3
伝説の剣を求めて

#アルダワ魔法学園

タグの編集

 現在は作者のみ編集可能です。
 🔒公式タグは編集できません。

🔒
#アルダワ魔法学園


0





「この奥だよな?伝説の剣が眠ってるのって」
「そうみたいだな。地図で見ると、この壁の向こう辺りかぁ?」
 二人組の学生が、地図を片手に重い足取りで地下通路を進んで行く。ここに到達するまでの迷宮で大分苦戦したのか、その表情には疲労も色濃く出てきている。
「『毒の迷宮』に『影の迷宮』……帰りもあそこ通るのか……」
「この先の『火の迷宮』をクリアしたら、直接帰る道とか用意してくれてないかな」
 近寄ってくるその声を聞いて、『火の迷宮』の番人はギギ……と重たい駆動音を響かせる。
「そんな便利仕様があれば良いけどな、っと、ここから入るのか」
 その駆動音にも気付かずに、学生達は壁に仕掛けられた重厚な扉に手を添えて、そっと扉を開ける。
「な、何だあれ!?」
 サウナのような蒸し暑い、無駄に広いだけの部屋の真ん中に鎮座する魔導技術と蒸気機械の粋を集めて作られた、宝の番人・魔導ゴーレム『トレジャリーガード』。
 学生達が身構える前に飛んできた剛拳は一人を押し潰し、胸部から放たれた熱線は、事態が飲み込めていなかったもう一人を焼き切ってしまうのだった。


「集まってくれてありがとな。アルダワ魔法学園の地下でオブリビオンの活動を確認したんだ。皆にはその対処をお願いしたい」
 集まった猟兵達に声を掛けると、コーダ・アルバート(人狼の竜騎士・f02444)はグリモアに視線を移す。
「活動を確認したオブリビオンの居場所だけど、普段は生徒達も滅多に近寄らない地下倉庫の奥、そこで地下遺跡への入り口が発見されたんだ」
 その奥には『伝説の剣』が眠っているとされ、一部の生徒達が乗り込んでしまう。
 そしてその最奥で、宝を、伝説の剣を守る魔導ゴーレム・トレジャリーガードの攻撃を受けて命を落としてしまうのだ。
「だから生徒達が迷宮の最奥に辿り着いてしまう前に、このオブリビオンを倒して欲しい」
 コーダの言葉に猟兵が頷いたのを確認して、コーダは猟兵達に迷宮の地図を渡しながら言葉を続ける。

「この迷宮は3つの構成で出来ている。生徒達の呼び方に合わせて、それぞれを『毒の迷宮』『影の迷宮』『火の迷宮』とする。全体的に迷宮といっても、奥へ進むだけなら難易度自体はそこまで高いわけではない。ただ少し厄介な点があるってだけで」
 歯切れの悪い言い方をして、コーダは迷宮の特性を説明していく。
「まず『毒の迷宮』は、その名の通り迷宮自体が毒を含む霧に覆われていて、対処しなければ命に関わるだろうな」
 とはいえ猟兵であれば地図を片手に、毒を纏った空気を吸わない様に息を止めて強引に進む等、毒への対策さえ練ってしまえば大した事はない。

「次の『影の迷宮』は薄暗い迷宮。薄暗いとはいえ、暗闇に目が慣れれば明かりが無くても歩く分には問題ない。ここの地図もあるから、その通りに進んでくれれば良い」
 ただし、ここの暗闇の迷宮には、どこからともなく現れるドッペルゲンガーが多数存在する。その出現が猟兵達の足を止めさせるだろう。
「猟兵の動きをコピーする厄介な敵だから、不意打ちには気をつけてくれ」
 そう告げるコーダに誰かが分かったと答えたのが聞こえた。

「そして最後に『火の迷宮』だけど、ここは迷宮でも何でもない。ただ広いだけの空間に、オブリビオンが鎮座しているだけの部屋だ」
 部屋の中は水がどこからか入り込んでいるのか湿度も高く、トレジャリーガード自体が放つ熱で気温も高い。それらが合わさって蒸し暑いサウナの様な相貌になっている。
 そこに居るオブリビオンを倒せば、今回の依頼は完了だ。

「そしてオブリビオンを倒した奥にある続き部屋に、生徒達が求めた伝説の剣が眠る『宝の間』がある。まぁ、部屋の中にあるのは錆びて壊れた蒸気機械があるだけなんだけど」
 恐らくオブリビオンが本格的に襲来する前に、この迷宮を踏破した学生がその証に残した武器なのだろう。
 どれだけの期間放置されていたのかは分からないが、隣の『火の迷宮』のサウナの影響を受けながら放置されていた様な物だ。
 手入れもせずに置き去りにされていれば錆びて壊れるのも自然な事。
「特に持って帰る必要もないけど、持って帰って『迷宮踏破したぞ』アピールでもしてくれれば学生達も諦めてここには入らないと思うけど、その辺の判断は任せるよ」
 コーダは猟兵達の足元に転移の魔法陣を展開していく。
「学生達がここを発見する前に、この事件を解決して欲しい。それじゃ、宜しく頼むな」
 そう言ってコーダは猟兵達をテレポートさせるのだった。


早瀬諒
 初めまして、またはお久し振りです。早瀬諒です。

 第2作目は、アルダワ魔法学園で地下に居るオブリビオンを倒すシナリオになっております。
 学生達が地下迷宮を見つけて入り込んでしまう前に片をつける為、皆様の協力をお願いします。

 それでは、皆様のプレイングをお待ちしております。
18




第1章 冒険 『古代遺跡への挑戦』

POW   :    息を止め、最短距離を一気に突っ切る

SPD   :    毒素の薄そうな所を探し、回避する

WIZ   :    毒素を中和しながら、用心深く移動する

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。



 猟兵達が転移した場所は、人の姿も多い学園内において珍しく、誰の姿も見かけない地下倉庫の最奥にある一つの本棚の前。
 本棚の裏側から風の吹く音を聞いて猟兵達が本棚を動かせば、そこには確かに遺跡に通ずる古い道が存在していた。
「この先に伝説の剣が……」
「まぁ、錆びて壊れてるらしいけどね」
 『伝説の剣』というワードにロマンを感じる者に、現実をばっさり突きつける者と様々な猟兵がその入り口に集まる。
 入り口から中を確認すれば、霞ががった視界にツンとする刺激臭。
 肌をピリピリと刺激する感覚に、この先が『毒の迷宮』である事を否応なしに理解させられる。
「それじゃ、学生達がここに来る前に行きますか」
 誰かの声に頷いて各々が毒への対策に取り掛かり、準備の出来た者から地下への迷宮へと足を踏み入れて行くのだった。
メーティオル・スター
POWで挑戦!

毒の迷宮なんて言ってるけど、要は迷宮の空気を吸わなきゃいいんだろ?

生まれはどこか知らないけど、スペースシップワールドでデブリを拾いながら育ったオレには問題じゃないね!

普段使いの宇宙服(機密テストクリア済み)を着こんで迷宮に挑む!
これなら外が真空だろうが毒素だろうが関係ない!


まあ、もしかしたらアクシデントで宇宙服が破れちゃうかもしれないけど…
それでも、何も着てないよりはマシなはず!
毒素が回ってくる前に、一気に突っ走っちゃえ!




 視界が悪い中まず真っ先に踏み込んだのは、宇宙の旅で生じるジャンク品を回収して生活するジャンク屋の少年、メーティオル・スター(屑鉄漁りの見習い冒険者・f05168)。

「毒の迷宮なんて言ってるけど、要は迷宮の空気を吸わなきゃいいんだろ?スペースシップワールドでデブリを拾いながら育ったオレには問題じゃないね!」
 普段から真空の宇宙で活動しているメーティオルは、いつも使っている宇宙服を着こんで迷宮に乗り込んでいく。
(日頃から着こなしている上にここは地上(地下だけど)。重力がある分いつもよりは動きやすいはず)
 そう思いながら毒の迷宮へと歩を進めていく。
 宇宙服の耐性や呼吸などを確かめてみるが、入り口で感じたような刺激臭や肌を突き刺すような痛みは感じない。
「これなら外が真空だろうが毒素だろうが関係ないね!」
 宇宙服が毒の中も歩ける事を確かめられて、ほっと胸を撫で下ろしながらメーティオルは軽快に歩き出す。

「えっと、次はこっちだな」
 地図を確認しながら迷宮の中を進んでいくメーティオル。敵の気配にも、足元や周りの確認も怠ってはいなかったが、上方の異変には少し気付くのが遅くなった。
「ん?」
 ガラガラと何かが崩れる音。その音に上を見上げれば、遺跡の天井の欠片達が落石となって崩れ落ちてきて。
「わーーっ!」
 慌ててその場から離れるメーティオル。先程まで立っていた場所にガラガラと落ちてくる天井だった物の破片達。
 全てが落ちきって粉々になったのを確認して、メーティオルは漸く警戒を解いた。
「危なかった……ん?」
 だが、その落石が落ち着いたのと同じ位のタイミングで、メーティオルはもう一つの出来事に気付く。
(何か、右腕がピリピリする……?)
 恐る恐る右腕を見てみると、そこには裂けた宇宙服の姿。
 さっきの落石に巻き込まれて宇宙服が切れたのだと理解する頃には、痛みの範囲も広がりだして。
「えっと、後はあそこを曲がって直進だったよな!毒素が回ってくる前に、一気に突っ走っちゃえ!」
 破れた宇宙服を直す事より、まずは毒の迷宮からの脱出を選んだメーティオルは地図でルートを確認した後、そのまま全力疾走で迷宮の出口まで走り去っていくのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

シャイア・アルカミレーウス
伝説の剣!錆びちゃってるらしいけどそこがいいゃないか。ロマンの残り香がするね!勇者的に!

(wiz)
まあそれは持ち帰ってからロマンに浸るとして、そこまで行く方法を考えようか。
幸い、僕は毒を中和できるお茶を持っているから、それを飲みながら注意深く進もうかな。
水筒に解毒茶を詰めて、道中毒で動けなくなった人がいたら、救助しながら進むよ!トリニティ・エンハンスで筋力を挙げてレスキューだ! 




「伝説の剣!錆びちゃってるらしいけどそこがいいゃないか。ロマンの残り香がするね!勇者的に!」
 楽しそうに毒の迷宮内を探索するのは、鷹の翼と蛇の尾を持つキマイラの13歳の女の子、シャイア・アルカミレーウス(501番目の勇者?・f00501)。
 家の近くの観光名所「勇者(になれるかもしれない)剣が生えてくる岩」から生えた501本目の剣を抜いたことで、村長から勇者認定を受けて旅立ったらしく、今日も見習い勇者道を驀進中だ。

「まあそれは持ち帰ってからロマンに浸るとして、そこまで行く方法を考えようか」
 シャイアは水筒に入れた毒を中和するお茶を飲みながら、注意深く地図を眺める。
「行き止まりが多く、分かれ道はあちこち繋がっていても正解の道は一本だけ……」
(僕は毒を中和できるお茶を持っているから、道中毒で動けなくなった人がいたら救助しながら進もうか)
 それでも、他の道に迷い込んだ人を探しに行けるだけのお茶の量は残っていない。
 それに学生はまだここには来ていない。
 この場に今居るのは猟兵だけ。その猟兵もここに来る時に地図を渡されている。
 となれば、人が倒れていそうなのは正解の道の途中。
「道なりに倒れてる人を助けながら進もう」
 そう思考を纏めると、シャイアは地図に示された通りの道を注意深く進んでいく。

 それでもシャイアの心配は杞憂だった様で、倒れている誰かに遭遇する事無く、シャイアも無事に迷宮の出口へ辿り着くのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

三条・姿見
・SPD毒素の薄そうな所を探し、回避する

伝説の剣とやら……
俺の探す刀とは別物のようだが、調べておくのも悪くない。

さて。毒の迷宮についてだが、
ここは地図を手に速力【SPD】に任せた迅速な突破を目指すべきだろう。

無論、勢いのまま毒素の濃い場所に迷い込むようでは話にならない。
床の摩耗や壁の傷、足跡といった痕跡を探りつつ
『最も頻繁に使われている道』を優先しながら探索を行う。

迷宮の奥を目指す生徒が複数いるなら、序盤であるこの迷宮にも
“獣道”に近いものができているのではないか
それが毒素の薄い、比較的容易に進める道だというのが俺の考えだ。

後は博打だ。どうとでもなる。




「毒の迷宮だが、ここは速力に任せた迅速な突破を目指すべきだろう」
 三条・姿見(鏡面仕上げ・f07852)は地図を見ながら、しっかりとルートを把握する。
 毒に対する対処を持っていないからこそ、ルート選択や迷宮内での選択がそのまま危険に直結してしまうのは姿見も分かっていた。

「かつてこの迷宮の奥を目指し、そして到達した生徒が居たというなら、序盤であるこの迷宮にも“獣道”に近いものができているのではないか?」
 出口に通じる道、行き止まりの道、枝分かれした道。
 地図上に見えるマップには、実際の道の磨耗や足跡などは乗っていない。
 無論、勢いのまま毒素の濃い場所に迷い込むようでは話にならないが、それでもある意味頻繁に使われ消耗している道は、昔の生徒達が見つけ出した毒素の薄い、比較的容易に進める道だというのが『答え』ではないのだろうか。
「……よし。後は博打だ。どうとでもなる」
 姿見は己の見出した解を信じて、毒の迷宮へと歩を進めていく。

 床の摩耗や壁の傷、足跡といった痕跡を直感で探りつつ『最も頻繁に使われた痕跡のある道』を選び抜いて、その道を走り去っていく。
 薄く霞がかった迷宮を、かつてこの道を進んだ生徒達に導かれるように進んでいく。
 そして。
(見えた、出口だ)
 導かれるように進んだ先、迷宮の出口となる場所へと辿り着く。
「ふぅ……何とか着いたか」
 毒の迷宮を抜けて一息吐いてから腕や足、身体を動かして毒のダメージを確認するが、そこまで酷いダメージは負っていなさそうだ。
 そして迷宮を振り返れば、霞の薄い場所、濃い場所が出口からなら良く分かる。
「……やっぱり“獣道”はあったんだな」
 自分が走ってきた道が、比較的霞の薄い場所だったと再確認して、姿見は道を残してくれた過去の生徒達に感謝しつつ、次に待ち受ける迷宮へと進むのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

心象創造・空蝉
POWを選択
毒の霧か…若干の耐性があるとはいえ、長時間いるのは危険だな。アイテム:ナノマシンドリンクボトル+ペイン・レリーヴ・バンドで、再生力と耐性を向上させ、さらにユーベルコードをマシンクラッシャーに使用し、最短距離を一気に駆け抜ける。仮に罠があっても、落とし穴等は跳躍、飛び道具は当たる前に駆け抜け、前方から障害物が来た場合は、そのまま砕きながら進む。


フォートナム・メイソン
POWを選択

■心情
伝説の剣取ってきたらいっぱい褒めてくれるの!?
ボク頑張るから取ってきたらたくさん褒めてね!

■行動
1.[ビルドロボット]で出来るだけ空気が入る形の密閉された四輪駆動のロボットを作る
2.可能なら【属性攻撃】で光を付与。他の仲間の視界を確保する
3.一気に突っ切る
4.ロボット内の酸素が切れたらビルドロボット解除し、毒素の薄い場所退避
5.1に戻る

※遺跡内部の通路の大きさに注意し、ロボットを作る
※毒霧の濃さを確認し視界確保が出来てるかの確認は取っておく

1番に着いたら、尻尾ブンブン振りつつ他の仲間を待ってます
「ボク一番!凄い?凄い?褒めて撫でて!
全力で駆け寄って褒めて撫でてとねだってます


黒木・摩那
★毒の迷宮を気合いで走り抜ける
【POW】
迷宮の奥の『伝説の剣』を獲ってくるとか、いかにも冒険という感じね。
わくわくするわ。

だからこそ、学園生徒を引き寄せるとも言えるんだけど。
そんな生徒たちには悪いけど、早く剣を手に入れて
危ないオブリビオンに遭遇しないようにしないとね。


最初の関門は『毒の迷宮』。
本音を言うと、毒を調べて対策したいところだけど、
毒の種類は千差万別。対策は難しそうです。

ここは一気に走り抜けるのが良さそうです。
まずは手持ちの唐辛子をひと舐めして気合い入れてから、
走り抜けます(気合い)。

それと水を含んだタオルを口元に当てます。


西院鬼・織久
【POW】
【心情】
迷宮という物は何故こうも面倒なのか
敵がいると分かっていれば尚更です
最短距離で突破します

【行動】
毒対処:
耐性が低いので呼吸を止めて行く
地図を見て最短距離を確認
壁を破壊できるなら破壊して最短距離で先を目指す

「影面」の着弾での爆破と「怪力」と「鎧砕き」を利用
それで破壊できればそのまま壁を壊して行く
破壊が不可能、または破壊すると迷宮が崩れる可能性がある場合は自重
もしもの時の「第六感」を働かせ「ダッシュ」で駆け抜ける
途中に罠などがあれば「殺意の炎」による熱で溶かすか「怪力」、またはそれを利用した物理攻撃で壊して行く




「毒の霧か……若干の耐性があるとはいえ、長時間いるのは危険だな」
 ブラックタールながら褐色の肌に人の形を保つ術、戦闘術、一般常識などを獲得した心象創造・空蝉(接触者・f05647)が、ナノマシンドリンクボトルを飲み、ペイン・レリーヴ・バンドを自らに巻き付けて再生力と耐性を向上させ迷宮への突入準備を進めていた。
(ユーベルコードをマシンクラッシャーに使用し、最短距離を一気に駆け抜ける。仮に罠があっても、落とし穴等は跳躍、飛び道具は当たる前に駆け抜け、前方から障害物が来た場合は、そのまま砕きながら進む……よし、それで行けるな。問題はどこを進むかだが……)
 全てのトラップを回避し破壊しながら進む算段を立て、空蝉は進むべき道順を地図から見出そうとしていた。

 そしてその隣では西院鬼・織久(西院鬼一門・f10350)が怨敵を見るかのような殺意を持って、地図を眺めていた。
(迷宮という物は何故こうも面倒なのか。敵がいると分かっていれば尚更です。……ここは最短距離で突破しましょう)
 単純な迷宮とはいえ、それでも普通に踏破するには多少ごちゃごちゃした迷路にはなっているので、織久は軽く首を振ると思考を切り替える。
 最短距離で、と思考を纏め直し、織久は再び地図を見て最短距離を確認する。
「入り口はここです。出口がここなので……通れるならばこのルートが最短ですね」
 そう言って織久が指し示したのは、地図上でのシンプルな最短距離。
 壁も毒の濃度も何もかもを無視した、入り口から出口までの直進ルート。
 壁を破壊出来るならば、恐らくはそれが最短距離だろうと織久は算段をつけ、壁を壊せなければ普通に進もうと思考を纏めると、迷宮の中へ降りていくのだった。

「『ザ キー アンド ザ ゲート!(門にして鍵よ!)ビルトイン!(組み込み!)スタートアップ!(起動!)』」
 織久の後を追う様に迷宮へと歩を進める空蝉もまた、己のユーベルコードを発動させ、生み出した小型のエンジンを己が武器に搭載し、破壊力を高め、身支度は十分、と迷宮へ進んでいく。
「ん?」
 空蝉が迷宮へ降り立つと、先に降りていった織久は目の前に立ちはだかる壁の前に立ち、そっと手をむけ意識を集中させる。
「……『何人たりとも死の影より逃れる事能わず』」
 織久がユーベルコードを発動させると、織久の足元から黒い影が伸び、壁の向こう側にまで進んでいく。そして織久が意識を壁の向こう側へと向けた途端、至る所で響く爆発音。
 爆発による煙幕が落ち着いた頃、織久の目論見通り、目の前の壁には無数のひび割れ。
(これならば……いける)
 そこを怪力に任せ敵の鎧を砕くイメージで武器を打ち付ければ、ガラガラと音を立てて崩れていく壁だったもの。
 見れば視界の先にある壁にも同様のひびが入っている。
 ここがその状況であるのならば、出口までの壁全てに同様のひび割れが入っただろう。織久はそう判断すると、大きく息を吸い込み息を止めると、次の壁を壊すべく先へ進んでいった。
「……成る程な。確かに出口まで一直線に進んだほうが早いか」
 織久の意図を理解して、空蝉も織久の後を付いていく事にする。

 そこからは二人の独壇場だった。
 織久が壁を破壊して、空蝉がその先の壁を壊していけば、足を止める事無くどんどん先へと走っていける。
 織久の第六感で、前方から飛来する矢などの飛び道具の罠に気付けば、空蝉が矢を叩き落し、織久が罠の大本自体をユーベルコード『殺意の炎』で焼き払っていく。
 落とし穴などのトラップも、罠の発動を確認したならば後続が引っかからないようにと、物理的にしっかり破壊。

 そうして入り口から出口までの直通ルートを作り上げた挙句、至る所にあったはずの罠まで破壊し尽くした二人。
「これで後続も通るのが少しは楽になるだろう」
「帰りの道もこれで楽になりますね」
 妙な達成感に包まれながら、二人は毒の迷宮を後にした。


(伝説の剣取ってきたらいっぱい褒めてくれるのかな!?ボク頑張るから、取ってきたらたくさん褒めてもらおっと!)
 楽しげに迷宮踏破の準備をしていたフォートナム・メイソン(ロケットわんこ・f06179)は、突如響いた爆発音に驚きながら、何が起きたのかを確認しようと、慌てて辺りを見回した。
(あれ?)
 きょろきょろと辺りを見回すが、どれだけ見渡してもここに居るのは二人だけ。
(ここに転送された時には四人だったのに!)
 先に二人が進んでいったのを理解して、フォートナムも慌てて【ビルドロボット】で、出来るだけ空気が入る形の密閉された四輪駆動のロボットを作りだす。
「待ってー!」
 それに乗り込み迷宮へと降り立ったフォートナムの前には、もうもうと立ち込める、毒の霧とはまた何か違う煙。
「え、何?何も見えないよー。んー、えいっ!」
 毒による霞に加え、何かが巻き上がって起きた煙で視界が悪いその状況に、フォートナムは属性攻撃の光を天井に向けて打ち放つ。
 天井に着弾した光はそのまま定着し、迷宮内を微かに照らす光源になった。
「あれ?あんな道あったかな?」
 多少の光源で照らされ、時が経って煙幕が落ち着いたのか、先程よりはクリアになった視界に映ったのは、地図にあったはずの壁がなくなり、新しく生み出された出口までの一本道。
 地図に無いなら先行した誰かが作り上げたのだと、フォートナムが理解するまでに時間は掛からず、一番に出口に着いたら皆に褒めて貰おうと思ってたフォートナムは、先を越された事にしょんぼりと肩を落としながらも、それでもロボット内の酸素が切れる前に踏破しようと、辺りに注意を払いながら新しく出来たその道を進んでいく。

 あるはずの罠や、壊されて開かれたままの落とし穴トラップを横目に、出口まで辿り着くフォートナムはやはり出口にも誰も居ないのを見てがっくりと項垂れる。
 ロボットを解除して先へ進もうと思うものの、それでも誰かに褒めて欲しくて通ってきた道を振り返る。
「あのおねーさんは褒めてくれるかな?」
 まだここに来ていない猟兵の少女を思い出し、褒めて貰えそうな事は何も無いかもしれないけれどと思いながら、最後に褒めてくれそうな人を待つべくフォートナムはその場に留まるのだった。


「迷宮の奥の『伝説の剣』を獲ってくるとか、いかにも冒険という感じね。わくわくするわ」
 だからこそ、学園生徒を引き寄せるとも言えるんだけど。と黒木・摩那(冥界の迷い子・f06233)は納得しながら
「そんな生徒たちには悪いけど、早く剣を手に入れて危ないオブリビオンに遭遇しないようにしないとね」
 先程から鳴り響く爆発音に気を取られながらも、それでも自分の準備は怠らずに摩那は地図を見やる。
「最初の関門は『毒の迷宮』。本音を言うと、毒を調べてちゃんと対策したいところだけど、毒の種類は千差万別。対策は難しそうですね」
 何せ今は毒の成分を調べる為の機材も薬剤もなければ、毒を分析している時間も無い。
 あまり時間を掛けてしまえば、ここの存在を知った学生達が来てしまうから。そうなる前に片付けなければと摩那は思案する。
「ここは一気に走り抜けるのが良さそうです」
 地図を確認すれば、正しい道を迷わずに進めるなら息を止めて走り抜ける事も可能なはず。
 毒のダメージなども考慮して、摩那は迷宮内での行動を決定すると、手持ちの唐辛子をひと舐めして、気合いを入れて走り抜けようと迷宮へ歩を進める。

「あ、あれ?」
 毒対策に水を含んだタオルを口元に当て、毒や敵の気配を警戒しながら『毒の迷宮』に摩那が足を踏み入れれば、そこには大分様変わりした迷宮の相貌。
 地下であるにも関わらず天井に張り付いた光源が辺りを照らし、そびえ立つ筈の迷宮の壁は無残に破壊され、開けた視界の先には迷宮の出口がおぼろげに見える。
「さっきの爆発音、これだったのね……」
 どこか拍子抜けしながらも、摩那は警戒を緩めずに新しく出来た道を見る。
 新たな道はまだ毒素が強く残っているのか、他の道に比べても霞が強い。
 それでも道はまっすぐで、見た感じの障害物等もなさそうで。
 摩那は迷いながらも、新しく出来た直進の道をまっすぐに駆け抜けていった。

 破壊された罠を乗り越え、開いたままの落とし穴を回避して進む摩那の視界に、迷宮の出口に座り込む人影を見つけて、摩那は意識を集中する。
「あれ?あの子……」
 出口で待っていたのは、先行していた筈のフォートナムで。
 摩那の姿をフォートナムも認識したのか、毒が来ない場所まで来た摩那の元に、どこか落ち込んだ様子で駆け寄ってくる。
「どうしたの?」
 先に行ってるとばかり思っていたフォートナムが待っていたので、この先に何か仕掛けがあるのかと、身体を緊張が走り抜ける。
 けれど続けられたフォートナムの言葉に、その緊張は霧散する。
「あのね、ボク明かりつけたの。ボク偉い?凄い?」
 どこか不安そうな、泣きそうなその言葉に褒めて欲しかったのかと納得し、摩那はよしよしとその頭を撫でる。
 言葉こそなかったものの、摩那のその手の温もりからフォートナムにも笑顔が戻る。
「この先が『影の迷宮』ね。さぁ、行きましょう」
「うん!」
 この先の『影の迷宮』を目指して、二人は迷宮の出口から次なる迷宮へと向かうのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 集団戦 『ドッペルゲンガー』

POW   :    心の模倣
【対象の目を見ることで思考を読み取り 】対象の攻撃を予想し、回避する。
SPD   :    体の模倣
戦闘中に食べた【対象の血肉 】の量と質に応じて【捕食した対象の姿を模倣し】、戦闘力が増加する。戦闘終了後解除される。
WIZ   :    技の模倣
対象のユーベルコードに対し【対象の動きを模倣し同じユーベルコード 】を放ち、相殺する。事前にそれを見ていれば成功率が上がる。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。



 次なる『影の迷宮』に足を踏み入れた猟兵達。
 その名の通り薄暗い闇に覆われた迷宮ではあるものの、何故か敵の気配を感じにくい。
 先程の『毒の迷宮』で使われた光源が微かとはいえ『影の迷宮』を照らしている筈なのに、そこに居る筈の敵の姿が見えないのはどういう事か?
「どうなってるんだ?」
 不審に思った一人の猟兵が一歩足を踏み入れた時、影から蠢くものが猟兵を襲った。
 その攻撃を慌てて回避し視線を動かすと、闇の中微かに蠢く一体のドッペルゲンガーの姿。
「っ……成る程。明かりでこちらの位置を把握して、自分は闇に紛れて不意打ちをするってか」
 おまけに光に目が慣れている間は、暗闇に隠れているドッペルゲンガーの存在にも気付きにくい。
 幸いとでも言うべきか。この迷宮の闇は、慣れれば歩くのにも戦うのも支障はないとグリモア猟兵より告げられている。
「グリモア猟兵の言葉に従って、ここは光源を使わずに闇に目を慣らしてから進んでいった方が賢明だな」

 そうして『毒の迷宮』の光源が消え、辺りが再び薄暗くなってから闇に目を慣らし、暗闇での視野が取れるようになってから、猟兵達は次の迷宮『影の迷宮』へと進んでいくのだった。
心象創造・空蝉
SPDを選択
(先に攻撃を喰らって)ほう、なるほど。相手の血肉を摂取して、その姿を模倣するのか。厄介な相手だ。しかし、オレの"この" 姿を真似たか。今のオレは人型だ。従って、模倣した敵の視界は前にしかない。そこを突かせてもらう。ナノマシンドリンクボトルを摂取し、敵の攻撃を正面からわざと受け、組み付きを試みる。敵は逃げようとするだろうが、その隙にユーベルコードを発動、【不定形少女】を召喚し、背後から敵を包み込ませ、敵の胴体部分だけ空洞を作らせる。(包み込んだ部分は徐々に溶解する)そして胴体部分に餓喰剣を突き刺し、生命力を一気に吸収する。(戦闘終了後、少女の頭を撫で、自身の中に戻らせる)




「ほぅ、来たか」
 暗闇の中を歩く心象創造・空蝉(接触者・f05647)は、蠢く影の気配を感じ取った。
 だがそれでも気にする事無く空蝉が歩を進めていけば、その影は背後にも目が有るかのような動きで空蝉の存在に気付き、その黒い触手を空蝉目掛けて伸ばしていく。
「っ……」
 だがそれでも空蝉はその攻撃を避けずに、そのまま受け止める。
 空蝉の肩を貫いたドッペルゲンガーは、その血肉を味わうかのように吸収すると、徐々にその姿を空蝉と同じものへと変えていく。
「ほう、なるほど。相手の血肉を摂取して、その姿を模倣するのか。厄介な相手だ。しかし、オレの"この" 姿を真似たか」
 空蝉の言うように、ドッペルゲンガーが真似たのは『赤い瞳、灰色の髪、褐色の肌』を持つ空蝉の姿。
 だが、空蝉は人間ではなくブラックタール。今の人型は、維持する術を見出したある意味仮初の姿に過ぎない。
「これで、お前の視界は前にしかない訳だな」
 空蝉が戦闘の構えを取れば、ドッペルゲンガーも同じ構えを取る。
「成る程。ならば……」
 姿だけでなく戦闘パターンも模倣するのかと思い、空蝉はアイテム袋からナノマシンドリンクボトルを取り出して摂取する。
 再生力が爆発的に向上する膜を、皮膚に纏う飲用型のナノマシンを服用し、空蝉はそのまま自身の姿を取ったドッペルゲンガー目掛けて走りこんだ。
「!?」
 流石に姿は模倣出来ても、思考までは模倣出来なかったのだろう。
 不意に間合いを詰めてきた空蝉に、困惑した表情を浮かべたドッペルゲンガーの間合いに入り込むと、そのまま組み合う体勢となる。
「く……」
「逃がすと思うのか?……『顕現せよ、我が親愛なる眷属よ。むぐるうなふくとぅるー』」
 何とか間合いを取ろうと退避しようとするドッペルゲンガーを押さえ込んで、空蝉はユーベルコードを発動させた。
 するとドッペルゲンガーの背後に顕現する、【不定形少女】。
 現れた少女はそのままドッペルゲンガーを包み込み、空蝉の狙い通りドッペルゲンガーの胴体部分に空洞を生み出させた。
「かは……」
 少女が離れた時、空蝉と同じ姿をしたドッペルゲンガーは空洞化した胴体に手を当て呻いていたが、空蝉はその空洞に餓喰剣を突き刺し、その残ったドッペルゲンガーの生命力を奪っていく。
「が……」
 そのまま泥のようになって消えていくドッペルゲンガー。
 確実に消え去ったのを確認してから、呼び出した少女の頭を撫でる。
「協力してくれて、ありがとな」
 頭を撫でられた少女は、はにかみながら空蝉の中へと戻っていった。

成功 🔵​🔵​🔴​

西院鬼・織久
【POW】
【心情】
敵であれば加減は無用
暗闇で見えないなら全て燃やし刻めば良いのです

【行動】
「視力」「暗視」で味方の位置を確認
巻き込まないように注意
「第六感」も働かせ予想外の事態に対応できるように

【戦闘】
「殺意の炎」と「なぎ払い」による「範囲攻撃」で先制
敵がこちらに視線を向ける際に「残像」を残し「ダッシュ」で突入
範囲攻撃に当たらなかった敵一体に向けて「影面」を使用
命中したら対象を「怪力」で振り回し周囲の敵を「なぎ払い」
拘束がとけるか攻撃に当たっていない敵が反攻に出る前に対象を解放
「ダッシュ」の勢いを乗せた「串刺し」、足りなければ「二回攻撃」で「傷口をえぐる」
近付いてくる敵は「殺意の炎」で牽制する




「敵であれば加減は無用。暗闇で見えないなら、全て燃やし刻めば良いのです」
 西院鬼・織久(西院鬼一門・f10350)は暗視で敵の存在を確認しながら、慎重に先に進んでいた。
「……この先ですか」
 第六感で敵の気配を感じ取れば織久は歩みを止め、敵が蠢く気配を探る。
 この先を曲がった所に居る。それを感じ取って織久はユーベルコードを発動させる。
「『我等が怨念尽きる事なし』」
 織久から放たれる『黒い炎』が、その先に居るドッペルゲンガー達に襲い掛かり、その影を焼き払った。
「ギッ!?」
「ギギッ」
(敵は二体ですか)
 聞こえた敵の鳴き声から、敵の数を把握する。手にした武器で敵を群れを薙ぎ払うなら、手に伝わる確かな手応え。
 ダメージを与えた目の前の敵ではない、背後から感じる殺気に織久が視線を向ければ、もう一体のドッペルゲンガー。
「ギギギッ!」
「もう一体居ましたか……『何人たりとも死の影より逃れる事能わず』」
 背後から襲い来るドッペルゲンガーの襲撃にも動じずに、織久は別のユーベルコードを発動させ、織久から伸びた黒い影がドッペルゲンガーを包み込み、派手な爆発音を響かせる。
「ギイイィィッ」
 黒い炎に焼かれ、不意打ちを受けたドッペルゲンガーも体勢を整え反撃に出ようと試みるが、その前に更なる速度で体勢を整えた織久が武器を薙ぎ払い、その一撃で三体居た内の二体がどろどろに溶けながら消滅していく。
「ギギ……」
「これで終わりです」
 織久は最後の一体に向けダッシュの勢いを乗せ、暗闇でも見えやすいドッペルゲンガーの白い目を目掛けて武器を突き出す。
「ギーーーー!!」
 目を串刺しにされながらも、先程のドッペルゲンガーの様に消滅はしない。
 ならば、ともう一度武器を引き抜き、血塗れとなったそこをもう一度突き刺し、傷口をえぐるように武器を捻り上げた。
 それが止めとなったのか、ドッペルゲンガーは先程と同じ様にどろどろに溶けながら消滅していく。
「……敵の気配はなくなりました。このまま先に進みましょう」
 敵の気配が消えたのを確認して、織久は影の迷宮を先へと進んでいくのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

黒木・摩那
★ドッペルゲンガーを倒して迷宮突破する

前の迷宮みたいに明かりが光々と照らされた影の迷宮になるかと思ったら、
そうはさせじと何かいるわけね。
さすがに楽にはさせてもらえないようですね。

ここは暗さに目を慣らしてから迷宮に向かいます。
地図はあらかじめ電脳ゴーグルに読み込ませているので、
方向指示はナビにお任せするとして。

残る問題はドッペルゲンガーです。
不意打ちは第六感で察知するとして、
あとは反撃でサイキック・ブラストを叩きこみます。
地味にプチプチ潰していきます。

今度は前みたいに道路ができてる、というのは無さそうですね。




「前の迷宮みたいに明かりが照らされた『影の迷宮』になるかと思ったら、そうはさせじと何かいるわけね。流石に楽には進ませて貰えないようですね」
 黒木・摩那(冥界の迷い子・f06233)は薄暗いままの『影の迷宮』を見て苦笑する。
 彼女が通ってきた『毒の迷宮』は、薄暗いはずの地下を煌々と照らしていた光源に、何者かが破壊した壁らしい残骸を残し、その場にあったと思われる罠が全て破壊された、迷宮らしさを何も感じさせない出口までの楽な一本道と化していた。
「今度は前みたいに道路ができてる、というのは無さそうですね」
 暗さに目を慣らしてから、摩那は迷宮の入り口から迷宮の内部を覗き込む。
 だが今回は出口までの道路は作られていなかったようだ。
「それなら仕方ないですね。今回は普通に進みましょうか」
 そう決意すると摩耶はゴーグルを装着し、慎重に迷宮の中へと足を踏み入れる。
 地図はあらかじめ電脳ゴーグルに読み込ませているので、ナビは的確に出口への道を示してくれる。
 摩耶はそれに従い指し示された方角へと進んでいくだけ。
「えっと、次はここを曲がって……!?」
 曲がり角を曲がった途端に感じ取った殺気に、慌ててその場を離れれば、立っていた場所を掠めるように動く影。
「そこね!」
 摩那が蠢く気配を感じ取って、ユーベルコードを発動する。
 両掌からバチバチッと目に見えるだけの高圧電流を蠢く影に放つと、一瞬光った道の向こうに見えたのは、「ギギギッ」と鳴き声をあげながらバチバチと感電しているドッペルゲンガーの姿。
「これでどうですか!」
 感電して動けないドッペルゲンガーに、摩那は武器を振り下ろす。
 回避する術の無いドッペルゲンガーはその攻撃を直に喰らって、摩那の目の前で溶けて霧散していった。
「ん、これで大丈夫ですね。さあ、次です!」
 次なる敵を警戒しながら、摩耶は薄暗い迷宮を進んでいくのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

メーティオル・スター
ああ、まだ右腕がピリピリする…。
誤射とかしちゃったら洒落にならないんだけどな。

とりあえず破れた宇宙服は脱いで軽装に。
あ、後でちゃんと回収するつもりだからね。
宇宙服一着丸々を捨てられる余裕なんてうちにはないし!

それでもって、暗闇の中、目を凝らして進んでいくわけだけど。
ドッペルゲンガーから不意打ちを受ける直前に、局所的未来予測システムが発動!
攻撃される未来を視てから回避して、クイックドロウで銃弾を叩き込む!

それにしても…なんで未来が視えるのか、相変わらずよくわからないんだよなー。
致命傷を負う場面だけじゃなくて、たまには良い未来も見せてくれればいいのに。




「ああ、まだ右腕がピリピリする…。誤射とかしちゃったら洒落にならないんだけどな」
 先程の『毒の迷宮』で受けた右腕の痺れを確認しながら、メーティオル・スター(屑鉄漁りの見習い冒険者・f05168)は破れた宇宙服を脱いで動きやすい軽装に着替える。
 宇宙服は迷宮の入り口の分かりやすい場所へ置いて、ここなら大丈夫だと笑顔を浮かべるメーティオル。
「ここに置いておけば、帰りにちゃんと回収出来るでしょ。宇宙服一着丸々を捨てられる余裕なんてうちにはないし!」
 誇っていいのか?という内容を誇らしげに言い切るメーティオルは、闇に目を慣らしながら迷宮内に入っていく。
 暗闇の中、目を凝らして敵を探しながら進んでいくメーティオルだが、それでも不意打ちされるかもという不安は拭い切れない。
「やっぱり暗いな。こんな所で不意打ちなんかされて、ちゃんと避けられるかな……」
 うーん、と唸りながら進んでいくと不意にメーティオルの脳裏に広がる光景。
 今のペースで進んで、そこの角を曲がった途端に襲われる敵からの攻撃。そしてその攻撃に貫かれ大ダメージを受ける自分の姿。
 メーティオルの脳裏に浮かんだその光景は、メーティオルのユーベルコード・局所的近未来予測システム(キョクショテキキンミライヨソクシステム)が見せた少し先の未来の映像。
「あー……ここで襲われるのか」
 曲がる前の一瞬に見えたその映像に、それが分かれば十分とメーティオルは角を曲がるタイミングでスピードを上げ、走り込む形で自分を攻撃してきた敵の位置を目掛けて銃弾を叩き込む。
「ギィィィ!」
 流石に全ての攻撃をかわせずに無傷とはいかなかったが、それでも叩き込んだ銃弾は、不意打ちを仕掛けてきたドッペルゲンガーの身体を溶かす事には成功していた。大怪我を負う様に見えた自身の怪我も、かすり傷程度で済んでほっとしていると、再びメーティオルの脳裏に映像が浮かぶ。
 敵を倒して気を抜いている所を、背後からドッペルゲンガーに襲われ、更にその奥から現れたもう一体に襲撃されるというもの。
 それを見てメーティオルが慌ててその場を離れると、背後からドッペルゲンガーの黒い触手のような腕が、今まで居たその場を掠めていった。
「このおっ!」
「ギギ……」
 それでも脳裏に浮かんだ場所目掛けて銃弾を撃ち抜けば、その弾丸はそこに居たドッペルゲンガーを貫いて、その存在を溶かしていく。
「後は、そこ!」
 近くに居た一体の消滅を確認してから、その奥から現れたもう一体の存在を忘れずに、映像で見たドッペルゲンガーの現れた場所へと銃弾を撃ち込む。
「ギギギッ」
 撃った事による反応はあったがそれでも仕留め切れなかったのか、ドッペルゲンガーはメーティオルに絡み付こうと、その黒い腕を伸ばす。
 だがその腕がメーティオルに届く前に、メーティオルの銃弾はドッペルゲンガーを的確に撃ち抜き、その姿を闇に還していた。
 しん、と静まり返った迷宮内で、きょろきょろと敵の気配を探すメーティオルだったが、それらしき殺気も気配も感じなくなっていた。
「取り合えず、何とかなったかな?」
 盛大な溜息を吐いて気持ちを落ち着かせても、脳裏に自身が襲撃されるような映像が浮かぶ事はなかった。
「それにしても…なんで未来が視えるのか、相変わらずよくわからないんだよなー。致命傷を負う場面だけじゃなくて、たまには良い未来も見せてくれればいいのに」
 でも、致命傷を負う未来が見えるから大きな怪我を避けられてるし、良い未来ならば先に分からなくたって、起きたその時にはたまらなく嬉しいと思えるだろう。
 それを思えば、今のままでも良いのかな?なんて事を思いながら、メーティオルは先に進むのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

三条・姿見
・SPD

『影の迷宮』は敵に地の利がある点が厄介だ。
奇襲に備え、敵に遭遇するより前に
視認できる範囲で迷宮内の状況を把握しておこう。
特に物陰や不自然な隙間といった
敵が身を隠せそうな場所は確実に抑えておきたい。

勝算は…そこそこ、といったところか。

会敵後は【カレイドスコープ】で複製した
【忍者手裏剣】を放ち、敵を追尾する形で攻撃。
至近距離への誘導を狙い【サムライブレイド】による
一撃を叩き込むのが俺の作戦だ。
敵が眼前にいれば奇襲の心配もないからな

複製した手裏剣は個々に動かせる。
1枚は噛みつかれた場合の反撃用に残しておこう。

もし敵が“俺の姿”をしていたら?
全く問題はない。斬って捨てるだけだ


シャイア・アルカミレーウス
うえー……陰に潜むなんていやらしい敵だなあ。噂で聞くストーカーって奴かな?

(SPD)
この敵は死角から攻撃してくるのかな?だったら死角そのものを減らしちゃおう!
僕は「無色多職の夢幻未来」で「ジョブが盗賊の私」を召喚するよ!
「私」と背中合わせで迷宮を進んで、盗賊職の鋭い感覚で襲ってくるタイミングを感知してもらうね。
襲ってきたら、武器と盾で「武器受け盾受け」をして捕まえちゃおう!
捕まえてる間に「私」や他の猟兵くん達と連携してやっつけちゃおう!




「『影の迷宮』は敵に地の利がある点が厄介だ。奇襲に備え、敵に遭遇するより前に、視認できる範囲で迷宮内の状況を把握しておこう」
特に物陰や不自然な隙間といった、敵が身を隠せそうな場所は確実に意識しながら三条・姿見(鏡面仕上げ・f07852)は迷宮内を進んでいく。
 そんな姿見と共に行動するのは、シャイア・アルカミレーウス(501番目の勇者?・f00501)と、シャイアがユーベルコード・無色多職の夢幻未来(ナイトウィザード・アンリミテッド)で生み出した、「ジョブが盗賊」のもう一人の『シャイア』。
 三人で迷宮を進む中、敵の気配にピクリと反応した『盗賊職のシャイア』がスッと手を示して進行を止める。
「え?敵?」
 シャイアが辺りを探る中、姿見はユーベルコード・カレイドスコープで、手持ちの忍者手裏剣を複製し敵の襲撃に身構える。
「襲ってきたら、武器と盾で『武器受け盾受け』で捕まえちゃおう!それで、捕まえてる間に皆で連携してやっつけちゃおう!」
 ね!と二人?に意見を伝え、武器と盾を持ちシャイアが身構えていると、奥の影から蠢きながら姿を見せるドッペルゲンガー。
 そんなドッペルゲンガー目掛けて、捕まえようと走り込むシャイア。
「これで!」
 どうだ!と武器と盾で挟み込むも、まだ誰の姿も模していない、影の存在であるドッペルゲンガーは、うねうねと身を捩らせその隙間から抜け出すと、そのまま腕に当たるのか、目の横部分の黒い影をシャイア目掛けて伸ばし、その身を食い破ろうと動き出す。
「あ!」
 黒い影にシャイアが捕らえられるその刹那、ドンと誰かがシャイアを突き飛ばし、同時に飛来した忍者手裏剣が、伸ばされていたドッペルゲンガーの影を切り裂いた。
 本物のシャイアを突き飛ばした『盗賊のシャイア』は、そのまま腕を切られ動揺するドッペルゲンガーの懐に入り込みダガーを突き立てる。
 振り返る『盗賊のシャイア』。その先で体勢を整えたシャイアは、ダガーに貫かれ傷を負ったドッペルゲンガーに向けて、その武器を振り下ろした。
「ギギギッ」
 その一撃を避ける事も出来ずに、ドッペルゲンガーはどろどろに溶けて消えていった。


「まだだ」
「ギギギギ」
 飛来していた忍者手裏剣は投げた姿見の元に戻る前に、別のドッペルゲンガーを追いかけていた。
 姿見の念力で操作されている忍者手裏剣は、その重力に従い地に落ちる事も、壁に刺さって戻らないなどという事もなく、その動きは的確に二体のドッペルゲンガーを追い回していた。
「そこか」
 姿見はサムライブレイドを装着すると、一体のドッペルゲンガーの懐へと潜り込む。そのままサムライブレイドを振り切れば、斬られたドッペルゲンガーはそのままどろどろに溶けて消えていく。
「ギーーーッ!」
 もう一体をと振り返った姿見は、その腕に痛みが走るのを感じた。
 最後の一体が、反撃とばかりに噛み付いてきたのだ。
「ならば、ん?」
 噛み付かれた時用にと残しておいた忍者手裏剣で斬り捨てようとした時、黒い影だったドッペルゲンガーの姿が変わっていく。
 どこか痛みを抱えるような表情で姿見を睨み付けるドッペルゲンガー。
「そうか」
 自身の姿を取ったドッペルゲンガーに向けて、姿見は冷たい眼差しを向けた後、持っていた忍者手裏剣を振り下ろした。
 切り裂かれるドッペルゲンガー。その表情は驚愕に満ちていた。
「お前が“俺の姿”をしていようが全く問題はない。斬って捨てるだけだ 」
 その言葉を聞きながら、姿見の姿を取ったドッペルゲンガーはどろどろに溶けて消えていくのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

レガルタ・シャトーモーグ
フォム(f06179)と同行

レー君呼びには凄い不満そうな顔をするも
遊ぶな、戦闘に集中しろ、と口数少なめに囁く


ふん、影に潜んで不意打ちか
全く親近感の湧く奴らだな


影の迷宮に入る前から片目を閉じ迅速に闇に目を慣らす
敵の攻撃は【見切り】で回避
何度も攻撃するより、集めて一掃する方が効率がいいか

ファムは見えるのか?
なら丁度いい
好きに暴れて掻き回してこい
俺はあんたの背後に集まってきた奴らを叩く

鈴蘭の嵐が相殺されないように、一番多く釣れるタイミングまでは飛針とワイヤーで叩き落としながら攻撃していく

戦闘完了
分かった、わかった
いっぺんに喋るな…
よくやった…、と雑に頭を撫で

…伝説の剣とやらは、この奥か?


フォートナム・メイソン
レガルタ(f04534)と同行

ぐにゃぐにゃどろどろー?変な敵ー、おもしろーい!
レー君、アレ何ていうの?遊んでいいの!?

暗い場所みたいだけど【暗視】あるからボクは問題ないよ!凄いでしょ!
【怪力】【捨て身の一撃】[グラウンドクラッシャー]で力いっぱい敵を叩くね!目を狙うよ!
敵はどろどろで液体っぽいし【属性攻撃】で炎を付与して蒸発させようかな?
レー君が何かするなら合わせるね!えへへ、狼は群れで狩るっていうからね!

※【野生の勘】が働いたら本能に従い行動する

■勝ったら
勝ったー!わーい!褒めて撫でて!次何して遊ぶ?お散歩?ボール遊び?
どろどろ美味しいのかな?食べていい?
……そういえば、何しに来たんだっけ?




「ふん、影に潜んで不意打ちか。全く親近感の湧く奴らだな」
 レガルタ・シャトーモーグ(屍魂の亡影・f04534)は視界を凝らしながら迷宮を進む。多少目が闇に慣れたとはいえ、それでも日の中より見えにくいのは確かで。
「暗い場所みたいだけど【暗視】あるからボクは問題ないよ!凄いでしょ!」
 フォートナム・メイソン(ロケットわんこ・f06179)そんな暗闇の中でさえも視界は良好らしく、褒めてー!と言わんばかりにレガルタに申告する。
「フォムは見えるのか?なら丁度いい。好きに暴れて掻き回してこい。俺はあんたの背後に集まってきた奴らを叩く」
 まともに視界が開けていない自分よりも、暗視が効くフォートナムの方が探索には向いているだろうと、敵探しをフォートナムに一任し、レガルタは戦闘の準備を整える。
 すると突然、フォートナムが「あ!」と声をあげた。その声につられてレガルタが視線を向ければ、視界の向こうに蠢く影が見えた。
 闇に溶け込む黒い身体に、闇に浮かぶ白い目を持ったドッペルゲンガーだ。
「ぐにゃぐにゃどろどろー?変な敵ー、おもしろーい!レー君、アレ何ていうの?遊んでいいの!?」
 やや緊張感に欠けるフォートナムの言葉と「レー君」呼びに、凄い不満そうな顔を浮かべるも、今は敵を前にした戦闘中。
「遊ぶな、戦闘に集中しろ」
 と口数少なめに囁き、敵と対峙するレガルタ。
「はーい!」
 レガルタの言葉にフォートナムも臨戦態勢を整える。
 暗闇の中ドッペルゲンガーの群れの中に駆け込むと、怪力を生かして守りも省みずに、ユーベルコード・グラウンドクラッシャーを発動させながら力いっぱい敵に武器を叩き付ける。
 武器を叩き付けた衝撃で床はめり込み、バランスを崩すドッペルゲンガー。その体勢を崩したドッペルゲンガーの闇にも浮かぶような目を狙うように、フォートナムは炎を纏わせた武器で叩きつけていく。
「ギギッ」
 炎に焼かれ、蒸発するドッペルゲンガー。
「次いくもんね!」
 楽しげに次々と斬り捨てていくフォートナム。そんなフォートナムと背中合わせに、その攻撃を見切りながらレガルタは戦局を眺めていた。
(何度も攻撃するより、集めて一掃する方が効率がいいか)
 敵の位置、敵の数、それらを確認しながら自らのユーベルコードを発動させるタイミングを計り、自分達を取り囲んだドッペルゲンガーの位置を確認していた。
「よし、ここだ!」
 敵が動いて、自分の射程圏内に全てのドッペルゲンガーが収まったのを確認し、レガルタはユーベルコード・鈴蘭の嵐を発動する。
 舞い上がった飛針は無数の鈴蘭の花びらとなり、その花びらは射程圏内に居た全てのドッペルゲンガーを切り裂いた。
「ギギギ……」
 うめき声を上げながら切り裂かれた辺りの敵が全て溶けて消えた頃、巻き起こした花びらも跡形もなく消え去っていた。


「勝ったー!わーい!褒めて撫でて!次何して遊ぶ?お散歩?ボール遊び?どろどろ美味しいのかな?食べていい?」
「分かった、わかった。いっぺんに喋るな……良くやった」
 ぴょんぴょん跳ねながら嬉しさを爆発させるフォートナムに、照れ隠しかぶっきらぼうにフォートナムの頭を撫でるレガルタ。
 レガルタに頭を撫でられてご満悦のフォートナムだったが、その時レガルタの後ろで何かが動いたのを見て、野生の感がフォートナムに何かを伝えた。
「さて、この先は……」
「レー君!」
 レガルタが先に進もうとした時、レガルタのその眼前に繰り出される、フォートナムの渾身のグラウンドクラッシャー。
 その攻撃は壁を強く打ちつけ、もうもうと土埃を巻き上げた。
「な……危ないだろ!……あ?」
 いきなりの攻撃にフォートナムを咎め様と声を上げるが、土埃が落ち着き、多少クリアになったレガルタの視界に映ったのは、フォートナムの攻撃によって壁に潰された、一体のドッペルゲンガー。
「フォム、お前……」
 生き残りから自分を守ったのか?とレガルタが問いかけようとした時、フォートナムの攻撃でガラガラと崩れていく迷宮の壁。
「あーあ……迷宮壊して知らないぞ?って、あれ……」
 呆れた様に言うレガルタが感じたのは、その奥から立ち込めるもうもうとした熱気。

 大きな石造りの部屋とその入り口と思われる扉。
 そこから漏れる湿気、熱。

 サウナの様なその先こそが、『影の迷宮』を抜けたその先にあるといわれた『火の迷宮』。
「……そういえば、何しに来たんだっけ?」
 いきなり現れた風景に、目的を忘れたフォートナムは首を傾げながら呟くも、目的を忘れていなかったレガルタはそこが何なのかを理解していた。
「……伝説の剣とやらは、この奥か?」
(ここが、『火の迷宮』か……)
 目的の場所に辿り着いたのを確認して、二人は『火の迷宮』で待ち構えている筈のボスと対面すべく、次なる迷宮へと進んで行くのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『トレジャリーガード』

POW   :    ロケットパンチ
【剛腕】を向けた対象に、【飛翔する剛拳】でダメージを与える。命中率が高い。
SPD   :    コアブラスター
【胸部からの放つ熱線】が命中した対象を切断する。
WIZ   :    マジックバーレッジ
【自動追尾する多量の魔力の弾丸】により、レベルの二乗mまでの視認している対象を、【絶え間ない弾幕】で攻撃する。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠茲乃摘・七曜です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。



 薄暗かった『影の迷宮』を抜けた先、煌々とした光に照らされた、そびえ立つ石造りの頑丈な部屋と重厚な扉。

 その扉を開いて中に入れば、壁を伝う天井から漏れ出した水。サウナのように蒸し暑く、無駄に広いだけの部屋。その奥に視線を向けるならば、そこには熱で多少変形した扉、おそらくは『宝の間』への入り口だろう。
 そして今回の討伐目的対象でもある部屋の真ん中に鎮座する、魔導技術と蒸気機械の粋を集めて作られた、宝の番人・魔導ゴーレム『トレジャリーガード』。
 ギギギ、と重たい駆動音を鳴り響かせて猟兵達を認識するや、ガコンと右腕を猟兵達に向ける。

「……シンニュウシャ、ハッケン。タダチニ『クジョ』シマス」

 戦闘態勢を取ったトレジャリーガードに、猟兵達も戦闘態勢を整えるのだった。
心象創造・空蝉
POWを選択
「こいつが討伐対象の番人、魔導ゴーレムか。あの巨体とコアのエネルギー、奴の攻撃に当たれば致命傷は免れないな。」ナノマシンドリンクボトル+ペイン・レリーヴ・バンドで自動再生とダメージ軽減を獲得。マシンクラッシャーと魔弾拳銃で、動き回りながらコアを【スナイパー、クイックドロウ】で狙い撃つ。敵がロケットパンチを放ってきた瞬間にユーベルコードを発動、周辺の無機物、マシンクラッシャー、そして"敵の放った右腕"及び"敵の一部"を取り込み、人型ロボに変形する。「左腕だけでは、この一撃は受け止めきれまい!」【鎧砕き、怪力、捨て身の一撃】で敵のコア目掛け、取り込んだ右腕で全力の一撃を叩き込む!




 重たい駆動音を鳴り響かせ動き出すトレジャリーガード。

『……シンニュウシャ、ハッケン。タダチニ『クジョ』シマス』

 トレジャリーガードは右腕の剛腕を、真っ先に部屋に入った心象創造・空蝉(接触者・f05647)へと向け、ロケットのように発射する。
 飛来してきた剛拳を空蝉は手持ちの武器で受け止め軽くいなせば、トレジャリーガードは腕と剛腕を繋ぐ鎖を引き寄せて、飛ばした腕を回収していった。

「こいつが討伐対象の番人、魔導ゴーレムか。あの巨体とコアのエネルギー、奴の攻撃に当たれば致命傷は免れないな」
 それに当たった時に受けるだろうダメージを軽減するため、空蝉は再生力を上げるナノマシンドリンクボトルを服用すると、様々な痛みを和らげる包帯、ペイン・レリーヴ・バンドで自らを巻き上げていく。
「これでダメージ軽減と回復はいけるだろう。次に狙うのは……あれだな」
 敵が胸部から放つ熱戦を、マシンクラッシャーに乗り込み自らの位置を拡散しながら走り回る事で回避する空蝉。

 そして空蝉が狙うのは、先程飛ばして来たあの剛腕。

 空蝉が動き回るからだろうか、今度は追尾機能を持つ魔力を含む弾丸を放つトレジャリーガード。
「違うな……」
 中々剛腕でのパンチを繰り出さないトレジャリーガードに、痺れを切らしつつも追尾機能を持つ弾丸に当たるわけにも行かない空蝉は、魔弾拳銃で狙いを定め撃ち抜いていく。
「っ……」
 それでも全弾は撃ち落せずに何発かは掠めるが、それも先に服用したナノマシンボトルの効果で徐々に癒えていく。
「動き回るから打たないのか?なら、これならどうだ?」
 空蝉がマシンクラッシャーでの移動を停止し、トレジャリーガードの正面で待機する。
 すると狙い済ましたかのように剛腕を飛翔させるトレジャリーガード。
「やっと放ったな。『マテリアルサーチ(素材検索)!コレクトコンフォーム(収集適合)!コンプリート(適合完了)!創造合体!カオス・スクラップビルダー!』」
 空蝉はこれを待っていたと言わんばかりにユーベルコードを発動させる。
 そのユーベルコードは足場に転がってる壁の破片や、空蝉が乗っていたマシンクラッシャーだけでなく、飛来したトレジャリーガードの右腕すらも取り込んでいく。
「ガ……ガ……」
 何とか飲み込ませまいと、トレジャリーガードも右腕を回収すべく
腕から伸びている鎖を引くも、その鎖は無残にも引き千切られ、その右腕は空蝉が変形した人型ロボの一部と化していった。
 人型ロボになった空蝉は、右腕を失って動きがぎこちなくなっている隙を見逃さずそのまま駆け寄った。
「左腕だけでは、この一撃は受け止めきれまい!」
 鎧を砕くイメージで力に任せた全体重を掛ける一撃を、敵の胸部のコア目掛け叩き込む。

 その攻撃を察知したトレジャリーガードによって、胸部への全力の一撃は阻止されたが、胸部を庇うように動いた左腕には大きな亀裂が浮かぶのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

三条・姿見
・SPD

番人は居れども守る宝は朽ち果て、既に価値の無い代物……か。
……。
俺には関係のない話だ。依頼に応じ、番人を討つ。

敵の放つ熱線は強力だ。
だが、俺はそこに隙ができると踏んでいる。

この暑さ故に長居は不利だが、まずは敵の挙動を見極めるべきだろう。
速力【SPD】で回避行動をとりながら、
敵の『攻撃前の予備動作』および『攻撃間隔』をある程度掴んでおきたい。

こちらの体力に余裕があるうちに行動へ移す。
熱線射出直後のタイミングで敵へと全力で接近。
再度の熱線発射時に【残像】への攻撃誘導を狙っていく。
嵌れば僥倖。次の攻撃より先に至近距離まで接近し、
【カレイドスコープ】を展開。【忍者手裏剣】の全数発射を図る。




 派手な音を響かせながら爆発を起こすトレジャリーガード。
 ぐらりと体勢を崩すその動きを三条・姿見(鏡面仕上げ・f07852)はじっと見つめていた。
「番人は居れども守る宝は朽ち果て、既に価値の無い代物……か。……。俺には関係のない話だ。依頼に応じ、番人を討つ」
 思うところがあるのか何やら含みのある面持ちで呟くも、姿見は敵の動きを油断する事無く観察していた。
(敵の放つ熱線は強力だ。だが、俺はそこに隙ができると踏んでいる。この暑さ故に長居は不利だが、まずは敵の挙動を見極めるべきだろう)
 姿見に発せられるトレジャリーガードのコアブラスターは、腕をなくしてもその威力を衰えさせていない。
 いや、腕を無くしたからこそ他の攻撃手段で代替しようと、その威力を増してるようにも見える。
 何度も降りかかる熱線や魔法の弾丸を、持ち前のスピードで回避しながら、漸く姿見はトレジャリーガードの全ての動きを把握した。
「追跡機能のある弾丸で追い詰め、そこを狙って熱戦で焼き放つ。腕のロケットハンマーがない分、攻撃が単調になったのか」
 それでも破損し、使用してはいないが左腕はまだ健在だ。
 ロケットハンマーの動作にも気を付けながら動きを開始しようと、姿見は行動を起こすが、このサウナの様な部屋にずっと留まり、敵の動きを注視し、その攻撃を見切り続けていた姿見にも残る体力は少ない。
 ふらつく視界にトレジャリーガードの行動を映し出せば、またもや攻撃のモーションを取るトレジャリーガード。
「……次で、仕留める。『鏡像展開!』」
 トレジャリーガードが魔法の弾丸を生み出し、照射したタイミングで、姿見はふらつく頭を振りきり、ユーベルコードを発動する。
 生み出された忍者手裏剣を投げてその弾丸を爆発させると、次に来る胸部から放たれる熱線に構える。
 姿見の読み通り、胸部から熱線を発するトレジャリーガード。
「嵌れば僥倖。……どうだ?」
 残像を残し、敵の攻撃から身を翻す。トレジャリーガードの熱線はそのまま姿見の残像を焼き捨てた。
 それを好機とし、姿見はトレジャリーガードとの間合いに入り込み、至近距離で手にしていた忍者手裏剣を全数トレジャリーガードの胸部に叩き込む。
 頑丈なトレジャリーガードは、至近距離に居る姿見を焼き捨てようと熱線を放つも、既にそこには姿見の姿はなく。

 姿見の与えたその一撃は、確かに頑丈なトレジャリーガードの胸部に亀裂を生み出していた。

苦戦 🔵​🔴​🔴​

西院鬼・織久
【POW】
【心情】
あらゆる敵は全て我等が糧
とは言え血も苦痛もない敵は今一つ
せめて我等を喰らう程の敵であれ
我等自身の血肉と苦痛もまた糧となる

【戦闘】
攻撃の前兆や死角を「見切り」
避けられない攻撃のみ「武器受け」で受け流す
回避や防御は常に「カウンター」とセットで
攻撃の手数を増やす

「先制攻撃」は「影面」
爆破で牽制し「ダッシュ」の勢いを乗せた「串刺し」で強度を確認
硬いなら「殺意の炎」で表面を焼いて脆くできるか試す
その後「鎧砕き」で間接など可動部を破壊
装甲の破壊が可能なら「怪力」での「鎧砕き」「鎧無視攻撃」の「二回攻撃」
更に「傷口をえぐる」で内部機構を破壊する




 あちこち破損しているにも関わらず、痛みも何も感じずに動くトレジャリーガードに、西院鬼・織久(西院鬼一門・f10350)は一つ息を吐いて身構える。
「あらゆる敵は全て我等が糧。とは言え血も苦痛もない敵は今一つ。せめて我等を喰らう程の敵であれ。我等自身の血肉と苦痛もまた糧となる」
 どれだけ切り刻んでも痛みも感じず、どれだけ破損しようが苦痛もない。
 活動の止まるその瞬間ですら、死の恐怖を感じずに逝くのだろう。
 恐怖や苦痛といった負の感情を持たないトレジャリーガードが、せめて自分の望む強者たれと願うのは、それらの感情を望む織久の中の闇が見せる事なのか。

 織久はその武器を構え、トレジャリーガードに向けて駆け出し、そのユーベルコードを発動させる。
「『何人たりとも死の影より逃れる事能わず』」
 織久から伸びた黒い影がトレジャリーガードを包み込み、巻きついた剛腕の爆発を引き起こす。
 そのまま走り込んだ勢いそのままに、織久は持っている武器でその剛腕を貫く。
 既に亀裂が入っていたその腕は、織久の一撃によって脆くも粉々に砕けていく。
「ならばこちらはどうでしょう?」
 その手応えの感触そのままに、腕と胴部を繋ぐ可動部に武器を振り当てる。
 だが、そこのダメージは蓄積されていなかったのか、その攻撃ははじき返される。
「成る程……それならば」
 一歩離れ、踏み込む動作で勢いを付け、全力で可動部を斬り付ける。
 ピシリという亀裂音が響き、同じ場所をもう一度全力で斬り付ければ、トレジャリーガードの剛腕は胴体から離れ地面に落ちていくのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

メーティオル・スター
とうとうボスのお出ましだな。
蒸気機械は専門外だけど、部品の一つや二つくらいは持って帰れたりしないかな?

SPDで判定。
オレの勘だけど、胸部からの熱線はアイツにとっての必殺技ともいえる協力な武器のはず(ロボットアニメ的に)…!名前も"コア"で"ブラスター"だしな!

だから、しっかり狙うためには足を踏ん張る必要があるはずだし、そこに漬け込む隙がある!

アイツがコアブラスターの構えをとったら、先んじて膝の関節に全弾叩き込んで破壊する!

そうすれば、踏ん張れないアイツはオレをまっすぐ狙えずに、熱線もあらぬ方向に行く!…はず!


無理そうだったら尻尾まいて逃げよう。命あっての物種だしさ。




「とうとうボスのお出ましだな。蒸気機械は専門外だけど、部品の一つや二つくらいは持って帰れたりしないかな?」
 メーティオル・スター(屑鉄漁りの見習い冒険者・f05168)はトレジャリーガードの胸部から放たれる熱線を回避しながら、持ち帰れそうなパーツがないかを眺めるも、両腕は既に破壊され使い物にならないだろう。
 ならばとメーティオルが目を付けたのは、熱線を発射する胸部。
「オレの勘だけど、ロボットアニメ的にも、あの胸部からの熱線はアイツにとっての必殺技ともいえる強力な武器のはず!名前も"コア"で"ブラスター"だしな!」
 背中から発射されている多量の弾丸では、一撃必殺とはいかないだろうと発射される弾丸を撃ち落し見定めながら、敵の動きを確認していく。
(だから、しっかり狙うためには足を踏ん張る必要があるはずだし、そこに漬け込む隙がある!)
 胸部を開いて熱線を発射する。その瞬間が狙い時だ!
 そう踏んで、メーティオルはその時を待つ。

(アイツがコアブラスターの構えをとったら、先んじて膝の関節に全弾叩き込んで破壊する!そうすれば、踏ん張れないアイツはオレをまっすぐ狙えずに、熱線もあらぬ方向に行く!……はず!)
 無理だったら他の猟兵に任せて退散しよう。そう軽く考えていれば、心に掛かる重圧も多少は軽減されるだろう。
 そして、その時が訪れる。

 ガコンと胸部を開いて、熱線を放射するトレジャリーガード。
「今だ!」
 真っ直ぐに焼き払われる熱線。それを回避しトレジャリーガードの右足元に転がり込むと、メーティオルはユーベルコードを発動させる。
「『さっさと撃ちきって、次に行かせてもらう!』」
 コンマ何秒という速さで、メーティオルは装填してある全ての弾丸を膝の関節部へと叩き込む。
 繋ぎ目が破壊され崩れ落ちる右足。片足だけで動く事は出来ず、トレジャリーガードの機動力は奪った。
 それでも片足だけとはいえ、トレジャリーガードはバランスを崩す事無く、その場に鎮座し続けたのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

フォートナム・メイソン
レガルタ(f04534)と参加

わーい!ゴーレム格好良い!
ボクはフォムだよ!いっぱい遊んでね!

レー君がデバフを入れてる間は回避しつつ【力を溜める】よ!
準備ができたら、【鎧砕き】【怪力】【捨て身の一撃】[グラウンドクラッシャー]で腕を叩き潰すね!
【属性攻撃】で氷を付与して動きを鈍らせようかな?熱線を撃つのなら熱を下げちゃえばいいんだよ!
熱線の射線上に入らないよう注意しつつ、弾丸と腕は武器で叩き潰すよ!

※【野生の勘】が働いたら本能に従い行動する

■勝ったら
勝ったー!わーい!ゴーレム君からパーツ貰うよ!
帰ったらボクが直してあげるね!ロケットも付けてあげる!
あっ、剣探しに来たんだった!あっちにあるのかな?


レガルタ・シャトーモーグ
フォム(f06179)と同行

暑いのは、苦手だ…
さっさと済ませるぞ

フォムは暑いのに、よく元気でいられるな…

隠れ凌ぐ場所は、無いか…
正面から突っ込むのは好みじゃないしな
走って側面に回り込みながら
まずは咎力封じで戦力を削がせてもらう
狙いは弾幕を放つ砲塔
絶えず走って狙いを反らし、隙を突いて【2回攻撃】
ロックオンされたら、【見切り】と【オーラ防御】で回避に専念

フォムがゴーレムの注意を引きつけたら再度咎力封じ
その御大層な装備、片っ端から剥ぎ取ってやる
塵は塵に還れ、ポンコツ!

伝説の剣に興味はない
どうせ俺には使えないしな
持って帰りたいやつがいれば、好きにすればいいさ


黒木・摩那
★伝説の剣の獲得を宣伝する

今度のゴーレムはまた暖かそう……
ここを突破すれば、いよいよ『伝説の剣』とご対面できるわけね。
錆びてるらしいけど、それでもやっぱり見てみたいわね。

トレジャリーガードは火のゴーレムなので、水が効きそうです。
UCトリニティ・エンハンスで【水の精霊】をルーンソードに下ろして、
攻撃力UPに回します(属性攻撃)。

この迷宮、暑い……レザージャケット脱ぎたいけど、
火に強いから脱ぐわけにはいかないし(火炎耐性)。
早くゴーレム倒して、涼しくなりたい。

うまく伝説の剣を手に入れられたならば、
生徒たちが再びこの迷宮に挑戦しないように、
『伝説の剣』をゲットした写真を撮って、
学園新聞に投稿します。


シャイア・アルカミレーウス
うーん、見るからに固そうな奴だね……。でもここを越えればロマンはすぐそこだ!

(pow)
敵は大きくて固そうだし、剣よりも魔法の方が効きそうだね。
攻撃は杖からの魔弾で攻めようか。

敵の攻撃はロケットパンチが特に強烈そうだね、腕の向いてる方向には注意しておこう。
まともに攻撃を受けそうな人がいたら「盾受けと無敵城塞を合わせてかばう」よ!

相手に隙ができたら、「全力魔法+一斉発射の魔術師の咆哮」で大ダメージを狙おう!

討伐したら例の伝説の剣を学生君達に見せて上げようかな!
え、錆びてていらない?この良さが分からないのか……

(




「わーい!ゴーレム格好良い!ボクはフォムだよ!いっぱい遊んでね!」
「暑いのは、苦手だ……さっさと済ませるぞ。フォムは暑いのに、よく元気でいられるな……」
 元気いっぱいのフォートナム・メイソン(ロケットわんこ・f06179)に対して、サウナのような暑さに既にうんざりしているレガルタ・シャトーモーグ(屍魂の亡影・f04534)。
 それにしても、とレガルタは思う。
「あれ、格好いいか?」
 二人の前に立つトレジャリーガードは、既にその両腕を無くし、片足も破壊され、バランスを取りながら何とか立っているボロボロな姿になっている。
「帰ったらボクが直してあげるね!ロケットも付けてあげる!あっ、剣探しに来たんだった!あっちにあるのかな?」
 どうやら壊れている事などフォートナムには関係ないようで、戦闘が終わった後の事まで考えている余力はあるようだ。
「伝説の剣に興味はない。どうせ俺には使えないしな。持って帰りたいやつがいれば、好きにすればいいさ」
 方やレガルタは伝説の剣には興味がなさそうで、むしろこのサウナから早く脱出する為に、目の前のトレジャリーガードに注意を向けていた。

(隠れ凌ぐ場所は無いか……正面から突っ込むのは好みじゃないしな)
 ならばとレガルタは側面へと回り込み、ユーベルコードを発動させ、手枷、猿轡、拘束ロープを取り出す。
 既に機動力を奪われたトレジャリーガードに、回避能力がある訳がないと背中の砲塔目掛け拘束具を投げるも、側面から投げたそれを、狙った砲塔から発射する弾丸で撃ち落とすトレジャリーガード。
「マジかよ」
 回避能力がなくても、防衛機能は十分だ。そのまま発射した追尾機能付きの弾丸がレガルタを襲う。
「ちっ」
 追撃機能付きの弾丸だ。回避した所でそのまま方向を変えて再びレガルタを狙い動き出す。
「たあああ!」
 レガルタが追われている中、力を溜めていたフォートナムは、獣さながらの素早い動きでトレジャリーガードの懐へ入り込むと、ユーベルコードの力も加味した全力の一撃を、トレジャリーガードの胸部へと叩き込んだ。
「熱線を撃つのなら熱を下げちゃえばいいんだよ!」
 氷の属性を含んでいたその一撃が、胸部を大きく陥没させその装甲を凍らせていく。
 既に色々な攻撃のダメージが累積されていた胸部は、砲塔を包んでいた甲冑部分が氷に包まれながら剥がれ落ち、キラキラと光に反射しながら氷の粒子となって粉々に崩れていった。
 そこに投げられた、トレジャリーガードの動きを縛る様に絡みつく拘束具。
「その御大層な装備、片っ端から剥ぎ取ってやる!塵は塵に還れ、ポンコツ!」
 レガルタの投げた拘束具ががっちりと背中の砲塔をも絡め取っていた。


「この迷宮、暑い……レザージャケット脱ぎたいけど、火に強いから脱ぐわけにはいかないし。早くゴーレム倒して、涼しくなりたい。」
 サウナの様な蒸し暑さになっている迷宮に、火炎耐性を持つレザージャケットを着用している黒木・摩那(冥界の迷い子・f06233)は、更なる暑さに見舞われているのだろう。
「ここを突破すれば、いよいよ『伝説の剣』とご対面できるわけね」
 それでも『伝説の剣』との対面の瞬間の為にと摩耶はトリニティ・エンハンスで水の精霊をルーンソードに宿し、その威力を高める。
「トレジャリーガードは火を使うゴーレムなので、水が効くか試させて貰います」
 そう言って、摩耶は既に身動きの取れなくなったトレジャリーガードに斬りかかっていった。

「うーん、見るからに固そうな奴だね……。でもここを越えればロマンはすぐそこだ!」
 シャイア・アルカミレーウス(501番目の勇者?・f00501)も、伝説の武器との対面を待ち望んだ一人。
 剣と対面するためには、まずはそれを守るトレジャリーガードを倒さねばならない。
 その為にはまず、先行した摩耶のトレジャリーガードに対する攻撃を見て、自身の戦法を考える。
「敵は大きくて固そうだし、剣よりも魔法の方が効きそうだね。攻撃は杖からの魔弾で攻めようか」
 実際、摩耶の攻撃はダメージは与えられているものの、決定打としては今一つの状態。
 回避能力を奪われているとはいえ、その防御力は今だ健在。
 ここに到達する前に警戒していたロケットパンチは、既に誰かに破壊されたのか、ただの鉄くずになっていた。
「よし、それじゃあ伝説の剣に会いに行こう!」
 それならば、とシャイアはユーベルコードを発動させる。
「『難しいことは考えない!これが僕の全力全霊全開放!!!』」
 全ての魔力を一点に集約して、単純で重い圧縮された魔力弾をトレジャリーガードに叩きつける。
 その魔力弾がトレジャリーガードに触れた途端に起こる大爆発。
 もうもうと立ち込めた煙が収まった頃、その場に居た筈のトレジャリーガードの姿は何処にも無くなっていた。


「この先に『伝説の剣』があるのね。錆びてるらしいけど、それでもやっぱり見てみたいわね」
「この先にロマンが……!」
『伝説の剣』を目的にこんな最下層まで降り立った摩耶とシャイアは、妨害するゴーレムが居なくなったのを確認して、一目散に『宝の間』へと駆け込んだ。
 そんなぼろぼろになった戦場に残されたのは、フォートナムとレガルタ。
「ゴーレム、消えちゃった」
 落ち込みながら呟くフォートナム。勝ったらゴーレムのパーツを持ち帰って色々改造しようと考えていた彼女の前に広がるのは、強大な魔力によって破壊され砂塵と化したゴーレムの残骸のみ。
「無くなったんだから帰るぞ。それより剣はもういいのか?」
 伝説の剣探索に連れて来られたレガルタは、落ち込むフォートナムに声をかける。
「あ!『伝説の剣』!レー君も早く!」
 その声に思い出した様に飛び跳ねるフォートナム。先程までの落ち込んだ空気はどこへやらと、楽しげにレガルタを呼びながら『宝の間』へ慌てて走り去っていった。
「やれやれ」
 ため息を吐きながら、レガルタもフォートナムを追って『宝の間』へと歩を進めていった。

 猟兵達が『宝の間』に入れば、そこにはお約束の如く地に突き刺さった『伝説の剣』。
「これが……『伝説の剣』」
 摩耶は早速自分と、地面に突き刺さった『伝説の剣』が写った写真を撮り、学園新聞に投稿する記事を書き始める。
「『伝説の剣』を学生君達に見せて上げようかな!このロマンを欲した学生達にも伝えてあげなければ!」
 地に突き刺さった『伝説の剣』をシャイアが引き抜けば、確かに剣は錆びていて重い。
 元が蒸気機械ならば錆を落として直せば動くかとも思ったが、この年月によって発生したこの錆びて壊れた状態こそがロマンなんじゃないか!とシャイアは強調する。
 他にそこまで剣を求める物が居ないので、その剣はシャイアが持ち帰る事となった。

 手に入れた『伝説の剣』を大切に抱えながら、猟兵達は今まで進んできた迷宮を戻っていく。
 途中誰かの拾い忘れた宇宙服を回収して、『影の迷宮』、『毒の迷宮』を進んでいく。
 オブリビオンが消えたからだろうか『影の迷宮』に居たドッペルゲンガー達は姿を消し、『毒の迷宮』を満たしていた毒素も綺麗に消え去っていた。
 そしてグリモアベースから初めて飛ばされてきた地下倉庫へと辿り着くと、そこに誰かの気配と話し声。
「なぁなぁ、この先に『伝説の剣』が眠ってるらしいぜ!」
「何処まで本当か分かんないけど、行ってみようか!」
 どうやら学園の生徒達も、ここの場所を見つけたようだ。

 それでも生徒達を害するオブリビオンはもう居ない。
 それを思いながら、猟兵達は地下迷宮を後にする。

「あっ!お前ら!」
「『伝説の剣』なら、先に頂きました」
 驚愕の声を上げる生徒達に、摩耶は自慢げに答える。
「なんだと!」
「実物もあるよ!ほら!……あれ?」
 シャイアも嬉しそうにしながら、生徒達に実際の『伝説の剣』を見せようと大事に抱えていた『伝説の剣』を取り出すも、空気に触れた途端その剣はさらさらと砂へと姿を変えた。

 長年熱と蒸気にさらされ劣化していった伝説の剣。
 密閉された空間という、ある種時から切り離され風化から守られていた場所に置かれたその剣は、真新しい空気に触れた事でその時を進め、風化していった。
「剣まで消えちゃった……」
「ま、伝説は伝説のままにって事だろ」
 フォートナムの呟きに、レガルタはそう言い捨てる。
 伝説の剣の証拠として摩耶が撮った写真を見せ、そこに居たゴーレムとの戦いを語るシャイアが居て。

 強敵との戦いを終えた学園には、今日も平和が広がっていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年02月01日


挿絵イラスト