4
踊れ、ツギハギ兵器!

#スペースシップワールド #【Q】 #クエーサービースト #惑星ロボ

タグの編集

 現在は作者のみ編集可能です。
 🔒公式タグは編集できません。

🔒
#スペースシップワールド
🔒
#【Q】
🔒
#クエーサービースト
🔒
#惑星ロボ


0




 マインド。
 銀河皇帝「リスアット・スターゲイザー」が自身のワープ能力の強化や騎士人形を操るために使っていたとみられる謎の装置である。
 猟兵達がクエーサービーストと殴り合っているのに負けじと、学者達が文献の研究を進めた結果、それには所有者の動きやユーベルコードをダイレクトに伝達する機能があることが明らかとなった。
 同時に、その装置はマインドミナBVAから引っぺがしてきた外殻を元に作られていたことも明らかとなった。ひょっとしたらマインドの名はその学名から取られたのかもしれない。
「まぁ、そこら辺は引き続き学者先生の方々に探っていただくとして……今重要なのは『なんじゃこれ』状態だったマインドミナBVAの外殻の利用法が分かった、ということです」
 ルウ・アイゼルネ(マイペースな仲介役・f11945)はそう言って丸めた紙を何度も自分の掌に叩きつけた。
「そこでスペースシップワールドでとある計画が持ち上がりました。それが……このスライドに出ている『惑星ロボ建造計画』です」
 それはマインドを搭載させた小惑星ほどの大きさのロボットを作り、それを猟兵が操縦する事で、クエーサービーストとの「サイズ差」を埋めてしまおう、という物。
「理論上の話ではありますが、メインパイロットとなった猟兵のユーベルコードを、マインドを経由させることで威力を減衰することなく小惑星レベルのサイズにして放つ事ができる……そうです」
 話を聞いているだけでは非常に強力な兵器であるが、あまりに巨大過ぎる故に、グリモアで別世界に送り込んでオブリビオンだかコンキスタドールだか骸魂だかを一掃する……といった扱い方は出来ない。
 また、一発ユーベルコードを撃つ度に操縦者の体に凄まじい負担がかかってしまうそうで、連続での活用は難しいらしい。
「あくまでもこれは机上の空論に過ぎない計画のため、多くの資金や材料を建造に注ぎ込むことは出来ません。なので作れるのも一体だけで、今回の参加者全員が一つのロボットに乗り込んで、交代交代で戦うこととなります。つまるところ早朝のテレビの戦隊物のロボみたいな感じですね」
 ただ実験のため、と言って小惑星一つ分の材料をおいそれと気軽に使うことは出来ない。そのためマインドを除く材料はほぼ全て今までの戦闘中に出来上がった金属片や採取したものの使い道が無かった隕石などを流用することになったそうだ。
 簡単な話、「素材が欲しかったらキチンと成果を出してきてからな」と言ったところである。
「で、そんなロボットと戦わせる相手ですが、皆様ご存知の『マインドミナBVA』となっております」
 どうやら戦闘データを取りつつ、新しいマインドの材料も取れて、一石二鳥という算段らしい。確かにマインドミナBVAを圧倒して材料も大量に確保出来れば、スポンサーの財布の紐も緩むことだろう。
「成果が出ないと眉間にシワを寄せる方々を笑顔にさせるため、皆さんの力をお借りしたいです。どうかよろしくお願いします!」
 そう言ってルウは両手を合わせて見せた。


平岡祐樹
 打倒クエーサービースト、打倒プリンセス・エメラルド一派。お疲れ様です、平岡祐樹です。

 今シナリオでは限られた材料から製図を作成して建設、そののちクエーサービーストとの一発勝負となっております。
 ロボの性質上、同じ章で二回以上の採用は何らかの対策が組まれてない限り難しいでしょう。

 今シナリオで制作する試作型惑星ロボは、どれだけ努力しても材料が材料だけにガラクタを組み合わせたような不格好なデザインになりがちです。
 また特定の人物がシナリオ後に所有すること・ユーベルコードを用いて他の世界に持ち込むことなどは出来ませんのでご注意ください。
90




第1章 冒険 『試作型惑星ロボ開発計画』

POW   :    完成したパーツを組み立てて、小惑星サイズの巨大ロボを完成させる

SPD   :    試作型惑星ロボの完成に必要な装置を作成したり、分割したパーツごとに完成させていく

WIZ   :    試作型惑星ロボの設計を行なったり、必要な資材をもつスペースシップに出向いて交渉する

👑7
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

キャプテン・ハマーヘッジ
【WIZ】

材料が限られているならば、フレームや動力部、生命維持装置などの最低限必要な部分を優先するべきだろうな。あとは残った資材をどこに回すか…。

限られた材料で完成させるならば、何かしらの機能に特化させるのはどうだろうか?例えば格闘に特化させれば射撃兵装に回す資材を削減できるし、遠距離戦に特化するなら装甲を捨てるという選択肢もアリだ。

もちろん、仲間たちにも得意不得意があるだろうから、そこは相談しつつ決めていくとしようか。

(アドリブ等大歓迎。他の猟兵に対しては基本的に「やるじゃないか!」「そんなアイデアがあったとは!」などと褒めちぎります)



「材料が限られているならば、フレームや動力部、生命維持装置などの最低限必要な部分を優先するべきだろうな。あとは残った資材をどこに回すか……か」
 使える材料の一覧に目を通し終わったキャプテン・ハマーヘッジ(宇宙紳士・f28272)は唸りながら両目を擦った。
 限られた材料で完成させるならば、何かしらの機能に特化させることが挙げられる。
 例えば格闘に特化させれば弾薬などの射撃兵装に回す資材を削減できるし、自分の得意分野である遠距離戦に特化するなら最低限の装甲で良い。
 しかし今回は個人戦ではなくチーム戦。それぞれに得意不得意があり、どれに特化させるかは相談しつつ決めていく必要がある。
 そう思っていたのだが……通信機器から返事は中々返ってこなかった。
「……こうなったなら致し方ない。ここはこの宇宙紳士、キャプテン・ハマーヘッジが誰でも扱えるようなロボットのために追加の資材の交渉に乗り出そうではないか!」
 手元には先代から引き継いだ「宇宙紳士回顧録」がある。それには多くの紳士達がどのように立場が上の人物と交渉し、どのような結果をもたらしたのか、なぜそのような結果となったのかが克明に記されている。
 これに沿えば、きっと追加の資源を産出することが出来るであろう。
「やあ、工場長君。5分だけでいい。話を聞いてくれないかね?」
「ああ、ハマーヘッジさん。例のやつについてですか? いいですよ?」
 宇宙紳士回顧録交渉の秘訣一つ。「少しだけ」など曖昧な表現ではなく、数字を出す。
 本当に忙しい相手でない限り、明確な時間を提示されれば相手は対応してくれることが多い。なぜなら数字は誰にとっても等しい存在であるからだ。
「そうだ、別のに搭載予定だったんですが規格の違いで倉庫送りになった熱線銃があるのですが、それもいかがでしょう?」
「本当か? それは私の得物だ、ありがたい!」
 笑みを浮かべたハマーヘッジの腕時計が、ちょうど5分を知らせる。
「すまない、手間を取らせたな」
「いえいえ、では後で部下に運ばせますので」
 ここで上手くいったからといって調子に乗って「もう一声」を狙わない。それもまた、宇宙紳士回顧録交渉の秘訣の一つである。

成功 🔵​🔵​🔴​

アネット・レインフォール(サポート)
▼心
性格は真面目(融通は利く)

日常でも調査・調べ物・見回り等を優先しますが
仲間達への土産を探す事も

正々堂々とした相手には敬意。
一方で時代背景・戦争である事も認識しており
容赦なく弱点を攻める非情さも

▼技
主軸は霽刀/式刀/葬剣を用いた一~二刀流で
闘気を込めた剣戟を得意とします

状況に応じて武器を換装し、
足止めから支援まで無難にこなします

※未所持の武器は葬剣を変形

▼体
剣筋は正確無比。
空中時は念動力で刀剣を浮かせ足場対応

稀に時短目的で単車も利用。
調査や弱点を探るなどダメ元で実験的な行動をとる事も

※他
全世界対応/連携・アドリブ歓迎
敬称は呼び捨て(漢字なら苗字、カナは名前呼びが礼儀)
ヒトの武人っぽい動き方



 つい最近キャバリアの操縦練習を行ったアネット・レインフォール(剣の異邦人・f01254)はその時に触れたある品の存在を探し、コクピットを見回していた。
「コントローラーとかの類は無いのか?」
 すでに固定された座り心地の良さそうな椅子の背もたれに触れながら、アネットは別の椅子を搬送している職員に話しかける。
 職員は所定の位置に椅子を置くと、尻ポケットに挟んでいた電子端末からファイルを引き出した。
「そうですね。仕様書によるとマインドが設置しているところで動いた人に合わせて動くらしいので。あくまでここは待機所みたいな感じですかね」
「ふむ……」
 ロボットの操縦というよりも人形使いに近いな、という感想を抱きながら、アネットはまだ断面が丸見えになっているコクピット席から飛び降りる。
 そして改めて後ろを振り返ればキャバリアなどよりもはるかに大きな、適当に部品を繋ぎ止めたかのような歪な巨体のあちこちから工具と金属がぶつかり合う火花が散っていた。
「こんなハリボテ細工でも自壊しないのは無重力の中だからか、技術の高さからか……はてさてどちらだろうか」
 ロボ本体を作る工房から離れれば、外では隕石を刀身に加工する作業が行われていた。
「おっと兄ちゃん近づかないでくれ」
 覗き込もうと輪の中に足を踏み入れようとすれば責任者とみられる中年の男性が手を突き出してきた。
「普通の鋼と違ってわずかな温度の違いで鍛着したりしなかったりするんだ。わりと神経使うから邪魔しないでくれ」
「そうか、済まなかったな」
 息を飲むように温度計を睨みつける作業員達の姿を見て、その言葉に偽りは無さそうだと判断したアネットは大人しく引き下がった。
「だが流星刀か……マインドで引き延ばすのは良いが、俺達のユーベルコードをそれが受け止めることは出来るのか?」
 他世界ではそれらが実用武器としてではなく、呪具や家宝等の使い道が一般的だと知っているが故に、アネットは一抹の不安を覚えた。

成功 🔵​🔵​🔴​

禍神塚・鏡吾(サポート)
ヤドリガミの電脳魔術士×咎人殺し、35歳男性

「喋る鏡」のヤドリガミです
いつもニコニコしていて、丁寧な口調で話します
(それ以外の表情が作れません。笑顔が場にそぐわない時には、仮面を被っています)

ユーベルコードは指定した物をどれでも使用します
それ以外では、電脳魔術を使った幻影やハッキング、あるいは言葉によるハッタリを得意とします

謎解きや探索では、積極的に行動して手がかりを集めます
それ以外の場面では、他の猟兵が動きやすくなるよう、文字通りサポートを行います
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません
又、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません
他はお任せします



「惑星大のロボットがこう、作られていく様は何度見ても圧巻ですね」
 目を細めて笑みを浮かべる禍神塚・鏡吾(魔法の鏡・f04789)は視線を上に向けながら何度も小さく頷いていた。
「おーい、禍神塚さんよー。こっちに人回してくれねぇか?」
「はい、構いませんよ。ちょうど終わった場所があるので……次の仕事を頼まれる前にすぐに移動させましょう」
 そう呟いて鏡吾が手に持った鏡を叩けば、作業用の足場の鉄棒を滑って降りてきたロボット達が一糸乱れぬ動きで次の持ち場に向けて行進し始めた。
 装甲の一部を拝借して思念を注ぎ込んだことで作った全自動の組立作業用ロボットの動きは別の惑星ロボを作成した時からさらに洗練させており、目の前を高速で通り過ぎる牽引車を感知して停止する。
 そして台車が全て通り過ぎたのを確認してから、再び動き始めた。
「しかしすげぇな、兄ちゃんは。あんな鉄屑からこんな働き者のロボットを作っちまうなんて」
「いえいえ、大した物ではありませんよ。私の指示が無ければ動きませんし、いつエラーを起こすかわかりません」
 鏡吾は作業員の顔を一切見ずに流れるように嘘を吐く。
 本当は惑星ロボの頭脳部分を介して作業用ロボのCPUが常に同期するように設定し、設計図に従って自動でパーツを組み立てるシステムを組んでいる。
 鏡吾が行っているのは同レベルで入れ替えの効く作業の順番を変えているだけに過ぎない。
 しかしこれは「補助役」でしかない。あくまでもこのロボットを作るのはスペースシップワールドの技術者達である。
「今度は曳航されない程度の余力を残して帰りたいですね」
「そうですね……。今のところ100%ですものね」
 鏡吾の呟きに、いつのまにかやってきていたプログラミング担当の職員が嘆息しながら返す。2人の脳裏に浮かんでいるのは惑星ロボの試験中に必ず姿を見せている『悪食の遊泳者』ヴァキアスEATであろう。
「まったく……マインドに惹かれてるのか何なのかは知らないけど、現状ほぼ確実にクエータービースト2体と戦ってるんですからもうちょっと人も資材もくれていいと思うんですけどね!」
 財布の紐が固いスポンサーに憤る職員の姿を鏡吾は優しい笑みを浮かべながら無言で見つめていた。

成功 🔵​🔵​🔴​

ノイ・グランガイオス
アドリブ、連携歓迎 大阪弁です

小惑星サイズの巨大ロボかぁ! ちょー燃える計画やんね!
まだ見た目はだいぶアレみたいやけど…そこはほら、今後に期待っちゅーこっちゃ!

つーわけで、ウチはUC『マイクロ・カーゴベイ』でパーツやら資材の【運搬】の手伝いしたり【怪力】で現場作業の手伝いするで!
【メカニック】にもある程度知識あるから、作業の効率化とかも考えたいな。
目的は明確に! 無駄を省いて使えるものは何でも使う!
着実な開発計画が次の予算ゲットへの勝利の鍵や!



「小惑星サイズの巨大ロボかぁ! ちょー燃える計画やんね!」
 自分が10人肩車しても余裕で入れそうな骨組みにノイ・グランガイオス(ごっつウォーましん・f08595)は目を輝かせる。
 しかしその視線が横にズレるにつれてその煌めきは鈍くなっていった。
「まぁ、まだ見た目はだいぶアレみたいやけど……」
 普通に作るならばよっぽどの物好きでない限りはデザインや材質は統一する物である。
 しかしこれから取り付けられるのはあからさまに廃品だったり別のロボットだか戦艦だかに使うはずだったっぽい品々ばかりだった。
「そこはほら、今後に期待っちゅーこっちゃ! うん!」
 自分を納得させるように小さく何度も頷いたノイの手元にメッセージウィンドウが現れる。
「でも、これだけじゃまだ物足りへんよなぁ……せや」
 取り付けられずに倉庫の肥やしになりかけてた武装類はともかく、その辺に漂っていた装甲の破片をツギハギしているのでは心許ない。
 何かを決心したかのようにノイがウインドウの下部に表示された二択の選択肢の片一方をタップすると同時にその姿は消えた。
「あれ、さっきまでいた女のウォーマシンどこに行った?」
「さあ? 充電しにでもいったんじゃないですか?」
 そんな会話が作業員の間で交わされる中、ノイは何もない所から何の前触れもなく大量の積荷を背に戻ってきた。
「うわ、こんなのどこから持ってきたんですか!?」
「わいのおごりや、好きに使いい! ……っと」
 偶然通りかかった作業員が仰天する中、ノイは地面にそれを置き、封を開ける。そして不敵な笑みを浮かべながら叩いた。
「目的は明確に! 無駄を省いて使えるものは何でも使う! 着実な開発計画が次の予算ゲットへの勝利の鍵や!」
 拳を突き上げるノイの号令に流され、作業員達も雄叫びをあげながら握り拳を作る。
「ちゅーわけで、とりま見てて足りなさそうな物を持って来たさかい。他に必要な物があったら言うてくれ。ちなみに、うちの私財でどうにかなる物に限るで」
 中を覗いた作業員達の口から次々と恍惚の声が漏れる。しかしノイはそれで満足せず辺りを見回した。
「あ、と、は……うちもメカニックに対してはある程度知識あるから、作業の効率化とかも考えたいな。いくら禍神塚くんのロボットが一杯っても限度っちゅーもんがあるからな」
「効率化……ですか」
「とりま、そこは現場に入ってからかな。……はい、見てるだけやのうて手も動かす! 時は金なりやで!」
 新品の材料に心を奪われていた作業員達を一喝しつつ、ノイは荷物を担ぎ直して作業場へと入って行った。

成功 🔵​🔵​🔴​

中村・裕美(サポート)
副人格・シルヴァーナ
『さてと、お仕事頑張りませんとね』
多重人格者の殺人鬼× 竜騎士
外見 赤の瞳 白の髪
特徴 長髪 のんびり 社交的 惨殺ナイフを愛用 実は胸が大きい
口調 (わたくし、~さん、ですわ、ますの、ですわね、ですの?)

裕美のもう一つの人格で社交性と近接戦闘特化。柔らかな物腰や【優雅なるご令嬢】で対人系は得意な方。【情報収集】も得意です。
探索系であれば、ドラゴンランスを竜形態に変えて偵察に出したりなども可能。
裕美のハッキング能力等が必要な場合は【オルタナティブ・ダブル】で呼び出します

あと、虫が苦手



「さてさて、工事は順調、人も資材も最低限は揃った。これなら裕美さんの出番もご挨拶に伺う必要も無さそうですわね」
 中村・裕美(捻じくれクラッカー・f01705)の別人格であるシルヴァーナはそう呟きつつ、クーラーボックスを肩にかけて現場を歩いていた。
 最悪、スポンサーの重役の首筋に刃物を突きつけて無理矢理にでも搾り取るつもりであったがその機会が訪れることが無くなったのは幸か不幸か。
「皆様、差し入れをお持ちいたしましたわ」
「おー、すまねぇな」
 美人なシルヴァーナの呼びかけにホイホイと乗っかり、鉄棒を伝って高所で作業していた者達が降りてくる。
「はい、こちらからお好きな物をお持ちくださいな」
 そう言って開かれた箱の中に仕舞われていたのは、飲めば8717万2485秒不眠不休で働けるという売り文句でお馴染みの「ドラゴンエナジー」詰め合わせであった。
 持って来た人の見た目からくるイメージと箱の中身が一致しなかったのか、箱の周りに集まっていた作業員の視線が往復し始める。
「わたくし達の命を守る大切なロボットの製作ですもの。眠気に負けたり部品を余らせちゃったり……なんてことがないようにお持ちいたしましたわ」
 笑顔の裏からヒシヒシと伝わる威圧感に作業員の背筋が寒くなる。
「よ、ようし。色々と手助けしてくれてる猟兵さん方のためにもう一踏ん張り頑張るか!」
 ここで引いては男が廃ると気合を入れ直し、受け取った缶を一息に飲み干した作業員達はあっという間に持ち場へ戻っていった。
「小さなサイズにしておいて正解でしたわね。裕美さんがいつも飲んでるサイズだと一口では厳しいですから」
 捨てられた缶のうちの一つを一回ししたシルヴァーナは視線を上に向ける。
 猟兵達が乗り込むコクピットやマインドを移動させるための推進器や守るための装甲、そしてユーベルコードを受け止めるための各種装備が取り付けられた惑星ロボは非常に不格好ながらも着実に作り上げられていた。
「あとは、廃品やその場しのぎの品々がユーベルコードに耐えられるかどうか、ですかね」
 作業員がどれだけ頑張ってもその点はどうしようも無い。シルヴァーナはゴミ袋に空き缶を戻すと次の作業場に足を向けた。

成功 🔵​🔵​🔴​




第2章 ボス戦 『クエーサービースト・マインドミナBVA』

POW   :    BVAジェノビック
【無限に変化する外殻が超殺戮形態 】に変形し、自身の【防御力】を代償に、自身の【攻撃力と攻撃速度】を強化する。
SPD   :    BVAエクスタリ
いま戦っている対象に有効な【無限に変化する外殻が変形した殺戮兵器 】(形状は毎回変わる)が召喚される。使い方を理解できれば強い。
WIZ   :    BVAリモーフ
対象のユーベルコードを防御すると、それを【無限に変化する外殻によって再現し 】、1度だけ借用できる。戦闘終了後解除される。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 出来上がった惑星ロボは未踏宙域に向けて自力で進んでいく。
 少なくとも勝手に自沈することはないことが分かったところで先行していた戦艦から通信が入った。
「前方400万km先でクエーサービーストを確認、マインドミナBVAです!」
 レーダーにはその報告が真実だと証明するように、クエーサービーストを示す大きく赤い丸が現れ、点滅し始めた。
 戦闘の余波を受けないようにデータ収集兼素材回収担当である、後方からついて来ていた戦艦が停止するのと対称的に、惑星ロボは前に出続ける。
 今回の惑星ロボも成功させるべく、座席から立ち上がった猟兵達はマインドと操縦者の動きを同期させるためのエリアへと足を踏み入れた。
キャプテン・ハマーヘッジ
「まずはスピードの耐久テストといこうか!ついてこれるかな私のドライビングテクニックに…!」UC【ゴッドスピードライド】を起動。コクピットに持ち込んだ相棒の宇宙バイク“フューチャー号”にまたがり、バイク運転のような感覚で惑星ロボを動かす。
(そして、動かしてみてわかった…!この急造惑星ロボは全身の歪なバランスとそれによってもたらされる予測不能な重心移動により、常識外の動きを見せる…!無理やり制御しようとせず、あえてロボの動きに委ねれば…‼)
ロボは跳弾のような予想もできぬ動きで敵を翻弄するだろう。
「フフフ…私はこいつが気に入ってきたぞ…!」



「まずはスピードの耐久テストといこうか!」
 そう言ってハマーヘッジは廊下に停めていた愛車であるフューチャー号に跨ってみせるとアクセルを思いっきり踏み込んだ。
「ついてこれるかな私のドライビングテクニックに……!」
 排気ガスもなくマインドの判定がある周辺の通路という通路を縦横無尽に走り回るバイクの動きに合わせて惑星ロボが動き回る。
 その派手な動きで気づいたのか、マインドミナBVAが自分の装甲を蠢かし始め、鋭利なドリルめいた棘が一撃でトドメを刺そうと伸びる。
 しかし通路の限界に合わせて急接近してきたり、突然一回転したり、かと思えば急にほぼ直角にカーブしたり突然バックしたりと内装が分かっていたとしても全く読めない動きにドリルは擦りもしなかった。
 そんな不規則な動きに戸惑っているのはハマーヘッジも同じだった。普通に同期しているのならばロボ内部にいる物には何の影響もないはずである。
 しかしハマーヘッジが走れば走るほど床は傾き、勝手に引き出しが飛び出し、宇宙食が転がっていた。
「わかったぞ……!」
 だが当事者として原因に関して心当たりがあった。
 この惑星ロボは適当な材料で急造したためか、全ての攻撃方法に対応するために大量の武器を詰め込んだためか、歪なバランスで成り立っている。
 重心がおかしな場所にある物は、動いた時に重心に沿って戻ろうとするために今のような常識外の動きを見せているのだろう。
「無理やり制御しようとせず、あえてロボの動きに委ねれば……‼」
 そう開き直って暴れることで、ロボは跳弾のような予想もできぬ動きでマインドミナBVAを翻弄し続けていた。
 そうこうしているうちに乗り物酔いしたのか、体力の限界が来たのか、バイクがスリップしたのに合わせて飛び降りたハマーヘッジが床の上を滑っていく。
 しかし動きを止めたハマーヘッジの口からは笑い声が響いていた。
「フフフ……私はこいつが気に入ってきたぞ……!」
 そんな中、ようやく動きを止めた惑星ロボを取り囲もうとドリルがまるで投網のように伸びていく。
 宇宙の黒色が広がっていた窓の外はゆっくりと回転する金色のドリルで埋め尽くされそうとしていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ノイ・グランガイオス
「いくで、ウチらの試作ロボ君!」
この子はあくまであのクェーサービーストをしばいてお宝をむしる……なんや人聞き悪いな。さらなる開発のためのデータ収集と資材確保の為のマシーンやからね。
ビビッて縮こまってても埒が明かん! 大胆にやらしてもらうで!
「ヒーローの変身中にどつくんはマナー違反やけど、敵ボスの変形中はツッコむんが礼儀ちゅーもんや!」
使用UCはグラン・バッシュ。何のことはない、シンプルな全力パンチで叩いて壊す!
こっちはフレームも装甲も寄せ集めのお手頃価格やぞ! 超殺戮形態がなんぼのもんじゃーい!



 キエリビウムJOXは猟兵だけでもどうにかなるサイズだった。しかしマインドミナBVAは小惑星のような物を余裕で抱え込める巨大さである。
 存在が判明したばかりの時は強引に突撃して削り倒したらしいが、かなり大変だった……と実感込めて呟いていた同僚達の姿を思い出しつつ、ノイは初見であるその姿をまじまじと眺めていた。
「うっわ、なんやあのクエーサービースト。前のよりおっきいやん……」
 光線が主力だったキエリビウムJOXと違い、あちらはどうやら物理攻撃が主なようである。しかも形を変えられるようであり、こちらを捉えきれないと見るや否や取り囲もうとその体を広げようとしている。
「ヒーローの変身中にどつくんはマナー違反やけど、敵ボスの変形中はツッコむんが礼儀ちゅーもんや!」
 惑星ロボはあくまでをマインドミナBVAしばき回してお宝を毟り取る……もとい、さらなる開発のためのデータ収集と資材確保の為のマシーンである。
 それに相手は自分達を殺すためだけに動いていると見受けられる。手を抜く必要性は一切無いとノイは指を一本ずつ折って握り拳を作った。
「いくで、ウチらの試作ロボ君!」
 まるで嵐の中の船のようだった動きが止まったのを見計らい、ノイは一歩踏み出す。すると惑星ロボがノイの動きに合わせてゆっくりと前進し出した。
「ビビッて縮こまってても埒が明かん! 大胆にやらしてもらうで!」
 そして腰を捻ってから豪快に右腕を突き出す。その動きに合わせて鉄柱を繋ぎ合わせたような無骨な腕がマインドミナBVAの網に勢いよく激突した。
 接触した瞬間に回転の烈しさを増させたドリルが腕と接触して赤い火花を散らす。大きな穴を開けられる前にノイは素早く右手を引っ込ませ左のアッパーカットを叩き込んだ。
「こっちはフレームも装甲も寄せ集めのお手頃価格やぞ! 超殺戮形態が……なんぼのもんじゃーい!」
 自慢・警戒・嫉妬などなど様々な思いを込めた連打が網の一部に大穴が開かせる。
「うっし……って危な!?」
 しかしその間に包囲網も縮み続け、潰されていないドリルが惑星ロボ全体を削ろうとその食指を伸ばそうとしていた。
 それに気づいたノイは一息吐く余裕も与えられないまま、慌てて自ら作り出した突破口に向けて全力で飛び込ませた。

成功 🔵​🔵​🔴​

鯉澄・ふじ江(サポート)
怪奇ゾンビメイド、16歳女子
誰かのために働くのが生きがいの働き者な少女
コイバナ好き

自身が怪物寄りの存在なので
例えどんな相手でも対話を重んじ問答無用で退治はしない主義

のんびりした喋り方をするが
これはワンテンポ間をおいて冷静な判断をする為で
そうやって自身の怪物としての凶暴な衝動を抑えている
機嫌が悪くなると短文でボソボソ喋るようになる

ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し
自身の怪我は厭わず他者に積極的に協力します
また、例え依頼の成功のためでも
自身の矜持に反する行動はしません
 
何でもやります、サポート採用よろしくおねがいします!

(流血、損壊系のグロ描写やお色気系描写もOKです)



 マインドミナBVAとの戦闘による激しい揺れで起こるのはマインドによる疲れや乗り物酔いだけではない。
「あああ〜、わたしの体追いついて〜!?」
 大粒の涙を流しながら、鯉澄・ふじ江(縁の下の力任せ・f22461)の首は通路を勢いよく転がっていた。その後をドタバタと頭の無いメイド服姿の体が追いかけるが追いつきそうな気配がしない。
「いだっ……でも、これでぇぇぇぇぇ〜!」
 もちろん最初こそ部屋の中にいた。だが惑星ロボが動き出した時の衝撃によって首から外れてしまった頭のバウンドが偶然自動ドアのセンサーに反応してしまい、パッカリ開いてしまい、外へ飛び出してしまったのだ。
「だ、だれかとめてくださ〜い!!」
 目の前のクエーサービーストがこちらを待ってくれさえば、その様子を見ていた猟兵達も協力するなり、動かないことで早々に確保することも出来ただろう。
 しかし残念ながらここは戦場で、敵と味方の間に馴れ合いは存在せず、一撃でも食らえば致命傷である。
「はねっ……いやぁぁぁぁぁぁぁ!」
 ふじ江の悲痛な叫びはマインドとは一切関係ない通路へ向かっていった。
 縦横無尽な動きが収まり、一定の間隔で繰り返される細やかな振動に変わった頃、壁にぶつかり転がりまくった首を体が確保する。
 食道が繋がってなかった故に口から物は出なかったが、その目は完全に死んでいた。
 その場で縫合しようとする気もなく、頭を抱えてマインド部屋に戻ってきたふじ江は無言で近くにいた猟兵に頭を押し付ける。
「ぶっ殺す」
 普段ののんびりとした口調を通路のどっかに捨ててきたふじ江がゆっくりと手を伸ばすと、腕を上げた。
 それにあわせて惑星ロボの手も伸びてマインドミナBVAの鋭利なドリルを掴む。
 するとマインドの効果で凄まじい力が生じた惑星ロボが、マインドミナBVAの装甲の一部を捥いだ。
 続けて頭の無い体は何も持っていない握り拳を思いっ切り叩きつける。
 攻撃力に特化し過ぎたせいで脆くなったとはいえ、その重量は一切変わらない。
 即席のハンマーと化した自分の体だった物によって、マインドミナBVAの体に巨大な凹みが生まれた。
 怒りに任せてあまりに速く振り過ぎてしまったのか、ふじ江の右腕が肩口から落ちる。しかし惑星ロボのアームに外れる気配はなかった。

成功 🔵​🔵​🔴​

田中・香織
ロボットの操作は初めてだけど、この様子ならあたしでも何とかなりそうね。
ロボットの動きを利用するような感じで機体を敵にぶち当てたり、腕を振り回して叩き付けるなどして攻撃するわ。
ユーベルコードはロボットの攻撃で出来た破損箇所への追い打ちに利用するわ。
(威力はでかいが狙いが付けにくいロボットの攻撃と多少は狙いが付けられるフルバースト・マキシマムを使い分けるような感じで行くわね)



「操作は初めてだけど、この様子ならあたしでも何とかなりそうね」
 猟兵自体が傷ついても、ここまで力任せの打撃攻撃を繰り返し続けてきても壊れる気配がない惑星ロボの腕の様子を窓越しに確認した田中・香織(ヒーローに憧れた人形・f14804)は頷く。
「それじゃあ、今度はあたしの番ね!」
 狙うは先程の強烈な一撃で凹んで装甲が剥がれたばかりの柔らかそうなお肉。しかしそれは現在進行形で徐々に周囲の無事な装甲によって塞がれようとしていた。
「よいっしょー!」
 その回復を防ぐべく、香織は前に重心を向けて惑星ロボ本体をその穴へ突っ込む。
 激突し合った装甲同士が擦れ合って嫌な音がロボット内に響く中、引っかからなかった砲塔がゆっくりと動き出し、削り取られる前に大量の銃火器が火を吹いた。
 まるでハリセンボンのようになった惑星ロボの光線が装甲の表面を抉っていく中、ただてさえ赤い肉がさらに赤く発光し出す。
 異物を押し出そうとするかのように蠢く装甲に向け、香織は装甲の端と端を腕で握らせると思いっきり伸ばさせて元の大きさどころか更に広げにかかる。
「うらうらうらー!」
 そして離した両腕を戻すとぶんぶん回して、露出したばかりの肉を引っ掻いていく。
 威力は大きいが狙いを付けにくいロボットの近距離攻撃と、威力は劣るが多少は狙いが付けられる遠距離攻撃【フルバースト・マキシマム】を使い分けることを心がけながら突き進む香織の蹂躙に楔を打つべく、マインドミナBVAの他の場所にある装甲がまるで津波のように浮かび上がって押し寄せる。
 先程と全く同じ、閉じ込めて摺り下ろしにかかるその動きに香織は再び惑星ロボの全砲門が開かせた。
 しかしドリルの群れの押し寄せは実弾でも光線でも一切引く気配がない。
「これはちょーっと厳しくないかな!?」
 香織はしゃがみながら床に手を置くと、惑星ロボも全ての腕をマインドミナBVAの肉体に沿わせる。
 そして腕を跳ね上げて立ち上がると、無重力と相まって惑星ロボは勢いよく打ち上がった。

成功 🔵​🔵​🔴​

エリカ・グランドール(サポート)
 サイボーグのシャーマン×電脳魔術士のエリカ・グランドールです。
 戦闘はあまり得意ではありませんが、周囲の状況を観察して違和感のある箇所を発見したり、敵の弱点を推測して隙を作り出すといった行動で皆さんをサポートしたいです。

※セリフ例
「今、何か光りました。ここに何かあるのでは……」
「あの敵の動きには規則性があるわ。うまく狙う事が出来れば……」

 冷静沈着と言う程ではありませんが、ビックリする事はあまりありません。
 あと、笑いのツボが良くわかっておらず「今の、どこがおもしろかったのでしょうか?」と、真面目に聞き返す事もあるようです。

 ユーベルコードは、エレクトロレギオンを好んで使います。



「近距離攻撃の威力、遠距離攻撃の威力、攻められた際の防御力、機動力……のデータは取れましたね」
 この戦闘の間も絶え間なく動き続ける電脳ゴーグル越しにエリカ・グランドール(サイボーグのシャーマン・f02103)が見つめる先には逃げるこちらを追いかけるマインドミナBVAの姿が映っていた。
 逃げの一手を打ったとみられる相手に対し、意地になって追いかけてくるのは好き勝手されたことに対する怒りからか、貴重な食料を確保しようという欲望からか。
「では、次のデータを採らせていただきましょう」
 そう呟いた瞬間、傷だらけになった惑星ロボの装甲の一部分が開き始め、そこから大量の無人艦載機が飛び立った。
 艦載機は小さな体を生かしてマインドミナBVAに接敵すると、本体と比べればはるかに小さな銃で装甲に傷をつけていく。
 するとマインドミナBVAからも同じような見た目の戦闘機が飛び立ち始めた。マインドミナBVAの周囲で交わされる空中戦は互角の争いで、互いに撃沈されては消えていく。
 だが「互角の戦いが出来る」という情報も重要であった。
 なぜならこの艦載機は元々のスペックではクエーサービーストに傷をつけられるどうか怪しい、どちらかといえばポイントに着くまでの雑多な物体やオブリビオンに対する露払いが主目的。
 それでもユーベルコードで強化すれば、クエーサービースト相手でも戦えるようになれるというのは大きな収穫である。
「なるほど、元々実体のある兵器でもユーベルコードの効果を受けて消失してしまうのですね」
 しかしその一方で、貴重な資材がチリも残さず消滅してしまっていることも重い事実であった。
 先程の度重なる接触で削れた惑星ロボの装甲が宇宙空間に浮いているのに対し、艦載機の残骸は残っていない。
 電脳ゴーグルに映る認識信号が消える度にその方向に拡大鏡を向ければ、まるで水の中に溶けていく氷のような艦載機の姿が見受けられた。
「……資材が厳しい時はあまり多用出来なさそうです」
 もしこの企画が通らなかった時のことを考え、エリカは息を吐いた。

成功 🔵​🔵​🔴​

カルロス・エルウラカン(サポート)
確かに使命の為に躍起になる私達は『化け物』かもしれません…あなた達から見れば理不尽かもしれませんが大きな厄災が起こる前に改めて骸の海へ戻って頂きます。

行動
探索の際は痕跡から手掛かりを得る様に努めます。
囮の際は率先して受け持ちます。

戦闘
正念場ですから、少々力押しになりますが私も全力を持って応えねばなりませんね。
隙を見せるので大ダメージを受けるリスクは大きいですが『ジャスティス・ペイン』で身体能力を底上げして【大連珠】を武器として拳に巻き近接戦闘に移らせて頂きます。

その他
もしも、勝利できたのなら勝ったことを喜ぶ前に倒した相手に弔いの祈りをしておきたいですね…。

アドリブ共闘OKです



「そろそろ正念場ですね。力押しばかりで申し訳なくも思いますが……私も全力を持って応えねばなりませんね」
 本体越しに大きく息を吐いたカルロス・エルウラカン(復讐の仮面・f06567)は自らの手の指を一本一本握り直す。
 使命の為に躍起になって侵攻する自分達はクエーサービースト達にとって『化け物』であり『災厄』かもしれない。
 しかしいつ来るか分からない大きな厄災がこの世界に確実に迫って来ていることが分かっている以上、血に濡れた道を進むことに躊躇う余裕は残されていない。
「……参ります」
 周囲をうるさく飛び回っていた艦載機を撃ち落としながら接近を続けるマインドミナBVAに向け、惑星ロボ本体が攻撃に転ずる。
 突然の反転にも動揺する様子もなく、マインドミナBVAの進撃は止まらない。しかしそれはカルロスにとっては好都合であった。
 音もなく回る大量の金色のドリルが迫る。10km、1km。
 ぶつかり続けることを考慮してか、異常な勢いでの接近にも一切の警報を鳴らさない部屋の中で精神を統一させたカルロスは拳に大連珠を巻きつける。500m、1m。
 無音の空間だと分かっていても、空気を貫くような空耳を憶えながらカルロスは渾身の正拳突きを見せた。
 同時に突き出された惑星ロボの腕がマインドミナBVAと接触し、そのあまりの衝撃に惑星ロボ全体が揺れる。
 その威力に耐え切れなかったドリルが砕け、装甲が凹み、肉が飛び散り、抱えていた隕石が砕ける。
 隕石を抱え込んでいた装甲は支えを失ったことで収縮することはなく、逆にそれに引っ張られて力無くゆっくりと広がっていく。
 直後、同行していた護衛艦と惑星ロボの画面から巨大な生態信号が消失した。
 護衛艦から送られてきた通信に仲間が答える中、拳を解いたカルロスは正面に浮くマインドミナBVAの亡骸を見つめる。
「……あなたの遺骸は、しっかりと使わせていただきます。あなたの同胞を護るために」
 言葉は通じず、争い合う相手だとはいえクエーサービーストもこの世界の住民である。
 カルロスはこの犠牲を無駄にしないことを天に誓った。

成功 🔵​🔵​🔴​




第3章 ボス戦 『クエーサービースト・ヴァキアスEAT』

POW   :    EATグラトニウム
【周囲に蠢く存在を喰らいたいという暴食】の感情を爆発させる事により、感情の強さに比例して、自身の身体サイズと戦闘能力が増大する。
SPD   :    EATマテリライズ
【外殻を物質を破壊する超振動モード】に変形し、自身の【喰らった栄養分の消化】を代償に、自身の【外殻の防御力・スピード・反射速度】を強化する。
WIZ   :    EATベルゼバブル
【あらゆる生物・物質を消化する分解液の霧】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠メイスン・ドットハックです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 護衛艦と惑星ロボ総出でマインドミナBVAの回収が粛々と行われる中、画面上に巨大な生態反応が復活する。
 目の前のマインドミナBVAが息を吹き返したのではない。
 画面外から凄まじい速さで現れ、近づいてくるそれは惑星ロボの試運転に何度も関わってきた者達にとってお馴染みとなってしまった、苦々しい存在だった。
「新たなクエーサービーストの接近を確認……ヴァキアスEATです!」
 黒い鱗を持つ目の無い蛇のような姿をしたクエーサービーストは口を大きく開けると、炎のように煌く舌から涎を垂らして咆哮した。
キャプテン・ハマーヘッジ
「いよいよこいつを使う時が来たようだな…!」
工場長に用意してもらった惑星用ロボ用の光線銃を遂に装備する。ヴァキアスとの戦いに備えて温存していたのだ。そのまま銃身が焼け付くのも厭わずに限界まで撃ちまくる!締めとして予備のエネルギーカートリッジを敵の顔面目掛けて投げつけ、当たったところで即座に光線銃で打ち抜いて大爆発を起こしてやろうではないか!
「いい加減、クエーサービーストとの戦いにも慣れてきたものだよ…!」
それに、この惑星ロボは猟兵だけでなく、無数のスタッフの努力と熱意の結晶なのだ。負けることなど絶対にありえない…!


カルロス・エルウラカン
一難去ってまた一難とはまさに今の状況ですね、大きな獲物を仕留めて油断しておりました。
やはり大きいですね…惑星とそこに住む知的生命体もろとも喰らう存在…今この存在を放置しては未来は喰い潰されしまいそうですね。
ヴァキアスEATには申し訳ないのですが、貴方が大きな厄災のトリガーを引く前に改めて骸の海へ戻って頂きます。

戦闘【POW】
付け焼刃かもしれませんが、私自身の強化のためユーベルコード『風に乗りて歩むもの』で戦闘力を底上げします。
その後、私は【神獣殺しの銃】を使用して、共闘者が敵に背後を取られない様に【援護射撃】に移らせて頂きます。
【2回攻撃】で鱗の継ぎ目への攻撃を心掛けます。

アドリブ共闘OKです



 マインドミナBVAの亡骸を余すところなく収納するため、惑星ロボのマインドのある部屋からわざわざ移動してきたカルロスは、護衛艦の格納庫から黒くうねる巨体を見て唇を噛み締めていた。
「一難去ってまた一難とはまさに今の状況ですね……大きな獲物を仕留めて油断しておりました」
 この場に留まってはいられない、と護衛艦と惑星ロボを繋ぐ通路に向けて走り出す一方で、すでにヴァキアスEATと幾度となく邂逅しているハマーヘッジは意気揚々とマインドのある部屋へと滑り込んでいた。
「やはり来たかヴァキアスEAT! いよいよこいつを使う時が来たようだな……!」
 そう言って操作板をいじると、惑星ロボの装甲の一部が持ち上がり、そこから一丁の銃が迫り出してきた。
 それは工場長に工面してもらった光線銃。全てはヴァキアスEATとの戦いのために温存していたのだ。
 惑星ロボが静かに変形していくのを見て、カルロスは無理に走って戻るのではなくサポートに徹することを選んだ。
『暫しの間、手加減等の配慮は出来かねますので…ご容赦頂ければ幸いです。』
 そう念じた瞬間、カルロスの体が薄くなり、消えていく。
 旅人の背後に忍び寄り、気配だけを悟らせるだけ悟らせて、どれだけ素早く振り向いてもその動きに合わせて自分の姿は見せないように立ち回る精霊となったカルロスは通路の壁をすり抜けると宇宙空間に意志を持って漂い、ヴァキアスEATの背後へとたどり着く。
「やはり大きいですね……」
 自分よりもはるかに大きい宇宙船・巨大生物問わず喰らうこの存在を放置すれば、この先の未来までも喰い潰されかねない。
「貴方には申し訳ないのですが、大きな厄災のトリガーを引く前に改めて骸の海へ戻って頂きます」
 クエーサービーストがオブリビオンと同一の存在かは分からない。しかし分からないが故にそう語りかけるしかなかった。
 古ぼけたライフル銃を構えたカルロスは鱗の継ぎ目目掛けて弾を的確に撃ち込んでいく。
 一発一発は小さくてもまるで箪笥の角に小指をぶつけたかのような痛みが襲っているはずである。しかしヴァキアスEATは攻撃のあった方向を一切振り返ろうとはしない。
 しかし怒りは沸沸と感じているのかその体がだんだんと大きくなりだした。
「いい加減、クエーサービーストとの戦いにも慣れてきたものだよ……!」
 そんな大きくなった目標目掛け、ハマーヘッジは銃身が焼け付くのも厭わず、光線銃を限界まで連射させた。
 体を何度も抉るその熱に反応したのか、精霊体でなければミンチにされかねない振動波がヴァギアスEATの巨体から放たれる。
 全方位目掛けて伝わってくるそれによりライフル銃の弾は当たる前に霧散し、照準すら合わなくなってきた。
 これ以上の自身の攻撃が無意味と判断したカルロスが大人しく退散を決める中、ハマーヘッジは歯を食いしばりながらヴァキアスEATを睨みつける。
「この惑星ロボは猟兵だけでなく、無数のスタッフの努力と熱意の結晶なのだ。負けることなど絶対にありえない……いや、あってはならんのだ!」
 念のために用意しておいた予備のエネルギーカートリッジを惑星ロボの手によってヴァキアスEATの顔面目掛けて投じる。そしてそれが振動波で砕け散る前に、限界点が近い光線銃が撃ち抜いた。
 分解される前に高エネルギー体を叩き込まれたカートリッジは、ヴァギアスEATの視界を一時的に奪う大爆発を起こした。
 しかしヴァギアスEATは爆発の中から果敢に顔を覗かせると、大口を開けたよだれを振りまいていた。
 致命傷を与えられてないと判断したハマーヘッジは次のカートリッジを持たせてから投球モーションを行い、続け様に操作板に手を伸ばす。
 しかし光線銃から次の一撃が放たれる前に、カートリッジは静かに霧散していった。
「……くっ、もう限界かっ!」
 エネルギー残量自体には余裕があることを一瞥したハマーヘッジは苦々しい表情を浮かべ、叩きつけたくなる拳を堪えた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

田中・香織
こいつも生物みたいだから、これ(催涙ガス)も効くかしら?
催涙ガスを撃ち込んで動きを封じてから、ロボットの搭載火器の一斉射撃で勝負をかけるわ。
スポンサーもいるみたいだし、見た目が派手な一斉射撃はスポンサー受けも良さそうだし、あたしもそういうスタイルの方が得意だから。
弾切れが先か向こうが倒れるのが先か勝負よ。



「ねぇ、あいつって一応生物なんだよね?」
 香織は大量の光線と弾丸の雨あられを喰らっても悠然と進んでくるヴァギアスEATを見つめると、不意に笑顔を浮かべた。
「なら、これも効くかしら?」
 直後、大量の砲門からミサイルが放たれる。ヴァギアスEATの放つ衝撃波の前にミサイルは接触する前に分解されていくが、中から漏れ出たのは高エネルギー体でも爆薬でも無かった。
「目がどこにあるのか分かんないけど、これで泣きなさいな!」
 ミサイルの中に詰められていた催涙ガスがヴァギアスEATの神経を攻撃しようと周囲を包み込む。
 するとヴァギアスEATは頭部の鱗の隙間を赤く染め上げながら口を開いた。泣き苦しむためではなく、口から蒸発したよだれを放つために。
「何あの霧……」
 よだれは催涙ガスの成分と癒着するとその成分を中和させて、分解していく。
 しかし香織もぶちまけた催涙ガスが塗り替えられていく様を見せつけられたままで終わる気はさらさらない。
 少なくとも相手は催涙ガスが「危険な物」だと認識し、それを排除するために「止まって」くれている。
 足止めさえ出来れば、こちらの物である。元々、こういう戦い方が彼女の得意分野なのだ。
 催涙弾が装填されている大砲とオーバーヒートした光線銃を除く全ての砲門がヴァギアスEATへと照準を絞る。
「スポンサー様はどうせ、見た目が派手な一斉射撃とかがお好きでしょう?」
 その言葉と同時に、大量の銃火器が火を吹く。実弾は撒き散らされた霧の前に崩れ落ちたが、光線は間抜けに開き放しになった鱗の無い柔らかそうな口内に降り注いだ。
「さあさあ、図体がでかいだけになっちゃったクエーサービーストさんはさっさと落ちなさい!」
 口の中に走ったであろう激痛のせいか、ヴァギアスEATが口を閉める。そこへすかさず第二打が撃ち込まれる。
「弾切れが先か向こうが倒れるのが先か勝負よ」
 再び撒かれた催涙ガスに耐え切れず、再び口を開けたタイミングで香織は弾幕の展開を再開した。

成功 🔵​🔵​🔴​

禍神塚・鏡吾
技能:推力移動、おびき寄せ、落ち着き、トンネル堀り、部位破壊

今更言うのもなんですが、もう少し美しい設計にできなかったものでしょうか?
とはいえ物資が足りないのはしょうがないので、頑丈さを生かす事を考えましょう

ロボットの推力を全開にして、正面から突撃します
ヴァキアスは中々食事にありつけず暴食の感情が高ぶっている事でしょう。
サイズは相当の物になる筈
そこで、噛みつかれる直前にUCでロボットを盾に変え、慣性で奴の口に飛び込みます

内部でUCを解き、内側から攻撃します
消化される前に、火力を胃袋の一点に集中してトンネルを掘るように腹を破壊して脱出しましょう

おっと、これはまたエネルギー不足になる流れでしょうか?



「今更言うのもなんですが、もう少し美しい設計にできなかったものでしょうか? …… とはいえ物資が足りないのはしょうがないのですが」
 マインドミナBVAとの戦闘を護衛艦から見届けていた鏡吾の率直すぎる感想に、他の船員達から失笑が漏れる。
 そんな中でやっぱりやって来た招かれざる客、ヴァギアスEATを前に鏡吾は護衛艦から惑星ロボへと乗り移った。
 先程から実弾は分解され、中々食事にありつけていないヴァギアスEATの中で暴食の感情は高ぶっているだろう。それを裏付けるようにただでさえ大きかった体は最初に観測されているよりもさらに大きくなっていた。
「頑丈さを生かす事を考えましょう……皆様は後ろに下がっていてください」
 連結が外れると同時に護衛艦が全速力で後退していくのに対して、惑星ロボは鏡吾からの操作を受けてヴァギアスEAT目掛けて最大出力で突進していく。
 同乗者から悲鳴があがる中、ヴァギアスEATも大口を開けて向かい打ってきた。ずっとチマチマチマチマ遠くから豆鉄砲を撃ってきた敵の心変わりは、きっと好機に映っているだろう。
 しかしその行動こそ、鏡吾が求めていた物だった。
『受け止めること盾のごとく、見通すこと鏡のごとし』
 突如として鏡吾の姿が消え、同じ場所に鏡のように磨き抜かれた丸い盾が落ちて倒れる。すると惑星ロボの推進器も止まり、一切の空白も無く同じような丸盾になってしまった。
 元惑星ロボだった丸盾は推進器による惰性でヴァギアスEATの口の中に吸い込まれていく。
 筋肉によって送られた丸盾に消化液を纏った胃壁がまとわりつく中、鏡吾と惑星ロボは元の姿に戻る。
 そして、遅ればせながらの出番となった大量の近接武器が胃袋に穴を開けるべく動き出した。
 溶けつつある惑星ロボの外装からSOSが鳴り響く中、しばらくすると様々な刃物で飛び散る物が肉から火花へと変わり出す。
「おっと、これはまたエネルギー不足になる流れでしょうか?」
 必死に動く機構によって遠距離攻撃時と比べてエネルギーの消費量が何倍にも膨れ上がっている中、鱗が貫かれて宇宙空間への新たな道が開ける。
 惑星ロボはそこを起点に刃を何十本も沿わせて穴を広げると、そのまま一気に飛び出していった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

家綿・衣更着(サポート)
「正義、衣更着、大騒ぎっす!」
口調は三下っぽい感じ(おいら、~さん、~っす、~っすよ、~っすね、~っすか?)

打綿狸という妖怪で忍者っぽく行動っす。
人と妖怪に友好的で助ける・守る行動を好むっす。
【化術】【おどろかす】【第六感】を好んで使うっす。

ユベコは基本トリプルどろんチェンジ、戦闘力が必要なときは綿ストール・本気モード。守る対象がいる時はあやかしメダル「打綿狸の衣更着」を使用っす。
戦闘時は走ってかく乱しつつ妖怪煙を煙幕に、遠距離時は忍者手裏剣【貫通攻撃】。近接時は綿ストールで【だまし討ち】、多少の怪我は厭わず積極的に行動っす。
「成敗!っす」

エロは勘弁を。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!



 腹部に巨大な穴が開き、動きは鈍くなりつつもヴァギアスEATはしぶとく口を開け、飛び出した時の惰性のみで動く惑星ロボに顔面を向けていた。
 そんな中、緊急時の搬送口がテンポ良く殴られる音が聞こえてくる。明らかに敵の物ではないそれに応じて開くと、家綿・衣更着(綿狸忍者・f28451)が転がり込んできた。
「お、お待たせしましたっす! 救難信号を受けて飛んで来たっすよ!」
 偶然出迎えに来た、面識のある仲間から現状を聞きながら、衣更着はマインドのある部屋へと向かう。
「なるほどなるほど。で、前回みたいに時間稼ぎは……無理そうっすね」
 入ってきた部屋内に広がる死屍累々の姿に、衣更着は乾いた笑いを浮かべる。しかしヴァギアスEATの方も前回と違い、かなり削られている。何より、この場には1体しかいない。
「でもここまでお膳立てされて何も出来なかったら、打綿狸の名が廃る、っすね!」
 そう言って気合を入れ直した衣更着が床に手をつけ、念を送る。
『流星の化身「天狗」の力を借りて』
 愛機とは違くても、きっとヴァギアスEATの硬い鱗を破れた惑星ロボの近距離武器ならばきっと応えてくれるはずだと信じて、立ち上がる。
『流星のごときランスチャージっす!』
 鱗を削っても刃こぼれしていない巨大な刃を槍に見立て、大きく振りかぶった惑星ロボは突き出すと同時にスラスターを最大出力にして突撃をかける。
 それを見たヴァキアスEATも逃げようともせずに全身を細かく揺らしつつ、大きな口を開けて食らいつきにかかった。
 自身のかけた結界が凄まじい勢いで削がれ、その奥にある惑星ロボ本体もまるでヤスリにかけられたかのように削れていく。
 それでも衣更着は歯を噛み締めながら、迫るヴァキアスEATの口内に向かって右腕を突き出した。
 斜め下から放たれた刃がヴァキアスEATの口を貫き、後頭部から飛び出す。その瞬間、刃が折れて宇宙空間に浮かんだ。
 しかしヴァキアスEATの振動が続いていても、惑星ロボの装甲へのダメージ報告が止む。
 息を止めて惑星ロボの作業用アームを勢い良く抜かせると、ヴァキアスEATはその勢いにつられて惑星ロボの下へ漂い落ちていく。
 生命信号が消えたことを視認した衣更着はその場に尻餅をついて、安堵の息を吐いた。

成功 🔵​🔵​🔴​



最終結果:成功

完成日:2020年10月31日


挿絵イラスト