『米』の消滅、取り戻せ🍚
●『米』の消失
米、其れはアジアでは主食として食べられることの多いものであり、特に日本においては縄文時代中期から栽培が行われ、縄文時代晩期には大々的に水稲栽培が行われた、
明治になり文明開化が起きる迄、税としても扱われてきた、日本人にとって何より慣れ親しんだ物であり、パンや麺類などの選択肢が増えた今でも掛け替えのない主食と言える存在である。
そして、どちらかというと古いタイプの日本的感覚を有する日本妖怪にとっては、というと……。
「田を……米を返せええええええええええ!!」
「儂の研ぐ米が…儂の研ぐ米が消えてしもうた……」
「銀シャリ……俺達の銀シャリがああああああ?!!」
「……ど、泥田坊と米研ぎ婆は兎も角、他の日本妖怪迄……」
米が消えうせるという事態が生じると日本以外の妖怪がちょっと引くレベルにパニックになる妖怪もそこそこ居たりするのである。
とはいえ、所詮は食事の問題、特に焦る事はない、と(日本妖怪以外は)思っていた訳だが状況を調べていく内にそういう訳にもいかないというのが判明する。
「は?南の森で木こりをしてるパニヤンの旦那が行方不明?!」
「おい、隣の家に住んでたスリーピーホロウが居なくなってるんだが?!」
「ジャージーデビルやビッグフット親子が居ねえぞ?!!」
アメリカ由来の妖怪、都市伝説達の行方が判らない、と言う事が判明したのである。
何で米だけでなくアメリカ系統の妖怪たち迄行方不明になったのか、西洋妖怪達も亜細亜系妖怪達も困惑し話し合うが、其の内に落ち着いた一部の日本妖怪の一言で原因が判明する。
「そういや、アメリカって米国っていうっけ」
「名前的に俺、あの国もコメが主食の国って思ってたんだよなー」
そう、食べ物の米ではなく『米』という字のつく物の消滅である。
「って、物差しがメートル式のがなくなってるぞ?!」
「麦が粥に出来ないんだが?!」
「化粧が、化粧が出来ないんだけどおおおおお?!!すっぴんの侭でいろって言うの?!」
「糊が、糊がないから物をくっつけるのができないんだが?!!」
等々、米偏のつく感じを用いた文字で表現された事柄が全て全滅した事態に日本妖怪以外にもパニックは伝播。
早急に解決しなければならないとカクリヨの住人達の心は一つになったのであった。
「猟兵達に!猟兵達に解決をお願いしましょう!
解決したらお礼に御馳走を用意して!!」
●一方、黒幕は意外な大惨事に困惑していた
「あ、あれ?私、日々、糧となる主食への愛を魅せてほしいなあって思っただけなんですが……」
『米ハ日本ダト色々使ワレルカラ、ソリャアソウナル』
『白米トカ二限定シナカッタボスノミスダナ』
余りに予想外な大惨事に困惑している【絆の試練】アナスタシアに包帯を巻いたメロンやカボチャが苦笑い。
彼等自身はユーゴスラビアの妖怪だが彼等に憑りついたトンカラトンは日本出身の都市伝説。
其の事もあってこうなる事は予想できた様ではある。
『日本ダト米バッカリ優遇サレテルカラナ。良イ気味ダ』
『タダ此レ以上進行スルト米偏ノ漢字使ッテル言葉モ、多分、日本語以外デモ使エナクナルノハ厄介ダナ』
『マア、良インジャネ?ソレヨリモ今ノ内二メロンヤ南瓜、西瓜ヲ主食二サセル方法話シ合オウゼ』
其れでも彼等、吸血トリオトンカラトンは呑気な物である。
「くっ、でも賽は投げられたのです!さあ、主食への愛を魅せて此の試練を乗り越える姿を見せてください!」
拠点としているギリシャ風味の神殿でアナスタシアはそう叫ぶのであった。
●グリモアベース、怒りの米好き
「という訳でご飯を奪った敵をぶっ倒してきてほしいんだな……!」
そう集まった猟兵達に頼むのは敵への怒りの余り本来の異形感マシマシな真の姿になっているシャーマンズゴーストの水貝雁之助。
🍙を愛する彼にとってはアナスタシアの行いは余りにも赦し難いのだろうが、まあ、それは依頼には関係ない話である。
「とりあえず、敵は廃墟と化してるギリシャ風の神殿に陣取っているんだな。
で、吸血🍉や吸血🍈、吸血🎃がトンカラトンって都市伝説の骸魂に憑りつかれた吸血トリオトンカラトンが居るんで先ず、そいつらを倒してほしいんだな」
そうすると首魁である【誓いの試練】アナスタシアという存在が出てくるらしい。
本来の姿とは歪んでしまった結果、愛情や恋慕に関する試練を課してくるそうで、今回の場合、食べ物、主に米への愛を試してくるらしく、其れを乗り越えて見せればダメージが与えやすくなるのだとか。
「其れで其の敵を倒したらカクリヨの人達からお礼にカクリヨで食べられてる料理をごちそうしてきてくれるんだなー。
確認した限りだと和食とアメリカの料理が多めな感じになりそうかな?
後、憑りつかれてた吸血🍉や吸血🍈、吸血🎃達が育てた果物や野菜多めになるかも?」
何れにしても割りと豪勢な食事になりそうなので事件を解決したら楽しんできてほしい、との事。
「後は、そうだね。
米や米偏の漢字が使われた文字、化粧とか糊とかは現地だとなくなってるらしくて、急がないと猟兵の持っている物も消えちゃう可能性があるみたいなんで、其処は注意かな?
それじゃあ、中々に大変な依頼みたいだけど、皆頑張ってきてなんだなー」
そんな呑気な声と共に猟兵達はカクリヨへと向かうのであった。
久渓洞
こんにちは、或いははじめまして。
駆け出しマスターの久渓洞と申します。
今回の依頼は初めてのカクリヨで比較的コミカル寄りです。
米や米偏の漢字を使った物が消失した世界、其の中での皆さんのプレイング楽しみにお待ちしております。
第1章 集団戦
『吸血トリオトンカラトン』
|
POW : トンカラトンと呼べえええええ!!
戦場で死亡あるいは気絶中の対象を【主な対象に斬った者をトンカラトン 】に変えて操る。戦闘力は落ちる。24時間後解除される。
SPD : 吸血果実(西瓜や🍈)と野菜(🎃)+αな包囲網
召喚したレベル×1体の【吸血西瓜や🍈と南瓜、後友達の柿や蕪 】に【トンカラトンの包帯を纏わせ複数の刀】を生やす事で、あらゆる環境での飛翔能力と戦闘能力を与える。
WIZ : しろよ、収穫!!!
自身の【肉体を敵の周りで超高速回転し平衡感覚を】を代償に、【凄まじい竜巻に収穫せず放置した怒り】を籠めた一撃を放つ。自分にとって肉体を敵の周りで超高速回転し平衡感覚をを失う代償が大きい程、威力は上昇する。
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
|
種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
セレシェイラ・フロレセール
よし、ぶっ倒そう速攻ぶっ倒そう
主食が消滅するのはダメ!
主食はいわば人の生きる糧
主食の消滅でどれだけの人が嘆いていると思ってるの、絶対取り戻す
ごはん大好きだからわたしも悲しい
嗚呼、わたしの炊きたてごはん……今取り戻しにいくよ
それにしても存外消滅の範囲が広くてドキドキしちゃうね
一応綴る言葉にも注意しておこう
そこのキミたちかな?
主食、その他諸々……ほんとに諸々だね?奪ってくれちゃったのは
ついでのようになったけど消滅した人も嗜好品も取り戻すよ
キミたちに彩の魔法を綴ろう
キミたちに送る桜色の弾幕、ご覧あれ
食べ物の恨みは恐ろしいということを身をもって知るといいよ
わたしのごはんを奪った輩に慈悲はない
宴・段三郎
殺せぇぇえ!皆殺しじゃぁぁぁっ!!
米を奪った奴腹めを惨く殺せぇぇっ!!
【行動】
米の怨み、いざ晴らさん!!
使用する妖刀は所持してるもの全てを使う
米はエンパイアの民の命であり尊厳
日本でもまた然り!!
それを奪う下郎どもには惨い惨い死を与えるのじゃ!!
全部の刀を妖剣解放して【なぎ払い】、【串刺し】、【焼却】など全部の戦闘技能を使って殺してやるのじゃぁぁ!
一人も生きては返さんっ!!
一揆じゃぁぁ!!
米一揆じゃぁぁっ!!
ウォォオオ!!
一匹たりとも逃すなぁぁっ!!
血祭りに上げロォォ!!
見せしめじゃぁぁぁ!!
ウォォオオ!!
(終始血眼になって敵を丁寧に一匹たりとも残さず殺す)
穂照・朱海
米が食べられないのも、お化粧ができないのも困ります
米ばかりではありません、食糧だつてさうではありませぬか
粋という概念も危ないのです
精神までなくなつたらどうするのです?
……もはや迷ひはありませぬ
幸い謎は無い様子
糖分が切れて頭が働かなくなる前に終わらせる
赤ゑいに乗りて【空中戦】を挑む
遠くの敵には寛永通宝や輪入道を投げて牽制し
赤ゑいから飛び降りて空間を蹴ることで不規則な動きをし妖刀で斬ります
やはり野菜果物には……刃物ですね
敵の攻撃は屍累扇で【武器受け】して防ぎます
輪入道「あと儂わりと炎に包まれてると伝わっとるのよな!
包帯なら炎に弱いんではないかのう?」
●食べ物の恨みは恐ろしい
「よし、ぶっ倒そう速攻ぶっ倒そう!
主食が消滅するのはダメ!」
「そうじゃ!殺せぇぇえ!皆殺しじゃぁぁぁっ!!
米を奪った奴腹めを惨く殺せぇぇっ!!」
「ええ、米が食べられないのも、お化粧ができないのも困ります。
米ばかりではありません、食糧だつてさうではありませぬか」
主食はいわば人の生きる糧、主食の消滅でどれだけの人が嘆いているだろうと、ご飯を愛する想いもあって絶対に取り戻すと強く決意を固めるセレシェイラ・フロレセール(桜綴・f25838)に対し、米の怨み、いざ晴らさんと戦いに挑まんとする宴・段三郎(刀鍛冶・f02241)と米への想い以外にも女形役者として粋という概念や精神迄なくなっては拙すぎると危機感を抱いている穂照・朱海(妖刃飛翔・f21686)が同意する。
「……米はエンパイアの民の命であり尊厳。
其れは日本でもまた然り!!
其れを奪う下郎共には惨い惨い死を与えるのじゃ!!」
「うん、わたしの炊きたてごはん……今取り戻しにいくよ!」
「ええ……もはや迷ひはありませぬ。
幸い謎は無い様子。糖分が切れて頭が働かなくなる前に終わらせましょう」
そう言ってテンション高めに敵を倒すことを決意した三人は敵の拠点へと乗り込んでいく。
其の姿は完全武装、綴る形で能力を使うセレシェイラは兎も角として段三郎は大太刀『化生炉』を筆頭に線香の形をした妖刀『小糸』、翡翠の車太刀『獄悶』等々、己の鍛えた刀を多く携えたフル装備、朱海も空を飛ぶ赤ゑいに乗り輪入道を引き連れての行軍だ。
(それにしても存外消滅の範囲が広くてドキドキしちゃうね。
一応綴る言葉にも注意しておこっと)
そして、二人に比べて身軽に見えるセレシェイラとて戦いに赴く為の準備は怠っておらず。戦場での戦術を練っている。
後は戦場に辿り着き敵を打ち倒すのみ、という様相の三人の眼前に多少距離は離れてはいるものの包帯に身を包んだ野菜達が見えてくる。
敵も既に準備万端。
吸血西瓜やメロン、南瓜の他に顔の様な物がくりぬかれたカブや顔がある柿迄、包帯に包まれてやってきている。
「んー、カブは多分ハロウィンのランタンじゃないかと思うんだけど顔がある柿は何なんだろう?」
「恐らくはたんころりん、老いた柿の木の柿の実を採らずに放置しておくと現れる柿の精霊ではないかと。
聞いた話では吸血西瓜達も放置した事でなるあやかしだそうですので其処で意気投合したのでは?」
セレシェイラの疑問に妖怪に詳しい朱海がそう応える。
実際、トンカラトンに憑りつかれている事を差っ引いても吸血トリオと柿や蕪は仲が良い様に見えるので、朱海の推測はほぼ合っているのだろう。
そして、そんな野菜群に三人は三者三様に攻撃を仕掛ける事にする。
「一揆じゃぁぁ!!米一揆じゃぁぁっ!!
ウォォオオ!!」
そんな風に叫びを挙げて先ず動いたのは段三郎であった。
自身に妖刀の怨念を纏い、群がる吸血果実達を刀身15mの巨大剣『大元帥明王』を以って薙ぎ払って散らし、短刀『夜』の鯉口鳴らし周囲を夜に染め星の代わりに刃の雨を降らして刺し貫いて動きを止めさせ、トドメとばかりにキィンと金属音の様な音を発する白く輝く高熱の炎の刀身を持つ『焱灰鐚』で吸血トリオを乗っ取っていたトンカラトンの骸魂を焼いていく。
「一匹たりとも逃すなぁぁっ!!
血祭りに上げロォォ!!
見せしめじゃぁぁぁ!!ウォォオオ!!」
「ヒ、ヒィィィィィッッ!?」
血眼になって敵、今回の元凶たる者達を一匹残さず殺さんとする其の姿は悪鬼羅刹もかくやというもの。
その恐ろしさに吸血トリオどころかトンカラトンの骸魂から解放された吸血メロンや吸血西瓜達も逃げ出そうとする始末。
まあ、とはいえ流石の技量、段三郎は解放された彼等を巻き込むことなく敵を打ち倒していくのだが。
「う、うわあ……凄いね、うん」
「アア、本当ニ怖ェワ……」
その余りにも凄まじい姿に本来敵同士であるセレシェイラと吸血西瓜も思わず顔を見合わせてしまうのだが、流石にずっとそうもしていられない。
セレシェイラは己の本体たる桜色の硝子ペンを手に吸血西瓜へと宣言。
「キミたちかな?
主食、その他諸々……ほんとに諸々だね?奪ってくれちゃったのは。
ついでのようになったけど消滅した人も嗜好品も取り戻すよ!」
「取リ戻セルナラ取リ戻シテミロ!
アッチノ怖イノナラ兎モ角、オ前ミタイナ可愛イノニハ負ケネエゼ!」
セレシェイラの宣言に対し、吸血西瓜は攻撃を以って返答。
吸血メロンや吸血カボチャ、柿達と一緒に刀を手に襲い掛かってくるが、セレシェイラは冷静に対応。
「キミたちに彩の魔法を綴ろう。
キミたちに送る桜色の弾幕、ご覧あれ」
「「「ウワアアアアアアアアア?!!!!」」」
其の言葉と共に綴られた魔法により、セレシェイラの周囲に桜吹雪が舞い散る様に桜色の魔法弾が降り注ぐ。
其の光景は傍から見ていたならばとても美しく、そして犠牲になった者からすれば余りにも恐ろしい光景だった。
そして、そんな光景を生み出したセレシェイラは、というと……。
「食べ物の恨みは恐ろしいと言う事を身を以って知るといいよ。
わたしのごはんを奪った輩に慈悲はない!」
ご飯を奪った事に対し、とても怒っていたのであった。
そして、又別の戦場、朱海は赤ゑいに乗って空を駆け戦っていた。
敵の懐近く迄空を駆けて近付くと自身に襲い掛かってくる吸血トリオの刃を屍累扇、UDCの夥しい死骸より生み出された武器によって受け流し、返す刀で妖刀により斬り倒す。
吸血トリオは朱海を取り囲み、数に任せて朱海を倒そうとするも、寛永通宝、意志を持つ銅銭の付喪神の群れが敵の刀を打ち貫き、武器を無くした敵に輪入道が体当たり。
其の身を包む炎が良く燃えそうな包帯を燃やし尽くし大打撃を与えるというコンビネーションで牽制する。
時には其の牽制を突破し複数掛かりで朱海に襲い掛かる者もいるが、朱海は赤ゑいから飛び降り、空間をまるで見えない足場があるかのように蹴って跳躍。
足首につけた鈴をシャラン、シャランと鳴らしながら不規則に移動し敵を翻弄。
戸惑う敵の隙を突いて敵を斬り倒し赤ゑいの上に戻っていく。
「やはり、野菜果物には……刃物、ですね」
そう呑気に宣う程度には朱海は余裕の様子で事実、敵は朱海に傷を付けれていない。
そして、おそらく、其れは此れからも変わらない事実である。
まさしく、無双というしかない光景が其処には広がっていたのだった―――。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
家綿・衣更着
連携アレンジ歓迎
初めての依頼、頑張る…って場合じゃないっす!ごはんの消滅はシャレじゃすまないっすよ!?
絶対必滅っす!…骸魂だけな!
ごはんや日本酒好きな妖怪悪鬼幽鬼のみんな、力を貸してほしいっす!
降魔化身法で自身を強化、どろんはっぱで術増幅し護符装束を使った【破魔】を使いつつ手裏剣で攻撃していくっす!
こんなUCの代償なんて…ごはんが食べられないことに比べたら!なんてことないっすよ!
そこな西瓜!粉砕もねえから西瓜割りもできねえだろうが!すっぱり斬ってやるからそこになおれっす!
そもそもおまえら授粉もできねえのにどうやって作物育てる気だっす!
成敗!っす!
●ご飯を愛する者は多い、多すぎる程に
「初めての依頼、頑張る…って場合じゃないっす!
ごはんの消滅はシャレじゃすまないっすよ1?
絶対必滅っす!……流石に骸魂だけっすけど!!」
日本の狸妖怪であり米の消滅の影響も非常に大きい故か家綿・衣更着(綿狸忍者・f28451)は危機感を募らせつつ、そう叫ぶ。
実際問題、ごはんや米を原料にしたものは非常に多いのだ。
「そもそも糖類とか糖質、つまり食物繊維じゃない炭水化物に迄被害が行ったら……やばいにも程があるっすよ?!」
そう言う意味でも今回の件は早く鎮圧しないと拙い事になる。
衣更着は早急に決着を付けようと神殿へと足を踏み入れる。
「又来タカ猟兵メェェェェェ!」
「お前等は絶対においら達が倒すっスよ!
ごはんや日本酒好きな妖怪悪鬼幽鬼のみんな、力を貸してほしいっす!」
吸血トリオの姿を確認した衣更着はそう呼びかけながら降魔化身法を発動する。
そう、『ご飯や日本酒好きな妖怪』悪鬼幽鬼に助力を呼びかけ【妖怪】悪鬼、幽鬼を宿す降魔化身法を発動したのだ。
……してしまったのだ。
『田を取り戻す為じゃ!儂の力、遠慮なく使え!』
『儂もじゃ!米を研ぐ事も出来ぬ儂なぞ只の婆!そんなの御免じゃからなあ!』
『酒がなければ俺は死ぬ!俺の力も使ええええええええ!!!』
『消えかけデスが私の力も使ってくだサーイ!私もSUSHIは大好きデース!』
『俺も!』『儂も!』『僕も!』『それがしも!!』
泥田坊や米研ぎ婆、うわばみの様に米の消失で存在が揺らいだりアメリカ妖怪の様に消滅し形を保てなくなった妖怪は多い。
そして、そんな彼等は其れ故に他人に宿り力を貸しやすくなっていたのだろう。
この事態を解決する為に動いていた衣更着の存在を察知。
流石に加減しよ?邪神を倒した某光の巨人じゃないのよ?というレベルで衣更着の体へと殺到していったのだ。
彼に力を貸す為に宿っていったのだ。
「いや、流石に多すぎっすよ?!」
「……ウワア、アレヲ俺等戦ウノカヨ」
「……マ、未ダ見タ目ダケカモ知レネエダロ?!」
其の余りの光景に流石に敵も圧倒されるが、生き延びる為には衣更着を倒さねばならない。
そう思って吸血西瓜が先陣を切って衣更着に襲い掛かろうとする。
「……っ!左腕が動き難いっスけど……ごはんが食べられない事に比べたら!
なんてことないっすよ!」
「ハ、早ェッッ?!」
だが、そんな攻撃を衣更着は軽々と避けていく。
どうやら降魔化身法の代償で左腕が動き難くなっている様だが、そんな事は問題になりはしない。
そして、返す刀で衣更着は反撃。
「そこな西瓜!粉砕もねえから西瓜割りもできねえだろうが!
すっぱり斬ってやるからそこになおれっす!」
「西瓜割リナンテ滅ビ……ッッ?!」
ドゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!
「夏夫ォォォォォォ?!」
「ソンナ、手裏剣デアンナニ吹ッ飛ブモンカヨ?!!」
護符装束を媒介にしどろんはっぱで力を増幅した破魔の力を宿した手裏剣が吸血西瓜に着弾。
爆音と破魔の閃光を立てて吹き飛ばす。
「は?え?さ、流石に憑かれた方は死んでないっスよね……?
と、そ、そうっす!そもそもお前等受粉もできねえのにどうやって作物育てる気っスか!」
「ソ、ソレハ…アアアアアアアアアアアアア!?!」
余りの威力にやった本人の衣更着も呆然としかけるが、気を取り直し敵のやらかしを指摘しつつ手裏剣を投擲。
一瞬答えに詰まった吸血カボチャは動きを止めてしまい衣更着の手裏剣に吹き飛ばされる。
其の後は最早、無双という言葉すら生ぬるい光景の誕生であり、吸血トリオ達はごはんを消滅させるという事がどれだけの被害を生み出すかを思い知る事になるのであった。
「成敗!っス!」
大成功
🔵🔵🔵
恵比寿・小福
うにゃ!?お米が消えるなの!?
だ、ダメ。絶対ダメなのー!
小福の神器の縁起物の福杖から米俵消えちゃダメなのー!
それに小福は元々は恵比寿様の系譜だから五穀豊穣の権能もあるなの!それも消えちゃうなの!?というか小福に習合してる大黒天様筆頭に食物や豊穣を司ってる方々にも影響出ちゃうなのー!?
弱小貧乏福の神の小福からこれ以上盗らないでなの!
うにゅ!小福からお米関係盗られて無くなる前に異変解決するしかないなの!
無人で動く軽トラサイズの山車の上に乗って【山車突進】で吸血トンカラトン達を轢いていくなの!
わっしょい!わっしょいなの!スイカ、メロン、トマトの収穫祭りなの!
でも、収穫してもやっぱりお米様には劣るなの
エル・クーゴー
●POW
躯体番号L-95
敵性の捕捉_及び_進行中の事態の内訳の解析を完了――
コメ不足は人心の荒廃を誘発する恐れがあります
速やかにワイルドハントを開始します
・電脳世界を展開、自スペックシートを隅から隅までチェック
・広域殲滅空戦…
・複「数」同時照準…
・超追尾誘導弾…
・照準に関しては「米」って字面が含まれてる!
・というわけで複数同時照準機能が若干おかしくなろうが、頑張って手動照準で補正する
・というわけで【嵐の王・蹂躙円舞】発動
・のっけからすごいスピードを叩き出し、トンカラ達の高高度を通り過ぎまくって【誘導弾】をバカスカ降らせ【蹂躙】
・敵のコードは撃破対象の蘇生使役?
・なら動作に支障あるくらい粉砕せん
●福の神と空を駆る電脳の戦乙女
「うにゃ!?お米が消えるなの!?
だ、ダメ。絶対ダメなのー!小福の神器の縁起物の福杖から米俵消えちゃダメなのー!
弱小貧乏福の神の小福から此れ以上盗らないでなの!」
そう焦りつつこぼすのは田舎の社で祀られていた恵比寿様に他の神様が習合されていった結果、新しい福の神として生まれたという過去を持つ神の恵比寿・小福(弱小福の神・f27352)。
其の誕生の経緯はどうもお稲荷様が司る物が増えていったのと同じような感じの様だが、あくまで彼女の基盤となったのは五穀豊穣も司る恵比寿様。
更に言えば彼女に集合された神の中には米俵と共に描かれる大黒様を筆頭に今回の件の悪影響を受けそうな神様が事欠かない。
米が無くなってしまったら、どれだけの悪影響が出るかと思うと小福が気が気でないのも仕方ない、という物だろう。
「うにゅ!小福からお米関係盗られて無くなる前に異変解決するしかないなの!」
そう小福は決意すると軽トラ程のサイズの山車を召喚。
神の力により人が引いたり担いだりしなくても自動で動く其れによって、神殿へと突進する。
「ギ、ギャアアアアアアアアアア?!!!」
「ナ、何ダ?!人ガ担イデナイノニ動イテヤガ……ブベッ?!」
其の突進は凄まじく、猟兵の襲撃を警戒していた吸血西瓜や吸血カボチャ達を勢いよく轢き飛ばしていく。
「わっしょい!わっしょいなの!スイカ、メロン、トマトの収穫祭りなの!
でも、収穫してもやっぱりお米様には劣るなの」
「グ、グゥ!収穫スルノハ良イガ米二西瓜ハ劣ラネ……へブラッ?!」
「ク、クソ!コンナ収穫、認メ……ッ?!」
其の凄まじい突撃を如何にか凌ごうとする吸血西瓜達であったが、其の突進は凄まじく跳ね飛ばしていくのみ。
「未ダダ!トンカラトント呼ベエエエエエエエエエエ!!」
「「「トンカラトント呼ベエエエエエエエエエエエエエエエエ!!」」」
そんな小福に対し生き残った者達が刀を手に小福へと飛び掛かるが……その刃は彼女に届くことはない。
「躯体番号L-95、敵性の捕捉_及び_進行中の事態の内訳の解析を完了――。
広域殲滅空戦モードに移行。此れより掃討を開始します」
「「「ギギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!?!!」」」
【嵐の王・蹂躙円舞】によって広域殲滅空戦モードへと移行したエル・クーゴー(躯体番号L-95・f04770)が高高度より小福へと襲い掛かるトンカラトンに強襲。
通り過ぎた一瞬の内に誘導弾を土砂降りの雨の如く降り注がせて彼等を蹂躙していく。
「うにゅ?ありがとうなの!」
「いえ、お気になさらず。
コメ不足は人心の荒廃を誘発する恐れがありますので速やかにワイルドハントを開始する必要がありますので」
そう言葉を返しつつエルは事前に電脳世界を展開し自身のスペックシートを隅から隅までチェックした結果を元に行動。
広域殲滅空戦と超追尾誘導弾に問題はないものの、複「数」同時照準に関しては「米」が含まれている為に悪影響が出る事も有りえると判断。
複数同時照準機能を用いず、主導照準で補正を行いながら敵に擦れ違い様にトンカラトン達に中距離広域殲滅用の機関砲を介して誘導弾を降り注がせていく。
「敵のコードは撃破対象の蘇生使役と認識。
ならば動作に支障ある程に粉砕しましょう」
「グ、ギャアアアアアアアアアア?!!!!」
「爆発ノ雨ガ雨ガアアアアアアアア?!!」
其の言葉の侭にエルはトンカラトンを打ち倒していく。
そんな彼女に対し主導照準による僅かな隙を見抜いて狙う者もいたが彼女の素早い動きを捉えきる事が出来ず、更に―――。
「そうはさせないの!」
「グァッ……?!」
エルによる誘導弾の雨によって敵の意識から外れた小福の山車の突進が跳ね飛ばしていく。
そして、そんな小福を先に排除しようと動く者も……。
「其の動きは見抜いてます」
其の言葉と共にエルの狙撃用アンチマテリアルライフルで打ち貫かれていく。
「クソ!俺達シカ残ッテナインダ!他ノ猟兵達ヲ倒ス為ニモ、コイツラヲトンカラトンニ……ッ!」
「それは良い事を聞きました。
ならば奇襲への警戒も其処迄必要ありませんね」
「全力でぶっ倒すの!」
その後の結果は、もう言う迄もないだろう。
敵の攻撃は斬られた場合の危険性は非常に高いものの遠距離への対応は難しく、守りを固め様としても小福の山車の突進によって散らされ、エルの機関砲により殲滅される
小福に対し味方が囮になって背後から襲い掛かろうとしても飛行するエルが其れを見逃す事もなくアンチマテリアルライフルによって処理。
逆にエルに対処しようとしても誘導弾による蹂躙を乗り越える事は難しく、近付いてもブラスターで対処されるし隙を突こうとしたら小福に逆に隙をつかれ跳ね飛ばされる。
まさしく蹂躙としか言い様がない光景であり、僅かに残った吸血トリオトンカラトン達は全てが壊滅。
吸血西瓜達はトンカラトンの骸魂から解放されたのであった―――。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
第2章 ボス戦
『『絆の試練』アナスタシア』
|
POW : 疑心の罪
【滔々と語られる愛の説法】を披露した指定の全対象に【己に向けられている愛情に対する、疑いの】感情を与える。対象の心を強く震わせる程、効果時間は伸びる。
SPD : 煌々たる失翼
【慈愛と歓喜の感情】を籠めた【飛ばした羽根の乱舞】による一撃で、肉体を傷つけずに対象の【持つ、大切な者との様々な関わりの記憶】のみを攻撃する。
WIZ : 真偽不明の愛
自身が【愛する者同士の深く強い絆】を感じると、レベル×1体の【両者の、極めて精巧なニセモノ】が召喚される。両者の、極めて精巧なニセモノは愛する者同士の深く強い絆を与えた対象を追跡し、攻撃する。
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
|
種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠御形・菘」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●主食への愛の試練
「……トンカラトン達は倒されてしまいましたが……彼等の想い、同族たちへの愛は個人的には気に入っていたのですが……仕方ありませんね」
そう言いつつ白い羽を生やした女はため息をつく。
「私は『絆の試練』アナスタシア。
さあ、貴方達の主食への愛を魅せてください!
歪んだ形じゃなくて!後、胸焼けするレベルも勘弁して下さいね?!」
そう宣言し、アナスタシアは君達猟兵へと襲い掛かるのであった。
※今回の戦闘において主食、主に米への愛を示せば示す程、アナスタシアは弱体化します。
勿論、そうしなくても倒せはしますので、自由に戦いを挑んでください。
セレシェイラ・フロレセール
後の歴史が語る、幽世米騒動であった
キミが元凶か
つまりキミはわたし達のお米愛を余さず受け止めるということだな?
『綴る』ことが存在意義のわたしの愛の伝え方はやはり『綴る』こと
日々研鑽した執筆技術にお米愛を乗せて一筆入魂
770枚分のお米への恋文を一気に綴ろう(多重詠唱770)
紙はどこから出したとか細かいことはry
わたしのお米愛、しかと受け取れ
炊きたてごはんは幸せの味。みんなを笑顔にする毎日のほっこりごはんの主役はやっぱりごはん。人の姿を得て百年、お米を食べなかった日などあっただろうか。いや、無い。丁寧に作った新米の塩むすびは他の何にも代え難いご馳走。以下省略
おかわりいっとく?(ペンで顔ペシペシ)
家綿・衣更着
連携アレンジ歓迎
お前が黒幕か!思し召しより米の飯。説法はいらん、速くくたばれっす!
おむすびお茶漬け麦飯、ご飯と漬物だけで生きていける、むしろないと死ねるソウルフード、それを失わせた罪は重いっす!
どろんはっぱで術増幅した【化術】と【演技】で怒りとご飯愛を強く見せて威圧し、驚嘆や恐怖を与えて「慈愛と歓喜の感情」の妨害と弱体化を狙うっす。
東方妖怪の怒りをくらえ!
酒好きのヤマタノオロチ!この日本酒を消滅させた馬鹿野郎を倒す力を貸せっす!
骸合体「ヤマタノオロチ」を発動して忍者手裏剣で挑み、あえて手裏剣だけと思わせどろんはっぱで【暗殺】狙うっす。
おまえみたいな「無粋」、骸の海に消えるがいいっす!
テラ・ウィンディア
遅れておれが登場だ!
って…ぁあああああ!!!(手持ちのしおおにぎりが消えてて慟哭…何故か【空中戦】が使えず地面に立つ
お前っ…お前ぇぇぇ!ふざけんなぁぁぁぁっ!!
お米は凄いんだぞ!
しおだけじゃなくてお鮭とかとも相性いいし!
土鍋ご飯にして…その上にバター醤油のお肉とか魚とか乗せたらもう…その美味は美味しいを超えて最早「感動」レベルなんだからな!
そ、それを…!
許さねぇぇ!
相転移出力…臨界…「きゅあ!!?」(キレすぎて滅界虚空・全終焉発動しかけた処で紅龍が止める
うん…流石にあれはやりすぎか
という訳で紅龍は手伝え!(ユベコ改めて発動
【属性攻撃・一斉放射】でプラズマ化した炎ブレスを打ち放ち続けるぞ!
●此れが後の歴史が語る、幽世米騒動であった
セレシェイラ・フロレセール(桜綴・f25838)のメモより抜粋
「キミが元凶か。
つまりキミはわたし達のお米愛を余さず受け止めると言う事だな」
「ええ、あなた方の主食への愛を…」
「お前が黒幕か!思し召しより米の飯!説法はいらん。早くくたばれっす!」
「貴方方の主食への愛を魅せて……」
「遅れておれが登場だ!
って…ぁあああああ!!!」
セレシェイラに言葉を返そうとする所を家綿・衣更着(綿狸忍者・f28451)に遮られ、其れでもめげずに言葉を連ねようとするアナスタシアであったが、其処を更に現れたエルフの少女、テラ・ウィンディア(炎玉の竜騎士・f04499)の大声に遮られる。
なお、そんなテラの見つめる手元には僅かに残った塩粒。
その手への付き具合からして恐らく其処には塩にぎりがあったのだろうが……既に其れは消え去ってしまっている。
「……猟兵の持ってる物にも影響が出だしてるっスね」
「急がないと拙いね……!」
おにぎりが消えた瞬間を見ていたのだろう、衣更着もセレシェイラも焦りを見せる。
「と、とりあえず貴方達の主食への愛を測らせて……」
「お前っ…お前ぇぇぇ!ふざけんなぁぁぁぁっ!!」
「ひぅ……っ?!」
テラの大声に怯んでいたが、気を取り直し再度言葉を連ねようとアナスタシアは語りだす。
が、テラが怒りの余り大声で怒鳴る事でアナスタシアの言葉を再度遮る。
「お米は凄いんだぞ!しおだけじゃなくてお鮭とかとも相性良いし!
土鍋ご飯にして…その上にバター醤油のお肉とか魚とか載せたらもう…その美味は美味しいを超えて最早「感動」レベルなんだからな!そ、それを……!」
「そうっすよ!おむすびお茶漬け麦飯、ご飯と漬物だけでいきていける、むしろないと死ねるソウルフード、其れを喪わせた罪は重いっす!」
「そ、其処迄殺意を向ける程に……っ?!」
激発したテラの言葉に衣更着も同意。
怒りの言葉とご飯への愛を化け術と演技による誇張込みでアナスタシアへと叩きつける。
テラと込みで叩きつけられた其れは凄まじく、衣更着の狙い通りにアナスタシアが羽根に込めようとした慈愛と歓喜の表情も聊か薄らいでいく。
「全くだよ。
という訳でわたしのお米愛、しかと受け取れ」
「こ、これは手紙……?」
そして、其の怯んだ隙を見逃さずセレシェイラは其れに便乗。
彼女の本体たる桜色の硝子ペンで一文字一文字にお米への愛を乗せてお米への恋文を綴り、桜の花を添えてアナスタシアへと放っていく。
そう、『綴る』事が存在意義である硝子ペンのヤドリガミであるセレシェイラにとって愛の伝え方はやはり『綴る』事。
日々研鑽した執筆技術にお米への愛を乗せた一筆入魂の文章は何処から読んでも其の愛の重さが見て取れる素晴らしい物。
「炊き立てごはんは幸せの味。みんなを笑顔にする毎日のほっこりごはんの主役はやっぱりごはん。
人の姿を得て百年、お米を食べなかった日などあっただろうか。いや、無い。
丁寧に作った新米の塩むすびは他の何にも代え難い御馳走……っ!よ、読む手が止まらないんですが、何て愛の強さですか?!出だしからして胸焼けしそうな愛の重さなのに、未だ未だ無数にあるんですけど?!」
「何だったら、おかわりいっとく?」
其の研鑽し続けた執筆技術によって繰り出された溢れ出る様な強い米への愛にアナスタシアは読む手を止められず足を止めてしまい、セレシェイラに顔をペンでペシペシされる有様に。
「け、結構です?!此れ以上は胸焼けどころか吐きますよ?!」
そして、其の余りにもあんまりな状況に自身に起きている影響にも気付けずにアナスタシアは悲鳴をあげる。
まあ恋文の量が物理的にも溢れ出ると言えるレベルの圧巻の770枚なんでそりゃあ悲鳴もあげたくなるだろう。
そして、そんなアナスタシアを見逃す程、彼等の米への愛もアナスタシアへの怒りも小さくはない訳はない訳で……。
「お前だけは許さねぇぇ!
相転移出力…臨海…極大……」
「きゅあ!!?」
「っと。うん…流石にあれはやりすぎか。
という訳で紅龍は手伝え!」
先ずはテラが臨界点を超えた怒りの余り、全ての存在を圧壊するブラックホールを召喚しようとするが……流石にやばいと感じたのだろ。
其れを彼女の友たる紅龍が顕れて静止。
その代わりとばかりにテラは紅龍の力を借り詠唱を開始。
「紅龍…否…南海紅龍王よ……我が力…我が魔力をもって真の龍王の力を顕現せよ!ああ…おれの力を貸す!存分に龍王として力を振るえ!」
詠唱と共に紅龍はテラと融合し、テラは炎で出来た巨大な東洋の龍へと変貌する。
「おれの怒り、米への愛と共に受け取れええええ!!!」
そして、彼女の口から放たれた炎の吐息は余りの高温から燃料が電離。
プラズマと化してアナスタシアへと降り注ぎ続ける。
「ひ?!ひぃいいいいい!!!??
そ、そうだ!『貴方へ向けて』……って、な、何で説法が出来ないの?!」
其の余りに凄まじい炎の地獄にアナスタシアは愛の説法による疑心の植え付けによって妨げようとするが……彼女の力はセレシェイラの恋文の力により封じられており、不発となってしまう。
そして、そうなってしまうとアナスタシアに出来る事は大炎熱地獄もかくやという光景の中でただ逃げ惑うのみ。
だが、アナスタシアへの攻撃は其れで終わりにはなりはしない。
米を消そうとした事は其れだけの怒りを買っているのだ。
「東方妖怪の怒りを喰らえ!
酒好きのヤマタノオロチ!この日本酒を消滅させた馬鹿野郎を倒す力を貸せっす!」
『オウ!当然ジャアアアアアアアアアアア!
儂ノ酒ヲ奪ウ奴ハシニ晒セエエエエエエエエエエエ!!』
「ひっ?!しゅ、手裏剣の雨?!」
酒好きの余り死に至ったヤマタノオロチは衣更着の呼びかけに即座に呼応。
オブリビオン化し強化された衣更着により放たれる手裏剣は凄まじい勢いで雨の様にアナスタシアに降り注いでいく。
「い、いやあああああああああああああああ?!!!!」
プラズマと手裏剣の嵐という凄まじさに力を封じられたアナスタシアは逃げ惑うが……。
「そろそろ力も元に戻ったりは……え?」
「力が戻る隙なんて与えないっすよ?」
手裏剣の嵐すらもアナスタシアの意識を逸らす囮。
狸の妖怪であり人よりも物品に化ける事を得意とする衣更着は手裏剣に変化し手裏剣の嵐の中に紛れてアナスタシアに接近。
其の侭、手裏剣を如何にか避けて安堵するアナスタシアの背後から刃物の様に固くなったどろんはっぱが突き立てたのだ。
「そんな……何時の…間に……」
「手裏剣が本命と思っちまったのがお前の敗因っス。
……おまえみたいな「無粋」、骸の海に消えるがいいっす!」
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
穂照・朱海
あけみの主食は『美』です(断言)
粋(すい)といふ字には米が含まれます
粋とは……洗練された美しさのことを、あけみの世界ではこう呼びます
浮世は無情……
人中には悪あり……
されど、美しきものがあるなら、どんな世界でも素晴らしいと、あけみはそう思へるのです
『それがあるから生きられる』
其れを主食と言はずして何と言ふ?
その一端をご覧に入れませう
これより……百鬼夜行(わいるどはんと)を開幕致します
UCを発動、『妖美』を魅せる
不気味で恐ろしげなる混沌の宴を……
不意を突く妖刀の一撃により【恐怖を与える】と、恐怖を欲する妖怪や鬼達が現れ、敵に襲いかかる
美しくない?……いえいえ
抗いつつも儚く散る骸魂は美しいものですよ
宴・段三郎
いたのじゃぁぁあ!!
あの羽が生えた下郎が今回の怨敵じゃぁぁああ!!!
羽をもげぇぇええ!!火にかけろぉぉおおお!!
生きて返すなぁぁぁあ!!
【行動】
怨敵誅殺と書かれた鉢巻をして闘うのじゃ
その昔、エンパイアが未曾有の大飢饉に陥った時、米がなく…多くの者が泣く涙すら流す事が出来ぬほど飢えに苦しんで死んでいったのじゃ。
在る者は飢えを凌ぐ為に死んだ母を食ろうた者もいたという
エンパイアのおぶりびおんでさえ躊躇っていた事に、貴様は手を掛けた。
代償は貴様の身体で償ってもらう
地国が鍛えし、天下大怨五剣が一振り、号 『稲豊丸地国』。
これで奴が奪った稲穂の数だけ、奴の身体の内側から稲穂を生やさせるのじゃ
うぉぉぉ…
●百鬼夜行
「はぁはぁ……どうにか耐えられましたが……此れは同じ事が後二、三回あれば保ちませんね。
しかし、素晴らしい愛ではありました」
「それはそうでしょう。主食とは人の根本。
そして、あけみの主食は『美』です」
傷つき消耗しきったアナスタシアの前に顕れた長い黒髪に和服、色白の女形の男性、穂照・朱海(妖刃飛翔・f21686)はきっぱりとそう宣言する。
「え?……え?美は食べ物じゃないでしょう?!」
「粋といふ字には米が含まれます。
粋とは……洗練された美しさのことを、あけみの世界ではこう呼びます」
「いや、話を聞いて?!」
戸惑うアナスタシアの問いも何のその。
朱海はマイペースに己の考えを続けていく。
「浮世は無情……人中には悪あり……。
されど、美しきものがあるなら、どんな世界でも素晴らしいと、あけみはそう思へるのです」
「その考えは良いと思いますけどやっぱり美は食べるものではないですよね?!」
なおも語る朱海に対してアナスタシアは疑問を投げかけるが、朱海は逆に何で判らないのだろう?と云うような不思議な表情。
「『それがあるから生きられる』。
其れを主食と言はずして何と言ふので?」
「な、成程……主食とは食べ物とは限らない……?」
私の考えは固すぎた……?等とアナスタシアは困惑しつつ宇宙の神秘に遭遇した猫の様な表情で悩みだす。
此の侭放置しておいたら延々と悩みだしそうなアナスタシアだが、流石に放置する等ありはしない訳で朱海は更に畳みかける為に動きだす。
「それでは其の一端をご覧に入れませう。
これより……百区夜行(わいるどはんと)を開幕致します」
朱海の言葉と共に首のない馬に乗った一つ目の男、巨大な骸骨、赤ゑい、輪入道、巨躯を誇る一つ目の鬼、五徳を頭に被った猫、おどろおどろしい鏡、下半身が海蛇の濡れた女、鴉の顔をした山伏姿の男……不気味で恐ろしげなる混沌の宴が其処に在った。
「ひっ……?!」
其の姿を見た者は御仏の加護なくば生き残れぬ。
其の言葉が真実であると証明する様な悍ましくも妖しく美しい光景にアナスタシアは畏れ立ちすくむ。
「おや、此の美しさが判りませぬか?」
「……え?……な…んで……」
そして、其の隙を朱海が見逃す訳もなく、アナスタシアは背後から貫かれ、胸から朱海の妖刀朱天狗の刃が生えてくる。
「ひ。こ、こんなのが美しい訳……い、いやぁぁぁぁぁぁ?!!!」
『『『――――――――!!!』』』
突然、貫かれた恐怖、そして自身の周囲を取り囲む異貌の妖達にアナスタシアはパニックに陥りだす。
そして、其れを合図にアナスタシアへと百鬼夜行は襲い掛かる。
「美しくない?……いえいえ。
抗いつつも儚く散る骸魂は美しいものですよ?」
刀についた血を拭い、百鬼夜行に群がられるアナスタシアの姿を一瞥しながら、そう朱海は呟くのだった。
●飢えの苦しみは、怒りは強い
「……ひ、ひぃ。猟兵とは何て畏ろしいの……」
朱海の百鬼夜行からどうにか逃れたのだろう。
其の白い衣服や羽もボロボロで今にも倒れ込みそうな状態だ。
其の侭、どうにか逃げようとしたのだろうが、猟兵達はオブリビオンを逃す事等在りはしない。
「いたのじゃぁぁあ!!
あの羽根が生えた下郎が今回の怨敵じゃぁぁああ!!」
「ひ、ひぃっ?!」
そんなアナスタシアを米を奪った怒りに燃える宴・段三郎(刀鍛冶・f02241)が補足。
其の余りの怒りの強さにアナスタシアは情けない声をあげる。
「羽根をもげぇぇええ!!火にかけろぉぉおおお!!
生きて返すなぁぁぁあ!!」
「な、何でそんなに殺意が高いの?!!!」
今までの猟兵達も確かに殺意は高かったが、そんな猟兵の中でも怨敵抹殺と書かれた鉢巻をした段三郎の殺意は凄まじくアナスタシアは困惑する。
「何を寝言を!
その昔、エンパイアが未曽有の大飢饉に陥った時、米がなく…多くの者が泣く涙すら流す事が出来ぬほど飢えに苦しんで死んでいったのじゃ。
在る者は飢えを凌ぐ為に死んだ母を食ろうた者もいたという……」
そんなアナスタシアに怒りの侭に段三郎は己が故郷での凄惨な過去を告げる。
……実際は段三郎の言った事例すら未だマシなレベルなのだから、飢えという物は本当に恐ろしい。
「エンパイアのおぶりびおんでさえ躊躇っていた事に、貴様は手を掛けた……代償は貴様の身体で償ってもらう!」
「……あの刀からも何て強烈な殺気が……!」
段三郎が抜き放たんとする妖刀から放たれる余りにも強い怨念と自身へ向けられる段三郎にも決して劣らぬ強い殺気にアナスタシアは畏れ立ち竦む。
「地国が鍛えし、天下大怨五剣が一振り、号『稲豊丸地国』。
此れで奴が奪った稲穂の数だけ、奴の身体の内側から稲穂を生やさせるのじゃ」
うぉぉぉ…。
稲豊丸地国は三大飢饉で死んだ者達の怨念を凝縮した妖刀。
其の刀に宿る者達も自身と同じような者を増やしかねないアナスタシアの所業は決して許す事が出来ない物なのだろう。
段三郎の言葉に応えるように刀から地の底から這い出てくる亡者の様な声が響き渡る。
「無象鍛刀―――貴様の所業の報いを受けるが良い!」
「っ!?い、痛っ……な、何なの此れは……?!
痛いいたいいたいいたいいたいたいたいいたいいいいいいいいい?!!!!」
段三郎が抜き放った稲豊丸地国は一閃。
斬り捨てられたアナスタシアの体の内側からは無数の稲が生え茂り、其の姿は稲穂を付けた侭の藁で作った藁人形の様な有様だ。
「ふん、米を、エンパイアの日本の民の民の命、尊厳を奪おうとした報い、きっちり受ける事じゃな」
うぉぉぉん…うぉぉぉん。
痛みの余り転げまわるアナスタシア。
そんな彼女のの姿を一瞥する段三郎に同意するかの様に戦場に地の底から蠢くような声が響き渡るのであった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
エル・クーゴー
●POW
最終撃破目標を目視で捕捉しました
これより、敵性の完全沈黙まで――ワイルドハントを開始します
優位に作用するファクター『>米への愛を示す』を認証しました
L95式火器管制システム内プログラムを参照
フォート展開時のアルゴリズムを一部抜粋・変更します(ハッキング&メカニック)
・【ワイルドドライブ】発動
・多種多様な銃砲火器をジャンジャン生やしてブッぱなす(一斉発射)
・なお展開する火器類は、拳銃も短機関銃もアサルトライフルも散弾銃も機関銃も狙撃銃も榴弾も携行砲も迫撃砲も榴弾砲もロケット弾発射機も――
>>>ぜんぶアース世界の『米軍』採用装備のやつ<<<
・米は米でも米軍
・銃火器愛を米愛にこじつけるという
恵比寿・小福
うにゅ、福の神としてお米と小福は切り離せないなの!
そもそも日本の神様自体が必然的にお米と関わるなの、だってお神酒がお米使うなの
神様へのお供えだって神饌にお米があるし、お餅とかだってそうなの!
小福の元になった恵比寿様や大黒様とか五穀豊穣とか食物とか司るし、他にも宇迦之御魂神筆頭に稲に関わる神様もいるなの!
つまり日ノ本の神はお米と共にあると言っても過言ではないなの!(過言では?
お米を奪うとは神を奪うということ、そんな相手には神罰!【凶事招来】なのー!
惑わそうとしても無駄なの!小福は信者もいない信仰ゼロの貧乏福の神だから惑わされるような相手はいないなの!(涙目
お米は権能的に間違えるはずもないしなの
●福の神による厄災
「はぁ……はぁ……ひ、酷い目に逢いました……」
「うにゅ!見つけたの!!」
「ひ、ひぃ?!りょ、猟兵?!!」
今まで戦ってきた猟兵の影響で猟兵恐怖症にでもなったのだろう。
服も何もかもボロボロになったアナスタシアは可愛らしい見た目の恵比寿・小福(弱小福の神・f27352)すら畏れて後ずさる。
「貴女の愛する相手は……」
「ふふ、惑わそうとしても無駄なの!小福は社も信仰ゼロの貧乏福の神だから惑わされる相手はいないなの!
お米は権能的に間違えるはずもないしなの!」
愛し合う者を見抜けなくて戸惑うアナスタシアに対し小福は若干涙目になりつつ言葉を返す。
そして、其の侭の勢いで小福はアナスタシアの力を削ぐ為に米への想いを語りだす。
「うにゅ、福の神としてお米と小福は切り離せないなの!
そもそも日本の神様自体が必然的にお米と関わるなの、だってお神酒がお米使うなの。
神様へのお供えだって神饌にお米があるし、お餅とかだってそうなの!」
「そ、そう言う物なのですか?」
小福の勢いよい言葉にアナスタシアは戸惑いながら問うが、小福の勢いは止まらない。
「そも小福の元になった恵比寿様や大黒様とか五穀豊穣とか食物とか司るし、他にも宇迦之御霊神筆頭に稲に関わる神様もいるなの!
つまり日ノ本の神はお米と共にあると言っても過言ではないなの!」
「そ、そんなに関りが……?!」
まあ、実際問題、米との関わりは深いので割りと過言ではないかもしれない。
少なくともアナスタシアは小福の勢いに押されて納得しそうになっている。
「お米を奪うとは神を奪うということ、そんな相手には神罰!
神罰覿面!汝の運勢、幸福反転で福の剥奪!【凶事招来】なのー!」
「……きゃ?!」
小福の勢いに圧倒されていたアナスタシアに対し小福は神罰の光を放つ。
そして、その瞬間にアナスタシアは突然何もない所で転びだす。
「な!何もないのに……きゃッ?!」
「ふふん、神の罰、しっかり受けると良いの!」
態勢を如何にかしようとするアナスタシアだが服の裾を踏んで転び、更に羽を思いっきり廃墟にある柱にぶつけて痛めてしまう。
「くっ!こうなったら離れて態勢を……!」
ドタっ!バキャッ!ドサドサッッ!
大きな音をたてながらアナスタシアは逃げ出していくが、逃げ出す時に転げたり、壁にぶつかったり、荷物等が頭上から降り注いだりしているのが小福からも見て取れた。
「ふふん、逃げれると思うとか甘々なの!」
そう、小福のユーベルコード【凶事招来】は運が絡む事象が最大の失敗をし続ける不運を招く攻撃。
つまり逃げるという判断をしたとしても……その逃げた先が安全だとは限らない。
●そして、事件は終わりを告げる
「はぁ、はぁ……此処迄くればもう……」
「最終撃破目標を目視で補足しました。
これより、敵性の完全沈黙まで―――ワイルドハントを開始します」
「ひ、ひぃ!な、何で……?!」
漸く逃げ出せた、と胸をなでおろすアナスタシアに機構に身を包むミレナリィドールの少女、エル・クーゴー(躯体番号L-95・f04770)がアームドフォートを動かしつつ彼女の殲滅を宣言する。
「優位に作用するファクター『>米への愛を示す』を認証しました。
L95式火気管制システム内プログラムを参照。
フォート展開時のアルゴリズムを一部抜粋、変更します」
「ひ、ひぃっ?!」
その宣言と共に彼女の纏うアームドフォートが変化を開始。
空中に円形のディスプレイが出現、幾つものプログラムが表示されると同時に拳銃、短機関銃、アサルトライフルを筆頭に散弾銃、機関銃、榴弾、携行砲、追撃砲、榴弾砲、ロケット弾発射機等々、多種多様な幾つもの用途に用いる銃器、兵器群が同時に展開されていく。
「で、ですが米に関わらないのならば抵抗の仕方もあります。
貴方の愛する人は「いいえ、米と関わってます」……え?」
自身の声を遮って言われたエルの言葉にアナスタシアは戸惑うが、エルは更に言葉を連ねていく。
「米とは食べ物だけではありません。
アメリカは日本語において米国。そして、此の銃器は全てアース世界の『米軍』採用装備」
「そ、それでは……?!」
アナスタシアの言葉にエルは呼び出した拳銃をアナスタシアに向ける。
「例えば此の拳銃は百年以上前に軍に正式採用され長く用いられ、後継が生まれた後も改良を加えられ特殊部隊と海軍で使用され続けている名銃です」
「ひ、ひぃっ?!」
チュインッ!音を立てて拳銃から放たれた弾丸がアナスタシアの背の羽を打ち貫く。
其の銃弾はエルの想いも込められているのか、アナスタシアへ強い痛みを与えていく。
「他の銃器も皆、素晴らしい、愛されてきた銃です。
私は此の銃達を……米軍の銃器達を愛しています―――」
「い、いやああああああああああああ?!!!!」
その宣言と共にエルの呼び出した銃器が稼働。
拳銃、そして命中精度の高さから対テロ作戦部隊等に用いられる短機関銃がアナスタシアの羽を、小型で狭い場所で取り回しが良い為、市街地や室内での近接戦闘やジャングル等の森林等で用いられるアサルトライフルと特殊部隊向けに開発され殺傷を目的とした弾以外にも多種多様な弾を使用可能な散弾銃が胴体を、ありとあらゆる銃器が弾丸の嵐を降り注がせていく。
当然、其の銃弾の嵐にアナスタシアが耐えきれる訳もなく……。
「敵性の一時沈黙を目視で確認しました。
本戦闘を終了します」
エルの其の言葉と共に、幽世米騒動は終わりを告げるのであった―――。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
第3章 日常
『食らい尽くせ、妖怪メシ!』
|
POW : とにかくたくさん食べる食べる食べる!
SPD : ちょい足しで一段上の大妖怪メシを目指す
WIZ : 作るのをお手伝い。ついでにレシピを教えてもらおう!
|
種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●宴の始まり
「本当に申し訳ない。
我々がトンカラトンに乗り移られたばっかりに……」
「今回迷惑かけた分、俺達の育てた野菜や果物を使った料理を存分に楽しんでくれ」
「野菜や果物について誰よりも知ってて其の言葉を聞ける俺達がより美味しくなるように品種改良を重ねた果物や野菜だ。
味は勿論保証するぜ!」
吸血西瓜や吸血メロン、吸血カボチャ、たんころりん達が様々な自分の育てた作物を食材として提供し……。
「ご、ご迷惑をおかけしました。
その、皆さんで宴を愉しむ場所は私が準備しますね?」
アナスタシアが廃墟の状態から元に戻った神殿を宴の会場に提供。
「米だ!米が戻ってきた!
ありがてえ……俺等の自慢の飯を御馳走するぜ!」
「儂の田で育てた良質の米じゃ。味は保証するぞい!」
「研いだのは儂じゃ!米を研いで数百年の腕を見ると良い!」
泥田坊の提供した米を米研ぎ婆が研いで炊き、其れと吸血果実達の野菜を活かした料理を日本妖怪達が出し……。
「勿論、私達もお礼にアメリカ料理を提供しマース!
ハンバーガーやピザ、七面鳥の丸焼き!他にもガンボ(濃い目の出汁スープに肉やシーフード、野菜を入れ煮込んだ物)もありマース」
「他にもガンボ(鶏肉とオクラのとろとろスパイシー煮込み)やプリトー、ソフトシェルクラブ、ホットドッグ、それに何よりバーベキュー―やステーキも用意してあるので楽しんで下さ―い」
「チョコレートブラウニーやドーナッツ、アイス、コーラも用意してるよー」
アメリカ妖怪が多種多様な料理を大量に並べていく。
圧巻な光景であった。
それ程君達に感謝していると言う事なのだろう。
勿論、事件の解決に関わってなくても妖怪たちは君達を歓迎するし、食べるだけでなくて自分で料理を作るのだって彼等は歓迎するだろう。
食材は普通の物からカクリヨファンタズム特有の少し不思議な食材迄多種多様。
妙な物を他の人に無理やり食べさせようとでもしたり食事の邪魔をしなければ自由だろう。
何をするか、其れは君達猟兵次第―――。
家綿・衣更着
アレンジ巻き込まれ歓迎
無事に米が戻ってきて何よりっす!
ひと働きした後はお腹が空くっすね!
おいらはごはんより先に力を借りた妖怪悪鬼幽鬼とヤマタノオロチにお礼っす。
直接感謝を伝えたり(実体がない骸魂などには)ごはんやお酒をお供えしたり。
そのあといろいろ回るっす。
果物もおいしいっすね。さすが愛情こもってるっす。
SUSHI…?おいらの知ってる寿司と違う。おいしいけど。
誰だどっきり仕込んだの!?驚かせるなら人間さんにしろっす!
最後はやっぱりごはんっす。泥田坊と米研ぎ婆の連携はさすがっす。
雁之助さんにもおにぎり届けるっす。こっち来てなかったらお土産にしてあげよっと。
やっぱりおにぎりに漬物は最高っす!
宴・段三郎
この豊稲丸地国…本来の使い方をお見せしよう
【行動】
この妖刀は元々、大飢饉を救う為にわしが鍛えた刀じゃ。生き物に対して使えば恐ろしい激痛を与える妖刀となるが
地面に対して使えば、稲穂を無尽蔵に生み出す刀となるのじゃ
地面に対して鍬の様に刀身を突き立て、耕し【範囲攻撃】を地面にする事で一振りで何千何百もの稲穂を生やさせるのじゃ。
わしは生えた稲穂は妖刀の力で強い情念が篭り妖怪たちの食べ物となるだろう
取り敢えず一万振りするのじゃ
一振り一振り心を込めて耕すのじゃ
聞けばこの世界も妖怪達が飢えに苦しんでいると聞く。
見過ごしてはおけぬのじゃ。
もう飢えで死ぬ者は見とうない
あと休憩がてらに握り飯と味噌、茶は頂くのじゃ
●飢えを満たす刀
「この豊稲丸地国……本来の遣い方をお見せしよう」
「ひ、ひぃっ?!な、何をされるつもりなんです?!」
刀を抜き放ちそう宣言する宴・段三郎(刀鍛冶・f02241)にアナスタシアは自分に向けられた物ではないと判っているのに恐怖を抑えきれずに後ずさる。
まあ、乗り移られていたから仕方ないし治ってはいるとはいえ身体中から稲が生えたら少しトラウマになってもしゃあないってもんではある。
「安心せよ、此の妖刀は元々、大飢饉を救う為にわしが鍛えた刀じゃ。
本来の用途に用いるならば誰かを傷付けること等ありはせぬ。
それよりも使っていい土地等はあるかの?」
「あ、はい。それでしたら此の会場の隣は今は使ってない空き地ですけど」
「ふむ……悪くない土地じゃな。それでは!」
どうにか落ち着いたアナスタシアの言葉に段三郎は会場の隣にある空き地を確認。
其の侭、刀を地面に鍬の様に突き立て其の土地を耕すと其処から無数の稲穂が現れる!
「な、何だぁ?!」
「お、おお!地面から稲穂が!それも何十、何百じゃない!千は軽く超えてるぞ?!」
「この妖刀は生き物に対して激痛を与える妖刀となるが、地面に対して使えば稲穂を無尽蔵に生み出す刀となるのじゃ。
生えた稲穂は妖刀の力で強い情念が籠り妖怪達の良い食べ物となるじゃろうよ」
無数の稲穂が生い茂る圧巻な光景に大盛り上がりな妖怪達に段三郎はなおも地国によって大地を耕しつつそう告げる。
「聞けば此の世界の妖怪達は飢えに苦しみ故郷から此の地にやってきたと聞いておる」
「あー……俺達の事を人間が認識できなくなっちまってなあ。
人間が俺等に向ける感情を喰ってるから本当に腹が減って堪らなかったぜ、こっちに来る前は」
「あの時は本当に腹の虫が鳴きまくりでしたネ」
長生きな者も多い彼等にとって当時の事は決して大昔という訳ではないのだろう。
嘗ての飢えに苦しんだ時代を段三郎の言葉に当時を思い出したのか、稲穂を収穫していた天狗とポールパニヤンが嫌そうな表情を浮かべ応える。
「今は此処に漂う過去の思い出や追憶を喰ってるけど……やっぱ俺、味気なく感じちまうんだよなあ……」
「だから、儂等を見てくれるお前さん等猟兵の存在にはほんに救われておるんじゃよ。
人間と又話す事が出来るとは思えんかったからのう」
吸血西瓜が過去を懐かしみ、泥田坊が本当に再び人と話せた事が嬉しいのだと感じさせる声色に段三郎に礼を言う。
彼等に共通するのは過去、当たり前に在った妖怪へ向けられる感情への渇望、飢え。
「そんなそなた達の姿を見て見過ごしてはおけぬの、というもの。
もう飢えで苦しむ者は見とうない」
まして、飢えて死ぬ者等猶更に―――。
妖刀による強い情念だけでなく、そんな段三郎の切なる想いも籠っていたのだろう。
段三郎が一振り一振り心を込めて耕し、其処から生まれた米の味は妖怪達に好評だった。
「泥田坊の米も美味いがこいつも美味いな」
「いや、猟兵のにーちゃんの想いが感じられる分、こっちの方が俺は好きだね!」
「むう、此れは負けられんわい!」
そんな声がそこかしこに響き渡り、妖怪達はとても楽しそう。
「昔、人の子に向けられた純粋な感謝の気持ちを思い出す……素晴らしい味でした」
「俺も食べてて人間の子と相撲とった時の事を思い出しちまってさ。
思わず泣いちまったぜ」
「ふむ、喜んでもらえたならば何よりよ」
休憩がてらに握り飯を愉しもうとした段三郎に握り飯と味噌にお茶を持ってきた妖怪達が、妖怪達の楽しそうな光景を伝えると同時に告げた礼の言葉に段三郎は嬉しそうに微笑みを返す。
「うむ、美味いな、此れは」
感謝の気持ちを伝える為に妖怪たちが米以外の食材を厳選し頑張って作ったのだろう其れは、素朴だが、とても美味かったという―――。
●御馳走巡り
「いやー、あんな風に一気に稲穂が実るなんて凄い光景だったっスね!
本当に無事に米が戻ってきて何よりっす!
此れも泥田坊が力を貸してくれたお陰っス」
「いやいや、儂等は勝手に押しかけただけ。
お前さん等猟兵が頑張ったからで儂等の力等、僅かなものじゃよ。
……此れで儂の田んぼで米を育てる事が出来るわい。本当にありがとうのう」
ごはんを食べるより前に、と力を借りた妖怪にお礼行脚を続けていた家綿・衣更着(綿狸忍者・f28451)に対し、泥田坊は苦笑しつつ逆にお礼を返してくる。
「まあ、あれじゃ。
ヤマタノオロチへのお供えも蟒蛇から貰うた秘蔵のお酒で済ませたしお礼行脚は終わったんじゃろう?
お前さんのお陰で米を取り戻せたんじゃ、色々と楽しんでくると良いわい」
「そうっすね。ひと働きした後はお腹が空くっすし!」
戦いで肉体労働をこなした上に律儀に衣更着に力を貸してくれた妖怪達全員にお礼を言って回ったのもあるだろう。
衣更着のお腹は非常にペコペコな状態。
只でさえ美味しい泥田坊のお米が更に美味しくなりそうな状態だ。
「さて、何があるっすかねえ?」
「お、猟兵のにーちゃんじゃねえか!丁度いい、俺が育てた南瓜を使ったパンプキンタルト喰ってきな!」
「うわあ、ほくほくして自然な甘さで本当に美味しいっすね。
さすが愛情こもってるっす!」
「そうだろうそうだろう!カボチャの煮っころがしも悪くないが、こういう祝い事だとこっちの方が華やかだからなあ」
キョロキョロと会場を見て回ってる衣更着の姿に気付いたのだろう。
吸血カボチャが焼き立てでカボチャの甘い香りを漂わせるタルトを差し出してくる。
その味は素朴な甘さでまろやか、しっとりなめらかな食べ応えで土台の柔らかく程好い甘さのクッキー生地との組泡も抜群と何度も食べたくなる様な美味しさだ。
「おっと、猟兵さん。西瓜の器を使ったフルーツポンチもお勧めだぜ!」
「猟兵さんが酒好きならメロンと生ハムもお勧めだ。
定番だが、だからこその良さがあるんだぜ」
美味しそうに食べる衣更着の姿に吸血西瓜や吸血メロンもやってきて自分の仲間を使った料理を勧めてくる。
そんな料理を楽しみたんころりんから柿羊羹を土産に渡された衣更着に次に差し出されたのはSUSHI、所謂カリフォルニアロール。
衣更着の知る寿司とは見た目は異なるが、其の味は中々の絶品。
「おいらのしってる寿司と違うけど美味しいっすね!」
「Oh、そう言ってくれると嬉しいデース!
あ、ステーキもどうデスかー?」
美味しそうに食べる衣更着の姿は料理を用意した側にとっては非常に嬉しい物なのだろう。
妖怪達もニコニコと上機嫌。
とはいえ、流石に疲れてきたのか泥田坊の育てた米、双方を使ったおにぎりを手にし椅子に座って休憩しようとするのだが……
ブ――――――!
「誰だ古典的などっきり仕込んだの?!驚かせるなら人間さんにしろっす!」
椅子に仕込まれたブーブーなるクッションを踏んでしまい、響き渡る大きな音に衣更着も苦笑しつつ大きな声でそう返す。
そんな光景に妖怪達は笑いだし、場の空気は更に和やかに。
「しかし、最後はやっぱりごはんっす。
泥田坊と米研ぎ婆の連携はさすがっすよ。
雁之助さんにも後でお土産に渡してあげないとっすね!」
泥田坊の育てた非常に質のいい米をその特性を見切った米研ぎ婆の炊いたお米は非常に美味く、厳選された塩も相まって其の味は格別。
おにぎり好きのグリモア猟兵は先ず間違いなく泣いて喜ぶ代物だ。
そして、それに加えて……。
「ほうこうのつけた此の沢庵!
やっぱりおにぎりに漬物は最高っす!」
ポリっとした歯応え、香り、程よい塩加減の味、全てにおいて最高な沢庵が其の味を更に引き立てていく。
某妖怪漫画に出てくる自分に触発されて漬物道に邁進したほうこう、渾身の一品だ。
更に此の沢庵を刻み、管狐厳選の味噌と和え、おにぎりに塗って焼いた焼きおにぎりもついているのだから堪らない。
味噌と米の焼けた良い匂いが食欲をそそるし、火を通す事で少しパリッとなった沢庵の歯応えが実に美味く、食った後にお茶で口をさっぱりとさせるのも堪らない。
「うん、本当に米を取り戻せてよかったっすよ!」
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
セレシェイラ・フロレセール
幽世米騒動、事の顛末を確と綴り後世に伝えてゆこう
歴史とは即ち教訓であり戒めでもある
惨劇を繰り返すことのないよう、風化させることのないように、ね
それはさておき、ごはんの時間だー!
わあっ美味しそうなごはんがたくさん!
お爺ちゃんお婆ちゃん達、アメリカの妖怪達もみんな嬉しそうでわたしも嬉しい
まずは炊きたての白米をください
嗚呼、わたしの炊きたてごはん……会いたかったよ!
いつも美味しいごはんが今日は一段と美味しいのは、みんなの気持ちが詰まっているからだね
食べ慣れてるいつものごはん、そして初めて見るアメリカ料理を余すことなく堪能
ごはんもお野菜もアメリカ料理も美味しいよ!
ごはんはやっぱり幸せの味でした
テラ・ウィンディア
ご飯だー!
紅竜にも今回は火力担当で手伝ってもらおうかな
【料理】でご飯料理を作るぞ!
妖怪達の提供したお米や食材を使う
土鍋でご飯を炊いた土鍋ご飯
鮭を使ってバター醤油風味で行くぞ!
南瓜で煮物やスープ
天婦羅にもしようか
デザートは生ハムメロンでいこうか
当然ガンボとか
ソフトシェルクラブとか
東洋妖怪のご飯も色々と食べるぞー!
うん…やっぱりお米はいい!
ステーキもご飯が進む!
やはりあらゆる料理の友だなお米は!
尚、紅龍も器用に食べてたりする。しかも上品に
と
アナスタシアにもおれの手料理は御馳走するぞ
言葉で伝えるのも限度があるしな
お米のすばらしさを堪能すればいいさ
ある程度食べたらだし汁を入れて茶漬けもいいぞー!
●ごはんは幸せの味
「幽世米騒動、事の顛末を確と綴り後世に伝えてゆこう。
歴史とはすなわち教訓であり戒めでもある。
惨劇を繰り返すことのないよう、風化させないように、ね」
今回の事件について己の本体たる桜色の硝子ペンで綴りながら桜色の少女、セレシェイラ・フロレセール(桜綴・f25838)はそう呟いた。
書き綴る物のヤドリガミであるセレシェイラにとって物事を書き残すというのはとても大事な事なのだろう。
丁寧に正確に事件の経緯を書き残していく。
とはいえ、書き綴る事に精通した彼女にとっては其処迄時間をかける事もない訳で……。
「それはさておき、ごはんの時間だー!」
そう楽しそうな声を挙げるセレシェイラの眼前に広がるのは多種多様なご飯に合いそうなおかずと炊き立ての美味しそうなご飯の群れと楽しそうに騒ぐ妖怪達の姿。
「わあっ美味しそうなごはんがたくさん!
其れにお爺ちゃんお婆ちゃん達、アメリカの妖怪達もみんな嬉しそうで私も嬉しいな」
「おう、ヤドリガミの嬢ちゃんか。
見ての通り旨そうなもんばっかだが何から食べるよ?」
そんな見ているだけで此方も笑顔が浮かぶようなセレシェイラに妖怪の青年が声をかける。
「うん、まずは炊き立ての白米をください」
「あいよ!それじゃ最初は泥田坊の爺さんの育てた奴、山盛りでいくぜ?」
セレシェイラの返事を聞いて青年は炊き立てのご飯を茶碗によそって差し出してくる。
其のご飯はふっくら炊き立て、見ているだけで涎が出そうな代物でセレシェイラは思わず感動してしまう。
「嗚呼、わたしの炊き立てごはん……会いたかったよ!
いつも美味しいごはんが今日は一段と美味しいのは、みんなの気持ちが詰まっているからだね」
「ははは。そりゃま、俺達の米を取り戻してくれたんだ。
感謝の気持ちはしっかり込めなきゃ妖怪がすたるってもんさ」
嬉しそうなセレシェイラに妖怪の青年はそう応える。
「ほら、ごはんだけじゃ物足りねえだろ?
せっかく作ったんだ、思いっきり楽しんでくれよ」
「うん、たっぷり楽しませて貰うね?」
そうしてセレシェイラは妖怪達が用意した食べ物を愉しむ為にパーティー会場へと乗り込んでいく。
「うわあ、此のキュウリの漬物、程好く味がしみ込んでるのにパリパリしててご飯に凄く合う!」
「河童族秘伝のキューちゃん漬けさ。
気に入ったなら持って帰っても良いんだぜ?」
吸血西瓜が育てたキュウリを河童が秘伝の技術で漬け込んだ漬物を堪能したり……。
「おっと、ご飯と言えばこいつを忘れちゃいけねえ!
ほうこうが長年の研鑽の末に生み出した沢庵だぜ!」
「パリッパリで香りもよくて…何よりご飯との相性が抜群すぎるよ!
うう、手が止まらないかも」
「新香巻きや刻み沢庵のみそ焼きもあるぜー!」
食べなれている何時ものご飯に舌鼓を打ったり……。
「へぇ、脱皮したてのカニを揚げたから丸ごと食べれるんだー。
歯応えも良いし濃厚な蟹の味がしてご飯にも合うかも?」
脱皮したてのカニという普段は口にしない物を食べたりもするし……
「ソフトシェルクラブも良いデスがステーキもお勧めデース!」
「うわ、分厚い!それに肉汁が溢れ出て凄いね!」
「七面鳥の丸焼きもお勧めデース!」
初めて見るアメリカ料理、良く知る肉料理等を余す事なく堪能。
其の後も中国やタイの米を愛する妖怪達の感謝の気持ちが籠った料理を沢山食べていくのだった。
「ごはんもお野菜もアメリカ料理も美味しいよ!」
ごはんはやっぱり幸せの味でした、妖怪達の用意した料理を堪能したセレシェイラはそう心の底から思うのであった。
●米を愛する新たな同士
「ご飯だー!」
そう、ご飯を取り戻した喜びを声に出し、ご飯料理を作っているのは紅龍を連れた少女、テラ・ウィンディア(炎玉の竜騎士・f04499)。
彼女は供の紅龍に火力を担って貰いながら、妖怪達の提供したお米や食材を用いて料理を行っていた。
「先ずは此れから、っと」
そう言ってテラが先ず手を付けたのは土鍋で炊いた土鍋ご飯。
其れも洗い浸漬させた物に焼いた鮭とバターを入れ醤油で味を調えた後に炊いた鮭バター醤油風味の一品だ。
「おー!こいつは美味えなあ!
ほぐした鮭と飯にバター醤油がしみ込んで食欲をすっげえ刺激してくるぜ!」
「バターを炊く前に入れるのも悪くねえんだなあ」
ご飯とバター醤油の組み合わせは抜群な上に其処にご飯ともベストマッチな鮭が加わる事で旨さは倍増。
妖怪達にもテラの料理はとても好評だ。
「勿論、此れだけじゃないぜ!
お次は南瓜の煮物やパンプキンスープ!
それに天ぷらだ」
更に出されるのは南瓜料理。
それら全てが丁寧に作られた出来立てだ。
「おおお、こいつは出汁が良い具合にしみ込んで……程好い甘みもあってご飯が進むわ」
「俺は此のほっくりした感じの天ぷらが良いわ。
何もつけずに其の侭喰っていくのが一番だな」
「パンプキンスープも裏ごしされたカボチャを使った濃厚なスープと具のゴロゴロした南瓜の組み合わせが最高デース!
ご飯じゃなくてパンが欲しくなりますがねー!」
そんな風に舌鼓を打っている妖怪達に更にデザートで生ハムとメロンという王道の組み合わせが差し出されて、更に妖怪達は大盛り上がり。
テラの料理は大好評で終わる事となる。
勿論、猟兵であるテラは主客なので料理をするだけでは終わらない。
「へえ、名前は同じなのに結構違うんだな」
「まあ、元は同じものだけど、メインの具材に鳥肉、甲殻類、豚肉の燻製、どれを使うか、ケイジャンとクレオールのどっちのスタイルで行くか、色々違ってきマース」
米にかけて出された二種類のスープ料理にテラは興味津々。
早速一口、口にする。
「お、こいつは美味いな!
米はインディカ米か?何か塩味がついてるが」
「正解。因みにバラバラにならない様にある程度粘りのあるものを使ってるネ」
テラの食べた甲殻類のガンボは出汁が濃厚で熱々でとろみのついた其れを米と共に口に含むと海老の旨味が口の中にふわっと広がっていく。
「うん、本当に美味ぇな!」
「アメリカ料理はガンボだけじゃないデース。
ソフトシェルクラブやステーキもどうぞ」
「おっと、アメリカさんにだけ良い恰好はさせねえぜ!
米に合う様に味を調整した麻婆豆腐のエントリーだ!」
「くっくっく!米には塩鮭とみそ汁に決まってんだろぉぉぉ?!」
そうやってガンボを堪能してたテラに様々なアメリカ料理が差し出される。
勿論、東洋妖怪も其れを放っておく訳もなく、我も我もとテラに料理を出してくる。
「うん…やっぱりお米はいい!
ステーキもご飯が進む!
やはりあらゆる料理の友だなお米は!」
妖怪達が全身全霊を傾けて作り上げた料理を堪能したテラは満足げにそう言って笑う。
そんな彼女の隣で上品に料理を堪能していた彼女の相棒の紅龍も其れに同意する。
「ふふ、楽しんでいる様ですね」
「お、アナスタシアか。アナスタシアも楽しんでるか?」
「ええ、猟兵さんの炊かれた鮭ごはん、バターとソイソースの組み合わせがとても合ってて美味しかったですよ?
とても安心する感じで……皆さんがあんなにも夢中になる気持ちが判りました」
アナスタシアはそう言ってテラに微笑む。
言葉で伝えるのは限度がある。
ならば自分の手料理を御馳走しお米のすばらしさを堪能してもらい自分達の米への想いを伝えようとしたテラだったが、アナスタシアの其の表情からちゃんと伝わった事が直ぐに分かった。
「ある程度食べたらだし汁を入れて茶漬けもいいぞー!」
「お茶漬けですか、其れは興味がありますね」
こうして、お米の素晴らしさを知る同士が増えた。
其の事も又、其れもテラへの報酬と言えるかもしれない―――。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
恵比寿・小福
うにゅ、お米が戻ってきたの!
お祝いなの!お祭りなの!収穫祭なの!
山車を繰り出して神殿の傍を練り歩くなの!わっしょい!わっしょいなの!
……神殿の一角に小福の社建てちゃ駄目かな?
い、今だけでいいのなの!このお祭りの祭神として小福を祀って欲しいなの!
ほ、ほら、小福にはお米もそうだし野菜も含めた豊穣系の権能も……い、一応無くはないなの
い、いや本当はあるんだけど信仰ゼロで機能してない状況なの。福の神としての主要権能の金運も小判出そうとして小判チョコ出るような有様だしなの……
う、うにゃ、だから今だけでも祀って信仰とお供え物貰えば……得た信仰使い切ってでも五穀豊穣とか食物系の権能で祝福を……
だ、駄目かな?
●妖怪達の感謝の気持ち
「うにゅ、お米が戻ってきたの!
お祝いなの!お祭りなの!収穫祭なの!」
「お、祭りかい!いいねえ」
「無人で動いてんのか。なあ、俺等も担いで良いかい?折角なら一人よりも楽しいしよ」
「にょわ?!うにゅ、お、オッケーなの!」
米を取り戻せた事に喜び、神の力で無人で動く山車を繰り出して神殿の傍を練り歩いていた恵比寿・小福(弱小福の神・f27352)をお祭り好きな妖怪達は見逃さず、山車を担がせてほしいと頼みだす。
社も信者もいない信仰ゼロ状態にある小福は山車を担いで貰う事態に動揺し反射的に許可を出してしまう。
「わっしょい!わっしょいなの!」
「「「わっしょい!わっしょい!」」」
「わっしょい!わっしょいなの!」
「「「わっしょい!わっしょい!」」」
小福が乗る山車を鬼が天狗が河童がビッグフットが、様々な妖怪が担いで練り歩く姿は正にお祭りそのもの。
其れを堪能しきった小福は漸く一息つくと、テラの作った料理をのんびりと食べていたアナスタシアに話しかける。
「……神殿の一角に小福の社建てちゃ駄目かな?
い、今だけでいいのなの!このお祭りの祭神として小福を祀って欲しいなの!」
「は、はぁ……」
唐突に言い出した小福にアナスタシアは困惑顔。
其れに対し小福は尚も言葉を投げかける。
「ほ、ほら、小福にはお米もそうだし野菜も含めた豊穣系の権能も……い、一応無くはないなの」
「いや、何でそんな自信なさげなんですか?」
種族、神様ですよね?と疑問の表情を浮かべるアナスタシア。
それに対し、小福は気まずそうに目を逸らし言葉を続ける。
「い、いや本当はあるんだけど信仰ゼロで機能してない状況なの。
福の神としての主要権能の金運も小判だそうとして小判チョコ出るような有様だしなの……」
「日本の神様も大変なんですねえ……」
切ない事情を話した小福にアナスタシアも思わず同情。
それに対し小福は慌てた様に言葉を続けていく。
「う、うにゃ、だから今だけでも祀って信仰とお供え物貰えば……得た信仰使い切ってでも五穀豊穣と食物系の権能で祝福を……。
だ、駄目かな?」
おずおずとそう言ってくる小福にアナスタシアは思案顔。
「や、やっぱり駄目なら「構いませんが、社は敷地外で大丈夫です?」うにゃ?」
「流石に神殿内は他の神の領域ですからNGですけど、段三郎さんが耕された田んぼの傍でしたら問題ないですよ?」
駄目かなあと思い諦めかけていた小福に対しアナスタシアは問題ないと許可をだす。
「あれだけの規模の田んぼじゃ。社もあった方が良いからのう。
あ、とはいえ儂の手じゃ汚れてしまうが」
「それなら俺達が普段の清掃とかをしておくさ。
猟兵さんにゃ助けてもらったし五穀豊穣なら俺等の畑にも加護はありそうだしなあ」
段三郎が生み出した田んぼの世話を今後する予定の泥田坊が其れに同意すれば、吸血西瓜が世話を申し出る。
あれよあれよと話が進み、どうやら小福の社は今回の催しが終わった後も祀られる事になりそうだ。
まあ、恩人……恩神に此の状況で今回だけと言わずずっと祀ってやらあ!とならない程、妖怪達は薄情でもないと言う事だろう。
まして、妖怪達も人に忘れ去られて此の世界に来た身の上、嘗ての自分達の事を思い出せば恩神というのを抜きにしても放っておける訳がない。
「う、うにゅ、い、良いの?だって、小福は……」
「恩を受けたのですし、其れは返しませんと。
まあ、そちらが問題ない様でしたら、ですが」
「うにゅ、アナスタシアちゃん、皆、ありがとうなのおおおおお!!!」
アナスタシアの言葉に小福は喜びの声をあげる。
そんな小福を妖怪達は笑顔で見守る。
こんな穏やかな光景も又、猟兵達が取り戻した平和なのだ―――。
大成功
🔵🔵🔵