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さよなら、スタアゲイザー(作者 七転十五起
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 此処はサクラミラージュ、時刻は夜の8時を廻った辺り。
 今宵の帝都は夜更けにも関わらず、人手が多い。
 それもそのはず、今夜は天と地で盛大なスタアが煌めくめでたい夜。
 天上は満天の星々と天の川、そうだもうすぐ七夕だ。それに加えて、ナントカ座の流星群が流れるというのだから、市井の連中はしきりに夜空を見上げては、流れる光の軌跡に喜色溢れる声を上げていた。
 だが、地上の星も、流星群に負けないほど絶世の美しさを誇っている。
 なんせ、あの有名な遊郭の看板花魁こと『暁星(あけぼし)太夫』の花魁行列だ。
 此処半年で異例中の異例の大出世!
 古株の姐さん達を差し置いて、一気に頂点へ駆け上がっちまった稀代の美女。
 源氏名も、常に手にぶら下げた奇妙なラムプに由来するらしい。
 ホラ見てご覧よ、暁星太夫の星を見上げる憂い顔を。
 全く、絵になるったらありゃしないねぇ!

「……で、このランプが、問題の『籠絡ラムプ』ってわけだよっ!」
 グリモア猟兵の蛇塚・レモン(白き蛇神オロチヒメの黄金に輝く愛娘・f05152)が、予知の映像をグリモアから投影しながら、グリモアベースに集まってくれた猟兵達へ任務内容を伝達していた。
「籠絡ラムプは幻朧戦線が密かに市井にばらまいた『影朧兵器』で、所持者はランプの中に封じられた影朧を手懐けて、そのユーベルコードを自分のもののように利用しているんだよっ!」
 つまり、予知に出てきた暁星太夫は、籠絡ラムプの力で花魁の地位まで昇り詰めた。
 しかし、そのランプが影朧兵器だというのなら……。
「そうだよ。いずれ影朧は暴走して、使い手を含めた帝都の人々に多大な被害を及ぼすよ。そして、その暴走の時が、この後のイベントの最中に起きちゃうんだよっ! だから今回の任務は、暁星太夫の持つ籠絡ラムプの破壊だよっ! 結果、暁星太夫は全ての地位を失うことになるけど……そこは人命優先だし、影朧兵器の使用で裁きを受けることになるだろうね……っ?」
 して、どうやって籠絡ラムプを破壊するのか?
「いきなり花魁道中の列に突っ込んじゃ駄目だよっ! それこそ、こっちが暴漢扱いされちゃうからねっ? みんなは、籠絡ラムプが暴走する寸前まで、街中で情報収集するがてら、天体観測をして待機しててもらいたいなっ?」
 街の人々の噂を集めれば、暁星太夫の人となりが浮き彫りになるだろう。
 その噂を組み合わせれば、彼女が裏で良からぬことをしていると判明するはずだ。
 それを抜きにしても、帝都での天体ショウを純粋に楽しむのも良いだろう。
 七夕も近いため、早くも短冊で願いを書いて、幻朧桜に吊るす者達もいる。
「あとは、噂から導かれた暗部を暁星太夫に突き付ければ、彼女は暴走する影朧をみんなにけしかけてくるよっ! あとは影朧諸共、籠絡ラムプを破壊すれば一件落着だよっ! 色々と思うところはあるだろうけど、暁星太夫に正しい道を歩ませるためにも、みんなの力で事件を解決してほしいな……っ?」
 レモンのグリモアが輝きに満ちると、あっという間に夜更けのサクラミラージュの帝都へと転送されてゆく猟兵達。
 満天の星空と優雅な祭囃子、そして花魁道中。
 果たして、猟兵達は彼女を裁くのか、それとも、救うのか……?





第2章 ボス戦 『ただの女』

POW ●愛ってなぁに?
対象への質問と共に、【心臓 】から【血で具現化させた心の結晶】を召喚する。満足な答えを得るまで、血で具現化させた心の結晶は対象を【心を貪る血の刃】で攻撃する。
SPD ●心ってなぁに?
戦場全体に、【対象の心の淀み 】で出来た迷路を作り出す。迷路はかなりの硬度を持ち、出口はひとつしかない。
WIZ ●だぁれ?
【疑念 】の感情を与える事に成功した対象に、召喚した【血で具現化させた心の結晶】から、高命中力の【心を貪る血の刃】を飛ばす。
👑11

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は榎本・英です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 猟兵達は各々が集めた証拠を持ち寄り、花魁道中を征く暁星太夫の前に立ち塞がる。
 暴漢だと騒いで飛び出る男衆へ、暁星太夫は一喝。
「退きなんし! わっちは、この方たちと話する故、邪魔立ては不要でありんす」
 悟った表情で前へ進み出ると、しずしずと彼女は名乗りを上げた。
「暁星太夫と申すでありんす。以後、夜科に」
 その堂々とした存在感は、影朧の力がなくとも十分に発揮され、ただ力に縋っただけの愚者ではないことを猟兵たちに知らしめた。
「……で、仰っしゃりたいこと、はよう言ってくりゃんせ?」
 暁星太夫に促されるまま、猟兵達は集めた彼女の悪事の噂を問うた。
 ある者は彼女が殺人に関わっているのか、と。
 ある者は遊郭の関係者や客を脅しているのか、と。
 ある者は幻朧戦線との繋がりを問い掛けた。
 また、ある者は国の役人と結託して、何か悪事を働いているのか、とも。
「そんなの、ただの噂に過ぎないでありんす。ふふふ……」
 彼女は平然としているが、周囲のお付きの者達の動揺は激しい。
 明らかに暁星太夫よりも分かりやすい反応であった。
 だが、ある者が握りしてめいた赤い硝子のような結晶を見せ付けられた時、暁星太夫の表情が急に強張った。
「まさか……姐さん? よくも、しくじってくれたでありんすなぁ?」
 その声は怒りに震えていた。
 声は手元のラムプへ向けられていた。
 また、ある者は暁星太夫が呟いた内容を、一語一句間違えずに復唱してみせた。
 その瞬間、暁星太夫の血の気が急にサァ……と引いてゆく。
「そこまで、聞かれていたのでありんすか……!」
 わなわなと震える暁星太夫、突然、手に持っていたラムプを地面に叩き付けた!
「姐さん、元はと言えば、あんたがヘマしたから足が付いたでありんす! わっちの野望を邪魔するなら、もう姐さんは不要でありんす!」
 そう、彼女が叫んだ刹那。
 籠絡ラムプから、這い出てくるように出現したのは、青白い花魁だった。
「ひどぉい……わっちの力添えがなければ、そなたは未だに中見世の新造のままだったの言うのに。この……恩知らず……!」
 遂に影朧が暴走し、周囲の人々へ牙を向き始めた!
 突然の影朧出現に、現場は大混乱、恐慌状態に陥ってしまう!

「ねぇ? 愛ってなぁに? 心ってなぁに? わっちは……だぁれ?」