10
信念を問われる時

#ダークセイヴァー

タグの編集

 現在は作者のみ編集可能です。
 🔒公式タグは編集できません。

🔒
#ダークセイヴァー


0




●古い砦の跡にて
 今では使われていない古い砦の跡。
 その最上段で騎士らしき男が一人、月に照らされながら考え込んでいる。
(猟兵……殆どの吸血鬼たちは、まだ奴らのことをさほど気にしていない。だが僕はこれを放っておいたら面倒なことになると思う)
 男、ジークフリート・フォン・エーデルワイスは生前は誇り高き騎士であった。
 オブリビオンとして蘇ってからも、自分の利益のためではなく、吸血鬼の絶対的な支配体制を維持するため、人々を厳しく取り締まることにその強大な力を振るっている。
(吸血鬼の支配によりこの地は闇に覆われ、いずれ滅びる……それがあるべき世界の形なのに……)
 猟兵たちを放置しておけば、いつの日か滅びは止められてしまうかもしれない。
「愚かな人間たちを救って何になる? 上辺だけの正義を唱えて自己満足のために活動しているだけではないのか?」
 ジークフリートは口先だけの正義を謳う存在を嫌った。綺麗事に愚かな人々が踊らされ、誰かが理不尽な目に遭うことを。
 それなら、すべての人が等しく滅びることのほうがよほど良いと思っていた。
「ならば、僕が猟兵に人々を救う価値などないと知らせ、僕の考えの方が正しいのだと実力で示せばよいのだ」
 簡単なことである。と、彼は笑いながら、砦を後にした。

●カドズ村
 とある場所に貧しい村・カドズがあった。旅人もほぼ訪れないその場所に、見慣れぬ黒い影がやってくる。
「……ここか」
 村の入り口にいた老人がその影を見てわなわな震える。
「お前は……! い、いや別人か。だがなぜダンピールがこんな村へ……」
「命令を受けた……この村を滅ぼせと」
 口数の少ない男はローブの下から巨大な鎌を取り出すと、老人へ振り上げた。

●グリモアベース
 クロノ・ライム(お菓子に目がないクレリック・f15759)は集まった猟兵たちを見て話しかける。
「今回は、ダークセイヴァーの事件について予知しました」
 ジークフリートというオブリビオンがとある小さな村を配下に襲わせるというものだった。
「この襲撃は、どうやら猟兵をおびき寄せることが目的のようです」
 それだけのために関係のない民が殺されようとしているのだ。なんとしても防がなくてはならない。
「そうです……ああ、これは言っておいたほうがいいでしょう。実は今回狙われた村は、過去に村に隠れ住んでいたダンピールを村人全員で迫害していたという記録があります」
 そして今襲撃に向かっているオブリビオンもダンピールの苦しめられた過去の記憶から生まれたのだという。
「実際の所、そのオブリビオンと村で迫害されていたダンピールに直接関係はありません。ですが、村人の中には過去の記憶を思い出して動揺する者もでてくるでしょう」
 しかしそれは敵の罠だ。過去の迫害の是非は今どうこういう場合ではない。
 オブリビオンを思うままにしておけば、いずれ世界の破滅につながるのだから。
 猟兵としては村の過去がどうあれ、オブリビオンを倒す必要がある。
「村を襲うオブリオンを倒せば、ジークフリートも姿を現すでしょう」
 どうかよろしくお願いします、とクロノはダークセイヴァーへ猟兵たちを送った。


青猫格子
 どうもこんにちは、青猫格子です。
 今回はダークセイヴァーのシナリオです。
 過去に影のある村での戦いという王道ダークファンタジーな感じで行きたいと思います。

 第1章は【ボス戦】でダンピールの過去から生まれたオブリオン・カインとの戦いです。OPでも書きましたが、村で迫害されていたダンピールとは別人です。
 カインは命令を受けて村人全員を殺すつもりでやってきていますので、それを防いでカインを倒してください。
 村人は避難させたり、家から出ないよう呼びかけたりすれば指示に従います。
 第2章は【集団戦】でジークフリートが呼び寄せたオブリビオンとの戦いです。
 詳細は2章開始時に解説します。
 第3章は【ボス戦】で、今回の黒幕、ジークフリートとの戦いになります。
 第1章はOP公開後に導入部を追記します。その後プレイング受付を開始いたします。
 以降のシナリオ進行についてはマスターページをご覧いただければと思います。
 どうぞよろしくお願いいたします。
14




第1章 ボス戦 『カイン・プロキオン』

POW   :    焼キ尽クス焔
【自身を切り裂き、噴き出す血が変化した炎】が命中した対象を燃やす。放たれた【蒼の】炎は、延焼分も含め自身が任意に消去可能。
SPD   :    破滅ノ足音
【翡翠の魔眼が捕え、見据えた】対象の攻撃を予想し、回避する。
WIZ   :    魂喰ライ
【死神の鎖】が命中した対象を捕縛し、ユーベルコードを封じる。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はフィリア・セイアッドです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●昼過ぎの村
 カドズ村は森と放牧地に囲まれた小さな集落だ。
 かつては森に入って木の実を採集することもしていたが、今は怪物が出ると言われて森に入るのは禁じられている。
 そのため人々の生活は貧しかった。

 今は昼過ぎ。質素な食事を終えた人々が少し休み、午後からの仕事に備えている……そんな時間だ。
 村の少し離れた場所に、鎌を持った黒ずくめの男が現れた。
 フードをかぶっていても、色白な顔の人間離れして整った様子は伝わってくる。
「……」
 男は集落を眺めながら、これからどのように村を破壊するか考えていた。
エルネスト・ポラリス
うーむ、また一癖ありそうな村……。
まあ、オブリビオンに襲撃されてなお逃げないほど偏屈でもなさそうですし、まずは時間を稼ぎましょうか。

UCによる空中歩行で上空から攻めます。
主な攻撃は『ロープワーク』で鞭のように操るワイヤーと拳銃による射撃。
回避されて元々、『野生の勘』も働かせながら敵の移動方向を『見切り』、逃げていく村人たちへ接近させないよう攻め立てます。

これで村人の避難が完了するまで時間を稼ぐのが理想ですが、もし、相手が強引に村人を追うのであれば。
敵に背を向ける代償は、空を蹴り肉薄するこの仕込み杖の一閃で払ってもらいますよ!


白峰・歌音
悪人だらけって訳じゃない、反省してない人だらけでも無い!
だから、村を滅ぼしていい訳がないんだ!
「日常を蹂躙しようとする無慈悲な死神!マギステック・カノンがその宣告を覆してやるぜ!!」

目には目を!先読みには先読みで対抗するぜ!
UC発動させ風の領域で包み込んだら、突撃!風のささやきを頼りに、敵の攻撃を【見切り】【第六感】も働かせて回避、【ダッシュ】【ジャンプ】【スライディング】と動きを駆使して翻弄しながら攻撃の隙をついて【カウンター】仕掛けるぜ!
互いに読み合いの耐久戦だけれど、オレの後ろにいる村人さん達を守ると誓った【情熱】と【覚悟】で諦めずくらいついてやる!!

アドリブ・共闘OK



 黒ずくめの男、カインが村へと一歩踏み出そうとした時、その背後に人影が現れた。
「……いた!」
 白峰・歌音(彷徨う渡り鳥のカノン・f23843)がカインに聞こえない程度の小声で呟いた。
「ここが目的の村ですか。うーむ、また一癖ありそうな……」
 エルネスト・ポラリス(たとえ月すら錆びはてるとも・f00066)がカインの向かおうとしている村を見て言った。
 しかし、ダークセイヴァーの中でことさら特別な村というわけでもないのは、彼にもわかっていた。

「目には目を! 先読みには先読みで対抗するぜ!」
 真っ先に歌音が飛び出し、カインに接近しながら力を発動する。カインと歌音、エルネストの周りに微風の領域が発生し、包み込まれた。
 と、同時にカインの姿がふと消える。
「猟兵か……来るのは分かっていた」
 声がしたのは歌音の背後。カインが振り上げた鎌を彼女に向かって振り下ろすが空を切る。
「……お前の動きは全て風が教えてくれる」
 今度は歌音がカインの背後に立つ。彼女のユーベルコードによって発生した微風の領域内では、敵の動きは手に取るようにわかるのだ。

「まずは住民を避難させるまで、時間を稼ぎましょうか」
 エルネストは歌音とカインが間合いを取り合っているうちに、連続ジャンプで森の木の上まで登っていた。
 そこからフック付きワイヤーを放ち、拘束した後拳銃で攻撃しようとする。
「……!」
 カインは飛んできたワイヤーを寸前のところで回避して、二人から距離を置こうとする。

「逃しませんよ」
 エルネストは敵の移動方向を予測し、先回りしながら木を飛び移って追いかけていく。
 なるべく村へ近づくまでに時間を稼ぐのが目的だ。

「日常を蹂躙しようとする無慈悲な死神! マギステック・カノンがその宣告を覆してやるぜ!!」
 歌音がダッシュしながら叫ぶと、身体が紫と紅のオーラに包まれる。
 そのままカインに追いつき、ジャンプからのスライディングキックでカインを転倒させる。
 そこへ先回りしていたエルネストの銃弾が飛んできたため、カインは転がりながら弾を避けるので精一杯だった。
「く……!」
 起き上がったカインは力を振り絞って、接近してきた歌音に鎌を振るう。
「そこだ!」
 歌音は鎌の軌道を見切り、攻撃を躱しながらカインにパンチを食らわせた。
 攻撃をまともに食らったカインは数メートル吹っ飛び、地面に打ち付けられた。

「気絶したでしょうか?」
 地面に降りてきたエルネストがカインの飛んだ方向を見るが、まだ意識はあるようだった。
「うう……殺す……すべてを……」
 起き上がったカインは一瞬で歌音とエルネストの隙を突き、二人の攻撃の届かないところまで走り去った。
「逃げたのか?」
 歌音の言葉にエルネストは首を振る。
「いいえ、他の所から村へ侵入するつもりでしょう」
 だが村人が安全に避難できる程度の時間は稼げたはずだ。
 二人はカインを探すために村へ向かうことにした。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

蛇塚・レモン
人類砦も誕生してるのに、等しく滅ぶ事が正義だとか迷惑だよねっ!

カドズ村のみんなっ!
あたいは猟兵だよっ!
敵が襲ってくるから、みんな早く家の中へ避難してっ!
礼儀作法とコミュ力を発揮する
疑うようなら、蛇神様を顕現させて恐怖を与える

あたいの声で敵が気付いて襲ってくるはず
先制攻撃+咄嗟の一撃+カウンターでUC発動!
お願い、護って、蛇神様っ!

死神の鎖が命中すれば、こっちの動きが封じられる
けど、あたいのUCは『蛇神様が庇う存在へ害意を向けた』事が発動条件
つまり、あたいへ害意を抱いた時点で、こっちのUCが成立する!

鎖を念動力で反射して打撃
敵を捕縛
蛇神様の影からオーラガンの衝撃波+呪殺弾の弾幕で乱れ打ちだよっ!


エグゼ・シナバーローズ
迫害は良くねーことだ
けどダンピールっぽいのを見て動揺するのは後ろめたい気持ちもあるってことだろーな
直接関係なくても苦しめられた記憶のオブリビオンと全く無関係とは言えねーよな…
だからって殺していいことにはならねー!
嗾けた奴に至っては関係ねー、てめー何様だ!

スプレッド(装備品)で村人に襲撃者がいるから家から出るなと伝える
一軒ずつ言ってる時間はねーのと、どこに村人が居るか敵に知らせることになるのを防ぐためだ

それからスプレッドで俺が相手だと敵に宣言
早々にUCをぶっ放す!

鎖は直感的にやべぇと回避を試みる
捕まっても連れている精霊や武器で諦めずに攻撃
…お前、顔色悪くね?身を削ってまでこんなことやりてーのか?



「お願い! 敵が襲ってくるから、みんな早く家の中へ避難してっ!」
 村へ着いた蛇塚・レモン(白き蛇神オロチヒメの黄金に輝く愛娘・f05152)は広場で村人たちに呼びかける。
 最初は戸惑っていた村人たちだが、彼女の必死な様子に只事でないと感じたようで、ほとんどの者は家に入っていった。

 同じく村人に避難を呼びかけていたエグゼ・シナバーローズ(4色使いの転校生・f10628)は、村の中に人影が見えなくなると、スプレッドで村全体に声が届くようにして呼びかける。
「猟兵はここにいるぞ! 苦しめられたとは言え、村人を殺していいってことにはならねー! 俺たちを相手にしろ!」
 村人がダンピールを見て動揺したように、村人の中には過去の迫害のことを後ろめたく思っている気持ちがある。
 そのような認識がダークセイヴァーの住民にある程度共通するとすれば、全く無関係とは言えない。
 それでも、村人を全員殺すなんてことは間違っているだろう。

 すると、建物の影から黒ずくめの男、カインが現れた。
「猟兵……もう村の中にも来ていたか」
「現れたね!」
 カインが話を終える前に、レモンはカインに向かって駆け出す。その背後からエグゼはカインに向けて炎の精霊を放った。
「ふん……」
 カインはローブの中に隠れていた鎖を2本、向かってきた相手に放った。
 二人は避けようとするが、鎖は生き物のようにレモンの胴体と、エグゼの腕に巻き付く。すると飛んでいた炎の精霊は力を失ってしまう。

「何人で来ようと、力を封じてしまえばよい……」
 鎖を振り払おうとしている二人に近づいてきたカインは、鎌をゆっくり二人に振り下ろそうとする。
「かかったね! お願い、蛇神様!」
 レモンが叫ぶ。すでに彼女が発動していた力により、蛇神が彼女の受けた攻撃を跳ね返す。
 彼女に巻き付いていた鎖が弾け、今度はカインに巻き付いた。

「む……」
 自分の鎖にカインは力を封じられてしまった。
 取ろうと身をよじってもがいている間に、エグゼを拘束していた方の鎖も外れた。
「よし、今度こそ……!」
 エグゼは再びカインに向かって精霊を放つ。それと同時にレモンがオーラガンで呪殺弾の弾幕を浴びせる。

「ぐっ……!」
 二人の攻撃をまともに食らったカインは、地面に膝を付けた。
「……お前、顔色悪くね? 身を削ってまでこんなことやりてーのか?」
 エグゼが呼びかけた。カインはユーベルコードを使う代償として自分の寿命を削っていたため、弱っているのが目に見えてわかった。
「うる……さい!」
 カインは残りの力を振り絞って、ダッシュで二人の前から姿を消した。

「あっ、てめー逃げるか!? 追いかけるぞ!」
 エグゼの言葉にレモンも頷く。
「うん! まったく、人類砦も誕生してるのに、等しく滅ぶ事が正義だとか迷惑だよねっ!」
 カインはまだ村にいるはずだ。二人はカインを探して駆け出した。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

唐草・魅華音
任務、村を守り、襲うオブリビオンを討伐。任務了解だよ。
いかなる理由であったとしても、守る場所が過去何があったとしても、オブリビオンの脅威が迫る以上、まずはその脅威を振り払わせてもらうよ。


敵を村から遠ざけて、炎による被害を防ぐのを優先に試みるよ。
UCを発動。ドローンを飛ばして、村への被害を防げそうなポイントを【情報収集】しながら、村の建物や木々など【地形の利用】し【ロープワーク】による【空中浮遊】で飛び回りながら【弾幕】を張り近づいて、接近したら刀を抜いて【切り込み】を繰り返し翻弄。
適切な場所が見つかったら、攻撃を激化させて圧力をかけ、村へ向かう動きを封じ込めながら遠ざけるよ。

アドリブ・共闘OK


トリテレイア・ゼロナイン
過去の罪業は何時か裁かれる時が来るのかもしれません
誰かが沙汰を下すことが正義と言えるかもしれません

…ですが、それは虐殺という形ではあってはなりません
ましてや猟兵を誘う目的のついで等と…

その命(めい)、騎士として阻ませて頂きます

村に火を放たれる訳にはいきません

家屋や村人を●かばいつつ、噴き出す蒼の炎をUCを起動した●盾受けで防御し反射

デブリや太陽フレア防ぐこの装備、地上の焔で抜けるとは思わぬことです

炎は顔面へ反射し●目潰し

今更鎮火しても遅いですよ

敵が対処する間に脚部スラスターでの●スライディング移動で高速接近
●怪力で振るう剣で鎌を●武器落とし
がら空きの胴へシールドバッシュを食らわせ村から遠ざけ



 追手を振り払い、カインは先ほどとは別の村の広場へやってきた。
 小さな広場を教会などの建物が取り囲む、村の中心部であるがこのときは静かだった。
「ここが良さそうだ……」
 カインは村全体を炎で包むには、この場所から火を放つのが良いと考えたようだ。
 しかし、その様子を密かに観察している者がいた。

「目標発見しました」
 離れた所から、ドローンでカインを探していたのは唐草・魅華音(戦場の咲き響く華・f03360)であった。
「村に火を放たれる訳にはいきません」
 トリテレイア・ゼロナイン(紛い物の機械騎士・f04141)は、魅華音の情報を受け取り、急いでカインの元へと向かった。

 カインが鎌で自分の腕を切り裂くと、そこから蒼い炎が吹き出す。
「すべてを燃やし尽くせ」
 手始めに近くの建物に向かって炎を放つ。しかし、炎は建物に届く寸前に止められる。
 直前にたどり着いたトリテレイアが、その巨大な盾で炎を遮ったからだ。
「なに……!」
 カインはもう一度、今度は相手を焼き尽くす勢いで炎を放つ。
「デブリや太陽フレア防ぐこの装備、地上の焔で抜けるとは思わぬことです」
 トリテレイアが盾に力を込めると、炎は軌道を変えてカインに向かって襲いかかってくる。

「まずい……」
 カインは身体に燃え移る寸前で炎を消す。そして、まずはトリテレイアを排除するために、鎌を振り上げて向かってきた。
 鎌と盾が激しくぶつかり合う音が広場に響く。その間に村の建物の屋根を伝ってやってきていた魅華音が教会の屋根に上り、銃火器で援護射撃を行う。
「こっちへ来なさい」
 魅華音がつぶやく。トリテレイアと彼女はカインを村外れの墓地へ誘導しようとしていた。

「……邪魔だ」
 頭上から降ってくる弾幕に苛立ったカインは教会の屋根に飛び乗り、魅華音を追いかける。
 魅華音は急いで墓地の方へと走り出す。トリテレイアも地上から二人を追いかける。

「ここなら村への被害を最小限にできるでしょう」
 墓地へ飛び降りた魅華音は、追って飛び降りてきたカインに一層激しく銃撃を浴びせる。
 銃弾は鎌で弾かれるがある程度は当たっているはずだ。それでも怒りの表情をしたカインは痛みをものともせず、魅華音に向かって切りかかってくる。
「殺す……!」
 鎌を振りかぶるカインに対して、魅華音は刀を抜いて応戦する。
 その瞬間、カインの意識の外から白い巨体がぶつかってくる。二人に追いついたトリテレイアだ。

「過去の罪業は何時か裁かれる時が来るのかもしれません。
 誰かが沙汰を下すことが正義と言えるかもしれません。
 ……ですが、それは虐殺という形ではあってはなりません」
 トリテレイアの盾でカインは弾き飛ばされ、手にしていた鎌ははるか後方へ落ちた。

「覚悟しなさい」
 魅華音が倒れたカインに銃を突きつける。ところが、そこに彼はいなかった。
 彼が着ていた黒いフードが落ちているだけだった。
「逃げたようですね」
 遠くには行っていないはずだ。魅華音はカインを探すためにドローンを再び飛ばした。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

セシリア・サヴェージ
今はただ護る為に剣を振るいましょう。それが私の使命なのですから。

敵が村人を手にかけようとしているならば【かばう】【武器受け】で間に割って入り、村人にはこの場を離れるよう声をかけます。
オブリビオンから民を護る。それが誰であろうとも……それが暗黒騎士です。

敵が蒼い炎を放ったら【オーラ防御】で防ぎつつ正面突破します。
あの大鎌の間合いに入ったら蒼炎からあちらに切り替えてくるでしょう。
そうなれば後は接近戦を制すのみ。【切り込み】で一気に懐に入り込みUC【暗黒剣技】を叩き込みます。

元来大鎌という武器は接近戦には向かないもの。リーチの長さは脅威ですが、その内側に潜り込めれば勝機は十二分にあるはずです。


アンナ・フランツウェイ
迫害か…、ホント人間のやる事って醜いな…。だけどジークフリートの主張のある一点が気に入らない。だから戦おう、私らしく、バケモノらしくね。

私は村人達を守ったり、避難誘導はせずカインを倒すことだけに集中する。本来私には助ける義理は無いし、むしろ勝手に死んでくれって感じ。一応邪魔はするな、引っ込んでろとは言うけど。

カインご自慢の炎も元となる血液が、私自身に当たらなければ意味がない。なら【鮮血の鋼鉄処女・改】を展開し【武器受け】で防ぐ。

凌ぎ切ったら私の番、【ブラッドアロー・アンカーズ】を発射し、命中したら矢を触媒に【呪詛】を流し込みつつ、【生命力吸収】。アンタに構ってる場合じゃない、…とっとと消えろ!



 村に着いたアンナ・フランツウェイ(怪物である事を受け入れた天使・f03717)は、村人の避難誘導はせずカインとの戦いに備えて待機していた。
 そこへまだ屋外にいる村人がいないか見回っていたセシリア・サヴェージ(狂飆の暗黒騎士・f11836)が戻ってきた。
 暗黒騎士であるセシリアは対象がいかなる者でもオブリビオンの脅威から守るのが当然だと考えていた。だがそうでない者もいる。
「迫害か……、ホント人間のやることって醜いな」
 村のベンチに座り、ポツリとつぶやくアンナ。
「でも、あなたもカインを倒しに来たことには相違ありません」
「そうだよ。でもそれは、ジークフリートが気に入らないから……!」
 セシリアの言葉にアンナは答えて立ち上がる。
 その視線の先は村の教会の屋根に向いており、そこにカインが立っていた。

「燃え尽きよ……!」
 カインは自らの腕を鎌で切り、吹き出した蒼い炎を広場へ向かって放った。
 炎が広場に届けばそこから村中に燃え広がってしまうだろう。
「そうはさせないよ!」
 アンナは武器を収納している「鮮血の鋼鉄処女・改」を展開し、広場に炎が届かないように抑え込んだ。
「今がチャンスです」
 セシリアが暗黒のオーラを身に纏い、炎をものともせず一気に教会の屋根に駆け上がった。
「邪魔だ……」
 セシリアが剣で斬りかかってきたため、カインはやむを得ず炎を止めて鎌で応戦する。
 屋根の上という不安定な場所であることを忘れたかのように、二人とも巨大な武器を振り回す。武器がぶつかり合い、二人は屋根という限られた面積でギリギリの距離を取る。

「今度は私の番……当たって!」
 アンナが屋根の上のカインに向かって矢を放ち、見事命中した。
「私を焦がす呪いと痛みを……アンタにもくれてやる!」
 カインに刺さった呪詛交じりの血液で作成した矢の先端が棘に変形し、抜けなくなる。
「くっ……!」
 言葉数の少ないカインだが、明らかに苦痛で顔が歪んでいるのがわかった。
 思わず鎌を持つ手の力が緩む。
「そこだ!!」
 セシリアが暗黒の力を解放し、剣で一気にカインに畳み掛ける。
 カインは鎌で受けようとするが押され気味で、じわじわと教会の屋根の端に追い詰められていった。

「……とっとと消えろ!」
 アンナが念を込めると、カインに刺さった矢から呪詛が流れ込み、カインの生命力を吸収する。
「ぐはっ……!」
 力の抜けたカインは足を滑らせ、教会の屋根から落ちた。
「倒したの?」
「いえ、落ちた先を確認しましょう」
 アンナとセシリアは教会の裏手に回り込む。そこは墓地だったが、カインの姿は見当たらなかった。
「逃げたようですね。探しましょう」
「ええ、早く倒して、さっさとジークフリートに出てきてもらうよ」
 二人は顔を見合わせて頷くと、カインを探すために駆け出した。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

フォルク・リア
敵を発見したら生命を喰らう漆黒の息吹を発動。
冥界の鳳仙花で敵の生命力を削りつつ
花びらで敵の攻撃を遮る。
敵の行動を確認して回避するが
死神の鎖を受けそうになったら
片腕で受けて掴み。鎖の性質を【見切り】。
「なるほど。
真面に戦えば厄介な代物の様だ。
簡単に放してくれる訳でもなさそうだしな。」
(なら。)
と鎖を余計に確りと掴み残った腕で
呪装銃「カオスエンペラー」を構えて
生命力吸収の【呪詛】を持った死霊を放つ。
加えて鎖を掴んだ手からはレッドシューターで炎を生成。
鎖を伝う様に攻撃。
「捕まえたのはこちらの方だった様だ。
その鎖は術者の寿命を削る死神。
鎖を解けば冥府の花びらに生命を喰われる。
好きな方を選ぶと良い。」



「ここにいたか」
 フォルク・リア(黄泉への導・f05375)は、村の入り口付近に潜んでいたカインを見つけてつぶやいた。
「……猟兵か」
 すぐに気がついたカインは立ち上がりざまに、ローブから鎖を放ち、フォルクを拘束しようとする。
 フォルクは鎖を避けながら、能力を発動する。
「なるほど。真面に戦えば厄介な代物の様だ。だかこれならどうだ?」
 フォルクの装備が無数の冥界の鳳仙花に変化し、辺り一帯の空中を舞う。

「……!?」
 カインは空中を舞う鳳仙花の花びらに触れると、そこから生命力が失われるのを感じた。
「厄介な技を……!」
「お互い様だ」
 カインはもう一度鎖を放とうとする。拘束してしまえば辺りに舞う花びらも消せる。
 フォルクは呪装銃を構え、死霊を放つと同時に、もう片方の手で炎を生成し、飛んできた鎖をわざと掴んだ。
「なに……!?」
 鎖に触れることで周りの花びらが消えたが、炎は鎖を伝わってカインに燃え移り、死霊も命中した。
「その鎖は術者の寿命を削る死神。鎖を解けば冥府の花びらに生命を喰われる。好きな方を選ぶと良い」
 鎖を掴んだままのフォルクが言う。
「ぐっ……」

 どの選択をしてもカインの命は失われる。
「ならば、お前を道連れにする……!」
 カインは鎖を解くのをやめず、そのままフォルクに向かって鎌で攻撃してくる。
 だが、次第に身体中に炎が燃え広がり、その姿は不明瞭になっていく。
 フォルクは拘束されたまま、カインの攻撃を避けることだけに集中していた。
 やがて炎は消えたが、そこにいたカインは完全に消えてしまった。

「……逃げたのか?」
 カインは相当生命力を失ったはずだが、まだ生きているだろう、とフォルクは感じていた。
 そのため、カインを探すために再び歩き始めた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

リーヴァルディ・カーライル
…実際に迫害していたこの村が無実とは、私も思わない

だけど、彼らの罪を裁くのは私でもなければお前でもない

…真に愚かしいのは、当事者でもないのに彼らの罪を推し量り、
皆殺しにしようとするお前達のような輩であると知れ

過去の戦闘知識から魔眼の暗視や第六感の死角を見切り、
自身の殺気や気合いを絶ち存在感を消して切り込み、
魔力を溜めた大鎌を怪力任せになぎ払う先制攻撃を放ち、
大鎌や火属性攻撃のカウンターが届く前に闇に紛れる早業で離脱

一度ならず闘った相手よ。お前の力は知っている
魔眼も、大鎌も、蒼炎も…私には通じないわ

上記の手順をUCを発動して連続して繰り返し敵を乱れ撃ち、
消耗は敵の生命力を吸収する事で補う


カタリナ・エスペランサ
こんな世界だ、強く居られる人ばかりでもない
過去の罪がどうあれ見捨てる理由にはならないよ
……いつか同じ過ちを繰り返すような事はしないでほしいけどさ

《情報収集》のセンサーと《体勢を崩す》妨害を兼ねた《念動力》の力場を展開、《第六感+戦闘知識》で敵の動きを《見切り》戦うよ
《ダンス+空中戦》で機動力の優位を活かして更にUC【閃紅散華】で加速。
念動力に羽の《誘導弾+弾幕》も重ねて動きを誘導、本命は《早業+怪力》に《属性攻撃+マヒ攻撃》の紅雷を交えた剣技と体術。
仕上げは《2回攻撃》、UCと合わせて18倍の手数で一気に押し切ろう

……今から過去のキミを救う事は出来ないけれど。
せめて骸の海で安らかに眠るといい



 村と森の境界付近で、カタリナ・エスペランサ(閃風の舞手(ナフティ・フェザー)・f21100)とリーヴァルディ・カーライル(ダンピールの黒騎士・f01841)はカインを探していた。
 村人たちは全員家に避難したらしく、村の中は非常に静かだった。
 見た所、貧しくも平和な村に見えるが、過去にはここでダンピールが迫害されたという。
「こんな世界だ、強く居られる人ばかりでもない。
 過去の罪がどうあれ見捨てる理由にはならないよ」
 カタリナが村を見て言った。
「……いつか同じ過ちを繰り返すような事はしないでほしいけどさ」
 と、最後に付け足す。
 リーヴァルディはそれを聞いて無言で頷いたが、背後から人が近づいてくる気配を感じた。

「……愚かな。どんな人間も過去からは逃げられない」
 森から姿を現したのはカインだった。
 二人はすでに構えていた武器でカインに突撃するが、カインは翡翠の目を光らせると、あっさりと攻撃をかわす。
(やはり、あの魔眼が厄介……なら、こうすれば!)
 リーヴァルディは戦闘中であるにも関わらず、極限まで自身の殺気や存在感を抑える。
「……!?」
 カインは驚いた。存在感が消えたことで、リーヴァルディがまるで消えたように感じたからだ。
 そして次の瞬間、予想しなかった方向からリーヴァルディの鎌の攻撃が飛んでくる。
「……一体、何をした?」
「魔眼で攻撃を避けるなら、視界から消えればいい……それだけ」
 リーヴァルディがそう答えながらも、攻撃の手を休めない。
(……実際に迫害していたこの村が無実とは、私も思わない)
「だけど、彼らの罪を裁くのは私でもなければお前でもない」
 リーヴァルディの鎌とカインの鎌が激しくぶつかり合う。

「よし、一気に行くよ!」
 カタリナはリーヴァルディが鎌でカインを大きく弾き飛ばしたのをチャンスと動き出す。
 舞うような軽やかなジャンプで一気に空中に飛び上がり、能力を発動する。
 空中から斬撃、蹴撃、羽弾、ビームなどの攻撃が次々に飛んでくる。
「ぐは……っ!!」
 カインはカタリナが素早く動き続ける上、攻撃の手数が多いため避けることもままならない。
 転がりながらなんとか距離を取ろうとするが、今度はリーヴァルディの攻撃が飛んでくる。
「逃さない!」
 カタリナがダガーを投げ、続けざまにビームを放つ。
(避けきれない……!) 
 カインはとっさに腕を上げ、攻撃の直撃だけは避けようとするが、何本ものビームを同時に浴びて、激しく爆発した。

「……どうやら倒したみたい」
 リーヴァルディがカインが跡形もなく消えたのを確認してつぶやいた。
 それを聞いてカタリナはほっとしたような顔をした。
(……今から過去のキミを救う事は出来ないけれど。せめて骸の海で安らかに眠るといい)

 村を襲った脅威、カインは無事退けることができた。
 だがジークフリートはすぐさま次の刺客を送り込んでくるだろう。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​




第2章 集団戦 『神の祝福を受けしモノ共』

POW   :    肉侵転移
【祈り念じると、分裂して増殖した自身】と共に、同じ世界にいる任意の味方の元に出現(テレポート)する。
SPD   :    喰らい受け継ぐ信仰
戦闘中に食べた【仲間の死骸】の量と質に応じて【肉体と信仰心が強化再生】、戦闘力が増加する。戦闘終了後解除される。
WIZ   :    哀れなる者を神に捧げよ
【殺意の凝視】【触手の群れ】【神に捧げる讃美歌】を対象に放ち、命中した対象の攻撃力を減らす。全て命中するとユーベルコードを封じる。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●森から来るもの
 猟兵たちの活躍により、村を襲ったオブリビオン、カインは倒された。
 家に避難していた村人たちの中には、静かになったことに気づいて、こっそり窓から様子を見るものもいた。

「お母さん、森から何か来るよ」
 小さな少年が母に訴える。母が怪訝な顔をしながら窓を覗くと、確かに森から何かがやってきていた。
「あれは……森に棲む怪物じゃないかい! まさか本当にいるなんて……」
 母は慌てて少年を窓から遠ざける。

 村の周りの森には怪物が棲むと噂された。それは森に追われた人――ダンピールもいたかもしれない――が変質したとか、飢えた村人が森へ食料を取りに行って戻ってこられなくなった姿だとか、色々な噂があるが本当のところはわからない。
 だたはっきりしているのは、怪物は大きな口で何でも食べてしまうという。

 その怪物が何体も湧いてきて村を取り囲んでいたのだ。
 猟兵を追い詰めるためにジークフリートが喚んだのである。

■マスターより
 2章は集団戦で、オブリビオン「神の祝福を受けしモノ共」との戦いになります。
 怪物たちは猟兵を倒すためにジークフリートが呼び出した存在です。
 大群で村に侵入してこようとしているので返り討ちにしてください。
 2章のプレイングは7/15(水)8:30から受付開始いたします。
 どうぞよろしくお願いいたします。
蛇塚・レモン
さっきの大鎌男はいわゆる撒き餌ってことで、
あたい達は黒幕にまんまと誘われちゃったってことかな……っ?
とにかく、これ以上、村へは近付かせないよっ!

すかさず先制攻撃+咄嗟の一撃でUC発動
自分の前に結界を生成して、まずは賛美歌の効果を減退させるよっ
(オーラ防御+破魔+継戦能力+狂気耐性+環境耐性)
同時に自身を防壁として、村には近付かせないように踏ん張るっ!

出番だよ、ライムっ!
勾玉から妹の魂魄を顕現させて、そのまま群れの目の前で大爆発!
(属性攻撃+全力魔法+焼却+爆撃+範囲攻撃+マヒ攻撃)
霊的手榴弾で目と触手をなぎ払い+衝撃波

後は蛇神様の念動力とあたいのオーラガンの乱れ撃ちで敵を鎧無視攻撃!
(2回攻撃


フォルク・リア
「森に怪物がいるなんて噂は珍しい事じゃないが。
正真正銘、とは。」
「まあ、それも此処では驚く程の事でもない。か。」
吸血鬼が闊歩するこの世界では。

敵をよく見て【残像】を使ったステップで凝視や触手を回避。
「禍々しい見た目だが。
化け物には化け物、と行こうか。」
と殺意を向けられた時点で。
誘いの魔眼を発動。怪奇現象の様な眼を操る。
複数の敵に向け【範囲攻撃】の【呪詛】を放ち肉体と精神を蝕み。
その隙を逃さず【2回攻撃】で
呪装銃「カオスエンペラー」で【マヒ攻撃】
の効果を持った呪詛を撃ち込み讃美歌も妨害。
後は一体ずつ魔眼の攻撃を集中し仕留める。
「お前達に何時までも手古摺っていられないんでね。
片付けさせて貰おう。」



 蛇塚・レモンがカインが倒れたことを確認してほっとしたのもつかの間のこと。
 すぐに村の回りに怪物たちが押し寄せてきていることに気がついた。
「さっきの大鎌男はいわゆる撒き餌ってことで、
 あたい達は黒幕にまんまと誘われちゃったってことかな……っ?」
 確かに、この村の襲撃は猟兵たちをおびき出すものだという情報だった。

「森に怪物がいるなんて噂は珍しい事じゃないが。
 正真正銘、とは」
 同じく怪物に気づいたフォルク・リア。とりあえず敵がどう出るか観察することにする。

「♪~♪~♪~」
 怪物たちは触手を動かしながら、理解できない言語で声を上げる。
 フォルクはそれが、異端の神々に捧げられる賛美歌の一種に似ている事に気がついた。
 聞いていると頭が痛くなり、集中力が乱される奇妙な歌だった。
 そしてそのとき怪物たちの目がギョロリと動き、レモンたちを視界に捉えた。
「わわっ、こっちを見ているよっ!」
 レモンが驚いて引き下がろうとする。だが、このままでは村が襲われてしまう。
 彼女は逃げるのをやめ、怪物たちを村に近づけないようにすることにした。

「これ以上、村へは近付かせないよっ!」
 レモンが精神を集中させる。彼女の背後に巨大な白い蛇神が現れ、その眼から鋭い光を発する。
 怪物たちの一部が光によって焼ける。さらに、レモンとフォルクを中心に、村全体が結界に覆われた。

「歌が聞こえにくくなったな」
 フォルクは結界の効果で怪物たちの歌が耳に届きにくくなっている事に気がついた。
 反撃するなら今のうちだろう。
「禍々しい見た目だが。
 化け物には化け物、と行こうか」
 フォルクは召喚の呪文を詠唱する。現れたのは、無数の赤目を持つ闇色の怪物だった。
 赤目の怪物は怪物たちの群れに広範囲の呪詛を放つ。
 それと同時にフォルクが呪装銃で麻痺する呪文を飛ばして怪物たちの動きを止めていく。

「こっちにも怪物がいるよっ!? ……ってどうやら味方みたいだね。よーし、出番だよ、ライムっ!」
 レモンは赤目の怪物に驚きつつも、怪物を退治することに専念することにした。
 レモンは勾玉から妹の魂魄を顕現させる。妹の魂魄は怪物たちの群れへ飛んでいき、大爆発を起こした。
 一帯の怪物たちが爆発に巻き込まれ消し飛んだ。
「よしっ! だいぶ倒せたねっ!」
 だがまだ怪物たちは続々押し寄せてくる。レモンは召喚した蛇神と一緒にオーラガンで残った怪物たちを倒していく。
 フォルクも、残りの怪物たちを魔眼で一体一体仕留めていく。
「お前達に何時までも手古摺っていられないんでね。
 片付けさせて貰おう」
 怪物たちの数は確実に減っていった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ノイシャ・エインズワース
「何もかも醜い…虫唾が走る光景だ」

永遠を良しとし、停滞を好む彼女の矜持からかけ離れた光景、森から湧き出てくる怪物を見て吐き捨てます。

「囮は私が引き受けよう。村へは一匹たりとも通すな」

【空中浮遊】【闇に紛れる】で敵の攻撃をいなしながら【誘惑】でオブリビオンの注意を惹きつけます。
付かず離れずの攻防をしつつ、【高速詠唱】でUCの使用間隔を早めながら敵の攻撃侵入ルートを予測し、周囲の味方に伝達します。

――――朽ち滅びる事は救いにはなりえない。そうあるべきではない。
続いていくことが何よりの、終わらないことが何よりも、誰もかれも
置き去りされない事が救いではないのか。だから私は、

(アドリブ、連携◎)
 


カタリナ・エスペランサ
暗い顔を並べてゾロゾロとご苦労な事だね
いいよ、纏めて相手してあげる!

数には数、使うUCは【暁と共に歌う者】。
召喚した不死鳥と共に響かせる歌声に込める力は《歌唱+浄化+結界術+拠点防御》。
オブリビオンには《精神攻撃+催眠術+継続ダメージ》の弱体化を、アタシたち猟兵には《鼓舞+ドーピング》の強化を与える領域を形成するよ

敵の動きは《第六感+戦闘知識+見切り》で先読み
爆炎を付与した羽弾の《属性攻撃+誘導弾+乱れ撃ち+蹂躙+爆撃》と不死鳥たちの飛ばす斬撃を合わせ、敵UCの捕食を妨害するように《吹き飛ばし+焼却》で死骸も残らないように処理していこう

村の平穏の為にも一体だって残しやしない
ここで全部焼き払う!


四王天・燦
遅ればせながら参上
村を救う価値は見出してない
寝覚め悪いから、良心のまま―それだけで充分だ

屁理屈並べるジークフリートの親父さんに用あって…って酷い(見た目の)手下だなオイ

大群の中心に時限爆弾・カウントダウンを投擲・爆撃して間引きするぜ
共食いできないミンチにしても…ミンチでも食べるよな
食欲失せるわ
手下のセンス悪すぎやしませんかね

玖式発動
劫火の大太刀を手に、突破してきた個体を火炎属性攻撃付きで斬り、そのまま焼却
死骸を残さない

触手を見切り、武器受けてカウンター
凝視や讃美歌は狂気耐性・オーラ防御で凌ぐ

群れたら破魔を載せたなぎ払いで一網打尽だ
秘儀・神火斬妖剣!ってね

あは、森の魔物を減らす為に寄越したのかな



「暗い顔を並べてゾロゾロとご苦労な事だね。
 いいよ、纏めて相手してあげる!」
 カタリナ・エスペランサは村に迫りくる怪物を見て言った。

「来たれ我が眷属、『暁と共に歌う者』よ!」
 呼び出されたのは劫火の身体をもつ不死鳥である。不死鳥はカタリナの周囲を飛び回りながら、美しい歌声で歌う。
「おおお……」
 不死鳥の美しい歌声だが、怪物たちには恐ろしく感じられるようだ。
「逃さないよ!」
 ジリジリと退く怪物たちを、カタリナが羽弾と不死鳥の斬撃で次々に倒していく。
 怪物たちの死体は次々燃え上がっていくが、燃えきらないうちに他の生きている怪物がそれを捕食していく。

「うそ、燃えているのに食べるなんて……!」
 カタリナは怪物たちの貪欲さに少し引く。
 燃えている死体を食べた怪物たちは、先ほどより勢いを増して村の中に入り込もうとしてくる。
「このままじゃ押される……」

「本当に、何もかも醜い……虫唾が走る光景だ」
 いつの間にか、カタリナの側にいたのは 金の髪に金の瞳、喪服姿の女性。
 ノイシャ・エインズワース(永久の金糸・f28256)である。
 森から溢れ出てくる怪物のあり方は、彼女にとって許せないものであった。

「囮は私が引き受けよう。村へは一匹たりとも通すな」
 ノイシャはカタリナにそう呼びかけて前に出る。
 怪物たちは近づいてくるノイシャに気づいて触手を伸ばして襲いかかってくる。
 しかし、触手は彼女に当たらない。
 彼女の周りに展開された術式、これにより怪物たちの攻撃の軌道を予測し避けているのだ。

「遅ればせながら参上、っと。助太刀するぜ」
 次に現れたのは四王天・燦(月夜の翼・f04448)。彼女は手にしていた箱型の爆弾を怪物たちの群れの中心に投擲する。
 投げ込まれた爆弾は時限式で爆発し、怪物たちを消し飛ばした。
「これで共食いできないだろう?」
 怪物たちは粉々になるが、わずかに残った破片を残った怪物たちが食べていく。
「うわ……食欲失せるわ」
 構わず食べていく様子に燦は気味悪がる。

「どうやら一気に倒すのが一番のようね」
 カタリナが言った。怪物たちに死体を食べさせないためには、今いる怪物たちを残らず倒すしかない。
「気をつけろ、東から大群が来る」
 ノイシャが敵を引きつけながら、敵の侵入ルートを予測し、カタリナたちに伝える。
「一斉に攻撃するよ!」
「ああ、わかった」
 カタリナの呼びかけに燦は頷き、その手に劫火の大太刀を出現させる。

 予測通り現れた怪物の大群に、燦は飛び込んでいき大太刀で次々と斬りつける。
「秘儀・神火斬妖剣!」
 大太刀は魔を焼き払う炎で怪物たちを燃え上がらせる。
 カタリナの不死鳥もそれに合わせて、怪物たちを斬撃で燃やしていく。
「村の平穏の為にも一体だって残しやしない
 ここで全部焼き払う!」
 二人が力を合わせることで、先ほどよりも勢いを増して怪物たちが燃えていく。
 怪物たちは仲間を食べられないまま次々と燃えつき、倒れていく。

 ノイシャは敵の触手攻撃を避けながら、二人の攻撃により怪物たちが燃え上がっていくさまを目にしていた。
(――――朽ち滅びる事は救いにはなりえない。そうあるべきではない)
 彼女の良しとするあり方は「永遠」だった。ずっと続いていくこと、終わらないことが何よりの救いではなにのか。
 それは世界を破壊するオブリビオンのあり方とは反対だった。

「あは、森の魔物を減らす為に寄越したのかな」
 燦が楽しげに言う。いつの間にかその場の怪物たちはほぼいなくなっていた。
「まだ他の場所から怪物が来るかもしれないよ、探しに行こう」
 カタリナがそう言うと燦は頷き、二人は村の他の場所へと向かうことにした。

「……」
 残ったノイシャは、先ほどまで怪物たちのいた場所を見回した。
 辺りのすべての怪物たちが燃え尽き、動かなくなっていた。
 オブリビオンが救えない存在であることを改めて確認し、彼女は二人の後を追うのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

リーヴァルディ・カーライル
…早速、第二波を送り込んできたみたいね
数だけは多いけど無駄よ。この村には手出しさせないわ

今までの戦闘知識から敵の殺気を暗視して見切り、
“血の翼”を広げ闇に紛れる空中戦機動で攻撃を回避

讃美歌は狂気耐性と"風精の霊衣"で遮断して、
吸血鬼化した自身の生命力を吸収しUCを二重発動(2回攻撃)

…来たれ。世界を調律する大いなる力よ

大鎌に“過去を世界の外側に排出する闇”の魔力を溜め、
武器改造した大鎌を大剣の柄に変形させ“闇の光”刃を形成

…其は光を呑み、闇を切り裂く、裁きの刃…!

限界突破して伸ばした光剣を残像が生じる早業で怪力任せになぎ払い、
闇光のオーラで防御を無視して過去の存在のみを討つ世界属性攻撃を放つ


エグゼ・シナバーローズ
まさに怪物って見た目してんな。でもよく見りゃ人の身体らしきものもあるな。
人を苗床にしてるってことかもな。……事実がどうなのかはわかりようがねーけど人の身体を解放してやりてーな。

まずは精霊ヴァルカンを火の玉姿のまま向かわせて注意をそっちに向ける。
その間に杖に変化させている精霊イルスを使って【全力魔法】の準備、ありったけの風【属性攻撃】を発動!風の刃で怪物の体を刻んでやる!
続けて敵の近くにいるはずのヴァルカンによるUC『鈴蘭の嵐』を発動、人の体から離れろよこの野郎!
絶えず攻撃を続けて怪物には行動させないようにしたいぜ。



 リーヴァルディ・カーライルとエグゼ・シナバーローズは村の北側に押し寄せてきた怪物たちと戦っていた。
 怪物たちは賛美歌のような声を上げながら、二人を捕らえようと触手を伸ばしてくる。
「……数だけは多いけど無駄よ。この村には手出しさせないわ」
 リーヴァルディは飛んでくる触手を避けながら、鎌を振るう。触手がバラバラになり怪物が苦しみの声を上げた。

「叫び声もひどいが、この歌のような声も大概だぜ。聞いていると頭が痛くなる……そっちは大丈夫か?」
 エグゼが一緒に戦っているリーヴァルディに声をかけた。
「ええ、なんとか……」
 リーヴァルディはかろうじて歌声に耐えていた。
 しかし、耐えているだけでは数に押されてしまう。村を守るために反撃に出ることにした。

 リーヴァルディは血の翼を広げて飛翔し、怪物たちの触手をかいくぐりながら敵の中心に近づいていく。
「……来たれ、世界を調律する大いなる力よ」
 彼女のもつ大鎌に闇の魔力が集まり、武器の形が変化していく。
 それは闇の光を刃とする大剣であった。
「……其は光を呑み、闇を切り裂く、裁きの刃……!」
 彼女は手にした「闇の光剣」で怪物の群れを一気に薙ぎ払う。
「ぐおお……!」
 怪物の群れ全体に水平の切れ目が走り、一網打尽となった。

「よし……あとはこっちだけだな」
 エグゼはリーヴァルディが怪物の群れを倒したのを見て、残っていた怪物たちを前に向き直す。
 しかし、彼は怪物たちについて気がかりな点が一つあった。
 触手の塊のような怪物たちの根元に、人形の身体が付いていることである。
 元々そういう形の怪物だったのか、人間が取り込まれてしまったのかわからない。もし後者なら解放したい、とエグゼは考えていた。

「一か八か、やってみるか」
 エグゼは火の玉状の精霊ヴァルカンを怪物たちの中に放ち、注意を引く。
 怪物たちは火の玉を避けようと触手を動かしながらぞろぞろと移動していく。
「次は風の刃……っと」
 その間に杖に変化している精霊イルスの力を使い、周辺に風を発生させる。
 風は怪物たちの周りに真空状態を作り出し、刃となって怪物たちの上部の触手を切り刻む。
 さらに、怪物たちの周りを飛んでいたヴァルカンが鈴蘭の花弁に変化し、切り裂いた触手を燃やしていく。
「人の体から離れろよこの野郎!」

 触手が燃え尽き、怪物たちは次々倒れていく。
 人の部分は燃え尽きず残ったが、息をしているものはいない。
「もう手遅れだったのか、それとも……」
 真実は誰にもわからない。
 倒れている怪物たちの山の中に立ち尽くすエグゼ。
 その様子を見てリーヴァルディは心配そうに声をかけようとしたが、その前にエグゼは振り返って、
「大丈夫! さあ、他の場所の怪物を倒しに行こうぜ!」
 と、元気そうに振る舞い、走り出した。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

トリテレイア・ゼロナイン
分裂して転移した…村の防衛の為に確実に仕留める必要がありますね

遠隔●操縦で呼び寄せた機械馬に●騎乗
センサーでの●情報収集で敵集団の配置を●見切りつつUCを構えて起動
祈る体勢を取る暇も与えずに突撃し●串刺し

間髪を入れず●怪力で振り回し遠心力で敵から引き抜くと同時に他の敵へ放つ質量弾として骸を利用
同時に頭部や肩部の格納銃器を展開、センサーで把握している複数の敵を●スナイパー射撃で同時攻撃し分裂や転移の予備動作の祈祷妨害

その間にUCの穂先を新たな敵へ向け再度突撃
これを繰り返し敵を殲滅してゆきます

どの様な来歴であろうと、如何なる存在であろうとも
騎士として今を生きる人々に手出しさせる訳には参りません


唐草・魅華音
敵、周囲に多数展開。村を守るため速やかに敵を殲滅するよ。

敵の動きのパターンを分析して、再生を上回る速度を以って殲滅を計るよ。
《マメット》に木々を掴ませての【ロープワーク】で森の上を移動しながら攻撃の狙いをブレさせつつ【弾幕】を張り牽制、同時に【情報収集】し【戦闘知識】でパターン解析、UCをより高い精度で発動させるための準備をするよ。
準備完了したらUC発動、ガーターグレネードで爆破による【焼却】や飛び込んでまとめて【なぎ払い】したりと、ドローンに最適な行動判断を任せて再生させない速度で殲滅するよ。

アドリブ・共闘OK



 こちらは村の南側。
 トリテレイア・ゼロナインと唐草・魅華音が迫りくる怪物たちに立ち向かっていた。
 トリテレイアが長剣で怪物たちを切り裂いていく。
 しかし、彼の周りにいる敵の数が減ってくると、離れた場所にいた怪物たちがトリテレイアの近くに転移してきた。しかも、怪物の数は増えている。

「分裂して転移した……」
 このままでは怪物が減るどころか増えて、村の中へ侵入してしまう。
 その前に確実に仕留めなければならない。
 トリテレイアは機械仕掛けの巨大な白馬を呼び出す。騎乗したトリテレイアは槍を構えて敵の集団に突撃していく。

「おおお……」
 怪物たちが次々串刺しにされる。さらに、トリテレイアは串刺しした怪物を振り回し、勢いよく槍から放つ。
 飛んできた怪物の死骸に怪物たちが弾き飛ばされ、そうしているうちにまた別の怪物たちが刺されていく。
 トリテレイアは集団の配置を完全に把握し、機械馬の高速移動で間髪入れずに倒していくため、敵は転移する暇がない。

「どの様な来歴であろうと、如何なる存在であろうとも、
 騎士として今を生きる人々に手出しさせる訳には参りません」
 機械の白馬に乗り怪物たちの群れを駆け抜ける彼の姿は、まさに一騎当千と呼ぶに相応しかった。

 魅華音はその頃、村と森の境にある高い木に登り、ドローンを飛ばして敵の動きを分析していた。
「……!」
 敵の気配を察知し、豆の木の弦に捕まり、別の枝へと映る。次の瞬間、彼女のいた枝に怪物の触手が巻き付き、枝をへし折る。
 魅華音は枝から枝へと移りながら、弾幕で怪物たちを牽制し、攻撃に最適な場所まで移動していく。
「……あともう少し」
 弾幕でダメージを受けた怪物は、他の怪物たちに食べられていく。そして、残りの怪物たちの勢いが増していく。だが、追いつく寸前に彼女は目的の場所へたどり着いた。

「時はきた……流法、塵斥魅踏」
 敵の動きを解析し終わったドローンが自動攻撃モードに移行し、敵を次々撃ち抜いていく。
 魅華音はさらにガーターから取り出したグレネードを怪物たちに投げる、飛び降りて一気に敵を薙ぎ払うなど敵に死骸を食べさせる隙を与えない。
 魅華音に迫ってきていた怪物たちはあっという間に数を減らしていった。

「……こちらは片付いたようですね」
 しばらくして、敵を片付けたトリテレイアが機械馬で魅華音の元へやってきた。
 トリテレイアが辺りを見回して、怪物たちがほぼ倒されたことを確認する。
「はい、どうやら村の南側の怪物はほぼいなくなったようですね」
 魅華音がドローンで周囲を観測した。この辺り一帯にはとりあえず怪物はいなくなったようだ。
 まだ他の場所には怪物が残っているかもしれない。二人は場所を移動することにした。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

白峰・歌音
あの人たちは、オブリビオンの犠牲になった人達だろうか?
……ためらっちゃいけない。生きてる人を守って、この悲劇を引き起こし続ける敵を、引っ張り出してやる!
「無くした記憶が叫んでる!今生きる人たちを守り、操られた犠牲者の人を安らかに眠らせてあげろと!」

森の中を駆け回りながら、片っ端から倒していくぜ!
UCを発動、氷輪で凝視を遮るように周囲を巡らせ、讃美歌は【狂気耐性】で耐え、触手の群れは【見切り】【ダッシュ】【スライディング】で走って滑りぬけて回避を試みて敵の攻撃を凌ぎ、こっちの氷輪を飛ばして切り裂き敵を減らしていくぜ!

アドリブ・共闘OK


アンナ・フランツウェイ
質で上回れないなら数で攻めるときたか。でもアンタ達ごときがこの私に…呪詛天使に勝てるとでも…?アンタ達に構っている暇はないんだ、邪魔をするというなら…蹴散らすだけだ。

でもこの数を一体一体倒していくのは骨が折れる。なら…貫通力がある一撃で、複数体をまとめてなぎ倒すに限る。
【断罪兵器シンズ・ブレイカー】を怪物共へ向けて…【スカーレッドウィング・エンド】発動!

血の翼を描きながら突貫し、触手ごと怪物たちを貫いて行こう。周囲の怪物を倒し終わったら、怪物が残っている方向へ【空中戦】で方向を修正しそのまま突撃。
何体立ちふさがってもやることは変わらない、ただひたすらに貫き砕く!

・アドリブ、絡み歓迎



 村に近づいてきていた怪物は猟兵たちの活躍により、大幅に数を減らしていた。
 しかし、まだ森から怪物が来るかもしれない。
 白峰・歌音とアンナ・フランツウェイは、村の西側の森――村の周りにある森の中で一番大きかった――の中を探索し、怪物たちが潜んでいないか探していた。
「あの人たちは、オブリビオンの犠牲になった人達だろうか?」
 歌音は怪物たちの根元に人の形をした部分があることが気になっていた。しかし、もし怪物の犠牲になった人間だとしても、もう助けることはできないだろう。
 今は生きている人々を守ることが最優先だ。そして犠牲者は安らかに眠ってほしい、と歌音は考えていた。

「……あそこか」
 アンナが森に隠れていた怪物たちを発見した。
 木々に紛れて、怪物たちがぞろぞろと村へ向かって移動していた。
「質で上回れないなら数で攻めるときたか」
 アンナはこの怪物たちに構っている暇はないと思っていた。しかし、自分たちの邪魔をするなら話は別だ。
「一体一体倒していくのは骨が折れる。なら……!」
 アンナは「断罪兵器シンズ・ブレイカー」を構え、怪物たちに向けて突進していく。
 武器が血を噴き、怪物たちを貫いていく。

 敵襲に気がづいた怪物たちは、アンナを触手で捕らえる、または凝視で力を弱めようと試みる。
 しかしアンナは空中に飛び上がって攻撃を躱し、別の方向から怪物たちを貫いていく。
「何体立ちふさがっても変わらない……蹴散らすだけだ!」
 アンナの血に貫かれ、怪物たちが動きを止めていく。

「よし……こっちも片っ端から倒していくぜ!」
 歌音は自分の周りに無数の氷輪を出現させる。そのまま怪物の群れへ向かって走り出す。
 怪物たちの触手と凝視を氷輪で弾きながら、氷輪を飛ばして怪物を切り裂いていく。
「♪~♪~♪~」
 怪物たちは歌声のような声を上げる。頭が痛くなりそうな奇妙な歌声だが、歌音は耐えながら距離を取る。
 そして残りの氷輪を怪物たちに放ち、次々と倒していく。

 しばらくして森は静かになった。
 どうやら村の周りの怪物たちは倒し終わったようだ。
「もう大丈夫そうだな」
 これで怪物の犠牲者も安らかに眠れるだろう。歌音が確認している間にも、アンナは村へと歩きだしていた。
「……ここにもう用はない」
 こうしている間にも、村へジークフリートが来ているかもしれない。
 二人は急いで村へと向かうのであった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​




第3章 ボス戦 『ジークフリート・フォン・エーデルワイス』

POW   :    『口先だけの、上っ面の正義に価値は無い』
【百人を救う為一人を犠牲にできるか?と問い】を向けた対象に、【意志が弱いと戦意を失う眼力】でダメージを与える。命中率が高い。
SPD   :    『僕が吸血鬼と互角に戦えたのは仲間がいたからさ』
【直視したら10秒間、盲目になる聖なる閃光】【対象の影から伸び、絡みつく影の鎖】【吸血鬼殺しの剣による空間ごと切断する斬撃】を対象に放ち、命中した対象の攻撃力を減らす。全て命中するとユーベルコードを封じる。
WIZ   :    『猟兵諸君!他人を貶める輩に守る意義はあるか?』
対象への質問と共に、【他人に裏切られ蔑まれ理不尽な死を迎えた事】から【答えを求めて彷徨い続ける犠牲者の霊】を召喚する。満足な答えを得るまで、答えを求めて彷徨い続ける犠牲者の霊は対象を【死を迎えた時の怨嗟や悲嘆の籠った呪詛】で攻撃する。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はシホ・エーデルワイスです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●黒幕の登場
「ここまで耐えたとは、大したものだよ」
 ジークフリート・フォン・エーデルワイスは森の闇に潜み、猟兵たちの戦いぶりを見ていた。
「だが、そうまでして愚かな人々を守ることに何の意味がある?」
 人々が生き続けることで、また新たな悲劇が生まれるかもしれないというのに。
「まあいいさ……あとは自分の力で奴らに僕の考えを示せばよい」
 ジークフリートは剣を抜き、村へと向かった。

●崩壊する教会
 カイン、怪物たちを退け一時的に平和になったカドズ村。
 ところが、村人と猟兵以外がいないはずの村の中心で異変が起こる。
 教会の建物の周りに空間ごと切り裂く斬撃が数本走り、大きな音を立てて崩壊した。
 幸い、中に人がいなかったので怪我人はいなかった。

「貧しい村にしては立派な教会じゃないか。おかしいと思わないかね、猟兵諸君」
 崩壊した教会の裏手、墓場からジークフリートが現れた。
「こういうことだよ。この村の司祭が、村人にダンピールたちを迫害するように仕向け、居場所のなくなった彼ら、彼女らを逃がすという名目で物好きの金持ちに売ったわけさ……」
「な……! 私は何も知らない! そもそも数年前にこの村に来たんだっ……!」
 外に避難していた村の司祭が驚いて叫んだ。
「なるほどね、首謀者は十分稼いで逃げたわけだ」
 ジークフリートは司祭を一瞥した後、村にいるであろう猟兵たちに向かって呼びかける。

「猟兵たちよ、君たちが守ろうとしているものが本当に守る意義のあるものなのか、今一度考え直せ!
 それでも守りたいというのなら、この僕に実力で勝ってみせるがよい。
 口先だけの正義は嫌いなんでね……」


■マスターより
 ボス戦です。ジークフリートとの戦いになります。
 ダンピールの迫害の首謀者についてはとりあえずこれ以上の話はないです。調べても出てきません。
 3章のプレイング受付は7/21(火)8:30から受付開始いたします。
 どうぞよろしくお願いいたします。
四王天・燦
護ったのは女性と子供の死が嫌だから
心のままに救う
正義や意義に囚われ己が心―何がしたいかを見失いたくない
貴方の心は何処にある?

名乗りて一礼
彼の義娘を欲する故に御挨拶に来たんだ
それと達人とのこと―是非斬り合いたい

大切な人を護るため剣を極めたい
信念かもね

残像を囮に剣術を見切る
盗みの剣でエーデルワイス流剣術を体得にかかるぜ
我流の糧とする

符術で武器改造
神鳴に火炎属性攻撃付与…これは囮
本命は結界とオーラ防御の付与

不自然な動作を見るや片目を閉じて閃光対策
影から来ると分かる鎖を切断
空間切断を結界オーラでまさかの武器受け

盗みの剣を完成させ我流と混ぜた剣戟を浴びせるよ

猟兵が集まれば潮時
剣を収める
最期まで見届けるよ



 村の中心に降り立ったジークフリートは猟兵に呼びかけたが、すぐに反応する者はいなかった。
「ふん、反論もできないか……」
 言い負かしてしまったのならそれでも良いが……と帰る素振りを見せた所、崩壊した教会の瓦礫の脇に一人の女性が立っていることに気がついた。
「猟兵か?」
「そう、アタシは四王天・燦。お前の義理の娘のことを愛していてね。御挨拶に来たんだ」
 燦がジークフリートの元に近づいてきて、一礼した。

「はて、義理の娘は死んだはずだが、誰かと勘違いしているのでは……?」
 ジークフリートは怪訝な顔をする。
「勘違いならそれでもいい。お前、剣の達人なのだろう? ――是非斬り合い願いたい」
 燦はそう言いつつ刀を抜き、ジークフリートに斬りかかる。
 ジークフリートはすぐさま影から黒色の鎖を出現させ、刀を弾く。その合間に剣を構えて燦を狙うが、剣は空中を突いた。
「残像か」
 本物の燦はジークフリートの背後に周り、神の炎を宿した刀で斬りつけようとしていた。
 寸前で気がついたジークフリートは意識を集中させると、剣から目がくらむほどの閃光が発される。

「……ッ!」
 燦は直視しないようにしつつジークフリートから距離を取る。すると即座に彼は、空間を切断する斬撃を飛ばしてきた。
 しかし、彼女は斬撃で断ち切られることはなかった。
「……止めた、だと?」
 ジークフリートは驚いた。空間ごと切断するはずの斬撃を燦が刀で受け止めたのだ。
「なるほど、これがエーデルワイス流剣術……」
 そのまま真似るのは難しいが、我流の糧にはなるだろう。と、盗賊娘は斬撃を弾きながら口元で微笑んだ。

 そのとき、燦は複数の足音がこちらに向かってくる事に気がついた。猟兵たちの足音だった。
「……潮時だな」
 一騎打ちの時間はここまで。と、燦は刀を収め、戦いの行方を見届けることにした。

大成功 🔵​🔵​🔵​

唐草・魅華音
あなたの言葉には一理ありますね。けれど、それを以って全てを滅ぼそうとする貴方の意志こそ、正義の名を借りてとにかく滅ぼしたがってるだけの口先の正義としか思えないのですけれどね?

刀での接近戦を挑み、隙をついて袖に仕込んである仕込み銃からのUCの銃弾の一撃を撃ちこむのを試みます。
【切り込み】【なぎ払い】で攻撃、【見切り】【武器受け】で防御を固めてしばらく切り結び、刀に注意が向ききった所で仕込み銃を【クイックドロウ】しUCの呪殺弾を【零距離射撃】します。
敵UCは
「犠牲を当然とするなら、あなたは正義をやりたくて犠牲にする欲望深い存在にすぎない」
と【落ち着き】答え受け流します。

アドリブ・共闘OK


白峰・歌音
あんたが語った司祭は悪い奴だ。許せないとオレも思う。けれど、ここには優しい人だっているはず!後悔して変わろうとしている人だっているはずだ!そういう人までひっくるめてまとめて滅ぼそうとするお前の考え、オレは絶対に協調できない!

UCで真の姿へ変身、真っ向からぶつかってあいつの正義を否定してやる!
【ダッシュ】して急接近して【2回攻撃】で手数を増やしながら【鎧無視攻撃】で打ち込む拳でインファイトだ!
敵UCは守る人を背に戦う【勇気】と守り抜く【覚悟】で視線をはねのける!見せしめに村の人を狙ったら【かばう】
「無くした記憶が叫んでる!犠牲の上に成り立つ正義は悪と変わらない!」

アドリブ・共闘OK



 森で怪物を倒した後、唐草・魅華音は村の広場にジークフリートがいることに気づき戻ってきた。
 途中で白峰・歌音と合流し、同時に村の広場にたどり着く。
「ジークフリート……話は聞いてました」
 魅華音が口を開く。
 ジークフリートが二人を見て何かを言おうとする前に、歌音が前に進み出た。

「ジークフリート! オレはお前の考え、絶対に協調できない! ここには優しい人、後悔している人だっているはずなんだ。そういう人までひっくるめて滅ぼそうっていうのか?」
 歌音の言葉を聞いてジークフリートは大きくため息を吐いた。
「ああ、そうだ。まとめて滅べばいいと思っている」
 彼はそう吐き捨てると、二人にまとめて斬りかかってくるが、魅華音が刀で受け止め、歌音は横に跳ぶように避けて距離をとった。

「わたしはあなたの言葉にも一理あると思ったのです……ですが、それは言葉の上でだけ」
 ジークフリートの剣を受け止めながら魅華音は語る。
「実際にはあなたこそが正義の名を借りて全てを滅ぼしたがっている。それは口先だけでの正義ではないですか?」
「黙れ……!」
 魅華音の問いにジークフリートは激昂する。剣を持つ手に僅かながら震えがあるのを魅華音は見逃さなかった。
 瞬時に袖に仕込んでいた銃で呪殺弾をジークフリートの顔面に放つ。
「……!?」
 突然のことで避けられず、ジークフリートは弾を受けて地面に転がったが、すぐに起き上がった。

「外れたのか?」
 歌音が構えながら言う。
「いや、結構痛かったよ。しかも刃物のようなものが刺さって抜けないじゃないか」
 ジークフリートは片側の額から血を垂らしている。しかし、痛いと言う割にはまだ動けるようだった。

「……なるほど、猟兵たちは悪を許さないが、それを倒すために関係ないものが巻き込まれて滅ぶのは間違っていると考えているわけか。しかし僕に言わせれば甘い考えだ」
 片目に血が入らないよう拭いながらジークフリートが目を見開いた。
「絶対的な正義を成すには、犠牲も時には受け入れなくてはならない。その覚悟はあるか?」
 彼の両目が怪しく輝き、眼力が二人を貫こうとする。
 しかし、その力は急速に衰える。

 歌音が盾になって眼力を防いでいたのだ。
「あんたの考える正義は間違っている……!」
 ジークフリートの力を抑えながら、歌音が真の姿を開放し、衣装が変化していく。
 力を増した彼女はそのままジークフリートに接近し、強烈な拳を何度も打ち込んだ。
「犠牲を当然とするなら、あなたは正義をやりたくて犠牲にする欲望深い存在にすぎない」
 魅華音にもジークフリートの眼力は効いていなかった。

「……ッ!?」
 歌音の拳の連撃にジークフリートは反撃する隙を見つけられず、ただ耐えるしかなかった。
「無くした記憶が叫んでる! 犠牲の上に成り立つ正義は悪と変わらない!」
 歌音が最後に懇親の一撃を込めて拳を放つと、ジークフリートは宙を舞い、教会の瓦礫の山まで飛ばされた。
 奇しくもジークフリートが呼びかけたように、実力を以て猟兵たちの正義を示す形になったのである。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

フォルク・リア
「なるほど。大した探偵ぶりじゃないか。
それに考え直す機会をくれるとは慈悲深い事だ。」
「唆されたとはいえ、
迫害した罪がなくなる訳じゃない。」
村人に視線を送るが
向き直り。
「それでも、だ。
人を守るのに理由はいらない。
此処でその言葉に乗って人々を見捨てるのは
今お前が断罪している過去の村人が犯した過ちと大差ない。
人は一度道を外しても必ずやり直せる。」

犠牲者の霊には
「その死に対する答えを俺は持たない。
ただ、死に意味がなかったとしても
生きた時間には意味があった筈だ。
それは今を生きる者が受け継ぎ、未来に繋がる。
それが生ある者全てに共通する事だ。」
と語り【除霊】

敵には死々散霊滅符で包囲して
【範囲攻撃】を行う。



 ジークフリートが瓦礫の山から起き上がると、フォルク・リアが目の前に立っていた。
「先ほどの話は聞かせてもらったよ。なるほど、大した探偵ぶりじゃないか。
 それに考え直す機会をくれるとは慈悲深い事だ」
 フォルクの言葉を聞いてジークフリートは少し感心したようだった。
「どうやら話がわかる者もいるようだな」
 体についた瓦礫の屑を払いながら立ち上がる。
「ああ、唆されたとはいえ、迫害した罪がなくなる訳じゃない」
 フォルクは視線を外して、村の家々の方を向く。未だ村人は家に隠れているのであろう。

「……それでも、だ。
 人を守るのに理由はいらない」
 フォルクは向き直ってジークフリートに宣言する。
 ここで彼の言葉に乗って人々を見捨てるのは、過去の村人が犯した過ちと大差ない。
 人は一度道を外しても必ずやり直せる。
 フォルクはすべてを滅ぼそうとしているジークフリートとは明らかに考えを違えていた。

「……そうか、残念だよ」
 ジークフリートが冷たくつぶやくと、彼の影から数多くの青白い亡霊が溢れ出る。
 何体もの亡霊はフォルクに取り付き、怨嗟の声を上げて彼にに呪詛を吐き続けた。
 それはジークフリートがこれまで見てきた、理不尽な死を迎えた者たちの霊だった。

「……この亡霊たちの死に対する答えを俺は持たない。
 ただ、死に意味がなかったとしても、
 生きた時間には意味があった筈だ」
 フォルクは亡霊たちの呪詛に耐えながら、袖から霊符を取り出し、頭上に掲げた。

「それは今を生きる者が受け継ぎ、未来に繋がる。
 それが生ある者全てに共通する事だ」
 霊符が光って浮かび上がると、何百もの数に増して彼の周りを回りながら、周囲の亡霊たちを弾いた。
「……!?」
 残った霊符はジークフリートを取り囲むと、一斉に爆発した。
 村の広場一帯に爆発が起こり、ジークフリートは爆撃を直に受ける形となった。

成功 🔵​🔵​🔴​

カタリナ・エスペランサ
キミの語りが正しいとしても、残った村人を傷つけていい理由にはならないよ

《情報収集+念動力》の力場をセンサー代わりに目を閉じて戦ってもいいけど、仮にも勇士の先達には相応の敬意を払うとしようか

速さに掛けては随一の自負があってね!
《第六感+戦闘知識+見切り》で敵の動きを先読み、《早業》で常に先手を取るよ
更に【失楽の呪姫】により励起した魔神の魂で更に能力を増強

終焉の概念で侵蝕する《属性攻撃+ハッキング》の炎を《オーラ防御+範囲攻撃》の要領で纏い閃光遮断と追撃に活用、ダガーと体術で攻め立てる
全方位を炎が照らすから影も生じないよ
敵の斬撃は《カウンター+体勢を崩す+先制攻撃》で身体や手元を狙って初動で潰そう



 爆撃の煙が引き、ジークフリートは立ち上がった。
「やはり、誰も僕の考えを理解してくれる者はいないか……」
 落胆している彼のもとに近づいてくる人影があった。

「キミの語りが正しいとしても、残った村人を傷つけていい理由にはならないよ」
 ジークフリートの前に現れたのはカタリナ・エスペランサ。
「……お前も、僕の考えを否定するか」
「ええ、言ったよね? 『守りたいというのなら、実力で勝ってみせるがいい』って」
 カタリナはジークフリートに戦いを挑みにきたのだ。

 ジークフリートとカタリナが同時に動き出す。
 速さはカタリナが一枚上手だった。
 ジークフリートは影からの鎖や、空間ごと切り裂く斬撃でカタリナの動きを封じようとする。しかし彼女は常にジークフリートの一手先を読んで攻撃を躱していく。

「たとえ早くても、光は避けられまい!」
 ジークフリートが剣を掲げると、そこから強烈な閃光が発される。まともに直視したら視力をしばらく失うだろう。
 しかし、光は急速に力を失っていく。
「……なに!?」
 カタリナの周りに光より一層明るい炎が湧き上がり、彼女を閃光から守るように囲んでいた。
 彼女に励起した魔神の魂が宿り、周囲に劫火を呼び出したのだ。
 劫火が周囲を強烈に照らすため、影の鎖も出せなくなるジークフリート。

「まだだ! 能力を封じられたとはいえ、剣はまだ残っている!」
 ジークフリートが再び斬撃で空間ごとカタリナを二つに斬ろうと飛びかかってくる。
 カタリナはそれを見計らっていたかのように、タイミングを合わせて攻撃を躱し、ジークフリートを劫火の中に叩き込んだ。

「その炎は終焉を招く劫火の欠片、終焉の概念でキミの身体を侵食していくよ」
 カタリナの声が届いたか分からないが、ジークフリートは炎の中へ消えていった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

トリテレイア・ゼロナイン
犠牲ですか…

被弾した宇宙船の撃沈を防ぐ為、生存者の存在を承知で隔壁を下したことですか?

オブリビオンとはいえ、身籠った女性や無力な幼子を殺めたことですか?

今更の問いです

血に塗れた手でも剣を執るは、届かぬ理想を目指す為
そうでなくば、私の未熟で斬り捨てたモノの意味すら無くしてしまう

そしてその問いを投げたということは…貴方がその『一人』だったのでは?
剣を振るったその時に、私達は斬り捨てる側の責任を負うのです
同時に、己が命や希望すら斬り捨てられる覚悟も当然ある筈

人への失望に賛同求めるなど…生前の覚悟は骸の海に落とされたようですね

騎士として引導を渡します

UCの高速近接戦闘
剣を砕き一刀の元に斬り捨て



 トリテレイア・ゼロナインが村の広場についた時、そこに人影は見えず、崩壊した教会跡があるばかりだった。
「ジークフリートはどこに?」
 彼はまだ敵が倒れたとは思っていなかった。

「はは、さすが歴戦の騎士とお見受けする。油断するはずがないか」
 トリテレイアが振り返ると、後方にジークフリートが立っていた。
「奇襲するつもりでしたか?」
「まさか。僕は猟兵の考えが知りたいんだよ。奇襲で倒してしまったら聞けないじゃないか」
 トリテレイアがどう反応したものか思案していると彼は話を続けた。

「ここまでの戦いで猟兵たちが本当に人々を助けようとして動いているのはよくわかったよ」
 ツゥ……とジークフリートの額の片側から血が垂れる。目に入らないように指で血を拭いながら話を続ける。
「……でも時には善良な人も騙され、裏切られ、人々を助ける道から僕を遠ざける。
 そうなった時には仕方なく彼らに剣を向けなければならない……違うか!?」
 ジークフリートが目を見開くと、彼の眼力がトリテレイアを突き刺す勢いで襲いかかる。

「犠牲、ですか……」
 トリテレイアは眼力を盾で遮りながら答える。
 ジークフリートの言葉で彼は、これまでのオブリビオンとの戦いなどを思い出していた。
 すべてを救えたわけではない。切り捨てたものはたしかにあっただろう……だが、
「今更の問いです」
 トリテレイアは盾に力を込め、眼力を弾いた。

「剣を振るったその時に、私達は斬り捨てる側の責任を負うのです。
 同時に、己が命や希望すら斬り捨てられる覚悟も当然ある筈」
 そこに賛同を求めることなど不要。ジークフリートは生前の騎士としての覚悟を失ったからこそ、こうして他者に意思を確認しているのではないか。

(だとしたら、騎士として引導を渡さなければなりません)
 トリテレイアは自身の頭脳、駆動部の制御の保護を外し、最大限の速度で相手に接近、剣で斬りつけた。
 ジークフリートは受け止めようとするが、失敗。
 勢いと力に負け剣は砕かれ、斜めに斬られたのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

蛇塚・レモン
首謀者がここにいないなら、村を襲う理由は薄いと思うんだけど……っ?
てかさ、あたいが守ろうとしているのはこの世界自体なんだよねっ?
それを壊そうというなら、あたいは戦うよっ!

確かに、召喚された犠牲者の霊の存在は痛ましいし、かつてこの場所で非道な悪事があったのは事実なんだと思う
でも、死んだ後でも自分の都合で召喚させてる貴方だって、よっぽど酷いことしているよっ!?

犠牲者の霊もろとも敵へ向かって、UC発動
召喚自体を無効化、敵の攻撃と身動きを封じるよ
多分、蛇神様に対して、あたいと同じことを言ってくるかもだけど……

『たわけ小童! 余は娘の力添えをしているだけである!』

最後は神罰籠めたオーラガンで撃ち抜くっ!


エグゼ・シナバーローズ
正義に限らず口だけは俺も大嫌いだ!
ありったけの力をぶつけるぜ
【全力魔法】の【属性攻撃】、雷の嵐を作る『エレメンタル・ファンタジア』だ!

(黒幕の呼ぶ霊の事情を知ると動揺)
俺の大切な人達も面倒を見ていた奴に裏切られ理不尽な死を迎えた
裏切った奴にも事情があったんだとか言う奴もいるかもしれないが裏切られたほうはそんな言葉受け入れられるわけがねえ!
俺はアイツのことが許せない

(UCが制御できる状態ではないので攻撃は一度止めて己を鼓舞するため自分の感情と向き合う)
この想いは俺のもので否定されたくはないように
彼らの想いも否定するのは違う
だが彼らの想いを利用されていることは許せねー!
(再びUCを発動し戦闘再開)



 蛇塚・レモンと、エグゼ・シナバーローズは同時に村の広場にたどり着いた。
「お前が、ジークフリートか……」
 エグゼが広場に立つジークフリートに呼びかける。

「さっきの話は聞いた。正義に限らず口だけは俺も大嫌いだ! だが俺はこの村の人たちを滅ぼそうとするお前を許さない!」
 ジークフリートはエグゼの言葉を聞いて笑った。
「威勢が良いじゃないか。そこまで言うなら、あとはどうすればいいか分かっているだろう」
 あとは力と力をぶつけ合うだけだ。エグゼもそれは分かっていた。

 一方、レモンは多少困惑の顔色をしていた。
「えっと、ここに首謀者がいないなら村を襲う理由は薄いと思うんだけど……っ?」
 とはいえ、彼女が守ろうとしているのはこの村だけではない。
 世界が破壊されるのを防ごうとしているのだ。ジークフリートの思惑はどうあれ、彼のことは止めなくてはならない。

 エグゼは水と風の精霊の力を借り、雷の嵐を呼び出す。
 そのままジークフリートに向かって走り出し、雷を直接ぶつけるつもりだった。
 しかしその時、ジークフリートの背後の影から何体もの亡霊が湧き出て二人を取り囲んだ。
「これは……っ!?」
 レモンは亡霊たちの叫び声が、怨嗟や嘆きの感情を持っていることにすぐ気づいた。
「この霊たちは上辺では善良な事を言う者に騙されたり裏切られたりし、理不尽な死を迎えた者たちだ。僕はそういう人々を数多く見てきた……」
 口先だけで正義を語る者の犠牲になった霊たち。ジークフリートはそれを忘れられなかった。
 彼ら、彼女らを差し置いて世界が続いていくことなど許せない。

「そ、そんな……」
 エグゼは霊の苦しみの声を聞いてショックを受けていた。精神のゆらぎが精霊たちに伝わり、雷が制御できなくなりそうになる。
「……!」
 エグゼは一旦力を止めて、落ち着きを取り戻そうとする。
(俺の大切な人達も面倒を見ていた奴に裏切られ、理不尽な死を迎えた)
 裏切った奴にも事情はあるのかもしれないが、許せるはずがない。それはよく分かっていた……。

「確かに、犠牲者の霊の存在は痛ましいし、かつてこの場所で酷いことがあったのは事実なんだと思うよっ」
 レモンがエグゼの様子を見つつ、ジークフリートに向かって語る。
「……でも、死んだ後でも自分の都合で召喚させてる貴方だって、よっぽど酷いことしているよっ!?」
 そして彼女はジークフリートの方へ向き直り、能力を発動した。
 彼女の背後に巨大な蛇神が召喚される。蛇神は念動波をジークフリートに向かって放つと、二人の周りにいた亡霊たちが消え去っていく。

「そうだな……!」
 エグゼはレモンの言うとおりだと思った。亡霊たちはたしかに苦しんで死んだのかもしれない。
 それでも、ジークフリートに利用されるのは間違っている。
 精神を集中し、再び彼の周りに雷の嵐が湧き起こる。
「ジークフリート! お前が彼らの思いを利用するというのなら、それは彼らを苦しめた人と同じことをしているんだって、わからねえのか!?」
 エグゼがジークフリートに精霊銃を向け、ありったけの雷の力を放つ。
「なんだと……っ!?」
 雷と念動波を同時に受け、ジークフリートの周りに巨大な爆発が巻き起こった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

アンナ・フランツウェイ
やっと出てきたわね、首謀者が。アンタような奴、私達〝呪詛天使″は嫌いだから、散々嬲ってから地獄に送ってやるわ。楽に死ねると思わない事ね!

人を守る理由って言われてもそんな物はないし、むしろアンタを倒したら次はこの村人達をって思ってる。でもこうして戦っているのは…アンタのように善とか正義を語る存在が気に入らない。

そう答えてから真の姿に変身してから亡霊達に向かって【呪詛】で【範囲攻撃】。答えは聞いたならさっさと消えなさい。苦しまない様にしてあげるから。

さてと次はアンタの番ね。大鎌を振るい【部位破壊】【傷口をえぐる】で拷問しながら、アンタが信念を撤回するまで【蹂躙】してあげるわ。まぁ助ける気ないけど。


リーヴァルディ・カーライル
…愚問ね。私はお前が価値が無いと宣う人達に救われた
そして想いを託されて、誓ったのよ。私自身の魂に…

…たとえお前の言葉が全て正しくて、
人間に守る価値なんて無かったとしても…
私が闘いを止める理由にはならない

敵の精神属性攻撃の類を呪詛耐性と気合いで耐え、
"精霊石の宝石飾り"に限界突破して魔力を溜めUCを発動

…私は貴方達に対する答えを持たない
だけど、苦しみに囚われた魂をこのままにしておくつもりもない

…力を貸して。破滅をもたらす過去を終わらせる為に…!

第六感が捉えた闇に紛れた精霊達の残像を暗視して見切り、
星光のオーラで防御を無視して浄化する光属性攻撃を放つ

もう苦しむ必要は無い。眠りなさい、安らかに…



 アンナ・フランツウェイは急いで村へ戻ってきた。
 ようやく目的のジークフリートが現れたのだ。
「やっと出てきたわね、首謀者が」
 今回この村へ来たのも、彼を倒すためであった。
 リーヴァルディ・カーライルもほぼ同時に村の広場へたどり着いた。
「……お前が、この事件の黒幕か」

 広場にいたジークフリートはすでにダメージを受けていたが、まだ動けるようだった。
 彼は二人が現れたのを見て立ち上がると、こう言った。
「まったく、次から次に猟兵が現れるものだ……なぜそこまでして人々を守ろうとする?」
 そして彼の影から何体もの亡霊が湧き出て二人を取り囲む。
 アンナは亡霊の怨嗟の声など眼中になかった。ただジークフリートに向かって憎しみを込めて答える。
「人を守る理由って言われてもそんな物はないし、むしろアンタを倒したら次はこの村人達をって思ってる。でもこうして戦っているのは……アンタのように善とか正義を語る存在が気に入らない」

 リーヴァルディは亡霊の呪詛に耐えながら、彼の問いに答えた。
「……愚問ね。私はお前が価値が無いと宣う人達に救われた。
 そして想いを託されて、誓ったのよ。私自身の魂に……」
 そして武器を構える。
「……私は貴方達に対する答えを持たない
 だけど、苦しみに囚われた魂をこのままにしておくつもりもない」
 彼女の精霊石の宝石飾りが輝き始める。限界以上に魔力をためた宝石が光を放つと、周りの亡霊たちが急速に浄化され、姿を消していく。

 先にジークフリートに飛びかかっていったのはアンナであった。
 真の姿を解放した彼女は、黒い両翼を広げてジークフリートに向かって飛んでいく。
 アンナ達に呪詛を吐き続ける亡霊たちは、逆にアンナの両翼から放たれる呪詛を浴びて勢いを失っていく。
「あんた達はもう答えを聞いたでしょ。さっさと消えなさい」
 亡霊たちを無視してジークフリートただ一人を狙う。
 大鎌を振り上げ、斬りかかるアンナ。ジークフリートは予備の剣で止めつつ、亡霊をアンナにぶつけて攻撃しようとするが、彼女には効かない。
「ぐっ……!」
 力で押されているジークフリート。

「……力を貸して。破滅をもたらす過去を終わらせる為に……!」
 リーヴァルディが光の精霊に呼びかけ、ジークフリートに強烈な光を浴びせる。
 すでに押され気味であった彼はその最後のひと押しで剣を落とし、アンナの大鎌の攻撃をただ受ける形になった。
「アンタが、信念を回復するまで……! 何度でも何度でも、徹底的に蹂躙してやる……!」
 アンナが何度も大鎌を振るう。
 ジークフリートがいつ息絶えたかわからない。とにかく気がついたときには彼は無残な状態で倒れており、しばらくするとその遺体は姿を消していた。

 アンナはジークフリートが消えたことを確認すると、すぐに村から立ち去ろうとした。
「さっきの話だけど……」
 リーヴァルディが口を開いた。アンナは先ほど次はこの村の人々を倒すようなことを言っていた。
 もしそうなら騎士として見過ごすことはできない。
「ああ、あれ。確かにこの村の人達は気に食わないけど、他にも倒さなきゃいけない敵はいるから」
 アンナとしてはもうこの村には興味がなくなった、という感じのようだった。
「そう……」
 リーヴァルディは納得して武器を収めた。

 一つの村を救っても、まだまだ世界には理不尽な苦しみを受けている人々がいる。
 ジークフリートがオブリビオンとなったのも、そうした世界の救えなさに絶望したのかもしれない。
 だが、猟兵達は絶望していられない。本当に世界が終わってしまうことを防ぐため、今日も戦い続けていくのであった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2020年07月25日
宿敵 『ジークフリート・フォン・エーデルワイス』 を撃破!


挿絵イラスト