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壮絶!サバイバルバーベキュー!

#アックス&ウィザーズ

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#アックス&ウィザーズ


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「美味しそう……」
 集まった猟兵たちをよそに、アックス&ウィザーズのとある街が発行しているグルメ情報紙を見ながら瞳を輝かせる柊木・ましろ(ミューズの描く奇跡・f03701)。

「ましろね、良いこと思いついちゃったんだー」
 ようやく猟兵たちへ意識を向けたましろは、情報紙を広げたまま台の上に置いた。ちなみに今回の特集はゲテモノ料理。
 現時点で既に嫌な予感がしている猟兵たちも居ただろう。何せ彼女は平気な顔してバレンタインにカレールーを渡そうと画策する女である。しかしにこにこと表情だけで笑ってみせる彼女の視線が、それを逃がさない。

「あのね、アックス&ウィザーズで、ワイバーンが暴れ回って、周りに住んでる人たちが困ってるみたいなの」
 いつの間にか広げていた地図の、平地になっている部分をとんとんと指で叩く。一見周りに人は住んでいなさそうな場所だ。だが、そこは街と街を繋ぐ大事な貿易ルートであり、ここを潰されると、険しい山を越えるか大きく迂回して行かなければならなくなってしまう。そしてこの広大な平地を、脅威だけを避けて通れないもうひとつの理由が。

「ワイバーンってほら、ぐわーってして、どーんってやるでしょ?」
 大雑把に身振り手振りで説明するましろ。おそらく火炎や爆風のことを言いたいのだろう。

「いろいろ燃えちゃった後に、その炎を食べるために炎の精霊が集まってくるみたいでね。もうそれが増えちゃって増えちゃって、ここら一帯は危険地帯ってわけなの」
 分布と活動範囲を円で書き記すと、確かに平地を丸々潰してしまった。これでは通れるはずもない。

「だからね、この炎の精霊とワイバーンを倒して、街の人たちの悩みを解消してあげてほしいの」
 ぐっと拳を握るましろに、意外とまともな話だったと安心した者は、次の瞬間に後悔することになるだろう。

「ついでにこれなんだけど」
 にこにこと新聞のように広げて見せたのは、先程読んでいたグルメ情報紙。次号の特集は、バーベキューレシピと書かれている。

「ワイバーンのお肉って、美味しそうだと思わない?」
 ぎょっとした。

「いやー、ラッキーだよね。まさか火種もお肉も現地調達出来るんだから」
 その発想はあまり理解できそうに無かったが、ともかくオブリビオンを倒すという任務に変わりは無い。後の事はまあ――なんとかなるだろう。

「今度の一面は、ましろたちが独占だね!それじゃあよろしく♪」


朝霞
 皆様はじめまして、新人マスターの朝霞です。
 今回の目的は、炎の精霊を倒してワイバーンへの道を拓き、討伐することです。炎の精霊は殲滅しなくても、ワイバーンを討伐すると食料の「熱」が無くなるため自然に居なくなります。
 シリアスな描写はあまり行いませんが、無駄にシリアスなシーンはあるかもしれません。戦闘時の判定は少し緩めで行います。
 幸い上最寄りの街では、情報紙の取材のためのバーベキューフェスを行っているようです。きっと任務を達成すると、感謝の標として無償で招待してくれることでしょう。
 ちなみに食材や火種を現地調達しても構いません。炎の精霊を使役すれば、大火力によりワイバーンの肉を豪快に調理することが出来ます。
 バーベキュー時、ましろは何処かに居ます。声が掛かることがあれば、喜んで来てくれるでしょう。

 それでは皆様のプレイング、心よりお待ちしております。
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第1章 集団戦 『炎の精霊』

POW   :    炎の身体
【燃え盛る身体】が命中した対象にダメージを与えるが、外れても地形【に炎の傷跡が刻まれ】、その上に立つ自身の戦闘力を高める。
SPD   :    空駆け
空中をレベル回まで蹴ってジャンプできる。
WIZ   :    火喰い
予め【炎や高熱を吸収する】事で、その時間に応じて戦闘力を増強する。ただし動きが見破られやすくなる為当てにくい。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 現地は既に炎の精霊がうろついているようだ。その向こう側には、ワイバーンが鎮座している。まだ此方に気付いた様子はない。
 さあ、ヒエラルキーの上位がどちらなのか、教え込んでやるとしよう。
犬上・爪牙
ゲテモノ料理……想像よりマイルドでしたね。スライム丼や触手焼きなどかとごっほん(咳払い
ともあれ肉は焼けば、大体食べられるものです
トカゲ肉など確かに美味しそうですね(貧民街出身感覚
平和を取り戻し美味しく頂ける、一石二鳥です

大地を焼くというならば、その炎。敢えてこの身で受けましょう(円盾構え
【トリニティ・エンハンス】の水の魔力で防御力を高め、火炎耐性と激痛耐性にて耐えます
燃えてない場所を『地形の利用』し、精霊の戦力を高めぬよう誘導を

精霊とて獣と大体同じです。多分
火力ダウンしそうな水の属性攻撃は敢えて封じ、殺気と『恐怖を与える』で力を証明し、ひと時屈服させましょう

※真面目天然ボケ。アドリブ&ネタ歓迎


アポリー・ウィートフィールド
ワイバーンの実食!いわゆる物語に記されるような竜種の捕食という行為にはある種の男の浪漫があると言えよう。非常に興味深い。我はこの話、乗ったぞ。
先ずはワイバーンへの道のりを作らねばならぬ。対多数戦には我がユーベルコード、【貪食の黒き靄】の出番だ。
精霊が食べようとする炎そのもの、そして燃料となる周囲の植物、更には酸素までも喰らわせることで、精霊が興味を示さぬ荒野の道筋を作るのだ。精霊の殲滅が必要ないというのなら、精霊そのものへの攻撃は、向こうから襲ってきてからでもよかろう。




 ゲテモノ料理。それは、限界まで触れるべきでないパンドラの匣。スライム丼や触手焼きなど意味不明な料理を思い返しながら、犬上・爪牙(人狼のパラディン・f06689)は、彼方に佇むワイバーンを見据えた。
 スライム丼はちょっとよく分からないが、触手とてイカやタコだと思えばイケないこともない。ということは、あからさまに肉であるワイバーンが食べられない道理は無い。いや寧ろ貧民街出身の感覚からすると、十二分にご馳走の域である。

「我はこの話、乗ったぞ」

 何処から聞こえたイケボの正体は、イナゴ顔のアポリー・ウィートフィールド(暴食のイナゴ男・f03529)だった。断じて明言しておくが、イナゴの佃煮はゲテモノ料理ではない。
 ドラゴンとワイバーンの違いは腕が有るか無いかだと言われているが、然りとて無腕の有翼種ワイバーンも立派な龍族。それを食すとなると、溢れる浪漫に自然と心も踊るものだ。まあワイバーンもまさかイナゴに食われる日が来るとは想像もするまい。

「平和を取り戻し美味しく頂ける。一石二鳥です」

 頷き合う二人だったが、先ずはその前に炎の精霊を減らして、ワイバーンの元へ辿り着かなくてはならない。爪牙は狼の紋章が刻まれた円盾を構える。
 二人の作戦は、大筋では一致していた。相手が無害ならば手を出さない。しかし相手もオブリビオン、猟兵たちを見て黙っているわけではない。
 一歩踏み出した彼らに、炎を体現したその身体が襲い掛かる。

「大地を焼くというならば、その炎。敢えてこの身で受けましょう」

 僅かに青く発光する水の魔力。トリニティ・エンハンスで防御力を強化した爪牙が、襲い来る炎の精霊を受け止めた。その背後では。

「我の忌むべき欲望の片鱗、今解き放たん!《貪食の黒き靄》!」

 アポリーから放たれた、なんとも形容し難い異形の蟲群。あまりバーベキューの前には見たくない蟲たちが、第一波に続いて仕掛けてこようとしていた精霊を、炎を、果ては酸素まで貪り、ちょっとお茶の間には見せられない姿へと変えていく。
 思わず二度見する炎の精霊。唖然としたままゆっくりと振り返り、再度噛み付いた盾の向こう側を――。

「―――」

 見れなかった。盾の向こう側に潜むその殺意を、野生動物よりも優れた危機察知能力が察してしまったのだ。
 こいつらに逆らったらヤベーぞ、と。

「向こうが襲って来んのなら、攻撃の必要もなかろう」

 ついでのように燃えそうなものを蟲に喰わせながら、アポリーは借りてきた猫のようになった精霊たちを一瞥する。しょんぼりして下がり眉みたいになった精霊は可愛かった。
 大海を割るように、敵陣のど真ん中を闊歩する二人。
 蜥蜴肉への進軍は、続く。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

御狐・稲見之守
ほう、あの翼竜を喰うのか。面白い。まあ蛇とか蜥蜴の類なれば喰えんことはなかろ。

【wiz】荒魂顕現、それでは翼竜を焼くのに使う精霊以外は消化してしまうか。水克火なれば来たれ水の大嵐……まるで上からバケツをひっくり返したように水を降らせてやろうゾ。だばあ。火事はおっかないからの、火の用心じゃ。

あ、良い子のみんなはお外でバーベキューする時、火にはじゅーぶん気を付けるじゃよ。きつねさんとの約束じゃ。


ユーザリア・シン
【WIZ】ユベコで踊りながら歩いて来るぞ。なにせ柊木が言うには街でバーベキューフェスがあるらしいゆえな、妾たちの期待もうなぎ登り。ワイバーンを狩って気持ちよく汗を流し、肉を食おうではないか。
その前に炎であるな。なるほど妾たちの情熱と張り合うと言うわけか。よかろう、そなたらに恨みはないが斯様に燃え盛っていてはこちらも街道を封鎖するワイバーンへの正しき怒りとか、そういう善なるあれを掲げて踊らねばならんな。
さあどちらが勝つか、踊って勝負だ。




 情熱は赤く燃えていた。いや情熱かは知らないが比喩とかじゃなくて本当に燃えていた。草木が、地面が炎を上げ、それを喰らうべく精霊たちが群れる。
 ワイバーンの前座としては十分ともいえる数を前に踊るユーザリア・シン(伽藍の女王・f03153)の、豪快に揺れるソレを、御狐・稲見之守(お稲見さん・f00307)はただじっと眺めていた。そして見なかったことにした。

「ワイバーンを狩って気持ちよく汗を流し、肉を食おうではないか」
「まあ蛇とか蜥蜴の類なれば喰えんことはなかろ」

 のんびり言葉を交わす二人。
 餌を喰らうのに夢中になっているのか、その存在感に逆にどうしたらいいか困惑しているのか、精霊は未だこちらを向かない。
 と、突然その中の一匹が一定のリズムで尻尾を振り始めた。次第に前足で、全身で、体を揺らしてリズムを刻み始める。事態は呑み込めなかったが、取り敢えず周りの精霊たちは少し引いていた。

「踊っているのでないのなら、踊らされているのだろうよ――」

 ユーザリアの言葉を理解していたかは定かではないが、思わずハッとした精霊。気付いた時には、彼女に負けじと激しいダンスを踊っていた。ちょっと上手いのがなんか腹立つ。

「なるほど妾たちの情熱と張り合うと言うわけか。さあどちらが勝つか、踊って勝負だ」

 多分そういうことではないだろうが、ユーザリアの芸術性に晒され続けた炎の精霊は、やがて踊り疲れて事切れた。
 街道を封鎖するワイバーンへの正しき怒りとか、そういう善なるあれの勝利だ。正義は勝つのである。
 そんな中、芸術性という言葉の意味がだんだん分からなくなりつつあった稲見之守は、コミュニケーションを諦めるべきか真剣に悩んでいた。とは言えいつまでも遊んでいるわけにはいかない。よく見ると左右で色の違う瞳が、残っていた精霊たちを捉えた。

「我成す一切神事也、天裂き地割る神業畏み畏み奉願祈るべし――」

 紡がれる詞。合わせて、まるで雨が降る前のようなじめじめとした空気が立ち込める。

「水克火なれば来たれ水の大嵐!」

 まるでシンクにひっくり返したカップ焼きそば……もといバケツの水をひっくり返したように、精霊たちの上空から大量の水が降り注いだ。だばあ。
 さすがに精霊といえど体が炎で構成されているならば、これだけ大量の水を被ればひとたまりもないだろう。

「火事はおっかないからの、火の用心じゃ」

 消火されていく炎の精霊たち。猫は水に濡れると驚くほど細くなるが、炎の精霊たちは水に濡れると細くなるというより消えた。最小限生かされた精霊は、湿度が上がったことで火が消えた木の陰で、目立たないように小さくなっていた。

「柊木が言うには街でバーベキューフェスがあるらしいゆえな、妾の期待もうなぎ登りだ」

 随分と近づいてきたワイバーン。そろそろ気付かれる頃だろうか。二人は期待や好奇心を隠そうともせず歩みを進める。
 ふと、稲見之守が後ろを振り返った。

「あ、良い子のみんなはお外でバーベキューする時、火にはじゅーぶん気を付けるじゃよ。きつねさんとの約束じゃ」

 神様の言うとおりである。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

松苗・知子
心情:
ワイバーンのBBQは私も食べてみたいわね!ドラゴンね!ドラゴンステーキね!ドラステね!
でも、火種に精霊を使うのは、流石に危ないんじゃないかしら……。やっつけるけど。


行動:
っても、あたしの主力武器って狐火と符(紙製)なのよね。驚きの相性の悪さ。
しょうがないので、バイクで蹴散らすのだわ。
ゴッドスピードライドで宇宙ビックスターターを変形させて、体を耐熱服っぽい感じで覆いつつ、特殊警棒を振り回しつつ突っ込むのよ。
結構なスピードを出したうえで、蛇行しながら走り抜けて広い範囲の政令を薙ぎ払うのよう。【騎乗4】を全力で活かしていくわ。

さあさあ!道を開けなさーい!【騎乗】持ち舐めてんじゃないのよ!


ムルヘルベル・アーキロギア
……ワイヴァーンには強烈な毒があったはずなのであるが、誰ぞ下処理の仕方は知っているのであろうか……?
何もかも不安だが、まあとりあえずオブリビオンを叩きのめすことだけは変わるまい

むしろワガハイ、こいつらを食ってみたいのであるな!
ほらワガハイ、クリスタリアンで
であるし?
魔力を取り込めば体内の珪素細胞が励起するようになっているゆえ、この精霊のような霊体は……じゅるり
ようし! 【ガジェット・ショータイム】で掃除機型のガジェットを精製し捕獲にチャレンジである!
調理法とかはよくわからぬが吹き飛ばすのはもったいない!
ワガハイの欲のために死ねぇ!!




 広野、いや、燃え盛る広野はもはや荒野と呼んでも差し支えないだろうか。その中を駆ける二つの影。鳴り響くのは重低音か振動音か。
 片や耐熱服に身を包み、ビッグスクーターを蛇行させながら特殊警棒を振り回す暴走族……もとい松苗・知子(天翔けるお狐・f07978)。片やビッグスクーターと同じくらいの速度でダッシュする乳白色の塊、クリスタリアンのムルヘルベル・アーキロギア(宝石賢者・f09868)。

「ワイバーンのBBQは私も食べてみたいわね。でも、火種に精霊を使うのは、流石に危ないんじゃないかしら……」

 どの口が危ないと吐かしているのか分からないが、知子は炎に晒されながらもまた一匹精霊を殴り倒した。

「むしろワガハイ、こいつらを食ってみたいのであるな!」

 なかなかの速度で走りつつも器用に掃除機型のガジェットで精霊を吸い込みながら、ムルヘルベルは興奮気味に続ける。

「ほらワガハイ、クリスタリアンでであるし?魔力を取り込めば体内の珪素細胞が励起するようになっているゆえ、この精霊のような霊体は……じゅるり」

 知子は聞かなかったことにした。

「ところで……ワイヴァーンには強烈な毒があったはずなのであるが、誰ぞ下処理の仕方は知っているのであろうか……?」

 知子は聞かなかったことに――。

「出来るわけないのだわ!?」

 急激に不安になりながらも、二人は疾走する。後ろから精霊が追ってこないのは、おそらく餌である熱を貪っているからだろう。増えすぎた炎の精霊たちは、少ない餌を日夜奪い合い生活しているのだ。いつの世も世知辛い。
 そんな精霊事情は置いておくとして、やがて迫る翼竜の巨影。少し離れた位置からでも熱気を感じる。周囲にはそれを求めて、精霊たちが集まっていた。
 ここを抜ければ、あとはワイバーンを倒すだけだ。辺りを確認すると、他の猟兵たちもそれぞれの方向から向かって来ているのが見えた。

「さあさあ!道を開けなさーい!」
「ワガハイの欲のために死ねぇ!!」

 やはりどう見ても一番ガラの悪い二人は、最後の防衛網を打ち破ることに成功した。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​




第2章 ボス戦 『ワイバーン』

POW   :    ワイバーンダイブ
【急降下からの爪の一撃】が命中した対象に対し、高威力高命中の【毒を帯びた尾による突き刺し】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
SPD   :    飛竜の知恵
【自分の眼下にいる】対象の攻撃を予想し、回避する。
WIZ   :    ワイバーンブラスト
【急降下】から【咆哮と共に衝撃波】を放ち、【爆風】により対象の動きを一時的に封じる。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。



 迫りくる炎の精霊たちを打ち破り、ようやく辿り着いた翼竜の下。
 場を支配するような熱気が、猟兵たちの肌を撫でる。流石にここまで来れば、相手も気付くだろう。
 赤い鱗に覆われた巨躯が、ゆっくりと動き出す。
 さあ、その激しい咆哮が開戦の狼煙だ――!
犬上・爪牙
手羽先付きのトカゲ肉ですね、尻尾辺りに毒があるので気を付けませんと
毒袋を傷つけて肉を毒化させたら可食部位が減ってしまいます(既に完全に食材として見て

急降下攻撃時に【魔狼覚醒】にて完全狼化し、爪の一撃を回避しましょう
躱し切れず尾の追撃も受けた場合は、漆黒の体毛を鎧として防ぎ、毒耐性と激痛耐性で凌ぎます
低空飛行時には地形の利用し、木々や岩を足場に駆けて食らいつきます
鱗だの角だのは食べられませんし、今削ぎ落しても構いませんよね?(爪を突き立てがりがり

味方への攻撃は野生の勘を頼りに察知してこの身を盾にして守り
痛みは耐えて鼓舞の咆哮をあげます

大丈夫、すぐに美味しく料理してあげますね(にっこり恐怖を与える


ユーザリア・シン
ここまで来て気づいたのだが、もしやワイバーンの肉はゲテモノ扱いなのかの?
まあ肉であるのだから美味かろう。だって肉であるのだからな。肉というだけでもはや至高の料理と言えようぞ。
さて。
【WIZ】でユベコをもちい、味方を鼓舞しようかの。
では祭りに奉じる供物を射落とそうではないか、猟兵たちよ。
もちろんあるいは、妾たちこそが竜に捧げられる血肉となるやもしれぬ。
されど我らにはここに立つ勇気と、ひたむきな食欲と、意を共にする戦友がある。なれば射落とす事も容易かろうぞ。

妾もぼんやりと見物しておるだけでは危ういかの。爪や尾を【武器受け】で受け流すぐらいはできるかの。無理かの。切った張ったは任せて逃げるかの。


アポリー・ウィートフィールド
ワイバーン……さて、空を飛ぶ相手というのは不慣れなものだな……貪食の黒き靄ならば地上から狙い撃つこともできようが、下手をすれば可食部が減ってしまう……できるだけ無事な状態で息の根を止めたいところだ。
グルメツール『ブラックジャック』を投擲して注意を引き、急降下攻撃に合わせてすれ違うようにジャンプし、【大刹断の白銀の腕】で翼を切り裂く!これで飛行能力を削ぐことができれば有利になるはずだ。
最悪、我は毒にいくらかの抵抗力がある。尾の一撃を受けても持ちこたえられよう。


ムルヘルベル・アーキロギア
やっぱり毒針あるではないか!?
本当に大丈夫なのであろうか……まあ、倒してから考えればよいか
さて、同じ種類の翼竜とはかつて相対した経験がある
その頃の知識を活かしたうえで、彼奴が急降下を仕掛けるタイミングに合わせて【553ページの悪魔】を使用
彼奴の攻撃を防ぎ、そこにあわせて攻撃を仕掛けるよう仲間に呼びかけよう
いわばワガハイの〈学習力〉の賜物であるな!
食い意地の張った猟兵がおるようなら叱りつけねばな、食べるのはこのあとゆえ!
……まさかとは思うが、生のワイヴァーンにそのままかじりつくような輩はおらぬであろうな……?


御狐・稲見之守
ワイバーン、手羽先がよいな。めっちゃ胡椒きかせたやつ。尾張国は山氏だか風来坊だかが供する手羽先が美味くてのう。さて真の姿となって彼奴の相手をしよう。

[WIZ]炎の精霊残っとるんであろう。荒魂顕現、炎の「虎ヶ雨」、炎と炎の精霊を彼奴に突っ込ませるぞ。そら、精霊よ働け。あん、めっちゃ嫌がってるように見えるがさて? なに、水浴びしたいか? よーしよし素直な子は好きであるぞ。

……ふむ、精霊か。精の御霊なれば喰えなくもない、な。いやなんでもない、此方の話である。さあお見舞いするぞ。


松苗・知子
心情?
毒抜き。毒ヌキをしなければならないわ。
幸い、爪牙によればしっぽさえ落とせば何とかなる雰囲気があるらしいから、しっぽは必ず、仕留める前に切り落としたうえで毒が翼竜の全身に回るのを防ぐのだわ、

敗北の危険?このあたしたちにあるはずないのだわ!

行動:
【破魔】を乗せたフォックスファイアで敵をあぶるのだわ。
2個にまとめたフォックスファイアを宙に浮かべて、相手の翼の根元を「狙ってあぶるのだわよ、
ほーれほれ!いかに頑丈でも熱いもんは熱いでしょ!いい感じにローストしてあげるわ!
って感じで挑発するから、近接組!なんとか尻尾落としてちょうだい!

ついでに、破魔の効果で毒が抜けてもいいんじゃ似ないかしら!かしら!




「もしやワイバーンの肉はゲテモノ扱いなのか?」

 大地を揺るがすような咆哮と共に飛んできた、唾液のような液体を拭いながら、ユーザリア・シン(伽藍の女王・f03153)は首をかしげた。
 食したことの無い者からすると、確かにどういったものかよく分からない。しかし肉だ。紛う事なき肉だ。

「そんな事はありません、立派な手羽先付きのトカゲ肉です」
「手羽先。うむ、手羽先がよいな」

 犬上・爪牙(人狼のパラディン・f06689)も、いつの間にか真の姿を解放してロリBBAから大人のお姉さんになっていた御狐・稲見之守(お稲見さん・f00307)も、ちゃんとそう言ってる。

「ただ、毒袋を傷つけて肉を毒化させたら可食部位が減ってしまいます。尻尾辺りにあるので気を付けませんと」
「やっぱり毒針あるではないか!?」
「つまり毒抜き。毒ヌキをすれば問題ないわね」

 ムルヘルベル・アーキロギア(宝石賢者・f09868)と松苗・知子(天翔けるお狐・f07978)を傍目に見ながら、すっと目を細める爪牙。思わず威嚇で咆哮をあげていたワイバーンもたじろぐ。生きるために喰う、正しい捕食者の姿がそこにはあった。

「大丈夫、すぐに美味しく料理してあげますね」

 自然と口角が上がる。最早どちらが悪者か分かったものではないが、食物連鎖とは得てしてそういうものである。弱い方が悪いのだ。恐怖を振り払うように舞い上がった翼竜を、ユーザリアは見つめていた。

「料理されるのは、妾たちの方やも知れぬぞ?」
「心配はいらん。それよりも、出来るだけ無事な状態で息の根を止めたいところだ」

 如何に可食部を残すか考えながら、アポリー・ウィートフィールド(暴食のイナゴ男・f03529)は、黒光りする金属のナイフとフォークを構える。可能なのか、余裕があるのか、という問いは愚問であった。

「確かに。我らにはここに立つ勇気と、ひたむきな食欲と、意を共にする戦友がある。なれば恐れるな、友よ――!」

 彼女の号令と共に、猟兵たちは力が湧いてくるのを感じる。
 とかく彼奴の末路は決まった。繰り返す。弱い方が悪いのだ。



 飛翔したワイバーンの巨体が、天頂でぐるぐると弧を描く。まるで、上空から獲物を狙う鳥のように、地上をぎょろりと睨みつける。実際狙われているのが自分自身であるとは知る由もないだろうが、その瞳がまず捉えたのは。

『――――!!』

 驚くほどの速度で接近する黒い物体。鳥だ!飛行機だ!いや、ブラックジャックだ!
 アポリーの投擲したブラックジャックの片割れ、黒い超重ナイフがワイバーンの横を通り過ぎていく。一応記しておくと距離は大体上空に100mほど。UDC的な建物に換算すると、25~30階建てに匹敵する高さである。
 元々狙って投げられたものではなかったが、当たらなかったそれを見て相手の技量を推し量り違えた翼竜は、狙いを定めて一気に降下を開始する。100mの高さから自由落下を始めた物体が地上に到達するまでの時間は約4.5秒。それに翼で加速をつけると、人間には反応できる速度でなくなるだろう。

「禁書「応報論概説」に曰く、"ヒトは自ら復讐するに能わず。ただ魔の威に任せよ"とある。さあ、いざや来たりて報え、復讐するは汝なり!」
「我が手に宿る銀の刃が全てを捌かん!《大刹断の白銀の腕》!」
「狂える人狼の血、我が誇りをもって御しましょう」

 ――それが通常ならば、の話だが。
 直後、伸ばした脚から地面へ衝突する勢いで突撃したワイバーン。激しい衝撃と、遅れて破砕音が周囲に伝播する。立ち込める土煙。
 確実に相手を捉えたと思っていたワイバーンの脚は、異なる空間、禁書より呼び出された魔人の腕に逆に捕らえられていた。だがそれを認識するよりも早く、大刹断の白銀の腕が翼膜を切裂いた。同時に飛び出した漆黒の狼が、飛び散る岩片を足場に不規則に跳び回る。

「鱗だの角だのは食べられませんし、今削ぎ落しても構いませんよね?」

 魔狼覚醒にて完全な狼の姿へと変貌した爪牙が、竜の鱗の間隙へ爪を立てる。そこから思い切り力を込めて、一気に引き剥いだ。ちなみに余談だが、鯛など硬い鱗を持った魚は、スプーンなどを使うと飛び散らさず綺麗に鱗を剥がすことが出来る。覚えておくと何かと便利だ。

「ほーれほれ!いかに頑丈でも熱いもんは熱いでしょ!いい感じにローストしてあげるわ!」

 絞められる前の鶏のようになった翼竜が、知子の狐火で手羽元を炙られる。鱗は硬く熱にも強いが、内側は決まって無防備なものである。如何にワイバーンといえども、直接じりじりと焦がされるのは堪らない。なんとか暴れて逃げ出そうとするも、翼膜を裂かれた翼はもはや邪魔以外の何でもない。

「我成す一切神事也、天裂き地割る神業畏み畏み奉願祈るべし――」

 その間に練り上げられた神の御業。恐るべき業火が稲見之守に集約する。

「さて――炎の精霊、残っとるんであろう」

 ちら、と視線を向けられた、岩陰に隠れていた炎の精霊がこの世の終わりみたいな顔をする。なんとなく察したのだろう。案の定綺麗な細い指がワイバーンを向いたのを見て、全力で首を横に振る。しかし空いた手に水の御業が溢れるのを見た途端、稲見之守の虎ヶ雨よりも先にワイバーンへと突撃する。いともたやすく行われるえげつない行為。精霊は儚くも散った。

「安心せい。手羽先にはめっちゃ胡椒きかせてやろうゾ」

 精霊による命を懸けた茶番劇が終わるころには、ワイバーンの翼と尻尾が綺麗にもがれていた。絞められる前の鶏から、天敵から逃げてきたトカゲにランクアップしたワイバーンに、炎の御業が襲い掛かる。近くにいた猟兵たちが距離を取るのと同時に、ワイバーンが激しく燃え上がった。最近流行りの炎上商法(物理)である。炎の勢いが収まる頃、ワイバーンは力なく横たわった。

「言い残した事はあるかの」
『ロリBBAからロリを取ったらただのバb』

 上空に投げていた超重ナイフが、良い感じにワイバーンの頭へと帰ってくる。
 こうして、街道を封鎖していたオブリビオンは物量と力技で捩じ伏せられた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 日常 『青空バーベキュー』

POW   :    肉だ!肉をガツガツ食べる!

SPD   :    ジュージュー焼く作業に専念しよう

WIZ   :    野菜を中心にもぐもぐ食べる

👑5
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種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。



 翼竜だった塊を載せた大きな台車が、炎の精霊たちによって引かれている。
 陽気な音楽と騒がしい声に乗せて、とても食欲をそそるいい匂いが漂ってきた。
 街はもうすぐそこだ。
 やがて彼らの存在に気付いた街の住人が、驚いた様子で周囲の人々を集める。あっという間に話は広まり、まだ街の入口だというのにも関わらず、猟兵たちは凱旋のごとく称えられた。
 しかし。しかしだ。そんなことはどうでもいい。
 開かれているのだ。
 この街で!
 バーベキューフェスが!!
 咎める者も、止める者もいない。さあ、思う存分に喰らうのだ!
ムルヘルベル・アーキロギア
やれやれ、なんやかやあったが一段落してよかったのである
ん? 肉? あー、ワガハイそこまで大食するわけではないので……
むしろのんびり本でも読んでいたいのであるが、こんな騒ぎだと無粋かもしれぬなあ
なのでぼちぼち小切れにした肉をつまみつつフェスの騒ぎを楽しむのである
もしも無理やり肉をねじ込まれたりしたらワガハイ完全にKOされそうだが、そんな無茶を働く輩はおるまい
……おらぬよな? おらぬと信じたい

おおそうそう、此度の予知をなしてくれたグリモア猟兵にも挨拶せねばな
たしか柊木・ましろと言ったか? 楽しんでいるようならば善き哉
ワイヴァーン肉、実際美味いのであろうか? 感想を聞いてみたいものである


松苗・知子
【SPD】
心情:
肉を焼いて貪り食いたい。その気持ちは、とてもとても強いわ。
でも、たぶんこの肉を美味しく食べようと思うと、マジメに焼く必要があるのよう!

行動:
ワイバーン肉を焼くわ!
「ドラゴンステーキよ!」ドラステよ!」

1:部位選択
尻尾から遠い位置の肉を使うわ。胸のあたりとか食べやすそうじゃないかしら。

2:毒抜き
できそうな人がいれば押し付けるわ!っていうか爪牙なんかできないかしら!ねえ!
無理そうなら……祈るわ。

3:下処理
1センチくらいの厚さにスライスして、隠し包丁を入れるのよ。
けっこー臭いありそうだから、胡椒とハーブをしっかり擦り込むわ。

4:焼く
炭火でがっつり焼くわ!ミディアムくらいがいいわね。


ユーザリア・シン
肉だ。POWだ。よし、踊るぞ。
肉祭りに向いてそうなものをユベコで呼び出して踊ろう。祭りであるしな。底抜けに賑やかな祭りにしようではないか。
そして肉だ。ばんばん踊ってばんばん食べてまた踊るわけであるな。ハレの無限機関であるな…。
こうして無事に肉を焼いて食えるのも、猟兵たちの力だけではない。この街に住まう人の子らが居るから、祭りというのは行えるのだ。そのように美味いこと一旦シメておいて、また肉を食うか。うむ、美味い。生であるなこれ。うむ、ダンピールであるからな。


犬上・爪牙
●SPD
知子(f07978)さん達や、ましろさんもお誘いしますね
命の恵みに感謝して誓い通り美味しく料理致しましょう
尻尾に毒があったのは明白。捌きつつ尻尾か胴体の毒袋や毒線に注意しましょう
味見兼毒見は、自ら毒耐性にて

捌いて処理した肉は、塩胡椒などで味付けを
女性好みの味と言うと些か難しいですね。僕は味より量ですから(人狼食欲
女性は沢山食べるのを気にするものでしょうか……僕は気にしませんので、お腹いっぱい食べてくださいね
食べきれなければ僕が全部食べますのでご安心を(焼く係
お二人やフェス参加の皆さんに美味しく食べて頂けると嬉しいですね(優しく振る舞い
最後まで頑張ってくれた炎の精霊にもお礼を

アドリブ歓迎


御狐・稲見之守
せっかくこの姿になったのだ。酒飲むぞ酒。運営神によりちっこいままでは酒が飲めんからの。

ん……ふはぁ、働いた後の酒はうまいの! それ肉じゃ肉じゃ、手羽先をいただこうぞ。白い飯も欲しいところであるが、まあ止むなし。

……あさて、ましろ殿? ワイバーンの肝や目玉、腹わたに心の臓もあるぞ。情報誌の一面とやらを独占するのであろ、なれば食れぽのため食べるよなあ、なあ? さあさあ遠慮されるな。さあ、さあ。


アポリー・ウィートフィールド
待望のバーベキュータイム!我は早速スマホを用意、キマイラフューチャーに帰ったら投稿する動画の撮影をしながらワイバーンの実食にかかるとしよう。
発達した筋肉から怪しげな内蔵肉まで、なるべく色々と食べていきたいところだ。何、我は毒に耐性を持つので、死にはしない。
以前の依頼で喰らったティラノサウルスとの味の違いなども意識して食べていきたいところだな。あとは、野菜もだ。アックス&ウィザーズの風土で育った野菜はもしかすると意外な違いもあるかもしれん。とにかく色々なんでも食べて、動画にまとめねば……!




 ここからは、ましろがレポートします。
 今回街を危機から救い、尚且つ食料を持参した伝説の冒険者たち、猟兵の皆さんは、このバーベキューフェスの全ての商品が無料で提供されることになりました。ついでにちゃんと報酬も出ます。太っ腹です。ちなみに討伐に参加していないましろは、きちんとお金を払っています。世知辛いです。
 まず、なんと言っても目を惹くのが、巨大なワイバーンのお肉です。今でこそ解体されて原型をとどめていませんが、なかなかに良い色をしています。今は下ごしらえをしているところでしょうか。少し覗いてみましょう。



「ドラゴンステーキよ!ドラステよ!」

 興奮でちょっと何を言っているのか分かりませんでした。
 松苗・知子(天翔けるお狐・f07978)さんは、胸肉を使うようです。幸い毒抜きをしなくても、全体に毒は回っていなかったみたいなので大丈夫でした。ちなみにサバイバルスキルの高い人が運んでくる前に血抜きもしてくれていたので、しっかり流水で洗えば独特の臭みも少なくなると思います。
 手ごろなサイズのブロックを1センチくらいの厚さにスライスし、更に隠し包丁を入れていきます。これは味を付きやすくしたり、火を通りやすくするのに大事な工程です。女子力の賜物ですね。ましろには縁のない言葉です。
 臭いはどうやら、湖沼とハーブをすり込んで誤魔化すようです。悪いことではありませんが、実は他に――。

「今すぐに提供は出来ませんが、こうすると臭いも消えますよ」

 知子さんの横で全ての部位の下処理を平行していた犬上・爪牙(人狼のパラディン・f06689)さんが取り出したのは、白い液体に浸ったお肉でした。

「あら、それは何かしら?」
「これはミルク、こっちはヨーグルトですね」

 ふたつのトレーを並べて、爪牙さんは下処理に戻ります。お肉を牛乳やヨーグルトに浸しておくと、気になる臭いを消したり抑えたりするついでに、お肉を柔らかくしてくれます。詳しい原理は調べてください。ましろには縁のないことです。

「毒腺はこちらで全て取り除きました。毒が回ってそうな部位も、毒見をしていますのでご安心ください」
「(焼いてる姿見てないけど、まさか生で食べたのかしら……)」

 何も言っていませんが、知子さんが言いたいことは何となく伝わりました。
 それではこちらの準備が整うまで、他のところも見ていきましょう。



「よし、踊るぞ」

 ユーザリア・シン(伽藍の女王・f03153)さんは、呼び出したバックダンサーの霊たちと楽しそうに踊っているようです。合間合間にお肉も食べているようです。メインのワイバーン肉はまだ出ていないので、焼きあがるのが楽しみですね。

「こうして無事に肉を焼いて食えるのも、妾たちの力だけではない。この街に住まう人の子らが居るから、祭りというのは行えるのだ」

 踊りながらも、情報紙記者のインタビューにしっかり答えます。良いことを言い終えた後に、またお肉を食べます。それは生です。でも満足そうな顔をしているので、記者の人も微妙な顔をしながら何も言いませんでした。
 ユーザリアさんのおかげもあって、お祭りは非常に盛り上がっています。みんなが笑顔です。ちょっと鼻の下を伸ばした人もいますが、それでも楽しそうです。あ、一人奥さんらしき人に耳を引っ張られていきました。……でもまあ笑顔です。
 相変わらずユーザリアさんは食べて踊っての無限ループをしています。本人も楽しそうです。きっと笑顔というのは、世界を平和にします。そんな気がしました。



「ん……ふはぁ、働いた後の酒はうまいの!」

 真の姿でなんとかいろいろ関門をクリアした御狐・稲見之守(お稲見さん・f00307)さんは、早速飲んだくれていました。アックス&ウィザーズといえばエール、というイメージが強い人も多いかと思いますが、焼酎のようなものも存在します。巨大な盃にお酒を注ぎ、ぐいぐいいきます。

「それ肉じゃ肉じゃ、手羽先をいただこうぞ!白い飯も欲しいところであるが……ん、あるのか?」

 ご安心ください、あります。でもワイバーンのお肉はまだありません。ましろは近くで売っていた手羽先を先んじて奉納しました。自腹です。
 寂しくなってきた懐具合を悲観する暇もなく、どうやらそろそろお肉の準備も整ってきたようです。次にいかなければなりません。



 ざわざわとざわめく人ごみを掻き分けると、一人スマホのカメラをセッティングするアポリー・ウィートフィールド(暴食のイナゴ男・f03529)さんがいました。どうやらキマイラフューチャーに帰った時に投稿する動画を撮影するようです。機材のセッティングが終わる頃、タイミングよくお肉の準備が終わりました。
 並べられるお肉の数々に、ちょっと見た目がアレな内臓系、カラフルなお野菜。世界には様々なものが溢れていますね。
 アポリーさんは七輪の前に腰掛けると、早速実況を始めました。七輪っていうチョイスが渋いです。

「――以前喰らったティラノサウルスとの味の違いも――」

 以 前 喰 ら っ た テ ィ ラ ノ サ ウ ル ス !

 ちらっと聞こえてきた言葉に驚愕しましたが、まあ世界は広いので良しとしましょう。
 まさしくプロのフードファイターともいえるグルメツール捌きで、数々の食材を胃の中に収めて行きます。細かな味の違いから、美味しい食べ方まで、しっかりと解説してくれる親切設計でした。



「ましろさん、こちらも焼けていますよ」

 爪牙さんたちのところへ戻ると、いきなり取り皿を渡されました。

「あ、女性は沢山食べるのを気にするものでしょうか……僕は気にしませんので、お腹いっぱい食べてくださいね」
「ドラステだわ!ドラステの完成よ!!」
「うむ、美味い」

 女性も気にしていないようです。でもましろが真っ先に頂くわけにはいきません。何故ならこれは、みんなのためのお祭りだからです。
 例えばそこで座って本を読んでいるムルヘルベル・アーキロギア(宝石賢者・f09868)さん。

「ん?肉?あー、ワガハイそこまで大食するわけではないので……」

 焼きあがった肉を更に一口サイズに切り分け、ちびちびと食べています。美味しくない訳ではなさそうですが、やはりのんびりする時間は必要ですね。喧騒から少し離れたこの場所は、静かにするにはもってこいの場所でした。

「ところで、柊木ましろと言ったか?オヌシは楽しんでおるか?」

 そんなことを聞かれました。

「楽しくなさそうに、見えちゃったかなぁ」
「いや、そういう訳ではない。ワガハイも、こんなところに居ては無粋かも知れぬなぁ」

 遠くの喧騒とましろの顔を交互に見ながら、ムルヘルベルさんは呟きます。

「これは今しがた来たばかりの、ワイヴァーン肉。実際美味いのであろうか。是非とも感想を聞かせてもらいたいものである」

 そう言ってましろのお皿に一切れのお肉を乗せます。頂いたものを返すわけにもいかないので、ましろはそれを食べることにしました。
 口に入れたとたんに広がる、湖沼と抜けるようなハーブの香り。肉汁に溶けた塩味が、ご飯にとっても合いそうでした。
 とても、とても美味しかったです。まるで、いつかママが作ってくれた料理みたいな味がしました。

「……美味いのであれば、そう泣くでない」
「うん……うん……っ!」

 ましろは泣いてなんかいません。これは汗です。ましろは目から汗が出るんです。でもちょっとだけ、そう、ちょっとだけなら。

「さあ、皆さんもどうぞ。お前たちも、よく頑張ってくれたね」

 近くでは爪牙さんや知子さんが一般の人や、最後までついて来た炎の精霊たちに、ワイバーンのお肉を配っています。そこへ毒腺近くの肉をくれとアポリーさんがやってきます。お肉を貰った人たちは、ユーザリアさんの踊りを見ながら美味しそうに食べています。

「……あさて、ましろ殿?」

 いつの間にか背後に迫っていた稲見之守さんに、ましろはがっちりホールドされました。とてもお酒臭いです。

「ここに肝や目玉、腸に心の臓もあるぞ。情報紙の一面とやらを独占するのであろ、なれば食れぽのため食べるよなあ?」

 とてもお酒臭いです!完全に酔ってやがります。

「さあさあ遠慮されるな。さあ、さあ」

 ぐいぐい押し付ける勢いでましろに押し……勢いじゃなくて本当に押し付けてきます。熱いです、熱いです!!
 助けを求めるようにムルヘルベルさんを見ますが、黙って首を横に振りました。これは明確な裏切り行為です。

「ま、まあ、食べきれなければ僕が全部食べますのでご安心を……」

 ましろはきちんと食べました。
 美味しくはなかったけど、ちょっぴり幸せの味がしたような、そんな気がしました。


 後日、新しく発行されたグルメ情報紙は。
『豪快!ワイバーン肉!!』という見出しと共に、みんなのまぶしい笑顔が一面を飾っていました。
 

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年01月28日


挿絵イラスト