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真珠色マリンメモリーズ(作者 鷹橋高希
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●グリモアベース
「皆さん、お集まりいただき、ありがとうございますぅ。これから事件の予知をお話ししますぅ」
 グリモア猟兵の少女、ミント・キャラメル(眠兎キャラメル・f25338)は、グリモアベースに夏の到来を告げるかのように水着姿だった。集まった猟兵達は、彼女が掌の上に浮かべたエネルギー体――グリモアに映し出される予知の映像に目を凝らす。
「えっと、グリードオーシャンのある海域に、大きな空気の泡がブクブクと湧き上がっている場所がありましてぇ、この下――つまり海の中に、空気の泡に包まれた、建物が巻き貝でできた街の島があるんですぅ。この『深海島』がコンキスタドールの襲撃を受けるので、潜っていって、やっつけてきてください☆」
 映し出されたのは、泡の中に浮かぶ、大小様々な――いずれも人間の住居や施設となり得る大きさの巻き貝が寄せ集められた島。島の大地は所々キラキラと輝いていて、大きな巻き貝の先端は泡の外に突き出ており、その表面に生えた海草が海流に靡いている。島を包む泡の天辺からは、小さな――猟兵が息継ぎをするには充分過ぎる大きさの泡が生まれて、海面を目指して湧き上がっている。
「まずは、この島に……えっと、ゴボウのコンキスタドールの集団が迫っていますぅ。潜って追いかけて、やっつけちゃいましょお。泡で息継ぎできるから呼吸は問題ないですし、水圧も皆さんなら気合で耐えられるはずですから、ちょっとしたマリンダイビングみたいなものですぅ☆」
 ミントはグリモアの映像に湧き上がる泡を追わせると、顔と手足が生えたゴボウとしか形容のしようがない集団が、ゴボゴボと口から泡を吐き出しながら潜水している。彼らも大きな泡を使って息継ぎをしているため、実用性は問題ないのだろう。
「それと、もう一体、別のコンキスタドールが迫るみたいなのですが……」
 ミントはグリモアの映像を切り替えようとするが、発見当初のグリードオーシャンは、グリモア猟兵の予知・テレポート能力が阻害され、本来は予知した事件の後方支援であったグリモア猟兵も現地に乗り込まなければならなかった世界だ。現在はグリモアベースからテレポートが可能になったが、それは予知阻害の完全克服を意味しない。ミントのグリモアは明滅を始め、映像が乱れ始める。
「んん……人の頭くらいの大きさの、光る球形の物のように見えますけど……詳しくは見えないですぅ。ですけど、この一体だけなのは間違いないですぅ」
 些か正確性を欠く予知であるが、ゴボウ人間の集団とは別のコンキスタドールが存在することには違いない。それも一体だけということは、激しい闘いは避けられない、強力な個体だろう。
「もう一体の詳細までは分かりませんでしたけど、もしかしたら、島に住んでいる人達なら何か知っているかもしれませんねぇ。なので、ゴボウのコンキスタドールを倒して、島の人達と触れ合ったりして、その後で光るコンキスタドールをやっつけましょお☆」
 ミントのグリモアの映像は、最初に映し出された深海島を真横から眺めた視点になり、湧き上がる泡を追って碧色の海は徐々に鮮やかさを増していき、海面を越えると今度はその輝く海面を俯瞰してさらに空中へ上昇する。ある程度の高さで映像の視点は再び水平になり、深海島の泡が生み出した領海とでも言うべきか、グリードオーシャンを象徴する荒れた海流や天候とは無縁の、白い雲が浮かぶ鮮やかな青い空の下、降り注ぐ陽射しを受けて負けじと輝くかのような碧色の海が広がっていた。
「それじゃあ行きますよぉ。グリモア・イリュージョン☆ ワぁン・ツぅー・スリぃー!」
 ミントが声を弾ませると、その視点のままグリモアは大きくなり、猟兵達より一回り大きい映像になる。すると、映像からは潮の香りを乗せたそよ風が吹き始めた。これが意味するところは一つ。テレポートのゲートと化したということだ。
「せっかくなので、海にダイビングできるような高さにしてみましたぁ☆ 景気よくざっぱーんと飛び込みましょお☆」
 猟兵達はゲートに――そして海に飛び込んでいった。


鷹橋高希
 水着姿のミントが皆様をご案内するシナリオをお届けします。

 シナリオフレームの章構成は、集団戦→日常→ボス戦となります。
 集団戦での「水圧」に対しては、プレイング内に対策の記載がなくても問題ないものとなります。
 日常の章の結果によってはボス戦でプレイングボーナスが付与されますが、ボーナスがなくても問題ない、むしろ楽しくはしゃごう的シナリオで構想しております。

 オープニング公開次第プレイングを受け付けます。リプレイ執筆に割ける時間は金~日曜日に多くなります。

 皆様の夏の思い出の一ページとなれば幸いです。
 よろしくお願い致します。
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第1章 集団戦 『ヤマゴボー星人』

POW ●大地の加護(ゴボー・ホリ)
非戦闘行為に没頭している間、自身の【周囲の時間の流れ】が【緩やかになり】、外部からの攻撃を遮断し、生命維持も不要になる。
SPD ●大地の民の祭(ゴンボ・ヌキ)
技能名「【ダッシュ】【逃げ足】」の技能レベルを「自分のレベル×10」に変更して使用する。
WIZ ●大いなる大地の恵み(ヤマゴボー・ヨーシュ)
【紫色の果実】が命中した対象にダメージを与えるが、外れても地形【を紫色に染め】、その上に立つ自身の戦闘力を高める。
👑11 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


アイリス・ゴールド
お任せプレイング。お好きなように。
汝が為したいように為すがよい。
基本的にはギャグキャラ、狂言回し的な立ち位置。
無表情、棒読み口調。

むむ、ヤマゴボー星人だと?うちのゴッラーさん(ルチャ風マスクをかぶせた、マッソーな方向でのセクシー根菜型人形)の方が素晴らしいわ。
レプリカクラフトで水中戦用装着型人形を作って装着。残りの容量で2㎥ほどの大きさの水中戦用ゴッラーさんを出来る限り創造してヤマゴボー星人に対抗するぞ。(式神使い/集団戦術)
スタイリッシュに水中機動するゴボウ&マンドラゴラの集団……めっちゃシュールだな。


●自由すぎる戦い
「其は虚像、されど実像。虚より境界(チラリズム)を越えて想造されたる実。レプリカクラフト」
テレポートのゲートに飛び込んで直後の滞空時間にユーベルコード「虚構想造」を使用したのは、アイリス・ゴールド(愛と正義の小悪魔(リトルデビル)・f05172)。可愛らしいミレナリィドールの少女は、水中戦用装着型人形を身に纏い、着水した。その直後に、彼女の周囲に、彼女より一回り大きいいくつもの何かが落ちてきて、水しぶきを彼女に浴びせる。しかし、アイリスは水しぶきよりも装着した人形の胸部の状態を気に掛けていた。身長140半ばの彼女だが、実は胸が大きいのだ。しかし、その幼く見える容姿は、錯視や錯覚を利用して小さく見せかけているもの。何故ならアイリスの美学では「貧乳はステータス」だからである。
「さすが水中戦用装着型人形だ、何ともないな」
 胸の収まりに乱れがないことを確認したアイリスは、先ほど自らの周囲に落下し、今は傍らに浮かんでいる物を一つ、たぐり寄せた。
「それはそうと、ヤマゴボー星人だと? うちのゴッラーさんの方が素晴らしいわ」
その素晴らしい「ゴッラーさん」とは、マンドラゴラの人形である。紫色のルチャ・リブレ風のマスクを被り、鍛え抜いた、しかし過剰でなく洗練されたシャープな筋肉(?)がセクシーな根菜型人形だ。
「では行こう。粉々に打ち砕いてくれよう」
アイリスが潜水すると、ゴッラーさん達も彼女を追って、まるでスカイダイビングのような美しい円形フォーメーションで潜っていく。
 十数メートルほど海中へ泳ぎ進むと、アイリスの視線の先にはゴボゴボ泳ぐ根菜人間の影。
(追い付いたか。それではレッツゴー、ゴッラーさん)
アイリスが腕を振り、ゴッラーさん達に突撃の号令を掛けると、ゴッラーさん達は突然海中を「走り始めた」。最も速いゴッラーさんは垂直に駆け抜けて飛び跳ねると、泳いでいるヤマゴボー星人の頭を両足で挟み込み、体を旋回させて両足で投げ飛ばした。ルチャ・リブレという格闘技を印象付ける、鮮やかな空中殺法である。海中だけど。
(なっ、何だゴボ!?)
断末魔もなく投げ飛ばされた仲間と異変に気付いたヤマゴボー星人が海上方向へ振り返ると、目の前には多数の紫マスク根菜型人形が殺到している。それも全数が軽快に疾走。海中なのに。
(何だゴボー!?)
(取り敢えず逃げるんゴボォォォーッ!)
ヤマゴボー星人も追い付かれまいと走り逃げ回る。ユーベルコード「大地の民の祭」が【ダッシュ】【逃げ足】の強化なら海中でも走るよねもうこれは。
 覆面マンドラゴラとヤマゴボー星人、二種類の根菜が縦横無尽に走り回る画、それも水の中であることを完全に無視したスタイリッシュハイスピード鬼ごっこ海域で、アイリスは思う。
(……めっちゃシュールだな)
目の前を、投げたり投げられたり泡をコーナーポスト代わりに飛んだりと、根菜達が飛び交うが、アイリスは無表情で佇む。なお、ヤマゴボー星人は順調に数を減らしていっている。さすがゴッラーさんだ、素晴らしいぜ。
成功 🔵🔵🔴

箒星・仄々
碧色の海でのダイブ!
気持ちよさそうです♪

島の皆さんは勿論護り抜きます

水の魔力で呼吸や移動、水圧は大丈夫
ジェット水流でゴボウさんの元へGO!です

視界に捉えたら風の魔力を発動
空気のあぶくに身を包み竪琴を起動
水中でも奏でられますけれども
こちらの方がやりやすいので

因みにあぶくも移動や回避は自在ですよ

サンバ思わせるテンポ良い曲を奏で
音色に属性魔力を宿します

翠の音:風
緋の音:炎
蒼の音:水

音に応じた魔力が迸り
果実を迎撃したりゴボウさん攻撃

紫色の海は
水と風の魔力=水の渦で吹き飛ばし

敵集団の中心目掛けて
三魔力を合じた矢

錐状に回転
水流で加速し突入
炎を解放し水蒸気爆発の連鎖

事後に鎮魂の調べ
骸の海でお休み下さいね


●打ち上げ花火は海に咲く
(まさに夏という感じです。気持ちいいですねぇ♪)
箒星・仄々(ケットシーのシンフォニア・f07689)は水の魔力を纏い、碧色の海を泳ぐ。呼吸や次第に高まる水圧も苦にせず、それどころかジェット水流を生み出して、それに乗って自在に泳ぎ回る様は、「水を得た」というのが相応しいだろう。
(ですが、泳いで遊ぶために来たわけではありません。深海島をお護りしなければ)
ジェット水流を海の底に向けて潜り進むと、やがてゴボウのコンキスタドール――ヤマゴボー星人の姿を捉える。
(あれがゴボウさんですね。では、始めましょうか)
 仄々は湧き上がる泡の一つに飛び込むと、風の魔力を発動する。泡は上昇を止め、少しずつふくらんでいく。ある程度の大きさになったところで、カッツェンリート――懐中時計が展開されて組み上がる蒸気機関式竪琴を起動。ステージが整い、仄々が竪琴でテンポの良い――サンバを思わせる曲を、ユーベルコード「トリニティ・ブラスト」を乗せて奏でると、その音色が泡の外に溶け出て、翠色・緋色・蒼色の魔力の矢に変わり、ヤマゴボー星人に向かっていった。
「ゴボァ!?」
(何だゴボ!?)
背後から魔力の矢を受け海中に散っていく同族を見て、彼らは仄々の方に振り返る。
(敵襲ゴボ!)
(やっちまえゴボー!)
 ヤマゴボー星人は次々に紫色の果実を投げ付ける。ユーベルコード「大いなる大地の恵み」によるそれらは、海中であることを無視した、まるで追尾弾のような軌道で仄々に向かっていくが、三色の魔力の矢が全てを迎撃し、紫色の果汁が広がる。
(果汁に飛び込むゴボ!)
(前線を上げるゴボー!)
果汁による戦闘力強化を狙い、ヤマゴボー星人は紫色の海目掛けて進む。
「残念ですが、吹き飛ばします」
仄々は水と風の魔力を次々に奏で、泡の外で蒼色と翠色の魔力が渦を巻く。渦をある程度まで大きく育て、楽曲のブレイクに合わせ力強く奏でた一音をトリガーに、二色の魔力を水の渦として解き放つ。
(ゴボォォォ!?)
水の渦は瞬く間に紫色の果汁を吹き飛ばし、あと少しで戦闘力強化を受けられたヤマゴボー星人をも纏めて海に散らせた。
「さあ、もう一つ派手にいきますよ〜」
 仄々を包む泡はジェット水流に乗り、錐揉み回転しながら三色の音を奏で、ヤマゴボー星人に魔力の矢の雨を浴びせ、身動きを取れなくさせる。その間に主旋律――ある一点に同時に到達するよう奏でた翠色・緋色・蒼色の音がヤマゴボー星人達の中心でぶつかり合い、白く輝く打ち上げ花火状の水蒸気爆発を咲かせた。
「せめてもの餞です。この夏は骸の海でお休み下さいね」
 仄々の鎮魂の調べが響く、花火の消えた海に湧き上がってきた空気の泡は、予知より小さめで多めだった。
大成功 🔵🔵🔵

祓戸・多喜
海の底の島って楽しそうね!
これは夏のいい思い出になりそうだし行って写真撮ってこないと!
その前に邪魔者はきっちり潰してへし折っちゃわないとね!

基本支援中心、逃げ場を潰すように攻撃。
水着に着替え、盛大な水飛沫と共にダイビング!
というより体質なのかなー、泳ごうとしなければ自然に沈んじゃうし。
なので念動力で潜水の軌道修正、息継ぎの泡引き寄せたりしつつ剛弓構え水面に向けUC発動!
発動時に巻き込まないよう周囲に他の猟兵いないか注意。
一旦水面から飛び出して反転、海底に向かって降り注ぐ光の矢の雨でヤマゴボー星人達もイチコロね!
その逃げ足で逃れたのが居てもそっちは普通の矢の速射で追撃!

※アドリブ絡み等お任せ🐘


●青春JK流星群
 ドッパーン! という盛大な着水音と水飛沫が海面を白く泡立てた。沈み込んで、浮き上がるその姿は祓戸・多喜(白象の射手・f21878)。乳白色の肌に、青春の輝きを湛えた緑色の瞳を持つ華のJK(女子高生)。その艶やかな長い「鼻」は、海水を吹き出し、彼女の頭上に虹を架ける。多喜は、象獣人のような外見の、普通の女子高生である。部活の弓道で鍛えた身体を水着に包み、気持ち良さそうに――自重のせいか豪快に――泳いでいる。
「気っ持ちいいー! この海の底に島があるって楽しそうね! これは写真撮ってこないと!」
試し撮りとばかりに、デジカメで自撮りのシャッターを切る。碧色の海に囲まれ満面の笑み。バッチリ「映える」画が撮れていることだろう。
「それじゃ出発!」
 言うや否や、多喜は潜水する。「体質的に沈んでしまう」彼女にとって、深海への旅路は楽なもので、念動力ですいすいと沈む軌道を変え、泡を引き寄せて息継ぎも順調。そうやって碧色の海を沈みながら漂っていると、ゴボウのコンキスタドール集団が見えてきた。
(見つけた! 邪魔者はきっちり潰してへし折っちゃわないとね!)
多喜は携えていた和弓――剛弓ハラダヌを構え、海面に向けて弓を引き、精神統一を待って矢を放った。矢は一筋の光となり垂直に海中を駆け、多喜は残心――矢を放った姿勢を保ったまま、その矢の行く先を見つめている。その姿勢のまま、多喜の身体はヤマゴボー星人達を追い抜いた。
(誰だゴボ!)
(誰でもいいゴボ! 先には行かせないゴボー!)
多喜は尚も残心。動こうともしないまま沈んでいく彼女にヤマゴボー星人が殺到しようとしたその時、多喜の視界の向こう――碧色の海が星空のような無数の煌めきを湛え、それらは突風が吹き抜けるかのように多喜を追い抜いて、ヤマゴボー星人に降り注いだ。
(ゴボォォォ!?)
(避けられなゴボァァ!)
 多喜のユーベルコード「白き百億の星」による光の矢の雨を浴び、ヤマゴボー星人は次々に身体をくの字にへし折られ、あるいは真っ二つに折れて海に消えていく。彼らもユーベルコード「大地の民の祭」で逃げ惑うが、倍々に分裂しながら降り注ぐ光の矢は、彼らを逃げ道ごと潰していった。
(逃げ延びたのは……いないみたいね)
光の突風が吹き抜けた後には、次の矢をつがえ、的を探す多喜の姿があったが、すぐに弓矢をしまい、泡を引き寄せて息継ぎを一つ。すると彼女はJK(女子高生)の顔に戻り、再び海を楽しみながら、深海島を目指し、その身をより深く躍らせていく。
大成功 🔵🔵🔵