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ペタペタ⭐︎フィーバーナイト

#カクリヨファンタズム

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#カクリヨファンタズム


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「ふふふふふ……」
 やったらドスの効いた笑い声をあげる人首・椿(傷と記憶は刻むモノ・f06124)はコロリと電子巻物を広げて、カクリヨファンタズムなる新世界のとある地点を指し示す。
「皆様お集まり頂きありがとうございます……此度はカクリヨファンタズムにて、オブリビオンによる奇妙なお祭りが開かれ、数多の妖怪が犠牲になる事が予知されました」
 なるほど、ならば行くしかあるまいと思うのは猟兵の良心故であろう。椿にもそのくらいはある。では、何故今日の彼女が寄らば刺すと言わんばかりの気迫を纏っているかと言えば。
「このお祭りには、引き寄せた妖怪を狂わせる妖力があり、祭りに熱狂する妖怪の中には、その妖力に当てられて貧乳を崇拝するトンチキな宗教めいた言動を繰り返す者がおります。まずは彼等の目を覚まさせる為に、持つ者の価値を語り、持たざる者の苦悩を説き、いかにその崇拝がおかしなものかを理解させなくてはなりません」
 その場に響く「うわぁ……」という声。一人二人ではきかない厄介事に巻き込まれたという感情の吐露を嗜める者は、ここにはいなかった。
「おのれオブリビオン……現場には妖力を撒き散らす妖怪がおります。これは他の妖怪と異なり、自我を持てど意志を持たない存在……端的に述べれば、UCによって召喚されたようなものだとお思いください」
 その名前がまた、『ぺたん』とかいう悪意の塊みたいなものらしい事を、猟兵達は天を仰ぎながら聞きつつ。
「この妖怪は触れたものをペタリと平坦に変えるとかで、女性が触れられれば一瞬にして慎ましやかな体型にされてしまいます」
 大きい事が良い事だと言いたい時はなんとしても逃げなくてはならないが、小さい故の苦労を語りたいなら、利用するのも一つの手かもしれない。
「それではみなさま、ご武運を……私も出撃できれば、ほんの一時でも、この劣等感を拭えたのでしょうか……」
 自身の胸をペタペタしながらボソリこぼした椿の嘆き。猟兵達はとりあえず聞かなかった事にするのだった。


久澄零太
ひゃっはー!!『ネタ依頼』だぁ!!


……あ、久澄です

今回の依頼はサバト的なサムシングを繰り広げる妖怪達の目を覚まさせるプレイングをかけると、ボーナスが乗るんですって

執筆予定は五日

四日までにプレくれたら嬉しいな!
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第1章 冒険 『妖怪『ぺたん』のお通りサ!』

POW   :    何故か響く、ぺたんぺたんという足音から気合で逃げ切る

SPD   :    私、ぺたん。ナカーマ。変装技術でやり過ごす

WIZ   :    ぺたん様!私のメタボ体型をどうか……!敢えて犠牲になり茨の道を行く

👑7
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

黒木・摩那
今回は無い方が尊いのですか……よいです。
別に説得する必要ないんじゃない?

しかし、依頼はこの祭りの熱狂を抑えることが目的なのですよね……
ここは胸の大きさで貴賤を問うことを諫めましょう【言いくるめ】。

小さいことを尊ぶというのは大変よい行いです。
自己主張せぬ、その慎ましさで世界との調和をはぐくみ、
自然界の抵抗を受け流す姿勢こそ、世界の真理です。

ですが、その逆であっても、決して貶める必要はないのです。
いかに自己主張が強くとも、抵抗が大きくとも、それは個性。
受け入れることこそが、カクリヨの懐の大きさを示すものと言うものですよ。


あ、それはそれとして「まな板」とか言ったらコロすから。


アリス・セカンドカラー
お任せプレイング。お好きなように。
汝が為したいように為すがよい♡
ぺたん娘同盟総帥“代理”アリス・サードカラー(腐敗魔少女は死んでも治らない・f05202)がいざ参る☆オリジナル?さっき椿ちゃんにぺたん娘同盟への勧誘をかけて魂(残機)を斬られちゃった♡
あ、総帥は(猟兵ではないという意味で)逸般人の別人よ。
おっぱいを崇めよ。おっぱい様を見掛けたら性心性意揉ませてと頼み込め。誤利益(誤って利益があるといいな)に肖るのだ。
あああおっぱい様おっぱい様豊かな恵みをこの胸にあああ(妖しい踊り)
あああおっぱい様おっぱい様柔らかな感触をこの手の内にあああ(妖しい踊り)
おっぱい様を揉めば大きくなるって言うものね☆


夢ヶ枝・るこる
■方針
・【POW】使用
・アド/絡◎

■行動
『持ち過ぎている』上『際限なく増量中』なのも大変ですよぉ?(遠い目)

メリハリの効いた『胸が豊かな方が似合う衣装』を幾つか『衣装セット』から選択、その内一つを着用して【白翼衣】を使用、『体型の魅力』を引き立てる乳白色のオーラを纏って飛行しますねぇ。
「ぺたん」さんは『F●S』の[範囲攻撃]で対処、難しければ速度を生かして上空に離脱する等して接触を防ぎつつ、空から呼び掛けますぅ。

「『豊乳女神様』は『豊かな乳』と共に『豊富なサイズの乳全て』を司る女神様でも有りますぅ。
ぺったんから超乳まで、全ては尊いものなのですぅ」

時折「他の衣装」に着替え、目で楽しませますねぇ。


満月・双葉
殺す
あんな服やこんな服!着たいものはいっぱいあるのに、そこがダボダボで着れないんだぞ!
うちのマスターには謎のものを盛られている気がするし!
ふはははは!僕を襲ってもなーんの変化もないもんねぇぇぇ!ばぁぁぁか!
太りたいのに太れない私の身にもなってみろぉ!
そもそもなぁ!遺伝子の恐怖を崇拝するなぁ!
ぁぁ我が身が恨めしい…

…と言うかだな、そんなものを崇拝するとかただの変態だぞ
良いのか、不味いコーヒーしか淹れられなくなるぞ…爆発するぞ?!

ひたすら貧乳の悲しみを喚き散らし、信者を変態認定
とにかく回りをドン引きさせて頭を冷やさせる戦法に出る
というかそれしかできない
ペタンだし
喧しいわ殺す


七那原・望
ぺたぺたが好きなのは良いのです。
でも、そうやって崇拝しちゃうのはおかしいのです。
だってそうでしょう?その人はぺたぺたになりたくてぺたぺたになったわけじゃないのに、みんながそうやって崇拝しちゃったら、その人にとってはまるでみんなに悪口言われてるみたいなのです。

大きくても小さくてもいいじゃないですか。その人が望んだ大きさになれるように応援してあげる方がきっとステキなのです。

わたしだってぺたぺたですけど、いつかはおっきく……そう、おっきく!きっとぺたぺただから身長も低いのです!ぺたぺたは小さい子の証なのですから!身長が!身長が欲しいのです!なのになんでそんなにぺたぺた崇拝しちゃうのですか!もう!


彩波・いちご
テティスさんと

…まぁ、ある意味私達崇拝される対象ではないでしょうかね…私が男の娘なのは、アイドル的には内緒ですし、テティスさんは…あの通りなだらかですし…

なので、ええ、私達は思いっきり祭りを楽しんでいいはずです
祭りと言えば、アイドルのすることはただ一つ!
ステージイベントですよプロデューサーさん!

「それではテティスさんと私の歌を聞いてくださいっ♪」
声を揃えてパフォーマンス、からの、アイドルデュオの歌!
…あー、一応私も一緒に歌うので、破壊成分は私の癒しの歌で中和されるんじゃないかなーないかなー?だといいなー?

「あ、アイドルにお触りはダメですよ?メッです!」
(男の娘ゆえぺたんの影響なし)


テティス・ウルカヌス
後輩のいちごちゃんと

「ふっふっふ。今回はお祭りですね!
お祭りと言えば歌と踊り!
歌と踊りといえば天才的美少女アイドルにして国民的スターのテティスちゃんと、その相方のいちごちゃんの出番ですね!」

私といちごちゃんの胸を見て熱狂してくれるファンの人たち。
ふっふっふ。やっぱり人気者はつらいですね!

ところで、集まってるファンの皆さんは妖怪のコスプレをしてますけど、なんかそういうイベントなんでしょうか?
まあ、関係ないですね!

「それでは、テティスちゃんといちごちゃんの歌を聞いて下さいっ!」

【天使の歌】で会場に集まったファンの皆さんを虜にしちゃいますねっ!

「あれ?
今、誰か触りました?」(貧乳なのでぺたん効果無し


四季乃・瑠璃
【チェイン】で分身

緋瑪「わたし達って別に小さくないよね?」
瑠璃「程良い感じじゃないかな?スタイルには自信があるし」
緋瑪「あ、中途半端とか言ったら殺すから♪」(妖怪と地の文へにっこり)
瑠璃「利点…買い物とかでサービスしてくれたりとか、聞き込みで男性から情報引き出しやすかったりとか」
緋瑪「そうだねー。男性だと胸元で結構隙見せたりしてくれたり、殺しやすくなるね♪」(物騒)
瑠璃「そもそも、サキュバスとか妖狐とかそういう男性を誑かす的な妖怪なら、やっぱりナイよりアル方が引っかけやすいでしょう」
緋瑪「UDCアースでも最近はなんでもかんでも女体化ブームが流行ってるし、やっぱり胸大きく描かれる事も多いしね~」


エドゥアルト・ルーデル
>そっとしておこう
影も出来ぬグリモア猟兵を見て見ぬ振りをする情けが拙者にもあった

うnうn拙者もツルペタは好きですぞ!でもね、デカイのが嫌いって訳じゃないんだヨ…いやむしろ好きだな
なんで無理やりタイラーにする輩にはレスポンチバトルをせざるを得ない

何故だ!? 何故減らす!? 何故削る!? 何故あるがままで愛せないんだ!
小ささを気にして恥ずかしがるとか!大きくしようとして努力したりとかそういったコンプレックスを感じさせる姿は拙者も大好物だ!
だがでかいのも趣があるのだ!日々大きくなっていく自分の身体を恥じらったり悩んだりと大きい故のコンプレックスやら恥ら…
畜生字数が足りねぇ!

いいか!大事なのは!ロリ!


涼風・穹
貧乳崇拝…?
……貧乳属性に目覚めさせようというのなら構わない
だけど、それを妖力で強制するなどとは言語道断!
だが、敢えて言おう
己の属性とは魂の在り方そのもの
妖力ごときで上書きできるものではない!
煩悩というものを甘く見るなよ…!

貧乳崇拝を始めた妖怪達を正気に戻すべく話しかけます
貧乳は良いもの、それは否定しない
だけど、己の魂が本当に求めているものなのか?
巨乳、普乳、幼女、尻、太腿、姉、妹等々…
改めて他の属性について問いかけて一瞬でも揺らいだものがあればその属性の対象の素晴らしさについて語ります

巨乳 □□■□□ 貧乳
年上 □□□■□ 年下
妖艶 □□□■□ 清楚
姉  □□■□□ 妹
理性 □□□□■ 煩悩


リカルド・マスケラス
「貧乳派の主張は認めるっすよ。でも、それを他人に強要したり、『貧乳を許容できない奴はクソ』みたいにマウントとってくる奴は許しちゃいけないと思うんすよ」
そう言うリカルドは巨乳派

大きいことはいいことだという方向で説得してゆく
「すべてを受け入れてくれるあの双丘の魅力は素晴らしいものっすよ」
【霧影分身術】で今まで体を貸してくれた巨乳女性の肉体を再現してゆく
「巨乳といっても千差万別。千人いれば二千のおっぱいがあるわけっすよ!まさにおっぱいがいっぱい!」
理屈をこねるよりも勢いに任せて説得。向こうも貧乳の良さを語りだしたら
「よし、がっつり語り合おうじゃないっすか!互いの理想(おっぱい)をぶつけあうっすよ!」



「今回は無い方が尊いのですか……よいです。別に説得する必要ないんじゃない?」
 開幕早々に職務放棄が疑われる黒木・摩那(冥界の迷い子・f06233)。その胸はもちろんまな……。
「あ、それはそれとして「まな板」とか言ったらコロすから」
 あ、はい。
「しかし、依頼はこの祭りの熱狂を抑えることが目的なのですよね……ここは胸の大きさで貴賤を問うことを諫めましょう」
 一瞬ドス黒い泥沼のような目を向けてきた摩那だったが、現場に向き直ると。
「あああおっぱい様おっぱい様豊かな恵みをこの胸にあああ」
「あああおっぱい様おっぱい様柔らかな感触をこの手の内にあああ」
「……なんですかあの汚らわしい盆踊りは?」
 両手を天に掲げて開いたり丸めたりして、何かを揉みしだく動きをしながらぐるぐるぐるぐる……そのうち邪神か異星人でも降臨しそうな妖怪の集団がいた。ていうかあの真ん中で泣いてる奴、噂のぺたんじゃ……いやよそう、実物の姿を知らないのに下手な事を口にするのは良くない気がする。
「ていうか、妖怪の中に猟兵混ざってませんか……?」
 あ、ほんまや。一緒になってアリス・セカンドカラー(不可思議な腐敗の魔少女・f05202)が踊って……。
「否!」
 ギュンッと首だけこっち向けたアリスだが、円になって踊っている位置の関係でそのまま素通り。ぐるっと戻って来たら。
「我こそはぺたん娘同盟総帥“代理”アリス・サードカラー(腐敗魔少女は死んでも治らない・f05202)!」
 ……セカンドどうした?
「さっき椿ちゃんにぺたん娘同盟への勧誘をかけて魂(残機)を斬られちゃった♡」
 お、おう……。
「刀も偽物だし、フィジカルなら傷にもならないからイケるかと思ったんだけど、危うく逝くところ……」
 踊りながら喋ってるから、台詞が終わる前にアリスが遠ざかっていく……。
「あの、これを説得しないといけないんですか……?」
 別の宗教めいたムーブメンツを繰り返すおっぱい信仰の円環を虚ろ目で示す摩那だが、さすがにこいつらは放置で良いと思う……真ん中で崇められてるのか囚われてるのか分からない妖怪が助けを求める目で摩那を見ている気もするが……。
「仮にあれがぺたんだとしたら、下手に関わってはいけませんから」
 完全にスルーの方向ですね、分かります。
「一先ず大人しそうなところから行きましょうか」
 何も、この場の妖怪全てが怪しい踊りを踊っているわけではない。まな板を掲げて静かに祈りを捧げてる連中もいるわけで……。

 バギィ!

「小さいことを尊ぶというのは大変よい行いです。自己主張せぬ、その慎ましさで世界との調和をはぐくみ、自然界の抵抗を受け流す姿勢こそ、世界の真理です」
 ちょっと摩那さん!?まな板をいきなり手刀で叩き割ったりするから、妖怪が完全にビビってるんだけど!?
「注意を引くために『ちょっと』驚かせただけですよ」
 にっこり。その微笑みには有無を言わさぬ圧があった……。
「話が逸れましたね……例え小さくなくとも、決して貶める必要はないのです。いかに自己主張が強くとも、抵抗が大きくとも、それは個性。受け入れることこそが、カクリヨの懐の大きさを示すものと言うものですよ」
「「「いかにもその通り!!」」」
「……あの、帰っていいですか?」
 摩那は背後から聞こえた声に、殺意すら抱きそうになったが、帰還命令は出せないんですよねー。
「貧乳崇拝とか言ったか……?……貧乳属性に目覚めさせようというのなら構わない。だけど、それを妖力で強制するなどとは言語道断!だが、敢えて言おう。己の属性とは魂の在り方そのもの……妖力ごときで上書きできるものではない!煩悩というものを甘く見るなよ……!」
 何度殴られお星様になったか分からない!伝説のおっぱいダイバー、涼風・穹(人間の探索者・f02404)!
「貧乳派の主張は認めるっすよ。でも、それを他人に強要したり、『貧乳を許容できない奴はクソ』みたいにマウントとってくる奴は許しちゃいけないと思うんすよ」
 その種族故に他者の体を乗っ取り……もとい借用し、ある意味体型は自由自在!女好きのチャラマスク、リカルド・マスケラス(ちょこっとチャラいお助けヒーロー・f12160)!
「うnうn拙者もツルペタは好きですぞ!でもね、デカイのが嫌いって訳じゃないんだヨ……いやむしろ好きだな。なんで、無理やりタイラーにする輩にはレスポンチバトルをせざるを得ない」
 ロジカルなディベートに見せかけて、オタッキートークしかしてねぇ!!胡散臭い謎の異世界系オッサン、エドゥアルト・ルーデル(黒ヒゲ・f10354)!
「「「ここから先は、我らおっぱい三銃士に任せてもらおうか!!」」」
「……って、言ってますけど?」
 確実にカオスにしかならないから、待って。むしろ助けて。
「いや、ちょ、放してください!?」
 摩那(道連れ)も確保したところで、三銃士の主張でも聞くとしようか。
「貧乳は良いもの、それは否定しない。だけど、己の魂が本当に求めているものなのか?巨乳、普乳、幼女、尻、太腿、姉、妹等々……この世に無数の元素が存在するように、性癖もまた無限に広がっている!お前達の魂は、貧乳というたった一つの属性に縛られているだけなんじゃないのか?その心が、激しく燃え盛る様に求めるモノがあるんじゃないのか!?」
 一見熱血っぽいんだけど、言ってる事が完全にアウトなんだよなー(棒)。
「すべてを受け入れてくれるあの双丘の魅力は素晴らしいものっすよ」
 穹が幅広い性癖を展開して絨毯爆撃するのに対して、リカルドは巨乳派の一点突破。
「巨乳といっても千差万別。千人いれば二千のおっぱいがあるわけっすよ!まさにおっぱいがいっぱい!」
 言うや否や、かつての協力者(巨乳女性限定)の肉体を再現した幻影をズラリと並べて……って、お前も広範囲攻撃かよ。
「違うっす、巨乳のみの一発『乳』魂の数の暴力っす!」
 もう、何を言っているのか分からないよ……。
「マイブラザーはテメェの胸の内を吐露したが……拙者は逆に貴殿らに問いたい。何故だ!? 何故減らす!? 何故削る!? 何故あるがままで愛せないんだ!」
 先の二名が主張を展開するのに対して、エドゥアルトはむしろ答えを求めに行くスタンス。ただ、鬼気迫る顔で距離を詰めていく様は正直、脅迫にしか見えない。
「小ささを気にして恥ずかしがるとか!大きくしようとして努力したりとか、そういったコンプレックスを感じさせる姿は拙者も大好物だ!だがでかいのも趣があるのだ!日々大きくなっていく自分の身体を恥じらったり悩んだりと大きい故のコンプレックスやら恥ら……畜生字数が足りねぇ!」
 突然のメメタァ!?もし上限がなかったらどこまで続いたんだろうか……。
「ちょっと待て、二人とも巨乳派なのか……?」
 おっとここで穹から疑念の眼差しがフライング、しかしエドゥアルトはHAHAHA!
「拙者は大っぱいも小っぱいもウェルカム!!」
「あ、自分は巨乳派っすね」
 リカルドがチャラニコッと笑った瞬間、穹とエドゥアルトの眼光が尾を引いて二つの影は彼の目の前に。引き絞られた拳は、友を救わんと怒りに震え。
「こんの……」
「大馬鹿者がー!!」
「なんでっ!?」
 ボディとリバーに同時に鉄拳をぶち込まれたリカルドは天高く吹き飛んで、頭からぐしゃっといったが、仮面(本体)が一番最初に着地してたから多分(借りてる体は)無事だろう。
「何を言ってるんだ!目を覚ませ!!」
「ヤローは皆おっぱいラブ!そこに好みの差異はあれ、どれが一番とか決められるわけないでござろうが!!」
 雰囲気だけなら道を違えた友人を連れ戻そうとする青春ドラマですが、台詞の中身からその実態をお察しください。
「な、何を言ってるっすか!?別におっきい方が好きでもいいじゃないっすか!!」
「じゃあ小さいのは嫌いか?そうじゃないだろう!?実際にステシにして見ろよ。こんな風に!絶対偏らずに広がるから!!」
 というわけで穹のステシをどーん。


巨乳 □□■□□ 貧乳
年上 □□□■□ 年下
妖艶 □□□■□ 清楚
姉  □□■□□ 妹
理性 □□□□■ 煩悩


「俺が知ってるステシと何か違うんだけど!?」
 焦って一瞬素に戻ったリカルドがコホン。
「いや確かにアリかナシかの話なら全部アリっすよ?でもほら、ここでは主張を一つに絞った方が……」
「まだ分からないのか!」
「テメェのフール具合は地獄に落ちなきゃ治らねぇみてぇだな!!」
「ダブラッ!?」
 穹とエドゥアルトによるコンビネーションラリアットが炸裂!リカルドダウン、ワン、ツー、スリー……。
「何度も言わせんな!」
「好みの差異こそあれど!」
「「おっぱいに貴賎なし!!」」
「……OK」
 立った!リカルド、ゆっくりと起き上がり武器(コーラとポテチ)を構えてファイティングポーズ!試合再開です!!
「そこまで言うなら、がっつり語り合おうじゃないっすか!互いの理想【おっぱい】をぶつけあうっすよ!二人まとめて巨乳派に鞍替えさせてやるっす!!」
「いいぜ、お前こそ巨乳などという一種類のおっぱいに固執する愚かさを思い知らせてやる……!」
 などと穹とリカルドが座り込んだところで、エドゥアルトは完全に置いてけぼりになっている妖怪たちへ振り返ると、人差し指を突きつけて。
「尺が残ってないから、これだけ言っておくぜ……いいか!?」
 その怒号に、心した妖怪たちに投げかけられた言葉は……。
「大事なのは!ロリ!!」
 それだけ言い残して、エドゥアルトもまたおっぱい談義へと向かっていく……所でこの場合のロリって、ツルペタロリこそ至高って言いたかったのか、ロリ巨乳のギャップこそ最高って言いたかったのかどっちなんゴフッ!?
「いい加減にしないと、シメますよ?」
 あの、摩那さん?そのヨーヨーマジで痛いからやめて……。
「ふっふっふ。今回はお祭りですね!お祭りと言えば歌と踊り!歌と踊りといえば天才的美少女アイドルにして国民的スターのテティスちゃんと、その相方のいちごちゃんの出番ですね!」
 はっ!しまった、今回はテティス・ウルカヌス(天然系自称アイドル・聖なる歌姫・f12406)も参戦していたのか……!それはさておき、相方が物陰でぶつぶつ。
「……まぁ、ある意味私達崇拝される対象ではないでしょうかね……私が男の娘なのは、アイドル的には内緒ですし、テティスさんは……あの通りなだらかですし……」
 じー……テティスのなだらかな丘を見つめていて、ハッと我に帰るなり自分が何をしていた自覚して赤くなる彩波・いちご(ないしょの土地神様・f00301)はまぁ、存在そのものがグレーゾーンだから、自分自身扱いに困ってる感じか……?
「なので、ええ、私達は思いっきり祭りを楽しんでいいはずです。祭りと言えば、アイドルのすることはただ一つ!ステージイベントですよプロデューサーさん!」
 違ったー!盛大にやらかすつもり満々じゃねぇか!そこでこっちを見るんじゃない!俺はプロデューサーじゃねぇ!!
「ところで、集まってるファンの皆さんは妖怪のコスプレをしてますけど、なんかそういうイベントなんでしょうか?まあ、関係ないですね!」
「え……」
 事前にカクリヨファンタズムの話を聞いていたいちご、テティスの分込みで和服衣装を用意していたが、当のテティスがこれである。
「いやこの世界……じゃなくて、折角ですし今回のイベントに合わせた衣装にしましょう?」
「あ、いちごちゃんたら私の分の衣装まで持ってきてくれてたんですね!さすがは後輩の鑑です!!」
 ……よし、二人とも着替えに行ったな。今のうちに全てを片付けなければ大変な事にな……。
「あああ!おっぱい様おっぱい様!豊かな恵みをこの胸に!あああ!!」
「あああ!おっぱい様おっぱい様!柔らかな感触をこの手の内に!あああ!!」
 アリスの奇妙な踊りが激しくなってるー!?どうしてこうなった?
「『持ち過ぎている』上『際限なく増量中』なのも大変ですよぉ?」
 お ま え か ! 四肢に光輪を嵌めて浮遊する夢ヶ枝・るこる(豊饒の使徒・夢・f10980)は、ちょうどアリスの『おっぱい様崇拝音頭』の真上に浮遊しており、降臨してしまった何か状態。もはや信仰対象にされかけているるこるが両手で虚空を撫でれば、地上で踊っていた面々はサッと片膝をつき、両手を重ねて頭を垂れる……アカンやろこれ。
「『豊乳女神様』は『豊かな乳』と共に『豊富なサイズの乳全て』を司る女神様でも有りますぅ。ぺったんから超乳まで、全ては尊いものなのですぅ」
「おぉ、ありがたやありがたや、おっぱい様の御言葉である……」
 アリスがなんかもう、敬虔な使徒になりつつあるんだが……?
「おっぱいを崇めよ。おっぱい様を見掛けたら性心性意揉ませてと頼み込め。誤利益(誤って利益があるといいな)に肖るのだ」
「……絶対に地上に降りられなくなりましたねぇ」
 アリスが妖怪たちを扇動するモノだから、もしるこるが降下などしようものなら、記録に残せない事態が発生するかもしれない。
「何がおっぱい様だ!」
 この一大サバトの中に響いた怒号。水を打ったように沈黙する妖怪達の視線の先にいたのは、満月・双葉(時に紡がれた星の欠片・f01681)。無表情のままに震えている彼女の目の端には、水滴が一つ。
「あんな服やこんな服!着たいものはいっぱいあるのに、そこがダボダボで着れないんだぞ!」
「ご安心ください……」
 双葉の嘆きにるこるが微笑むと、乳白色の光に包まれて服装が黒い和ゴスから膝まで丈のあるロングTシャツにデニムパンツを合わせたコーディネートに。
「たとえどんなに胸が大きくとも、このようにボディラインをごまかす服装にすれば、周りの視線を胸から逸らす事ができますぅ」
 ひらひら、スリットの入ったシャツの裾を、スカートのように揺らするこるだが、では胸元がごまかされているのかというと、そうではない。大きいが故に目立ってしまう胸元が全身と調和して、バランスを整え美しく見せるのだ。
「そして、大きい胸に言える事は逆もまたしかり……着たくても着られない服は、バランスが合わずに歪になってしまうのがいけないのですぅ。逆に言えば、他のアイテムとの組み合わせでそのズレをごまかせば可愛く……」
 この辺りまでは、るこるは双葉を単に貧乳に嘆く女の子だと思っていた。しかし、次の発言でその認識が間違っていたと発覚する。
「うちのマスターには謎のものを盛られている気がするし!」
「……えっ」
 一瞬ミレナリィドールかと思ったるこるだが、双葉の背には七色の翼。どう見てもオラトリオですね。
「え、つまり、女の子をお人形のように体格すら整えている人が……?」
 上空でドン引きするるこるに対して、地上では妖怪が動きを止めた事で自由を得たぺたんが同胞の香りでも感じたのか、双葉に歩みより。
「……がんば」
 肩ポム、そしてなんの変化も起こらない双葉に苦笑と共にサムズアップしたところで。
「ふはははは!僕を襲ってもなーんの変化もないもんねぇぇぇ!ばぁぁぁか!」
「なんでー!?」
 むしろ味方側だった気もしたぺたんの顔面に、双葉が大根をフルスウィング!
「太りたいのに太れない私の身にもなってみろぉ!」
「ひぼしっ!?」
 よろめいた所に切り干し大根の鞭が追撃!なかば感情の暴走状態なのか、口調が変わってしまった双葉は切り干し大根で妖怪を殴打すると蹴り倒して。
「そもそもなぁ!遺伝子の恐怖を崇拝するなぁ!」
「え、じゃあお母さんからツルペタ?それガチで希望のないやつなんあっつい!?」
 おでん大根を顔面に叩き付けられた妖怪が吹っ飛んでいくが、ここで新手の出現である。
「ぺたぺたが好きなのは良いのです。でも、そうやって崇拝しちゃうのはおかしいのです。だってそうでしょう?その人はぺたぺたになりたくてぺたぺたになったわけじゃないのに、みんながそうやって崇拝しちゃったら、その人にとってはまるでみんなに悪口言われてるみたいなのです」
 七那原・望(封印されし果実・f04836)……えぇ、もう一人のツルペタ……もとい、ぺたぺたです。
「大きくても小さくてもいいじゃないですか。その人が望んだ大きさになれるように応援してあげる方がきっとステキなのです」
「そうだそうだ!こっちは何やっても膨らまないし、何食べても身に付かなくて苦労してるのに、それを祭り上げるなんて最低だー!!」
「かっら!?かっっっら!?」
 望に便乗する双葉の大根おろし!ぺたんの口に大根の下半身(つまり辛口)がダイレクトヒット!!
「わたしだってぺたぺたですけど、いつかはおっきく……そう、おっきく!きっとぺたぺただから身長も低いのです!ぺたぺたは小さい子の証なのですから!身長が!身長が欲しいのです!」
 自らの物理的な成長という、子どもらしい願いを口にする望だが、そこまで語って気づいてしまった。彼女は目隠しをしている故に、猟兵やオブリビオンの姿を正しく認識していない事がある。ていうか今まさにその状態だった。しかし。
(双葉さん、敵に何かを流し込んでいるみたいですが、声と液体の音が高い所から聞こえるような……)
「?」
 望の視線を感じた双葉が止まった。ここで二人の身長を見比べてみると。

望 ←百九・一
双葉←百七十二

「……うわぁああああん!双葉さんが存在そのものでイジメるのですぅうううう!!」
「なんで!?」
 訳が分からない双葉に向けて、望の一撃!
「ぺたぺたなのにおっきぃなんて、ずるいですー!!」
「私だって縦じゃなくて前に伸びて欲しかったんだようわぁああああん!」
 号泣するガキが二人に増えたぞ!?
「皆大変なんだねぇ……」
「気にする事ないのにね!」
 オイコラ何他人事みたいなツラしてるんだ四季乃・瑠璃("2人で1人"の殺人姫・f09675)と四季乃・緋瑪("1人で2人"の殺人姫・f09675)。
「だってほら、わたし達って別に小さくないよね?」
 腕組みして緋瑪が胸の膨らみをアピールしつつ体を傾ければ。
「程良い感じじゃないかな?スタイルには自信があるし」
 瑠璃も腕組みして緋瑪と背中を合わせて鏡映しに。
「あ、中途半端とか言ったら殺すから♪」
 安心しろ、そう来ると思って無個性胸というワードを用意して……。
「「はい、ばーくは☆」」
 ちょっと待ってNGワードはちゃんと避け……アバー!?
「あとは大きい胸の利点とか語ればいいんだよね?んー……買い物とかでサービスしてくれたりとか、聞き込みで男性から情報引き出しやすかったりとか」
「そうだねー。男性だと胸元で結構隙見せたりしてくれたり、殺しやすくなるね♪」
 この姉妹……人の事爆破しておいて普通に会話続けてやがる……!
「そもそも、サキュバスとか妖狐とかそういう男性を誑かす的な妖怪なら、やっぱりナイよりアル方が引っかけやすいでしょう」
「UDCアースでも最近はなんでもかんでも女体化ブームが流行ってるし、やっぱり胸大きく描かれる事も多いしね~」
 瑠璃の言葉に顔を見合わせる『ソッチ系』の妖怪もいれば、緋瑪の言葉に離れた故郷を偲んで涙する妖怪もいた。で、結論をまとめると?
「「胸が大きい方が諜報と暗殺に便利!!」」
 駄目だこいつら、年頃とは思えない程女子力が穢れてやが……。
「私達は猟兵だから……」
「使える物は使うだけだよ!」
 言いたいことは分かったが何でこっちに爆弾を投げぐわぁあああ!?
「……と言うかだな、そんなものを崇拝するとかただの変態だぞ。良いのか、不味いコーヒーしか淹れられなくなるぞ……爆発するぞ?!」
 そろそろ混沌が渦を巻いて来たな……ここで双葉が妖怪達に大根を突きつけるが、何故かコーヒーが登場する辺りマジでカオスだな。何でコーヒーなんだろうねー?
「そうなのです!ぺたぺたを崇拝するなんて間違っているのです!爆発の刑なのです!!」
 望、双葉のアレは処分としての爆破じゃなくて事故的なあれで……。
「え、爆破していいの?」
「よーし皆殺しならぬ、皆爆発だー♪」
 頼むからそこの爆弾姉妹はすっこんでて!?
「おぉ、この世全てが爆破される……そこで輝ける物、それこそが、ちぱーい……」
 瑠璃と緋瑪が暴れはじめたからエドゥアルトまで暴走し始めたぞ!?
「のんのん、こんな時こそ巨乳っす。巨乳の包容力をもってあの爆破姉妹を鎮めるっす!」
 リカルド、その辺にしておけ?双葉が大根の素振り始めたから。
「馬鹿野郎!大も小もあるか!全てのおっぱいには等しく価値がある!その証明の為、今こそおっぱいダーイブ!!」
 穹はどさくさに紛れて遊んでんじゃねぇえええ!!
「あー……とね、割と本当に危ないから、逃げよう?ね?お嬢ちゃん大丈夫?」
 エドゥアルトは望が目隠ししてて、逃げ遅れると思ったのだろう。それ故に手を差し伸べたのだが、先ほどのおっぱいサミット(突然の爆破テロにより中止)の発言直後にんなことするから。
「変態なのですっ!?」
「違うよ!?拙者はただロリこそこの殺伐した世界においてもっとも重要な……」
 おーっとここで穹が双葉にダイブ!しかし、双葉渾身の大根スウィング!華麗なダイバー返しが炸裂!真っ直ぐ吹き飛んだ先には。
「おひょーっ!?」
 エドゥアルトに直撃!更に!!
「あ、知ってるっす、これ自分も巻き添えになる流れ!でも分かってるなら逃げちゃえば問題な……」
 チュドーン!!
「なんでっすかぁああああ!?」
 リカルドが危機回避しようとして瑠璃&緋瑪の爆破に巻き込まれて吹き飛び、打ち返された穹と巻き添えを食ったエドゥアルトとクラッシュ!!
「何この人達怖い……」
 この大惨事を目の当たりにして、ほとんどの妖怪は逃げ出した。残されたぺたんも逃走を図るが、チャキッ☆
「あなたはダメですよぅ」
「あの、せめてもっと普通な武器で……いやぁああああ!?」
 るこるの浮遊砲台が火を吹いた!具体的にはぺたんを吹き飛ばし、飛んだ先に回り込んだ砲台からの砲撃でトス、からの上空待機していた砲台からのアターック!バレーボールの如き連撃だが、ペタンは跳ねることなく地面をズザーッ。
「もうやだ……帰る……」
 ぺたんが起き上がった時だ、肩を掴まれて振り向けば、アリス。
「おっぱい様を揉めば大きくなるって言うものね☆」
「それ、なんで私に言うの?」
 嫌な予感がしたぺたんだが、時既に遅し。アリスの背後からウジュルッた触手の群れが四肢を絡めて押し倒し。
「人をツルペタにする貴女様こそおっぱい様に違いない……そんなおっぱい様のおっぱい様(意味深)を揉めばきっと誤利益(誤って大きい方向にご利益)が……」
「え、ちょ、みゃぁあああああ!!」
 いつもの大惨事になって来たな……。
「あの、今度こそ帰っていいですよね?」
 摩那、ずり落ちた眼鏡をまずは直したまえ。君にはまだ最後の仕事が残っている。
「もう妖怪も一通り逃げましたし、脅威も無力化されましたが?」
 最大の脅威が残ってるじゃないか。
「会場のみなさーん!お待たせしましたー!!」
「それではテティスさんと私の歌を聞いてくださいっ♪」
「ちょ、一番危ないやつじゃないですか!?」
 それぞれ黄緑と水色の浴衣姿のテティスといちご。あのデュオを止められるのは君しかいない!
「どうしろと!?」
 ……あとは、任せた。
「ブン投げないでくださいよ!?」
「大丈夫ですよ」
 逃げ遅れたと察して既に半泣きの摩那に、いちごがこっそり。
「一応私も一緒に歌うので、破壊成分は私の癒しの歌で中和されるんじゃないかなー……ないかなー?だといいなー?」
「なんで希望的観測なんですか!?そこは自信もってくださいよ!?」
 摩那がいちごに掴みかかりかねない勢いで迫る傍ら、テティスが手をブンブン。
「それでは一曲目、行きますよー!!」
(テティスさんと同時に歌えば、そう簡単には被害が出ない事は実証済みなんです。後は私が合わせればどうにでも……あれ、なんでテティスさんまだ前奏なのに大きく息を吸ってるんで)
 いちご、及び猟兵達の意識は、ここで途絶えている。
 

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 集団戦 『垢舐め』

POW   :    ツルツル舐め舐め変化
【舐め続けて石鹸のように凹凸のない体にして】、自身や対象の摩擦抵抗を極限まで減らす。
SPD   :    伸びて捉える舌
【口】から【レベルmまで伸びる舌】を放ち、【舐め回して貧相でツルツル滑る体にすること】により対象の動きを一時的に封じる。
WIZ   :    理性と本能の狭間
自身の【恥じらい】を代償に、【勝手に伸びて舐め回す舌】を戦わせる。それは代償に比例した戦闘力を持ち、【相手が丸くなった石鹸のように磨かれる舐め】で戦う。

イラスト:藍乃らず

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


「うぅ……なんでいつもと違う歌い方するんですか……?」
「アイドルとはエンターテインメントですよ?ライブとあらば、アドリブを効かせなくてどうするんですか!?」
 猟兵達が目を覚ますと、妖怪達はほとんど姿を消していた……一部の、異形を残して。
「なんだあいつ……まさか、妖怪を食ってる……!?」
「いやよく見るっす、アレはどちらかと言えば……」
「うん、そうだね、prprしてるね」
 特定の姿をした妖怪が、逃げ遅れたと思しき妖怪を舐めていた。問題は……。
「舐められた方はぁ、なんだかまん丸になってませんかぁ?」
 そう、襲われた妖怪は少しずつ体の凹凸を失い、球体にされているのだ!
「新手の変態かな?」
「うぅ、音が触手みたいでやーなのです……」
 警戒する猟兵達だが、ふと、視線を感じたのか妖怪たちが振り返ると口角をあげる。
「来るよ!」
「どかーんとやって片付けちゃおっか!」
「駄目よ、派手な攻撃したら、周りに転がされてる子も巻き込んじゃう……ここは、むしろ、こっちもぺろぺろするしか……」
 身構える猟兵に対して、何故かハァハァしながら諫める猟兵……大丈夫かな、この部隊?
「舐めるかどうかは別として、とにかく周りの妖怪に気をつけて戦いましょう……!」



※次回執筆は明日(六日)の予定……プレが間に合うといいね!!
アリス・セカンドカラー
お任せプレイング☆お好きなように♪
汝が為したいように為すがよい♡
混沌こそが我がスタイル☆
ええーい、ツルペタにするならロリショタ男の娘化でしょうが!(無差別にロリショタ男の娘化化術の神罰の範囲攻撃)
球体化など許さぬ。
垢舐めたんに対して此方もペロペロ舐める☆で責めるわよ♪なおこのユベコの完成は一昨日です。
パラサイトテンタクルを化術で舌の塊型触手にしてたーくさんペロペロするわよ♡気持ちよーく逝かせてあげる☆とエナジーを捕食するわ♪
あ、治癒技としてペロペロヒーリングもあるので仲間の治療もお任せあれ☆元気にしてあげる♡え?男性陣がひからびた?気のせい気のせい、ほらこんなに元気いっぱい☆(降霊/式神使い)


夢ヶ枝・るこる
■方針
・アド/絡◎

■行動
た、大変なことになっておりますねぇ(ぷるぷる)。

『F●S』3種を展開、【銀翼袍】を使用して飛行、『崩壊の波動』を放射しますねぇ。
此方の対象は『戦場の敵全て』ですから、近くの妖怪さん達は巻込まずに放てますぅ。
その上で『FRS』による[砲撃]で個別に対処、敵のみを狙える場所が有れば[範囲攻撃]を重ねますねぇ。

相手の『舌』は『FSS』で防御しつつ『FBS』の[カウンター]で切断を狙いましょう。
更に【銀翼袍】で纏う『女神の衣』を『白熊の着ぐるみ(デフォルメ調)』にして、体まで届く率を減らしますねぇ。
まあ「くまくま」しか話せなくなりますが。

後は『認識阻害』がどう出るか、ですねぇ。


満月・双葉
………世の中にはこんな変態もいるのか…
世界を広く見よ…成る程…成る程

僕を舐めても変化なくないですか?舐め応えあります?大丈夫です?美肌効果があるとかガセっぽいネタを仕入れたので先程大根の下半身のすり下ろしとか塗りたくったんですけど大丈夫ですか?
わさびもつけましょうか

石鹸のように…って、泡立つんじゃないだろうね?!心の汚れを洗濯するぞ?!

さぁ皆さん頑張ってください
回復ならしますよ
安心してください、僕は医者ですから
貧乳を崇めたやつにはきつめの爆発(回復量は変わらない)をお見舞いするぞ?!


所で敵より味方に対して対策しないといけない気がするのは気のせいですかね?!(耳栓用意、対変態ハリセン用意)


エドゥアルト・ルーデル
よし分かった拙者はポジションメディックで行く

最初に宣言しただろう拙者はMdなんだよ
味方がprprされて丸くなるだろう?そうしたら拙者が【ブレイブマイン】でprprされた味方の状態異常をキュアするために回復し続けますぞ!やっぱ強えぜ…ヒール!
攻撃に参加しろって?カーッ拙者今Mdだからなーッ
回復に忙しくて攻撃出来ないからなーカーッ

恥じらいながら女の子同士がprpr!そこを拙者が丸くされた味方を治す!そうすると更に恥じらいながらprpr!…と無限に見ながら楽しむことができるって寸法よ!
ポジクラにしてprprするか悩んだが今回は見守りたい気分だからしかた無いね

野郎は放っておく!自力でなんとかしろ!


四季乃・瑠璃
緋瑪「静かにかぁ…瑠璃?」
瑠璃「それなら、ぺろぺろする人(や妖怪)へのお仕置きと防御にみんな、コレを体に塗ってみる?」(愛用のソース入れからスッと)
緋瑪「…ナニソレ?」
瑠璃「ウルトラデスソース(117万スコヴィル/タバスコ234倍)」
緋瑪「死ぬよ!?」
瑠璃「コレより強力なザ・ソースとかもあるけど…」
緋瑪「ソレ、兵器だよね!?」
※素肌で触れると炎症を起こします
瑠璃「美味しいのに」
緋瑪「瑠璃!?」
瑠璃「さぁ、垢舐めや失礼な事を言う地の文はたっぷりとこの美味しさを堪能して貰おう」(舌や口内や裏空間にデスソースを丸ごと突っ込む)
緋瑪「地の文は(わたし達の代わりに)犠牲になったんだ…ソースの犠牲に…」


七那原・望
変態はお断り、なのです。
もちろん、わたしの身体には指一本触れさせませんし、これ以上は認識すらさせてあげません。

背中の翼で【空中戦】。速やかに【果実変性・ウィッシーズアリス】を発動し、ねこさん達にお願いして【全力魔法】【多重詠唱】の幻覚で全ての敵がわたしを一切認識できないようにします。

もちろん、まぐれで当たるみたいな万が一もあり得るので【第六感】と【野生の勘】を駆使して敵の動きを完璧に【見切り】、絶対に舌による攻撃を受けない様に回避を最優先で戦います。

可能なら【スナイパー】【全力魔法】の風の刃で舌を斬り取ってしまいましょう。

変態に用はありません。慈悲はないのです。早く消えてください。


彩波・いちご
テティスさんと

まさか私がテティスさんの歌に耐えられなかったとは…不覚
と、気が付いたら目の前には綺麗なテティスさん…あれ?いつの間に…

とにかくこの状態の彼女は守らないと
【異界の邪剣】を手に、抱き着いてくるテティスさんを庇うように立ちます
和風アイドル衣装は舌の入りそうな隙間だらけですけど、どうせ舐められるなら私を…!
…って思ってたのに、下を邪剣で切り付けてもつるりと滑って逃げられて、テティスさんが舐められることに
「ああっ、大丈夫ですかっ!?」
振り向いたら着衣の乱れたテティスさんが
「あわわ、すみませんー!?」
そして慌てて転んだ私の目の前に、ほんのり温かい布地が…思わず拾ってしまい
「あ、これ…」(汗


テティス・ウルカヌス
唐突に綺麗なテティス

「えっ、あっ、なんですか、ここっ!?
いちご君、あの化け物は一体っ!?」

アイドルとして思いっきり歌(非戦闘行為)に没頭したせいか、私、またこの人格になってしまったみたいです。
傍らのいちご君にぎゅっと抱きつきます。

化け物の口から伸びる舌が、着ている和風のアイドル衣装の隙間から服の中に潜り込んできて……

「ひゃあんっ、なんですかっ、この舌はっ!?」

身体を舐められると、体型は変わらないものの身体がツルツル滑るようになって!?

摩擦を失った下着が足元にストンと落ちて……
さらにスカートや上着も脱げそうになるのを慌てて両手で抑えて真っ赤になります。

「きゃああっ、いちご君、それ私の下着っ!?」


稲荷・こん子
・方針
アド/絡◎
つるつる歓迎

・行動
遅れて来た子なので、妖怪が減ってて少し残念なのです


とりあえず依頼をこなそうと行動
〈特技〉を使ってみようとメダルを持って走って行動、するが…
「初めてのメダル使ってみるのでs…はわっ!」

転けてメダルがぴゅ~んと飛び誰かの所に貼り付き、憑依融合効果が発動なのです
「はわわ、不思議な感じなのです!」

その後はメダルが取れるまで、憑依相手の行動に合わせて戦うのです!

敵を倒すような行動はせず、満足して消滅するように出来ないか、色々考えながら遊ぶ…行動するのです!
「なめなめすりすり~♪」

・可なら
メダルの飛び先は、憧れのるこるさん、無理ならば楽しそうな女性なら誰でもOKなのです


黒木・摩那
……これ以上減らされたら困るから、全力で叩きに行きます。

それで敵は垢舐めですか。
ということはコレクションの唐辛子が有効活用できそうです。
妖怪の味覚は人間に近いみたいですし。

魔法剣『緋月絢爛』で戦います。
UC【トリニティ・エンハンス】で【水の魔力】を付与します【属性攻撃】。
そして、その水にはコレクションの唐辛子を含ませます。

これで舌を剣で払えば、辛さも堪能してくれるでしょう。

あとは水流の【衝撃波】で垢なめ達を【なぎ払い】ます。


テフラ・カルデラ
※絡み・アドリブ可
WIZ

ななななっ…なんて光景なのですか…音が触手みたいって…そう聞こえなくなっちゃいましたよ…
舐めるのは妖怪じゃなくてチョコを舐めちゃいましょう!
と、言うことで【あま~いちょこれーとらびりんす】発動!いっぱいチョコ(溶けてるけど)があるので思う存分舐めていって下さ…って私じゃないですよ!?
ひゃわぁぁぁ…身体が丸められて…さらにチョコが身体にっ―――!?
(垢舐め達がチョコに巻き込まれて、ドロドロのまま固められてしまう…もちろん丸められたテフラやその他妖怪達も巻き込まれてチョコ菓子のようにドロドロチョコまみれのまま固まってしまう)


涼風・穹
……まずは垢舐めの動機の確認からだな
何故にあのような行動をしているのか、それが問題だ

さっきのぺたんじゃないけど自身の貧乳を嘆いて他者も道連れにしているのか
或いは貧乳礼賛故の行動なのか
実は元は巨乳だったのに自身の能力のせいで今の体型になってしまったせいだとか
……単に妖怪としての本能的な行動で理由なんてないのかもしれないけど…

相手が求めているものが分かれば対応もし易いというもんだ
……もし垢舐め達の能力で男の股間の凹凸まで失われたりするなら色々と洒落にならないしな
……もし人首の怨念がぺたんや垢舐めを産み出したとかなら纏めて第四の壁の向こうへ投げ込んでくれる
《贋作者》発動
レールガン作成
妖怪装填…射出!


セプテンバー・トリル
何故かグリモア猟兵さんに殺気を飛ばして威嚇されたので参加が遅れてしまいましたけど…
遅れを取り戻すべく、【ユンボルギーニ】をドリフトさせて現場に乗り込みます。
ん?何か轢くか撥ねるかしましたか?まぁ、妖怪も猟兵も頑丈ですから大丈夫でしょう。

【WIZ】連携・アドリブ歓迎
舌に舐められると困るのでしたら、ユンボルギーニに乗ったまま戦いましょう。
爆発や歌も多少は防げますしね。
この両腕での【グラップル】戦闘と【範囲攻撃】で敵を【蹂躙】しますわよ。
え?巻き添え?妖怪も猟兵も頑丈ですから(以下略)
そして、離れた敵へは【ナックルダンパー】によるUC【剛拳突撃】ですわ。
は?射線に味方?妖怪も猟兵も(以下略)


リカルド・マスケラス
「おっぱいに貴賎なし。まあ、真実っすね。でも、自分に嘘はつきたくないんで巨乳派をやめる気はないっすよ。あ、巨乳といっても巨大すぎるのよりもGHIくらいまでがモストフェイバリットっすね」
などと火に油をそそぐような【属性口撃】

あー、戦闘もちゃんとやるっすよ。襲われた妖怪達に【仮面憑きの舞闘会】で複数同時に憑依し、【破魔】の力を巡らせることで球体化の解除、【集団戦術】(誰かが襲われたら、その隙にみんなでボコボコ)を駆使して敵を撃退しつつ、安全地帯まで避難させる
「好みの違いはあれど、それはそれ、これはこれ。貴賤はなしっす。互いの主張をぶつけ合った後はノーサイドっすよ」
代償はきついけど、イケ面なので我慢



「……まずは垢舐めの動機の確認からだな。何故にあのような行動をしているのか、それが問題だ」
 信じられるか?この真っ当な猟兵っぽい台詞、穹が言ってるんだぜ?ちなみに、今まで通りおっぱい語りすると何かいい感じに動けるんだって。
「それもっと早く言わなくちゃいけないやつじゃないか!?」
 逆に聞くぞ?ボーナスいる?この面子で。
「そりゃもちろん……」
 クルッと穹が振り向いたら。
「ええーい、ツルペタにするならロリショタ男の娘化でしょうが!球体化など許さぬ」
 アリスを中心に戦場に落雷が落ちるが、敵に当たっても特に変化がない……ビジュアルが既に『ソレ』っぽいから、という事だろう。何が起こったかって?つまりはそういう事だよ。
「よし分かった拙者はポジションメディックで行く」
 アリスがアレだから、その反動でエドゥアルトがまともになったと思ったアナタ、奴がポジションなんて単語を持ちだした時点で真面目の十の部分(真の頭のアレ)すら書き込まれてないから覚えていくといい。
「恥じらいながら女の子同士がprpr!そこを拙者が丸くされた味方を治す!そうすると更に恥じらいながらprpr!……と無限に見ながら楽しむことができるって寸法よ!ポジクラにしてprprするか悩んだが今回は見守りたい気分だからしかた無いね」
(最初に宣言しただろう拙者はMdなんだよ。味方がprprされて丸くなるだろう?そうしたら拙者が【ブレイブマイン】でprprされた味方の状態異常をキュアするために回復し続けますぞ!やっぱ強えぜ……ヒール!攻撃に参加しろって?カーッ拙者今Mdだからなーッ回復に忙しくて攻撃出来ないからなーカーッ)
「……なぁ、あいつ本音と建て前が逆になってないか?」
 穹、そこは聞き流してやるところだと思うぞ。更にな?
「何故かグリモア猟兵さんに殺気を飛ばして威嚇されたので参加が遅れてしまいましたけど……ここから取り返せば問題ありませんわよね!」
 ギャリリリリ!もはや騒音でしかない叫びを上げるタイヤで、土塊を巻き上げ乍らドリフトして戦場のど真ん中に突っ込んできたセプテンバー・トリル(ゼネコンのお姫様・f16535)……今色々吹き飛んでいったんだが……?
「ん?何か轢くか撥ねるかしましたか?まぁ、妖怪も猟兵も頑丈ですから大丈夫でしょう」
 この世界のオブリビオンは救済の可能性があるし、あいつらが持ってたの一般妖怪(球体)なんだけど!?もっと丁重に扱ってくんないかな!?
「静かにかぁ……瑠璃?」
「それなら、ぺろぺろする人や妖怪へのお仕置きと防御にみんな、コレを体に塗ってみる?」
 重機のおぜうが甚大な被害を巻き起こした傍らで、緋瑪に瑠璃が見せたのが真っ赤な小瓶。
「……ナニソレ?」
「ウル ラ スソース(辛さの指数にして百十七万スコヴィル/タバスコの二百三十四倍)」
「死ぬよ!?」
「コレより強力なザ・ ースとかもあるけど……」
「ソレ、兵器だよね!?」
 姉妹漫才が展開されてサラッとスルーしたが、瑠璃はこれを肌に塗るとか言っていた。鎧として使えば、舐められると同時に攻撃できる、と。でもね、知ってる人は知ってる豆知識なんだけども、冬場の寒い時期に靴の中に唐辛子を入れると、足が辛味成分の刺激を受けて熱を持つんですよ。これがカイロ代わりになる。
 なんでそんな話をしたかって、普通の唐辛子ですら、寒さをごまかせるんだよ。それを、桁違いの辛さでやったらどうなるか、想像には難くないでしょう。それはそれとして、お気づき頂けただろうか?瑠璃の発言の一部が削除されている事に。嫌な予感がして調べたらね、実在したんですよ。絶対に挑戦しようなんて思うなよ、もはや食材じゃなくて薬品の領域に入ってるから。
「美味しいのに」
「瑠璃!?」
 不服そうに、手の甲に一滴垂らして舐めとる瑠璃に緋瑪は自分が口にしてしまったかのように震えあがるが、これに同調したのがいたりする。
「敵は垢舐めですか。ということはコレクションの唐辛子が有効活用できそうです。妖怪の味覚は人間に近いみたいですし」
 もう一匹の辛党、摩那さんです。そして今!瑠璃と!!視線が交差!!
「「同志よ」」
 ガッ!硬い握手が交わされてしまった……。
「まさかメジャーどころを押さえている方にお会いできるとは……」
「そういう摩那さんからも唐辛子の気配がするけど……やっぱり持ってるのかな?」
「ふふふ、私は依頼で異世界に飛んだ際に現地の香辛料を持ち帰るようにしていまして……」
 唐辛子の話題で盛り上がり始めた二人から、緋瑪はそっと離れて。
「私、初めて瑠璃の隣にいたくないって思ったかも……」
 お前は甘党やからな……さて穹、今一度問うぞ?これ、ボーナス、いる?
「いらねぇな……」
 遠い目をしていた穹だが、セプテンバーが重機でウィリー走行しながら垢舐めをペタン(物理)にしながら暴れはじめたため、一周回って冷静になり思考を巡らせて。
「さっきのぺたんじゃないけど自身の貧乳を嘆いて他者も道連れにしているのか、或いは貧乳礼賛故の行動なのか、実は元は巨乳だったのに自身の能力のせいで今の体型になってしまったせいだとか……単に妖怪としての本能的な行動で理由なんてないのかもしれないけど……」
 十中八九貧乳礼賛と本能だろうね、オブリビオンが生まれる時、自分との縁を辿って行くって話だった気がするし。
「相手が求めているものが分かれば対応もし易いというもんだが……もし垢舐め達の能力で男の股間の凹凸まで失われたりするなら色々と洒落にならないしな」
 そこを舐められるほど追い詰められてたらそもそも命の危機だと思うけどね!?
「おっぱいに貴賎なし。まあ、真実っすね。でも、自分に嘘はつきたくないんで巨乳派をやめる気はないっすよ。あ、巨乳といっても巨大すぎるのよりもGHIくらいまでがモストフェイバリットっすね」
 リカルドはなんでさっきの話引っ張ってるの!?
「ここははっきりさせておいた方がいいからっすよ……やはり巨乳こそ至高っす」
 バッと、垢舐めがリカルドを見た。
「おっぱいに貴賎なし、それは揺るがぬ事実っす。しかし!自分個人としては巨乳派を譲るわけにはいかない!例えこの世の真実と対峙することになろうとも、自分は自分に嘘をつきたくないっす!」
 熱弁してる所悪いんだけど、いいかな?
「なんすか?」
 めっさ囲まれてるで?
「へ?うわなにをするやめ自分は舐めても美味しくないっすぅううう!!」
 何という事でしょう。リカルドは仮面(本体)を残して全身(依代)が球体にされてしまい、仮面を飾るマネキンと化してしまいました……。
「で、でも自分達には衛生兵が……」
「は?野郎はしらねーでござる」
 エドゥアルトはソッポを向いた!
「なんでっすか!?あんなにおっぱいについて語り合った同志じゃないっすか!」
「それはそれ、これはこれ。拙者はおにゃのこ専門のメディック!野郎は自力でなんとかしろ!」
「酷いっす!?」
 見捨てられたリカルドは垢舐めに回収されていった……が。
「まぁ、ここまでは計画通りなんすけどね」
 他の球体妖怪同様まとめられたところで、仮面を複製。張りついた球体はリカルドが持つ呪詛を振り払う加護を宿し、元の妖怪の姿を取り戻した!
「よーし全員戻ったっすね!?そしたら自力で逃げおろろろ……」
 急に呂律が回らなくなったリカルドは、自分だけマネキンのまま。UCの反動で呪縛にあい、一切の行動がとれなくなったのだろう。蜘蛛の子を散らしたように逃げていく妖怪達に、垢舐めがあたふたしている隙に。
「おほほほほほ!重機の中にいれば舐められてしまう事はありませんわー!!」
 一方的な蹂躙でテンションが上がり過ぎた感のあるセプテンバーがスピンターン!車体をコンパス代わりにタイヤで円を描き、垢舐めを弾き飛ばしていくのだが。
(ちょっと待ってまだ自分が残って……ぎゃーっ!?)
 発声すら封じられたリカルドは、悲鳴を残す事もなく吹き飛んでいった……いや、敵陣のど真ん中に取り残されるよりはましか……?
「た、大変なことになっておりますねぇ」
 ぷるぷる。敵味方入り乱れて好き勝手やり過ぎている感漂う戦場を、上空から見下ろすのはるこる。その隣で氷を纏ったように無表情なのが。
「変態はお断り、なのです。もちろん、わたしの身体には指一本触れさせませんし、これ以上は認識すらさせてあげません」
 ブチキレモードののぞみんです。
「猫さん、お願いします!」
『にゃー!』
 地上に召喚された四匹の猫は四方に散り、東西南北から戦場を包み込む結界を生み出すと、上空に上空と全く同じ光景を展開する……いわば、戦場に映し出された虚無のプラネタリウム。星々の輝きすらないそれは、それよりも上空にある望とるこるの姿を一切認識させない空模様の天井。
「これで視覚的に認識される事はないはずですが、万が一にも備えておくのです」
 相当変態が嫌いなのだろう。望は翼に風の魔力を纏い、旋回を始める。何かの拍子に対空射撃が飛んで来ようとも、見えもしない動き続けるターゲットに当てるのは、目をつぶったまま夜空の星を数えるようなもの。
「後は上空から撃っていれば何とかなりそうですねぇ」
 るこるも便乗して、地上に砲塔を向けたその時である。そっちで(悪い意味で)奇跡的な事が起こったのは。
「はう!妖怪さん、ちょっと少ないのです……」
 セプテンバーが椿と(あくまでも気配とか視線で一方的な)殺し合いになっていた巻き添えを食って遅刻した稲荷・こん子(七変化妖狐・f06041)は、現場が既に(主に全滅と言う意味で)収束に向かい、無事だった妖怪もほぼ避難していた事にややがっかり……いや待て何故そこで落ち込む?
「え?だって妖怪さんと遊ぶのがお仕事ですよね?」
 違うんだけど!?
「ほぇ!?」
 一瞬固まってから、オロオロしはじめたこん子……こいつ、本当に遊ぶつもりで来てやがったな……?
「と、とにかく頑張るですよー!!」
 こん子が懐より取出したるは人の形をした狐の硬貨……狐憑きのメダルですね、アレ。
「初めてのメダル使ってみるので……」
 このメダルは他人に貼りつけなければ意味がない。取りあえず最前線にいた瑠璃に向かっていたこん子だったが。
「さぁ皆さん頑張ってください。回復ならしますよ。安心してください、僕は医者ですから」
「うわーん誰も助けてくれない自分を治して欲しいっすー!」
「はわっ!?」
 諸々巻き込まれたくなかったのだろう。戦場からやや離れた位置で双葉が両手をパンパン、そこ目がけて結局救助を得られず、自力で帰って来たリカルド(仮面専用マネキン)がコロコロ……呪縛は解けたものの、一度に何人もの妖怪を救助した反動で消耗が激しく、自身の状態変化を解けなかったのだろう。こん子は戦場を転がる彼に気づくのが遅れて躓き、転んでしまった。
「あれ、メダルがないのです!?」
 その際に投げ飛ばしてしまったメダルは妖怪垢舐めの下へ……しかし。
「私達はスパイシーシスターズ……」
「この辛さ、ご賞味あれ!」
 摩那がいくつものルーンが刻まれて、纏った水流が動く度に光の屈折で見える文様が変わる剣を振るう。舌に当たった所で、斬り裂くには至らないが、それでいい。
「!?」
 突如痺れたように硬直した垢舐めは、目元に涙をジワァ……。
「いかがですか?ダークセイヴァー産黒唐辛子のお味は?そのまま齧っても苦いだけですが、水に触れた途端爆発的に辛くなるのです……辛味と苦味のコラボ、中々美味しいでしょう?」
 こいつ、水流の中に唐辛子混ぜてやがる……!ひーひー荒い息を吐きながら後退する垢舐めだが、その背後に瑠璃が回り込むと組み付き、赤い瓶を片手ににっこり。
「まだまだ物足りないよね?そうだよね?」
 ダパァ。成分表示欄に『必ず希釈してご利用ください』って書いてあるのに、直に流し込みやがった!?
「!?!?!?」
 荒ぶる垢舐めは飛んで来たメダルをスパァン!払いのけるとそのまま崩れ落ち、ビグンビグン……アカン奴やろ、アレ。
 さて、弾かれたメダルはというと、緋瑪の方に飛んでいき。
「瑠璃ー!早く帰って来てよー!!唐辛子がメインウェポンなんて、私絶対に嫌だからねー!?」
 こっちはこっちで爆弾を無差別にばら撒いてやがる!?
「緋瑪もこっち(辛党)に来ればいいのに……」
「絶ッッッ対!やだー!!」
 思いっきり投げた爆弾の爆風がメダルを吹き飛ばした!さて次に飛んでいったのは……。
「治療をお願いするっすー!」
 ようやく双葉の所までたどり着いたリカルド。だが、双葉は大根を構えて。
「え、あの、治療っすよね……?」
「僕にはこの場において許せないモノが二つあります。一つは貧乳を崇拝する事。もう一つは巨乳について語る事です」
「ちょっと待ってほしいっす!巨乳語りはこの依頼において必須事項で……」
「きつめの爆発とついでに回復入りまーす」
「回復がメインじゃないんでブバァ!?」
 リカルド、そして同時に着弾したメダルに大根が直撃!大爆発を起こして両者飛んだー!空中で人型を取り戻したリカルドは顔面から地面に突き刺さり、頭を引っこ抜くと仮面を押さえて。
「確かに治ったっすけど……心が痛いっす……!」
 地上で蹲るリカルドに対して、メダルは空高く飛んでいき……。
「はっ!何かが結界を貫通したのです!?」
 真っ直ぐ飛んで来た硬貨を望が緊急回避。すり抜けたメダルは……。
「あうっ!?」
 ぺちーん!るこるの額に貼りついた!
「はわわ、不思議な感じなのです!」
「……あらぁ?」
 聞こえるはずのないこん子の声にるこるが振り向けば、半透明になったこん子がるこるの右肩に憑いて……。
「はわー!?お空の上なのですー!?」
 テンション上がり過ぎだろこのお子さま!?
「地上から逃げてきたんですかねぇ……」
 苦笑するるこるが、暴走重機と唐辛子の拷問、ショタ姦(?)入り乱れる地獄絵図に向けて砲撃を続けると、こん子が両手をバタバタ。
「だ、駄目なのです!妖怪さんをイジメないであげて欲しいのです!!」
 カクリヨファンタズムのオブリビオンは、少々特異だ。端から世界の崩壊を狙うわけでも、生きる人々を蹂躙しようとするわけでもない。ただ、この世に辿り着けなかった者共が、届いたモノを羨んでか、はたまた死してなを生きたいと願ってか、縁のある妖怪を取り込んで成立する。故に、オブリビオンもまた、一種の犠牲者という側面が顕著に出る世界なのだが。
「仕方ありませんねぇ」
 関係ない。オブリビオンは倒す者。それをこん子が理解するには、彼女は若すぎると判断したのだろう。るこるは砲撃をやめると、その身をシロクマの着ぐるみに包み。
「くまー」
「わー!くまさんなのですー!」
 こん子とじゃれ合い始めた。その傍らで、望は胸に当てた手を握り込む。
(それがあなたの選択なのですね……)
 るこるが攻撃をやめた所で、地上の猟兵達が妖怪を全滅させるだろう。結果は何も変わらないのだ。それでも、ここでこうして遊んでいる事でこん子が辛い現実を目にしなくて済むならば、十分だ。
(果たして私は、嘘をつく悪い子なのでしょうか、それとも子どもの笑顔を守る良い子なのでしょうかぁ……)
 るこるのその疑問には、神様さえ応えてはくれないだろう。
 ……やべぇ、発狂する気がするから地上に焦点をあてようか。
「ぺろぺろ舐める子はぺろぺろ舐められても仕方ないわよね?」
「ふぁ……らめぇ……」
 地上かと思ったら痴場だった件……ていうかアリスが色々おかしい。具体的には……。
「私の体がつるつるの卵ボディなのに垢舐めたんの方がヒクヒクしちゃってる事かしら?」
 そこだよ!おかしいって自覚あったのかよ!!
「うふふ、舐め回されて体がおかしくなっても、舐め返して妖力を吸い取っちゃえばなんの問題もないわ☆しかも……」
「ひぅん!?」
 元は装備扱いの触手……つまり、アリスの肉体ではない故に球体化を免れた舌が垢舐めの脇腹をなぞり、甲高い声を絞り出させれば、その羞恥心を元に垢舐めの舌がアリスの体を舐め回すものの、既に彼女の体は球体であり効果がない。
「イクところまでイッてしまえば、後は一方的に舐めるだけだから楽勝ね☆」
 やべぇ、こいつこの依頼と相性が最悪だわ……敵側が一方的に搾り取られとる……で、それはそれとして。
「ガッデム!!」
 エドゥアルトはエドゥアルトで何を絶望してるのさ?
「ウチの部隊の女性陣が強すぎて、誰も球体にならねぇからメディックやってる拙者が自宅警備員にクラスチェンジ状態なんだよぉ!!」
 まぁ、そうなるな。
「くそっ、どこだ?どこで間違えた?拙者のパーフェクツな作戦が……!」
 前哨戦にいた面子の時点で大体察しろよ……この戦場は色んな意味でおかしいって。滂沱の涙を流すオッサンの更に後方、戦場から離れるか否かの微妙な位置で、いちごは頭を振って目を覚ました。
「まさか私がテティスさんの歌に耐えられなかったとは……不覚」
「大丈夫ですか?いちごくん……」
「えぇ、なんとか……ん?」
 気を失っていたのだから、空を見上げているのは分かる。そして心配そうにテティスが覗き込んでいるのもギリギリ分かる。では、自身の頭を支えている柔らかな感触と温もりは?
「うわぁあああ!?」
 自分が膝枕されていた事に気づいたいちごが跳ね起きて、同時にテティスが綺麗な方になってしまっている事にも気づき、二重の驚きでおめめぐるぐる。
「重かったでしょうごめんなさい脚は大丈夫ですかいやそれよりも何で綺麗な方にいやあのですねいつもお綺麗だとは思うんですがそういう意味じゃなくてあでもテティスさんて普段の方を自覚してるんでしたっけ柔らかかたっいやそれは今はどうでもよくて……」
 混乱して挙動不審になるいちごの袖を掴むテティスに、ピンッと背筋を伸ばして固まる彼だが……。
「いちご君、あの化け物は一体っ!?」
「え?」
 ラブコメ?してる間に垢舐めに囲まれてますねー。
「とにかくこの状態の彼女は守らないと……」
 ブーン……羽音っぽい物を響かせて、狼の頭をした蜂めいた何かが、羽ばたきもせずに飛来するといちごの腕に止まる。彼が頭を掴むと異形の生物はその身を捻じ絞り、一振りの長剣に姿を変えた。
「和風アイドル衣装は舌の入りそうな隙間だらけですけど、どうせ舐められるなら私を……!」
 伸びた舌、姿が異質なモノと化したアリス、舐めようとして摩那と瑠璃の姉妹「瑠璃と姉妹なのは私!」緋瑪、ちょっと黙ってて「酷い!?」地の文に紛れ込むお前が悪い!
「あの……話を進めてもらっていいですか?」
 あ、すまん。取りあえず、見た目からしてこれ絶対舐められるって察したいちごは、自分を盾にすべく前に立ち、左右から回り込む舌を弾き飛ばすべく、半歩引いて剣を片手に、手首のスナップを利かせて円を描くように左右へほぼ同時に叩きこむ二段斬り。
「これで……!」
 攻撃を弾き、踏み込めば、後はより後方のたゆんだ舌を斬るだけ……の、はずが舌はいちごより先に距離を取る。
「しまっ……」
 自分が弾いたのではなく、唾液に似た粘液で『いなされた』と気づいた時にはもう遅く、いちごを避けるように弧を描くその軌道は。
「ひゃあんっ、なんですかっ、この舌はっ!?」
「ああっ、大丈夫ですかっ!?」
 テティスの衣装の袖からイン。素肌の上を駆けずり回る舌先にくすぐられ、彼女の頬がそまり脊髄に電流が走ったように震え……そこで、テティスが気づいた。
「なんだか全身がツルツルするんですけど!?」
 摩擦を失った体は自らの衣服すら滑らせてしまい、ソックスの中で足を滑らせるという奇妙な経験をしたテティスがスッ転び、衣装のボトムがすり抜けてしまうが、そこは和風衣装。トップスだけでも膝丈まであり、見せられない記録になってしまう事は回避。
「ななななんでこんなことに!?」
「あわわ、すみませんー!?」
 上着だけは失うまいと、滑る両手で必死に着物の合わせを掴み、へたり込むテティスを前に、反転しようとしたいちごだが、その足を垢舐めの舌が絡めとり、転倒。
「邪魔しないでください!!」
 自分に絡み付いている以上、逃がす理由はない。今度こそ斬り払い、目の前に落ちていた布をしっかり握ってテティスへと差し出して。
「大丈夫ですか!?取りあえず何とか着直さないと……」
 そこまで言って、テティスが真っ赤になっていちごの手の中にあるモノを見つめている事に気づいた。視線を落としたそこにあったのは。
「あ、これ……」
「いちご君、それ私の下着……っ!」
 思いっきり握っちゃってましたねー?ほら、エドゥアルト、女の子が被害に遭ったぞ。
「うるせー!リア充なんか爆殺されればいいんでござるよコンチキショー!!」
 駄目だこいつ、完全に拗ねて隅っこで大泣きし始めやがった……。
「僕を舐めても変化なくないですか?舐め応えあります?大丈夫です?美肌効果があるとかガセっぽいネタを仕入れたので先程大根の下半身のすり下ろしとか塗りたくったんですけど大丈夫ですか?わさびもつけましょうか」
「効能はさておき、取りあえず舐められるのはゴメンだな……!」
「みんなこのくらいでダウンなんて情けないなー」
「まだまだ試してない香辛料があるのですが……」
「二人とももうやめようよー、見てるこっちが辛く感じちゃうよー……」
 残りの動ける猟兵は四人(緋瑪は瑠璃の分身みたいなもんだからノーカン)か……広範囲攻撃を想定してる奴がいない分、苦戦するか……?
「はっ、今なんだか物凄く嫌な予感がしました」
 ぴこん!双葉のアホ毛がアンテナの如くピンと立った、その次の瞬間である。
「ななななっ……なんて光景なのですか……音が触手みたいって……そう聞こえなくなっちゃいましたよ……舐めるのは妖怪じゃなくてチョコを舐めちゃいましょう!」
 テフラ・カルデラ(特殊系ドMウサギキマイラ・f03212)が奇妙な事を言ったのは。
「チョコにな~れ♪」
 テフラが指を鳴らせば戦場全体を溶けたチョコでできたドームが包み込む。かと思えば今度はチョコ壁が地面からせり上がり、あっという間にチョコフォンデュの迷宮のできあがり。
「なっんだこれぇ!?」
 天井から落下するチョコの塊を穹が回避、目の前で避けそこなった垢舐めが頭から被ると、瞬く間にチョコは熱を失って固まり、チョコ像になり果てた……。
「これ僕達も巻き添えになるやつじゃないですか!?いっつも敵より味方に対して対策しないといけない気がするのは気のせいですかね!?」
 双葉よ……何を今更?
「違うと信じる希望くらい持ったっていいじゃないですかー!」
「大丈夫ですよ!」
 無表情のまま震える双葉に、テフラがサムズアップ。
「敵味方の識別がないとはいえ、私のUCですからね。敵を全滅させてから解除すれば問題ありません!皆さんがチョコ化するだなんて絶対にありえません!!」
「フラグにしか聞こえないんですけど……!」
 頭を抱える双葉の前で、テフラは迫りくる垢舐めを前に両手を広げて。
「いっぱいチョコがあるので思う存分舐めていって下さ……」
 台詞の途中で伸ばされた垢舐めの舌がテフラをゲッツ。
「って私じゃないですよ!?」
『やっぱし』
 盛大にもほどがある敗北フラグを前に、猟兵が揃ってため息を溢す。舐め回す舌によって形を失う四肢は関節が癒着して、首は埋没し、人としての形を失っていくテフラはチョコ饅頭の如くまぁるくまぁるく……。
「ひゃわぁぁぁ……身体が丸められて……」
 次々と集まって来る垢舐めに舐め回されて、テフラは楕円球体にうさ耳が生えたイースターの飾り物みたいな事に……あっ。
「さらにチョコが身体にっ――!?」
 天井からべちょったチョコがテフラを妖怪諸共包み込み、瞬く間に熱を失ったチョコは固まって。
「前衛芸術みたいな事になりましたね……」
 摩那、現実逃避しなくていいよ、無数の垢舐めに掲げられる形のエッグテフラが、祝福されているようにも生贄に捧げられているようにも見えるそれは、見る者にとって意味が変わる美術品用だが、どこまで言っても猟兵が自滅した末路でしかないから……。
「ところで、なんか聞こえない?」
「瑠璃あれ!」
 瑠璃が地響きのような物を耳にして、緋瑪が気づいたのは迷宮の崩壊。使用者がチョコ像になったから形を維持できなくなったんだろうねー。
「チョコだなんて甘い物になるのは嫌です……せめて唐辛子に……!」
 摩那落ち着け、それどっちにしても助かってない!!
「取り合えず走れー!?」
 穹の悲鳴に猟兵達が踵を返した瞬間、目の前の壁が吹き飛び降り注ぐチョコの中、姿を見せたのは。
「皆さんまだご無事ですわね!?」
 重機に搭乗していた為に、チョコを被ってもその馬力で強引に動き続けられるセプテンバー・オン・ユンボルギーニ。双腕クレーンの腕部に猟兵達を乗せて、迫りくる崩壊の中を走り抜けるが、やはり動きが鈍く、徐々に崩落が迫りくる……。
「もっとスピードでないんですか!?」
「これでもアクセル全開ですわ!溶けたチョコって、液体と固体の中間みたいなもので、凄く動きにくいんですの!もし次にまたチョコの塊でもぶつかったら、動けなくなりかねないですわ!」
「言ってるそばから前!」
「壁なんだけどー!?」
 瑠璃と緋瑪の叫びに、穹と摩那が構える。
「いけるな!?」
「もちろんです」
 穹が複製したのは重装甲すら吹き飛ばす対戦車ライフル、俗にいうバズーカ。真っ直ぐ飛んでいく弾頭は熱と爆風でチョコ壁を熔解、粉砕。しかし、溶かしただけではすぐに塞がってしまうその壁に、摩那の水のルーンから放たれる水流が冷却、固定。重機一台分の穴を強引にこじ開けて。
「突っ込みますわよー!!」
 冷え固まった上から降り注ぐチョコを跳ねのけて、ユンボルギーニが迷宮の外へと飛び出した直後、巨大なドームはブラウンの湖へと姿を変えた……。
「……ずっと飛んでいてよかったのです」
「地上にいたら大変でしたねぇ」
「今回のってこういう依頼なのです!?」
 よーく知ってる望とるこるは遠くを見つめており、初参戦のこん子だけは訳が分からず二人を見回していたとか……。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『猫又ピエロ』

POW   :    みんにゃウチのサーカスの一部になるんだニャー!
【命中した対象をサーカス道具に変えるボール】【触れた対象をサーカス用動物に変える爪】【配下ピエロに変える光を放つ二又尻尾】で自身を強化する。攻撃力、防御力、状態異常力のどれを重視するか選べる。
SPD   :    猫又サーカス団員スカウト(強制)コインショット
妖怪【猫又(ピエロメイクで浸食されている)】の描かれたメダルを対象に貼り付けている間、対象に【身体の猫又化+ピエロメイクや衣装での洗脳】効果を与え続ける。
WIZ   :    サーカスでは面白さこそ強さ!ウチに勝てるかにゃ?
【観客に変化し対象の面白さを審査するボール】を降らせる事で、戦場全体が【面白さに応じ強さが強弱変化するサーカス】と同じ環境に変化する。[面白さに応じ強さが強弱変化するサーカス]に適応した者の行動成功率が上昇する。

イラスト:すねいる

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は九十九・サイレンです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


「とんでもない連中だにゃぁ……」
 チョコの悲劇の後、空の彼方でお星様になったウサキマイラに敬礼していた猟兵達の前に現れたのは、今回の黒幕。
「あいつらにやられてボールになっててくれれば楽だったんだけどにゃあ、仕方にゃい。ウチ自らみーんなボールにしてやるにゃ!」
 こいつも相手をなんやかんやする系か……しかし侮るなかれ。今までとはわけが違う。
「お前か!貧乳崇拝を広げたのは!」
 激昂する猟兵に、オブリビオン……猫又ピエロは笑う。
「そうにゃよ?」
「それが何でボールなんかに……?」
 チョコ塗れの愛車を磨く猟兵に、ピエロはくすり。
「ただの道具より、生きてる道具の方がいい演技ができると思わないかにゃ?」
「つまり、ぺたぺた信仰を利用して、妖怪達を生きたまま道具にしようとしていたのですね?」
「正解!ついでに、胸をネタにすると人の女は同士討ちするし、男はとことん馬鹿になるしにゃぁ?」
 ものの見事に引っかかってましたねー、今回の部隊。
「さぁ覚悟……はしなくていいにゃよ?みーんな仲良く、面白おかしくサーカスするだけにゃんだから……ね?」
 その悪意のない微笑みには、悪意がないからこそ猟兵達の背筋を凍らせるのだった。


※次回執筆は九日の予定だから、八日の深夜までにプレくれると嬉しいなー?あ、今回のは舐めてかかるとマジで痛い目みるからね☆
七那原・望
引き続き背中の翼で【空中戦】しつつ【果実変性・ウィッシーズアリス】

ねこさんの【全力魔法】の幻覚で相手の認識を阻害しつつ、【第六感】と【野生の勘】で相手の動きや攻撃を【見切り】、回避を。
また、状況に応じて【オーラ防御】と風の魔法を組み合わせ、【スナイパー】でメダルを狙い撃ちして、弾き返します。

攻撃の軌道などでこちらの位置が割れないように、地面から直接発動するタイプや遠隔発動系の【範囲攻撃】魔法を味方に当てないように細心の注意を払いつつ使って戦いましょう。

生きてる道具なんて何も面白くないと思いますけどね。

団員が心の底から楽しそうにやってるサーカスの方が、そんなのより遥かに面白おかしいと思いますよ?


セプテンバー・トリル
お疲れ様、ユンボルギーニは戻りなさい。
そして、入れ替わりに【サーベイヤー】を召喚!搭乗して空へと舞い上がりますわ。

【POW】連携・アドリブ歓迎
さあ、上空から氷の【属性攻撃】の【弾幕】で【範囲攻撃】しますわよー。
うふふ、猫又と言えどニャンコである以上、寒いのは苦手ではなくて?

え?猫でなくても巻き込まれて凍結したら死ぬ?
…このメンバーでそれはあり得ないでしょう、さすがに。

相手がサーカスを名乗るのであれば、私は劇場映画といきましょう。
追い打ちでUC【大量絶滅】でサーベイヤーを変形させ、戦場全体を氷結攻撃します。
道化を名乗るなら、面白おかしいサーカス以上の絶滅リアクションを見せてくださいな。


夢ヶ枝・るこる
■方針
・アド/絡◎

■行動
紆余曲折有りましたが、主犯を倒せば解決ですよねぇ?
何とか頑張ってみましょう。

『FBS』を四肢に嵌めて手の届かない上方を飛び回りつつ『FRS』の[砲撃]を降らせますねぇ。
『投げ上げ』の形になる『ボール』は[範囲攻撃]に巻込んで落とせばよく、『爪』はまず届きません。
『尻尾の光』は『FSS』を敵と私の間に配置し防ぎますねぇ。

そして、相手の動きが止まりましたら、相手の『真上』に移動して【重豊躰】を使用、『体の一部』に適用し『胸』だけを『300t強』まで増量し落下、[重量攻撃]で押し潰しましょう。
途中迎撃され『変異』が効いても、降るのが『300t強のその物体』になるだけですので。


稲荷・こん子
・方針
アド/絡み◎

・行動
どんな相手でも傷付けるのを嫌がるけど、悪意のある相手には、怒って戦うのです!
「人を傷付けるのは、駄目なのです!」

【狐火】を使って、降ってくるボールを迎撃しながら、ファイアーアートみたく動かして、視覚的にも楽しめそうな感じで戦うのです
「楽しい炎のアートなのです♪」

あと、サーカスと言えば、火の輪くぐりもあると思うので、【狐火】で再現したりし敵のユーベルコードに対応して戦うのです
「サーカスと言えば、これかなと思って?」

基本的には誰かのサポートに回りながら、少しでも味方が怪我をしないように心がけて行動
「サポートなら、任せてなのです!」



「生きてる道具なんて、何も面白くないと思いますけどね」
 淡々と、上空から見下ろす望はつまらなそうに呟く。
「団員が心の底から楽しそうにやってるサーカスの方が、そんなのより遥かに面白おかしいと思いますよ?」
「当たり前じゃにゃいの、みーんな面白おかしく喜んでやってくれてるにゃよ?」
 満面の笑みでボールジャグリングし始める猫又ピエロに、望は分かり合えないと首を振ったが……クスクスと、ささやかな笑い声がする。視覚を封じられている望はそれ以外の五感(四感)が鋭敏であり、聞き間違えるはずがない、新手の声。敵の援軍かと思われたが、気配を感じない……。
「まさか……」
「そのまさか、で合ってると思うにゃよ?」
 笑い声は、ボールから響いていた。
「人を傷付けるのは、駄目なのです!道具にして利用するなんて、もっと駄目なのです!!」
 洗脳されていると思ったのだろう。激昂するこん子が叫べど、猫又ピエロはにぁまにゃまと笑みを崩さずに。
「傷つけても利用してもいないにゃよ。うちらはこうでもしないと、生きられなかっただけにゃ。どうせなら、面白おかしく生きていたいと思う事は、なーんも悪いことじゃないはずにゃよ?」
「え……」
 こん子が後退り、猫又ピエロの笑みが不敵なものへと変わる。
「あんたら生きてる連中には、何もわからな」
 バラバラバラバラ!!シリアスな雰囲気を台無しにするヘリのプロペラ音!戦場でいきなりヘリが出てくると言ったらやっぱりこの人!!
「とりあえず空中から撃ってれば安全ですわよね!」
 脳筋建設嬢、セプテンバーさんです。
「今真面目な流れだったにゃよ?邪魔する雰囲気じゃなかったはずにゃよ!?」
 ピエロもビックリなシリアスブレイクだが、仕方ないね、ネタ依頼だからね!!
「うふふ、猫又と言えどニャンコである以上、寒いのは苦手ではなくて?」
「ウチに限らず戦場全体攻撃とか、皆殺しにする気かにゃ!?」
「皆殺し……?」
 猫の疑問に、セプテンバーが首を傾げている間にプロペラが二つに割れて左右にスライド、コクピットを寝かせるようにして、機体後部が中心から割れると、脚部にプロペラが接続、展開。ブレードを骨格にして翼膜を張ると滞空するヘリから滑空する戦闘機へ姿を変えた。
「サーベイヤー・フォルムドラグーン……今回のお仕事は実に簡単ですわよ」
 戦場から一旦離脱したサーベイヤーは機首を傾け回頭、再び真っ直ぐ戦場に向かいながら。
「猫でなくても巻き込まれて凍結したら死ぬだなんて、このメンバーでそれはあり得ないでしょうからね♪」
 悪い意味で猟兵を信じ切ってるやつですね、これは。
「くっ、このままでは全滅するにゃ……猟兵にとってもこれは一大事なは……」
 チュドーン!
「ずにゃー!?」
 突 然 の 爆 破 ☆
「おみゃーなにするにゃ!?」
 召喚したにゃんこ四天王に爆破魔法を命じた黒幕、のぞみんに爪を向ける道化にゃんこに、さっきまでの大人びた気配をポォイ!!した、諦めデフォルメ顔の望曰く。
「この依頼に参加した時点で、私が倒れるとしたらその時は猟兵からの一撃だろうなって、そんな気はしていたのです……」
「おみゃーらそんなに物騒な連中なのにゃ!?」
 ショックのあまり出した舌が仕舞えない猫又ピエロに、空中をふよふよしていたるこるは突っ込んでくるサーベイヤー(ていうかセプテンバー)の絨毯爆撃の巻き添えを食らわないよう、こん子を背中に乗せて地上に対してうつぶせになりつつ。
「紆余曲折有りましたが、主犯を倒せば解決ですよねぇ?つまり、なんの問題もありませんよぅ」
「おみゃーらにモラルってモンはないのにゃぁあああ!?」
 オブリビオンにモラルを問われる辺り、今回の部隊がどれだけ酷いのかが見て取れる。
「くっ、だがいいのかにゃ?ウチの手元にはボールになったばかりの一般妖怪達が……」
「サーベイヤー!凍結弾投下開始!!」
「話を聞けにゃぁあああ!!」
 ムゴイ!妖怪質を盾にしようとした猫又ピエロ=サンにフリーズボムがレイニーデイ!青筋浮かべたツッコミ顔のまま、妖怪質諸共アイススタチュー!

【訳が分からない人向けの翻訳】
 酷い!人質を盾にしようとしたオブリビオンだったが、セプテンバーは話もロクに聞かずに凍結弾を投下。猫又ピエロは怒りの形相のまま、氷像になり果ててしまった。

「凍ったまま打ち砕けば、事件解決ですねぇ」
 サラッと恐ろしい最期を与えようとするるこるがふよふよ、冷凍猫又ピエロの上空で、ただでさえ大きかった胸が更に大きく……いやまておかしいだろ、もはやユニットじゃなくて胸で浮いてるレベルなんだけど?胸が飛行船なんだけど!?
「大丈夫ですよぉ」
 どこが?
「質量強化のUCで、一撃必殺ですぅ!」
 何も大丈夫じゃねぇ!!お前いっつも余波を考えろとあれほど……。
「あ、落ちますぅ」
 ……思考が追い付かないから取りあえず起こった事を簡潔に記録しておこう。るこる(おっぱい)が落ちて、凍った猫又ピエロが埋まった。
「あの、この地形についてはノータッチなのです……?」
 望、このクレーターの話までし始めるとそもそもの反動で周囲一帯、全てが吹き飛びかねないから細かい事を気にするんじゃない……!
「なのですかー……あ、猫さん!発掘お願いするのです!」
『にゃー!』
 まさか猫の土魔法を敵の発掘に使う事になるとは思わなかったろうな……。
「不思議な事もあるんですねぇ」
 大体るこるのせい。
「何故ですかぁ!?」
「猫又さん凍ってるのです……?」
 さーて発掘が終わったらこん子が氷像をツンツン、しかし反応がない、ただの氷のようだ。
「ではでは!氷像さんの火の輪くぐりなのです!!」
 複数の狐火を連結して、炎の輪を作ると上からゆっくり通過させて、猫又ピエロを解凍。
「サーカスと言えば、これなのです?さぁ!猫さんもくぐるのです!!」
「お前いい子だにゃっ!!」
 溶けた猫又ピエロの前で別の火の輪を作るこん子だが、敵はこれを無視してこん子にダイブ!ハグ!!ダッシュ!!!
「って、逃げたのですー!?」
 慌てて追う望に対して、敵さんの発言がこちら。
「おみゃーらと一緒にいたらこの子が穢れるにゃ!この子はウチが立派な大道芸人に……」
 ゴッ!!
「ふぅ、間一髪ですわね」
 セプテンバー、敵が逃げてる横っ腹に戦闘機で体当たりを突き刺すのは、さすがに酷いと思うんだ……。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

テフラ・カルデラ
※絡み・アドリブ可
POW

ぐぬぬ…前回は酷い目に会いましたが、今度こそしっかり決めるのです…!
相手はピエロですから【黄金呪術球】を投げてキャッチさせちゃいましょう!
そうすれば自爆するかの如く黄金化するかもしれません!
さ…さすがに投げ返すとか、さらにボクをボールに変えられるなんてことはできないはず…(フラグ
(フラグ達成するかどうかはお任せします)


スプラ・プルトーイ
遅れて来たけれど……なにやら大変なことになっているね。
サーカスでは面白さが全て……か。それならば鮫風船たちを生み出し、【集団行動】による【パフォーマンス】だ!(鮫風船が空中を泳ぎ、イルカショーのようなジャンプ演技)
どうかな?なかなか良い物だろう?……えっ?僕は何もしないのかって?この通り、鮫風船を指揮して……恥を捨て切れていない?きれいな水の体ならいいボールになるのに?何を言って……ああっ!?なにをするんだ……っ……
……まんまるになってしまった……恥を捨てる……か……なんとなくだけど、わかった気がするよ……それっ!(鮫風船と共にボールの自身をバウンド等の演技・他にボールの人がいるなら一緒に)


彩波・いちご
テティスさんと

「え、えと、ご飯は楽しみにしてますけど、その話はあとでっ」
今はテティスさんを守りながら黒幕を斃さないとです

【異界の深焔】にて生きた炎を召喚
敵が放つメダルを迎撃して焼いていきましょう

…でも焼ききれなかったメダルがテティスさんに張り付いて…
「え?ちょっと!?」
抱きつかれて頬ずりされて…というか頬を舐められてます??

そんな状態ですけど、彼女を抱きかかえながら攻撃は避けて、炎の制御に集中して、これ以上メダルの被害出ないように焼き尽くし、本体にも炎を届かせますっ
彼女の感触とか、意識したらダメですぅぅぅ(真っ赤


戦闘後は
「は、はい、忘れますねっ」
ちょっとまともに顔見れないかもですね(赤面


テティス・ウルカヌス
いちご君と

「あれが、今回の事件の黒幕ですね、いちご君!
早くやっつけて帰りましょう!
今日は私がご飯作りますから、家に寄っていってくださいね」(きゃっ

とはいえ、私はただの未熟なアイドル。
オブリビオンなんかと戦う力はありません。
せめて、いちご君の邪魔にならないように守りに徹していましょう。(選択UC)

「って、このメダルはっ!?」

外部からの攻撃は遮断できるのですが、飛んできたメダルは攻撃と認識されず、服に張り付いて……

「いちご君……甘えてもいいかにゃん?」

猫又化して猫っぽくなり、いちご君に頬をすりすり。
さらにほっぺたをぺろぺろ舐めてしまい……

戦闘後。

「い、いちご君っ!
さっきのは忘れてくださいねっ!」



「あれが、今回の事件の黒幕ですね、いちご君!早くやっつけて帰りましょう!」
 脇腹に亜音速の金属塊が突っ込んでくるという体験の結果、体を丸めてプルプルしてる道化師めいた猫を指さすテティスだったが、そっと視線を逸らして。
「き、今日は私がご飯作りますから、家に寄っていってくださいね!」
 若干上ずった声で言い切るなり両手で頬を挟む……言っちゃった!って状態のテティス対してお相手は。
「……え、えと、ご飯は楽しみにしてますけど、その話はあとでっ」
 完全に硬直してましたね、コレ。戦場でラブラブコメコメしてて生き残れると……いや生き残れるか、だってアレだもん。
「猟兵ってこんな連中しかいないのにゃ……?」
 呆れかえった猫又ピエロが虚ろ目で遠くを見つめてるんだもん。
「今です!」
 この隙だらけの姿を好機と捉えたのがテフラ。今度こそ活躍のチャンスか!?
「僕が大失敗して赤丸三つ貰ったみたいじゃないですかー!?」
 おめー自分のUCで自滅しただろうが。おおん?
「ぐぬぬ……前回は酷い目に会いましたが、今度こそしっかり決めるのです……!」
 チョコ堕ちという苦い(甘い?)思い出(ただし十数分前の事)が脳裏をよぎるテフラ。
「相手はピエロですから球体のUCを投げてキャッチさせちゃいましょう!そうすれば自爆するかの如く黄金化するかもしれません!」
 ねぇ知ってる?猟兵側が敵を都合よく解釈する時って、大体失敗するんだよ?その発想自体が大体詰が甘いから。
「さ……さすがに投げ返すとか、さらにボクをボールに変えられるなんてことはできないはず……」
 ちょっと冷静になった(微妙に息が荒いし頬が赤い?そこに触れてやるなよ、まるでテフラが球体萌のドM兎みたいじゃないか)のか、唸るテフラが、ちらっ。
「あの、UCを違うのに変更しても……」
 悪いな、貴様の行動は既に確定しているんだ。
「ですよねー!えぇい、なるようになれー!!」
 キンピカのボールを片手で掴んで逆の手で支えて、足は前後にゆったり開く。
「相手はピエロでにゃんこなんです……こう、ピエロの矜持と猫の本能を同時に刺激できるようなアンダースローで……!」
 一歩、二歩、踏み込みからのシューッ!ボウリングじゃねぇか!そんな球投げたりしたら……。
「舐めるのも大概にするにゃぁあああ!!」
 ザックゥ!猫又ピエロの爪がクリーンヒット。これをみたテフラはグッと拳を握り。
「当たった!これで黄金に……なる……はず……?」
 おっとぉ?テフラの目の前でキンピカボールはゴールデンライオンさんに変身してしまったぞ?
「えぇええええ!?」
 おめー敵の能力ちゃんと見てないな?アイツ、触れた者をアニマルにする爪を持ってるんだよね。
「グルゥオオオ!!」
「きゃー!?まってまって落ち着いてボクは食べても美味しくないですぅううう!!」
 ドンッ!バシッ……バクッ、もっ、もっ、もっ……けぷっ。
「遅れて来たけれど……なにやら大変なことになっているね」
 スプラ・プルトーイ(鮫風船の王子様・f27450)が到着早々目の当たりにした物は、お腹が膨れて丸まり、スヤァするキンピカのライオンと、空の彼方でうさ耳の横に両手を揃えて、ぴょこぴょこ兎ゴッコをするテフラの幻覚だった。
「アレはダメにゃね、二十七点で赤点にゃ」
 テフラの末路に猫又ピエロは眼鏡をかけて、成績表にメモメモ。
「サーカスは面白さが全てであって、個人の性癖を満たす場ではないのにゃ」
「サーカスでは面白さが全て……か」
 その言葉に何かを感じたのか、早速テフラが記憶の彼方に消し飛び、薄まっていく幻覚が必死に兎アピールをするが、儚く消えていった。
「ならば見せてやろう、僕達のパフォーマンスを!」
 スプラの体が泡立ち、浮き出す気泡が小さな粒として彼女の体から剥離すると、ポンと鮫の形をとる。両手を振って指揮を執れば、鮫達は戦場を囲むように泳ぎ出し、猟兵達の頭上で交差する大ジャンプを披露。
「どうかな?なかなか良い物だろう?」
「十五点だにゃ」
「何故!?」
 スプラの評価欄に赤く記した猫又ピエロ曰く。
「ショーの現場に突っ立ってるだけの奴にゃんて、ただの障害物にゃ」
「んなっ!?僕だってこの通り鮫風船を指揮して……」
「指揮するだけなら現場にいらないにゃ」
 それは、動揺からくる一瞬の隙を突かれたに過ぎない、呆気ない最期。
「なにをするんだ……っ……」
 スプラの胸を猫又ピエロの貫手が穿ち、その一撃は明らかに心臓に到達していて。
「おみゃーみたいな強烈な個性もない、魅せる技術もない、そして何より恥を捨てきれない半端物に用はないのにゃ」
 力尽きたスプラは崩れ落ちていく……。
「……まんまるになってしまった」
 まぁ、コレネタ依頼だし、スプラはソーダ水の妖精?みたいなもんだから心臓も何も、そもそも内臓やら血液があるのかすら怪しいから水球状態になるだけなんだけどね!!
「た、大変です!」
「「えっ」」
 テフラの声がライオンからして、猫又ピエロとスプラが振り返ると、寝てたライオンがUCが解けて消滅。後にはテフラを強引に圧縮したようなゴールデンなボールが……。
「今助けますよー!」
「にゃっぶ!?」
 元は自身のUCで自滅した影響か、割と動けるテフラゴールデンボー……やめよう、誤解を招く気がする。取りあえずテフラが猫又ピエロの鳩尾にクリーンヒット!スプラと一緒にサーカスアイテムが散らばった!
「私にはオブリビオンなんかと戦う力はありません。せめて、いちご君の邪魔にならないように守りに徹していますね」
「えぇ、ここは僕にお任せください。あなたには指一本触れさせません!」
 今この会話をしてるって事は、しばらくラブコメしてたんだろうなってテティスといちごのコンビの下に、コインマジック用のコインが!
「て、不意打ち!?」
 お前らが油断し過ぎなんだよ!?咄嗟に対応したいちごは邪神の業火を呼び出しコインを焼き払うものの、熱って空気の対流を生むから、細かい物を焼き払おうとすると、むしろ飛ばしちゃうんだよねー。そしておめー、そのUCのデメリット言ってみ?
「味方殺しですよね?大丈夫ですよ、私はそんなことしませ……」
「きゃー!?炎とコインがこっちに!?」
「あれっ!?」
 これネタ依頼だから勝手に誤爆するんですわー。
「さすがに理不尽では!?テティスさん危ない!!」
 炎を消したもののコインは止まらず、テティスの頬にぺとっ。ボフッと猫又ピエロっぽい姿に!
「しまった!テティスさん、しっかり……」
「いちご君……甘えてもいいかにゃん?」
「……はい?」
 疑問符を肯定と受け取ったのだろう。いちごに背中から抱き着いたテティスは、頬を重ねてスリスリ……。
「え、あの何が起こってるんですか?テティスさんに何を……!」
 と、敵の方を向いたら向いたで。
「恥を捨てる……か……なんとなくだけど、わかった気がするよ……それっ!」
「私はボールじゃないですー!?」
 鮫風船がスプラとテフラをボール扱いして鼻先に乗せて立ち泳ぎ、上空高くに上がると尾びれで地上目がけてスマッシュ!
「あっぶにゃ!?」
 大地を抉り抜く一撃を躱したところで、クレーターの中心で回転する二人が反動で空中へポーン。
「まだまだいくよ!」
「めーがーまーわーりーまーすー!?」
 なんかもう、できれば関わりたくない状態だった。
「にゃっ!?」
「テティスさん落ち着いて!アレはボールではありません!!」
 暴走しそうな気しかしないテティスを猫抱っこで引き留めたいちご、そんな彼に再び意識が向いたテティスは。
「なぁん」
 ぺろ。
「!?!?!?」
 頬を舐められたいちごが硬直し、彼の手からすり抜けたテティスはしばらく彼の体に自分の体をこすりつけていたとかなんとか……。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

アリス・セカンドカラー
お任せプレイング。お好きなように。
汝が為したいように為すがよい。
おっとテフってた。化術の神罰でチョコエッグ化解除、私にテフり(形態変化)系は通じないわよ?
イマジネイションロウで攻撃手段とそれを私に命中させることをルールとして宣告。喉を介さぬ魔力振動の早業の多重詠唱でリアルタイムにルール宣告可能よ。後は指定した攻撃を第六感で見切り回避なり結界術で弾くなり先制攻撃のグラップルで寝技に持ち込むなりでルール不成立を狙うわ。
でわでわ、ルール破った悪い子に妄想具現化おしおきペロペロタイムよ♡
別に舐めてかかってる訳じゃない、強敵だからこそ尤も得意な戦術でないと通用しないでしょ?つまりいつも通りがジャステス☆


黒木・摩那
今回ばかりはまんまとオブリビオンの思惑にはめられました!
何という策士。これは強敵です。

しかし、相手は猫又。本能として速く動くものが大好きそうです。
ならば、ヨーヨーで猫又を釣れそうです。

ヨーヨー『エクリプス』登場!
猫又の前にヨーヨーを走らせることで、即興の猫又使いします。
ヨーヨーを【念動力】も使って、ぐるぐるまきまきすれば、
あら不思議、猫又も追走して同じ動きを採る……のかな?

これを使って、他の方の照準の前に猫又をおびき寄せたり、気を逸らして回避を遅らせたりします。

UC【偃月招雷】で帯電してるので、直接殴りもします。
飛び道具は【念動力】で軌道を逸らします。

人の胸をネタに弄ぶなど許せません!


四季乃・瑠璃
緋瑪「同士討ちなんてしたっけ?」
瑠璃「私達は悪い地の文を成敗しただけで同士討ちはしてないね」(何人か爆破の巻き添えにした気はするが目逸らし)

UCで分身

周囲の石ころ等、存在する無数の無機物を使って【クリエイト】でロケットランチャーやグレネード等を生成。
敵がUCでボールを降らせ、環境変化させる前にジェノサイドボムと併せてロケランやグレネード等でまとめてボール(観客)や変化した環境ごと吹き飛ばし、爆砕。
力技で敵の技を封殺し、重火器とボムで追い込むよ


緋瑪「でも、サーカスも面白そうだよね。(ボムで)ジャグリングとか」
瑠璃「パンジャンドラム潜りとかも良いね」
緋瑪「あ、切断マジックやりたい」(大鎌取り出し)


エドゥアルト・ルーデル
Mdは不遇…(スン…)
…地の文=サンめ!急にガチっぽい事を言い出すなど!

ピエロ化とか性癖に刺さらないしボコるか…サーカスの起源が古代ローマにあるのは知っているな?
古代ローマと言えばそう、コロッセオと拳闘士だね
つまりよぉ…バスケしようぜ!お前ボールな!

全身に【流体金属】を纏い攻撃を防ぎながら古代ボクシングだ
ボクシングスタイルに流体金属を足して300万パワー
【面白さ適応】に【戦闘力増強】で300万×4倍の1200万パワー!
華麗な10割コンボで会場沸かせたる!

ジョインジョインエドゥ
ナギッイクゾッナギッテーレッテーウジョーハガンケンハァーンFATAL K.O.
ウィーンエドゥアルトゥ


リカルド・マスケラス
依り代には避難してもらった。ハッキリ言ってこの戦いにはついてこれそうもないっすから
「そして敵さんは勘違いしてるっすね。集まったのは、罠すら踏みつぶすクレイジー集団っすから。自分は常識人枠として、ちゃんとついてこれるか心配っすよ」

戦闘は【跳梁白狐】で手近な味方に取り付いて【かばう】、自分は全く動けなくなるけど、自分含めた装着者に無敵バフっす。装着者は動けるから問題ないっすし。形状変化に無敵が効かなければ、攻撃は自分が請け負い、再びスーツに変形して誰かに取り付けばいいっすし。正統派からスケベ衣装までデザイン自在!セクハラし放題!
男に憑いても恨み言は言うけど役目は果たすっすよ
過去に穹とアリスは装着済


涼風・穹
こっそりと《贋作者》で猫又ピエロの使っている対象をサーカス道具に変えるボールや猫又の描かれたメダルを複製してみます
機能も再現出来れば最良ですが、せめて外観だけでも精巧に複製可能なら猫又ピエロの隙を見て本物とすり替えます
手元にあるものは難しくても投げたり手元から離れた後や補充する瞬間等チャンスはある筈
後はタイミングを見てユーベルコードを解除するか、敢えて複製品を受ける事で油断させて隙を作るか、状況に合わせて活用するだけだな
……これぞまさに贋作、って感じだな

面白さこそ強さ、という状況になれば猫又ピエロにおっぱいダイブを敢行します
定番ネタこそ鉄板というものよ
胸はまな板だとしても無問題
おっぱい無貴賤!



「おっとテフってた。化術の神罰でエッグ化解除、私にテフり系は通じないわよ?」
 テフる。ある特定の性癖に相当する現象に巻き込まれる事をいう……それはさておき、エッグバディ(無駄に流暢)に亀裂を走らせて、パリンした体から新たなアリスが孵化すると。
「さてさて、舐めさせていいのは舐められる覚悟がある者だけよ。別に舐めてかかってる訳じゃない、強敵だからこそ尤も得意な戦術でないと通用しないでしょ?つまりいつも通りがジャステス☆」
 意味が分からない人の為に言い直すと、全力で挑むからこそいつも通りのぺろぺろ(物理)で戦うんだって言いたいんじゃないかな。こいつの言葉俺にもよく分からないんだけど、大体そんな感じ。
「うふふ、まずは私好みに……」
「うにゃああああ!!」
 あ、逃げた!
「こんな連中相手にしていられるかにゃ!ウチは帰らせてもらうにゃー!!」
「あら、まずは鬼ごっこ?いいじゃない、追い詰めてあげる☆」
 割と散々な目にあった猫又ピエロが、アリスからの妄想攻撃というわけのわからないモノが飛んで来る前に戦場から離脱を開始。背後から迫るアリスから逃げる内、遭遇したのは。
「同士討ちなんてしたっけ?」
「私達は悪い地の文を成敗しただけで同士討ちはしてないね」
 言わずと知れた爆弾魔、瑠璃&緋瑪。
「そこを退くにゃぁあああ!!」
「でも、サーカスも面白そうだよね。ジャグリングとか」
「パンジャンドラム潜りとかも良いね」
「あ、切断マジックやりたい」
 必死な敵が迫りくる中、マイペースな瑠璃と緋瑪はようやく敵に気が付くと、ニッコリ。
「「じゃあまずはお手本を見せてもらおう!」」
 さぁ顕現しますはパンジャンドラム。外側にロケット花火がついてて転がる巨大な爆弾ですね。素材の無機物?細かい事は気にするな!
「サーカスの人なら簡単に潜り抜けられるよね。あ、ちょっとでも引っかかったら爆発するから」
「もちろん安全ピンを抜いた手榴弾でギリギリまでジャグリングしながらね!!」
 瑠璃からはパンジャンドラム、緋瑪からは手榴弾がゴロゴロ。
「お前ら馬鹿にゃ!?サーカスはこんな物騒なもん使わな」
 ズバボボン!!ツッコミ入れてる間に手榴弾が爆ぜ、パンジャンドラムに誘爆!大爆発を伴って猫又ピエロが吹き飛んだ!!
「これが人間大砲……」
「違うよ瑠璃、人間パンジャンドラムだよ!」
 お前ら本当にマイペースよな……さて吹き飛んだ方の猫又ピエロはと言うと。
「ひ、酷い目にあったにゃ……」
 地面に伸びてピクピクしてた。
「と、取りあえず逃げ……」
「おっとそうはいかないな」
 チャキ、首筋に添えられた刃、見上げた先の冷ややかな視線。
「やっと、まともそうな猟兵が来たにゃ……!」
 冷ややかな穹の視線から、命の危機だというのに逆に救われたような顔をする猫又ピエロ。
「それはそれとしてお前は手駒にしてやるにゃ!」
 刀から逆方向に転がり仰向けになりながらコインのクイックショット。しかし、飛来したコインが命中してなお穹に変化はなく。
「にゃに!?」
 投げたコインは一枚、落ちたコインは三枚……その光景に猫又ピエロの意識がとられた瞬間、穹が肉薄。
「なに、お前が投げた瞬間に合わせてコインを複製して、飛んで来る奴を挟んだのさ。俺に触れたのは偽物だけなんだよ!」
 迫る穹は猫又ピエロが体勢を整える前にのしかかり得物を振り上げて。
「おっぱい無貴賤!」
「ぎにゃー!?」
 そのまま武器を投げ捨てて、胸に頬スリしにいっちゃったかー。
「当たり前だ!俺と言えばおっぱいダイブ、これをせずして何を成すのか!胸はまな板だとしても無問題、そこにおっぱいあらば飛び込むのが俺だ!!」
「誰がまな板にゃ!!ウチは演技の邪魔にならないように……って何言わせるのにゃ!?」
「ほう?」
 着物っぽい衣装の上からスリスリしていた穹だが、脇の開口部から手を突っ込むと、猫又ピエロがビクッ!
「あ、これサラシで巻いてあるから意外と……」
「このド変態ぃいいい!!」
 蹴り上げた脚が、急所(意味深)に、クリティカル!
「ひょう……!?」
 青空の顔色になった穹が動かなくなり、猫又ピエロは乱れた着衣を整えつつ脱猫。
「Mdは不遇……」
 スン……走り続けた猫又ピエロを待っていたのは、膝を抱えたオッサンだった。
「……地の文=サンめ!急にガチっぽい事を言い出すなど!」
「何言ってるのかよく分からないけど、関わっちゃいけないってことだけはよく分かったにゃ」
「ピエロ化とか性癖に刺さらないしボコるか……サーカスの起源が古代ローマにあるのは知っているな?」
 素通りしようとしたら、オッサンことエドゥアルトがクルッ。
「古代ローマと言えばそう、コロッセオと拳闘士だね。つまりよぉ……バスケしようぜ!お前ボールな!」
 ぴょーい、逃げ出そうとした猫又ピエロの前に飛び出すなり、エドゥアルトの体がヌメッ……流体金属に覆われると、何故か白い道着っぽい姿に。
「ボクシングスタイルに流体金属を足して三百万パワー、貴様のいう面白さにUCによる戦闘力増強で三百万×四倍の千二百万パワー!華麗な十割コンボで会場沸かせたる!」

 ジョインジョイン!エドゥ!!

「不遇なるMdの為に、医者を目指した男の姿でぶちのめしてやるでござる!!」
「え、ちょ、何これ!?ていうかバスケは!?」
 猫又ピエロが混乱するのも無理はない。いつの間にかアーケードゲームに巻き込まれているのだから。そして理解する前にキャラとしてエドゥアルトが選ばれて……。
「ナギッ!イクゾナギッ!」
 ゲームあるあるの、台詞がよく分からない事になる連撃コンボが叩き込まれたかと思えば、エドゥアルトはそのまま空中で座禅を組み、謎のBGM。
「センジュツチョーコーケェン!」
 エドゥアルトから放たれるビームが、猫又ピエロを襲う!
「拳ですらないにゃー!?」
 当然の叫びを残して道化師が吹き飛び、空中には『フェイタルケーオー!!』の文字が浮かんでいた。
「あの、地の文さん?色々違うんでござるが?」
 おめー著作権てモノは知ってるか?
「あ、はい」
 察してくれたようで助かるよ。このやり取りから分かるかもしれんが、開始五十秒で決着がつく格闘ゲームがあるんだって……さーて気を取り直して敵の後を追ってみよう。
「もう嫌にゃ……ロクな奴がいないにゃ……ぐす……ひっく……」
 ボコボコにされて泣いてた。そんなオブリビオンの肩を、摩那がポン。
「猟兵皆がこんな人達じゃないんですよ……」
「そして敵さんは勘違いしてるっすね。集まったのは、罠すら踏みつぶすクレイジー集団っすから。自分は常識人枠として、ちゃんとついてこれるか心配っすよ」
 案の定、ついてこれなくて心が折れちゃってますね。
「……ん?」
 明らかに摩那とは別の声に振り向けば、彼女は仮面を持っていて。リカルドの依代?これ以上はもたないだろうから帰って貰ったって。
「今回ばかりはまんまとオブリビオンの思惑にはめられました!何という策士。これは強敵です」
「というわけで泣いてる所悪いっすけど、容赦なく追撃させてもらうっす!」
「おみゃーらには血も涙もないのにゃ!?」
 絶望するピエロの前で摩那がリカルドを装着、一瞬の光を残して、彼女の姿は赤をベースに黒のラインを走らせたレオタードに!髪を注連縄でまとめて狐面という姿に対して、リカルドのコメントがこちら。
「しかしボディスーツ系の衣装なら、やっぱり胸が大きい方がボンッキュッボンがはっきりして似合う気が……」
「リカルドさん、戦闘後にお話があります」
「ひぇ……!?」
 仮面のせいで摩那がどんな顔してるのか分からないが、取りあえずヤベェ表情してるって事だけはわかった。
「ででででもほら!自分のお陰で無敵ですし!やりたい放題ですし!!」
「そうですね……」
 自らの有用性を語って情状酌量を求めるリカルドに、小さく頷く摩那。仮面は一瞬安堵のため息を溢すが。
「でも、それとこれとは、話が別です」
 希望なんてなかった!
「さぁ、行きますよ!」
 ヨーヨーを構えた摩那に猫又ピエロも身構えるのだが。
「……」
 ぐーるぐーるクルクル巻き巻き、猫又ピエロの目の前で、ヨーヨーが円や螺旋を描く。
「そ、そんな物に釣られ……」
 などと言いつつ、割とメンタルをやられてる影響もあってか、猫又ピエロは四つん這いになってお尻をふりふり……猫のアタックフォームに。
(今にゃ!)
 不意に持ち上がったヨーヨーに釣られて猫又がぴょーん……キャッチ☆両手でヨーヨーを挟んだ瞬間。
「ぶにゃにゃにゃにゃにゃにゃ!?」
 しぅう……感電して真っ黒焦げになった。
「あ、これ帯電してますから触ったら危ないですよ」
「早く……言えにゃ……」
 力尽きた猫又を前に、摩那が仮面を外すと元の姿に戻るのだが。
「あの、摩那さん?自分を持つ手に握力が入り過ぎてないっすか?」
 震え声のリカルドに、摩那がにっこり。
「人の胸をネタに弄ぶなど許せません!」
「巨乳の方が似合うって発言を根に持たれてたっすー!?」
 まぁ、そうなるな。
「こ、今度こそ……」
 ズリ……ズリ……文字通り、地を這って猫又ピエロは騒ぎに乗じて逃げる。
「もうこりごりニャ……あんな連中に関わらず、ウチはウチだけのサーカス団を……」
 その視界に、影が落ちた。見上げれば。
「お帰りなさい、いきなり逃げるなんて酷いじゃない。悪さして逃げ出す様な悪い子には、妄想具現化おしおきペロペロタイムよ♡」
「ひ……!?」
 最初に逃げ出した猟兵が、待ち構えていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2020年07月09日


挿絵イラスト