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剣戟三千世界

#カクリヨファンタズム

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#カクリヨファンタズム


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●剣戟の三千世界
 朱色の鳥居が無限に連なり、桜の木々が生い茂る美しき迷宮。
 されど、その周囲はまるで古の戦場かの如く錆びて、刃こぼれして、欠けて、朽ちた刀剣たちが墓標の如く突き立っていた。
 その神祀りの戦場深奥に刃金が一つ。
 折れず、朽ちず、毀れぬ刃。
 その刃紋は夜闇の中でも怪しく、そして美しく輝き。
 そして、血に濡れていた。
 今宵も無数に朽ちた刃金たちは血を求め、血に飢える。
 刃とは、根本的に何かを斬る為にあるのだから。
 なれば、その存在意義とは正にそれ其の物であった。

●三千刀剣大神社
「イエス、イェーガー。討滅の時間です」
 アリシエル・フィフスガーディ(五天の守護機・f09139)はそのグリモアを展開すると、電子マップがホログラム投影される。
 映し出されたのは美しい朱色の鳥居が無数に連なる、桜並木の神社。
 しかし、その周辺は無数の刀剣類で埋め尽くされていた。
 そのいずれもが、朽ちた武器であり、打ち捨てられたものたちである事は容易に見て取れる。
「討滅対象であるオブリビオンが原因で発生したものです」
 この刀剣類は、その領域を拡大し、幽世を侵食、取り込んだ妖怪たちを殺傷し、オブリビオン化させている。
 そう、世界の終わりの始まりの一つであった。
「イェーガー各員には、敵性存在の撃破によってこれを食い止めてもらいます」
 次にモニターに映し出されたのは朽ちた刀剣類たちがまるで生きているかの如く浮かび上がっている様子。
 そして、取り込んだ妖怪たちを切りつけていく様である。
 だが、朽ちた刃では一刀両断といくわけもなく、それはまるで嬲り殺すかのよう。
「神社内では、このように刀剣類が自律稼働し、襲撃してきます」
 第一段階では、この刃の弾幕を突破していくことが必要となるだろう。
 紫紺の瞳がイェーガーたちを見る。
 無機質なカメラアイからは感情の色は特に見えない。
「当機は、イェーガーたちならば問題なくこの予知の打破を完遂出来ると信じています。健闘と武運を祈ります」
 感情の色のない抑揚のない声、されどそこには信頼の思いがこめられていた。


虎河豚天
 虎河豚の天ぷら、略して虎河豚天でございます。食べないで。
 刀剣剣戟世界へようこそ。
 第一段階は剣戟弾幕が降り注ぐ桜色の古戦場神社です。
 朽ち果てた剣たちの世界を切り抜けてください。
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第1章 冒険 『侵入者を一歩も進ませない程度の弾幕』

POW   :    体力で弾幕を耐え凌ぎ、まっすぐ進む

SPD   :    身軽な動きで弾幕の間隙を縫って進む

WIZ   :    弾幕のパターンを覚え、弾道を外れるルートを取って進む。

👑7
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

アナスタシア・ムスハルト
見渡す限りの剣に刀……剣山刀樹、というのかしら?
いいわねぇ、私は好きよ?
でもまぁ、一切合切がこれじゃあ、他の人が困るわねぇ

飛んでくる刃の群れを「見切って」「武器で受け」て、「致死断絶剣」で「切り込んで」行くわぁ
「鎧砕き」ができるんだもの、剣や刀だって砕けるわよぉ?

真っ直ぐ突いて来る剣を、巻き上げるようにして軌道を逸らす
回転するように薙ぎ払われる刀を、真っ向から打ち砕く
乾竹割りに落ちてくる刃を、体捌きで躱して蹴り折る

墜とす、逸らす、砕く、折る、連撃、連打、連斬
ちょっと斬られたくらいじゃ、まだまだ「元気」よ
こんなに愉しい地獄だもの、もっと遊ばなきゃ損よぉ(継戦能力)



●見渡す限りの剣山刀樹
「いいわねぇ、私は好きよ?」
 アナスタシア・ムスハルト(小さな大剣豪・f24499)は朽ちた無数の刃が突き立ち連なる桜の神社を前に笑う。
 刃金を鍛つ里に生まれながら、鍛つことよりも振るうことに才を示した少女剣士。
 故なのか、その地に突き立っている無数の刃金はそれら全てがかつて実用品であったことを見抜いていた。
「でもまぁ……一切合切これじゃあ、他の人が困るわねぇ」
 のらりくらり、とのんびりとした口調。
 アナスタシアに迫るのは、斬首の為の切っ先なき剣。
 幾人もの血を吸い、その血脂にて錆びついた刃。
 硬い骨を無理に断ってきた為にそれは幾十と言う毀れを見せていた。
 その斬首剣は、担い手もなく、少女剣士の首を刎ねる為に襲いかかってきた。
 しかし、その斬撃は、歩みを一つ止めるだけで紙一重に避けられる。
 弧を描き、再び首に迫る断罪の為の刃。
 瞬間、その手が腰の刀に伸び、甲高い音をあげ火花が散る。
「切り込んで行くわぁ」
 当たりさえすればその首を飛ばす刃金の斬撃。
 それは、全て紙一重に見切られ、受けられ、いなされていく。
 斬首剣の苦戦を見てか、古今東西あらゆる刃が浮かび上がり、殺到する。
 鎧を穿つ為に作り上げられた刺突剣は巻き上げられ、その刃先を逸らされた。
 薙ぎ払うように振るわれた歪曲した刃を持つ剣は、その小柄な体躯から繰り出されたと思えぬ斬撃によって打ち砕かれた。
 鎧を砕けるのであれば、同様の鋼で作り上げられた刃たちを砕けぬ道理などは存在しえない。
 ましてや、今この場にあるものは最早朽ちて武器としての命脈が途絶えたものたち。
 世界法則、その理外にある力、名をユーベルコード。
 それらを行使する彼女の前においては、弱点ばかりの鋼の雨でしかなかった。
 真っ向、大上段より振り下ろされた巨剣の一撃に至っては、歩法一つで完全に見切られ、かわされ、そして、その細い足から繰り出されたと思えぬ一撃の蹴りによって剣身の真ん中から砕かれた。
「まだまだ元気よ。……こんなに愉しい地獄だもの、もっと遊ばなきゃ損よぉ」
 剣山刀樹、無数の刃は驟雨の如く振り注ぎて。
 少女剣士、刃の海にてまるで踊るように、刃金を砕いて屠る。

大成功 🔵​🔵​🔵​

平坂・伊澄
振るい手のいない剣や刀が降り注ぐなんてね、剣戟乱れ飛ぶとはまさにこのことかな?
ふふ、冗談はさておき、当たれば中々に痛そうだし、ここはうまく避けながら進ませてもらおうか
手持ちの暗器を放って降り注ぐ刃を弾き飛ばすことで、軽く前面を開けつつ、速さを活かして進んでいこう(先制攻撃+弾幕)
でも、ただ直進するだけだといい的だからね、集中し、速度や進路に緩急をつける(見切り+フェイント)ことで迫る刃を抜けていくつもりさ
死角からの攻撃があったなら槍を適度に伸縮させて撃ち落として(なぎ払い+咄嗟の一撃+早業)いこうかな
止まらず、逸らず、歩を進めようじゃないか



●それは刃金の雨のように
「振るい手のいない剣や刀が降り注ぐなんてね」
 平坂・伊澄(槍持つ學徒・f27341)は驟雨の如く降り注ぐ剣戟の最中、歩法一つでそれをいなしていた。
 これぞ、正に剣戟乱れ飛ぶと言うのかな、などと冗談めかして笑ってみせる。
「ふふ、冗談はさておき」
 当たれば如何に朽ちた刃と言え、それは鋼そのものである。
 人を殺すに刃はいらず、鋼の塊で幾度と殴りつければ人は死ぬ。
 それが幾度と、幾十と、幾百と重なれば如何な猟兵とて相応のダメージとなりえる。
 伊澄は、最低最小の歩みのみで前に進んでいた。
 己に当たらぬものは完全に無視し、己にかすめるものは紙一重にかすめるだけで済ませる。
 そして、己に当たるものには――――。
 桜が舞い散る最中、一筋の鋼が放たれる。
 甲高い音をあげ、刃金と鋼が打ち合い、双方ともに火花を散らし大地に落ちる。
 それは、一本の針であった。
 しかし、まち針や裁縫などに使う針ではない。
 人一人殺めることには十二分な太さと長さを持つ暗器である。
 身体のいずこかに仕込んでいるそれを次々と放つ。
 時には地に墜ちている石すらも飛礫として放ち、刃金の弾幕を暗器の弾幕が撃ち落としていく。
 その歩みは、ただまっすぐに進むだけではなく、的を絞らせぬ緩急ある歩み。
 ただの歩法一つで、刃金の雨を無力化出来ると言うのなれば、それをせぬ道理などはあろうか?
 自身の死角より迫る刃ですらもその隠し槍の為に阻まれ撃ち落とされる。
 少女は歩き続ける。
 止まらず、逸らず、歩みを進める。
 伊澄の歩みはその雨では決して止まらない。

大成功 🔵​🔵​🔵​

フィランサ・ロセウス
まあ!刃物が乱れ飛ぶ中を進むだなんて、とっても刺激的なアトラクションね!
この先にはどんな素敵なボスが待ち受けているのかしら?
考えただけでワクワクしちゃうわ❤

クロックアップ・スピードを発動して、【残像】が生じる程に増大したスピードで攪乱
同士討ちを誘発させるのはある意味【敵を盾にする】と言えるかしら?
惑わされず向かってくる刀剣は同じく強化された反応速度でかわす、
ないし手持ちの武器で【武器受け】して弾く
防ぎきれず被弾した分はむしろご褒美♥(激痛耐性)
傷つく事は恐れずに、前に進み続けるわ!



●降り注ぐ痛みはご褒美の痛み
 フィランサ・ロセウス(危険な好意・f16445)は刃が舞い踊り、降り注ぐ光景をこう評した。
「とっても刺激的なアトラクションね!!」
 決してアトラクションではない、ここは危険極まりない戦場である。
 だが、実験によってその心を、その精神を破壊され、破損し、異常をきたした彼女にとって、ここは戦場ではないのだ。
 彼女にとって、ここは刺激的で、愉しいアトラクションでしかない。
 楽しそうに笑い、胸を踊らせているフィランサの周囲に刃が浮かび上がる。
 串刺し刑に処する為に無数の刃がフィランサに襲いかかる。
 刃金が打ち合う激しい音とパチン、と言う何かを弾く場違いな小さな音が戦場に響き渡った。
 通常なれば、このような無数の刃に貫かれた人間など、ずたずたのボロ雑巾のようになるが道理。
 しかし、そこに無惨な姿の少女の姿はなく。
 互いの刃金で互いを砕きあった無惨な朽ちた刃たち。
 では、フィランサ自身はどこにいったのか。
 互いの刃で貫きあった刃塊の前にその姿はあった。
「この先にはどんな素敵なボスが待ち受けているのかしら?」
 まるで、散歩をするかのような心地。
 あるいは、まだ見ぬ未知の土地に挑む冒険者。
 あるいは、旅行を前に夜も眠れずはしゃぐ子供のような。
 そんな期待感に胸を躍らせる少女は、何事もなく存在していた。
 また歩き出そうとするフィランサに再び刃たちが襲いかかる。
 しかし、幾度貫こうとも刃金は刃金同士食い合って打ち砕かれるのみ。
 何故、彼女を貫けぬのか、何故彼女を切り裂けぬのか。
 単純な話である――――遅いのだ。
 歩いているように見える彼女自身、それこそが虚像であり、空想であり、夢想であり、妄想である。
 その速度は最早、視認出来るものではない。
 なれば、彼女を狙った攻撃などは当たる道理は無い。
 では点攻撃によって当たらぬ敵を排除するには?
 アンサー、面制圧攻撃である。
 虚像の彼女に殺到することをやめた剣たちは、一気に戦場全体に降り注ぐ。
 されど、フィランサが加速したのはその速度だけではない。
 反応速度も増大化した彼女にとっては如何に早いと言えど、"見えている"し、"反応する"ことも出来るのだ。
 首をかしげるだけで刃を避ける。
 ここに来る前になんか拾っていたバールのようなもので刃を打ち砕く。
 自身に直撃するものはともかく、当たらぬものはそのまま放置する。
 毀れた刃が、その皮膚を裂き、鮮血が散るが、それもかすり傷。
 その傷はむしろ、彼女にとっては少々のご褒美でしかない。
 まだ見ぬ先に心を踊らせながら、フィランサは前に進み続ける。
 傷つくことは怖くないのか? だってご褒美ですもの!!

大成功 🔵​🔵​🔵​

六代目・松座衛門
もしかしたら、ヤドリガミの自分もここにたどり着くか、オブリビオンになっていたのだろうか?
まあ、今は目の前の依頼に集中だ!

人形「暁闇」で襲われている妖怪たちを【かばい】、退避の手助けをしよう。自分にくる刀剣類は、多節棍「双爪丸」で【武器受け】!
妖怪たちの退避が確認出来たら、鳥居の上等の人形を操作しやすい開けた場所から、怪しく光る刃金へ近づこう!

回避することが困難になったら、自分を中心に人形を振り回しながらUC「疾風」を発動し、迫りくる刀剣を撃ち落してやる!
こんな刃こぼれした剣じゃ、俺の操作糸は切れないぞ!

アドリブ、連携歓迎



●自分の有り得た姿
 その無数の刀剣類たちに六代目・松座衛門(とある人形操術の亡霊・f02931)は存在を重ねた。
 ここは刀剣類の墓場である。
 そう、ここに無数に飛び交うそれは"成りきれなかった"のだと。
 松座衛門は悟ったのだ。
 ここに辿り着き、そして無念に沈んでいたか。
 あるいは、ここと同じような"地獄"を作り上げていたのか。
「……今は目の前の依頼に集中だ!!」
 だが、そんな思考も感傷も今するべきことではない。
 今もなお、刃金たちは松座衛門を始末しようと向かってきているのだから。
「暁闇!!」
 その糸繰る技にて操られた戦闘用の人形が今も嬲り殺しにされようとしている妖怪たちに疾駆する。
 刃金が振りかざされると同時、暁闇はその腕を振るい弾き飛ばす。
 ぼろぼろで動けぬ子狸を暁闇は抱え込み、そして安全域にへと運び出していく。
「次!!」
 暁闇を繰り、妖怪たちを助けながら、松座衛門は己に迫る凶器を叩き落とす。
 多節棍「双爪丸」を嵐のように震えば、松座衛門を中心としたそこは暴風域かの如き猛威を振るう。
 その暴風域に巻き込まれたら最後、刀剣類は砕かれ、巻き上げられ、その尽きかけていた命脈を閉じる。
 しかし、所詮は操り人形。
 なれば、その糸を斬って落としてしまえばただの人形。
 そう考えたのか、あるいは本能なのか。
 無数の刀剣類は彼と暁闇を繋ぐその操作糸を切り裂こうと刃を振り下ろす。
 ピン、とはられた細い、細い、蜘蛛の糸のように細い糸。
 普通ならば、そんな糸と剣では勝ち目など見えている。
 しかし、今ここにあるは尋常ならざる操り糸。
 そして、尋常ではないにしろすでに命脈の尽きかけた朽ちた刃たち。
「そんな刃こぼれした剣じゃ、俺の操作糸は切れないぞ……!!」
 松座衛門の宣言の通り、その刃は操り糸を斬ることは叶わず。
 暁闇の手によりむしろその身を砕かれ、朽ちた姿にとどめを刺される。
「あれがここの本体か……?」
 遠目に見える怪しく光る刃金。
 それこそが、この地獄を作り上げた元凶。
 されど、そこを阻むものはまだ無数にも存在していた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

イデアール・モラクス
剣の世界…か。
我が真なる姿、魔剣を統べる女帝として見過ごす訳にはいかんな。

・剣爛舞踏
「剣には剣を、弾幕には弾幕を…我が至宝と魔術の前を塞ぐ事など出来ん!」
UC【魔剣帝の至宝】を『全力魔法』によるブーストで召喚される魔剣の威力を増し『属性攻撃』で《炎》を纏わせ、『高速詠唱』を用いて『制圧射撃』、同時に魔導ビットによるビーム『乱れ撃ち』を『一斉発射』する『範囲攻撃』にて降り注ぐ剣の弾幕を全て『武器受け』で相殺しながら進む。
「剣戟の音は心地良い…まるで舞踏会のようじゃないか」
万が一にも我が方の弾幕を抜かれても、手にした魔剣ドミナンスにて剣の雨を『薙ぎ払う』まで。

※アドリブ歓迎



●魔剣の女帝
「剣の世界か……」
 無数に乱立する剣山刀樹。
 正にそれは剣の世界、剣を内包した世界と言っても過言ではなかろう。
 なればこそ。
「魔剣を統べる女帝として見過ごすわけにはいかんよなぁ?」
 イデアール・モラクス(暴虐の魔女・f04845)は魔剣を統べる。
 今この場に無数に乱立せしは魔剣に"成り損ねた"ものたちばかりだ。
 ならば、そのようなものを見過ごすことも放置することも出来かねる。
「真の魔剣の姿、そしてそれを統べる頂きと言うものを見せてやろう!!」
 外套が風に波打ち大きくはためく。
 切っ先は女にめがけ放たれ、それはその胸を貫こうとした。
 しかし、刹那、甲高い音が響き渡り刃金の切っ先は砕け散る。
 女の前に会ったのは、怪しく輝きを放つ剣、すなわち魔剣、その一振り。
「剣には剣を、弾幕には弾幕を……」
 イデアールの声に呼応するように無数の魔法陣が展開される。
 それはイデアールの持つ倉庫からの転送魔法陣。
 魔法陣より無数の切っ先が現れる。
「我が至宝、我が魔術、防ぐことなどできようものかッ!!」
 刃剣驟雨、それは空より降り注ぎ、イデアールを貫こうとする。
 されど剣山刀樹、大地に無数に展開された魔法陣より放たれるは無数の魔剣。
 刃金と刃金、それが天と地より放たれ、互いにその身を食み、そして砕き合う。
 それは拮抗していたかのようにも思えるが、やがて、地より突き出したそれが押し返していく。
「至極当然の理よなぁッ!!」
 当たり前のことである。
 最早命脈は尽きた朽ちた刃。
 対するは、今もなおその力を保持し、今もなお無数の血肉を喰らい続けることが出来る魔刃。
 その差は歴然であり、素人が見立てた所で地の剣山の方が優れているのだから。
「剣戟の音が心地よい……これではまるで舞踏会のようではないか」
 剣の嵐を大地より吹き出させながらイデアールは悠々と歩む。
 それは、正に舞踏会を訪れた淑女のような歩み。
 弾かれた刃が襲いかかろうとも手にした魔剣がそれを薙ぎ払う。
 その様すら優美な舞踏のように美しかった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ダビング・レコーズ
オールレンジ攻撃への対応能力が要求される任務ですか
機動性を十分に確保出来ている当機ならば戦術上の問題はありません
戦闘システム、起動

【SPD・アドリブ連携歓迎】

航空機動性に優れたソリッドステート形態で出撃し攻撃軌道予測を開始
ブレードビットの挙動を読み取り適切な回避運動を取ります
EMフィールドも常時展開し不測の被弾を防止
進路を妨害するブレードビットのみを機体下部にガンポッドとして懸架しているセントルイスで撃ち落とします
この後のオブリビオンとの本格的交戦に備え、推進剤と弾薬の消耗を抑えつつ迅速に突破します



●戦闘システム起動
「戦闘システムを起動」
 白い鋼の出力は上昇していく。
 通常域より戦闘域(ミリタリー)にまで上昇。
 その背のブースターより青白い閃光を放ち、ダビング・レコーズ(RS01・f12341)は浮かび上がる。
「形態変形、ソリッドステートに移行」
 その身が変異し、組み替えられ、空を切り裂く刃と化す。
 ソリッドステート、それはダビングの空間戦闘形態。
 戦闘機のようなフォルムをしたその形態は機動力に優れる。
「攻撃軌道予測を開始」
 そして、彼に内蔵された電子回路が無数の剣山刀樹の軌道を予測する。
 不確定要素は多々ある。
 計算しきれない要素も多々ある。
 だが、それすらも考慮にいれ、演算することこそが戦闘兵器としての定義。
「予測完了、任務を開始」
 バーニアに炎が灯り、その身が加速する。
 自らの領域に踏み入った空の鋼を無数の刀剣が襲いかかる。
 されど、その挙動とて最早想定内であり、計算済みである。
「EMフィールド展開」
 当たることなどは万が一もない。
 だが、試行回数が増えればその万が一とて起こり得る。
 故に展開されたフィールドは、襲い来る刃を瞬時に蒸発させ無力化させる。
 自らの行路を阻む者は、ガンポッド・セントルイスから照射された荷電粒子によって焼き切られる。
「推進剤・弾薬の消費を計算」
 この後に控えるより強力な敵性存在。
 それと相対するまでは"無駄"な損失は発生させられない。
「再計算……完了」
 電脳が再度計算を完了する。
 算出するは最も消費の少ない最適なルート。
 計算は終えた。損失も想定内。
 なれば、あとは進むのみ。
 バーニアに火が灯り、白の鋼は加速する。
 それは夜闇を切り裂いて。

大成功 🔵​🔵​🔵​

田抜・ユウナ
「……ふん。この程度ならユーベルコードを使うまでもないかな」

無人の野を行くがごとくに。
刀剣の動きを《視力》で《見切り》、最低限の動きでやりすごす。
ジャンプで空中に逃れてから、飛んでくる刀剣を足場代わりに蹴る。あるいは腰のフック付きワイヤーを取って、鳥居や桜の樹なんかを利用した立体機動で躱しながら進む。

油断なく、冷静沈着に、行く手にいるであろうオブリビオンを警戒しながら

●NG
刃物の使用、過度なエロ



●無人の野を行くが如く
「……ふん」
 田抜・ユウナ(狸っていうな・f05049)は無数に浮かび上がる刀剣を前に吐き捨てる。
 この程度? ああ、そうか、この程度ならば。
「ユーベルコードを使うまでもないかな」
 驕りかの如く呟き。
 その呟きに怒りを覚えたか、無数の刀剣は嵐のように降り注いだ。
 刃が頬をかすめる。
 否、かすめるように最小限の動きで避けた。
 刃が足先に突き刺さる。
 否、歩む速度を調整して足先に刺さらせた。
 大仰な動きなどは必要ない。
 必要最低限、ただそれだけで良い。
 損耗は少ないほうがいい。ならば、大げさに避ける必要もないし、"この程度"にそこまでする必要もない。
 軽い跳躍、同時、先程までいた場所を空切る刃を踏み、蹴り折ると同時にさらに高く飛ぶ。
 即座にワイヤーフックを放つ。
 それは朱色の鳥居に絡まり、同時即座に巻き取る。
 高速の機動、無数の刃は虚空を切るばかり。
「言ったわよね。"この程度"ならって」
 その言葉は驕りでもなんでもなく。
 自身の能力と、現状を見た上で、油断もなく、ただ冷静に、沈着に。
 計算した上で算出された"事実"でしかない。
 それが現実である以上、無数の刀剣は担い手を有さぬ以上に想定外は起こり得ず。
 無人の野を行くが如く歩みのままユウナは先に待ち受けるオブリビオンの下へと歩んでいく。

大成功 🔵​🔵​🔵​

クリスティアーネ・アステローペ
【SPD】諸々歓迎
自立稼動する刀剣の弾幕、ねえ
吸血鬼にも似た技を持っているのがいたかしら
真似して似たようなコードを作ってみるのもいいわねぇ

さて、その前にまずはここを切り抜けないと
【嵐と雷】で速度を強化して《残像》を残すような急制動を繰り返して掻い潜りましょう
突破が大変そうな場所ではフランツィスカで《吹き飛ばし》て…ああ、その中から一本、貰っていきましょうか
(弾き落した刀剣の状態を《見切り》、質のよさそうなのをのを一振り拝借)
力を辿れればこの弾幕を制御している誰かへの道しるべになるかもしれないですし
朽ちているとはいえ万が一にも謂れのあるものを引いていたら面白いですし、ね


秋津洲・瑞穂
こんなお仕事を見落としていたとはー(

ともあれ出遅れたけど、神社で剣戟と言われたらね。
後から行きますでは、剣豪の狐巫女が名折れというもの。

ま、それに、わたしにとっては大した障害じゃない。
相性が良いから格段に楽だわ、先鋒にもすぐ追い付く。
狐火たちを引き連れてさっさと進むよ。

狐火最大の武器は個別に動けることであってね。
やってくる鈍らたちを片端から横殴りに飛ばしてやれば、
近付くことも出来はしない。

それでも、中には抜けるものがあるでしょう。
といって神獣刀を使うまでもないわね。
手入れ用の刀子を片手に持ち、腕を振り抜いて弾けば、
支えのない鈍らは勝手に逸れる。
わたしの剣技は鎧武者相手の技、一撃が重いわよ。



●いつものふたり
「自律稼働する刀剣の弾幕……ねぇ」
 クリスティアーネ・アステローペ(朧月の魔・f04288)は無数に浮かぶそれを睥睨する。
 その隣ではぐい、ぐい、と準備運動しているいつもの片割れがいた。
「こんなお仕事を見落としていたとはー」
「あら、瑞穂もうっかりものね」
 秋津洲・瑞穂(狐の巫女・f06230)は出遅れていた。
 ……わけでもない。なんとか追いつけた。
「後から行きます、では剣豪の狐巫女の名折れと言うものよ?」
「そういうものなのかしらね……さて、吸血鬼にも似たような技を持っているのがいた気がしたけれど」
 クリスティアーネは、はて、そんな相手とどこで相対したか、などと考えた。
 これを真似して新たな法則理外の力を作り上げるものまた一興。
 されど、それをするには。
「まずはここを突破しないと、かしら」
「ま、わたし達にとっては大した障害じゃない」
 かたや理外の吸血鬼の申し子。
 かたや剣豪なる狐巫女。
 人外の力を保有する娘と、剣理に通じた少女。
 なれば、意志の通わぬだけの剣山に負ける道理などは存在しえない。
「さて、さっさと突破してしまうわよ……瑞穂、ついてこれるかしら?」
「鬼ごっこ? 負けるつもりはないよ」
 クリスティアーネの瞳が真紅に輝き、その背に巨大な皮膜の翼が広がる。
 嵐と雷、その権能、風をまとい、雷撃を帯びた娘。
 瑞穂の周りには無数の狐火が浮かび上がり、手元には軽く握られただけの刀子。
 鎧武者相手に殴り抜く為の剣術技巧、なれば、それは即ちの処の鋼殺し。
 刀剣が降り注ぐと同時、クリスティアーネの身が加速する。
 雷鳴を響かせ、嵐を巻き上げながら、迫りくる刃を救済の刃が打ち砕く。
 鋼が砕け散る音が響き、風に巻き上げられていく。
 救済の刃たるフランツィスカ、それを打ち合い、火花を散らし逸れただけの剣があった。
「――――それなりに質が良さそうね?」
 くるくる、と巻き上げられたそれの柄に手をかける。
 暴れ狂うそれを吸血鬼の膂力でねじ伏せながら、右のフランツィスカ、左の暴れ馬が如き剣。
 舞い踊るかの如く、降り注ぐ刃をねじ伏せていく。
 その隣を剣豪少女が駆け抜ける。
 狐火たちが降り注ぐ雨の如く刃を横殴りに殴りつけて吹き飛ばしていく。
 その多くは狐火の宿した理外の熱量に焼かれ、溶けるか蒸発するか、どちらにせよ命脈は葬られた。
 されど、その数は多く、圧倒的物量によって瑞穂に迫る。
 だが、先程も言った通り、彼女の剣とは鋼殺しである。
 雑に振り抜いただけのそれは、極致に達したが故に繰り出される"雑さ"であった。
 その雑さは見る者が見れば驚異的な技術力の塊であることは容に知れる。
 されど、素人から見れば無造作に振るっただけに過ぎないそれは、迫る刃を打ち払う。
 支えもない、毀れて朽ちただけの鈍らにそれを防ぐだけの力はないし、強度もなかった。
 よってその末路は砕け散るのみ。
 娘と少女二人は、荒ぶる火炎竜巻の如く様相と化して一直線に突っ切っていったのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

防人・拓也
「ここが新世界か。妙なところだな…」
と周りを見渡す。
「幾多の剣が降り注いでくるのか。だが、それでもやることは変わらん。最短距離で一気に突っ切る。それだけだ」
と言い、迷う事なく真っ直ぐ走り、剣が降り注いできたら『ブレイブ・ソルジャー』を発現。
『アリアリアリアリアリアリアリアリアリアリ!』
とブレイブ・ソルジャーが叫びながら全方位へ拳でラッシュ攻撃し、降り注ぐ剣を砕いていく。自身は『対オブリビオン専用コンバットナイフ』で剣を弾きながらひたすら前に進む。苦戦している味方がいたら、ブレイブ・ソルジャーで援護する。
突破した時は
「いつだって勇気と覚悟ある者が、道を切り開いていくのさ」
と言う。
アドリブ・連携可



●勇気と覚悟がある者
「ここが新世界……」
 作戦領域に突入した防人・拓也(コードネーム:リーパー・f23769)。
 彼を待ち受けていたのは無数の剣の墓場。
 桜舞い散る社の古戦場であった。
「妙なところだな……」
 だが、たとえそれがいかなる場所であってもやることなどは変わらない。
 突撃してきた剣の一つをコンバットナイフで巻き上げいなし、弾き落とす。
「なるほど、こういう所か」
 どちらにせよ、やるべきなどは変わらない。
 速やかに敵戦力を制圧する、それが彼に与えられた作戦内容なのだから。
 最速で、最短で一気に突っ切る、それだけだ。
 その背の霞んだ幽霊のような靄が浮かび上がる。
 彼の相棒たるは『ブレイブ・ソルジャー』、不可視の守護霊。
 その拳が降り注ぐ刃を打ち砕く。
「真っ直ぐに突っ切るぞ――――!!」
 降り注ぐ刃は、自身を守護する相棒の拳が打ち砕く。
 ならば、それらに気を配る必要などは絶無。
 一気に進みながら、全方位にめがけ放たれる拳が『さよなら』を刃たちに告げる。
 最も、それは今生への別離にしか過ぎない。
「そう、いつだって勇気と覚悟がある者こそが、道を開くのさ」
 その道を切り開く拳が刃をまた砕く。
 男はただひたすらに真っ直ぐに。

成功 🔵​🔵​🔴​

鍋島・小百合子
WIZ重視

幽世の地に飛び交う刃は棄てられた武器達の無念か…
いずれにせよ事が終われば供養してやらねばのう

「我が勇が照らす輝きが武器達の無念を受け止めようぞ」
UC「黄金勇霊装」発動
黄金の甲冑を身に纏い勇気に比例した戦闘力を得れば飛翔能力とダッシュを用いて武器達の弾幕地帯を一点突破す
基本立ち回りは我が薙刀のなぎ払いで前方を風車の如く回しての武器受け防御
もしくは武器受けからの反撃(咄嗟の一撃、カウンター併用)で衝撃波を生じさせての吹き飛ばしを試み
甲冑を身に纏いても直撃を避け可能な限り耐えうるように善処す
回避が容易なものは先の飛翔能力と見切りを併せて回避を重視した機動を披露す



●黄金の輝きは極致の勇
「幽世の地に飛び交う刃……」
 鍋島・小百合子(朱舞の女丈夫・f04799)はその無数の剣たちを見て思う。
 その赤錆びた状態、その毀れた刃、その朽ちてゆく姿。
 そう、そこにあるそれは全て"打ち棄てられた"ものたちである。
 さぞ無念であったろう、だからこそこの剣たちは――――。
「事が終われば供養してやるからの……」
 だからこそ、今はこの場を切り抜け、これを具現させた者を打ち倒さねばならぬ。
 小百合子の勇気の輝きが、その身を包み込み、黄金の輝きとなす。
 これこそが彼女の勇なる心に呼応して、その力を際限なく増力させる黄金の異界甲冑。
 その輝きを前にすれば、勇なき者は戦わずして屈する黄金の輝き。
「征くぞ!!」
 黄金の光を纏い、小百合子が疾駆する。
 無数の刃がその走りを阻まんと殺到するが、朽ちた刃では極致の輝きを穿つどころか、傷一つつけられぬ。
 手にした薙刀を風車のように回転させれば、驟雨の如く打ち付ける刃たちは弾かれ、巻き上げられ、その身を砕く。
 黄金の鎧を纏い、その護りを以てなお、小百合子に慢心も油断もない。
 弾き返せる刃は弾き返し、打ち砕ける刃は打ち砕く。
 回避が出来るものなれば避けて、砕いて、無力化させる。
「我が勇が照らす黄金の輝き、それがそなた達の無念を受け止めようぞ……!!」
 黄金の波動が刃より放たれ、その朽ちた剣身をまた薙ぎ払い打ち砕いていく。
 飛翔と歩法、刹那の見切りと薙刀による受け刃。
 それらを駆使しながら、小百合子はこの刃の驟雨をくぐり抜けていった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

河原崎・修羅雪姫
【全世界サイボーグ連盟】で参加、アドリブ歓迎

「剣戟弾幕か。弾幕はボムで消せって昔聞いたことがあるわぁ」
 この事件に対してこう感じ、猟兵として参加します。

「体力で弾幕を耐え凌ぎ、まっすぐ進む(POW)」に挑戦します。
UC「完全戦闘形態」を使い、上半身はフルアーマーのフィギュアヘッド、下半身は巨大な空中機動ブースターと無数の火器を備えた異形の姿・空中要塞モードに変身します。
そして内蔵された拡散重粒子砲で、視界内の全ての敵性物体(弾幕)を排除しつつ飛行前進。
仲間が前進するのを援護します。
その為なら、ある程度の怪我や些細な失敗はやむを得ないものとします。


リズ・ルシーズ
【全世界サイボーグ連盟】で参加、アドリブ・連携歓迎だよ!

【SPD】

隠り世初めてきたけど……この、自律稼働する刀剣、動力ってなんなんだろ、とりあえず撃ち落とせば良いのかな?

光学【迷彩】を展開し【指定UC】を使用し、大型狙撃砲で後方から【地形を利用】し伏射して、【スナイパー】として皆の【援護射撃】だね。

皆、援護射撃だよ!死角からくる刀は任せて!

仲間の死角から襲う刀を優先的に狙いながら、【制圧射撃】を続けていくよ

刀の役目は相手を斬り伏せること、ならボク達猟兵の役目はその邪魔をすることかな


草野・千秋
【全世界サイボーグ連盟】
剣戟弾幕ですか、穏やかではないですね
無数の刃が血を求めていると聞きました
血を吸って輝く刀の伝承はUDCアースでも聞いた事あります
しかも何かを斬るためとはいえ幽世の妖怪さんを犠牲に、しかも嬲り殺しだなんて
(きゅっと目を伏せて)
いきますよ、みなさん

完全戦闘形態に変身!
UC【Judgement you only】で自身の防御率を上げますよ
勇気、激痛耐性も利用しつつ体で弾幕を耐え凌ぎ進みます
僕は皆さんの盾となりましょう
常に仲間が疲弊、負傷していないか気を払う
皆さんご無理はされていないですか?
まだまだこれから先は困難があると思います
僕ら鋼の絆でこの世界でも勝利を目指してみせる


クネウス・ウィギンシティ
【全世界サイボーグ連盟】で参加
※アドリブ&絡み歓迎
「これは……野良ですね。可哀想に」

【SPD】

●戦闘
味方が戦うのを邪魔しないように叩き落とされた野良(武器)達を拾い上げます。
「使われずに朽ちるのは流石に寂しいですよね」

「CODE:HEPHAISTOS」
此処に行くと分かった瞬間から、整備用の工具は揃えて来ました(【メカニック】)。 朽ちた刃を腕で握り、砥石で研磨し刃紋を浮かび上がらせる。刀はボロ布で血のりを拭き取り、懐紙で磨きなめす(【武器改造】)。

「無銘ですが、中々に良い武器かと」
例え手が吹き飛ぼうと脚が吹き飛ぼうとこの野良武器を立ったまま整備しつつ前進します。手足は壊れれば予備を付けます。



●刃金の弾幕は鋼にて
「剣戟弾幕か。弾幕はボムで消せって昔聞いたことがあるわぁ」
「それはゲームか何かでは?」
 河原崎・修羅雪姫(プリンセス・スノーブラッド・f00298)の言葉に草野・千秋(断罪戦士ダムナーティオー・f01504)は突っ込んだ。
 自律稼働し、浮かび上がる刀剣類。
 それを眺めながら、リズ・ルシーズ(Re-Z・f11009)はつぶやく。
「……これの動力ってなんだろ?」
 幽世を初めて訪れたリズにとって。
 そして科学の徒として湧き上がる疑問を抑えきれなかった。
「これは野良ですね……可哀想に」
「野良!?」
 クネウス・ウィギンシティ(鋼鉄の機構士・f02209)が言う。
 これは野良だと。
 野良ってなんだ。リズは思った。
 野良は野良だよ。
「しかし、穏やかではないですね、無数の刃が血に飢えている、と言う感じです。血を吸って輝く刀の伝承はUDCアースにも無数にありますし……」
 千秋は、今正に嬲り殺しにされんとする子狸妖怪の前に割り入り、その刃を拳で砕く。
 これは正義の戦士として、悪を討つものとして、決して許される状況ではない。
 故に、草野・千秋は、否、断罪の戦士ダムナーティオーは――――。
「変ッ身ッ!!」
 今、ここに降臨するのである。
 己が認め、信じたもの、信じてくれてた者、それを突き動かすはくじけぬ正義の心。
 それが、彼に決して折れず、朽ちず、毀れぬ鋼の力を与えるのだ。
「残念だけどボムは持ってないのよねぇ……なら耐えるしかないわよねぇ?」
「いや、だからそれはゲームか何かで」
 思わず突っ込んだ千秋、否、ダムナーティオー。
 それと同じように修羅雪姫の姿も化身していく。
 心が渇くように、体は鋼へと転じていく。
 フルアーマー・フィギュアヘッド。
 その鋼のボディは刃では決して倒せぬ。
 脚部の無数のブースターが火を放ち、浮かび上がる。
 地上の刃はダムナーティオーが防ぎ、空の刃は修羅雪姫が阻む。
「とりあえず撃ち落とせばいいのかな……? 援護射撃、いくよ!!」
 リズが謎の機械兵器の数々に手を突っ込み、ぶっこ抜く。
 手にされたのは大型の狙撃砲。
 そう、ライフルではない、砲である。
 当たれば容易く鋼なぞ打ち砕き、穿ち貫く砲である。
 案ずるな、主力戦車の正面装甲ぐらいなら貫徹するから。
 砲によって撃ち抜かれ、砕かれ。
 拳によって弾き飛ばされ、砕かれ。
 無数の超兵器によって薙ぎ払われ墜ちて朽ちゆく刃たち。
 その鋼の体はけっして傷つかない。
 その鋼の心はけっして折れやしない。
 彼らの命を断つであろうその一撃とて。
 少女機巧が放つ砲、その弾痕が刻まれ、弾き落とされるのだから。
 ……ところで、もう一人いたメカニックはどこにいった?
 そんな彼は突き進む三人の後ろにいた。
「使われずに朽ちるのは、寂しいですよね」
 落ちて朽ちた無数にして数々の古今東西の刃たち。
 それを何故かクネウスは拾い集めていた。
 ここに持ってきたのは――――。
「……溶鉱炉ぉ?」
「はい、溶鉱炉です」
 折れちまったものはしょうがあるめぇ。
 どぼん、とな。
 そして再生成して鍛ち直すものは鍛ち直す。
 錆びただけのものは砥石で研磨し、刃紋を蘇らせる。
 毀れたものは研ぎ直して、刃を蘇らせる。
 朽ち果て死にゆく無銘の逸品たちよ。
 今、ここに新生する時は訪れた。
 見るがよい、この輝きを。
 是こそが今この場で命脈が途絶えようとしていた武器たちの真の姿である。
 振るわば一刀両断、その剣によって刃金は分かたれた。
「無銘ですが、なかなかに良い武器かと」
 墜とされ、朽ちゆくだけだった刃たち。
 それは一人の匠の手によってまた息を吹き返す。
 鋼人たちは、そんな作業を繰り返し前へと進む。
 この先に訪れるもの、この先に待ち受けるもの。
 それが何であるかはまだわからない。
 されど、決して挫けぬ心と、その鋼の身体。
 それさえあれば、前に進み続ける事は出来るのだから。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

カタリナ・エスペランサ
幽玄、詫び寂びとでも言えばいいかな
アタシの領分とは少し違うけど、こういう雰囲気も良いものだね
この空間を穢す無粋な過去の亡者には早々にご退場願おうか!

剣戟弾幕も望むところ、どんな戦場でも鮮やかに決めるよ!
《第六感+戦闘知識+見切り》で剣の動きを見極め《空中戦+ダンス》の要領で突っ切ろう
進路はなるべく多くの剣を落とせるように選ぼうか
使うUCは【架空神権】、かつて全てを支配した程度の能力――なんてね?
物理法則を《蹂躙+ハッキング》する黒風を纏い《範囲攻撃+オーラ防御》代わりに。
捉えた剣からは《情報収集+生命力吸収+盗み攻撃》で構成情報を抜き取り《吹き飛ばし+武器落とし》で無力化して進んでいこう



●幽玄侘び寂び闇色の風
「幽玄……侘び寂びとでも言えばいいのかな」
 朱色の千本鳥居、吹きすさぶ桜の吹雪。
 それは侘び寂びに通じ、儚くも、美しさを覚える風景であった。
 場違いに浮かび上がる剣の山さえなければ。
「アタシの領分とは少し違うけど、こういう雰囲気も良いものだね」
 カタリナ・エスペランサ(閃風の舞手(ナフティ・フェザー)・f21100)は黒き風を身に纏う。
 刃が彼女を切り裂こうと放たれる。
 されど、それはすり抜けるようにその肌を滑っていった。
「さあ、この空間を穢す無粋な過去の亡者、会いにいかせてもらいましょうか!!」
 そして、早々にご退場していただこうではないか。
 剣戟弾幕望むところ、戦場に舞い踊り鮮やかに決めるは閃風の舞手(ナフティ・フェザー)。
 その翼が虚空を打つ。
 空に軽やかに舞い踊れば、無数の剣戟乱舞をかいくぐる。
 虚空踊る舞手と剣戟の嵐、それはまるで舞踏曲のように軽やかで麗しく。
 されど、桜舞い散るほどの風を巻き起こしながら激しさすらを伴って。
 その手が朽ちた剣の柄一つを手にとった。
 黒い風が逆巻き、その剣を支配下におく。
 そして、支配した刃を無力化させれば己が武器として投げ撃って。
 剣と剣が互いに互いを砕きあう。
 無数の乱舞と無数の舞踏、刃金の協奏曲を奏でながら。
 カタリナ、そして猟兵たちは桜舞い散る千本鳥居にへとたどり着くのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 集団戦 『雷獣古桜』

POW   :    桜の枝の先には、桜の樹の下には
【首吊り紐や短刀】で武装した【呪われた自決者】の幽霊をレベル×5体乗せた【妖怪桜】を召喚する。
SPD   :    紫電一閃
自身の【雷光】が輝く間、【雷獣が変化した片刃剣】の攻撃回数が9倍になる。ただし、味方を1回も攻撃しないと寿命が減る。
WIZ   :    桜の癒やし・狂い花
【心地よい電流を帯びた桜の花吹雪】を放ち、自身からレベルm半径内の指定した全対象を眠らせる。また、睡眠中の対象は負傷が回復する。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●桜舞い散る雷嵐領域
 桜が舞い散り、舞い踊る千本鳥居。
 その領域に紫電がほとばしる。
 その手には、朽ちゆく半ばの雷鳴剣。
 朽ちた刃たち、そして朽ちゆかねばならなかった者たちの無念に突き動かされた雷獣たちが。
 桜の怨念を纏って猟兵たちの先行きを阻む。
 彼女たちを突き動かすものは、ただそれだけだ。
 朽ちた剣たちの無念、朽ちゆくことを強要された人々の怨念。
 それがただの桜でしかなかったものを呪われた桜へと変えて。
 そして、それは、妖怪にへと変じ、そして、その呪いに食われてさらに変じて今ここに存在していた。
鍋島・小百合子
WIZ重視

なんと怨念溢るる桜花ぞ…
じゃが恨みは引き受けると言うた手前じゃ

「風の精よ…かの積もり積もった怨みを吹き飛ばしてたもれ」
巫女装束に早着替えし祭祀扇を手にすればUC「神降双演舞」発動
向かい来る敵の攻撃を見切りつつ風の精に捧ぐ舞を執り行う(ダンス、パフォーマンス、誘惑、残像、鼓舞併用)
桜の花吹雪すら吹き飛ばす暴風を呼び出しては敵の集団にぶつけ、恨みで溜まりし士気を挫いていく(破魔、属性攻撃、鎧無視攻撃、範囲攻撃、衝撃波併用)
撃ち漏らした敵は破魔の力をを込めたわらわの薙刀の一振り(なぎ払い)にて斬り捨てていく
こちらに恨みはないが屠るなれば手加減はせぬ
来世での安寧を込めようぞ



●祓いたもうて清めたまえ
「なんと怨念溢るる桜花ぞ……!!」
 莫大な怨念を溜めに溜め込んだ桜。
 それは妖艶とも言える美しさを晒しながらも、その美しさよりも禍々しい瘴気の方が目につく程。
 朽ちた剣たちの担い手である戦没者たちや、戦いに敗れ去り自ら命を断つを得なかった女たち、その手で葬られた子供たち。
 そう言った怨念が絡みつき、今ここにその地獄を顕現する一端と化していた。
「じゃが恨みは引き受けると言うた手前じゃ!!」
 鍋島・小百合子(朱舞の女丈夫・f04799)がその身に纏う勇ある黄金甲冑が金色の粒子となって消え去っていく。
 その金色をまとえば、そこには清く穢れ無き白亜を纏いたる小百合子があった。
「風の精よ……」
 手に握られるは刃にあらず、舞うが為の扇。
 されど、それは芸や美の為の舞ではなく、葬送の為の、荒御霊を鎮める為の舞。
「かの積り積もった恨みを吹き飛ばしたもれ――――」
 その舞を阻むように、紫電を放つ桜の吹雪が小百合子に襲いかかる。
 しかし、その禊ぐ為の舞は風霊を纏う舞踏。
 風に巻き上げられ、その紫電は虚空に舞い上がっていく。
 シャラン、と清める為の鈴が響く。
 その度に渦巻く怨念、その瘴気が清浄なる風によって清められる。
 シャラン、と清める為の舞を舞う。
 その度に溢れ出る怨恨、その瘴気を清浄なる風が吹き消していく。
「こちらに恨みはないが……屠るなれば手加減はせぬ」
 小百合子は舞い踊り、祓いたもうて清めたまふ。
 来世での安寧を願い、そして、その祈りをこめて。

大成功 🔵​🔵​🔵​

アナスタシア・ムスハルト
片刃剣の遣い手ね?
どんな太刀筋か楽しみだわぁ

まずは「見切り」に集中して「武器受け」
あら、速い
結構重そうな武器のに、まるで小太刀みたいに振り回すのねぇ

構えの一つでも盗ませて貰おうと思ったけど、雷の力ありきみたいねぇ
術なら興味はないわ、斬るわよ

「早業」による「致死断絶剣」で「切り込む」
掠り傷でも与えれば、その反応で回避の癖も防御の弱点も読み解くわぁ

太刀合いで得た情報――視線の動き、爪先の向き、腰の捻り、刀身に纏う桜色の電撃の流れ――で、先の先を読んで行動の起こりを潰していく
石を顔に向けて蹴りつけたり、移動しようとした先に刀を突き込んだりするわぁ
ただ速くて強いだけじゃあ、剣の道は進めないわよぉ?



●術なくば取(盗)るに足らず
「片刃剣の使い手ね? どんな太刀筋か……楽しみだわぁ」
 アナスタシア・ムスハルト(小さな大剣豪・f24499)は、自身の愛刀を鞘より抜き払う。
 自身の身の丈ほどもある刃金。
 相対する相手もまた長大な太刀。
 されど、体躯の差より、その質量差は歴然としていた。
 雷獣がその身を変じさせた刃が雷の如く速度で振り下ろされる。
 その剣閃、常人では振るわれたが時点で一刀両断、その身を別って結果を示すだろう。
 だが、ここにいるのは常人ではない。
 甲高い音が響き、火花を散らし、太刀は刃金によって受け止められた。
「……あら、"速"い」
 速度・質量、共に並外れたものではない。
 既存物理法則に則れば、アナスタシアの身は弾き飛ばされてもおかしくはなかった。
 されど、その身は決して吹き飛ぶことも揺らぐこともなかった。
「結構重そうな武器なのに……まるで小太刀のよう」
 二度、三度と振るわれる刃、迅雷の如く、そして暴風の如く。
 恐ろしい速度と恐ろしい威力によって振るわれる剣は、周囲を切り刻み、放つ紫電が焼き焦がす。
 されど、その一太刀、その全てはアナスタシアには届かず、弾かれ、いなされ、殺される。
「……構え一つでも盗ませて貰おうと思ったけど……」
 すでに底は見えた。
 この剣には技はなく、業もない。
 己の能力に頼っただけの稚拙な剣。
 それもまた技であり、術であると言うのは決して否定はしない。
 だが、己の修練の果てに積み重ねたものでないのなれば。
「底は見えた。――――斬る」
 アナスタシアの興味は微塵も湧かぬ。
 一太刀、無造作で、雑かのようにすら見えるその斬撃。
 それは卓越した技量から放たれる完全無比にして無駄と言う無駄を省いた極致の一撃。
 その斬撃は、古桜の化身の身を切り裂いた。
 切り捨てたもの置き捨てて、次なる相手は最早斬撃の起こりすら起こさせず一閃によって断絶する。
「ただ速くて強いだけじゃあ、剣の道は進めないわよぉ?」
 隔絶した技の差によって、この少女は大剣豪の銘を振られたこと。
 それをありありと示していた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

防人・拓也
「なかなかに手強そうな相手だな。だが、絶対に倒せない相手ではない」
と言いながら、1発の銃弾を右手に持ち、ブレイブ・ソルジャーに触れさせる。敵が攻撃の兆候を見せた瞬間、弾が命中せずに敵の背後に行くように弾を指で弾く。弾が背後に到達した瞬間、UCを発動。弾があるところへブレイブ・ソルジャーと共に瞬間移動して弾をキャッチした後、カウンターとしてブレイブ・ラッシュを複数の敵にまとめて放つ。
「アリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリ!」
とブレイブ・ソルジャーが叫んで拳のラッシュを放ち、フィニッシュブローを放つ瞬間に
「アリーヴェデルチ(さよならだ)!」
と拓也が言って、技を決める。
アドリブ・連携可。



●別離を告げる言葉
「なかなかに手強そうな相手だな。――――だが、絶対に倒せない相手ではない」
 防人・拓也(コードネーム:リーパー・f23769)はその背に自らの守護霊たる『ブレイブ・ソルジャー』を立たせたまま、冷静に敵を分析する。
 その手には一発の銃弾。
 常人の命を奪うなれば、ただその一発で済む。
 しかし、相手は怨念を纏った古き獣と古き樹木。
 ただ一つの銃弾では、その生命を奪うことは出来ない。
 だが、この銃弾は、鉛の一欠片はそのために用いるものではない。
「俺の『ブレイブ・ソルジャー』の能力、その一つ――――」
 鉛の一欠片にブレイブ・ソルジャーが手を触れる。
 その僅かな動作だけで、その能力はすでに発動させる為の準備が整う。
 稲光がほとばしり、紫電が虚空を焼き、迅雷の如き刃が襲いかかる。
 同時、その弾丸が拓也の指先より弾かれる。
 ただ弾いただけのその弾丸は命を奪わない。
 否、当たりすらもしない。
 ただ、剣戟を放った妖異の背後に飛んだだけ。
 だが、それだけでいい。
「『ブレイブ・ソルジャー』が触れただけ……ただそれだけでいい」
 その身を剣戟が切り裂いた。
 否、それは虚空を薙いで大気を紫電が焦がしただけ。
「力を与えた一発の銃弾、それがある場所に瞬間移動出来る……そう、それが」
 拓也の身体は、背後の守護霊と共に、剣戟を放った妖異の背後にあった。
 ブレイブ・ソルジャーがその拳を握りしめる。
「『ブレイブ・ソルジャー』の能力だ――――!!」
 虚空にあった弾丸、それは物理法則に従い、大地にへと落ちる。
 だが、重力に従う前にその鉛玉は拓也の手の中に収められた。
 同時、ブレイブ・ソルジャーの握りしめられた拳が無数に放たれ、妖異たちを打ちのめしていく。
「アリーヴェデルチ――――!!」
 別れを告げる言葉、それを合図として。
 その拳は振り抜かれ、妖異は霧散していった。

成功 🔵​🔵​🔴​

平坂・伊澄
やぁ、刃の雨の次は刀を持ったお嬢さん方が相手かい?


さてと、それぞれに好きなタイミングで攻められても厄介だ、暗器を用いてお相手の足を止めさせて(先制攻撃+部位破壊+串刺し+投擲)貰おう。

上手く止められれば槍を使って急所を狙っていき(連穿槍+早業)、軌道や射程を見極められて武器で受けられると厄介そうだから槍の伸縮や扱い方を変えることで(フェイント)対応しておこうかな。

相手の技に対しては刀の範囲外にいることで対処するけど踏み込んで当てに来るだろうしね、踏み込みに合わせて暗器を投げて(投擲+見切り)対処をしようか。

可能な限り一人ずつ対処していかないとね。無理そうなら少し距離をとって仕切りなおそうかな?



●真正面から正々堂々と不意を討つ
「やぁ、刃の雨の次は刀を持ったお嬢さん方が相手かい?」
 紫電帯びた刃を手にした妖異を相手に、平坂・伊澄(槍持つ學徒・f27341)は、だるん、と両手を下げて脱力した体勢で相対する。
 方や青眼、方や無行の位。
 踏み込み、疾駆、振りかぶられた紫電の剣。
 それが振り下ろされるも、まるで逆再生したかのように跳ね上げられる。
「厄介でかつ、面倒だ、足を止めさせてもらおう」
 それはいつの間にか握り込んでいた石礫。
 しかし、単純に当てるだけでは、あのような挙動は描かない。
 絶妙かつ、精妙な一投は、振り下ろされた刃を忠実にかつ、真正面より打ち返したのだ。
 その壮絶なまでの技巧に妖異は目を見開く。
 同時、その足に鋭い痛みが走った。
 視線を下ろせば、そこには鉄針が、地に縫い止めるように放たれていた。
 硬い部位に当たれば、その威力は減衰する。
 骨の間を縫い、神経を引き裂き、徹すように放たれたその技は、最早神がかっていた。
 足への伝達系が死に、その足は極端に殺された。
「速いだけならどうとでもなる」
 手先が隠れるほどに長い袖の内より、槍が放たれる。
 柄が手元より素早く伸長され、離れていた間合いが一瞬で殺し間へと変じた。
 その槍の伸縮自在の間合い、短ければ鋭く、長ければ蛇のようにしなる独自の軌道が決して穂先を見切らせない。
 放たれた穂先は、その身を穿ち、引き裂き、切り裂く。
 変幻自在の槍、縫い針と言うには大きすぎるだけの針、そしてどこぞかで拾った石。
 あるいは、隠し持っていた銅銭。
 槍以外の一つ一つは人を殺すには不足に過ぎないものばかり。
 しかし、この少女が用いれば、それとて一撃一殺に至る。
 それを知っているせいか、その距離を詰められず、そうしてもたつけば槍にて屠られる。
「――――真正面から不意打つのもまた技よ」
 正面に相対していながら、その技は不意打ちによって沈める技ばかり。
 見きれぬ秤れぬは対戦者の目が悪いがのみ。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ダビング・レコーズ
損耗率確認
戦闘行動に支障無し
ミッション、第二フェーズへ移行します

【POW・アドリブ連携歓迎】

ソリッドステートが有するVTOL(垂直離着陸機)としての機能で対地攻撃支援を実行
戦闘機よりも回転翼機に近似した運用方法を採ります
ユーベルコード、SDMM5メタルレインを使用
目標の近接攻撃が届かない一定の高度を維持しながら低速で戦域を旋回飛行し全目標へマイクロミサイルを継続的に発射
増援を召喚されても問題はありません
このUCは認識中の全目標を自動捕捉可能であり、更に限界射程は戦闘領域全体に及びます
威力低下は著しいですが、友軍の攻撃起点を成立させるかセントルイスの照射による薙ぎ払いで撃破に繋げます



●対地殲滅攻撃
「損耗率確認……」
 ダビング・レコーズ(RS01・f12341)は自らの躯体をスキャンする。
 推進剤にあまりはあり、被弾も問題ない。
 弾薬類やエネルギーにも問題なし。
「戦闘行動に支障無し、ミッションを第二フェイズに移行」
 上空を漂いながら、まるでホバリングするかのように空中に静止する。
 通常の戦闘機ならば有り得ざる挙動、されど時代は技術によってそれを可能として。
 VTOLと同等の機能によって、ダビングは虚空にとどまる事が出来るのだ。
「対地攻撃支援を実行……武装選択……選択完了……ターゲット・ロック」
 鋼の箱が展開される。
 無数に穿たれた孔、そこより噴煙を伴い無数に吐き出されるのは小型のミサイル。
 それらはジグザグの軌道を描きながら地に降り注いでいく。
 爆炎、爆風、爆煙。
 それが巻き起こり、次々と妖異たちを薙ぎ払い、吹き上がった衝撃が桜を舞い散らせる。
 面制圧攻撃、その破壊力は乏しくても隙を作るには十二分すぎる。
 爆圧によって体勢を崩した敵の一塊。
「チャージ……完了。アタック」
 青白い光を帯びた荷電粒子が一筋の閃光となり、地を薙ぎ払う。
 膨大な熱量に晒された大地は一瞬で赤熱し、そして爆裂する。
 巻き込まれた妖異は言うに及ばず、一瞬の閃光に蒸発した。
 されど、未だに敵は多数健在していることをダビングのレーダーは示していた。
「引き続き対地攻撃支援を実行」
 再びミサイルポッドより無数の噴煙が立ち上り、赤い流星となって大地に降り注いでいく。
 剣の弾幕が過ぎ去った後は、鋼の弾幕が地に降り注ぐのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

イデアール・モラクス
終われぬ無念と残響の連鎖…それはそれで美しくもあるが、散り消えゆく事こそ命の輝きというもの。
私が終わらせてやろう、全て!

・終末の光
「同時に展開出来る術式が一つとは、思わぬ事だ」
UC【紅ノ螺旋】の威力を上げる『魔力溜め』詠唱、魔導ビットを起動してのビーム『乱れ撃ち』術式、火炎弾の『一斉発射』『範囲攻撃』術式の3つを『高速詠唱』『多重詠唱』で行い、ビームと火炎弾で自決者らを迎撃、近寄る者を魔剣で『薙ぎ払い』『武器受け』しながら『魔力を溜め』、雷獣古桜目掛けて『全力魔法』のUCを放つ。
「その魂に救いあれ、その無念に赦しあれ、さぁ終わりの刹那に歓喜するがいい、我が紅の終末に悦び消えゆけ」

※アドリブ歓迎



●散りゆくこそが美しい
「終われぬ無念……残響の連鎖……」
 その骸の末路たちが抱えて出でたもの。
 結末と言うものを否定し、そして湧き出た末路わぬ者。
「それはそれで美しくもある……」
 イデアール・モラクス(暴虐の魔女・f04845)はその姿を否定はしない。
 されど、そうではない。
「散りゆく事こそが命の輝きと言うもの」
 イデアールは風に吹いて舞う桜吹雪の花びら一つを手に取った。
 そう、この華は散りゆくからこそ、美しく、そして、愛されたのだ。
「――――私が終わらせてやろう、全てなッ!!」
 その叫びと共に、大地に、空に、数多の輝きを放つ無数の魔法陣たちが描かれる。
 さらに周囲に彼女に侍るようにビットたちが飛び交い、その前にも魔法陣が展開される。
「術式展開、多連詠唱開始……同時展開出来る術式が一つとは思わぬ事だなぁッ!!」
 無数に描かれた魔法陣の数々。
 その全てが決して同じ術式ではない。
 そう、それこそが彼女の持つ無数の術式、それを体現せしもの。
「その魂に救いあれ」
 聖なる輝きが、深淵なる闇が。
 全てを焼き尽くす紅蓮の炎が。
 全てを凍りつかせ砕く絶対なる吹雪が。
「その無念に赦しあれ――――」
 空を響かせ、大地を砕き、古来より神の怒りと恐れられし裁きの雷霆が。
 大地を揺るがし、地を砕き、裂断される地を揺るがす大いなる怒りが。
 吹きすさび、全てを巻き込み、彼方へと葬り去る暴虐なる風が。
 逆巻きうねり、全てを飲み込み、押し流す巨大な大瀑布が。
「さぁ、終わりの刹那に歓喜するがいい――――!!」
 そして、その深奥、光と闇の中に潜む大いなる脈打つ魔導と言う力そのものが。
 今ここに収束し、真紅なる螺旋の輝きと化す。
「我が紅の終末に悦び、消えゆくがいいッ!!」
 是こそがイデアール・モラクスが持つ大秘術が一つ。
 存在する力その全てを束ね、重ね、合わせた滅ぼせぬものなき滅びの光。
 その極光の閃光は螺旋を描き、放たれる。
 射線上にあったものは、その存在すら許されず、影すら残す事なく瞬時に消え去る。
 そこにあったのはただの静謐、静寂。
「これが私の手向けだ、静かに眠るがいい」
 それこそが、彼女の送った手向け。
 静謐なる眠りと言う贈り物であった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

カタリナ・エスペランサ
妖し桜に雷の獣か
いいよ、こっちも飛び切りのパフォーマンスで付き合ってあげる
――さぁ、無念も怨嗟も尽き果てるまで踊ろうか!

発動するUCは【閃紅散華】。
《第六感+戦闘知識+見切り》で相手の動きを先読み、《先制攻撃+カウンター》の要領で常に先の先を制するように立ち回るよ
機動力を最大限に活用した《空中戦》は《破魔+祈り+慰め》の鎮魂も兼ねた剣舞。
相手の雷光は紅雷の《属性攻撃》で相殺、片刃剣には加速した斬撃で対応。
体術と羽弾の連携でアドバンテージを取りながら呼吸を合わせるように《情報収集+学習力》で見切りの精度を上げてイニシアチブを掌握、フィニッシュは機を見て《早業+怪力》で一気に畳み掛けよう



●尽き果てるまでの舞踏会
「妖し桜に雷の獣」
 とん、とん、とカタリナ・エスペランサ(閃風の舞手(ナフティ・フェザー)・f21100)はその地を二度つまさきで叩いた。
 無念、怨恨、憎悪、渦巻く怨念。
 それを前にカタリナは楽しげに笑う。
「いいよ、こっちもとびきりのパフォーマンスで付き合ってあげる」
 手にしたダガー、それより紅の雷撃がほとばしり、雷なる剣と化す。
 奇しくも、雷獣を変じた紫電の剣と同じ性質を持つ刃がここに顕現したのだ。
「さあ、無念も怨嗟も尽き果てるまで踊ろうかッ!!」
 紫電一閃、閃光の如き一撃。
 対応するは紅雷一閃、迅雷が如き一撃。
 自然界に存在する中ではほぼ最速に近いソレとソレがぶつかり合う。
 火花は散らない、どちらにせよソレとソレの本質は一緒なのだから。
 雷光と雷光が、ほとばしり、周囲に散り、舞い散る桜を焼き尽くす。
 ほむら火桜が舞い散る最中、踊るように刃と刃は重ね打つ。
 しかし、その互角のように思えた舞踏、その天秤は傾く。
 そう、カタリナの天秤が勝ったのだ。
 元より己が持つ能力頼りの速いだけの剣。
 速いからこそ、相応の威力も斬撃力も有する。
 されど、そこには技はない。故に"読み"易い。
 幾度となく打ち合えばどれだけ稚拙な剣なのかなど、容易く知れる。
「底はしれたね……!!」
 速度が互角ならば、あとは何で勝負する。
 単純な話だ、技と力である。
 そして、その双方はカタリナに分があった。
 じょじょに、紫電の剣は押されていき、そして遂には。
「フィニーッシュッ!!」
 その紅雷の斬閃が、妖異の身を切り裂いた。
 どさり、と言う音と身の焦げる匂いを発しながら崩れ落ちる様を見向きもせずに。
「さあ、次に踊ってくれるのは誰? こっちは最初っからトップスピードだけどね!!」
 踏み込み、疾駆。
 言葉通りの最速にて、カタリナはまた切り込んでいった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

六代目・松座衛門
持ち主と離ればなれになる悲しさはわかるが、その憂さ晴らしで、桜を妖怪に、世界を崩壊させるのは頂けないな!

人形「暁闇」と連携しつつ、『雷獣古桜』との集団戦を展開!
相手の「紫電一閃」による片手剣の猛攻に対し、人形を【かばう】ように攻撃を受け、UC「霞返し」によるカウンタ-攻撃を仕掛ける!

ここに妖怪として辿り着けたら、朽ちずに『生きる』ことができたはずだが、骸魂になってしまっては…

残念だが、覚悟!

アドリブ、連携歓迎。



●暁の闇は桜と舞い踊る
「持ち主と離れ離れになる悲しさはわかるが、その憂さ晴らしで桜を妖怪にし、世界を崩壊させる……」
 それはだめだ、と。
 それはいただけない、と。
 六代目・松座衛門(とある人形操術の亡霊・f02931)は人形を繰る。
 自身もヤドリガミであるからこそ、その想いは十二分にわかる。
 だからこそ、今この場でこれは滅却せねばならない、
「ここに妖怪としてたどり着けたら、朽ちずに生きる事ができたはずなのに……」
 言っても詮無きことだ。
 だが、それでも、どうしてもその想いはこぼれてしまう。
 雷獣の変じた紫電の剣を古木桜が放つ。
 雷獣古桜と戦うは暁闇、それ故にその紫電の一閃はその人形に振るわれる。
 そう、そのはずだった。
 そこには松座衛門が立っていた。
 彼は自身の武器であるはずのそれをかばったのだ。
 しかし、それは彼の"業"でもあった。
 全身から力を抜き、無防備に、相手のそれを受け止めれば、松座衛門の身体が霧散していく。
 傍から見ればそれは、紫電斬撃の熱量によって蒸発したようにも見える。
 だが、それは違う。
 これこそが、鬼猟流 人形操術に伝えられし秘伝・三ノ型。
 霧散していく身体、その粒子上に細かくなったそれが再び形取る。
 紫電を帯びた雷鳴の人形が、そこにあった。
 これぞ鬼猟流 人形操術 三ノ型『霞返し』。
 完全な脱力状態から受けた相手の技、その力そのものを纏った人形を現出させるユーベルコードである。
「骸魂となってしまっては……残念だが、覚悟……!!」
 紫電の力を帯びた人形は光の速度を持ってして古桜を貫いた。
 一瞬の閃光、後に雷鳴が響き渡る。
 後に残るは神鳴(雷)に討たれ焼け焦げた古桜の枝のみが落ちていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

秋津洲・瑞穂
(アドリブ・連携などご随意に)

雷獣? って、イタチさん?

何でもいいけど……うん、突撃してかき回そう。
集団が相手といったら、わたしの役回りはそれよね。
神獣刀を引き抜いて、いざ。

「新当流太刀術、秋津洲瑞穂。参ります」

ダッシュ20で突っ込んで片端から斬り倒す。
幽霊が鈴生りになった桜の樹とかいう妙なものは、
なぎ払い20+浄化20の2回攻撃40で一網打尽にしてくれる。

束になって召喚して来ても全部消し飛ばすよ。
そうすれば他の人の邪魔にもならないでしょ。
雷獣も剣刃一閃で伐採。

敵のど真ん中に陣取って千切っては投げてやるわ。
残像40/オーラ防御40/見切り20/野生の勘10の剣豪に、
並の刃が届くと思わないでね?



●剣、雷を別つ
「雷獣? ……イタチさん?」
 雷獣。
 その姿は多くの文献によって残されているが、残され伝えられている姿はまちまちである。
 仔犬のようだとか、たぬきに似ているだとか。
 あるいはオオカミだとかイタチだとかネコだとかネズミだとかモグラだとかアナグマだとかイノシシだとかイタチだとか。
 空には、まだ知らぬ謎の生物が生きていると思われていたが故に生まれた存在。
 その存在がその身を剣に変じさせ、現身した女の姿をした古桜の手に握られる。
「……何でもいいけど……うん」
 秋津洲・瑞穂(狐の巫女・f06230)はその背の刀を抜き払い、青眼に構える。
 集団戦闘での役割は自認においては突撃してかき回す事にあり。
 なれば、そのようにするだけのこと。
「新当流太刀術、秋津洲瑞穂。参ります」
 名乗りをあげ、地についた足がそこを蹴る。
 疾駆、その歩みは紫電と化したその刃よりも速く。
 否――――斬撃そのものは速くとも、それを振るうものが"遅く"ては何ら意味はない。
 神速の踏み込みより放たれた斬撃は、古桜の化身を上と下で別つ。
 浄化の力が刃を伝い、その怨恨も、その怨念も、その無念も祓い、清める。
 刃金とはもとより神事によって成された炎の御業。
 なれば、それから生まれ出た刃とは、正に浄化の為の武器。
 雷光ほとばしる神速の刃は決して瑞穂を捉える事はない。
 如何に刃が速くてもその瞳は古桜そのものの動きを見切る。
 動物の、狐としての野生の勘、あるいは本能が見えぬ所からの動きすらも察知する。
 偶然、その刃が彼女に届いた事とてあったが、纏った膨大な闘気がその刃を受け流していく。
 戦場ど真ん中、神速の踏み込みと薙ぎ払うその様はまるで、神楽舞のようで。
 戦巫女、戦場にて祓い清めたもう事こそ本領なりや。

大成功 🔵​🔵​🔵​

クリスティアーネ・アステローペ
道具に意志があるのならそういう妄念もあるのでしょうね
いいでしょう。少し付き合って、"戦で砕けた刃"くらいにはしてあげるわ

さっき拾った刀を振るうのに合わせて空いた手から【咎力封じ】の拘束具を投擲
複数組の拘束具を《一斉発射》し《範囲攻撃》化することで周囲の敵の攻撃力を落とし
そこからは刀とエヴェリーナの二刀で相手をしましょうか

回数の増えた攻撃の動きを《見切って》、《オーラ防御》で保護した刀身による《武器受け》と《鎧砕き》の要領でカウンターを仕掛けて一本ずつ手折っていきましょう
無念の元を断っても雷獣がまだ向かってくるのならそっちもきちんとお相手を
刀を担って振るう役、お疲れ様よ



●慈悲賜うエヴェリーナ
「道具に意志があるのならば」
 襲い来る雷撃の刃、それを無造作にクリスティアーネ・アステローペ(朧月の魔・f04288)は刃で流す。
 その手には、先の戦場で拾われただけの只の無銘。
「なるほど、そういう妄念もあるのでしょうね」
 再び放たれた雷刃、それは切っ先なき慈悲深き刃が打ち上げた。
 右に慈悲深き切っ先なき剣。
 左に刃の欠けた未だ朽ちぬ刀。
「いいでしょう、少し付き合って、"戦で砕けた刃"程度にはしてあげるわ」
 とん、とつま先が地を叩けば、影より無数の鎖が飛び出す。
 影より出るソレはあまりにも唐突でかつ、不意打ちじみていた。
 それ故にそれを避けられたものはなく、その身を拘束され、力は封じられる。
 雷獣が変じたその剣は、その雷を殺され、轟く音すらもはるか遠くと化す。
 振るった朽ちかけた刀に闘気をめぐらせる。
 その斬撃は力を失った紫電の刃を断つ。
 道具に意志があるというのならば。
 刃を通し、柄から伝わってくるこの歓喜なる喜びを伝えてくるのは。
「嗚呼、きっと貴方なのでしょうね」
 振るわれる事をいまだ望むその刃こそ、その意志を伝えるものなのだろう。
 慈悲深き刃が、紫電の刃を砕く。
 その慈悲深き刃は何時でも何処であっても。
 与えたもうは慈悲そのもの。
 切り返した刃は、断頭そのもの。
 首を刎ねられた古い桜は、ぼとり、と落ちて古木の枝にへと落ちる。
「刀を担って振るう役、お疲れ様よ」
 慈悲深き断罪の剣、今なお振るわれることを望む刃。
 双方携え娘は次なる戦いへと赴く。

大成功 🔵​🔵​🔵​

フィランサ・ロセウス
ああ、ああ、とっても熱い視線を感じるわ!
探してる獲物(ひと)とは違うみたいだけれど……
そんなにも私の事が“好き”なのね?
だったら応えてあげなくちゃ!

あら?ピカッて光ったと思ったら、とっても早くなったわ!
じゃあこっちもスピード上げてかないとね!
まずは反応できる攻撃だけ避けるか、【武器受け】で防ぎつつ【情報収集】。
攻撃のタイミングやクセを観察するわ
かわせない分は【激痛耐性】で気にしない!
ある程度動きを掴んだら、
隙が生じるタイミングに合わせ剣を狙った【早業】の【武器落とし】、
もしくは握る手を【部位破壊】して剣を振れないようにしてあげる
それじゃあ、今度はこっちの番!
いっぱい殺(あい)してあげるね♥️



●殺し合う(あいしあう)
「ああ、ああ、とっても熱い視線を感じるわ!!」
 フィランサ・ロセウス(危険な好意・f16445)は歓喜に身を震わせる。
 身を震わせるほどの悦楽、今ここにあるそれは、そう紛れもなく。
「そんなに私の事が"好き"なのね!!」
 紛れもなく違う。
 だが、それは一般的常識に照らし合わせた場合の事。
 彼女にとっての愛とは、好意とは。
 彼女を突き動かす感情そのものであり。
 そして、彼女にとっての愛が、好意がそういうものであるのならば。
 叩きつけられる膨大な怨念、無念、怨嗟――――。
 常人にとっては負の感情の象徴に近しいそれらの感情ですらまた、"愛"であり、"好意"であり、"好き"なのである。
「だったら応えてあげなくちゃだめだよね♡」
 愛には愛で、好きには好きで。
 相手が好きな(恨む)のならば。
 フィランサもまた好きな(ころす)のだから。
 稲光がほとばしり、雷鳴を響かせ、その身が加速する。
 フィランサが指を鳴らし、それに応じる。
 通常、雷撃の速度に人は追いつけないし、反応も出来ない。
 されど、自らの身を加速させ、その神経伝達系すらも加速させたフィランサにはそれとて反応できる領域でしかない。
 そこらで拾ったバールのようなものが紫電の刃を受け止める。
 攻撃の癖を観察し、しっかり、じっくり殺(あい)せるように。
 あまりにも速く、それ故の手数が多いが故に当たる攻撃も存在する。
 だが、それがどうかしたというのか。
 だって、それも"相手がくれる"愛なのだから!!
 幾度となく身を打ち据えられてもその身には悦楽しか走らない。
 嗚呼、嗚呼、こんなにも殺(あい)してもらえるなんて。
 ならば、ならば、ならば。
 手にしたソレが剣に打ち合わされ、軌道をそらした。
 手にしたソレが刃を引っ掛け、弾きあげて巻き上げた。
 そう、"完全に覚えた"。
 振るわれた再度の剣、その横腹に打ち付ければ、剣は砕け散る。
 返すソレが古桜の身体に突き立ち、それを引きずり落とした。
「いっぱい殺(あい)してくれてありがと♡」
 虚ろな笑顔、光の灯らぬ瞳。
 狂気すら覚える満面の笑顔。
「今度はいっぱい殺(あい)してあげるね♡」
 地に倒れた相手目掛けて振り上げられる鋼の凶器(狂気)。
 それが振り下ろされ、鈍い音が響く。
 何度も、何度も、振り上げて、振り下ろす。
 鈍い音が何度も響く。骨が砕ける音が響く。
 何度も、何度も、何度も、何度も。
 やがて、それは水音じみた粘着質な音に変わっていく。
 終わった頃には、そこに存在したのは人の形をしたという事だけがわかる肉の塊だけだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

河原崎・修羅雪姫
【全世界サイボーグ連盟】で参加
「よしっ、今度はこちらが弾幕を張る番ねぇ」
この事件に対してこう感じ、猟兵として参加します。

 戦闘中、味方をかばう盾役【かばう、拠点防御】に徹します。
「心が渇いていく……!」
 雷獣古桜の「桜の枝の先には、桜の樹の下には(POW)」に対し、ユーベルコード「完全戦闘形態」を使うことで、
自らは空中に留まり、拡散重粒子砲を掃射します。

咲き誇り、散っていく絢爛豪華な桜吹雪のごとき弾幕を張ります。
最大の目的は、いち早く敵の群れを殲滅することです。
「呪われた自決者たちよ。桜の花びらに包まれて、永遠に静かに眠れ。私の仲間たちに手出しはさせないわぁ」


草野・千秋
【全世界サイボーグ連盟】
POW

無念を語る刀の群れ、ですか
怨念が絡んでいるようです、なんとかして差し上げねば
朽ちることしか出来なかったままなんて悲しいですよね
……でも、戦わなきゃ

最終戦闘形態に変身し2回攻撃、範囲攻撃、スナイパーで攻撃
呪われた首吊り紐や担当は部位破壊、怪力でヒーローソードで落とす
少しでも戦力を削れてるといいんですけど
ある程度敵戦力が削れたら
剣の無念を祓うため
歌唱、UC【Aubade】でせめてものはなむけを
攻撃は激痛耐性、盾受けで耐える
これしきの傷ッ!

姫さんが守って下さるんです、僕は、僕達は、負けない!


リズ・ルシーズ
【全世界サイボーグ連盟】で参加、アドリブ・連携歓迎だよ!

【SPD】

「援護は任せて、こっちだって手数じゃ負けないからね!」

【指定UC】を使い量産型を呼び出す、その数は70体を超える。

「攻撃が9倍になっても、近づかれる前に迎撃すれば数は知れてるよね!皆、援護するよ!」

リズと量産型の疑似刻印による【援護射撃】が、仲間を襲う刃を狙って放たれる

「形あるものはいずれ全て朽ちるし、すべての命はいずれ死ぬ。既に終わってしまったものはどんな理由があってもご退場をだよ!」

一斉に敵に伸ばされる腕、手の平に擬似刻印が浮かび上がり光【属性攻撃】のレーザーによる【制圧射撃】が行われる


クネウス・ウィギンシティ
【全世界サイボーグ連盟】で参加
※アドリブ&絡み歓迎
「私の工具が真っ赤に燃える! 無念を祓えと轟き叫ぶ!」

【POW】

●戦闘
人々の怨念は良いとして剣の無念は祓いたいのでエンジニア式格闘術(【メカニック】)で対抗します。左手には中柄の電気溶鉱炉をチューニング(【武器改造】)し直接接続、右手には先程増やした工具:ケーブルカッター。
「コレがエンジニアの戦い方だ」

敵の首吊り紐はカッターでカット、短刀は溶鉱炉で溶かし受けます(【武器受け】)。
「GEAR:AGATERAM。左腕リミッター解除」
妖怪桜は真っ赤に燃えた溶鉱炉&腕自爆パンチ(【リミッター解除】)。根元まで切除します。



●桜舞い散り怨念尽きず、無念は果てる
 桜の花びらが吹きすさぶ戦場。
 無数の怨念たちは、その手に雷が変じた剣を手に戦列を組む。
 無論、それは軍人のように整然としたものではない。
 ただ単にたまりにたまったそれを吐き捨てる為の獣性の戦列。
「よしッ、今度はこちらが弾幕を張る番ねぇッ!!」
「援護は任せて、こっちだって手数じゃ負けないからねッ!!」
 河原崎・修羅雪姫(プリンセス・スノーブラッド・f00298)の心は渇く。
 戦闘に特化した完全重機動要塞と化した修羅雪姫。
 その足元には相手と異なった戦列を完全に組まれたリズ・ルシーズ(Re-Z・f11009)のルシーズ軍団が、疑似刻印を展開する。
 怨念の戦列が大地を蹴る。
 それを合図に、重機動要塞・修羅雪姫の武装コンテナの全てが開放される。
 無数のミサイルが降り注ぎ、爆裂する。
 荷電重粒子が加速器に射出され、熱量を帯びて放たれる。
 奇しくも桜色とかしたその荷電粒子は、絢爛豪華なる桜吹雪のように戦場に拡散し降り注ぐ。
 ルシーズたちの疑似刻印もまた、桜色に輝き、その戦場を桜色に染め上げる。
「形あるものはいずれ朽ちる、全ての命はいずれ死ぬ――――」
 そう、ここにあるものは全て、すでに終わってしまったもの。
 その妖異に"この先"は求められない。
 "求めてはならない"のだ。
「ええ、せめてもの手向けよぉ、安らかに、永遠に、静かに眠りなさぁい」
 桜色の弾幕が夜闇に咲き誇り、その爆圧によって生じた風が吹きすさび、桜吹雪をまた散らせる。
「……朽ちる事しか出来なかった……」
 そう、それは悲しい事だ。
 だけれど、これ以上狼藉を許せば世界は終わる。
 だからこそ、ダムナーティオーたる草野・千秋(断罪戦士ダムナーティオー・f01504)は、これを倒さねばならない。
 剣を振りかざし、怨念の帯びた首吊紐を切り捨て、その拳によって無念を帯びた短刀を打ち砕く。
 千秋の背後より迫る自決者、一瞬反応が遅れた。
 されど、桜色の弾幕がそれを打ち消し、蒸発させる。
「姫さんが守ってくださっている……!!」
 そう、ここには一人ではない。
 だからこそ、負ける要素などは存在しない。
 無念を思えばこそ、憎悪を思えばこそ。
 今この場の痛みなんて、軽いものでしかないのだから。
「そうだ、僕は、僕たちは、負けないッ!!」
 千秋の剣の一振りが浄化の波動を帯びて、地を別つ。
 一時的に、敵の数が減った。
「今ですッ!!」
 刹那、一直線に、真っ直ぐに、最短に、最速で疾駆していく青い影があった。
 腕の装甲が展開され、内部フレームがむき出しになる。
 赤熱化、そして白熱化。
「私の工具が真っ赤に燃える――――ッ!!」
 彼にとって、その腕なぞ工具の一つにしか過ぎない。
 握りしめていた手を開く。
 腕は最早白熱化しきった。
 これをさらに高めれば、この腕がどうなるか。
 だが、知ったことではない。
「無念を祓えと轟き叫ぶぅッ!!」
 剣の、道具たちの、棄てられ蓄積された数々の無念。
 それを救えるのならば、嗚呼、"また繋ぎ直せる"腕なぞは些細なのだ。
 クネウス・ウィギンシティ(鋼鉄の機構士・f02209)の左腕がさらなる熱量を加えられる。
 それは白光の輝き、どこかの彼の神話によって伝えられし銀の腕のように。
「ウェポン・シフト、ギア・アガートラム……ッ!!」
 その白光の輝きをもってして照らすはこの先行き。
 豪華絢爛なる桜色の輝きがその道行きを切り開く。
「イグニッションッ!!」
 渾身の叫びと共に、銀の輝きの左腕が、古樹桜、その本体の幹に突き立つ。
 膨大な熱量が、その幹を焼き切り、燃やし尽くしていく。
 絶叫が響き渡る。それは消えゆくものの叫び。
「バァァァァストォッ、エンドォッ!!」
 一瞬の無音、その絶叫すらかき消すほどの爆音。
 クネウスの左腕が内部より膨れ上がり、膨大な熱量を伝播させ爆発したのだ。
 砂塵が立ち込め、桜は舞い散る。
 後に残ったのは妖怪桜ではなく、ただの桜たち。
 そして、戦いを終えた猟兵たちであった。
 鎮魂の歌を千秋が口ずさむ中、その奥に。
 最後の敵が待ち受けていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『流浪の刀剣士』

POW   :    無双の構え
【天の構え】【陰の構え】【金の構え】で自身を強化する。攻撃力、防御力、状態異常力のどれを重視するか選べる。
SPD   :    一刀
【刀】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
WIZ   :    一閃
【刀から衝撃波】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠天帝峰・クーラカンリです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●朽ちゆく運命だったもの
 無限の剣の千本鳥居、桜神社の最奥。
 妖しく輝く一振りの剣があった。
 それは膨大な無念と膨大な悲壮を帯びていた。
 たった一年。
 たったの一年。
 それだけの間、使われていれば、それは命を宿した。
 しかし、担い手はおらず、そうして剣は打ち捨てられた。
 無念だった。
 悲しかった。
 あれほど共にあったと言うのに、その別れは一瞬だった。
 所詮は道具に過ぎなかったのだと。
 "愛刀"などと嘯いていたと言うのに。
 そうした無念は、そうした嘆きは、そうした恨みは。
 同じような立場だった刃たちを集め。
 そうして蓄積した膨大な怨念たちが、新たな怨念を招いた。
 刃の地獄を現出された99年を生きた刀。
 それは纏った膨大な瘴気と怨念によって担い手を形作る。
 奇しくも、それはかつて自身を握っていた剣士と同じ形だった。
アナスタシア・ムスハルト
あと少し、ねぇ
私も大概だけど、随分とのんびりしているのねぇ、あなた

殺し殺されの世界じゃあ、99なんて0と同じよぉ?
あるのは100(殺した)か、それ以外(殺された)か、だけ
何をどんな思いでどれだけ積み重ねたって、究極的にはそこに集約するわぁ

逆上して斬りかかってきたら、「見切って」「武器で受け」流すわぁ
構え、太刀筋はサムライエンパイアでよく見る基本的なものねぇ
刀の効率的な動きは理解しているのね
なら、陰からの斬り下ろしを鍔迫り合いしながら頭突きとか、金からの払いを弾いて脇腹に蹴りとか、ラフプレーはどうかしら?
遮二無二、天を構えようとしたら、「早業」の「鏖殺無尽剣」で滅多斬りよ



●殺界
「あと少し、ねぇ……」
 ほんの一年、たったの一年。
 それだけあれば"成った"と言う剣。
 だが、そんなものは、アナスタシア・ムスハルト(小さな大剣豪・f24499)には"遅い"。
「私も大概だけど……随分とのんびりねぇ」
 剣に心を託し、剣に身をおいた剣界の少女。
 そんな世界において九十九の刻なぞは0と同じ。
 極論、この剣域の世界において死ぬか生きるの1か0の二者択一。
 何を想ったか、何を積み重ねたか、何をしてきたか。
 そこに尊さはあるだろう。
 そこに輝きはあるだろう。
 そこに願いはあるだろう。
 されど潰えてしまえば、そこでおしまい。
 剣の世界は二つに一つ、斬るか、斬られたか。
「あるのは斬ったか、斬られたか――――」
 九十九の時を生きた刃金が振り下ろされる。
 その刃はいなされ、流され、威力は殺される。
 構えも太刀筋も剣客ならば振るう至極普通。
 基本に忠実にして、極めれば無双と化す最高効率の剣。
「そう――――」
 刃金の役割を忠実に果たす為だけの剣。
 振るわれた刃に刃を重ね、膂力と膂力で互いに押し合う。
 刹那、アナスタシアは背を反らし、頭を叩きつけた。
 ひどく鈍い音が響き、少女剣士の背がのけぞった。
 金行の構えあるいは脇構えに構えられた刃金が薙ぎ払う。
 アナスタシアの剣がそれを弾き上げ、同時、その脇腹につま先が突き刺さった。
 その身が狼狽し、呼気を漏らす。
 天にして火の構え、上段に振りかぶらせた刃。
「甘い……寸断するわ」
 すでに剣は鞘走り、神速の抜き打ちから放たれたるは都合二十もの連打。
 少女剣士の身を打ち据え、切り裂き、鮮血を散らす。
 桜が舞い散る戦場の中、血濡れに染まりながらもその怨念は、薄れる事はなく。
「所詮、一つか零か、そういう世界なのよ。ここ」
 剣域に身を置くものがわきまえてなければならぬ道理の体現。
 それはここにあった。

成功 🔵​🔵​🔴​

田抜・ユウナ
これがカタストロフの元凶、か。なんて大きな、そして哀しい怨念。けど……(目を細めて
……軽い

無手無構えのまま、一刀一足の間合いまで歩み寄る。
敵の殺気に呼応して、カタカタと音を立てる背中の妖刀へと、おもむろに手を伸ばして、
「3秒だけよ」と、限定的に《封印を解く》
凄まじい怨念を纏い、爆発的に加速。

《ドーピング》から、真正面から飛び込んで一撃必殺‥‥と見せかけて、
「――田抜流歩法、蛇の道」
急な方向転換で迎撃を空振りさせる。ぬるりと側面に回り込み、手刀による斬撃+衝撃波を叩き込む。

「残念だけど、世界を滅ぼすには足りなすぎるわ。何もかも」
その後、すぐに再封印するも、纏った怨念に蝕まれて喀血
いそぎ戦闘離脱を



●軽い思い
「これがカタストロフの元凶、か……」
 田抜・ユウナ(狸っていうな・f05049)はその怨念を前に目を細めた。
 大きく、そして、悲しい怨嗟、怨念。
 棄てられたと言うその事実、99年を生きた刃金の無念。
 けれど――――。
「――――……軽い」
 ユウナにとってそれは軽いモノでしかない。
 彼女にとって、それは軽いモノでしかない。
 無手のまま、構えもせずにユウナは血濡れ剣士に歩み寄る。
 その怨念、その殺気に呼応して、カタカタと鍔鳴りを響かせる。
 その背に背負った妖刀は抜け、抜け、と騒ぎ立てる。
 そうだ、その背に背負ったものに比べればなんと、なんたる軽さか。
 柄に手をかける、カタカタと鍔鳴りを響かせ続ける膨大な妖力を秘めた刃金。
「――――3秒だけよ」
 言葉と共に封は破られた。
 ただ、封を解き放っただけ、刃を空に見せてすらいない。
 それだけだと言うのに、嗚呼。"たったそれだけ"なのに。
 血濡れの剣士の無念を上回る膨大な怨念が場に満ちる。
 目にしただけで気を失う程の禍々しい気を纏う。
 疾駆、人の目には捉えられぬ歩み。
 ただ真正面から突っ込んできたソレに剣士は剣を振るう。
 その刃は空を斬る。
 蛇の道は蛇。
 この歩法こそが、彼女が練磨した技の一つ。
「――――田抜流歩法、蛇の道」
 急速な方向転換、人体に対して莫大な負荷をかけるその歩みとて、今ならば造作もない。
 振りかざした手が、刀のごとく薙ぎ払われる。
 斬撃など奔るわけがない。
 それなのに、それは物体を寸断するほどの鋭利さを以てして無念の剣を切り裂き、吹き飛ばす。
 その体が神社の塀に突き刺さり桜を吹雪かせながら、砂塵をあげる。
「残念だけど、世界を滅ぼすには足りなさすぎるわ。何もかも」
 その背に背負った怨念に比べればこの無念など、どれほどのものか。
 膨大な怨念に蝕まれ、血反吐を吐き棄てながら言霊も吐き捨てる。
 3秒の約束通り、再封印は施された。
 一瞬で場に満ちていた怨念は、浄化を受けたかのように静かさを取り戻した。

成功 🔵​🔵​🔴​

鍋島・小百合子
POW重視

わらわが思っていた以上にこの刀剣らの無念は積もっておるのじゃな…

「死地を共にせしわらわの薙刀にてお相手いたそうぞ。肥前が女武者・鍋島小百合子いざ参る!」
口上を切れば刃と刃の斬り合いにてその無念を斬り祓う
基本は破魔の力を込めた我が薙刀の技による叩き込み
敵の構え次第で戦い方を変えていくようにし、天の構えの際は薙刀での武器受け防御からの反撃(カウンター、咄嗟の一撃併用)を狙う
陰の構えの際は間髪入れぬ怒涛の乱れ撃ち(鎧砕き、鎧無視攻撃併用)
敵の太刀筋を戦闘知識として観察し、やがては見切っていく
頃合いを見てUC「災禍刺刀撃」発動にて
攻撃の受け流しから敵の懐に目掛けて小太刀による刺突で串刺しにす



●清めたもうて祓いたもうて無念よ晴れよ
「わらわが思っていた以上に……」
 桜吹雪の砂塵の最中、それでもなお、その禍々しい怨念は薄れず消えず。
 鍋島・小百合子(朱舞の女丈夫・f04799)の予想をこえたソレ。
 これほどまでに積み重なったものは、最早。
「なれば、死地を共にせしわらわの薙刀にてお相手いたそうぞ……!!」
  抜き払うは、共に死地を駆け抜けてきた薙刀、銘"竜王御前"。
 その刃に破魔の力を巡らせればそれは青白い浄化の光を宿す。
「肥前が女武者……鍋島小百合子、いざ参るッ!!」
 名乗りあげと同時に疾駆する。
 少女剣士の大上段から振り下ろされた剣、柄で受け、それをそのまま流す。
 威力を殺し、勢いは殺さず、そのまま回転させた刃が跳ねて胴を切り上げる。
 その一撃を以てたたらを踏んだ所に踏み込み、刃を振り下ろし、遠心力を利用した連続攻撃。
 その怒涛の連続攻撃を防ぎ続ける少女剣士。
 耐えきれなくなったか、その怒涛の攻撃に渾身をぶつけ、距離を突き放す。
 幾度となく繰り返される攻防。
 何度も積み重ねれば、太刀筋の癖を見切るのも道理。
 ましてや死地を幾度となく越えてきた女武者には蓄積された戦いの記憶たちがある。
 防ぐまでも、受けるまでもない。
 最早僅かな体捌きのみでその攻撃は脅威でなくなる。
 神速の突きが放たれた。
 しかし、小百合子の目にはそれは最早神速ではない。
 それを受け流し、踏み込み。
「我が剛の一撃、鎧すら無意味ぞ……ッ!!」
 抜刀、至近距離から放たれる小太刀の一撃。
 流した神速の一撃よりも速く、鎧をも穿つ極大威力の一撃。
 その身がくの字に圧し曲がり、その威力によってその足は威力を殺しきれず浮かび上がり、神社の拝殿に吹き飛び、その扉を破壊し、本殿にまで突き刺さる。
 埃が立ち込め、本殿を覆い隠す。
「その無念、わらわが晴らそう……」
 浄化の刃は光をたゆたえたまま。
 戦巫女は、無念の為に刃を振るう。

成功 🔵​🔵​🔴​

ダビング・レコーズ
自我が生じた刀ですか
ヤドリガミの近似種でしょうか

【POW・アドリブ連携歓迎】

採れる戦術が限定されているからこそ、それに必要な要素が極められている相手ですか
対処する上で同じ条件を成立させなければ圧倒されて然るべきでしょう
ならばオーバードライブギアを起動
ルナティクスとスヴェルを主兵装とし高速近接戦闘を開始
増強した反応速度で目標の特性を読み
威力重視にはスラスターを駆使した急速反転や左右へ瞬間加速し回避
防御重視ならば駆動系出力を最大に発揮した強烈な剣撃で守備を崩します
状態異常重視にはシールド防御で機体への直接被弾を阻止し対処

武器は何も望まない
ただ摩耗し損壊するのみ
敵を倒す為の道具であるが故に



●戦うための力
「敵性戦力の戦闘能力を計算――――」
 ダビング・レコーズ(RS01・f12341)のカメラアイが戦力評定を行う。
 採れる戦術は限定されている。
 故に、その戦術を極めて効率よく運用する為の存在。
 対処するに当たっては同じ条件を成立させねばならない。
 本殿の埃を振り払い、剣を構える少女。
 疾駆、雷霆の如く速度によって間合いが殺される。
「コード……ODG」
 ダビングの電子回路に指令がくだされる。
 各部より承認が降りる。
「全システム、リミッター解除」
 全システムのリミッターが解除される。
 戦闘兵器とは、十全な動きを約束されていなければならない。
 だから、このようなリミッターを外すような機能は不要なものである。
 故に、本来の"RS01"と言う機体には搭載されていない。
 しかし、"ダビング・レコーズ"となったこの機体にはそれが存在しているのだ。
「オーバードライブギア、スタンバイ――――」
 カメラ・アイが真紅に染まり、身体のラインもまた真紅に染まる。
 フレームが、動力の熱量放射に耐えきれず赤熱する。
 装甲が放射熱によって赤く染まる。
「アクション」
 自らが溶解しかねない程の熱量を帯びると同時、その躯体は雷霆の如き斬撃をいなす。
 神速の斬撃を多積層大型実体盾のスヴェルで受け止め流す。
 四方八方から襲い来る斬衝撃をリミッター解除の影響で真紅の粒子を放つ荷電粒子が切り裂く。
 恐るべし速度に躯体のフレームが悲鳴をあげる。
 しかし、リミッターを解除されたが故にその反応速度、躯体の限界機動力も増強されている。
 恐るべき威力を誇る大斬撃は、真紅の粒子と残像を散らし回避。
 防御に専念するならば、真紅の荷電粒子がそれを打ち砕く。
 その反応速度を落とそうと放たれた斬撃はスヴェルが受け流し打ち砕く。
 ダビング・レコーズにはわからない。
 99年を生きて、残りのあと1年、たった1年で"成れた"と言う無念はわからない。
 彼は戦う為の兵器であり、戦う為の道具である。
 武器は何も望まない。
 道具は何も望まない。
 摩耗して、損耗し、役目を果たせなくなるその時まで役割を果たし続ける。
 それこそが道具であり、武器であり、兵器である。
 ダビング・レコーズはわからない。
 敵を倒す為の道具であり、武器であり、兵器であるが故に。
 その無念などはわからない。
 ただ任を全うする、その為に彼は在るのだから。

成功 🔵​🔵​🔴​

平坂・伊澄
最後は少女剣士…いや、ガワだけの張りぼてかな?
実体のある影法師と言ったほうがいいのかもしれないね、そしてその大元はあの刀…なるほど、それじゃあ今回は人を相手に取れる方法では効かなそうだね


武器破壊なんて戦いの中で狙ってやれるものではないけども…それしか道がないならやるだけかな


まずはあの刀の間合いや作り、動きの癖をしっかり把握(見切り)しよう、動きをとらえられれば、受けも往なしも容易になるからね

把握できたなら相手の攻撃を受け又は往なす際に穂先や柄、石突を利用して刀身の側面に対して衝撃を入れられるようにしていこうか 同じ場所に対して十数合、衝撃を加え(連穿槍+部位破壊)れば…

刀は無事では済まなくなる



●毀れる刃
「――――少女……否、ガワだけのハリボテか」
 平坂・伊澄(槍持つ學徒・f27341)は目の前のソレの本質を見抜いている。
 その身体は数多の猟兵たちとの戦いですでにところどころに傷を負っている。
 しかし、刀から発される膨大な怨念がその傷を覆い隠していく。
 結局の所、その担い手は実体ある影法師。
 人相手を殺傷する業は根本的には無意味でしかない。
 それが生じぬほどに殺傷し続ければ話は別かもしれないが……。
「それしか道がないならやるだけだけど」
 振りかぶられた一刀、大げさに飛び退いて避ける。
 踏み込みの速さは、その一撃で知れた。
 続く第二撃。
 仕込み槍が大きく振るわれてそれを横っ面から弾き飛ばした。
 刀の長さはそれで知れた。
 踏み込むなりに飛針を投げつける。
 それは人を殺すに十二分だが、その怨念刀には不十分。
 刃の乱れ打ちにて迎撃される。
 されど、それで十分。
 動きの癖も知れた。
 幾度となく重ねながら、それの精度をあげて、見切って。
「底は知れた」
 雷霆の如き神速の斬撃は歩み一つで避けられた。
 疾風の如き神速の刺突は槍一つで巻き上げられた。
 竜巻の如く威力ある薙ぎ払いは柄一つで受け止められた。
 なれば後は仕込みを行うだけ。
 斬撃に合わせるように穂先を打ち込む。
 刺突に合わせるように石突で叩く。
 薙ぎは柄で受け止め、距離をとれば飛針で撃ち落とす。
 それは、誰にも気づかぬほど精密で緻密な精度を以て同じ箇所を穿ち続けていた。
 何度も、何度も、何度も、何度も。
 同じところを穿ち続ければやがて、ピシリ、と毀れる音が響いた。
「細工は流々、あとは仕上げを御覧じろ」
 誰にも気づかれぬ精度で。
 その毀れは大きくなっていた。

成功 🔵​🔵​🔴​

カタリナ・エスペランサ
……そう成り果てるまでの無念には同情するけどね
だからって妖怪たちを傷つけていい理由にはならないよ
さぁ、骸の海に還る時だ。その悲嘆、全部吐き出していくといい

使うUCは【失楽の呪姫】、励起した魔神の魂で今回は《怪力・見切り・早業》を強化して敵UCへの対応力を高めよう
《第六感+戦闘知識+見切り》で敵の動きを先読み、機動力の優位を活かして《空中戦》を展開
敵の強化が攻撃力なら《怪力》に重力の《属性攻撃》を重ね、命中率なら《見切り》、攻撃回数なら《早業+2回攻撃》にダガーと体術・羽弾の手数から《カウンター・武器受け・武器落とし》を合わせ迎え撃つ
攻撃にはUCの炎雷を纏わせ《継続ダメージ》で《浄化》していくよ



●葬送の焔雷
 猟兵たちから無数の傷を受けながらも、取り巻く呪詛が、怨念が、その傷を癒やし続ける。
 無念が、その身を突き動かし続ける。
 けれど――――。
「……そう成り果てるまでの無念には同情するけどね」
 右手に全てに終わりを告げる炎を。
 左手に全てを穿つ黒き雷を携えて。
 カタリナ・エスペランサ(閃風の舞手(ナフティ・フェザー)・f21100)は相対する。
「だからって妖怪たちを傷つけていい理由にはならない」
 その身に宿した魔神の魂がその体を巡る。
 身体能力が活性化され、常人を遥かに上回る力と化す。
 迅雷の如き斬撃は黒い雷鳴の剣で弾き返した。
 疾風の如き刺突は踏み込む前に炎によって阻まれる。
 互いの速度はほぼ互角と言えよう。
 否、じょじょに斬撃よりも雷撃の方が速くなっていく。
 それも正しくはないのだろう。
 速度が増すはずはない、なれば雷撃の方が速くなった理由は何か。
 幾度と剣を交えた事による蓄積された経験。
 今まで積み重ねた戦いの記憶。
 それらが織りなす直感と動物じみた野生の本能。
 それが相手の動き、その機先を制しているのだ。
 だからこそ、先を読んだように刃を打ち合わせている。
 そう、相手の行動をカタリナは最早理屈や理論ではなく、本能的に見切っていた。
「さあ、骸の海に還る時だ、その悲嘆を全部吐き出せ――――!!」
 あらゆる加護も貫く黒い雷が、その身を穿つ。
 終端を招く地獄の劫火、その欠片がその身を焼き払う。
 だが、それでも、それでもなお。
 その剣はまだ吐き出しきれてないと言わんばかりに立ち上がる。

成功 🔵​🔵​🔴​

イデアール・モラクス
聞こえるぞ、剣達の無念が。
感じるぞ、刀達の嘆きを。

剣たる全ては打ち捨てられるのでは無く、鞘に納め蔵に収められるべきである。

・魔剣帝の本気
「悦べ、我が無限の剣が心ゆくまで打ち合い斬り結んでやる」
UC【魔剣の女帝】を『高速詠唱』で行使。
真の姿となり次々と『全力魔法』の力で威力を増した魔剣を無尽蔵に召喚し『乱れ撃ち』や『一斉発射』で雨霰と射出、圧倒的弾幕の『範囲攻撃』と成して『制圧射撃』をかけ衝撃波を相殺。
そして高速飛翔の『空中戦』で『切り込み』魔剣ドミナンスで『武器受け』しながら斬り結び、止めは『薙ぎ払い』で片をつけて本体たる刀を手にし労ってやる。
「よい刀だ、我が蔵に欲しいほどにな」

※アドリブ歓迎



●無限に至る剣
「聞こえるぞ……剣たちの無念が」
 イデアール・モラクス(暴虐の魔女・f04845)が手を大仰に広げた。
 その髪が白く染まっていく。
 膨大な魔力が渦巻き、無数の光の門を開いた。
「感じるぞ……刀たちの嘆きを」
 剣の女王、無限の剣を納める蔵を持つ女王が故に。
 伝わり感じる無念と怨念、その嘆き。
 それらを如実に感じ取っていた。
「剣たる全ては打ち捨てられるのではなく、鞘に納め蔵に収められるべきである」
 その剣の多くを彼女は蔵に持つ。
 魔剣を統べる王であるが故に。
 無数の光の門より刃が生じる。
 それこそが、彼女が彼女の蔵に収めると言う無限の剣。
「悦べ、我が無限の剣、貴様の心ゆくまで打ち合ってやろう、斬り結んでやろう!!」
 光の門より、次々と放たれたるは名剣、名刀、聖剣、神刀、魔剣、妖刀、いずれも名だたるもの。
 その多くの魔剣の群れが、少女剣士の身を引き裂いていく。
 こんなもので、こんなものが。
 増すのは怨念、増すのは怨嗟。
 剣の本分を全うするのが武器の、道具としての役目。
 だが、九十九の刻を経て振るわれ、銘すら振られずに打ち捨てられたその刃金には。
 銘振られた剣の数々はむしろ怨念の象徴、怨嗟の根源、そして何よりも。
 ――――妬む根幹である。
 無数に打ち付ける剣の弾幕、怨念を纏った闇色の刃金がそれに打ち付けられていく。
「ハハハッ、良い刀だ……!! 我が蔵に欲しいほどになぁッ!!」
 驟雨の如く打ち付ける剣の雨。
 それを払い除け、撃ち弾き、身を貫かれながらも肉薄する。
 その肉薄した剣士に、応じるようにイデアールも飛翔に魔剣ドミナンスを振るう。
 怨念が凝縮した肉体が、銘無き刀を振るう。
 切り結び、刃と刃が打ち合う。
 ピシリ、と一度音が響いた気がした。

成功 🔵​🔵​🔴​

防人・拓也
「今度は腕のある剣士が相手か。こいつは弾一発でやるのは難しいな」
と言い、『OB-D4カービン』を手に持つ。弾倉にある弾は全てブレイブ・ソルジャーが触れて力を与えている。
「行くぞ」
と言い、ダッシュしながら銃を撃っていく。弾を弾かれても斬られても、構わず撃ち続ける。敵の間合いに入る寸前にジャンプし、相手の上に到達した時に、敵の足元の地面に銃弾を一発撃ち込む。着地した瞬間、すぐにナイフへ持ち替えて、敵に接近戦を仕掛ける。敵が攻撃してきた瞬間にUCを発動。弾がある敵の足元の近くへ瞬間移動する。
「この距離なら、俺のブレイブ・ソルジャーの方が速い」
と言い、ブレイブ・ラッシュを叩き込む。
アドリブ・連携可。



●無数の拳
「今度は腕のある剣士が相手か。こいつは弾一発でやるのは難しいな」
 防人・拓也(コードネーム:リーパー・f23769)は手にしたアサルトライフル、その弾倉にこめられた弾全てに力を宿す。
 それは『ブレイブ・ソルジャー』が力を与えたものだ。
 照準、距離よし。
 『OB-D4カービン』が火を噴いた。
 無数の鉛が放たれる。
 それもモノともせずに、切り払い、弾き返す少女剣士。
 だが、関係ないと言わんばかりにひたすらに弾をばらまき続ける。
 距離は殺された。
 この距離ならば、銃弾よりも雷霆の如く速度の斬撃の方が速い。
 完全に"殺"った。
「行くぞ」
 しかし、その斬撃は虚空を斬る。
 拓也の姿は空にあった。
 『ブレイブ・ソルジャー』に与えた力、それによる転移だ。
 先の攻防、ばらまかれた弾丸の一つ、弾きあげられたソレの下へ転移した。
 空中で体勢を整え、下方にいる"敵"に鉛玉を再びばらまく。
 だが、同様に剣によって弾丸は弾き落とされる。
 虚空にいる拓也目掛けての疾風のような突き。
 しかし、それはまた虚空を突いた。
 では、彼はどこに転移したのか。
「――――この距離ならば」
 彼は、足元に転移していた。
 すでに、背に現れた守護霊『ブレイブ・ソルジャー』は顕現している。
 その拳もすでに握り込まれている。
「俺のブレイブ・ソルジャーの方が速い」
 繰り出される無数の拳、それが肉体を打ち据えていく。
 無数の打撃痕が身体にのこり、その体は拳の衝撃で曲がっていく。
 衝撃圧に負け、その身が放り出された。
 ピキリ、と言う音がまた一度響いた。

成功 🔵​🔵​🔴​

フィランサ・ロセウス
凄い……凄いわ!さっきの子達よりもずっと強い想い!
あなたがそうなのね?ふふっ、逢いたかった!

今回はダーク・ヴェンジャンスを纏って正面からぶつかり合うわ
これ程の想いが篭った剣、受けないと勿体ないもの!
その“愛”が私に刻まれる度、力が沸き上がって来る
だから同じ分だけ……ううん、それ以上に“好き”な気持ちをぶつけるの!
拾ったバールに砕けた剣、幸いその為のアイテムは沢山落ちているわ
さあ、さあ、心行くまで殺(あい)し合いましょ❤



●殺害欲求(あい)
「凄い……凄いわ、さっきの子たちよりもずっと強い想い……!!」
 フィランサ・ロセウス(危険な好意・f16445)は端的に言って狂っていた。
 強い感情、強い想い、それこそが愛なのであると。
 愛は確かに強い感情だ。
 それ一つで人は強くなれる。
 それ一つで人は恐ろしくなる。
 それ一つで人は容易く狂う。
 だからこそ、愛は人の持つ感情の中ではかなり強い想いである。
 しかし、だからと言って強い想いはイコールで愛とは限らない。
 だけどフィランサは狂っている。
 強い想いこそが愛であると。
 だからこそ……。
「あなたがそうなのね? ふふっ、会いたかったッ!!」
 虚ろな笑顔を浮かべ、右に手にしたバールのようなものが地をひっかく。
 幾度となく、敵を殴りつけたそれには肉片がこびりつき、付着した血が乾いてどす黒くなっていた。
 左に手にした刃はまるで肉厚の鉈のようだった。
 その切っ先は砕け、刃はガタガタ、最早ただの鈍らと化したそれには、洗っても磨いても落ちない乾いた血がこびりついていた。
「ええ、いいわ……たぁっぷり、じぃっくり、殺(あい)し合いましょ……♥」
 その身を黒い粘液が覆い隠した。
 相手の命を奪い、喰らい、傷を癒やしながら、その傷を力にへと変える理外の理。
 ダーク・ヴェンジャンス、それがフィランサのユーベルコードであった。
 怨念のこめられた刃が、その柔肌を切り裂く。
 けれど、お構いなしに、鈍ら鉈をぶつけていく。
 互いに互い、まるで防御に気を使わぬ激しい殴り合い。
 その体、双方傷だらけになっていく。
 怨念が、その傷を覆い、隠していく。
 粘液が、その傷を覆い、癒やしていく。
 剣士は、目の前の敵を殺し尽くす為に。
 フィランサは、愛を刻むこの相手を"殺(あい)し合う"為に。
 剣士は強い強い怨念を叩きつけていく。
 そう、それこそ、それこそが。
「ええ、あなたが私をとぉっても"好き"なの、伝わってくるのッ♥」
 その強い想いを受けてフィランサはより滾る。
 嗚呼、こんなに殺(あい)してもらえるなんて!!
 振り上げたバールが、剣身を打ち据える。
 パキリ、と言う音がまた響いた。

成功 🔵​🔵​🔴​

クリスティアーネ・アステローペ
瑞穂(f06230)と

圧し折るのは少し勿体ない気もするわね?
さっきと同じ、それよりもっと強い望みのようですし
――ここは一つ、見せびらかされてあげるべきかしら?
(一時的かもしれないが。自分という担い手を見つけた刀を一瞥、瑞穂が退くのに合わせて刀剣士に突きつけて)

「ええ、いいわ。踊りましょう」
言葉とともに【血統覚醒】
刀の扱いは知らないけれど多少の無茶は耐えられる状態ですし、
最初あれだけ暴れたのですもの。どう振るわれるのがいいのか、教えなさいな

刀の意志に合わせタイミングを揃えて《怪力》を発揮し攻撃、防御はエヴェリーナによる《武器受け》で応じるわ
さて、幕は首か刀身か、どっちを断って引くべきかしら――?


秋津洲・瑞穂
(クリスティアーネと)

(無念を読み取り)
「ちょっと腹が立ったので、先に行かせて貰うわね」

所詮は道具って、あなたね……当たり前でしょうっ!

そも刀剣は使い捨て! 
わたしの神獣刀のような霊験の太刀でもあれば格別、
そうでなければ消耗品よ消耗品!

剣士と剣との間に区別はなく、それは一体のもの。
ただし付き合いの長さが問われる関わりじゃない、
振るうは一瞬、別れも一瞬、一瞬が問われるのよ。
残り生涯の全て、意思の全てを剣に賭けて振るわれる、
その一瞬の重さこそが刀剣の意味よ!

しばらく派手にチャンバラしたら後は譲ろう。
斬りゃ斬れるけど、腹立ち任せに斬っても仕方ないわ。

「クリスティアーネにへし折られなさい、この未熟者」



●刃金の価値
 全身をぼろぼろにさせ、なおも瘴気を纏ったソレ。
 怨念がその傷を埋めていきながら、綻びかけたもの。
 その想いを、読み取った秋津洲・瑞穂(狐の巫女・f06230)は眉を顰めた。
「……ねえ、クリスティアーネ」
「何かしら?」
 瑞穂は傍らに立つクリスティアーネ・アステローペ(朧月の魔・f04288)に言葉を投げかける。
 瑞穂は随分とご立腹な様子だった。
「ちょっと腹が立ったので、先に行かせて貰うわね」
「ええ、いいわよ」
 返事も返さず、瑞穂が大地を蹴る。
 瞬速、一瞬で間合いを殺す。
 瑞穂の神獣刀が打ち付けられた。
 刃金と刃金が打ち合い、響き、火花を散らす。
「そも刀剣とか使い捨てのもの……!!」
 裂帛の呼気と共に剛剣が繰り出される。
 その剛剣に合わせ撃つように放たれる斬撃。
 されど、鎧をも砕き、穿つその剣の前には些かそれは劣った。
「わたしの神獣刀のような霊験なる太刀でもあれば別格……だけどッ!!」
 自らの愛刀に信頼をおき、自らの手足のように繰るソレだからこそ。
 それは長き戦いを、激しき戦いを経ることが出来た。
「そうでなければ消耗品よ、消耗品ッ!!」
 振るわれる斬撃、苛立ち混じりのソレ。
 されど、その斬撃は精妙にして練磨されたもの。
 感情に任せて剣を振るえど、身についた技は些かも衰えはしない。
 剣士とは、剣とは、互いに区別はなく、互いに一体。
 振るうも別れもその一瞬が全てである。
 生命、意志、想い、信念、絡みついた無数のもの。
 それを一刀、一刀に込める。
 刹那のような瞬きの中、その重みこそが刀剣の在り方である。
 己のありったけをこめた剛剣の一撃、それが少女剣士を弾き飛ばす。
「クリスティアーネに圧し折られなさい、この未熟者……!!」
「圧し折るのは少し勿体ない気もするわね?」
 いつの間にか吹き飛ばされたその背後に佇む娘がいた。
 娘の手には、先の戦場で振るわれていた担い手なき古刀が握られている。
 その様見れば、怨念が沸き立つ。
 空中で体勢を整えながら捻りを加えた渾身の斬撃。
 それは古刀によって阻まれた。
 憎悪が渦巻く、怨念が沸き立つ、心は……渇く。
「ええ、いいわ」
 それをクリスティアーネは見つめ、目を細めた。
 古刀と鍔迫り合いをしていたそれを吸血鬼の膂力で弾き飛ばす。
「踊りましょう」
 その瞳が真紅に染まり、古刀に真紅の気を通わせる。
 ドクン、と古刀が脈打った気がする。
 あとは刃金に任せるがままにクリスティアーネはそれを振るう。
 剣術の素人であるはずの彼女は、今少女剣士に食らいついていた。
 剣が望むままに、思うがままに、クリスティアーネはそれを振るう。
 身体スペック頼りのゴリ押し、されど剣は望むままに彼女を担い手とした。
 慈悲深き切っ先なきエヴェリーナ、それを振るう。
 それが少女剣士の本体たる刀、その側面を打ち据える。
 パキリ、と言う音がまた響いた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

宙夢・拓未
アドリブ・連携歓迎

▼かける言葉
辛かったな。苦しかったな
使ってくれてありがとうって、そう言いたかったよな

俺が思うに、担い手はお前を捨てたくて捨てたんじゃない
刀は……鋼は、頑丈なものだ
それと同じように、『百年以上生きる』ことに……耐えられる存在ばかりじゃないんだ

お前より短かった人生で、きっと担い手はお前を、心から大切にしてたと思うぜ
でなきゃ、『愛刀』なんて呼ばないさ

▼戦闘
【あやかしメダル「鎌鼬」】を『オブリビオン・キラー』に貼る
風の【属性攻撃】である真空の刃を【誘導弾】の要領で飛ばし、遠距離から攻撃
刀の射程距離内に入らないようにする
【視力】で動きをよく観察。刀剣士の体ではなく、刀を狙って攻撃する


リズ・ルシーズ
【全世界サイボーグ連盟】で参加、アドリブ・連携歓迎だよ!

【SPD】

「んーよくわからないな、1年足りなかったら99年愛刀として使ってもらってたのが無かったことになるんだ?」

【指定UC】を使うと、現れるのは巨大な放水砲、通常の放水砲との違いは水代わりに放出される液体。金属の大敵である酸

「それがどんな意味があるかボクは識らないけど、オブリビオンとして猟兵の前に居る以上、ボクがやることは1つだよね!」

光学【迷彩】を展開し【重力制御装置】を起動し、【空中戦】で空から敵の本体である刀を狙って酸【属性攻撃】で攻撃だよ。

「リーダー、千秋、説得するなら刀の原型があるうちにね!」


クネウス・ウィギンシティ
【全世界サイボーグ連盟】で参加
※アドリブ&絡み歓迎
「やはり、野良でしたか……」

【POW】

●戦闘
「早期に対処出来るのは幸運ですね」
 100年経てば付喪神になると聞きます。なりかけもしくはなったが故か。

「強すぎる武具は何れの世界でも担い手に死を運ぶという、剣に罪は無く作り手の不始末か」
 無念は作られた目的「斬る」ことでしか果たせぬと。

 自分の肉体を見つめる。
「残り右腕もくれてやる。持っていけ」
 機械化した右腕で刀を【武器受け】で受け反撃する狙いです。
「ウェポン・シフト、ギア・アガートラム……ッ!!」
 全力で殴りつけて右腕を爆散、火で持って剣を打ち直します(【メカニック&属性攻撃】)。


草野・千秋
【全世界サイボーグ連盟】
世界が世界でしたらヤドリガミか何かになってそうですねあの刀
99年、あと1年だったんですね
待っていた時間はさぞかしやお辛かったでしょうが
僕らに仇なすなら立ち向かうまで
『刀』としての無念ここで供養しましょうか

姫さんの言う通り『捨てられた』ことについて何か深い理由があったんでしょう
歌唱、楽器演奏、UCで語りかけ
応じないようなら剣と刀で話し合いますよ
ヒーローソードを怪力で持ち上げ、2回攻撃で叩き斬ります
攻撃は第六感、戦闘知識、視力で見切り
痛みは激痛耐性と盾受けで耐える
届く範囲なら仲間もかばう
お怪我は!?


河原崎・修羅雪姫
【全世界サイボーグ連盟】で参加
「生きも生きたり、1と99年。だけど貴方(刀)の時間は止まっていたのねえ」
 この事件に対してこう感じ、猟兵として参加します。

 戦闘中、敵の注意を引きつけるオトリ役になります。
「貴方の攻撃は、サイボーグである私を一撃で倒すことは出来ない。代わりにユーベルコードを頂いていくわぁ」
 流浪の刀剣士の「一閃(WIZ)」に対し、
UC「肉を切らせて骨を断つ」を使うことで、攻撃を引きつけ、封じます。

「貴方(刀)が『捨てられた』のには何か深い理由があったのじゃないかしら?」
「ほら、よく思い出してみて」
最大の目的は、「刀」の無念を晴らしてあげることです。



●鋼と刃金
「なるほど……」
 クネウス・ウィギンシティ(鋼鉄の機構士・f02209)は今もなお戦い続ける少女剣士に目を走らせ唸る。
 何かを突き止めたのか、と猟兵たちの視線が集まった。
「やはり野良でしたか」
 野良?
 猟兵の意志は今ここに一致した。
 野良とはなんだ。
「世界が世界ならば、ヤドリガミかあるいは力ある妖怪か……それになっていたんでしょうね。……あと1年あれば」
「生きも生きたり、1と99年、だけどあの剣の時間は止まっていたのねぇ……」
 わずか1年、その時間。
 その時間さえ届けば。
「よくわかんないな……1年足りなかったら、あとの99年の月日がなかったことになるの?」
 草野・千秋(断罪戦士ダムナーティオー・f01504)と河原崎・修羅雪姫(プリンセス・スノーブラッド・f00298)は、その長い時間に思う所があり。
 リズ・ルシーズ(Re-Z・f11009)には、その刀の論理思考は理解が及ばなかった。
 事実、彼女が"成る"には一年足りずとも、"彼女"は99年の時間を共に生きて、駆け抜けたのだから。
 その時間が消え去るわけではないし、意味がなかったわけではないのだから。
 宙夢・拓未(未知の運び手・f03032)は、瞳を伏せたまま、何を思うのか。
 だが、その拳は握りしめられていた。
「強すぎる武具と言うものは何れの世界でも担い手に死を運ぶと言います」
 剣に罪はなく、作り手の不始末である、と。
 この剣は斬る事でしか目的を果たせぬ、と。
 究極的には、剣とは事斬る事にのみ目的を持つ。
 なれば、この剣の無念とは。
「しかし、オブリビオンと化したのならば、ここで潰えて貰うしかない……」
「そうそう、ボクはどんな意味があるか識らないけど、オブリビオンと化して猟兵の前にいる以上やる事は一つだよね」
 リズ・ルシーズの躯体が浮かび上がり、重力を制する。
 手にした大口径のライフルを片手に鋼の猟兵たちを見下ろした。
「リーダー、千秋、拓未、説得するなら刀の原型があるうちにね!!」
 鋼たちの開幕の一撃、それはリズから放たれた。
 そこから放たれた弾丸が、刃金をうがとうとする。
 少女剣士がその弾丸を切り裂こうと剣を振るう。
 ちょうどいい、狙いもどうせそれだったのだから。
 切り裂かれた弾頭より、液体が溢れ出て飛び散る。
 強い酸性を帯びた液体が、刀諸共その身を焼いていく。
 全身に火傷が残り、剣は、融解する。
 それでも、この身を突き動かすものがある。
 地を蹴り、疾駆する。
 剣は振るわれる。
 されど、ここにいるは鋼の戦士たち。
「貴方の攻撃は決して私を一撃で倒す事は出来ないわぁ」
 確かにその斬撃は修羅雪姫の身体に奔った。
 だが、その刃は止められた。そう、ただの肉体それ一つで。
「――――だってサイボーグだもの」
 そう、彼ら、彼女たちはサイボーグ、鋼の戦士。
 身も、あるいは心すらも鋼鉄に身を包んだ戦士たち。
「一撃はもらったわぁ、お代は――――その技ね?」
 一撃の代償、それは重く、そして、致命的であった。
 奪われたのは妖刀としての業の数々。
 力を一気に奪われ、剣に宿る一撃が衰える。
「思い出して……貴方が"棄てられた"事には何か理由があったのじゃないかしら」
「そうです、姫さんの言う通り、"棄てられた"ことについて何か深い理由があったんでしょう……!?」
 語りかける修羅雪姫、告げる千秋。
 続く歌が、その無念を、その心そのものを解きほぐす。
「……わ、たし、は……!!」
「……そうか……」
 言葉が響いた。
 周囲状況を冷静に観察していた拓未は、とある一つのものを見つけた。
 そう、"見つけてしまった"。
「……辛かったな、苦しかったな。使ってくれて、ありがとうって、そう言いたかったよな」
「わたし、はぁッ!!」
 失われた力、身を突き動かす事も出来ぬほどに弱まった。
 刀身には猟兵たちの数多の攻撃を受けたせいか、ヒビが無数に走っていた。
 それでも、sの身を突き動かすものがあった。
 刀身の一撃、それを拓未は無造作に受け止めた。
「お前は、棄てたくて、棄てられたんじゃない……」
 拓未の視線の先には、一つの墓標が立っていた。
 おそらく、アレは――――。
「刀は、鋼は、頑丈なもので、それと同じように……"百年"を生きる事に耐えられる存在ばかりじゃないんだ……」
 ゆっくり、と語りかける。
 刀身に走るヒビが、亀裂がさらに増していく。
「お前より短かった人生だったんだ」
「うあ、ぁああああああああああッ!!」
 諭すような言葉、嫌だ、認めたくない、そんな事を知りたくない。
 今更すぎるそんなものを。
「けれど、きっと担い手はお前を、心から大切にしてたと思う」
 無銘の剣、作刀したものですら銘を振らなかった剣。
 けれど、彼女を振るった担い手は、彼女を愛し、名付けた。
「でなきゃ、"愛刀"なんて呼ばないさ……!!」
 その腕が剣を弾き飛ばし、鎌鼬を放つ。
 刀身に走る無数のヒビがさらに深くなっていく。
 ピキリ、と言う音がまた響く。
「クネウゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥスッ!!」
「承知しました」
 その右腕は、赤熱超えて白熱化、白銀の光を帯びて輝いていた。
 伝説に伝えられる神の腕、その一つかのように。
「刃金に火をいれましょう……!! 右腕もくれてやる……!!」
 白銀の輝きを帯びた腕、それを振るい疾駆する。
 自身を右腕をも燃やし尽くし、破砕するそのユーベルコードの名を。
「ウェポン・シフト、アガートラム……ッ!!」
 その拳が、無数に入った亀裂をさらに広げ、火をもってして"鍛ち"直す。
 最早刀としての命は望めない、されど、その"心"を"鍛ち直す"為に。
「持っていけぇッ!!」
 腕が砕け散ると同時、妖刀だったソレは遂に命脈が尽きる。
 白熱した破片がぱらぱら、と散っていき、その体も形を保てずに解けていく。
「……嗚呼……わたし、は――――」
 剣とは、斬る事こそが本分。
 だからこそ、斬らねば姿を保てぬと思っていた。
 もう斬れない、存在を保てない、だから斬っていた。
 そうではない、彼女の無念の根幹、それは――――。
「……愛してくれて、ありがとう……」
 ただ、かつての担い手に、それを伝えたかっただけ。
 口をもたぬ刃金の身では、それを伝えることは難しかった。
 だからこそ一年、短いはずが、彼女にとっては久遠に久しかったその一年。
 ――――無念を口にしたからか、その身は最早消えゆくのみ。
 無数の無念と怨念、怨嗟と嫉妬。
 それに突き動かされてきた剣の根幹はただそれだけだった。
 そうしてここに刃金は砕け、世界は解けて消える。
 桜の吹雪に巻かれるように、何もなかったように。

 戦いの後のそこには、何の変哲もない墓標一つと。
 中ほどから折れて砕けた刃金が、寄り添うようにそこに突き刺さっていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2020年07月15日


挿絵イラスト