しれっと)

使い魔…じゃなかった、ペット(っていうことで通す)の蛇『明け呑む蛇』は、欠伸してから寝たっす。
気に入ったみたいっすね。この子、めったに出先で寝ないっすから。

夏っすけど、こうして夏の花見もいいっすねー。
お団子も美味しいっすし。

ま、目一杯楽しむっすよ。その影朧の楽しみを、後から奪うために。



「なるほど見事な桜だね」
 ソルティリア・ブレイズ(過去の剣豪・f27901)が呟いた。
 庭には花見によいように赤毛氈の床几台が置かれており、そこに置かれた皿にはみたらし団子が盛られている。
 折角だからとソルティリアは皿から団子を一串頂く。
 彼女の前の満開の桜は風が吹かずとも時折、花弁を散らしていく。その様を見、ソルティリアは何かを思いついたように団子をくわえたまま、自分の作りたての刀を取り出す。
「ひとつ試してみようかな」
 と、ひらりひらりと幾片もの花弁が、木から零れ落ちた。
 彼女はむやみと刀を振り回すでなく、花弁の全ての動きを見極めるように、じっと構え、
「ここだ!」
 一閃、刀を薙ぐ。刃に触れた花弁は風圧に飛ばされるよりも先に二つに切り裂かれ、次々とソルティリアの足元に落ちていく。彼女の腕と刀の力、両方あってのものだろう。
 パチパチ。誰かが拍手しソルティリアに声をかける。
「やぁ良い剣技を見せてもらったっす、もしかして自分で鍛えた刀っすか」
 稷沈・リプス(明を食らう者・f27495)だ。
「そうだよ。普段鍛冶で工房にこもってばっかだからねぇ、招待はありがたく受けたよ、あ、このお団子どうぞ、おいしかったよ」
 ソルティリアは彼に団子の皿を差し出す。
「これはどうも」
 リプスは一串もらうと腰に手を当て、目を細め、しみじみと桜を見やる。
「いやー、以前はこうして花の下でお花見できなかったっすからね。建物の中から、眺めるだけ」
 かつて神として祠の中に祀られ畏れられていた頃を思い出しているのだろう。
「というとアンタの出自は……」
「え? 俺は人間の新聞記者っすよ」
 とぼけた顔でリプスが返す。
「そうだった、そうだった私も今日は新聞社の人間だったっけ、あれ、お連れさんがいるのかな?」
 リプスの足元にチョロチョロと小さな黒蛇が纏っている。
「使い魔……じゃなかった、ペットっす」
「うん、ペット、ね」
 リプスの『明け呑む蛇』はしばらくは辺りをうかがうような動きを見せていたが気だるげに欠伸をするとじきに芝生の上で眠りについた。
「気に入ったみたいっすね。この子、めったに出先で寝ないっすから」
「それは良かった」
 ソルティリアが八重歯を見せ笑う。
 リプスは黒蛇を起こさぬように気を付けながら自分のもとに引き寄せ床几台に腰掛ける。
「夏っすけど、こうして夏の花見もいいっすねー」
 それから2本目の団子をほおばり、
「お団子も美味しいっすし」
 ソルティリアも隣に座り、桜を見上げる。
「確かに夏の空の色を背にした桜というのもいいかもね」
「ま、目一杯楽しむっすよ。その影朧の楽しみを、後から奪うために」
 そう言うと、リプスは早くも3本目の串に手を伸ばした。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

ウィリアム・バークリー
同行:オリビア・ドースティン(f28150)

ふーん、物書き崩れの影朧ね。悪趣味なことを考えたものだけど、討滅とかは後で考えよう。せっかくオリビアさんをデートに連れ出せたんだ。お花見を楽しまなきゃ。

まずは幻朧桜の咲く敷地内を一周して、腰を落ち着ける場所を決める。
そこに敷物を敷いて、オリビアさんと幻朧桜を眺めよう。

――もうお昼か。お弁当は手作りのサンドイッチ? うん、好物だよ。早速いただこう。
うん、美味しい。さすがキキーモラだね。
サンドイッチがはけて、紅茶の時間。甘いお菓子とストレートの紅茶がいい塩梅。
ふふ、すっかり、花より団子になっちゃったね。もう少しお花見を楽しもう。肩を引き寄せて大丈夫かな?


オリビア・ドースティン
同行:ウィリアム・バークリー(f01788)
ウィリアム様に誘われてやってきましたが良い景色ですしお花見に最適ですね
幻朧桜の風景を楽しみながら散策しお昼になったら準備したランチをウィリアム様と一緒にいただきます
「本日はスモークチキン&ハニーマスタードのサンドイッチとキュウリサンドです。紅茶も準備できてます」
ウィリアム様も美味しく食べてくれてますしメイド冥利につきますね
サンドイッチを食べ終えたら紅茶とジャファケーキでまったりとします お花見はまったりと過ごすのがいいですよね (なお肩を抱き寄せるとそのまま隣に寄り添うもよう)


鹿村・トーゴ
(相棒の鸚鵡ユキエと一緒に部屋で昼下がり~黄昏時の桜を見物)
ふー見事なもんだねえ
一年中桜のあるこの世界だけど…どの桜が見頃、なんて細かい旬とかあるんだろーか

なんか事件起きるみたいだし
花見の合間に敷地を【聞き耳/忍び足】で【情報収集】
ユキエに『のんびりしたら良いのに』とツッコまれるが【動物と話す】
なんとなくなんかやってたい性分だもん、と返し趣味レベルで屋敷の間取り、人の様子をチェック
部屋に戻り灯りは消したままにして。
夜桜も綺麗だけど…と
夕日が沈む直前の…一番星が出る頃の藍から暗い紫の空に白く浮かぶような桜を楽しむ
『見入ってるのは星?桜?』とユキエに聞かれ
今日は両方だねー、と笑って答える

アドリブ可



『物書き崩れの影朧ね。悪趣味なことを考えたものだ』
 そんな事を思いながらウィリアム・バークリー(“聖願(ホーリーウィッシュ)”/氷聖・f01788)は庭から洋館を眺めた。
「ウィリアム様、良い景色ですね」
 彼の背に、そう声をかけたのはオリビア・ドースティン(西洋妖怪のパーラーメイド・f28150)。振り返ると彼女は笑顔。
「お天気も良くて、お花見するにも最適で……お誘いいただけて嬉しく思いますわ」
「こちらこそ。少し庭を散策しょうか、幻朧桜も綺麗だし」
 ウィリアムも笑顔を返す。ともあれ今日はオリビアをデートに連れ出せたのだ、影朧討滅の件は一旦、頭から追いやる。
 桜や庭木を鑑賞しているうちに大きい木の下に辿り着く。
 この辺で腰を落ち着けようと、敷物を敷くと二人は改めて木を見上げる。
「この庭で一番大きい幻朧桜のようですね」
「うん、樹齢どれぐらいになるんだろう」
 気づけば日も随分と高い所にある。ランチにいたしましょうとオリビアが仕度を始める。
「お弁当は手作りのサンドイッチ?」
「よろしかったでしょうか?」
「うん、好物だよ。早速いただこう」
「本日はスモークチキン&ハニーマスタードのサンドイッチとキュウリサンドです。紅茶も準備できてます」
 うわぁ、と思わずウィリアムが声をあげ、目を輝かせた。
 しっかりスモークを利かせたチキンは絶妙なバランスのハニーマスタードによくあっていて、きゅうりサンドはさっぱりとして歯ごたえも良く、交互にいくらでも食べてしまいそうだ。
「うん、美味しい。さすがキキーモラだね、あ、でも、ぼくばかり食べてしまったらオリビアさんの分が」
 慌てる彼に、オリビアは美味しく食べてくれてメイド冥利につきると笑む。
 サンドイッチは全部食べ、続けて紅茶の時間。ストレートの紅茶にジャファケーキが添えられて。
「紅茶が甘いお菓子とよく合って美味しい……あ」
 カップに花びらが一枚浮かんだ。二人そろって顔を上げ、桜を眺める。
「ふふ、すっかり、花より団子になっちゃったね。もう少しお花見を楽しもうか」
「ええ、お花見はまったりと過ごすのがいいですよね」
 彼女の笑みを見つめながらウィリアムは少々緊張しつつ彼女の肩に手を回し、それから大丈夫かなと僅かに危惧しながらも、そっと自分の方に引き寄せる。
 オリビアは彼の肩に自然ともたれ、寄り添う。ウィリアムは安堵の息をつき、彼女に笑いかける。
「今日は来れてよかったよね」
「ええ」
 時はゆっくりと流れていく。花弁すらゆっくりと舞い落ちてくるような。二人同じ時間を同じ思いで過ごす。ゆったりとした幸せなひと時。

「ふー見事なもんだねえ」
 鹿村・トーゴ(鄙村の外忍・f14519)は桜を一本一本丁寧に見て回る。一年中桜のあるこの世界だけど…どの桜が見頃、なんて細かい旬とかあるんだろーか、ふと、そんな疑問が浮かんだためだ。庭の桜は大きさや枝ぶりに個性はあれど、皆、精一杯咲き誇っていた。
 調査も怠らない。招待客は猟兵ばかり、一般人はゼロ。建物の外観。
「意外に古くないな、侵入口、潜伏するなら……」
『のんびりしたら良いのに』
 呆れたように相棒の鸚鵡ユキエが彼に言う。
「そろそろ館の中に行こうか、休憩用の部屋もあるらしいし」
 とりなすように言う。
『どうせ調査するためでしょ』
「なんとなくなんかやってたい性分だもん」
 料理はケータリングが頼まれおり、並べて早々に帰ったようだ。その後に影朧が手を加えたかもしれない。
 殺人のための仕掛けは軽く探すだけでいくらでも見つかった。殆どは何らかの方法で招待客が皆、この屋敷に入るまでは仕掛けが動く事はないように、機械的にあるいは何かしらの術が施されている。
 日も暮れ始めたが自室で灯りを消したままにして窓から庭を見遣る。
 夜になれば庭園灯がつき、月の明かりも桜を照らす。そうした夜桜もきっと綺麗だけど……。
 今はまたそれとは違う風景、夕焼けの橙から日が沈む直前の…一番星が出る頃の藍から暗い紫の空に白く浮かぶような桜を彼らは楽しむ。ユキエが首を傾げ尋ねる。
『見入ってるのは星?桜?』
 思わず彼は笑みを見せ、答えた。
「今日は両方だねー」

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

髪塚・鍬丸
皆楽しそうだねぇ。さて、ここらで空気を換えようか。
殺されて当然の人物を演じてみよう。
ぼさぼさの髪に無精ひげを生やし、薄汚れたスーツ姿のむさ苦しい男に変装。
新聞社の、怪しげなゴシップ狙いの不良社員、って設定だ。

酒とつまみを持参。
「いやぁ、こんな風流な所で花見とは楽しいねぇ」
どかどかと無遠慮に館に踏み入ろう。
桜の見える特等席にどっかと座り、足を卓に投げ出しぐびぐびと酒を煽りガツガツと肴を喰らう。
「いい館だねぇ。……そうだ、昔ここで悲惨な殺人事件があって一家離散、その後も不幸事が度重なって無人になった、って記事はどうだ?売れそうじゃねぇか、はっはは!」
等と喚き散らす。
お膳立ては揃えたぜ。さぁ殺せ。


木常野・都月
【鯱狐兎】

お花見!
先輩達!お花見ですよ!桜ですよ!

この世界は本当、桜の精霊様が活発で華やかだなぁ。

花見と言ったら、お団子と、竹筒に入ったお茶!
綺麗で美味しいです!

チィ、いい匂いだろ。
団子だ!
ゆっくり食べるんだ。

栗花落先輩、この子はチィっていうんです。
チィ、先輩に甘え過ぎちゃダメだぞ?

(ん?堺先輩……?)
ありがとうございます!

あ、先輩達、お茶のお代わり入りますか?
俺の分もないので、必要なら俺、買ってきますよ?

竹筒の栓を抜いてお茶を飲みつつお団子食べて、先輩2人と一緒に花見。

多分先輩達、仕事の時間だって言ってるんだな。
今はお花見楽しんでるフリしなきゃ。

って言っても普通に楽しんでるけどな!


栗花落・澪
【鯱狐兎】
ほんとだ!
すごいね木常野さん、満開だね…!

満開の桜達に感動したようにキラキラと瞳を輝かせ
あ、そっか。そうだね、座ろっか

木常野さん準備万端だね
ありがとう、どっちも貰うよ
肩の子、なんてお名前だっけ
チィ?ふふ、可愛い名前だね
チィー、美味しい?

木常野さんにお団子を貰うチィに話しかけてみたり
可愛いなぁー…ねぇねぇ、こっちにもおいでー?
(もふもふした生き物大好き)

桜を見たりお茶やお団子を楽しみながら
一瞬晃君の様子に首を傾げるも、彼の性格から察して気づかぬフリ
演技はもう始まってるんだろう、多分

そうだなぁ…じゃあ僕もお願いしていいかな?
迷子にならないように気をつけてねー?(相手の方が歳上だけど)


堺・晃
【鯱狐兎】

なるほど、これは素敵な庭ですね
とりあえずあの辺りに座らせてもらいましょうか

人の良い笑みで2人を見守りながら
ああ…ありがとうございます都月君

差し出されるお団子を受け取り一口
ふふ…本当だ。とても美味しいですね

保護者の立場を演じつつ
ふと都月君の耳元に口を寄せて小さな声で

そう言えば…都月君は演技、お得意ですか?

聞くだけ聞いても返事は待たず
にこりと微笑んでいつの間にか指に挟んだ花弁をチラリ
髪についていましたよ?
なんて微笑と共に誤魔化し

こんな動き、周りから見れば意味深以外の何者でもないでしょうね
なんらかの秘密を持つ被害者…それも演じるには楽しそうだ

ええ、じゃあご好意に甘えて
お茶も頂きましょうか



 屋敷に一歩足を踏み入れると、木常野・都月(妖狐の精霊術士・f21384)はその光景に思わず、うわっと口を開け、それから連れの二人を振り返って声をあげた。
「お花見! 先輩達! お花見ですよ! 桜ですよ!」
「ほんとだ! すごいね木常野さん、満開だね……!」
 栗花落・澪(泡沫の花・f03165)も都月に負けず高揚した様子だ。
「この世界は本当、桜の精霊様が活発で華やかだなぁ」
 精霊術士の都月には精霊たちが喜び舞う姿も見えているのだろう。
「なるほど、これは素敵な庭ですね。とりあえずあの辺りに座らせてもらいましょうか」
 澪と都月がキラキラと目を輝かせ辺りを見あげ見回しているのを後ろから見ていた
堺・晃(元龍狼師団師団長・f10769)が提案すると、澪が振り返り、頷く。
「あ、そっか。そうだね、座ろっか」
 既に館側で用意されている花見席に座ると、早速、都月が二人に荷を開いてみせる。
「花見と言ったら、お団子と、竹筒に入ったお茶! 綺麗で美味しいです!」
 どうぞと差し出すのを、
「ああ……ありがとうございます都月君」
「木常野さん準備万端だね、ありがとう、どっちも貰うよ」
 晃と澪は礼を言って受け取る。
「ふふ……本当だ。とても美味しいですね」
 澪が頬に手を当て笑む。
 すると都月の肩の上にいる精霊の子がおいしそうな匂いに興味を示す。
「いい匂いだろ。団子だ!」
 都月が教えてあげると、これがそうなんだ、というようにじっと見つめる。
「ゆっくり食べるんだ」
 そう言って精霊の子にも団子をあげると精霊の子は嬉しそうに食べ始めた。
「肩の子、なんてお名前だっけ」
「栗花落先輩、この子はチィっていうんです」
「チィ」
 精霊の子も名前を呼ばれたと思ったのか返事をするように鳴く。
「チィ? ふふ、可愛い名前だね。チィー、美味しい?」
 澪が首を傾げて覗き込む。
 ゆっくりと言われているのに、ついつい食べるのに夢中になるチィの様子に、
「可愛いなぁー……ねぇねぇ、こっちにもおいでー?」
 手を伸ばすと素直に精霊の子は、その手の中に納まる。もふもふが心地よく澪は頬を摺り寄せる。
「チィ、先輩に甘え過ぎちゃダメだぞ?」
「そう言えば……」
 彼らの様子を保護者のごとく微笑ましげに見ていた晃は、ふと何かを思いついたように、都月の耳元に口を寄せ、囁くような小さな声で問う。
「都月君は演技、お得意ですか?」
「?」
 どういう意味だろう、都月は声には出さないまでも、疑問顔をするが、
 問いの続きはなく、晃は笑むと指に挟んだ花弁を見せる。
「髪についていましたよ?」
「ありがとうございます!」
 晃は、そのために顔近づけただけとでもいうように都月から離れ、桜を見遣る。
『今のやり取りは?』
 澪は一瞬不審に思い首を傾げるが、彼の事だ、恐らく次の幕のための演技はもう始まっているのだろうと判断し、お団子を食べながら、あえて、そ知らぬふりをする。
 晃は横目で館をうかがう。無論、影朧が見える所にいるはずはないが、花見の様子も影朧が観察しているというのなら、こうした意味深なやり取りは影朧の琴線に触れるだろう。
『なんらかの秘密を持つ被害者……それも演じるには楽しそうだ』
 晃は自分の気持ちを隠すように口の右端だけで笑みを見せた。
「あ、先輩達、お茶のお代わりいりますか? 俺の分もないので、必要なら俺、買ってきますよ?」
 都月が二人の手元を見、声をかける。
「ええ、じゃあご好意に甘えて」
「そうだなぁ…じゃあ僕もお願いしていいかな?」
「迷子にならないように気をつけてねー?」
「大丈夫ですよ!」
 実際、澪より都月の方が歳上なのだが澪の言葉に気を悪くするでもなく、そう答えると元気いっぱいに駆け出す。
『多分先輩達、仕事の時間だって言ってるんだな』
 走りながら、先程の言葉の意味を考える。
『今はお花見楽しんでるフリしなきゃ』
 一瞬、気を引き締める表情になるが、すぐ緩み、ククと笑い声さえ漏れる。今の自分は『フリ』ではなく普通に楽しんでいるのに気づいたから。
「お茶、お持ちしました!」
 都月は今日一番の笑顔で二人にお茶を掲げて見せた。

「皆楽しそうだねぇ、何より何より」
 館の賑わいは外からも感じられた。
『さて、ここらで空気を換えようか』
 髪塚・鍬丸(一介の猟兵・f10718)は屋敷の敷地へと無遠慮に足を踏み入れた。
 今日の彼はぼさぼさの髪に無精ひげを生やし、むさくるしい薄汚れたスーツ姿。
あえて殺されて当然な人物を演じているのだ。さしづめテーマは怪しげなゴシップ狙いの不良記者。
 周りを一切気に掛けない様子で花見の特等席を陣取ると、無造作に足を卓に投げ出し、持参の酒をぐびぐびとあおり、持参の肴をがつがつと下品に喰らう。
「よぉ、お前も飲みなよ、遠慮すんなって」
 近くを通りすがった招待客を捕まえて無理やり酒を持たせると、酒器を持った手で館を指しながら、
「いい館だねぇ。……そうだ、昔ここで悲惨な殺人事件があって一家離散、その後も不幸事が度重なって無人になった、って記事はどうだ?」
「どうだ? って調べてみない事にはなんとも」
 困惑気味に答える相手に当てつけるように、よりでかい声で返す。
「裏どりか? そんなのは、ちょいちょいって書いてやりゃあいいさ」
「え、それじゃ捏ぞ……」
「捏造じゃあねぇよ、噂を膨らましてやるだけさ。売れそうじゃねぇか、はっはは! そら、行った行った!」
 楽しげに笑うと、自分で絡んだ相手の背をバシッと叩き、しっしと追いやる。
「いやぁ、こんな風流な所で花見とは楽しいねぇ。怪しい館に満開の桜にうまい酒、最高だね!」
 いかにも酔っ払いの風体だが、実際酒に呑まれているわけではない、あくまで、そのふりだ。
 鍬丸は顎をあげ屋敷を睨む。お膳立ては揃えた。さぁ、殺してみやがれとばかりに。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​




第2章 冒険 『紙面のネタを集めてほしい!』

POW   :    ●『外回り』:栄えある帝都だ。紙面のネタも敵の影も、あちこちにある。

SPD   :    ●『パパラッチ』:著名なスタアや施設の周囲は、吉凶問わないニュースで溢れている。彼らを狙い撃ちだ

WIZ   :    ●『ネタの整理』:集まったネタの山に特ダネが眠ってるかも。影朧に繋がるようなものが…

👑11
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 時は経ち、猟兵たちは皆、館の中にいる。
 外は夜桜。館内にはごちそう。豪華に飾り付けられた大広間もあれば、彼らが泊まれるよう、それぞれに部屋も用意されている。

 後は、猟兵たちが事件に巻き込まれにいってもらうだけだ。仕掛けに引っ掛かりに行くのも良し、仕掛けではなくても人間関係のもつれなんかが原因でも、あるいは自分で勝手にマヌケな死にざまを見せるとかでもよい。その辺は自由だ。一応、本当には死なないように気を付けよう、とは注意しておく。
 皆、新聞社の人間という事になっている。余計な好奇心を見せ、殺されに行くのはとても自然だろう、多分。

 舞台は整った。
 張り切って惨劇を始めよう!
稷沈・リプス
アドリブ歓迎。

よし、さっきまでので『よく食べる』印象はバッチリなはずっす。
口にいれても大丈夫な血糊いれたカプセル用意してあるっす。あとこの服、汚れても大丈夫なやつっす。

「しかし、誰がこの招待状を出したんっすかね?太っ腹な主に取材したいっす」
のちのち紙面掲載したいっす、とか言いながら毒の入ったやつ食べて。
毒耐性で耐えつつ、口に仕込んだカプセル噛み潰して…血糊だばぁ!
苦しむ演技しつつ、ぱったり倒れるっすよ。傍目では毒にやられての吐血に見えるはずっす。
あ、ペットの蛇(『明け食らう蛇』)が鼻舐めてくるっす…。くすぐったいの耐えるっす…。

※蛇は『心配している』演技のつもりである。


髪塚・鍬丸
殺される演技に専念する事で【忍術】発動。
【第六感】【罠使い】【情報収集】の技能が研ぎ澄まされる。
酒を片手に歩き回りながら仕掛けられた罠を見抜く。

扉を開けると刃物や銃弾が飛んでくる類の罠があればそいつを使わせて貰おう。
「記事にするにもネタが欲しいよなぁ。家族の写真とか日記とかねぇのか?」等と無遠慮且つ勝手に部屋を漁ろうとする。立入禁止の部屋だと尚いいね。
扉の奥から放たれた凶器を喰らい、悲鳴と血飛沫をあげて吹っ飛ぼう。無惨な死体となって転がる。

今の俺に攻撃は効かない。移せ身の術で人形と入れ替わっている。自身は【早業】【目立たない】で瞬時に物陰に隠れて隠密状態となり敵の出方を伺おう。
さて、どう来る?


木常野・都月
【鯱狐兎】

ご飯も美味しかったし、このまま大浴場でのんびりできたら最高ですよね!

お風呂上がりに牛乳飲むと、凄く美味しいんですよ!
栗花落先輩は、これから伸びますから、飲まないと!
背が伸びなくても、先輩可愛いから、俺はこのままでもOKですよ?

でもなんだろう……俺、なんか少し……苦しぃ……。
(演技って聞いてたけど、ちゃんと割と苦しいんだけど!?俺、毒耐性無いのに……!いやでも、これ演技、演技だから!)
堺先輩……まさか……父との事……

(死んだフリ…我慢。
きっと堺先輩が助けてくれる。
でも本当に苦しい……
栗花落先輩……堺先輩……2人とも苦しんでる……
先輩、解毒剤…早く……俺、割と骸の海に逝きそうです……)


栗花落・澪
【鯱狐兎】

お風呂いいねー!
露天風呂もあるのかな?
う、牛乳…牛乳かぁ
飲んだ方がいいのは知ってるんだけどねぇ…
ミルクキャンディじゃダメかな…(飲む牛乳嫌い)

窓際から夜桜を眺めながら
けれど突然の木常野さんの苦しむ様子に驚く【演技】
そしてほぼすぐに僕も苦しくなって膝をつき

な、んで…これ…毒……?
復讐…新聞社…僕の、叔父さん…?

僕の叔父さんと木常野さんのお父さんが
かつての晃君の先輩で恨みを買ってた
的な捏造設定

でも、こんな事したら貴方だって…
あ、そっか…自分の分にも、混ぜ……

ほんとに血を吐いてみせる晃君の様子に合わせて倒れてみるけど
僕ただでさえ心臓アレなんだし
もうちょっと加減欲しかったなー(無事だけど)


堺・晃
【鯱狐兎】

ふふ、お風呂上がりに牛乳ですか
都月君は随分人間らしい事をご存知ですね

優しい微笑を浮かべながら
けれどふと口元以外の全てから笑顔を消し

でも…残念
それはもう叶わないかもしれません
先程の料理に薬を混ぜさせていただきました
遅効性ですが、強力な…ね

懐から取り出した無色透明な毒薬
貴方達のご両親には大変お世話になった
ようやく礼を返す事が出来る
その息子、甥っ子である貴方達に…復讐という形でね

貴方達は運が無かった
勿論…僕もこのまま残れるとは思ってませんよ
ふふ…恨みを持つ者同士の無理心中
趣があるでしょう

まぁ、【毒使い】の僕が分量を間違える筈ないんですよね
【毒耐性】もありますし
隙を見て解毒針で対処しますよ



「続いてのお楽しみは、なんといっても食事っすね」
 稷沈・リプス(明を食らう者・f27495)は邸内に入ると意気揚々と真っ先に食事の席に着いた。
 花見の時に大いに食べ『よく食べる奴』という印象付けに成功しているはず。
 血糊カプセルを口に含み、血糊がついても大丈夫なよう汚れてもいい服を着て、死んだフリの準備は万全。後は演技に移るだけ。
「しかし、誰がこの招待状を出したんっすかね? 太っ腹な主に取材したいっす」
 ナイフとフォークを構え、どこかに潜む影朧に聞こえるように言った後、早速いただく。
 毒が仕込まれているのは恐らく、メインのミートローフ、躊躇わずに大振りに切って一口。うん、と大きく頷き、
「これは美味。多種な素材が違和感なく溶け合ってるっす。建物についての記事と一緒に食事のレポートも掲載したいものっす」
 そして、また一口、二口。毒が回るのを自覚するが、毒耐性でこらえ。
「うっ!」
 声をあげ、口を押える。更に、カプセルを噛み潰し、ゴボボ、血糊を吐き出す。
「一体何が……く、だ、だれかたすけ……」
 ばたりと倒れこむ。毒殺された吐血死体の出来上がりだ。
 「影朧が来るまでこのままでいなきゃ、やばいんすよね」
 なかなかつらいものがあるのでは、そんな事を考えていると『明け食らう蛇』がシュルシュルと近寄ってくる。
 顔の近くに来ると、ちろちろと鼻を舐めだす。
『明け食らう蛇』なりに、主人が倒れ心配する演技をしているようなのだが、そこまで考える余裕がリプスには無く、リプスはひたすらくすぐったさに耐えるのみであった。

 木常野・都月(妖狐の精霊術士・f21384)と栗花落・澪(泡沫の花・f03165)、堺・晃(元龍狼師団師団長・f10769)らは食事を終え大広間の窓からバルコニーに出ると、夏の風と夜桜を楽しんでいた。
「ご飯も美味しかったし、このまま大浴場でのんびりできたら最高ですよね!」
「お風呂いいねー! 露天風呂もあるのかな?」
 都月が言えば澪もノリよく相槌を打つ。 
「露天風呂とまではいかないまでも、なかなか広い浴場があるみたいですね」
 晃は昼の花見の時のように、2人がワイワイ言っているのを微笑まし気に見守っている。
「じゃあ、行きましょうよ。お風呂上がりに牛乳飲むと、凄く美味しいんですよ!」
「う、牛乳……牛乳かぁ、飲んだ方がいいのは知ってるんだけどねぇ……」
 怯む澪に都月は畳みかけるように、
「栗花落先輩は、これから伸びますから、飲まないと!」
「ミルクキャンディじゃダメかな……」
 都月はダメダメと首を横に振った後、ニッと笑い、
「背が伸びなくても、先輩可愛いから、俺はこのままでもOKですよ?」
「ふふ、お風呂上がりに牛乳ですか。都月君は随分人間らしい事をご存知ですね」
 晃が半ば独り言のように言う。
「でも……残念」
 変わらず浮かべていたはずの笑顔がふいに消える。口の端の歪んだ笑みだけはそのままに懐から何か取り出しながら言葉を続ける。
「それはもう叶わないかもしれません」
「あれ? なんだろう……俺、なんか少し……苦しぃ……」
 晃の言葉と共に、手すりを背に都月がしゃがみこんだ。
「木常野さん?! 晃君、木常野さんが……くっ……な、んで…これ」
 都月の様子を見ようと屈みこんだ澪もそのまま、呻き声をあげ、膝をつく。
「先程の料理に薬を混ぜさせていただきました。遅効性ですが、強力な……ね」
 その言葉に2人が晃を仰ぎ見ると、彼の手には小さなガラスの瓶があった。透明の液体がその中で揺れている。
「薬、って……毒?」
 どうにか声を出す澪の問いを聞かぬ顔で晃は話す。
「貴方達のご両親には大変お世話になった。ようやく礼を返す事が出来る。
その息子、甥っ子である貴方達に……復讐という形でね」 
「堺先輩……まさか……父との事……」
 都月が半ば吐息のような声を漏らし、それから気を失ったように目を閉じた。
「復讐……新聞社……僕の、叔父さん……?」
「貴方達は運が無かった、新聞記者などではなく別の道を選んでいれば、いや、せめて別の新聞社に入っていればこんな事には」
 心底二人を憐れむような眼、けれど晃の心の内は見えない。
「でも、こんな事したら貴方だって」
「勿論……僕もこのまま残れるとは思ってませんよ」
 晃が不意に咳き込むと血の跡が床につく。
「あ、そっか……自分の分にも、混ぜ……」
 納得したように呟くと、澪はその場に倒れこんだ。
「僕が憎いですか? ふふ……恨みを持つ者同士の無理心中、趣があるでしょう」
 言わずもがなだが、3人ともここまですべて演技だ。晃は2人を見下ろしながら確認する。
『都月君、だいぶ苦しそうですね、僕が調合したもの以外にも多少、料理に元々仕込まれていた毒も作用しているようですね』
 晃は毒使い、毒の見立ては間違えない。加えて彼自身には毒耐性がある。
『僕ただでさえ心臓アレなんだしもうちょっと加減欲しかったなー』
 澪が薄目で晃に訴える。
『隙を見て解毒針で対処しますから』
 目で応え、晃も苦し気に唸り、倒れる。
 都月は2人が倒れた気配を感じる。
『ちゃんと割と毒で苦しいんだけど!? 俺、毒耐性無いのに……! 演技できますって答えれば毒なしにしてもらえた
かな……無理か』
 それでも、懸命に死んだフリを続ける。
『……我慢。きっと堺先輩が助けてくれる。でも本当に苦しい……先輩、解毒剤…早く……俺、割と骸の海に逝きそうです……』
 なんだか気が遠くなってきたような……間に合うか間に合わないか? 続く次章(間に合います)。

「記事にするにもネタが欲しいよなぁ。家族の写真とか日記とかねぇのか?」
 髪塚・鍬丸(一介の猟兵・f10718)は壁に飾られた肖像画をつまらなそうに眺めながら、ぼやいた。
 酒を片手に無造作にうろついているように見せかけ、その実、忍術の発動により神経は研ぎ澄まされている。
 窓際、廊下、お手洗い、それぞれに即死の罠を見つけた、だが、どうせなら今の演技によりふさわしい場所で殺されるべきだろう。
 彼は立ち入るのを禁止されている部屋の前に立つ。確認してみれば、ドアには何か仕掛けがある。ここがいい。
「どこでもどうぞ、な招待状で、立ち入り禁止の部屋なんざ、怪しいもんだねぇ! 面白いものが隠されてるんじゃねぇか?!」
 ドアノブをガチャガチャと大きな音を立て開ける、と、その瞬間に、
 ダダダダダダ! ドアにつけられていた糸が引っ張られ、その先にあった自動小銃の引き金が引かれた。
「うわぁああ!」
 まともに銃弾の嵐を全身に受け、血しぶきをあげながら吹っ飛び。ダァ―ン! 壁に当たり、その場で動かなくなる。
 そこにあるのは無惨な鍬丸の死体に見えた。だが、事実は異なる。
 死体のように見えるのはただの人形。忍術で高めた身体能力が銃撃を喰らう寸前の移せ身の術による本体と人形との入れ替わりを可能にさせたのだ。
 本物の鍬丸はカーテンの陰に身を隠し、隠密状態で気配を完全に消し、出方をうかがう。 
「さて、影朧はどう来るか」

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

ウィリアム・バークリー
同行:オリビア・ドースティン(f28150)

今度は殺人事件ごっこか。その場のノリでいくのが一番かな? ぼくは、クロスボウで撃たれてみよう。

オリビアさんを守るように先を立って廊下を歩いてると、足下に張られた糸に引っかかってクロスボウが太矢を射出。ぼくの胸に突き刺さるって寸法。
実際は先の尖ってない刺さらない矢で、それも刺さったと見せかけるために胸の前で握り込んで止めるよ。
血が出てないのが不自然だけど、服を汚したくないし(本音)。

オリビアさんは一杯驚いてね。でもきっと、ここにはトラップの第二弾が。
ああ、でも悲しいかな、死体には助けることは出来ない。
オリビアさんが上手く切り抜けるのを願わせてもらおう。


オリビア・ドースティン
同行:ウィリアム・バークリー(f01788)
ウィリアム様と事前に内容を内緒話で打ち合わせしておく
殺人事件の模倣ですね。ウィリアム様がクロスボウで撃たれたら悲鳴を上げます
「ウィリアム様しっかりしてください!今ならまだ治療も間に合います」
廊下は危ないので近くの部屋に避難しようとドアノブに手を伸ばすと顔をしかめて一旦ポケットへ(刺された箇所と血の偽造に細いペンと赤いインクを仕様)
そして指先を見ながら 「まさかこんな所に針が・・・頭が痛くなってきましたしまさか毒が・・・」
そう言いながらウィリアム様の隣に倒れます


ソルティリア・ブレイズ
アドリブ/連携歓迎
POW

自作自演の殺人事件か……さて、どうしたもんかなぁ~。
全員新聞記者(って設定)なら、不可解な音に反応してすぐ突撃しそうだし……自由って言うのなら、少し派手にやっちゃおうかな。

会場を外回りして見つけた場所に、ごちそうで使われてた(?)トマトでも転がしてUC【瞬間錬成】使用。半径内に転がしたトマトを、剣で狙い撃ちにして、トマトの汁を血に見立てるなりしておいて、自分はその中心で寝っ転がっていようか。
剣が刺さる音はデカいかもしれないが気にしない方向で……。
協力者がいるなら、私が犯人役でも担おうかな?

さぁさぁ、剣という派手な凶器による、不可解な殺人事件……ってね。


鹿村・トーゴ
(腕組みして)単なる死体の真似なら出来ても死に様まで演技って難しーよな
(鸚鵡のユキエが突っ込み『演技力ないもんね、その辺に倒れておけば』【動物と話す】
…冷たー
さっき見て回った感じだと
毒入り料理を食べたとか窓から転落死とか
『さっき見てた桜で首吊りは?』

床に大き目の足跡を付けるか
筋書きはこう
3階ぐらいの部屋に侵入した何かに怯え窓から転落
扉には鍵
手荷物が暴かれ(残りは適当な着替えだけ)
床には動揺して落とし割ったらしい料理皿やカップ
人が来たらUCの蜂が部屋でガタガタ物音を立てる(ただの効果)
自分は落下し着地後、桜の庭で血糊と一緒にうつぶせで死体のフリ
ユキエはオレの上で不思議そうに待機ね(演技

アドリブ可



「単なる死体の真似なら出来ても死に様まで演技って難しーよな」
 鹿村・トーゴ(鄙村の外忍・f14519)は自室で腕組みしつつ思案するが、
『演技力ないもんね、その辺に倒れておけば』
 鸚鵡のユキエは容赦ない。
「……冷たー。殺害状況も悩むよな。見て回った感じだと毒入り料理を食べたとか窓から転落死とか?」 
『さっき見てた桜で首吊りは?』
「それはやだなー。桜も可哀想だろ? あ、そうだ、こんなのはどうかな」
 しばらくしたのち、トーゴの部屋から叫び声が聞こえた。
「う、うわー、何だ、お前は……どこから来た? 馬鹿な、ここは3階なのに! く、来るなー!」
 その後に何かが割れた音、それから、どさっと何かが落ちたような音が聞こえた。
「どうしたの?!」
 ソルティリア・ブレイズ(過去の剣豪・f27901)が部屋に向かった。ドアには鍵がかかっていた。
 中ではガタガタと音がする。強引にこじ開けると部屋に押し入った。そこには誰もいない。
 床には足跡、部屋主が驚いた拍子に割ってしまったらしい料理皿やカップも散らばっていた。
 金目のモノを物色したのか、目当てのものがあったのか、手荷物は荒らされていた。
 ソルティリアが窓から下を覗くと庭にうつぶせに倒れたトーゴの死体が。
「一体、この部屋で何が? 謎の侵入者の正体は?」
 トーゴに向かってソルティリアが事件のあおりのような台詞を投げかけた。
 彼女の言葉に無事に事件現場を作り出せたとトーゴはホッと小さな息をついた。
「虚蜂たちも、ちゃんと物音立ててくれたみたいだな」
 トーゴが呟く。ユキエには彼の背に乗ったまま、不思議そうに飼い主を覗き込む役をお願いしている。
 ユキエが問う。
『ねぇ、頭つついてもいい? どうしたの? 起きて! みたいに』
「……それはやめろ」
 庭に倒れ伏すトーゴを見ながら、
「自殺、じゃないみたいだね。もう、密室の事件は起こった後か……何なら犯人役をやっても良かったんだけど」
 物騒なことを述べた後、彼女は次は自分の番とばかりに中庭へ向かう。白砂利が敷かれた路上に、
「このトマトを……」
 晩餐で供された赤さが自慢の高級完熟トマトを何個か置き、ユーベルコードを唱える、瞬間錬成。
上空から何十本もの剣が降り注ぎ、ダダダダダ、巨大な雹でも降り注ぐような大きな音を立てながら、残さずトマトに突き刺さる。トマトの原型は既にそこにとどめておらず、白砂利の上に飛び散った鮮やかな赤い色をした汁は、あたかも血のようだ。
 大分音はうるさかったが、これぐらい目立つ方がいかにも、謎めいた事件ぽくていいだろう。
「うん、こんなものかな、それじゃ」
 ごろん、その中心にソルティリアが寝っ転がる。
 無数の剣が使用された派手で不可解な殺人事件の現場とその死体のできあがりだ。

 館の長い廊下を歩いていたオリビア・ドースティン(西洋妖怪のパーラーメイド・f28150)は眉を顰め傍らにいるウィリアム・バークリー(“聖願(ホーリーウィッシュ)”/氷聖・f01788)に話しかける。
「先程から悲鳴や大きな物音が聞こえませんか」
「うん、どうも様子がおかしいね、とにかく、皆がいる所に行こうか、オリビアは僕の後ろを歩いて」
「はい」
 ウィリアムは彼女を庇うように前に出、慎重に廊下を歩いていく、時折に周囲を充分に確認しながら、だが、
「しまった」
 足元に張られていたテグス糸に引っ掛かりウィリアムが小さく声を出した。それはただ、進行を妨害するためのものではなかった。糸の先には仕掛けがあった。前方からクロスボウが現れ、そこから太矢が放たれる。ギュン!
「うっ!」
 ウィリアムの胸に矢が真っ直ぐに突き立てられている。
「キャーーッ!」
 館内にオリビアの悲鳴が響いた。
「油断したか……」
 ドサッ。ウィリアムがあおむけに倒れる。胸に突きささった矢を抜こうとするかのように右手は矢を握り締めた格好で。
 ……実際は先が尖っていない矢を自分の手で胸の前で受け止め、そのまま胸に手を当て刺さっているように見せかけているだけだ。故に刺さっているはずなのに血が一滴たりとも出ていなかったり、倒れ方もどこか不自然だったりするのだが。
 何より服を破いたり汚したりしたくない、その思いで、このような形で押し通すことにした。
「ウィリアム様しっかりしてください! 今ならまだ治療も間に合います」
 この二人の段取りは既に内緒話で打ち合わせ済みなのだが、オリビアは本当に彼は瀕死なのではと思えるぐらいの迫真の演技を見せる。
 とにかく、避難を。そして手当てをしなければと手近な部屋に入ろうと彼女はドアノブに手を伸ばす。
「痛い!」
(あー、けれども、そのドアノブにもまた第二のトラップが仕掛けられていたのだった)
 ウィリアムが心の中でナレーションを入れる。
「こんな所に針が?」
 彼女の指先から血が伝う――これも勿論、ポケットに潜ませた細いペンと赤いインクを使った偽の血だ。
 あっ、と、オリビアは小さく声をあげる。
(大丈夫?)
 芝居とはいえ、つい、ウィリアムも反応しそうになるのだが、
(ああ、でも悲しいかな、死体には助けることは出来ない。オリビアさんが上手く切り抜けますように)
 オリビアは顔を片手で覆い、ふらふらとよろめく。
「……頭が痛くなってきましたしまさか針に毒が……」
 バサ。オリビアはウィリアムに寄り添うように倒れ伏した。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​




第3章 ボス戦 『物憑き文士』

POW   :    狗憑き
【レベル×1体の呪詛もたらす狗霊】で攻撃する。また、攻撃が命中した敵の【匂いと味】を覚え、同じ敵に攻撃する際の命中力と威力を増強する。
SPD   :    狐憑き
自身が【興味】を感じると、レベル×1体の【混乱もたらす狐霊】が召喚される。混乱もたらす狐霊は興味を与えた対象を追跡し、攻撃する。
WIZ   :    物書き
【恐怖もたらす言霊】を籠めた【レベル×10枚の原稿用紙】による一撃で、肉体を傷つけずに対象の【精神】のみを攻撃する。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は玖・珂です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 館が静まり返っている。
「終わったようですね」
 いくつかある館の隠し部屋を回りつつ、この惨劇(というかその芝居)を一部始終とは言わないまでも、ある程度は見ていた影朧『物憑き文士』。
 何故か、仕掛けた覚えのない凶器で倒れる者や、自分のあずかり知らない所で惨劇のドラマが幕開けしていたりしてたが、
「全てが自分の予定通りというのもつまらないですからね、新聞社の内情などきっとドロドロしたものに違いありませんし」
 微妙に前向きなことを呟く。
 そして『物憑き文士』は確認し書き記すために隠し部屋を出、現場に現れた。
ウィリアム・バークリー
同行:オリビア・ドースティン(f28150)

(太矢を投げ捨て)
ようやく影朧のお出ましか。随分と手間をかけさせてくれたね。すぐに討滅してあげるから、大人しく輪廻の輪へ還るんだ。

Active Ice Wallを展開し、仲間を守る。特に、アルカナ・ブラスターを詠唱中のオリビアさんはしっかり手厚く。
防御は氷塊で担当させて、攻めに回らなきゃね。
「高速詠唱」「全力魔法」氷の「属性攻撃」のIcicle Edgeで集中砲火をかける。
影朧の攻撃が弱まってきたら、オリビアさんに場を譲ろう。さあ、やっちゃって!

とどめの追い打ちに、ルーンスラッシュ。

結局この影朧って、物書きになりたかった人の後悔から生まれたのかな?


オリビア・ドースティン
同行:ウィリアム・バークリー(f01788)
ウィリアム様と共に影朧に立ち向かいます
「やっと姿を現しましたね、これで掃除が出来ます」
戦闘ではアルカナ・ブラスターをチャージしていきます
「ウィリアム様、申し訳ありませんが護衛のほう宜しくお願いします」
詠唱を重ねていき十二分にチャージが済むor相手が回避できないorウィリアムがピンチのいずれかの状況になったら発射します(制圧射撃も混みで狙っていきます)
「綺麗に片付ける為にも原因は綺麗に掃除させていただきます」


髪塚・鍬丸
お前さんが犯人かい?痛かったぜ。
と、変装したままの姿で現れる。もう暫く付き合ってやろうさ。

狐霊を召喚されたら一旦【ダッシュ】【早業】で奥の通路に逃げ出そう。狭い屋内で無数の使い魔と戦うのは不利だ。
通路の袋小路に追い詰められたら、狐霊の攻撃を喰らう瞬間を【見切り】、UC【微塵隠れの術】を使用。
敵のUCの効果を無効化すると同時に、狭い空間での爆発で狐霊を一気に吹き飛ばす。

更に、文士の影に転移。
【暗殺】【忍び足】【目立たない】の技能の併用で、相手に気取られない様に奇襲攻撃。変装の解けた忍装束姿で、忍者刀で背後から斬りつけるぜ。
お前さんは作者じゃない、登場人物の一人なんだぜ。油断するなよ。


稷沈・リプス
アドリブ歓迎。

でてきたっすね。よし、『明け食らう蛇』、あいつにかみつくっす!(【動物と話す】でこっそり)
あ、蛇がヤル気満々っす。
『やっとぞ!覚悟せい!』

(血糊だばぁのまま。わりとホラー)
うーらーめーしーやーって言うんっすよね?
料理はたしかに美味しかったっすけど、耐性あっても毒は痛かったっす!
「これは太陽神より借り受けた権能の一」
というわけで、ライオン来るっすよって、蛇と一緒に荒ぶってるっす。意気投合してるっすね。
俺自身も獣奏器(オカリナ)吹いて精神攻撃するっす。
誰も犠牲にはなってないんっすよ、本当。

※借りて返せなくなったライオン(気質のほほん。名前はない)曰く
『未然とは言え、許さないからー!』



「ふむ、皆、見事な死にざまを見せてくれたものだ……立ち入り禁止を無視する愚か者。食い物に油断する者、ここには男女か……さてこのルポルタァジュ、どのようにまとめようか」
 懐から筆記用具を取り出すそうとしているところで、ウィリアム・バークリー(“聖願(ホーリーウィッシュ)”/氷聖・f01788)は太矢を投げ捨て、身を起こした。
「ようやく影朧のお出ましか。随分と手間をかけさせてくれたね」
 ともに倒れていた女も一緒に起きる。
「やっと姿を現しましたね、これで掃除が出来ます」
「何だと?」
 動揺する影朧の背に髪塚・鍬丸(一介の猟兵・f10718)が声をかける。
「お前さんが犯人かい? 痛かったぜ」
 あえて鍬丸は不良記者の扮装のまま。この茶番劇に、もう暫く付き合ってやろうというところだ。
「何だと、みんな死んでいなかったというのか、いや、確かに矢も弾も撃たれていた……」
 鍬丸の隣で稷沈・リプス(明を食らう者・f27495)が血糊を口からだばぁーっと吐き出したまま両手を胸元でだらりとさせた。お約束の格好で、
「うーらーめーしーやー」
「まだ生きている者がいるだと? 食事は食べていなかった、それとも毒が効かなかった?」
「食べたっすよ、美味しかったけど、毒入りはもう遠慮したいっす!」
 うげぇと舌を出す。毒耐性があるにしてもなかなかつらい思いをしたようだ。
「なるほど、皆、ただの人ではない、新聞社のものではないようだな、ならば、遠慮なく力で葬らせてもらおうか」
「まだ、自分が物語の作者のつもりでいるのかい」
 鍬丸の言葉を挑発と受け取ったのか、『物憑き文士』は彼の方に手のひらを向け、
「まずは貴様からだ。行け狐霊!」
「こいつはいけねえな」
 狐霊の群れが襲い掛かる。咄嗟に鍬丸はより狭い通路へと逃げる。広い場所で無数の敵を相手にするのは得策ではないという判断。
「逃げるか……だが、そこは行きどまりだ!」
 袋小路。鍬丸は壁を背にし、敵に対峙する。狐霊の群れとその後ろに『物憑き文士』。
「お前も来たのか、これは好都合」
 彼らを見て、鍬丸が口の端をあげる。狐霊らが一斉に襲い掛かる。絶体絶命か? しかし、
「……微塵隠れの術」
 鍬丸が唱えると共に爆発が起き、狐霊らが吹き飛ばされ消滅していく。そしてその爆発の中心にいるはずの鍬丸は。
「あの男が……いない?」
 影朧がぐるりと周りを見て天井を見る。その間に影朧の足元の影から何かが浮き出る。
 それは刀を振りかざし。ザシュッ! 影朧の背を斬りつける。
「ぐっ! 貴様どこから」 
 鍬丸は微塵隠れの術により影に潜んでいた。今は変装は解き、いつもの戦闘時の忍装束姿で忍者刀を構え立つ。
 睨む影朧に首を傾げ、鍬丸は言う。
「言ったろ? お前さんは作者じゃない、登場人物の一人なんだぜ。油断するなよ」
「ちっ」
 影朧は一時退却とばかりに鍬丸から逃げ出すと、リプスに出くわす。
「でてきたっすね。よし、『明け食らう蛇』、あいつにかみつくっす!」
 リプスが傍らの蛇にこっそり話しかけると
『やっとぞ! 覚悟せい!』
「ヤル気満々っすね」
 蛇が荒ぶる様子を頼もしげに見ながら、彼は唱える。
「これは太陽神より借り受けた権能の一」
 彼の言葉によって呼び出されるのは太陽神の使役する黄金獅子。
 借りてきた猫ならず、借りてきたままになっているライオンは堂々たる姿で現れる。
『未然とは言え、許さないからー!』
「蛇と一緒に荒ぶってるっす。意気投合してるっすね」
 彼らのやり取りにイラついたように『物憑き文士』は手を振り、
「調子に乗るな」
 狗霊らを召喚し、けしかける。
「――! くっ」
 狗霊らは彼らに牙を立てる。受けた傷はさほどではない、だが。
「お前たち、味は覚えたな。もう一度だ、行け狗霊共!」
 影朧が叫んだと同時に、
「Active Ice Wall!」
 ウィリアムがユーベルコードを唱える。おびただしい量の氷塊が即座に壁となって狗霊の攻撃からリプスらを守る。
「間に合った」
 ほっと息をつく。
「ウィリアム様、申し訳ありませんが護衛のほう宜しくお願いします」
 オリビアが彼の名を呼ぶ。見るとアルカナ・ブラスター詠唱の準備に入っている。
「任せて! ……皆さん、すみません。オリビアの方に防護を厚めに回します」
 リプスが彼に手を振り、
「いやいや、充分、助かったっすよ、さぁ次は俺たちの番っすよ!」
 ライオンが駆け、影朧の出す動物霊たちを蹴散らしていく。リプスはその背に跨り、オカリナを構え演奏を始める。
「……なんだこの音は? 胸の内が重苦しい……やめろ、過去を思い出す気など無い」
 彼の獣奏器からの音は影朧を精神的に攻撃する。
「ふざけるな、貴様らが私を追い詰めようというなら」
『物憑き文士』は恐怖もたらす言霊を籠めた原稿用紙の束を取り出し、彼らに打撃を加えようと振り上げるが、
「つぅっ!」
『明け食らう蛇』がその手にかみつき、『物憑き文士』は原稿用紙を取り落とす。
「この場では誰も犠牲にはなってないんっすよね、本当」 
 リプスは呟く。だが、このままにしていれば、影朧は再び、一般人を巻き込むだろう。今はこの影朧を倒すことに集中する。
「オリビアさんの詠唱が終わるまでは」
 ウィリアムが作り出した防御は影朧の技を防ぐ。
「お前は物書きになりたかった人の後悔から生まれたものなのかな?」
 問うでもなく、ウィリアムが呟くと、違うと影朧は答える。
「私は集め、書き続けていただけだ、それに批判、嫌悪はあったかもしれないがな。故に私は伝承そのものとなった、このまま世の恐怖の種と為れれば幸いよ。転生など愚の極み」
「そう、それなら討滅するしかないですね……大人しく輪廻の輪へ還るんだ」
「―――」
 ついにオリビアの詠唱がやむ。
「さあ、やっちゃって! オリビアさん!」
 全力のアルカナ・ブラスターが彼女から発射される。
 眩しいほどに白い炎が真っ直ぐ影朧に向かう。
「ぐっ!」
 光線は影朧の腹に当たり、鈍い音と共に、それの骨を砕いた。
「綺麗に片付ける為にも原因は綺麗に掃除させていただきます」
 影朧を真っすぐに見据え、オリビアは言う。
「まだだ!」
 ウィリアムがルーンソードを手に影朧の間合いに飛び込む。
「断ち切れ、『スプラッシュ』!」
「ぐぁ!」
 ソードが入った肩口から血しぶきが飛んだ。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

木常野・都月
【鯱狐兎】

はい、堺先輩!栗花落先輩!
俺頑張ります!

先輩達の仕掛けが終わるまで、敵の目がいかないようにしたい。

今回は杖を装備、闇と雷の精霊様の[多重詠唱、属性攻撃]で敵の気を引きつつ攻撃したい。
闇と雷の光で、一時的に相手の視力を奪いたい。

UC【精霊召喚】を。
召喚された精霊様には、敵に縋り付いて貰って妨害をしてもらいたい。

敵の攻撃は[高速詠唱]を乗せた光の精霊様の[属性攻撃(2回攻撃)、範囲攻撃]の[カウンター]で対処したい。
狐の霊も原稿用紙も、光の精霊様に浄化してもらいたい。

(堺先輩、普段と雰囲気がちょっと違う!?)

「栗花落先輩、堺先輩っていつもこんな感じなんですか?(コソコソ)」


栗花落・澪
【鯱狐兎】

僕は小柄な体と飛行能力を生かして事前にどこかに隠れておくよ
人形と方向だけでも合わせたら援護もしやすいかな

敵の目が僕から外れた隙をついて
光魔法の【属性攻撃】で目晦ましを仕掛けたり
敵の足場を氷魔法で凍結させたり
SPD技の対処は【破魔】で手伝おうかな

人形に囚われたら一気に飛び出し
WIZ対策も兼ねて【指定UC】
いっしょにお願いね!

一部の分身に敵UCの盾になってもらいながら
攻撃を突破した分身達と僕で破魔を宿した光の【全力魔法】で一斉攻撃
呪詛扱うなら浄化には弱そうだし?
そのまま二人の技に繋げるよ

こっちも辛い思いしたんだし
責任は取ってよね

あーうん、晃君はいつも…
人前で出すのは珍しいけどね?(こそっ


堺・晃
【鯱狐兎】

さてと…本番ですよ、都月君、澪君

澪君の姿を模した★Mirror Dollを後ろに設置
あたかもそれが本物かのように護りましょう
【罠使い】

君も手伝ってくださいね
僕は【毒使い】です
★紫鴉の爪には手製の猛毒
引っ掻かれないようご注意を
僕も★龍狼剣と★ハンドガンを使い分け
★chain blood keyの毒針で【継続ダメージ、暗殺】狙い
敵のUC対処が面倒ですが…

避けられましたか、残念
でも…ふふ。かかりましたね

敵が人形に近づけば成功
人形の髪は伸縮自在
【捕縛】ついでに【指定UC】

さぁ質問です
貴方はどんな死に方をお望みですか?
こんな舞台を用意してくださる方だ
さぞ素敵な答えを返してくれるのでしょうね


鹿村・トーゴ
死んだフリ完了で今回の敵さんが現れるんだったな…悪趣味な奴だねー
(相棒のユキエにこそこそ話して敵が来ないうちにさっきの部屋に戻っておきな、と避難させる)
敵が庭に来たらUC詠唱を始め
【投擲】を外さない距離に来たと感じたらUCを発動させ【念動力/追跡】も活用し初撃を命中させたい

なんか動物霊っぽいなー
敵UCには当たらないのが一番みたいなだな
【野生の勘】で躱し被弾しそうなときは【武器受け】で弾き
当たれば【激痛耐性】でしのぐが攻撃はやめない
接近し手持ちのクナイで斬り付けて攻撃【暗殺/カウンター】

物書き先生は熱心だねぇ
何のサガだか性癖だか
一般人巻き込む悪趣味な事なんか思いつかなきゃ良かったのによ

アドリブ可


ソルティリア・ブレイズ
アドリブ/連携 歓迎
POW

ついに姿を現したねっ、今回の目標《ターゲット》!
何が自分の思い通りか知らないけど、貴方の自由になんかさせないからな!

とはいっても……凄い量の狗だな、私だけの力じゃこの量は無理だな。
はぁ……仕方ない。

UC【剣王 -ソルティリア-】を使用。剣で身体が構成された巨人兵器を召喚し、自身の装備武器【無銘の太刀】で自分と巨人が2回斬り(計4回)、狗霊を一掃しつつ、間合いにつめられたらいいなと。

全く、ガラじゃない事させるんじゃないよ。



「さてと……本番ですよ、都月君、澪君」
「はい、堺先輩! 栗花落先輩! 俺頑張ります!」 
 堺・晃(元龍狼師団師団長・f10769)が声をかけると、木常野・都月(妖狐の精霊術士・f21384)は両の拳を握り締め元気よく答えた。
「それなら、どんなふうに迎え撃とうか」
「罠を仕掛けましょうか、そう、このような……」
「じゃあ僕はただ隠れるだけじゃなくて……」
 栗花落・澪(泡沫の花・f03165)と晃が話し合っている中、誰かこちらに向かってくるような足音が聞こえる。少し足早な。恐らくは影朧。
 晃と澪の仕掛けの準備はまだ終わっていない。
「俺が時間を稼がなきゃ」
 呟き、都月は影朧の前に単身躍り出る。
「ふん、まだ立ちふさがるやつがいるのか」
「ここは行かせない!」
 都月はエレメンタルロッドを構える。詠唱するのは闇と雷。
 影朧に雷の強烈な光をくらわした後、闇に包む。さほど長い時間ではないにせよ確実に視界を奪う。
 次第に目が見えるようになると影朧は都月が進路を塞ぐように立っているのに気づく。
「先程『ここは行かせない』と叫んでいましたね……そこに何があるというのです、か!」
 都月は後方をちらっと見、仕掛けが出来上がってるのを確認する。
 原稿用紙を振りかざしながら詰め寄る影朧から必死に避けるようにみせかけながら、影朧に進路を譲る。
 影朧が進んだ先にいたのは澪を庇うように立つ晃の姿。
「精霊様、ご助力下さい。影朧の動きを止めて」
 都月は精霊を呼び出し、精霊らを影朧に纏いつかせる。
「何をうとましい!」
 不快気にどうにか払いのけると、影朧は前方に晃がいるのを、そしてその彼の後ろに庇われるように澪がいる事に気づく。
「何を庇っている? また、おかしなユーベルコヲドでも使う気か?!」
「さて、どうでしょう?」
「構わぬ、まとめて葬るまで!」
『物憑き文士』は狐憑き、狐霊の群れを襲い掛からせる。が、澪が発動させたと思われる聖痕の聖なる光がこの場を包み、狐霊の半分ほどは浄化されたのか消滅する。
「光の精霊様!」
 そして残りの半分も都月が呼び出した精霊によって浄化される。
「狐がやられたか、ならば次は!」
「次は僕の番ですよ」
 晃が使い魔のカラス、紫鴉を放つ。紫鴉は影朧に爪で襲い掛かる。
 影朧がどうにか袂で紫鴉をいなすと、袂から白煙が立つ。爪には猛毒が塗られている。
「毒使いなものでね」
 重ね、晃のネックレスから毒針が放たれる。だが、影朧はそれをもいなす。
「避けられましたか、残念」
 影朧は澪の前に立ち、
「まずは一人!」
 原稿用紙の束で殴りつける、それは精神に作用する攻撃。
「ふふ。かかりましたね」
「何だと?」
 影朧が殴りつけたのは澪ではない★Mirror Doll、澪に似せた人形だった。精神攻撃などうけるはずもなく。
「な、髪が」
 伸びる髪が影朧を捕えようと巻き付く。
「今だ! 一緒にお願いね」
 書架の上に潜んでた本物の澪が自分の小さな分身たちと共に飛び降り、全力魔法で破魔の力を『物憑き文士』に食らわせる。
「さぁ質問です、貴方はどんな死に方をお望みですか?」
 晃が問う。晃の周りに拷問器具が召喚される。ユーベルコード、慚愧の刻。
「死? ……ぐ、苦しい」
「こんな舞台を用意してくださる方だ、さぞ素敵な答えを返してくれるのでしょうね」
 恐らく晃は今日一番の笑顔を『物憑き文士』 に向けている。
「ぐ……くそ……このまま、やられて……たまるか!」
 火事場の馬鹿力と言ったところか、影朧は必死に人形の髪を引きちぎると、窓から飛び降りた。
「逃げましたか、でも、庭にも猟兵はいたはず、倒されるのも時間の問題……この手で下せなかったのは残念ですが」
 都月は見慣れぬ晃の姿に戸惑い、晃にばれないように澪に耳打ちする。
「栗花落先輩、堺先輩っていつもこんな感じなんですか?」
 澪は言葉を濁しながら耳打ちし返す。
「あーうん、晃君はいつも……人前で出すのは珍しいけどね?」

「みんな死んだフリ完了、で敵さん現れたようだな、悪趣味な奴」
 鹿村・トーゴ(鄙村の外忍・f14519)は起き上がると、相棒のユキエに小声で話しかける。
「敵が来ない内にユキエはさっきの部屋に戻っておきな」
 素直にユキエは飛んでいき、代わりにソルティリア・ブレイズ(過去の剣豪・f27901)がやってきた。
「おや、アンタの鸚鵡は?」
 ソルティリアが辺りを見回しながら問う。
「部屋に避難してもらってる」
「それなら遠慮なく行けそうだね」
「ああ」
 そんな事を話していると。ドサ。窓から『物憑き文士』が落ちてきた。
「“降りて隠形呼ぶ細声の糸を辿れや爪月の”……追って貫け隠形鬼」
 即座にトーゴは詠唱を始める。じっと影朧を見つめ、タイミング、距離を見計らう。
 初撃を外さないためにも、出来る限り引き付け、自身も間合いを詰めなければならない。
 ソルティリアも太刀を構え、影朧を睨む。
「ついに姿を現したねっ、今回の目標《ターゲット》! 何が自分の思い通りか知らないけど、貴方の自由になんか
させないからな!」
 影朧は立ち上がり、二人を見、舌打ちした。
「ここにも面倒な連中がいたんでしたね」
 呟き、自分の周囲に狗霊らを召喚させる。
「……凄い量の狗だな」
 呆れたようにソルティリアが言う。
「なんか動物霊っぽいな」
 トーゴが対処に動こうとするのをソルティリアが止める。
 それよりもトーゴは確実なユーベルコード発動優先で動くべきだと。代わりにソルティリアは、
「とはいっても……凄い量の狗だな、私だけの力じゃこの量は無理だな。はぁ……仕方ない。こういうのは余り得意じゃないんだけどなぁ」
 ぼやくように呟くと、剣王 -ソルティリア-を発動させた。
「なんだ、それは? 構わぬ、行け!」
 影朧が狗霊をけしかける。
「とぉーっ!」
 ソルティリアは剣で作られた巨人兵器と共に狗霊を斬っていく。ソルティリアが2回斬りで倒していけば、巨人もまた、それをなぞり、同じく2回斬りで切り伏せていく。斬り進むごとに敵との間合いは縮まっていく。
 一方トーゴは冷静に状況を見ていた、そして、
「よし、ここだ!」
 呼子針を発動させる。自身の投擲の能力に、追跡の力を乗せた棒手裏剣は見事、影朧の腹に突き刺さる。
「くっ……ぐはっ!」
 怯んだ影朧に続けて毒針が命中する。影朧がよろめく。
「ま、まだ、このままで済ますものか!」
 そう叫び狐霊を放ったつ。だが、ソルティリアは変わらず巨人と共に切り伏せていき、トーゴもまた、苦無で攻撃をしのぎきった。
 もう、自分の勝ちはないと悟ったか、ぺたんと『物憑き文士』は尻もちをつき、後ずさる。
「くそ、なぜこうなった? 貴様らは何なんだ? 私は招待状は全てただの人間に送ったはずだったというのに。完璧な計画のはずだったのに……」
 トーゴは呆れたとも感心したともつかぬように首を横に振りながら言う。
「物書き先生は熱心だねぇ。何のサガだか性癖だか」
 けどよ、と眉をひそめ苦無を投げつける。それは、影朧の左胸に刺さる。
「一般人巻き込む悪趣味な事なんか思いつかなきゃ良かったのによ」
 ソルティリアはもはや意識を失ったと思える影朧の前に立ち、太刀を振り上げる。
「面倒な仕事だったよ……全く、ガラじゃない事させるんじゃないよ」
 ブン。太刀は振り下ろされ、影朧は両断され、即、空気に溶けるように消滅していった。

 物語を始めたのは『物憑き文士』、だが、物語を終わらせたのは猟兵たちであった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2020年08月02日


挿絵イラスト