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真珠色マリンメモリーズ

#グリードオーシャン #深海人 #深海島

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●グリモアベース
「皆さん、お集まりいただき、ありがとうございますぅ。これから事件の予知をお話ししますぅ」
 グリモア猟兵の少女、ミント・キャラメル(眠兎キャラメル・f25338)は、グリモアベースに夏の到来を告げるかのように水着姿だった。集まった猟兵達は、彼女が掌の上に浮かべたエネルギー体――グリモアに映し出される予知の映像に目を凝らす。
「えっと、グリードオーシャンのある海域に、大きな空気の泡がブクブクと湧き上がっている場所がありましてぇ、この下――つまり海の中に、空気の泡に包まれた、建物が巻き貝でできた街の島があるんですぅ。この『深海島』がコンキスタドールの襲撃を受けるので、潜っていって、やっつけてきてください☆」
 映し出されたのは、泡の中に浮かぶ、大小様々な――いずれも人間の住居や施設となり得る大きさの巻き貝が寄せ集められた島。島の大地は所々キラキラと輝いていて、大きな巻き貝の先端は泡の外に突き出ており、その表面に生えた海草が海流に靡いている。島を包む泡の天辺からは、小さな――猟兵が息継ぎをするには充分過ぎる大きさの泡が生まれて、海面を目指して湧き上がっている。
「まずは、この島に……えっと、ゴボウのコンキスタドールの集団が迫っていますぅ。潜って追いかけて、やっつけちゃいましょお。泡で息継ぎできるから呼吸は問題ないですし、水圧も皆さんなら気合で耐えられるはずですから、ちょっとしたマリンダイビングみたいなものですぅ☆」
 ミントはグリモアの映像に湧き上がる泡を追わせると、顔と手足が生えたゴボウとしか形容のしようがない集団が、ゴボゴボと口から泡を吐き出しながら潜水している。彼らも大きな泡を使って息継ぎをしているため、実用性は問題ないのだろう。
「それと、もう一体、別のコンキスタドールが迫るみたいなのですが……」
 ミントはグリモアの映像を切り替えようとするが、発見当初のグリードオーシャンは、グリモア猟兵の予知・テレポート能力が阻害され、本来は予知した事件の後方支援であったグリモア猟兵も現地に乗り込まなければならなかった世界だ。現在はグリモアベースからテレポートが可能になったが、それは予知阻害の完全克服を意味しない。ミントのグリモアは明滅を始め、映像が乱れ始める。
「んん……人の頭くらいの大きさの、光る球形の物のように見えますけど……詳しくは見えないですぅ。ですけど、この一体だけなのは間違いないですぅ」
 些か正確性を欠く予知であるが、ゴボウ人間の集団とは別のコンキスタドールが存在することには違いない。それも一体だけということは、激しい闘いは避けられない、強力な個体だろう。
「もう一体の詳細までは分かりませんでしたけど、もしかしたら、島に住んでいる人達なら何か知っているかもしれませんねぇ。なので、ゴボウのコンキスタドールを倒して、島の人達と触れ合ったりして、その後で光るコンキスタドールをやっつけましょお☆」
 ミントのグリモアの映像は、最初に映し出された深海島を真横から眺めた視点になり、湧き上がる泡を追って碧色の海は徐々に鮮やかさを増していき、海面を越えると今度はその輝く海面を俯瞰してさらに空中へ上昇する。ある程度の高さで映像の視点は再び水平になり、深海島の泡が生み出した領海とでも言うべきか、グリードオーシャンを象徴する荒れた海流や天候とは無縁の、白い雲が浮かぶ鮮やかな青い空の下、降り注ぐ陽射しを受けて負けじと輝くかのような碧色の海が広がっていた。
「それじゃあ行きますよぉ。グリモア・イリュージョン☆ ワぁン・ツぅー・スリぃー!」
 ミントが声を弾ませると、その視点のままグリモアは大きくなり、猟兵達より一回り大きい映像になる。すると、映像からは潮の香りを乗せたそよ風が吹き始めた。これが意味するところは一つ。テレポートのゲートと化したということだ。
「せっかくなので、海にダイビングできるような高さにしてみましたぁ☆ 景気よくざっぱーんと飛び込みましょお☆」
 猟兵達はゲートに――そして海に飛び込んでいった。


鷹橋高希
 水着姿のミントが皆様をご案内するシナリオをお届けします。

 シナリオフレームの章構成は、集団戦→日常→ボス戦となります。
 集団戦での「水圧」に対しては、プレイング内に対策の記載がなくても問題ないものとなります。
 日常の章の結果によってはボス戦でプレイングボーナスが付与されますが、ボーナスがなくても問題ない、むしろ楽しくはしゃごう的シナリオで構想しております。

 オープニング公開次第プレイングを受け付けます。リプレイ執筆に割ける時間は金~日曜日に多くなります。

 皆様の夏の思い出の一ページとなれば幸いです。
 よろしくお願い致します。
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第1章 集団戦 『ヤマゴボー星人』

POW   :    大地の加護(ゴボー・ホリ)
非戦闘行為に没頭している間、自身の【周囲の時間の流れ】が【緩やかになり】、外部からの攻撃を遮断し、生命維持も不要になる。
SPD   :    大地の民の祭(ゴンボ・ヌキ)
技能名「【ダッシュ】【逃げ足】」の技能レベルを「自分のレベル×10」に変更して使用する。
WIZ   :    大いなる大地の恵み(ヤマゴボー・ヨーシュ)
【紫色の果実】が命中した対象にダメージを与えるが、外れても地形【を紫色に染め】、その上に立つ自身の戦闘力を高める。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

アイリス・ゴールド
お任せプレイング。お好きなように。
汝が為したいように為すがよい。
基本的にはギャグキャラ、狂言回し的な立ち位置。
無表情、棒読み口調。

むむ、ヤマゴボー星人だと?うちのゴッラーさん(ルチャ風マスクをかぶせた、マッソーな方向でのセクシー根菜型人形)の方が素晴らしいわ。
レプリカクラフトで水中戦用装着型人形を作って装着。残りの容量で2㎥ほどの大きさの水中戦用ゴッラーさんを出来る限り創造してヤマゴボー星人に対抗するぞ。(式神使い/集団戦術)
スタイリッシュに水中機動するゴボウ&マンドラゴラの集団……めっちゃシュールだな。



●自由すぎる戦い
「其は虚像、されど実像。虚より境界(チラリズム)を越えて想造されたる実。レプリカクラフト」
テレポートのゲートに飛び込んで直後の滞空時間にユーベルコード「虚構想造」を使用したのは、アイリス・ゴールド(愛と正義の小悪魔(リトルデビル)・f05172)。可愛らしいミレナリィドールの少女は、水中戦用装着型人形を身に纏い、着水した。その直後に、彼女の周囲に、彼女より一回り大きいいくつもの何かが落ちてきて、水しぶきを彼女に浴びせる。しかし、アイリスは水しぶきよりも装着した人形の胸部の状態を気に掛けていた。身長140半ばの彼女だが、実は胸が大きいのだ。しかし、その幼く見える容姿は、錯視や錯覚を利用して小さく見せかけているもの。何故ならアイリスの美学では「貧乳はステータス」だからである。
「さすが水中戦用装着型人形だ、何ともないな」
 胸の収まりに乱れがないことを確認したアイリスは、先ほど自らの周囲に落下し、今は傍らに浮かんでいる物を一つ、たぐり寄せた。
「それはそうと、ヤマゴボー星人だと? うちのゴッラーさんの方が素晴らしいわ」
その素晴らしい「ゴッラーさん」とは、マンドラゴラの人形である。紫色のルチャ・リブレ風のマスクを被り、鍛え抜いた、しかし過剰でなく洗練されたシャープな筋肉(?)がセクシーな根菜型人形だ。
「では行こう。粉々に打ち砕いてくれよう」
アイリスが潜水すると、ゴッラーさん達も彼女を追って、まるでスカイダイビングのような美しい円形フォーメーションで潜っていく。
 十数メートルほど海中へ泳ぎ進むと、アイリスの視線の先にはゴボゴボ泳ぐ根菜人間の影。
(追い付いたか。それではレッツゴー、ゴッラーさん)
アイリスが腕を振り、ゴッラーさん達に突撃の号令を掛けると、ゴッラーさん達は突然海中を「走り始めた」。最も速いゴッラーさんは垂直に駆け抜けて飛び跳ねると、泳いでいるヤマゴボー星人の頭を両足で挟み込み、体を旋回させて両足で投げ飛ばした。ルチャ・リブレという格闘技を印象付ける、鮮やかな空中殺法である。海中だけど。
(なっ、何だゴボ!?)
断末魔もなく投げ飛ばされた仲間と異変に気付いたヤマゴボー星人が海上方向へ振り返ると、目の前には多数の紫マスク根菜型人形が殺到している。それも全数が軽快に疾走。海中なのに。
(何だゴボー!?)
(取り敢えず逃げるんゴボォォォーッ!)
ヤマゴボー星人も追い付かれまいと走り逃げ回る。ユーベルコード「大地の民の祭」が【ダッシュ】【逃げ足】の強化なら海中でも走るよねもうこれは。
 覆面マンドラゴラとヤマゴボー星人、二種類の根菜が縦横無尽に走り回る画、それも水の中であることを完全に無視したスタイリッシュハイスピード鬼ごっこ海域で、アイリスは思う。
(……めっちゃシュールだな)
目の前を、投げたり投げられたり泡をコーナーポスト代わりに飛んだりと、根菜達が飛び交うが、アイリスは無表情で佇む。なお、ヤマゴボー星人は順調に数を減らしていっている。さすがゴッラーさんだ、素晴らしいぜ。

成功 🔵​🔵​🔴​

箒星・仄々
碧色の海でのダイブ!
気持ちよさそうです♪

島の皆さんは勿論護り抜きます

水の魔力で呼吸や移動、水圧は大丈夫
ジェット水流でゴボウさんの元へGO!です

視界に捉えたら風の魔力を発動
空気のあぶくに身を包み竪琴を起動
水中でも奏でられますけれども
こちらの方がやりやすいので

因みにあぶくも移動や回避は自在ですよ

サンバ思わせるテンポ良い曲を奏で
音色に属性魔力を宿します

翠の音:風
緋の音:炎
蒼の音:水

音に応じた魔力が迸り
果実を迎撃したりゴボウさん攻撃

紫色の海は
水と風の魔力=水の渦で吹き飛ばし

敵集団の中心目掛けて
三魔力を合じた矢

錐状に回転
水流で加速し突入
炎を解放し水蒸気爆発の連鎖

事後に鎮魂の調べ
骸の海でお休み下さいね



●打ち上げ花火は海に咲く
(まさに夏という感じです。気持ちいいですねぇ♪)
箒星・仄々(ケットシーのシンフォニア・f07689)は水の魔力を纏い、碧色の海を泳ぐ。呼吸や次第に高まる水圧も苦にせず、それどころかジェット水流を生み出して、それに乗って自在に泳ぎ回る様は、「水を得た」というのが相応しいだろう。
(ですが、泳いで遊ぶために来たわけではありません。深海島をお護りしなければ)
ジェット水流を海の底に向けて潜り進むと、やがてゴボウのコンキスタドール――ヤマゴボー星人の姿を捉える。
(あれがゴボウさんですね。では、始めましょうか)
 仄々は湧き上がる泡の一つに飛び込むと、風の魔力を発動する。泡は上昇を止め、少しずつふくらんでいく。ある程度の大きさになったところで、カッツェンリート――懐中時計が展開されて組み上がる蒸気機関式竪琴を起動。ステージが整い、仄々が竪琴でテンポの良い――サンバを思わせる曲を、ユーベルコード「トリニティ・ブラスト」を乗せて奏でると、その音色が泡の外に溶け出て、翠色・緋色・蒼色の魔力の矢に変わり、ヤマゴボー星人に向かっていった。
「ゴボァ!?」
(何だゴボ!?)
背後から魔力の矢を受け海中に散っていく同族を見て、彼らは仄々の方に振り返る。
(敵襲ゴボ!)
(やっちまえゴボー!)
 ヤマゴボー星人は次々に紫色の果実を投げ付ける。ユーベルコード「大いなる大地の恵み」によるそれらは、海中であることを無視した、まるで追尾弾のような軌道で仄々に向かっていくが、三色の魔力の矢が全てを迎撃し、紫色の果汁が広がる。
(果汁に飛び込むゴボ!)
(前線を上げるゴボー!)
果汁による戦闘力強化を狙い、ヤマゴボー星人は紫色の海目掛けて進む。
「残念ですが、吹き飛ばします」
仄々は水と風の魔力を次々に奏で、泡の外で蒼色と翠色の魔力が渦を巻く。渦をある程度まで大きく育て、楽曲のブレイクに合わせ力強く奏でた一音をトリガーに、二色の魔力を水の渦として解き放つ。
(ゴボォォォ!?)
水の渦は瞬く間に紫色の果汁を吹き飛ばし、あと少しで戦闘力強化を受けられたヤマゴボー星人をも纏めて海に散らせた。
「さあ、もう一つ派手にいきますよ〜」
 仄々を包む泡はジェット水流に乗り、錐揉み回転しながら三色の音を奏で、ヤマゴボー星人に魔力の矢の雨を浴びせ、身動きを取れなくさせる。その間に主旋律――ある一点に同時に到達するよう奏でた翠色・緋色・蒼色の音がヤマゴボー星人達の中心でぶつかり合い、白く輝く打ち上げ花火状の水蒸気爆発を咲かせた。
「せめてもの餞です。この夏は骸の海でお休み下さいね」
 仄々の鎮魂の調べが響く、花火の消えた海に湧き上がってきた空気の泡は、予知より小さめで多めだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

祓戸・多喜
海の底の島って楽しそうね!
これは夏のいい思い出になりそうだし行って写真撮ってこないと!
その前に邪魔者はきっちり潰してへし折っちゃわないとね!

基本支援中心、逃げ場を潰すように攻撃。
水着に着替え、盛大な水飛沫と共にダイビング!
というより体質なのかなー、泳ごうとしなければ自然に沈んじゃうし。
なので念動力で潜水の軌道修正、息継ぎの泡引き寄せたりしつつ剛弓構え水面に向けUC発動!
発動時に巻き込まないよう周囲に他の猟兵いないか注意。
一旦水面から飛び出して反転、海底に向かって降り注ぐ光の矢の雨でヤマゴボー星人達もイチコロね!
その逃げ足で逃れたのが居てもそっちは普通の矢の速射で追撃!

※アドリブ絡み等お任せ🐘



●青春JK流星群
 ドッパーン! という盛大な着水音と水飛沫が海面を白く泡立てた。沈み込んで、浮き上がるその姿は祓戸・多喜(白象の射手・f21878)。乳白色の肌に、青春の輝きを湛えた緑色の瞳を持つ華のJK(女子高生)。その艶やかな長い「鼻」は、海水を吹き出し、彼女の頭上に虹を架ける。多喜は、象獣人のような外見の、普通の女子高生である。部活の弓道で鍛えた身体を水着に包み、気持ち良さそうに――自重のせいか豪快に――泳いでいる。
「気っ持ちいいー! この海の底に島があるって楽しそうね! これは写真撮ってこないと!」
試し撮りとばかりに、デジカメで自撮りのシャッターを切る。碧色の海に囲まれ満面の笑み。バッチリ「映える」画が撮れていることだろう。
「それじゃ出発!」
 言うや否や、多喜は潜水する。「体質的に沈んでしまう」彼女にとって、深海への旅路は楽なもので、念動力ですいすいと沈む軌道を変え、泡を引き寄せて息継ぎも順調。そうやって碧色の海を沈みながら漂っていると、ゴボウのコンキスタドール集団が見えてきた。
(見つけた! 邪魔者はきっちり潰してへし折っちゃわないとね!)
多喜は携えていた和弓――剛弓ハラダヌを構え、海面に向けて弓を引き、精神統一を待って矢を放った。矢は一筋の光となり垂直に海中を駆け、多喜は残心――矢を放った姿勢を保ったまま、その矢の行く先を見つめている。その姿勢のまま、多喜の身体はヤマゴボー星人達を追い抜いた。
(誰だゴボ!)
(誰でもいいゴボ! 先には行かせないゴボー!)
多喜は尚も残心。動こうともしないまま沈んでいく彼女にヤマゴボー星人が殺到しようとしたその時、多喜の視界の向こう――碧色の海が星空のような無数の煌めきを湛え、それらは突風が吹き抜けるかのように多喜を追い抜いて、ヤマゴボー星人に降り注いだ。
(ゴボォォォ!?)
(避けられなゴボァァ!)
 多喜のユーベルコード「白き百億の星」による光の矢の雨を浴び、ヤマゴボー星人は次々に身体をくの字にへし折られ、あるいは真っ二つに折れて海に消えていく。彼らもユーベルコード「大地の民の祭」で逃げ惑うが、倍々に分裂しながら降り注ぐ光の矢は、彼らを逃げ道ごと潰していった。
(逃げ延びたのは……いないみたいね)
光の突風が吹き抜けた後には、次の矢をつがえ、的を探す多喜の姿があったが、すぐに弓矢をしまい、泡を引き寄せて息継ぎを一つ。すると彼女はJK(女子高生)の顔に戻り、再び海を楽しみながら、深海島を目指し、その身をより深く躍らせていく。

大成功 🔵​🔵​🔵​

レナータ・バルダーヌ
ヤマゴボー星人さん、ここにも現れましたか。
深海島は陽の光からは遠そうですし、ヤマゴボー星人さんが住むにはあまり向いていないと思うんですけど……。

戦いの様子を見ていましたが、ヤマゴボー星人さんは水の中でも走っていましたね。
ということは、見た目はそっくりな謎のゴボウ生物『ゴボウさん』も水中で活動できるのではないでしょうか?
【ゴボウさんフィーバー!】でゴボウさんたちを呼び寄せ、いざゴボウ大戦争です!
ゴボウとゴボウが出会ったとき、何かが起きる……!かもしれません。

ゴボウさんとヤマゴボー星人さんの関係はいまだ謎に包まれていますけど、いつの日か解き明かしてみせます。(残念ながらそんな日は来ない)



●人魚姫とゴボウフィーバー ~自由すぎる戦い再び~
 人魚姫のような水着に身を包むオラトリオ、レナータ・バルダーヌ(護望天・f13031)は、ある猟兵の戦いを見かけた。
(ヤマゴボー星人さん、ここにも現れましたか。深海島は陽の光からは遠そうですし、ヤマゴボー星人さんが住むにはあまり向いていないと思うんですけど……)
彼らが何故深海島を目指すのか。それは、彼らだけが知っていることである。そして、その謎を解き明かす鍵は、レナータの目の前でもゴボゴボと口から泡を吐き出しながら泳いでいる。
(戦いの様子を見ていましたが、ヤマゴボー星人さんは水の中でも走っていましたね。ということは)
レナータは閃いた。
(見た目はそっくりな謎のゴボウ生物『ゴボウさん』も水中で活動できるのではないでしょうか?)
その謎のゴボウ生物「ゴボウさん」とは、各地で目撃が噂されている謎のゴボウ生物である。どこからともなく現れ、どこへともなく去り、しかもアリスラビリンスへの環境適応により変異した亜種は渋い声で喋る(!)らしい。デジャブーな展開の予感だ。
(では呼び寄せてみましょう。ゴボウとゴボウが出会ったとき、何かが起きる……!)
起きるのはカオスである。紛れもなくカオスである。
 レナータの由緒正しいゴボウ農園領主の血筋が、どこからともなく380本ものゆるキャラ属性のあてどなく疾走するゴボウのマンドラゴラを呼び寄せた。海中にもかかわらず華麗に疾走するその様は、まさに「ゴボウさんフィーバー!」――レナータのユーベルコードの効果および名前――である。彼らは、特に叫んだりするわけでもなくヤマゴボー星人に体当たりしつつ、どこへともなく去りゆく。
(何だゴボ!?)
(何だこのゴボウの大群はゴボー!?)
敵襲(?)に気付いたヤマゴボー星人は「大いなる大地の恵み」による紫色の果実の力――ユーベルコードでゴボウさんを迎撃するが、基本的に無害である彼らは果実を受けても何ら意に介さず、紫色に広がる果汁をも突き抜けてヤマゴボー星人を巻き込みながらどこへともなく去りゆく。そうやって全てのゴボウさんが駆け抜けていった海域には、ヤマゴボー星人の姿も消え失せていた。
(ゴボウさんも、ヤマゴボー星人さんも、いなくなってしまいました。彼らの関係はいまだ謎に包まれていますけど、いつの日か解き明かしてみせます)
 拳を握り(そんな日が来るかは別として)決意を新たにした人魚姫は、さらに潜水する。程なくして、一際大きい――辺り一面に広がる大きさの泡と、その中に深海とは思えないキラキラと輝く大地と大きな巻き貝が見えてきた。グリモア猟兵の予知の説明で見た、深海島だ。レナータは泡に沿って大地に降り立ち、泡の中に入った。他の猟兵達もそれに続き、彼らは島民を訪ねるべく、行動を開始した。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 日常 『宝玉を拾う』

POW   :    宝玉を拾うと、忘れていた過去が蘇る

SPD   :    宝玉を拾うと、誰かの夢か幻を見る

WIZ   :    宝玉を拾うと、未来が見える

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🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●パールスター島を訪れし英雄
 深海島に辿り着いた猟兵達は、遠くに見える巻き貝の方向を目指して動き出した。島の大地には、大小も色彩も様々な、光沢を帯びた球形の宝石――真珠が転がっている。その様はまるでスイカ畑のようであり、ところどころ光り輝く星空のようでもあった。猟兵達は自ずと真珠を傷付けないように大地を進む。しばらくして、正面から魚類・貝類・クラゲ等と融合した姿を持つ、グリードオーシャンの先住民族――深海人の集団が現れる。彼らは猟兵達の戦いの一部始終を見ており、コンキスタドールを退けた英雄を島を挙げて歓待すると言い、この島について情報収集をしたい猟兵達は、友好的な彼らの案内によって巻き貝の集落に向かっていった。
 集落では、海藻で作られた「パールスター島を訪れし英雄を囲む宴」の横断幕と、たくさんの光り輝く真珠の下に宴会の準備ができており、猟兵達は銘々に楽しい時を過ごしている。その宴会の最中、恐らくは集落の長であろう、老いたイルカの深海人が、猟兵達に声を掛けた。
「猟兵の皆様、あのコンキスタドールを倒したこと、私からも重ねて礼を言おう。そして、誠に不躾であることは承知しているのだが、この島を襲っている、もう一体のコンキスタドールを討っていただけぬか」
猟兵達にとっては、グリモア猟兵の予知で欠けていた情報であり、彼らは快諾し話を聞く。
「そのコンキスタドールというのは、草や毛といったものを目の敵にしており、この島でも、巻き貝に生やした海草などを刈り取っているのだ。あの海草は、この島に空気を生み出すものだ。私達も奴の居ぬ間に復旧を試みているが、奴の手数には追い付かぬ。この島には奴に敵う者もおらず、この島が空気を失い海の藻屑と化すのも時間の問題なのだ。どうか、助けていただきたい。この通りだ」
イルカの長、そして島民達は頭を下げる。
「無論、見合う報酬は用意させていただこう。そうでなければ我らの気が済まぬ。道中で聞いたであろうが、この島では大地に真珠が実るのだ。それもただの真珠ではない。大きさはもとより、見ての通り光り輝く灯りにもなり、覗き込む者の意思を読み取って、その者の過去や未来、あるいはその者に縁のある者の幻影を見せたりもするものだ。伝聞からこれを求める者も少なくなく、この島でしか採れぬもののはずだ。これを望むだけ差し上げよう。かといって無理強いもできぬから、このまま宴を続けても構わぬ。もしコンキスタドールを討つために必要な準備があれば、それも手伝わせていただこう」
 猟兵達は、それぞれの形でパールスター島での時を過ごしていく。
アイリス・ゴールド
お任せプレイング。お好きなように。
汝が為したいように為すがよい。

ほうほう、縁のある者の幻影を見せるとな?どれどれ
こ、これはチーさん。
『呼んだかね?』
呼んでないおかえりください。しれっと幻影に宿るんじゃないよ。
『まぁそう言わずに。これからコンキスタドールと戦うのだろう?』
からくり人形のゴッラーさんがいれば必要な
『よかろう、そやつに宿るとしよう』
ぬあー!やめれー!ちくせう、神とか自称してるやつはどうしてこう人の話を聞かぬのだ。
『ではチラリズムの布教をはじめるとしようか』
いややめてやめて島民の皆さんに迷惑かけるのはやめろっていってんだろがごらー!(ドロップキックからの傀儡の魔糸で捕縛)



●深海島に降臨せしチの神
 アイリス・ゴールド(愛と正義の小悪魔(リトルデビル)・f05172)は、島民数人と共に真珠の実る大地へとやってきた。
「縁のある者の幻影を見せるとな? どれどれ……」
アイリスは握り拳大の真珠を拾い上げ、両手の平に乗せて覗き込んだ。淡く輝く真珠に照らされる少女の姿は幻想的で美しいものだろう。
(こ、これは……チーさん……)
真珠には、彼女に縁の深い者である「チーさん」の姿。その姿を見たアイリスだが、表情は変わらない。しかし、表情のタッチはデフォルメされたものに変わっていく。早い話がギャグパート突入である。それでは、幻想的な少女にチーさんこと「境界の概念神チラリズム」が語り掛けるところから再開しよう。
『呼んだかね?』
「呼んでないおかえりください。しれっと幻影に宿るんじゃないよ」
真珠を片手に持ち替え、空いた手をしっしっと振るジト目のアイリス。
『まぁそう言わずに。先程の話からするに、もう一体の強力なコンキスタドールと戦うのだろう?』
「そうだよ。でも、からくり人形のゴッラーさんがいればチーさんは必要な」
『よかろう、そやつに宿るとしよう』
ゴッラーさんを引き寄せて戦力外通告を突き付けるアイリスだが、チーさんは真珠から光の糸をゴッラーさんに放ち、その人形に憑依しようとする。
「ぬあー! やめれー!」
その糸を効果がないとは分かりながらもアイリスは手刀を振り回して遮ろうとする。
「ちくせう、神とか自称してるやつはどうしてこう人の話を聞かぬのだ!」
個人の見解です。自称する神にもまともな神はいます。
 そして、この一連のやり取りは、共にこの場所に来ている島民達が見ている目の前での出来事である。
「あ、あの、アイリス様……?」
心配した島民の一人が声を掛けて近付こうとすると、ゴッラーさんのルチャ・リブレ風のマスクがグリンと島民に振り向いた。
「島の民よ、この『境界の概念神チラリズム』がこの島を守って見せよう。差し当たって、チラリズムの布教をはじめるとしようか」
「うわっ、人形が喋った!?」
「これもアイリス様のユーベルコードなのですね!」
このチーさんはユーベルコード「境界の概念神」によるものなので島民B氏は正解である。だが、今回はアイリスの話を聞かず好き放題やっている。
「チラリズムとは空間と時間が生み出す芸術であり」
「いややめてやめて島民の皆さんに迷惑かけるのはやめろっていってんだろがごらー!」
アイリスはドロップキックでチーさん入りのゴッラーさんを蹴飛ばした。さらに傀儡の魔糸――魔力の操り糸を生成し、ゴッラーさんを縛り上げる。
「民よ、今のがチラリズムだ」
「黙れ黙れもう喋るな!」
アイリスの操り糸はゴッラーさんの顔をもぐるぐる巻きにした。
 アイリスは、救いを求める島民の前に(チラリズムの)神を降ろして(というか勝手に降りてきて、求められてもいない)啓示を与え、来たるべき戦いに備えたのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

箒星・仄々
何かしらの過去があって
今の私がいて
そして今の私の進む先に
未来の私がいます

だから過去や未来を見たいとは思いません

今の私で精一杯頑張ることが
何より過去の証ですし
そして望む未来目指して現在を頼むことが
その未来にある自分となることと確信しています

深海に島があり
そこの大地に輝く真珠たち…
本当に美しい景色です
何よりの報酬です

星々の様な輝きの中で
他PC様の邪魔にならぬよう留意しながら
静かに竪琴を爪弾きます
この美しき世界への感謝の想いを込めて

その中でちょっと気になる光の真珠があれば
一つだけ頂戴いたしますね
未来への道標
先導の灯になってくれそうです

この美しい島を護り抜きましょう
その未来は必ず成し遂げます



●未来を照らす協奏曲
 箒星・仄々(ケットシーのシンフォニア・f07689)は、島民数人と談笑しつつ、真珠の実る大地に到着する。そこに広がるのは、この島に初めて立った時と同じような、星空のように真珠が散りばめられた大地。大海の深くにある、決して明るいとは言えない島を照らす淡い光が灯される大地だ。
「大変美しく、素晴らしい景色です。過去や未来を見ることのできる真珠というのも神秘的です」
仄々は目を細め、大地を見渡して続ける。
「ですが私は、今の私で精一杯頑張ることの積み重ねが何より過去の証ですし、そして望む未来目指して現在を頼むことが、その未来にある自分となることと確信しています。申し訳ないのですが、過去や未来を見たいというのは、私の中では少し違うのです」
頭を下げる仄々に島民はお気になさらずと返し、笑い合う。
「この美しい景色を今見ることができる、それが何よりの報酬です」
 仄々は竪琴――カッツェンリートを展開する。蒸気と共に展開される機構に島民から感心の声が上がる中、竪琴を爪弾き始めると、仄々が見たこの美しい世界を音にしたような静かな旋律が響く。
(このような景色に出会えたこと、本当に感謝しています。このご恩を、この美しい島を、必ず護り抜いてみせます)
 竪琴を奏でる仄々は、ふと、一つの真珠が気になった。奏でる旋律のイメージとその真珠の輝き方が、まるで共鳴するように同じなのだ。真珠の方がわずかに早く輝いているようにも感じるほど、音と光が共鳴している。それをも楽しむ仄々と真珠の協奏曲はやがて終演を迎え、島民達からは惜しみない拍手が送られた。
「ありがとうございます。ところで、こちらの真珠、頂いてもよろしいでしょうか。この輝きは先導の灯になってくれそうなのです」
仄々は共鳴を見せた真珠を拾い上げ、島民に訪ねる。
「もちろんですよ! 身に付けやすいよう、紐飾りでも何でも作らせていただきますので、何なりとお申し付けください!」
 仄々の未来への道標は、嬉しそうに淡い輝きを放つ。

成功 🔵​🔵​🔴​




第3章 ボス戦 『『禿海賊団』脱毛突撃隊長のゴルカ』

POW   :    脱毛一閃
【毛根を完全死滅させる猛毒を塗った二刀の剣】が命中した対象を切断する。
SPD   :    スキンヘッドバーサーカー
【毛根を持つ連中に対する自身の怒り】を代償に自身の装備武器の封印を解いて【二刀を合体、超々々々々々威力の巨大鋏】に変化させ、殺傷力を増す。
WIZ   :    つるぴかボム
レベル×5本の【強烈な脱毛効果の毒ガスを充填した、毒】属性の【投擲爆弾】を放つ。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はアララギ・イチイです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●島の存亡を賭けた激闘
 猟兵達は、この深海島・パールスター島を包む空気の泡が大きく波打つのを目撃した。巻き貝の集落では、櫓代わりの細長い巻き貝の上で毛蟹の深海人が貝殻の鐘を鳴らしている。その巻き貝櫓は、猟兵達の見ている目の前で斜めの一閃が走ったかと思うと、上半分が重力に従いずり落ちていく。投げ出された深海人の目の前には、海流に靡いていたはずの海草と、剣を手にした人間の男。
「お前は性懲りもなくまた毛を生やしたのかァァァァ!」
男の怒号と共に銀色が一閃すると、毛蟹の深海人は毛蟹らしい短い剛毛を綺麗に剃り上げられてしまった。悲鳴を上げて逃げる毛蟹の人には目もくれず、男は猟兵達を睨む。
「お前らはこの島の者ではないな。用心棒といったところか」
明らかに危険な存在の雰囲気に、猟兵達はこの男がコンキスタドールだと確信する。しかしそれと同時に、微妙な心境になる者もいた。
 グリモア猟兵の予知によると、このタイミングで相手になるコンキスタドールの特徴は「人の頭くらいの大きさの、光る球形」である。外れてはいない。何故ならこの男、スキンヘッドである。それもどういうわけか光り輝いている。予知阻害のせいで忖度したみたいになってしまっているのだ。
「俺の前に『毛』持ちが現れるとは、余程死にたいようだな。望み通り、この『禿海賊団』脱毛突撃隊長のゴルカが、お前らの毛も、この島の毛も、全て禿げ散らしてくれよう!」
 ついに自らを「禿海賊団」と名乗ってしまったゴルカ――コンキスタドールとの激しい闘いの幕は上げられることとなった。深海島を守る猟兵、世界を禿げさせるゴルカ、両者の信念と力が、今まさに激しく、激しくぶつかり合う! 激しく!
箒星・仄々
他者へ(島へも!
毛がない事を強要とは
なんたる非道でしょう
そもそも禿頭を恥じることはないでしょうに

コンキスタドールさんなれば
考えは変わらない
未来へ進めないのですよね

海へお還ししましょう

UCで摩擦抵抗操作
スケーターの如く高速滑走

鋏の動きは見えています!

敵挙動の空気の振動をお髭が感知し
優美なドリフト
&魔法の残像分身で回避
疾風の加速で間合いを詰めます

早業で抜刀し刺突

もし受けられたら
これをフェイントして
動きが止まっているゴルカさんをぺろ

全身が摩擦0となって
服が脱げる
武器を落とす
鋏が二刀に戻る
転倒しヘッドスピン風に回転しながら彼方まで滑って行く

終幕
骸の海で穏やかに眠れますように
毛の事なんか気にせず安らかに


レナータ・バルダーヌ
は、禿海賊団……団員皆さん髪がないんでしょうか……。
とりあえず、髪の毛がなくなったら今以上に他の方にはお見せできない有様になってしまいますし、このゴボウのお花も最後の一輪なので絶対に切られるわけにはいかないです!

不用意に近づくのは危険そうなので、またゴボウさんの力を借りるしかありません。
【ゴボウさんフィーバー!】で再び謎のゴボウ生物『ゴボウさん』たちを呼び寄せ、その【ダッシュ】力を頼りに敵を撹乱することで攻撃する隙を作るなどして、他の皆さんを援護します。
ゴボウさんはゴボウなので毛根はありませんけど、根毛なら生えています。
先程の毛蟹の方への反応を見る限り、おそらく無視することはできないでしょう。



●激昂
「は、禿海賊団……」
レナータ・バルダーヌ(護望天・f13031)は思わず呟いた。相手の名乗りはあまりに衝撃的だった。「禿海賊団」の「脱毛突撃隊長」。海賊団員全員の毛髪が無いと思われる、毛髪を有する者を襲う集団の長。彼――ゴルカに敗れた者の末路がどうなるかは、彼のスキンヘッドが物語っている。オラトリオであるレナータにとって、頭髪は花を咲かせるために必要であり、かつて″土台″ごと抉られ最後の一輪となったゴボウの花は絶対に失えないものだ。この深海島もそうだが、自分の身も守らねばならない。
「他者へ毛がないことを強要とは、なんたる非道でしょう。そもそも禿頭を恥じることはないでしょうに」
レナータの隣に現れたのは、箒星・仄々(ケットシーのシンフォニア・f07689)。ケットシー――二足歩行する猫である彼は、たっぷりと猫毛がもふもふしている。だからといって、彼自身は頭髪の有無に貴賎は感じていない。もし彼が禿げ上がっても、禿げてしまった「過去」を受け入れ、「未来」へ進むことができるだろう。
「『毛』持ちが減らず口を叩くなッ! まとめて禿げ上がれッ!」
 しかし、ゴルカはコンキスタドール――オブリビオンである。「過去」である彼の考えは「未来」永劫変わらない。彼は懐から爆弾「つるぴかボム」を取り出すと、導火線に点火しばら撒いた。
「この毒ガス爆弾で禿げ散らせェ!」
「いけません! ゴボウさん、わたしの血筋の下ここに集まるのです!」
レナータの呼び掛け――ユーベルコード「ゴボウさんフィーバー!」に応じ、謎のゴボウ生物「ゴボウさん」390体がどこからともなく現れる。彼らのある者は爆弾をキャッチし、ある者は水瓶をバケツリレー形式で水を運んで導火線を消火する。
「このゴボウめッ! 何をしているッ!」
ゴルカは爆弾を無力化していくゴボウさん達を排除しようとするが、別のゴボウさん達はゴルカの周囲を疾走し、根毛を見せつけ囮を買って出た。
「お前のその毛も禿げろォォォォォ!」
 あまりにも「毛」を見せつけられ、ついにゴルカの怒りが爆発し――感情が落ちたように目が据わる。「スキンヘッドバーサーカー」モードに移行したゴルカは二刀を合体させ巨大な鋏とし、ザンッ、という音と共にゴボウさんに斬り掛かる。ゴボウさんは回避したが、斬撃の衝撃波は巻き貝の建造物を真っ二つにし、崩れ落ちていった。
「この威力……! これは早めに止めなければ……!」
斬撃の空気の振動を髭で感知した仄々は、自らをユーベルコード「猫の毛づくろい」で舐めると、スケートのように地面を滑っていき、ゴボウさん達に混じってゴルカに近付く。
「オォォォォ!」
ゴルカは明らかな毛のかたまりである仄々を狙って斬撃を繰り出すが、斬れるのは全て仄々の魔法の残像。いくつも残像を斬らせながら近付いた仄々はカッツェンナーゲルを突き出した。
「見えています!」
「オォォ!」
だがバーサーカーゴルカはそれを受け止め、その細身剣ごと仄々を斬り断とうとする。その時、ゴボウさんがゴルカの眼前を横切り、その一瞬で仄々の姿は消えていた。
「オォ?」
ゴルカの鋏が空を切ると同時に、彼の頭部に、ざらりとした――まるで猫の舌のようなものが触れる。
「……う」
それは正しく、頭皮の味に呻いた猫――仄々の舌。その瞬間、ゴルカは鋏を取り落とし、鋏は二刀に戻る。さらにゴルカは突然足を滑らせ、地面にひっくり返り――頭部で回転しながら滑っていく。仄々の舌で摩擦力を失ったゴルカに自らを止める術はなく、あげくの果てには彼の服までもが遠心力で飛んでいった。
「ちょっ……!?」
 なお、猟兵達に見えたのは飛んだ彼の服だけであり、ゴルカの姿はゴボウさん達が全力で隠しました。
「毛の事なんか気にせず、安らかに、穏やかに眠れますように」
「今のは、別の事が気になってしまうのでは……?」
猟兵達は、ゴルカのヘイトを稼ぎ、これ以上の深海島および島民への被害を食い止めたのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

バジル・サラザール(サポート)
『毒を盛って毒で制す、なんてね』
『大丈夫!?』
『あまり無理はしないでね』

年齢 32歳 女 7月25日生まれ
外見 167.6cm 青い瞳 緑髪 普通の肌
特徴 手足が長い 長髪 面倒見がいい 爬虫類が好き 胸が小さい
口調 女性的 私、相手の名前+ちゃん、ね、よ、なの、かしら?

下半身が蛇とのキマイラな闇医者×UDCエージェント
いわゆるラミア
バジリスク型UDCを宿しているらしい
表の顔は薬剤師、本人曰く薬剤師が本業
その割には大抵変な薬を作っている
毒の扱いに長け、毒を扱う戦闘を得意とする
医術の心得で簡単な治療も可能
マッドサイエンティストだが、怪我した人をほおっておけない一面も

アドリブ、連携歓迎



●毛毒を喰らう猛毒
 先の襲撃の際に切断した海草を身体に巻き付け、ゴルカは滑らされた道を戻っていく。
「許さんぞ奴等め……今度こそ、毛一本残さず禿げ散らせてくれる!」
「見てたわよ、毒爆弾の禿海賊さん」
ゴルカの前に立ちはだかったのは、下半身が蛇で上半身がヒト型のキマイラ――いわゆるラミア――のバジル・サラザール(猛毒系女史・f01544)。彼女もまた、長い緑色の髪を靡かせる、ゴルカにとって滅すべき対象だ。
「その髪ィ、この猛毒で毛根から絶やしてくれるゥゥ!」
言うや否や放たれた、ゴルカの猛毒を塗った二刀の斬撃は、バジルの白い細腕に線を入れた。
「その猛毒はみるみるうちに毛根を完全死滅させるゥゥ! 抜け落ちる髪を、指を咥えて眺めているがいいィ!」
「猛毒……? こんなに『温い』毒が?」
「何だと?」
バジルは腕の傷をゴルカに見せつける。すると、腕に付いていた毒液は、まるで飲み干すかのように傷口へ吸い込まれていった。
「ご馳走様。お礼に、私からも猛毒をお返しするわ」
 その言葉と共に、傷口からは意思を持つかのように血が噴き出し、その血は彼女が宿すUDC――バジリスクを象った。
「毒を盛って毒で制す、なんてね。遠慮なく味わいなさい」
ユーベルコード「バジリスク・ブラッド」の名の通り血液で出来たバジリスクは、バジルの傷口から自在に動き回り、飛び退くゴルカの腕に牙を立てる。
「グオオッ……!」
 それ自体が猛毒と化したバジリスク――バジルの血はゴルカの腕を黒ずませ、二刀を取り落とさせる。その下に、緑色の髪は一本たりとも落ちていなかった。

成功 🔵​🔵​🔴​

クレア・フォースフェンサー
今のこの身体は、人より与えられたものじゃ
衣装がちと派手なことを除けば不満を感じてはおらぬが、もし先ほど見掛けたゴボウのような姿だったならば、それなりに思うところはあったかもしれぬ

じゃが、人は配られたカードで勝負するしかない
自身が引け目を感じていることを他者にまで強要するおぬしの所業は見過ごすわけにはゆかぬな

例えば――おぬしは、わしにはないものをぶら下げておるようじゃ
故にわしがそれを斬り取ったとて文句はない、そういうことなのであろう?

光剣を伸ばし、地面に落ちている二刀を弾き飛ばす
ゆっくりと敵に近付き、剣術をもって両断する

穀物の収穫期にでも来てくれれば、歓迎される可能性もあったやもしれぬがのう


祓戸・多喜
えー毟るなんて酷い!
別に毛持ちだっていいじゃない。有るも無いのも勝手だし!
どっちにせよ押し付けてくるなら容赦しないわよ!
それから楽しみそびれたこの島をしっかり堪能するわ!

とりあえずはUC発動しつつしっかり敵の動きに集中。
野性の勘を活かしつつ巨大鋏のリーチから逃れるよう水中戦という事を活かし念動力で体を軽く浮かせつつ攻撃回避。
それから矢をばら撒くように連射して近づかせないように。
…そもそもアタシ攻撃対象になるの?
ならなかったらそれはそれでムカつくけど!
海賊の動きに集中し、十秒時間が経ったら剛弓に持ってる中で最大の矢を番えてその頭を射抜く!
倒したらこの島の撮影にいこっと♪

※アドリブ絡み等お任せ🐘



●激闘の終わり
 取り落とした二刀を拾い上げたゴルカに、二つの女性の声が掛けられる。
「わしの今のこの身体は、人より与えられたものじゃが、衣装がちと派手なことを除けば不満を感じてはおらぬ。もし先のゴボウのような姿だったならば、それなりに思うところはあったかもしれぬ。じゃが、人は配られたカードで勝負するしかない。自身が引け目を感じていることを他者にまで強要するおぬしの所業は見過ごすわけにはゆかぬな」
声の主はクレア・フォースフェンサー(UDCエージェント・f09175)。艶やかな金色の長い髪を揺らす少女である。
「そうよ! 髪の毛を勝手に切るなんて酷い! 有るも無いのも勝手だし、別にいいじゃない!」
もう一方の声は祓戸・多喜(白象の射手・f21878)。艶やかな白色の長い「鼻」を揺らすJK(女子高生)である。
「こんなに素敵な島を滅ぼすなんて許さない! 容赦しないわよ! アナタを倒して、この島をもっと堪能するんだから!」
「黙れェェェェェ!」
 ゴルカは叫びと共に二刀を合体させ、巨大な鋏に変えると共に、多喜に向かって飛び掛かる。しかし、象獣人にも見える多喜の野性の勘は、既に自らの二メートル半ほどある巨躯を念動力で浮かせ、迫る刃から逃れていた。
「って、毛をどうこう言っておいてアタシに来るの?」
もはやゴルカは猟兵を亡き者にするためのバーサーカーである。華のJKの体毛などというデリケートなことなど気にしていない。空間だけを切り裂いた鋏を開き、再び飛び掛かる。だが、来ることが判っている多喜は剛弓から次々に矢をばら撒き、ゴルカを牽制する。
「そのように飛び跳ねては、せっかく隠した『わしにはないもの』をぶら下げておるのが見えてしまうぞ。『おなご』の前ではしたない」
「ッッ!」
 多喜にばかり斬り掛かっていたゴルカの背後には、クレアが取りついていた。美少女を彩る金色の髪が靡いて視界に入り、ゴルカは鋏を二刀に戻して振り向きざまに斬り付ける。斬撃の軌跡は毛根を完全死滅させる猛毒の黒で描かれるが、その二本の線がクレアの姿を上書きするより速く彼女は軌跡を見切って身体を翻し、黒の二本線を光の剣の一閃で斬り上げた。
「それほどの太刀筋じゃ。穀物の収穫期にでも来てくれれば、歓迎される可能性もあったやもしれぬがのう」
ゴルカの二刀は刃を斬り砕かれ柄のみになっていた。クレア――対オブリビオン用ユーベルコードが搭載された人造人間のユーベルコード破壊機能によるものだ。刃を失ったゴルカは柄を握ったままクレアに殴り掛かる。
「終わりじゃ――射抜いてしまえ!」
 クレアは視線の先の多喜に呼び掛けた。多喜は剛弓に特大の矢を番え、既に十秒以上ゴルカの頭に狙い――ユーベルコード「千里眼射ち」――を定めており、クレアの合図と射線離れと同時に矢を放った。ドウッ、と重い音を立てて飛ぶ矢はゴルカの顔から脳天に突き抜け、一本の髪となった。その瞬間にクレアはゴルカの胴体を袈裟懸けに斬り捨てており、上半身だけが多喜の矢によって飛んでいき、空気の泡を突き抜けて海の闇の中に消えていった。クレアが斬った方も爪先から光の粒子に分解されて、空気中に溶けるように消えていった。
 深海島を滅ぼすコンキスタドールは、英雄達の手により討たれたのだった。

●パールスター島を救いし英雄
 集落では、海藻で作られた「パールスター島を救いし英雄を囲む宴」の横断幕と、たくさんの光り輝く真珠の下に、先のものを超える規模の宴会が開かれていた。
「猟兵の皆様、あのコンキスタドールをも倒したこと、本当に感謝の言葉もない。何と御礼を申し上げてよいやら」
老いたイルカの集落の長は深々と頭を下げていた。
「我々は未来永劫、猟兵の皆様のことを語り継がせていただこう。そして、猟兵様さえよろしければ、今後もこの島に来ていただけぬか。このように辺鄙で、あのような真珠しかない島だが、我々は皆様の第二の故郷でありたいのだ」
「その真珠がとても素晴らしいの!」
多喜は身を乗り出して瞳を輝かせた。
「あの真珠の畑も綺麗だし、巻き貝のお家もカワイイし! もっと素敵な景色があったら写真に撮りたい! ねぇ、いい景色があったら教えて!」
それなら、と近くの席の島民は多喜に提案し、多喜は島民と共に絶景撮影ツアーに繰り出した。猟兵達の返事は、彼女が代弁してくれた形だ。
 こうして、猟兵達とパールスター島の住民達の夏の思い出はもう暫く紡がれていくことになる。彼らの笑顔を、姿を、たくさんの真珠が照らしていた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2020年09月09日


挿絵イラスト