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月光満ちたるマヨイガにて

#カクリヨファンタズム

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#カクリヨファンタズム


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●月光を喰らうために
 地球と骸の海の狭間に在るカクリヨファンタズム。
 どことなく懐かしい日本家屋を寄せ集めたような迷宮を月の光がやわらかく照らす。
 だんだんとその光は強くなり、迷宮を中心に周辺地域へと広がってゆく。
 迷宮――マヨイガの中からおかしな声が次々に響く。
 それは例えば聞いた事もないようなマナー、例えばあやかしメダルの味の識別法、例えば妖怪煙がどこから生ずるのか。大してとりとめもない疑問やルールを大真面目に、或いは馬鹿馬鹿しい調子でバラバラに主張する。
 月光が導くのは奇妙な狂気。その光をカクリヨファンタズムに大量発生させた元凶は、マヨイガのどこかでただ一匹面白おかしく眺めつつ、その身に狂気の光を浴びるのであった。

「予知を得た。カクリヨファンタズムの事件となる」
 重々しい声で水鏡・多摘(今は何もなく・f28349)が集まった猟兵達に告げる。
「知っての通り、カクリヨファンタズムはいつも滅びの危機に晒されておる。今回の事件は一体のオブリビオンにより月光が溢れだし、それに覆われた幽世は狂気の世界となってしまっている上、無数の骸魂が妖怪達をオブリビオンに変えてしまっている。一刻も早く元凶を退治して欲しいのだ」
 そして龍神は彼の得た予知について語り始める。
「異変の中心となっている場所はマヨイガ――複雑に合体し、立体的な構造の広大な迷宮と化した日本家屋だ。黒幕の位置は迷宮の中心付近と見えたのだが、そこまでの道筋までは複雑で予知しきれなかった。しかしこのマヨイガには様々な妖怪が棲みついている。彼らならば中心への道筋も知っているだろう」
 だが、と多摘は言葉を切る。
「しかし、マヨイガ内の妖怪達は月光に覆われて狂気に陥ってしまっている。狂気の内容については個体差があるが……基本的に強い月光に覆われているほど話が通じないようだ。故に包んでいる月光が薄い妖怪を探し、言葉巧みにルートを聞き出すか、案内させるのが黒幕への近道となるだろう。因みに猟兵達には作用せず、光も視界を塞ぐほどでもないようだ」
 そしてある程度中心に近づいたら、骸魂に憑りつかれオブリビオンと化した妖怪達が襲い掛かってくるだろう、と龍神は言う。
「戦闘は基本的にマヨイガ内、多くの日本家屋が合体して立体的な構造となっている為上手く利用できれば有利に戦うことも出来るだろう。そしてここのオブリビオンに変えられた妖怪達は、倒せば救出できる。だから妖怪を殺してしまう事を恐れる必要はない」
 どうか、頼んだ。そう締め括ると、龍神はグリモアを輝かせ、猟兵達をマヨイガへと転送したのであった。


寅杜柳
 オープニングをお読み頂き有難うございます。
 カクリヨファンタズム、世界の危機が選り取り見取りですがまずなんとかしましょう。

 第一章は迷宮化した広大な日本家屋で、月光に覆われ狂気にやられている妖怪達からの情報収集となります。
 狂気度合いは様々で、会話がほぼ成立しなかったり強めに酔っぱらった程度だったりと個体によって異なりますが、物騒な方には転がっていないようです。
 また、強い月光に覆われているほど狂気の度合いは強くなる傾向があるようです。
 第二章は要塞化した部屋が連なった場所に陣取る『ごいのひさま』との集団戦となります。
 第三章は黒幕オブリビオンとの戦いになります。

 二章以降は冒頭に状況説明を追加致しますのでそちらをご確認下さい。
 また、戦闘では事前に収集した情報や要塞の構造を利用できれば有利に進められるかもしれません。
 それでは、皆様のご参加をお待ちしております。
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第1章 冒険 『マヨイガの住人達』

POW   :    因縁をつけてきたあらくれ妖怪を叩きのめして話を聞く

SPD   :    スリや盗みを働く妖怪を捕まえて話を聞く

WIZ   :    怪しい商売をしている妖怪と取引をする

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🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

神楽火・銀月
ここはいい月が見えるね。
とは言え、この光が狂気をもたらし世界を滅ぼすというのなら、その美しさは罪でしかない。

〈指定UC〉
さて、ここはエルザタリアに手を貸してもらおう。
エルザの化身は(見た目だけは)可憐な少女だから、下心のある妖怪が寄ってくるはずだ。
そいつを捕まえて奥地まで案内させよう。

〈殺気+恐怖を与える〉
刀を突きつけ、あえて感情をこめない声で脅しをかける。
「君の選べる道は二つだ。僕らをこの邸の奥まで案内して生き延びるか、ここで死ぬか。つけ加えておくと、一応急いでいる身でね。さっさと決めないなら案内してくれる他の誰かを探すつもりだ」
言い終わったらゆっくり数を数えて、待つつもりがないと示す。



 骸魂飛び交う日本家屋、そして狂気に憑かれ各々の主張を好き勝手に宣う妖怪達。
 まさに世界の終わりが迫っているかのようなそのマヨイガをやわらかな満月の光が満たしている。
 その月光こそが狂気の源泉であるのだけれども、ダンピールである神楽火・銀月(翼なき渡り鴉・f01924)はそんな光を浴びながら天井の窓から見える月を見上げていた。
 とてもいい月だと思う。とは言えその輝きが狂気を齎し世界を滅ぼすのであれば、その美しさは罪でしかない。
 その罪を雪ぐ事が猟兵たる彼の役割だ。
 しかし、軽くマヨイガ内の様子を見るだけでも妖怪達は好き勝手な様子で、話を聞くにも少々難しそうだ。
 もしも正気ならば猟兵に興味津々に寄ってきて協力してくれるだろうから話は早かったのだろうが。
「約束の時は来た。……来い、エルザタリア」
 蒼い髪の少女が姿を現す。その姿は月光を受けて神秘的な雰囲気を漂わせていて、普段であるなら下心を抱いた妖怪が寄ってくると銀月が思う程に可憐。
 ――その見た目に反し、仮に妖怪に襲い掛かられたとしてもどうこうされるような易い性質ではないのだけれども。
 そして二人はマヨイガの木の床をゆっくりと進み始める。

 そして少し離れた場所にて。
 マヨイガを彷徨う可憐な少女の姿を見咎め、枕を抱えた妖怪が声をかけようと近づく。
 そしてその肩に手を触れようとした瞬間、首筋に突き付けられる冷たい刃の感覚。
「君の選べる道は二つだ。僕らをこの邸の奥まで案内して生き延びるか、ここで死ぬか」
 少女の反対、妖怪の真後ろに回り込んでいた銀月は感情をこめない突き付ける刀と同じくらいに冷たい声で囁く。
「つけ加えておくと、一応急いでいる身でね。さっさと決めないなら――」
『ごめんなさいごめんなさい! 教えるから脅さないで!』
 言いかけた銀月を遮るように妖怪が取り乱し叫ぶ。狂気がどのようなものかはばらばらだと聞いていたが、どうやらこの妖怪の場合感情の制御が全くできなくなっているようだ。
 こんな状態ならさらに脅さずとも情報を聞き出す事はできるだろう。
 とりあえず、過剰に怯える妖怪を宥める事が先決だ。
 少しして、情報を粘り強く聞き出した銀月はマヨイガの中心へと向かうのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

神楽火・皇士朗
「狂気の月……ね」
話以上に厄介な世界みたいだな、ここは。
まあいい。やり過ぎないようにひと暴れするか。

<先制攻撃、制圧射撃、2回攻撃>
まどろっこしいのは性に合わねえな。まずは狂暴そうな奴を探して、左腕の重力衝撃波砲と格闘で叩きのめす。
そいつの頭が冷えて話してくれればそれでよし、そうじゃないなら「強い奴もおれには敵わない」っていうのを見せつけて目撃者に脅しをかける。
「痛い目に会いたくないなら案内してくれよ。なに、用事があるのは骸魂って奴だけさ。これ以上は何もしねえ。……大人しく教えてくれるなら、だけどな」



 骸魂飛び交い妖怪達が各々の狂気に支配される迷宮を、一人のサイボーグが観察していた。
「狂気の月……ね」
 彼、神楽火・皇士朗(アームズ・オブ・スティール・f03876)はこの狂乱の中でも冷静さを崩さない。
 オブリビオンにより容易くカタストロフ染みた状況が齎される世界、話に聞いていた以上に厄介な場所だ。
 そんな事を考える彼は、複雑に合体した廊下の一つの向こう側へと顔を向ける。その方角から響く騒がしい、暴力的な音を彼の聴覚は捉えたのだ。
(「まあいい。やり過ぎないようにひと暴れするか」)
 左腕に内蔵された装置を起動しつつ、彼はその騒音の方へと駆け出した。

 古い廊下の続くマヨイガの一角、鎌鼬や牛鬼たちが一体の車輪と人の首を合体させたような妖怪の輪入道と真っ向から衝突しせめぎ立っていた。
『走りて―! 風になりて―!』
『待て待て! ここで全力疾走はやめてくれ!』
 輪入道が車輪をぎゅるぎゅる回し叫び、それを喰いとめようとする妖怪達。
 仄かに月光に包まれた輪入道は、どうやら走りたいという感情が異常に増幅された状態になっているようだ。和風家屋のマヨイガを車輪で走るのはどう考えても迷惑行為、それ以前に古びた廊下が耐えきれるかも微妙だ。
『走るより腰を落ち着けて――』
 そんな風に説得しようとしているが聞く耳もたない輪入道は人間の顔を真っ赤にして突っ走ろうとする。
 しかし、そんな輪入道に飛び掛かる猟兵が一人。その右腕で輪入道を横から殴り飛ばし、倒れた所に左腕の重力衝撃波砲を加減しながら叩き込む。
 横倒しになった上に重力衝撃波砲を受けた状態では起き上がることも出来ず、車輪は空を切るばかり。
 まどろっこしいのは性に合わない、だからまずは力で抑え込む。それが今回の皇士朗のスタンスだ。
 場合によっては反感を買うかもしれないが、今回は速やかに事件を解決する事が先決。
「痛い目に会いたくないなら案内してくれよ。なに、用事があるのは骸魂って奴だけさ。これ以上は何もしねえ」
 大人しく教えてくれるなら、だけどな。そう脅しをかける皇士朗だったが、牛鬼や鎌鼬は寧ろ大喜びな様子。
 どうやら話の通じない輪入道を止めてくれた事に感謝しているようで、案内もしてくれるとトントン拍子に話が進んだ。
 輪入道の方は牛鬼が押さえ込み、鎌鼬が案内してくれるとのこと。
『ところで輪入道の車輪の火って何が燃料なのかな? 直接聞こうとしたのにああだったでしょ? 猟兵さんはどう思います?』
 案内中もべらべら話しかけてくる鎌鼬、彼もよくよく見れば薄らと月光の輝きを纏っていた。
 案内はしてくれているので適当に相槌を打ちつつ、皇士朗はマヨイガの中心へと向かうのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ニコ・ベルクシュタイン(サポート)
●概要
重厚な作りの懐中時計が本体のヤドリガミ
その出自のためか肉体は精悍な青年の姿をしており
性格は真面目で几帳面、そして時間に厳しいです
口調は古めかしく堅苦しい、漢字が多くかっちりしています
(ら抜き言葉や崩した言葉はほぼ使わない感じです)

●行動
日常:提示された条件の中から似合いそうな行動をお任せ
冒険:WIZ行動で判定希望、内容はお任せ
戦闘:選択したUCで攻撃、武器は装備品の中からお任せ

●補足
「約束の刻限迄には帰らねばならぬ、疾く終わらせるぞ」
本体である懐中時計で時間を確かめるのが癖です
「困っている人を捨て置けない」ことと
「防御をあまり考えない前のめりな攻撃方法」が特徴です

よろしくお願いします!


春田・木蓮
なーんか嫌〜な雰囲気だね……
手荒な真似はしたくないから出来るだけ穏便に済むようにしよう!

月光が強いと狂気も強くなるらしいから、なるべく暗い所で妖怪達を探してみようかな
暗がりで商売人を見つけられたら、何か情報を聞き出せるよう交渉してみよう
お兄さんの持ってる情報と春田の持ち物交換でどう?
金目の物は持ってないけど、お酒とかどうだい?
おっいい飲みっぷりだね!
お兄さんどこ住み?あっここか!ねーここ詳しい?春田ちょっと困ってんだよね
うんうん、何言ってるかわかんない部分もあるけど大体はわかるよ

何人かに聞いて回れば一致する情報もあるだろうし、この調子でいってみよー

アドリブ、連携歓迎
一人称:春田



 けたけた笑う声とさめざめと泣く声、怒声にやたらと早口な声が響く廊下を歩いていくのは春田・木蓮(東方妖怪のどろんバケラー・f28137)、そしてニコ・ベルクシュタイン(時計卿・f00324)の二人だ。
「ここは少し騒がしいな。時間の感覚も不明瞭になる」
 彼の本体たる懐中時計をこまめに確認するニコ、カタストロフのような現象が起こっているこの場ではあまり時間をかけると大変な事になるだろう。
「なーんか嫌〜な雰囲気だね……」
 そんな彼に木蓮が返す。とても長い時を生きてきた東方妖怪の彼をしてもこの場の気配はとても奇妙で不自然、太陽の眩しさとは異なる柔らかな月光も厭に感じてしまう。
 このマヨイガの妖怪たちはただ狂気にやられただけの普通の住民だ。だから彼としては手荒な真似もしたくない。
 そして二人は暗がり――月光に満ちた屋敷の中で光の影響の弱い場所を探し、やがて土蔵めいた湿っぽい空気の部屋へと行きつく。
「ここは……雑貨店か、その倉庫か」
 レトロな物品がきちんと整理され、値札を貼られ積み上げられたその部屋の様子を見てニコはそう思案する。
 ただ部屋のやや淀んだ臭いと実際に売り物にするには少々詰め込み過ぎのきらいがある為、倉庫として使われているのかもしれない。
 その部屋の中心、仄かに白く光る大蛇がこんもりととぐろを巻き盃に満たされた液体をちびりちびりと飲んでいる様子。
 当然ながら穏便に事を済ませたい木蓮は、その妖怪にそうっと語りかける。けれど大蛇の妖怪は反応せず、ついには盃の縁を咥え大きく煽る。
『――飲みたい!』
 盃を降ろし大蛇は強くそう口にする。大蛇に盃と来れば酒、けれどこの倉庫には酒の香りは全くない。あるのは空にされた売り物と思しき只の水瓶くらいのもの。
『何でもいいから飲み物はどこだ! 誰でもいいから持ってきてくれ!』
 床をばしばしと太い尾で叩く様子はまるで悪酔いしたよう、そんな態度の大蛇に木蓮は一つ思いついた事を囁きかける。
「君、君、金目のものはないけれどお酒はどうだい? ここにイイのがあるんだけど」
 そう言って取り出したのは予め準備していた酒瓶一本、なみなみと盃に注げば目の色変えた大蛇はぐぐっと一息に飲み干しぷはっと息を吐く。
「おっいい飲みっぷりだね! そんなお兄さんはどこ住み? あっここか!」
『そりゃウワバミだから当然さ! ここに住みはじめてから長いぞー』
「ああ、ここ住みで詳しそうなお兄さん。春田ちょっと困ってるんだよね、このマヨイガの中心に行きたいんだけど道を教えてくれないかな?」
 さっきのお酒のお代代わりでね、と木蓮は言う。
「ああ道か、中心……入り組んでいるから迷うだろうな。その近くには売り物の酒蔵もあって……ああもっと飲みたい」
 会話は微妙に噛み合っていないが、大体は話が分かる時点でかなりましな方。ここまでで数体の妖怪に話を聞こうとしたのだがそもそも内容が全く分からない位に噛みあわず諦めていたのだ。
「この場にいる様子からして、お前は商人なのだろう。なら得た物には対価を支払う事の大切さは身に刻み込んでいるのではないか」
 酒の方へと思考が逸れかけたウワバミに、冷静なトーンでニコが軌道修正をかける。
『当然だろう! ここにきて数百年、信用第一だからな!』
 そう堂々と妖怪は返す。これならば大丈夫だろう。
「ええとそれで中心へはどう行くんだい、よければ一緒に行かないかな」
 更に木蓮が付け加えれば、ウワバミはじっと彼の手の酒瓶を見ている。その意図を察し、木蓮が盃にもう一度注げばぐっと一息に飲み干しし応、と返し、頭の上に盃を乗せて巻かれた体を解き始める。
「欲望のブレーキが凄く弱まって思考がそっちに逸れやすいって感じだねー……中心まで酒足りるかな」
「その時はその時だ。……もしかすると只の水でも大丈夫かもしれない」
 少し不安げな木蓮に、最初に転がっていた水瓶の様子を思い返しニコはそう返す。
 そんな風に二人が小声で言葉を交わす間にウワバミの準備も出来たようで部屋の外へとにょろにょろとその巨体をくねらせ進んでいく。
「ともかく、時間も然程ない。急ごうか」
「さあさ中心にいってみよー」
 懐中時計を確認し懐に収めたニコ、そして気楽な調子の春田はウワバミの先導の元、和風の廊下を進み始めた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​




第2章 集団戦 『ごいのひさま』

POW   :    ゆらゆらひのたま
自身が装備する【青と橙の鬼火】をレベル×1個複製し、念力で全てばらばらに操作する。
SPD   :    ごいごいふれいむ
レベル×1個の【青と橙】の炎を放つ。全て個別に操作でき、複数合体で強化でき、延焼分も含めて任意に消せる。
WIZ   :    ついてくる
攻撃が命中した対象に【青か橙の炎】を付与し、レベルm半径内に対象がいる間、【次々と発生する「青と橙の鬼火」】による追加攻撃を与え続ける。
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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●ごいのひさま、飛び交う
 ある者は妖怪を脅し、ある者はお喋りな妖怪に連れられ、またある者は妖怪を宥めすかし。
 猟兵達が目指すは迷宮の中心、迷宮内を飛び交う骸魂の数も増してきたように感じてきた頃、天井と床に大きな穴の開いた行き止まりに辿り着く。
 他に道はなく、見下ろせば淡い月光に照らされる深い穴。逆に頭上を見上げれば月が見降ろす吹き抜けの空間、その側面には所々に横に伸びる廊下の入口が見えている。
 その一番上の入口が中枢への唯一の通路で、ここを登りさえすればもう後は一本道なのだと妖怪達は云う。
 構造を見遣れば梯子や梁の突き出した取っ掛かり、祭礼に使われるような太い縄など、狭いながらも登る手段は豊富にあるようだ。
 しかし、その吹き抜けに突如ぼんやりとした炎がいくつも現れる。それはやわらかな月光の中においても尚目立つ青と橙の炎、鬼火。
『何かとっても楽しい気分! 羽の調子もバッチリだ!』
『もっともーっと驚かしちゃおう!』
 炎に照らされる丸々とした青鷺火の群は骸魂に憑かれたのか、明らかに浮かれた様子でぱたぱた羽ばたき狭い廊下を飛び回っている。
 中枢に向かうには狭い足場を利用しながらこの骸魂に憑かれた青鷺火達を蹴散らして骸魂を剥がし、そして最上部の通路に飛び込む必要があるようだ。
神楽火・銀月
<範囲攻撃、騎乗、衝撃波>

狭くて、その上ゴールは上か。やれやれ、地に足を着けずに戦うのはあまり得手ではないのだけど。
ここは少し楽をしよう。

ユーベルコードの代償は…そうだな。
先月クラスメイトに誘われて映画を見に行った日の記憶にでもしようか。確かに面白い物語ではあったけれど、また見直すのも悪くはない。
さて、代償にした記憶はだいたい四時間くらいか。これだけあれば十分だろう。
「行くぞ、エファ。ここを突破する」

巨大化させたエファレイオスの背に乗って、飛んでもらう。
追ってくる敵は魔汞竜のハルバードとエファのブレスで叩き落とす。
「邪魔をするな。二度死にたくないなら」
敵が放ってくる鬼火は衝撃波で打ち払う。


神楽火・皇士朗
<捨て身の一撃、切り込み、ダッシュ、火炎耐性、覚悟>

「なかなか遠いな。だが、月に向かって登るってのは悪くない趣向だ」
ここは一気に駆け抜けるか。多少の被弾は覚悟の上だ。
ジャンプを繰り返し、手がかりを伝って一番上まで最短距離で突き進む。

向かってくる鬼火は戦闘服の耐火性能に任せて突っ切るが、オブリビオンが進路を邪魔するようなら『陽道烈吼撃』で倒して進む。
「加減なんかしてやれねぇぞ! どきな!!」



 行き止まりに辿り着いた銀月、彼が真上を見上げれば、青と橙の炎飛び交う吹き抜けの空間。
 やや視線をずらせば吹き抜けの構造が目に留まる。足場は狭く、それでいてゴールと思われる最上階はここからだとかなりの高所。
「やれやれ、地に足を着けずに戦うのはあまり得手ではないのだけど」
 そうぼやきながら彼はその手に握るランス、エファレイオスを元の竜の姿へと戻す。黒水晶の鱗の彼女が一鳴きし、銀月の周りを飛び回る。
 そんな小型の黒竜に銀月は告げる。
「僕の思い出を君に捧げる。……来い、エファレイオス」
 学生でもある銀月、クラスメイトに誘われ映画を見に行った日の記憶を思い出してそれを力を振るう為の対価とする。
 あの物語は確かに面白かった、だから記憶を失くして真っ新な状態で見直すのも悪くはない。
 数少ない友人との記憶ではあるが――そんな事を考える前に、記憶の片隅から何かが消えていく虚脱感。
 時間にして四時間程度、この空間を突破するならこれだけあれば十分だろう。そう算段しながら巨大化したエファレイオスの黒水晶の鱗の背に銀月は飛び乗る。
「行くぞ、エファ。ここを突破する」
 返ってきた鳴き声は正しく巨大な竜のもの、それと同時に彼の体に強烈な加速による重圧がかかる。
 侵入者に気付いた吹き抜けの空間を飛び回るごいのひさま達が青と橙の炎を分裂させそれを銀月と黒竜へと叩きつける。
 だが巨大化したエファレイオスはそれに真っ向からブレスを吹き付け、炎を消し飛ばす。そのブレスを迂回するようにして飛んできた鬼火は銀月が振るう灰白色のハルバードより放たれた衝撃波で吹き飛ばされ、銀月を傷つけるには至らない。
「邪魔をするな。二度死にたくないなら」
 すれ違い様に冷徹に告げながら、ごいのひさまの丸々とした体をハルバードで下方へと叩き落し銀月は一直線に月へと向かい一直線に加速していった。

 一方、べらべら喋る鎌鼬と別れた皇士朗もその吹き抜けの横穴から真上を見上げていた。
 ずっと空高くで穏やかに輝く月は狂気を齎すとは思えない程に落ち着いて見える。
「なかなか遠いな。だが、月に向かって登るってのは悪くない趣向だ」
 そして皇士朗は軽く屈伸しながら足場、手掛かりになる構造の位置を確認する。
 吹き抜けの中を飛び交うごいのひさま全てをやり過ごすのは難しいだろう。かといってすべてを相手していてはキリがない。
 そんな事を考えていると、真下から真っ黒な何かが飛んでいき、ごいのひさまを蹴散らしながら空へと向かっていく。
 弾き飛ばされた彼らが床に落ちれば骸魂が剥がれ、元の姿を取り戻していく。
 丁度今ならごいのひさま達の数も減っている。ここは多少の被弾を覚悟の上で一気に駆け抜ける――そう決めた皇士朗は跳躍、梯子の一つへと飛びつくとすぐさま腕力で体を真上へと跳ねさせ、梁のような横倒しになった柱へと着地、次々に跳躍を繰り返し月に向かって駆け上がる。
『あー! こんな所にも!』
 先行した銀月の突進の影響を逃れていたごいのひさまが橙と青の炎を分裂させ、皇士朗に叩きつける。
 皇士朗の戦闘服は元々魔力による延焼を防ぐ為のもの、故に耐火性能も優れている。だがユーベルコードによる炎を無防備に何度も受けていては耐え切れなくなってしまうかもしれない。
「イグナイトドライバー、フレイム・アップ!」
 そう言葉にすれば彼の体内の刻印より莫大な魔力が炸裂、その手に炎として顕現する。
「加減なんかしてやれねぇぞ! どきな!!」
 そして進路上に居たごいのひさまに高速の一撃を叩き込み、壁へと殴り飛ばした。
 炎を操る妖怪だったからか、叩きつけられても骸魂が剥がれ目を回したぐらいで済んでいるようだ。
 それをちらりと一瞥さけし、皇士朗は再び黒竜を追うように上層へと向かっていった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

戦刃・ミュート(サポート)
 人間のサイキッカー×ウィザード、22歳の女です。
 普段の口調は「女性的(私、あなた、~さん、ね、よ、なの、なの?)」で寡黙め。独り言のときは饒舌です。
なぜなら人見知りだから

なるべくやばそうな威力の高い攻撃を防御せず覚悟で受けてカウンターで逆転魔術を使います
ワンセットで捨て身の一撃です
近くに危険に晒されてる仲間とか一般的その他がいればかばって攻撃を受けます

…私は誰かを傷つける奴が嫌い。誰かに傷つけられるのが嫌い。誰かを傷つけるのが嫌い。
私や私が好きな人を傷つけた奴だけを私は殺す。
「私の戦いは全て…最低から始まる逆転魔術(リヴァーサル)」



 和風家屋が連なった迷宮を通り抜け、戦刃・ミュート(人間のサイキッカー・f00240)という名の女が吹き抜けへと到着する。
 先に上層へと向かった猟兵達によって多くが蹴散らされたものの、まだまだ多く存在する丸々とした鳥の妖怪達は慌てふためいた様子で飛び回っている。
 これをチャンスと見た彼女は梯子を上り、梁を伝い上層へと向かっていく。
『あー! こっちにも人間さん!』
 ある程度までは気取られずに登れたものの流石に身を隠すための遮蔽物が少なく、ついにごいのひさまに気付かれてしまう。
『さっきはあっさり抜けられたけど今度はそうはいかないよ!』
 そう言いながらごいのひさまは数十の青と橙の鬼火を複製、それらをミュートに一斉に殺到させる。
 足場の悪い状況もあってか、鬼火のの殆どが命中してしまう――というより、彼女は全く回避動作をとろうとしなかった。
 鬼火に焼かれる彼女にごいのひさま達もそこまでやるつもりはなかった、とでも言うかのようにおろおろとしている。
 けれど、攻撃を受けた事自体がミュートの狙い通り。苦痛は覚悟の上、その先を狙うのが彼女の得手とする戦法なのだから。
「私の戦いは全て……最低から始まる『逆転魔術(リヴァーサル)』」
 鬼火に身を焼かれながら、ユーベルコードを起動する。
 代償は自身の体で攻撃を受け大きなダメージを受ける事、効果は自身の体のダメージに応じた強化、そして魔力により自動操作する事だ。
 ぐらりと梁から落ちそうになりそうになった状態から強引に立て直し真上へと飛び上がる。
 先程までとは別人のような速度で駆けあがる彼女、途中で柱の近くに放置されていたバールのようなものを拾い上げると、浮足立った様子の鳥達を次々に殴り飛ばし、骸魂を剥がしていく。
(「この妖怪達も無理やり誰かを傷つけさせられている」)
 誰かを傷つける事も、傷つけられることも、そして傷つける者を嫌うミュート。本来であるなら何かを傷つけるような存在ではないこの妖怪達をその様にしている骸魂に対しては、いい感情を抱いていない。
 そして彼女は上方を見上げる。目的地まであと少し、突破するまでどれだけ倒して剥がせるか、そんな事を考えながら魔力による自動操作に任せつつ、ミュートは狂気の月の輝きを受けながら階を上がっていった。

成功 🔵​🔵​🔴​

春田・木蓮
わー。小鳥くん達、なんだかとっても楽しそう。
春田も驚かすのだーいすき!
でも今は遊んでる場合じゃないから、先に行くね。また今度遊ぼうね。

ヘビのお兄さんに案内してもらってここまで来たわけだし、案外動物憑きみたいなのが多いのかな。
なら、春田は自分の使い魔の猫くんに進みやすそうな道を探してもらって案内してもらおう。
縄とか梁をつたってどんどん行こうと思うけど、小鳥くん達の炎も避けるよう気を付けながら行かなくちゃね。
危なくなったら【トリプルどろんチェンジ】で〈一反木綿〉に変化!
この姿なら登ってくのも容易いよね。
くるくる回って小鳥くん達を撹乱させれば相討ちしてくれないかな?
アドリブ、連携歓迎
一人称:春田



『うわーん! 皆どんどん叩き落されていく!』
『一人くらいは驚かさないと僕達の立場が無ーい!』
 先行した猟兵達に蹴散らされ嘆くごいのひさま達、そんな様子を横穴からひょっこり顔を出し、木蓮は眺めていた。
(「わー。小鳥くん達、なんだかとっても楽しそう」)
 見た目がふくふくとして可愛らしいのと言葉遣いが微妙に幼いからか、どうにもユーモラスに思えてしまう。
 加えて木蓮は驚かすことが大好きで、その親近感もある。時間があるならば足を止めて一緒に遊ぶのも悪くはないのかもしれない。
 けれど今はカタストロフ迫る緊急時、足を止めている間に世界が終わってしまってはまずい。
 ここまでの道中彼を案内してくれたのは大蛇のお兄さん、そして飛び交うごいのひさまを見るにこのマヨイガには案外動物憑き、動物由来の妖怪が多いのかもしれない。
 よく構造を見れば動物でも登れるように梯子やスロープのように倒された柱等が組み合わされている。
 だから木蓮は猫の使い魔くんを呼び出して道を探して貰う。とても忙しい時に手伝ってくれる猫の使い魔はとても有能、すぐに主を進みやすい道に案内していく。
 縄を上り梁を伝い時には降りたりもしながら進むその道は、空飛ぶごいのひさまからは丸見えで。
『あそこにも侵入者! 燃えちゃえ!』
 甲高い声で鳴きながらごいのひさまは二色の炎を操り木蓮と使い魔を狙う。しかし有能な使い魔の案内する道は移動の容易なルートで遮蔽物もそれなりにある。少々ひやっとするけれども避けられない、防げない程ではない。
 中々当たらない攻撃にごいのひさまはかんかんになり、炎を一つに纏め上げ青と橙入り混じった巨大な炎の塊として木蓮に放たんとする。
 これは流石に回避は難しい。そう判断し、木蓮はユーベルコードを起動し煙と共に姿を変える。
 変身した彼の姿は一反木綿、空を飛ぶにはうってつけの姿。使い魔の猫を背に乗せて、炎が届く前にひらりと空へと舞い上がる。その余波で起こった風を受けながら一直線に最上層へと向かう。
 慌ててごいのひさまは残った仲間を集めて一反木綿に一斉に炎を放つが、くるくる回るように飛行する彼を捉えることはできない。
『熱! どこ狙ってるんだよ!』
 それどころか流れ弾の炎で同士討ちをしてしまう始末。月の輝きはその怒りをますます煽り、ついには空中でばさばさ喧嘩を始めてしまった。
 そしてその間に木蓮は最上層へと辿り着き、変身を解いていた。
「今は遊んでる場合じゃないから、先に行くね」
 また今度遊ぼうね、そう言い残し、手を振り最上層の横穴の奥へと進んでいった。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『金秘華猫』

POW   :    にゃーんにゃん♪
攻撃が命中した対象に【徐々に体が猫化する呪詛】を付与し、レベルm半径内に対象がいる間、【金秘華猫に好意を寄せてしまう呪詛】による追加攻撃を与え続ける。
SPD   :    月を食らう猫
戦闘中に食べた【月の光】の量と質に応じて【更に妖艶な姿になり、一時的に無敵になって】、戦闘力が増加する。戦闘終了後解除される。
WIZ   :    化け猫の悪戯
【面をかぶることで、周囲の猟兵や妖怪の姿】に変身し、武器「【不意打ちの爪や牙】」の威力増強と、【バレた時は猫の逃げ足】によるレベル×5km/hの飛翔能力を得る。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はナミル・タグイールです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●月下の金猫
 そして猟兵達が横穴を通り走り続け、辿り着いたのは空のよく見えるマヨイガの頂上。
 平たく広い展望台のような作りのその場所は、このマヨイガで月にもっとも近い場所。
 月の光はまぶしい位にマヨイガ全体を覆っていて、至る所で騒がしい声が響いている。
 そんな様子を見てにゃーにゃー笑う、金色の猫の妖怪が一匹いた。
 キセルを持ち、お多福の面を頭にかけ服を微妙に着崩した姿はいかにも悪戯を好むよう。
 ――月の精、月光を浴びて化け猫となった妖猫。
 彼女がマヨイガを月光で満たし、カタストロフのような状況を齎した元凶だ。
『にゃーん? もうきちゃったのかにゃー』
 どこか気だるげに聞こえる声だが、その姿に隙はない。
『もっと光を浴びて力を高めておきたかったんだけどにゃー……今ここで返り討ちにしちゃえばもっと浴びれるにゃ!』
 緩んだ雰囲気がその言葉と共に刺すような殺意に引き締まる。
 金秘華猫を倒し、骸魂を剥がせばこの月の光の異変も収まるだろう。
 猟兵達は各々戦闘態勢を取り、そして決戦が始まった。
陽環・柳火(サポート)
 東方妖怪のグールドライバー×戦巫女、21歳の女です。
 普段の口調は「チンピラ(俺、てめぇ、ぜ、だぜ、じゃん、じゃねぇの? )」

悪い奴らはぶっ潰す。そんな感じにシンプルに考えています。
戦闘では炎系の属性攻撃を交えた武器や護符による攻撃が多い。
冒険等では割と力業を好みますが、護符衣装を分解して作った護符などを操作したりなどの小技も使えます。

 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!


火土金水・明
「この方が今回の事件の元凶ですか、こちらも全力で迎え撃ちましょう。」「もちろん、取り込まれた方も助け出します。」
【POW】で攻撃です。
攻撃は、【先制攻撃】で【継続ダメージ】と【鎧無視攻撃】と【貫通攻撃】を付け【フェイント】を絡めた【銀色の疾風】で、『金秘華猫』を【2回攻撃】します。相手の攻撃に関しては【見切り】【残像】【オーラ防御】【呪詛耐性】で、ダメージの軽減を試みます。
「(攻撃を回避したら)残念、それは残像です。」「少しでも骸魂にダメージを与えて次の方に。」
アドリブや他の方との絡み等はお任せします。



「この方が今回の事件の元凶ですか、こちらも全力で迎え撃ちましょう」
 屋上へ向かう際に合流した猟兵の一人、黒一色の火土金水・明(夜闇のウィザード・f01561)は金秘華猫へと銀に輝く剣を向ける。
 このマヨイガには月の狂気に汚染された妖怪達が数多く居て、欲望のブレーキが失われたような状態だった。
 その元凶であるこの金秘華猫も言動から推測するにそれに似たような状態になっているのだろう。
 世界に破滅を齎す存在にされてしまったこの妖怪、骸魂を引き剥がしさえすれば異変は収束する。
「もちろん、取り込まれた方も助け出します」
『やらせはしないにゃ!』
 そう言って最初の標的を明に見定めた金秘華猫は猫の手指の爪を伸ばし、明に飛び込もうとする。
 しかし初動は明の方が早い。動き出す前に一気に踏み込んだ明が銀の剣を真っすぐに妖猫に突き込もうとする。慌ててそれを防ごうと腕を薙いで振り払うとするが、手応えはなくたたらを踏んでしまう。
「残念、それは残像です」
 その腕の届かないギリギリの位置で急停止していたウィザードの女の残像、空振りさせて隙を見せた金秘華猫にその銀の剣に魔力を籠め一閃。
 刃による外傷はない。
『ぎにゃー! 痛いにゃー!』
 しかし金秘華猫は思い切り苦痛に顔を歪め叫ぶ。その銀の剣は骸魂のみにダメージを与えるユーベルコード、妖怪を助け出す為の一撃だった。
 反撃する金秘華猫だったがその前に明は距離を取っている。呪詛をかけ延々と心を縛り続けるユーベルコードも最初の一撃が当たらねば意味はない。
 当たっていたとしてもそれらに対する抵抗力のある彼女はそれなりに耐えられたのだろうけれども。
 そして入れ替わりに、屋上への入り口から飛び出してきた陽環・柳火(突撃爆砕火の玉キャット・f28629)が薙刀に炎を纏わせ斬りかかる。
 このマヨイガの中の多くの妖怪達、彼らを狂気に冒す原因を作ったこのオブリビオンは間違いなく悪い奴、だからぶっ飛ばす。
 シンプルな思考の彼女は一度動き出せばとても早い。
『新手かにゃ!』
 痛む体を無理矢理動かしながら金秘華猫はその腕で薙刀を防ぐ。月の魔力に満たされた月光を纏う腕は、炎に燃やされる事無くギリギリと押し合い――そして弾く。
 月の精を受けているだけ強化されている金秘華猫、弾き飛ばした一瞬に軽いひっかき傷を柳火に刻む。
 それはユーベルコードの発動条件、徐々に柳火の体が猫化していき、同時に金秘華猫への好意が心の奥に植え付けられ増幅されてしまう。
 このままではまずい、そう思考した柳火は懐より携帯食『にゃんジュール』を取り出しじゅるじゅると摂取する。
 ――呪詛を受けてすぐとはいえ、まだ動けるのは元が猫の性質に近いからなのかもしれないけれど、それは置いておく
「エネルギーチャージといこうじゃねえか!」
 そして屍塊転燃を発動。摂取した屍肉――加工食品でも大丈夫なそれにより全身に漲る魔力は金秘華猫の呪詛を一時的に抑え込む事に成功、呪詛により増幅されていく好意にどうしようもなくなる前に薙刀の全力の一撃を振るう。
 その速度は最初の一撃とはまるで別人、金秘華猫でも防ぎ切れず、その胴に炎の一閃を見舞う。
『熱いにゃー!』
 しかし妖猫が唐突に叫ぶ。最初の交錯の際に柳火は纏う護符装束の一部を解いて炎の力を込めた護符を作り出し周囲にばら撒いていたのだ。
 周囲に展開された護符は火の力を高め、この薙刀での一撃をより強烈なものとしていた。
 さらに炎で金秘華猫周囲の視界が悪くなった瞬間、明が飛び込み銀の剣を二連で振るう。
(「少しでも骸魂にダメージを与えて次の方に」)
 特殊な魔力を籠めた銀の剣の一撃はじわじわと骸魂にダメージを与えていく。悲鳴を上げる金秘華猫のレンジから即座に二人は離脱。
 こうして金秘華猫へのファーストアタックは見事に決まったのであった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

早臣・煉夜(サポート)
どんな方だろうとも、容赦なんてしませんですよ
僕はそのために作られたんですからね

妖刀もしくはクランケヴァッフェを大鎌にかえて
それらを気分で使って攻撃です
妖剣解放を常時使用して突っ込みます
使えそうならアルジャーノンエフェクト
怪我なんて気にしません
この身は痛みには鈍いですから
死ななきゃいいんです
死んだらそれ以上倒せなくなるので困るです

僕は平気なのですが、なんだかはたから見たら危なっかしいみたいですので
もし、誰かが助けてくださるならお礼を言います
ありがとーございますです

勝利を優先しますが、悲しそうな敵は少し寂しいです
今度は、別の形で出会いたいですね

なお、公序良俗に反する行動はしません
アドリブ歓迎です


春田・木蓮
うへえ、すっごい金ぴか……。
春田の趣味ではないなぁ。
さっさと骸魂剥がしちゃおっか。

【骸合体「がしゃ髑髏」】で腹ペコがしゃ髑髏と合体するよ。
ここにくる前にお腹いっぱいにしてきたから、ガンガン戦っちゃう
あっちも月の光を食べてお腹いっぱいみたいだね。じゃあ手加減なしで。
まあ、春田はもともと力を抑えられないタイプなんだけど!

トゲトゲの鬼棍棒で殴っちゃうと痛いかな?なぁんだ、大丈夫そう?
痛くなるまでどんどん殴っちゃうよ。あとで恨まないでね
こんな怪しいことやめて、また人を驚かして暮らしてこうよー。絶対その方が楽しいよ〜
月の光なんて不味そうだしさ
春田が眠る前に終わらせちゃおっか

アドリブ、連携歓迎
一人称:春田



 先に攻めた猟兵が後退し、金秘華猫を包んでいた炎が消える。柔らかな光は屋上を照らし、炎に焦げた毛並を尚金色に輝かせる。
(「うへえ、すっごい金ぴか……春田の趣味ではないなぁ」)
 そんな様子をげんなりしつつ見つめるのは木蓮。少々華美すぎる金秘華猫の姿は、彼には少々合わないようだ。
「こんな怪しいことやめて、また人を驚かして暮らしてこうよー。絶対その方が楽しいよ〜」
 月の光なんて不味そうだしさ、と金秘華猫に木蓮が言葉をかける。
『黙れにゃ! みーんなおかしくなっちゃってる方がおどかしてて楽しいんだにゃ!』
 けれど妖猫はその言葉を強く拒絶しつつ、やわらかな月光を浴びた金の毛並がより輝きを増す。
 傾国の美――おそろしく妖艶な姿となった金秘華猫は全身で光を浴びるようにマヨイガ屋上の戦場を駆け回り猟兵達を切り崩さんとする。
 これまでの住人のように、いやそれ以上に月光を受けているこの猫は話が通じる相手ではない。こういう時にはさっさと骸魂を剥がし元の姿に戻してしまうに限る、そう考える木蓮と彼の近くに居合わせた早臣・煉夜(夜に飛ぶ鳥・f26032)は考える。
 妖猫がまずは狙ったのは煉夜。それを察知した妖刀を構えた煉夜は飛び込んできた金秘華猫の一撃を受け流しつつ、勢いを殺さぬように返した刀を妖猫の体に滑らせる。
 しかし魔力を帯びた金の毛並は妙に抵抗が強い。刃を滑らせたものの傷は浅い、返ってきた手応えに煉夜は一旦距離を取りながらユーベルコードを起動する。
 妖刀の禍々しい怨念が彼の全身に拡がり纏わりつくと、煉夜は金秘華猫に切り込んでいく。
 怨念により強化された彼の速度は金秘華猫以上、代償として寿命が削れてしまうけれどもそんな事は気にならない。
 振るわれる爪、それを掠める程にギリギリの回避でやり過ごしつつその懐に飛び込み、妖刀を振り抜く。同時に発生した衝撃波で大きく弾き飛ばされたその先には、鬼棍棒を構えた木蓮。
「それじゃあ、いただきまーす」
 その言葉は木蓮のユーベルコードを起動する合図、腹ぺこがしゃ髑髏の骸魂を召喚し身に取り込み合体した彼はオブリビオンに非常に近い状態となっている。
 代償となる満腹度についてはここに来るまでに十分満たしている為、加減なしのフルスロットルで戦える。
 しなやかな動きで体勢を立て直し攻撃動作に切り替えた金秘華猫の動きに木蓮は即座に反応、トゲトゲの鬼棍棒を猫の爪の一撃に合わせ、そして真上にかち上げ弾き飛ばす。
 そして空中で体勢を立て直そうとする妖猫に煉夜の刀より放たれた斬撃から衝撃波が命中、姿勢制御困難な空中での攻撃を受けて金秘華猫はきりもみ回転しながら屋根に墜落するが、その猫の足が屋根につく前に鬼棍棒を構えた木蓮が飛び込んでくる。
「さっさと剥がしちゃおっか」
 鬼棍棒のフルスイングが衝突、マヨイガの屋根を金秘華猫は数度バウンドしながら吹き飛ばされた。
『痛いにゃー! 酷いにゃー!』
 だが金秘華猫はふしゃー! と即座に起き上がる。その身に喰らった月の光による魔力がダメージを即座に癒している。
「結構いいの入れたけど……なぁんだ、大丈夫そう?」
 元々力を抑えられないタイプの木蓮、手加減なしでかかっているからやり過ぎにはちょっと気を付けていたのだが、これなら問題なさそうだ。
「ありがとーございますです」
 いつの間にか駆け寄ってきていた煉夜が木蓮に先程の礼を言う。
「いいのいいの、でも無茶は程々にね?」
 木蓮が緩く笑み、そう返す。
 ――オブリビオンを倒す為に生み出されたフラスコチャイルドの彼、痛みには鈍くオブリビオンを狩る為に調整された体。
 死ななければいい、死だけはそれ以上オブリビオンを狩れなくなってしまうからそれだけは困る。
 効率よく狩る事を優先する思考の煉夜の戦い方は、木蓮には少々危なっかしく映っていたからなのだけれども。
 二人は武器を構え金秘華猫へと向き直り。
「もうちょっと痛くなるまで殴っちゃうけど、あとで恨まないでね」
 その身に憑いた骸魂、剥がす為には十分なダメージを与える必要があるのだから。
 少し、眠気が出てきた気がする。
 けれどもう少し、眠りに落ちるまでは持たせないと。
 そう思考しながら木蓮は鬼棍棒を再び構え先に飛び込んだ煉夜に続いた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

神楽火・銀月
<封印を解く、生命力吸収、騎乗、ランスチャージ>

皇士朗(f03876)と協力する。
「当然。投了なんてしたら、何のためにここまで来たかわからないじゃないか」
それに、帰ったらやらなきゃいけないこともある。

エファレイオスをランス形態に、ベルズフィーネをドラゴンの姿に。そして、指輪を通じてドラゴン達に僕の生命力を吸収させ、彼女達の封印を解く。

本来の姿で召喚したエルザタリアの背に乗り、灰葬竜のランスを構えて突進。
ベルには液体金属のブレスで退路を塞ぎ、足止めをしてもらう。
皇士朗の退避は待たない。きっと彼ならこれくらい躱せるだろう。
「君に恨みはないが……この世界を壊されると困るんだ。だから、倒させてもらう」


神楽火・皇士朗
<弾幕、ダッシュ、リミッター解除、限界突破、捨て身の一撃>

ようやくお出ましか。ここは銀月(f01924)と協力して挑もう。
「よう。まだ行けるよな?」

まずはおれからだ。アームドフォートの速射砲で弾幕を張り敵の足を止める。そこに突っこんで接近戦に持ちこむぜ。
「呪詛とかなんとかは面倒なんでな。力押しでいかせてもらう!」
二刀流で攻撃を仕掛け、銀月の攻撃から逃げられない位置に追い詰める。
「今だ ! 銀月、ぶちかませぇッ!!」
銀月のユーベルコードが当たったのを確認したら、すかさず『龍吼破天砲』を撃ちこんでやる。
「お前に宿った骸魂、ふっ飛ばしてやるぜ!」



 猟兵が月の光を浴びる猫と切り結んでいる。
「よう。まだ行けるよな?」
「当然。投了なんてしたら、何のためにここまで来たかわからないじゃないか」
 その様子を見ていた二人、皇士朗の問いに銀月は当たり前の事のように返す。マヨイガを抜けてここまで来たのだ、毒を食らわば皿までという訳ではないけれどもここで退く選択はない。
 それに、帰ったらやらなきゃいけないこともあるのだから。
「君に恨みはないが……この世界を壊されると困るんだ。だから、倒させてもらう」
 道中を突っ切る為に力を借りていたエファレイオスをランスの形態に戻し、入れ替わりに斧槍ベルズフィーネを灰白色のドラゴンの姿へと戻す。
 そして蒼の指輪に意識を集中し、それを経由させて生命力を竜達に与えて封印を解除していく。
 当然銀月にかかる負荷が一気に増すが問題はない。
「僕達で前方の敵を殲滅する。……来い、エルザタリア」
 ユーベルコードを起動すればもう一頭の竜――星蝕竜エルザタリアが召喚され、彼が乗りやすいように首と体を低くする。
 丁度そのタイミングで金秘華猫が交戦していた猟兵達を一旦弾き飛ばし、二人の方へと逃れようとしてくる。
 銀月がドラゴンの背に乗るのに合わせるように、皇士朗がアームドフォート全領域対神砲撃システム『ルシファー』から放つビームとミサイルの速射で弾幕を形成、更に灰白色の竜が液体金属のブレスを放ちその動きを封じようとする。
『こっちにもいたのかにゃ!?』
 けれど月の魔力によりその妖力を増した金秘華猫はそれらを猫のしなやかな動きで躱していく。
 しかし、この攻撃の目的は妖猫の動きを制限する事。先の戦いで撒かれた符による火炎で焼かれ脆くなった屋根の一部へと誘導し、妖猫が踏み込んだ瞬間その足元に電磁加速砲がぶち込まれる。
 すると屋根の一部が妖猫の体重を支えきれなくなり崩れ落ち金秘華猫の足を一瞬止めさせる事に成功、
「呪詛とかなんとかは面倒なんでな。力押しでいかせてもらう!」
 同時、体内に埋め込まれた刻印を活性化させた皇士朗が屋根を力強く蹴り鞘より抜いた焔切景光を金猫へと一閃する。
 自由に動けぬ身、その手の爪で刀の一閃を防ぐが、即座にパイルバンカー――対神迫撃徹甲鎗『ベーオウルフ』の杭をその腕に当て、吹き飛ばす。
「今だ ! 銀月、ぶちかませぇッ!!」
 妖猫が思い切り体勢を崩した瞬間を見測り皇士朗が叫べば、既に状況を見ていた銀月が灰葬竜のランスを構えエルザタリアと共に突進してきている。
 回避は待たない、皇士朗ならその位はできると信じているは後方より迫りくる気配に視線を向けもせず横へ跳躍し回避。
 逃れようとする金秘華猫だが、そこに液体金属のブレスが命中し、足元を固め逃さない。
 その助勢を受けた突進が見事に命中、固まった金属が張り付いた屋根瓦ごと金の妖猫を大きく吹き飛ばす。
 その一撃は本来なら致命傷だろう。だが、
『まだまだイケるにゃー!』
 月の光の魔力を吸収している妖猫の意識はまだ繋がっている。崩れた体勢を立て直し、突撃してきていた銀月へと反撃しようとする金秘華猫だった、しかし、
「イグナイトドライバー、レイズ・アップ! お前に宿った骸魂、ふっ飛ばしてやるぜ!」
 皇士朗が金秘華猫の僅かな可能性すら潰すように、刻印より生み出したエネルギーをアームドフォートのビームカノンに集束させ、至近距離よりそれを放つ。
 体勢を立て直す時間などもうない。皇士朗の放ったビームは金の妖猫の胸を撃ち抜き、その一撃と同時に大量に出現していた骸魂の姿は消え、マヨイガを包んでいた月光は消失していく。

 後に残ったのはマヨイガに満ちていた月光が消えた事により際立つ夜の闇と、骸魂に憑かれていた只の猫又。
 安らかな寝息を立てる猫又はどうやら無事なようで猟兵達も安堵する。
 気絶したままの猫又を連れて屋内へ帰還した猟兵達が見たマヨイガの中は、狂気から解放された事で戸惑う住人の姿ばかり。
 その姿に狂気の色はなく、まるで狐に摘ままれたかのような様相で。
 そんなマヨイガを空高くから月光が穏やかに照らしていた。
 

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2020年08月08日


挿絵イラスト