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化術の悪用はいけません!

#カクリヨファンタズム #マイ宿敵

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#カクリヨファンタズム
#マイ宿敵


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●殺妖現場
「ぎゃあああああ!!!」
 山のような巨大な影が、一体の小豆洗いを叩き潰した。
 これが、この村を震撼させる連続殺妖事件の始まりであった!

●連続殺妖事件の犯人を追え!
「皆、カクリヨファンタズムで事件だ!」
 集まった猟兵達を見渡して、グリモア猟兵の天御鏡・百々(その身に映すは真実と未来・f01640)は今回の任務の概要を説明する。
「とある村にて連続殺妖事件が発生したのだ。貴殿らには、この事件の犯人を調査し、討伐してもらいたい」
 事件の発生した村は昭和の農村のようなところであり、主に東方妖怪が住んでいるという。そこで三件の殺人……ならぬ殺妖が起こったとのことだ。
「この三件の事件は全て殺され方が異なっていた。それでも一連の事件だと判断されたのは……このような葉っぱが全ての現場に残されていたからなのだ」
 百々が掲げる鏡の中には、『バーカ!』と書かれた葉っぱが映っていた。これにより、全ての事件は繋がっていると考えられているとのことだ。

「というわけで、先ずは調査となる。三件の事件の殺され方や、事件発生の目撃情報などを集め、犯人を突き止めてくれ」
 殺され方が異なるのは気になるが、調査を行うことで、きっと真実に辿り着けるはずだ。
「しかし、一つ問題があってな。村の住民は殺妖事件で警戒している。単に情報収集しても、なかなかうまくゆかぬであろう」
 ではどうすれば良いのかと聞く猟兵に、百々は懐から『ベーゴマ』を取り出した。
「その村ではベーゴマが流行っておってな。それで遊んだ上であれば、上手く話も聞けることだろう」
 自作のベーゴマを持ち込んで、妖怪達とバトルだ! 仲良くなるためなので勝敗は関係ないが、出来れば勝ちたいものだ。
「それでは、よろしく頼んだぞ」
 百々はそう言うと、猟兵達を現地へと転移させるのであった。


夢幻
●マスターの夢幻です。いろいろバレバレな気もしますが、気にしてはいけません。

 1章:日常『最強ベーゴマバトル!!』
 2章:ボス戦『?????』
 3章:?????
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第1章 日常 『最強ベーゴマバトル!!』

POW   :    突進力でぶちかます!

SPD   :    素早く躱して生き残る!

WIZ   :    賢く当てて回転力を削ぎ落す!

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🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

八岐・剛牙(サポート)
 竜神の悪霊×神器遣い、42歳の男です。
 普段の口調は「気さくなおっさん(おら、お前さん、だ、だべ、だべさ、だべ?)
真剣な時は 竜神(我、お主、言い捨て)」です。

 日常・冒険では気さくな感じで一般人に話しかけたり、コミカルな感じな行動をとります。
 集団戦・ボス戦では竜神口調となり竜神の威厳を見せながら前衛に立ち、敵に神罰を下すと言う気持ちで敵と戦います



「ほうほう。ベーゴマが流行っているんだべな。そしたら、誰か一勝負といくべ」

 妖怪達の集落へ転移してきた八岐・剛牙(竜神の悪霊・f28093)は、露天でベーゴマを購入すると、村の妖怪達へと勝負を持ちかけた。

「おう、俺が受けて立つぜ。おっさん!」

 それに応じたのは輪入道の青年だ。そして二人は台の前で向かい合う。しかしここで、剛牙の頭に一つの疑問が浮かんだ。

「んん? 手も無いのに、どうやって回すんだべか?」
「心配するなよ、おっさん。まあ見てなって!」

 輪入道は自身の体にベーゴマを乗せると、凄い勢いで回転し始めた。そして十分な勢いが付いたところで、ベーゴマを台へと投げ放った。

「おお! おらも負けてはいられないべ!」

 剛牙も続けてベーゴマを回す。二人のベーゴマは幾度かぶつかり―――剛牙のベーゴマが台の外に弾き飛ばされた。勝負は輪入道の勝利だ!

「はっはっは! お前さんすっげえべ!」
「へっ、それほどでもねえよ」

 手を叩いて賞賛する剛牙に、輪入道は上機嫌で照れている。今なら、情報収集も上手くいきそうだ。

「ところで、おらは連続殺妖事件を調べておってな? お前さん、何か知っていたら教えてもらえるだべか?」
「ああ、あの事件か。何を隠そう、1つ目の事件の目撃者が俺さ。被害者はろくろ首のやつだったんだが……何かとんでもなくでかいやつがいきなり出てきて、あいつを叩き潰したんだよ」

 輪入道はそれを見て逃げ出したそうだ。そして後から仲間を連れて見に行ったら、ろくろ首はぺちゃんこになって圧死していたという。更にその側に木の葉が落ちていたのということだ。

「あんなのがまた出てきて、暴れたら大変だ。おっさん、よろしく頼むぜ」
「おう! おらたち猟兵に任せておくべさ」

【第一の事件】
被害者:ろくろ首
犯人の姿:とんでもなくでかいやつ
殺害方法:叩き潰しての圧死

成功 🔵​🔵​🔴​

夜都守・璃音
【POW】
ベーゴマですか、懐かしいな。
むかし、祖父によく鍛えられましたっけ。
恥ずかしいところは、見せれませんね

闘場の状態をよく観察して
それから、対戦相手達の駒の状態や挙動を【見切り】、僕の駒を投じましょう

巻き方や投げ方の癖、駒の状態を見れば狙いは大体わかります
で、あれば後は
やりたいことを、させないことが重要です
小細工は力でねじ伏せましょう
堅牢な駒も【鎧砕き】の要領で弾いて

硬く、重い敵でも。非力な僕でも、刺せる一瞬というものがある、そういうことです。

……なんて。
全力を尽くして、勝ったり負けたり
そんな風に腹を割って。盃を交わすように、遊びに興じましょう

打ち解けてきたら少し、話しを聴かせてください



「ベーゴマですか、懐かしいな。むかし、祖父によく鍛えられましたっけ」

 そんな祖父との思い出に、夜都守・璃音(月下美刃・f28055)は感傷に浸る。妖怪の総大将として恐れられた祖父に教わった以上、遊びであっても恥ずかしいところは見せれない。

「お? わしとやる気か? 可愛い嬢ちゃんが相手でも、手加減はしねえぞ?」
「ええ、望むところです。本気で勝負しましょう」

 璃音が相手をするのは、大柄なあかなめだ。どうやら彼はベーゴマにはかなりの自信がある様子、この村でもかなりの強豪のようだ。

「行くぞお! 必殺、ベーゴマ嘗め回し!」

 あかなめは長い舌をベーゴマに巻き付けると、器用に回転をかけて舌でベーゴマを回す。特殊な回転をかけられたあかなめの駒は、台の上を跳ねるように動きまわっている。なるほど、妖怪としての能力を応用した強力な技だ。

「! なるほど……そうやって跳ね飛ばす気ですね……。それなら……えいっ!」

 璃音はあかなめの駒の挙動を一瞬で見切り、自身もベーゴマを投じる。そして、璃音の駒は、あかなめの駒がちょうど浮き上がる瞬間にぶつかり―――台の外へと弾き飛ばした!

「ひゃあー! わしの必殺技が打ち破られちまった……!」
「硬く、重い敵でも。非力な僕でも、刺せる一瞬というものがある、そういうことです」

 全力を尽くして遊びに興じることは、盃を交わすことに似ている。そうして打ち解けたあかなめに、璃音は腹を割って本題である連続殺妖事件について聞いてみた。

「あー! あの事件か。わしは二つ目の事件に居合わせたんだよ。殺されたのは友達の一反木綿で、猫か子犬のような小さいのが凄いスピードで通り抜けたと思ったら、あいつがバラバラに切り刻まれてたんだ!」

 殺され方は第一の事件と全く異なる。しかし、このときも同様にバーカ!と書かれた葉っぱが現場に落ちていたとのことだ。

「第一の事件はとても大きな妖怪の仕業と聞いていますが、確かに犯人の姿が全く違います。……犯人は姿を変える能力を持っているのですか?」

 情報は増えたが、まだ犯人を特定するには至らなそうだ。

【第一の事件】
被害者:ろくろ首
犯人の姿:とんでもなくでかいやつ
殺害方法:叩き潰しての圧死

【第二の事件】
被害者:一反木綿
犯人の姿:猫か子犬のような小さいの
殺害方法:切り刻まれて斬殺

・犯人は姿を変える能力を持っている?

大成功 🔵​🔵​🔵​

因幡・有栖
ふむ、推理をしようにも情報収集もままならぬのであれば致し方あるまい。
ベーゴマ、私も知っているぞ、あれだ、回す奴だろう?コマより小さくやつ。
如何に体力のない私であろうと、これなら必要なのは指先の技術ゆえに対等に戦え……戦え……。(上手く巻けない、土俵に入らない、そもそも回らない)
…………なぁ、少年達、おねーさんにちょっとベーゴマ教えてくれない??
おねーさんじゃない?失敬な私はこれでも二十歳だ二十歳……いや、妖怪換算だとすごく若いかもだけど…………。
とにかく、一勝くらいしたいからコツとかおしえて教えておくれよ。

ついでに……事件の話もネ。
なぁに、甘いお菓子の一つでも買ってあげるからさ。良いだろう?



「ベーゴマ、私も知っているぞ、あれだ、回す奴だろう? コマより小さいやつ

 探偵たる因幡・有栖(人間の猟奇探偵・f23093)としては事件の推理をしたいところだが、そのための情報が足りぬならば致し方ない。情報収集のため、今は一時、このベーゴマなる遊戯に手を出した。

「如何に体力のない私であろうと、これなら必要なのは指先の技術。ゆえに、対等に戦え……戦え……」

 勝負の前に試しにと、有栖はベーゴマを回そうとしてみるも、土俵に入れて回すどころか、綱を上手く巻くことすらおぼつかない。彼女は憮然とした顔で考えると、近くで遊んでいた一つ目小僧達に、恥を忍んで声を掛けた。

「…………なぁ、少年達、おねーさんにちょっとベーゴマ教えてくれない??」
「んー? 教えてやっても良いけど……人間でその見た目、おねーさんって感じじゃ無いなあ……」
「失敬な! 私はこれでも二十歳だ二十歳……いや、妖怪換算だとすごく若いかもだけど…………。とにかく、一勝くらいしたいからコツとかおしえて教えておくれよ」

 合法阿片の過剰摂取が祟り、有栖の外見は幼い少女にしか見えない。一つ目小僧が年下に見ても無理なからぬことであろう。ともあれ、やり方さえ教われば知能は高い有栖のこと、すぐにコツを掴み、一つ目小僧達と同等に互角の勝負は出来る様になった。そこで頃合いかと、彼女は事件の話を切り出した。

「ところで、私は探偵でこの村の殺妖事件を追っているのだ。何か知っていることがあれば、教えてくれるだろうか?」

 ここへ来る途中で用意しておいた甘いお菓子も差し出せば、一つ目小僧達は饒舌に語り出した。

「事件のことか? 三つ目の事件ならよく知ってるぜ! 妖怪狸が瓢箪から変な煙を出したら、大鬼がいきなり苦しみだして倒れたんだって!」
「あれー? ボクは妖怪狸じゃ無くて、妖狐の仕業だって聞いたよ?」

 第三の事件は何体もの妖怪が目撃していて、噂になっていたようだ。しかし、その噂は殺し方は毒によるものと共通だが、犯人の姿は狐というものと狸というもの、二つが混在していた。

「狐も狸も、どちらも化術が得意な妖怪だな……。道具を使っているあたり、この姿が本来の姿なのか? おい、少年達よ。この村に、狸や狐の妖怪は住んでいるのか?」

 一つ目小僧達の話では、この村に住む狐や狸の類いは、村はずれに住む一人の妖狐の少女のみと言うことであった。


【第一の事件】
被害者:ろくろ首
犯人の姿:とんでもなくでかいやつ
殺害方法:叩き潰しての圧死

【第二の事件】
被害者:一反木綿
犯人の姿:猫か子犬のような小さいの
殺害方法:切り刻まれて斬殺

【第三の事件】
被害者:大鬼
犯人の姿:妖狐という情報と妖怪狸という情報が混在
殺害方法:瓢箪からの毒霧による毒殺

・犯人は化術で姿を変えている?
・第三の事件が本来の姿?

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 ボス戦 『『狐狸』つかさ』

POW   :    どろどろどろん!
戦闘力が増加する【巨大なダイダラボッチ】、飛翔力が増加する【上に攻撃力も高い鎌鼬】、驚かせ力が増加する【百面相をする釣瓶落とし】のいずれかに変身する。
SPD   :    化術大迷宮
戦場全体に、【トラップ満載の、化術で変化した自分自身】で出来た迷路を作り出す。迷路はかなりの硬度を持ち、出口はひとつしかない。
WIZ   :    三種の妖器
【宝珠の力による不動の呪い】【巻物から発動した幻術】【瓢箪から吹き出た毒霧】を対象に放ち、命中した対象の攻撃力を減らす。全て命中するとユーベルコードを封じる。

イラスト:麦島

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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠天御鏡・百々です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 集まった情報から、猟兵達は村はずれに住む妖狐が犯人なのではないかと当たりを付けた。そして、その妖狐『つかさ』の住処へと向かった猟兵達が彼女を問いただすと―――突然、少女が邪悪な気配に包まれた。

「あーあ、もうバレちゃったんだ」

 邪悪な気配、悪辣な妖怪狸の骸魂がつかさを飲み込み、オブリビオンが顕現する。可愛らしい顔を邪悪に歪め、狸の尾を生やした彼女は『狐狸』。強力な化け術と3つの妖器を使う悪しき妖怪だ!

「私の化術で、みんな化かして騙して殺してやる! ぽんぽこコーン!」

 連続殺妖事件の犯人は、妖狐を飲み込んで『狐狸』となった妖怪狸の骸魂であった。飲み込まれた妖狐の少女も被害者だ。オブリビオンを倒せば、彼女も救い出すことが出来るだろう。

 猟兵達よ! 『狐狸』を倒し、この村に平穏を取り戻すのだ!
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『化術大迷宮』のトラップは、肥溜めの落とし穴、食べ物に見せかけた石、いくら歩いても同じ所に着いてしまう道などです。攻略したいトラップがあれば、プレイングに記載下さい。状況に相応しい=狸や狐に化かされたような内容であれば採用したいと思います。
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因幡・有栖
悪いんだけど、某少年探偵の様にボールで気絶させるようなキック力はないんだ。
だから、大人しくお縄になってほしいんだけど……ダメか、だめだよな。
いやぁ、荒事にはとんと向かないので勘弁して頂きた…………なんだココ。
草木ばかりで何もない、歩けど歩けど景色は変わらず、一瞬のうちにどこかへ連れ攫われて遭難でもしているのか……。
あるいは夢でも見ているのだろうか。
嗚呼、こういう時は合法阿片で一服するに限る、丁度切れてきてたんだ。
さて、パイプパイプっと…………そういえば、狸は化かすんだったな。
丁度いい、パイプに阿片と火種を入れて、大きく吸って煙を吹く。
煙草の煙ではないが、なに、獣が嫌う臭いに違いはないだろう。



「悪いんだけど、某少年探偵の様にボールで気絶させるようなキック力はないんだ。だから、大人しくお縄になってほしいんだけど……」
「べーっだ! だーれがあっさり捕まるもんか! えーいっ!」

 有栖の領分はあくまで事件の捜査、故に、戦闘を避けて終わらせようと交渉を持ちかける。しかし、残念ながら狐狸はそれに耳を貸さず、舌を出して馬鹿にしてくる始末だ。そして狐狸は、どろんと『妖怪煙』で周囲を包み込んだ。

「いやぁ、荒事にはとんと向かないので勘弁して頂きた……なんだココ」

 煙が晴れてみれば、有栖は見覚えの無い林の中にいた。一歩も動いていないのに、これは一体どうしたことだろうか? 

「草木ばかりで何もない、歩けど歩けど景色は変わらず、一瞬のうちにどこかへ連れ攫われて遭難でもしているのか……。あるいは夢でも見ているのだろうか?」

 あてどもなく歩けど、いつまで経っても林を抜ける気配が無い。同じ場所をぐるぐる回っている気さえしてくる。思考を纏めるため、有栖は一時休憩を取る。

「嗚呼、こういう時は合法阿片で一服するに限る、丁度切れてきてたんだ。さて、パイプパイプっと……」

 合法阿片を嗜んだことで、有栖の『聡明で愚かな思考回路』の効果はここまでとなった。彼女にとって合法阿片は体の一部にも等しいもの。長時間の我慢など所詮は叶わぬものだ。それでも、歩き回る間に止めていた分で、思考は十分に回る。

「……そういえば、狸は化かすんだったな。それならば……」

 有栖は合法阿片の入ったパイプを大きく吸い込むと、ふうっと周囲に煙を吐き出した。

「煙草の煙ではないが、なに、獣が嫌う臭いに違いはないだろう。……それが鍵か」

 林の中に広がる煙の中、不自然に動いた木の葉を有栖はめざとく見つけ出した。そしてその葉を摘まみ上げて引き裂けば、周囲の景色は霞み、元の農村の風景が戻ってきた。化術の鍵となっていた『どろんはっぱ』を失ったことで、狐狸の化術が解除されたのだ。

「ケホッ。ケホッ。うー……」
「さて、自慢の化術とやら、見破らせて貰ったよ」

 合法阿片の煙が効いたのか、狐狸は涙目で咳き込んでいる。それを見て有栖は、自慢げに微笑むのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

グレナディン・サンライズ(サポート)
『ここはこの年寄りに任せてもらおうかね?』
『こう見えても、まだまだ衰えちゃいないよ』
年齢3桁の婆。
スペースシップワールド出身の元宇宙海賊。
主な武装はフォースセイバーとブラスター。
戦闘スタイルは基本的には前衛遊撃。敵を翻弄するような戦いを好む。
グルメではない酒好き。
年齢なりの経験を積んでいるので、冷静さと余裕をなくすことはない。
口調(あたし、あんた、だね、だよ、~かい?)



「ここはこの年寄りに任せてもらおうかね?」

 続いて狐狸と対峙するのは、グレナディン・サンライズ(永遠の挑戦者・f00626)、御年101歳の老婆である。

「ヨボヨボのババアなんかに負けるもんか! 『どろどろどろん』!」

 ユーベルコードを使用した狐狸の周囲に妖怪煙が広がったかと思えば、その中から山のような巨体が現れる。優に10mを超えるほどの巨大な妖怪『ダイダラボッチ』へと、狐狸が化術で変化したのだ!

「ぶっ潰してえー、やぁーるぅーぞぉー!!」

 ダイダラボッチは、グレナディンへと拳を叩きつける。これは、第一の事件でろくろ首をぺっちゃんこにして殺害した一撃だ。

「宇宙海賊時代にあんたみたいにデカいやつとやり合ったことも、一度や二度じゃないね。それに……大きさだけで力に振り回されるような動きであたしを倒せると思ったら、大間違いだよ!」

 長年の経験と第六感の冴えを生かしてたグレナディンは、ひらりひらりと年齢を感じさせない動きでダイダラボッチの攻撃を回避する。

「ぬうう……ちょこまかー、逃げるなあー!」

 攻撃が当たらず苛立つことで、ダイダラボッチの動きはどんどん雑になっていく。それを頃合いと見たグレナディンは、サイキックエナジーを集中して次の手を打った。

「あんたを倒すなんて、ほんの指先1本分。それだけで十分さ」
「うわああー!?」

 『老練のサイコキネシス』でバランスを崩され、ダイダラボッチの巨体が転倒する。如何に大きな敵と言え、上手く突けば少し押しただけでも倒すことが出来る。グレナディンは老練な技術でそれを為したのだ。

「さて、追撃といこうかね」

 グレナディンはフォースセイバーを起動すると、転んだダイダラボッチへと斬撃を放つ。そして不気味な赤い光が幾度か煌めけば、ダイダラボッチは元の狐狸の姿へと戻った。ダメージによって変化を維持出来なくなったのだ。

「くっそー。最強のダイダラボッチが負けるなんて……」

 単純な戦闘力であれば、ダイダラボッチは狐狸の変化出来るものの中でも最強であった。それが負けたことで、狐狸の化術に対する自信も揺らいでいるようだ。

成功 🔵​🔵​🔴​

弥久・銀花(サポート)
これはもう一番私の得意とする所です

基本的には愛刀の白嵐玉椿で接近戦を挑みます

相手が遠距離を得手としているのなら、石を投げたりして距離を詰めてユーベルコードの鋭刃線閃で斬り掛かります

特に強大な敵の場合はオルタナティブ・エネミーを使って戦います
これはどんな相手にでも勝てる様にと作ったユーベルコードですので大体の相手には優位に立てるでしょう



エッチな感じで拘束され責められてる場合は、一人で切り抜けられないと分かるまで頑張ってみて、駄目なら名誉はあんまりない撤退と使って、相手を私と同じ様に拘束(この時、拘束具などで顔や全身が隠れてたら味方にも判別し難くなります)して、味方の前に逃げますね



「戦いとなれば、これはもう一番私の得意とする所です!」

 弥久・銀花(隻眼の人狼少女剣士・f00983)は、自らの守り刀として鍛造された愛
刀『白嵐玉椿』を抜き放ち、狐狸へと挑みかかる。

「あなたは剣士? なら……『どろどろどろん』!」

 妖怪煙に包まれた狐狸は、ユーベルコードで戦闘用の妖怪に変身した。先ほどは巨大なダイダラボッチであったが、今度は小柄な妖怪だ。子猫ほどのサイズ、されど凄まじい速度で宙を駆けるその妖怪は『鎌鼬』だ!

「これで私の方が速いよ! 一反木綿みたいに、バラバラに切り刻んであげるよ!」
「なるほど……これは一筋縄ではいかなそうです」

 第二の事件で一反木綿を斬殺した鎌鼬は、スピードと攻撃力を両立した厄介な妖怪だ。

「くすくす……どう? このスピードには付いてこれないでしょ!」

 致命的な攻撃こそ白嵐玉椿で弾くものの、すれ違いざまに放たれる斬撃は銀花の白い肌に赤い線を刻んでいく。このままこの状況が続けば、敗北は必至だ。

「確かにあなたは速いです。しかし……ただ、速いだけですね」
「ぎゃっ!?」

 だが、ここで戦況に変化が起こる。銀花の振るった刃が、狐狸を捉えたのだ。如何に速くとも、鎌鼬は狐狸の本来の姿では無い。故に、その動きには練度が致命的に不足している。単調に突っ込んでくるだけであれば、それを読んで刀を振るえば当たるということだ。

「さっきのはまぐれ当たりだよ! 真っ二つにしてやる!」
「あなたの動きはもう見切りました! 研ぎ澄まされた刃に斬れぬ物無し! 『鋭刃線閃』!!」

 技量の伴わぬ狐狸には、動きが見切られたことなど分かるはずもなく。まぐれと断じて飛びかかってくる。しかし、最早鎌鼬の攻撃は銀花には通じない。鋭い白嵐玉椿の剣閃が、鎌鼬を叩き斬った!

「痛い! 痛いよっ!」

 多大なダメージに鎌鼬への変化は解け、狐狸は痛みに地面をのたうち回って苦しんでいる。撃破までは、後もう少しというところだろうか。

成功 🔵​🔵​🔴​

ノエル・スカーレット(サポート)
アドリブ&他の猟兵さんとの連携大歓迎。
性的描写NG

世界を飛び回るチビッ子ダンピールです。
吸血衝動はほぼなく太陽へっちゃら、お菓子が好きで、虫が嫌い。
色々な事件に首を突っ込みスカーレッド・ノヴァをぶっぱなします。
(ぶっぱなさなくてもOK)


基本的にいい子なので首を突っ込んだ事件やイベントの解決や成功の為に積極的に行動します。

戦闘は残像を伴う素早い動きから大鎌でなぎ払い攻撃したり。
ユーベルコードをご自由にお使いください。

記載がない部分はマスター様におまかせでお願いします。
自由に冒険させてあげてください。



「あなたが連続殺妖事件の犯人ですね!」

 自由気ままに世界を渡り歩くノエル・スカーレット(チビッ子ダンピール・f00954)は、このカクリヨファンタズムでも迷うことなく事件へ突っ込んだ。罪無き妖怪を何体も殺した犯人が見つかったとあれば、その討伐への協力は当たり前のことだ。

「馬鹿な妖怪達を化かしてやっつけて何が悪いのかな? あなたも同じようにしてあげるよ! これでも喰らえっ!」
「! それは……第三の事件で大鬼を殺した毒ですね!」

 狐狸の持つ瓢箪から吹き出した毒霧を、ノエルは銀髪をはためかせ、残像を残して回避する。事件の詳細などは戦いの前に仲間の猟兵から聞いている。攻撃の性質が分かっていれば、素早いノエルであれば避けることは容易い。

「なら……こいつはどうだ!」
「なっ! 動けません!?」

 攻撃を避けられた狐狸は、手に持つ宝珠を怪しく輝かせる。すると、ノエルは一歩も動けなくなってしまった。これは宝珠の持つ不動の呪いの力だ。狐狸は攻撃を当てるため、ノエルの足を封じたのだ。

「さあ、これで避けれないだろ! 瓢箪の毒霧で殺してやる!」
「足は止まっても、上半身は動けます! 先にやっつければ、問題ありません!」

 この絶体絶命のピンチにも慌てず、ノエルはユーベルコードを発動させる。

「全てを燃やし尽くす我が炎……『スカーレッド・ノヴァ』!!」

 ノエルが生み出した巨大な緋色の火球は、狐狸へと直撃! 圧倒的な熱量が、狐狸の毛皮を焼き焦がしていく。

「きゃああ! 熱っ! 熱い!!」

 搦め手は確かに厄介ではあるが、それは奇襲などと組み合わせてこそだ。正面戦闘では、圧倒的な火力にこそ軍配が上がったのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

夜都守・璃音
……さて
君に怨みがあるわけでも、君が悪いわけでもないのだけれど
昼と夜に。ヒトの世と妖怪の世とに境があるように

僕たちの世界と、オブリビオンの間にも線を引かねばなりませんね

―――妖怪らしく。化かし合いでケリをつけよう

恐れず【切り込】んで行こう
そう、これは化かし合い
気を呑まれればやられる、恐れるな

姿が見えない相手は正確には呪えない
【闇に紛れ】て、幻術と毒霧は技の起こりを【見切り】、常夜の斬撃で斬り散らす

一撃、入れれば

……さぁ
次はあなたが私に化かされる番

影も形も、音も気配もなし
術の範囲から逃してあげるほど、私は甘くない
一気に押し込む

……畏れて、呑まれてはあなたの負け



「……さて。君に怨みがあるわけでも、君が悪いわけでもないのだけれど」

 璃音はぬらりと暗がりから戦場へと姿を現わし、狐狸の前へと歩み出でる。

「昼と夜に。ヒトの世と妖怪の世とに境があるように、僕たちの世界と、オブリビオンの間にも線を引かねばなりませんね」

 脇差『常夜』を抜き放ち、戦いの開始を告げる。

「―――妖怪らしく。化かし合いでケリをつけよう」
「望むところだ! 私の化術に恐れ戦け!」

 妖怪同士、決着を付ける戦いの幕が切られた。先に動いたのは狐狸、彼女が巻物を手にすれば、その姿が三人に分身した。

「あはははは!! どう? どれが本物かわかるかな?」
「そんなもの……恐れるには値しない!」

 これは化かし合い。気を呑まれれば、術に囚われそこでおしまいだ。気合いを入れた璃音は、恐れず敵へと切り込んでいく。よくよく見れば、幻術で作られた分身には影が無い。それを見切った彼女は、本体へ向けて常夜を振るう。

「良く見破ったね! でもでも、そんな浅い傷じゃ私は倒せない! って……あれ? どこに隠れたの?」

 残念ながら、璃音の斬撃は狐狸を浅く捉えただけであった。しかし、斬撃を受けた狐狸の様子がおかしい。璃音は正面にいるのに、それが見えていないかのようにきょろきょろと周りを見回して璃音を探している。

「……さぁ。次はあなたが私に化かされる番。……影も形も、音も気配もなし」

 璃音の刃に乗せた『影無』の呪いは狐狸を蝕み、彼女に対する一切の認識を不可能とした。鏡に映る花のように、水に映る月のように、いるはずなのに決して触れることの出来ぬもの。璃音は闇雲に呪いや毒霧を放つ狐狸へと、一歩一歩と近づいていく。

「……畏れて、呑まれてはあなたの負け」
「……え?」

 目の前まで来ても、狐狸は気づく気配も無い。そして常夜の刃は、狐狸の心の臓を貫いた。そこでようやく璃音を認識出来るようになった狐狸は、理解が出来ぬと言う顔で、自身の敗北を知るのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第3章 集団戦 『ジャックライト』

POW   :    クリムゾンフレイム
【自身の体から噴出する炎】が命中した対象を燃やす。放たれた【真紅の巨大な】炎は、延焼分も含め自身が任意に消去可能。
SPD   :    カーマインブレイズ
自身に【輝きの強い炎】をまとい、高速移動と【超高温の熱波】の放射を可能とする。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
WIZ   :    スカーレットファイア
レベル×1個の【怪火】の炎を放つ。全て個別に操作でき、複数合体で強化でき、延焼分も含めて任意に消せる。

イラスト:透人

👑11
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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


「くそっ! くそっ! 畜生! 折角妖狐を飲み込んで暴れられたのに、ここでおしまいなんて!」

 滅び行く妖怪狸の骸魂は、つかさの体より出でて慟哭する。しかし、多大なるダメージにより消滅まで幾ばくも無い。だが、往生際の悪い骸魂は最後の力でいくつもの小妖怪の骸魂を呼び出した!

「こうなったらみんな道連れだ! みんなみんな燃えて滅びればいいんだ!」

 その言葉と共に、骸魂は消滅する。そして、呼び出された骸魂は村へとばらまかれ、住人の妖怪達を飲み込んで『ジャックライト』となった。炎そのもののようなこのオブリビオンを放置すれば、すぐに村は大火に包まれるだろう。

 猟兵達よ! ジャックライトの群れを倒し、この村に平穏を取り戻すのだ!

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・妖狐つかさは狐狸を倒したことで救出されました。
・ジャックライトに飲み込まれた村の住人は、ジャックライトを倒せば救出することが出来ます。
・1章で出てきた妖怪の住民達も、ジャックライトに飲み込まれているかもしれません。(プレイング次第です)
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因幡・有栖
だから荒事には向いてないと……!
いや、うん、こうなることは分ってはいたんだけどね。
でも、分っていても拒否したい現実っていうのがあるじゃん?まったくもって私の予知は正確過ぎて嫌になる。(阿片スパー)

さて、単純な推理だ。
Q:火の玉妖怪の弱点は何か?
A:水。
ということで、君が高速で突っ込んでくる所までは見えていた、あとはこの日も紐を引っ張れば、気に吊るされた桶がひっくり返って君に水がかかるという寸法よ。
…………タイミング、ちゃんと合えばいいなぁ……(運動神経全般に自信がない)


夜都守・璃音
往生際の悪いことで
堅気を手当たり次第に巻き込んでいくようなやり口は好きじゃない

侠の流儀でやらせてもらいましょう

【天候操作】
薄曇り、しとしとと降り始める雨。妖怪が出るには、ちょうどよい陰鬱な雰囲気でしょう?

とはいえ、この程度の雨ですぐさま、鎮火できるとは思わないけれど
火勢が弱まれば十分
恐れず【切り込み】ましょう

【闇に紛れ】て攻撃を躱し、【見切り】で動きを捉えて立ち回り

……決定打がない、とお思いで?
それは早合点、というものですよ

―――ぬらりひょんは海坊主の一種だという
私はその積もりはないけれど……こうして、海の怪を喚べまして

荒波を立てる幽霊船
乗せたるは、古強者

さぁ、堅気の衆、悉く返してもらおうか



「だからわたしは荒事には向いてないと……!」

 突然のジャックライトの出現に、有栖は慌てた様子を見せる。

「いや、うん、こうなることは推測してはいたんだけどね。でも、分っていても拒否したい現実っていうのがあるじゃん? はあ、まったくもって私の予知は正確過ぎて嫌になる」

 有栖は合法阿片を詰めた愛用のパイプを燻らせる。そして心を落ち着けた彼女は、この場での対応策を考え始める。そんな彼女の隣では、璃音が怒気を募らせていた。

「往生際の悪いことで……。堅気を手当たり次第に巻き込んでいくようなやり口は好きじゃない」

 道連れなど言語道断、卑劣な妖怪狸の悪巧みは嫌になる。早々に討伐してしまいたいところだが、単に火の玉を斬るのは少々骨か。どうしたものかと考慮する璃音。そこで頼りになるのは、有栖の頭脳だ。

「さて……単純な推理だ。『火の玉妖怪の弱点は何か?』という問いには、それは『水』だと答えよう」

 そして有栖は自らの行動でその推理を証明する。小石を投げて一体のジャックライトの気を引けば、ジャックライトは彼女を標的と定め、強く輝いて突っ込んできた!

「そう、君が高速で突っ込んでくる所までは見えていた、あとはこの紐を引っ張れば……」

 如何にジャックライトが高速移動するといえ、一直線に突っ込んでくるだけであればあとはタイミングの問題だけだ。有栖は見えていた未来の通りに合わせて、いつの間に仕掛けておいたのか、軒下へ伸びていた紐を引っ張った。

「うん。屋根の上に仕掛けておいた桶がひっくり返って、君に水がかかるという寸法よ」

 ばしゃんと水がかかれば、小妖怪はそれだけでしおしおと萎んで消え去った。後に残るのは、飲み込まれた村の住民だ。……ちなみにあっさりと倒したように見えて、運動神経に自信の無い有栖は内心ドキドキであったが、どうにかそれは璃音には気づかれなかったようだ。

「なるほど……火の妖が水に弱いのは道理です。雨よ……!」

 璃音は天候を操って、村に雨を降らす。とはいえ、彼女はその技能にさほど熟達していない。周囲は薄曇り、雨は降り始めたものの、しとしとと小雨程度の勢いだ。

「妖怪が出るには、ちょうどよい陰鬱な雰囲気でしょう? では、侠の流儀でやらせてもらいましょう!」

 この程度の雨ではジャックライトを鎮火するには不足だが、火勢が弱まれば十分だ。璃音は恐れず果敢に敵へ切り込んでいく。彼女はジャックライトの放つ炎を見切り、的確に回避すると反撃の斬撃を放つが、炎を相手に剣技ではなかなか倒しきるには至らない。

「……決定打がない、とお思いで? それは早合点、というものですよ」

 璃音がユーベルコードを発動すれば、彼女の背後に何やら大きな影が現れた。

「ぬらりひょんは海坊主の一種だとも言われていまして。私はその積もりはないけれど……こうして、海の怪を喚べるのです」

 呼び出されたアヤカシから、無数の妖怪が溢れ出す。それは璃音の先代、ぬらりひょんの百鬼夜行だ!

「荒波を立てる幽霊船。そこに乗せたるは、古強者。さぁ、堅気の衆、悉く返してもらおうか!」

 百鬼夜行の妖怪達の持つ武装は妖気をも断つ。つまり、炎の妖気も両断出来る。当代の璃音の指揮下では所詮先代の真似事程度の強さだが、小妖怪相手には過剰なまでの戦力だ。百鬼夜行に蹂躙され、ジャックライトはその数を半数以下まで減らしたのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

マリウス・ストランツィーニ(サポート)
助けが必要と聞いて馳せ参じた!

どんな理由であっても人々に害為す敵は許さん!いや、理由によっては許すかもしれないがとにかく全力で戦う!
我が一族の誇りに懸けて、私の剣で成敗してやる!もしくは銃で成敗してやる!

もちろん敵とは正面から堂々と戦う!
しかし必要とあらば隙を伺って死角から襲ったりもするぞ!これは戦いだからな!

はあはあ、どうだ……!まいったか!
……まいったよね?

(アドリブ連携等歓迎)



「助けが必要と聞いて馳せ参じた!」

 有栖と璃音の働きで大分数は減らしたが、未だ燃え盛るジャックライトは健在だ。この村を大火から護るため、マリウス・ストランツィーニ(没落華族・f26734)はこの場に参戦した。

「己の享楽のために妖怪達を手に掛けたばかりか、倒されてすら人々に害を為そうとは……許さん!」

 ストランツィーニの当主として、このような悪辣な所業は看過出来ない。マリウスは一族の誇りに懸けて、その骸魂の置き土産であるジャックライトの対処に臨む。

「正々堂々、成敗してやろう!」

 気合いを入れて、マリウスは敵群へと切り込んでいく。迎撃に放たれる真紅の炎を、時には見切って避け、あるいは『八重霞ノ太刀』にて薙ぎ払い、至近距離へと接近する。

「吹き飛べ! 『スクワッド・パレヱド』!!」

 突撃したマリウスの、闘気を纏った斬撃がジャックライトに向けて放たれた。炎そのもののような妖怪であるジャックライトにただの斬撃は効果が薄い。しかし、纏う闘気とその勢いがあれば話は別だ。彼女の斬撃は一撃でジャックライトを吹き散らした! 撃破した証拠に、ジャックライトが消えたところより、飲み込まれた住民が出現した。

「はあはあ、どうだ……! まいったか!」

 少々気張り過ぎて息が切れているが、マリウスは確実に一体の敵を倒した。とはいえ、ジャックライトの群れはまだまだ残っている。彼女は暫し息を整えると、次なる敵を目掛けて駆け出すのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

高宮・朝燈(サポート)
『私とおかーさんが居れば、どんなオブリも大丈夫!』
 妖狐のガジェッティア×電脳魔術士、7歳の女です。
 普段の口調は「ちょっとだけメスガキ(私、あなた、~さん、だね、だよ、だよね、なのかな? )」、機嫌が悪いと「朝燈スーパードライ(私、~さん、です、ます、でしょう、ですか?)」です。

 ユーベルコードは、レギオンガジェット>お料理の時間>その他と言った感じです。レギオンガジェットで出てくるガジェットはお任せします。大抵補助的な役割を好みますが、多少の怪我は厭いません。口調はませたメスガキですが、性格的には良い子で、基本的に犯罪的な行為はしません。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!



「つかささんを飲み込んで殺人事件をした上に、やられ際にこんなことするなんて、とんでもない骸魂だね!」

 住む世界こそ違うとはいえ、同族である妖狐が悪事に利用されたことに高宮・朝燈(蒸気塗れの子狐・f03207)は憤慨する。その上に村を焼き尽くそうと骸魂をばらまくならば、その殲滅に否やは無い。

「でも、私とガジェットがあれば、どんなオブリも大丈夫!」

 敵は燃え盛る炎、ジャックライトだ。性質がはっきりしているだけに相性が大きいオブリビオンだが、朝燈のガジェットならば問題なく対応可能だ。

「よーし、今回もレギオンガジェット、行ってみよう! ……えいっ!」

 朝燈が『電脳タッチパネル』を操作すると、無数のガジェットロボが召喚された。そしてガジェットロボ達は隊列を組んで、ジャックライトへと進軍を開始する。

「炎相手なら水が有効だよね!」

 電脳タッチパネルを通じての指示を受けて、ガジェットロボ達は手に取り付けられたノズルからジャックライトへ向けて放水を行う。その効果は抜群だ。幾つもの放水を受けたジャックライトは火勢を弱めていき、消えたと同時に飲み込まれた住民が解放された。

「うん、このままみんなやっつけてやるよ!」

 ジャックライトも迎撃の炎を放つも、ガジェットロボの大群の前には多勢に無勢だ。次々と数を減らし、残る敵はわずかとなった。

成功 🔵​🔵​🔴​

夜神・静流(サポート)
「夜神の剣は魔を討つ刃。悪しき魔物が出たならば、何時でもこの剣を振るいましょう」
破魔技能に特化した退魔剣士。あるいは悪い人外絶対殺す女。
妖怪や悪霊、魔物、邪神等を討つ事を得意としており、その手の依頼には積極的に参加する。
一般人や仲間、友好的な相手には礼儀正しく接するが、討つべき邪悪に対してはとことん冷徹非情で、一切の慈悲を持たない。

戦闘中は抜刀術と退魔の術を合わせた独自の剣術(ユーベルコード)を状況に合わせて使用。
逆に戦闘と退魔以外の事に関しては不得手で、機械や横文字が苦手。

シナリオ中の行動に関しては、魔を討ち、人々を護るという自分の使命を第一に考える点以外は全てお任せします。



「夜神の剣は魔を討つ刃。悪しき魔物は、この剣で成敗しましょう」

 続いて退魔の剣士、夜神の一族の末裔である夜神・静流(退魔剣士の末裔・f05903)がジャックライトへと対処を行う。首魁である妖怪狸は既に消滅したものの、呼び出された炎の小妖怪は村を焼くべく燃え盛る。被害を減らすため、これは一刻も早く討たねばならない。

「我が剣は吹雪――魔を凍らす刃! 『四ノ秘剣・氷桜』!」

 ジャックライトに対して静流が選んだのは、四の型「水」の中伝である氷桜だ。その発動によって霊刀『白夜』の刀身は解け、無数の氷で出来た純白の桜へと変じる。そして、冷たさまでもが吹雪の如き花吹雪が吹き荒れる。
 それに対し、ジャックライトは『スカーレットファイア』の炎を合体させ、一つの巨大な怪炎を作って抵抗する。しかし、そんな抵抗も静流の秘剣の前には儚いものだ。強力な破魔の力を持った氷の花びらは、炎を掻き消してジャックライトに襲い掛かる。そして冷気と破魔の力を直接喰らった小妖怪は、あっけなく消え失せた。
 こうして戦場全体を覆い尽くす吹雪の前に、残るジャックライトは全滅したのであった。

「魔を討ち、人々を護る……それが自分の使命です」

 ジャックライトに飲み込まれていた村の住民達も、多少の消耗はあるようだが全員無事に救出することが出来た。猟兵達は、この村を護りきったのだ!

 こうして猟兵達の活躍によって、カクリヨファンタズムのとある村を震撼させた連続殺妖事件は、幕を閉じたのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​



最終結果:成功

完成日:2020年07月23日


挿絵イラスト