7
ビブリオマニア・ザ・ランナーズ・ハイ

#アリスラビリンス #猟書家

タグの編集

 現在は作者のみ編集可能です。
 🔒公式タグは編集できません。

🔒
#アリスラビリンス
🔒
#猟書家


0




 とある不思議の国のウサギ穴から、前触れもなく奇妙な珍客が訪れた。
 彼らは黒尽くめの紳士淑女の2人組であり、その小脇には分厚い本を抱えていた。
 2人は不思議の国の住人達に出会うと、丁寧にお辞儀をした。
「「どうも、はじめまして。私達は猟書家(ビブリオマニア)です」」
 2人の声がユニゾンとなってハーモニーを奏でた。
「どうも、猟書家(ビブリオマニア)さん。私はこの国の住人で……」
 住人が自己紹介をしようとした矢先、紳士淑女は同時に、小脇に抱える本を開く。
 すると……。
「う、うわあぁぁぁぁーっ!?」
 次の瞬間、住人はサイクロン錐揉み回転しながら、2人の本の中へと吸い込まれてしまったではないか! そして、住人は跡形もなくその場から消失してしまった。
 2人は何事も無かったかのように本を閉じると、次の住人を見付けて話し掛けた。
「「どうも、はじめまして。私達は猟書家(ビブリオマニア)です」」
 数時間後、その不思議の国の住人達全員は、残らず消失してしまった。

「……というのが、今回の予知なんだけどねっ?」
 グリモアベース。
 予知を見出した蛇塚・レモン(白き蛇神オロチヒメの黄金に輝く愛娘・f05152)は、グリモアからその内容を投影して告げた。
 集まってくれた猟兵達へ、任務内容を告げる……のだが、レモンはしきりに小首をかしげていた。
「今回の予知は不可解なことが多いっぽい? まず、任務内容は『本に吸われた住民達の救出』なんだけど、みんなも転送直後、そのまま本の中に入り込んじゃうよっ! そのまま本の中の物語を探検してもらいつつ、住民達を救助してねっ?」
 ただ、本の中の世界には、規則性があるとのこと。
「本の中の世界は、どこか実体を感じない国で、空に浮かぶ太陽に『矢印』と『ページ数』が書かれているっぽい? 太陽に書かれた矢印の方向に進むと、ぐんぐんページ数が進んでいくけど、別方向に進むと急速に生命力を失って『本の世界の住人』になって出られなくなっちゃうらしいから、気を付けてねっ?」
 つまり、退路はなく、前進するしかないのか。
 それを頭に入れておけば、攻略は楽なのでは?
「それもそうはいかないっぽい? 本の中の世界にもオウガが住み着いていて、猟兵のみんなを妨害してくるよっ! でも後ろに下がった瞬間に生命力が失われるから、今回はとにかくマラソンの如く前を突っ走るしかないよっ!」
 ……なんだその、トライアスロンのような任務は?
「しかも、転送直後、後ろから絶えず『ナニカ』が迫ってくるよっ! 追い付かれたら『本の住人』になっちゃうから、とにかく逃げてっ!」
 えっと、得体の知れない物から追われつつ、不思議の国の住人達を救出して、オウガを蹴散らして脱出……と。
 忙しいな!?
「でも、猟兵のみんななら、やれば出来るよっ! 今回は『猟書家(ビブリオマニア)』の正体は掴めないけど、まずは住民達の救出を優先してねっ! それじゃあ、行ってらっしゃいっ!」
 こうして、猟兵達はアリスラビリンス世界で、人命救助トライアスロンめいた本の世界のハイスピード&デッドヒートな冒険へと出発するのだった!


七転 十五起
 猟書家(ビブリオマニア)……一体、何者なんだ?
 まずは、吸い込まれた住人達を無事に生還させましょう。
 猟兵達の健脚度合いが試されるシナリオです。
 なぎてんはねおきです。

 第1章は【冒険】です。本の中を『太陽の矢印』に向かって突っ走ってゆくと、『ページ数』がぐんぐん進み、情景もどんどん変わっていきます。どこからともなく謎のナレーションが聞こえることもあります。得体の知れない『ナニカ』が後ろから迫ってくるので、皆さんは全力で疾走して下さい。途中でへばってる住民達も助けてあげましょう。

 第2章は【集団戦】です。『戦闘番地』と書かれたページに、オウガの群れが出現します。当然、ここも常に全力疾走したまま戦闘に突入します。そのまま、敵を全滅させるまで、様々なページを渡り歩く、否、走り切りましょう。

 第3章は【ボス戦】です。最大の障害となる強大なオウガが現れ、全力疾走しながら戦いを挑んできます。このオウガは『本の特性』をよく理解しており、通常の攻撃の他に、『外から来た者達を矢印以外の方向に投げ飛ばそうと』します。これに対抗する行動があれば、猟兵達は戦闘で有利になります。勿論、最後まで駆け抜けます。

 ということで、『後退どころか立ち止まってはいけないアリスラビリンス』です。
 徹頭徹尾、最速で駆け抜けましょう。
 皆様のハイスピード狂なプレイングをお待ちしております!
213




第1章 冒険 『不思議な国のおいかけっこ』

POW   :    最短距離で突っ走る

SPD   :    最速で突っ走る

WIZ   :    最良のルートで突っ走る

👑7
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 転送され、空に浮かぶ太陽に『矢印』と『ページ数』が書かれている本の世界に到着した猟兵達。その背後におぞましき気配を感じ取る。
 えも言えぬ恐怖感、そして嫌悪感が、猟兵達に『それ』へ振り返らせる事すら拒ませる。そして、本能が『逃げろ!』と警鐘を鳴らす!
 自然と猟兵達は己の足で、又は何らかの機動力を持って、あるいはユーベルコードで前へ前へ、太陽の『矢印』に従って突き進んでゆく!
 猟兵達は悟った。
 もう、この本の世界から脱出するまで、自分達に止まる事など許されない!
 得体の知れない不気味な『ナニカ』から、とにかく逃げまくれ……!
キャサリン・エンスレイヴ
 そっかそっか。なら背後から迫る『それ』を潰す。
 味方とは調子を合わせて併走し、巻き込まないようにする。
先制攻撃+高速詠唱+無酸素詠唱でUCを発動。
多重詠唱で全力魔法+リミッター解除+限界突破+除霊+浄化+破魔+神罰を情報収集で『それ』の気配にあたりをつけ、背後へ振り返ずにこれも発動。
今度は2回攻撃を使用して味方が自分より背後にいない事を情報収集で十分確認(振り返ずに!)したのちに、やはり気配を察知して範囲攻撃+リミッター解除+限界突破+焼却で対処する。
 UCがこの特殊空間でどうなるか興味は尽きないが、ルールはルール。
出口は一つきりのはず。コミュ力+言いくるめで味方に発破をかけ、先を急がせる。


大神・狼煙
ハハハ追手くらいでビビる我々ではな……あ、アカンコレ腹がめっさ減る……

生命力に先んじてカロリーを奪われ始めて慌てて走り出すなり、指を鳴らしてバイクを召喚

飛び乗り後は走るだけ……

だがしかし!

こんな面白味のないことで良かろうかいやあるまい!

というわけで、このバイクには車体後部に爆弾が搭載されている

いつ爆発するかは私にも分かりませんが、爆ぜれば前に飛ぶから距離は稼げるでしょう

問題は、私より後ろにいる猟兵が巻き添えを食うこと

フハハ諸君、爆破されたくなければ走るがいい!

などと裏切り者めいた事してたら、むしろ先行しすぎて、単独で花火になるんだろうな……

後はMSがネタをぶっ込んでくれるはず!
(期待の眼差し)



 猟兵達は転送されると、そこは既に本の中の世界であった。
 直後、背後から振り向くことすらおぞましく感じるような気配が押し寄せてくるのが肌で判った。
 だが、大神・狼煙(コーヒー味・f06108)は余裕綽々だ。
「ハハハ! 追手くらいでビビる我々ではな……あ、アカンコレ腹がめっさ減る……!」
 生命力を削がれる、イコール、急激な飢餓感。
「まずいこれは立ち止まったら干からびてミイラになってしまう!」
 大神は慌てて走り出すなり、指を鳴らしてバイクを召喚!
「逃封殺葬(トウホンセイソウ)! さあ、一緒に逃げましょう!」
 自我のあるバイクに跨り、アクセル全開で不思議の国を走り出す大神!
 そのバイクになんと人力で追い縋る女がいた。
 名をキャサリン・エンスレイヴ(ウィザード・f01442)、謎に包まれた猟兵だ。
「そっかそっか。背後の『あれ』に捕まると生命力が奪われるのは本当のようだ」
「ちょっとぉ!? 時速80kmで生身の人間が疾走するとかおかしくね??」
 大神が驚愕して思わずツッコミを入れた。
 だが、キャサリンの全能力を限界突破すれば、埒外の生命たる猟兵である彼女にとって出来ないことではないようだ。
「実際、時速80kmで走れているのだから気にするな。さてと。ただ追われるだけではジリ貧だ。なら背後から迫る『それ』を潰す」
 間髪入れずにキャサリンはユーベルコードの詠唱を開始!
 更に多重詠唱で自身の限界値を更に解放し、霊的抵抗力を高めながら『それ』の気配を探り始めた。
 キャサリンの声と共に、空間に魔法陣が出現する!
「エゴ・エゴ・ア・ザラゴライ・エゴ・エゴ・ザメ・ラゴン。闇の公子、悪の長子と、その王の名に於いて来たれ、悪魔の肉芽よ。汝が贄をくらい尽くせ。暴凶餓鬼地獄(エッド・ツェペリオン)』
 詠唱完了とともに、神聖な霊的磁場が彼女の背後に発生。
 同時に、彼女の真後ろに巨大な迷路が出現する!
 霊的磁場で『それ』の気配を察知し、中に閉じ込めることに成功した!
「その迷路は常に空腹で何でも食らいつき貪り食う餓鬼魂で出来ている。この特殊空間でどうなるか興味は尽きないが、ルールはルール。出口は一つきりのはず。餓鬼共に貪られろ」
「そ、その呪文は、あの禁呪詠唱じゃないですか!?」
 UDCアースの有名なコミックに登場する詠唱そのままのユーベルコードに、大神が色々な意味で冷や汗が止まらない。
「ですが、その禁呪、大きな欠陥があるのをご存知ですか?」
「なんだって?」
 大神の言葉に眉をひそめるキャサリン。
「そのユーベルコードが、元ネタ通りの効果を想定しているなら、生物ではない『それ』に対して効果は望めませんよ!」
 大神の言葉通り、迷宮の壁が徐々に消失してゆくではないか!
「あの迷宮は食物がなければ自然と消滅するのです! そして我々を追いかける『それ』とは……おそらく、可視化された『第四の壁』! つまり、相手は概念そのもの!」
「概念そのものだって?」
「そうです! 此処は本の世界、そして今、我々は本の中の登場人物なのです。そして、おぞましい『それ』の正体はメタ要素の権化である『第四の壁』! おそらく、あれに触れたら我々はNPCに成り果てて、この本から出られなくなるという次第ですね!」
「そんなデタラメあってたまるか」
 キャサリンは思わず舌打ちをした。
「だったら、燃やせばいいだけだ。幸い、迷路のお陰でだいぶ距離を稼げた。出口も一つしかないから、そこへ向けてノールックで最大火力の火炎弾を打ち込む」
 エレメンタルロッドを振り回したキャサリンが、自身の周囲に火炎弾を生成しようとしたその時だった。
「ちょっと待って下さい! このバイクには車体後部に爆弾が搭載されているんです!」
「待て、危うく引火するところだっただろうが」
「ええ! 巻き添えにならなくてホッとしてますよ! でも、此処は私に任せてくれませんか? この爆弾、実は時限爆弾ですが、私にもいつ爆破するかわからない仕組みになってましてね?」
「理解不能だ。何故そんな事を?」
 キャサリンの言葉に、大神は眼鏡の奥の瞳をギラリッと輝かせた。
「ただ逃げるだけなんていう地味な絵面なんて、面白味のない展開で良かろうか、いやあるまい! いつ爆発するかは私にも分かりませんが、爆ぜれば後ろの『第四の壁』の侵攻を遅らせる事ができるかも? それに、私も前に飛ぶから距離は稼げるでしょう! ということで、フハハハハ! 爆破されたくなければ先を走るがいい!」
 急に裏切り者キャラ口調でキャサリンを先行させようと促す大神。
 しかし、キャサリンは首を縦に振ろうとしなかった。
「駄目だ。俺が火炎弾を放ったら、後続の猟兵を吹き飛ばすことになるからな」
「だったら好都合! 私の身体を吹き飛ばして距離を前に稼ぐ絶好の時!」
 大神は【技能:芸人魂】を発動させ、この逃走劇を面白くしようと仕向ける。
 キャサリンは逡巡の後、ボソリと大神へ告げた。
「……爆発で死んでもオーガになるなよ?」
「HAHAHAHA! 埒外の猟兵がそう簡単に死ぬわけないじゃないですかやだー!」
「そうか、なら10数えたらぶっ放すからな?」
「そう言って3秒くらいでブッパしないでくださいね? 絶対ですよ?」
「判ってる……」
 キャサリンは猛ダッシュで大神の先頭へと抜き去り、ノールックで火炎弾を生成し始めた。
 だが不安そうに大神が尋ねてきた。
「絶対、10数えてから撃ってくださいね!?」
「大丈夫だ、俺を信用しろ……」
「不意打ちとか勘弁ですよっ?」
「しつこいな、ちゃんと数えれば良いんだろ? ほら、いーち……」
「って、撃ってくださいよ!」
 大神は盛大にツッコミを入れた。
「丁寧に前フリしたからには撃ってくださいってば! こっちはめっちゃ身構えてたのに! 真面目か!」
「なんだ? そんなに自爆したいのか。なら望み通り、そのまま爆ぜろ」
 苛立つキャサリンは振り返りもせずに火炎弾を乱暴に後方へ放り投げる!
 その火炎弾は空中で分裂し、弾幕となって大神とその背後の『それ』へ降り注ぐ!
 炎がバイクに引火、時限爆弾は爆発、大炎上!
 その衝撃で『それ』の侵攻が一瞬だけ遅くなったのをキャサリンは感じ取った。
 一方、大神はというと?
「♪グリーングリーン アリラビに ラララ バイクが燃える~!」
 大神は鼻歌交じりに爆発したバイクと共に前方へ吹っ飛ばされ、そのまま星に……なりはしなかったが、大幅に『それ』との距離を引き離したのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

泉・火華流
OPの話を聞いて
そういう依頼なら私に任せて♪←体を動かすのが好きな子
(しっかり準備運動してからゲートへGO)

行動
レガリアス・エアシューズの機動力と走破性で突破を試みる【ダッシュ】
戦闘でも基本、足を止めない子、突然の障害・妨害に対しても警戒、素早く【早業】対応

障害などあっても【第六感・野生の勘】で感知し【ジャンプ・スライディング】などで回避
もしくは『射砲撃・重火器系装備』で破壊して突破【制圧射撃・爆/砲撃】

水上でも【水上歩行+ダッシュ】の『水上ダッシュ』で走破

ロープが必要な場面では『グラビティ・アンカーチェーン』【ロープワーク】を使用


途中でへばっている住民達は指定UCを使用して回収&治療・回復?


フェリシア・スヴァン
【POW】で判定

「はわぁ~、聞いていた以上に慌ただしいですね~」

方針はシンプル、矢印に添ってひたすらダッシュ。
(フォームは可愛らしい女の子走りの割りに早いです)

飛び越えられない障害物は手にしたメイスで粉砕、
薄い壁は【オーラ防御】を使いつつ体当たりで粉砕、
とりあえず飛んでくるものは【ジャッジメントクルセイド】で粉砕、
多少のダメージは無視し、見た目の雰囲気とは真逆のゴリ押しで突破していきます。


住民を見つけたらもちろん救助。
駆け抜けざまに掴んで小脇に抱えます。

「大丈夫~、ですよ~。ちゃんとつかまっていて~くださいね~」

※他の参加者との絡み、連携OKです。口調は終始間延びしています。



 本の世界に転送された猟兵達。
 彼らは気が付けば、鬱蒼とした森の中を疾走していた。
「グリモア猟兵から話を聴いた時から、面白そうって思ってたんだよね。そういう依頼なら私に任せて♪」
 泉・火華流(人間のガジェッティア・f11305)は既に30分以上走り続けている。
「転送する直前まで、入念に体をほぐしておいて正解だったね」
 元々、身体を動かすのが大好きな泉にとって、延々と走り続けるこの任務はうってつけの内容だった。
 とはいえ、彼女の足元にはレガリアス・エアシューズが装着されており、空気の力で両足に掛かる負担を最大限に軽減しているため、疲労感はほぼない。
「はわぁ~、聞いていた以上に慌ただしいですね~」
 その横を、いわゆる女の子走りで爆走するオラトリオの少女。
 フェリシア・スヴァン(白鳥のように・f19171)は金色の髪をなびかせながら、泉に並走していた。めちゃくちゃ猛ダッシュしているけど、フェリシア特有のほんわかな間延びした口調は崩れることはない。
「次の矢印は~右ですね~? 段々と障害物が多くなってきましたね~」
「後ろから迫ってくる『ナニカ』も相変わらず私達を狙ってるみたい。フェリシアちゃん、転ばないようにね?」
「御心配掛けてくださり、ありがとうございます~」
 とにかく矢印の方角へひたすら2人は走り続ける。
 その背後に迫る『ナニカ』から逃げ続けなければ、本能的に外の世界へ帰れないと理解しているからだ。
 そうしているうちに、空に浮かぶページ数が『50』に到達した。
 周囲の森は、もはやジャングルになっていた。
「すごい、ジャングルクルーズだね♪」
「さっきよりも~障害物が多いですね~。仕方ありません~。ここはちょっと~荒っぽく参りましょうか~」
 フェリシアは愛用の白いメイスを振り上げると、目の前を塞ぐ倒木へ向かってフルスイング!
 猟兵活動の経験の浅いフェリシアだが、その膂力は常人よりも強力だ。
 当然、メイスが直撃した倒木が粉々に破砕された!
「フェリシアさん、やるね! 私も派手に強行突破しちゃおうかな?」
 泉はガジェットを呼び出すと、随伴式 FlyingBeamCannon――装備者の周囲を飛行し、その者の声や意思で攻撃可能なビームキャノンを先行させる。
 そして、泉の手にも小型改良型蒸気ガトリングガン『ハイスチームミニガン』が携行されている。
 それらの銃口を、鬱蒼と茂る密林へ向けた次の瞬間!
「道を切り開くよ! 一斉掃射ー!」
 マズルフラッシュと光線の束がジャングルで光瞬く!
 木々はなぎ倒され、吹っ飛ばされ、道なき道を開拓して突き進んでゆく!
「邪魔な倒木は~えいっですよ~」
 フェリシアの方へ倒れる巨木は、指先一つから放たれた『ジャッジメント・クルセイド』の天からの光で消滅させてしまう。
 絡み合う蔦や枝は、自身のオーラ障壁を盾にしてタックル!
「忙しいですけど~ストレス発散には丁度いいですね~」
 彼女の可憐で淑女然とした見た目と違い、フェリシアの突破方法は、野性味溢れた脳筋ゴリラスタイルであった。
 一方の泉は、がチェットを駆使しながらのテクニカル走法。
 木々の間をスライディングで潜り抜け、ジャンプで飛び越え、直感で地形の窪みや隆起などの危険を察知することで、常に全速力を保っていた。
「大きな川だって、このレガリアス・エアシューズがあれば渡れるよ!」
 空気の力で浮かび上がった泉は、濁流の大河をスイスイ横切ってゆく。
 その上で、フェリシアがターザンめいたロープアクションで大河を大ジャンプ!
「あ~ああ~ですよ~」
 これも泉のガジェットのひとつ『グラビティ・アンカーチェーン』で作った振り子である。
 2人は協力しあって密林を無事に突破すると、今度は不思議な建物が立ち並ぶ村々へ辿り着く。そこには、疲弊して足を止めてしまった不思議の国の住人達が多数存在した。
「うわぁ! 『あれ』が近付いてくるぞ!」
「でも、もう、走れないよ……!」
 住民達が諦めかけたその時、泉がすかさずユーベルコードを発動させた。
「おまたせ! 火華流の特別野戦病院(ヒカル・スペシャルフィールドホスピタル)だよ! 私の特製ヒーリングベットとナースボット達が優しく治療してくれるよ♪」
 泉は小さな転送用ガジェットを住民達に触れさせ、どんどん転送させることで回収してゆく。
「転送先は安全な治療スペースが待ってるよ♪ 本の世界から脱出できるまで、そこで待ってて!」
 住民達をまるで掃除機のように吸い込んでゆく泉。
 転送先では、機能回復設備の整ったメディカルベッドとナースボット達が放つ体力回復ビームが待っていることだろう。
 フェリシアもまた住民の救出に余念がない。
「大丈夫~、ですよ~。ちゃんとつかまっていて~くださいね~」
 すれ違いざま、住人達を小脇に抱えながら猛ダッシュ!
 そしてそのまま泉へシュートォッ!
 泉は転送用ガジェットで投げ付けられた住民達を吸い込んでゴールッ!
 超! エキサイティンッ!
 だがこの方法が割と効率がいいと気が付いた2人は、住民達を容赦なくシューッ!
 結果、誰一人として欠けることなく、住民達の救助に成功した2人は、引き続き背後に迫る『ナニカ』から逃げつつ、太陽の矢印に従って走り続ける。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

夢ヶ枝・るこる
■方針
・【POW】使用
・アド/絡◎

■行動
また、何とも大変な状況ですねぇ。
頑張ってみましょうかぁ。

『FSS』を四肢に嵌め飛行、そのまま移動しますねぇ。
元々それなりの速度は有ることに加え、障害物を気にしないで良い分、走るよりは確実に速く、体力の消耗も抑えられますぅ。

そして【愛柔園】を使用、馬さんやチーターさん等の、沢山の『もふもふした足の速い動物』を召喚し、ついて来ていただきましょうかぁ。
私自身は空中を飛行しながら『上』から『愉快な仲間』の皆さんを捜索、発見した方々は『動物さん』達に拾い上げてもらい救助、そのまま乗せて来ていただきますねぇ。

動物さんの背中で休めば、多少は体力も回復するでしょうかぁ?


ティオレンシア・シーディア
※アドリブ掛け合い絡み大歓迎

猟書家(ビブリオマニア)ねぇ…またよくわかんないのが出てきたわねぇ。
話聞く限り本の中に何かを閉じ込める能力っぽいけど…ま、今は考えても仕方ないか。

ページがどれだけあるのかもわからないし、単純に走って逃げるのは勘弁ねぇ。後々ヘロヘロになったんじゃ話にならないし、さすがに本の中で人生終えたくはないもの。ミッドナイトレースに○騎乗して〇逃げ足全開で突っ走るわぁ。この子のスピードなら止まらない限りそうそう追いつかれはしないでしょ。
ついでにへばった住人さんたちも見つけ次第〇怪力で引っ掴むなりして回収しましょうか。見捨てるのも寝覚め良くないしねぇ。



 本の世界の中の逃走劇はまだまだ終わらない。
 夢ヶ枝・るこる(豊饒の使徒・夢・f10980)とティオレンシア・シーディア(イエロー・パロット・f04145)もまた、終わりの見えない逃走劇の『登場人物』だ。
「また、何とも大変な状況ですねぇ。頑張ってみましょうかぁ」
 夢ヶ枝は四肢に、浮遊する12枚のビーム戦輪であるFBS(フローティングブレイドシステム)を嵌めており、その浮力で彼女は飛行していた。
「目の前の障害物など気にせず突き進みましょうかぁ」
 戦輪のビーム刃が、目の前を塞ぐ木々の枝だろうが岩だろうが何らかのモニュメントだろうが、一切無関係にスパスパ斬り捨てて道を切り開く!
 その後ろを追走してゆくティオレンシアは、いまや相棒のひとつとも言うべきバイク型UFO『ミッドナイトレース』に跨って、此方も飛翔していた。
「ページがどれだけあるのかもわからないし、単純に走って逃げるのは勘弁ねぇ。後々ヘロヘロになったんじゃ話にならないし、さすがに本の中で人生終えたくはないもの。この子に跨って全速力で突っ走って逃げるわぁ」
 夢ヶ枝とティオレンシアは、互いに飛翔することで効率のいい逃走方法を実行した。これにより、両者の体力消費は大幅にカット。しかも速度が乗るので、他の猟兵達と違い、住民達の救出に十分な時間が稼げた。
「お、おーいっ! お願いだぁ、オラを乗せてくれぇ……!」
「もう走れないわ……!」
 へばってる住民達を発見した2人は、すぐさま救助活動を開始。
「大いなる豊饒の女神の使徒の名に於いて、女神の加護を得し愛らしきもの達よ、私の元へ」
 夢ヶ枝はユーベルコード『豊乳女神の加護・愛柔園(モフモフノラクエン)』を発動させた。
 すると、何処からともなく馬やチーター、オオカミ、そして大量のヌーの群れなど総勢84体が駆け付けてきてくれた。
「皆さん、住人達を背中に乗せてあげてくださいねぇ? あ、馬さん、左前方に2名追加ですぅ」
 夢ヶ枝は上空から俯瞰する事で、より住民達を発見しやすくなるように動物達へ指示を出しまくっている。
 ティオレンシアも、すれ違いざまにバイク型UFOへ住民達を怪力で引っ掴んでゆく。
「見捨てるのも寝覚め良くないしねぇ? そうそう、猟書家(ビブリオマニア)ねぇ……またよくわかんないのが出てきたわねぇ。話聞く限り本の中に何かを閉じ込める能力っぽいけど……?」
「そ、そうなんだよ! 黒尽くめの妙な男女2人組だった! 本を開いた途端、ぎゅぅぅぅーんっって吸い込まれて!」
 ティオレンシアは住人の言葉に、細い目を更に細めてしまう。
「はぁ……一体、何が目的でこんな事をしているのかしらぁ? ま、今は考えても仕方ないか。しっかり掴まってて。飛ばすわよぉ?」
 突然、マシンが障害物を飛び越える!
 これは、ユーベルコードだ!
「元々は死角から狙撃するための禁殺(ビシージ)を、こんな使い方するなんてね?」
 だが、多段ジャンプのお陰で、入り組んだ枝葉や細い道も、楽々と障害物ごと空へ逃げられるため、トップスピードを保ったまま彼女は闘争を続けることが出来る。
 2人は太陽の矢印の通りに突き進んでゆくと、ちょうど、空に浮かんでいるページ数が『100』を超えたのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 集団戦 『四つ葉の使者』

POW   :    ぐちゃぐちゃにすれば食べやすいものね?
【クローバーの魔法陣から放つ魔力の矢】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD   :    あなたも素敵な四つ葉になりたいでしょう?
対象への質問と共に、【クローバーの魔法陣】から【白詰草で出来た犬型の怪物】を召喚する。満足な答えを得るまで、白詰草で出来た犬型の怪物は対象を【牙による噛み付きや体当たり】で攻撃する。
WIZ   :    綺麗でしょ、あなたもこの一部になるのよ!
自身からレベルm半径内の無機物を【四つ葉のクローバーと白詰草の嵐】に変換し、操作する。解除すると無機物は元に戻る。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 未だに逃走し続ける猟兵達は、ある異変に気が付く。
 ページが『100』を超えた途端、周囲からオーガが湧き出してきたのだ。
 上空には『戦闘番地』と書かれた表示が出現した事と関係があるようだ。
 そして、ある個体は目の前を塞ぎ、ある個体は猟兵達に幅寄せする。
「四葉のクローバーは幸せの象徴!」
「アリスも愉快な仲間達も、みんなぐちゃぐちゃにして食べちゃう!」
「そうすれば、あなたもこの一部になるのよ!」
「あなたも素敵な四つ葉になりたいでしょう?」
「だったら、逃げないで!」
「おとなしくわたし達に食べられちゃいなさい!」
 どうやら、この四葉を生やしたオーガ達は、今までこの本の世界にやってきた者達を喰らい、自分達の仲間へと作り変えてきたようだ。
 しかも、このオーガ達は救助した住民達を優先して狙ってくるようだ。
 猟兵達は彼らを守り抜きつつ、襲ってくるオーガ達を、様々なページを渡りながら撃退していなねばならない。
 幸い、『戦闘番地』によって地形が変わるようだ。
 猟兵達は、自分の有利な地形で反撃してもいいし、このまま敵を殲滅してもいい。
キャサリン・エンスレイヴ
「いま何つった? 食うっつったか固羅?」
(かーらーのー!)
「「串刺して引き裂いて引き毟って、吊るして晒して吸ってやらァッ!」」

 戦闘中はリミッター解除と限界突破を併用し、敵へと肉薄する。
「誰かに負けるのはいい。けど、オブリビオンには負けられない!」
撲殺できる硬度のバケットを高速詠唱したUCで召喚、除霊+浄化+破魔+神罰に2回攻撃を付与して先制攻撃で様子見。
戦況が芳しくなかったら、先の攻撃に範囲攻撃+継続ダメージ+全力魔法も追加して2回目の攻撃。
「勘違いしていたっ!
俺のパン製ってのはパンを作ることじゃない、自分の心を形にすることだったんだ!」
全力魔法で心象風景を具現化し、全力で戦闘を継続する。


忠克・慎也(サポート)
一人称は俺、二人称はアンタ、多人称は皆
黒スーツ姿がデフォルト、対人関係も常識ある方だと思うが、
メイン武器の大挟、サブ武器の拳銃やワイヤー、グレネート弾を懐に潜ませている、暗殺者みたいなものだ
猟兵になる前の記憶がないが、ロクなことはしていないだろう

普段はのんびり飴玉を嗜むこともあるが、
戦闘中は命のやり取りを一番に楽しみたいので、封印だ
仕事とそうでない時は、はっきり分けたいからな

前に出るよりもサポートを好んでいる
複数相手には『不浄の猟牙』強力な敵には『閃葬の魔眼』を
状況に応じて『獣狩りの銃声』『咎人の牢晶』『業喰いの弾丸』でアシストしたい

アドリブOK、成功のためなら多少の負傷は厭わない、
宜しく頼む



 突然現れたオーガ達――四つ葉の使者達の言い放った台詞に、キャサリン・エンスレイヴ(ウィザード・f01442)が眉間にシワ寄せてガンを飛ばす。
「あ? いま何つった? 俺を食うっつったかコラ?」
 ものすごい剣幕で四つ葉の使者達へ中指を立てると、キャサリンが怒号をがなり散らした。
「テメッコラァッ! 串刺して引き裂いて引き毟って、吊るして晒して吸ってやらァッ!」
 猛ダッシュで使者の一人に肉薄しつつ、彼女は呪文を唱える。
「――I am the bone of my bread(身体はパンで出来ている)」
 キャサリンの周囲に魔法陣が展開されると、その中から何かが出てきた。
 あれは……バゲット!?
「――So as I pray,"Unlimited bread works"(その体は、きっとパンで出来ていた)」
 先んじて詠唱を終えたキャサリンの周囲を幾何学模様で高速飛来する700本のバゲット!
「しかも美味しい粒あん入りだ。文字通り『喰らっとけ』、オブリビオン」
「違うよ! 食べるのは私達で、あなたが食べられるの!」
 使者達は自身の周囲を四つ葉のクローバーと白詰草の嵐で巻き上げる!
 だが嵐に出来るのは無機質であり、パンは有機物なので変化しない!
 故に、四つ葉のクローバーと白詰草の嵐の中をバゲット(粒あんIN)が飛び交う!
 焼き立てのバゲットに挟まれた粒あんから甘美な香りが漂えば、魚雷めいた凶悪な速度で使者達の口の中へ容赦なく突き刺さる!
 むしろ口だけではなく腹部や胸部や頭部等へ次々と突き刺さり、たちまちハリネズミ状態の使者達の死体が転がり、後ろの『ナニカ』へと飲み込まれてゆく。
「一口食べれば邪気も祓われ、二口食べればあまりの旨さに天罰級のダメージが入る程のバゲットだ。ただ、生物の体を簡単に貫くほどの硬度を誇るので、当たりどころが悪ければ死ぬ」
 自身の魔力の限界値をオーバフローさせながら、暴走機関車めいて突っ走ってゆくキャサリン。
 そこへ、救援で駆け付けた猟兵が合流してきた。
「何なんだこの世界は……?」
 戸惑う忠克・慎也(うつつを彷徨う猟犬・f21505)は必死に走りながら、背後から迫る『ナニカ』から逃げまくっている。
「とにかく、邪魔なオーガを殺せばいいのか?」
「そうだとも。今すぐに数を減らしてくれ」
「了解した」
 忠克は一瞬、口元を緩ませた。
「背後からは得体の知れない『ナニカ』が追っかけてきて、それを邪魔するオーガ共に命を狙われるこの状況……なるほどな? コイツはマジでヤバい状況だな」
 戦闘中は命のやり取りを楽しむ事を念頭に置いている忠克にとって、この状況は願ったり叶ったりである。
 そこへ死者たちが彼に問い掛けてくる。
「あなたも素敵な四つ葉になりたいでしょう?」
 次の瞬間、クローバーの魔法陣の中から白詰草で出来た犬型の怪物が飛び出してくる!
「BOW WOW!」
「GRRRRRRR!」
 召喚された白詰草の犬型怪物の群れがキャサリンと忠克を次第に取り囲んでゆく。
 だが、包囲を完成される前に忠克がユーベルコードで対抗する。
「喰い尽くせ。『不浄の猟牙(パラライズ・ファング)』……!」
 忠克の手の中に握られている刃渡り40cmのシンプルな大鋏『Guilty hound』がの影が次第に重なり、増殖してゆく!
「ユーベルコードでこの大鋏を複製した。複製した大鋏は俺の念力で全てばらばらに自由自在に操作できる。そのワン公が白詰草だって言うなら、刃物である鋏で残さず刈り取ってやる」
 複製された39個の大鋏が、まるで燕の如く宙を飛び回れば、飛び掛かってくる犬型怪物をザクザクと切り刻んで裁断してしまう!
 まさに大鋏が怪物を喰むように刃を入れてゆき、あっと今にその群れを細切れにしてゆくのだった。
「ああ、そういや、アンタ達の質問に答えてなかったな?」
 怪物を召喚した使者達へ、9mmパラベラム弾仕様の自動拳銃である『SSP226』の銃口を向けて答えた。
「悪いが、四つ葉になるなんざ、まっぴら御免だな! くたばれ!」
 銃声とマズルフラッシュが立て続けに発生!
 頭部を撃ち抜かれた使者達が膝から崩れ落ちるのを横目で見遣りつつ、忠克はキャサリンへ叫んだ。
「此処は俺が抑える。アンタはその隙に先を急げ」
「ありがたい、そうさせてもらおう。オラどけ! 誰かに負けるのはいい。けど、オブリビオンには負けられない!」
 700本のバゲットを飛来させながら敵を刺殺してゆくキャサリン。
 だが、彼女はハッと何かを思い出して叫んだ。
「勘違いしていたっ! 俺の『無限のパン製(アンリミテッドブレッドワークス)』ってのはパンを作ることじゃない、自分の心を形にすることだったんだ!」
 そして本来のユーベルコードの効果を発現させると、周囲の世界がたちまち一変!
 本の世界をキャサリンの心象世界が塗りつぶしてゆく……!
 すると、突如として無数のパン窯が出現し、その中から焼き上がるバゲットが飛び出し、追尾ミサイルが如く敵の急所へ突き刺さる!
「言っただろ? 串刺して引き裂いて引き毟って、吊るして晒して吸ってやるってなァッ!?」
 飛来したバゲットをキャッチしたキャサリンは、フルスイングで使者の頭を殴打して粉砕したあと、その胴体を踏み越えて更に先を走り抜いてゆく。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

夢ヶ枝・るこる
■方針
・アド/絡◎

■行動
おや、おいでになりましたかぁ。
それでは、対処しつつ進みますねぇ。

【銀翼袍】を使用して『飛行』を其方に切替えつつ、戦場の敵全体に『崩壊の波動』を放射しますぅ。
ダメージを与えつつ『軽度の認識阻害』が可能ですから、この状態で『高速で上空を飛ぶ相手』に当てるのは難しいでしょう。
『命中重視や手数』等で当たりそうになったものは『FSS』で防御、相手の多い場所に『FRS』による[砲撃]&[範囲攻撃]を放ち一気に叩きますぅ。

『愉快な仲間』の皆さんは【愛柔園】が維持可能ならそのまま、維持が難しくても、騎乗している間休めていれば或る程度走れるでしょう。
『FBS』は彼らの護衛に回しますねぇ。


フェリシア・スヴァン
引き続きダッシュ継続しつつメイスで戦闘。

「あわわぁ~、私は~、四つ葉よりも~、
もっとこう~、ぱわふるな姿~に~なりたいのです~~」

有利地形になるまでは【武器受け】で相手の攻撃を
止めつつ、【気絶攻撃】でカウンターを仕掛け、
倒すよりも突破することを優先。

容赦なく頭狙ってる?だって脳筋だもの。
住民が危なくなったら安全圏にブン投げてる?だって脳筋だもの。

高低差のある地形に出たら反撃開始。
高い所から鈴蘭の嵐で攻撃しつつ、
近場の相手にフライング顔面ニーキック!!
か~ら~の~、助走付きラリアットー!!

「とぉ~ぅ~~」と気の抜けた声と共に
外見詐欺アタックを繰り出します。

他に参加された方との会話・連携歓迎です。


大神・狼煙
タランテラセット、ファイア!!

開幕早々焼夷弾をばら撒き、白詰草を焼く

呼び出された化物とて、所詮は植物

ならば焼ける、そんな気がする

焼夷弾の特性は消えない炎だからね、擦りでもすれば後は焼け落ちるのみ

こちとら走るのに忙しいんだよお前らなんかに構ってられるか分かるかこのシリアスな空気が生命力とかそういう話じゃなくてこの機械蜘蛛手当たり次第に焼くからたとえ私が倒れようとも止まらないが私まで焼かれぐぁあああ!?

無差別焼夷弾が、UCの使い手を襲う!

逆に考えるんだ燃え盛る今なら敵だって怖くないしむしろ敵に抱きつきに行くのも間違ってない気がす……いやダメだわこれめっさ熱い!?

後は!貴様が!!笑いを取れ!!


ティオレンシア・シーディア
※アドリブ掛け合い絡み大歓迎

ただでさえ後ろから壁が迫ってきてるってのに、邪魔しないでほしいわねぇ…
まあ、言うだけ無駄なんでしょうけど。

満足する答えって、本気で「四つ葉になりたい」って答えなきゃいけないんでしょぉ?…うん、無理。召喚されたのをどうにかするほうがまだ現実的ねぇ。
引き続きミッドナイトレースに○騎乗しつつカノ(炎)とエオロー(結界)で炎熱の〇オーラ防御を展開。全速で突っ走りつつ片っ端から〇射殺で撃ち抜いてくわぁ。植物でできてるんだし、火には弱いわよねぇ?
弾丸に刻むのは不動明王印。破邪顕正の炎で出てくる先から〇焼却しちゃいましょ。



 猟兵達は次第に合流してゆき、道も一本に収束してゆく。
 集まったのは4人の猟兵達。
「おや、おいでになりましたかぁ。それでは、対処しつつ進みますねぇ」
 夢ヶ枝・るこる(豊饒の使徒・夢・f10980)はユーベルコード『豊乳女神の加護・銀翼袍(チチガミサマノカゴ・ギンヨクノショウゾク)』を発動!
 女神の衣を纏った彼女はマッハ8.4で空を駆け、周囲のオーガ達へ、弱い認識阻害を伴う、強力な『崩壊の波動』を放って蹴散らしてゆく!
 認識阻害のバッドステータスを与えられた白詰草の使者達は、魔法の矢を射ろうにも音速を超える速度で通過してゆく夢ヶ枝を捉えることが出来ない。
 更に『愛柔園』も同時継続しているので、後続から無敵の可愛さを誇る馬やチーターやオオカミ、そして大量のヌーの群れが、その背に不思議な国の住人達を乗せてヒャッハーッ!
「待って待ってそんなモッフモフな群れで押し寄せないでゲフゥッ!?」
 蹂躙される使者達が轢殺されてゆく様は、意外とエグい光景であった。
「はわ~。動物さん達~、カワイイですねぇ~?」
 フェリシア・スヴァン(白鳥のように・f19171)はちゃっかり馬に跨って足を休めていた。
 そんな彼女へ、使者達が問い掛ける。
「綺麗でしょ、あなたもこの一部になるのよ!」
「あわわぁ~、私は~、四つ葉よりも~、もっとこう~、ぱわふるな姿~に~なりたいのです~~」
 放たれた四つ葉のクローバーと白詰草の嵐を、手にしたメイスを振り回すことで打ち払ってゆくフェリシア。
 動物達へのダメージ蓄積を最小限に留めるため、フェリシアが取った行動は……。
「邪魔を~しないでくださぃ~」
 馬の背から飛び上がり、追ってきた使者の頭をメイスで粉砕!
 気絶して昏倒する使者を、夢ヶ枝の放つ『崩壊の波動』が襲う。
 無意識のコンボ連携で上手く妨害を突破してゆく2人。
「えぇ~い」
 ブンッと力強くメイスを振る風切り音!
 次の瞬間、メギッと頭骨が砕ける音が戦場に響く!
 先程から執拗に頭部をカチ割っている気がするが、フェリシアが脳筋なので仕方がないのだ。
 そんなフェリシアの背後から、猛烈な熱波が押し寄せてきた。
「転移門解放……転送。タランテラ、セット! 蜂の巣ならぬ蜘蛛の巣だ、ファイア!! 質問に答える義理はねェーッ!!!」
 問答無用で使者達を燃やしてゆくのは大神・狼煙(コーヒー味・f06108)!
 召喚した機械蜘蛛から焼夷弾をばら撒き、先行する夢ヶ枝とフェリシアを猛烈に追い上げてくる!
「呼び出された化物とて、所詮は植物! ならば燃える! いや燃えろォッ! 焼夷弾は擦りでもすれば後は焼け落ちるのみ! その特性は消えない炎だからね!」
 火の玉と化して機械蜘蛛がカサカサ疾走する姿は、正直言ってちょっと生理的に苦手な猟兵もいるのではないかと危惧するほどの迫力がある。
「……UDCアースで、こういう虫が大地を疾走する古いアニメ映画があったような気がするわぁ」
 ティオレンシア・シーディア(イエロー・パロット・f04145)は巻き添えにならないように、バイク型UFO『ミッドナイトレース』で上空を飛行していた。
「あなたも素敵な四つ葉になりたいでしょう?って……。満足する答えって、本気で「四つ葉になりたい」って答えなきゃいけないんでしょぉ? ……うん、無理」
 愛銃オブシディアンに込める弾丸に不動明王印を刻みながら、カノ(炎)とエオロー(結界)のルーン文字で炎熱のオーラ障壁を展開。
 迫りくる白詰草で出来た犬型怪物とともに、召喚者である使者達を焼き焦がしてゆく。
「ただでさえ後ろから壁が迫ってきてるってのに、邪魔しないでほしいわねぇ……。まあ、言うだけ無駄なんでしょうけど。召喚されたのをどうにかするほうがまだ現実的ねぇ」
 弾倉をジャッと回転させた後、撃鉄に指を掛けるティオレンシア。
「あたしの前に立ったんだもの。逃げられるわけないでしょぉ?」
 ティオレンシアのユーベルコード『射殺(クー・デ・グラ)』!
 ガンナーである彼女の代名詞のひとつであるユーベルコードは、容赦なく上空から使者達の急所を狙い撃ちぬいてゆく。
「植物でできてるんだし、火には弱いわよねぇ? 破邪顕正の炎で出てくる先から焼却しちゃいましょ」
 銃弾が打ち込まれるたびに使者達の身体が瞬時に炎に包まれる!
 そして死体蹴りめいて、大神の機械蜘蛛が焼夷弾で辺り一面を焦土へと変えてゆく!
「ヒャッハーッ! どうせ本の中の世界だし現実世界に影響ないなら全て灰になりやがれー!」
 目を血走らせながら無差別爆撃を行う!
「さあ、森へおかえり……? ただし森ごと焼いちまうがなァ?」
 どっちが悪者なんだオイィィ!?
「こちとら走るのに忙しいんだよお前らなんかに構ってられるか分かるかこのシリアスな空気が生命力とかそういう話じゃなくてこの機械蜘蛛手当たり次第に焼くからたとえ私が倒れようとも止まらないが私まで焼かれぐぁあああ!?」
 ナムサン!
 狼煙=サンの身体に無情にも無差別爆撃で放たれた焼夷弾の炎が引火する!
 無差別焼夷弾が、ユーベルコードの使用者を無慈悲に襲う!
 だが狼煙=サンは炎に包まれながらも冷静であった。
 その表情は悟りきったブッダめいて平穏そのものだった。
「逆に考えるんだ燃え盛る今なら敵だって怖くないしむしろ敵に抱きつきに行くのも間違ってない!」
 ということで狼煙=サンは接近してきた使者の一人へダイブからの抱擁!
 欲望が任務を忘れさせ、彼は暴走してしまう!
「キャッホオォゥゥーッ! 自然派金髪美少女ゲットだぜー!っていやダメだわこれめっさ熱いぃぃぃ!?」
「きゃあああァァーッ! 痴漢に羽交い締めにされながら焼け死ぬなんて嫌ぁああっ!?」
「人聞き悪い事言うんじゃねーですよ!?」
 しかし使者の言葉の通りなので仕方がない。仕方がないのだ。
 その時、狼煙=サンに電流が走る……っ!
「ハッ! 猟兵はそう簡単に死なないはず……つまり私が炎に包まれている間は無敵! この状態の私が美少女使者に抱きついても、それはセクハラではなく立派な攻撃ですよね!」
 機械蜘蛛の爆撃で犬型怪物を蹴散らしつつ、自身は燃えながら使者たちに抱きついて燃やすという非道な行いを彼は実践してゆく!
「さあ! 私と一緒に熱く燃え上がりましょう! 文字通りの意味ですけど!」
「なにコイツ……オーガより怖い……ぴえんぴえん」
 使者達が泣きながら逆に逃げてゆく!
 ある意味、大神はこの瞬間、真の意味で無敵状態になった。
「仲間のほうが恐ろしいなんてぇ……」
 夢ヶ枝は浮遊する自身の砲撃兵装で敵を爆撃して血路を開いていたが、大神の御乱心にドン引きだ。
「……一発だけなら誤射よねぇ?」
 ティオレンシアも拳銃を握る手が震える。
 ただひとり、フェリシアだけがマイペースにメイスをブンブン振って黙々と体を殲滅していた。
 と、その時、敵の攻撃が住人達を狙い撃ちしてきた!
「危ないですぅ~~」
 彼女はむんずと住人達を素手で掴むと、夢ヶ枝がいる前方へ全力で投擲!
 何たるパワフル脳筋ゴリラガールアクション!
「ちょ~っと~、オイタが過ぎますね~?」
 フェリシアは全力で跳躍すると、ティオレンシアのUFOを足場にして二段ジャンプ!
 からの!
「とぉ~ぅ~~」
 気の抜けた声と共に、高所から鈴蘭の嵐で使者達をなぎ倒しつつ、大神へフライング顔面ニーキック!!
「あべしッ!?」
 大神は自身の顔面よりもメガネを死守!
 更に、大神の顔面を足場にしてフェリシアは再跳躍!
「せ~やぁ~~」
 使者達をフライングボディプレス!
 起き上がって猛ダッシュからの助走付きラリアットーッ!
 外見詐欺のプロレス技の猛攻で使者達が蹴散らされた時、戦闘番地の数値がが大きく変動したのを猟兵達は確認したのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

泉・火華流
戦闘
レガリアス・エアシューズは標準仕様

遠距離で姿が見えたらアームドフォートによる【先制攻撃・砲撃】で数を減らす

基本戦術は【ダッシュ】で接近や突破しながらの『ハイスチームミニガン』『FBC』での【制圧射撃】
身を隠しながら戦える場所ならば利用【

見通しの良い場所では指定UCを使用(装備は機銃は標準、副装備として半数は投下式爆弾【爆撃】・半数は翼下に【追跡+誘導弾】で、追尾機能(低)搭載のミサイル

接近戦でナイトメア・シザーズを持ち出して…
雑草は…刈り取らないとね…

逃げる四葉達に…
逃げるなっ!!…おとなしく私に刈り取られなさいっ!!


戦火に燃やされ…刈り取られる(平和の象徴)四葉…どっちがオーガだよ…



「数が多い上にしつこいね……っ!!」
 泉・火華流(人間のガジェッティア・f11305)は次元格納式アームドフォートを腰部に固定し、砲弾を当たりにぶっ放しながらレガリアス・エアシューズで敵中を突破してゆく。
「ちょっとどいてっ!」
 随伴式 FlyingBeamCannonで血路を切り開き、接近してきた使者達が四つ葉のクローバーと白詰草の嵐を撒き散らす前にハイスチームミニガンの連射で風穴を開けまくっていった。
「遠慮しないで! おとなしく食べられて、私達の一部になっちゃえ!」
「それはお断りだよっ!」
 拒絶の意思と共に放つは、必殺のユーベルコード『Shark小型戦闘機隊・テイクオフ』!
「次元格納庫オープン……Shark小型戦闘機隊、各機出撃準備整い次第、次元滑走路より出撃お願いね♪」
 バックパックの口に連結している次元格納庫からスクランブル発進する370機のShark小型戦闘機隊が、本の世界の空を縦横無尽に飛び交い始める!
 装備は機銃は標準、副装備として半数は投下式爆弾を搭載。もう半数は翼下にで、追尾機能搭載のミサイルを搭載している完全武装ぶり。
「いっけー! 跡形もなく吹き飛ばしちゃえ!」
 機銃の弾幕と爆弾と追尾ミサイルの爆撃が、使者達を一瞬で灰に変えていってしまう。
 それでも執拗に襲ってくる残りの使者達は、近接戦闘で相手取る。
「いくよ、ナイトメア・シザーズで……雑草は……刈り取らないとね……」
 じゃっきんじゃっきんっと迫りくる使者達の首を刎ねては死体を飛び越え、どんどん先へ進んでゆく。
 次第に形勢不利だと悟った使者達は、猟兵達を避けるように逃走を開始。
 だがそれを用意に見逃す泉ではなかった。
「逃げるなっ!! ……おとなしく私に刈り取られなさいっ!!」
 大鋏の刃が煌めくたびに、使者達の身体がバラバラになって地面へ転がっていってしまう。
 そんな状況に、彼女はひとり陰鬱な表情で呟く。
「戦火に燃やされ……刈り取られる、平和の象徴たる四葉……。これ、どっちがオーガだよ……」
 だが反抗しなければ自分の生命が危ない。
 葛藤を抱えながらも、泉は他の猟兵たちとともに、戦闘番地を切り抜けてゆくのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​




第3章 ボス戦 『『時繋穴の番兎』クロノス』

POW   :    時絶ち鋏~タイムストップ・シザー~
【切断した物の時間を停止させる『時絶ち鋏』】が命中した対象を切断する。
SPD   :    時繋穴~タイムリープ・ホール~
【時間の流れが異なる『時繋穴』の出口 】を向けた対象に、【先制攻撃】でダメージを与える。命中率が高い。
WIZ   :    時経ち鋏~タイムパス・シザー~
命中した【時間経過を操作する『時経ち鋏』 】の【取っ手に絡みついたリボン】が【対象に複雑に絡みつく形状】に変形し、対象に突き刺さって抜けなくなる。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠幻武・極です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 戦闘番地が終わると、今度は如何にもボス戦といった雰囲気のページ数まで飛ばされた猟兵達。
「ごきげんよう。ここからは『時繋穴の番兎』クロノスがお相手しますわ」
 そう告げると、いきなり上空の矢印を逆走し、猟兵達を矢印とは別の方向へふっとばそうとするクロノス!
 だがこの奇襲は、猟兵達がとおさに回避することで失敗に終わった。
「あら、意外と素早いですのね? 矢印以外の方向へは進めない貴方達に、私の攻撃を完全に避け切ることが出来て?」
 本の世界の法則を無視して攻撃を仕掛けてくるクロノス!
 その攻撃をまともに受ければ、空に浮かぶ太陽の示す矢印とは別方向へ投げ飛ばされ、たちまち後ろから追いかけてくる『ナニカ』に飲まれて本の住人へと成り果ててしまうだろう!
 しかし、百戦錬磨の猟兵たちならば、わざわざ接近してくれる敵へカウンターを仕掛けることだって出来るはずだ。
 チャンスはそれぞれ1度きり。
 敵の攻撃をうまく利用し、返り討ちにしてやれば、この本の世界から脱出できるだろう。
 猟兵達は策を練りつつ、クロノスの後の先を狙うことにした!
キャサリン・エンスレイヴ
 基本、リミッター解除+限界突破+先制攻撃で行動。
 敵の攻撃は正面から迎え撃つ。
攻撃を僅差で体をずらしつつ鳩尾を肘打ち⇒曲げた腕を起こして、掌で顔面を掴み、同時に『すぱーん!』と足払いして後頭部を地面に強打させる。
直後UC使用。
「体はパンで出来ている」
高速詠唱+除霊+浄化+破魔+神罰+2回攻撃(1)のあんパンを範囲攻撃で複数投影して射出。
「血潮はパン生地、心はあんこ」
同じターンに同じ攻撃を2回攻撃(2)で行う。
「幾たびも頭を変えて不敗」
敵の顔から手を放し、頭すれすれの地面にUCを直撃⇒心象風景を展開。
「――――…その体は、きっと剣で出来ていた」
全力魔法で強化した心象風景のパンの弾幕で攻撃する。


夢ヶ枝・るこる
■方針
・アド/絡◎

■行動
『愉快な仲間』の皆さんではなく、此方に来てくれるのは有難いですねぇ。
対処を始めますぅ。

『FBS』での飛行に切替え、『FRS』『FSS』で牽制の[砲撃]を行いますねぇ。
この際は「当たれば幸運」として相手の『上下左右』を狙い『相手が攻撃に使えるルート』を限定しますぅ。
そして、牽制を終えた『FRS』『FSS』を『光の結界』へのエネルギー供給に回し【耀衣舞】による『光速の突撃』で[カウンター]を仕掛けますねぇ。
此方は『光速』、相手が『鋏』を閉じて斬撃を行うよりも前に吹き飛ばして通り抜けることも、角度を変え『鋏の刃と別方向』から仕掛けることも可能ですぅ。

それでは、失礼しますねぇ。


大神・狼煙
敵から接近してくるならやる事は一つ……装備全てを斬り捨ててひん剥いてやるぜぇ
(下衆顔)

流石に全裸は可愛そうだから下着姿で留めておく紳士力(物理)……

そもそもうまくいくか?

こちらには『斬るという過程』がない以上、必ず先に命中する上に、対象の強度を無視する

速い話、近づいてくる方が悪い

逆上して斬りかかってくるかもしれないが、言ったはずだ、装備全てを斬ると

鋏っていうか、双剣?の柄と刃の繋ぎを断ち、得物として使い物にならなくする

UCで復活されるかもしれないが、一瞬の隙で十分

目の前で隙を晒した敵に食らいつき、血を啜る

後は貧血起こして軸がブレれば他の猟兵が惨殺してくれるでしょう


後は任せた!(期待の眼差し)



 突如として出現したオーガ、その名も『時繋穴の番兎』クロノス。
 猟兵達は休まず足を止めることなく太陽の矢印に従って全力疾走中だが、クロノスは本の中の法則を無視して移動できるようだ。
 そして接近してきては、時間を操る大鋏で対象者へ干渉し、矢印と真逆方向へぶん投げようと仕掛けてくる。
「ああ、もう走るのは止めだ、止めだ!」
 猟兵の中でも先行するキャサリン・エンスレイヴ(ウィザード・f01442)は激昂した。
「訳の分からん存在に追いかけられるのはもうウンザリだし、そもそも矢印がなければ吹っ飛ばされても問題ないだろ? 俺にいい考えがある!」
 秘策を思い付いたキャサリンは魔力を練り上げ始める。
 クロノスはその企みを潰すべく、時経ち鋏を振り上げる!
「させませんわ! タイムパス・シザー!」
 振り下ろされた刃とともに、取手に絡みついたリボンがキャサリンの身体に吸い付いてきた。
 だが、キャサリンは後の先を狙って素早く刃を僅差で体をずらし回避、そのまま鳩尾を肘打ち!
「がはッ!」
 呻くクロノス、だがキャサリンの連撃は続く。
「オラ、ネンネの時間だコラッ!」
 肘打ちをかました腕でクロノスの顔を鷲掴みにして視界を奪った後、勢いよくその足をキャサリンは払い除けた!
「――っ!?」
 クロノスはそのまま顔を掴まれたまま、地面に後頭部を強打!
 脳が揺れる衝撃に、数瞬だけ身体の自由が失われた。
 その瞬間、キャサリンの魔力が本の中の世界を侵食し始めた。

「――I am the bone of my bread.(身体はパンで出来ている)」

 空中に出現した無数のあんパンが世界を覆い、クロノスへ隕石めいて衝突してくる!

「Bread dough is my body, and anko is my blood.(血潮はパン生地、心はあんこ)」

 高速詠唱で呪文が唱えられるたびに、汎ゆる魔を退ける神罰が籠められたあんパンが容赦なくクロノスの全身を殴打!

「I have created over a thousand head of bread.(幾たびも頭を変えて不敗)」

 クロノスの頭から手を放し、手にしたウィザードロッドの石突で敵の腹を打ち据え、そのまま乱雑に弾き飛ばした。

「Unknown to Death, Nor known to rot.(ただの一度も敗走はなく、ただの一度も腐敗もない)」

 キャサリンは遂に走ることを止めた。

「Have withstood Hungry to create many anko bread.(彼の者は常に独り あんパンの丘で勝利に酔う)」

 後ろから『ナニカ』がキャサリンへ押し寄せる!

「Yet, my stomach will never hold anything.(故に、空腹に意味はなく)」

 しかしキャサリンは振り返らず、むしろニタリを笑みを浮かべた。
 そして遂に、詠唱が完了する!

「――So as I pray,"unlimited bread works".(――……その体は、きっとあんパンで出来ていた)」

 次の瞬間、キャサリンを中心に、彼女の心象世界が本の世界を塗り潰し、食い尽くし、書き換えてゆく! 太陽の矢印も、ページ数も消失し、全くの別世界を構築したのだ。
「こ、これは一体……?」
 驚く大神・狼煙(コーヒー味・f06108)も足を止めて周囲を眺める。
 後ろから追ってきた『ナニカ』の気配はもうない。
「これは、とっても美味しそうですねぇ?」
 思わずゴクリ、と生唾を飲み込む夢ヶ枝・るこる(豊饒の使徒・夢・f10980)。
 キャサリンの心象風景、それは四葉の使者達との戦闘でも展開した『パンの世界』!
 それを完全詠唱して強化することで、今いる場所の法則性やあり方すら食い尽くし、塗り潰してしまう固有結界を発生させてしまうのだ。
 だが、至るところに存在するパン窯から飛び出してくるのは、全てあんパンだった。
「どうやら心象世界に取り込めた味方は2人だけか。おいそこの2人! 疲れただろう? そこら辺のあんパンでも喰って栄養補給しておけ。美味いぞ?」
 キャサリンはそう言うと、どう見てもあんパンのヒーローの顔の形状をしたパンを榴弾のごとく瞬時に複製しては弾幕として発射していく!
「いくらアリスラビリンスだからって、本当に『僕の顔をお食べ!』をすることになるなんて……」
 大神は戸惑いながらも、UDCアースの日本でお馴染みのヒーロの顔を恐る恐る齧り付いた。
「ゥんマぁあ~いッ!?」
 そして、そのあまりの美味に、彼の全身の細胞が換気に震えた!
「こ、これはッ! フワッとしたパン生地にぎっしり詰まったあんこッ! 小麦の香りと小豆の風味が鼻を抜けて渾然一体となって、舌でも鼻でも楽しませてくれるッ! なんて美味しいのでしょうかッ! うちの喫茶店のメニューとして持ち帰りたい!」
「本当に美味しいですねぇ? 疲れたときは、甘いものが恋しくなりますからぁ」
 夢ヶ枝も笑顔であんパンの顔をむしゃむしゃ頬張っている。
 一方、雨あられの如くあんパンを全身に浴びるクロノス。
 既にかなり体力を消耗させられているようだ。
「む、無茶苦茶ですわ! 本の中の世界自体を書き換えるなんて! ですが、私の時経ち鋏の力は健在ですわよ?」
 クロノスは時経ち鋏で飛来するあんパンを切断!
 すると、斬られたパンが空中で停止しているではないか!
「これこそが、この鋏の真骨頂! タイムストップ・シザー! 切断した物体の『時間』を停止させますのよ?」
 そのまま飛来するあんパンの大半を切り刻みながら猟兵達へ突進してくるクロノス!
「そこにお直り遊ばせ、猟兵共! その『時間』を留めて断ち切って差し上げますわ!」
 だが、夢ヶ枝と大神は全く動じることはなかった。
「どうやら『愉快な仲間』の皆さんではなく、此方に来てくれるようですが、それは有難いですねぇ。対処を始めますぅ」
 FBS(フローティングブレイドシステム)の浮遊する12枚のビーム戦輪を肢体に嵌めた彼女は、そのまま上空へ浮遊を開始。
「接近できなければぁ、一方的に攻撃できますよねぇ?」
 両腕の『固定砲台』2門と『制御器』を通じ脳波で操作する『空中浮遊する砲台』16台、そして彼女の周囲に浮遊する砲門付き小型ビームシールド8枚の砲撃の雨がクロノスを襲う!
「また弾幕ですの!? というか、空を飛ぶのはズルイですわ!」
 吹き飛ばされながらも、辛くも全身をしてゆくクロノス。
 狙いは、先程からあんパンを食べている大神へ。
「今度こそ……喰らいなさい!」
 時経ち鋏の切先を大神へ突き立てる!
 しかし、大神はその刃先が向けられても逃げようとせず、むしろニチャァ~といやらしい悪人顔で笑みを浮かべた。
「敵から接近してくるならやる事は一つ……装備全てを斬り捨ててひん剥いてやるぜぇ!」
 その変態という名の紳士めいたオリジナルスマイルを向けられたクロノスの服の胸元が、突然、音もなく切り裂かれたではないか!
「きゃあァアーッ! み、見ないでくださいまし!」
 慌てて胸元の下着を隠すクロノス。
 羞恥で突進は止まってしまった。
「流石に全裸は可愛そうだから下着姿で留めておく紳士力(物理)……! そもそも、そっちの攻撃がうまくいくはずがねぇんだよ」
「どういうこと、ですの?」
「フッフッフッ! 敵が能力の説明を乞う時は、大抵は勝ちパターン! だったら、もう一度見せてやるよ、見様見真似のアイツの刀をな……!」
 再び大神の眼力が籠もった瞬間、クロノスのワンピースがザクザクと肉体ごと刻まれていってしまう!
「ああーッッッ! そんな、見詰められただけで、物体が刻まれるですって?」
「こちらには『斬るという過程』がない以上、対象へは必ず先に命中する上に、対象の強度を無視する。速い話、俺に近付いてくる方が悪い」
 これこそがユーベルコード『万象両断(ザンテツケン)』の正体である。
 しかし、それならばとクロノスは疑問を口にした。
「で、でも、だったらいっそ私の首を落とせばよろしくて?」
「判ってない。全ッ然判ってないッ! 言っただろう? 下着姿で留めておく紳士力(物理)!」
 下着姿同然のクロノスの姿に、男の子心を滾らせる大神。」
 ……と、暗喩でごまかしてはいるが、要するに鼻の下を伸ばしていた。
「その恥じらいの姿、言動! 脳内に5億回記憶した!」
 クロノスは顔を真赤にして逆上!
「この痴漢ーッ!」
 涙目で間合いへ踏み込んでくるクロノス!
 鋏を大きく広げ、大神の首を刎ねに掛かる。
「おい、聞いてなかったのか? 言ったはずだ、装備全てを斬ると」
 大神はサイドステップで射線から外れた数瞬後、なんと鋏の付け根が真っ二つに断たれてしまった!
「うそっ!?」
 時経ち鋏が破壊されてしまった!
「……なんて、焦ると思ったかしら? まだ鋏のスペアは沢山……」
 ユーベルコードで別の鋏を召喚させるクロノス。
 だが、その隙が大神が待ち望んでいた瞬間であった。
「――やっぱ、あんパンよりも“こっち”だよな」
 クロノスへ飛びかかり、その首筋に歯を立てる大神。
 そのまま頸動脈から吹き出したオーガの血液をじゅるじゅると飲み干してゆく!
 大神はただの変態という名の紳士ではない。
 れっきとしたダンピールであり、吸血だって当然のことであった。
「ぁ、ああ……!」
 血の気が引いて顔が真っ青になったクロノスの身体を大神は突き飛ばすと、上空を浮遊する夢ヶ枝へサムズアップ。
「あとは任せた!」
「はい、任されましたぁ」
 夢ヶ枝の各装備のエネルギー、そして摂取したあんパンのカロリー全てを『光の結界』へと変換!
「大いなる豊饒の女神の象徴せし欠片、その衣を纏いて舞を捧げましょう」
 その『光の結界』を纏った夢ヶ枝は、光速の突撃でクロノスをあっという間に吹き飛ばした!
 クロノスは反撃する間もなく心象世界を突き抜けて消えていってしまった。
 すると、心象世界の上空にポッカリと大穴が出現した
「あれが出口のようですねぇ。それでは、失礼しますねぇ?」
 夢ヶ枝が飛び出そうとしたのだが、その両足にキャサリンと大神が飛び付いていた。
「おい、俺達も出してくれ!」
「これはさっきと違って、変な意味はありませんからね! いやほんと一緒に連れて行って下さいオナシャス!」
 懇願する2人に、夢ヶ枝はコクリと首肯。
「分かりましたぁ。では、しっかり掴まってくださいねぇ? ただし、光速なのでGとかすごいですけど、結界でなんとかなるはずですのでぇ」
「「え、待ってく……」」
「しゅっぱ~つ!」
「「グワーッ!!」」
 猟兵2名の悲鳴とともに、夢ヶ枝は本の中の世界から脱出に成功。
 勿論、保護した不思議の国の住人達も、夢ヶ枝が召喚したモフモフな動物達に運ばれて共に脱出を果たしたのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

フェリシア・スヴァン
奇襲に備えて【オーラ防御】を常時展開し、
見える攻撃はユーベルコードと【武器受け】で対処。

狙うのは1発勝負のカウンター!!

そして世界のルールは厄介なれど、
ゴリラガールは複雑なことを考えない!!

「はわわぁ~?あの兎さん、なんだかひ弱そうです~~?
攻撃を避ける必要~あるんですか~?」
「へいへ~~い。くろのす~、びびってる~~。
時繋穴とか~、ダサいい~、ぷっぷくぷ~~」

と挑発して相手の渾身の一撃を誘います。

機会がきたら「て~~りゃ~~」と緊張感のない様子で…
たとえ相手のビジュアルが美少女であろうと関係なく…
顔面への助走付きミサイルキックを叩き込みにかかります。


アドリブ、味方との絡み、連携歓迎です。


小雉子・吉備
クロノスちゃんかぁ
同じ時に携わる者としてキビも負けられない

〖矢印対策〗
〖時の愚鈍「スロウフールハウル」〗の弾を【高速詠唱】で【属性攻撃(衝撃)】を込め背後に展開

勢い相殺し弾き返す

〖WIZ〗
【先制攻撃】で〖時の愚鈍スロウフールハウル〗を【属性攻撃(デコイ)】と【オーラ防御】を込め【範囲攻撃】の囮の【弾幕】を放ち撹乱


弾幕の性質も利用し【第六感】で【見切り】それで【盾受け】しながら避け〖なまり〗ちゃんと〖ひいろ〗ちゃんに【動物使い】で指示し撹乱するよ

【高速詠唱】と【多重詠唱】の【早業】での合わせ技で短時間で長時間の詠唱時間を圧縮し

UCを【全力魔法】の【弾幕】として放つよ

〖アドリブ絡み掛け合い大歓迎〗



「ひどい目に遭いましたわ!」
 下着姿のまま異空間から吐き出されたクロノス。
 だが、本の中の世界ゆえにか、すぐに衣服が瞬時に再生した。
 そこへ猛ダッシュ女の子走りのフェリシア・スヴァン(白鳥のように・f19171)が、背後から迫る『ナニカ』に追われて向かってきた。
 フェリシアもまた、クロノスに気が付き、開口一番で煽り始めた。
「はわわぁ~? あの兎さん、なんだかひ弱そうです~~? 攻撃を避ける必要~あるんですか~?」
「……なんですって?」
 いきなり罵声を浴びせられたクロノスの眉間にシワが寄る。
 ただでさえ、先程から猟兵に辱めを受けたばかりで煽り耐性が極端に低下しているのだ。
 そこへ容赦なく追い打ちをかけてゆくフェリシア。
「へいへ~~い。くろのす~、びびってる~~。時繋穴とか~、武器が鋏だとか~、とってもダサいい~、ぷっぷくぷ~~ぅ!」
「はああぁぁぁぁぁ~~~~~~~~!?」
 クロノス、完全にブチのギィーレェである。
 世界のルールは厄介なれど、ゴリラガールのフェリシアは複雑なことを考えない!!
 ただ目の前の敵を煽って渾身の一撃を誘発、大振りの攻撃の際に出来た隙に返り討ちにするというプロレススタイルを貫いてゆく!
「ほ~ら~、あんよがじょ~ず! あんよがじょ~ず!」
「あ、貴女は吹っ飛ばさずに、このまま串刺しにして差し上げますわーッ!」
 逆上したクロノスが時経ち鋏を大振りに薙ぎ払えば、取っ手のリボンが槍めいて鋭利で複雑な形状へ変化!
 蛇のように赤いリボンは宙をうねったかと思えば、急に方向転換してフェリシアの心臓目掛けて飛び込んでくる!
 ある意味、矢印以外へ吹き飛ばされなくなったので、これはこれで結果オーライである!
「そこですわ!」
「はわわぁ~! 早いですね~?」
 フェリシアは想像以上の速度で突っ込んでくるリボンへ指先を向けた。
 すると、天からの光がリボンへ放たれた!
 ユーベルコード『ジャッジメント・クルセイド』!
 だがリボンはまるで生き物のように光の軌道から逃れ、撃ち落とすことが出来ない!
 そのままリボンはフェリシアの胸元へ突き刺さる!
 クロノスの目が狂喜に染まった。
「そのまま鮮血を撒き散らし遊ばせ!」
「ちょっとそれは~出来ませんね~?」
 なんと、リボンの切先が、フェリシアの皮膚のギリギリ一歩手前で押し止められているではないか!
 よくよく見れば、フェリシアの身体にごく薄いオーラの膜が形成されていた。
「お、思っていた状況とは~異なりましたが~、受けとめました~!」
「そんな貧弱なオーラの守り、このまま突破してみせますわ!」
 クロノスがリボンに力を注ぐと、ジリジリとフェリシアの胸元の皮膚が裂け始めてゆく。
 フェリシアは慌てて抜こうとするも、リボンの形状が複雑に絡み合い、皮膚に食い込み始めている。
(これは~もしかしなくても~、ピンチなのでは~!?)
 焦るフェリシア、だが走り続けなくてはならず、しかも抵抗しなければ心臓を抉られかねない!
 万事休す!
 だが、その時、1人の猟兵が新たに本の世界の中へ飛び込んできたのだ。
「その人から離れて! 時の愚鈍『スロウフールハウル』!」
 掲げた1枚のカードから、周囲の時間のみを鈍重にする障害物用魔法誘導弾幕を発射!
 放たれた弾幕をクロノスは回避せざるを得ず、やむなくフェリシアからリボンを引っこ抜いた。
「遅くなったけど、加勢するよ。キビは雉鶏精の妖怪、小雉子・吉備(名も無き雉鶏精・f28322)だよ」
 手短に自己紹介を済ませた小雉子は己の背中に生えた翼を広げて低空飛行を開始。
 フェリシアから敵の詳細な情報を聞き出した。
「なるほどね、クロノスちゃんかぁ。同じ時に携わる者としてキビも負けられない」
 すぐさま、小雉子は自身の背後に先程の弾幕を展開させてゆく。
 こうすることで、吹き飛ばされてもスロウ効果で滞空時間を稼ぎ、態勢を立て直して逆に足場に変えて弾き返そうという魂胆だ。
「ここはキビに任せて。時の愚鈍『スロウフールハウル』を目の前にもばら撒くよ」
 弾幕が猟兵達の前を守るように空中に留まり、クロノスの接近を妨害する。
 同時に、クロノスにも弾幕を発射。誘導弾で追わせることで、囮としての役割を果たすとともに、クロノスを猟兵と同じシチュエーション……つまり追われる立場へ変えたのだ。
「こんな密度の低い弾幕なんて……って、接近すると動きが鈍りますのね。厄介な……!」
 リボンを放って弾殻の間を縫おうとするも、スロー映像かと見紛うほどにリボンがゆっくり空中を揺蕩っていた。
 これでは攻撃は成立しない!
「今が反撃のチャンスだね。なまりちゃん、ひいろちゃん、お願いだよ」
 ちまくて利発な青色の狛犬と人体発火能力を持つ赤い猿が飛び出してゆき、器用に弾幕の影響がない空間を進むと、クロノスへ一気に肉薄する。
「なまりちゃん、虹色狛犬『虹色息吹きのレインボースパーク』を。ひいろちゃんは赤猿拳舞『猿竜転生舞』で攻撃だよ」
 狛犬の身体が突然ゲーミングめいた虹色に染まると口からレインボービームを吐き出す!
 赤い猿は拳を燃え盛りながら、超高速回転しながらクロノスへ連撃を叩き込んでゆく!
「ええい! 鬱陶しいですわね!」
 時経ち鋏で動物達の攻撃を凌ぎつつ、飛来する弾幕を回避し続けるクロノス。
 この隙に、小雉子は長い詠唱を妖力を高めることで圧縮!
 ユーベルコードを最大火力まで持ってゆく!
「キビの雉鶏精の由縁解らないけど、これで護れるなら! ……何度も繰り返す傷の輪廻を! 雉鶏精の怒り『タイムループリトルチェイサー』!」
 直線状に密集した光の弾幕が310mの射線状の標的を薙ぎ払ってゆく!
「うぐッ! ちょ……なんですのこれ!?」
 命中したのは一度きりのはずなのに、衝撃が繰り返しクロノスの身体を襲う!
「その光弾は時間遡行する効果を持つんだよ。でもダメージは蓄積されてゆくから、倒れるまで光弾は永遠に何度でも繰り返し命中し続けるよ。リボンを繰り出す暇なんてないからね?」
「うぅ……! でも、一方の方向から来ないのでしたら、これで!」
 時経ち鋏を盾代わりにし、弾幕を一瞬だけ受け止めるクロノス!
「今ですわ! 喰らいなさい!」
 リボンを繰り出そうとしたその時!
「て~~りゃ~~!」
 ゆるっゆるな掛け声とは裏腹な勢いで、猛ダッシュの助走からのミサイルキックがクロノスの顔面へ直撃!
「グワーッ!?」
 地面に転がるクロノス!
 途端、フェリシアと小雉子がものすごい吸引力で空へ舞い上がり、本の世界の空に出現した黒い穴の中へ吸い込まれていった。
 どうやらクロノスへ大ダメージを与えると、外の世界へ帰れるようである。
 法則性に気が付いた残りの猟兵達も、こぞってクロノスへ攻撃を仕掛けようと試み始める。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

ドゥルール・ブラッドティアーズ
【ソロ希望・WIZ】
常に前進しつつ戦わなきゃいけないのね。
私と同じ強さのアイリスとナルをUCで召喚

ナル:【怪力】でお姫様抱っこして走れって?
わかったよ、ボクのお姫様♥
相手の鋏や投げ飛ばそうとする攻撃は【第六感・見切り】と
【ダッシュ】での加速や【ジャンプ】で避け
リボンの拘束には【属性攻撃・火炎耐性】で全身に炎を纏って対処

ナルの炎、暖かい♥

アイリス:【迷彩】魔法で姿を消していた私が
腕を包帯に変え【捕縛・早業】と【呪詛・マヒ攻撃】で
相手の動きを封じ、上空へ【投擲】

そして私が夜魔の翼の【空中戦】でキャッチ!
【誘惑・催眠術】の魅了で兎を年中発情期にして
【慰め・生命力吸収】しつつ、色々な意味でゴールイン♥



 本の中の世界に転送されてきたドゥルール・ブラッドティアーズ(狂愛の吸血姫・f10671)は、瞬時にこの世界の法則性に気が付いた。
「常に前進しつつ戦わなきゃいけないのね。それならふたりの出番ね?」
 すぐさまドゥルールはユーベルコードを発動させた。
「鏡よ鏡、貴方は誰?」
『私はアナタ』
『キミはボク』
 ユーベルコード『挽歌・二重水鏡(ムーンダスト・ドッペルミラーシスターズ)』によって呼び寄せられたのは、長い銀髪と青い肌が特徴の金属生命体の姉弟『アイリス』と『ナル』の霊体だ。黒レオタードを着込んだ瓜二つの2人だが、片方は若干だが下腹部がふっくらしていた。
「ナル? 貴方、男の娘なんだから、私をお姫様抱っこして走りなさいな?」
「わかったよ、ボクのお姫様♥」
 だが片方は男だ。
 ナルはすぐさま両腕にドゥルールを抱き上げると、そのまま後ろから迫りくる『ナニカ』から逃げ出してゆく。
「さすがナル! 見た目とは裏腹に力持ち♪」
「あとでちゃんと御褒美ほしいな?」
「判ってるわ、焦らないの」
 ナルの唇に人差し指を押し付けながら、うっとりと恍惚の表情を浮かべるドゥルール。
 そこへ別の猟兵によって吹っ飛ばされてきたクロノスと鉢合わせ!
「あら、可愛いウサギさん♪ 私と“友だち”になりましょ?」
「SHIIIIIIIIIIIIIIIIIT!!!!!!!」
 散々、猟兵たちにボコられてきたクロノス、聞く耳持たずにブチギレ!
 問答無用でスペアの時経ち鋏を召喚させると、取っ手のリボンをドゥルールへ放った!
「いきなり攻撃とか穏やかじゃないね?」
 ナルは急加速してリボンから逃れようと試み、跳躍やステップでギリギリ攻撃を回避してゆく。
 しかし、リボンは縦横無尽に形と軌道を変えて縋り付いてくる。
 そのままナルの背中を穿たんと急加速!
「うわー! やられたー!」
 ナルが絶叫!
 次の瞬間、ドゥルールごとナルの身体が黒炎に包まれる!
「ナルの炎、暖かい♥」
「所詮は布切れ、炎に耐えられるわけないよね?」
 リボンはナルの近くまで肉薄するも途端に焼け焦げ、その肉体に届くことはなかった。
「くっ……! だったら直接この鋏で断ち切るまでですわ!」
 時経ち鋏を掲げたクロノス。
 だがその背後に潜む存在が牙を剥く。
「ルルをいじめちゃ駄目!」
 双子の片割れのアイリスは、今まで魔法で自分の姿を隠匿し、クロノスの背後へ回り込んでいたのだ。
 アイリスの腕がドゥルール愛用の包帯に変化してゆけば、うさぎの身体を扇情的に縛り上げてしまう。
「ルルー? いっくよー?」
 砲丸投げの要領でクロノスをぶん回したアイリス、そのまま上空へ敵を投擲!
「アイリス、ありがとう! ナルも助かったわ♪」
 ドゥルールはマントを蝙蝠の翼に変えて天空へ飛翔。
 拘束されたアイリスを空中でナイスキャッチ!
「ふふ、それじゃ、仲良く遊びましょ?」
「放して! くっ……いっそ殺しなさい!」
 クロノスは拒絶するが、ドゥルールの色欲の魔眼の影響から逃れられない。
 自身の精神が塗り替えられてゆく過程に抵抗できず、クロノスの顔が歪んでゆく。
「ぅ……やめっ! この、ケダモノめ!」
「怖がらないで、悪いようにはしないから♥」
 嫌がるクロノスの口元を自身の唇で覆い、その生気を吸い込んでゆく。
 これは肉体の死を与える代わりに、霊体化させてドゥルールの“友人”として付き添わせるために必要な行為なのだ。
 クロノスは嫌悪感と快感の狭間で両足をバタバタと暴れさせ必死に抵抗する。
 その抵抗を無理矢理に空いた手で押さえつけ、更に弄ぶ。
「んんっ……最悪……その汚らわしい手でこれ以上、私を触れないでくださいまし!」
「あら、意外と耐えるのね?」
 なかなか霊体化しないクロノスにドゥルールは舌なめずり。
「そのほうが楽しみが増えるわ。でも、これ以上は私の指がふやけちゃうわね?」
「うぐ……っ! かくなる、上は!」
 クロノス、唐突に自身にリボンを体中に突き刺したかと思えば、ドゥルールの目の前から姿を消したではないか!
「……あら、残念? 恥ずかしがり屋さんだったのかしら?」
 いつの間にか地上に戻っている無傷のクロノスが逃げる背を見送る。
 クロノスの身体の時間を操作し、ドゥルールと遭遇する前まで時間遡行をしたようだ。
「まぁ、いいわ。いつか『別の貴女』と契りを結んでみせるわ」
 本の世界の空に出現した黒い穴へ吸い込まれてゆくドゥルールと金属生命体の姉弟は、いつかのリベンジを誓うのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

ナギ・ヌドゥー(サポート)
普段はなるべく穏やかで優し気な感じで話してます。
……そう意識しておかないと自分を抑えきれなくなりそうなので。
それでも戦闘が激しくなると凶悪な自分が出てしまいますね。
オブリビオン相手なら最初から素で対峙し、手段を選ばず殺しにいきますよ。

探索行動の時は第六感や野生の勘などの知覚に頼る事が多いです。

日常的な行動は、寛ぐ事に慣れてないから浮いた存在になるかもしれません……

武器は遠距離ではサイコパーム、近距離では歪な怨刃、
痛みや恐怖を与える時はソウルトーチャーを使います。

ぼくは所詮、殺戮の為の兵器……
でも人間的な理性を保つ為に良き猟兵を演じなければ、とも思っています。
どうぞ自由に使ってください。


四王天・焔(サポート)
『こんにちは、焔だよー。』
 妖狐の人形遣い×ガジェッティアの女の子です。
 普段の口調は「無邪気(自分の名前、~さん、だね、だよ、だよね、なのかな? )」、家族には「甘えん坊(自分の名前、相手の名前+ちゃん、だね、だよ、だよね、なのかな? )」です。

 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、
多少の怪我は厭わず積極的に行動します。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
また、例え依頼の成功のためでも、
公序良俗に反する行動はしません。

無邪気で感情の起伏が激しい性格の少女、
武器はからくり人形とドラゴンランスを主に使います。
植物、特に花が好きです。
 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!



 援軍に駆け付けた猟兵達は異様な本の世界の法則性に戸惑いながらも、迫りくる『時繋穴の番兎』クロノスを警戒する。
「延々と走らなくちゃいけないのー!? 飛んでいいよね? というか飛ぶ!」
 四王天・焔(妖の薔薇・f04438)は自身の身体を青く揺らめく焔で纏わせて浮遊すると、そのまま低空飛行を開始。
「ぼくは所詮、殺戮の為の兵器……敵がいるなら、殺すまでです」
 ナギ・ヌドゥー(殺戮遊戯・f21507)はブーステッド・ドラッグケースの中身の薬剤を大量に口の中へ頬張り、乱暴に奥歯で噛み砕いてゆく。
 オーバドーズによる肉体と精神の強化が、この狂った本の世界での戦闘をより最適化に導く。走る速度も上がり、彼の駆け出した後ろは砂埃が巻き上がる!
「さあ殺しに来いウサギ風情が。その肉をこのオレが穿ってやる」
「やれるものなら、やってみてくださいまし?」
 クロノスは刃先を2つ空間からスペアを召喚させると、2人へ向けて同時に投擲!
「近付かなくても、こうすれば!」
 その鋏の刃に少しでも触れた者の時間は停止し、そのまま吹っ飛ばされて後ろに迫る『ナニカ』に飲まれてしまうだろう!
 しかし、ナギは咎人の肉と骨で錬成した呪獣に自分の血液を与えると、それを暴走捕食形態へと変形させる!
「ソウルトーチャー、喰らい尽くせ! 魔を、聖を……全てを!」
 唸る呪獣は猟兵たちより素早く動くクロノスへ一直線に飛び掛かる!
 鋏を2つ投擲してしまい、一瞬とはいえ素手のままになったクロノスは防御も出来ずに肩の肉を噛み千切られた。
「こ、の……っ!」
 一歩遅れて鋏を呼び寄せると、クロノスは呪獣の顎をじょきんっと断ち切る!
 血を吹き出しながら逃げ帰る呪獣に舌打ちするナギ。
「今度は焔の番だよー!」
 青紫の妖狐の少女は、蒼炎を噴き上げる魔導兵器『青蓮』へ魔法力を充填!
「無数の剣よ、敵を取り囲み切り刻めー!」
 放たれた蒼炎の弾丸はクロノスの左足に命中!
 するとクロノスの周囲に無数の光で出来た剣の嵐が発生、彼女を切り刻む!
「これはさっきのお返しだ」
 ナギは掌に仕込まれたサイコパームで光線を発射し、クロノスの腹を穿っていった。
 そしてこのあともサポート猟兵達の援軍が続いてゆく。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

泉・火華流
戦闘
ナイトメア・シザーズとエアシューズ以外の武器はバックパックに収納、近距離戦に切り替える

指定UCを使用
…気休め程度かもしれないけど…(おそらく勝負は一瞬)

【拠点防御+範囲攻撃】で自分の間合いに入った敵の攻撃に【野生の勘+第六感】で対応、ナイトメア・シザーズで挟みこむように防御【武器受け】

気づかなかった…これ、あんたのハサミと一緒なのよ…
(唯一のアリスラビリンス製の武装)

つばぜり合いのような状況から、ナイトメア・シザーズを『二刀形態』に切り替え、素早く【早業】左手の刃をつばぜり合いの状況から引き抜き、右手の刃で身を反転させつつ相手の力を受け流し、相手の体勢が崩れたところで左手の刃で攻撃する


ティオレンシア・シーディア
※アドリブ掛け合い絡み大歓迎

…直接走るよりはだいぶマシとは言え。延々全速で突っ走ってるとさすがにちょっと疲れてくるわねぇ…

自分だけ矢印無視して移動できるとか、ちょっとずっこくなぁい?こっちはず-っとそこそこ必死に逃げ続けてるってのに…
ここまで来て本の中の住人になるなんて冗談じゃないわよぉ?

どこから出てくるかわからないし、〇視力・聞き耳・第六感全開で全周警戒しつつ速度を維持。攻撃の起こりを〇見切って〇クイックドロウからの●明殺一閃。思いっきり後の先から〇カウンターの喰らわせてやるわぁ。

あたし、これでも早撃ち合戦ならそうそう負けてあげる気ないの。
お生憎様、残念だったわねぇ?



「……直接走るよりはだいぶマシとはいえ……延々全速で突っ走ってるとさすがにちょっと疲れてくるわねぇ……」
 ティオレンシア・シーディア(イエロー・パロット・f04145)はバイク型UFO『ミッドナイトレース』に終始跨り、本の世界の中を高速飛行している。
 肉体的疲労よりも気力面の摩耗を彼女は懸念する。
 ティオレンシアはガンナーだ。エイムに集中力を要するので、気力の摩耗は命中精度に直結する。
「というか、自分だけ矢印無視して移動できるとか、ちょっとずっこくなぁい? こっちはず-っとそこそこ必死に逃げ続けてるってのに……。ここまで来て本の中の住人になるなんて冗談じゃないわよぉ?」
「本当だよね? むしろ、それが敵の狙いなんだろうけど……」
 泉・火華流(人間のガジェッティア・f11305)は近接戦闘に切り替えるべく、ガジェットをバックパックに収納する代わりにナイトメア・シザーズを取り出す。
 レガリアス・エアシューズで疾走しながら、敵がいつ仕掛けてくるか警戒する。
(おそらく勝負は一瞬……気休めだけど、自己強化を施しておこっと)
 泉がユーベルコードを発動させようとした、まさにその時!
 猟兵2人の身体が急に重くなり、周囲の景色がゆっくり流れ出した。
「そこねぇ?」
 気配を察知したティオレンシアのクイックドロウ!
 人間の技量を超越した早撃ちで放たれた銃弾が、真横から飛び出してきたクロノスの横顔を掠める!
「まぁ怖い。なんて埒外な反応速度。でも、貴女がたの攻撃はもう二度と届きませんわよ?」
 クロノスの時経ち鋏の留め金部分の時計が狂ったかのように廻りまくっている。
 そこから猟兵達へ向けて、ワームホールのような穴がしゅつげんしているではないか。
「これぞ私の代名詞、時繋穴(タイムリープ・ホール)ですの! 時間の流れが異なる『時繋穴』の出口を向けられた相手は、すべてスローモーションで動くのですわ!」
 そして向けられる鋏の刃が2人の首を断ち切らんと襲い掛かる!
「だったら……光の速度で見切るまで……!」
 鈍重な身体をユーベルコードで無理やり動かす泉!
「HIKARU・GEAR発動!! HIKARU GEAR:SILENTACTION(ヒカルギア・サイレントアクション)!」
 ダッシュ・忍び足・迷彩・早業・暗殺・掃除といった技能を一時的に強化する泉。
 スロー状態の時の流れを無理矢理に押し戻した泉は、時経ち鋏の刃を自身のナイトメア・シザーズで挟みこむように受け止める。
 飛び散る火花! 轟く金属音!
「そんなっ?」
 条理を超えた光景にクロノスは目を見開いた。
 理解が追い付かず、クロノスの動きが一瞬止まった。
 そこへ浴びせられる6連ファニングショット!
「――あなたの隙、丸見えよぉ?」
 ユーベルコード『明殺(ポーラスター)』!
 奇しくも、泉と同じ技能強化系ユーベルコードである。
 ティオレンシアの場合は、先制攻撃・カウンター・鎧無視攻撃・見切りを超強化する効果を持つ。
 実はクロノスの頬に銃弾を掠めた時には、既に使用していたのだ。
 敵の絶対先制攻撃の概念すら捻じ曲げ、自身の攻撃を先んじて撃ち抜くそのガンテクニックは、まさに埒外の速度といえよう。
「あぐゥ……!?」
 完全にクロノスはティオレンシアの銃弾に対応できずに、6発全ての銃弾を浴びて吹っ飛ばされた。
 血を撒き散らしながらティオレンシアを睨み付ける。
「あたし、これでも早撃ち合戦ならそうそう負けてあげる気ないの。お生憎様、残念だったわねぇ?」
 愛銃オブシディアンは既に次弾装填済みだ。
 銃口を向けられたクロノスはその場に釘付けになってしまう。
 泉は大鋏の留め具を外して双剣モードへ切り替える。
「気づかなかった……これ、あんたのハサミと一緒なのよ……この世界で作られた鋏同士、どっちが強いか、雌雄を決めてみる……?」
「時間は確かに遅延しているのに……これでは時繋穴の意味がありませんわ!」
 追い詰められたクロノスは腹をくくったのか、時経ち鋏を複数召喚し、ティオレンシアと泉へ向けてぶん投げた!
「あらぁ? ヤケクソってやつかしらぁ?」
 ティオレンシアは銃弾で鋏を撃ち落とし、3度目のリロード!
 泉も左手の刃を極限の速度でフルスイング!
 飛来してくる鋏を跳ね返し、エアシューズのダッシュで間合いを詰めてゆく!
 だがクロノスは泉が肉薄した瞬間、目の前で時経ち鋏のスペアを召喚!
「かかりましたわね! この近距離なら時繋穴の効果も最大! もう貴女は動けませんわ!」
 鋏の切先が泉の心臓目掛けて突き立てられる!
「……動けない、だって?」
 ぐるんっと身を反転させつつ、右手に握った刃で突き立ててきた切先を受け止め、素早く左手の刃でクロノスの身体を袈裟斬りに斬り裂いた!
「な……んで……?」
 瞳孔が見開きながら崩れ落ちるクロノスに、泉は双剣を鋏に戻す。
「……まぁ、賭けだったけどね? 私の速度がアンタの時間停止を超越した。それだけだよ……」
 泉はクロノスの手から時経ち鋏を乱暴に奪い取って、その場から駆け出してゆく。
「もうコレ……私のものだからねっ!!」
「二度と追ってこないでねぇ?」
 ティオレンシアがダメ押しの銃撃!
 クロノスの足を撃ち抜き、追跡不能に陥らせた。
 もはや反撃の余力が残っていないクロノスは、背後から迫る『ナニカ』に飲み込まれると、骨が砕ける音を立てながら消滅してゆくのだった。
「見て! あれが出口じゃないかな?」
 太陽の矢印が消え、数字が300を超えた瞬間、空中に出現した大きな黒い穴を泉は指差す。
「ようやく本の世界の中からオサラバねぇ……掴まって、飛ばすわよぉ?」
 ティオレンシアは泉を『ミッドナイトレース』にしがみつかせると、全速力で黒い穴の中へ突っ込んでいった。

 猟兵達は、気が付くと元の不思議の国に帰還していた。
 住人達も全員無事で、誰一人欠けることなく戻ってこれた。
 だが、謎の猟書(ビブリオマニア)の2人組は、既に行方を晦ましていた。
 彼らの目的は一体何だったのだろうか?
 一同は首を捻るが、結局、真相は解らずじまいであった……。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2020年07月24日


挿絵イラスト