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宇宙を拓くは希望の巨人

#スペースシップワールド #【Q】 #クエーサービースト #惑星ロボ

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#スペースシップワールド
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#【Q】
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#クエーサービースト
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#惑星ロボ


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●対クエーサービースト用新兵器
「まさか、マインドミナBVAの外殻に、こんな性能があったとはな」
 未踏宙域の探索を続けるスペースシップの一つ『イシュメイル』内の工業ブロックで、艦長たるエイハブはそう感嘆の声を上げていた。
 工業ブロック内では今まさに、クエーサービースト『マインドミナBVA』から回収した外殻の加工が行われている。
 各スペースシップでクエーサービーストに関する研究を進め、また銀河帝国が遺した未踏宙域に関する資料を解析した結果、マインドミナBVAの外殻に関するある重大な事実が判明したのだ。
 そしてその研究結果を元に、各スペースシップでは急ピッチで対クエーサービースト用の新兵器の組み立てが進められている。
「それにしても、なんとも壮大な話だな」
 エイハブ艦長が覗き込んでいるのは、その新兵器の完成予想図が映し出されたモニターだ。
 そのモニターに映るのは、ガラクタを出鱈目に組み立てたような、武骨な巨大ロボットの姿だった。

●プロジェクトP1
「みなさんがクエーサービースト『マインドミナBVA』から多くの外殻を回収してくれたおかげで、未踏宙域の探索に新展開がありました」
 エルシー・ナイン(微笑の破壊兵器・f04299)は、集まった猟兵達にやや興奮気味にそう告げた。
「マインドミナBVAの外殻の研究が進んだことで、重要な事実が判明したんです。まずはこれをご覧ください」
 エルシーはそう言って立体映像を猟兵達の前に映し出した。映し出されたのは、既に打倒されたオブリビオン・フォーミュラ、『銀河皇帝』リスアット・スターゲイザーの姿。
「注目していただきたいのは皇帝陛下……もとい、銀河皇帝の背中に装着された金色の装置です。これこそが『思念兵器マインド』。そして銀河帝国の遺した文献を解読した結果、この思念兵器マインドの材料こそが、マインドミナBVAの外殻であることが判明したんです」
 それはつまり、マインドミナBVAの外殻があれば、銀河皇帝が使用していたものと同等かそれ以上の『思念兵器マインド』を作り得るということ。
「銀河皇帝は『思念兵器マインド』をワープ能力の強化に使っていましたが、これは本来は『使用者の動きやユーベルコードをダイレクトに伝達する装置』、つまり、正しく『思念兵器』だったんです」
 そこで、このマインドを活用すべく、未踏宙域を探索する各スペースシップはある計画を立ち上げたのだという。
「それが、ずばり『惑星ロボ建造計画』です! その名の通り小惑星サイズの巨大ロボットを建造して、クエーサービーストに対する切り札にしようという、夢と浪漫に満ち溢れた計画になっています」
 エルシーが、今度は惑星ロボの完成図を映し出す。
「試作兵器だけに形状は不格好ですが、もちろんこの惑星ロボにはマインドが組み込まれることになりますので、性能は期待できます。この惑星ロボにみなさん猟兵が搭乗することで、クエーサービーストに対して圧倒的に不利なポイントであった『サイズ差』を埋めてしまおうというのがこの計画の目的です」
 なので当然この計画は、猟兵の参加が前提条件となる。
「そこで皆さんにはスペースシップ『イシュメイル』に赴き、惑星ロボの建造と実戦テストに参加してもらいたいのです」
 『イシュメイル』で開発中の惑星ロボは『P1(ピーワン)』というコードネームが付けられているが、開発は難航し、まだ完成度は60%というところだという。
「まずはみなさんにはP1の完成に協力してもらいます。アイデアを出してもらうのもいいですし、製造に協力してもらってもかまいません」
 そしてP1完成の暁には、いよいよ実戦テストが待っている。
「『イシュメイル』はみなさんとP1を、既に所在を掴んでいるクエーサービーストの下へ運んでくれます。そこでみなさんには交代でP1に乗り込み、クエーサービーストとの実戦に臨んでもらいます」
 惑星ロボはスペースシップのような宇宙船と比べて特別頑丈というわけではないが、思念兵器マインドの搭載により『メインパイロットとなった猟兵のユーベルコードを、同じ強さで小惑星レベルのサイズにして放つ』事ができる。ただし猟兵は一発ユーベルコードを撃つと疲労でダウンしてしまうので、パイロットを次々と交代しつつ、1体の惑星ロボを共有して戦うこととなるだろう。
「いきなりクエーサービーストとの実戦とはなかなかハードですが、皆さんの実力と惑星ロボ『P1』の性能なら、きっとクエーサービーストを撃破できると、ワタシは信じています」
 エルシーはにこやかにそう言うとグリモアを取り出し、『イシュメイル』への転送を開始したのだった。


J九郎
 こんにちは、J九郎です。
 小惑星サイズの敵に対抗して小惑星サイズのロボットを作るとか、さすがスペースシップワールドはスケールが大きいです。

 第1章では、マインドミナBVAの外殻を元に試作型惑星ロボ『P1』を製造してもらいます。巨大ロボットに対するこだわりが強ければ、思念を受け取った惑星ロボはより頑丈になるようです。
 第2章では、『クエーサービースト』マインドミナBVAとの実戦テストになります。
 ユーベルコードは一回しか使えませんので、よく考えて使用してください。
 第3章では、さらに何かが起こりますので、マインドミナBVAを倒しても決して油断はしないようにしましょう。

 なお、今回登場するスペースシップ『イシュメイル』は過去のシナリオにも登場していますが、読んでいなくても特に問題はありません。

 それでは、みなさんの熱いプレイングをお待ちしています。
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第1章 冒険 『試作型惑星ロボ開発計画』

POW   :    完成したパーツを組み立てて、小惑星サイズの巨大ロボを完成させる

SPD   :    試作型惑星ロボの完成に必要な装置を作成したり、分割したパーツごとに完成させていく

WIZ   :    試作型惑星ロボの設計を行なったり、必要な資材をもつスペースシップに出向いて交渉する

👑7
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

名雪・瑠珠
こんな装いのわたしだが、ある宇宙船によく遊びに行っているのである。
そこを提供してくれている猟兵が非常にいい奴でなあ(無論、共に話す猟兵達は誰もがいい奴らである!)
その友が愛している世界のために
わたしができることがあるならとても嬉しいのだ。

開発の何が難航しているのであろう?
とりあえず、他の猟兵が出した案を形にして組み立てるときの力仕事は任せろ!である。
だがそこはこの世界の超技術で充分な気がするであるし…わたしも案を考えよう。うーむ。

猟兵もユーベルコードも多種多様である。
力の伝達は材料の持つ性質で補えるかもしれんが、兵器の可動域が足りずに猟兵の身体能力の伝達が不足したら勿体ない。等はどうであるか?


紅月・美亜
「波動砲だ、波動砲を積むのだ。戦局を一撃で覆す戦略兵器。クエーサービーストの巨体と言えども、このサイズの機動兵器に波動砲を搭載すれば一撃必殺間違い無しだ」
 私自身が開発したOperation;LIGHTNINGの機構をそのまま巨大化させた物を搭載しよう。しかも一つや二つではない。
「かつて三種類の波動砲を搭載した人型機動兵器が存在したが、後方支援型だった。単独で戦う以上そうは言ってられない。胴体、頭部、両手足をそれぞれ別ユニット化する事で非弾自のキャンセルを一部に留める。これはそのままダメージコントロールにも繋がり……オールレンジ攻撃すら可能とする!」



●夢と浪漫を現実に
「うーむ、話には聞いていたが、実際に見てみるととてつもないスケールであるな!」
 広大な宇宙空間に一人浮かんで、名雪・瑠珠(羅刹のバーバリアン・f25092)は建造中の惑星ロボ『P1』の姿を飽くことなく眺めていた。
 惑星ロボはあまりにもサイズが大きく、スペースシップとはいえその巨体を収納することはできない。そのため、組立ても船外の宇宙空間で行われているのだ。
 その工程を眺める瑠珠は宇宙空間にはおよそ似つかわしくない和服姿だが、もちろん和服の上からは猟兵が宇宙活動をする際の必需品ともいえる、極薄かつ透明の高性能宇宙服を着こんでいる。
 そして彼女が慣れた様子で宇宙空間で活動できるのは、とあるコロニー型スペースシップへと、よく遊びに行っているからだった。
「そこを提供してくれている猟兵が非常にいい奴でなあ」
 瑠珠はその宇宙船とそこにいる猟兵のことを思い浮かべ、笑みを浮かべる。無論、共に話したりする猟兵達は、誰もがいい奴らではあるのだが。
「その友が愛している世界のために、わたしができることがあるならとても嬉しいのだ」
 とはいえ、瑠珠は宇宙での活動にはある程度慣れているとはいえ、機械の扱いなどは専門外だ。ゆえに、
「開発の何が難航しているのであろう?」
 未だ開発方針を巡って激論が繰り広げられているらしいスペースシップ『イシュメイル』の方へ視線を向けて、そう首を傾げるのだった。

 その『イシュメイル』の工業ブロックでは。
「波動砲だ、波動砲を積むのだ。戦局を一撃で覆す戦略兵器。クエーサービーストの巨体と言えども、このサイズの機動兵器に波動砲を搭載すれば一撃必殺間違い無しだ」
 紅月・美亜(厨二系姉キャラSTG狂・f03431)が、捲し立てるようにそう熱弁をふるっていた。
「う、うむ……波動砲か。それは確かに凄そうではあるが」
 熱意に突き動かされるままに力説する美亜の姿に、エイハブ艦長も惑星ロボ開発スタッフもやや引き気味だ。
「しかしだな。波動砲ともなると、かなり高度な技術が必要になってくるが、あいにくと我が艦には波動砲の設計図もなければ開発ノウハウもなくてな」
 高性能な兵器ほど、実際に作成するとなれば様々な困難が生じるのは、当然のことだ。
「それならば問題ない。私自身が開発したOperation;LIGHTNINGに関する情報を提供しよう。この機構をそのまま巨大化させた物を搭載すればいい」
 美亜がスクリーンに映し出した『Operation;LIGHTNING』の各種データを確認し、開発スタッフたちが色めきだつ。
「波動砲をこんなに小型化できるなんて、信じられない! 確かにこの機構なら、惑星ロボにも搭載可能かもしれない!」
 もちろん、設計図があったところで通常であれば兵器の開発には何年という単位で時間がかかる。だがここには、思念によって自在に形を変えるマインドミナBVAの外殻があるのだ。そしてその再現精度は、どこまで対象物に対するイメージを浮かべられるかによって決まってくる。イメージが漠然としていればただ外観のみを模しただけのものになるし、内部機構まで含めて詳細にイメージ出来れば、ほぼ完全なコピーを作り出すこともできるのだ。
 さっそく美亜が外殻に触れて自らのイメージを送り込めば、外殻は見る間に巨大な波動砲へと姿を変えていく。
「おお、成功だ!」
 エイハブ艦長を始めとしたイシュメイルのスタッフ達が歓声を上げた。
「いや、まだまだこれからだ。私が想定している波動砲は一つや二つではないぞ」
 一つ目の波動砲を完成させた美亜は、続けて別の外殻にも思念を送り込み、次々に新たな波動砲を完成させていく。
 そして完成した波動砲はすぐさま宇宙空間へと運び出され、P1への取り付け作業が開始されたのだった。

「お、ようやく武器ができたのか。組み立てるときの力仕事は任せろ!」
 宇宙空間では、瑠珠がさっそく搬出された波動砲を惑星ロボへと運ぶ作業に従事していた。
 その作業の様子を、美亜は艦内から観察しつつ、更にアイデアを固めていく。
「どれだけ波動砲を増やそうとも、肝心の惑星ロボが脆弱では話にもならない。かつて三種類の波動砲を搭載した人型機動兵器が存在したが、それは後方支援型だった。だが単独で戦う以上そうは言ってられない」
 そう口にしながら、自らの考えをまとめていく美亜。
「……ならばそうだな、胴体、頭部、両手足をそれぞれ別ユニット化する事で被弾時のキャンセルを一部に留めるというのはどうだろう? これはそのままダメージコントロールにも繋がり……オールレンジ攻撃すら可能とする!」
 長時間の検討の末、美亜が辿り着いたアイデアがそれだった。
「話は分かるが、各部を別ユニット化するとなると、制御系にかなりの技術が必要になるな……」
「各ユニットの、十分な強度の確保も課題ですね」
 美亜のアイデアを開発スタッフが詰めていっているところへ、波動砲の取り付け作業を終えた瑠珠がやってくる。
「武装や機構に関してはこの世界の超技術で充分な気がするであるし、わたしも案を考えよう。うーむ」
 美亜に倣って、惑星ロボの完成度を高めるために少しでも良い案を出そうと知恵を絞る瑠珠。機械はそれほど得意ではない瑠珠だったが、戦闘に関するノウハウならその身に染みついている。それを巨大ロボットに応用させて考えてみると……、
「猟兵もユーベルコードも多種多様である。力の伝達は材料の持つ性質で補えるかもしれんが、兵器の可動域が足りずに猟兵の身体能力の伝達が不足したら勿体ない。等はどうであるか?」
 いかにも実戦慣れした瑠珠の意見に、開発スタッフ達はさらにプランを煮詰めていく。
「確かに、可動範囲は最低でも人間と同様、出来ればそれ以上になるようにしたいところだな」
「しかしそれでは、関節部の強度に不安が出るのでは?」
「全体の重量バランスと、耐久性も計算し直す必要がありそうだ」
 猟兵達の意見を元に、惑星ロボ『P1』はより完成度の高い形へと、進化していくのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

リューイン・ランサード
【WIZ】

巨大ロボットの設計と組立ですか、面白そうです♪
宇宙空間で使用する事と、色々な猟兵さんが使う事を考えると・・・。

整理して、下記のコンセプトを『イシュメイル』の皆さんに提案します。
①宇宙空間の高速機動形態とロボット形態の可変機能。
②近接戦用兵器である実剣(マインドミナBVA外殻を使って形態変化可能)
③防御兵器(この世界では一般的なビームシールド)
④遠距離兵器であるビーム砲を胴体に装備して、ミサイルボッドを身体の各所に装備。
⑤遠隔操作可能な移動砲台を10体程。

了解貰えたら、必要な物資を集めるべく、それぞれのスペースシップに出向いて交渉します。


ハヤト・ノーフィアライツ
SPD分野で。アドリブ連携歓迎

…随分楽しそうなことやってんな。
俺も混ざらせて貰おうか。
UCも使いつつ、【メカニック】の知識を生かしてパーツの製造とかを手伝おう。
デカイ奴はダメコンきちんとやっとかんとなー。
一点突破で玉砕するパターンとかはそのせいだし。

被弾も想定して、ブースターの配置とか、破損状況によってエネルギーバイパスさせる回路とか、
稼働状況を変更するシステムとかも提案しとくべきか。
…あとはアレだよな。
変形をどっかにこう。
合体機構でもいいが。

もしくはドリルを。

容量に余裕があるようなら、緊急用の限界稼働モード用の部品とかも積みたいが。
合体ロボじゃないならその分空きはありそうだし、話だけしとこ。



●更なる高性能を目指して
「巨大ロボットの設計と組立ですか、面白そうです♪」
 スペースシップ『イシュメイル』の工業ブロックへとやってきたリューイン・ランサード(竜の雛・f13950)は、船外の様子を見渡せる大きな窓の向こうで組立ての進む惑星ロボ『P1』の姿を見て、微笑んだ。
「この惑星ロボのポイントは宇宙空間で使用する事と、色々な猟兵さんが使う事。そのことを考えると……」
 リューインはしばらく考え込むと、コンセプトを整理してエイハブ艦長を始めとした惑星ロボ開発スタッフに向けて説明を始める。
「まずは、どの猟兵が乗っても扱いやすい武装が重要でしょう。ならば、近接戦用兵器である実剣と、遠距離兵器であるビーム砲、それにミサイルポッドは不可欠です」
「なるほど。そのあたりなら、大きさを別にすれば既存の技術の応用で充分製作できるな」
 エイハブ艦長が大きく頷き、
「実剣は当然手持ちとして、自由度を高めるためにビーム砲は機体胴部に内蔵した方がいいだろう」
「ミサイルポッドは外付けで各部のハードポイントに設置する形なら、色々と融通が効きそうだ」
 開発スタッフも次々に意見を出していった。
「いえ、敢えて実剣はマインドミナBVAの外殻で作った方がいいと思います。そうすれば、乗る猟兵に合わせて形態変化が可能ですから。それと、防御兵装も必要です。これは、この世界では一般的なビームシールドを搭載できれば十分かと思いますが」
 リューインがそう提案した時。
「……随分楽しそうなことやってんな。俺も混ざらせて貰おうか」
 赤いマフラーをなびかせながら、ハヤト・ノーフィアライツ(Knight Falcon・f02564)が姿を現した。かつて宇宙船の事故で九死に一生を得た経験のあるハヤトは、防御性能については一家言あるようだ。
「防御兵装も確かに大事だけどな。デカイ奴はダメコンきちんとやっとかんとなー。一点突破で玉砕するパターンとかはそのせいだし」
 その意見に、エイハブ艦長が唸る。
「……確かに、今までどうしてもロボットの括りで考えていたが、これだけ巨大になると、むしろ艦船と同じ発想が必要かもしれんな」
「とりあえずあれだ、設計図面を見せてみな」
 ハヤトに促され、開発スタッフの一人が設計図をモニターに映し出す。
「被弾も想定して、ブースターの配置とか、破損状況によってエネルギーバイパスさせる回路とか、稼働状況を変更するシステムとかも考えておいた方がいーぜ」
 具体的に改善箇所を指さしながら、ハヤトはメカニックとしての知識を活かして次々と指摘していった。
「……あとはアレだよな」
「ええ、アレは不可欠だと思います」
 ハヤトのつぶやきに、リューインが深く頷く。
「? あれとは……?」
 エイハブ艦長が問うと、2人は同時に口を開いた。
「変形をどっかにこう。合体機構でもいいが」
「ロボット形態から高速機動形態への可変機能です!」
 2人共通の提案に、エイハブ艦長と開発スタッフ達が一斉に顔を見合わせる。
「確かに可変機構は浪漫だし実用性もあるが。機構を複雑にすればするほど、機体の安定性と耐久性が失われる可能性が高いからな」
「それに、今から変形機構を組み込むとなると、設計を一からやり直す必要が……」
 現実的な側面から難色を示すイシュメイルのメンバーに、しかし二人は食い下がった。
「いや待て。組立てが完了していない今の段階なら、ほれこの辺とこの辺の接続方法を見直せば、なんとかならねーか?」
「完全な変形が難しいなら、一旦パーツごとに分解して、別形態に組み直すという方法もありますよ」
 2人の熱意に押されたように、開発スタッフが図面とにらみ合いを始める。
「設計上、胴体、頭部、両手足の各ブロックを別々にユニット化しているから、これを組み替えて変形できる形ならなんとか……」
「それと、遠隔操作可能な移動砲台を10体程もお願いします」
 そこにしれっとそう付け加えるリューインと、
「ついでにドリルを」
 さらに便乗するハヤト。
「まだあるのか! そこまでてんこ盛りになると、流石に資材が足りなくなってくるが……」
 なんとかやりくりを考え込むエイハブ艦長に、
「なんでしたら、僕が他のスペースシップに出向いて、物資を分けてもらえるように交渉してきましょうか?」
 リューインがそう申し出た。
「おお、それは助かる」
 エイハブ艦長に了解をもらったリューインは、さっそく他のスペースシップに向かう準備を始める。
「そんなら俺は、パーツの製造とかを手伝おう」
 一方ハヤトは、今まさに惑星ロボのパーツを製造している工場ブロックへと向かっていった。
「おじさん普通の人間じゃないんでね。こーいうこともできるのさ……!」
 サイボーグであるハヤトは、その身体機能とメカニックとしての知識を活かして、パーツの製造に協力していく。
「容量に余裕があるようなら、緊急用の限界稼働モード用の部品とかも積みたいが。合体ロボじゃないならその分空きはありそうだしな」
 後でエイハブ艦長に話だけもしておこうと、そう心に誓うハヤトだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

シン・ドレッドノート
先日回収した外殻を使って新メカ開発ですか。
ぜひ、協力させてください。

「私の提案は高性能レーダーの搭載です」

射撃系の兵装を惑星サイズのロボで十全に発揮するには、敵が射程に入る前から正確な位置を捕捉しておく必要があります。

例えば私の『異次元の狙撃手』を外殻の機能で惑星ロボが発揮しようとしたら、ざっと計算して…100㎞ほどの惑星サイズで使うなら、最低37万㎞以上先まで正確にターゲッティングできなければ意味がありません。

「UDCアースなら、地表から月を狙撃するくらいの距離ですね」

敵の捕捉だけならその10倍は欲しいですし。

レーダーはロボの各部に分散配置し、複数が故障しても機能維持できるようにしましょう。



●宇宙を見据える千里眼
 猟兵達の協力により、惑星ロボ『P1』は少しずつ完成に近づいていた。
「なるほど、先日回収した外殻を使って新メカ開発ですか。ぜひ、協力させてください」
 『イシュメイル』の艦内から、最終的な仕上げ段階に入った惑星ロボを見守っていたシン・ドレッドノート(真紅の奇術師・f05130)が、エイハブ艦長にそう申し出た。
「機体の構造に各種武装。確かに既にかなりの完成度と見受けましたが、まだ一つ、足りないものがあります」
 シンの言葉に、エイハブ艦長は眉をしかめる。
「しかし、他の猟兵達の意見を元に、もはや十分以上の性能を実現していると思うが……。足りないものとは一体?」
「私の提案は高性能レーダーの搭載です」
 シンはそう言って、エイハブ艦長にビシッと指を突きつけた。
「レーダー? しかしすでに、戦艦並みのレーダーは搭載済みだが」
「白兵戦などショートレンジでの戦いだけを考えるならそれで充分でしょう。しかし射撃系の兵装を惑星サイズのロボで十全に機能を発揮させるには、敵が射程に入る前から正確な位置を捕捉しておく必要があります」
 シンの指摘に、エイハブ艦長は目を見開く。
「クエーサービーストの射程外から!? 簡単に言うが、それはとんでもない距離だぞ」
「当然分かっています。例えば私の『異次元の狙撃手』を、外殻の機能で惑星ロボが発揮しようとしたら……」
 目を閉じ、頭の中で計算を始めるシン。
「ざっと計算して……100㎞ほどの惑星サイズで使うなら、最低37万㎞以上先まで正確にターゲッティングできなければ意味がありません」
「37万Km!? そんなレーダーはこのスペースシップワールドでも聞いたことが無いぞ!!」
 思わずそう叫んだエイハブ艦長に、「当然でしょう」とシンは頷く。
「UDCアースなら、地表から月を狙撃するくらいの距離ですからね」
 もっとも、敵の捕捉だけならその10倍は欲しいですとシンは平然と付け加えた。
「そんなとんでもないレーダーを、どうやって作れば……いや待てよ。マインドミナBVAの外殻を使って、一般的なサイズのレーダーを巨大化させたものを作ればいいのか」
 どうにかエイハブ艦長が規格外の高性能レーダー製造への道筋をつけた時。ジンは更なる提案を口にした。
「レーダーはロボの各部に分散配置し、複数が故障しても機能維持できるようにしましょう」
「複数!?」
 その提案に、エイハブ艦長は思わず天を仰いだのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​




第2章 ボス戦 『クエーサービースト・マインドミナBVA』

POW   :    BVAジェノビック
【無限に変化する外殻が超殺戮形態 】に変形し、自身の【防御力】を代償に、自身の【攻撃力と攻撃速度】を強化する。
SPD   :    BVAエクスタリ
いま戦っている対象に有効な【無限に変化する外殻が変形した殺戮兵器 】(形状は毎回変わる)が召喚される。使い方を理解できれば強い。
WIZ   :    BVAリモーフ
対象のユーベルコードを防御すると、それを【無限に変化する外殻によって再現し 】、1度だけ借用できる。戦闘終了後解除される。
👑11
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●出撃!惑星ロボ『P1』
 猟兵達のアイデアと精力的な作業協力によって、遂に惑星ロボ『P1』は完成した。
 基本武装は形状変化可能な実体剣と内蔵式ビーム砲、さらに膝に取り付けられたドリル。
 防御兵装としてはビームシールドを装備し、各部のユニット化によるダメージコントロール機能も完璧だ。
 その他に外付けの兵装として波動砲、ミサイルポッド、遠隔操作可能な移動砲台を搭載し、多彩な戦術への対応を可能としている。
 機体構造としては人間の可動域以上の柔軟性と、ユニットの組み替えによる高機動形態への可変機能を持ち、さらにはクエーサービーストの射程すら遥かに超える超高性能レーダーも備える、夢のようなスーパーロボットだ。
 とにかく詰めるだけの機能を短時間で山盛りにした結果、外見的にはガラクタの塊のように不格好なのはやむを得ないことだろう。
 そんな『P1』はスペースシップ『イシュメイル』に曳航され、既に位置を補足済みのクエーサービースト、『マインドミナBVA』の下へと向かっていた。
 惑星ロボの元になった外殻の持ち主、マインドミナBVAは、P1の実戦テストの相手としてこれ以上ない存在だろう。かつてはそのサイズ差ゆえに猟兵達を苦しめたマインドミナBVA。だが、今の猟兵達には『思念兵器マインド』を搭載した惑星ロボがある。もはやサイズ差が問題になることはない。
 惑星ロボの真価が発揮される瞬間は、もうすぐそこまで迫っていた。
シン・ドレッドノート
「ふむふむ、まぁ、見た目は今後の課題として…まずは動作テストをしっかりおこないましょうか」

試作ロボに乗り込んだからには、自分の提案した機能がしっかり作動するかどうかを確認したいところ。
既に位置は捕捉済みと言うことですし、さっそく狙撃といきましょう。

「各砲台、粒子加速開始。収束率と弾速を最大に設定」
各砲台のパラメータを長距離狙撃に適した条件に調整。
高性能レーダーによって捉えたBVAの外殻の隙間を狙って、弾速と貫通力を上げた射撃をお見舞いしますね。

「ターゲット・ロック。対閃光防御を忘れずに。…さぁ、目標を撃ちぬきます!」

【異次元の狙撃手】による、超長距離からBVAを貫通する高速の一撃を放ちます!



●先制の閃光
「ふむふむ、まぁ、見た目は今後の課題として……まずは動作テストをしっかりおこないましょうか」
 先鋒として真っ先に惑星ロボ『P1』に乗り込んだのは、シン・ドレッドノート(真紅の奇術師・f05130)だった。 
「乗り込んだからには、自分の提案した機能がしっかり作動するかどうかを確認したいところですね」
 シンがP1に乗り込んだのは、まだマインドミナBVAの存在する宙域までは遠く離れた地点だ。スペースシップ『イシュメイル』のセンサーもマインドミナBVAの姿を捉えてはいないし、マインドミナBVAも当然、こちらの存在に気付いてはいないだろう。
「ですが、この高性能レーダーなら」
 P1の頭部に備えられたデュアルアイを、バイザー状のセンサーユニットが覆い尽くしていく。そして、頭部に装着されたセンサーユニットは、激しく明滅を開始していった。
「既に位置は捕捉済みと言うことですし」
 シンは、起動した高性能レーダーの照準を、マインドミナBVAが存在するはずの座標へと合わせていく。果たして高性能レーダーは、たちまちの内に遥か星の海の彼方に存在しているマインドミナBVAの姿を補足してみせた。
「どうやら、想定通りの性能は発揮できているようですね。ならば、さっそく狙撃といきましょう」
 シンは、自身の目に装着している『怪盗の単眼鏡(モノクル)』を、惑星ロボのセンサーと連動させていった。同時に、P1の装備する内蔵式ビーム砲と移動砲台を発射可能状態へとセットする。
「各砲台、粒子加速開始。収束率と弾速を最大に設定」
 そして、各火器のパラメータを、長距離狙撃に適した条件に調整していった。
「ターゲット・ロック。対閃光防御を忘れずに」
 如何にレーダーが優れているといっても、これだけの距離だ。マインドミナBVAの姿は米粒程度にしか視認できない。だが、シンは類まれな集中力で、全ての火器のレティクルを、マインドミナBVAに重ねていく。
「……さぁ、目標を撃ちぬきます!」
 次の瞬間、ユーベルコード【異次元の狙撃手】が発動され、胴部に埋め込まれた2門の内蔵式ビーム砲と、P1を取り囲むように浮かぶ10門の移動砲台が、一斉に火を噴いた。眩いばかりの閃光が迸り、一斉に宇宙の彼方へと吸い込まれていく。
 数瞬の後。高性能レーダーの向こうに、全ての光線がマインドミナBVAに命中し、その身を覆う外殻を吹き飛ばすのを、シンはその目ではっきりと確認した。
「思念兵器『マインド』を通してユーベルコードを発動するというのは、思っていた以上に消耗するものですね……。とはいえ、先鋒としての役割は十分に果たせました。後は後続の皆さんにお任せしましょう」
 疲労感とそれを遥かに上回る達成感をもって、シンは次の猟兵へと惑星ロボ『P1』のコクピットを明け渡したのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

リューイン・ランサード
特殊機能てんこもりだと不格好になってしまいました…<汗>。
いいえ、外見なんて飾りです。偉い人にはそれが分からんのです。
(とジオングの整備士っぽい事を言ってごまかす。)

敵と対峙し、恐怖を克服して『P1』に搭乗。

最初は高機動形態で移動。
速いだけでなく【空中戦】による機敏な移動を実現し、【スナイパー】で目標をロックオンして、ミサイルポッドと移動砲台による【一斉射撃】で敵を集中攻撃します。

敵の反撃は、人間形態になって【残像】をばら撒きつつの【空中戦・第六感・見切り】による回避と、【ビームシールド盾受け】で防ぐ。

そうして実体剣に【光の属性攻撃】を纏わせ、UCで強化した攻撃力による【2回攻撃】で斬ります!



●恐怖を超えて
「特殊機能てんこもりだと不格好になってしまいました……」
 惑星ロボ『P1』のコクピットに乗り込んだリューイン・ランサード(竜の雛・f13950)は、そう呟くと思わず額の汗を拭った。
「……いいえ、外見なんて飾りです。偉い人にはそれが分からんのです」
 どこかで聞いたことのあるようなセリフを口にして、気を取り直したリューインは、レーダー越しにマインドミナBVAの姿を確認する。
「!?」
 まだこちらの姿を捉えられないはずのマインドミナBVAと目が合ったような気がして、リューインは思わず身震いした。いや、マインドミナBVAはすでに、こちらの高性能レーダーと同等の性能を持つ感覚器官を、外殻を変化させて生み出したのかもしれない。
「怖いけど、接近するしかありませんね」
 なんとか恐怖を抑えつけ、リューインはP1を高機動形態へと変形させた。P1の頭部と手足が胴体から一旦分離し、それぞれに形を変化させると、戦闘機或いはスペースシップを思わせる形態へと再び組み上がっていく。まるで積み木やブロックを組み替えるような武骨な変形だが、その効果は本物だ。
 機動力を向上させたP1は、各部のブースターに一斉に火を灯し、放たれた矢のように超加速でマインドミナBVAへ向かって突撃していった。直線機動だとマインドミナBVAに動きを読まれてしまうので、敢えてジグザク飛行や旋回飛行も織り交ぜながら、マインドミナBVAにに接近していくP1。
「マインドミナBVA、有効射程圏内に捉えました!」
 高速移動しながらのロックオンはかなり困難な技だが、リューインは必死に心を落ち着けながら、ミサイルと移動砲台の照準をマインドミナBVAに合わせ、トリガーを引いた。一斉に放たれたビームとミサイルが、次々とマインドミナBVAに殺到していく。マインドミナBVAの表面でいくつも爆発と閃光が巻き起こり、巨大なクエーサービーストが身を捩るように蠢いた。
 それは苦しんでいるようにも見えるし、事実そうなのだろうがそれだけではない。マインドミナBVAの全身を覆う外殻が触手状の超殺戮形態へと変化し、一斉にP1へと襲い掛かってきたのだ。
「反撃!? 当たるわけにはいきません!!」
 リューインはP1を再び人型形態へと変形させると、次々に襲い来る触手の動きを見切り、残像をばら撒きつつ回避していく。どうしてもかわしきれない触手はビームシールドで受け止めつつ、リューインはユーベルコード【フル・アヘッド】を発動させた。すると惑星ロボ『P1』の手にした実体剣が、眩いばかりの輝きに包まれていく。
「恐怖は何とか克服できました……未来を切り拓く為、行きます!」
 何度かわしても受け止めてもしつこく迫りくる触手の群れを、光に包まれた実体剣を振るって切り裂いたP1は、そのまま大きく実体剣を振りかぶり、真っ直ぐマインドミナBVA目掛けて振り下ろした。縦一文字に体表を切り裂かれたマインドミナBVAが再び苦しむように蠢く中、P1は剣を返すと、今度は斬り上げるように剣を振り上げる。
 その、流れるような二連撃はマインドミナBVAに、まるでVの字のような深い傷を刻み込んだのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

紅月・美亜
「機体管制、出力制御、ダメコン等の細かい事は私に任せろ」
 私自身は戦闘力低めだからな。主に補助役に回る。
 だが、折角付けた波動砲は私が使って見せんとな。
 まずは収束率の高い右腕の圧縮波動砲を撃ち、装甲に穴を開ける。そこへ着弾点で炸裂する左腕の衝撃波動砲を撃ち込む。
 更に接近し胸部放熱板から灼熱波動砲を発射。膝に仕込んだパイルバンカー帯電式H型波動砲を撃ち込む。何、波動エネルギーの応用だよ。
 トドメは頭部、最もチャージが長い分、最強の出力を誇る純粋な波動砲の究極系、ギガ波動砲だ。
「P1が皆の力を、皆の力が波動砲に……死ぬがよい!」



●撃ち放て、波動砲!
「機体管制、出力制御、ダメコン等の細かい事は私に任せろ」
 続けてP1のコクピットに収まった紅月・美亜(厨二系姉キャラSTG狂・f03431)は、さっそく機体の出力を最適化していく。美亜自身は戦闘力は決して高くないため、戦闘よりも機体の調整を優先させた形だ。だが、マインドミナBVAは当然こちらの事情など忖度はしてくれない。触手に変形させた外殻で、P1目掛けて襲い掛かってくる。
「そちらがそのつもりなら、こちらも遠慮はせずやらせてもらおう。折角付けた波動砲は私が使って見せんとな」
 触手によって受けたダメージを最小限に抑えるようコントロールしながら、美亜は右腕に内蔵させていた圧縮波動砲を展開していった。右手首が内側に引っ込み、代わりに現れた砲塔が伸びていく。
「圧縮波動フルチャージ……発射!」
 美亜が波動砲の砲口をマインドミナBVAへと向けるとほぼ同時に、圧縮された波動が解き放たれ、進路上の触手を引きちぎりながらマインドミナBVA本体の装甲を抉り大穴を開けた。
「続けて、左腕だ」
 美亜は即座にP1の左腕を、マインドミナBVAの装甲に開いた大穴に向ける。そして左腕に内蔵された衝撃波動砲を解き放った。波動は真っ直ぐに大穴に迫ると、着弾直前に炸裂し、大穴を更にこじ開け、マインドミナBVAの本体をも深く傷つけていく。
「まだまだ終わりではないぞ」
 続けて、美亜は惑星ロボ『P1』を高機動形態に変形させると、マインドミナBVAに急接近させていった。触手をかわしつつマインドミナBVAの至近距離まで近づいたP1は、再び人型形態へと戻ると、すかさず胸部に備えられた放熱板を兼ねた灼熱波動砲を放つ。灼熱による攻撃は、幾ら外殻で守りを固めようと防ぎ切れるものではなく、マインドミナBVAのの巨体が熱に苦しむかのように蠢いた。
 そしてその隙に、さらに美亜はP1の膝に仕込んだパイルバンカー帯電式H型波動砲を、先程装甲に開けた大穴の内側に撃ち込んだ。まるでドリルのように回転しながら突き進む波動は、マインドミナBVAの体内奥深くまで抉っていく。
「何? もはや波動は関係ないって? いやいや、これも波動エネルギーの応用だよ」
 別にマインドミナBVAが文句を言ってきたわけでもないが、美亜はそう解説を加えると、一旦P1にマインドミナBVAとの距離を取らせた。それは別に、マインドミナBVAの反撃に備える為ではない。
「空間座標軸取得、力場形成。対象への相対座標入力、誤差修正。射撃特性を選択。力場内正常加圧確認、ライフリング回転開始……」
 惑星ロボ『P1』の頭部、人でいえば口に当たる部分の装甲が展開し、隠されていた波動砲の砲口が露になる。それこそが、最強の出力を誇る純粋な波動砲の究極系、ギガ波動砲だった。
「その分チャージが長いのが欠点だが、他の波動砲を使っている間に時間稼ぎは充分にできた」
 美亜がパイロットに代わってからずっと溜め続けていたエネルギーが今、臨界を迎える。
「P1が皆の力を、皆の力が波動砲に……死ぬがよい!」
 そして放たれた究極の波動砲は、防御を固めようとした触手達を一瞬で消し飛ばし、マインドミナBVAがP1に対抗すべく生み出した波動砲の複製の放ってきた波動をも飲み込んでいった。そしてあっという間にマインドミナBVAの本体へと到達すると、表面を幾重にも覆っていた外殻を消滅させ、更にはマインドミナBVAの体内を貫通し、裏側の外殻すら弾き飛ばして、宇宙の彼方まで真っ直ぐに届くほどの光の軌跡を現出させたのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

名雪・瑠珠
うむ!巨大で迫力満点、強そうである!

まずは皆の案を組み込んだロボをわたしでも動かせるか確かめる。
この世界に詳しくなければ扱えないのなら…なんというかこう…勿体ない!
射撃系の武装を試してみよう。ぽちっとな、である。

敵からの激しい攻撃は、ビームシールドを前に構えながら躱せるものを躱すが避けきれぬだろう。
あえて耐久試験をするつもりはないが、結果的に耐久試験になりそうだ。

思いつく限りの稼働試験が終わったらいよいよUC『足棍・二式』を打ちこむぞ。
武装も機能も山盛りにしたことで体術に向いていないとなると使う場面を考えねばならん。
実戦になってから耐えられませんでしたでは全く笑えん!試験でしっかり確かめねば!



●実戦テストの総仕上げ
「うむ! 巨大で迫力満点、強そうである!」
 惑星ロボ『P1』に乗り込んだ名雪・瑠珠(羅刹のバーバリアン・f25092)は、その力強い勇姿に興奮を抑えきれずにいた。
「とはいえ、機械には疎いわたしでも動かせるか確かめる必要はあるな。この世界に詳しくなければ扱えないのなら……なんというかこう……勿体ない!」
 瑠珠は事前にレクチャーを受けたとおりに、P1を操縦してみる。幸いマインドミナBVAは先ほどまでの戦いで受けたダメージで一時的に動きを止めているので、途中で妨害される可能性は低そうだ。
 P1の操縦は火器類やレーダー類の扱いはスイッチやトリガーを用いるが、基本操縦は『思念兵器マインド』を介して行われる。つまり、頭で思い描いた動きを可動可能な範囲で自動で再現してくれるのだ。故に、猟兵達の提案で追加された各種機能を無理に使いこなそうとしなければ、特に機械の知識は無くても操縦可能な仕様になっている。
 瑠珠は一通り自分の思い通りに手足を動かせることを確認すると、満足そうに笑みを浮かべた。
「うん、身体の動かし方は大体できたのである。ならば次は、射撃系の武装を試してみよう」
 瑠珠は今度は操縦桿を握ると、トリガーに指をかける。照準の合わせ方はよく分からないが、マインドミナBVAを間近に視認できるこの距離ならば、特に狙いを付けずとも当たるだろう。
「ぽちっとな、である」
 瑠珠がトリガーを引くと、P1の肩に装着されたミサイルポッドから、一斉にミサイルが発射された。ミサイルは雨あられの如く、マインドミナBVA目掛けて降り注ぐ。だが次の瞬間、動きを止めていたマインドミナBVAが、再び動き出した。
 外殻を使って巨体の中央に穿たれた大穴を応急的に塞いだマインドミナBVAは、残った外殻を再び触手状の超殺戮形態に変化させ、接近してくるミサイルを全て触手で撃墜していく。
「おお!? 大した生命力であるな!」
 ミサイルのみならず、P1本体にも襲い来る触手を、瑠珠は慌ててビームシールドで受け止めた。だが、四方八方から迫りくる触手を全て捌ききるのは流石に不可能だ。防ぎ切れなかった分はなんとか回避しようとする瑠珠だったが、触手の動きは明らかにP1よりも速い。遂には避け切れなくなった触手が、次々とP1の装甲に傷をつけていく。
「あえて耐久試験をするつもりはなかったが、結果的に耐久試験になりそうだ」
 P1の装甲が辛うじて触手の猛攻に耐えている間に、瑠珠はユーベルコード【足棍・二式】を発動させた。
「武装も機能も山盛りにしたことで体術に向いていないとなると使う場面を考えねばならんからな!」
 P1が、足を大きく蹴り上げる。その蹴りは風圧で触手を吹き飛ばしつつ、マインドミナBVA本体へと深々と突き刺さった。
「まだまだ! 実戦になってから耐えられませんでしたでは全く笑えん! 試験でしっかり確かめねば!!」
 さらに脚部ユニットに力を込めれば、マインドミナBVAの巨体が押し潰されたように歪んでいく。そして更なる力で足を振り抜くと、小惑星ほどもあるマインドミナBVAの身体が、まるでサッカーボールのように宇宙空間を吹っ飛んでいったのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ハヤト・ノーフィアライツ
アドリブ連携歓迎っと。

飾りとか付けとくべきだったか。壊れるんだけどさ。

手番が来るまでは【戦闘知識】と【視力】を生かしてやっこさんの動きを観察。
行動パターン等を分析しつつ作戦プランを練る。
…まずぶち当たって後は流れで、ってやるのはちょっとな。

ミサイルとビーム砲があるんなら【誘導弾、範囲攻撃】、時間差をつけて【一斉発射】を駆使、相手の動きを牽制しつつ突貫。

幾らでも変化してくるのが売りなんだろうが、頭を使えば指向性を持たせられるはずだ。

接近したら【2回攻撃、怪力、グラップル】を駆使して指定UCを使用。膝で【鎧無視攻撃】も入れる。
敵の攻撃は事前にある程度予測を立て【早業】で回避、【武器受け】で防御。



●惑星ロボ乱舞
「そういや性能面ばっかり頭行ってて、かっこよさとか考えてなかったな。飾りとか付けとくべきだったか」
 トリのパイロットを務めることになったハヤト・ノーフィアライツ(Knight Falcon・f02564)は、モニターに表示させた惑星ロボ『P1』の姿を見て肩を竦めた。
「まあ、どっちみち壊れるんだけどさ」
 その言葉通り、既に惑星ロボはマインドミナBVAの放ってきた触手の攻撃により、全身に傷が刻まれボロボロの状態だった。だが、今のところ機能には一切支障が出ていない。うまくダメージコントロールがされている証左だろう。
「とはいえ、これ以上ダメージを喰らうのはまずいだろうな」
 ハヤトは、自分がパイロットを務める順番が回ってくるまでも、ずっとマインドミナBVAの様子を観察していた。その強靭な生命力と、どんな攻撃にも即座に対応する能力は、決して侮ることはできない。
「……まずぶち当たって後は流れで、ってやるのはちょっとな」
 ハヤトが、これまでのマインドミナBVAの行動パターンを分析して作戦プランを練っている間に、先程P1に吹っ飛ばされたマインドミナBVAが、彗星の如き速度で戻ってきた。その体表では無数の触手が不気味に蠢き、すっかり臨戦態勢だ。
「そんじゃ、先手を打たせてもらうとするか」
 マインドミナBVAの触手の射程圏に入る前に、ハヤトはミサイルの照準を、迫るマインドミナBVAへと向けた。そして、各触手に向け次々に誘導ミサイルを発射する。だが、既に何度かミサイルの攻撃を受けているマインドミナBVAは、触手をミサイルに変化させ、迎撃するようにそのミサイルを発射した。ミサイルとミサイルが激突し合い、あちこちで爆炎の華を咲かせる。
「悪いがそう来るだろうことは予測済みなんだよ。幾らでも変化してくるのが売りなんだろうが、頭を使えば指向性を持たせられるはずだ」
 ハヤトはマインドミナBVAがミサイルへの対応に追われている間に、時間差で第二波の攻撃を開始した。今度は、胴部ビーム砲と移動砲台による、ビームの一斉射だ。
 本来はその身を守るための鎧である外殻を、触手やミサイルに変化させたマインドミナBVAは今、防御力を犠牲にしている状態だ。その薄くなったマインドミナBVAの装甲を、一斉に放たれたビームが食い破っていく。
 そして、マインドミナBVAがビーム攻撃にもだえ苦しんでいる間に、ハヤトはP1を一気にマインドミナBVAの懐へと突貫させた。迎撃に向かってくる触手は、手にした実体剣で受け流し、或いはスラスターを巧みに噴かせて回避する。
「さぁて、一嵐行くぜ。覚悟を決めな。歯を食いしばれッ!!」
 そこからは、P1の独壇場だった。P1はまるで舞を踊るように流麗な動きで、次々にマインドミナBVAへと攻撃を叩き込んでいく。実体剣による剣の舞が触手を連続で斬り飛ばし、振るわれる拳が外殻を砕き、膝に備えられたドリルが剥き出しになったマインドミナBVAの本体を貫いていった。それは確かにハヤトの操縦によるものだが、彼に力を与えているのは、共に惑星ロボの開発に協力し、そしてハヤトよりも先にマインドミナBVAと戦い、ここまで追い詰めてくれた他の猟兵達の思いだ。
 乱舞するように攻撃の手を休めないP1とは対照的に、マインドミナBVAの動きが、次第に鈍っていく。気付けば最早、反撃する触手は一本もなくなっていた。
「テストはこれで、終了だ!!」
 そして、P1の渾身のドリル膝蹴りを受けたマインドミナBVAが、一瞬大きく震えた後、遂にその動きを停止した。
 それが、惑星ロボ『P1』の初勝利の瞬間だった。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『クエーサービースト・ヴァキアスEAT』

POW   :    EATグラトニウム
【周囲に蠢く存在を喰らいたいという暴食】の感情を爆発させる事により、感情の強さに比例して、自身の身体サイズと戦闘能力が増大する。
SPD   :    EATマテリライズ
【外殻を物質を破壊する超振動モード】に変形し、自身の【喰らった栄養分の消化】を代償に、自身の【外殻の防御力・スピード・反射速度】を強化する。
WIZ   :    EATベルゼバブル
【あらゆる生物・物質を消化する分解液の霧】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠メイスン・ドットハックです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●ヴァキアスEAT、来襲
「初陣であのマインドミナBVAを撃破するとは、惑星ロボ『P1』の性能は想像以上だったな」
 スペースシップ『イシュメイル』の艦橋から、P1とマインドミナBVAの戦いを見守っていたエイハブ艦長は、思わず感嘆の声を上げていた。この惑星ロボが実用化された暁には、未踏宙域の探索速度は加速度的に上がるだろう。
「猟兵諸君、よくやってくれた。おかげで、最高の実戦データを取ることができた。諸君も疲れただろうし、P1もメンテが必要だ。ひとまず『イシュメイル』まで戻ってきてくれ」
 エイハブ艦長がP1へとそう通信を入れた、丁度その時。イシュメイルの艦橋に、けたたましく警報が鳴り響いた。
「!? 何事だ!!」
「この宙域に、急速に接近する物体有り!! 隕石……いや違う、生物です! 新手のクエーサービーストと想定されます!!」
 オペレーターの報告に、エイハブ艦長は息を飲む。
「馬鹿な、このタイミングでか!! ……いや、このタイミングだからか? マインドミナBVAが救援を呼んだのか、戦いの気配を嗅ぎつけてきたのかは分からんが」
「照合結果、出ました! 銀河帝国の遺した文献に、同一個体の記述有り。コードネーム『ヴァキアスEAT』、通称『悪食の遊泳者』。宇宙船・巨大生物問わずに捕食し、その栄養分で外殻を硬質化していく特性を持つクエーサービーストです!」
 オペレーターの声は、最早悲鳴に近い。エイハブ艦長は顔をしかめると、マイクを握り締めた。
「聞こえるか、猟兵諸君! 疲労した君達と傷ついたP1では、クエーサービーストとの連戦は無理だ。即刻撤退を……」
 だが、『ヴァキアスEAT』の移動速度は、エイハブ艦長の想像を遥かに超えていた。
 新たなクエーサービーストは、P1に撤退の暇を与えることなく、あっという間にその眼前へと姿を現したのである――。
ハヤト・ノーフィアライツ
アドリブ連携歓迎っと。
意味があるかはさておき真の姿を開放。

【視力、戦闘知識】で相手の動きを観察、予測を立てた上で立ち回る…
まぁ、コイツの場合は本能に忠実に来てる感じだがね。

【グラップル】で突っ込んでくる奴を受け流したり、【早業、空中戦】でかわしながら、
【怪力、鎧無視攻撃】で【カウンター】を叩き込んでいこう。
…まぁ、あんまり長々とやり合うのはよく無さそうだがね。
搭載武装の【クイックドロウ】等で撹乱しつつ【失せ物探し】で隙を探して、奥の手をぶち込んじまおう。
隙を見つけたら【カウンター】に合わせ指定UCを。奥の手その1をやっこさんに叩きつけよう。

せっかくだ、ド派手な花火を上げようぜ!



●戦火の口火
「まさか、休む間もなくクエーサービーストとの連戦になるとはな」
 ハヤト・ノーフィアライツ(Knight Falcon・f02564)は惑星ロボ『P1』のコクピットで、思わず天を仰いだ。つい先ほどまでのマインドミナBVAとの戦いで、ハヤトの疲労はほぼ限界に達していた。思念兵器『マインド』はその強力な性能の代償として、一回ユーベルコードを使用するだけで激しい疲労に襲われるのだ。
 だが、新手のクエーサービースト『ヴァキアスEAT』は既に眼前まで迫っている。他の猟兵に交代する余裕すら、与えてもらえなそうだ。
「仕方ねえ。覚悟を決めるしかないか」
 ハヤトは溜息を一つ吐くと、真の姿を解放した。たちまちその全身が、機械の装甲に覆われていく。普段はサイボーグと分からぬほど肉体部分の多いハヤトだが、今はその間逆に、一切の肉体部分が機械に置き換わっていた。
「さて、これで少しは疲労に耐えられるだろ」
 ハヤトがそう呟いた直後、ヴァキアスEATが巨大な口を更に大きく開き、P1を飲み込まんと突っ込んできた。ハヤトは慌ててP1にヴァキアスEATの顎を掴ませると、反動をつけて思いっきりブースターを逆噴射させた。そして顎から手を離せば、たちまちP1はヴァキアスEATから遠ざかっていく。
「動きは速いが単調……ってかコイツの場合は本能に忠実に来てる感じだがね」
 そのままヴァキアスEATの動きをよく観察し、P1の柔軟性を生かして巧みにヴァキアスEATの突撃をかわしていくハヤト。さらには攻撃をかわされたヴァキアスEATが方向転換する一瞬の隙をついて、膝のドリルを叩きつけるようにニーキックを炸裂させていく。
 だが、何度も突撃をかわされ、さらにカウンターの膝蹴りを喰らって苛立ったのか、ヴァキアスEATは唐突に動きを止めた。かと思うと、見る間にその巨体が、更に大きく膨れ上がっていく。その大きさは、もはや小惑星サイズのP1でさえ、一口で軽々と飲み込めそうなほどだ。
「こいつは、このまま同じ戦法は通じそうにないな。……まぁ、連戦で疲労も溜まってるし、あんまり長々とやり合うのはよく無さそうだがね」
 ヴァキアスEATは、その巨体こそを最大の武器として、P1を喰らい尽くさんと突っ込んでくる。ほぼ同サイズだったこれまでは受け流しあるいはかわしきることができたが、今度ばかりはそう簡単にはいきそうもない。
「そんなに腹減ってんなら、こいつを喰らいな!」
 ハヤトは、ミサイルを一斉に発射し煙幕のようにヴァキアスEATの眼前で炸裂させた。そうしてヴァキアスEATの動きがわずかに鈍った隙に、今度は胴部ビーム砲と移動砲台から矢継ぎ早にビームの雨をその巨大な口の中に浴びせかける。流石に耐えかねたのか、ヴァキアスEATがこれまで常に開きっぱなしだった口を閉じ、身を捩った。だがその隙こそ、ハヤトが待ち望んでいたもの。
「直すのに半月はかかるんで正直割に合わんが……」
 ハヤトは自らの体内に内蔵されていた緊急用のサブ動力炉を切り離すと、思念兵器『マインド』の力で移動砲台の一つへと転送させた。
「俺のフル稼働3日分のエネルギーだ……腹一杯喰らえ!!」
 そうして、再び口を開いたヴァキアスEATの口内へと、サブ動力炉を撃ち放つ。
「せっかくだ、ド派手な花火を上げようぜ!」
 思念兵器『マインド』を通じて増幅されたサブ動力炉のエネルギーが暴走を始め、込められていた超エネルギーが、ヴァキアスEATの口の中で炸裂した。口の中で荒れ狂うエネルギーの奔流に耐えきれなかったのか、ヴァキアスEATは悶えるように宇宙空間を出鱈目に跳ね回り、そしてその巨体は、見る間に元のサイズへと戻っていったのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

名雪・瑠珠
んなっ、早い!
…ならば腹をくくるしかない。頼むぞ、P1…動けよ、わたしの体!

P1の剣を棒状に変形させる。剣のままでもいいのだが、特にわたしの精神力を削らずに変化させられるならば使い慣れた形のほうが扱いやすい。
P1も猟兵達も万全ではないのだ。守りに入るよりは攻めるほうがいいはず、わたしは積極的に攻めるぞ!

わたしの戦闘力もP1の力になると信じて全力で操作する。【力溜め】をして【怪力】任せに【重量攻撃】をどんどん叩きこんでやろう。
仕上げはUC『グラウンドクラッシャー』、あとを他の猟兵達に任せ【捨て身の一撃】、わたしの力の全てを使ってぶちこんでやるのである!



●守りよりも攻めよ
 先陣を切った猟兵に続いてコクピットに乗り込んだ名雪・瑠珠(羅刹のバーバリアン・f25092)の目に飛び込んできたのは、いきなり大口を開けて突っ込んでくるヴァキアスEATの姿だった。
「んなっ、早い!」
 咄嗟にヴァキアスEATの巨大な下顎を踏みつけ、上方向に飛び上がることでその突撃をかわした瑠珠だったが、その動きだけで疲労が全身にのしかかってくる。
「……ならば腹をくくるしかない。頼むぞ、P1……動けよ、わたしの体!」
 惑星ロボと自身の身体、双方に活を入れると瑠珠は、P1が手にした実体剣を棒状に変形させていった。剣よりも普段使い慣れた棒状の方が、扱いやすいし疲労も少ないだろうという判断だ。
 ヴァキアスEATは素早く身体を反転させて、再び大きく口を開き、P1に食らいつかんと襲い掛かってきた。マインドミナBVAに比べれば単調な攻撃だが、その分一回でも噛みつかれたら致命的なダメージを受けるだろうという恐ろしさを感じさせる。
「P1も猟兵達も万全ではないのだ。守りに入るよりは攻めるほうがいいはず、わたしは積極的に攻めるぞ!」
 対する瑠珠が選んだのは、真っ向勝負による短期決戦。動き回って消耗するのを避けるために敢えてP1の動きを止め、パワーをチャージしていく。そして、ヴァキアスEATに噛みつかれる寸前に流れるような動きで回避すると、手にした棒にチャージしたパワーも込めて全力でヴァキアスEATに叩きつけた。
『VAAAAAAAAAAAAA!!』
 重いその一撃を受けたヴァキアスEATが奇怪な叫びを上げる。それと同時に、ヴァキアスEATの巨体がさらに巨大に膨れ上がり始めた。
 だが、瑠珠は臆することなくP1の倍程度の大きさまで巨大化したヴァキアスEATと、真正面から向かい合う。
「さあ、来るがいい」
 最早小細工は無用。P1は手にした棒をくるくると回転させると、迎え撃つ構えを取った。
 ヴァキアスEATが、身体の半分ほどもありそうな巨大な口を大きく開き、P1を丸呑みせんと迫りくる。対する瑠珠は、P1に避けさせることはせず、逆に捨て身の覚悟で前に出させた。
「勝負だ、クエーサービースト! わたしの力の全てを使って、渾身の一撃をぶちこんでやるのである!!」
 瞬く間にP1とヴァキアスEATが交錯。ヴァキアスEATがあっという間にP1をその巨大な口の中に飲み込んだ直後、瑠珠はユーベルコード【グラウンドクラッシャー】を発動させた。P1が全身全霊を込めて手にした棒をヴァキアスEATの口内に振り下ろす。その単純で重い一撃は、ヴァキアスEATの口内の粘膜を貫き、その顎骨を打ち砕いた。
『VAAAAAAAAAAAAA!!』
 絶叫を上げ、思わず口を開いてしまったヴァキアスEATの口内から、瑠珠は素早くP1を脱出させる。
「ふう、わたしにできるのはどうやらここまでのようであるな。後は皆に任せるぞ!」
 瑠珠はやり遂げた表情で、後続の猟兵達に後を託したのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

シン・ドレッドノート
なんでも食べる飽食のビースト…かなり素早い敵のようですね。
レーダー強化しておいたおかげで、接近に気づくことはできましたが…
さて、こちらもどこまで動けるか。

「周囲に浮いているBVAの欠片を使います。少し時間ください!」
【紺青の剣劇】を発動、思念で飛ぶ剣とライフルを飛ばして、先ほど倒したBVAの欠片に突き刺すと、P1のUCを惑星サイズで再現する能力を使って、BVAの欠片を大量のビットとして動かします。

「さすがにこのサイズで使うには頭が焼き切れそうですが…」
怪盗の単眼鏡に内蔵のコンピュータに処理をサポートさせつつ、ビットと化したBVAの欠片を合体、巨大なソードビットとしてEATに突き刺します!



●突き刺す刃
 口内を砕かれたヴァキアスEATだったが、まだ息絶えてはいなかった。それどころか、傷ついたその巨大な口で、あろうことか周囲に浮かぶマインドミナBVAの残骸を喰らい始めた。有機物・無機物問わず捕食することで外殻を硬質化していく特性を持つこのクエーサービーストは、マインドミナBVAの残骸を喰らうことで、先程身体に穿たれた穴を外殻で徐々に塞いでいったのだ。
「なんでも食べる飽食のビースト……かなり素早い敵のようですね」
 次にコクピットに収まったシン・ドレッドノート(真紅の奇術師・f05130)はそう呟く。今は傷を癒すために動きを止めているが、先程までの戦いで見せたスピードはかなりのものだった。
「レーダー強化しておいたおかげで、接近に気づくことはできましたが……さて、こちらもどこまで動けるか」
 いくらヴァキアスEATが手負いだからとはいえ、こちらも万全とは言い難い状況だ。惑星ロボ『P1』は連戦であちこち損傷しており、エネルギーや弾薬も大分消費している。それにシン自身、先程思念兵器『マインド』を通してユーベルコードを使用した反動で疲労が全く抜けていない状態だ。
「ヴァキアスEATがマインドミナBVAの残骸を利用して回復するというのなら、こちらも周囲に浮いているBVAの欠片を使います。少し時間ください!」
 幸い、ヴァキアスEATは今は自身の傷を癒すことに専念している。いつ再び動き出すかは分からないが、まだ多少の時間はとれるだろう。
「ビット展開します」
 シンは素早く、ユーベルコード【紺青の剣劇】を発動させた。剣の形をした『ソードビット』と銃の形をした『ライフルビット』を呼び出し、思念の力で自在に操るこの能力で、周囲に漂うマインドミナBVAの外殻の欠片を次々にビットで突き刺していく。
 思念兵器『マインド』の材料ともなったマインドミナBVAの外殻は、思念の力で形を変える能力がある。シンはその能力を活かして、突き刺した外殻を巨大なソードビットへと変じさせていった。
「さすがにこのサイズで使うには頭が焼き切れそうですが……」
 シンは目に装着した『怪盗の単眼鏡』に内蔵されたコンピュータに処理をサポートさせつつ、80を超えるビットと化したマインドミナBVAの欠片を一箇所に集結させていく。
『VAAAAAAAAAAAAA!!』
 だがその動きに、遂にヴァキアスEATが気付いた。マインドミナBVAを捕食することで、応急的とはいえ傷を塞いだヴァキアスEATは、P1を破壊すべく自らの外殻をあらゆる物質を破壊する超振動モードへと変化させていく。鱗の如き外殻の一枚一枚が超高速で振動を開始し、身体をまっすぐに伸ばしたヴァキアスEATは、放たれた矢のように超高速で一直線にP1へと突撃を開始した。
「ですが、こちらの方が速い!」
 シンは、ビットと化したマインドミナBVAの欠片を全て合体させ、巨大なソードビットを作り出す。
「ビット射出、目標を刺し貫く!」
 長大な一本の剣と化したソードビットが、真正面からヴァキアスEAT目掛けて飛んでいった。自らもP1目掛けて加速していたヴァキアスEATに、そのソードビットをかわす術はない。ソードビットは真っ直ぐにヴァキアスEATの額に命中し、その頭部を深々と刺し貫いたのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

紅月・美亜
「何の問題も無い。波動砲は有象無象の区別なく全てを撃ち抜ける。たった一機の戦闘機が勝負を決める、STGならば! セーフティを解除する……この波動砲は、一発しか撃てない。まずは時間を稼ぐ」
 蒼星の騎士を呼び出し、P1用の剣を掴む。
「現実改竄装置の火器としての利用は一側面でしかない。だから、こういう事も出来る!」
 蒼星の騎士をP1と同等のサイズまで拡大させる。そのまま手にした大剣で斬りかかって時間を稼ぐ。実の所、大きいのは立体映像で本体のサイズはそのままだ。時間を稼ぐなら十分。
「FINAL波動砲……撃ち抜けッ!」
 P1の構造全てを直線に繋ぐ事で使用可能になる、最後の波動砲だ。



●一撃必殺
 頭部に大打撃を受けたヴァキアスEATは、これまで開きっぱなしだった口を閉じ、警戒するようにP1の周囲を遊泳し始めた。P1を強敵と認識したらしいヴァキアスEATの身体が、徐々にP1の倍ほどのサイズに膨れ上がっていく。
 だが、P1のコクピットに乗り込んだ紅月・美亜(厨二系姉キャラSTG狂・f03431)は全く動じた様子は見せない。
「何の問題も無い。波動砲は有象無象の区別なく全てを撃ち抜ける。たった一機の戦闘機が勝負を決める、シューティングゲームならば!」
 実際にはこれはシューティングゲームではないのだが、美亜にとっては実戦もゲームも同じこと。
「セーフティを解除する……この波動砲は、一発しか撃てない。まずは時間を稼ぐ」
 美亜はさっそく、ユーベルコード【Operation;ASTERISK(オペレーションアスタリスク)】を発動させる。
 するとP1の正面の空間が歪み、その中から現実改竄装置搭載人型機動兵器『蒼星の騎士』が姿を現した。
「現実改竄装置の火器としての利用は一側面でしかない。だから、こういう事も出来る!」
 美亜が念じると、通常の人間サイズだった蒼星の騎士の姿が見る見る大きくなっていき、あっという間にP1と同じサイズまで巨大化する。美亜はさっそく、小惑星サイズまで大きくなった蒼星の騎士に、本来はP1の装備である実体剣を装備させた。
「さあ星の改竄者よ、宿命の剣で全てを斬り裂け!」
 美亜の命じるままに、蒼星の騎士は勇ましくもヴァキアスEATに斬りかかっていく。ヴァキアスEATも、これまでの戦いで警戒することを覚えたのか、いきなり蒼星の騎士を飲み込もうとはせずに、ひとまずは身を捩ってその攻撃をかわした。だが、蒼星の騎士はその巨体に見合わぬ流麗な動きと巧みな剣捌きで、なおもヴァキアスEATを追い立てる。ヴァキアスEATは苛立ったように、ついに蒼星の騎士をその巨大な口の中に一飲みにした。
「!?!?!?」
 だが直後、ヴァキアスEATが戸惑ったようにその巨大な頭を振る。
「さすがに気付かれたか。実の所、大きいのは立体映像で蒼星の騎士の本体のサイズはそのままだ。だが、時間を稼ぐなら十分だったな」
 蒼星の騎士が時間稼ぎをしている間に、P1は切り札の準備を完了していた。
 頭部、胴部、両手足が一旦バラバラのブロックに分解され、一直線に並ぶように再合体したその姿。全てのブロックに仕込まれた波動砲を直列につないだ究極の波動砲発射形態、それこそが――、
「FINAL波動砲……撃ち抜けッ!」
 ヴァキアスEATが気付いた時には、既にFINAL波動砲は放たれた後だった。これまでの波動砲とは比べ物にならない、宇宙を貫く光と闇の嵐は、周囲に漂う隕石やマインドミナBVAの破片を瞬く間に粉砕しつつ、一瞬でヴァキアスEATへと到達する。ヴァキアスEATは咄嗟に口を大きく開き、波動を飲み込まんとした。ヴァアキスEATの巨大な口に、波動が吸い込まれていく。
『VAAAAAAAAAAAAA!!』
 たちまちの内に蛇のようなヴァアキスEATの胴体が膨れ上がり、体の表面を覆う外殻のあちこちにひびが入り始めた。そして次の瞬間、ヴァアキスEATは内から弾けるように、光をまき散らしながら砕け散っていったのだった。

●惑星ロボの帰還
「まさか、クエーサービーストを連続で2体も撃破するとは……我々はとんでもないものを作ってしまったのかもしれんな」
 エイハブ艦長はスペースシップ『イシュメイル』の艦橋から、波動砲を浴びたヴァアキスEATが粉々に砕け散る様を見つめながら、我知らずそう呟いていた。
 イシュメイルのモニターには、波動砲形態から再び人型形態へと変形していくP1の姿が映っている。
「……だが、惑星ロボ量産の暁には、未踏宙域の探索は加速度的に進むことだろう。そうすれば、我らの夢たる居住可能な惑星の発見もまた、夢ではないかもしれぬ」
 それがエイハブ艦長の生きている間に実現できるのか、それとも遥か未来のことになるのかは、まだ想像もつかないが。
「とはいえ、ひとまずは我らがP1と、猟兵達の帰還を迎え入れるとしよう」
 そうしてエイハブ艦長は、限界を超えて戦ってきた英雄達を出迎えるべく、準備を開始したのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​


●驚異のクエーサービースト
 ヴァキアスEATを撃破した惑星ロボ『P1』は、満身創痍のその巨体を反転させ、スペースシップ『イシュメイル』へと帰還すべく、ゆっくりと移動を開始した。
 だがその時。
『VAAAAAAAAAAAAA……』
 宇宙空間に、不気味な唸り声が響き渡った。
 その声に振り返った惑星ロボ『P1』が捉えたのは、バラバラに砕け散ったはずのヴァキアスEATの破片が、互いの肉片を喰らい合いながら、徐々に再び合身し元の姿に戻っていく姿だった。大きさこそ先程までの巨大さではなく、むしろP1よりも一回り小さいサイズだが、その分以前より機動性を増したヴァキアスEATは、後退途中のP1へと、敢然と襲い掛かっていったのだった。
リューイン・ランサード
恐ろしい再生能力ですね。
ならば全てを消滅させるまで。

全身のスラスターを使い、残された性能を駆使して、【空中戦】能力による機敏な動きを実現。
【第六感】で敵の動きを予測し、移動砲台による【一斉発射・スナイパー】で敵に接近されないよう牽制し、敵の攻撃を【見切って】ビームシールドの出力最大で【盾受け】しつつ、【シールドバッシュ】で【カウンター】して、UC発動の時間を稼ぐ。

UC発動により生じた『創世の光』を剣の形に束ね、【光の属性攻撃】で更に強化して、【2回攻撃】を繰り返して、敵の全てを光に還元する。
「残された力全てを振り絞って、ここで貴方を倒す!」と、逃げを封じて勝つまで戦い抜きます!



●全てを照らすは創世の光
「バラバラになっても復活するなんて、恐ろしい再生能力ですね」
 後退時にコクピットにいたのは、ヴァアキスEATとはまだ戦っていなかったリューイン・ランサード(竜の雛・f13950)だった。
 リューインは惑星ロボ『P1』を反転させてヴァアキスEATと相対させると、全身のスラスターを限界まで駆使して辛うじてヴァアキスEATの突撃を回避する。
 だが、小柄になった分身軽になったヴァアキスEATは、水中を泳ぐ魚のように無駄のない動きで方向を転換し、再びP1目掛けて襲い掛かってきた。
 リューインはその動きをP1のセンサーが捉えるよりも速く直感をもって予期し、全ての移動砲台をヴァアキスEATに向けると、一斉にビームを放ちヴァアキスEATを牽制する。そしてヴァアキスEATがひるむ間に、P1に装着されていたミサイルポッドと使い切ったエネルギーパックをパージしていった。今のヴァアキスEATのスピードに対処するには、こちらも少しでも身軽になる必要がある。
「生半可なダメージではまた再生してしまう……ならば全てを消滅させるまで」
 三度突っ込んできたヴァアキスEATを、最大出力で広域展開したビームシールドで受け止めたP1は、スラスターを吹かせて逆にヴァアキスEATを押し返していった。ヴァアキスEATが小柄になった分、機動性では負けていてもパワーではP1の方が上だ。
 シールドを前面に掲げて、タックルするようにP1がぶつかっていけば、ヴァアキスEATの蛇のような巨体が、力負けしたように後方に吹き飛ばされていく。
 そうして稼いだわずかな時間に、リューインはユーベルコード【オリジナル・ライト】を発動させた。
「始原の元素と光の剣よ、今此処に一つとなり、全てを光に帰す創世の光として降臨せよ!」
 リューインがコクピットの中でエーテルソードと流水剣を重ね合わせれば、そこから発した光が思念兵器『マインド』の力で増幅され、P1の装備する実体剣を瞬く間に包み込んでいった。創世の光に包まれた実体剣は、今や本来の刀身の二倍以上の光の刃を持つ光の剣へと姿を変えていた。
「残された力全てを振り絞って、ここで貴方を倒す!」
 他の猟兵は皆全力を使い果たし、これ以上の連戦はできそうにない。そしてスペースシップ『イシュメイル』の装備では、ヴァアキスEATを撃破するのは不可能だろう。今ここで戦えるのは、もはやリューインただ一人。どれだけ疲弊しどれだけ傷つこうとも、撤退は許されない。
 リューインは怯える心と震える体に活を入れて自身を奮い立たせると、P1に光の剣を電光石火の速度で振るわせた。
『VAAAAAAAAAAAAA!!』
 直撃を受けたヴァアキスEATの奇怪な絶叫が、宇宙空間に轟く。見れば、光の剣に切り裂かれた傷口から光が発し、ヴァアキスEATの全身に広がらんとしていた。
「貴方の全てを、光に還元します!!」
 そこへ、とどめとばかりに光の剣を構えたP1が飛び込んでいく。ヴァアキスEATは咄嗟にその巨大な口を開き光の剣を飲み込もうとするが、
『VAAAAAAAAAAAAA…………!!!!』
 ヴァアキスEATの口内に突き立った光の剣はその瞬間創世の光に還元され、体内からヴァアキスEATの細胞の一つ一つを灼き尽くしていく。
 眩いばかりの光が宇宙空間を恒星のように照らし出し、ヴァアキスEATを飲み込んでいった。そしてその光が消えた時、ヴァアキスEATは跡形も残さず、今度こそ完全に消滅していたのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2020年07月24日


挿絵イラスト